JP6331942B2 - 回転電機解析方法、回転電機解析装置、およびプログラム - Google Patents

回転電機解析方法、回転電機解析装置、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、回転電機解析方法、回転電機解析装置、およびプログラムに関し、特に、回転電機の固定子の形状と、焼嵌め、冷し嵌め、または圧入により当該固定子を固定するケースの形状と、を設計するために用いて好適なものである。
回転電機は、固定子(ステータ)と回転子(ロータ)とを備える。回転電機の固定や冷却を目的として、焼嵌めにより、リング状のケースで固定子を固定することがある。その方法の一例として、まず、加熱して膨張させたケースの内周面と、固定子コアの外周面とが相互に対向するように、固定子コアの外周側にケースを配置する。その後、ケースが冷却して収縮することにより、固定子コアがケースで締め付けられる。また、焼嵌めの代わりに、冷し嵌めが行われることがある。冷し嵌めでは、ケースを加熱して膨張させる代わりに、固定子コアを冷却して収縮させる。固定子コアの温度が上がると固定子コアが膨張するので、固定子コアはケースにより締め付けられる。さらに、焼嵌めの代わりに、ケースを固定子コアに押し込んで挿入し、摩擦力で固定子コアをケースに固定する圧入が行われることがある。
このような焼嵌め、冷し嵌めや圧入を行うことによってケースで固定子コアを固定すると、固定子コアのヨーク部に圧縮応力が印加される。固定子コアのヨーク部に圧縮応力が印加されることは、固定子コアの鉄損の増加の要因になる。
また、ケースの厚みが周方向において均一でないことがある。例えば、ハイブリット車(HEV:(Hybrid Electric Vehicle)用のモータや、電気自動車(EV:Electric Vehicle)用のモータのケース(例えば、焼嵌めリング)では、強度の確保や冷却水を流す流路を構成するために、厚みが周方向において不均一であることが多い。ケースの厚みが不均一であると、固定子コアのヨーク部に印加される圧縮応力の分布が非対称になる。このことも、回転電機の鉄損の増加の要因になる。
そこで、特許文献1には、固定子コアに印加される応力を考慮したうえで、固定子コアの鉄損を解析する技術が記載されている。
特許文献1では、固定子コアの領域を、複数の応力計算用微小領域に分割し、固定子コアの形状に係るパラメータ等に基づいて、各応力計算用微小領域に生じる応力を、有限要素法(FEM:Finite Element Method)を用いて解析する。また、固定子コアの領域を、複数の磁束密度計算用微小領域に分割し、B−H曲線等に基づいて、各磁束密度計算用微小領域に生じる磁束密度を、有限要素法等用いて解析する。
その後、各応力計算用微小領域に生じる応力と、各磁束密度計算用微小領域に生じる磁束密度とに基づいて、各磁束密度計算用微小領域における磁束密度の方向の応力を求める。そして、各磁束密度計算用微小領域における磁束密度と、各磁束密度計算用微小領域における磁束密度方向の応力とを、応力毎に設定されたB−W曲線に適用して、各磁束密度計算用微小領域の鉄損を求め、それらの総和から固定子コアの鉄損を求める。そして、鉄損を低減すべく、固定子コアの形状に係るパラメータを変更し、変更したパラメータに基づいて、応力の解析を繰り返し行う。このような繰り返しの解析の結果から、鉄損が最小になるときの固定子コアの形状を導出する。
特開2009−52914号公報
O.C.ツィエンキー ヴィッツ著、吉識雅夫、山田嘉昭監訳、「マトリックス有限要素法」、株式会社培風館、1984年9月 社団法人日本塑性加工学会編、「非線形有限要素法 −線形弾性解析から塑性加工解析まで」、株式会社コロナ社、1994年12月
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、応力の分布と磁束密度の分布との双方を求めるために、それぞれ有限要素法による数値解析を個別に行う必要がある。したがって、計算負荷が大きくなる。また、応力解析と電磁場・鉄損解析との双方について、有限要素法を用いた数値解析を行う場合には、専用の特殊なプログラムが必要になる。さらに、かかるプログラムを実行するための操作方法を、時間をかけて習得する必要がある。
以上のように特許文献1に記載の技術では、固定子コアおよびケースの形状を設計するために、時間と費用の双方をかける必要がある。
そこで、本発明は、回転電機の固定子コアおよびケースの形状を、低コスト且つ迅速に設計することができるようにすることを目的とする。
本発明の回転電機解析方法は、回転電機の周方向に沿って延在するリング状の部分であるヨーク部と、当該ヨーク部の内周端から回転電機の回転軸の方向に延在し、前記周方向において相互に間隔を有した状態で配置される複数のティース部とを有する固定子コアを、焼嵌め、冷し嵌め、または圧入を行うことによりケースで固定した際の、前記固定子コアの状態を解析する回転電機解析方法であって、前記固定子コアを前記ケースで固定した際に、前記ヨーク部における解析対象領域の各要素に生じる前記周方向の応力を、有限要素法を用いた数値解析を行って導出する応力解析工程と、前記各要素における前記周方向の応力を用いて、前記固定子コアのヨーク部における応力のばらつきの、当該応力の代表値に対する割合を示す応力分布指数を導出する応力分布指数導出工程と、を有することを特徴とする。
本発明の回転電機解析装置は、回転電機の周方向に沿って延在するリング状の部分であるヨーク部と、当該ヨーク部の内周端から回転電機の回転軸の方向に延在し、前記周方向において相互に間隔を有した状態で配置される複数のティース部とを有する固定子コアを、焼嵌め、冷し嵌め、または圧入を行うことによりケースで固定した際の、前記固定子コアの状態を解析する回転電機解析装置であって、前記固定子コアを前記ケースで固定した際に、前記ヨーク部における解析対象領域の各要素に生じる前記周方向の応力を、有限要素法を用いた数値解析を行って導出する応力解析手段と、前記各要素における前記周方向の応力を用いて、前記固定子コアのヨーク部における応力のばらつきの、当該応力の代表値に対する割合を示す応力分布指数を導出する応力分布指数導出手段と、を有することを特徴とする。
本発明のプログラムは、前記回転電機解析装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
本発明によれば、固定子コアをケースで固定した際に、ヨーク部における解析対象領域の各要素に生じる周方向の応力を、有限要素法を用いて導出し、導出した各要素における前記周方向の応力を用いて、固定子コアのヨーク部における応力のばらつきの、当該応力の代表値に対する割合を示す応力分布指数を導出する。したがって、電磁場解析および鉄損解析を行わなくても、固定子コアにおける鉄損を推定することができる。よって、回転電機の固定子コアおよびケースの形状を、低コスト且つ迅速に設計することができる。
回転電機解析装置の機能的な構成の一例を示す図である。 焼嵌めリングで固定された固定子コアの解析対象領域の一例を示す図である。 焼嵌めリングで固定された固定子コアの解析対象領域の具体例を示す図である。 固定子コアのヨーク部における周方向応力の分布の解析の結果の一例を示す図である。 リングモデル(固定子コアのヨーク部)における磁束密度の分布の解析の結果の一例を示す図である。 リングモデル(固定子コアのヨーク部)における鉄損の分布の解析の結果の一例を示す図である。 応力分布指数と磁化力比との関係の一例と、応力分布指数と鉄損比との関係の一例を示す図である。 回転電機解析装置の処理の一例を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。
図1は、回転電機解析装置100の機能的な構成の一例を示す図である。回転電機解析装置100のハードウェアは、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、および各種のインターフェースを備える情報処理装置、または、専用のハードウェアを用いることにより実現される。本実施形態では、焼嵌めにより焼嵌めリングで固定された、回転電機の固定子コアを解析対象とする。回転電機は、電動機であっても発電機であってもよい。
図2は、焼嵌めリング210で固定された固定子コア220の解析対象領域の一例を示す図である。
図2は、焼嵌めリング210で固定された固定子コア220を、回転電機の回転軸Oに垂直な方向に沿って切った断面を示す。このように、本実施形態では、回転電機の回転軸Oに垂直な断面(すなわち2次元)における解析を行う場合を例に挙げて説明する。
固定子コア220は、ヨーク部221と、複数のティース部222とを有する。
ヨーク部221は、回転電機の周方向に沿って延在するリング状の部分である。図2では、固定子コア220の領域のうち、仮想的に付している破線よりも外周側の領域がヨーク部221である。
ティース部222は、ヨーク部221の内周端から回転電機の回転軸Oの方向に延在する部分である。図2に示す例では、複数のティース部222は、回転電機の周方向に沿って等間隔に配置される。各ティース部222には、不図示の固定子コイルが巻き回される。
固定子コア220は、例えば、ヨーク部221とティース部222の形状に合わせて打ち抜かれた複数の電磁鋼板を積み重ね、当該積み重ねた複数の電磁鋼板を相互に固着させるにより形成される。ただし、固定子コア220は、回転電機として用いられる公知の固定子コアであれば、このようなものに限定されない。
以下に、回転電機解析装置100の各部が有する機能の一例を説明する。以下の各部は、例えば、CPUが、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより実現される。その際、CPUは、必要に応じてインターフェースとの通信を行う。
(解析条件入力部101)
解析条件入力部101は、解析条件(の初期値)を入力する。解析条件の入力形態としては、例えば、オペレータによるユーザインターフェースの操作、外部装置からの送信、および可搬型記憶媒体からの読み出しの少なくとも何れか1つが挙げられる。
まず、解析条件入力部101は、CAD(Computer Aided Design)モデルデータを入力する。CADモデルデータは、例えば、固定子コア220の大きさ・形状の情報と、焼嵌めリング210の大きさ・形状(周方向の各位置における厚み)の情報とを含む。
後述するように本実施形態では、焼嵌めによって固定子コア220に加わる応力を、有限要素法(FEM:Finite Element Method)を用いた数値解析により計算する。そこで、解析条件入力部101は、要素データを入力する。要素データは、例えば、固定子コア220の領域を分割することにより得られる各要素(メッシュ)の情報(要素の位置・形状・大きさ等)を含む。
また、解析条件入力部101は、材料物性データを入力する。材料物性データは、例えば、固定子コア220を構成する材料のヤング率、および、焼嵌めリング210を構成する材料のヤング率を含む。この他、必要に応じて、質量密度、摩擦係数、焼嵌め時の温度の情報、ポアソン比等の情報を材料物性データに含めることができる。
また、解析条件入力部101は、焼嵌め条件データを入力する。焼嵌め条件データは、例えば、焼嵌め代(焼嵌めリング210(の加熱前)の内径と固定子コア220の外径との差を示す値)の情報を含む。
また、解析条件入力部101は、境界条件データを入力する。境界条件データは、例えば、荷重境界条件および変位境界条件の情報を含む。
(応力解析部102)
応力解析部102は、前述した解析条件に基づいて、焼嵌めにより焼嵌めリング210で固定子コア220を固定した際に固定子コア220の各要素(メッシュ)にかかる応力であって、回転電機の周方向における応力を、有限要素法を用いた数値解析を行って導出する。この応力は(通常は)圧縮応力になる。また、応力解析部102は、焼嵌めリング210で固定子コア220を固定する(締め付ける)ことにより固定子コア220を保持する力(保持力)も同時に導出することができる。保持力は、固定子コア220の外周面における接触反力の総和で表される。具体的に保持力は、固定子コア220と焼嵌めリング210との間に発生する圧力を、固定子コア220と焼嵌めリング210との接触面内で積分した値になる。
これらの応力や保持力を計算する手法は、例えば、非特許文献1、2に記載されているように公知の技術で実現できるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。尚、以下の説明では、「回転電機の周方向における応力」を、必要に応じて「周方向応力」と称する。
(応力分布指数導出部103)
応力分布指数導出部103は、応力解析部102で導出された各要素(メッシュ)iにおける周方向応力σi[MPa]と、固定子コア220のヨーク部221の断面積S[m2]と、各要素(メッシュ)iの面積si[m2]とに基づいて、応力分布指数を導出する。応力分布指数は、固定子コア220のヨーク部221における応力のばらつきの、当該応力の代表値に対する割合を示す。ここで、固定子コア220のヨーク部221の断面積Sは、固定子コア220のヨーク部221の領域のうち、解析対象領域の面積である。すなわち、固定子コア220のヨーク部221の断面積Sは、全ての要素(メッシュ)の面積の総和になる。本実施形態では、応力分布指数導出部103は、以下の(1)式〜(3)式により、応力分布指数SDI[MPa]を導出する。
(1)式および(2)式において、Dσは、各要素(メッシュ)iの面積siを考慮した場合の、固定子コア220のヨーク部221の解析対象領域における周方向応力の分散である。すなわち、(2)式に示すように、分散Dσは、各要素(メッシュ)iの面積siで重み付けした場合の、各要素(メッシュ)iにおける周方向応力σiの2乗の加重平均値((2)式の右辺第1項)から、各要素(メッシュ)iの面積siで重み付けした場合の、各要素(メッシュ)iにおける周方向応力σiの加重平均値の2乗((2)式の右辺第2項)を引いた値である。尚、各要素(メッシュ)iの面積siが同じであれば、分散Dσは、各要素(メッシュ)iにおける周方向応力σiに対する重みを考慮しない分散と等価である。
また、(1)式および(3)式において、mσは、各要素(メッシュ)iの面積siを考慮した場合の、固定子コア220のヨーク部221の解析対象領域における周方向応力の平均値である。すなわち、(3)式に示すように、平均値mσは、各要素(メッシュ)iの面積siで重み付けした場合の、各要素(メッシュ)iにおける周方向応力σiの加重平均値である。尚、各要素(メッシュ)iの面積siが同じであれば、平均値mσは、各要素(メッシュ)iにおける周方向応力σiに対する重みを考慮しない平均値(すなわち算術平均値)と等価である。
(2)式および(3)式において、iは、要素(メッシュ)を識別する変数[−]である。siは、要素(メッシュ)iの面積[m2]である。
<応力分布指数SDI>
ここで、本発明者らが、応力分布指数SDIを採用する際に得た知見について説明する。
図3は、焼嵌めリングで固定された固定子コアの解析対象領域の具体例を示す図である。尚、図3でも、図2と同様に、焼嵌めリングで固定された固定子コアを、回転電機の回転軸に垂直な方向に沿って切った断面を示す。図3において、相対的に濃いグレーで示している領域が焼嵌めリングであり、相対的に薄いグレーで示している領域が固定子コアである。
図3A〜図3Iに示す固定子コアは全て同じものである。解析対象の固定子コアの外径φ1を200[mm]、ティース内径φ2を131[mm]、スロット奥径φ3を173[mm]とした。図2に示すように、ティース内径φ2は、固定子コアの外径φ1から、固定子コア220のヨーク部221およびティース部222の径方向の長さの和の2倍の長さを引いた長さである。スロット奥径φ3は、固定子コアの外径φ1から、固定子コア220のヨーク部221の径方向の長さの2倍の長さを引いた長さである。また、固定子コアの材質を、35A300とした。
図3Aに示す例では、周方向における厚みが14[mm]で一定の焼嵌めリングを用いた。図3B〜図3Iでは、それぞれ図示するように、周方向における厚みが厚い部分と薄い部分とを有する焼嵌めリングを用いた。尚、図3Eにおいて、破線で示す部分の狭角は全て10[°]であり、広角は全て20[°]である。図3B〜図3Iの何れの焼嵌めリングにおいても、周方向における厚みが厚い部分の厚みを18[mm]とし、周方向における厚みが薄い部分の厚みを12[mm]とした。
また、図3A〜図3Iの何れの焼嵌めリングにおいても、内径φを(200−δ)[mm]とした。δは、焼嵌め代[mm]である。
図3Aに示す例では、焼嵌め代δを0.1335[mm]とした。この条件で図3Aに示す例における固定子コアに生じる保持力を有限要素法で計算した。この保持力と同一の保持力が得られるように、図3B〜図3Iに示す例における焼嵌め代δを調整した。
以上の条件で、図3A〜図3Iに示すそれぞれの例について、固定子コアのヨーク部における周方向応力の分布を、有限要素法を用いた数値解析を行うことにより導出した。
図4は、固定子コアのヨーク部における周方向応力の分布の解析の結果の一例を示す図である。具体的に図4(a)は、図3Aに示す例での解析の結果を示し、図4(b)は、図3Bに示す例での解析の結果を示す。
図4に示す結果から、固定子コアのヨーク部における周方向応力の平均値は、図3Aに示す例でも、図3Bに示す例でも、−33.6[MPa]となり、同一の値になった。しかしながら、図4(b)に示すように、周方向における厚みが不均一である焼嵌めリングを用いた図3Bに示す例では、図3Aに示す例(図4(a))と比較して、固定子コアのヨーク部における周方向応力の、周方向における分布が不均一になることが分かる。
次に、図3A〜図3Iに示すそれぞれの例における固定子コアからティース部を除いたリングモデル(固定子コアのヨーク部)における、磁束密度の分布、磁化力(磁界強度)の分布、および鉄損の分布を、特許文献1に記載の手法により、有限要素法を用いた数値解析を行うことにより導出した。
その際、図4に示したようにして解析した周方向応力をリングモデルに与えることとした。また、励磁周波数を200[Hz]として、固定子コア内の磁束密度の平均値が1.0[T]になるように調整した励磁電流をリングモデルに与えることとした。
図5は、リングモデル(固定子コアのヨーク部)における磁束密度の分布の解析の結果の一例を示す図である。具体的に図5(a)は、図3Aに示す例での解析の結果を示し、図5(b)は、図3Bに示す例での解析の結果を示す。
また、図6は、リングモデル(固定子コアのヨーク部)における鉄損の分布の解析の結果の一例を示す図である。具体的に図6(a)は、図3Aに示す例での解析の結果を示し、図6(b)は、図3Bに示す例での解析の結果を示す。
計算負荷が大きくなる等の理由から、一般に、焼嵌めにより固定子コアに印加される応力の、固定子コアの鉄損に対する影響を評価する際には、焼嵌めリングの周方向における厚みを均一にしている。これに対し、本発明者らは、実際の焼嵌めリングの厚みが周方向において均一でないことに着目し、以上のような解析を行った。その結果、以下のような知見を得ることができた。
図3Aに示す例(周方向において厚みが均一なリングモデル)における解析の結果から得られた励磁電流、鉄損値をそれぞれ1とした場合の、図3Bに示す例(周方向において厚みが不均一なリングモデル)における解析の結果から得られた励磁電流、鉄損値である励磁電流比、鉄損比は、それぞれ1.12、1.02であった。このように、本発明者らは、焼嵌めリングの形状を変更するだけで、固定子コアの励磁電流および鉄損が増加するという知見を得た。
また、本発明者らは、図4(b)と、図5(b)および図6(b)に示すように、図4に示す周方向応力の値が低い領域(大きな圧縮応力がかかっている領域)で、磁束密度および鉄損が増加するという知見を得た。
また、本発明者らは、図5(a)および図6(a)に示すように、磁束密度の分布が(周方向において)均一であると、鉄損の分布も磁束密度の分布と同じように(周方向において)均一になり、また、図5(b)および図6(b)に示すように、磁束密度の分布が(周方向において)不均一であると、鉄損の分布も磁束密度の分布と同じように(周方向において)不均一になるという知見を得た。すなわち、焼嵌めリングの周方向における厚みが一定でないと、磁束密度の分布と鉄損の分布が周方向において不均一になるという知見を得た。したがって、磁束密度の分布が鉄損の分布に大きく寄与することになる。
以上のように、固定子コアのヨーク部における圧縮応力の平均値が同じ(前述した例では−33.6[MPa])であっても、固定子コアのヨーク部における応力の周方向における分布が不均一になると、同一の磁束を流すのに必要な磁化力が増加するとともに、磁束密度分布が不均一となり、これにより鉄損が増加することになる。言い換えると、固定子コアのヨーク部における圧縮応力の平均値が同じであれば、圧縮応力の分布が小さい方が磁束密度の分布が生じにくいことになる。以上のことから、本発明者らは、固定子コア220のヨーク部221における応力のばらつきを小さくすることが、焼嵌めによる固定子コアの鉄損の増大量の抑制に効果があると考えた。
また、回転電機の用途等によって、固定子コア220のヨーク部221における応力の値が変わる。このため、固定子コア220のヨーク部221における応力のばらつきを、各要素(メッシュ)における応力の代表値で正規化することとした。
また、固定子コア220のヨーク部221における応力のばらつきおよび代表値を導出する際には、各要素(メッシュ)の大きさを考慮する必要がある。例えば、要素(メッシュ)iにおける周方向応力σiが同じ場合には、要素(メッシュ)iの大きさが相対的に大きい場合の方が小さい場合よりも、固定子コア220のヨーク部221における応力に大きく寄与する。
以上のことから、本発明者らは、(1)式〜(3)式に示すようにして応力分布指数SDIを導出することに想到した。
図7は、応力分布指数SDIと磁化力比との関係(図7(a))の一例と、応力分布指数SDIと鉄損比との関係(図7(b))の一例を示す図である。
ここで、磁化力比とは、図3Aに示す例での解析の結果から得られた(リングモデル全体における)磁化力を1とした場合の磁化力である。同様に、鉄損比とは、図3Aに示す例での解析の結果から得られた(リングモデル全体における)鉄損値を1とした場合の鉄損値である。
図7(a)および図7(b)に示すように、磁化力比ならびに鉄損比ともに、応力分布指数SDIとの相関が高いことが分かる。このように、応力分布指数SDIを導出することにより、磁化力や鉄損の解析(すなわち電磁場解析・鉄損解析)を行わなくても、固定子コアにおける鉄損を高精度に推定することができる。
また、図7(a)における点710a〜710iは、それぞれ図3A〜Iに示す例における値を示し、図7(b)における点720a〜720iは、それぞれ図3A〜Iに示す例における値を示す。この結果から、回転電機の回転軸を回転軸とした場合の焼嵌めリングの回転対称性の次数が大きい場合に、必ずしも応力分布指数SDIが小さくならないという知見を得た。
例えば、図3Cおよび図3Dに示す例の回転対称性の次数(=2、3)は、図3Bに示す例の回転対称性の次数(=1)よりも大きい。一方、図7(a)および図7(b)より、図3Cおよび図3Dに示す例における応力分布指数SDI(710c、710d、720c、720d)よりも、図3Bに示す例における応力分布指数SDI(710b、720b)の方が小さい(図3Cおよび図3Dに示す例よりも図3Bに示す例の方が鉄損および磁化力が小さい)。
したがって、焼嵌めリングの形状を対称性の観点から決定するのは、必ずしも適切ではないことが分かる。
(判定部104)
判定部104は、応力分布指数導出部103による応力分布指数SDIの導出を終了するか否かを判定する。
例えば、図3に示すように、焼嵌めリングの形状のみを異ならせた9通りの条件のそれぞれでの応力分布指数SDIを得る場合、解析条件入力部101は、これら9通りの条件(焼嵌めリングの形状)を入力する。このようにする場合、判定部104は、これら9通りの条件で、応力分布指数導出部103により応力分布指数SDIが導出されたか否かを判定する。
また、固定子コアの形状のみを異ならせた複数通りのそれぞれでの応力分布指数SDIを得る場合、解析条件入力部101は、これら複数通りの条件(固定子コアの形状)を入力する。また、固定子コアの形状と焼嵌めリングの形状との双方を異ならせた複数通りのそれぞれでの応力分布指数SDIを得る場合、解析条件入力部101は、これら複数通りの条件(固定子コアの形状および焼嵌めリングの形状)を入力する。これらのようにする場合、判定部104は、これら複数通りの条件で、応力分布指数導出部103により応力分布指数SDIが導出されたか否かを判定する。
尚、固定子コアの形状は、例えば、固定子コアのヨーク部の外周面の一部に切欠きを設けたり、固定子コアのヨーク部の一部の領域に穴をあけたり、固定子コアのヨーク部とステータ部との接続部分の曲率を変更したりすること等により変更される。
また、所定の制約を満足する範囲で応力分布指数SDIが最も小さくなる条件を探索する場合、例えば、数理計画法における最適化手法を用いて、応力分布指数SDIが最小となる最適解(例えば、焼嵌めリングおよび固定子コアの形状の少なくとも何れか一方)を導出することになる。尚、固定子コア等の形状の最適解の導出は、例えば、特許文献1等でも行われているように公知の技術である。以上のようにする場合、判定部104は、最適解が得られたか否かを判定する。
尚、応力分布指数SDIの導出を終了するか否かの判定方法は、前述した方法に限定されるものではない。
(解析条件変更部105)
解析条件変更部105は、判定部104により、応力分布指数SDIの導出を終了しないと判定された場合に、解析条件の一部を変更する。
例えば、図3に示すように、焼嵌めリングの形状のみを異ならせた9通りの条件のそれぞれでの応力分布指数SDIを得る場合、解析条件変更部105は、焼嵌めリングの形状を変更する。
また、固定子コアの形状のみを異ならせた複数通りのそれぞれでの応力分布指数SDIを得る場合、解析条件変更部105は、固定子コアの形状を変更する。
また、固定子コアの形状と焼嵌めリングの形状との双方を異ならせた複数通りのそれぞれでの応力分布指数SDIを得る場合、解析条件変更部105は、固定子コアの形状と焼嵌めリングの形状との少なくとも何れか一方を変更する。
また、所定の制約を満足する範囲で応力分布指数SDIが最も小さくなる条件を探索する場合、解析条件変更部105は、最適化計算のアルゴリズムに従って、条件を変更する。
尚、解析条件を変更する方法は、前述した方法に限定されるものではない。
応力解析部102は、解析条件変更部105で変更された解析条件に基づいて、焼嵌めにより焼嵌めリング210で固定子コア220を固定した際に固定子コア220の各要素(メッシュ)にかかる周方向応力を、有限要素法を用いた数値解析を行うことにより再度導出する。当該導出の方法は、前述した方法と同じである。そして、判定部104により、応力分布指数SDIの導出を終了すると判定されるまで、前述した応力解析部102、応力分布指数導出部103、判定部104、および解析条件変更部105における処理を繰り返す。
(出力部106)
出力部106は、判定部104により、応力分布指数SDIの導出を終了すると判定されると、応力分布指数導出部103により導出された応力分布指数SDIを出力する。出力の形態としては、例えば、コンピュータディスプレイへの表示、外部装置への送信、可搬型記憶媒体への記憶、および回転電機解析装置100内の記憶媒体への記憶の少なくとも何れか1つが挙げられる。
例えば、オペレータにより設定された複数通りの条件のそれぞれでの応力分布指数SDIを得る場合、出力部106は、これら複数通りの条件における応力分布指数SDIを、当該応力分布指数SDIがどの条件の値であるのかが特定できる状態で出力する。
この場合、オペレータは、複数通りの条件における応力分布指数SDIのうち、最小の応力分布指数SDIが得られた条件に基づいた、焼嵌めリングおよび固定子コアの構成が、当該複数通りの条件の中で最適な構成であると判断することができる。
また、所定の制約を満足する範囲で応力分布指数SDIが最も小さくなる条件を探索する場合、解析条件変更部105は、最適解(例えば、焼嵌めリングおよび固定子コアの形状の少なくとも何れか一方の最適解)と、最適解が得られたときの応力分布指数SDIとを出力する。
この場合、オペレータは、最適解に基づいた、焼嵌めリングおよび固定子コアの構成が、最適な構成であると判断することができる。
(動作フローチャート)
次に、図8のフローチャートを参照しながら、回転電機解析装置100の処理の一例を説明する。
まず、ステップS801において、解析条件入力部101は、解析条件(の初期値)を入力する。
次に、ステップS802において、応力解析部102は、ステップS801で入力された解析条件に基づいて、焼嵌めにより焼嵌めリング210で固定子コア220を固定した際の固定子コア220の各要素(メッシュ)iにおける周方向応力σiを、有限要素法を用いた数値解析を行って導出する。
次に、ステップS803において、応力分布指数導出部103は、ステップS802で導出された各要素(メッシュ)iにおける周方向応力σiと、固定子コア220のヨーク部221の断面積Sと、各要素(メッシュ)iの面積siとに基づいて、前述した(1)式〜(3)式の計算を行うことにより、応力分布指数SDIを導出する。
次に、ステップS804において、判定部104は、応力分布指数導出部103による応力分布指数SDIの導出を終了するか否かを判定する。この判定の結果、応力分布指数SDIの導出を終了しない場合には、ステップS805に進む。
ステップS805に進むと、解析条件変更部105は、解析条件の一部を変更する。そして、ステップS802に戻り、応力解析部102は、ステップS805で変更された解析条件に基づいて、焼嵌めにより焼嵌めリング210で固定子コア220を固定した際の固定子コア220の各要素(メッシュ)iにおける周方向応力σiを、有限要素法を用いた数値解析を行って導出する。その後、ステップS804において、応力分布指数SDIの導出を終了すると判定されるまで、ステップS802〜S805の処理を繰り返し行う。
ステップS804において、応力分布指数SDIの導出を終了すると判定されると、ステップS806に進む。ステップS806に進むと、出力部106は、ステップS803で導出された応力分布指数SDIを出力する。
(まとめ)
以上のように本実施形態では、固定子コア220のヨーク部221に対して設定された各要素(メッシュ)における周方向応力σiを、有限要素法を用いた数値解析(応力解析)を行うことにより導出する。そして、固定子コア220のヨーク部221における応力のばらつきの、当該応力の平均値に対する割合を示す応力分布指数SDIを、各要素(メッシュ)における周方向応力σiを使って導出する。したがって、電磁場解析および鉄損解析を行わなくても、固定子コア220における鉄損を高精度に推定することができる。よって、回転電機の固定子コアの形状を、低コスト且つ迅速に設計することができるようになる。
(変形例)
<変形例1>
本実施形態では((1)式および(2)式)では、応力のばらつきとして分散を用いる場合を例に挙げて説明した。しかしながら、ばらつきを表す指標であれば、必ずしも分散を用いなくてもよい。例えば、分散の代わりに標準偏差を用いてもよい。この場合、(2)式の右辺の平方根をとることにより、各要素(メッシュ)iの面積siを考慮した場合の、固定子コア220のヨーク部221の解析対象領域における周方向応力の標準偏差が得られる。
<変形例2>
本実施形態では、回転電機の回転軸に垂直な断面(2次元)を解析対象領域とする場合を例に挙げて示した。しかしながら、固定子コアのヨーク部の3次元の領域を解析対象領域としてもよい。このようにした場合には、(1)式〜(3)式における面積を例えば体積に置き換える。すなわち、(1)式〜(3)式は、以下の(4)式〜(6)式に置き換えられる。尚、(4)式と(1)式は同じであるが、改めて示すこととする。
(5)式および(6)式において、viは、要素(メッシュ)iの体積[m3]である。また、Vは、固定子コア220のヨーク部221の領域のうち、解析対象領域の体積である。Vは、全ての要素(メッシュ)の体積の総和になる。(4)式〜(6)式のその他の記号の意味は、前述した(1)式〜(3)式の記号の意味と同じである。
<変形例3>
本実施形態では、応力のばらつきを平均値で正規化する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、各要素(メッシュ)における周方向応力σiを代表する代表値で応力のばらつきを正規化するようにしていれば、必ずしも平均値を用いる必要はない。例えば、平均値の代わりに、例えば、中央値または最頻値を用いてもよい。
<変形例4>
本実施形態では、焼嵌めを行って焼嵌めリング(ケース)により固定子コア220を固定する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、焼嵌めの代わりに冷し嵌めを行って冷し嵌めリング(ケース)により固定子コア220を固定してもよい。また、焼嵌めおよび冷し嵌めの代わりに圧入を行って、リング(ケース)により固定子コア220を固定してもよい。
<変形例5>
本実施形態では、固定子コア220のヨーク部221の領域のうち、回転電機の回転軸に垂直な断面(2次元)の一つの全領域を解析対象領域とする場合を例に挙げて説明した。しかしながら、解析対象領域は、回転電機の回転軸に垂直な断面(2次元)の一つの一部の領域であってもよい。このことは、変形例2のように、解析対象領域を3次元の領域とした場合も同じである。
<変形例6>
本実施形態では、応力分布指数SDIの導出を終了するか否かを回転電機解析装置100が自動的に判定する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、或る解析条件の1つについてのみの応力分布指数SDIを得たい場合には、このような判定は不要になる。また、1つの解析条件ごとに、解析条件の入力、周方向応力の導出、応力分布指数SDIの導出、応力分布指数SDIの出力をこの順で行うようにしてもよい。
<変形例7>
本実施形態では、固定子コア220のヨーク部221についてのみ応力解析を行う場合を例に挙げて説明した。しかしながら、固定子コア220のヨーク部221における周方向応力を含んでいれば、応力解析の対象に、固定子コア220のティース部222を含んでいてもよい。このようにする場合、例えば、固定子コア220のティース部222における各要素(メッシュ)のそれぞれについて、回転電機の径方向における応力を、固定子コア220のヨーク部221における各要素(メッシュ)の周方向応力と共に、有限要素法を用いて導出してもよい。そして、固定子コア220のヨーク部221およびティース部222における要素(メッシュ)の全てを対象として、(1)式〜(3)式(または(4)式〜(6)式)の計算を行って、応力分布指数SDIを導出してもよい。
<変形例8>
また、本実施形態では、(2)式および(3)式において、各要素(メッシュ)iの大きさを面積siとして用いて、重み付けを行う場合を例に挙げて説明した。しかしながら、各要素(メッシュ)iの大きさで重み付けを行うようにしていれば、必ずしも面積siで重み付けを行う必要はない。例えば、面積siの正数倍の値で重み付けを行うようにしてもよいし、各要素(メッシュ)iの対角線のうち長い方の長さで重み付けを行うようにしてもよい。このことは、変形例2のように、解析対象領域を3次元の領域とした場合も同じである。
<変形例9>
回転電機解析装置100が有する機能の一部を、回転電機解析装置100とは別の装置に持たせるようにしてもよい。すなわち、回転電機解析装置100を複数の装置で実現してもよい。このようにした場合、例えば、前記複数の装置が通信を行うことにより、回転電機解析装置100が有する機能を実現することができる。
尚、以上説明した本発明の実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
100:回転電機解析装置、101:解析条件入力部、102:応力解析部、103:応力分布指数導出部、104:判定部、105:解析条件変更部、106:応力分布指数出力部、210:焼嵌めリング、220:固定子コア、221:ヨーク部、222:ステータ部

Claims (8)

  1. 回転電機の周方向に沿って延在するリング状の部分であるヨーク部と、当該ヨーク部の内周端から回転電機の回転軸の方向に延在し、前記周方向において相互に間隔を有した状態で配置される複数のティース部とを有する固定子コアを、焼嵌め、冷し嵌め、または圧入を行うことによりケースで固定した際の、前記固定子コアの状態を解析する回転電機解析方法であって、
    前記固定子コアを前記ケースで固定した際に、前記ヨーク部における解析対象領域の各要素に生じる前記周方向の応力を、有限要素法を用いた数値解析を行って導出する応力解析工程と、
    前記各要素における前記周方向の応力を用いて、前記固定子コアのヨーク部における応力のばらつきの、当該応力の代表値に対する割合を示す応力分布指数を導出する応力分布指数導出工程と、
    を有することを特徴とする回転電機解析方法。
  2. 回転電機の周方向に沿って延在するリング状の部分であるヨーク部と、当該ヨーク部の内周端から回転電機の回転軸の方向に延在し、前記周方向において相互に間隔を有した状態で配置される複数のティース部とを有する固定子コアを、焼嵌め、冷し嵌め、または圧入を行うことによりケースで固定した際の、前記固定子コアの状態を解析する回転電機解析装置であって、
    前記固定子コアを前記ケースで固定した際に、前記ヨーク部における解析対象領域の各要素に生じる前記周方向の応力を、有限要素法を用いた数値解析を行って導出する応力解析手段と、
    前記各要素における前記周方向の応力を用いて、前記固定子コアのヨーク部における応力のばらつきの、当該応力の代表値に対する割合を示す応力分布指数を導出する応力分布指数導出手段と、
    を有することを特徴とする回転電機解析装置。
  3. 前記ばらつきは、分散または標準偏差であり、
    前記代表値は、平均値、中央値、または最頻値であることを特徴とする請求項2に記載の回転電機解析装置。
  4. 前記代表値は、平均値であり、
    前記分散は、前記各要素の大きさで重み付けした場合の、前記各要素における前記周方向の応力の2乗の加重平均値から、前記各要素の大きさで重み付けした場合の、前記各要素における前記周方向の応力の加重平均値の2乗を引いた値であり、
    前記標準偏差は、前記各要素の大きさで重み付けした場合の、前記各要素における前記周方向の応力の2乗の加重平均値から、前記各要素の大きさで重み付けした場合の、前記各要素における前記周方向の応力の加重平均値の2乗を引いた値の平方根であり、
    前記平均値は、前記各要素の大きさで重み付けした場合の、前記各要素における前記周方向の応力の加重平均値であることを特徴とする請求項3に記載の回転電機解析装置。
  5. 前記解析対象領域は、前記回転電機の回転軸に垂直な面内の領域であり、
    前記大きさは面積であることを特徴とする請求項4に記載の回転電機解析装置。
  6. 前記解析対象領域は、3次元の領域であり、
    前記大きさは体積であることを特徴とする請求項4に記載の回転電機解析装置。
  7. 前記応力解析手段は、前記ケースの形状と、前記固定子コアの形状とのうち、少なくとも何れか一方の形状が相互に異なる複数通りのそれぞれについて、前記各要素に生じる前記周方向の応力を導出し、
    前記応力分布指数導出手段は、前記複数通りのそれぞれについて前記応力分布指数を導出することを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の回転電機解析装置。
  8. 請求項2〜7の何れか1項に記載の回転電機解析装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
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