JP5913179B2 - 工業用織物 - Google Patents

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本発明は、継手部を改良した抄紙用ドライヤーカンバス等の工業用織物に関する。
抄紙機のドライヤーパートに使用される抄紙用ドライヤーカンバス(以下、カンバスとも記す。)等の工業用織物は、経糸と緯糸により工業用織物本体を織成し、有端状の工業用織物本体の両端に継手を設け、工業用織物本体両端部を連結し無端状として使用されている。従来から、継手部(ジョイント部)の構造としては、有端状の工業用織物本体の両端部から緯糸を除去して、緯糸を除去することにより露出した簾状の経糸を折り返し、適宜その一部をループ形状とし、折り返された経糸を工業用織物本体に綴り込むことで、工業用織物本体の両端部に形成された経糸ループ(接合用ループ)同士を噛み合わせ、噛み合わせて形成される経糸ループ共通孔に接合用芯線(以下、芯線とも記す。)を挿通する構造が挙げられる。
しかし、例えば、高温かつ多湿の抄紙機にて使用しているうちに、高速走行及び織物長手方向の張力により、接合用芯線に回転力、或いは織物本体幅方向への抜き取り力が作用し、接合用芯線が接合用ループから抜けてカンバス継手部の突合せ部が織物の端から開いてしまうことがあった。これは、芯線と接合用ループの接触力が低い、言い換えれば接合用ループのループサイズが芯線の直径に比べて大きいことが一因である。一方、カンバスの洗浄等の為に、抄紙機からカンバスを取り外す際は継手部の芯線を抜き、接合用ループ同士の継合を解除するが、その際には、芯線の抜き取り及び再挿通も容易である必要があり、従来は芯線挿入作業の効率化の為、接合用ループのループサイズを大きくする手法が有効であった。しかし、接合用ループのループサイズが芯線の直径に比べて大きいと芯線との接触及び摩擦が減らされることで挿通は容易となるが、抜けやすくもなる。また、接合用ループのループサイズが大きくなりすぎると芯線の挿通作業は容易でも、接紙面側への凹凸となって突出し紙シートのマーク欠点となる上、紙や抄紙機シリンダーとの接触等で摩耗し、継手部の破断につながる恐れがある。
そこで、特許文献1では、接合用芯線の形状を正六角形にすることで、接合用芯線の回転を防止している。また、特許文献2では、接合用芯線を折り返してカンバスの少なくとも一端の耳側に形成されている隙間に挿入して接合用芯線の切断や抜けを防止している。
特許第3052245号 実開平2−115598号公報
しかしながら、特許文献1に記載の抄紙用ドライヤーカンバスの継手の場合、カンバスのテンションが低い状態で使用される場合や接合用芯線の直径が小さい場合は、接合用芯線が回転し、芯線が抜け出したり、切断される恐れがある。また、特許文献2に記載の抄紙用ドライヤーカンバスの継手の場合、接合用芯線の折り返した頂点が、抄紙機の走行ガイド板との接触によって摩耗することにより切断したり、接合用芯線が抜け出る恐れがある。
本発明は、接合用芯線の抜き取り及び再挿通が容易でありながら、接合用芯線の切断や抜け出しを防止した抄紙用ドライヤーカンバス等の工業用織物を提供する。
本発明は、経糸と緯糸を織成した工業用織物本体の両端を連結する継手部を含む工業用織物であり、上記継手部は、上記工業用織物本体の端部から緯糸を除去することにより露出した経糸の一部を折り返して工業用織物本体中に綴り込むことにより工業用織物本体の端部に形成した接合用ループを含み、上記接合用ループは、工業用織物本体の少なくとも一方の端部においてループ巻回回数が複数回である領域を有し、当該領域は、工業用織物本体の端部の少なくとも両方の耳側に配置されていることを特徴とする工業用織物に関する。
本発明は、工業用織物本体の少なくとも一方の端部の少なくとも両方の耳側における接合用ループのループ巻回回数を複数回にすることで、接合用ループからの芯線の抜き取りや接合用ループへの芯線の再挿通も容易でありながら、接合用ループに挿入されている接合用芯線の切断や接合用ループからの接合用芯線の抜けを防止することができる工業用織物を提供する。
図1は、本発明の一実施形態の抄紙用ドライヤーカンバスにおける接合用ループを示す断面模式図である。 図2は、本発明の従来の抄紙用ドライヤーカンバスにおける接合用ループを示す断面模式図である。 図3は、本発明の一実施例の抄紙用ドライヤーカンバス本体の組織図である。 図4は、本発明の一実施例の抄紙用ドライヤーカンバスにおけるジョイント部を示す平面写真(20倍)である。 図5は、本発明の一実施例の抄紙用ドライヤーカンバスにおけるジョイント部を示す断面写真(20倍)である。 図6は、本発明の一比較例の抄紙用ドライヤーカンバスにおけるジョイント部を示す平面写真(20倍)である。 図7は、本発明の一比較例の抄紙用ドライヤーカンバスにおけるジョイント部を示す断面写真(20倍)である。
本発明者は、工業用織物本体の一方又は両方の端部の少なくとも両方の耳側における接合用ループのループ巻回回数を複数回にすることで、テンションがかかっていない時の接合用芯線の抜き取り及び再挿通を容易にしつつ、テンションがかかった時の接合用ループと接触する接合用芯線の面積を増加させて接合用芯線の切断や接合用ループからの接合用芯線の抜けを抑制できることを見出し本発明に至った。
従来の抄紙用ドライヤーカンバス等の工業用織物においては、図2に示しているように、工業用織物本体20の端部から緯糸を除去することにより露出した経糸21を折り返して工業用織物本体中に綴り込むことにより工業用織物本体20の端部に接合用ループ22を形成する際、接合用ループ22のループ巻回回数を1回としている。接合用ループのループ巻回回数が一回である従来の工業用織物において、接合用ループ同士を噛み合わせて形成した接合用ループ共通孔に接合用芯線を挿入して工業用織物本体を無端状とした場合、テンションがかかると、接合用ループと接合用芯線の接触角は進行前後で片側が各々約180°で計約360°になる。これに対し、本発明の工業用織物においては、例えば、図1に示しているように、工業用織物本体10の端部から緯糸を除去することにより露出した経糸11を折り返して工業用織物本体中に綴り込むことにより工業用織物本体10の端部に接合用ループ12を形成する際、所定の領域において、接合用ループ12のループ巻回回数を2回にしている。本発明の工業用織物では、テンションがかかると、ループ巻回回数が2回の接合用ループと芯線の接触角は、進行前後における内側のループとの接触角約360°に、外側のループとの接触角約180°を加えて計約540°となる。このように、本発明の工業用織物を用いた場合、テンションがかかると、ループ巻回回数が複数回(2回)の接合用ループと接合用芯線の接触角が大きく、接合用ループと接触する接合用芯線の面積が増加することになる。なお、図1及び図2において、矢印は、接合用ループを形成する経糸の巻回方向を示している。
また、例えば、工業用織物本体10の端部から緯糸を除去することにより露出した経糸11を折り返して工業用織物本体中に綴り込むことにより工業用織物本体10の端部に接合用ループ12を形成する際、図示はないが、所定の領域において、接合用ループ12のループ巻回回数を3回にした場合、テンションがかかると、ループ巻回回数が3回の接合用ループと芯線の接触角は、進行前後における内側の2つのループとの接触角約720°に、外側のループとの接触角約180°を加えて計約900°となり、接合用ループと接触する接合用芯線の面積が更に増加することになる。接合用ループのループ巻回回数が多いほど、接合用ループと接触する接合用芯線の面積が更に増加することになる。
本発明においては、工業用織物本体の端部の接合用ループの巻回回数を複数回にすることにより、接合用ループのループサイズを芯線の直径より大きく作製することができ、テンションがかかっていない時、芯線の抜き取りや再挿通を容易に行うことができる。加えて、本発明の工業用織物を無端状とし抄紙機等にて高速走行させると、工業用織物に張力(テンション)がかかることによって接合用ループの巻回回数が増加した分、言い換えると内側のループサイズが小さい接合用ループが、より強く接合用芯線と接触するようになって接合用芯線が抜けにくくなる。
本発明において、ループ巻回回数が複数回の接合用ループの外径は、芯線の挿通時、すなわちテンションがかかっていない場合は、従来のループ巻回回数が1回の接合用ループのサイズ(直径)と比較して大きくなり得るが、ループ巻回回数が複数回の接合用ループを形成する経糸は、抄紙機等の実機上での使用時には、長手方向へのテンションにより長手方向に引っ張られ、接合用ループの外径が薄くなることで接合用ループが接紙面側に突出することや機械面側に逸脱することがない。また、本発明において、ループ巻回回数が複数回の接合用ループの内径は、従来のループ巻回回数が1回の接合用ループとのサイズ(直径)と同等になり得るため、芯線の挿入作業性は従来品と変わらない。そして、カンバス等工業用織物が実機上で走行する際はテンションがかかり、接合用ループを形成する経糸が芯線周囲を巻回しながら締め付けることで芯線を固定すると同時に、接合用ループの厚みも薄くなる。すなわち、本発明において、接合用ループの巻回回数増加部分は見かけ上内側で小さくなり、接合用ループを形成する経糸が接合用芯線に柔軟に追従することができ、テンションがかかっていない場合は芯線を挿通しやすく、実機上の使用時にはテンションがかかるため、芯線が抜けにくく、芯線の突出も防止可能となる。
本発明において、工業用織物は、特に限定されず、例えば、抄紙用ドライヤーカンバス、カッターマシン用の搬送ベルト等の製紙機械用織物、ベルトプレス脱水機をはじめする各種汚泥やスラリーの脱水用機械で用いるフィルターベルト、一般搬送用ベルト、一般乾燥機ベルト等を含む。
本発明において、カンバス本体等の工業用織物本体は、一重織と、二重織以上の多重織のいずれであってもよい。また、織組織も、経糸がループ形成可能であればよく、特に限定されない。織組織は、例えば、平織、綾織、朱子織、及び変織等のその他の組織、並びにこれらの組合せのいずれであってもよい。
本発明において、カンバス本体等の工業用織物本体を織成した経糸又は緯糸の素材は、特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等からなる群から選ばれる一種以上の合成樹脂であることが好ましく、耐久性の観点から、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルを含むことがより好ましい。また、経糸又は緯糸とも合成樹脂からなるモノフィラメント糸、合成樹脂からなるマルチフィラメント糸等を用いることができる。また、本発明において、接合用芯線としては、経糸又は緯糸と同様の素材のモノフィラメント糸、マルチフィラメント糸等を用いることができる。
本発明において、カンバス本体等の工業用織物本体の単位長さ当たりの糸の打ち込み本数(密度)は、特に限定されないが、経糸が25〜130本/1インチ(25.4mm)であることが好ましく、より好ましくは40〜130本/1インチ(25.4mm)である。緯糸は、10〜80本/1インチ(25.4mm)であることが好ましく、より好ましくは、30〜80本/1インチ(25.4mm)である。これにより工業用織物の表面の均一性を保持しつつ耐摩耗性を向上させることができる。
本発明において、カンバス本体等の工業用織物本体を織成した経糸又は緯糸の断面形状、線径は、特に限定されないが、円形断面の場合は、直径が0.2〜1.2mmであることが好ましく、0.4〜0.9mmであることがより好ましい。扁平断面の場合は、長辺が0.4〜1.2mmであることが好ましく、より好ましくは0.4〜0.7mmであり、短辺は0.2〜0.8mmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜0.6mmである。これにより工業用織物の表面の均一性を保持しつつ耐摩耗性を向上させ、かつ継手部のバランスをとり、円滑な継手部を形成できる。
本発明の工業用織物は、工業用織物本体の少なくとも一方の端部において接合用ループのループ巻回回数が複数回である領域を有している。接合用ループのループ巻回回数が複数回である領域は、工業用織物本体の端部の少なくとも両方の耳側に配置されている。上記ループ巻回回数が複数回である接合用ループは、工業用織物本体の少なくとも一方の端部において両方の耳側に配置されていればよいが、芯線の切断や抜けをより効果的に抑制できる観点から、上記ループ巻回回数が複数回である接合用ループは、工業用織物本体の両方の耳側の端部から少なくとも30mmの長さの領域に配置されていることが好ましく、端部の全長に渡って配置されていることがより好ましい。
本発明の工業用織物は、所定の領域の接合用ループのループ巻回回数を2回以上の複数回にする以外は、従来と同様にして、製造することができる。例えば、通常の手法で、経糸と緯糸を織成した工業用織物本体の端部から緯糸を除去することにより露出した経糸の一部を折り返して、上記工業用織物本体の両端を連結する継手部の接合用ループを形成する際、工業用織物本体の少なくとも一方の端部の少なくとも両方の耳側において、接合用ループのループ巻回回数を2回以上の複数回にすればよい。作業性の観点から、接合用ループのループ巻回回数は2回とすることが好ましい。
また、上記ループ巻回回数が複数回である接合用ループは、工業用織物本体の両方の端部に形成されていてもよいが、作業性の観点、接合用ループ同士の噛み合わせの容易性という観点から、工業用織物本体の一方の端部にのみ形成されていることが好ましい。
また、カンバス等の工業用織物の接合用ループを熱セットすることにより、形状保持することができる。
本発明の工業用織物の継手部とすることにより、接合用ループのカンバス等の工業用織物本体側に接合用芯線を折り返す空間を簡単に創出でき、芯線の端部を折り返して該空間に挿入することで、芯線の切断や抜け出しをより効果的に抑制することもできる。この場合、特許文献2に記載の抄紙用ドライヤーカンバスの継手と同様、接合用芯線の折り返した頂点が、抄紙機等の走行ガイド板との接触によって摩耗することにより接合用芯線が切断する恐れはあるものの、本発明の工業用織物の継手部では、複数回巻回した接合用ループを形成する経糸が芯線を保持することで芯線の抜け出しを効果的に防止することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の工業用織物の一実施形態である抄紙用ドライヤーカンバスについて詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態の抄紙用ドライヤーカンバスにおける接合用ループを示す断面模式図である。
本発明の工業用織物の一実施形態である抄紙用ドライヤーカンバスでは、図1に示しているように、工業用織物本体10の端部から緯糸を除去することにより露出した経糸11を折り返して工業用織物本体中に綴り込むことにより工業用織物本体10の端部に接合用ループ12を形成するに際し、接合用ループ12のループ巻回回数を2回としている。この実施形態では、図4〜図5に示しているように、ループ巻回回数が2回である接合用ループは、工業用織物本体の端部の一方にのみ形成されていることが好ましい。作業性が良好な上、接合用ループ同士の噛み合わせが容易になるからである。また、図4〜図5から明らかなように、本発明の工業用織物では、接合用ループのカンバス本体側に接合用芯線を折り返す空間を簡単に創出することができる。
本発明の工業用織物の一実施形態である抄紙用ドライヤーカンバスは、テンションがかかっていない時の接合用芯線の抜き取り及び再挿通を容易にしつつ、テンションがかかる時の接合用ループに挿入されている芯線の切断や接合用ループからの芯線の抜けを防止することができる。
また、本発明の工業用織物の一実施形態である抄紙用ドライヤーカンバスの片面或いは両面に合成繊維ウエブをニードリングして重合一体化してなる抄紙用ドライヤーフェルトにおいても、本発明の継手部が適用されているため、本発明と同様の効果を奏する。
以下、本発明の一実施形態の抄紙用ドライヤーカンバスを実施例として、本発明を詳細に説明する。但し、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<抄紙用ドライヤーカンバス本体の作製>
経糸31として、ポリエチレンテレフタレート(PET)モノフィラメント(繊度:2190dtex、円形断面、直径0.45mm)を用い、緯糸として、表面41と裏面42には、PETモノフィラメント(繊度:3232dtex、円形断面、直径0.55mm)を用い、中間層43にはポリフェニレンサルファイド(PPS)マルチフィラメント(トータル繊度:3333dtex、フィラメント数15)を用い、図3に示す組織の抄紙用ドライヤーカンバス本体30を作製した。織物の単位長さ当たりの糸の打ち込み本数(密度)は、経糸は70.0本/1インチ(25.4mm)とし、緯糸は、表面と裏面では32.7本/1インチ(25.4mm)とし、中間層では16.3本/1インチ(25.4mm)とした。得られた抄紙用ドライヤーカンバス本体は、厚みが2.30mmであり、単位面積当たりの重量は1.40kg/m2であった。
<接合用ループの作製>
得られた抄紙用ドライヤーカンバス本体の一方の端部の全長においては接合用ループのループ巻回回数を2回とし、他方の端部の全長においては接合用ループのループ巻回回数を1回として、接合用ループを作製した。
<抄紙用ドライヤーカンバスの接合>
得られた抄紙用ドライヤーカンバスにおいて、図4〜図5に示しているように、ループ巻回回数が2回の接合用ループと、ループ巻回回数が1回の接合用ループを噛み合わせ、噛み合わせて形成される接合用ループ共通孔に接合用芯線(PETモノフィラメント、直径0.6mm)を挿通して接合した。図4は、マイクロスコープ(KH−3000、ハイロックス社製)で観察した実施例1の抄紙用ドライヤーカンバスにおけるジョイント部の表面を示す表面写真(20倍)であり、図5は、同ジョイント部の断面を示す断面写真(20倍)である。
(実施例2)
<接合用ループの作製>
実施例1と同様にして作製した抄紙用ドライヤーカンバス本体の両方の端部の全長において、ループ巻回回数が2回である接合用ループを作製した。
<抄紙用ドライヤーカンバスの接合>
得られた抄紙用ドライヤーカンバスにおいて、ループ巻回回数が2回の接合用ループ同士を噛み合わせ、噛み合わせて形成される接合用ループ共通孔に接合用芯線(PETモノフィラメント、直径0.6mm)を挿通して接合した。
(実施例3)
<接合用ループの作製>
実施例1と同様にして作製した抄紙用ドライヤーカンバス本体の一方の端部の両方の耳側の各々30mm長さの領域(トータル長さ60mm)においては、接合用ループのループ巻回回数を2回とし、該端部のその他の領域及び他方の端部の全長においては、接合用ループのループ巻回回数を1回とした。
<抄紙用ドライヤーカンバスの接合>
次いで、得られた抄紙用ドライヤーカンバスにおいて、両方の耳側のループ巻回回数が2回の接合用ループと、ループ巻回回数が1回の接合用ループを噛み合わせ、噛み合わせて形成される接合用ループ共通孔に接合用芯線(PETモノフィラメント、直径0.6mm)を挿通して接合した。
(比較例1)
<接合用ループの作製>
実施例1と同様にして作製した抄紙用ドライヤーカンバス本体の両方の端部の全長において、接合用ループのループ巻回回数を1回とした。
<抄紙用ドライヤーカンバスの接合>
次いで、得られた抄紙用ドライヤーカンバスにおいて、図6〜図7に示しているように、接合用ループ同士を噛み合わせ、噛み合わせて形成される接合用ループ共通孔に接合用芯線(PETモノフィラメント、直径0.6mm)を挿通して接合した。図6は、マイクロスコープ(KH−3000、ハイロックス社製)で観察した比較例1の抄紙用ドライヤーカンバスにおけるジョイント部の表面を示す表面写真(20倍)であり、図7は、同ジョイント部の断面を示す断面写真(20倍)である。
実施例及び比較例で得られた接合した抄紙用ドライヤーカンバスの引抜き強力を下記の芯線抜き強力試験に基づいて測定し、その結果を下記表1に示した。引抜き強力の値が高いほど、芯線が接合用ループから抜けにくいことを意味する。
(芯線引抜き強力試験)
芯線の抜けは、JIS L 1096 6.12に準じた自社法による引張試験により評価した。試料として、接合用芯線を接合用ループ共通孔に挿通した状態のジョイントサンプル(長さ30cm、幅10cm)を用いた。長さ方向に2kg/cmのテンション(幅10cmに対するトータル荷重は、10cm×2kg/cm=20kgとなる)を掛け、テンシロンRTC−1310A(オリエンテックコーポレーション社製)を用い、ジョイントサンプルをチャック(チャック幅50mm)でつかみ、引張速度10mm/minでゆるやかに引張り、引抜き強力を測定した。引抜長さは、15cmとした。
表1の結果から分かるように、実施例1〜3では、引抜き強力が比較例1より高く、芯線の切断や芯線の抜けが抑制され、芯線が抜けにくくなっていた。これは、比較例1では、ジョイント部の表面を示す図6とジョイント部の断面を示す図7から分かるように、接合用ループと芯線の接触角が計約360°に対し、実施例1〜3では、ジョイント部の表面を示す図4とジョイント部の断面を示す図5から分かるように、接合用ループと芯線の接触角は計約540°であり、接合用ループと接触する芯線の面積が増加しているためであると推測される。また、実施例1と実施例3の比較から、ループ巻回回数が2回の接合用ループを少なくとも一方の端部の両方の耳側に配置すれば、芯線の切断や芯線の抜けが抑制されることが分かった。なお、実施例3では、ループ巻回回数が2回の接合用ループは、工業用織物本体の一方の端部において、両方の耳側の各々30mm長さの領域に配置するだけで、工業用織物本体の一方の端部の全長に渡って配置されている場合とほぼ同様の程度で芯線の切断や芯線の抜けが抑制されることが分かった。
実施例1〜3及び比較例1において、抄紙用ドライヤーカンバス本体の接合用ループを噛み合わせ、噛み合わせて形成される経糸ループ共通孔に接合用芯線を織物全幅にわたって挿通させたところ、実施例1〜3及び比較例1ともに芯線を挿通する時間に大差はみられなかった。
10、20、30 工業用織物本体
11、21、31 経糸
41、42、43 緯糸
12、22 接合用ループ

Claims (5)

  1. 経糸と緯糸を織成した工業用織物本体の両端を連結する継手部を含む工業用織物であり、
    前記継手部は、上記工業用織物本体の端部から緯糸を除去することにより露出した経糸の一部を折り返して工業用織物本体中に綴り込むことにより工業用織物本体の端部に形成した接合用ループを含み、
    前記接合用ループは、工業用織物本体の少なくとも一方の端部においてループ巻回回数が複数回である領域を有し、当該領域は、工業用織物本体の端部の少なくとも両方の耳側に配置されていることを特徴とする工業用織物。
  2. 前記ループ巻回回数が複数回である接合用ループの領域は、工業用織物本体の少なくとも一方の端部の全長に渡って配置されている請求項1に記載の工業用織物。
  3. 前記ループ巻回回数が複数回である接合用ループは、工業用織物本体の一方の端部にのみ形成されている請求項1又は2に記載の工業用織物。
  4. 前記ループ巻回回数は、2回である請求項1〜3のいずれか1項に記載の工業用織物。
  5. 前記工業用織物は、抄紙用ドライヤーカンバスである請求項1〜4のいずれか1項に記載の工業用織物。
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