以下、本発明による燃料電池システムの一実施形態について説明する。図1に示すように、燃料電池システムは、発電ユニット10および貯湯槽21を備えている。発電ユニット10は、筐体10a、燃料電池モジュール11、熱交換器12、インバータ装置13、水タンク14、および制御装置15を備えている。制御装置15は、図2に示すように、メイン制御部15a、第一安全制御部15b1および第二安全制御部15b2を備えている。
燃料電池モジュール11は、後述するように燃料電池34を少なくとも含んで構成されるものである。燃料電池モジュール11は、改質用原料、改質水およびカソードエアが供給されている。具体的には、燃料電池モジュール11は、一端が供給源Gsに接続されて改質用原料が供給される改質用原料供給管11a(燃料供給管)の他端が接続されている。さらに、燃料電池モジュール11は、一端が水タンク14に接続されて改質水が供給される水供給管11bの他端が接続されている。水供給管11bは、改質水ポンプ11b1が設けられている。さらに、燃料電池モジュール11は、一端がカソードエアブロワ11c1に接続されてカソードエアが供給されるカソードエア供給管11cの他端が接続されている。カソードエア供給管11cは、燃料電池34に供給されているカソードエアの流量すなわち単位時間あたりの流量を検出する流量センサ11c2が設けられている。
改質用原料供給管11aに関して詳述する。改質用原料供給管11aには、上流から順番に燃料遮断弁11a1、脱硫器11a2、流量センサ11a3、圧力センサ11a4、バッファタンク11a5、および原料ポンプ11a6が設けられている。燃料遮断弁11a1、脱硫器11a2、流量センサ11a3、圧力センサ11a4、バッファタンク11a5、および原料ポンプ11a6は、筐体10a内に収納されている。
燃料遮断弁11a1は、制御装置15(第一安全制御装置)の指令によって、改質用原料供給管11aを開閉自在に遮断する弁(2連弁)である。具体的には、燃料遮断弁11a1は、それぞれ開閉自在に遮断する第一燃料遮断弁11a1aおよび第二燃料遮断弁11a1bから構成されている。第一燃料遮断弁11a1aおよび第二燃料遮断弁11a1bは、信頼性の高い部品である。信頼性が高いとは、例えば、使用開始から寿命を迎えるまでの期間を通して、故障や性能の劣化が発生しないことをいう。
第一燃料遮断弁11a1aは、燃料電池システムを構成する複数の補機の一つであり、第一安全制御部15b1からの制御信号(オン・オフ信号)を入力し、その信号に応じて開閉される。第一燃料遮断弁11a1aは、制御信号に対する応答信号を第一安全制御部15b1に出力する。応答信号は、制御信号を受けて補機の駆動が完了された後に返信される信号であり、制御信号の内容(または駆動結果の内容である作動内容)を含んでいる。応答信号は、第一燃料遮断弁11a1aの作動内容が少なくとも含まれている。第一燃料遮断弁11a1aの作動内容は、一の運転モード種から他の運転モード種に移行をする毎に異なる値に設定されるものである。第一燃料遮断弁11a1aの作動内容は、例えば、弁の開駆動や閉駆動、それらの駆動時間などである。
第二燃料遮断弁11a1bは、燃料電池システムを構成する複数の補機の一つであり、第二安全制御部15b2からの制御信号(オン・オフ信号)を入力し、その信号に応じて開閉される。第二燃料遮断弁11a1bは、制御信号に対する応答信号(上記第一燃料遮断弁11a1aの応答信号と同様である)を第二安全制御部15b2に出力する。
なお、補機は、燃料電池34を発電させるために使用されるものである。例えば、補機は、本明細書に記載されている、第一および第二燃料遮断弁11a1a,11a1b、各ポンプ11a6,11b1、22a、カソードエアブロワ11c1、各センサ11a3,11a4,11c2,34d,36b1,36b2である。また、運転モード種は、燃料電池システムの運転モードの種類であり、暖機運転(起動運転)を示す暖機モード(起動モード)、発電運転を示す発電モード、停止運転を示す停止モード、および、待機運転を示す待機モードである。
脱硫器11a2は、改質用原料中の硫黄分(例えば、硫黄化合物)を除去するものである。流量センサ11a3は、燃料電池34に供給されている燃料(改質用原料)の流量すなわち単位時間あたりの流量を検出するものであり、その検出結果を制御装置15のメイン制御部15aに送信している。圧力センサ11a4は、燃料電池34に供給されている燃料(改質用原料)の圧力(特に圧力センサ11a4の設置場所の圧力)を検出するものであり、その検出結果を制御装置15のメイン制御部15aに送信している。バッファタンク11a5は、原料ポンプ11a6の気体流れを整流するものである。原料ポンプ11a6は、燃料電池34に燃料(改質用原料)を供給する供給装置であり、制御装置15のメイン制御部15aからの制御指令値にしたがって供給源Gsからの燃料供給量(供給流量(単位時間あたりの流量))を調整するものである。この原料ポンプ11a6は、改質用原料を吸入し改質部33に圧送する圧送装置である。
なお、改質用原料供給管11aには、原料ポンプ11a6と燃料電池モジュール11(蒸発部32)との間に逆止弁(図示省略)を配設するようにしてもよい。また、燃料遮断弁11a1、脱硫器11a2、流量センサ11a3、圧力センサ11a4、バッファタンク11a5、および原料ポンプ11a6の配置は、上述した順番に限定されない。
燃料電池モジュール11(30)は、ケーシング31、蒸発部32、改質部33および燃料電池34を備えている。ケーシング31は、断熱性材料で箱状に形成されている。
蒸発部32は、後述する燃焼ガスにより加熱されて、供給された改質水を蒸発させて水蒸気を生成するとともに、供給された改質用原料を予熱するものである。蒸発部32は、このように生成された水蒸気と予熱された改質用原料を混合して改質部33に供給するものである。改質用原料としては天然ガス、LPガスなどの改質用気体燃料、灯油、ガソリン、メタノールなどの改質用液体燃料があり、本実施形態においては天然ガスにて説明する。
蒸発部32には、一端(下端)が水タンク14に接続された水供給管11bの他端が接続されている。また、蒸発部32には、一端が供給源Gsに接続された改質用原料供給管11aが接続されている。供給源Gsは、例えば都市ガスのガス供給管、LPガスのガスボンベである。
改質部33は、上述した燃焼ガスにより加熱されて水蒸気改質反応に必要な熱が供給されることで、蒸発部32から供給された混合ガス(改質用原料、水蒸気)から改質ガスを生成して導出するものである。改質部33内には、触媒(例えば、RuまたはNi系の触媒)が充填されており、混合ガスが触媒によって反応し改質されて水素ガスと一酸化炭素などを含んだガスが生成されている(いわゆる水蒸気改質反応)。改質ガスは、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気、未改質の天然ガス(メタンガス)、改質に使用されなかった改質水(水蒸気)を含んでいる。このように、改質部33は改質用原料(原燃料)と改質水とから改質ガス(燃料)を生成して燃料電池34に供給する。なお、水蒸気改質反応は吸熱反応である。
燃料電池34は、燃料極、空気極(酸化剤極)、および両極の間に介装された電解質からなる複数のセル34aが積層されて構成されている。本実施形態の燃料電池は、固体酸化物形燃料電池であり、電解質として固体酸化物の一種である酸化ジルコニウムを使用している。燃料電池34の燃料極には、燃料として水素、一酸化炭素、メタンガスなどが供給される。動作温度は400〜1000℃程度である。水素だけではなく天然ガスや石炭ガスなども直接燃料として用いることが可能である。この場合、改質部33は省略することができる。
セル34aの燃料極側には、燃料である改質ガスが流通する燃料流路34bが形成されている。セル34aの空気極側には、酸化剤ガスである空気(カソードエア)が流通する空気流路34cが形成されている。
燃料電池34は、燃料電池34の温度を検出する温度センサ34dを備えている。温度センサ34dは、その検出結果を制御装置15のメイン制御部15aに送信するようになっている。
燃料電池34は、マニホールド35上に設けられている。マニホールド35には、改質部33からの改質ガスが改質ガス供給管38を介して供給される。燃料流路34bは、その下端(一端)がマニホールド35の燃料導出口に接続されており、その燃料導出口から導出される改質ガスが下端から導入され上端から導出されるようになっている。カソードエアブロワ11c1によって送出されたカソードエアはカソードエア供給管11cを介して供給され、空気流路34cの下端から導入され上端から導出されるようになっている。
燃焼部36は、燃料電池34と蒸発部32および改質部33との間に設けられている。燃焼部36は、燃料電池34からのアノードオフガス(燃料オフガス)と燃料電池34からのカソードオフガス(酸化剤オフガス)とが燃焼されて改質部33を加熱する。
燃焼部36では、アノードオフガスが燃焼されて火炎37が発生している。燃焼部36では、アノードオフガスが燃焼されてその燃焼排ガスが発生している。燃焼部36には、アノードオフガスを着火させるための一対の着火ヒータ36a1,36a2が設けられている。また、燃焼部36には、燃焼部36の温度を検出するための第一および第二燃焼部温度センサ36b1,36b2(以下、燃焼部温度センサ36bと省略する場合もある)が設けられている。第一および第二燃焼部温度センサ36b1,36b2の検出結果(出力信号)は制御装置15の第一および第二安全制御部15b1,15b2に送信されている。
熱交換器12は、燃料電池モジュール11から排気される燃焼排ガスが供給されるとともに貯湯槽21からの貯湯水が供給され、燃焼排ガスと貯湯水とが熱交換する熱交換器である。具体的には、貯湯槽21は、貯湯水を貯湯するものであり、貯湯水が循環する(図にて矢印の方向に循環する)貯湯水循環ライン22が接続されている。貯湯水循環ライン22上には、貯湯槽21の下端から上端に向かって順番に貯湯水循環ポンプ22aおよび熱交換器12が配設されている。熱交換器12は、燃料電池モジュール11からの排気管11dが接続(貫設)されている。熱交換器12は、水タンク14に接続されている凝縮水供給管12aが接続されている。
熱交換器12において、燃料電池モジュール11からの燃焼排ガスは、排気管11dを通って熱交換器12内に導入され、貯湯水との間で熱交換が行われ凝縮されるとともに冷却される。凝縮後の燃焼排ガスは排気管11dを通って外部に排出される。また、凝縮された凝縮水は、凝縮水供給管12aを通って水タンク14に供給される。なお、水タンク14は、凝縮水をイオン交換樹脂によって純水化するようになっている。
上述した熱交換器12、貯湯槽21および貯湯水循環ライン22から、排熱回収システム20が構成されている。排熱回収システム20は、燃料電池モジュール11の排熱を貯湯水に回収して蓄える。
さらに、インバータ装置13は、燃料電池34から出力される直流電圧を入力し所定の交流電圧に変換して、交流の系統電源16aおよび外部電力負荷16c(例えば電化製品)に接続されている電源ライン16bに出力する。また、インバータ装置13は、系統電源16aからの交流電圧を電源ライン16bを介して入力し所定の直流電圧に変換して補機(各ポンプ、ブロワなど)や制御装置15に出力する。
制御装置15は、補機を駆動して燃料電池システムの運転を制御する。制御装置15のメイン制御部15aは、燃料電池システムを統括して制御するとともに、燃料電池システムの複数の運転モードのうちいずれの運転モード種であるかを認識可能である。
図2に示すように、メイン制御部15aは、各流量センサ11a3,11c2、圧力センサ11a4、温度センサ34d、各ポンプ11a6,11b1,22a、カソードエアブロワ11c1、着火ヒータ36a1,36a2および記憶部15cが接続されている。メイン制御部15aはマイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAMおよびROM(いずれも図示省略)を備えている。CPUは、燃料電池システムの統括運転を実施している。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものであり、ROMは前記プログラムを記憶するものである。
図2に示すように、制御装置15の第一安全制御部15b1は、第一燃焼部温度センサ36b1および第一燃料遮断弁11a1aが接続されている。第一安全制御部15b1は、第一燃料遮断弁11a1aに制御信号を出力するとともに第一燃料遮断弁11a1aから上述した応答信号を入力する。第一安全制御部15b1は、後述するように、応答信号に基づいて燃料電池システムの運転モード種を認識可能である(運転モードの認識をする)。第一安全制御部15b1は、記憶部15d1が接続されている。
制御装置15の第二安全制御部15b2は、第二燃焼部温度センサ36b2および第二燃料遮断弁11a1bが接続されている。制御装置15の第二安全制御部15b2は、第二燃料遮断弁11a1bに制御信号を出力するとともに第二燃料遮断弁11a1bから応答信号を入力する。第二安全制御部15b2は、後述するように、応答信号に基づいて燃料電池システムの運転モード種を認識可能である(運転モードの認識をする)。第二安全制御部15b2は、記憶部15d2が接続されている。
第一および第二安全制御部15b1,15b2は、メイン制御部15aと同様に、マイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAMおよびROM(いずれも図示省略)を備えている。
メイン制御部15a、第一および第二安全制御部15b1,15b2は、互いに通信可能に接続されている。第一燃焼部温度センサ36b1からの検出信号は、第一安全制御部15b1に入力される。この検出信号は、第一安全制御部15b1を介してメイン制御部15aに出力されている。第二燃焼部温度センサ36b2からの検出信号は、第二安全制御部15b2に入力される。この検出信号は、第二安全制御部15b2を介してメイン制御部15aに出力されている。
一方、メイン制御部15aが入力した情報(センサからの検出信号)は、第一および第二安全制御部15b1,15b2に出力されている。
次に、上述した燃料電池システムの全体的な作動について説明する。すなわち、制御装置15全体として行う作動について説明する。制御主体は、メイン制御部15aおよび/または第一および第二安全制御部15b1,15b2である。制御装置15は、図示しない起動スイッチがオンされると(あるいはユーザによって予め設定された起動開始時刻となったことにより自動的に起動が開始されると)、図3に示すフローチャートに対応するプログラムの実行を開始する。なお、このフローチャートは、待機モード→暖機モード→発電モード→停止モード→待機モードの一連の作動に沿ったものである。
制御装置15は、ステップS102において、カウンタNを0に設定(初期設定)する。ステップS102の処理は、第一および第二安全制御部15b1,15b2(以下、安全制御部15bと省略する場合もある)が行なっている。例えば、燃料電池システムを設置した当初において、安全制御部15bは、第一および第二燃料遮断弁11a1a,11a1bが所定時間オフを継続したことを検出しカウンタNを0に設定する。
カウンタNは、燃料電池システムの運転モード種を示すものである。カウンタNが0である場合に、運転モード種が待機モードであることを示す。カウンタNが1である場合に、運転モード種が暖機モードであることを示す。カウンタNが2である場合に、運転モード種が発電モードであることを示す。カウンタNが3である場合に、運転モード種が停止モードであることを示す。また、カウンタNは、更新されると記憶部15d1,15d2に記憶される。
制御装置15は、ステップS104からステップS116までにおいて、暖機運転を行う。ステップS104において、制御装置15(メイン制御部15a)は、カソードエアブロワ11c1を制御してカソードエアを所定流量A1にて供給する。
制御装置15(安全制御部15b)は、第一および第二燃料遮断弁11a1a,11a1b(以下、燃料遮断弁11a1と省略する場合もある)を開く(ステップS106)とともに、カウンタNを1に設定する(ステップS108)。カウンタNを1に設定することで、安全制御部15bは、燃料電池システムの運転モードが暖機モードであることを認識し、待機モードから暖機モードに移行したことを認識する。
ここで、運転モード種の認識について図4に示すフローチャートを参照して説明する。安全制御部15bは、そのフローチャートに沿ったプログラムを所定の短時間毎に繰り返し実行する。
安全制御部15bは、ステップS202において、燃料遮断弁11a1からの応答信号を入力したか否かを判定する。安全制御部15bは、応答信号を入力していないとき、ステップS202にて「NO」と判定し、プログラムをステップS204に進めて本プログラムを一旦終了する。安全制御部15bは、応答信号を入力したとき、ステップS202にて「YES」と判定し、ステップS206以降において、運転モード種の認識を行う。なお、ステップS202において、燃料遮断弁11a1に制御信号を出力したか否かを判定するようにしてもよい。
運転モード種の認識は、燃料遮断弁11a1からの応答信号に含まれているオフ継続時間の種類に基づいて行なわれる。以下、詳述する。
カウンタNが0に初期設定されているとする。安全制御部15bは、カウンタNが0であり、かつ、応答信号(または制御信号)が第一オフ継続時間tm1を含んでいる場合(ステップS206,208,210にてそれぞれ「NO」と判定し、ステップS212にて「YES」と判定する)、カウンタNを1に設定する(ステップS214)。カウンタNが暖機モードを示す1に設定されたため、安全制御部15bは、燃料電池システムの運転モードが暖機モードであることを認識する。また、安全制御部15bは、燃料電池システムの運転モードが待機モードから暖機モードに移行したことを認識する。
なお、ステップS206において、安全制御部15bは、カウンタNが3であるか否かが判定する。ステップS208において、安全制御部15bは、カウンタNが2であるか否かが判定する。ステップS210において、安全制御部15bは、カウンタNが1であるか否かが判定する。ステップS212において、安全制御部15bは、応答信号が第一オフ継続時間tm1を含んでいるか否かを判定する。
第一オフ継続時間tm1は、暖機モードに移行する際に安全制御部15bから燃料遮断弁11a1に出力される制御信号、および暖機モードに移行する際に燃料遮断弁11a1から安全制御部15bに出力される応答信号に含まれている。第一オフ継続時間tm1は、暖機モードに移行する際、制御信号を受けた時点から燃料遮断弁11a1のオフ状態が継続する時間であり、例えば0秒に設定されている。第一オフ継続時間tm1は、第二オフ継続時間tm2、第三オフ継続時間tm3および第四オフ継続時間tm4より短い時間に設定されている。
第二オフ継続時間tm2は、発電モードに移行する際に安全制御部15bから燃料遮断弁11a1に出力される制御信号、および発電モードに移行する際に燃料遮断弁11a1から安全制御部15bに出力される応答信号に含まれている。第二オフ継続時間tm2は、発電モードに移行する際、制御信号を受けた時点から燃料遮断弁11a1のオフ状態が継続する時間であり、例えば2秒に設定されている。第二オフ継続時間tm2は、第一オフ継続時間tm1より長い時間に設定されている。
第三オフ継続時間tm3は、停止モードに移行する際に安全制御部15bから燃料遮断弁11a1に出力される制御信号、および停止モードに移行する際に燃料遮断弁11a1から安全制御部15bに出力される応答信号に含まれている。第三オフ継続時間tm3は、停止モードに移行する際、制御信号を受けた時点から燃料遮断弁11a1のオフ状態が継続する時間であり、例えば3秒に設定されている。第三オフ継続時間tm3は、第二オフ継続時間tm2より長い時間に設定されている。
第四オフ継続時間tm4は、待機モードに移行する際に安全制御部15bから燃料遮断弁11a1に出力される制御信号、および待機モードに移行する際に燃料遮断弁11a1から安全制御部15bに出力される応答信号に含まれている。第四オフ継続時間tm4は、待機モードに移行する際、制御信号を受けた時点から燃料遮断弁11a1のオフ状態が継続する時間であり、例えば5秒に設定されている。第四オフ継続時間tm4は、第二オフ継続時間tm2および第三オフ継続時間tm3より長い時間に設定されている。
一方、カウンタNが0であり、かつ、応答信号が第一オフ継続時間tm1を含んでいない場合(ステップS206,208,210,212にてそれぞれ「NO」と判定する)、カウンタNを0に設定(維持)する(ステップS216)。これにより、安全制御部15bは、燃料電池システムの運転モードが待機モードであることを認識する。
さらに、安全制御部15bは、カウンタNが1であり、かつ、応答信号が第二オフ継続時間tm2を含んでいる場合(ステップS206,208にて「NO」と判定し、ステップS210,218にて「YES」と判定する)、カウンタNを2に設定する(ステップS220)。カウンタNが発電モードを示す2に設定されたため、安全制御部15bは、燃料電池システムの運転モードが発電モードであることを認識する。また、安全制御部15bは、燃料電池システムの運転モードが暖機モードから発電モードに移行したことを認識する。
なお、ステップS218において、安全制御部15bは、応答信号が第二オフ継続時間tm2を含んでいるか否かを判定する。
さらに、安全制御部15bは、カウンタNが1であり、かつ、応答信号が第三オフ継続時間tm3を含んでいる場合(ステップS206,208,210.218,222にてそれぞれ「NO」、「NO」、「YES」、「NO」、「YES」と判定する)、カウンタNを3に設定する(ステップS224)。カウンタNが停止モードを示す3に設定されたため、安全制御部15bは、燃料電池システムの運転モードが停止モードであることを認識する。また、安全制御部15bは、燃料電池システムの運転モードが暖機モードから停止モードに移行したことを認識する。
なお、ステップS222において、安全制御部15bは、応答信号が第三オフ継続時間tm3を含んでいるか否かを判定する。
さらに、安全制御部15bは、カウンタNが1であり、かつ、応答信号が第四オフ継続時間tm4を含んでいる場合(ステップS206,208,210.218,222,226にてそれぞれ「NO」、「NO」、「YES」、「NO」、「NO」、「YES」と判定する)、カウンタNを0に設定する(ステップS228)。カウンタNが待機モードを示す0に設定されたため、安全制御部15bは、燃料電池システムの運転モードが待機モードであることを認識する。また、安全制御部15bは、燃料電池システムの運転モードが暖機モードから待機モードに移行したことを認識する。
なお、ステップS226において、安全制御部15bは、応答信号が第四オフ継続時間tm4を含んでいるか否かを判定する。
さらに、安全制御部15bは、カウンタNが1であり、かつ、応答信号がいずれのオフ継続時間を含んでいない場合(ステップS206,208,210.218,222,226にてそれぞれ「NO」、「NO」、「YES」、「NO」、「NO」、「NO」と判定する)、カウンタNを1に設定(維持)する。
さらに、安全制御部15bは、カウンタNが2であり、かつ、応答信号が第三オフ継続時間tm3を含んでいる場合(ステップS206,208,222にてそれぞれ「NO」、「YES」、「YES」と判定する)、カウンタNを3に設定する(ステップS224)。カウンタNが停止モードを示す3に設定されたため、安全制御部15bは、燃料電池システムの運転モードが停止モードであることを認識する。また、安全制御部15bは、燃料電池システムの運転モードが発電モードから停止モードに移行したことを認識する。
さらに、安全制御部15bは、カウンタNが2であり、かつ、応答信号が第四オフ継続時間tm4を含んでいる場合(ステップS206,208,222,226にてそれぞれ「NO」、「YES」、「NO」、「YES」と判定する)、カウンタNを0に設定する(ステップS228)。カウンタNが待機モードを示す0に設定されたため、安全制御部15bは、燃料電池システムの運転モードが待機モードであることを認識する。また、安全制御部15bは、燃料電池システムの運転モードが発電モードから待機モードに移行したことを認識する。
さらに、安全制御部15bは、カウンタNが3であり、かつ、応答信号が第四オフ継続時間tm4を含んでいる場合(ステップS206,226にてそれぞれ「YES」と判定する)、カウンタNを0に設定する(ステップS228)。カウンタNが待機モードを示す0に設定されたため、安全制御部15bは、燃料電池システムの運転モードが待機モードであることを認識する。また、安全制御部15bは、燃料電池システムの運転モードが停止モードから待機モードに移行したことを認識する。
上述したように、暖機運転モードや発電運転モード中に系統電源16aが停電した場合、燃料電池システムを停止運転なしで即時に燃料遮断弁11a1を開状態とする場合(シャットダウン)、カウンタNは0に設定される。
説明を暖機運転に戻す。図3に示すステップS106において、メイン制御部15aは、燃料電池システムの運転モードを待機モードから暖機モードに移行させるため、燃料遮断弁11a1を開く旨の指令を安全制御部15bに送信する。安全制御部15bは、この指令を受けて燃料遮断弁11a1に制御信号を送信する。制御信号の内容は、開指令、および開状態とする前に閉状態を継続維持するオフ継続時間が含まれている。このオフ継続時間は、暖機モードに移行させるための第一オフ継続時間tm1である。さらに、安全制御部15bは、燃料遮断弁11a1からの応答信号を受信する。この応答信号は、制御信号に含まれていたオフ継続時間すなわち第一オフ継続時間tm1が少なくとも含まれている。
すなわち、ステップS106においては、安全制御部15bの開指令によって、燃料遮断弁11a1が開状態となるため、蒸発部32への改質用原料の供給が可能となる。
ステップS108において、安全制御部15bは、燃料遮断弁11a1からの応答信号に含まれているオフ継続時間の種類に基づいて運転モード種の認識を行う。具体的には、安全制御部15bは、カウンタNが0であり、かつ、応答信号(または制御信号)が第一オフ継続時間tm1を含んでいるため、上述したように、ステップS206,208,210にてそれぞれ「NO」と判定し、ステップS212にて「YES」と判定して、カウンタNを1に設定する(ステップS214)。これにより、安全制御部15bは、燃料電池システムの運転モードが暖機モードであることを認識し、待機モードから暖機モードに移行したことを認識する。
ステップS110において、制御装置15(メイン制御部15a)は、原料ポンプ11a6を制御して燃料(改質用原料)を所定流量F1にて供給する。ステップS112において、制御装置15(メイン制御部15a)は、着火ヒータ36a1,36a2を制御して燃焼部36にて着火(点火)をする。
ステップS114において、制御装置15(メイン制御部15a)は、着火が成功したか否かを判定する。具体的には、メイン制御部15aは、第一および第二燃焼部温度センサ36b1,36b2によって検出された燃焼部36の温度の変化量が所定量以上である場合に着火が成功したと判定し、前記変化量が所定量未満である場合に着火が失敗であると判定する。なお、メイン制御部15aは、安全制御部15bが取得した燃焼部36の温度を取得する。また、メイン制御部15aの代わりに、安全制御部15bが、着火が成功したか否かの判定を行なうようにしてもよい。
着火が失敗した場合、制御装置15は、プログラムをステップS134に進め、燃料遮断弁11a1を閉じる。一方、着火が成功した場合、制御装置15は、プログラムをステップS116に進める。
ステップS116において、制御装置15(メイン制御部15a)は、暖機運転が完了したか否かを判定する。具体的には、メイン制御部15aは、温度センサ34dによって検出された燃料電池34の温度(燃料電池温度Th1)が所定温度Th1a未満である場合に暖機運転は完了していないと判定し(ステップS116で「NO」)、燃料電池34の温度Th1が所定温度Th1a以上である場合に暖機運転が完了したと判定する(ステップS116で「YES」)。
ステップS118において、メイン制御部15aは、燃料電池システムの運転モードを暖機モードから発電モードに移行させる旨の指令を安全制御部15bに送信する。安全制御部15bは、この指令を受けて燃料遮断弁11a1に制御信号を送信する。制御信号の内容は、燃料遮断弁11a1を一旦閉じた後再び開く旨の内容であり、開指令、および開状態とする前に閉状態を継続維持するオフ継続時間が含まれている。このオフ継続時間は、発電モードに移行させるための第二オフ継続時間tm2である。さらに、安全制御部15bは、燃料遮断弁11a1からの応答信号を受信する。この応答信号は、制御信号に含まれていたオフ継続時間すなわち第二オフ継続時間tm2が少なくとも含まれている。
ステップS120において、安全制御部15bは、燃料遮断弁11a1からの応答信号に含まれているオフ継続時間の種類に基づいて運転モード種の認識を行う。具体的には、安全制御部15bは、カウンタNが1であり、かつ、応答信号(または制御信号)が第二オフ継続時間tm2を含んでいるため、上述したように、ステップS206,208にて「NO」と判定し、ステップS210,218にて「YES」と判定して、カウンタNを2に設定する(ステップS220)。これにより、安全制御部15bは、燃料電池システムの運転モードが発電モードであることを認識し、暖機モードから発電モードに移行したことを認識する。
制御装置15(メイン制御部15a)は、停止指示があるまで(ステップS124にて「YES」と判定するまで)、発電運転を行う(ステップS122)。具体的には、制御装置15は、燃料電池34の発電する電力が、外部電力負荷16cの消費電力となるように補機(原料ポンプ11a6、改質水ポンプ11b1、カソードエアブロワ11c1など)を制御して、改質ガスおよびカソードエアを燃料電池34に供給する。停止指示は、ストップスイッチ(図示なし)が押されて発電運転が停止される場合、または運転計画にしたがって運転が停止される場合に出される指示である。
制御装置15(メイン制御部15a)は、停止指示があると(ステップS124にて「YES」と判定)、プログラムをステップS126以降に進めて、発電運転を終了し停止運転を行う。
ステップS126において、メイン制御部15aは、燃料電池システムの運転モードを発電モードから停止モードに移行させる旨の指令を安全制御部15bに送信する。安全制御部15bは、この指令を受けて燃料遮断弁11a1に制御信号を送信する。制御信号の内容は、燃料遮断弁11a1を一旦閉じた後再び開く旨の内容であり、開指令、および開状態とする前に閉状態を継続維持するオフ継続時間が含まれている。このオフ継続時間は、停止モードに移行させるための第三オフ継続時間tm3である。さらに、安全制御部15bは、燃料遮断弁11a1からの応答信号を受信する。この応答信号は、制御信号に含まれていたオフ継続時間すなわち第三オフ継続時間tm3が少なくとも含まれている。
ステップS128において、安全制御部15bは、燃料遮断弁11a1からの応答信号に含まれているオフ継続時間の種類に基づいて運転モード種の認識を行う。具体的には、安全制御部15bは、カウンタNが2であり、かつ、応答信号(または制御信号)が第三オフ継続時間tm3を含んでいるため、上述したように、ステップS206,208,222にてそれぞれ「NO」、「YES」、「YES」と判定して、カウンタNを3に設定する(ステップS224)。これにより、安全制御部15bは、燃料電池システムの運転モードが停止モードであることを認識し、発電モードから停止モードに移行したことを認識する。
ステップS130において、制御装置15(メイン制御部15a)は、停止運転を行う。具体的には、制御装置15は、蒸発部32への改質用原料の供給量を減少させて燃焼部36での燃焼を停止する。これにより、燃焼部36の温度および燃料電池34の温度が低下する。なお、カソードエアの供給量は、発電モード時と比較して増大させてもよい。
ステップS132において、制御装置15(メイン制御部15a)は、燃料電池温度Th1が所定温度Th1b(所定温度Th1aより低温度である)以下となった場合、停止運転が完了したと判定する。制御装置15は、燃料電池温度Th1が所定温度Th1bより高い場合には、ステップS132にて「NO」の判定を繰り返し、燃料電池温度Th1が所定温度Th1b以下となった場合には、ステップS132にて「YES」と判定し、プログラムをステップS134に進める。
停止運転が完了したと判定した場合には、メイン制御部15aは、ステップS134において、燃料電池システムの運転モードを停止モードから待機モードに移行させる旨の指令を安全制御部15bに送信する。安全制御部15bは、この指令を受けて燃料遮断弁11a1に制御信号を送信する。制御信号の内容は、燃料遮断弁11a1を閉じる旨の内容であり、閉指令、および閉状態を最低限継続維持するオフ継続時間が含まれている。このオフ継続時間は、待機モードに移行させるための第四オフ継続時間tm4である。さらに、安全制御部15bは、燃料遮断弁11a1からの応答信号を受信する。この応答信号は、制御信号に含まれていたオフ継続時間すなわち第四オフ継続時間tm4が少なくとも含まれている。
すなわち、ステップS134においては、安全制御部15bの閉指令によって、燃料遮断弁11a1が閉状態となるため、蒸発部32への改質用原料の供給が停止される。
安全制御部15bは、燃料遮断弁11a1を閉じた時点から第四オフ継続時間tm4だけ閉状態が継続した場合には、燃料遮断弁11a1からの応答信号に含まれているオフ継続時間の種類に基づいて運転モード種の認識を行う(ステップS138)。具体的には、安全制御部15bは、カウンタNが3であり、かつ、応答信号(または制御信号)が第四オフ継続時間tm4を含んでいるため、上述したように、ステップS206,226にてそれぞれ「YES」と判定して、カウンタNを0に設定する(ステップS228)。これにより、安全制御部15bは、燃料電池システムの運転モードが待機モードであることを認識し、停止モードから待機モードに移行したことを認識する。
制御装置15は、ステップS140において、カソードエアの供給を停止する。待機運転は、燃料電池システムの発電停止状態(すなわち、起動運転、発電運転、停止運転のいずれの運転中でない状態である。)であり、発電指示(スタートスイッチのオンなど)を待っている状態のことである。
さらに、図5に示すタイムチャートを参照して燃料電池システムの作動を説明する。
時刻t1において、待機モード中の燃料電池システムに対して起動指示があると、カソードエアの供給が開始され(ステップS104)、燃料遮断弁11a1が開状態とされ(ステップS106)、燃料(改質用原料)の供給が開始され(ステップS110)、燃焼部36の着火が行われる(ステップS112)。このとき、安全制御部15bから燃料遮断弁11a1に出力される制御信号、および燃料遮断弁11a1から安全制御部15bに出力される応答信号には、第一オフ継続時間tm1が含まれている(ステップS106)。よって、制御装置15(安全制御部15b)は、燃料電池システムの運転モード種は暖機モードである旨の認識をする(ステップS108)。
燃焼部36が着火すると、燃料電池温度Th1および燃焼部温度Th2が上昇する。時刻t2において、燃料電池温度Th1が所定温度Th1aに達すると(ステップS116にて「YES」と判定)、暖機運転が終了され、発電運転が開始される(ステップS122)。このとき、安全制御部15bから燃料遮断弁11a1に出力される制御信号、および燃料遮断弁11a1から安全制御部15bに出力される応答信号には、第二オフ継続時間tm2が含まれている(ステップS118)。応答信号は、時刻t2から第二オフ継続時間tm2が経過した時点(時刻t3)に、燃料遮断弁11a1から安全制御部15bに出力される。よって、時刻t3において、制御装置15(安全制御部15b)は、燃料電池システムの運転モード種は発電モードである旨の認識をする(ステップS120)。
時刻t4において、発電モード中の燃料電池システムに対して停止指示があると、停止運転が開始される(ステップS130)。このとき、安全制御部15bから燃料遮断弁11a1に出力される制御信号、および燃料遮断弁11a1から安全制御部15bに出力される応答信号には、第三オフ継続時間tm3が含まれている(ステップS126)。応答信号は、時刻t4から第三オフ継続時間tm3が経過した時点(時刻t5)に、燃料遮断弁11a1から安全制御部15bに出力される。よって、時刻t5において、制御装置15(安全制御部15b)は、燃料電池システムの運転モード種は停止モードである旨の認識をする(ステップS130)。
燃焼部36の燃焼が停止されると、燃料電池温度Th1および燃焼部温度Th2が下降する。時刻t6において、燃料電池温度Th1が所定温度Th1bに達する(以下となる)と(ステップS132にて「YES」と判定)、停止運転が終了され、燃料電池システムは待機モードになる。このとき、安全制御部15bから燃料遮断弁11a1に出力される制御信号、および燃料遮断弁11a1から安全制御部15bに出力される応答信号には、第四オフ継続時間tm4が含まれている(ステップS134)。応答信号は、時刻t6から第四オフ継続時間tm4が経過した時点(時刻t7)に、燃料遮断弁11a1から安全制御部15bに出力される。よって、時刻t7において、制御装置15(安全制御部15b)は、燃料電池システムの運転モード種は停止モードである旨の認識をする(ステップS138)。
なお、図3および図5に記載されている、「待機」、「暖機」、「発電」、および「停止」は、待機モード、暖機モード、発電モードおよび停止モードをそれぞれ示し、安全制御部15bが認識している運転モード種を示している。
なお、認識する際に、応答信号を待って認識を行っていたが、制御信号を出力する際(応答信号を受信した時点でもよい)に認識を行うようにしてもよい。この場合、オフ継続時間の経過を待たずに認識することができる(例えば、発電モードの認識は時刻t3でなく時刻t2にすることができる)。
なお、安全制御部15bは、燃焼部温度Th2に基づいて発電モードであるか否かの確認を追加するようにしてもよい。例えば、燃焼部温度Th2が所定判定温度以上である場合には、発電モードであると判定するようにすればよい。これにより、燃料電池システムを冗長設計とすることができる。
また、上述したステップS118,126の処理に関して、オフ継続時間だけ、改質用原料の供給が行われないため、その不足分を供給再開後増大させて補充するようにしてもよい。
また、上述したステップS118,126の処理において、圧力センサ11a4の検出結果を使用して、改質用原料供給管11aの改質用原料の残存量(圧力)を監視するようにしてもよい。すなわち、オフ継続時間中に改質用原料供給管11aの圧力が0になるのを抑制することができる。具体的には、原料ポンプ11a6の駆動により、改質用原料供給管11aの圧力が低下するが、所定値(正圧である)以下となった場合に燃料遮断弁11a1を開くようにすればよい。これにより、改質用原料供給管11aに着実に燃料がある状態で燃料遮断弁11a1を開くので、配管内の燃料がなくなり所定の燃料流量が供給できなくなることを確実に抑制することが可能となる。
上述した実施形態から明らかなように、本実施形態に係る燃料電池システムは、燃料電池34と、燃料電池34を発電させるために使用される複数の補機と、を備えた燃料電池システムである。燃料電池システムの制御装置15は、燃料電池システムを統括して制御するとともに、燃料電池システムの複数の運転モードのうちいずれの運転モード種であるかを認識可能であるメイン制御部15aと、複数の補機のうち第一燃料遮断弁11a1a(第一補機)に制御信号を出力するとともに第一燃料遮断弁11a1aから制御信号に対する応答信号を入力し、応答信号に基づいて燃料電池システムの運転モード種を認識可能である第一安全制御部15b1と、複数の補機のうち第二燃料遮断弁11a1b(第二補機)に制御信号を出力するとともに第二燃料遮断弁11a1bから制御信号に対する応答信号を入力し、応答信号に基づいて燃料電池システムの運転モード種を認識可能である第二安全制御部15b2と、を備えている。
これによれば、メイン制御部15a、第一安全制御部15b1および第二安全制御部15b2のいずれもが、燃料電池システムの運転モード種を認識することができる。よって、仮にメイン制御部15aが運転モード種の認識を誤って行なった場合でも、第一および第二安全制御部15bが運転モード種の認識を行なうことができる。その結果、燃料電池システムは全体として運転モード種の認識を正しく行なうことができる。
また、第一および第二安全制御部15bは、信頼性の高い安全制御部15bが信頼性の高い補機である燃料遮断弁11a1からの応答信号に基づいて燃料電池システムの運転モード種の認識をする。よって、燃料電池システムの運転モード種の認識を安定的に行なうことができる。
また、上述した実施形態において、燃料電池システムの運転モードが待機モード→暖機モード→発電モード→停止モード→待機モードの一連の作動である場合には、ステップS108,120,128,138の処理において、第一および第二安全制御部15bは、第一および第二補機からの各応答信号の回数に基づいて運転モード種の認識をそれぞれ行うようにしてもよい。すなわち、安全制御部15bは、待機モードを基準にして、起動されて以降、応答信号が1回の場合に、カウンタNを1に設定し(ステップS108)、応答信号が2回の場合に、カウンタNを2に設定し(ステップS120)、応答信号が3回の場合に、カウンタNを3に設定し(ステップS128)、応答信号が4回の場合に、カウンタNを0に設定する(ステップS138)。
これによれば、第一および第二補機として信頼性の高い部品(燃料遮断弁11a1)を選定した場合、第一および第二安全制御部15bは、信頼性の高い部品からの応答信号に基づいて運転モード種の認識を行なうことができる。よって、簡単な構成で確実に認識を行なうことができる。
また、応答信号は、補機の作動内容(例えばオフ継続時間)も含まれており、補機の作動内容は、一の運転モード種から他の運転モード種に移行をする毎に異なる値に設定されており、第一および第二安全制御部15bは、補機からの応答信号に含まれている補機の作動内容に基づいて運転モード種の認識をそれぞれ行う。
これによれば、第一および第二安全制御部15bは、補機からの応答信号に含まれている補機の作動内容に基づいて運転モード種の認識を行うことができる。よって、簡単な構成で確実に認識を行なうことができる。
また、燃料電池システムは、燃料電池34に燃料を供給する改質用原料供給管11a(燃料供給管)と、改質用原料供給管11aにそれぞれ設けられ、改質用原料供給管11aを開閉する第一および第二燃料遮断弁11a1a,11a1bと、をさらに備え、第一および第二補機は、第一および第二燃料遮断弁11a1a,11a1bである。
これによれば、一般的に信頼性の高い燃料遮断弁11a1を第一および第二補機に選定することにより、既存の構成を利用して、上述した実施形態に係る作用効果を得ることができる。
さらに、燃料電池システムの異常判定について図6を参照して説明する。異常判定を行うための条件(異常判定条件)が、上述したように認識された運転モード種に応じて設定される。安全制御部15bは、燃料電池システムの異常判定対象(例えば燃焼部36)が異常であるか否かの異常判定を、異常判定条件を満たすか否かの判定により行う異常判定部(ステップS308−310,ステップS314−316)と、認識した運転モード種に応じて異常判定部の異常判定条件を設定する判定条件設定部(ステップS304,306,312)と、を備えている。
具体的には、最初に、安全制御部15bは、ステップS302において、燃焼部温度センサ36bによって検出される燃焼部温度Th2を取得する。
次に、安全制御部15bは、運転モード種に応じて異常判定条件を設定する。すなわち、安全制御部15bは、ステップS304において、上述したように認識した運転モード種(カウンタN)に基づいて、燃料電池システムの運転モード種が暖機モード・発電モードであるか、または停止モードであるか否かを判定する。
運転モード種が暖機・発電モードである場合、安全制御部15bは、先に取得した燃焼部温度Th2が判定値Th2a(例えば400℃)以下である場合、燃焼部36が異常である旨の判定(ステップS308)をし、燃焼部温度Th2が判定値Th2aより大きい場合、燃焼部36が正常である旨の判定(ステップS310)をする。すなわち、運転モード種が暖機・発電モードである場合の異常判定条件は、燃焼部温度Th2が判定値Th2a以下であることである。
一方、運転モード種が停止モードである場合、安全制御部15bは、先に取得した燃焼部温度Th2が判定値Th2a以下である場合、燃焼部36が正常である旨の判定(ステップS314)をし、燃焼部温度Th2が判定値Th2aより大きい場合、燃焼部36が異常である旨の判定(ステップS316)をする。すなわち、運転モード種が停止モードである場合の異常判定条件は、燃焼部温度Th2が判定値Th2aより大きいことである。
ステップS306において、安全制御部15bは、先に取得した燃焼部温度Th2が判定値Th2a以下であるか否かを判定する。安全制御部15bは、燃焼部温度Th2が判定値Th2a以下である場合には、プログラムをステップS308に進め、燃焼部温度Th2が判定値Th2aより大きい場合、プログラムをステップS310に進める。
なお、ステップS312において、安全制御部15bは、先に取得した燃焼部温度Th2が判定値Th2a以下であるか否かを判定する。安全制御部15bは、燃焼部温度Th2が判定値Th2a以下である場合には、プログラムをステップS314に進め、燃焼部温度Th2が判定値Th2aより大きい場合、プログラムをステップS316に進める。
このように、第一および第二安全制御部15bは、燃料電池システムの異常判定対象(例えば、燃焼部36)が異常であるか否かの異常判定を、異常判定条件を満たすか否かの判定により行う異常判定部(ステップS308−310,ステップS314−316)と、認識した運転モード種に応じて異常判定部の異常判定条件を設定する判定条件設定部(ステップS304,306,312)と、をさらにそれぞれ備えている。
これによれば、第一および第二安全制御部15bは、燃料電池システムの異常判定対象が異常であるか否かの異常判定を、認識した運転モード種に応じて設定される異常判定条件により行なう。よって、運転モード種にかかわらず、燃料電池システムの異常判定を正しく行なうことができる。
なお、前述した実施形態においては、異常判定対象を燃焼部36としたが、これに限定されず、異常判定対象を他のもの、例えば燃料電池34としてもよい。また、運転モード種が停止モードである場合、安全制御部15bは、燃料遮断弁11a1を閉じた時点から所定時間の間、燃焼部異常判定を禁止する(マスクする)ようにしてもよい。所定時間は、燃料遮断弁11a1を閉じた時点から燃焼部温度Th2がある程度降下する時間に設定されるのが好ましい。これにより、停止運転開始直後の燃焼部温度Th2が比較的高い場合、誤判定を抑制することができる。
また、上述した各実施形態においては、燃料遮断弁11a1に代えて、信頼性のある他の部品を使用するようにしてもよい。例えば、信頼性のある他の部品としては、第一および第二燃焼部温度センサ36b1,36b2でもよい。このとき、安全制御部15bは、第一燃焼部温度センサ36b1(または第二燃焼部温度センサ36b2)に制御信号を出力するとともに第一燃焼部温度センサ36b1(または第二燃焼部温度センサ36b2)から制御信号に対する応答信号を入力するようにすればよい。