JP4003637B2 - 原子力発電所タービン建屋の給排気設備 - Google Patents

原子力発電所タービン建屋の給排気設備 Download PDF

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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、沸騰水型原子炉を用いた原子力発電所のタービン建屋における給排気設備に係り、特にそのタービン建屋の換気空調設備に採用されて好適な給排気設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
沸騰水型原子炉を用いた従来の原子力発電所におけるタービン建屋の換気空調設備は、タービン建屋の全体を換気する送風機を備えた給気設備と排風機を備えた排気設備により、運転階空間を含めた個々の空間及び部屋を換気している(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
また、タービン建屋の換気装置は、タービン建屋を気密性のあるタービンが設置される運転床にて2つに区分し、通常運転時は、運転階壁面の給気口から外気を給気し、屋上部排気ファンにより雰囲気を排気する。また、異常時または定期検査時は、運転階空間内の放射能が上昇したことを放射線モニタで検知し、アラームを発報及び屋上部排気ファンを停止する。屋上部排気ファンを上方で被うように設置される屋上ダクト開放部に自重で自動的に閉められる扉があり、これにより放射性物質の環境への流出を防御する。一方運転階空間内の排気は、運転階床部の大物搬入口を放射能に対する防護を行った作業員が開けることにより、運転階空間とその階下の空間を連通させ、各ファンの予備機を起動して運転停止中のタービン建屋の全体を換気する為の排気ファンを追加運転させることで排気するシステムとしている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
さらに、原子力発電所におけるタービン建屋の換気空調設備では、通常運転時における運転階の換気空調は、運転階の外壁部に設置される給気口とそれより高い位置に設けられる排気口の空気の密度差による換気力によって自然循環の換気をする。また、定期検査時は、排気口を閉止し、運転階専用の排風機,フィルタあるいはタービン建屋全体を換気する排風機により、換気するシステムとしている(例えば特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特公平6−8885号公報
【特許文献2】
特許第3091519号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の方法では、タービン建屋全体を換気する給気・排気設備によって大きな発熱量を内包し、かつ大空間である運転階空間を換気することから、大容量の給気・排気設備が必要である。
【0007】
また、特許文献1に記載の従来技術は、タービン建屋内の放射能の異常時,定期検査時に予備機の運転を伴う全数台排気ファン運転を行う方法が記載されているが、増加する風量に対する配慮がなく、また、運転階分の排気量を制御するための配慮もなされていない。さらに、タービン建屋全体の風量のアンバランスに対しても配慮されていない問題がある。
【0008】
例えば、50%容量の送風機が3台で1台が予備機、また50%容量の排風機が3台で1台が予備機という構成の場合、異常時,定期検査時は排風機の予備機を運転することから、100%の給気送風量に対し150%の排風量となる。ここで、運転階分の排気量を制御する手段がないため、運転階分の排気量は、成行きの排気量となる。
【0009】
排風量の増加分50%の内、仮に排風量の30%が運転階分を排気したとすると、残りの20%は通常運転時に100%でバランスしていた風量に加算されることとなり、送風量100%に対し、運転階分を除く排風量が120%となり、運転階を除くタービン建屋全体の個々のエリアで風量のアンバランスが生じる。尚、予備機扱いの排風機の起動と同時に送風機の予備機を起動しても、上記と同じ条件では、送風量150%に対し、運転階分を除く排風量が120%となり同様に風量がアンバランスとなる。このため、この従来技術では、計画的な換気が成立しにくい。
【0010】
また、このシステムでは必ず排気ファンに予備機を必要とする構成である。さらに、運転階の放射能が異常上昇を示す警報が発せられた際、運転階と階下を連通させる開口を作業員が防護服を着て、運転床へ行き大物搬入口を開ける作業をしなければならず、異常時にも係わらず、時間と手間を要さなければならない問題もある。
【0011】
さらに、特許文献2に記載の従来技術は、運転階に排気ファンを持たない自然循環換気であることから、特に運転階のような大きな発熱量を内包し、かつ大空間では、強制的に換気を促進させる手段がないため、熱溜まりが懸念される。また、除熱のための給排気口開口面積を非常に大きくしなければならないという問題がある。
【0012】
本発明の目的は、設備の物量及び換気風量のアンバランスを極力抑制してタービン建屋の換気を安定化することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解消するために本発明の実施例で表された解決手段は、沸騰水型原子炉を用いた原子力発電所のタービン建屋内のタービン及びそのタービンによって駆動される発電機を収納する運転階に、タービン建屋屋外から空気を導く開口と、運転階の雰囲気をタービン建屋屋外へ一部排気する排気ファンにより構成される換気空調設備において、タービン建屋内のタービン等の通常運転時,タービン建屋内の放射能の異常時,タービン建屋内での定期検査時に、第1濾過装置として採用した排気処理装置を通してタービン建屋全体を排気する排風機により排気筒から運転階の雰囲気を一部排気する通風手段(排気ダクト)を設けた換気空調設備の基本構成を有している。
【0014】
また、その基本構成に加えて、さらに換気空調設備容量を低減するために、運転階と、運転階の雰囲気と清浄度が同様な雰囲気を有するタービン建屋内の区域とを連絡する雰囲気の通気口を移送開口として設けたものである。
【0015】
また、基本構成に加えて、タービン建屋内で行われる定期検査時の放射性物質除去作業の効率を向上するために、通常運転時あるいは放射能の異常時に運転階の雰囲気を一部排気する通風手段(排気ダクト)の吸込口に、又は通風手段に他の吸気口を設けて他の吸気口に、定期検査時に用いる雰囲気浄化設備を接続できる接続手段を設けたものである。
【0016】
また、基本構成に加えて、放射能の異常時,定期検査時に運転階の放射性物質が屋上部の排気ファンを通して浄化されない状態で外気環境へ放出されることを防止するために、運転階の屋上部の排気ファンに排気ファンへの停止の制御と同時に排気ファンと通じる排気流路を遮断する手段、あるいは排気ファンへの停止の制御と同時に運転階の内圧の負圧度を制御する手段を設けたものである。
【0017】
さらに、基本構成に加えて、運転階の雰囲気温度を制御するために、運転階の屋上部の排気ファンの駆動及び停止させる台数をその雰囲気温度に応じて制御する手段を設けたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施例について、図面に基づいて説明する。第1実施例は図1に示されている。その図1において、沸騰水型原子炉を熱源として採用した原子力発電所のタービン建屋1には、タービン建屋1に設けた開口に装備したルーバ11を通じて取り込んだ外気を処理する給気処理装置15と、給気処理装置15で処理した外気中の空気を給気ダクト17を通じて給気先であるタービン建屋1内の区域へ給気する空気の送風機16a,16b,16cとが納められている。
【0019】
同じく、タービン建屋1には、排気元のタービン建屋1内部の区域から排気ダクト18を通じてタービン建屋1内の雰囲気である空気を受け入れる第1濾過装置としての排気処理装置21と、その排気処理装置21で浄化処理した空気を排気筒23へ送る排風機22a,22b,22cとが納められている。
【0020】
タービン建屋1の排気元となるタービン建屋1の区域は、運転床4で区画された上部の運転階と称せられる区域と、下部の運転階階下と称せられる区域とから成る。運転階階下の中央の区域28a,28bには、原子炉から供給された蒸気を水に戻す復水器3が設置される。その外側周囲の周辺区域26,27とは壁41によって区画されている。運転階階下の中央の区域28a,28bは一区画であり、原子炉からの放射性物質を含む蒸気が復水器3を通る関係で、放射線線量の高い区域である。又、運転階階下の中央の区域28a,28bの周囲の周辺区域26,27は、運転階階下の中央の区域28a,28bが周辺区域26,27より低い負圧となる圧力制御及び壁41などで隔てられているので、運転床4の上方に存在する運転階の空間の放射線線量と同等の放射線線量(自然界で計測される程度の放射線線量)を有するクリーン領域となっている。壁41には、雰囲気の移行開口が設けられているので、先に説明した中央の区域28a,28bが周辺区域26,27より低い負圧となる圧力関係によって、中央の区域28a,28bへ周辺区域26,27の雰囲気が移行開口を通じて流れ、その逆の流れを阻止している。このようにしてクリーン領域が放射線線量の高い区域からの雰囲気で放射線線量が高くなる影響を防止している。
【0021】
タービン建屋の運転階には、点検作業等の利便性を考慮してタービン2の上部が運転床4よりも上方へ突き出て収納されている。そのタービン2には原子炉から供給された蒸気が通るので、放射線が運転階に漏洩しないように厳重な放射線遮蔽構造が施されている。原子力発電所が通常の運転時期にあるときには、原子炉から供給された蒸気をタービン2が受け入れてタービン2が蒸気によって回転駆動され、そのタービン2の回転駆動力が運転床4上方に装備された発電機(図示せず。)を回転させて発電作用を起こさせている。そのタービン2を回転駆動して使用された蒸気は復水器3に導入されて凝縮されることによって水に戻される。その復水器3で生じた水は原子炉に戻されて蒸気となるべく再使用される。
【0022】
タービン建屋1の運転階階下の各区域26,27,28a,28bへの給気設備は、給気処理装置15と三台の送風機16a,16b,16cと給気ダクト17とから構成される。その給気処理装置15は、タービン建屋1の外壁に設けたルーバ11に外気の取り入れ口が接続される。その給気処理装置15の外気の入口から反対の出口までの外気の通風路にその入口から出口の間で順次、給気用フィルタ12と暖房用コイル13と冷却用コイル14とが装備されている。
【0023】
その給気処理装置15の外気の出口には、並列に三台の送風機16a,16b,16cの吸込口が給気ダクト17によって連通接続されている。並列な三台の送風機16a,16b,16cの空気吐出口には給気ダクト17が連通接続され、その給気ダクト17の途中で一流路に合流され、その後に三流路の給気ダクト17a,17b,17cに分流するダクト構成を備えている。その給気ダクト17a,17bは区域26,27に連通接続され、他の給気ダクト17cは区域28a,28bに連通接続される。
【0024】
運転床4から上方の空間である運転階空間25と運転階階下の区域26,27,28a,28b内と排気元の領域とする排気設備は、排気ダクト18と、排気処理装置21と、排風機22a,22b,22cと、排気筒23とで構成されている。排気ダクト18は、四流路に分かれた排気ダクト18a,18b,18c,19の内、運転階空間25に第2排気ダクトとして採用した排気ダクト19の吸込口が、運転階階下の区域26に排気ダクト18aの吸込口が、運転階階下の区域27に排気ダクト18bの吸込口が、運転階階下の区域28a,28bに排気ダクト18cの吸込口が装備されている。排気ダクト19を第2排気ダクトというのに対して、排気ダクト18,18a,18b,18cを第1排気ダクトという。
【0025】
排気ダクト18a,18b,18c,19は、タービン建屋1の排気元の領域から外に引き出されて一流路に一旦まとめられ、その先で三流路に再分岐されて排気処理装置21の空気取り込み入口に連通接続される。この排気処理装置21には排気用フィルタ20が、再分岐した排気ダクト18の三流路の各一流路に対して一台の排気用フィルタ20が排気される空気の濾過に従事できるように、三台並列に装備されている。その三台の排気用フィルタ20の濾過済み空気の出口側には、一台の排気フィルタ20に対して一台の排風機が排風に従事するように三台の排風機22a,22b,22cの吸込口が排気処理装置21に並列に排気ダクトで連通接続される。三台の排風機22a,22b,22cの空気の吐出口は一流路に纏められて排気ダクト18で排気筒23の入口に接続されている。
【0026】
タービン建屋1の運転階の雰囲気、即ち運転階空間25の空気、を給排気する給排気設備は以下のように成っている。運転階の側壁面には給気用ルーバ5a,5bを備えてタービン建屋1の外部と連通する開口部が設けられている。タービン建屋1には、運転階空間25からタービン建屋1の屋上を経由してタービン建屋1の外へ抜けるダクト形式の排気流路として採用した排気ダクト42が装備されている。その排気ダクト42に接続されて三台の排気ファン6a,6b,6cがタービン建屋1に装備されている。
【0027】
操作盤8に装備されたリモートスイッチ7a,7b,7cで排気ファン6a,6b,6cの駆動装置を個別に制御することで各排気ファン6a,6b,6cの起動や停止等の制御が可能である。その操作盤8はタービン建屋外の制御室に装備されて、遠隔にて各排気ファン6a,6b,6cを制御できる。排気ファン6a,6b,6cの駆動機構を個別に制御する制御系統がさらに存在する。その制御系統は、運転階空間25に装備されて放射線検出器10が自然界での放射線線量を超えた予め設定した放射線線量を検出した際に電気的な高放射線検出信号を出力する放射線検出器10と、その放射線検出器10からの高放射線検出信号を入力として駆動中の各排気ファン6a,6b,6cを停止させる停止信号を排気ファン6a,6b,6cの駆動機構に出力して排気ファン6a,6b,6cの駆動を停止させる制御手段であるコントローラ9とから構成されている。
【0028】
このような第1実施例の構成において、タービン建屋1の運転床4より上の運転階空間25を有する運転階に放射性物質が放出されない通常運転時について以下に説明する。運転床4より下の運転階階下の区域26,27,28a,28bの換気は、予備機無しの33%容量3台の各送風機16a,16b,16cを駆動してルーバ11から外気を取り込み、その外気は給気用フィルタ12,暖房用コイル13,冷房用コイル14を順次通る。そのため、その外気は給気用フィルタ12で浄化され、暖房用コイル13や冷房用コイル14と熱交換して所望の温度に調整される。
【0029】
このように給気処理装置15により浄化と温度調整の各処理が成された外気は3台の送風機16a〜16cによってタービン建屋1内の各区域26,27,28a,28bや図示していない運転階下の各部屋へ給気ダクト17,17a,17b,17cを通じて供給される。
【0030】
予備機無しの33%容量3台の排風機22a〜22cを駆動することによって、各区域,各部屋の空気は排気ダクト18a,18b,18cにより集められて排気処理装置21のフィルタ20に通される。その空気に放射性物質や除去対象の他の物質が存在する場合には、その空気がフィルタ20に通された際にそれらの各物質がその空気から取り除かれてその空気の浄化が成される。このように浄化処理を施された空気は排風機22a〜22cにより排気ダクト18を通じて排気筒23の入口に送風されて排気筒23からタービン建屋外の外界へ排出される。
【0031】
一方、運転床4より上の運転階空間25の換気は、排気ファン6a〜6cと排風機22a,22b,22cを駆動することによって行われる。リモートスイッチ7a〜7cの操作で排気ファン6a〜6cが駆動されると、タービン建屋内の空気が排気ファン6a〜6cの駆動力で排気ダクト42内に吸引されてタービン建屋外へ排出される。同じく排風機22a,22b,22cが駆動されると、排気ダクト19を通じて運転階空間25の空気がフィルタ20を通って排気筒23からタービン建屋1外の外界へ排出される。このように、運転階空間25の空気が排気されるに伴って、運転階の側壁に設置されている複数のルーバ5a,5bからタービン建屋1外の外気が運転階空間25に入り込む。このようなことで運転階に存在する運転階空間25の給気及び排気作用が成される。
【0032】
このようにして、複数の排気ファン6a〜6cにより運転階空間の雰囲気である空気のほとんどを排気するが、さらに排風機22a〜22cにより運転階専用の排気ダクト19を通じて運転階空間25の空気を一部排気する。この排気ダクト19は、例えば運転階平面が長方形の場合、例えばどちらか一方の短辺側へ壁に沿って配置し、給気口のルーバ5a,5bを反対側あるいは反対側と長辺側に設置することで、取り入れた外気をショートパスさせることなく十分換気,除熱が可能であり、大幅なダクト物量増加とならない。
【0033】
運転階空間25の放射線線量が自然界と同等の低いレベルである通常運転時には、放射線検出器10は高放射線検出信号を発信しないのでその放射線検出器10からの信号をコントローラ9が受けても、コントローラ9は排気ファン6a〜6cを停止させる信号を発することが無く、排気ファン6a〜6cは駆動し続けられる。
【0034】
尚、本実施例では、送風機16a〜16cと排風機22a〜22cの構成は、予備機無しの50%容量2台あるいは100%容量1台でも可能である。また、予備機が有る構成も可能である。その場合は、例えば3台構成であれば、2台が稼動している間は、1台は停止状態となる。
【0035】
次に、図2に基づいて、第1実施例のタービン建屋の換気空調システムの構成で、運転床4より上の運転階で放射能が異常に上昇した異常時について説明する。何らかの原因で、運転階空間25の放射能が異常に上昇すると、運転階空間25に設置される放射線検出器10の計測値が予め通常と定めた値を超えて異常に上昇する。
【0036】
このような異常状態になると、放射線検出器10が高放射線信号をコントローラ9に発信する。その信号を受けたコントローラ9は、その信号により、例えば原子力発電所の運転を集中操作している中央制御室へ警報を発すると共に、全台数の排気ファン6a〜6cの駆動部に排気ファン6a〜6cを停止させる停止信号を発信し、排気ファン6a〜6cが停止される。尚、送風機16a〜16c及び排風機22a〜22cは、この場合でも連続運転している。そのため、運転階空間25の空気は、運転階専用の排気ダクト19の吸込口から吸込み量分排気され、また外気がルーバ5a,5bから運転階空間25内に外気が入って給気され、換気作用が成り立つ。排気ダクト19を通じての排気に際しては、運転階空間25の空気がフィルタ20で濾過されて放射性物質がその空気から除去されるので、最終的な排気空気内には放射性物質が外界の自然界のレベルまで低下して安全である。このようにして、排気ファン6a〜6cが停止されても、運転階空間25は、排気ダクト19を通じての排気作用で外気環境より負圧となり、運転階空間25に拡散した放射性物質の外気環境への放出が防止できる。各区域26,27,28a,28bの換気に関しては、既述の通常運転時と同じである。
【0037】
次に、図3に基づいて、第1実施例のタービン建屋の換気空調システムの構成で、タービン建屋1内での定期検査時の換気について説明する。タービン建屋1内での定期検査時にはタービン2を分解点検する作業が伴う。そのため、定期検査時では、タービン2のタービンケーシング29が開かれてタービン2が分解点検工程により運転階空間25に開放される。
【0038】
このような定期検査時の状態では、タービン2内や復水器3に内包されていた放射性物質や有害物質が、汚染空気の上昇流として運転階空間25へ拡散される恐れがある。このため、排気ファン6a〜6cをリモートスイッチ7a〜7cの操作でタービンケーシング29を開く前に停止させる。運転階専用の排気ダクト19の吸込口には、例えば放射性物質がよう素の場合、第2濾過装置として採用した活性炭のフィルタ40を設置する。排気ファン6a〜6cを停止しても、送風機16a〜16c及び排風機22a〜22cは、連続運転している。そのため、運転階空間25の空気は、運転階専用の排気ダクト19の吸込口から吸込み量分排気され、また外気がルーバ5a,5bから運転階空間25内に外気が入って給気され、換気作用が成り立つ。各区域26,27,28a,28bの換気に関しては、既述の通常運転時と同じである。
【0039】
このようにすると、運転階空間25の空気が活性炭のフィルタ40を通過してから排気ダクト19に入る。そのため、活性炭のフィルタ40によって放射性物質が除去されて空気が浄化される。浄化された空気が排気ダクト19に入って再度フィルタ20で浄化されて十分な浄化作用をうけてから排気筒23を通じて外界へ排気される。このように、運転階において一旦活性炭のフィルタ40で浄化した空気を排気設備が扱うことになるので、排気ダクト19自体の放射能汚染の抑制と外気環境への放射能の放出の確実な防止とが成し遂げられる。
【0040】
運転床4より上の運転階空間25の排気手段として排気ファン6a〜6cを運転階天井に、ルーバ5a,5bを運転階側壁に付けることにより、タービン建屋1の運転階空間25と運転階階下の各区域26,27,28a,28bの換気系を分離できる構成となる。これは、従来の方法の設備と比較した場合、例えば、量産品が可能な一般汎用品の排気ファン6a〜6cは増加する一方で、特注品の送風機16a〜16c,排風機22a〜22cの容量を下げることが可能となる。
【0041】
次に、これら図1〜図3までの内容を以下具体的に風量配分を交え定量的に風量がバランスしていることを説明する。図1に示す通常運転時に、例えば3台の送風機16a〜16cによって給気される全体必要風量を270,000m3/hとする。排気側は、例えば運転階の定期検査時に必要とされる風量を30,000m3/hとすると、3台の排風機22a〜22cによって排気される全体風量は、300,000m3/hとなる。一方、運転階の風量は、外気冷却により、例えば、運転階の総発熱負荷が300,000kcal/h で外気設計温度が32℃、運転階の設計室内温度を40℃とすると、除熱のための給気風量は、130,000m3/h必要となる。
【0042】
運転階空間25では、先に記載したように排風機22a〜22cにより排出される排気ダクト19によって30,000m3/h が排気されるから残り100,000m3/h を屋上部排気ファン6a〜6cによって排気することで、タービン建屋全体の風量バランス及び換気,除熱は達成される。次に、図2,図3に示す異常時,定期検査時について、説明する。この場合は、運転階に放射性物質が存在することから、屋上部排気ファン6a〜6cを停止することは、先に記述した通りである。これに伴い、運転階の給気口であるルーバ5a,5bからの給気量は、排風機22a〜22cにより排出される排気ダクト19によって排気される30,000m3/h分へ減少する。
【0043】
但し、異常時,定期検査時は、タービンや発電機が停止していることから、通常運転時の総発熱負荷はない。従って、異常時,定期検査時においてもタービン建屋全体の風量バランス及び換気,除熱は達成される。つまり、運転階に運転階専用の排気ダクト19を設けることで、発明が解決しようとする課題中で述べた風量のアンバランスという問題もなく、容易に全ての運転パターンにおいてタービン建屋全体の風量バランス及び換気,除熱が達成される。
【0044】
さらに運転階空間25を送風機16a〜16cと排風機22a〜22cに接続された各ダクトによって通常運転時,異常時,定期検査時に換気する従来の方法の場合による送・排風機の設備容量を比較した場合、例えば給気温度23℃では、先に記載した運転階の総発熱負荷が300,000kcal/h の場合、運転階を設計室内温度に維持するためには、63,000m3/hの風量が必要になり、タービン建屋全体の送・排気風量は、333,000m3/hとなる。このことから、本実施例の場合、総送風量で約20%、総排風量で約10%の低減ができ、同様に、設備容量も同じ比率で低減できる。尚、排気ファン6a〜6cを付けることにより、上記従来の方法から排気ファン分の設備費は上がるが、一般汎用品の例えば型番品あるいは量産品の換気扇,ファンを使用することにより、設備費の増加は、低く抑えることが可能である。
【0045】
また、図中には、排気ファン6a〜6cを3台記載したが、型番品を使用することで、コスト低減のための台数増加も可能である。さらに、特公平6−8885号公報に記載の従来技術と設備容量を比較した場合は、例えば先に記載の総給気風量270,000m3/hと同じ総排気風量を有するとした場合、必ず予備機を必要とする構成から、3台で内1台予備機とした場合、1台当りの排風機容量は、135,000m3/hとなる。従って、本実施例の場合は、排風機容量で約25%の低減ができる。
【0046】
このように本実施例によれば、通常運転時,異常時,定期検査時のどのような運転パターンにおいても風量調整を実施せずともタービン建屋全体の風量のアンバランスがなく、また適切な換気,除熱が実施できると共に、万一の運転階の放射能上昇及びタービンケーシング29の開放による放射性物質の拡散においてもそのまま外気環境への放出を防止し、かつタービン建屋全体を換気する設備及び運転階の給・排気ダクトの物量及びコストを低減できる効果がある。
【0047】
図4は、本発明の第2実施例に係る沸騰水型原子炉を採用した原子力発電所タービン建屋の換気空調システムの構成を示す。第2実施例は、第1実施例を一部改変したものである。その変更点は、図4に示すように、運転床4に通気口として移送開口24a,24bを設け、排気ダクト18a,18bを削除してダクト採用量を減少させた点である。その他の構成は第1実施例と同じである。
【0048】
その移送開口24a,24bは、運転床4より上の運転階空間25と運転階階下の区域26,27を連通させる開口である。運転階空間25と区域26,27は雰囲気の清浄度が同じである。
【0049】
区域28a,28bは、運転床4より下の空間で雰囲気が汚染されている区域を示す。移送開口24a,24bは、運転床の下の区域26,27から運転階空間25への空気の移送を目的として設けられている。例えば、運転床4の下の区域26,27へ給気ダクト17a,17bを通じて外気を給気し、運転床の下の区域26,27の雰囲気を雰囲気が汚染されている区域28a,28b及び清浄な雰囲気の運転階空間25へ移送する。移送されてきた雰囲気を排気ダクト18c,19を通じて排気する。また、異常時,定期検査時の換気量の観点から移送開口24a,24bからの移送風量は、運転階空間25からの専用の排気ダクト19によって排気される排気風量と同等分とする。その他の内容については、第1実施例と同じである。
【0050】
尚、排気ダクト18a,18bを採用して、区域26,27の空気の全量を移送開口24a,24bを通じて隣接の区域28a,28b及び運転階空間25へ移送するのではなく一部移送とし、残りを排気ダクト18a,18bを通じて排気することであっても良い。
【0051】
ここで、第2実施例についても以下具体的に風量配分を交え定量的に風量がバランスしていることを説明する。第1実施例と同様な条件とすると、給気される全体必要風量は270,000m3/h、運転階の定期検査時に必要とされる風量は30,000m3/hである。給気ダクト17a,17bによって運転床4の下の区域26,27へ給気される全体風量のうち30,000m3/hを運転階へ移送給気することにより、排気される全体風量も給気量と同様に270,000m3/hとなる。
【0052】
一方、運転階も第1実施例と同様な条件とすると、除熱のための給気風量は、130,000m3/hであるから、移送風量30,000m3/hがあるため、排気ファン6a〜6cからも同じ風量130,000m3/hを排出する必要があるが、前述のように風量は、バランスしていることがわかる。また、設備についても第1実施例で示したタービン建屋全体を換気する従来の方法による総風量333,000m3/hと比較した場合、給気・排気設備共に、約20%低減できる効果がある。
【0053】
図5は、本発明の第3実施例に係る沸騰水型原子炉を採用した原子力発電所タービン建屋の換気空調システムの構成を示す。第3実施例は第1実施例を一部改変したもので、その変更点は次のとおりである。
【0054】
即ち、図5に示される30は、定期検査時に運転階へ放出される、例えば放射性よう素を除去する活性炭内蔵の仮設フィルタユニットである。第2濾過装置として採用した仮設フィルタユニット30は、運転階専用の排気ダクト19から分岐した仮設フィルタユニット30の接続用ノズル31を有する排気ダクト34と、その接続用ノズル31において接続される。排気ダクト19bには途中に閉止ダンパ32が設けられ、排気ダクト34には閉止ダンパ33が設けられる。
【0055】
定期検査時の運用方法は、定期検査時には仮設フィルタユニット30が排気ダクト34に接続され、排気ダクト34に設置された閉止ダンパ33は開かれている。その替わりに排気ダクト19に設置された閉止ダンパ32を閉じて排気ダクト19を閉鎖する。通常運転時や異常時は、閉止ダンパ32,33の開閉状態を定期検査時と逆とし、仮設フィルタユニット30を接続用ノズル31部分で排気ダクト34から取り外して撤去する。
【0056】
このように本実施例によれば、定期検査時の運転階空間25へ放出される例えば放射性よう素を運転階空間25の空気と共に仮設フィルタユニット30に吸込む。吸込んだその空気は仮設フィルタユニット30で放射性よう素が除去された清浄な空気に浄化される。浄化された空気は排気ダクト34を通じて排気筒23に送られて外界へ排出される。排気ダクト34には予め仮設フィルタユニット30を容易に接続したり外して撤去できるように仮設フィルタユニット30の接続用ノズル31を備えているので、仮設フィルタユニット30の排気ダクト34への接続と撤去に従事する作業者の作業効率を向上できる効果がある。その他の内容は第1実施例と同じである。
【0057】
図6は、本発明の第4実施例に係る沸騰水型原子炉を採用した原子力発電所タービン建屋の換気空調システムの構成を示す。第4実施例は第1実施例を改変したもので、その変更点は以下のとおりである。即ち、各排気ダクト42の各入口に閉止ダンパ35a,35b,35cを設け、各閉止ダンパ35a,35b,35cを開閉駆動する各ダンパ駆動機構36a,36b,36cを備えている点である。
【0058】
各ダンパ駆動機構36a,36b,36cとコントローラ9とは電気的に接続され、コントローラ9から発信された停止信号を受けて各ダンパ駆動機構36a,36b,36cが各閉止ダンパ35a,35b,35cを閉止状態に駆動する構成を備えている。その停止信号は放射線検出器10からの高放射線信号をコントローラ9が受信した直後に発信される。その他の構成は第1実施例と同じである。
【0059】
このような第4実施例にあっては、ダンパ駆動機構36a〜36cは、例えば電気によるモータ駆動が考えられ、例えば、異常時に運転階空間25の放射能が異常上昇し、放射線検出器10の計測により、コントローラ9からの停止信号が発せられて排気ファン6a〜6cが停止されるが、停止方法として例えば、ダンパ駆動機構36a〜36cの駆動用のモータへの電源を遮断する方法の場合、慣性力による惰性で排気ファン6a〜6cが回転し続け、運転階専用の排気ダクト19を通じての排気作用によって保たれる運転階空間25の負圧に対向して排気ファン6a〜6cが運転階空間25の空気を吸引する圧力を生じている時に、一部放射性物質が排気ダクト42を通じて外気へ放出される可能性がある。
【0060】
このような場合、本実施例によれば、放射性物質が外気へ流出する可能性がある各排気ダクト42の流路を各閉止ダンパ35a,35b,35cで閉鎖することにより、外気環境への放射性物質流出を遮断できる効果がある。その他の内容は第1実施例と同じである。
【0061】
図7は、本発明の第5実施例に係る沸騰水型原子炉を採用した原子力発電所タービン建屋の換気空調システムの構成を示す。第5実施例は第1実施例を改変したものであって、その変更点は、次のとおりである。即ち、運転階専用の排気ダクト19には圧力調整ダンパ38が設置される。その圧力調整ダンパ38は、運転階空間25とタービン建屋1外の外界との差圧、つまり運転階空間25の負圧度を制御する圧力調整ダンパである。圧力調整ダンパ38のダンパ板を駆動して圧力調整ダンパ38の開度を調整する圧力調整ダンパ38の駆動機構にはコントローラ9が電気的に接続される。そのため、コントローラ9から発信された停止信号を圧力調整ダンパ38の駆動機構が受信すると、その停止信号に基づいて圧力調整ダンパ38の駆動機構が圧力調整ダンパ38のダンパ板を駆動して圧力調整ダンパ38の開度を予め決めた大開度状態とする制御機構がその駆動機構に備わっている。
【0062】
また、コントローラ9にはタイマー37が接続され、コントローラ9からの停止信号を受信したときに予め定めた一定時間をカウントダウンし、カウントダウン終了後にコントローラ9にその終了を知らせるタイマー信号を発信するように構成されている。
【0063】
そのタイマー信号を受けたコントローラ9が、圧力調整ダンパ38の駆動機構に開度を大開度状態にする前の元の開度に戻す信号を発信するようにコントローラ9が構成されている。また、その元の開度に戻す信号を圧力調整ダンパ38の駆動機構が受信したときに、その信号に基づいて圧力調整ダンパ38の駆動機構が圧力調整ダンパ38の開度を元の開度に戻るまでダンパ板を駆動する構成を圧力調整ダンパ38の駆動機構に装備してある。その他の構成は第1実施例と同じである。
【0064】
第5実施例では、放射線検出器10の計測に基づいて発せられる高放射線信号を受けてコントローラ9から停止信号が排気ファン6a〜6cの駆動機構に送信され、排気ファン6a〜6cが停止される。これと同時にコントローラ9からの停止信号を受けた圧力調整ダンパ38の駆動機構は、あらかじめ設定された開度へ開かれる。この設定された開度とは、排気ファン6a〜6cが慣性力により停止信号が発せられた後も廻り続ける時の圧送力以上に運転階の負圧度を大きくすることが可能な範囲をいう。
【0065】
尚、通常運転時より大きな開度で開けられた圧力調整ダンパ38は、次のように元の開度に戻される。即ち、停止信号発生から一定時間後にタイマー37から発信されたカウントダウン終了を知らせる信号をコントローラ9が受信し、その後にコントローラ9が圧力調整ダンパ38の駆動機構へ開度を元に戻す信号を発信し、その信号を受けた圧力調整ダンパ38の駆動機構は圧力調整ダンパ38の開度を通常運転時の開度に戻す。タイマー37に設定すべき一定時間とは、コントローラ9から停止信号が排気ファン6a〜6cの駆動機構に送信されてから排気ファン6a〜6cが停止されるまでの時間である。
【0066】
このような第5実施例は、排気ファン6a〜6cが停止信号を受けて停止を開始した直後に、運転階空間の空気を今まで以上に排気ダクト19を通じて排気できるので、運転階空間の圧力を今まで以上に負圧に移行させることができる。そのため、排気ファン6a〜6cが停止信号を受けて停止を開始してから停止に至るまでの間に慣性で排気ダクト42から外界へ抜ける運転階空間25の空気を極力無くすることができる。排気ファン6a〜6cが停止した後は直ちに元の圧力状態に戻される。このように、圧力調整ダンパ38は運転階空間25の圧力(負圧)の度合いを制御する手段として用いられている。このような圧力制御によって、運転階空間25の負圧度を調整し、外気環境への放射性物質の流出を防御できる効果がある。その他の内容は第1実施例と同じである。
【0067】
図8は、本発明の第6実施例に係る沸騰水型原子炉を採用した原子力発電所タービン建屋の換気空調システムの構成を示す。第6実施例は第1実施例を改変したもので、その変更点は、コントローラ9に運転階空間25に配備した温度検出器39を電気的に接続した点である。即ち、運転階空間25に配備された温度検出器39は運転階空間25の雰囲気温度を計測し計測結果を電気信号に変えてコントローラ9に送信している。そのコントローラ9はマイクロコンピュータを有し、そのマイクロコンピュータには、通常運転時において、あらかじめ決めた温度範囲と、その温度範囲で運転及び停止させる排気ファン6a〜6cを対応つけさせたデータが記憶されている。マイクロコンピュータにセットしたプログラムが作動していると、プログラムに基づいて以下のように処理がなされる。
【0068】
即ち、コントローラ9が温度検出器による温度計測結果を受信するごとに、マイクロコンピュータにその温度計測結果が入力され、その温度が含まれている範囲ではどの排気ファンを駆動し、どの排気ファンを停止させるかについてマイクロコンピュータが記憶した前述のデータと温度計測結果との照らし合わせによって判定し、判定結果に基づいて排気ファン6a〜6c個々にコントローラ9から駆動信号か停止信号が発信される。駆動信号を受けたいずれかの排気ファン6a〜6cは駆動され続けられ、停止信号を受けたいずれかの排気ファン6a〜6cは停止される。この間に放射線検出器10からの高放射線信号をコントローラ9が受信した場合には、コントローラ9が全排気ファン6a〜6cに停止信号を発信するように切り替わる処理を成す。
【0069】
このように、運転階空間25内の温度に依存して排気ファン6a〜6cの運転及び停止の号機を定めれば、例えば、運転階空間の雰囲気の温度が低い場合、排気ファン6aのみの運転により、ルーバ5a,5bからの外気給気量を抑制し、運転階空間の雰囲気の温度がそれより高い場合、排気ファン6a,6bのみの運転により、ルーバ5a,5bからの外気給気量を一層増加させて、適切な温度範囲に運転階空間25の雰囲気を維持することができる。このように本実施例によれば、排気ファン6a〜6cの運転及び停止の台数制御が可能なことから、運転階空間25の雰囲気温度を制御できる上、排気ファンの駆動エネルギーに無駄が無くなるという効果が得られる。
【0070】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、通常運転時や異常時や定期検査時のどのような運転パターンにおいても安定した換気が確実に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である沸騰水型原子炉を採用した原子力発電所タービン建屋の換気空調システム構成における通常運転時の概念図である。
【図2】本発明の第1実施例である沸騰水型原子炉を採用した原子力発電所タービン建屋の換気空調システム構成における異常時の概念図である。
【図3】本発明の第1実施例である沸騰水型原子炉を採用した原子力発電所タービン建屋の換気空調システム構成における定期検査時の概念図である。
【図4】本発明の第2実施例である沸騰水型原子炉を採用した原子力発電所タービン建屋の換気空調システム構成の概念図である。
【図5】本発明の第3実施例である沸騰水型原子炉を採用した原子力発電所タービン建屋の換気空調システム構成における定期検査時の概念図である。
【図6】本発明の第4実施例である沸騰水型原子炉を採用した原子力発電所タービン建屋の換気空調システム構成の概念図である。
【図7】本発明の第5実施例である沸騰水型原子炉を採用した原子力発電所タービン建屋の換気空調システム構成の概念図である。
【図8】本発明の第6実施例である沸騰水型原子炉を採用した原子力発電所タービン建屋の換気空調システム構成の概念図である。
【符号の説明】
1…タービン建屋、2…タービン、3…復水器、4…運転床、5a,5b,11…ルーバ、6a〜6c…排気ファン、7a〜7c…リモートスイッチ、8…操作盤、9…コントローラ、10…放射線検出器、12…給気用フィルタ、13…暖房用コイル、14…冷却用コイル、15…給気処理装置、16a〜16c…送風機、17,17a,17b,17c…給気ダクト、18,18a,18b,18c,19,34…排気ダクト、20,40…フィルタ、21…排気処理装置、22a〜22c…排風機、23…排気筒、24a,24b…移送開口、25…運転階空間、26,27,28a,28b…運転階階下の区域、29…タービンケーシング、30…仮設フィルタユニット、31…接続用ノズル、32,33,35a〜35c…閉止ダンパ、36a〜36c…ダンパ駆動機構、37…タイマー、38…圧力調整ダンパ、39…温度検出器。

Claims (6)

  1. 原子力発電所のタービン建屋の運転階空間に外気を導くように前記タービン建屋に装備されたルーバと、
    前記運転階空間の空気を前記タービン建屋外へ導く排気流路と、
    前記運転階空間の空気を排気するように前記排気流路に備えた排気ファンと、
    前記タービン建屋の運転階の下に外気を導く給気ダクトと、
    前記タービン建屋の運転階の下に外気を送気するように前記給気ダクトに備えた送風機と、
    前記タービン建屋の運転階の下の空気を放射性物質を除去する第1濾過装置を経由して前記タービン建屋外へ導く第1排気ダクトと、
    前記タービン建屋の運転階の下の空気を前記タービン建屋外へ送気するように前記第1排気ダクトに備えた排風機と、
    前記運転階空間の空気を前記タービン建屋外へ送気するように、前記運転階から前記第1濾過装置を経由して前記排風機に連通接続した第2排気ダクトと、
    を備えている原子力発電所タービン建屋の給排気設備。
  2. 請求項1において、前記運転階空間と前記運転階の下の外側周辺の区域とを連通する通気口を運転床に備えてある原子力発電所タービン建屋の給排気設備。
  3. 請求項1又は請求項2において、前記第2排気ダクトの吸込口に、前記運転階空間から前記第2排気ダクトに流入する空気に含まれている放射性物質を除去する第2濾過装置を接続した原子力発電所タービン建屋の給排気設備。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項において、前記運転階空間に装備された放射線検出器と、前記放射線検出器からの信号に基づいて前記排気ファンを停止させるとともに前記排気ファンに通じる排気流路に装備された閉止ダンパを開状態から閉止状態へ駆動させる制御手段とを備えている原子力発電所タービン建屋の給排気設備。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれか一項において、前記運転階に装備された放射線検出器と、前記第2排気ダクトに装備された圧力調整ダンパと、前記放射線検出器からの信号に基づいて前記排気ファンを停止させるとともに前記圧力調整ダンパを開度の増大方向に予め定めた時間だけ駆動させる制御手段とを備えている原子力発電所タービン建屋の給排気設備。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項において、複数台の前記排気ファンと、前記運転階空間に装備された温度検出器と、前記温度検出器による検出温度に基づいて前記排気ファンの運転台数とその停止を制御する制御手段を備えている原子力発電所タービン建屋の給排気設備。
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