JP6327884B2 - 抄紙用ドライヤーカンバス - Google Patents

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Description

本発明は、継手部を改良した平織りのオープンメッシュ状の抄紙用ドライヤーカンバス等の工業用織物に関する。
従来から平織りのオープンメッシュ状の織物を抄紙用ドライヤーカンバス(以下、単に「カンバス」と記すこともある。)等の工業用織物として用いていた。そして、平織りのオープンメッシュ状の抄紙用ドライヤーカンバスにおいて、継手部の寿命を長くするために種々の提案があった。例えば、特許文献1には、平織組織のオープンメッシュ状の抄紙用ドライヤーカンバスにおいて、基布両端部に端部の緯糸を除去して延出された経糸の隣接する2本の経糸の一方を折り返して接合用ループを形成し、他方の経糸を一方の折り返し長さに応じて除去し、この除去により生じた経糸の欠如部に折り返し経糸を綴り込むことが提案されている。また、特許文献2には、平織りのオープンメッシュ状の抄紙用ドライヤーカンバスにおいて、カンバス端部をカンバス本体側に折り曲げた部分の緯糸を部分的に抜き取って実質的に長方形の織目空間となすとともに該織目空間と対接する部分のカンバス本体側の緯糸を抜き取ってカンバス本体側にも長方形の織目空間を形成し、この上下の織目区間に緯糸より細い高強力の接合用糸条を綴り込んで折り曲げ部をカンバス本体側に接結することが提案されている。また、特許文献3には、平織りのオープンメッシュ状の抄紙用ドライヤーカンバスにおいて、カンバス端末部を裏側に折り曲げて表側のカンバス本体と裏側の折り曲げ部からなる2枚重ねの重合部を設け、折り曲げ部の端縁に設けられたすだれ状部のタテ糸をカンバス本体の一重部分に平行に綴り込むことが提案されている。
実開平7−40800号公報 実公平3−24639号公報 登録実用新案第2515918号公報
しかしながら、特許文献1に記載の抄紙用ドライヤーカンバスの場合、継手部のスパイラル線がカンバス本体より突出していることから、その部分が紙へのマークとなるという問題や、継手部がカンバス本体に比べて早く摩耗するという問題があった。また、特許文献2に記載の抄紙用ドライヤーカンバスの場合、カンバス本体側と折り曲げた部分における上下の長方形の織目空間に緯糸より細い高強力の接合用糸条を綴り込んでいるため、該折り曲げた部分は、柔軟性を損ない、応力集中を招くという問題がある。特許文献3に記載の抄紙用ドライヤーカンバスの場合、カンバス本体の裏側に重ねられる折り曲げ部において、タテ糸端の処理は重合部に続くカンバス本体の一重部に綴じこんでいるものの、重合部自体は単に折り曲げただけであり、カンバス本体一重織部分より厚みが2倍以上となる。この厚み差により、カンバス本体及び折り曲げ部とカンバス本体のみの一重部との剛性差が大きくなる。そのため、抄紙機にて使用した場合、上記の重合部と一重部との境界に沿って働く曲げ応力が大きくなり、屈曲疲労により上記境界線で継手部が切断するおそれがある。また、厚み差により突出部の摩耗が促進され、該継手部の破断が助長されるおそれがある。
そこで、本発明は、継手部の耐摩耗性が向上した抄紙用ドライヤーカンバス等の工業用織物を提供する。
本発明は、平織りのオープンメッシュ状の工業用織物本体と、上記工業用織物本体の端部に設けられた継手部を含み、上記継手部は、上記工業用織物本体の端部からヨコ糸を除去して露出したタテ糸を折り返して上記工業用織物本体の一方の表面上に上記工業用織物本体のヨコ糸に重ねて配置した折り返し部のヨコ糸に編み込んだ編み込み部と、折り返したタテ糸が形成したループに係合したスパイラル線を含み、上記折り返し部のヨコ糸の線径が工業用織物本体のヨコ糸の線径の100%以下であり、かつ上記折り返し部における先端ヨコ糸を除く50%以上のヨコ糸の線径が工業用織物本体のヨコ糸の線径の70%以上100%未満であることを特徴とする工業用織物に関する。
本発明は、工業用織物本体の端部からヨコ糸を除去して露出したタテ糸を折り返して上記工業用織物本体の一方の表面上に上記工業用織物本体のヨコ糸に重ねて配置した折り返し部のヨコ糸に編み込み、折り返したタテ糸が形成したループにスパイラル線を係合して継手部を形成するに際し、上記折り返し部のヨコ糸の線径を工業用織物本体のヨコ糸の線径の100%以下にするとともに、上記折り返し部における先端ヨコ糸を除く50%以上のヨコ糸の線径を工業用織物本体のヨコ糸の線径の70%以上100%未満にすることで、抄紙用ドライヤーカンバス等の工業用織物の継手部の耐摩耗性を向上することができる。
図1は、本発明の実施例1の抄紙用ドライヤーカンバスの機械面側の平面模式図である。 図2は、本発明の実施例1の抄紙用ドライヤーカンバスの接紙面側の平面模式図である。 図3は、本発明の実施例1の抄紙用ドライヤーカンバスの継手部の組織図である。 図4は、本発明の実施例2の抄紙用ドライヤーカンバスの継手部の組織図である。 図5は、比較例1の抄紙用ドライヤーカンバスの継手部の組織図である。 図6は、比較例2の抄紙用ドライヤーカンバスの継手部の組織図である。 図7は、比較例3の抄紙用ドライヤーカンバスの継手部の組織図である。 図8は、摩耗試験に用いたアムスラー摩耗試験機の断面模式図である。 図9Aは本発明の実施例1の抄紙用ドライヤーカンバスにおける本体部の斜め写真(20倍)であり、図9Bは同本体部の断面写真(20倍)であり、図9Cは同抄紙用ドライヤーカンバスにおける継手部の平面写真(20倍)であり、図9Dは同継手部の断面写真(20倍)である。
本発明の抄紙用ドライヤーカンバス等の工業用織物は、工業用織物本体と工業用織物本体の端部に設けられた継手部を含む。上記工業用織物本体は、平織りのオープンメッシュ状の一重織である。上記継手部は、上記工業用織物本体の端部からヨコ糸を除去して露出したタテ糸を折り返して上記工業用織物本体の一方の表面上に上記工業用織物本体のヨコ糸に重ねて配置した折り返し部のヨコ糸に編み込んだ編み込み部と、折り返したタテ糸が形成したループに係合したスパイラル線を含む。本発明の工業用織物の継手部において、折り返し部のヨコ糸は、工業用織物本体の一方の表面上のみに配置されている。例えば、上記工業用織物が抄紙用ドライヤーカンバスの場合、折り返し部のヨコ糸は、接紙面側又は機械面側に配置されている。紙へのマークを防止するという観点から、上記工業用織物が抄紙用ドライヤーカンバスの場合、折り返し部のヨコ糸は、機械面側に配置されていることが好ましい。本発明において、編み込み部は、工業用織物本体と、工業用織物本体の一方の表面上に形成されている折り返し部からなる。
上記継手部において、上記折り返し部のヨコ糸の線径は工業用織物本体のヨコ糸の線径の100%以下であり、かつ、上記折り返し部における先端ヨコ糸を除く50%以上のヨコ糸の線径が工業用織物本体のヨコ糸の線径の70%以上100%未満である。このように、折り返し部のヨコ糸の線径を一定の範囲に調整することで、編み込み部と工業用織物本体との厚み差が緩和され、継手部の耐摩耗性が向上する。好ましくは、上記折り返し部における先端ヨコ糸を除く全てのヨコ糸の線径が工業用織物本体のヨコ糸の線径の70%以上100%未満である。より好ましくは、上記折り返し部における先端ヨコ糸を除く50%以上のヨコ糸の線径が工業用織物本体のヨコ糸の線径の70%以上90%以下である。さらに好ましくは、上記折り返し部における先端ヨコ糸を除く全てのヨコ糸の線径が工業用織物本体のヨコ糸の線径の70%以上90%以下である。さらに好ましくは、上記折り返し部における先端ヨコ糸を除く50%以上のヨコ糸の線径が工業用織物本体のヨコ糸の線径の70%以上80%以下である。さらに好ましくは、上記折り返し部における先端ヨコ糸を除く全てのヨコ糸の線径が工業用織物本体のヨコ糸の線径の70%以上80%以下である。なお、上記折り返し部において、先端ヨコ糸の線径は、工業用織物本体のヨコ糸の線径より小さいことが好ましい。
上記折り返し部に異なる線径のヨコ糸を組み合わせて用いる場合、異なる線径のヨコ糸は交互に配置されていることが好ましい。
本発明において、抄紙用ドライヤーカンバス本体等の工業用織物本体を織成したタテ糸及びヨコ糸、並びに継手部の折り返し部のヨコ糸の素材は、特に限定されない。例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等からなる群から選ばれる一種以上の合成樹脂であることが好ましく、耐久性の観点から、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルを含むことがより好ましい。具体的には、合成樹脂からなるモノフィラメント糸、合成樹脂からなるマルチフィラメント糸等を用いることができる。また、本発明において、接合用芯線としては、経糸又は緯糸と同様の素材のモノフィラメント糸、マルチフィラメント糸等を用いることができる。
本発明において、抄紙用ドライヤーカンバス本体等の工業用織物本体を織成したタテ糸及びヨコ糸の断面形状は、特に限定されないが、製織性の観点から、円形断面であることが好ましい。円形断面の場合は、線径(直径)が0.2〜1.2mmであることが好ましく、0.4〜0.9mmであることがより好ましい。扁平断面の場合は、長辺の長さが0.4〜1.2mmであることが好ましく、より好ましくは0.4〜0.9mmであり、短辺の長さは0.2〜0.8mmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜0.6mmである。これにより、工業用織物の表面の均一性を保持しつつ耐摩耗性を向上させ、かつ継手部のバランスをとり、円滑な継手部を形成できる。なお、本発明において、扁平断面の場合、糸の線径は、長辺と短辺の長さの平均値をいう。
本発明において、継手部の折り返し部のヨコ糸の断面形状は、特に限定されないが、厚みや剛性の観点から、円形断面であることが好ましい。円形断面の場合は、線径(直径)が0.2〜1.2mmであることが好ましく、0.4〜0.9mmであることがより好ましく、0.5〜0.7mmであることがさらに好ましい。扁平断面の場合は、長辺の長さが0.4〜1.2mmであることが好ましく、より好ましくは0.4〜0.9mmであり、短辺の長さは0.2〜0.8mmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜0.6mmである。これにより、工業用織物の表面の均一性を保持しつつ耐摩耗性を向上させ、かつ継手部のバランスをとり、円滑な継手部を形成できる。
本発明において、工業用織物は、特に限定されず、例えば、抄紙用ドライヤーカンバス、カッターマシン用の搬送ベルト等の製紙機械用織物、ベルトプレス脱水機をはじめする各種汚泥やスラリーの脱水用機械で用いるフィルターベルト、一般搬送用ベルト、一般乾燥機ベルト等を含む。特に、本発明の工業用織物は、抄紙用ドライヤーカンバスとして好適に用いることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の工業用織物の一実施形態である抄紙用ドライヤーカンバスについて詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1の抄紙用ドライヤーカンバスの機械面側の平面模式図であり、図2は、本発明の実施例1の抄紙用ドライヤーカンバスの接紙面側の平面模式図であり、図3は、本発明の実施例1の抄紙用ドライヤーカンバスの継手部の組織図である。
図1〜3に示しているように、本発明の工業用織物の一実施形態である抄紙用ドライヤーカンバスは、抄紙用ドライヤーカンバス本体10と、抄紙用ドライヤーカンバス本体10の端部に設けられた継手部20を含む。抄紙用ドライヤーカンバス本体10は、平織りのオープンメッシュ状の一重織である。継手部20は、抄紙用ドライヤーカンバス10の端部からヨコ糸2を除去して露出したタテ糸1を機械面側に折り返して抄紙用ドライヤーカンバス本体10の機械面側に本体のヨコ糸1に重ねて配置した折り返し部のヨコ糸9a〜9hに編み込んだ編み込み部と、折り返したタテ糸1が形成したループに接合用芯線6にて係合したスパイラル線5を含む。該実施形態において、折り返し部のヨコ糸9a〜9hの線径は同じであり、カンバス本体のヨコ1の線径より小さい。これにより、折り返し部において、カンバス本体のヨコ糸と同じ線径のヨコ糸を用いた場合と比較して、編み込み部と工業用織物本体との厚み差が緩和され、継手部の耐摩耗性が向上する。
図4は、本発明の実施例2の抄紙用ドライヤーカンバスの継手部の組織図である。図4に示しているように、実施例2の抄紙用ドライヤーカンバスの折り返し部では、本体のヨコ1と線径が同じであるヨコ糸9a、9c、9e及び9gと、本体のヨコ1より線径が小さいヨコ糸9b、9d、9f及び9hを交互に配置している。これにより、折り返し部において、カンバス本体のヨコ糸と同じ線径のヨコ糸を用いた場合と比較して、編み込み部と工業用織物本体との厚み差が緩和され、継手部の耐摩耗性が向上する。
本発明の工業用織物は、アムスラー摩耗試験機を用いた摩耗試験において、摩耗回数が2000回以上の場合でも、継手部の残存強力が150kg/3cm以上であることが好ましく、摩耗回数が3000回以上の場合でも、継手部の残存強力が150kg/3cm以上であることがより好ましい。アムスラー摩耗試験機を用いた摩耗試験は、後述するとおりに行う。
以下、本発明の一実施形態の抄紙用ドライヤーカンバスを実施例として、本発明を詳細に説明する。但し、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1〜3に示しているように、タテ糸1及びヨコ糸2ともに直径が0.8mmのポリエステルモノフィラメントを用い、タテ糸密度、ヨコ糸密度を各々12本/インチとした平織オープンメッシュ状のカンバス本体10を作製した。得られたカンバス本体10において、カンバス本体10の端部から長手方向に23cmにわたりヨコ糸2を抜き取り、タテ糸1をスダレ状に延出させ、機械面側に折り返し、機械面側にカンバス本体のヨコ糸2に重ねて配置した折り返し部のヨコ糸9a、9b、9c、9d、9e、9f、9g及び9h(直径0.6mmのポリエステルモノフィラメント)と交絡させ、タテ糸1が折り返されて形成したループにスパイラル線5(直径が0.7mmの円形断面、外径5.1mm×3.0mm)を接合用芯線6(直径0.3mmのポリエステルモノフィラメント)にて係合し、熱セットによる仕上げ加工を経て継手部20を作製した。なお、編み込み部において、カンバス本体側(接紙面側)の先端ヨコ糸3として直径が0.45mmのポリエステルモノフィラメントを用い、端部から2番目のヨコ糸4として直径が0.6mmのポリエステルモノフィラメントを用い、折り返し部(機械面側)の先端ヨコ糸7として直径が0.45mmのポリエステルモノフィラメントを用いた。また、編み込み部において、縫合糸8a、8b、8c、8d及び8e(直径0.3mmのポリエステルモノフィラメント)を用い、タテ糸を縫合した。
(実施例2)
図4に示しているように、折り返し部のヨコ糸9a、9c、9e及び9gとして、直径が0.8mmのポリエステルモノフィラメントを用いた以外は、実施例1と同様にしてカンバス本体10及び継手部20を作製した。
(比較例1)
図5に示しているように、編み込み部において、カンバス本体側の先端ヨコ糸3として直径が0.6mmのポリエステルモノフィラメントを用い、端部から2番目のヨコ糸4として直径が0.8mmのポリエステルモノフィラメントを用い、折り返し部の先端ヨコ糸7として直径が0.6mmのポリエステルモノフィラメントを用い、折り返し部のヨコ糸9a、9b、9c、9d、9e、9f、9g、9h及び9iとして直径が0.8mmのポリエステルモノフィラメントを用い、編み込み部の縫合糸8eを省いた以外は、実施例1と同様にしてカンバス本体10及び継手部20を作製した。
(比較例2)
図6に示しているように、編み込み部において、カンバス本体側の端部から2番目のヨコ糸4として直径が0.8mmのポリエステルモノフィラメントを用い、折り返し部のヨコ糸9a、9b、9c、9d、9e、9f、9g及び9hとして直径が0.8mmのポリエステルモノフィラメントを用いた以外は、実施例1と同様にしてカンバス本体10及び継手部20を作製した。
(比較例3)
図7に示しているように、折り返し部のヨコ糸9a、9b、9c、9d、9e、9f、9g及び9hとして直径が0.55mmのポリエステルモノフィラメントを用いた以外は、実施例1と同様にしてカンバス本体10及び継手部20を作製した。
実施例及び比較例で作製したカンバスにおいて、カンバス本体及び継手部における各部分の厚みを下記のように測定し、その結果を下記表1に示した。なお、測定には、二つのカンバスの端部におけるスパイラル線を接合用芯線(直径が0.6mmのポリエステルモノフィラメント)で接合したカンバスを用いた。
(厚み)
カンバス本体及び継手部をマイクロスコープ(HIROX社製「KH−3000」)にて拡大写真を撮影し、得られた画像より厚みを計測し、その結果を下記表1に示した。下記表1において、コイル部は、スパイラル線が配置された部分であり、とじ部は、接合用芯線が配置された部分であり、編み込み部は、カンバス本体と、カンバス本体の機械面側に形成されている折り返し部からなる部分である。
実施例及び比較例で作製したカンバスを用いて下記のように摩耗試験を行い、所定の摩耗回数に達した際の継手部の残存強力を測定し、その結果を下記表2に示した。なお、摩耗試験には、二つのカンバスの端部におけるスパイラル線を接合用芯線(直径が0.7mmのポリエステルモノフィラメント)で接合したカンバスを用いた。
(摩耗試験)
接合したカンバスにおいて、継手接合位置(スパイラル線同士を接合した接合用芯線)を中心として、タテ糸と平行な方向の長さが継手接合位置の両側において約15cm、ヨコ糸と平行な方向の長さが5cmとなるよう裁断して、長さが31cm、幅が5cmの試料を作製した。作製した試料を用い、図8に示したアムスラー摩耗試験機(ダイワボウプログレス社製)100にて摩耗試験を実施した。支持台110の上に試料200を配置し、試料200の両端を挟み冶具111a、111bで挟み、挟み冶具111aで挟まれた試料200の一方の端はプーリー112aを介して固定具113で固定し、挟み冶具111bで挟まれた試料200の他の一方の端にはプーリー112bを介しておもり114(10kg)を掛けた。回転ロール116により、サンドペーパー114を貼合した摩擦子115を、タテ糸と平行な方向に継手接合位置を中心に20cmの長さにわたって水平移動(往復)させ、試料200を摩耗させた。回転ロール116の回転数を35.4rpm、摩擦子の接圧を114.3gf/cm2とした。摩耗回数は摩擦子115が一往復した時に一回とし、摩耗回数1000回毎にサンドペーパー114を交換、削り粉をエアーにて除去した。摩耗回数が一定回数に到達したのち、試料200を引張試験に付し、継手部の残存強力を測定した。引張試験は、試料200を幅40mm、長さ200mm(継手接合位置を中心として両側に10cmずつ)となるようにカットした試料を用い、オリエンテックコーポレーション社製テンシロンUCT−1Tにて、試料つかみ間隔100mm、試料/チャック巾を40mm/60mmとして試料をつかみ、引張速度を100mm/min、継手部の突合せ巾を30mmとして実施し、巾3cmあたりの強度として求めた。
表2のデータから分かるように、折り返し部のヨコ糸の線径がカンバス本体のヨコ糸の線径の100%以下であり、かつ折り返し部における先端ヨコ糸を除く50%以上のヨコ糸の線径がカンバス本体のヨコ糸の線径の70%以上100%未満である実施例1及び実施例2のカンバスは、摩耗回数が2000回以上の場合、継手部の残存強力が高く、耐摩耗性に優れていた。一方、折り返し部における先端ヨコ糸を除く全てのヨコ糸の線径が、カンバス本体のヨコ糸の線径と同様である比較例1及び2のカンバスと、折り返し部における先端ヨコ糸を除く全てのヨコ糸の線径が、カンバス本体のヨコ糸の線径の70%未満である比較例3のカンバスは、摩耗回数が2000回以上の場合、継手部の残存強力が格段に低くなり、耐摩耗性が劣っていた。編み込み部が厚すぎても薄すぎても耐摩耗性が低下しており、折り返し部におけるヨコ糸の線径を一定の範囲にして編み込み部の厚みを調整することで、耐摩耗性が向上することが分かる。
1 タテ糸
2、4 ヨコ糸
3 編み込み部のカンバス本体側の先端ヨコ糸
7 折り返し部の先端ヨコ糸
5 スパイラル線
6 接合用芯線
8a、8b、8c、8d、8e 縫合糸
9a、9b、9c、9d、9e、9f、9g、9h、9i 折り返し部のヨコ糸
10 抄紙用ドライヤーカンバス
20 継手部
100 アムスラー摩耗試験機
110 支持台
111a、111b 挟み冶具
112a、112b プーリー
113 固定具
114 サンドペーパー
115 摩擦子
116 回転ロール
200 試料

Claims (4)

  1. 平織りのオープンメッシュ状の抄紙用ドライヤーカンバス本体と、前記抄紙用ドライヤーカンバス本体の端部に設けられた継手部を含み、前記継手部は、前記抄紙用ドライヤーカンバス本体の端部からヨコ糸を除去して露出したタテ糸を機械面側に折り返して前記抄紙用ドライヤーカンバス本体の機械面側に前記抄紙用ドライヤーカンバス本体のヨコ糸に重ねて配置した折り返し部のヨコ糸に編み込んだ編み込み部と、折り返したタテ糸が形成したループに係合したスパイラル線を含み、
    前記折り返し部のヨコ糸の線径が抄紙用ドライヤーカンバス本体のヨコ糸の線径の100%以下であり、かつ前記折り返し部における先端ヨコ糸を除く50%以上のヨコ糸の線径が抄紙用ドライヤーカンバス本体のヨコ糸の線径の70%以上100%未満であることを特徴とする抄紙用ドライヤーカンバス
  2. 前記折り返し部の全てのヨコ糸の線径が抄紙用ドライヤーカンバス本体のヨコ糸の線径の70%以上100%未満である請求項1に記載の抄紙用ドライヤーカンバス
  3. 前記折り返し部において、前記折り返し部のヨコ糸の線径が異なる場合、異なる線径のヨコ糸が交互に配置されている請求項1又は2に記載の抄紙用ドライヤーカンバス
  4. 前記抄紙用ドライヤーカンバスは、アムスラー摩耗試験機を用いた摩耗試験において、摩耗回数が2000回以上の場合でも、継手部の残存強力が150kg/3cm以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の抄紙用ドライヤーカンバス
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