JP6328530B2 - 血液凝固検出装置、血液凝固検出方法及び血液凝固検出プログラム - Google Patents

血液凝固検出装置、血液凝固検出方法及び血液凝固検出プログラム Download PDF

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Description

本発明は、吸光度を用いて採取した血液の凝固を検出するための血液凝固検出装置、血液凝固検出方法及び血液凝固検出プログラムに関するものである。
従来、血液検査において、例えば真空採血管(以下、採血管と称する)を用いて採血された血液は、採血管からその適量が血液検査装置のキュベットに分取される。分取は、採血管の内部にノズルを差し込み、ノズルの先が血液に達した状態で、採血管内の血液を吸引して行われる。この時、採血管内の血液が凝固していると、ノズル内に血液中の凝固分つまり血餅が吸引されてノズルが詰まる。このように、分取時にノズルが詰まると、その時点で分取が不可能になって多数の血液検査が中止を余議なくされることになるので、採血管内の血液が凝固していることを、血液を分取する前に確実に、採血管毎に検出しておかなければならない。
採血管に収容された血液が凝固しているかどうかは、以前は人手によっていたが、近年においては各種の方法や装置が考えられている。例えば特許文献1のものでは、容器の内部の血液を撮像し、容器を垂直姿勢から水平に向かう方向に所定角度回転させて容器内で血液を移動させ、血液を移動させた状態で血液を撮像し、検体容器の回転の前と後との画像の面積を演算し、得られた面積の差分に基づいて血液の凝固を判定している。
また特許文献2のものでは、容器の底部が、容器の蓋部よりも上方に位置するまで回転したのちその状態で保持し、保持された容器を撮像し、撮像画像における容器内の血液の液面から突出する凝集塊の有無に基づいて血液の凝固を判定している。
特許第3957864号公報 特許第5139912号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2のものでは、凝固を検出する前に、容器を所定角度回転しなければならず、装置構成や検査工程が複雑になる。また、被検査血液を収容した多数の容器を回転するのに要する時間と、それらを一つずつ撮像するのに要する時間とが必ず必要となるため、全数の凝固の検出までに時間を要した。その結果、検査を受ける容器が多くなるに従って、検査を受けるまでの間に、血液が凝固する可能性が高くなる場合が生じた。
このように、従来、容器を傾けたり回転させたりして、結局は物理的に凝固の有無を検出していた理由は、凝固血液と非凝固血液とでは実質的に成分は同じであり、分光分析等の光学的検出方法では、両者の光スペクトルに差が出ず、凝固検知は不可能と考えられていたからである。
これに対し、本発明の発明者は、鋭意研究の結果、吸光度を波長で二次微分して分光分析することにより、二次微分分光スペクトルから血液の凝固を検出できることを知見した。
本発明は上記したような問題を鑑みてなされたものであり、容器に対する機械的な操作を加えることなく、容器に収納された血液に光を照射するのみで血液の凝固が検出でき、検出までの時間を短縮することができる血液凝固検出装置を提供することを目的とする。
すなわち本発明に係る血液凝固検出装置は、容器に収容された測定血液に対して光を照射する光源と、前記測定血液を透過した透過光を受光する受光器と、受光した前記透過光に基づいて所定波長域に亘る吸光度を演算する吸光度演算部と、前記吸光度を波長で二次微分し、その二次微分結果である測定二次微分吸光度に基づいて容器内の測定血液の凝固を検出する凝固検出部とを備えることを特徴とする。
このような構成によれば、光源が照射する光が容器内の測定血液を透過した透過光を受光器で受光し、その透過光に基づいて吸光度演算部で所定波長域に亘って演算した吸光度を、凝固検出部において波長で二次微分し、その二次微分結果である測定二次微分吸光度に基づいて血液の凝固を検出する。吸光度を二次微分することにより、吸光度演算部により演算された吸光度では検出が不可能な吸光度のピークを検出することが可能になり、その結果そのような吸光度のピークに基づいて血液の凝固を検出することが可能になる。
吸光度を高精度に演算するためには、前記吸光度演算部は、前記透過光の透過率を算出する透過率算出部と、算出した前記透過率に基づいて吸光度を算出する吸光度算出部とを備えてなり、前記凝固検出部は、前記吸光度を波長で二次微分する微分演算部と、前記測定二次微分吸光度が基準となる二次微分吸光度(以下、基準二次微分吸光度と言う)から所定の閾値以上離れている場合に前記測定血液が凝固していると判定する凝固判定部とを備えているものが望ましい。
ノイズの影響を軽減するためには、前記吸光度演算部は、前記吸光度の波長についての移動平均値を算出する平均値算出部をさらに備えてなり、前記微分演算部は、前記移動平均値を波長で二次微分するものが望ましい。
迅速に血液の凝固を検出するためには、前記凝固検出部は、波長750〜1050nmにおいて前記測定二次微分吸光度が基準二次微分吸光度から所定の閾値以上離れている場合に血液の凝固を検出するものが望ましい。前記波長750〜1050nmの特定の波長域では、凝固していない血液の二次微分スペクトルが顕著な変化なく安定しているのに対して、凝固している血液の二次微分スペクトルは大きく変化するので、凝固を容易かつ正確に検出することが可能になる。しかも、容器にラベルが貼られている場合でも、前記特定の波長域の光はラベルを透過するので好ましい。
本発明に係る血液凝固検出方法は、容器に収容された血液に対して光を照射する照射ステップと、前記血液を透過した透過光を受光する受光ステップと、受光した前記透過光に基づいて吸光度を演算する吸光度演算ステップと、前記吸光度を波長で二次微分して分光分析し、その分析結果に基づいて容器内の血液の凝固を検出する凝固検出ステップとを備えることを特徴とする。
このように本発明の血液凝固検出装置によれば、二次微分分光法を採用したことにより、光を照射するだけで血液の凝固を検出できるので、容器を傾けたり振動させたりするための機構や工程が不要になり、装置のコンパクト化や簡素化を促進できるとともに、迅速に血液の凝固を検出することができるようになる。
本発明の実施形態の全体構成を示すブロック図。 同実施形態の情報処理装置の構成を示すブロック図。 同実施形態の凝固していない血液と凝固している血液とのそれぞれにおける二次微分吸光度の分光スペクトル図。 本発明の実施形態における、採血管に対する光源と受光器との配置を模式的に示す第一変形例。 本発明の実施形態における、採血管に対する光源と受光器との配置を模式的に示す第二変形例。 本発明の実施形態における、採血管に対する光源と受光器との配置を模式的に示す第三変形例。 本発明の実施形態における、採血管に対する光源と受光器との配置を模式的に示す第四変形例。 本発明の実施形態における、採血管に対する光源と受光器との配置を模式的に示す第五変形例。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1〜図2に示す血液凝固検出装置100は、測定血液BLを収容した容器である採血管1を立てた状態で支持する支持台2と、支持台2に支持されている採血管1に収容されている測定血液BLに光を照射する光源3と、採血管1を透過した透過光を分光する分光器4と、分光器4で分光された透過光を受光する受光器5と、受光器5から出力される透過光の強度信号に基づいて吸光度を演算しその演算結果に基づいて測定血液BLの凝固を検出する情報処理装置6とを備えている。
支持台2は、垂直方向に長い凹部2aを中央部に備えるとともに、その凹部2aに連通して対向する位置に設けられる光源側開口2bと受光側開口2cとを備えている。支持台2は、採血管1が凹部2aに挿入されることによって採血管1を支持する。採血管1を支持した状態で、凹部2aには外部から光が入らないようになっている。この実施形態にあっては、凹部2aを挟んで光源側開口2bと受光側開口2cとは同一直線上に設けられている。また、支持台2が採血管1を支持している状態で、測定血液BLが凝固した場合に、図1に示すように、血餅CLが支持管1の下部に沈むことを考慮して、光源側開口2bと受光側開口2cとは凹部2aの下部に対応して設けられる。光源側開口2bは、光源3が射出した光、つまり一次光を通す。また受光側開口2cは、測定血液BL中を透過した透過光を通す。
光源3は、少なくとも赤外光を含む一次光を、光源側開口2bを介して測定血液BLに照射する例えばハロゲンランプである。
分光器4は、受光側開口2cからの透過光を波長毎に分光するものであり、例えばプリズム、回折格子やスリット等を有する。
受光器5は、分光器4により分光された波長毎の透過光の強度に対応した電流又は電圧を出力するもので、例えばフォトダイオード、フォトトランジスタや近赤外線まで感度分布を持つCCD等のセンサである。
情報処理装置6は、CPU6a、メモリ6b、入出力インターフェース6c、ディスプレイ6d、キーボード6e、マウス6f等を備える専用乃至汎用のコンピュータからなり、血液凝固検出プログラムを実行することにより、分光器4を介して受光器5で受光した波長毎の透過光に基づいて所定波長域に亘る吸光度を演算する吸光度演算部8と、吸光度を波長で二次微分し、その二次微分結果である測定二次微分吸光度に基づいて採血管1内の測定血液BLの凝固を検出する凝固検出部9を備える。所定波長域は例えば、500nm〜1100nmである。
吸光度演算部8は、透過光の透過率を算出する透過率算出部8aと、算出した透過率に基づいて波長毎の吸光度を算出する吸光度算出部8bと、算出した吸光度の移動平均値を算出する平均値算出部8cとを備えている。
透過率算出部8aは、光源3から射出されて測定血液BLを透過するまでの一次光の各波長の強度と、測定血液BLを透過した透過光の各波長の強度との比率により、透過率を算出する。一次光の強度は例えば、支持台2に採血管1が支持されていない状態で一次光を受光して測定する。事前に一次光の強度を測定しない構成としては、光源部6から射出された光を例えばビームスプリッタで二つの光束に分割し、その一方を上記の一次光として使用し、残りの光束を測定血液BLに照射する装置構成にするものが挙げられる。なお、一次光の強度が、測定に必要な所定波長域に亘って同一値であったり、強度スペクトルが既知である場合は、一次光の強度の測定は不要である。
吸光度算出部8bは、透過率算出部8aが算出した各波長の透過率の常用対数により波長毎の吸光度を算出する。
平均値算出部8cは、波長毎に算出された吸光度の、直近の所定個数により移動平均して移動平均値を算出する。この実施形態における移動平均は、単純移動平均である。
凝固検出部9は、吸光度の移動平均値を波長で二次微分する微分演算部9aと、測定二次微分吸光度が基準となる二次微分吸光度(以下、基準二次微分吸光度とも言う)から所定の閾値以上離れている場合に測定血液BLが凝固していると判定する凝固判定部9bとを備える。凝固検出部9は、凝固判定部9bの判定結果をディスプレイ5dに表示させる。基準二次微分吸光度は、凝固していない非凝固血液の吸光度の移動平均値を波長で二次微分した吸光度である。この基準二次微分吸光度は、凝固検出に先だって予め算出しておき、メモリ5bの所定領域に設定した基準二次微分吸光度記憶部(以下、基準記憶部とも言う)10に記憶しておく。
微分演算部9aは、平均値算出部8cから入力される吸光度の移動平均値を、波長で二次微分し、測定二次微分吸光度を演算する。微分は、いわゆる有限差分法に基づいて実行するもので、微小波長だけ離れた2つの波長の移動平均値の差分を、波長の微小差分で除して実行する。同様にして、二次微分は、一次微分で得られたスペクトルの一次微分吸光度の、微小波長だけ離れた2つの波長の差分を、波長の微小差分で除して実行する。この二次微分を、測定した所定波長域の一次微分吸光度に対して実行して、測定二次微分吸光度スペクトル(以下、測定スペクトルとも言う)を得るものである。そして、測定スペクトルにおいて、特定の波長域11内に吸光度のピークが存在して、測定二次微分吸光度が基準二次微分吸光度から所定の閾値以上離れている場合に、測定血液BLの凝固を検出する。特定の波長域11は、750〜1050nmである。
このような構成において、血液凝固検出プログラムを実行することにより、上記した情報処理装置6の各部が機能する。そして、採血管1に収容された測定血液BLの凝固は、次に説明する手順により検出される。なお、血液凝固検出プログラムにおいて、算出した透過率、吸光度、移動平均値及び二次微分吸光度は、必要に応じてメモリ5bに記憶され、不要となった際には消去される。
まず、支持台2に採血管1が支持されていない状態で、光源3からの一次光の強度を所定波長域に亘って計測する。計測は、所定波長域における各波長の強度に対して行う。計測した各波長の強度は、吸光度の算出の基礎となる透過率を算出するのに用いる。
光源3からの一次光の強度を計測した後、採血された測定血液BLが収容されている採血管1を支持台2の凹部2aに挿入し、支持台2に支持された採血管1に収容された測定血液BLに対して光を照射する。
受光器5が測定血液BLを透過した透過光を受光すると、波長毎の透過光の強度と一次光の強度とから透過率を算出する。次に、算出した透過率に基づいて透過率の常用対数を演算することで波長毎の吸光度を算出する。その後、算出した吸光度の所定個数により吸光度の移動平均値を算出する。
算出した移動平均値を波長で二次微分することにより、測定二次微分吸光度の測定スペクトルが得られる。測定スペクトルにおいて、特定の波長域11内にピークが存在し、それによって測定二次微分吸光度が基準記憶部11に記憶された基準二次微分吸光度から所定の閾値以上離れていることを判定した場合に、採血管1内の測定血液BLが凝固していることを検出する。
凝固の検出は、具体的には、波長毎に測定二次微分吸光度と基準二次微分吸光度との偏差の絶対値である測定吸光度差を算出し、この測定吸光度差が所定の閾値以上である場合に、測定血液BLが凝固していると判定することにより行う。その具体例としては、(1)特定の波長域11におけるいずれかの波長の測定吸光度差が所定の閾値以上となった場合に凝固と判定する。(2)特定の波長域11内の全ての波長に対して測定吸光度差を算出し、その算出結果に基づいて測定吸光度差の平均値を算出し、測定吸光度差の平均値が所定の閾値以上である場合に、凝固を判定する。(3)特定の波長域11において、測定二次微分吸光度が基準二次微分吸光度から所定の閾値以上離れている回数が所定回数以上である場合に、凝固を判定する、などである。
図3は、異なる三つの試料1〜3における、測定血液BLの内、凝固していない非凝固血液の測定二次微分吸光度スペクトルと、凝固している凝固血液の測定二次微分吸光度スペクトルとを示したスペクトル図である。図3において、各スペクトル図は、横軸が波長で、縦軸が二次微分吸光度である。
図3のスペクトル図において、試料1〜3において共通して、非凝固血液の測定二次微分吸光度スペクトル(同図に一点鎖線で示す)では、特定の波長域(図3に点線の楕円で示す)10に顕著なピークは存在せず、ほぼ変化することなく安定した状態を呈している。これに対して、凝固血液の測定スペクトル(同図に実線で示す)では、特定の波長域11に上向き及び/又は下向きの顕著なピークが存在する。図3に示した試料1〜3では、特定の波長域11内の波長が900nmと940nmにおいて、これらのピークが確認される。これらのピークは、透過率に基づいて算出した原吸光度のスペクトルには現れず、原吸光度を波長で二次微分して初めて出現する。
これに対して、特定の波長域11以外の波長域では、非凝固血液の測定スペクトルと、凝固血液の測定スペクトルとがほぼ同じ傾向を示す。つまり、700nm近傍から特定の波長域11までにあっては、それぞれのスペクトルは、同様のピークやほぼ同じ値の変化の少ない安定した二次微分吸光度を示す。また、特定の波長域11より上の波長域では、ほぼ同じにピークが現れる。したがって、特定の波長域11以外の波長域では、測定血液BLの凝固を検出することが困難になる。
このような測定スペクトルの違いは、凝固血液の成分の分散状態が非凝固血液とは異なることに起因して生じるものと考えられる。すなわち、測定血液BLが凝固していない場合、赤血球や白血球等の血球成分が測定血液BL全体に分散しているため、光源3からの一次光は測定血液BL中で反射され、一部は吸収される。これに対して、測定血液BLが凝固していると、血球成分等が凝集して血餅CLが形成され、同時に形成される血清SRの部分において血球成分の分布状態が凝固する前と異なる。これにより、測定血液BL全体としては測定血液BLの成分自体が変化するわけではないので、光源3からの一次光は、血清SR部分での反射・拡散がわずかではあるが少なくなることで受光器5に到達しやすくなるとともに、血餅CLが生じることにより、血餅CLでの一次光の吸収が多くなる。この結果、血餅CLがある凝固血液と、血餅CLがない非凝固血液とでは、上記したような測定スペクトルにおける差異が生じるものではないかと考えられる。
したがって、上記したように、測定血液BLを収容した採血管1を支持台2に挿入して測定血液BLに所定波長域の光を照射するだけで、採血管1を縦方向に回転させるなどして位置を変化させることもなく測定血液BLの凝固を検出することができるので、検出に要する時間を可及的に短縮することができる。
また、この実施形態においては、原吸光度の移動平均値を波長で二次微分して測定二次微分吸光度を算出し、その測定二次微分吸光度に基づいて凝固検出を行っているので、ノイズ等の影響を最小限にすることができる。このため、凝固の検出精度を高くすることができる。移動平均値を算出するのではなく、カーブフィッティングや最小二乗法等によりノイズ除去を施してもよい。
加えて、赤外線を含む特定の波長域11における吸光度差により凝固判定をしているので、採血管1に検査を受ける測定血液BLに関する情報が書き込まれたラベルが採血管1表面に貼り付けてあっても、高精度に測定血液BLの凝固を検出することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態にあっては、透過光を分光器4により分光して受光するものを説明したが、光源3と光源側開口2bとの間に分光器4を配置し、光源3が射出した一次光を分光器4により分光し、分光により得られる単色光を測定血液BLに照射するものであってもよい。この場合にあっても、所定波長域の波長毎に吸光度を二次微分し、得られたそれぞれの波長の測定二次微分吸光度により測定二次微分吸光度スペクトルを作成し、特定の波長域11における二次微分吸光度ピークに基づいて測定血液BLの凝固を検出する。
上記実施形態では、原吸光度の移動平均値を二次微分して算出した測定二次微分吸光度に基づいて凝固検出をしたが、原吸光度を波長で二次微分して測定二次微分吸光度を算出し、算出した二次微分吸光度に基づいて凝固検出をするものであってよい。
上記実施形態において、所定の閾値を複数設定することで、測定血液BLが凝固している度合いを判定することが可能になる。例えば、所定の閾値を、値の小さい第一閾値、第一閾値より大なる第二閾値、及び第二閾値より大なる第三閾値で構成する。そして、測定二次微分吸光度が基準二次微分吸光度から第一閾値以上離れている場合に、凝固が始まったことを判定する。同様に、測定二次微分吸光度が基準二次微分吸光度から第二閾値以上離れている場合に、凝固が中程度まで進行したことを判定する。その後、測定二次微分吸光度が基準二次微分吸光度から第三閾値以上離れている場合に、完全に凝固したことを判定する。このように、凝固検出作業の開始からの時間経過に対する測定二次微分吸光度スペクトルの変化を第一〜第三閾値に基づいて判定することにより、凝固の度合いを検出することができる。
上記実施形態では、特定の波長域11を波長750〜1050nmで設定したが、波長500nm〜650nmに特定の波長域を設定するものであってよい。波長500nm〜650nmの波長域にあっても、図3から明らかなように、基準二次微分吸光度と測定二次微分吸光度との吸光度差が認められるので、実施形態同様に血液が凝固したことを検出することができる。
上記実施形態にあっては、光源3と受光器5とを、採血管1を挟む位置の同一直線状に配置したが、図4〜図8に示すように配置するものであってもよい。すなわち、図4〜図6に示すものは、一つの受光器5に対して、光源3を二個配置する変形例である。図4に示す第一変形例では、それぞれの光源3を、採血管1を挟んで受光器5の反対側に配置している。図5に示す第二変形例では、採血管1に対して受光器5と同じ側で、かつ受光器5の上下に光源3を配置している。図6に示す第三変形例は、第一変形例における光源3と受光器5の構成を、採血管1を挟む位置において採用した構成である。これらの構成にあっては、光源3と受光器5とが垂直方向の同一平面内に配置される。
次に、図7に示す第四変形例は、光源3と受光器5とを水平方向の同一平面内に配置するもので、受光器5に対して光源3を同一平面において90度回転した位置に配置するものである。図8に示す第五変形例は、第四変形例に対して光源3をさらに1つ増やし、光源3同士を対向して配置するものである。
これら第一〜第五変形例に示す光源3と受光器5の配置構造にあっては、透過光以外に測定血液BLの凝固部分で発生する反射・散乱光(図4〜図8に破線矢印で示す)をも効率よく受光することができるので、分析精度をさらに向上させることができる。
その他、本発明は上記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
1・・・・・採血管(容器)
2・・・・・支持台
3・・・・・光源
5・・・・・受光器
6・・・・・情報処理装置
8・・・・・吸光度演算部
8a・・・・透過率算出部
8b・・・・吸光度算出部
8c・・・・平均値算出部
9・・・・・凝固検出部
9a・・・・微分演算部
10・・・・特定の波長域
100・・・血液凝固検出装置
BL・・・・測定血液

Claims (5)

  1. 容器に収容された測定血液に対して光を照射する光源と、
    前記測定血液を透過した透過光を受光する受光器と、
    受光した前記透過光に基づいて所定波長域に亘る吸光度を演算する吸光度演算部と、
    前記吸光度を波長で二次微分し、その二次微分結果である測定二次微分吸光度に基づいて前記測定血液の凝固を検出する凝固検出部とを備え、
    前記吸光度演算部は、前記透過光の透過率を算出する透過率算出部と、算出した前記透過率に基づいて前記吸光度を算出する吸光度算出部とを備えてなり、
    前記凝固検出部は、前記吸光度を波長で二次微分する微分演算部と、前記測定二次微分吸光度が基準となる二次微分吸光度(以下、基準二次微分吸光度と言う)から所定の閾値以上離れている場合に前記測定血液が凝固していると判定する凝固判定部とを備えていることを特徴とする血液凝固検出装置。
  2. 前記吸光度演算部は、前記吸光度の波長についての移動平均値を算出する平均値算出部をさらに備えてなり、
    前記微分演算部は、前記移動平均値を波長で二次微分するものである請求項1記載の血液凝固検出装置。
  3. 前記凝固検出部は、波長750〜1050nmにおいて前記測定二次微分吸光度が基準二次微分吸光度から所定の閾値以上離れている場合に血液の凝固を検出する請求項1又は2記載の血液凝固検出装置。
  4. 容器に収容された測定血液に対して光を照射する照射ステップと、
    前記測定血液を透過した透過光を受光する受光ステップと、
    受光した前記透過光に基づいて所定波長域に亘る吸光度を演算する吸光度演算ステップと、
    前記吸光度を波長で二次微分し、その二次微分結果である測定二次微分吸光度に基づいて容器内の測定血液の凝固を検出する凝固検出ステップとを備え、
    前記吸光度演算ステップは、前記透過光の透過率を算出する透過率算出ステップと、算出した前記透過率に基づいて前記吸光度を算出する吸光度算出ステップとを備えてなり、
    前記凝固検出ステップは、前記吸光度を波長で二次微分する微分演算ステップと、前記測定二次微分吸光度が基準となる二次微分吸光度から所定の閾値以上離れている場合に前記測定血液が凝固していると判定する凝固判定ステップとを備えていることを特徴とする血液凝固検出方法。
  5. 採取された測定血液を透過した透過光に基づいて所定波長域に亘る吸光度を演算する吸光度演算部と、前記吸光度を波長で二次微分し、その二次微分結果である測定二次微分吸光度に基づいて容器内の測定血液の凝固を検出する凝固検出部としての機能をコンピュータに発揮させ
    前記吸光度演算部は、前記透過光の透過率を算出する透過率算出部と、算出した前記透過率に基づいて前記吸光度を算出する吸光度算出部とを備えてなり、
    前記凝固検出部は、前記吸光度を波長で二次微分する微分演算部と、前記測定二次微分吸光度が基準となる二次微分吸光度(以下、基準二次微分吸光度と言う)から所定の閾値以上離れている場合に前記測定血液が凝固していると判定する凝固判定部とを備えていることを特徴とする血液凝固検出プログラム。
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