JP6327999B2 - 車両用灯具 - Google Patents

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本発明は、標識に対する視認性を向上させる車両用灯具に関する。
車両用灯具には、障害物に対する視認性を向上させるものとして、特許文献1に示すように、赤色レーザ光を出射する第1レーザ光源、緑色レーザ光を出射する第2レーザ光源及び青色レーザ光を出射する第3レーザ光源を備えて、該第1〜第3レーザ光源からの出射光により照射用の白色レーザ光を生成するレーザ光源ユニットを設け、そのレーザ光源ユニットから出射される白色レーザ光が障害物(例えば歩行者)の存在領域を照射する際に、その白色レーザ光の強度を初期値よりも高めるものが提案されている。このものによれば、障害物の存在領域を強照射領域とすることができ、障害物に対する視認性を向上させることができる。
ところで、道路には、道路標識、案内標識等の標識が設けられている。標識は、一般に、青色、緑色、赤色の三原色の一つを背景色とした背景色部分と、その背景色部分上に白文字、白図形等の白色表示が表示される白色表示部分と、を有しており、このような標識にも、前述のレーザ光源ユニットからの白色レーザ光を照射すれば、白色LED,ハロゲン等の従来光源に比べ、背景色部分の輝度を高めることができる。
WO2014/024385
しかし、前述のように標識に白色レーザ光を照射した場合、白色表示部分において、反射光による明度が最高値に維持される一方で、背景色部分においては、白色レーザ光に含まれる緑色レーザ光が、背景色が青色又は緑色のとき、多く反射する傾向にあり、その緑色レーザ光の反射光は、背景色部分の明度を高くする。このため、前述のように標識に白色レーザ光を照射した場合には、背景色部分と白色表示部分との間の明度差が狭められることになり(コントラスト低下)、白色表示部分が示す情報内容は認識しにくくなる。特に薄暮時は、コントラストが低下し、視認性が低下する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、複数の単色光で生成される白色レーザ光の照射に伴う標識視認性の低下を抑制できる車両用灯具を提供することにある。
前記目的を達成するために本発明(請求項1に係る発明)にあっては、
少なくとも、赤色レーザ光を出射する第1レーザ光源、緑色レーザ光を出射する第2レーザ光源及び青色レーザ光を出射する第3レーザ光源を設けて、その各レーザ光源からの出射光により照射用の白色レーザ光を生成するレーザ光源ユニットと、前記レーザ光源ユニットからの白色レーザ光の照射方向を調整する照射方向調整手段と、が備えられて、標識として、白色表示部分と、青色又は緑色を背景色とする背景色部分とをもって情報内容を表示するものが出現したときには、前記レーザ光源ユニットからの白色レーザ光が前記標識を照射する車両用灯具であって、
前記レーザ光源ユニットからの白色レーザ光の照射側において前記標識を検出し、該標識の位置、存在領域情報を取得する標識情報取得手段と、
前記照射方向調整手段による前記白色レーザ光の照射に関する情報を検出する照射情報検出手段と、
前記標識情報取得手段からの情報と前記照射情報検出手段からの情報とに基づき、前記標識の存在領域に前記レーザ光源ユニットからの白色レーザ光を照射させるときと判断したときには、前記各レーザ光源を制御して、該各レーザ光源からのレーザ光全体に対する前記緑色レーザ光の出力比率を、前記白色レーザ光が前記標識以外を照射するときのものに比べて低下させるレーザ光源制御手段と、
が備えられている構成としてある。この請求項1の好ましい態様としては、請求項2以下の記載の通りとなる。
本発明(請求項1に係る発明)によれば、レーザ光源ユニットからの白色レーザ光を標識に照射させるに際しては、レーザ光源制御手段が、各レーザ光源を制御して、その各レーザ光源からのレーザ光全体に対する緑色レーザ光の出力比率を、白色レーザ光が標識以外を照射するときのものに比べて低下させることから、標識に白色レーザ光が照射された場合には、白色表示部分において、反射光による明度が最高値に維持される一方で、背景色部分においては、背景色に対応するレーザ光と共に、緑色レーザ光が、その背景色の下での分配反射率に基づき反射するとしても、緑色レーザ光の出力比率を低下させない場合(通常の白色レーザ光照射の場合)に比して、その緑色レーザ光の反射光の比率を低下させることができ、これに伴い、緑色レーザ光の反射光の影響(明るさに及ぼす影響)を低下させることができる。このため、背景色部分における明度を低下させて、背景色部分の明度と白色表示部分の明度との差が狭まること(コントラスト低下)を抑えることができ、複数の単色光で生成される白色レーザ光が標識に照射される場合であっても、その標識視認性が低下することを抑制できる。
請求項2に係る発明によれば、レーザ光源制御手段は、各レーザ光源からのレーザ光を制御して、レーザ光源ユニットから出射される白色レーザ光の白色が、白色レーザ光が標識を照射するとき、白色レーザ光が標識以外を照射するときのいずれにおいても、所定規格の白色範囲内に属するように設定されていることから、通常照射時、標識照射時のいずれにおいても、レーザ光源ユニットからのレーザ光の白色を、品質が保証された一定の白色範囲にとどめおくことができる。このため、レーザ光源ユニットから出射される白色レーザ光により、通常照射と標識照射とが行われるとしても、その切換えによりユーザ(運転者)が違和感を生じることを抑制できる。
請求項3に係る発明によれば、レーザ光源制御手段は、レーザ光源ユニットから出射される白色レーザ光の白色が、白色レーザ光が標識以外を照射するときには、色度図上での所定規格の白色範囲内において、黒体放射軌跡線の上方領域に属するように設定されていることから、標識以外を照射する通常照射時には、白色レーザ光の白色を鮮やかな白色とすることができ、通常照射時の白色レーザ光の白色として好ましいものを提供できる。
請求項4に係る発明によれば、レーザ光源制御手段は、緑色レーザ光の出力比率の低下制御として、各レーザ光源のうち、第2レーザ光源以外のものからのレーザ光の出力比率を、白色レーザ光が標識以外を照射するときのものに比べて高めることも行うように設定されていることから、標識照射時における白色レーザ光の白色調整の自由度を高めることができることになり、所定規格の白色範囲で種々の白色調整を容易に行うことができる。
請求項5に係る発明によれば、標識として、背景色が青色とされたものが対象とされていることから、青色は、緑色レーザ光に対しても比較的高い分光反射率を示すことになるが、この場合であっても、緑色レーザ光の出力比率が低下されることから、その緑色レーザ光の反射光の量を少なくすることができ、人の目が光の明るさを最も強く感じる波長領域に存在する緑色レーザ光の反射光の影響(明るさに及ぼす影響)を低下させることができる。このため、青色からなる背景色部分の明度を低下させて、青色からなる背景色部分の明度と白色表示部分の明度との差が狭まることを抑えることができ、複数の単色光で生成される白色レーザ光が、青色をなす背景色部分と白色表示部分とを有する標識に照射される場合であっても、その標識の視認性が低下することを抑制できる。
請求項6に係る発明によれば、照射方向調整手段は、レーザ光源ユニットから照射されるべき白色レーザ光が、所定の走査領域内で走査するように設定されていることから、レーザ光源ユニットからの白色レーザ光を所定の走査領域内で照射に的確に利用できる一方で、その白色レーザ光の走査中にその白色レーザ光により標識の存在領域を照射するときには、緑色レーザ光の出力比率の低下制御に基づき、その標識における背景色部分の明度と白色表示部分の明度との差が狭まること(コントラスト低下)を抑えることができる。このため、レーザ光源ユニットからの白色レーザ光を照射に利用しつつ、複数の単色光で生成される白色レーザ光の照射に伴う標識視認性の低下を抑制することができる。
請求項7に係る発明によれば、照射方向調整手段は、白色レーザ光の走査に関し、所定の走査領域内において、横方向に往復動しつつ上下方向の一方の側から他方の側に移動することを繰り返すように設定され、レーザ光源制御手段は、標識情報取得手段からの取得情報に基づき標識の存在を判断したときには、所定の走査領域のうち、標識が存在する一定高さ範囲で、緑色レーザ光の出力比率低下制御を実行するように設定されていることから、緑色レーザ光の出力比率の低下制御を行うに際して、横方向(左右方向)における標識の位置、存在領域を考慮しなくてもよくなり、制御の簡素化を図ることができる。
請求項8に係る発明によれば、標識情報取得手段が、標識が前方所定距離以内に入ったか否かに関する情報をも取得できるように設定され、レーザ光源制御手段は、標識情報取得手段からの取得情報に基づき標識が前方所定距離以内に入ったと判断したことを条件として、緑色レーザ光の出力比率低下制御の実行を許容するように設定されていることから、運転者とって適切なタイミングを捉えて、標識における背景色部分と白色表示部分との間のコントラストの低下を抑制することができ、標識の視認性の低下を効果的に抑制できる。
実施形態に係る車両用灯具を示す正面図。 図1のI-I断面図。 図2のレーザ光源ユニットを拡大して示す拡大図。 実施形態に係る照射方向調整機構を示す斜視図。 実施形態に係る制御ユニットを説明する構成図。 レーザ光源ユニットから照射される白色レーザ光の好ましい白色範囲を示す色度図。 レーザ光源ユニットから照射される白色レーザ光のより好ましい白色範囲を示す色度図。 ハイビーム用配光パターン下での緑色レーザ光の出力比率低下制御の制御例を示す説明図。 ロービーム用配光パターン下での緑色レーザ光の出力比率低下制御の制御例を示す説明図。 標識の一例を示す図。 レーザ光源ユニットから照射される白色レーザ光が、赤色レーザ光、緑色レーザ光及び青色レーザ光の単色光からなっていることを説明する図。 赤色、緑色、青色及び白色の各色に対する分配反射率特性を示す特性図。 標準比視感度曲線を示す図。 レーザ光源制御部による緑色レーザ光の出力比率低下制御を概念的に説明する概念図。 レーザ光源ユニットから照射される白色レーザ光の白色が、緑色レーザ光の出力比率低下制御を行っても、所定規格の白色範囲に収まることを示す色度図上の一部拡大図。 図15における各ポイントの具体的数値を示す図。 制御ユニットによる制御例を示すフローチャート。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1、図2において、符号1Lは、実施形態に係る車両用灯具1としての左側前照灯を示す。この左側前照灯1Lは、運転者側から見て、車両前部における車幅方向左側に配置されて、車幅方向右側に配置される車両用灯具としての右側前照灯(図子略)と共に前方を照射する。この左側前照灯1Lと右側前照灯の構成は、車幅方向中央部を基準とした対称的な関係の下で同じものとされており、以下、車両用灯具1を左側前照灯1Lをもって説明し、右側前照灯については、その説明を省略する。
車両用灯具1は、図1、図2に示すように、その外観が、前方が開口されたランプボディ2と、そのランプボディ2の開口を覆う透光性前面カバー3とにより形成されている。前面カバー3とランプボディ2とは、密閉空間としての灯室Sを形成しており、その灯室Sにおいて発光する光は、前面カバー3を介して外部に照射される。
前記灯室S内には、図1、図2に示すように、板状の金属製支持部材(例えばアルミダイキャスト製品)4が配設され、その支持部材4には、一対のLED光源ユニット5,6が取付けられている。
支持部材7は、ランプボディ2内において、その背壁部2aに複数のエイミングスクリュ14を介して支持されており、支持部材7の板面は、前後方向(図2中、左右方向)を向けつつ、背壁部2aから前方側に向けて一定間隔だけ離間された状態で配置されている。
一対のLED光源ユニット5,6は、図1に示すように、灯室S内の下側において、左右に並設された状態で配置されている。各LED光源ユニット5,6は同一構成とされており、その各LED光源ユニット5,6には、図2に示すように、支持部材4の前面に突出した状態で固定される金属製のレンズホルダ10と、車両前後方向に延びる光軸上に配置された状態でレンズホルダ10の先端に取付けられる投影レンズ13と、レンズホルダ10の上面10aに投影レンズ13の後方焦点よりも後方において設けられるLED発光素子11と、そのLED発光素子11を上方から覆うように配置されてLED発光素子11から出射された光B1をその反射面12aによって前方に反射させるリフレクタ12と、そのリフレクタ12の下方側において、レンズホルダ20に端縁として形成されてリフレクタ12からの反射光の一部を遮光する遮光シェード10bと、が備えられている。この各LED光源ユニット5,6においては、LED発光素子11から出射された光B1が、リフレクタ12の反射面12aによって前方に反射され、それが投影レンズ13及び前面カバー3を通過して車両前方に出射されることになっている。
これにより、LED光源ユニット5はハイビーム配光パターンHi(図8参照)を灯具前方の所定位置(例えば灯具前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上)に形成し、LED光源ユニット6はロービーム配光パターンL0(図9参照)を灯具前方の所定位置(例えば灯具前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上)に形成する。そのハイビーム配光パターンHi及びロービーム配光パターンL0は、図8、図9において、H−V座標系(上記仮想鉛直スクリーン上に設定)の下に示されているが、そのH−V座標系を構成するV−V線は、車両の前後方向に延びる灯具光軸の前方延長点であるH−V点を通って鉛直方向に延びる鉛直基準線を示し、H−H線は、車両の前後方向に延びる灯具光軸の前方延長点であるH−V点を通り水平状態をもって左右方向に延びる水平基準線を示す。
尚、レンズホルダ20の上記端縁(遮光シェード10b)に至るまでの上面10aは、鏡面とされている。
前記灯室S内にはまた、図1,図2に示すように、レーザ光を出射するレーザ光源ユニット7と、そのレーザ光源ユニット7からのレーザ光の出射方向を調整する照射方向調整手段としての照射方向調整機構8とが配設されている。
レーザ光源ユニット7は、図2、図3に示すように、前記LED光源ユニット6の上方において、支持部材4の前面に放熱部材18を介して取り付けられている。このレーザ光源ユニット7には、本実施形態においては、第1〜第3レーザ光源15〜17、第1〜第3集光レンズ20〜22、集光部24及び集光レンズ23が備えられている。
第1レーザ光源15は、半導体レーザ素子である赤色レーザダイオード15a及び基板15bから構成されて、赤色レーザ光(620〜650nm:符号Rを参照)を発生することになっており、その第1レーザ光源15の基板15bは放熱部材18に取り付けられている。第2レーザ光源16は、半導体レーザ素子である緑色レーザダイオード16a及び基板16bから構成されて、緑色レーザ光(510〜540nm:符号Gを参照)を発生することになっており、その第2レーザ光源16の基板16bも放熱部材18に取り付けられている。第3レーザ光源17は、半導体レーザ素子である青色レーザダイオード17a及び基板17bから構成されて、青色レーザ光(450〜470nm:符号Bを参照)を発生することになっており、その第3レーザ光源17の基板17bも放熱部材18に取り付けられている。これら第1〜第3の各レーザ光源15〜17の点灯、消灯、出力(強度)制御については、後述の制御ユニット9(レーザ光源制御部54)により行われる。
第1〜第3集光レンズ20〜22は、コリメートレンズ等によりそれぞれ構成されている。第1〜第3集光レンズ20〜23は、第1〜第3レーザ光源15〜17から出射した赤色レーザ光R、緑色レーザ光G及び青色レーザ光Bの各光路上にそれぞれ配置されており、その第1〜第3の各集光レンズ20〜22により、第1〜第3の各レーザ光源15〜17から集光部24に向かう各レーザ光R,G,Bは平行光に変換される。
集光部24は、第1〜第3ダイクロイックミラー25〜27により構成され、その第1〜第3の各ダイクロイックミラー25〜27は、第1〜第3の各集光レンズ20〜22を通過した各レーザ光R,G,Bの光路上にそれぞれ配置されている。第1ダイクロイックミラー25は、赤色レーザ光Rを反射しかつ緑色及び青色レーザ光G,Bを透過させるミラーであり、その第1ダイクロイックミラー25により赤色レーザ光Rは集光レンズ23に向けて反射される。第2ダイクロイックミラー26は、緑色レーザ光Gを反射しかつ青色及び赤色レーザ光B,Rを透過させるミラーであり、その第2ダイクロイックミラー26により緑色レーザ光Gは集光レンズ23に向けて反射される。第3ダイクロイックミラー27は、青色レーザ光Bを反射しかつ赤色及び緑色レーザ光R,Gを透過させるミラーであり、その第3ダイクロイックミラー27により青色レーザ光Bは集光レンズ23に向けて反射される。これら各ダイクロイックミラー25〜27の位置関係は、それぞれが反射したレーザ光R,G,Bの光路が平行で且つ各レーザ光R,G,Bが集合して集光レンズ23に入射されるように定められており、本実施形態においては、第1〜第3ダイクロイックミラー25〜27は、各第1〜第3の各ダイクロイックミラー25〜27においてレーザ光が当たる領域(レーザ光の反射点)が一直線に並ぶように配置されている。これにより、集光部24は、赤色レーザ光R、緑色レーザ光G及び青色レーザ光Bを集合させて、白色レーザ光B2を生成(出射)することになる。
この白色レーザ光B2の白色(通常白色レーザ光照射時の白色)は、図6の色度図に示すように、レーザ光R,G,Bの出力比率調整により、所定規格(JIS D 5500、ECE規格等)の白色範囲WA内に属するように設定されている。本実施形態においては、JIS D 5500規格の下記数値規定範囲に属するように設定されている。
黄方向 x≦0.50
青方向 x≧0.31
緑方向 y≦0.44 及び y≦0.15+0.64x
紫方向 y≧0.05+0.75x 及び y≧0.382
この場合、白色レーザ光B2の白色を、色度図上での上記白色範囲WA内において、図7に示すように、黒体放射軌跡よりも上方領域に属するようにすることがより好ましい。具体的には、0.310≦x≦0.405、 かつ、 黒体放射軌跡≦y≦0.15+0.64x である。通常白色レーザ光照射時に、白色レーザ光B2の白色を鮮やかな白色とすることができ、その通常白色レーザ光照射時の白色レーザ光の白色として好ましいからである。
この図7中のA,B,C,D,E,FおよびGの各白色度(座標)は以下の通りである。
A(x,y=0.310,0.349)
B(x,y=0.310,0.283)
C(x,y=0.405,0.409)
D(x,y=0.405,0.390)
E(x,y=0.405,0.353)
F(x,y=0.360,0.365)
G(x,y=0.310,0.320)
集光レンズ23は、図2、図4に示すように、レーザ光源ユニット7の筐体の開口部7aに取り付けられて、集光部24と照射方向調整機構8との間に配置されている。集光レンズ23は、集光部24から照射方向調整機構8に向かうレーザ光(白色レーザ光)B2の光路上に設けられてそのレーザ光B2を平行光に変換する。
前記照射方向調整機構8としては、本実施形態においては、前記集光レンズ23から出射される白色レーザ光B2を前方に走査すべく、図2、図4に示すように、いわゆるMEMSミラーが用いられている。この照射方向調整機構8には、板状のベース部37、板状の第1回動体38、板状の第2回動体39、及び走査用アクチュエータ35が備えられている。
ベース部37は、その上部が下部よりも後方(図2中、右方)に位置する傾斜状態をもって支持部材4に固定部33を介して固定されており、その中央部には開口部37aが形成されている。
第1回動体38は、ベース部37の開口部37aに配置されており、その中央部には開口部38aが形成されている。この第1回動体38とベース部37における開口部37aの上、下内面37b,37cとの間には、一対の第1トーションバー40が設けられており、その一対の第1トーションバー40により、第1回動体38はベース部37に対して左右に回動可能に支持されている。
第2回動体39は、第1回動体38の開口部38aに配置されている。この第2回動体39と第1回動体38における開口部38aの左、右内面38b,38cとの間には、一対の第2トーションバー41が設けられており、その一対の第2トーションバー41により、第2回動体39は第1回動体に対して上下に回動可能に支持されている。この第2回動体39の前面には、銀蒸着やメッキなど処理等によって反射部32が形成されており、その反射部32は、集光レンズ23から出射されたレーザ光B2を前方に出射する出射端としての役割を果たすことになっている。
走査用アクチュエータ35は、図4に示すように、一対の永久磁石42及び第1コイル(図示略)と、一対の永久磁石43及び第2コイル(図示略)とにより構成されている。一対の永久磁石42は、第1トーションバー40の延在方向と直交する方向側においてベース部37上に対向して設けられ、第1コイル(図示略)は、第1回動体38に設けられている。一対の永久磁石43は、第2トーションバー41の延在方向と直交する方向側においてベース部37上に対向して設けられ、第2コイル(図示略)は、第2回動体39に設けられている。永久磁石42は、第1トーションバー40と直交する磁界を形成し、永久磁石43は、第2トーションバー41と直交する磁界を形成する。第1及び第2のコイル(図示略)は、端子部44を介して後述の制御ユニット9に接続されている。
これにより、走査用アクチュエータ35は、第1コイルに流れる駆動電流の大きさと向きに基づいて第1回動体38をベース部37に対して上下に回動させることができると共に、第2コイルに流れる駆動電流の大きさと向きに基づいて第2回動体39を第1回動体38に対して左右に回動させることができ、これにより、反射部32の向きを上下左右に変化させることができることになっている。
このため、このような前記照射方向調整機構8においては、前記集光レンズ23から出射されたレーザ光B2を第2回動体39における反射部32の発光部32a(反射点)で前方に反射させると共に、その際、その反射光(レーザ光)B2の照射方向(具体的には走査方向)を、走査用アクチュエータ35に基づく反射部32の上下左右動により調整できることになっている。
前記灯室S内にはまた、図2に示すように、開口部34aを有するエクステンションリフレクター34が設けられている。このため、LED光源ユニット5,6に関しては、LED発光素子11による出射光B1をエクステンションリフレクター34の開口部34aから前方に出射させるべく、各投影レンズ13が開口部34aの前方に露出した状態で支持部材4に取り付けられている。また、レーザ光源ユニット7及び照射方向調整機構8に関しては、共に、開口部34aの上方側においてエクステンションリフレクター34の後方に配置されて、車両前方から隠蔽されている。このため、レーザ光源ユニット7による出射光B2は、開口部34aの上端縁部34bとLED光源ユニット5,6との間に形成される隙間34cから前方に出射されることになっている。
前記ランプボディ2内面には、図2に示すように、制御ユニット9が取付けられている。制御ユニット9からは、走査用アクチュエータ35、第1〜第3レーザ光源15〜17に制御信号がそれぞれ出力されている一方、この制御ユニット9には、標識情報取得手段としての標識情報取得装置80からの標識情報、走査用アクチュエータ35(照射情報検出手段)からの照射情報としての走査位置情報(照射位置情報)、設定情報等が入力される。
前記標識情報取得装置80は、本実施形態においては、車載カメラ60と、その車載カメラ60による撮影情報が入力される画像処理装置55と、から構成されている。
車載カメラ60は、例えば、自車におけるルームミラーの背面側に取付けられており、この車載カメラ60により、少なくとも自車前方の道路標識、案内標識等の標識情報を含む各種情報、状態が入手(撮影)される。
画像処理装置55は、車載カメラ60からの入力情報に基づき、標識の存在、標識との距離、標識の位置、存在領域情報等を検出し、その位置、存在領域等をH−V座標系において特定する機能等を有しており、画像処理装置55は、それらの情報を制御ユニット9(具体的には後述の灯具ECU(電子制御装置)51)に出力することになっている。この画像処理装置55における機能については、既知であるので、これ以上の説明を省略する。
前記走査用アクチュエータ35は、前述の通り、レーザ光源ユニット7からの白色レーザ光を左右上下方向に走査させるものであるが、その走査用アクチュエータ35はまた、照射情報検出手段として、その際の走査位置情報(照射方向、照射位置情報)等を制御ユニット9(具体的には後述の灯具ECU(電子制御装置)51)に出力することになっている。
設定情報には、設計事項、例えば、H−V座標系下でのハイビーム配光パターン情報(外周の各座標等)、ロービーム配光パターン情報(外周の各座標等))等、後述の緑色レーザ光の出力比率低下制御を実行するための実行条件等が含まれ、その設定情報は、初期情報として制御ユニット9に入力されることになる。
前記制御ユニット9は、灯具ECU(電子制御装置)51、ROM52、RAM53等を有し、灯具ECU51は、レーザ光源制御部54、アクチュエータ制御部36を有している。ROM52には、各種制御プログラムが記録され、灯具ECU51は、設定情報、画像処理装置55からの検出、解析情報、走査用アクチュエータ35からの走査位置情報(照射方向、照射位置情報)等に基づき、ROM52に記録された制御プログラムをRAM53において実行し、各種制御信号を生成する。
アクチュエータ制御部36は、走査用アクチュエータ35の駆動制御(第1、第2コイルに流れる駆動電流の大きさと向きの制御)を行うことにより、照射方向調整機構8の反射部32を上下左右に往復回動させ、これにより、レーザ光源ユニット7から出射されるべき白色レーザ光B2の照射方向を調整することになっている。
具体的には、アクチュエータ制御部36は、照射方向調整機構8を経て白色レーザ光B2が現実に出射されていると否とにかかわらず、その白色レーザ光(レーザ光源が消灯の場合を含む)B2の走査位置(照射位置)を、自車前方の所定位置(例えば灯具前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上)において車幅方向に延在する矩形の走査領域SA内で、図8、図9に示すように、走査(スキャン)させることになる。図8、図9中、符号SCは、照射方向調整機構8による走査線の軌跡を示し、図9中、符号610は路上のガイドラインを示している。
この場合、走査条件として、走査領域SAが、前述のLED光源ユニット5,6が形成するハイビーム配光パターンHi(図8参照)及びロービーム配光パターンL0(図9参照)を含む大きさであること、横方向に往復動する走査を上方側(又は下方側)から下方側(又は上方側)に向けて順次、行うことを繰り返すこと等が予め設定されており、その走査条件に基づき、アクチュエータ制御部36は走査用アクチュエータ35を制御することになる。
レーザ光源制御部54は、第1〜第3の各レーザ光源15〜17による各種レーザ光(R,G,B)の出力(出力強度)、その第1〜第3の各レーザ光源15〜17の点灯及び消灯を独立に制御することになっている。
具体的には、前述の通り、アクチュエータ制御部36が、レーザ光源ユニット7から出射されるべき白色レーザ光の走査位置(照射位置)を走査領域SAで走査させるが、これに伴い、レーザ光源制御部54は、白色レーザ光の走査位置がハイビーム配光パターンHi外又はロービーム配光パターンL0外にあるときには、第1〜第3レーザ光源15〜17からの各レーザ光の出射を停止(消灯:図8、図9において、走査線SCの破線状態をもって消灯状態を示す。)させ、白色レーザ光の走査位置がハイビーム配光パターンHi内又はロービーム配光パターンL0内にあるときには、第1〜第3レーザ光源15〜17からの各レーザ光の出射を実行(点灯:図8、図9において、走査線SCの実線状態をもって点灯状態を示す。)させることになる(レーザ光源制御部54の基本制御)。
また、レーザ光源制御部54は、標識を検出したと判断したときには、標識の存在領域に対してレーザ光源ユニット7からの白色レーザ光を照射させることになり、その際、緑色レーザ光の出力比率を低下させる制御を実行する。
具体的に説明する。
道路には、図10に示すように、道路標識、案内標識等の標識85が設けられ、そのような標識85としては、背景色部分86と白色表示部分87とを有するものが多く見られる。その標識85における背景色部分86の背景色としては、一般に、青色、緑色、赤色の三原色の一つ(特に、青色又は緑色)が用いられ、白色表示部分87は、白色をもって白文字、白図形等を表示している。
このような標識85に対して、複数の単色光(レーザ光R,G,B)で生成される白色レーザ光B2(図11参照)を照射すれば、白色表示部分87の明度が一定値(最高値)に維持される一方で、背景色部分86においては、背景色に対応するレーザ光だけでなく、緑色レーザ光Gも、各背景色における分配反射率の下で反射され(図12参照)、その緑色レーザ光Gの反射光が、人の目が光の明るさを最も強く感じる波長領域(図13の比視感度曲線ピーク:555nm参照)と大きく関連していることにより、背景色部分86全体としての明度が高まる。このため、背景色部分86と白色表示部分87との間の明度差が狭まることになり(コントラストの低下)、標識85に対する視認性が低下することになる。
例えば、背景色部分86が青色である標識85に前述の白色レーザ光B2が照射された場合には、白色表示部分87においては、白色に見えることが維持(明度が最高値に維持)される一方で、背景色部分86においては、図14に示すように、緑色レーザ光Gの反射光が関与し、背景色部分86は青緑がかった色に見えると共に明度が上がり(図14中、PB1’点参照)、そのときの背景色部分86と白色表示部分87との明度差ΔL1’が、白色レーザ光を照射しない場合における背景色部分86(図14中、PB0点参照)と白色表示部分87との明度差ΔL0よりも狭まることになる。
このため、レーザ光源制御部54は、標識85に白色レーザ光を照射するときには、緑色レーザ光の出力比率を低下させ、背景色部分86での反射光全体に対する緑色レーザ光Gの反射光の比率を低下させている。これにより、背景色部分86における明度が上がることを抑え、背景色部分86と白色表示部分87との明度差が狭まることを抑制している。
前述の図14に示す例の下で説明すれば、反射光全体に対する緑色レーザ光Gの反射光の比率を低下させることにより、背景色部分86の色が青色に近づくことになり(図14中の矢印参照)、背景色部分86の明度は低下することになる(図14中、PB1点参照)。このため、このときの背景色部分86と白色表示部分87との明度差ΔL1は、通常の白色レーザ光を照射する場合(図14中、PB1’、ΔL1’参照)よりも増大されることになり、標識85に対して白色レーザ光を照射する場合であっても、その標識85の視認性が低下することを抑制できることになる。
またこの緑色レーザ光の出力比率低下制御を行っているときには、緑色レーザ光の反射光の比率が低減されて、青色レーザ光の反射光の比率が相対的に高まることから、青色からなる背景色部分86の彩度は、通常の白色レーザ光を照射しているときのものよりも高まることになり(図14中、PB1’点とPB1点との差分ΔSを参照)、背景色部分86と白色表示部分87との彩度差は増大される。このため、この彩度差の増大によっても、標識85の視認性が低下することを抑制できることになる。
上記緑色レーザ光の出力比率の低下制御を行うに際しては、レーザ光源ユニット7からの白色レーザ光の白色は、前記所定規格(JIS D 5500)の白色範囲WA内に収まるように設定されている。
通常の白色レーザ光B2の白色は、前述したように、色度図上において、所定規格(JIS D 5500)の白色範囲WA内に収まるように設定されているが(例えば、図15中、P0点参照)、緑色レーザ光Gの出力比率の低下制御を行っている場合においても、例えば、図15中のP1点、P2点に示すように、レーザ光源ユニット7からの白色レーザ光B2の白色は、白色範囲WA内に収まるように設定されている。緑色レーザ光Gの出力比率の低下制御を行うに際して、照射光により運転者が極力、違和感を受けないようにすると共に、標識85が照射されるときであっても、その標識85における白色表示部分87が白色状態に見えるようにするためである。
このため、緑色レーザ光Gの出力比率の低下制御に際して、上記観点からも、緑色レーザ光Gの出力比率が調整されており、その緑色レーザ光Gの出力比率を通常の白色レーザ光照射制御の場合のときのもの(緑色レーザ光Gの出力比率)よりも低下させる態様としては、緑色レーザ光の出力自体を低下させる態様だけでなく、緑色レーザ光以外の他のレーザ光(青色レーザ光、赤色レーザ光)については増加させる態様等(相対的調整)をも取ることができる。これにより、白色範囲WA内での白色レーザ光の白色調整の自由度を高めることができる。
図15中におけるP1点、P2点は、緑色レーザ光Gの出力比率低下制御中における白色レーザ光の白色の具体例を示すもので、通常の白色レーザ光照射制御におけるP0点から変化したものである。P1点は、緑色レーザ光Gの出力Pを、通常の白色レーザ光照射制御の場合のP0点のときのもの(緑色レーザ光Gの出力P)よりも20%低下させた場合であり、P2点は、緑色レーザ光Gの出力Pを、通常の白色レーザ光照射制御の場合のP0点のときのもの(緑色レーザ光Gの出力P)よりも20%低下させると共に、青色レーザ光Bの出力Pを、通常の白色レーザ光照射制御の場合のPo点のときのもの(青色レーザ光Gの出力P)よりも20%増加させた場合であり、このP1点,P2点は、いずれも、P0点同様、図16に示す色度図上の値をもって、白色範囲WA内に収まることになる(図15参照)。
上記制御ユニット9による緑色レーザ光の出力比率の低下制御の制御例を、図17に示すフローチャートに基づいて具体的に説明する。尚、図17中、Sはステップを示す。
先ず、S1において、設定情報、画像処理装置55からの情報、走査用アクチュエータ35からの走査情報等の各種情報が読み込まれる。次に、S2において、標識85が検出されたか否かが判別され、S2がYESのときには、S3において、その標識85が自車の前方所定距離(例えば50m前後(時速60kmで3秒以内で51mになるような場合))以内に至っているか否かが判別される。このS2の判別は、緑色レーザ光の出力比率低下制御を行うための標識85自体が出現しているか否かを判断するために行われ、S3の判別は、運転者の視認性の観点から適切なタイミングを捉えて、標識85の視認性低下を効果的に抑制するために行われる。このため、S2又はS3のいずれかがNOと判断されたときには、緑色レーザ光の出力比率の低下制御を実行する必要がないときであるとして、S4に進み、そのS4において、既に緑色レーザ光の出力比率低下制御が実行されていたか否かが判別される。そして、このS4がNOのときには、元々緑色レーザ光の出力比率低下制御が実行されていない状況にあることから、直接、S5に進んで通常の白色レーザ光の照射制御(レーザ光源制御部54での基本制御参照)が実行され、S4がYESのときには、S6において、これまで実行していた緑色レーザ光の出力比率低下制御を解除した上で、S5に進むことになる。
一方、S3がYESのときは、緑色レーザ光の出力比率低下制御を実行すべきときであり、このときには、S7において、LED光源ユニット5からハイビーム照射が行われているか否かが判別される。本制御例では、緑色レーザ光の出力比率低下制御に関し、ハイビーム照射時とロービーム照射時とでは、異なった制御を行うためである。そのS7がYESのときには、S8において、走査領域SA内のうちでもハイビーム配光パターンHi内に白色レーザ光の走査位置が入っているか否かが判別される。LED光源ユニット5からのハイビーム照射光をレーザ光原ユニット7からの白色レーザ光により補完しつつ、緑色レーザ光の出力比率の低下制御を行う必要があるか否かを判別するためである。このS8がYESのときには、S9において、白色レーザ光における走査位置の高さ位置Hsが制御実行下限高さ位置Hd(例えばH−H線高さ位置)よりも高い位置にあるか否かが判別され、そのS9がYESのときには、次のS10において、白色レーザ光における走査位置の高さ位置Hsが制御実行上限高さ位置Hu(例えば、ハイビーム配光パターンHiの最上位点高さ)よりも低い位置にあるか否かが判別される(図8参照)。標識85が道路に対して所定の規格位置(高さ位置、横方向位置)に配置されていることを着目し、一定の制御実行高さ範囲(具体的にはロービーム配光パターンLoよりも上方側に位置するいわゆるグレア領域)Hu〜Hdだけをもって標識85の存在領域85Aと認定し、一律に緑色レーザ光の出力比率低下制御を行うためである。これにより、少なくとも、横方向(左右方向)における標識85の位置、存在領域を検出する必要性をなくすことができ、制御の簡略化を図ることができる。
このため、S9及びS10のいずれもYESのときには、白色レーザ光における走査位置の高さ位置が一定の制御実行高さ範囲内にあるとして、S11において、緑色レーザ光の出力比率は、通常の白色レーザ光が照射される際における緑色レーザ光の出力比率よりも低下される。これにより、標識85に白色レーザ光が照射された場合には、前述のように、標識85の背景色部分86と白色表示部分87との明度差が狭まることが抑えられることになり、その標識85の視認性が低下することを抑制することができる。
本実施形態においては、緑色レーザ光の出力比率を低下させるに当たり、第1、第3レーザ光源15,17から出射される赤色及び青色レーザ光R,Bの出力値(出力強度)P、Pが、初期値PR0,PB0に維持される一方、第2レーザ光源16から出射される緑色レーザ光Gの出力値(出力強度)Pが、初期値PG0から、それに係数k(0<k<1)を乗じた一定量kPG0を減じたPG0−kPG0とされ、これにより、緑色レーザ光の出力比率は、緑色レーザ光の出力比率の低下制御を行う場合において、通常の制御(各レーザ光R,G,Bの出力値P、P、Pが初期値PR0,PG0,PB0)を行う場合のときのものよりも低下される。勿論この緑色レーザ光の出力比率を低下させることに関しては、この緑色レーザ光の出力比率の低下制御を実行したときに、レーザ光源ユニット7からの白色レーザ光の白色が、所定規格(JIS D 5500、ECE規格等)の白色範囲を超えないようにすることが考慮され、その緑色レーザ光の出力比率の低下制御の実行に伴い、レーザ光源ユニット7から照射される白色レーザ光が運転者に極力、違和感を与えないようにされている(図15参照)。勿論このとき、前述した如く、レーザ光源ユニット7からの白色レーザ光の白色が所定規格の白色範囲内に属することを条件として、青色レーザ光の出力及び/又は赤色レーザ光の出力を、通常制御時におけるその各レーザ光の出力よりも高めるようにしてもよい。
前記S9又はS10がNOのときは、当該車両用灯具1を搭載する自車の移動等に伴い、白色レーザ光の走査位置の高さ位置が一定の制御実行高さ範囲Hd〜Hu内に存在しなくなるときであり、このときには、次のS12において、緑色レーザ光の出力比率の低下制御が解除されて、通常の白色レーザ光の照射制御に戻される。これにより、レーザ光原ユニット7からの白色レーザ光は、通常のもの(各レーザ光の出力値P=PR0,P=PG0,P=PB0)に戻され、その白色レーザ光は、ハイビーム配光パターンHi内でLED光源ユニット5からのハイビーム照射光を補完する。
前記S8がNOのときは、白色レーザ光の走査位置が、その走査中にハイビーム配光パターンHi外に位置するときであり、このときには、次のS13において、各レーザ光源15〜17が消灯されて、レーザ光原ユニット7から白色レーザ光は照射されない。ハイビーム配光パターンHiの外周形状を乱さないためである。
前記S7がNOのときは、LED光源ユニット5からのハイビーム照射が行われないときであり、このときには、次のS14において、LED光源ユニット6からロービーム照射が行われているか否かが判別される。ロービーム照射に応じた緑色レーザ光の出力比率の低下制御を実行するためである。このS14がYESのときには、S15において、白色レーザ光の走査位置がロービーム配光パターンLo領域内に存在するか否かが判別される。ロービーム配光パターンLo領域には標識85は存在せず、その領域では、緑色レーザ光の出力比率の低下制御を実行する必要がないからである。このため、S15がYESのときには、前述のS12に進んで、通常の白色レーザ光の照射制御が実行される。
一方、S15がNOのときには、次のS16において、白色レーザ光の走査位置が標識85の存在領域85A内に入っているか否かが判別される。ロービーム照射中においては、ロービーム配光パターンLo領域外(ロービーム配光パターンLoの上方域)には、基本的に、照射が行われないようにする必要がある一方で、標識85の視認性を高める必要があるからである。このため、S16がNOのときには、レーザ光源ユニット7における各レーザ光源15〜17が消灯され、白色レーザ光は照射されない。他方、S16がYESのときには、前述のS11に進んで、標識85の視認性を高めるべく、緑色レーザ光の出力比率の低下制御を実行する。
以上実施形態について説明したが本発明にあっては、次の態様を包含する。
(1)走査用アクチュエータ35を用いて、レーザ光源ユニット7からの白色レーザ光を、車幅方向に延在する矩形の走査領域SA内において、走査(スキャン)させることとしているが、標識85を検出して、その標識85に対して、直接、緑色レーザ光の出力比率の低下制御を実行すること(該当レーザ光を照射すること)。
(2)標識85の存在領域85Aを、実際の標識85が存在する領域よりも多少、拡大して設定すること。これにより、標識85に対して確実に、緑色レーザ光の出力比率低下制御を実行できることになる。
(3)レーザ光源ユニット7は、白色レーザ光を生成できるのであれば、第1〜第3レーザ光源15〜17の3つからなるものに限られないこと。例えば、レーザ光源ユニット7を、第1〜第3レーザ光源15〜17の3つの光源に橙色のレーザダイオード等を追加して白色レーザ光を発生できるようにしたものにしてもよい。
(4)各レーザ光源を、レーザダイオード以外の他のレーザ装置によって構成すること。
(5)実施形態では、車載カメラ60及び画像処理装置55からなる標識情報取得装置80を用いたが、標識85の必要情報を取得するために、各情報を単独で検出できる各種センサを用意すること。
(6)照射方向調整機構8として、MEMSミラー以外にもガルバノミラー等の多様な光学機構を用いること。
1 車両用灯具
7 レーザ光源ユニット
8 照射方向調整機構(照射方向調整手段)
9 制御ユニット
15 第1レーザ光源
16 第2レーザ光源
17 第3レーザ光源
35 走査用アクチュエータ(照射方向調整手段、照射情報検出手段)
54 レーザ光源制御部(レーザ光源制御手段)
55 画像処理装置(標識情報取得手段)
60 車載カメラ(標識情報取得手段)
80 標識情報取得装置(標識情報取得手段)
85 標識
85A 標識存在領域
86 背景色部分
87 白色表示部分

Claims (8)

  1. 少なくとも、赤色レーザ光を出射する第1レーザ光源、緑色レーザ光を出射する第2レーザ光源及び青色レーザ光を出射する第3レーザ光源を設けて、その各レーザ光源からの出射光により照射用の白色レーザ光を生成するレーザ光源ユニットと、前記レーザ光源ユニットからの白色レーザ光の照射方向を調整する照射方向調整手段と、が備えられて、標識として、白色表示部分と、青色又は緑色を背景色とする背景色部分とをもって情報内容を表示するものが出現したときには、前記レーザ光源ユニットからの白色レーザ光が前記標識を照射する車両用灯具であって、
    前記レーザ光源ユニットからの白色レーザ光の照射側において前記標識を検出し、該標識の位置、存在領域情報を取得する標識情報取得手段と、
    前記照射方向調整手段による前記白色レーザ光の照射に関する情報を検出する照射情報検出手段と、
    前記標識情報取得手段からの情報と前記照射情報検出手段からの情報とに基づき、前記標識の存在領域に前記レーザ光源ユニットからの白色レーザ光を照射させるときと判断したときには、前記各レーザ光源を制御して、該各レーザ光源からのレーザ光全体に対する前記緑色レーザ光の出力比率を、前記白色レーザ光が前記標識以外を照射するときのものに比べて低下させるレーザ光源制御手段と、
    が備えられている、
    ことを特徴とする車両用灯具。
  2. 請求項1において、
    前記レーザ光源制御手段は、前記各レーザ光源からのレーザ光を制御して、前記レーザ光源ユニットから出射される白色レーザ光の白色が、該白色レーザ光が標識を照射するとき、該白色レーザ光が標識以外を照射するときのいずれにおいても、所定規格の白色範囲内に属するように設定されている、
    ことを特徴とする車両用灯具。
  3. 請求項2において、
    前記レーザ光源制御手段は、前記レーザ光源ユニットから出射される白色レーザ光の白色が、該白色レーザ光が標識以外を照射するときには、色度図上での前記所定規格の白色範囲内において、黒体放射軌跡線の上方領域に属するように設定されている、
    ことを特徴とする車両用灯具。
  4. 請求項2において、
    前記レーザ光源制御手段は、前記緑色レーザ光の出力比率の低下制御として、前記各レーザ光源のうち、前記第2レーザ光源以外のものからのレーザ光の出力比率を、前記白色レーザ光が前記標識以外を照射するときのものに比べて高めることも行うように設定されている、
    ことを特徴とする車両用灯具。
  5. 請求項1において、
    前記標識として、前記背景色が青色とされたものが対象とされている、
    ことを特徴とする車両用灯具。
  6. 請求項1において、
    前記照射方向調整手段は、前記レーザ光源ユニットから照射されるべき白色レーザ光が、所定の走査領域内で走査するように設定されている、
    ことを特徴とする車両用灯具。
  7. 請求項6において、
    前記照射方向調整手段は、前記白色レーザ光の走査に関し、前記所定の走査領域内において、横方向に往復動しつつ上下方向の一方の側から他方の側に移動することを繰り返すように設定され、
    前記レーザ光源制御手段は、前記標識情報取得手段からの取得情報に基づき標識の存在を判断したときには、前記所定の走査領域のうち、前記標識が存在する一定高さ範囲で、前記緑色レーザ光の出力比率低下制御を実行するように設定されている、
    ことを特徴とする車両用灯具。
  8. 請求項1において、
    前記標識情報取得手段が、標識が前方所定距離以内に入ったか否かに関する情報をも取得できるように設定され、
    前記レーザ光源制御手段は、前記標識情報取得手段からの取得情報に基づき前記標識が前方所定距離以内に入ったと判断したことを条件として、前記緑色レーザ光の出力比率低下制御の実行を許容するように設定されている、
    ことを特徴とする車両用灯具。
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