JP6327528B2 - ハンドルヒータ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、操舵ハンドルに備えられるハンドルヒータ装置に関する。
特許文献1は、ハンドルにおける手の接触検知について、静電容量の変化により発振回路の周波数が変化することを用いて実現する検出装置を開示している。
また、特許文献2は、シートヒータを利用して乗員着座有無を検出する車両用座席装置を開示している。この車両用座席装置は、シートヒータと着座検出用電極とを兼用することにより、発振回路を不用にして低コスト化を図っている。
図12は、従来技術における車両用座席装置の模式縦断面図である(特許文献2参照)。
同図においてシートヒータ8は、車両用座席装置1の座席内部に備えられ、結合容量22を介して着座検出回路14に接続されている。また、シートヒータ8は、シートヒータ解放スイッチ11および12を介して電力の供給を受ける。着座検出回路14による着座検出動作は、シートヒータ解放スイッチ11および12がオフである時に行われる。具体的には、着座検出回路14は、交流電源、帯域フィルタ、検波・平滑回路、増幅回路、A/D変換器、マイクロコンピュータを有している。帯域フィルタは、交流電源が出力する所定周波数値を通過させる共振フィルタで構成することができる。帯域フィルタから抽出された交流電圧成分は、検波・平滑回路で検波、平滑され、増幅回路にて所定の振幅に増大された後、A/D変換器でデジタル信号に変換されてマイクロコンピュータに読み込まれる。マイクロコンピュータは、読み込んだデジタル信号の大きさが所定しきい値より小さくなった場合に乗員着座と判定する。
このように特許文献2では着座検出用の静電容量の一方の電極としてヒータ線を用いることが記載されている。ここでヒータ線を検出用の電極として使用するためには電極が浮遊している必要があり、シートヒータ8をGND(グラウンドレベル)から切り離すためのシートヒータ解放スイッチ11および12が設けられている。シートヒータ解放スイッチ11および12は通常ヒータ線を発熱させる場合は通電状態であるオンであり、着座検出回路14を動作させる場合は遮断状態であるオフである。
特開2002−340712号公報 特開2008−24087号公報
しかしながら従来技術によれば、上記の説明のように着座検出回路14は、交流信号を結合容量を介してシートヒータ8に与えることによりシートヒータ8の静電容量の大きさを検出する。シートヒータ解放スイッチ12がオンであればシートヒータ8の結合容量22の一端は接地されるので、着座検出回路14は、シートヒータ解放スイッチ11、12が遮断状態であるオフのときしか検出動作をすることができない、つまり、シートヒータ解放スイッチ11、12がオン状態であるとき、つまりシートヒータ8が通電状態のときは検出できないという問題がある。
本発明は、ハンドルヒータが通電している状態であっても人の手の接触の有無を検知するハンドルヒータ装置を提供する。
本発明の一態様に係るハンドルヒータ装置は、操舵ハンドルに備えられ、電気エネルギにより発熱する電気抵抗体で構成されたハンドルヒータと、前記ハンドルヒータの一方の端子に直列に接続された第1のインダクタと、前記ハンドルヒータへの電力供給をオンまたはオフする少なくとも1つのスイッチとを備え、前記一方の端子には、前記ハンドルヒータの静電容量の大きさに基づいて前記ハンドルヒータと被検出体との接触の有無を判定するセンサ回路が電気的に接続され、前記少なくとも1つのスイッチは、前記ハンドルヒータの前記一方の端子に前記第1のインダクタを介して直列接続された第1のスイッチ、および、前記ハンドルヒータの他方の端子に直列接続された第2のスイッチの少なくとも一方であり、前記他方の端子は、インダクタ素子を介在することなく、前記スイッチまたは電源線に接続され、前記ハンドルヒータへの電力供給がオンの状態およびオフの状態に同期した有効期間であって、前記センサ回路により前記ハンドルヒータと被検出体との接触の有無を判定する有効期間を決定し、前記有効期間以外の期間では前記センサ回路の判定結果を無視する制御部を備える。
この構成によれば、センサ回路の接続箇所とスイッチとの間に第1のインダクタが介在するので、上記少なくとも1つのスイッチの全てがオンになることによって、ハンドルヒータへの電力供給がオンとなっても、センサ回路から見たスイッチ側のインピーダンスは交流的には高インピーダンスである。したがって、ハンドルヒータが通電している状態であっても、つまりスイッチがオン状態であっても人の手等の被検出体の接触の有無を検知することができる。
本発明のハンドルヒータ装置は、スイッチがオンの状態であっても、すなわち、ハンドルヒータが通電中であっても人の手等の被検出体の接触判定をすることができる。
図1は、実施の形態1における手の接触検知を兼ねるハンドルヒータを備える操舵ハンドルの例を示す図である。 図2は、実施の形態1におけるハンドルヒータ装置の構成例を示すブロック図である。 図3は、実施の形態1におけるハンドルヒータ装置の動作タイミングを示すタイムチャートである。 図4は、実施の形態1におけるセンサ回路の構成例を示すブロック図である。 図5は、実施の形態1におけるハンドルヒータの第1の構成例を示す図である。 図6は、実施の形態1におけるハンドルヒータの第2の構成例を示す図である。 図7Aは、実施の形態1におけるハンドルヒータ装置の第1の変形例を示すブロック図である。 図7Bは、実施の形態1におけるハンドルヒータ装置の第1の変形例の他の例を示すブロック図である。 図7Cは、実施の形態1におけるハンドルヒータ装置の第1の変形例のさらに他の例を示すブロック図である。 図8は、実施の形態1におけるハンドルヒータ装置の第2の変形例を示すブロック図である。 図9は、実施の形態2におけるハンドルヒータ装置の第3の変形例を示すブロック図である。 図10は、実施の形態2における手の接触検知を兼ねるハンドルヒータを備える操舵ハンドルの例を示す図である。 図11Aは、実施の形態2におけるハンドルヒータ装置の構成例を示すブロック図である。 図11Bは、実施の形態2におけるハンドルヒータ装置の第1の変形例を示すブロック図である。 図11Cは、実施の形態2におけるハンドルヒータ装置の第2の変形例を示すブロック図である。 図11Dは、実施の形態2におけるハンドルヒータ装置の第3の変形例を示すブロック図である。 図12は、従来技術における車両用座席装置の模式縦断面図である。 図13は、従来技術における車両用座席装置におけるスイッチがオフのときの等価回路図である。
(本発明の基礎となった知見)
本発明者は、次の知見に基づいて、以下の課題が生じることを見出した。
従来技術(特許文献2)におけるシートヒータを人体接触の有無を検出する回路にも兼用する技術は、操舵ハンドルに備えられたハンドルヒータを人の手の接触の有無を検出する回路に兼用させることに転用可能である。しかしながら、シートヒータ兼検出回路をハンドルヒータ兼検出回路に転用する場合には、ハンドルヒータの発熱中、すなわち、ハンドルヒータが通電状態であるときには接触の検知ができないという既に説明した課題に加えて、次の課題が新たに発生する。
新たな課題について図面を用いて説明する。
図13は、従来技術における車両用座席装置におけるスイッチがオフのときの等価回路図である。同図には、シートヒータ解放スイッチ11のオフのときの寄生容量C11、シートヒータ解放スイッチ12のオフのときの寄生容量C12、人体の近接により容量が変化するヒータ線の静電容量C13を図示してある。
通常、シートヒータ8は素早く暖めるために大電流が流れる仕様となっており、更に、着座検出回路14との動作切り替えで頻繁にオン、オフ制御を行うため、オン抵抗Ronの低い半導体素子で構成されるのが一般的である。オン抵抗Ronの低い素子は一般的に寄生容量が大きい。図13において、人体の近接により変化する静電容量C13と、シートヒータ解放スイッチ12の寄生容量C12とが並列接続となる。
このため、着座検出回路14から見える着座の有無による容量変化は実効的に小さくなり、感度が落ちるという課題がある。特に、ハンドルヒータと人の手の接触面積は、着座による人体の接触面積よりも小さいため、感度がさらに落ちるという課題がある。具体的には、寄生容量C12対する静電容量C13の割合が小さい(例えば、約10分の1〜約百分の1)ので、感度が悪い、すなわち、S/N比が劣るという課題がある。
(本開示の概要)
このような課題を解決するために、本発明の一態様に係るハンドルヒータ装置は、操舵ハンドルに備えられ、電気エネルギにより発熱する電気抵抗体で構成されたハンドルヒータと、前記ハンドルヒータの一方の端子に直列に接続された第1のインダクタと、前記ハンドルヒータへの電力供給をオンまたはオフする少なくとも1つのスイッチとを備え、前記一方の端子には、前記ハンドルヒータの静電容量の大きさに基づいて前記ハンドルヒータと被検出体との接触の有無を判定するセンサ回路が電気的に接続され、前記少なくとも1つのスイッチは、前記ハンドルヒータの前記一方の端子に前記第1のインダクタを介して直列接続された第1のスイッチ、および、前記ハンドルヒータの他方の端子に直列接続された第2のスイッチの少なくとも一方である。
これによれば、センサ回路の接続箇所とスイッチとの間に第1のインダクタが介在するので、上記少なくとも1つのスイッチの全てがオンになることによって、ハンドルヒータへの電力供給がオンとなっても、センサ回路から見たスイッチ側のインピーダンスは交流的には高インピーダンスである。したがって、ハンドルヒータが通電している状態であっても、つまりスイッチがオンであっても人の手等の被検出体の接触の有無を検知することができる。しかも、スイッチがオフのときもセンサ回路とスイッチの寄生容量との間に第1のインダクタが介在するので、感度の低下を抑制することができる。
ここで、前記他方の端子は、インダクタ素子を介在することなく、前記スイッチまたは電源線に接続されてもよい。
例えば、ハンドルヒータ自身が十分大きいインダクタンス成分を有する場合がある。このような場合には、インダクタ素子を省略することができため、上述のように、他方の端子は、インダクタ素子を介在することなく、スイッチまたは電源線に接続されてもよい。これによれば、前記他方の端子と、前記スイッチまたは電源線との間にインダクタ素子を備えないので構成をより簡易にすることができる。
ここで、前記ハンドルヒータ装置は、さらに、前記ハンドルヒータへの電力供給がオンの状態およびオフの状態に同期した有効期間であって、前記センサ回路により前記ハンドルヒータと被検出体との接触の有無を判定する有効期間を決定し、前記有効期間以外の期間では前記センサ回路を無効化する制御部を備えてもよい。
これによれば、制御部はハンドルヒータへの電力供給のオン状態とオフ状態との間の遷移による影響を排除し、より正確に人の手の接触の有無を検知することができる。言い換えれば、スイッチのオン状態とオフ状態との間の遷移による影響を排除し、より正確に人の手の接触の有無を検知することができる。
ここで、前記制御部は、前記ハンドルヒータへの電力供給がオンの状態である期間の範囲内の期間を、前記有効期間の1つとしてもよい。
これによれば、ハンドルヒータへの電力供給がオン状態であっても人の手等の被検出体の接触の有無を検知することができる。
ここで、前記制御部は、前記ハンドルヒータへの電力供給がオフ状態から安定的なオン状態に切り替わるまでの過渡期間と、オン状態から安定的なオフ状態に切り替わるまでの過渡期間とを除いて前記有効期間とするようにしてもよい。
これによれば、制御部は、ハンドルヒータへの電力供給の切り替えによる過渡的な状態を回避してセンサ回路を動作させるので、過渡的なノイズの影響を避けることができる。
ここで、前記ハンドルヒータは、前記一方の端子と前記他方の端子間に接続され、複数回折り返し配線された電熱線を含む構成としてもよい。
これによれば、ハンドルヒータ自身がインダクタンスをもつので、第2のインダクタの実装を省略することができる。
ここで、前記ハンドルヒータは、前記一方の端子と前記他方の端子間に接続された面状電気抵抗体を含む構成としてもよい。
これによれば、面状電気抵抗体は静電容量がより大きくなるので、人の手の接触に対する感度をより向上させることができる。
ここで、前記ハンドルヒータ装置は、さらに、前記操舵ハンドルに備えられ、前記ハンドルヒータを含む複数のハンドルヒータと、前記複数のハンドルヒータの一方の端子のそれぞれに直列接続された、前記第1のインダクタを含む複数の第1のインダクタとを備え、前記少なくとも1つのスイッチは、前記複数のハンドルヒータそれぞれの前記一方の端子に、前記複数の第1のインダクタのそれぞれを介して接続された第1のスイッチ、および、前記複数のハンドルヒータの他方の端子のそれぞれに接続された第2のスイッチの少なくとも一方であってもよい。
これによれば、操舵ハンドルの全周だけでなく、任意の部分において操舵ハンドルの加温中であってもなくても人の手の接触検知をすることができる。
ここで、前記制御部は、前記複数のハンドルヒータを時分割で切り替えながら前記センサ回路を有効化するようにしてもよい。
これによれば、さらに、複数のハンドルヒータでセンサ回路を共用することができる。
ここで、前記制御部は、前記複数のハンドルヒータのうち少なくとも2つに対して同時に前記接触の有無を判定するよう前記センサ回路を有効化するようにしてもよい。
これによれば、さらに、複数のハンドルヒータに対して人の手の接触の有無の検知を同時にすることができる。
ここで、前記電気エネルギは、直流の電気エネルギであってもよい。
これによれば、自動車等のバッテリを積んでいる乗り物から容易に電気エネルギの供給を受けることができる。
ここで、前記センサ回路は、前記ハンドルヒータに前記一方の端子を介して交流信号を出力し、かつ、前記ハンドルヒータから前記一方の端子を介して入力される信号のレベルを検出することによって、前記操舵ハンドルと前記被検出体との接触の有無を判定してもよい。
これによれば、センサ回路は、出力と入力とを共に前記一方の端子の1箇所に対して行えばよく、入力線と出力線とを分ける必要がなく、回路構成を簡易にすることができる。
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における手の接触検知を兼ねるハンドルヒータを備える操舵ハンドルの例を示す図である。
同図のように、ハンドルヒータ103は、車両、船舶、航空機、宇宙船、乗り物等の操舵ハンドルに備えられ、操舵ハンドルの加温と手の接触判定とに兼用される。このハンドルヒータ103は、電源VDCより供給される電気エネルギにより発熱する電気抵抗体で構成される。同図では1つの操舵ハンドルに2つのハンドルヒータ103が備えられているが、1つでもよいし3つ以上でもよい。また、ハンドルヒータ103は操舵ハンドルに内蔵されてもよいし、オプションで付加されてもよい。
図2は、実施の形態1におけるハンドルヒータ装置の構成例を示すブロック図である。同図のようにハンドルヒータ装置100は、スイッチ101、インダクタLa、インダクタLb、ハンドルヒータ103、結合容量105、センサ回路106、制御回路107を備える。なお、図2の構成例は、図1のハンドルヒータ103の1つに対応する。つまり図1では、2つのハンドルヒータ装置を備えるものとする。
図2においてスイッチ101は、インダクタLbを介してハンドルヒータ103の一方の端子に直列に接続され、ハンドルヒータ103への電力供給をオンまたはオフするトランジスタスイッチであり、制御回路107からのスイッチ制御信号に従ってオンおよびオフする。
インダクタLaは、インダクタンスを有する誘導素子(例えばコイル)であり、ハンドルヒータ103の他方の端子に直列に接続され、電源VDCの電源線に接続される。電源VDCは、操舵ハンドルを備える乗り物(例えば、自動車等)のバッテリ等であり、直流の電気エネルギを供給する。電源VDCの出力電圧は、直流電圧であり、例えば12V、24Vである。
インダクタLbは、ハンドルヒータ103の上記一方の端子に直列に接続されるとともに、スイッチ101の非接地側の端子に接続される。
ハンドルヒータ103は、その両端にはインダクタLa、Lbが直列に接続され、スイッチ101がオンのとき直流電力の供給を受ける。ハンドルヒータ103は、例えば、複数回折り返し配線された電熱線を含み、操舵ハンドルに巻き付けられるあるいは内蔵される面状発熱体である。
結合容量105は、ハンドルヒータ103の上記の一方の端子とセンサ回路106とを直流をカットして電気的に接続する、つまり交流的に結合する容量素子である。
センサ回路106は、スイッチ101がオン状態であってもオフ状態であっても、ハンドルヒータ103と人の手との間の静電容量の大きさに基づいてハンドルヒータと人の手との接触の有無を判定する。具体的には、センサ回路106は、交流信号(例えば、周期的なパルス信号)を結合容量105を介してハンドルヒータ103に出力し、その結果、ハンドルヒータ103と人の手との間の静電容量の大きさに応じて定まる交流信号のレベル(例えば平滑化したレベル)を判定することによって、ハンドルヒータ103と人の手との接触の有無を判定する。このセンサ回路106の動作は、制御回路107により制御(例えばイネーブル信号により制御)される。
センサ回路106とスイッチ101との間にインダクタLbが介在しているので、スイッチ101がオンであっても、センサ回路106から見たスイッチ101側のインピーダンスは交流的には高インピーダンスである。したがって、スイッチ101のオン状態によりハンドルヒータ103が通電している状態であっても、センサ回路106は人の手の接触の有無を検知することができる。
もちろん、スイッチ101のオフ状態によりハンドルヒータ103が非通電の状態であっても、センサ回路106は人の手の接触の有無を検知する。しかも、スイッチ101がオフのときセンサ回路106とスイッチ101の寄生容量との間にインダクタLbが介在するので、感度の低下を抑制することができる。
制御回路107は、スイッチ101およびセンサ回路106の動作を制御する。例えば、制御回路107は、スイッチ101がオンの状態およびオフの状態の期間内にセンサ回路106を動作させるよう制御する。
次に、制御回路107によるハンドルヒータ装置100の動作タイミング例について説明する。
図3は、実施の形態1におけるハンドルヒータ装置100の動作タイミング例を示す
タイムチャートである。同図上段ではONと表記された期間はハンドルヒータ103の通電中を意味し、OFFと表記された期間はハンドルヒータ103の非通電中を意味する。ハンドルヒータ103が通電中か非通電中かを示す信号は、スイッチ101のオンおよびオフを制御するスイッチ制御信号である。また、同図下段ではONと表記された期間はセンサ回路106の動作中を意味し、OFFと表記された期間はセンサ回路の非動作中を意味する。センサ回路106の動作中か、非動作中かを示す信号は、センサ回路106の動作を制御するイネーブル信号である。
上記のスイッチ制御信号およびイネーブル信号は、制御回路107によって生成される。図3の例では、制御回路107は、スイッチ101がオフ状態から安定的なオン状態に切り替わり、センサ回路の出力が安定するまでの過渡期と、オン状態から安定的なオフ状態に切り替わり、センサ回路の出力が安定するまでの過渡期とを除いてセンサ回路106を動作させるように制御している。このように、スイッチ101の動作、つまりハンドルヒータ103への電力供給の状態と同期して、スイッチ101の切り替えによる過渡的な期間を回避してセンサ回路106を動作させることにより、過渡的なノイズの影響を避けることができる。
なお、制御回路107は、図3下段のON期間にセンサ回路106が動作中、OFF期間にセンサ回路が停止中と制御する代わりに、ON期間かOFF期間かに関わらずセンサ回路106が常時動作をし、センサ回路106の判定結果をON期間では有効にし、OFF期間では無効にするように制御してもよい。つまり、制御回路107は、センサ回路106の判定結果を制御回路107が無効としないで有効とする有効期間(例えば、図3では下段のON期間)を制御するようにしてもよい。言い換えれば、制御回路107は、センサ回路106の判定結果を有効期間以外の期間(例えば、図3では下段のOFF期間)では無効にするまたは無視する制御をしてもよい。この場合は、上記のイネーブル信号は、有効期間以外の期間では判定結果をマスクし、有効期間では判定結果をマスクしないマスク信号として用いられる。センサ回路の出力が安定するまでの過渡期を、有効期間以外の期間(例えば、図3下段のOFF期間)では無効にする期間とすることで、過渡的なノイズの影響を避けることができる。
以上の説明のように制御回路107は、図3下段のようにハンドルヒータ103への電力供給がオンの状態およびオフの状態に同期した有効期間であって、センサ回路106によりハンドルヒータ103と被検出体(例えば人の手)との接触の有無を判定する有効期間を決定する。具体的には、制御回路107は、ハンドルヒータ103への電力供給がオンの状態である期間の範囲内の期間を、有効期間の1つとする。また、制御回路107は、ハンドルヒータ103への電力供給がオフ状態から安定的なオン状態に切り替わるまでの過渡期間と、オン状態から安定的なオフ状態に切り替わるまでの過渡期間とを除いて有効期間とする。そして、制御回路107は、有効期間以外の期間ではセンサ回路106を無効化する。ここでいうセンサ回路106の無効化とは、センサ回路106の動作を停止させる制御でもよいし、センサ回路106が動作していてもその判定結果を制御回路107が無視する制御、つまり判定結果をマスクする制御でもよい。
次に、センサ回路106の具体例について説明する。
図4は、実施の形態1におけるセンサ回路106の構成例を示すブロック図である。
同図のようにセンサ回路106は、電荷注入部130、平滑回路140、AD変換器150、判定部160を備える。
電荷注入部130は、パルス発生器131、スイッチ132、133を備え、結合容量105を介してハンドルヒータ103に電荷を注入する。パルス発生器131は、交流信号を発生する。スイッチ132は周期的なパルスに従ってオンとオフを繰り返す。スイッチ133はスイッチ132がオンのときオフ、オフのときオンになる。
平滑回路140は、交流信号のレベルを平滑化する。
AD変換器150は、平滑化された信号レベルをデジタル値に変換する。
判定部160は、AD変換器150からのデジタル値としきい値とを比較し、デジタル値がしきい値超えている場合、すなわち、静電容量が小さい場合は非接触と判定し、超えていない場合、すなわち、静電容量が大きい場合は接触と判定する。しきい値は、実験、実測等により予め定められるほか、人の手の接触、非接触の繰り返しから新たな値に更新され、判定部160内に記憶される。
さらに、判定部160は、非接触の場合にデジタル値としきい値との差分に応じて操舵ハンドルと人の手との距離を判定する。上記のデジタル値と距離との対応関係を示すテーブルが予め作成され、判定部160に記憶されている。
このように、判定部160は、接触センサとしての判定と、近接センサとしての判定とを行う。
次にハンドルヒータの具体例について説明する。
図5は、実施の形態1におけるハンドルヒータの第1の構成例を示す図である。同図のハンドルヒータ103は、支持体111と、電気抵抗体として電熱線110とを含む。
支持体111は、例えば不織布で形成される。
ハンドルヒータ103は、支持体111および電熱線110により、可撓性を有する面状発熱体を構成し、操舵ハンドルに巻きつけて内蔵または付加される。電熱線110は、面状に発熱するように複数回折り返し配線されている。このハンドルヒータ103は、さらに、接続部材を備える。
ハンドルヒータ103の端子のうち、インダクタLbが接続される上記の一方の端子は、接続部材に接続されたリード線の途中または先端でもよく、あるいは、接続部材でもよい。図5に示すハンドルヒータ103の構成例において、ハンドルヒータ103自身が十分大きいインダクタンス成分を有する場合は、インダクタLaは省略可能である。
また、図6は、実施の形態1におけるハンドルヒータ103の第2の構成例を示す図である。図6のハンドルヒータ103は、図5の電熱線110の代わりに電気抵抗体として面状電気抵抗体112を備えている。このハンドルヒータ103は、図5の構成と比べて、静電容量が大きくなる、感度をさらに向上させることができる。また、図6のハンドルヒータ103において、インダクタンス成分をほとんど有していない場合は、インダクタLaの省略は不適当である。
次に、ハンドルヒータ装置100の変形例について説明する。
図7Aは、実施の形態1におけるハンドルヒータ装置100の第1の変形例を示すブロック図である。図7Aに示すハンドルヒータ装置100は、図2と比べて、インダクタLaが削除され、ハンドルヒータ103の他方の端子が電源VDCに接続されている点が異なる。ハンドルヒータ103がインダクタンス成分を有している場合には、図7AのようにインダクタLaを備えなくてもよい。この第1の変形例は、インダクタンス成分を有しているハンドルヒータ、つまり図5に示したハンドルヒータ103の第1の構成例に適している。
図7Bは、実施の形態1におけるハンドルヒータ装置100の第1の変形例の他の例を示すブロック図である。図7Bに示すハンドルヒータ装置100は、図7Aと比べて、スイッチ101が削除され、ハンドルヒータ103の他方の端子に直列接続されたスイッチ102が追加されている点が異なる。第1の変形例の他の例も、図5に示したハンドルヒータ103の第1の構成例に適している。
図7Cは、実施の形態1におけるハンドルヒータ装置100の第1の変形例のさらに他の例を示すブロック図である。図7Cに示すハンドルヒータ装置100は、図7Aと比べて、ハンドルヒータ103の他方の端子に直列接続されたスイッチ102が追加されている点が異なる。第1の変形例の他の例も、図5に示したハンドルヒータ103の第1の構成例に適している。
図7A〜図7Cに示したように、ハンドルヒータ装置100は少なくとも1つのスイッチを備えていればよい。すなわち、少なくとも1つのスイッチは、ハンドルヒータ103の一方の端子にインダクタLbを介して直列接続されたスイッチ101、および、ハンドルヒータ103の他方の端子に直列接続されたスイッチ102の少なくとも一方でよい。なお、ハンドルヒータ装置100が2つのスイッチ101、102を備えている場合において、ハンドルヒータ103に直流を供給する際、つまりハンドルヒータ103への電力供給をオンにする際は、制御回路107は、直列接続されたスイッチ101およびスイッチ102の双方をオンにする。一方、上述の場合において、ハンドルヒータ103に供給される直流を遮断する際、つまりハンドルヒータ103への電力供給をオフにする際は、制御回路107は、直列接続されたスイッチ101およびスイッチ102のうちのいずれか1つのスイッチ、もしくは全てのスイッチをオフにする。
また、図7A〜図7Cに示したように、上記の他方の端子は、インダクタ素子を介在することなく、スイッチまたは電源線に接続されていてもよい。また、電源VDCとグラウンドとの接続を逆にしてもよい。
また、図8は、実施の形態1におけるハンドルヒータ装置の第2の変形例を示すブロック図である。図8に示すハンドルヒータ装置100は、図2と比べて、電源VDCと接地電位の接続が逆になっている点が異なる。この第2の変形例は、図5、図6に示したハンドルヒータ103の第1、第2の構成例の両方に適している。
さらに、図9は、実施の形態2におけるハンドルヒータ装置の第3の変形例を示すブロック図である。図9に示すハンドルヒータ装置100は、図7Aに示した第1の変形例と比べて、電源VDCと接地電位の接続が逆になっている点が異なる。この第3の変形例は、図5に示したハンドルヒータ103の第1の構成例に適している。
以上説明してきたように本実施の形態におけるハンドルヒータ装置は、図2に示したようにハンドルヒータ103の一方の端子にインダクタLa、他方の端子にインダクタLbを備えている。人の手の接触および近接を検出するセンサ回路106は、ハンドルヒータ103の片端とインダクタLbとの間に接続される。センサ回路106は、検知用の信号として、例えば交流信号をハンドルヒータ103に与えて結合容量の大きさや変化を検出する。
インダクタLbは、ハンドルヒータ103をセンサ、すなわち、静電容量の一電極として用いる場合に、検知用の信号に対し高インピーダンスとして機能するため、スイッチ101がオンであってもオフであっても、検知を可能にする。
また、スイッチ101がオフの場合には、インダクタLbはスイッチ101の持つ寄生容量の影響を低減する。
インダクタLa、Lbのインダクタンス値は、センサ回路106から出力される検知用信号にて実用上十分な感度が得られる値を選定すれば良い。例えば、センサ回路106から出力される検知用信号の周波数が5MHzの場合は、インダクタLa、Lbのインダクタ
ンス値を10μH(マイクロヘンリー)に選定することができる。
なお、図5、図7A〜図7C、図9の例のように、ハンドルヒータ103のインダクタンス成分が十分に大きければ、センサ回路106を接続しない側のインダクタLaはハンドルヒータ103そのもののインダクタンス成分で代用することもできる。
また、制御回路107は、図示しないハンドルヒータ103の温度を測定する温度センサの検出結果に基づき、スイッチ101のオンまたはオフの切り替えを行うことで、ハンドルヒータ103の温度を一定温度に維持するように制御する。スイッチ101のオンまたはオフの切り替え時に、センサ回路106により検知用信号以外の過渡的なノイズ成分が検出されるため、一時的にセンシングを停止またはデータ破棄などを実施することにより電源成分の影響を回避することができる。このため、図3に示したように、センサ回路106とハンドルヒータ103とのオンおよびオフは、制御回路107によって同期していると良い。
また、スイッチ101の持つ寄生容量の影響が変化するため、予めオン状態およびオフ状態における検出状態の学習値を持つと、オン状態とオフ状態とにまたがったセンサ値の変化を検出することができるため、なお良い。
(実施の形態2)
図10は、実施の形態2における手の接触検知を兼ねるハンドルヒータを備える操舵ハンドルの例を示す図である。同図の操舵ハンドルは、複数のハンドルヒータ103をそれぞれ異なる位置に備える。複数のハンドルヒータ103は、操舵ハンドルの全周をカバーするように配置してもよいし、人が把持する主要な部分をカバーするように配置しても良い。同図では、ほぼ全周をカバーするように10個のハンドルヒータ103が配置されている。
図11Aは、実施の形態2におけるハンドルヒータ装置100の構成例を示すブロック図である。同図の構成例は、図10に示す複数のハンドルヒータ103に対応する。
同図のハンドルヒータ装置100は、ハンドルヒータ103、インダクタLa、インダクタLbおよび結合容量105からなるセットを複数セット有し、さらに、各セットで共用のスイッチ101、センサ回路106a、制御回路107を備える。図11Aの構成例は、図10に対応する場合セット数は10になる。
センサ回路106aは、図4に示したセンサ回路106をセット数と同数備える構成でもよい。あるいは、センサ回路106aは、図4に示したセンサ回路106を少なくとも1つ備え時分割で検知するセットを切り替える構成でもよい。例えば、センサ回路106aがセンサ回路106をセット数と同数備える構成である場合に、制御回路107は、図3に示したON期間においてセンサ回路106の1つずつを時分割で順に有効化する制御をする。ここで、有効化するというのは、センサ回路106を停止状態から動作状態にする制御でもよいし、複数のセンサ回路106が動作状態のままで1つのセンサ回路の判定結果のみ取り込む制御、つまり1つのセンサ回路だけマスクしないで判定結果を獲得する制御でもよい。
制御回路107は、図3のタイムチャートの範囲内で、複数のハンドルヒータ103を時分割で切り替えながらセンサ回路106aを動作させる。あるいは、制御回路107は、複数のハンドルヒータ103のうち少なくとも2つに対して同時に接触の有無を判定するようセンサ回路106aを有効化するようにしてもよい。
この構成によれば、実施の形態1と同様の効果に加えて、複数のハンドルヒータ103を備えるので、操舵ハンドルのどこを把持しているかをより詳細に検出することができる。また、操舵ハンドルに人の手が近接した位置を詳細に検出することができる。
例えば、操舵ハンドルを把持しているのが、両手なのか右手だけなのか左手だけなのか、その位置がどこなのかを検出することができる。また、把持している位置を操舵ハンドルの動きとともに履歴として記録することにより、通常時や事故時の操作者の癖や傾向を分析することを可能にする。履歴の記録は、ドライブレコーダと連動するようにしてもよい。また、操舵ハンドルの把持に関する情報を、ハンドルヒータ装置100が搭載された車両等の外部に送信して、車両等の外部にある装置にて当該情報を用いることもできる。
このように本実施の形態によれば、操舵ハンドルのどこを把持しているか、どこに近接しているかをより詳細に判定することができる。
次に、実施の形態2におけるハンドルヒータ装置100の変形例について説明する。
図11Bは、実施の形態2におけるハンドルヒータ装置の第1の変形例を示すブロック図である。図11Bに示すハンドルヒータ装置100は、図11Aと比べて、複数のインダクタLaが削除されている点が異なる。ハンドルヒータ103がインダクタンス成分を有している場合には、図11AのようにインダクタLaを備えなくてもよい。この第1の変形例は、インダクタンス成分を有しているハンドルヒータ、つまり図5に示したハンドルヒータ103の第1の構成例に適している。
図11Cは、実施の形態2におけるハンドルヒータ装置の第2の変形例を示すブロック図である。図11Cに示すハンドルヒータ装置100は、図11Bと比べて、スイッチ101が削除され、複数のハンドルヒータ103の他方の端子に直列接続されたスイッチ102が追加されている点が異なる。第2の変形例も、図5に示したハンドルヒータ103の第1の構成例に適している。
図11Dは、実施の形態2におけるハンドルヒータ装置の第3の変形例を示すブロック図である。図11Dに示すハンドルヒータ装置100は、図11Bと比べて、複数のハンドルヒータ103の他方の端子に直列接続されたスイッチ102が追加されている点が異なる。第3の変形例の他の例も、図5に示したハンドルヒータ103の第1の構成例に適している。
図11B〜図11Dに示したように、ハンドルヒータ装置100は少なくとも1つのスイッチを備えていればよい。すなわち、少なくとも1つのスイッチは、複数のハンドルヒータ103それぞれの前記一方の端子に、複数のインダクタLbのそれぞれを介して接続されたスイッチ101、および、複数のハンドルヒータ103の他方の端子のそれぞれに接続されたスイッチ102の少なくとも一方でよい。
また、図11B〜図11Dに示したように、複数の他方の端子は、インダクタ素子を介在することなく、スイッチまたは電源線に接続されていてもよい。また、電源VDCとグラウンドとの接続を逆にしてもよい。なお、図11Aにおいても、電源VDCとグラウンドとの接続を逆にしてもよい。
また、センサ回路106および106aの全部または一部は、マイクロコンピュータあるいは1チップのLSIにより構成してもよい。
また、センサ回路106、106aは結合容量105を介してハンドルヒータ103の一方の端子に接続されているが、結合容量105の代わりにダイオードを備える構成でもよい。この場合ダイオードのアノードがセンサ回路106に接続され、カソードが上記の一方の端子に接続される。また、結合容量105を削除して、センサ回路106を直接接続してもよい。
以上、一つまたは複数の態様に係るハンドルヒータ装置100について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
また、実施の形態1、2では、電源VDCは、直流の電気エネルギを供給すると記載したが、この「直流」は、電圧または電流が変化しない狭い意味の直流だけでなく、リプル、脈流などの微小な電気エネルギの変化を含む広い意味の直流を指す概念である。
また、実施の形態1、2では、ハンドルヒータ103に供給される電気エネルギは直流であると説明したが、ハンドルヒータ103に長周期(すなわち、周波数が低い)で変化する交流の電気エネルギを供給しても、本実施の形態と同様の効果が得られる。供給する電気エネルギが長周期だと、インダクタLa、Lbを通過するため、ハンドルヒータ103を駆動することが可能であるからである。また、ここでいう長周期は、センサ回路106が出力する交流信号の周期に比べて、かなり長い周期であり、例えば、3桁以上長い周期をいう。
また、実施の形態1、2では、「ハンドルヒータ103と人の手との接触の有無の判定する」と記載したが、ハンドルヒータ103の静電容量を変化させるものであれば接触の有無の判定が可能であり、判定の対象としての被検出体は人の手に限るものではない。
本発明は、車両等の操舵ハンドルにおいて人の手等の被検出体の接触有無を判定するハンドルヒータ装置等として利用可能である。
100 ハンドルヒータ装置
101 スイッチ
103 ハンドルヒータ
105 結合容量
106、106a センサ回路
111 支持体
110 電熱線
112 面状電気抵抗体
130 電荷注入部
131 パルス発生器
132、133 スイッチ
140 平滑回路
150 AD変換器
160 判定部
La、Lb インダクタ

Claims (9)

  1. 操舵ハンドルに備えられ、電気エネルギにより発熱する電気抵抗体で構成されたハンドルヒータと、
    前記ハンドルヒータの一方の端子に直列に接続された第1のインダクタと、
    前記ハンドルヒータへの電力供給をオンまたはオフする少なくとも1つのスイッチと
    を備え、
    前記一方の端子には、前記ハンドルヒータの静電容量の大きさに基づいて前記ハンドルヒータと被検出体との接触の有無を判定するセンサ回路が電気的に接続され、
    前記少なくとも1つのスイッチは、前記ハンドルヒータの前記一方の端子に前記第1のインダクタを介して直列接続された第1のスイッチ、および、前記ハンドルヒータの他方の端子に直列接続された第2のスイッチの少なくとも一方であり、
    前記他方の端子は、インダクタ素子を介在することなく、前記スイッチまたは電源線に接続され、
    前記ハンドルヒータへの電力供給がオンの状態およびオフの状態に同期した有効期間であって、前記センサ回路により前記ハンドルヒータと被検出体との接触の有無を判定する有効期間を決定し、前記有効期間以外の期間では前記センサ回路の判定結果を無視する制御部を備えるハンドルヒータ装置。
  2. 前記制御部は、前記ハンドルヒータへの電力供給がオンの状態である期間の範囲内の期間を、前記有効期間の1つとする
    請求項1に記載のハンドルヒータ装置。
  3. 前記制御部は、前記ハンドルヒータへの電力供給がオフ状態から安定的なオン状態に切り替わるまでの過渡期間と、オン状態から安定的なオフ状態に切り替わるまでの過渡期間とを除いて前記有効期間とする
    請求項1に記載のハンドルヒータ装置。
  4. 前記ハンドルヒータは、前記一方の端子と前記他方の端子間に接続され、複数回折り返
    し配線された電熱線を含む
    請求項1からのいずれか1項に記載のハンドルヒータ装置。
  5. 前記ハンドルヒータは、前記一方の端子と前記他方の端子間に接続された面状電気抵抗体を含む
    請求項1からのいずれか1項に記載のハンドルヒータ装置。
  6. 前記ハンドルヒータ装置は、さらに、
    前記操舵ハンドルに備えられ、前記ハンドルヒータを含む複数のハンドルヒータと、
    前記複数のハンドルヒータの一方の端子のそれぞれに直列接続された、前記第1のインダクタを含む複数の第1のインダクタと
    を備え、
    前記少なくとも1つのスイッチは、前記複数のハンドルヒータそれぞれの前記一方の端子に、前記複数の第1のインダクタのそれぞれを介して接続された第1のスイッチ、および、前記複数のハンドルヒータの他方の端子のそれぞれに接続された第2のスイッチの少なくとも一方であり、
    前記複数のハンドルヒータの前記一方の端子のそれぞれには、前記センサ回路が電気的に接続される
    請求項1からのいずれか1項に記載のハンドルヒータ装置。
  7. 前記制御部は、前記複数のハンドルヒータを時分割で切り替えながら前記センサ回路を有効化する
    請求項に記載のハンドルヒータ装置。
  8. 前記制御部は、前記複数のハンドルヒータのうち少なくとも2つに対して同時に前記接触の有無を判定するよう前記センサ回路を有効化する
    請求項に記載のハンドルヒータ装置。
  9. 前記センサ回路は、前記ハンドルヒータに前記一方の端子を介して交流信号を出力し、かつ、前記ハンドルヒータから前記一方の端子を介して入力される信号のレベルを検出することによって、前記操舵ハンドルと前記被検出体との接触の有無を判定する
    請求項1からのいずれか1項に記載のハンドルヒータ装置
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