JP6331194B2 - 建物の集塵換気設備および集塵換気方法 - Google Patents

建物の集塵換気設備および集塵換気方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数の作業空間に区画された建物の集塵換気設備および集塵換気方法に関する。たとえば、鋳物工場、鍛造工場、製缶工場、メッキ工場などの作業空間を換気する際に用いる集塵換気設備および集塵換気方法に係るものである。
前記鋳物工場等は、複数の作業空間に区画されていることが多い。そして、作業空間ごとに異なる量の粉塵が発生する。このような建物の集塵換気方法としては、各空間の粉塵をまとめて一括して集塵するものが一般的である。
より詳しく説明すると、前記鋳物工場等の粉塵を含む空気は、温度が高く密度が軽いため、作業空間内で上昇する傾向がある。そのため、作業空間ごとに、作業者に近い建物下部の給気口から新鮮な空気を取り入れ、建物上部に設けた排気口から粉塵を含む空気(汚染空気)を排気している。そして、各作業空間内の汚染空気を外部に設けた大容量の集塵装置で一括して集塵している。すなわち、複数の作業空間の汚染空気を同じ吸引量(風量)で均一に吸引している。
なお、前記集塵装置の吸引量は、建物の屋内容積と換気回数を基に経験則で決定している。例えば、床面積が1,500m2、高さが20mである、計30,000m3の屋内容積を有する建物内を1時間で10回換気するケースを想定する。この場合は、1時間で300,000m3の吸引量が必要となるため、1分間で5,000m3の空気を吸引するように、固定運転している。
複数の作業空間で行われる作業はそれぞれ異なるため、一部の空間で一時的に大量の粉塵が発生することがある。このような場合、前記のように換気回数を基に吸引量を決定して固定運転していたのでは、粉塵を適切に除去できないという問題があった。すなわち、作業空間全体に粉塵が拡散した後に集塵することとなり、作業環境が悪化してしまうという問題があった。
また、各作業空間の汚染空気を同じ吸引量で吸引しているため、粉塵の発生が少ない作業空間で必要以上に吸引していることとなる。すなわち、電力を浪費しており、非効率であるという問題あった。
さらに、必要以上に吸引していることから、必要以上の吸引力や容量を備えた集塵装置を設けていることになり、イニシャルコストが高いという問題がある。また、ランニングコストの面でも、電力コストやフィルタのメンテナンスコストが高いという問題がある。
したがって、本発明の主たる課題は、粉塵が少ない安全な作業環境を実現する集塵換気設備および集塵換気方法を提供することにある。また、集塵装置の容量を従来よりも少なくし、コストの削減、設置スペースの縮小などを図ることにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
鋳物工場の建物の集塵換気設備であって、
前記建物の内部を鋳物製造の作業工程に応じて複数の作業空間に区切り、隣接する作業空間からの粉塵の流入を防止する間仕切りシートと、
前記複数の作業空間の天井にそれぞれ設けた排気口と、
前記排気口から排気された空気を浄化する集塵機と、
各作業空間の粉塵を含む空気を、前記集塵機を介して一括して吸引する、回転翼を備えたブロワと、
前記複数の作業空間にそれぞれ設けられ、前記作業空間にいる者が操作する各作業空間内の空気の吸引量を変更可能なスイッチと、
前記複数の作業空間と前記集塵機の間にそれぞれ配置された複数の分岐ダクトと、
前記複数の分岐ダクトにそれぞれ配置され、前記分岐ダクト内を流れる空気の流量を調節するダンパと、
各作業空間で必要な吸引量を合算し、合算値に基づいて前記ブロワの回転翼の回転数を制御するとともに、前記各作業空間で必要な吸引量に基づいて前記ダンパの開度を決定する制御手段と、
を有することを特徴とする集塵換気設備。
(作用効果)
各作業空間の作業段階に応じて、吸引量を変えることで、粉塵を含む空気を適切に排気できる。例えば、各作業空間の粉塵量が多い場合は、ブロワの吸引量を増やして粉塵を含む空気を速やかに排気することで、粉塵の少ない安全な作業環境を実現できる。また、各作業空間の粉塵量が少ない場合は、吸引量を減らすことで、消費電力の無駄が少なくなり、電力コストを下げることができる。さらに、過大な吸引量で吸引しなくなることから、必要最小限の容量の集塵装置を用いることができ、イニシャルコストの低減を図ることもできる。
また、ダンパが粉塵を含む空気の流量を調節するため、作業空間ごとの吸引量を異なるものにできる。その結果、粉塵量が多い作業空間の吸引量を多くして、作業環境の悪化を防ぐことができる。また、粉塵量が少ない作業空間の吸引量を少なくして、省エネを図ることができる。
(削除)
さらに、現在の作業段階で必要な吸引量を具体的に入力すると、回転翼の回転数をより適切な値に制御できる。そのため、作業空間の粉塵を含む空気をより確実に排気できる。
<請求項記載の発明>
各作業空間に粉塵量を計測する計測手段が設けられ、
前記スイッチは自動制御を指定可能であり、
前記スイッチで自動制御が指定された状態で、前記制御手段は、前記計測手段で計測した粉塵量から各作業空間で必要な吸引量を算出し、算出した各吸引量を合算し、合算値に基づいて前記ブロワの回転翼の回転数を制御するとともに、前記各作業空間で必要な吸引量に基づいて前記ダンパの開度を決定する構成とした請求項1記載の集塵換気設備。
(作用効果)
作業空間で粉塵量に変化があった時、計測手段がその変化を感知し、回転翼の回転数を速やかに変える。そのため、粉塵が作業空間全体に拡散する前に排気することができ、安全で快適な作業環境を実現できる。
<請求項記載の発明>
前記複数の分岐ダクトに、前記分岐ダクトを流れる空気の風量を計測する風量センサがそれぞれ設けられ、
前記制御手段は、前記風量センサで計測した風量と、各作業空間で必要とする吸引量を比較して、前記ブロワの回転翼の回転数を修正する構成とした請求項1記載の集塵換気設備。
(削除)
<請求項記載の発明>
鋳物工場の建物の集塵換気方法であって、
前記建物の内部を鋳物製造の作業工程に応じて複数の作業空間に区切り、隣接する作業空間からの粉塵の流入を防止する間仕切りシートと、
前記複数の作業空間の天井にそれぞれ設けた排気口と、
前記排気口から排気された空気を浄化する集塵機と、
各作業空間の粉塵を含む空気を、前記集塵機を介して一括して吸引する、回転翼を備えたブロワと、
前記複数の作業空間にそれぞれ設けられたスイッチと、
前記複数の作業空間と前記集塵機の間にそれぞれ配置された複数の分岐ダクトと、
前記複数の分岐ダクトにそれぞれ配置され、前記分岐ダクト内を流れる空気の流量を調節するダンパと、
前記ブロワの回転翼の回転数を制御するとともに、前記ダンパの開度を決定する制御手段と、を有する集塵換気設備を用いて、
前記作業空間にいる者が、前記スイッチを操作して、各作業空間内の空気の吸引量を設定する工程と、
前記制御手段が、前記各作業空間で必要な吸引量を合算し、合算値に基づいてブロワの回転翼の回転数を制御する工程と、
前記制御手段が、前記各作業空間で必要な吸引量に基づいて前記ダンパの開度を決定する工程と、
を有することを特徴とする集塵換気方法。
(作用効果)
請求項1と同様の作用効果を奏する。
<請求項記載の発明>
前記各作業空間に粉塵量を計測する計測手段が設けられ、
前記スイッチは自動制御を指定可能であり、
前記作業空間にいる者が、前記スイッチを操作して、自動制御を指定する工程と、
前記計測装置が、前記各作業空間の内部の粉塵量を計測する工程と、
前記制御手段が、前記計測手段で計測した粉塵量から各作業空間で必要な吸引量を算出し、算出した各吸引量を合算し、合算値に基づいて前記ブロワの回転翼の回転数を制御する工程と、
前記制御手段が、前記各作業空間で必要な吸引量に基づいて前記ダンパの開度を決定する工程、を有する請求項4記載の集塵換気方法。
(作用効果)
請求項2と同様の作用効果を奏する。
<請求項記載の発明>
前記複数の分岐ダクトに、前記分岐ダクトを流れる空気の風量を計測する風量センサがそれぞれ設けられ、
前記制御手段が、前記風量センサで計測した風量と、各作業空間で必要とする吸引量を比較して、前記ブロワの回転翼の回転数を修正する工程、を有する請求項4記載の集塵換気方法。
(作用効果)
請求項3と同様の作用効果を奏する。
(削除)
(削除)
本発明によれば、粉塵が少ない安全な作業環境を実現することができる。また、集塵装置の容量を従来よりも少なくし、コストの削減、設置スペースの縮小を図ることができる。
本発明に係る集塵換気設備および集塵換気方法の説明用簡略図(平面図)である。 回転数の決定プロセスの説明に用いるP−Q線図である。
以下、本発明に係る換気設備及び換気方法の好適な例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明及び図面は、本発明の実施形態の一例を示したものにすぎず、本発明の内容をこの実施形態に限定して解釈すべきではない。
(建物)
本発明に係る集塵換気設備1が適用される建物2は、鋳物工場、鍛造工場、製缶工場、メッキ工場など、複数の作業空間R1〜Rnに区画され、作業空間R内で粉塵が発生する建物2である。図1では、鋳物工場の建物2を例示した。
(作業空間)
建物2内は、作業工程に応じて、複数の作業空間R1〜Rnに区切られている。この作業空間Rは、建物2内を区切り部材3で区切ることにより形成される。この区切り部材3の例としては、耐力壁、間仕切り壁や間仕切りカーテンを挙げることができる。図1では、天井から間仕切りシート3を垂れ下げることで、複数の作業空間R1〜Rnを形成している。このシート3により、隣接する作業空間Rへの粉塵の拡散や、隣接する作業空間Rからの粉塵の流入を防ぐことができる。なお、図1では、区切り部材3が存在しない場所Rxを設けている。この場所Rxは、作業者が他の作業空間Rへ移動したり、原料や半製品等を運んだりするための通路となっている。
図1で例示する鋳物工場には、計6つの作業空間R1〜R6が存在する。図面左から右へ向かって順に、原料置き場R1、電気炉R2、鋳込場R3、型ばらし場R4、研磨場R5、砂再生場R6となっている。
原料置き場R1には、銑鉄、鋼屑、ダライ粉、カーボン、シリコン、マンガン等の鋳物の原料が保管される。これらの原料を運搬車の荷台から積み卸す時や、屋内における積み込みまたは積み卸し作業時などに、大量の粉塵が発生しやすい。また、原料を保管している間も少量の粉塵が発生する。そのため、原料をシートなどで覆って保管することも多い。
電気炉が置かれている場所R2では、鋳物原料の溶解が行われる。溶解工程では、原料を電気炉に投入する時や、湯出しする時などに、大量の粉塵が発生しやすい。また、電気炉の代わりに、るつぼ炉やアーク炉などの他の炉を用いる場合も、同様に大量の粉塵が発生する。
鋳込場R3では、溶かした原料を鋳型に流し入れる鋳込みが行われる。鋳込み工程では、溶かした原料の運搬時や鋳込み作業時などに、大量の粉塵が発生する。そのため、取鍋にカバーが設けられることもある。
型ばらし場R4では、砂型を壊したり、鋳物に付着している砂を取り除いたりする作業が行われる。型ばらし工程では、砂型を壊すために型ばらし装置を用いることがあるが、この型ばらし装置から粉塵が発生しやすい。また、砂を取り除く(砂落とし)時にも大量の粉塵が発生しやすい。
研磨場R5では、鋳物製品の研磨、バリ取り、裁断等が行われる。研磨は、研磨材を吹き付けたり、グラインダー等の工具を用いたりして行うが、この作業時に大量の粉塵が発生する。同様に、バリ取り、裁断、溶断、溶接時などにも大量の粉塵が発生する。
砂再生場R6では、使用した古砂(珪砂と粘土を混合した混合砂)を鋳物用に再生する。具体的には、古砂の付着物を焼いて除去する焙焼や、古砂の表面を研磨する表面研磨などを行うが、これらの作業中にも大量の粉塵が発生する。
なお、前記各空間の区分けは一例であり、木型製造などの他の作業を行う場所を設けたり、原料置き場を建物2の外に移したりなど、種々の変更をすることができる。また、鍛造工場、製缶工場、メッキ工場等の他の工場においても同様に、作業工程ごとに複数の作業空間Rに区画されることが多い。
各作業空間R1〜R6の上部(天井など)には、排気口が設けられている。この排気口の口径は、その作業空間Rに必要な最大集塵風量を考慮して決定すると良い。また、各作業空間R1〜R6の下部に給気口を設け、その給気口から新鮮な空気を供給すると、粉塵の少ない安全な作業環境を実現しやすくなる。
(スイッチ)
各作業空間R1〜R6には、後述するブロワ7の風量を切り替えるスイッチSを設置している。操作手段の一例であるこのスイッチSを、作業空間R内にいる作業者や、集塵換気設備の制御室にいる管理者など(以下、「作業者等」という。)が操作する。このスイッチSの機械的な種類としては、つまみを上下左右に動かす形態や、複数のボタンを押す形態や、タッチパネル等により情報を入力する形態など、任意のものを選択できる。
スイッチSの例として、つまみにより「ON」「OFF」を切り替える形態を挙げることができる。この場合、鋳込み等の前記作業を開始する前や作業をしている間に、作業者等がこのスイッチSを「ON」にする。すると、ブロワ7が強い風量(吸引量)で、作業空間R内の空気を大量に吸引する。その結果、前記作業によって発生した粉塵を含む空気(汚染空気)を作業空間R外へ迅速に排気することができる。他方、作業を終了した後、または作業をしていない間は、前記作業者等がスイッチSを「OFF」にする。すると、ブロワ7の風量が少なくなり、汚染空気が作業空間R外へあまり排気されないこととなる。しかし、作業をしていない間は、ほとんど粉塵が発生しないことから、スイッチによるこのような制御により、省エネを実現できる。
なお、スイッチSを「OFF」にしたときに、ブロワ7の稼働を停止させ、作業空間R内の空気を排気しないようにしても良い。しかし、作業を行っていない場合であっても、微量の粉塵が作業空間R中を漂うと考えられることから、風量が少なくても、常に排気を継続する構成にしたほうが良い。
また、前記スイッチSには、風量を細かく指定できる機能を搭載すると良い。例えば、風量を選択する「小」「中」「大」の3種類のスイッチSを追加し、「中」を選択したときは通常の風量とし、「小」を選択したときは風量を少なくし、「大」を選択したときは風量を多くする。例えば、型ばらし工程の中にも、様々な作業工程があり、砂型を壊す作業をしている間と、鋳物に付着している砂を取り除いている間では、発生する粉塵量が異なる。そのため、具体的な作業内容に応じて、作業者等が必要な風量を細かく指定することで、より安全な作業環境の実現に寄与できる。
また、前記風量を無段階で変更できるスイッチSを設けても良い。この無段階スイッチSは、前記「小」「中」「大」のスイッチSよりも、風量を細かく指定できるとともに、風量の変更指示が容易であるという利点を有する。このスイッチSは、例えば円盤の形状をしており、この円盤を回転させることにより、風量を多くしたり少なくしたりといった調整ができる。
また、作業空間Rで必要と考える風量を具体的な数値で入力するスイッチSを設けても良い。例えば、中央制御室(図示しない)にいる管理者が、各作業空間Rで行っている作業状況を確認し、現在の作業で必要な風量をマニュアルに基づいて入力する。そのほか、作業空間Rにいる作業者が、マニュアルや経験に基づいて、具体的な数値を入力するなどしても良い。
そのほか、「自動」のスイッチSを設け、「自動」を選択したときは、赤外線センサやダストセンサなどの計測手段(図示しない)によって作業空間R内の粉塵量をモニタリングし、発生した粉塵量に応じて風量を調整するようにしても良い。
以上のように、作業中であるか休止中であるか、作業中の場合に何の作業をしているときか、休止中の場合にこれから作業を始めるのか、それとも作業を終えた後なのか等の作業段階を基に、スイッチSを操作し、風量を設定すると良い。なお、前記「ON」「OFF」「大」「中」「小」などのスイッチSは一例であり、種々の変更をすることができる。例えば、「作業中」「休止中」等の作業段階を具体的に記載したスイッチSを設けても良い。
(ダクト)
排気口から排気された空気中の粉塵は、後段に配置した集塵機4によって集塵される。この排気口から集塵機4までの間は、複数のダクトDによって連結される。図1では、前記各作業空間R1〜R6の排気口の後段に、それぞれ分岐ダクトD1〜D6を配置し、各分岐ダクトD1〜D6を後段に配置した集合ダクトD7と連結させ、集合ダクトD7が集塵装置と連結している。各ダクトD1〜D6は、排気された空気の流路ともいう。なお、前記ダクトD1〜D7の配置は一例であり、集合ダクトD7を設けずに、分岐ダクトD1〜D6と集塵機4を直接連結するなど、種々の変更が可能である。各ダクトDには、ダンパE、風量センサFなどを設けることができる。
(ダンパ)
分岐ダクトD1〜D6には、それぞれ開度を制御可能なダンパE(Damper)を配置している。流量調節手段の一例であるダンパE1〜E6の開度は、後述する制御装置5により制御される。具体的には、前記スイッチSの信号を制御装置5へ送り、制御装置5がその信号に基づいて各ダンパE1〜E6の開度を決める。そして、各ダンパE1〜E6に設けられた補助制御装置C1〜C6へ開度の信号を送り、補助制御装置C1〜C6が指定された開度に変更する。このとき、要求された風量が少ないときは、ダンパEを閉じる方向に動かし、ダクトD内の通気量を減らす。他方、要求された風量が多いときは、ダンパEを開く方向に動かし、ダクトD内の通気量を増やす。このダンパEの制御には、例えばPID制御(Proportional‐Integral‐Derivative Controller)を用いる。また、作業空間R1〜R6ごとに要求する風量が異なる場合は、各ダンパE1〜E6の開度をそれぞれ異なる開度にする。
(風量センサ)
分岐ダクトD1〜D6には、それぞれ風量センサF1〜F6を配置している。図1では、ダンパE1〜E6と集塵機4の間の各分岐ダクトD1〜D6にそれぞれ風量センサF1〜F6を設けている。風量センサFの配置位置は任意に変更することができ、作業空間Rの排気口とダンパEの間の各分岐ダクトD1〜D6に配置しても良い。この風量センサFは、排気口から排気した空気の流量を測定する。測定結果は、後述する制御装置5へ送られ、ブロワ7の風量の変更やダンパEの開度の変更に用いられる。
(集塵機)
作業空間Rの排気口から排気された空気は、屋外の集塵機4によって浄化される。すなわち、集塵手段の一例である集塵機4のフィルタにより、空気中の粉塵が除去(捕集)される。この各作業空間R1〜R6から集塵機4までの一連の空気の流れは、後述するブロワ7で吸引することによって生まれる。
また、設置する集塵機4を決める際は、各作業空間R1〜R6の風量を合計し、その合計量を処理可能な容量を有する集塵機4にすると良い。具体的な決定方法について、下記の表1を参照しながら説明することにする。
Figure 0006331194
表1は、各作業空間R1〜R6における作業中と休止中のブロワ7の風量(吸引量)を例示したものである。この例によれば、鋳込場R3では、鋳込み中のブロワ7の風量を2000m3/minとし、休止中のブロワ7の風量を200m3/minとしている。また、型ばらし場R4では、型ばらし中のブロワ7の風量を1000m3/minとし、休止中のブロワ7の風量を200m3/minとしている。このように作業空間Rの粉塵量が多いときは、ブロワ7の風量を上げて、飛散する粉塵を速やかに作業空間R外に排気し、快適で安全な作業環境を実現させる。他方、粉塵量が少ないときは、ブロワ7の風量を下げて、電力消費を抑える。なお、粉塵発生量は作業空間R1〜R6ごとに異なるため、風量を空間ごとに変えると良い。また、表1の風量はあくまでも一例であり、作業空間Rの広さ、生産量、原料の種類などを考慮して種々の変更が可能である。
一般的に、所定の時間帯において、作業中の場所と休止中の場所が混在することが多い。例えば、13時〜14時の間は、鋳込作業と砂再生作業を行い、その他の作業を休止するなど、時間帯ごとに作業内容が異なる。
13時〜14時の時間帯に必要な風量を表1に従って計算すると、原料置き場(休止中)100m3/min、電気炉(休止中)200m3/min、鋳込場(作業中)2,000m3/min、型ばらし場(休止中)200m3/min、研磨場(休止中)200m3/min、砂再生場(作業中)1500m3/minとなり、合計で4200m3/minの風量が必要となる。
このように、各時間帯で必要な風量(合計値)を計算し、最も風量(合計値)の多い時間帯を選出する。そして、選出した時間帯の風量(合計値)を基準にして、ブロワ7がその風量(合計値)を吸引したときに、浄化処理できる容量を備えた集塵機4を設置すると良い。このとき、必要以上の容量を備えた大型の集塵機4を配置しても良いが、イニシャルコストの削減、設置スペースの縮小、騒音の低下等を図るため、出来る限り容量が小さい集塵機4を設置すると良い。また、二以上の集塵機4を並列に配置し、これらの集塵機4を用いて浄化処理しても良い。この場合は、選出した時間帯の風量(合計値)を、複数の集塵機4によって浄化処理できれば良いため、一機当たりの集塵機4で必要な容量は少なくなる。
集塵機4のフィルタの種類は、集塵する粉塵の大きさに基づいて決定する。具体的には、粒径が0.3μm以下の粒子の捕集率が99.97%以上であるHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)や、粒径が0.15μm以下の粒子の捕集率が99.9995%以上であるULPAフィルタ(Ultra Low Penetration Air Filter)等の目が細かいフィルタを用いると良い。そのほか、電気の力を用いて集塵を行う電気集塵機を設置しても良い。
(ブロワ)
集塵機4の後段には、前述のブロワ7を配置することができる。吸引手段の一例であるこのブロワ7は、作業空間Rに漂う粉塵を含む空気を吸い込む排風機である。ブロワ7にはインバータ6が連結しており、インバータ6には制御装置5が連結している。そして、ブロワ7の回転数を制御装置5によって制御している。すなわち、制御装置5からインバータ6へ回転数に関する指示信号を送信し、インバータ6は指示信号に従って、ブロワ7の回転数を変更する。なお、前記ブロワ7の代わりにファンを設けてもよい。
(制御装置、制御方法)
次に、制御装置5によるブロワ7の回転数の制御について説明する。この制御装置5は、制御手段の一例として挙げたものである。
まず、各作業空間R1〜R6のスイッチSの信号が制御装置5へ送られる。このスイッチSの信号の例としては、「作業中」「休止中」という作業段階の情報を挙げることができる。制御装置5は、この作業段階の情報と、表1のように予め定めた作業空間Rの作業段階に応じて必要な吸引量を対比し、各作業空間R1〜R6で必要な風量を算出する。なお、「作業中」「休止中」というスイッチSの代わりに、同様の意味を有する「ON」「OFF」というスイッチSを設けても良い。
また、「作業中」「休止中」というスイッチSのほかに、より詳しい作業段階のスイッチSを設けても良い。例えば、鋳込み工程は、溶解原料の運搬作業や鋳込み作業や片付け作業など、さらに複数の工程に分けられる。従って、「溶解原料の運搬中」「鋳込み作業中」「片付け中」などのようなスイッチSを設けても良い。このようなスイッチSを設けた場合は、表1に定める区分をさらに細かく分類しておく。そして制御装置5は、この詳しい作業段階の情報と、予め定めた作業空間Rの作業段階に応じて必要な吸引量を対比し、各作業空間R1〜R6で必要な風量を算出する。なお、「溶解原料の運搬中」「鋳込み作業中」「片付け中」というスイッチSの代わりに、風量の多さを示す「大」「中」「小」などのスイッチSを設けても良い。
なお、スイッチSによって入力される作業段階は、必ずしも現在の作業段階とは限らない。例えば、現在は作業を行っていない状態「休止中」であるが、少しして作業を始める予定である場合に、作業者等が「作業中」のスイッチSを押すことも考えられる。また、現在は作業が終了した状態「休止中」であるが、作業を終えて間もないため、作業空間R内に残存している粉塵を排気したいと考えて、スイッチSを「作業中」のままにすることも考えらえる。このようなときは、現在の作業段階がスイッチSで入力された状態にあると仮定し、スイッチSの入力情報に基づいて、「作業中」の風量を出力すると良い。
また、スイッチSを、各作業空間R1〜R6で必要な風量を具体的に入力させる形態に変えても良い。そのほか、各作業空間R1〜R6で生じている粉塵量を計測し、その粉塵量に応じて必要な風量を算出するようにしても良い。
以上のようなスイッチSの種類と、スイッチSからの信号に基づく各作業空間R1〜R6で必要な風量の決め方はあくまでも一例であり、諸々の変更をすることができる。
次に、制御装置5は各作業空間R1〜R6で必要な風量に基づき、全ての作業空間R1〜R6で必要な風量(合計量)を算出する。なお、全ての作業空間R1〜R6で必要な風量をその都度計算する方式ではなく、各作業空間R1〜R6のスイッチSの入力パターンと、その各パターンに応じた合計量を予め定めておき、入力されたパターンに合せて合計量が自動的に決まる方式を採用しても良い。例えば、前記表1において、原料置き場(休止中)、電気炉(休止中)、鋳込場(作業中)、型ばらし場(休止中)、研磨場(休止中)、砂再生場(作業中)と選択された場合は、合計量が4200m3/minになるというように、予め入力され得る複数のパターンと、それに応じた合計量も予め定めておく方式を採っても良い。
なお、所定の時間帯ごとに必要な排風量の合計値は、1日の作業予定から予測可能である。例えば、13時〜14時の間に鋳込み作業と砂再生作業だけを行う予定のときは、鋳込場と砂再生場のスイッチSが「ON」になり、他の場所のスイッチSが「OFF」になると予測できる。そのため、前記表1に基づいて計算すると、前述のとおり合計で4200m3/minの風量が必要になると予測できる。また、例えば14時〜15時の間に型ばらし作業だけを行う予定のときは、型ばらし場のスイッチSが「ON」になり、他の場所のスイッチSが「OFF」になると予測できる。そのため、前記表1に基づいて計算すると、原料置き場(休止中)100m3/min、電気炉(休止中)200m3/min、鋳込場(休止中)200m3/min、型ばらし場(作業中)1,000m3/min、研磨場(休止中)200m3/min、砂再生場(休止中)200m3/minとなり、合計で1900m3/minの風量が必要になると予測できる。
従って、1日の作業予定から、各時間帯に各作業空間R1〜R6で必要となる風量の合計値を予め予測しておいても良い。
なお、前記の例では1時間ごとに時間帯を区分したが、数分ごとに区分したり、数時間ごとに区分したりしても良い。また、表1に示す風量の設定値は、それぞれ任意の値に変更しても良い。
次に、制御装置5は、前記合計値からブロワ7の回転数を算出する。このブロワ7の回転数の求め方について、図2を参照しながら説明する。
ブロワ7の回転数は、風量Q(m3/h)をX軸に、静圧P(Pa)をY軸にとったP−Q線図(性能曲線図)を用いて定める。このP−Q線図を図2に例示する。P−Q線図において、空気の流れに対するダクトDや集塵機4の性質は、空気量と圧力抵抗との関係を示す抵抗曲線Nとして表される。また、ブロワ7の性能は性能曲線Mとして表される。
このP−Q線図において、各作業空間R1〜R6で必要とする風量の合計値Q1の抵抗曲線N上の点を設計点L(L1)とする。この設計点は、設計上の値に相当する点である。なお、性能曲線M(M1)よりも下の範囲(砂模様を付した範囲)が、ブロワ7の能力を示している。すなわち、設計点L(L1)が、性能曲線M(M1)よりも下の範囲にあれば、設計点L(L1)の風量(Q1)を出力できることとなる。図2の場合では、設計点L(L1)が性能曲線M(M1)よりも下の範囲に入っているため、設計点L(L1)の風量(Q1)を出力できることが分かる。そのため、ブロワ7はこの性能曲線M(M1)を描く回転数で運転すれば良い。
なお、性能曲線Mの位置は、ブロワ7の回転数によって異なる。例えば、ブロワ7の回転数が高い場合、性能曲線Mはより外側(図2の右上方向)に位置し、例えばM2の位置となる。反対に、ブロワ7の回転数が低い場合、性能曲線Mはより内側(図2の左下方向)に位置し、例えばM3の位置となる。
例えば、各作業空間R1〜R6で必要な風量の合計値Qが、Q1よりも高いQ2である場合、設計点LはL2となる。そのため、設計点L2が性能曲線Mより下の範囲に入るように、ブロワ7の回転数をより早くして、性能曲線MをM2の位置にする。反対に、各作業空間R1〜R6で必要な風量の合計値Qが、Q1よりも低いQ3である場合、設計点LはL3となる。そのため、ブロワ7の回転数をより遅くして、性能曲線MをM3の位置にする。なお、ブロワ7の回転数を変えたときの性能曲線Mは、風量に比例するとともに、静圧の2乗に比例する。
以上の内容をまとめると、まず各作業空間R1〜R6で必要な風量の合計値(例えば、Q1)と、図2に例示したような抵抗曲線から、設計点L(例えば、L1)を定める。そして、その設計点L1が性能曲線Mの図面下側となるように、性能曲線Mの位置を決定する(例えば、M1とする)。そして、この性能曲線M1を描くブロワ7の回転数を、合計値Q1から求めたブロワ7の回転数とする。なお、抵抗曲線は、原点を通る二次曲線であり、風量Qと静圧Pに基づいて求める。
また、各作業空間R1〜R6で現在必要な風量の合計値に基づいて、ブロワ7の回転数をその都度求めるのではなく、1日の作業予定に基づいて、各時間帯で必要となるブロワ7の回転数を予め算出しておいても良い。
また、1日の作業予定が、異なる日にちで変わらないこともある。例えば、今日も明日も同じ作業予定である場合や、毎週月曜日に同じ作業予定を組んでいる場合を挙げることができる。このような場合、ブロワ7の回転数を毎日計算し直すのではなく、作業予定が同じ日は、ブロワ7の回転数も同じになるようにプログラミングしておくと良い。すなわち、作業予定を複数のパターンにパターン化しておき、パターンが同じ日は、回転数も同じになるようにする。例えば、毎週同じ曜日に同じ作業予定を組んでいる鋳物工場の場合は、月曜日の作業予定をAパターン、火曜日の作業予定をBパターンなどと、月曜日から金曜日までの作業予定を計5つのパターンに分けておく。そして、同じパターンの日には、始業時間から終業時間にかけて、ブロワ7の回転数を時間帯ごとに同じように変化させると良い。当然にパターンが違う日は、時間帯ごとのブロワ7の回転数も違うものとなる。
以上のように、ブロワ7の回転数を決定したら、制御装置5からインバータ6へ指示信号を送信する。信号を受けたインバータ6は、指示された回転数となるように、ブロワ7の回転数を変える。
この内容について、設計点をL1に設定し、性能曲線をM1にして運転する場合を例に詳述する。制御装置5は、性能曲線M1を描くブロワ7の回転数を指示信号としてインバータ6へ送る。インバータ6は、制御装置5からの信号に基づき、周波数を変更してブロワ7の回転数を変更する。このときの動作点(実際の性能曲線上の運転点)は、性能曲線M1と抵抗曲線Nとの交点R1となる。
なお、作業空間R1〜R6ごとに必要な風量が違うことが多い。そのため、前記のようにブロワ7の回転数を変更するとともに、各作業空間R1〜R6で必要な風量に応じて、各ダンパE1〜E6の開度を変えて、各ダクトD1〜D6を流れる風量を変えるようにする。すなわち、粉塵発生量が多い作業空間Rと連結しているダクトDでは、ダンパEの開度を大きくする。他方、粉塵量が少ない作業空間Rと連結しているダクトDでは、ダンパEの開度を小さくする。このように、ダンパEの開度を変えることにより、作用空間Rごとに風量を変えることができる。
次に、制御装置5がブロワ7の回転数を修正する。この修正は、はじめに風量センサF1〜F6によって各ダクトD1〜D6の実際の風量を計測し、その計測結果を制御装置5へ送信する。制御装置5は、各ダクトD1〜D6の風量が、各作業空間R1〜R6から要求された風量を満たしているか否かを確認する。
そして、一部のダクトの風量が要求された風量を満たしていないときは、ブロワ7の回転数を上げたり、ダンパEの開度を大きくしたりする調整を行う。詳しくは、ブロワ7の風量は十分であるが、一部の作業空間Rの風量が足りず、一部の作業空間Rの風量が必要以上に多い場合は、風量の配分が良くない状態であると判断し、風量が足りないダクトDのダンパEの開度を大きくし、風量が多いダクトDのダンパEの開度を小さくする。他方、風量の配分は良い状態であるが、ブロワ7の風量が足りない場合は、ブロワ7の回転数を上げて風量を多くする。
反対に、一部のダクトの風量が、要求された風量よりも多すぎるときは、ブロワ7の回転数を下げたり、ダンパの開度を小さくしたりする調整を行う。このように本発明においては、実際の風量を計測して、ブロワ7の回転数を変えたりダンパEの開度を変えたりするフィードバック制御を行うと良い。
また前述のとおり、各作業空間R1〜Rn内の粉塵量をダストセンサ等で計測し、その粉塵量に基づいて、各作業空間R1〜Rn内で必要な風量を制御装置5が算出しても良い。この場合、算出した風量Qや抵抗曲線から設計点Lを求め、性能曲線Mに基づいてブロワ7の回転数を決定することや、実際に流れている風量を計測して、フィードバック制御で風量を修正する点は前記と同様である。
(ポンプ)
集塵装置5の後段には、ポンプ8を設けても良い。このポンプ8は、湿式の集塵装置5を採用した場合に、水を集塵装置5内へ送るために用いられる。集塵装置5では、水のシャワーによって、空気中の粉塵が除去される。
(その他)
以上のように、各作業空間R1〜Rnの作業段階に応じてブロワ7の回転数を最適化することで、従来の集塵換気設備よりもブロワ7の風量を減らすことができる。また、ダンパE1〜Enの開度をそれぞれ変えることで、粉塵量が多い作業空間Rの風量(吸引量)を多くし、粉塵量が少ない作業空間Rの風量(吸引量)を少なくできるとともに、従来の集塵換気設備よりもブロワ7の風量を減らすことができる。その結果、集塵機4を通過する空気量が減るため、従来の集塵換気設備の集塵機4の容量を最大50%程度小さくすることができる。そして、集塵機4の容量が小さくなるため、イニシャルコストを低減できるとともに、設置スペースの縮小、騒音の低下などを実現できる。
また、スイッチSを用いて、各作業空間R1〜Rnの作業段階や各作業空間R1〜Rnで必要とする風量を細目に入力したり、ダストセンサで粉塵量を自動検知したりすることで、作業空間R内に粉塵が拡散する前に汚染空気を排気でき、快適で安全な作業環境を実現できる。
また、予め定められた休憩や突発的に作業を休止したときなどに、作業者等がスイッチSを操作したり、ダストセンサが粉塵量を検知したりすることで、ブロワ7の風量を抑えることができる。その結果、ブロワ7の無駄な運転が減り、エネルギーの省エネや、電力料金の削減等を実現できる。
また、インバータ6を用いてブロワ7の回転数を自動変速制御するため、ブロワ7のベアリングや集塵機4のフィルタなどの負荷を低減できる。さらに、従来のように、ブロワ7の回転数を一定に固定して運転する場合と比べて、集塵換気設備1の寿命を大幅に延ばすことができるとともに、メンテナンスコストを低減できる。
1 集塵換気設備
2 建物
3 区切り部材
4 集塵機
5 制御装置
6 インバータ
7 ブロワ
8 ポンプ
C 補助制御装置
1〜C6(C1〜Cn) 補助制御装置1〜補助制御装置6(補助制御装置1〜補助制御装置n)
D ダクト
1〜D6 分岐ダクト
7 集合ダクト
E ダンパ
1〜E6(E1〜En ダンパ1〜ダンパ6(ダンパ1〜ダンパn)
F 風量センサ
1〜F6(F1〜Fn 風量センサ1〜風量センサ6(風量センサ1〜風量センサn)
R 作業空間
1〜R6(R1〜Rn) 作業空間1〜作業空間6(作業空間1〜作業空間n)
S スイッチ

Claims (6)

  1. 鋳物工場の建物の集塵換気設備であって、
    前記建物の内部を鋳物製造の作業工程に応じて複数の作業空間に区切り、隣接する作業空間からの粉塵の流入を防止する間仕切りシートと、
    前記複数の作業空間の天井にそれぞれ設けた排気口と、
    前記排気口から排気された空気を浄化する集塵機と、
    各作業空間の粉塵を含む空気を、前記集塵機を介して一括して吸引する、回転翼を備えたブロワと、
    前記複数の作業空間にそれぞれ設けられ、前記作業空間にいる者が操作する各作業空間内の空気の吸引量を変更可能なスイッチと、
    前記複数の作業空間と前記集塵機の間にそれぞれ配置された複数の分岐ダクトと、
    前記複数の分岐ダクトにそれぞれ配置され、前記分岐ダクト内を流れる空気の流量を調節するダンパと、
    各作業空間で必要な吸引量を合算し、合算値に基づいて前記ブロワの回転翼の回転数を制御するとともに、前記各作業空間で必要な吸引量に基づいて前記ダンパの開度を決定する制御手段と、
    を有することを特徴とする集塵換気設備。
  2. 各作業空間に粉塵量を計測する計測手段が設けられ、
    前記スイッチは自動制御を指定可能であり、
    前記スイッチで自動制御が指定された状態で、前記制御手段は、前記計測手段で計測した粉塵量から各作業空間で必要な吸引量を算出し、算出した各吸引量を合算し、合算値に基づいて前記ブロワの回転翼の回転数を制御するとともに、前記各作業空間で必要な吸引量に基づいて前記ダンパの開度を決定する構成とした請求項1記載の集塵換気設備。
  3. 前記複数の分岐ダクトに、前記分岐ダクトを流れる空気の風量を計測する風量センサがそれぞれ設けられ、
    前記制御手段は、前記風量センサで計測した風量と、各作業空間で必要とする吸引量を比較して、前記ブロワの回転翼の回転数を修正する構成とした請求項1記載の集塵換気設備。
  4. 鋳物工場の建物の集塵換気方法であって、
    前記建物の内部を鋳物製造の作業工程に応じて複数の作業空間に区切り、隣接する作業空間からの粉塵の流入を防止する間仕切りシートと、
    前記複数の作業空間の天井にそれぞれ設けた排気口と、
    前記排気口から排気された空気を浄化する集塵機と、
    各作業空間の粉塵を含む空気を、前記集塵機を介して一括して吸引する、回転翼を備えたブロワと、
    前記複数の作業空間にそれぞれ設けられたスイッチと、
    前記複数の作業空間と前記集塵機の間にそれぞれ配置された複数の分岐ダクトと、
    前記複数の分岐ダクトにそれぞれ配置され、前記分岐ダクト内を流れる空気の流量を調節するダンパと、
    前記ブロワの回転翼の回転数を制御するとともに、前記ダンパの開度を決定する制御手段と、を有する集塵換気設備を用いて、
    前記作業空間にいる者が、前記スイッチを操作して、各作業空間内の空気の吸引量を設定する工程と、
    前記制御手段が、前記各作業空間で必要な吸引量を合算し、合算値に基づいてブロワの回転翼の回転数を制御する工程と、
    前記制御手段が、前記各作業空間で必要な吸引量に基づいて前記ダンパの開度を決定する工程と、
    を有することを特徴とする集塵換気方法。
  5. 前記各作業空間に粉塵量を計測する計測手段が設けられ、
    前記スイッチは自動制御を指定可能であり、
    前記作業空間にいる者が、前記スイッチを操作して、自動制御を指定する工程と、
    前記計測装置が、前記各作業空間の内部の粉塵量を計測する工程と、
    前記制御手段が、前記計測手段で計測した粉塵量から各作業空間で必要な吸引量を算出し、算出した各吸引量を合算し、合算値に基づいて前記ブロワの回転翼の回転数を制御する工程と、
    前記制御手段が、前記各作業空間で必要な吸引量に基づいて前記ダンパの開度を決定する工程、を有する請求項4記載の集塵換気方法。
  6. 前記複数の分岐ダクトに、前記分岐ダクトを流れる空気の風量を計測する風量センサがそれぞれ設けられ、
    前記制御手段が、前記風量センサで計測した風量と、各作業空間で必要とする吸引量を比較して、前記ブロワの回転翼の回転数を修正する工程、を有する請求項4記載の集塵換気方法。
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