JP5978585B2 - 周波数変調信号の2値データの読取方法、読取装置及び読取プログラム - Google Patents
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Description
しかし、数ビットの不良領域が連続している場合には正確に2値データを読み取ることはできない。
また、別の対策として、途中の磁気の弱い部分は読み飛ばし、あるいはとりあえず「1」と見なすことで2値データを読込み、別の情報を基にデータを補完することも行われていた。(特許文献2参照)
しかし、読み飛ばすビット数が1ビットでも間違うと、その後のデータは全て間違ってしまうことになる。
この構成によって、読取った2値をブロック単位(ブロックは必ずしも同じビット数である必要はない。)に区分して、各ブロックを構成する各ビットの判定をするので、信号の弱い部分がある場合等で数ビットの不良領域が連続している場合においても総ビット数を間違うことがなく、各ブロックごとに2値データ判別することが可能になる。
この構成によって、基準時間の倍数の少ない程閾値幅が大きくなるので、ブロックの決定に要する時間を短縮することが可能になって、信号の弱い部分がある場合等で数ビットの不良領域が連続している場合においても総ビット数を間違うことがなく、より短時間で2値データ判別することが可能になる。
この構成によって、磁気テープや磁気カード等の磁気ストライプに周波数変調された2値データの判別に特に有効である。
図7は、従来の磁気カードに記録されている磁気データのデータ構成の1例を示す図であって、磁気カード60に記録された磁気データには、前後にプリアンブル61及びポストアンブル62を配置した記録・再生磁気データ63の開始位置にスタートマーク(STX)が付与している。
プリアンブル61及びポストアンブル62は、磁気データの処理の同期をとるためのデータであって、一般に論理値「0」が連続した所定数のデータ列によって構成されている。
また、STX64は、磁気データ63の記録・再生の開始位置を特定するデータであって、論理値「1」及び「0」の所定の組合わせによって構成されている。
磁気カード60は、図示しないカード処理機に矢印A方向に挿入されて磁気データの記録・再生が実行される。
図1を用いて本願発明の実施形態の1例である、高低2種の周波数の組合わせによる周波数変調(F2F)された2値信号の読取装置の概略の説明をする。
図1は本願発明の2値信号の読取装置の機能ブロックを示した図である。
図1において、1は本願発明の1実施形態である2値信号の読取装置であり、当該読取装置1は、以下の機能ブロックで構成されている。
1aはカード等に記録された、高低2種の周波数の組合わせによる周波数変調(F2F)された磁気データを読取る信号読取り部(読取りヘッド)であり、1bは前記磁気ヘッドで読取られた信号を微分する微分回路である。
1gは前記矩形波信号のプリアンブル部(ビット0が複数連続する)をサンプリングして、各ビットの「0」に相当する矩形波の立上がり及び立下がり部(変化時点)間の時間(ピーク間時間)の平均を求めて、基準時間(ZeroTyp)を決定する基準時間決定部である。
なお、基準時間決定部1gでは、ビット「1」の判定に使用する1/2基準時間(OneTyp)も決定する。
また、基準時間決定部1gでは、基準時間の1倍〜n倍における各ピーク間時間の下限及び上限をブロック判定の閾値として設定する。
1dは演算回路(CPU)であって、バス1eを介して接続された上述の各機能ブロックの処理を実行する。
・先ず、信号読取部(読取りヘッド)1aで読取った2値信号を微分回路1bで微分する。(ステップS21)
・微分回路1bの出力波形をサンプリング回路1fでサンプリングし、矩形波整形部1cでピーク間時間に基づいた矩形波を取得する。(ステップS22)
・次に、基準時間決定部1gで、前記矩形波のプリアンブル部(図7の61)から低い周波数(ビット値「0」に相当)のピーク間時間の平均である基準時間を求める。(ステップS23)
・基準時間決定部1gで、決定した基準時間の1倍〜n倍における各ピーク間時間の下限及び上限をブロック判定の閾値として設定する。(ステップS24)
・ブロック決定部1hで、前記2値信号の各ピーク間時間が、前記設定された各時間の下限及び上限の閾値内に含まれるまで、前記ピーク間時間を逐次加算して判断し、(ステップ25)、逐次加算されたピーク間時間が前記設定された各時間の下限及び上限の閾値内に含まれると判断された基準時間の倍数をブロックとして決定する。(ステップS26)
・ビット値判定部1iで、前記決定されたブロックにおける基準時間の倍数を判定するビットデータ数の前提として、各ビットの「1」または「0」の判定する。(ステップS27)
図3の(A)における実線(a)の波形が理想的な波形であって、2値データの「0」の場合には図示の如く一点鎖線で示す基準時間毎にピークを示す。
また、2値データの「1」の場合には図示の如く一点鎖線で示す基準時間の中間にピークを示す。
しかし、磁気の弱いところがある実際の破線(b)波形のピークの位置が理想的な場合とはずれてくる。
矩形波(C)の立上がり若しくは立下がり時点(変化時点)が基準時間若しくは基準時間の中間であるか否かを1ビット単位毎に判定して2値データの各ビットが「1」若しくは「0」かを判定するため、図3(c)の如き変化時点がずれた矩形波では正確な2値データの判定をすることができない。
図4は、各ビットの判定の条件を示す図であって、(a)は「0」を示すビットの矩形波であり、(b)は「1」を示すビットの矩形波を示している。
矩形波(a)がビット「0」であるためには、矩形波(a)の立上がり〜立下がりまでの時間(若しくは、立下がり〜立上がりまでの時間)(矩形波幅)(理想的には、基準時間(ZeroTyp)と同じか、基準時間の下限(ZeroMin)と基準時間の上限(ZeroMax)の閾値内(1)であることが必要である。
また、矩形波(b)がビット「1」であるためには、矩形波(b)最初の立上がり〜立下がりまでの時間(矩形波幅)(理想的には、基準時間/2(OneTyp)が基準時間/2と同じか、基準時間/2下限(OneMin)と基準時間/2上限(OneMax)の閾値内(2)であることに加えて、次の立下がり〜立上がりまでの時間(矩形波幅)(理想的には、基準時間/2(OneTyp)と同じか、基準時間/2下限(OneMin)と基準時間/2上限(OneMax)の閾値内(1)(図4では、基準時間の下限(ZeroMin)と基準時間の上限(ZeroMax)と同じ)であることが必要である。
・先ず、n=1,Block=0を設定(ステップS1)し、BlockにBlock=Block+Time(n)のn=1からブロックの検出の処理を始める。(ステップS2)
・ピーク間時間(矩形波幅)(Time(1))が、ZeroMin(1)より大きくZeroMax(1)より小さいか、即ち基準時間の閾値内(ZeroMin(1)<Block+Time(n)<ZeroMax(1))であるかの判断をする。(ステップS3)
ステップS3の判断がYesの場合は、1ブロックに1ビットデータ(bit数=1)のみが含まれ、このブロックはn周期(n個の矩形波)で構成されていると判断される。(ステップS4)
ステップS5の判断がYesの場合は、1ブロックに2ビットデータ(bit数=2)が含まれ、このブロックはn周期(n個の矩形波)で構成されていると判断される。(ステップS6)
ステップS7の判断がYesの場合は、このブロックには3ビットデータ(bit数=3)が含まれ、このブロックにはn周期(n個の矩形波)で構成されていると判断される。(ステップS8)
ステップS9の判断がYesの場合は、このブロックには4ビットデータ(bit数=4)が含まれ、このブロックにはn周期(n個の矩形波)で構成されていると判断される。(ステップS10)
ステップS11の判断がYesの場合は、このブロックには5ビットデータ(bit数=5)が含まれ、このブロックにはn周期(n個の矩形波)で構成されていると判断される。(ステップS12)
ステップS13の判断がYesの場合は、このブロックには6ビットデータ(bit数=6)が含まれ、このブロックにはn周期(n個の矩形波)で構成されていると判断される。(ステップS14)
ステップS15の判断がYesの場合は、このブロックには7ビットデータ(bit数=7)が含まれ、このブロックにはn周期(n個の矩形波)で構成されていると判断される。(ステップS16)
各ブロック内のビットデータが「1」であるか「0」であるかの判定は、そのブロック内の存在するビット数がステップS4,S6,S8,S10,S12,S14又はS16で判定されたビット数であることを前提として判断することが本願発明の特徴である。
各ブロック内のビットデータが「1」若しくは「0」であるかの判定の手法には種々の判定手法が適用できる。
例えば、図4に記載の如き判断手法や、特許文献1又は特許文献2に記載の如き、本願出願前に公知の判断手法の適用が可能である。
なお、図5におけるブロックの検出処理では、1ブロックに7ビットデータが含まれるまでの処理が行われるように設定されているが、必ずしも7ビットデータである必要はなく、7ビット以上でも7ビット以下でも良いことは明らかである。
また、例えば、n=1では9%,n=2,3,4では5%,n=5,6では3%及びn=7では2%と、nが大きくなるのにしたがって、閾値を順次小さくなるように設定しても良い。
図6は図5のフローチャートにおけるブロックの検出処理で、「閾値」を全て同じ数値とし、理想的な矩形波は、(即ち、5ビットの「01010」の(a)の波形とし、実際に読取りヘッドで読取った信号を微分して矩形波に整形した波形を(b)とする。
正解ビット列 11001 10101 00111
正解文字 9 5 7
文字(誤読) C A 3
本願による文字 5 5 7
ビットの判定誤りに対しては、別途LRCなどの誤り訂正技術も利用すると、より正解に近いデータを得ることが出来る。
Claims (8)
- 周波数変調された2値信号の読取方法であって、
基準時間を求め、
前記基準時間の1倍〜n倍における各ピーク間時間の下限の閾値から上限の閾値までをブロック判定の閾値範囲として、該閾値範囲の幅を前記基準時間の倍数が大きくなるに従って小さくなるように設定し、
前記2値信号の各ピーク間時間が、前記設定された各時間の閾値範囲内に含まれるまで、前記基準時間の倍数を増加させると共に、前記ピーク間時間を逐次加算してブロックを決定し、
前記決定されたブロックにおける基準時間の倍数を、判定するビットデータ数の前提として、各ビットの1または0の判定をする、
ことを特徴とする2値信号の読取方法。 - 高低2種の周波数の組合わせによる周波数変調された2値信号の読取方法であって、
前記2値信号を微分した波形をサンプリングしてピーク間時間に基づいた矩形波を取得し、
前記矩形波のプリアンブル部から低い周波数のピーク間時間の平均である基準時間を求め、
前記基準時間の1倍〜n倍における各ピーク間時間の下限の閾値から上限の閾値までをブロック判定の閾値範囲として、該閾値範囲の幅を前記基準時間の倍数が大きくなるに従って小さくなるように設定し、
前記2値信号の各ピーク間時間が、前記設定された各時間の閾値範囲内に含まれるまで、前記ピーク間時間を逐次加算して判断し、
逐次加算されたピーク間時間が前記設定された各時間の閾値範囲内に含まれると判断された基準時間の倍数をブロックとして決定し、
前記決定されたブロックにおける基準時間の倍数を、判定するビットデータ数の前提として、各ビットの1または0の判定をする、
ことを特徴とする2値信号の読取方法。 - 前記高低2種の周波数の組合わせによる周波数変調された2値信号は、磁気記録媒体に記録された信号である
ことを特徴とする請求項2に記載の2値信号の読取方法。 - 前記ピーク間時間に基づいた矩形波を取得する際に、
ピーク間時間が所定の時間よりも短い場合には、次のピークまでの時間をピーク間時間とする、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の2値信号の読取方法。 - 前記基準時間の倍数をブロックとして決定した後は、更に、継続する2値信号に対して、ブロックの決定を繰り返す、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の2値信号の読取方法。 - 基準時間を求める基準時間決定部と、
前記基準時間の1倍〜n倍における各ピーク間時間の下限の閾値から上限の閾値までをブロック判定の閾値範囲として、該閾値範囲の幅を前記基準時間の倍数が大きくなるに従って小さくなるように設定する閾値設定部と、
2値信号の各ピーク間時間が、前記設定された各時間の閾値範囲内に含まれるまで、前記ピーク間時間を逐次加算して判断して、逐次加算されたピーク間時間が前記設定された各ピーク間時間の閾値範囲内に含まれると判断された基準時間の倍数をブロックに含まれるビット数として決定するブロック決定部と、
前記決定されたブロックにおける基準時間の倍数を、判定するビットデータ数の前提として、各ビットの1または0の判定をするビット判定部と、
前記基準時間決定部と、前記閾値設定部と、前記ブロック決定部と、前記ビット判定部と、をコンピューターによって制御する制御部と、
を含むことを特徴とする2値信号の読取装置。 - 2値信号を微分した波形をサンプリングしてピーク間時間に基づいた矩形波を取得する矩形波取得部と、
前記矩形波のプリアンブル部から低い周波数のピーク間時間の平均である基準時間を求める基準時間決定部と、
前記基準時間の1倍〜n倍における各ピーク間時間の下限の閾値から上限の閾値までをブロック判定の閾値範囲として、該閾値範囲の幅を前記基準時間の倍数が大きくなるに従って小さくなるように設定する閾値設定部と、
前記2値信号の各ピーク間時間が、前記設定された各ピーク間時間の閾値範囲内に含まれるまで、前記ピーク間時間を逐次加算して判断して、逐次加算されたピーク間時間が前記設定された各時間の閾値範囲内に含まれると判断された基準時間の倍数をブロックに含まれるビット数として決定するブロック決定部と、
前記決定されたブロックにおける基準時間の倍数を、判定するビットデータ数の前提として、各ビットの1または0の判定をするビット判定部と、
前記矩形波取得部と、基準時間決定部と、前記閾値設定部と、前記ブロック決定部と、前記ビット判定部と、をコンピューターによって制御する制御部と、
を含むことを特徴とする2値信号の読取装置。 - 基準時間を求める基準時間決定部と、
前記基準時間の1倍〜n倍における各ピーク間時間の下限の閾値から上限の閾値までをブロック判定の閾値範囲として、該閾値範囲の幅を前記基準時間の倍数が大きくなるに従って小さくなるように設定する閾値設定部と、
2値信号の各ピーク間時間が、前記設定された各ピーク間時間の閾値範囲内に含まれるまで、前記ピーク間時間を逐次加算して判断して、逐次加算されたピーク間時間が前記設定された各ピーク間時間の閾値範囲内に含まれると判断された基準時間の倍数をブロックに含まれるビット数として決定するブロック決定部と、
前記決定されたブロックにおける基準時間の倍数を、判定するビットデータ数の前提として、各ビットの1または0の判定をするビット判定部と、
前記基準時間決定部と、前記閾値設定部と、前記ブロック決定部と、前記ビット判定部と、を制御するコンピューターとを備えた2値信号の読取装置において、
前記コンピューターに前記請求項1〜5のいずれかの読取方法を、実行させることを特徴とする2値信号の読取プログラム。
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