JP6327601B2 - 反応物供給流路 - Google Patents

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Description

本発明は、発電性能が高く、簡便に製造できる、反応物供給流路に関するものである。
直接メタノール形燃料電池(DMFC)は、燃料としてメタノール水溶液を利用するため、気体燃料を利用する他の燃料電池よりも燃料の可搬性やエネルギー密度の点で有利である。この特徴からDMFCは携帯型電源への利用が期待されるが、メタノールの活性が低く出力密度の向上が課題であり、出力密度の向上を向上させるための種々提案がされている。
本願発明者らは、金属多孔体を流路に用いることにより従来の溝型流路を用いた場合と比べて発電出力が大きく向上することを明らかにし(例えば非特許文献1〜3)、そのような金属多孔体として発泡樹脂へのメッキによるもの(例えば非特許文献1)、金属粉末のスラリー発泡と焼結によるもの(例えば非特許文献2)、球状金属粉末の焼結によるもの(例えば非特許文献3)などを提案している。
金属多孔体流路による発電性能向上はおもに電極全面への反応物供給が可能となることや生成物をスムーズに排出できることによるものである。
また、水素を燃料とする燃料電池においても、金属多孔体を流路として備えるものとして、たとえば、特許文献1〜3には、流路として金属メッシュを用いた燃料電池などが提案されている。
米国特許第5798187号明細書 米国特許第5952119号明細書 米国特許第6037072号明細書
T.Shudo,K.Suzuki,Performance improvement in direct methanol fuel cells using a highly porous corrosion−resisting stainless steel flow field,Int.J.of Hydrogen Energy,Vol.33,No.11,(2008). 首藤、長沼、大薮、金属粉末焼結多孔体を用いた極薄型燃料電池セパレータ流路に関する研究、日本機械学会第15回動力エネルギー技術シンポジウム講演論文集、D205、(2010). 首藤、長沼、直接メタノール燃料電池における球状金属粉末焼結多孔体の利用による発電性能向上、第28回水素エネルギー協会大会予稿集、B20、(2008).
しかしながら、非特許文献1〜3の提案にかかる金属多孔体流路は、製造の簡便さが十分でないという問題がある。また、特許文献1〜3の提案に係る流路は、水素や空気など気体のための流路であり、液体燃料に用いた場合には要求されている程の高い発電性能を得られないという問題がある。
このため、液体燃料に用いた場合にも発電性能が高く、簡便に製造できる反応物供給流路の開発が要望されている。
したがって、本発明の目的は、液体燃料に用いた場合にも発電性能が高く、簡便に製造できる、反応物供給流路を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解消すべく鋭意検討した結果、燃料電池の流路を、繊維により網状構造にすることにより、発電性能が高い流路を簡便に製造できることを知見し、さらに金属構造物について詳細に検討した結果本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の各発明を提供するものである。
1.導電性繊維構造物により形成されてなる、燃料電池に反応物を供給する反応物供給流路。
2.上記反応物が液体燃料である、1記載の反応物供給流路。
3.上記構造物が、導電性繊維の配置体、織物、編み物、不織布、又はそれらを組み合わせて構成される構造物である、1記載の反応物供給流路。
4.上記構造物を構成する繊維の繊維径が1〜5000μmである、3記載の反応物供給流路。
5.上記繊維の繊維間距離が1〜5000μmである、4記載の反応物供給流路。
6.上記構造物のメッシュ数が♯1〜♯25400である、3記載の反応物供給流路。
7.上記導電性繊維構造物は、その表面に抵抗低減化処理がなされている、1記載の反応物供給流路。
8.上記抵抗低減化処理が、導電性カーボンを用いた導電性コーティング処理である、7記載の反応物供給流路。
9.反応物供給流路は、セパレータと膜電極接合体により形成された区画に上記導電性繊維構造物が配置されて反応物供給流路が形成されており、
該導電性繊維構造物は、膜電極接合体側の方がセパレータ側よりも接触抵抗が低くなるように形成されている、1記載の反応物供給流路。
本発明の反応物供給流路は、液体燃料に用いた場合にも発電性能が高く、簡便に製造できるものである。
図1は、本発明の反応物供給流路の一実施形態の、部分拡大図(図面代用写真)である。 図2は、本発明の反応物供給流路の他の実施形態の、部分拡大図(図面代用写真)である。 図3は、実施例5で用いた2本ななこ織の模式図である。 図4は、試験例で用いた試験用単セルの模式図である。 図5は、試験例1で得られた結果(電圧−電流密度曲線)を示すチャートである。 図6は、試験例1で得られた結果(電流−出力密度曲線)示すチャートである。 図7は、試験例1の交流インピーダンス計測の結果示すチャートである。 図8は、試験例2で得られた結果(電圧−電流密度曲線)示すチャートである。 図9は、試験例2で得られた結果(電流−出力密度曲線)示すチャートである。 図10は、試験例2の交流インピーダンス計測の結果である。 図11は、試験例3で得られた結果(電圧−電流密度曲線)示すチャートである。 図12は、試験例3で得られた結果(電流−出力密度曲線)示すチャートである。 図13は、試験例3の交流インピーダンス計測の結果示すチャートである。 図14は、試験例4で得られた結果(電流−出力密度曲線)示すチャートである。
1:反応物供給流路、10:導電性繊維構造物、11:導電性繊維、20:空間
以下、本発明をさらに図面を参照し、詳細に説明する。
<全体構成>
本発明の反応物供給流路は、導電性繊維構造物により形成されてなる、燃料電池の反応物を供給する反応物供給流路である。本実施形態においては、反応物供給流路を形成する導電性繊維構造物10は、図1に示すように、複数の導電性繊維11で平織されてなる織物であり、導電性繊維11と導電性繊維11との間には空間20が形成されている。
(反応物供給流路)
本明細書において上記反応物供給流路とは、燃料電池において燃料極で用いられる燃料や、空気極で用いられる空気などの反応物の供給流路をいい、例えば、図4に示すような直接メタノール燃料電池等においては、セパレータと、膜電極接合体との間に設けられるものである。詳しくは後述する。
(反応物)
上記反応物は、特に制限されないが、空気極で用いられる空気や酸素、燃料極で用いられる水素などの気体燃料、メタノール、ジメチルエーテル、アンモニア、グルコースなどの液体燃料等が挙げられ、中でも本発明の反応物供給流路においてはメタノール等の液体燃料を用いた場合にも好適な発電性能を得ることができ、これらの液体燃料において好ましく用いられる。
(導電性繊維)
本明細書において導電性繊維とは、導電性がある繊維形状のものをいう。
本発明で用いられる導電性繊維11は、特に制限されないが、例えば、金属化合物や金属酸化物などからなる繊維、導電性樹脂からなる繊維、炭素繊維などが挙げられ、導電性、耐腐食性の観点から、金属化合物からなる繊維、中でもステンレス鋼からなる繊維であるのが好ましい。
上記導電性繊維の繊維径は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で特に制限はされないが、強度、導電性、加工性などの観点から、1〜5000μmであるのが好ましく、10〜500μmであるのが好ましい。
上記導電性繊維の形状は、特に制限されないが、例えば、円柱状、テープ状、角柱状などの形状のものを用いることができる。本実施形態においては、SUS316ステンレス鋼からなる円柱状の平均繊維径100μmの繊維である。
(構造物)
本発明で用いられる上記構造物は、上記導電性繊維を用いて立体的な構造物となされたものであれば、特に制限されないが、中でも、強度、反応物の流れや拡散、製造の簡便さ、コストなどの観点から、導電性繊維の配置体、織物、編み物、不織布、又はこれらを組み合わせて構成される構造物であるのが好ましい。ここで導電性繊維の配置体とは繊維を平行に配置又は直行して配置して形成された構造体を意味し、これらを組み合わせて構成される構造物とは織物と編み物とを積層する等2種以上の構造物を適宜組み合わせて構成された構造物を意味する。
上記織物としては、例えば、平織、ななこ織、斜文織、朱子織、あや織などの織物が挙げられ、上記構造物と他の部材との接触抵抗を低く抑える観点から織目の細かいものが好ましい。
また、上記編み物としては、例えば、平編、ゴム編、パール編などが挙げられる。
上記繊維の繊維間距離は、特に制限されず、なくてもよいが、反応物の流れや拡散、導電性、強度などの観点から、1〜5000μmであるのが好ましく、10〜500μmであるのがさらに好ましく、特に平織の場合には30μm以下であるのが最も好ましい。
また、上記構造物が織物や編み物であり、メッシュ状の場合においては、そのメッシュ数は、反応物の流れや拡散、導電性などの観点から、#1〜#25400であるのが好ましく、#50〜#200であるのがさらに好ましい。ここで、メッシュ数とは、25.4mm(1インチ)の長さにおける網目数をいう。本実施形態においては、複数の導電性繊維11でメッシュ数#100で平織されている。
(抵抗低減化処理)
本発明の反応物供給流路に用いられる導電性繊維構造物は、その表面に抵抗低減化処理がなされているのが好ましい。 抵抗低減化処理としては、導電性の良い材質を表面に付着させること、セパレータや膜電極接合体との接触状態が改善するような形状や柔らかさの材質を表面に配すること等による処理等が挙げられ、特に好ましい手段として、導電性カーボンや導電性金属化合物などの導電性成分を含むコーティング剤(導電性インクや導電性ペースト)による導電性コーティング処理を挙げることができる。中でも、導電性、耐腐食性などの観点から、導電性カーボンを導電性成分として含むコーティング剤により導電性コーティングするのが好ましい。これにより、反応物供給流路構造そのもの、膜電極接合体やセパレータ等の他の部材との導電性が向上し、発電性能を向上させることができる。
本明細書において導電性コーティングは、上記構造物を形成した後に導電性コーティングを行っても、導電性コーティングを施した導電性繊維で上記構造物を形成してもよい。
上記コーティング剤に導電性成分として用いられる導電性カーボンは、導電性を有するものであれば、特に制限なく用いることができ、例えば、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン、無定形炭素などを用いることができる。また、上記導電性金属化合物としては、Au、Cu、Ni、Agなどの金属粉末、ZnO、SnO、InOなどの金属酸化物等を用いることができる。
上記コーティング剤は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、樹脂(アクリル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂)フィラー、添加剤、溶剤(水、メタノール、アセトン、ブチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、イソホロン、ブタノール、エタノール)などの他の成分を含有してもよい。たとえば、上記コーティング剤は、導電性成分10〜90重量%、樹脂1〜25重量%、溶剤10〜70重量%を含む組成物として用いることができる(総量100重量%であってさらに、フィラーや各種添加剤を含有していてもよい)。
図2に本発明の反応物供給流路の他の実施形態として導電性コーティングを行ったものを示す。図2に示す本発明の反応物供給流路は、図1の反応物供給流路を、導電性カーボンを含む層でコーティングしたものである。図2に示す反応物供給流路1’を形成する導電性繊維構造物10’は、平織されてなる織物であり、平織された後に上記カーボンペーストでコーティングされた複数の導電性繊維11’からなり、導電性繊維11’と導電性繊維11’との間には空間20が形成されている。
また、上記導電性コーティングを行う部分は、本発明の反応物供給流路を構成する導電性繊維構造物の全体、両面、一面のいずれでもよいが、燃料電池に用いた場合における膜電極接合体側の一面にはコーティングを行うのが好ましい。これにより、膜電極接合体との間の導電性がよくなり、より発電性能が高くなる。すなわち、本発明の反応物供給流路を構成する導電性繊維構造物は、膜電極接合体側の方がセパレータ側よりも接触抵抗が低くなるように、膜電極接合体側の一面にはコーティングを行い、接触抵抗が低く形成されているのが好ましい。
(大きさ・形状)
本発明の反応物供給流路の大きさや厚みは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で特に制限されず、使用用途などに応じて任意のものにすることができる。また、反応物供給流路の形状は円盤状、板状など種種形状とすることができる。
(製造方法)
本発明の反応物供給流路は、形成材料として上述の金属材料などからなる導電性繊維から、公知の製造方法、製造装置を用いて、織物、編み物、不織布等を形成することにより製造することができる。なお、市販のもの、例えば、ステンレスメッシュ、ステンレス不織布などを用いることもできる。
上記導電性コーティングは、導電性物質を含有する樹脂ペーストの塗布など、公知の方法を用いて、導電性繊維からなる構造物を作成した後、コーティング処理を行うことができ、また、各繊維にコーティング処理を行った後、織る、編むまたは絡合させることにより、織物化、編物化、不織布化することにより得ることもできる。
(用途)
本発明の反応物供給流路は、燃料電池において燃料極で用いられる燃料や、空気極で用いられる空気などの反応物の供給流路として用いることができ、特に直接メタノール型燃料電池の反応物流路として好適に用いることができる。
たとえば、図4に示す燃料電池ユニットに配置することができる。
図4に示す燃料電池ユニットセルは、流体投入口及び流体排出口が形成された一対のエンドプレートと、両エンドプレート間の中央に配された、反応場としてのガス拡散層(GDL)が一体化されてなる膜電極接合体と、ガス拡散層が一体化された該膜電極接合体に隣接して設けられた反応物供給流路と、反応物供給流路に隣接して設けられたセパレータと、セパレータに隣接して設けられた集電板と、集電板及びエンドプレート間、並びにガス拡散層及び反応物供給流路の外周を覆って配された、流体の漏れを防止するガスケットとからなる。そして一方のエンドプレートにおける流体投入口はメタノール及び水をセル内に投入する口であり、流体排出口は、二酸化炭素を排出する口である。また、他方のエンドプレートにおける流体投入口は空気をセル内に投入する口であり、流体排出口は、水を排出する口である。なお、膜電極接合体は、電解質膜の両側に電極を配してなるものであり、当該膜電極接合体単独で用いてもよいし、図4に示す形態のようにさらにガス拡散層を一体化させたものを用いてもよい。
このようなセルに本発明の反応物供給流路を配置することにより、反応物である液体物を効率良く反応場である膜電極接合体に供給することができ、効率良く発電を行うことができる。
本発明は上述した実施形態に何ら制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
以下、本発明について実施例を示してさらに具体的に説明するが本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
〔実施例1〕
(反応物供給流路の製造)
導電性繊維として繊維径100μmのSUS316線を用い、網目サイズが#100(1インチ当たりの網目数が100個を意味する)で平織してなる市販の平織構造物を大きさ50mm×50mmで使用し、該平織構造物の表面に、導電性コーティングを施し、図2に示す本発明の反応物供給流路を得た。なお、上記平織構造物は、市販品の同等品を、金網織機装置(装置名「NAC−5」、(有)共立製作所社製)を用いて製造することもできる。
なお、上記導電性コーティングは、導電性コーティング剤として導電性カーボンを含む導電性ペーストの全面の塗布による被覆を施すことにより行った。
なお、用いた導電性ペーストの組成は、導電性カーボン70重量部、アクリル樹脂10重量部、アセトン20重量部であった。
〔実施例2〕
実施例1で用いた導電性コーティングを行う前の平織構造物を本発明の反応物供給流路とした。
〔実施例3及び4〕
網目サイズを#60または#80の市販の平織構造物に変えた以外は、実施例1と同様にして、平織構造物の表面に導電性コーティングを施し、本発明の反応物供給流路(実施例3:網目サイズ#60、実施例4:網目サイズ#80)を得た。なお、上記平織構造物(実施例3及び4)は、市販品同等品を、金網織機装置(装置名「NAC−5」、(有)共立製作所社製)を用いて製造することもできる。
〔実施例5〕
導電性繊維として繊維径100μmのSUS316線を用い、図3に示す2本ななこ織(網目サイズ50、緯糸と縦糸とがそれぞれ2本ずつ織り込まれた織物)してなる大きさ50mm×50mmのななこ織構造物を、金網織機装置(装置名「NAC−5」、有限会社共立製作所社製)を用いて製造し、本発明の反応物供給流路とした。
〔試験例1〕反応物供給流路表面の導電性カーボン被覆が発電性能に与える影響
反応物供給流路表面の導電性カーボン被覆が発電性能に与える影響を調べるため、実施例1及び2で得られた本発明の反応物供給流路の発電性能を調べた。
(試験用単セル)
本発明の反応物供給流路の発電性能試験用に、本発明の反応物供給流路を具備する、図4に示す試験用単セルを作製した。上記試験用単セルは、日本自動車研究所(JARI)の標準セルの流路部分を、SUS316Lステンレス鋼製の試作セパレータブロックと、本発明の反応物供給流路とに置き換えたものである。なお、試験用単セルの膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly、 MEA)は下記のものの両側にガス拡散層(Gas Diffusion Layer、(GDL))を配したものである。
膜電極接合体(MEA):
PEM:Nafion(登録商標)NR−212、厚さ:50.8μm
アノード触媒:Pt−Ru、触媒量:3.0mg/cm
カソード触媒:Pt、 触媒量:1.0mg/cm
なお、上記試験用単セルは、両端のエンドプレートを12本のボルトを締結することによって固定されるが、このボルトの締付トルクは200cN・mとした。
(発電性能試験)
発電性能試験は上記試験用単セルに燃料を供給し発電させ、発電性能を計測することにより行った。発電性能試験は上記試験用単セルを恒温槽内に設置し、セル温度を管理して行った。燃料には電気ヒーターによって温度管理された5重量%のメタノール水溶液を用い、チューブポンプによって流量を調節して、一方のエンドプレートにおける流体投入口からアノード側に投入した。他方のエンドプレートにおける流体投入口には、酸化剤として無加湿の空気を、レギュレータを介して投入し、カソード側に該酸化剤を供給した。この際、熱式質量流量計によって流量を管理した。発電性能の計測は、燃料電池用インピーダンスメータ(商品名:インピーダンスメータ、菊水電子株式会社製)を使用して行った。
また、本試験例においては、セルおよび燃料の温度は303K、アノード燃料供給量は3cc/min、カソード空気供給量は1000cc/minとした。
得られた結果を図5(電圧−電流密度曲線)、図6(電流−出力密度曲線)に示す。また、図7に電流密度0.3A/cmにおいて交流インピーダンス計測を行った結果を示す。
(結果と考察)
図5及び6は網目サイズが#100の本発明の反応物供給流路の表面における導電性カーボンによる導電性コーティングが発電性能に与える影響について調べた結果である。
図5及び6から、本発明の反応物供給流路は、十分な発電性能を示すことがわかる。また、反応物供給流路の表面に導電性カーボンでコーティングすることにより、電流密度の増加に伴うセル電圧の降下が緩やかになり、最大出力密度が約22%向上したことが分かる。
図7に電流密度0.3A/cmにおける交流インピーダンス計測の結果を示す。図中のプロットと横軸との最初の交点はセル抵抗に、弧の直径は反応抵抗にそれぞれ対応する。図7から、流路の表面に導電性カーボンでコーティングを施すことにより、反応抵抗はほぼ変化しないが、セル抵抗が低下したことが読み取れる。セル抵抗は固体高分子膜のプロトン移動抵抗と構成部品の持つ電気抵抗および構成部品間の接触抵抗の和である。同一の固体高分子膜において、プロトン移動抵抗は温度や膜の湿潤状態に依存するが、セル温度と電流密度を一定に保った本試験ではそれらが大きく変化することはないと考えられる。したがって、流路表面を導電性カーボンでコーティングすることによって、流路とガス拡散層及びセパレータとの間の接触抵抗が低下したことがセル抵抗低下の要因であると考えられる。
〔試験例2〕
金属線構造体の網目サイズが発電性能に与える影響を調べるため、実施例1(網目サイズ:#100)、3(網目サイズ:#60)及び4(網目サイズ:#80)で得られた本発明の反応物供給流路の発電性能を比較した。
発電性能試験は、試験例1と同様にして試験用単セルを作成し、交流インピーダンス計測を電流密度0.2A/cmの条件で行った以外は、試験例1と同様の条件で行った。
得られた結果を図8(電圧−電流密度曲線)、図9(電流−出力密度曲線)に示す。また、図10に交流インピーダンス計測を行った結果を示す。
(結果と考察)
図8〜10は、本発明の反応物供給流路の網目サイズが発電性能に与える影響を調べた結果である。図8及び9より、本発明の反応物供給流路はすべての網目サイズにおいて良好な発電性能を示すが、網目サイズが小さいほど電流密度の増加に伴うセル電圧の降下が緩やかになり、出力密度が向上していることが分かる。
図10は電流密度0.2A/cmにおける交流インピーダンス計測の結果である。図10から、網目サイズが小さいほどセル抵抗が低下することが読み取れる。これは、網目サイズが小さいほど流路とGDLおよびセパレータとの接触点が増加するため、接触抵抗が低下してセル抵抗が低下したものと考えられる。
〔試験例3〕
実施例1で得られた本発明の反応物供給流路におけるカソード空気供給量が発電性能に与える影響を調べた。なお、比較としてグラファイト製溝型流路である日本自動車研究所(JARI)の標準セルの流路を用いた試験も行った。
試験は、試験例1と同様にして試験用単セルを作成し、その発電性能を計測することにより行った。本試験例においては、セルおよび燃料の温度は333K、アノード燃料供給量は3cc/minとし、カソード空気供給量は実施例1においては1000cc/min及び1500cc/min、比較試験においては1500cc/minとし、それ以外は試験例1と同様にして試験を行った。
得られた結果を図11(電圧−電流密度曲線)、図12(電流−出力密度曲線)に示す。また、図13に電流密度0.3A/cmにおいて交流インピーダンス計測を行った結果を示す。
(結果と考察)
図11〜13は、本発明の反応物供給流路(実施例1)においてカソード空気の供給量が発電性能に与える影響を調べた実験の結果である。
図11及び12より、本発明の反応物供給流路は、カソード空気供給量が1000cc/min、1500cc/minの条件共に良好な発電性能を示し、カソード空気供給量が1000cc/minの条件では、高電流密度域においてセル電圧が降下する傾きに増加が見られ、拡散分極が生じていることが分かる。
図13は電流密度0.3A/cmにおいて交流インピーダンス計測を行った結果である。図13より、カソード空気供給量の増加によって反応抵抗が減少していることが分かる。カソード空気供給量増加により生成水の排出が促進されて拡散分極が抑制されて反応抵抗が減少したものと考えられる。
また、本発明の反応物供給流路においては、1500cc/minの条件で、同条件のJARI標準セルによる発電性能を上回り、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のDMFCの開発目標値0.1W/cmを超える出力密度0.109W/cmが得られた。この際、本発明の反応物供給流路は低い反応抵抗を示していることが図13より分かり、これにより、本発明の反応物供給流路は、優れた発電性能を示すことがわかる。
〔試験例4〕
織物構造の違いによる発電性能を比較するため、実施例1及び5で得られた本発明の反応物供給流路の発電性能を比較した。
試験は、試験例1と同様にして試験用単セルを作成し、セルおよび燃料の温度は333K、アノード燃料供給量は2cc/min、カソード空気供給量は1000cc/minとした以外は、試験例1と同様の条件で行った。
得られた結果を図14(電流−出力密度曲線)に示す。
(結果と考察)
図14は、織物構造の違いによる発電性能を比較するため、実施例1(平織)及び実施例5で得られた本発明の反応物供給流路の発電性能を比較した結果である。
図14より、実施例1(平織)、実施例5(2本ななこ織)ともに良好な発電性能を示すが、実施例5(2本ななこ織)の方が、より発電性能が高いことがわかる。
以上の結果より、本発明の反応物供給流路は優れた発電性能を示すものであることがわかる。

Claims (6)

  1. 反応場としてのガス拡散層が一体化されてなる膜電極接合体と、ガス拡散層が一体化された該膜電極接合体に隣接して設けられた反応物供給流路とを具備する燃料電池に用いられる、導電性繊維構造物により形成されてなる、燃料電池に反応物を供給する反応物供給流路であって、
    上記導電性繊維構造物が、織物であり、
    上記導電性繊維構造物を構成する繊維の繊維径が10〜500μmであり、
    上記繊維の繊維間距離が10〜500μmであり、
    上記構造物のメッシュ数が#50〜#200であり、
    上記織物が、平織であり且つ上記繊維間距離が30μm以下である、反応物供給流路。
  2. 反応場としてのガス拡散層が一体化されてなる膜電極接合体と、ガス拡散層が一体化された該膜電極接合体に隣接して設けられた反応物供給流路とを具備する燃料電池に用いられる、導電性繊維構造物により形成されてなる、燃料電池に反応物を供給する反応物供給流路であって、
    上記導電性繊維構造物が、織物であり、
    上記導電性繊維構造物を構成する繊維の繊維径が10〜500μmであり、
    上記繊維の繊維間距離が10〜500μmであり、
    上記構造物のメッシュ数が#50〜#200であり、
    上記織物が、ななこ織の織物である、反応物供給流路。
  3. 上記反応物が液体燃料である、請求項1又は2記載の反応物供給流路。
  4. 上記導電性繊維構造物は、その表面に抵抗低減化処理がなされている、請求項1又は2記載の反応物供給流路。
  5. 上記抵抗低減化処理が、導電性カーボンを用いた導電性コーティング処理である、請求項4記載の反応物供給流路。
  6. 上記導電性コーティング処理は、導電性カーボン導電性成分10〜90重量%、樹脂1〜25重量%、溶剤10〜70重量%を含む組成物からなるコーティング剤を用いて行われる、請求項5記載の反応物供給流路。
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