JP6329852B2 - 磁気カード読取装置 - Google Patents

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Description

この発明は、磁気カード読取装置に関し、特に、磁気カードに記録された磁気情報を磁気ヘッドを用いて読み取る磁気カード読取装置に関する。
今日、多くの店舗等において、磁気カードに記録された情報を用いて、商品取引決済、個人情報の確認、決裁金額に基づくポイントの付与と使用、来店履歴の記録などが行われている。
磁気カードに記録された情報を読み取る場合、ユーザは、磁気カードを読取装置内に挿入したり、磁気カードを読取装置の読取部位に通過させる読取操作を行う。
このような磁気カードの読取操作を行ったとき、磁気カードそのものの外観状態(汚れ、折れ、曲がりなど)や、記録されている磁気の強度のばらつき等があるために、情報の読取に失敗する場合があった。また、磁気カードに情報を書き込む場合も、同様に失敗する場合があった。
磁気カードの読み取りエラーや書込エラーとなる原因としては、たとえば、次のようなものが考えられる。
(a)磁気カードのばらつきや形状変化(折れ、曲がり)
(b)磁気カード読取/書込装置の性能のばらつき
(c)磁気カードの経年劣化
(d)磁気カード読取/書込装置の経年劣化
(e)操作者の読取操作(スキャン操作)の速度及び操作者のくせの違い
(f)読取/書込の機構部分のばらつきと劣化
(g)磁気カードに付着したゴミ、傷
(h)磁気カード読取/書込装置の内部へのゴミの混入
読取に失敗した場合、ユーザが、何度か読取操作を繰り返すか、他の読取装置を利用するか、あるいは、磁気カードの番号情報等を直接手入力することが行われていた。
また、磁気カードの読取装置側において、読取エラーを防止する対策として、複数の読取精度基準(モード)をあらかじめ設定記憶しておき、1回の読取操作をするごとに、あるいは、読取エラーが発生するごとに、読取が成功しやすくなるように、利用する基準を自動的に変化させて磁気カードの読取処理を行うものがある。
また、上記した読取/書込エラーの原因のうち、磁気カードの読取/書込装置の特性の経年変化を補正するプログラムを有し、カード発行時に正確に書き込まれ再書込がされることのない固定情報の読取データを用いて、磁気カードに記録されたデータの読取・書込タイミングの時間的補正と、データ書込時における書込信号レベルの補正をすることにより、読取/書込装置の経年変化に起因する特性の変化が生じても読取・書込特性を一定に保持する方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開平3−51983号公報
しかし、磁気カードの読取失敗時に、読取が成功するまで何度も読取操作を行う場合は、読取処理に時間と手間がかかり、ユーザ自らが磁気カードの番号等を入力する場合は、ユーザの操作負担が大きく、ユーザが入力をあきらめ他店に向かう等の機会損失が発生するおそれがある。
また、読取精度基準を変化させる場合も、読取が成功するまで複数回読取操作を行う必要がある場合があり、さらに読取成功率を上げるために、どのように基準を変化させるのが適切かを決定するのが困難であった。
さらに、特許文献1の方法では、磁気カードの読取/書込装置の経年変化に対する対策としては有効であったとしても、磁気カードそのもののばらつき(折れ、曲がり)や、ユーザの手動操作の速度の違いや、操作のくせに対応した補正をすることは困難である。
同じ磁気カードを読み取る場合において、読取操作をする人が異なっても、あるいは読取装置が異なっても、一定の読取精度を確保し、読取エラーを発生しにくくすることが望まれる。
そこで、この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであり、磁気カードに記録されているデータを読み取る場合において、磁気カードそのものや読取装置に種々の読取の失敗原因が存在する場合においても、読取エラーの発生を低減させ、読取操作時におけるユーザの操作性を向上させることのできる磁気カード読取装置を提供することを課題とする。
この発明は、磁気情報が記録された記録領域を有する磁気カードの磁気情報を読み出す磁気カード読取装置であって、前記磁気カードの記録領域が、最初に読み出される第1情報が記録された第1記録部と、前記第1情報の次に読み出される第2情報が記録された第2記録部とを含み、前記第1記録部に記録された第1情報を読み出したときに取得された磁気信号の波形パターンから、その磁気信号の特性を示す測定情報を測定する信号取得部と、前記測定情報を用いて生成された修正係数を利用して、前記第2情報を読み出したときに取得される磁気信号の波形パターンを補正する補正処理部と、前記第2情報の補正後の波形パターンから、2値化された第2情報を取得する読出データ取得部とを備え、前記修正係数は、波形パターンの信号幅を補正する信号幅修正係数と、波形パターンの振幅を補正する振幅修正係数とからなることを特徴とする磁気カード読取装置を提供するものである。
磁気カードが、JIS規格に対応したものである場合は、磁気カードの前記第1記録部には、複数個のゼロデータに対応する磁気情報が記録されていることを特徴とする。
ゼロデータは、後述するように、磁気信号の1ビットセル内で、1つのピークを有し磁束反転のないデータである。
また、前記信号取得部が測定する測定情報は、前記第1記録部に記録されたゼロデータを読み出したときに取得された磁気信号の波形パターンの1ビットセルあたりの測定信号幅と、測定振幅であることを特徴とする。
この測定情報は、実行中の読取操作で磁気カードから読み出された第1記録部のゼロデータの波形パターンから得られた測定信号幅と測定振幅である。
もし、取得されたゼロデータの測定信号幅と測定振幅が、JIS規格で定められた理想的な磁気信号の波形パターンからずれていた場合、第1記録部の次に読み出される第2記憶部に記録されている第2情報の信号幅と振幅も、このゼロデータと同様の傾向のずれが生じていると考えられる。
そこで、第2情報を2値化したときに読取エラーが発生しないように、第2情報の波形パターンを理想的な波形パターンに近づくように補正するために、ゼロデータの測定情報を利用する。
このように、一回の読取操作で取得された第2情報の波形パターンを、同じ読取操作時に先に取得された第1情報(ゼロデータ)の測定情報を利用して補正するので、その読取操作時に生じたずれに対応した補正で読取操作ごとに適切な補正がされ、読取エラーの発生を低減させることができる。
また、修正係数算出部と、前記磁気カードに記録された磁気情報を読み出したときに取得されるべき磁気信号の特性を予め規定した基準情報を記憶した記憶部をさらに備え、前記基準情報には、前記磁気信号の波形パターンの1ビットセルあたりの基準信号幅と、基準振幅とが含まれ、前記修正係数算出部は、前記基準信号幅と前記測定信号幅との比から算出した信号幅修正係数と、前記基準振幅と前記測定振幅との比から算出した振幅修正係数とからなる修正係数を生成することを特徴とする。
また、補正係数選択部と、複数個の前記修正係数をあらかじめ規定した補正係数リストを記憶した記憶部とをさらに備え、前記補正係数リストは、前記磁気信号の波形パターンの1ビットセルあたりの基準信号幅と基準振幅とからなる基準情報と、前記磁気信号の波形パターンの信号幅を補正するための信号幅修正係数と振幅を補正するための振幅修正係数とからなる前記修正係数とを、あらかじめ対応づけて複数個記憶したリストであり、前記補正係数選択部は、前記補正係数リストと、前記信号取得部が測定した測定信号幅と測定振幅とからなる測定情報とを対比して、その測定情報の所定誤差範囲内に属する基準信号幅と基準振幅とからなる基準情報に対応づけられた修正係数を、前記補正処理部が利用する修正係数として選択することを特徴とする。
この発明によれば、磁気カードの第1記録部に記録された第1情報を読み出したときに取得された磁気信号の波形パターンから測定された測定情報を用いて、修正係数を生成し、その修正係数を用いて、第1情報の次に読み出される第2情報の波形パターンを補正しているので、個々の磁気カードそのものおよび磁気カード読取装置に起因する読取失敗原因や、ユーザの読取操作の差異に基づく読取失敗原因等が存在する場合においても、読取エラーの発生を低減させることができ、読取エラーの発生が減少することにより、読取操作時のユーザの操作性を向上させることができる。
この発明の磁気カード読取装置の一実施例の構成ブロック図である。 この発明の磁気カード読取装置の一実施例のハードウェア構成図である。 磁気カードと、磁気情報の波形パターンの一実施例の説明図である。 磁気カードの記録情報の読取処理の概略説明図である。 記録情報を読み出したときに出力される磁気信号の波形パターンの一実施例の説明図である。 この発明の第1実施形態における磁気カードの読取処理のフローチャートである。 この発明の第2実施形態における磁気カードの読取処理のフローチャートである。 補正係数リストの一実施例の説明図である。
以下、図に示す実施例に基づいて、この発明を説明する。
なお、これによって、この発明が限定されるものではない。
以下の実施形態において、上記した磁気カードの第1記録部は、図3に示した前置データ部111に相当し、第2記録部は、情報記録部112に相当する。
また、第1記録部に記録されている第1情報は最初に読み出される情報であり、複数個のゼロデータに対応する磁気情報である。
第2記録部は、意味のある情報が記録されている部分であり、第2記録部に記録されている第2情報は、第1情報の次に読み出される情報であり、0および1からなる2値化データに対応する磁気情報である。この磁気情報を読み出したときに取得される磁気信号の波形パターンを、アナログ/デジタル変換することによって、2値化された第2情報が取得される。
<磁気カード読取装置>
図1に、この発明の磁気カード読取装置の一実施例の構成ブロック図を示す。
磁気カード読取装置は、後述するような磁気情報が記録された記録領域を有する磁気カードの磁気情報を読み出す装置である。
磁気情報は、主として、JIS X 6302で規格化された情報であり、1ビット単位ごとに、ゼロあるいは1のデジタル情報が磁気的に記録されたものである。
図1に示すように、この発明の磁気カード読取装置は、主として、制御部1,信号取得部2,平均算出部3,修正係数算出部4,補正処理部5,読出データ取得部6,補正係数選択部7,記憶部20を備える。
制御部1は、CPU,ROM,RAM,I/Oコントローラ、タイマー等からなるマイクロコンピュータにより実現されるものであり、他の構成ブロックの動作を制御する部分である。
また、CPUが、ROM等に記録されているプログラムに基づいて、各種ハードウェアを有機的に動作させることにより、磁気カードの読取処理などを実行する。
信号取得部2は、磁気カードに記録されている磁気情報を磁気ヘッドによって読み出したときに、出力される磁気信号の波形パターンを取得する部分である。
また、後述するように、磁気カードの最初に読み出される第1情報に相当するゼロデータを読み出したときに取得された磁気信号の波形パターンから、その磁気信号の特性を示す測定情報22を測定する部分である。
取得される磁気信号の波形パターンは、後述する図5に示すようなパルス的な立ち上がりを有する波形であり、1ビットセルの読出データである0と1に対応して、異なる波形パターンが取得される。
出力される磁気信号は、アナログ信号であり、複数ビットが連続した波形パターンとして出力されるが、1ビットを示すビットセルに区別されて取得される。
また、信号取得部2は、ゼロデータを読み出したときに取得された波形パターンを分析することにより、後述する図3に示すように、1ビットセルあたりの測定振幅saと、測定信号幅swとからなる測定情報を測定する。
平均算出部3は、信号取得部2によって取得された複数個の測定情報22(sa,sw)の平均値を算出する部分である。
具体的には、信号取得部2によって取得された1ビットセルごとの測定振幅saと測定信号幅swについて、それぞれ前置データ部111のビットセルの数(n)だけ合計した総和を、上記ビットセルの数(n)で除算した平均情報(平均振幅sha、平均信号幅shw)を算出する部分である。
上記ビットセルの数(n)は、原則として、前置データ部111に記録されているゼロデータの個数に相当する。平均振幅sha、平均信号幅shwは、次式により算出される。
sha=(Σsa)/n
shw=(Σsw)/n
平均情報(sha,shw)を算出するために、前置データ部111に記録されているすべてのゼロデータを用いる必要はなく、n個より少ない任意のm個(m<n)のゼロデータを用い、そのm個のゼロデータの測定情報(sa,sw)の平均を算出してもよい。
修正係数算出部4は、実際に測定された波形パターンの測定情報を、予め定められた理想的な基準情報21に合致するように修正するための係数(修正係数23)を算出する部分である。
この修正係数23は、主として、基準情報21と、前置データ部111のゼロデータの測定情報22との比から生成され、情報記録部112に記録された情報を読み出したときに取得される磁気信号の波形パターンの補正に利用される。
修正係数23は、後述するように、振幅修正係数ac、信号幅修正係数wcとからなり、基準情報21と、測定情報22の平均値とを用いて、次式により算出される。
ac=ka/sha
wc=kw/shw
ここで、kaは、予め定められた基準となる振幅情報(以下、基準振幅と呼ぶ)であり、kwは、予め定められた基準となる信号幅情報(以下、基準信号幅と呼ぶ)である。
補正処理部5は、情報記録部112に記録された情報を読み出したときに取得される磁気信号の波形パターンを補正する部分である。
この補正には、上記修正係数算出部4で生成された修正係数23を利用する。
補正処理部5は、情報記録部112に記録されたビットデータに対応する読出データ信号を取得し、その信号の波形パターンの振幅(Da)と、信号幅(Dw)とを、修正係数(ac,wc)23を用いて調整する。
取得された磁気信号の波形パターンの振幅(Da)と信号幅(Dw)に、上記修正係数23(ac,wc)を乗算して、補正後の振幅(Dha)と、補正後の信号幅(Dhw)とからなる補正後情報24を有する波形パターンに調整する。
取得された波形パターンの振幅(Da)と信号幅(Dw)は、補正振幅(Dha)と補正信号幅(Dhw)との間に、次式の関係がある。
Dha=Da×ac
Dhw=Dw×wc
このような補正を行うことにより、情報記録部112に記録されていた情報を読み出したとき、その記録情報が正しくデジタル情報として取得されるように、読み出した磁気信号の振幅と信号幅とが調整される。
読出データ取得部6は、補正処理部5によって補正された補正後の波形パターンから、2値化された情報を、1ビットセルごとに取得する部分である。
すなわち、読み出した磁気信号の補正後の波形パターンをアナログ/デジタル変換し、所定の2値化処理を行うことにより、情報記録部112に記録されていた磁気情報を2値化した読出データDrを取得する。
このように、磁気カードの1回の読取操作を行っている間に、磁気カードの前置データ部111の記録情報(ゼロデータ)から算出した修正係数を利用して、ゼロデータの直後に記録される意味のある情報が記録されている情報記録部112の読出磁気信号の補正波形パターンを生成した後、2値化処理を行うので、読取エラーの発生を低減させることができる。
また、同一磁気カードの同一読取操作をしている間に、最初に読み出される前置データ部111の測定情報を用いて、その後に読み出される情報記録部112の読出データが補正されるので、磁気カードそのものやカードリーダの経年変化が生じている場合だけでなく、磁気カードに記録されている磁気強度のばらつきや、読取操作を行うユーザのくせや走査速度に差異があったとしても、読取エラーの発生の可能性を低減させることができる。
補正係数選択部7は、予め記憶部20に記憶された補正係数リスト(clist)26の中から、測定情報22と対応することの可能な修正係数23(ac,wc)を選択する部分であり、第2実施形態に関係する部分である。
すなわち、基準情報と修正係数とを予め対応づけて記憶した補正係数リストclistと、信号取得部2が測定した測定信号幅と測定振幅とからなる測定情報22とを対比して、その測定情報の所定誤差範囲内に属する基準信号幅と基準振幅とからなる基準情報に対応づけられた修正係数23を、補正処理部5が利用する修正係数として選択する。
補正係数リスト(clist)26は、後述する図8に示すように、予め定められた複数個の基準情報(kw,ka)と、修正係数(ac,wc)とを、予め対応づけて複数個記憶したリストである。
後述する実施形態では、平均情報を利用し、補正係数リストの複数個の基準情報の中に、測定情報22として算出された平均情報(sha,shw)と所定の誤差範囲内の基準情報が存在する場合、その所定誤差範囲内に属する基準情報に対応づけられた修正係数(ac,wc)を選択する。
記憶部20に予め記憶された修正係数を選択する処理は、修正係数算出部4が行う算出処理よりも高速に行うことができると考えられるので、たとえば、算出処理が情報記録部112の読み出しタイミングに間に合わないほど、ユーザの磁気カードの走査速度が速い場合に、上記選択処理をすることが有効である。
記憶部20は、磁気カード読取装置の読取処理などを実行するために必要な情報やプログラムを記憶した部分であり、ROM、RAM、フラッシュメモリ等の半導体記憶素子、HDD、SSDなどの記憶装置、その他の記録媒体が用いられる。
記憶部20には、主として、基準情報21、測定情報22、修正係数23、補正後情報24,読出データ25、補正係数リスト26が記憶される。
基準情報21は、磁気カードに記録された磁気情報を読み出したときに取得されるべき磁気信号の特性を予め規定した基準特性を示す情報であり、少なくとも、磁気信号の波形パターンの基準振幅kaと、基準信号幅kwとが含まれる。
記録情報を磁気ヘッドで読み出したときに、出力される磁気信号の波形パターンを特定するための振幅と信号幅の基準となる数値が、基準情報21である。
磁気カードの読取操作を行ったときに、この基準情報(kw,ka)に近い数値の測定情報が取得されている場合は、ほぼ読取エラーがなく、磁気カードの記録情報が正しく読み出されることを意味する。
測定情報22は、磁気カードの読取操作を行った場合に、磁気カードの前置データ部111に記録された情報(複数個のゼロデータ)から取得された情報である。
複数個のゼロデータのうち、読み出された各ゼロデータの波形パターンから測定された情報が、測定振幅saと、測定信号幅swである。
前置データ部111のゼロデータがn個存在する場合は、n個の測定振幅saと、n個の測定信号幅swが測定される。
また、これらのn個の測定振幅saの平均値が平均振幅shaであり、sha=(Σsa)/nである。同様に、n個の測定信号幅swの平均値が平均信号幅shwであり、shw=(Σsw)/nである。
修正係数23は、磁気カードの情報記録部112に記録されていた情報を読み出したときに、読み出した磁気信号の波形パターンを調整するためのパラメータである。
修正係数23は、波形パターンの振幅を補正するための振幅修正係数acと、信号幅を補正するための信号幅修正係数wcとからなる。
修正係数23は、上記したように、測定情報22の平均値(sha,shw)と、基準情報(kw,ka)21とから算出される。
補正後情報24は、情報記録部112に記録されていた情報を読み出したときに出力された磁気信号の波形パターンを、上記修正係数23によって補正した後の情報を意味し、補正振幅Dhaと、補正信号幅Dhwとからなる。
読出データDr25は、情報記録部112に記録されていた情報を読み出したときに出力される読出データ信号を2値化した後のデジタルデータを意味する。
また、上記読出データ信号の波形パターンを特定する振幅を読出データ振幅Daと呼び、信号幅を読出データ信号幅Dwと呼ぶ。
この読出データ振幅Daと、読出データ信号幅Dwとを、修正係数23を用いて補正したものが、補正後情報(Dha,Dhw)24である。
補正係数リスト(clist)26は、上記したように、磁気信号の波形パターンの1ビットセルあたりの基準信号幅kwおよび基準振幅kaとからなる基準情報と、磁気信号の波形パターンの信号幅および振幅を補正するための信号幅修正係数wcおよび振幅修正係数acとからなる修正係数とを対応付けて複数個予め記憶したものである。
また、前置データ部111のゼロデータから測定された測定情報22と、この測定情報22から算出された修正係数(wc,ac)とを、それぞれ新たな基準情報(kw,ka)と修正係数(wc,ac)として、対応づけて、補正係数リスト26に追加記憶してもよい。
図8に、補正係数リストの一実施例の説明図を示す。
補正係数リスト26の基準振幅kaと基準信号幅kwを、それぞれ前置データ部111のゼロデータから取得された測定情報22の平均振幅shaと平均信号幅shwと比較して、補正係数リスト26の中に基準信号幅kwおよび基準振幅kaが、それぞれ、たとえばshwおよびshaの±5%以内の範囲に属しているものが存在した場合、そのkwおよびkaに対応付けて記憶されている信号幅修正係数wcと振幅修正係数acとを選択する。
この選択した修正係数(ac,wc)が、情報記憶部112から読み出された記録情報の磁気信号の波形パターンの補正に利用される。
<磁気カード読取装置のハードウェア構成>
図2に、磁気カード読取装置(磁気カードリーダ)のハードウェアの一実施例の構成図を示す。
磁気カードリーダ120は、主として、磁気ヘッド121,信号増幅器122,復号器23,CPU126,メモリ127から構成される。
復号器123は、信号測定部124と、A/D変換部125とから構成される。
CPU126は、上記したように制御部1に相当し、メモリ127は、記憶部20に相当する。
磁気ヘッド121は、CPUから与えられる読出要求信号に基づいて、磁気カード100に記録された磁気情報を読み取る部分であり、磁気ヘッド121から読み取った磁気情報に対応した磁気信号が出力される。
磁気信号の波形パターンは、たとえば、図3(d),(e)や図5に示すような波形であり、1ビットセル当たり、ゼロデータに対応した波形と、1データに対応した波形のいずれかが出力される。
出力された磁気信号S0は、信号増幅器122に入力される。
信号増幅器122は、入力された磁気信号S0を所定の増幅率で増幅するものである。増幅後の磁気信号S1は、復号器123に与えられる。
また、CPUから、信号増幅器122に対して、修正係数(ac,wc)23が与えられると、修正係数23に基づいて、入力された磁気信号S0の信号幅と振幅とが補正される。この補正によって、補正された信号幅Dhwと、補正された振幅Dhaを持った補正後の波形パターンの磁気信号S1が出力され、復号器123に与えられる。
修正係数(ac,wc)23は、情報記録部112の記録情報が読み出される直前に、信号増幅器122に与えられ、信号増幅器122において、情報記録部112の記録情報を読み出した磁気信号s0の波形パターンが、修正係数(ac,wc)23を用いて補正される。
ただし、前置データ部111の記録情報を読み出すタイミングでは、修正係数23は信号増幅器122に与えられず、前置データ部111の記録情報を読み出した磁気信号S0は、所定の増幅率で増幅されるだけである。
復号器123は、入力された磁気信号S1の波形パターンの特性を測定する信号測定部124と、磁気信号S1の波形パターンをアナログ/デジタル変換して、2値化したデジタル信号を出力するA/D変換部125とからなる。
信号測定部124は、入力された磁気信号S1の波形パターンの振幅と信号幅とを測定する部分であり、測定情報(sa,sw)22を出力する。
出力された測定情報(sa,sw)は、メモリ127に記憶され、上記した平均情報(sha,shw)の算出に用いられる。
出力される測定情報(sa,sw)22は、前置データ部111に記録されている複数個のゼロデータに対応する磁気信号の波形パターンから測定された情報である。
A/D変換部125は、所定の2値化基準に基づいて、アナログ信号である磁気信号S1の波形パターンから、0または1に対応するデジタル信号(読出データDr)を生成する部分である。
たとえば、図3(d)に示すようなアナログ信号S1が入力された場合は、ゼロに対応するデジタル信号が生成され、2値化情報としてCPUに与えられる。
また、図3(e)に示すようなアナログ信号S1が入力された場合は、1に対応するデジタル信号が生成され、2値化情報としてCPUに与えられる。
ただし、前置データ部111の記録情報(複数個のゼロデータ)が読み出されているタイミングでは、出力されるデジタル信号は、読出データDrとしては採用されず、次の情報記録部112の記録情報が読み出されているタイミングで出力されるデジタル信号が、読出データDrとしてメモリ127に記憶される。
図1と図2の構成を対応づけると、おおむね次のようになる。
図2のCPU126は、図1の制御部1,平均算出部3,修正係数算出部4,補正係数選択部7に相当する。
また、図2の磁気ヘッド121は、図1の信号取得部2に相当し、信号増幅器122は、信号取得部2と補正処理部5に相当し、信号測定部124は、信号取得部2に相当し、A/D変換部125は、読出データ取得部6に相当する。
<磁気カードと、磁気信号の波形パターンの説明>
図3に、磁気カード100の構成と、磁気信号の波形パターンの一実施例の説明図を示す。
図3(a)は、磁気カード100の表面を示した概略図であり、表面の一部分の細長い長方形領域に、磁気情報が記録された記録領域110が設けられている。
記録領域110は、磁気ストライプとも呼び、カード内部に設けられ、複数ビットの情報が一次元的に配列されて記録されている。
図3(b)は、記録領域110の概略構成を示したものであり、記録領域110は、主として、前置データ部111と、情報記録部112と、後置データ部113の3つの部分から形成される。
図3(c)に、記録領域110に記録されている情報の一実施例の概略説明図を示す。
前置データ部111が、記録情報の先頭部分(前端部)であり、後置データ部113が、記録情報の末尾部分(後端部)である。
磁気カード100を読み取る操作をした場合、記録領域110の前置データ部111、情報記録部112、後置データ部113の順に、記録情報が読み出されるものとする。
前置データ部111は、磁気データの始まりを示す同期情報(以下、開始情報とも呼ぶ)が記録された部分であり、複数ビットの同一情報から構成される。
図3(c)に示すように、たとえば、前置データ部111は、6ビットの0が連続した開始情報から構成される。ただし、開始情報としては、同一情報が連続的に記録されたものであればよく、開始情報のビット数は、6ビットに限るものではなく、nビット(n≧2)であればよい。
情報記録部112は、何らかの意味のある情報を記録した部分である。意味のある情報は、1と0を示す磁気情報によって表される。
情報記録部112に記録される意味のある情報の長さは、規格で定められており、たとえば、JIS X6302-2 2005 で規定されるトラック1は79文字×7ビット=553ビットである。
前置データ部111は、複数個のゼロのみからなる情報が記録されている部分なので、記録情報を先頭から順次読み出していくときに、最初に1が検出された場合、その1から始まるデータが、情報記録部112のデータとして読み出される。
すなわち、前置データ部111の終了は、読み出された情報の中に、1が出現することにより検出される。あるいは、前置データ部111のビット数が予め決まっている場合は、そのビット数分の信号をカウントすることにより、前置データ部の終了を検出できる。
また、最初に検出された1から情報記録部112が開始すると認識されると、その1から始まるたとえばJIS X6302-2 2005 で規定されるトラック1の場合は553個のビットデータが、意味のある情報(読出データ)として取得される。
この発明では、上記したように、読取エラーの発生を低減させるために、現在読み取っている磁気カードから読み出された前置データ部111の記録情報(連続した複数個のゼロデータ)から取得された測定情報22を用いて、同じ磁気カードのその後の情報記録部112から読み出された記録情報を調整するための修正係数23を算出することを特徴とする。
前置データ部111の記録情報から取得された測定情報22は、読み出された磁気信号の波形パターンの振幅saと、1ビットセル分の信号幅swとからなる。
図3(d)に、理想的なゼロ(0)のデータの波形パターンを示し、図3(e)に、理想的な1のデータの波形パターンを示す。
ゼロデータの波形パターンは、図3(d)に示すように、1つのビットセルの中に1つのピークを有し、磁束反転のない波形パターンとして検出される。
一方、1データの波形パターンは、図3(e)に示すように、1つのビットセルの中に、磁束(極性)が反転した一対のピークを有する波形パターンとして検出される。
ゼロデータのみからなる前置データ部111の信号を読み取っている場合、図3(d)の波形パターンが測定されるが、この波形パターンから、振幅saと1ビットセル幅swとが測定される。
前置データ部111によって測定された1ビットセルの振幅を測定振幅saと呼び、1ビットセル幅を測定信号幅swと呼ぶ。
JIS X 6302では、この1ビットセルの波形パターンの信号幅について要求仕様が規定されており、たとえば、個々の波形パターンの信号幅(個別ビットセル幅)は、109μmから133μmまでの範囲内とされ、前置データ部111全体の複数個の波形パターンの平均的な信号幅(平均ビットセル幅)は、111μmから131μmの範囲内と決められている。
読取操作がされた磁気カードにおいて、前置データ部111のゼロデータを読み取った場合に、たとえば、その各ゼロデータの測定信号幅swの平均値が、上記した平均ビットセル幅の範囲に入っていれば、前置データ部111の次につづく情報記録部112のデータも、その平均ビットセル幅の範囲内の測定信号幅を持つ正常な波形パターンとして読み出される可能性が高い。
しかし、前置データ部111のゼロデータの測定信号幅swの平均値が、平均ビットセル幅の範囲内にない場合は、その後に続く情報記録部112のデータは、正常に読み出されずに、読み取りエラーとなる可能性がある。
そこで、測定されたゼロデータの波形パターンから取得された測定振幅saと測定信号幅swとを用いて、情報記録部112の記録情報の波形パターンから得られる信号幅と振幅を、基準となる理想的な1ビットセルの信号幅と振幅に近づくように、調整するための修正係数を、算出する。
図4に、磁気カードリーダによって、磁気カードに記録された記録情報を読み取る場合の概略説明図を示す。
図5に、記録情報を読み出したときに出力される磁気信号の波形パターンの一実施例を示す。
図4(a)は、磁気カードの記録情報の一実施例を示したものであり、図3(c)に示したのと同一の記録データ内容を示している。
このような連続的に記録された0と1からなる記録情報が、前置データ部111の先頭から後置データ部113の末尾まで、順番に、読み出される。
図5(a)は、「01110」という記録情報を読み出したときに出力される理想的な波形パターンの一実施例を示している。
図4(b)に示すように、ユーザは、磁気カード100を磁気カードリーダ120の左側から読取ヘッド121のある読取部分に挿入し、右側方向に向かってスライドさせる。
このとき、図4(b)に示すように、まず、前置データ部111に記録された複数個のゼロデータが、読取ヘッド121によって読み出される。
この発明では、前置データ部111が読取ヘッド121の位置を通過する間に、前置データ部111のゼロデータの測定情報(測定振幅sa、測定信号幅sw)を取得して、これらの測定情報22から、振幅修正係数acと、信号幅修正係数wcとからなる修正係数23を算出する。
図5(b)は、このままでは読取エラーとなるおそれのある磁気信号の波形パターンの一実施例を示している。ここでは、2ビットの0データと、1ビットの1データとからなる磁気信号の波形パターンを示しているが、図5(a)の理想的な波形パターンとは異なり、図5(a)の波形パターンに比べて、1ビットセルの信号幅が長く、振幅が小さい波形となっている。
もし、図5(b)の波形パターンのまま、A/D変換して2値化処理をした場合、信号幅と振幅が理想的な規格を大きくずれていたために、本来1として読み出されるべきビットデータが、1とは読み出されない場合がある。
そこで、この発明では、図5(b)の波形パターンに対して、算出された修正係数(ac,wc)を適用して、波形パターンを補正する。
図5(c)は、修正係数を用いて補正した後の波形パターンを示しており、図5(b)の波形パターンを、図5(a)に示した理想的な波形パターンに近づくように、修正係数を用いて補正したものである。
ここでは、図5(b)の波形パターンの1ビットセルの信号幅を、信号幅修正係数wcを用いて、短くなるように補正し、図5(b)の波形パターンの振幅を、振幅修正係数acを用いて、大きくなるように補正している。
図5(c)に示したような補正後の波形パターンをA/D変換し、2値化処理を行えば、1ビットデータの0は、正しく0として読み出され、1ビットデータの1は、正しく1として読み出される。
図4(c)は、図4(b)の後、磁気カードをさらにスライドさせ、読取ヘッド121によって、情報記録部112に記録されたデータを読み出している状態を示している。
情報記録部112の最後部分が磁気ヘッド121の直下を通過した後、情報記録部112に記録されていたデータが取得される。
このとき情報記録部112の記録データを読み取ったときに出力された磁気信号の波形パターンを、上記のように修正係数(ac,wc)を利用して補正する。
この補正後の波形パターンをA/D変換し、2値化することにより、0または1のビットデータが取得される。
図4(d)は、図4(c)の後、磁気カードをさらにスライドさせ、後置データ部113のゼロデータを読み出している状態を示している。
この後置データ部113に記録されたゼロデータは、意味のあるデータではないので、読み出しデータとしては利用されない。
<第1実施形態>
以下に、磁気カードの読取処理の第1実施形態について説明する。
ここでは、磁気カードの前置データ部111の記録情報の波形パターンから修正係数23を算出した後、同じ磁気カードの情報記録部112の記録情報を読み出すときに、その算出した修正係数23を利用して、磁気信号の波形パターンを補正した後、2値化された読出データDrを取得する実施例を示す。
図6に、この発明の第1実施形態における磁気カードの読取処理のフローチャートを示す。
図6のステップS1において、CPU126が、磁気ヘッド121に読出要求信号を与えて、磁気カードの読取が開始できる状態にする。この後、ユーザが、磁気カード100を、磁気ヘッド121が設置されている読取部位に挿入して、読取操作を行う。
ステップS2において、信号取得部2が、磁気カードの前置データ部111に記録されているゼロデータの磁気信号を取得する。
また、信号取得部2は、取得した磁気信号の波形パターンを分析して、その振幅saと信号幅swを測定する。
具体的には、磁気ヘッド121で読み取られたゼロデータに対する磁気信号S0を信号増幅器122で増幅し、増幅された磁気信号S1が、復号器123の信号測定部124に入力される。
信号測定部124によって、増幅された磁気信号S1の1ビットセル分の波形パターンから、測定振幅saと、測定信号幅swを測定し、記憶部20に記憶する。
この測定は、前置データ部111に記録された複数個のゼロデータごとに行われる。
したがって、前置データ部111のゼロデータがn個あれば、n個の測定情報(sa,sw)が記憶される。
前置データ部111に記録されたゼロデータの個数が予め設定されている場合は、その設定数(=n)だけ、連続したビットセルの波形パターンから、n個の測定情報(sa,sw)を取得すればよい。
あるいは、前置データ部111に存在するゼロデータ数(=n)が予めわかっている場合でも、nよりも少ないm個(m<n)のゼロデータについて、測定情報(sa,sw)を測定してもよい。ここで、m個のゼロデータは、前置データ部111の先頭からm個のゼロデータを用いればよい。
たとえば、前置データ部111のゼロデータが10個ある場合において、最初の5個のゼロデータのみを用いて、測定情報(sa,sw)を測定すればよい。
この場合は、後半の5個のゼロデータについては、測定を行わなくてもよい。
後半のゼロデータの測定を行わない場合は、後半のゼロデータを読み取っているタイミングの間に、前半の5個のゼロデータの測定情報を用いて、次のステップS3の処理と、ステップS4およびS5の処理を行うことができる。
ステップS3において、平均取得部3が、ステップS2で測定されたn個の測定情報(sa,sw)から、平均振幅(sha)と、平均信号幅(shw)とを算出する。
上記したように、平均振幅(sha)は、測定されたn個の測定振幅(sa)の総和を、nで除算して求める(sha=(Σsa)/n)。
平均信号幅(shw)は、測定されたn個の測定信号幅(sw)の総和を、nで除算して求める(shw=(Σsw)/n)。
ステップS4において、制御部1は、記憶部20から、基準情報(kw,ka)を読み出す。
ステップS5において、修正係数算出部4が、修正係数(ac,wc)を算出し、記憶部20に記憶する。
上記したように、振幅修正係数acは、基準振幅kaを、平均振幅shaで除算して求める(ac=ka/sha)。
信号幅修正係数wcは、基準信号幅kwを、平均信号幅shwで除算して求める(wc=kw/shw)。
ステップS6において、制御部1が、前置データ部111のゼロデータの読取が終了したか否かを、チェックする。
ゼロデータの読取が終了したか否かは、たとえば、1を示す磁気信号の波形パターンが入力されたか否かで判断してもよい。
すなわち、前置データ部111には1データは存在しないので、1に対応した波形パターンが入力された場合には、前置データ部111の読取が終了したと判断する。
あるいは、始め符号である「%」のビット列(1000101)を検出する、あるいは、ビット列は最下位ビットから順に検出するため「%」の最下位ビット「1」を検出することにより、前置データ部111の読取が終了したことを判断してもよい。
以上の処理によって、前置データ部111のゼロデータから取得された情報を用いて、次の情報記録部112のデータを補正するための修正係数23が算出される。
以後、算出された修正係数23を用いて、同一磁気カードの情報記録部112のデータを読み出したときに出力された磁気信号の波形パターンが補正される。
具体的には、算出された修正係数(ac,wc)が、CPUから信号増幅器122に与えられ、信号増幅器122は、与えられた修正係数(ac,wc)を用いて、その後入力される波形パターンの振幅と、信号幅とを調整する。
ステップS7において、磁気カードの情報記録部112に記録されているデータを、磁気ヘッドによって読み出し、信号取得部2が、読み出したデータに対応する磁気信号S0を取得する。取得された磁気信号(読出データ信号)S0は、信号増幅器122に入力される。
ステップS8において、補正処理部5が、修正係数(ac,wc)を用いて、取得された磁気信号S0の波形パターンを補正して補正後情報(Dha,Dhw)を生成する。
取得された磁気信号(読出データ信号)S0の波形パターンの振幅をDa、信号幅をDwとすると、補正後情報の補正振幅Dhaは、Da×acとなり、補正信号幅Dhwは、Dw×wcとなる。
具体的には、読出データ信号S0の波形パターンが信号増幅器122に入力されると、信号増幅器122において、与えられた修正係数(ac,wc)に基づいて、入力された波形パターンの振幅Daがac倍された補正振幅Dhaに調整され、同時に、入力された波形パターンの信号幅Dwがwc倍された補正信号幅Dhwに調整される。
これにより、信号増幅器122から、補正後情報(Dha,Dhw)に相当する振幅と信号幅とを持った補正後の波形パターンの磁気信号S1が出力される。
ステップS9において、読出データ取得部6が、読出データDrを取得する。
具体的には、上記磁気信号S1が復号器123に入力されると、A/D変換部125において、補正後情報(Dha,Dhw)の振幅と信号幅を持つ波形パターンが、アナログ/デジタル変換される。
これにより、磁気カードの情報記録部112から読み出された1ビットセルごとのデータが、2値化されたデジタルデータとして取得される。
情報記録部112に記録されたすべてのデータに対して、ステップS7,S8およびS9の処理が順次行われ、読出データDrとして記憶部20に記憶される。
情報記録部112に記録されたデータのビット数がnである場合、読み出されたnビットセルの波形パターンそれぞれに対して、修正係数(ac,wc)を利用した調整が行われた後、2値化されたnビットの読出データDrが取得される。
以上のように、この実施形態では、磁気カードの読取操作を1回だけ実行させることにより、その磁気カードの前置データ部111に記録されたゼロデータから測定された測定情報を用いて、修正係数(ac,wc)を算出し、その算出された修正係数を用いて、同一の磁気カードの情報記録部112に記録されたデータを読み出した磁気信号の波形パターンを補正している。
したがって、たとえば、磁気カードを読み取らせる操作スピードが毎回異なっても、あるいは、磁気カードの読取操作を行うユーザが異なっても、情報記録部112のデータを読み取るときにそのスピードに適合した波形パターンの補正が行われるので、磁気カードの読取エラーの発生を低減させることができる。
また、同一磁気カードであったとしても、磁気カードの読取操作ごとに、その読取操作に対応した波形パターンの補正が行われるので、磁気カード読取装置の性能のばらつきや経年変化、個々の磁気カードそのものの変形や傷等があったとしても、読取エラーの発生を低減させることができる。
したがって、読取エラーの発生が少なくなるので、読取操作を何度も繰り返す必要がなくなり、読取操作を行うユーザの操作性を向上できる。
<第2実施形態>
以下に、磁気カードの読取処理の第2実施形態について説明する。
ここでは、第1実施形態とは異なり、取得した測定情報22から修正係数23を算出するのではなく、記憶部20に予め記憶された補正係数リストclist26から、測定情報22に対応した修正係数23を読み出す。
図7に、この発明の第2実施形態における磁気カードの読取処理のフローチャートを示す。図6と同一の処理を行うステップには、同一の符号を付与している。
まず、図6と同様に、ステップS1,S2およびS3の処理を行う。
これにより、前置データ部111に記録されたゼロデータから、平均振幅shaと、平均信号幅shwとが算出される。
次に、ステップS11において、補正係数選択部7が、補正係数リストclist26を検索し、算出された平均情報(sha,shw)に対し、所定誤差内の基準情報(kw,ka)が、補正係数リストclistの中に、存在するか否かをチェックする。
平均情報(sha,shw)と同一内容の基準情報(kw,ka)が存在すれば、その基準情報(kw,ka)を採用すればよいが、同一のものがない場合もある。
そこで、測定情報である平均情報(sha,shw)と対比して、たとえば、±5%程度の範囲内にある基準情報(kw,ka)を探し出すようにする。
所定誤差の数値は、±5%程度に限るものではなく、修正係数を用いて波形パターンの補正をする場合に、2値化可能な波形パターンが得られる程度の誤差を許容するものであればよい。
ステップS12において、補正係数リストclistの中に、所定誤差内の基準情報(kw,ka)が存在した場合は、ステップS14へ進み、なかった場合は、ステップS13へ進む。
ステップS13において、読取エラーとなる可能性が高いので、音、表示等の報知手段を用いて、ユーザに、読取エラーが発生する可能性があることを報知して、処理を終了する。
この場合は、ユーザは、再度、磁気カードの読取操作を行うことになる。
ステップS14において、補正係数選択部7が、所定誤差内の基準情報(kw,ka)に対応する振幅修正係数acと信号幅修正係数wcとを、補正係数リストclistの中から取得する。
これにより、情報記録部112のデータを補正するための修正係数(ac,wc)が、記憶部20から読み出され、信号増幅器122に与えられる。
その後、図6と同様に,ステップS6からS9までの処理を実行し、情報記録部112に記録されていた読出データDrを取得する。
この第2実施形態では、修正係数(ac,wc)を計算式によって算出するのではなく、予め記憶部20に記憶されていた修正係数(ac,wc)を検索して読み出す処理を行うので、迅速に、修正係数を信号増幅器122に設定することができる。
したがって、磁気カード読取装置の性能、特にCPU等のハードウェアの処理スピードが遅いために、情報記録部112の読取タイミングがくるまでに、修正係数を算出できなくなるおそれがある場合に、この第2実施形態は有効である。
1 制御部、 2 信号取得部、 3 平均算出部、 4 修正係数算出部、 5 補正処理部、 6 読出データ取得部、 7 補正係数選択部、 20 記憶部、 21 基準情報、 22 測定情報、 23 修正係数、 24 補正後情報、 25 読出データ、 26 補正係数リスト、 100 磁気カード、 110 記録領域、 111 前置データ部(前端部)、 112 情報記録部、 113 後置データ部(後端部)、 120 磁気カード読取装置(磁気カードリーダ)、 121 磁気ヘッド、 122 信号増幅器、 123 復号器、 124 信号測定部、 125 A/D変換部、 126 CPU、127 メモリ

Claims (5)

  1. 磁気情報が記録された記録領域を有する磁気カードの磁気情報を読み出す磁気カード読取装置であって、
    前記磁気カードの記録領域が、最初に読み出される第1情報が記録された第1記録部と、前記第1情報の次に読み出される第2情報が記録された第2記録部とを含み、
    前記第1記録部に記録された第1情報を読み出したときに取得された磁気信号の波形パターンから、その磁気信号の特性を示す測定情報を測定する信号取得部と、
    前記測定情報を用いて生成された修正係数を利用して、前記第2情報を読み出したときに取得される磁気信号の波形パターンを補正する補正処理部と、
    前記第2情報の補正後の波形パターンから、2値化された第2情報を取得する読出データ取得部とを備え
    前記修正係数は、波形パターンの信号幅を補正する信号幅修正係数と、波形パターンの振幅を補正する振幅修正係数とからなることを特徴とする磁気カード読取装置。
  2. 前記第1記録部には、複数個のゼロデータに対応する磁気情報が記録されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気カード読取装置。
  3. 前記信号取得部が測定する測定情報は、前記第1記録部に記録されたゼロデータを読み出したときに取得された磁気信号の波形パターンの1ビットセルあたりの測定信号幅と、測定振幅であることを特徴とする請求項2に記載の磁気カード読取装置。
  4. 磁気情報が記録された記録領域を有する磁気カードの磁気情報を読み出す磁気カード読取装置であって、
    前記磁気カードの記録領域が、最初に読み出される第1情報が記録された第1記録部と、前記第1情報の次に読み出される第2情報が記録された第2記録部とを含み、
    前記第1記録部に記録された第1情報を読み出したときに取得された磁気信号の波形パターンから、その磁気信号の特性を示す測定情報を測定する信号取得部と、
    前記測定情報を用いて生成された修正係数を利用して、前記第2情報を読み出したときに取得される磁気信号の波形パターンを補正する補正処理部と、
    前記第2情報の補正後の波形パターンから、2値化された第2情報を取得する読出データ取得部と、
    修正係数算出部と、
    前記磁気カードに記録された磁気情報を読み出したときに取得されるべき磁気信号の特性を予め規定した基準情報を記憶した記憶部とを備え、
    前記第1記録部には、複数個のゼロデータに対応する磁気情報が記録され、
    前記信号取得部が測定する測定情報は、前記第1記録部に記録されたゼロデータを読み出したときに取得された磁気信号の波形パターンの1ビットセルあたりの測定信号幅と、測定振幅であり、
    前記基準情報には、前記磁気信号の波形パターンの1ビットセルあたりの基準信号幅と、基準振幅とが含まれ、
    前記修正係数算出部は、前記基準信号幅と前記測定信号幅との比から算出した信号幅修正係数と、前記基準振幅と前記測定振幅との比から算出した振幅修正係数とからなる修正係数を生成することを特徴とする磁気カード読取装置。
  5. 磁気情報が記録された記録領域を有する磁気カードの磁気情報を読み出す磁気カード読取装置であって、
    前記磁気カードの記録領域が、最初に読み出される第1情報が記録された第1記録部と、前記第1情報の次に読み出される第2情報が記録された第2記録部とを含み、
    前記第1記録部に記録された第1情報を読み出したときに取得された磁気信号の波形パターンから、その磁気信号の特性を示す測定情報を測定する信号取得部と、
    前記測定情報を用いて生成された修正係数を利用して、前記第2情報を読み出したときに取得される磁気信号の波形パターンを補正する補正処理部と、
    前記第2情報の補正後の波形パターンから、2値化された第2情報を取得する読出データ取得部と、
    補正係数選択部と、
    複数個の前記修正係数をあらかじめ規定した補正係数リストを記憶した記憶部とを備え、
    前記第1記録部には、複数個のゼロデータに対応する磁気情報が記録され、
    前記信号取得部が測定する測定情報は、前記第1記録部に記録されたゼロデータを読み出したときに取得された磁気信号の波形パターンの1ビットセルあたりの測定信号幅と、測定振幅であり、
    前記補正係数リストは、前記磁気信号の波形パターンの1ビットセルあたりの基準信号幅と基準振幅とからなる基準情報と、前記磁気信号の波形パターンの信号幅を補正するための信号幅修正係数と振幅を補正するための振幅修正係数とからなる前記修正係数とを、あらかじめ対応づけて複数個記憶したリストであり、
    前記補正係数選択部は、前記補正係数リストと、前記信号取得部が測定した測定信号幅と測定振幅とからなる測定情報とを対比して、その測定情報の所定誤差範囲内に属する基準信号幅と基準振幅とからなる基準情報に対応づけられた修正係数を、前記補正処理部が利用する修正係数として選択することを特徴とする磁気カード読取装置。
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