以下,本実施形態にかかる遊技機について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,パチンコ遊技機に本発明を適用したものである。なお,以下の説明において,パチンコ遊技機の各部の左右方向は,そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させる。また,パチンコ遊技機の各部の前側は,そのパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく側とし,パチンコ遊技機の各部の後側は,そのパチンコ遊技機に対面する遊技者に遠のく側とする。
1.パチンコ遊技機1の構造
本形態のパチンコ遊技機1は,図1に示すように,遊技機枠50と,遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2と,を備えている。また,遊技機枠50は,前方側から順に,前面枠51,内枠(不図示),外枠(不図示)によって構成される。
さらに,パチンコ遊技機1の遊技機枠50は,演出ボタン63と,ハンドル60と,打球供給皿61と,余剰球受皿62と,を備えている。演出ボタン63は,パチンコ遊技機1の前側,具体的には打球供給皿61の上部前方に設けられる。そのため,遊技者は,パチンコ遊技機1の前方付近から,演出ボタン63を容易に操作できる。
ハンドル60は,前面枠51中の中央右下側に位置し,遊技者によって操作され,回転角度に応じた遊技球の発射強度を,パチンコ遊技機1に入力する。打球供給皿61は,前面枠51の中央下側に位置し,遊技球を貯留する。余剰球受皿62は,打球供給皿61よりも下方に位置し,打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する。
また,パチンコ遊技機1は,前面枠51に,ガラス板55,装飾用の枠ランプ66,およびスピーカ67を備えている。このうちガラス板55は,前面枠51の略中央部に取り付けられ,透明なガラス板55を通して前方から遊技者が遊技盤2を視認可能になっている。
枠ランプ66は,前面枠51の左側と右側とにそれぞれ設けられ,発光部(不図示)を内蔵し,各種の演出の必要に応じて各発光部が個別にあるいは同時に点灯する。スピーカ67は,前面枠51の左側と右側とにそれぞれ設けられ,音声,楽曲,効果音,報知音,等の各種の音を必要に応じて出力する。例えば,パチンコ遊技機1の遊技制御中に,演出に合わせて,発光部を点灯し,音声,楽曲,効果音等を出力する。また,遊技中にパチンコ遊技機1に異常が生じた場合に,その異常を報知するために,例えば,発光部を点灯し,サイレン音を出力する。
次に,パチンコ遊技機1の遊技盤2について説明する。パチンコ遊技機1は,遊技盤2に,レール部材4と,複数の遊技くぎ(符号は省略)と,が設けられている。また,遊技盤2には,レール部材4に一部が囲まれ,遊技球が転動可能な遊技領域3が形成されている。レール部材4は,遊技領域3の下方から発射された遊技球を遊技領域3の上方に向けてガイドする。
さらに,パチンコ遊技機1は,遊技領域3の中央付近に,液晶表示部材を有する画像表示装置7を備えている。また,パチンコ遊技機1は,遊技領域3における画像表示装置7の下方に位置し,遊技球の入り易さが常に変わらない第1始動口20が組み付けられた固定入賞装置19を備えている。第1始動口20への遊技球の入賞は,パチンコ遊技機1による第1特別図柄の抽選の契機となる。第1特別図柄の抽選は,大当たりの抽選の1つであり,詳細については後述する。
また,パチンコ遊技機1は,画像表示装置7の前方に,センター装飾体10を備え,さらに画像表示装置7を挟んでセンター装飾体10の下方に,ステージ部11を備えている。ステージ部11は,遊技球を,第1始動口20へと誘導する。また,パチンコ遊技機1は,センター装飾体10の左下方に,ワープ部12を備えている。ワープ部12は,遊技球をステージ部11へと誘導する。
また,パチンコ遊技機1は,センター装飾体10の上部に,盤可動体15を備えている。なお,盤可動体15は,可動式のいわゆるギミックのことである。盤可動体15は,画像表示装置7の上部でコンパクトに折り畳まれて格納されている格納状態から,その折り畳みが解除されて画像表示装置7の中央部を含む前方で露出している露出状態に変位可能である。盤可動体15は,例えば,パチンコ遊技機1の遊技制御中に,演出に合わせて変位する。
また,パチンコ遊技機1は,遊技領域3における第1始動口20の下方に,普通可変入賞装置22を備えている。以下,普通可変入賞装置22を,「電チュー22」とも言う。電チュー22は,第2始動口21を備えている。第2始動口21への遊技球の入賞は,パチンコ遊技機1による第2特別図柄の抽選の契機となる。第2特別図柄の抽選も,大当たりの抽選の1つであり,詳細については後述する。電チュー22は,可動部材23を備え,可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉する。
第2始動口21は,可動部材23が開いた位置にある開状態であるときのみ,遊技球が入球可能になる。一方,可動部材23が閉じた位置にある閉状態である場合,遊技球が入球不可能になる。この場合,第2始動口21の上側に到達した遊技球は,可動部材23の左右方向に弾かれる。つまり,第2始動口21は,可動部材23の位置によって遊技球の入り易さが異なる。この点,遊技球の入り易さが常に変わらない第1始動口20と異なる。なお,可動部材23が閉状態では開状態よりも第2始動口21に遊技球が入球困難であればよく,可動部材23が閉状態で完全に入球不可能になる構成でなくてもよい。
ここで,第1始動口20が設けられた固定入賞装置19および第2始動口21が設けられた普通可変入賞装置(電チュー)22について,図2を参照しつつ補足説明する。図2は,遊技球が第1始動口20ないし第2始動口21に入賞した際の,固定入賞装置19ないし普通可変入賞装置22の,始動口への流入後の遊技球の通路を示す概略図である。なお,以下の説明では,固定入賞装置19および普通可変入賞装置22を総称する場合,「入賞装置18」という。
入賞装置18には,第1始動口20に流入した遊技球を遊技盤2の背面側に設けられた回収通路へ案内する案内通路70が形成されている。案内通路70は,その途中位置にて第1分岐通路71および第2分岐通路72に分岐している。
案内通路70における分岐位置には,分岐位置に到達した遊技球を第1分岐通路71および第2分岐通路72へ交互に振り分ける振分部材73が設けられている。振分部材73は,分岐位置に到達した遊技球を,第1分岐通路71へ案内する第1案内状態と,第2分岐通路72へ案内する第2案内状態と,に切替可能な構成を有している。振分部材73は,遊技球を一方の分岐通路に案内したことに基づいて,一方の案内状態から他方の案内状態に切り替る。そのため,第1始動口20に流入した遊技球は,第1分岐通路71と第2分岐通路72とのいずれか一方に,交互に振り分けられる。
さらに,第2分岐通路72は,第2始動口21に流入した遊技球を遊技盤2の背面側に設けられた回収通路へ案内する案内通路75に繋がっている。そのため,第2始動口21に流入した遊技球は,第2分岐通路72へ直接流入する。つまり,第1始動口20に流入した遊技球は,第1分岐通路71と第2分岐通路72とで交互に流入する一方,第2始動口21に流入した遊技球は,第2分岐通路72にのみ流入する。
第1分岐通路71には,遊技球の通過を検知するための信号を出力する,すなわち遊技球が第1分岐通路71を通過した際に出力値が変化する信号を出力する第1分岐センサ71a(「特図1センサ71a」ともいう)が配設され,第2分岐通路72にも,遊技球が第2分岐通路72を通過した際に出力値が変化する信号を出力する第2分岐センサ72a(「特図2センサ72a」ともいう)が配設される。第2分岐センサ72aは,第2始動口21からの案内通路75との連通部分よりも遊技球の転動方向の下流側に配設される。
また,パチンコ遊技機1は,振分部材73の状態を,遊技球の通過に基づいて切り替えるメカ的な機構を有している。すなわち,遊技球が第1分岐通路71を通過した場合には,振分部材73を第2案内状態として次に案内通路70に転動された遊技球を第2分岐通路72に誘導し,遊技球が第2分岐通路72を通過した場合には,振分部材73を第1案内状態として次に案内通路70に転動された遊技球を第1分岐通路71に誘導する。なお,振分部材73は,上述のようなメカ的な機構によって状態を切り替えるものではなく,第1分岐センサ71aおよび第2分岐センサ72aからの信号に基づいて電気的に状態を切り替えるものであってもよい。
図1の説明に戻り,パチンコ遊技機1は,電チュー22よりも下方の遊技領域3に,第1大入賞口30を有する第1大入賞装置31を備えている。さらに第1大入賞装置31は,開閉部材32を備え,開閉部材32の作動により,第1大入賞口30を開閉する。第1大入賞口30は,開閉部材32が開いた位置にある開状態であるときのみ,遊技球が入球可能になり,開閉部材32が閉じた位置にある閉状態である場合,遊技球が入球不可能になる。なお,開閉部材32が閉状態とは,開状態よりも第1大入賞口30に遊技球が入球困難であればよく,開閉部材32が完全に入球不能になる構成でなくてもよい。
また,パチンコ遊技機1は,第1大入賞口30よりも右上方の遊技領域3,すなわち遊技盤2の右斜め上方に,第2大入賞口35を有する第2大入賞装置36を備えている。さらに第2大入賞装置36は,開閉部材37を備え,開閉部材37の作動により,第2大入賞口35を開閉する。第2大入賞口35は,開閉部材37が開いた状態である開状態であるときのみ,遊技球が入球可能になり,開閉部材37が閉じた位置にある閉状態である場合,遊技球が入球不可能になる。なお,開閉部材37が閉状態とは,開状態よりも第2大入賞口35に遊技球が入球困難であればよく,開閉部材37が完全に入球不能になる構成でなくてもよい。
また,パチンコ遊技機1には,遊技領域3におけるセンター装飾体10の左下方に,遊技球が通過可能な第1ゲート28が設けられている。また,パチンコ遊技機1には,遊技領域3におけるセンター装飾体10の右下方に,遊技球が通過可能な第2ゲート29が設けられている。第1ゲート28および第2ゲート29への遊技球の通過は,電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄の抽選の契機となる。普通図柄の抽選の詳細についても後述する。なお,以下の説明では,第1ゲート28および第2ゲート29を総称する場合,ゲートという。
また,パチンコ遊技機1は,さらに遊技領域3内に,1ないし複数の普通入賞口27や,いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16を有している。
このように各種の入賞口等が配置されている遊技領域3には,左右方向の中央より左側に位置する左遊技領域3Aと,右側に位置する右遊技領域3Bと,がある。左遊技領域3Aを遊技球が転動するように遊技球を発射する遊技者の打ち方を,「左打ち」という。一方,右遊技領域3Bを遊技球が転動するように遊技球を発射する遊技者の打ち方を,「右打ち」という。パチンコ遊技機1では,第1始動口20,第2始動口21,第1大入賞口30は,遊技領域3の左右方向の略中央に配置されており,左打ちでも右打ちでも入賞が狙い易い構成になっている。一方,第2大入賞口35は,右遊技領域3Bに配置されており,右打ちで入賞が狙い易い構成になっている。
また,パチンコ遊技機1は,遊技盤2の右下方に,表示器類40を備えている。表示器類40には,図3に示すように,第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器41aと,第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器41bと,普通図柄を変動表示する普通図柄表示器42と,が含まれる。また,表示器類40には,第1特別図柄表示器41aの作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと,第2特別図柄表示器41bの作動保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと,普通図柄表示器42の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器44と,が含まれる。この他,表示器類40には,例えば,パチンコ遊技機1が特定の遊技状態か否かを表示する表示器が含まれていてもよい。
第1特別図柄の表示変更は,第1始動口20への遊技球の入賞を契機に行われる。第2特別図柄の表示変更は,第2始動口21への遊技球の入賞を契機に行われる。なお,以下の説明では,第1特別図柄および第2特別図柄を総称する場合,特別図柄という。また,第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称する場合,特別図柄表示器41という。また,第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称する場合,特図保留表示器43という。
パチンコ遊技機1では,第1始動口20または第2始動口21への入賞を契機に,大当たりの抽選が行われる。そこで,パチンコ遊技機1は,特別図柄表示器41に,特別図柄を変動表示させた後,抽選結果に対応する特別図柄である停止図柄を停止表示させることにより,パチンコ遊技機1による大当たりの抽選の結果を報知する。停止図柄は,抽選の結果に応じて複数種類の特別図柄の中から選択された1つの特別図柄である。なお,大当たりに当選した場合,パチンコ遊技機1は,第1大入賞口30および第2大入賞口35を開放させる大当たり遊技の制御を行う。なお,大当たり遊技を特別遊技ともいう。大当たり遊技における第1大入賞口30および第2大入賞口35の開放パターンについては後述する。
具体的に特別図柄表示器41は,図3に示すように,8個のLEDから構成されており,その点灯態様によって,パチンコ遊技機1による大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示する。特別図柄表示器41は,大当たりの当選に対応する特別図柄の表示として,例えば「○○●●○○●●」(○:点灯,●消灯)といったように,あらかじめ決められた図柄に従って,左から1,2,5,6番目にあるLEDを点灯させる。また,特別図柄表示器41は,ハズレの場合の特別図柄の表示として,例えば「●●●●●●●○」といったように,あらかじめ決められた図柄に従って,左から8番目にあるLEDを点灯させる。また,特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされる。この変動表示の態様は,例えば左から右へ点灯箇所が流れるように各LEDを点灯させる等,各LEDが停止表示する態様以外のいずれでもよい。
パチンコ遊技機1は,第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞があると,その入賞に対して大当たりの抽選用の乱数である大当たり乱数および入賞カウンタ値を取得し,それらを自身のメモリの特定の記憶領域に記憶する。詳細には,第1始動口20への入賞であって遊技球が第1分岐通路71を通過した場合には,取得した大当たり乱数等を第1始動口20用の記憶領域(後述する図4に示す第1特図保留記憶部85a)に記憶し,第1始動口20への入賞であって遊技球が第2分岐通路72を通過した場合あるいは第2始動口21への入賞であれば,取得した大当たり乱数等を第2始動口21用の記憶領域(後述する図4に示す第2特図保留記憶部85b)に記憶する。各々の記憶領域に記憶可能な大当たり乱数の数には上限があり,パチンコ遊技機1では第1特図保留記憶部85a,第2特図保留記憶部85bともに,その上限数を4としている。なお,入賞カウンタ値は,第1始動口20と第2始動口21とのいずれの入賞であってもカウントアップされる値である。つまり,入賞カウンタ値の大小を比較することによって,入賞した順序を把握できる。
記憶された大当たり乱数は,その値に基づく特別図柄の表示が可能となる消化条件を満たしたことによって消化される。大当たり乱数の消化とは,パチンコ遊技機1がその大当たり乱数の値が大当たりに対応する値か否かを判定し,その判定結果を示すための特別図柄の表示を実行することであり,停止図柄を停止表示させることで完了する。従って,パチンコ遊技機1では,第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の表示がその入賞後に直ぐに行えない場合,例えば前回の抽選結果に基づく特別図柄の変動表示中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合であっても,上限数までその入賞に対する大当たりの抽選の権利を保留できる。この抽選の権利の保留を,特図保留という。さらに第1特図保留記憶部85aに記憶された大当たり乱数に対する特図保留を,第1特図保留とし,第2特図保留記憶部85bに記憶された大当たり乱数に対する特図保留を,第2特図保留とする。
なお,特図保留の消化条件には,その特図保留よりも先に記憶された特図保留が無いこと,すなわち先に記憶された特図保留が全て消化されたことが含まれる。パチンコ遊技機1では,第1特図保留と第2特図保留とに優先順位は無く,先に記憶された特図保留の順に消化される。特図保留の記憶順は,大当たり乱数とともに取得される入賞カウンタ値を比較することで把握できる。
パチンコ遊技機1は,前述のような特図保留の数を,特図保留表示器43に表示する。具体的には,特図保留表示器43は,図3に示すように,第1特図保留表示器43aが4個のLEDで構成されており,第2特図保留表示器43bも4個のLEDで構成されている。パチンコ遊技機1は,特図保留表示器43に各特図保留の数だけLEDを点灯させることで特図保留の数を表示する。
また,パチンコ遊技機1では,ゲートへの遊技球の通過を契機に,普通図柄抽選が行われる。そこで,パチンコ遊技機1は,普通図柄表示器42に,普通図柄を変動表示させた後,抽選結果に対応する普通図柄を停止表示させることにより,パチンコ遊技機1による普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄は,抽選の結果に応じて複数種類の普通図柄の中から選択された1つの普通図柄である。なお,普通図柄抽選の抽選結果に応じて,パチンコ遊技機1は,第2始動口21を開放させる補助遊技の制御を行う。補助遊技における第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的に普通図柄表示器42は,図3に示すように,2個のLEDから構成されており,その点灯態様によって,パチンコ遊技機1による普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示する。普通図柄表示器42は,普通図柄抽選の普通当たりに当選に対応する特定普通図柄の表示として,例えば「○○」(○:点灯,●消灯)といったように,あらかじめ決められた普通当たりの図柄に従って,両LEDを点灯させる。また,普通図柄表示器42は,ハズレの場合の普通図柄の表示として,例えば「●○」といったように,あらかじめ決められた普通図柄に従って,左のLEDを点灯させる。なお,普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされる。この変動表示の態様は,例えば両LEDを交互に点灯させる等,各LEDが停止表示する態様以外のいずれでもよい。
パチンコ遊技機1は,ゲートへの遊技球の通過があると,その通過に対して普通図柄の抽選用の乱数である普通図柄乱数の値を取得し,その普通図柄乱数を自身のメモリの特定の記憶領域(後述する図4に示す普図保留記憶部86)に記憶する。記憶領域に記憶可能な普通図柄乱数の値の数には上限があり,パチンコ遊技機1では上限数を4としている。
記憶された普通図柄乱数は,その値に基づく普通図柄の表示が可能となったことを条件として消化される。普通図柄乱数の値の消化とは,パチンコ遊技機1がその普通図柄乱数の値が普通当たりに対応する値か否かを判定し,その判定結果を示すための普通図柄の表示を実行することであり,抽選結果に対応する普通図柄を停止表示させることで完了する。従って,パチンコ遊技機1では,ゲートへの遊技球の通過に基づく普通図柄の表示がその通過後に直ぐに行えない場合,例えば前回の抽選結果に基づく普通図柄の変動表示中や補助遊技の実行中に遊技球のゲートの通過があった場合であっても,4個を上限として,その通過に対する普通図柄の抽選の権利を保留できる。この抽選の権利の保留を,普図保留という。
なお,普図保留記憶部86に記憶された普図保留に対する消化条件には,その普図保留よりも先に普図保留記憶部86に記憶された普図保留が無いこと,すなわち先に普図保留記憶部86に記憶された普図保留が全て消化されたことが含まれる。
パチンコ遊技機1は,前述のような普図保留の数を,普図保留表示器44に表示する。具体的には,普図保留表示器44は,図3に示すように,4個のLEDで構成されており,普図保留の数だけLEDを点灯させることで普図保留の数を表示する。
また,パチンコ遊技機1は,図1に示したように,遊技領域3の中央付近に,画像表示装置7を備え,画像表示装置7の表示画面7aには,表示器類40が表示する第1特別図柄ないし第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄8L,8C,8Rの表示を行う演出図柄表示領域が含まれる。なお,演出図柄8L,8C,8Rの表示内容を変更しながら表示する演出を演出図柄変動演出という。
演出図柄表示領域は,例えば,「左」「中」「右」の3つの図柄表示領域からなる。左の図柄表示領域には,左の演出図柄8Lが表示され,中の図柄表示領域には,中の演出図柄8Cが表示され,右の図柄表示領域には,右の演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ,例えば,「1」〜「9」までの数字を表した複数の演出図柄からなる。画像表示装置7は,左,中,右の演出図柄の組合せによって,特別図柄表示器41にて表示される特別図柄の変動表示の内容,すなわちパチンコ遊技機1による大当たり抽選の結果を,遊技者に分かり易く表示する。
例えば,画像表示装置7は,大当たりの抽選にて「大当たり」に当選していた場合,「777」等の同じ数字の組み合わせであるゾロ目で演出図柄を表示する。また,「ハズレ」であった場合には,少なくとも1つの数字が他の数字と異なる組み合わせであるバラケ目で演出図柄を表示する。これにより,遊技者は,遊技の進行状況の把握が容易になる。つまり,遊技者は,パチンコ遊技機1による大当たりの抽選の結果を,表示器類40にて表示される特別図柄によって把握可能な他,画像表示装置7に表示される演出図柄の組み合わせによっても把握できる。なお,図柄表示領域の位置は,固定的なものであっても可変的なものであってもよい。また,画像表示装置7は,演出図柄の変動表示に際し,例えば,演出図柄を上下方向にスクロールさせてもよいし,左右方向にスクロールさせてもよい。
なお,画像表示装置7は,前述のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出のほか,例えば,大当たりの抽選結果を予告する予告演出に用いる画像,大当たり遊技や補助遊技の実行に用いられる画像,客待ち用のデモンストレーション画像,各種の設定内容の表示に用いる画像,を表示画面7aに表示する。なお,演出図柄変動演出では,演出図柄等の演出図柄のほか,背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の画像も表示してよい。
また,画像表示装置7の表示画面7aには,第1特図保留および第2特図保留の記憶数に応じて,演出保留画像を表示する演出保留表示領域9が含まれる。画像表示装置7は,演出保留画像の表示により,表示器類40にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留の合計の記憶数を,遊技者に分かり易く表示する。つまり,遊技者は,特図保留の数を,表示器類40の特図保留表示器43よって把握可能な他,画像表示装置7の演出保留表示領域9に表示される演出保留画像の数によっても把握できる。なお,パチンコ遊技機1では,第1特図保留と第2特図保留とを区別しない演出保留画像を表示するが,第1特図保留と第2特図保留とを区別する演出保留画像,例えば第1特図保留と第2特図保留とで色やデザインが異なる演出保留画像を表示してもよい。
2.パチンコ遊技機1の電気的構成
続いて,パチンコ遊技機1における電気的な構成を,図4および図5を参照しつつ説明する。パチンコ遊技機1は,主制御基板80と,サブ制御基板90と,画像制御基板100と,払出制御基板110と,を備えている。主制御基板80は,遊技盤2に取り付けられ,特別図柄や普通図柄の抽選,遊技状態の移行等,主として遊技利益に関する制御を行う。サブ制御基板90は,遊技盤2に取り付けられ,画像表示装置7の表示,各種のランプの点灯,音声出力等,主として遊技の進行に伴って実行される演出に関する制御を行う。画像制御基板100は,画像表示装置7に表示される画像やスピーカ67から出力される音声に関する制御を行う。払出制御基板110は,遊技球の払い出しに関する制御を行う。
また,パチンコ遊技機1は,電源基板150を備えている。電源基板150は,主制御基板80,サブ制御基板90,画像制御基板100,および払出制御基板110に対する電力の供給制御を行い,これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。
電源基板150には,バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は,パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合,すなわち主電源がオフであったり停電が生じた場合に,後述する主制御基板80のRAM84等に対して情報の保持に必要な電力を供給する。従って,主制御基板80のRAM84等に記憶されている情報は,パチンコ遊技機1に外部から電力が供給されていない場合も,バックアップ電源回路151から電力を供給できる間,一時的に保持される。なお,各制御基板に対する専用のバックアップ電源回路をそれぞれ設けてもよい。また,電源基板150には,電源スイッチ155が接続されている。この電源スイッチ155の操作により,主電源のオンオフが切り換えられる。
主制御基板80には,図4に示すように,プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン81が実装されている。以下,遊技制御用ワンチップマイコン81を,遊技制御用マイコン81とする。遊技制御用マイコン81には,遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83,ワークメモリとして使用されるRAM84,ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82,が含まれる。遊技制御用マイコン81は,I/Oポートによって構成される入出力回路87を介して他の基板等とデータの送信ないし受信を行う。入出力回路87は,遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また,ROM83は,外付けであってもよい。
RAM84には,大当たりの抽選に関する乱数を記憶する特図保留記憶部85と,普通図柄の抽選に関する乱数を記憶する普図保留記憶部86と,が設けられる。また,特図保留記憶部85には,第1分岐通路71を遊技球が通過したことを契機に取得した乱数等を記憶する第1特図保留記憶部85aと,第2分岐通路72を遊技球が通過したことを契機に取得した乱数等を記憶する第2特図保留記憶部85bとが設けられる。
詳細には,第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85bは,それぞれ保留の上限数に対応する記憶領域が設けられている。パチンコ遊技機1では,保留の上限数がそれぞれ4であることから,第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85bには,それぞれ4つの記憶領域が設けられる。さらに各記憶領域には,取得した乱数等を記憶する小領域が設けられる。具体的にパチンコ遊技機1では,遊技球が始動口に入賞すること(より具体的には遊技球が入賞装置内の第1分岐通路71あるいは第2分岐通路72を通過したこと)に起因して,大当たり乱数,大当たり種別乱数,リーチ乱数,変動パターン乱数,の4つの乱数と,入賞カウンタ値と,を取得する。そのため,各小領域には,それら4つの乱数および入賞カウンタ値が記憶される。各乱数の詳細については後述する。
また,普図保留記憶部86も,保留の上限数に対応する記憶領域が設けられている。パチンコ遊技機1では,保留の上限数が4であることから,普図保留記憶部86には,4つの記憶領域が設けられる。さらに各領域には,取得した乱数を記憶する記憶領域が設けられる。具体的にパチンコ遊技機1では,遊技球がゲートを通過することに起因して,普通当たり乱数を取得する。そのため,上述の記憶領域には,普通当たり乱数が記憶される。普通当たり乱数の詳細については後述する。
主制御基板80には,中継基板88を介して各種センサやソレノイドが電気的に接続されている。そのため,主制御基板80には各センサからの信号が入力され,各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にセンサ類としては,第1ゲートセンサ28a,第2ゲートセンサ29a,第1大入賞口センサ30a,第2大入賞口センサ35a,第1分岐センサ71a(特図1センサ71a),第2分岐センサ72a(特図2センサ72a),および普通入賞口センサ27a,がある。
第1大入賞口センサ30aは,第1大入賞口30の直下に設けられ,遊技球の通過を検知するための信号を出力する,すなわち遊技球が第1大入賞口30を通過する際に出力値が変化する信号を出力する。第2大入賞口センサ35aは,第2大入賞口35の直下に設けられ,遊技球の通過を検知するための信号を出力する,すなわち遊技球が第2大入賞口35を通過する際に出力値が変化する信号を出力する。
特図1センサ71aは,第1分岐通路71内に位置し,遊技球の通過を検知するための信号を出力する,すなわち遊技球が第1分岐通路71を通過する際に出力値が変化する信号を出力する。特図2センサ72aは,第2分岐通路72内に位置し,遊技球の通過を検知するための信号を出力する,すなわち遊技球が第2分岐通路72を通過する際に出力値が変化する信号を出力する。
普通入賞口センサ27aは,各普通入賞口27の直下に設けられ,遊技球の通過を検知するための信号を出力する,すなわち遊技球が各普通入賞口27を通過する際に出力値が変化する信号を出力する。
また,ソレノイド類としては,電チューソレノイド24,第1大入賞口ソレノイド33,および第2大入賞口ソレノイド38,がある。電チューソレノイド24は,電チュー22の可動部材23を駆動する。第1大入賞口ソレノイド33は,第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動する。第2大入賞口ソレノイド38は,第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動する。
また,主制御基板80には,第1特別図柄表示器41a,第2特別図柄表示器41b,普通図柄表示器42,第1特図保留表示器43a,第2特図保留表示器43b,および普図保留表示器44,が電気的に接続されている。すなわち,これらの表示器類40の表示制御は,遊技制御用マイコン81によって行われる。
また,主制御基板80には,払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに,払い出し監視のために払出制御基板110から各種信号を受信する。具体的に払出制御基板110には,賞球払出装置120,貸球払出装置130,およびカードユニット135,が電気的に接続されている。カードユニット135は,パチンコ遊技機1に隣接して設置され,挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にする装置である。また,払出制御基板110には,発射制御基板111を介して,発射装置112が電気的に接続されている。
払出制御基板110は,遊技制御用マイコン81からの信号や,パチンコ遊技機1に電気的に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて,賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球払出装置120に賞球の払い出しを行わせたり,貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球払出装置130に貸球の払い出しを行わせる。払い出される賞球は,その計数のための賞球センサ122からの信号によって制御される。払い出される貸球は,その計数のための球貸センサ132からの信号によって制御される。
パチンコ遊技機1では,第1始動口20および第2始動口21への入賞による払い出しの賞球数は2球である。また,第1大入賞口30または第2大入賞口35への入賞による払い出しの賞球数は13球であり,普通入賞口27への入賞による払い出しの賞球数は3球である。これらの賞球数は,一例であり,適宜選択すればよい。
発射装置112は,発射モータ113と,タッチスイッチ114と,発射ボリューム115と,発射停止スイッチ116と,を備える。遊技者によるハンドル60の操作があった場合,タッチスイッチ114からハンドル60への接触があった旨の信号が発射制御基板111に出力され,さらに発射ボリューム115からハンドル60の回転量に応じた信号が発射制御基板111に出力される。発射制御基板111は,発射モータ113を駆動し,発射装置112から入力された各種の信号に基づいて,適切な強さで遊技球が発射されるよう,発射装置112を制御する。
また,主制御基板80には,RAMクリアスイッチ161が接続されている。RAMクリアスイッチ161は,主制御基板80に付設され,パチンコ遊技機1の後面に配置される。すなわち,RAMクリアスイッチ161は,通常,パチンコ遊技機1の前面側にいる遊技者から視認できず,遊技者が操作できない位置にある。そのため,RAMクリアスイッチ161は,通常,ホールのスタッフによって操作される。パチンコ遊技機1は,RAMクリアスイッチ161が押下された状態で起動されると,RAM84を初期化する。これにより,RAM84に記憶されている情報が失われる。
また,主制御基板80は,サブ制御基板90に対して,各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との通信は,主制御基板80からサブ制御基板90へのコマンドの送信のみが可能な単方向通信となっている。すなわち,主制御基板80とサブ制御基板90との間には,通信方向規制手段として,例えばダイオードを用いた単方向制御回路が介在している。
また,主制御基板80には,外部端子板190が接続されている。外部端子板190は,遊技制御用マイコン81から受信した信号に基づく各種の信号を,データ表示器910やホールコンピュータ900といったパチンコ遊技機1の外部に配された外部装置に対して出力する。具体的に外部端子板190には,外部出力用の複数のチャネル(CN)が設けられている。そして,各チャネル(CN)に対応するコネクタと,データ表示器910側のコネクタとはケーブルによって接続される。各コネクタからは,それぞれ一つの信号が外部に出力される。外部端子板190では,例えば,大当たりが当選したことを示す大当たりカウント信号,パチンコ遊技機1の遊技状態を示す信号,遊技機枠50が開放されていることを示す枠開放信号,所定数(例えば10球)の賞球がなされたことを示す信号,想定外の入賞があったことを示すセキュリティ信号,がそれぞれ別のチャネルから出力される。
サブ制御基板90には,図5に示すように,プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91が実装されている。以下,演出制御用ワンチップマイコン91を,演出制御用マイコン91とする。演出制御用マイコン91には,遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93,ワークメモリとして使用されるRAM94,ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92,が含まれる。演出制御用マイコン91は,I/Oポートによって構成される入出力回路97を介して他の基板等とデータの送信ないし受信を行う。入出力回路97は,演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また,ROM93は,外付けであってもよい。
RAM94には,保留抽選情報を記憶する特図保留記憶部95が設けられる。保留抽選情報には,主制御基板80の特図保留記憶部85に記憶される各乱数に基づく情報が含まれ,具体的には1回の始動口への入賞によって主制御基板80から出力される始動入賞コマンドが含まれる。特図保留記憶部95はさらに,第1特図保留に基づく第1始動入賞コマンドを記憶する第1特図保留記憶部95aと,第2特図保留に基づく第2始動入賞コマンドを記憶する第2特図保留記憶部95bと,が設けられる。また,RAM94には,演出図柄変動演出での演出内容に関する情報を記憶する変動演出記憶部96が設けられる。
詳細には,第1特図保留記憶部95aおよび第2特図保留記憶部95bは,それぞれ保留の上限数に対応する記憶領域が設けられている。パチンコ遊技機1では,保留の上限数がそれぞれ4であることから,第1特図保留記憶部95aおよび第2特図保留記憶部95bには,それぞれ4つの記憶領域が設けられる。さらに各記憶領域には,2つの小領域が設けられている。具体的にパチンコ遊技機1では,始動口の入賞に基づいて特定される始動入賞コマンドと,演出保留画像の表示態様を示すデータと,始動入賞コマンドを受信する度にカウントアップされる受信カウンタ値と,を各小領域に記憶する。
また,サブ制御基板90には,画像制御基板100,盤可動体中継基板108,ランプ中継基板107,演出ボタン検出スイッチ63x,および振動モータ223が電気的に接続されている。そのため,サブ制御基板90には各スイッチに基づく信号が入力され,各基板や振動モータ223にはサブ制御基板90から信号が出力される。
画像制御基板100には,プログラムに従って画像表示装置7およびスピーカ67の出力を制御する画像制御用ワンチップマイコン101が実装されている。以下,画像制御用ワンチップマイコン101を,画像制御用マイコン101とする。画像制御用マイコン101には,演出の進行に伴って表示画像を制御するためのプログラムや,画像表示装置7に表示される静止画や動画,より具体的にはキャラクタ,アイテム,図形,文字,数字,記号,背景画像,などの画像データや,スピーカ67を介して出力される音声,楽曲,効果音,などの音声データを記憶したROM103,ワークメモリとして使用されるRAM104,ROM103に記憶されたプログラムを実行するCPU102,が含まれる。画像制御用マイコン101は,I/Oポートによって構成される入出力回路105を介して他の基板等とデータの送信ないし受信を行う。入出力回路105は,画像制御用マイコン101に内蔵されていてもよい。また,ROM103は,外付けであってもよい。
また,画像制御基板100には,画像表示装置7およびスピーカ67が電気的に接続されている。そのため,画像表示装置7やスピーカ67には,画像制御基板100から信号が出力される。
サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は,主制御基板80から受信したコマンドに基づいて,画像制御基板100の画像制御用マイコン101に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御用マイコン101のCPU102は,演出制御用マイコン91からのコマンドに基づいて,ROM103から画像データや音声データを読み出す。そして,読み出した画像データを画像表示装置7に表示させ,読み出した音声データに基づいて音声をスピーカ67から出力する。
なお,音声を出力する構成として,サブ制御基板90およびスピーカ67と電気的に接続される音声制御基板を備え,演出制御用マイコン91が,主制御基板80から受信したコマンドに基づいて,その音声制御基板を介して,スピーカ67に音声,楽曲,効果音等を出力させる構成でもよい。この場合,音声データは,サブ制御基板90のROM93に記憶すればよい。
また,サブ制御基板90には,遊技盤2に取り付けられた盤可動体中継基板108を介して,盤可動体15が電気的に接続されている。演出制御用マイコン91は,主制御基板80から受信したコマンドに基づいて,盤可動体中継基板108を介して電気的に接続された盤可動体15の動作制御を行う。具体的に,演出制御用マイコン91は,盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータをROM93から読み出し,その動作パターンデータに基づいて,盤可動体中継基板108を介して盤可動体15の動作制御を行う。
また,サブ制御基板90には,遊技機枠50に取り付けられたランプ中継基板107を介して,枠ランプ66が電気的に接続されている。演出制御用マイコン91は,主制御基板80から受信したコマンドに基づいて,ランプ中継基板107を介して,枠ランプ66の点灯制御を行う。具体的に,演出制御用マイコン91は,各ランプの発光態様を決める発光パターンデータをROM93から読み出し,その発光パターンデータに基づいてランプ中継基板107を介して各ランプの発光制御を行う。
演出ボタン検出スイッチ63xは,演出ボタン63に対応する検出スイッチである。そのため,演出ボタン63が押下されると,演出ボタン検出スイッチ63xからサブ制御基板90に対して,演出ボタン63に関する信号が出力される。演出ボタン検出スイッチ63xから出力される信号に基づいて,サブ制御基板90は,演出ボタン63が押下されたか否かを判断できる。
振動モータ223は,演出ボタン63内に収容され,演出ボタン63の外装体を振動させる部材である。なお,振動モータ223は,演出ボタン63の外装体を振動させず,演出ボタン63に収容される構造物のみを振動させてもよい。演出制御用マイコン91は,ROM93に記憶されているデータを用いて,振動モータ223の動作態様を決める動作パターンデータを作成し,その動作パターンデータに基づいて振動モータ223の動作制御を行う。
3.パチンコ遊技機1の大当たり
続いて,パチンコ遊技機1における大当たりについて説明する。パチンコ遊技機1では,前述したように第1始動口20あるいは第2始動口21への遊技球の入賞に基づいて,より具体的には第1分岐通路71あるいは第2分岐通路72への遊技球の通過に基づいて,大当たりの抽選を行う。第1分岐通路71への遊技球の通過に基づいて行われる大当たりの抽選は,その抽選結果が第1特別図柄表示器41aに表示され,第1特別図柄(特図1)の抽選ともいう。また,第2分岐通路72への遊技球の通過に基づいて行われる大当たりの抽選は,その抽選結果が第2特別図柄表示器41bに表示され,第2特別図柄(特図2)の抽選ともいう。
パチンコ遊技機1は,第1分岐通路71あるいは第2分岐通路72への遊技球の通過に応じて,大当たり乱数,大当たり種別乱数,リーチ乱数,特図変動パターン乱数,の各種の乱数を取得する。大当たりの抽選は,取得した大当たり乱数に基づいて行われる。
パチンコ遊技機1が行う大当たりの抽選の結果には,「大当たり」と「ハズレ」とがある。大当たり乱数は,0〜65535までの範囲内の値となる。そして,パチンコ遊技機1では,図6に示すように,通常確率状態では,例えば,大当たり乱数が0〜662の範囲内の値であれば,大当たりに当選したと判断し,それ以外の数値であればハズレと判断する。なお,パチンコ遊技機1では,大当たりの当選確率が異なる2つの遊技状態,すなわち通常確率状態と高確率状態とがあり,高確率状態では,例えば,大当たり乱数が0〜3276の範囲内の値であれば,大当たりに当選したと判断する。遊技状態の詳細については後述する。
パチンコ遊技機1は,「大当たり」の場合には,特別図柄表示器41に,大当たりに対応する特別図柄である「大当たり図柄」を停止表示させる。大当たりには,幾つかの種別があり,種別に応じた「大当たり図柄」を停止表示させる。「ハズレ」の場合には,パチンコ遊技機1は,特別図柄表示器41に,ハズレに対応する特別図柄である「ハズレ図柄」を停止表示させる。
さらにパチンコ遊技機1は,大当たりに当選した場合,大当たりの種別に応じた開放パターンにて,第1大入賞口30および第2大入賞口35を開放する制御である「大当たり遊技」を実行する。なお,以下の説明では,第1大入賞口30および第2大入賞口35を総称する場合,大入賞口という。
大当たり遊技は,1回または複数回のラウンド遊技と,初回のラウンド遊技が開始される前のオープニングと,最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディングと,を含んでいる。各ラウンド遊技は,オープニングの終了または前のラウンド遊技の終了によって開始し,次のラウンド遊技の開始またはエンディングの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間であるインターバル時間は,その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
パチンコ遊技機1では,大当たりに当選した場合,大当たり種別の抽選も行う。パチンコ遊技機1では,大当たりの種別として,「16R確変大当たり」と「8R確変大当たり」と「4R確変大当たり」とがある。大当たり種別の抽選は,大当たり種別乱数に基づいて行われる。大当たり種別乱数は,0〜9までの範囲内の値となる。そして,パチンコ遊技機1では,図7に示すように,第1特別図柄の抽選(特図1の抽選),第2特別図柄の抽選(特図2の抽選)ともに,例えば,大当たり種別乱数が0の範囲内の値であれば,「16R確変大当たり」に当選したと判断し,大当たり種別乱数が1〜2の範囲内の値であれば,「8R確変大当たり」に当選したと判断し,それ以外の数値であれば「4R確変大当たり」に当選したと判断する。
パチンコ遊技機1が有する大当たりの種別,すなわち「16R確変大当たり」,「8R確変大当たり」および「4R確変大当たり」は,その大当たり遊技後の遊技状態が全て高確率状態になる大当たりである。遊技状態の詳細については後述する。
パチンコ遊技機1は,図8に示すように,「16R確変大当たり」は,総ラウンド数が16ラウンド(R)である。パチンコ遊技機1は,1R目から16R目までの各ラウンドで,1R当たり最大25.0秒にわたって第1大入賞口30を開放する。また,「8R確変大当たり」は,総ラウンド数が8Rであり,パチンコ遊技機1は,1R目から8R目までの各ラウンドで,1R当たり最大25.0秒にわたって第1大入賞口30を開放する。また,「4R確変大当たり」は,総ラウンド数が4Rであり,パチンコ遊技機1は,1R目から4R目までの各ラウンドで,1R当たり最大25.0秒にわたって第2大入賞口35を開放する。
なお,パチンコ遊技機1では,前述したように,第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づいて取得される乱数として,大当たり乱数,大当たり種別乱数の他に,リーチ乱数および変動パターン乱数がある。
リーチ乱数は,大当たり判定の結果がハズレである場合に,その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決定するために用いられる乱数である。リーチとは,複数の数字図柄のうち変動表示されている数字図柄が残り1つとなっている状態であって,変動表示されている数字図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たりの当選を示す数字図柄の組み合わせとなる状態,例えば「7↓7」(「↓」は変動中を意味する)といった状態,のことである。なお,リーチ状態において停止表示されている数字図柄は,表示画面7a内で多少揺れているように表示されてもよい。すなわち,数字図柄が完全に停止していなくてもよい。リーチ乱数は,0〜127までの範囲内の値となる。
そして,パチンコ遊技機1では,図9に示すように,非時短状態では,リーチ乱数が0〜13の範囲内の値であれば,リーチ有りと判断し,それ以外の数値であればリーチ無しと判断する。また,時短状態では,リーチ乱数が0〜5の範囲内の値であれば,リーチ有りと判断し,それ以外の数値であればリーチ無しと判断する。時短状態および非時短状態の詳細については後述する。
変動パターン乱数は,特別図柄の変動時間を含む変動パターンを決定するために用いられる乱数である。変動パターン乱数も,0〜127までの範囲内の値となる。図10は,変動パターン乱数と変動パターンとの関係を示すテーブルである。本形態では,変動パターンによって,リーチ演出の実行可否や,リーチ演出を行う場合の態様が決められる。
また,変動パターンに含まれるリーチ演出の態様としては,「通常リーチ」と,通常リーチよりも変動時間が長い「スーパーリーチ(SPリーチ)」と,がある。リーチ演出についても,「SPリーチ」の方が「通常リーチ」よりも,大当たりに当選している期待度が高まるように,変動パターン乱数が割り振られている。パチンコ遊技機1では,変動パターン乱数の他,特別図柄の種類,時短状態か非時短状態か,大当たりやリーチの抽選結果,に基づいて,変動パターンを決定する。
なお,パチンコ遊技機1は,大当たり種別の振り分けが第1特別図柄と第2特別図柄とで同じであり,変動パターンが第1特別図柄と第2特別図柄とで同じになっているが,第1特別図柄と第2特別図柄とで異なってもよい。
また,パチンコ遊技機1では,ゲートへの遊技球の通過に基づいて取得される乱数として,普通当たり乱数がある。普通当たり乱数は,電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選に用いられる乱数である。普通当たり乱数は,0〜255までの範囲内の値となる。
そして,パチンコ遊技機1では,図11に示すように,非時短状態では,普通当たり乱数が0〜2の範囲内の値であれば,普通当たりに当選したと判断し,それ以外の数値であればハズレと判断する。また,時短状態では,普通当たり乱数が0〜254の範囲内の値であれば,普通当たりに当選したと判断し,それ以外の数値であればハズレと判断する。すなわち,普通当たりの抽選は,非時短状態ではほとんどハズレとなり,時短状態ではほとんど普通当たりとなる。時短状態および非時短状態の詳細については後述する。
4.パチンコ遊技機1の遊技状態
続いて,パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機1は,大当たりの抽選(特別図柄表示器41)および普通当たりの抽選(普通図柄表示器42)に関して,それぞれ「確率変動機能」と「変動時間短縮機能」とを有している。
大当たりの抽選で確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい,作動していない状態を「通常確率状態」という。高確率状態では,図6に示したように,大当たりに当選する確率が通常確率状態よりも高い。すなわち,確率変動機能が作動すると,作動していないときと比較して,大当たりの抽選で結果が大当たりとなる確率が高くなる。
また,大当たりの抽選における変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい,作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では,特別図柄表示器41での特別図柄の変動時間,すなわち変動表示の開始時から表示結果の停止表示時までの時間が,非時短状態よりも短くなり易い。具体的にパチンコ遊技機1は,大当たりの抽選でハズレとなった場合に,図9に示したように,リーチ有りと判定されるリーチ乱数の値が非時短状態よりも時短状態の方が少なくなる判定テーブルを用いて,リーチの判定を行う。つまり,時短状態では,大当たりの抽選でハズレとなった場合に,特別図柄が停止表示されるまでの時間が長いリーチになる確率が低くなる。また,図10に示したように,リーチ無しハズレとなった場合,非時短状態よりも時短状態の方が,変動時間が短い変動パターンが選択され易い。つまり,変動時間短縮機能が作動していると,作動していないときと比較して,変動時間が短くなり易い。その結果,時短状態では,特図保留の消化のペースが速くなり,特図保留として記憶され得る始動口への有効な入賞が発生し易くなる。そのため,遊技者は,スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことが可能となる。
大当たりの抽選における確率変動機能と変動時間短縮機能とは,同時に作動してもよいし,一方のみが作動してもよい。普通当たりの抽選における確率変動機能と変動時間短縮機能とは,大当たりの抽選における変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち,普通当たりの抽選における確率変動機能および変動時間短縮機能は,時短状態において作動し,非時短状態において作動しない。よって,時短状態では,普通当たり抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。具体的にパチンコ遊技機1は,図11に示したように,普通当たりと判定される普通当たり乱数の値が非時短状態よりも時短状態の方が多くなる判定テーブルを用いて,普通当たりの抽選を行う。つまり,普通当たりの抽選で確率変動機能が作動すると,作動していないときと比較して,普通当たりの抽選で結果が普通当たりとなる確率が高くなる。
また,時短状態では,普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短い。パチンコ遊技機1では,例えば,非時短状態の変動時間が30秒であり,時短状態の変動時間が1秒である。また,時短状態では,補助遊技における電チュー22の開放時間が,非時短状態よりも長くなっている。すなわち,電チュー22の開放時間延長機能が作動している。一方,時短状態でも非時短状態でも,補助遊技における電チュー22の開放回数は同じである。つまり,時短状態では,電チュー22の開放回数増加機能が作動していない。なお,時短状態では,電チュー22の開放回数増加機能を作動してもよい。
かくして,普通当たりの抽選における確率変動機能と変動時間短縮機能,および電チュー22の開放時間延長機能が作動している状況下では,これらの機能が作動していない場合と比較して,電チュー22が頻繁に開放され,第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することになる。その結果,遊技球の発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って,これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい,作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では,遊技者は,手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお,高ベース状態とは,電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御,いわゆる電サポ制御が実行されている状態ともいえる。
なお,高ベース状態は,前述した複数の機能が全て作動するものでなくてもよい。すなわち,普通当たりに抽選における確率変動機能,普通当たりの抽選における変動時間短縮機能,電チュー22の開放時間延長機能,および電チュー22の開放回数増加機能のうち,1つ以上の機能の作動によって,その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また,高ベース状態は,時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1では,大当たり遊技後の遊技状態が,高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態となる。この遊技状態を特に,「高確高ベース状態」という。このうち高確率状態は,大当たりに当選しないまま所定回数の大当たりの抽選が実行されるか,大当たりに再び当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。本形態では,高確率状態を維持できる上述の所定回数は10回である。また,時短状態も,大当たりに当選しないまま所定回数の大当たりの抽選が実行されるか,大当たりに再び当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。なお,時短状態を維持できる上述の所定回数は,当選した大当たりの種別によって異なり,「16R確変大当たり」では100回,「8R確変大当たり」では50回,「4R確変大当たり」では25回,である。
なお,パチンコ遊技機1の電源投入後の遊技状態は,通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に,「低確低ベース状態」という。パチンコ遊技機1では,高確率状態と時短状態とがともに終了すると,低確低ベース状態になる。また,大当たり遊技の実行中の状態を「大当たり遊技状態」と称する。なお,大当たり遊技状態を「特別遊技状態」ともいう。
5.大当たり示唆演出
続いて,パチンコ遊技機1における,消化条件を満たす前の特図保留(変動開始前の特図保留ともいう)の中に,大当たりに当選していることを示すコマンドを含む保留抽選情報に対応する特図保留(大当たりに当選する予定の特図保留ともいう)があるか否かを示唆する演出である,大当たり示唆演出について説明する。
本形態のパチンコ遊技機1では,大当たり示唆演出として,主人公キャラクタが敵キャラクタと対戦するバトル演出が行われる。つまり,大当たり示唆演出は,主人公キャラクタがバトルに勝つことを課題とするシナリオであり,その課題に成功する(つまりバトルに勝利する)ことで変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が有ることを示唆し,その課題に失敗する(つまりバトルに敗北する)ことで変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が無いことを示唆する。
上述の大当たり示唆演出を実現するため,大当たり示唆演出のシナリオは,課題を表示して主人公キャラクタが敵キャラクタと対戦する画像を表示する導入パートと,バトルの結果を告知する告知パートと,で構成される。そして,導入パートが先に実行され,導入パートの後に告知パートが実行される。
具体的に,本形態の大当たり示唆演出の導入パートでは,パチンコ遊技機1は,始めに,図12(A)に示すように,主人公キャラクタが敵キャラクタに勝てば,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が有ることを示唆するメッセージ8M1を,画像表示装置7に表示する。
次に,パチンコ遊技機1は,図12(B1)あるいは(B2)に示すように,敵キャラクタの紹介およびバトルの勝利の期待度(すなわち変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が有る期待度)を示すマークを表示する。バトルの勝利の期待度は,例えば図12に示すように「★」のマーク8M2の数によって表現する。本形態では,マーク8M2の数が多いほど勝利の期待度が高いことを示す。本形態では,勝利の期待度を,変動開始前の特図保留の数によって決定する。すなわち,変動開始前の特図保留の数が多いほど,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が有る可能性が高い。そのため,本形態では,変動開始前の特図保留の数に応じて導入パートのシナリオを選択し,変動開始前の特図保留の数が多いほど,マーク8M2の数を多く表示する。この他,勝利の期待度に応じて,メッセージの文字色や背景色を変更してもよい。なお,課題を示すメッセージ8M1と,勝利の期待度を示すマーク8M2とは,同一のタイミングで表示してもよい。また,メッセージ8M1の表示は,省略してもよい。
勝利の期待度を示すマーク8M2を表示した後,パチンコ遊技機1は,図12(C)に示すように,主人公キャラクタと敵キャラクタとが戦う動画を,一定時間,画像表示装置7に表示する。動画には,セリフ8M3を表示してもよく,勝利の期待度に応じてセリフ8M3を変更してもよい。また,勝利の期待度に応じてセリフ8M3の文字色を変更してもよい。また,勝利の期待度に応じて各種のキャラクタをカットインさせる等の,予告画像を表示してもよい。
導入パートでバトル演出の動画を表示した後,パチンコ遊技機1は,告知パートに移行して,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が有るか否かを示唆する画像を,画像表示装置7に表示する。本形態の大当たり示唆演出の告知パートでは,パチンコ遊技機1は,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が有ることを示唆する場合には,図12(D1)に示すように主人公キャラクタが勝利したことを示す画像とともに変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が有ることを示唆するメッセージ8M4を,画像表示装置7に表示する。一方,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が無いことを示唆する場合には,図12(D2)に示すように主人公キャラクタが敗北したことを示す画像とともに変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が無いことを示唆するメッセージ8M4を,画像表示装置7に表示する。なお,メッセージ8M4の表示は,省略してもよい。
パチンコ遊技機1は,大当たりに当選している特図保留について,特別図柄の変動表示開始後からその特図保留に基づく大当たり遊技が終了するまでの間,すなわち特図保留の消化条件を満たさない期間中に,複数回の大当たり示唆演出を実行する。具体的にパチンコ遊技機1は,図13に示すように,特別図柄の変動表示の開始に伴って,演出図柄変動演出を開始する。そして,パチンコ遊技機1は,停止図柄を表示した後,演出図柄変動演出を終了して大当たり遊技を開始する。
大当たり遊技の期間は,オープニング期間と,エンディング期間とを含み,オープニング期間とエンディング期間との間に,遊技球の払い出しが行われる払い出しラウンド期間がある。パチンコ遊技機1は,オープニング期間中,オープニング演出を行い,エンディング期間中,エンディング演出を行う。また,払い出しラウンド期間は,大当たりの種類に応じて複数のラウンド期間で構成される。例えば,16R確変大当たりでは,16回のラウンド期間があり,8R確変大当たりでは,8回のラウンド期間がある。すなわち,大当たりの種類に応じて,払い出しラウンド期間の長さが異なる。また,ラウンド期間は,所定数の遊技球が大入賞口に入賞するまで,あるいは上限期間に達するまで,を終了条件とし,個々のラウンド期間の長さも一定ではない。各ラウンド期間では,ラウンド遊技が行われる。
本形態では,パチンコ遊技機1は,オープニング期間とエンディング期間とで,それぞれ1回ずつの,合計2回の大当たり示唆演出を行う。このうち,オープニング期間での大当たり示唆演出を「1回目の大当たり示唆演出」とし,エンディング期間での大当たり示唆演出を「2回目の大当たり示唆演出」とする。特図保留の消化条件を満たさない期間中,複数回の大当たり示唆演出を行うことで,大当たり示唆演出が1回のみの場合と比較して大当たり示唆演出の実行機会が増え,その結果として,1回目の大当たり示唆演出の後に入賞し,1回目の大当たり示唆演出における先読みで判定対象とならなかった特図保留についても,その後の2回目の大当たり示唆演出における先読みで判定対象となり得る。そのため,大当たり示唆演出の信頼性が高まる。なお,先読みとは,RAM94に記憶されている保留抽選情報を読み出して,保留抽選情報の内容を解析する処理のことである。例えば,大当たりに当選する予定のコマンドの有無を判断する。
また,パチンコ遊技機1は,1回目の大当たり示唆演出と,2回目の大当たり示唆演出とで,先読みを行うタイミングが異なる。具体的に,1回目の大当たり示唆演出では,大当たり示唆演出の開始時に先読みを行う。一方,2回目の大当たり示唆演出では,大当たり示唆演出の開始後であって,その大当たり示唆演出の告知パートの開始直前に先読みを行う。1回目の大当たり示唆演出のように先読みを早期に行うことで,先読みの結果に適した各種の演出を選択できる。例えば,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が有る場合に,導入パートで,プレミアムキャラクタを登場させる等,大当たりの期待度が極めて高い演出を実行し得る。すなわち演出のバリエーションが豊富になる。一方,2回目の大当たり示唆演出のように先読みを遅らすことで,より多くの特図保留を先読みに反映できる可能性が高まる。
図14に,大当たり示唆演出の出力の一例を示す。この例では,特別図柄の変動開始時に特図保留の数が3であったものとする。パチンコ遊技機1は,左打ちであっても右打ちであっても,遊技球が第1始動口20に入賞し易い構成である。そのため,演出図柄変動演出中に遊技者が遊技を継続していた場合,遊技球が第1始動口20に入賞して特図保留の数が増えることがある。この例では,演出図柄変動演出が終了するまで,すなわち大当たり遊技のオープニング演出が開始されるまでに,1個の遊技球が第1始動口20に入賞して特図保留の数が4になっている。
また,パチンコ遊技機1は,大当たり遊技中も,遊技球が第1始動口20に入賞し,特図保留が増加し得る。この例では,1回目の大当たり示唆演出の実行中に,1個の遊技球が第1始動口20に入賞して特図保留の数が5になり,払い出しラウンド期間中に2個の遊技球が第1始動口20に入賞して特図保留の数が7になり,2回目の大当たり示唆演出の実行中に,1個の遊技球が第1始動口20に入賞して特図保留の数が8になっている。このうち,7個目の特図保留が大当たりに当選する予定の特図保留であり,残りの特図保留はハズレであったものとする。
オープニング演出が開始され,その中で1回目の大当たり示唆演出が開始されると,その1回目の大当たり示唆演出では,大当たり示唆演出の開始時に先読みが行われる。すなわち,1回目の大当たり示唆演出の開始時にRAM94に記憶されている特図保留である4つの特図保留が先読みの対象となる。従って,1回目の大当たり示唆演出の実行中に入賞した5個目の特図保留については先読みの対象とならない。この例では,1個目から4個目までの特図保留が全てハズレであるため,1回目の大当たり示唆演出では,特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が無いことを示唆する画像が,画像表示装置7に表示される。
その後,払い出しラウンド期間の終了を経て,エンディング演出が開始され,その中で2回目の大当たり示唆演出が開始されると,その2回目の大当たり示唆演出では,大当たり示唆演出の実行中に先読みが行われる。そのため,2回目の大当たり示唆演出の実行中であって先読みを行う前に入賞した8個目の特図保留についても先読みの対象となる。従って,RAM94に記憶されている8個の特図保留の全てが先読みの対象となる。この例では,7個目の特図保留が大当たりに当選する予定の特図保留であるため,2回目の大当たり示唆演出では,特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が有ることを示唆する画像が,画像表示装置7に表示される。
なお,パチンコ遊技機1は,大当たりに当選する度に,オープニング期間とエンディング期間とで2回の大当たり示唆演出を実行しているが,大当たり示唆演出を実行するタイミングはこれらに限るものではない。例えば,払い出しラウンド期間中の各ラウンド遊技中に実行してもよい。また,演出図柄変動演出中に実行してもよい。また,各大当たり示唆演出は,大当たりに当選する度に必ず行われるものではなく,乱数を用いて実行するか否かを決定してもよい。
6.遊技制御用マイコン81の動作
続いて,パチンコ遊技機1の主制御基板80における遊技制御用マイコン81の動作について説明する。遊技制御用マイコン81が実行する具体的な処理としては,メイン側起動処理がある。なお,遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ,タイマ,フラグ,ステータス,バッファ,などは,RAM84に設けられる。
[メイン側起動処理]
遊技制御用マイコン81が実行するメイン側起動処理について,図15のフローチャートを参照しつつ説明する。遊技制御用マイコン81は,パチンコ遊技機1の主電源がオフからオンになったことを契機に,すなわち電源スイッチ155がオンになり,電源基板150を介して外部からの電力供給が開始されたことを契機に,ROM83からメイン側起動処理のプログラムを読み出して実行する。
メイン側起動処理では,遊技制御用マイコン81は先ず,CPU82の初期設定やRAM84の初期化等を行う初期動作を行う(S001)。具体的にS001では,遊技制御用マイコン81は,RAM84へのアクセスを許可する。また,RAMクリアスイッチ161が押下されている場合や正常に主電源がオフされていなかった場合に,RAM84の初期化を行う。これにより,RAM84に記憶されていた各種の情報が失われる。また,サブ制御基板90側のRAM94等を初期化するためのRAM初期化コマンドを,RAM84の出力バッファにセットする。この他,S001では,例えば,スタックの設定,定数設定,割り込み時間の設定,CPUの設定,SIO,PIO,CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定を行う。
S001の後,遊技制御用マイコン81は,割り込みを禁止する(S002)。次いで,遊技制御用マイコン81は,各種の乱数の値を更新する(S003)。具体的にS003では,遊技制御用マイコン81は,大当たり乱数,大当たり種別乱数,リーチ乱数,変動パターン乱数,普通当たり乱数,の各種の乱数の値を更新する。乱数の更新方法としては,例えば,1回の更新に際して値を所定数加算する。所定数は,全ての乱数で共通であってもよいし,乱数ごとに異なってもよい。乱数の値は,上限値に達すると0に戻る。また,乱数の初期値は,0であっても0以外の値であってもよい,また,乱数の初期値は,全ての乱数で共通であってもよいし,乱数ごとに異なってもよい。また,各乱数は,カウンタIC等からなる公知の乱数発生回路を利用して生成してもよい。
S003の後,遊技制御用マイコン81は,割り込みを許可する(S004)。以降,S002〜S004を繰り返す。割り込みが許可されている間は,メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能になる。メイン側タイマ割り込み処理は,例えば,4ms周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして,メイン側タイマ割り込み処理が実行された場合には,メイン側タイマ割り込み処理が終了してから,次のメイン側タイマ割り込み処理が開始されるまでの間に,S002〜S004の処理が繰り返される。なお,割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合には,メイン側タイマ割り込み処理の実行を直ぐには開始せず,割り込み許可状態となるのを待って開始する。
[メイン側タイマ割り込み処理]
次に,S005のメイン側タイマ割り込み処理について,図16のフローチャートを参照しつつ説明する。メイン側タイマ割り込み処理は,4ms周期の割り込みパルスが入力される度に,遊技制御用マイコン81によって実行される。
メイン側タイマ割り込み処理では,遊技制御用マイコン81は先ず,RAM84の出力バッファにセットされたコマンドを,サブ制御基板90や払出制御基板110等,パチンコ遊技機1内の主制御基板80以外のデバイスに出力する(S101)。RAM84の出力バッファには,後述する各種の処理によって適宜コマンドがセットされる。
S101の後,遊技制御用マイコン81は,払い出しに関する情報を更新する(S102)。具体的にS102では,遊技制御用マイコン81は,特図1センサ71a,特図2センサ72a,第1大入賞口センサ30a,第2大入賞口センサ35a,普通入賞口センサ27a等の,各種のセンサから出力された信号に基づいて入賞の有無を判断し,入賞口の種類に応じた賞球の払い出しを指示する払い出しコマンドを,RAM84の出力バッファにセットする。
S102の後,遊技制御用マイコン81は,各種の乱数の値を更新する(S103)。S103の処理は,S003と同様である。すなわち,遊技制御用マイコン81は,メイン側タイマ割り込み処理の実行期間中と,それ以外の期間との両方で,各種の乱数の値を更新する。なお,乱数の値の更新を,いずれか一方の期間のみで行ってもよい。
S103の後,遊技制御用マイコン81は,各種のセンサから出力された信号に基づいて,始動口等への入球を検出するセンサ検出処理を実行する(S111)。S111の詳細は後述する。
S111の後,遊技制御用マイコン81は,普通図柄に関する動作である普通動作処理を実行する(S121)。具体的にS121では,遊技制御用マイコン81は,普通当たりの抽選条件を満たしている場合に,普図保留記憶部86に記憶されている普通当たり乱数,および図11に示す普通当たり判定テーブルを用いて,普通当たりに当選したか否かを判定する。そして,判定結果に応じた普図停止図柄データおよび遊技状態に応じた変動パターンを決定し,普通図柄表示器42に普通図柄の表示を行わせる。さらに普通当たりに当選した場合には,遊技状態に応じた電チュー22の開放パターンを決定し,電チュー22を作動させる。
S121の普通動作処理の後,遊技制御用マイコン81は,特別図柄に関する動作である特別動作処理を実行する(S131)。なお,S121とS131とは逆順であってもよい。S131の詳細は後述する。
S131の後,遊技制御用マイコン81は,普図保留数,第1特図保留数,第2特図保留数,の各保留数に基づいて,特図保留表示器43および普図保留表示器44の表示を更新させる(S161)。
S161の後,遊技制御用マイコン81は,RAM84の外部出力バッファにセットされたコマンドに基づいて,外部端子板190を介して各種の信号を出力する(S171)。例えば,大当たりの抽選にて大当たりに当選した場合,遊技制御用マイコン81は,大当たり信号を外部装置に出力する。
S171の後,遊技制御用マイコン81は,主電源を正常にオフさせるための電源断監視処理を実行する(S181)。具体的にS181では,遊技制御用マイコン81は,例えば,電源スイッチ155がオフになったことを検知した場合に,正常に主電源がオフされたことを示す情報をRAM84に記憶する。そして,RAM84へのアクセスを制限する。S181の後,メイン側タイマ割り込み処理を終了する。
その後,遊技制御用マイコン81は,次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまではメイン側起動処理のS002〜S004の処理を繰り返し,割り込みパルスが入力されると,再び,メイン側タイマ割り込み処理を実行する。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理のS101では,前回のメイン側タイマ割り込み処理にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンドが出力される。
[センサ検出処理]
次に,図16のS111のセンサ検出処理について,図17のフローチャートを参照しつつ説明する。
センサ検出処理では,遊技制御用マイコン81は先ず,第1ゲートセンサ28aおよび第2ゲートセンサ29aから出力された信号に基づいて,遊技球がゲートを通過したか否かを判断する(S201)。遊技球がゲートを通過していた場合(S201:YES),遊技制御用マイコン81は,普図保留の数が4個未満か否かを判断する(S202)。
普図保留の数が4個未満であれば(S202:YES),遊技制御用マイコン81は,普図保留の数を1つ加算し(S203),さらに普通当たり乱数の値を取得する(S204)。遊技制御用マイコン81は,取得した普通当たり乱数の値を,普図保留記憶部86に記憶する。すなわち,パチンコ遊技機1は,遊技球が第1ゲート28を通過した場合であっても,第2ゲート29を通過した場合であっても,普図保留の数を1つ加算し,普通当たり乱数の値を取得する。
S204の後,あるいは普図保留の数が4個以上の場合(S202:NO),あるいは遊技球がゲートを通過していない場合(S201:NO),遊技制御用マイコン81は,特図1センサ71aから出力された信号に基づいて,遊技球が第1分岐通路71を通過したか否かを判断する(S211)。遊技球が第1分岐通路71を通過していた場合(S211:YES),遊技制御用マイコン81は,第1特図保留の数が4個未満か否かを判断する(S212)。
第1特図保留の数が4個未満であれば(S212:YES),遊技制御用マイコン81は,第1特図保留数および入賞カウンタ値にそれぞれ1を加算し(S213),さらに大当たり乱数,大当たり種別乱数,リーチ乱数,変動パターン乱数,の大当たりに関する各乱数の値を取得する(S214)。遊技制御用マイコン81は,取得した各乱数の値を,入賞カウンタ値とともに,第1特図保留記憶部85aに記憶する。
S214の後,遊技制御用マイコン81は,図18に示す始動入賞コマンド判定テーブルを参照し,S214にて取得した各乱数の値に基づいて第1始動入賞コマンドを特定し,その第1始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S215)。例えば,非時短状態であって,大当たり乱数が「1」,大当たり種別乱数が「1」,リーチ乱数が「1」,変動パターン乱数が「1」,であった場合,第1始動入賞コマンドとして「C011」が特定される。始動入賞コマンド判定テーブルの各乱数の振り分けは,図6,図7,図9,図10に示した各テーブルの振り分けと対応している。そのため,第1始動入賞コマンドには,大当たりの当否,大当たりの種別,リーチの有無,さらにはSPリーチを行うか否か,の各情報が含まれる。
なお,出力バッファにセットされた第1始動入賞コマンドは,メイン側タイマ割り込み処理(図16参照)のS101にてサブ制御基板90に送信される。つまり,S214にて取得した乱数に対応する特別図柄の変動表示が開始される前に,その特別図柄に関係する情報を含むコマンドがサブ制御基板90に出力される。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は,そのコマンドが入力されたことに応じて,そのコマンドに対応する処理を実行する。
S215の後,あるいは第1特図保留の数が4個以上の場合(S212:NO),あるいは遊技球が第1分岐通路71を通過していない場合(S211:NO),遊技制御用マイコン81は,特図2センサ72aから出力された信号に基づいて,遊技球が第2分岐通路72を通過したか否かを判断する(S221)。遊技球が第2分岐通路72を通過していた場合(S221:YES),遊技制御用マイコン81は,第2特図保留の数が4個未満か否かを判断する(S222)。
第2特図保留の数が4個未満であれば(S222:YES),遊技制御用マイコン81は,第2特図保留数および入賞カウンタ値にそれぞれ1を加算し(S223),さらにS214と同様に,大当たりに関する各乱数の値を取得する(S224)。遊技制御用マイコン81は,取得した各乱数の値を,入賞カウンタ値とともに,第2特図保留記憶部85bに記憶する。
S224の後,遊技制御用マイコン81は,遊技球の第1分岐通路71の通過時と同様に,図18に示した始動入賞コマンド判定テーブルを参照し,S224にて取得した各乱数の値に基づいて第2始動入賞コマンドを特定し,その第2始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S225)。これにより,S215と同様に,S224にて取得した乱数に対応する特別図柄の変動表示が開始される前に,その特別図柄に関係する情報を含むコマンドがサブ制御基板90に出力される。
S225の後,あるいは第2特図保留の数が4個以上の場合(S222:NO),あるいは遊技球が第2始動口21を通過していない場合(S221:NO),センサ検出処理を終了する。
[特別動作処理]
次に,図16のS131の特別動作処理について,図19のフローチャートを参照しつつ説明する。
特別動作処理では,特別図柄表示器41,第1大入賞装置31,および第2大入賞装置36に関する処理を4つの段階に分け,それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして,遊技制御用マイコン81は,特別動作ステータスが1か否か(S901),2か否か(S911),3か否か(S921),をそれぞれ判断し,現時点でどのステータスに該当するかを判断する。特別動作ステータスの初期値は1である。
そして,遊技制御用マイコン81は,特別動作ステータスが1であれば(S901:YES),特別図柄待機処理を実行する(S902)。特別動作ステータスが2であれば(S911:YES),特別図柄変動中処理を実行する(S912)。特別動作ステータスが3であれば(S921:YES),特別図柄確定処理を実行する(S922)。一方,特別動作ステータスが4であれば(S921:NO),大当たり遊技処理を実行する(S932)。以下,特別動作処理にて実行される各処理について説明する。
[特別図柄待機処理]
図20は,図19のS902の特別図柄待機処理の手順を示している。特別図柄待機処理では,遊技制御用マイコン81は先ず,特図保留の数が0であるか否か,すなわち第1特図保留の数と第2特図保留の数とがともに0であるか否かを判断する(S1001)。
特図保留の数が0の場合(S1001:YES),遊技制御用マイコン81は,客待ち演出が開始されているか否かを判断する(S1031)。客待ち演出は,待機状態中,複数の待機画面やデモンストレーション画像を,画像表示装置7に表示させる演出である。客待ち演出が開始されていれば(S1031:YES),特別図柄待機処理を終了する。
客待ち演出が開始されていなければ(S1031:NO),遊技制御用マイコン81は,客待ち演出を開始させるための客待ち待機コマンドを,RAM84の出力バッファにセットする(S1032)。出力バッファにセットされた客待ち待機コマンドは,サブ制御基板90に出力され,サブ制御基板90によってコマンドに応じた処理が実行される。S1032の後,特別図柄待機処理を終了する。
一方,特図保留の数が0でなければ(S1001:NO),すなわち第1特図保留と第2特図保留との少なくとも一方に特図保留があれば,遊技制御用マイコン81は,特図保留の1つについて,大当たりに当選したか否かを判定する大当たり判定処理を実行する(S1011)。
図21に,S1011の大当たり判定処理の手順を示す。大当たり判定処理では,遊技制御用マイコン81は先ず,判定値として,特図保留記憶部85から最も先に記憶された特図保留に対応する抽選情報を読み出す(S1101)。具体的にS1101では,遊技制御用マイコン81は,第1特図保留記憶部85aの先頭に記憶されている第1特図保留の入賞カウンタ値と,第2特図保留記憶部85bの先頭に記憶されている第2特図保留の入賞カウンタ値と,を比較し,先に記憶されたと判断される特図保留に対応する各乱数の値を読み出す。
S1101の後,遊技制御用マイコン81は,図6に示した大当たり判定テーブルを用いて,読み出した大当たり乱数に基づいて,大当たり,ハズレの判定を行う(S1102)。なお,パチンコ遊技機1では,大当たりとハズレとの2種類のどちらかに判定されるが,例えば当たりの種別として小当たりを設けた場合,S1102では小当たりを含めた判定が行われる。S1102の後,遊技制御用マイコン81は,S1102での判定結果に基づいて,大当たりに当選したか否かを判断する(S1111)。
大当たりに当選した場合(S1111:YES),遊技制御用マイコン81は,大当たりフラグをオンにする(S1112)。大当たりフラグは,大当たりに当選している状態か否かの判断に用いられる。S1112の後,遊技制御用マイコン81は,図7に示した大当たり種別テーブルを用いて,読み出した大当たり種別乱数に基づいて,大当たりの種別の判定を行う(S1113)。S1113の後,遊技制御用マイコン81は,大当たり種別に応じた停止図柄データを決定し(S1114),大当たり判定処理を終了する。
一方,大当たりに当選していない,すなわちハズレの場合(S1111:NO),遊技制御用マイコン81は,ハズレに応じた停止図柄データを決定し(S1131),大当たり判定処理を終了し,特別図柄待機処理に戻る。
図20の説明に戻り,S1011の後,遊技制御用マイコン81は,読み出した変動パターン乱数およびリーチ乱数に基づいて,変動パターンを決定する(S1012)。具体的にS1012では,遊技制御用マイコン81は,大当たりに当選している場合は,大当たりの種別と,変動パターン乱数と,図10に示した変動パターンテーブルとを用いて,遊技状態に応じた変動パターンを決定する。
S1012の後,遊技制御用マイコン81は,第1特図保留と第2特図保留のうち大当たりの判定対象となった特図保留の数を1つ減算する(S1013)。そして,大当たりの判定対象となった特図保留の記憶部における各特図保留のデータを現在の記憶領域から読み出しの優先度が高い側の記憶領域に1つシフトするとともに,最後にシフトされたシフト元の記憶領域を初期化する(S1014)。これにより,特図保留が記憶された順に消化される。
S1014の後,遊技制御用マイコン81は,S1012にて決定した変動パターンに従って,特別図柄表示器41に特別図柄の変動表示を開始させる(S1015)。すなわち,大当たりの判定対象が第1特図保留であれば,第1特別図柄表示器41aに特別図柄の変動表示を開始させ,大当たりの判定対象が第2特図保留であれば,第2特別図柄表示器41bに特別図柄の変動表示を開始させる。このとき遊技制御用マイコン81は,変動開始コマンドを,RAM84の出力バッファにセットする。変動開始コマンドには,停止図柄データの情報や変動パターンの情報が含まれる。変動開始コマンドは,サブ制御基板90に出力され,サブ制御基板90によって変動開始コマンドに応じた演出が実行される。S1015の後,遊技制御用マイコン81は,特別動作ステータスを2に変更し(S1017),特別図柄待機処理を終了する。
[特別図柄変動中処理]
図22は,図19のS912の特別図柄変動中処理の手順を示している。特別図柄変動中処理では,遊技制御用マイコン81は先ず,特別図柄の変動時間が経過したか否かを判断する(S1501)。変動時間は,前述した特別図柄待機処理のS1012によって決定された変動パターンによって決められる。特別図柄の変動時間が経過していない場合(S1501:NO),特別図柄変動中処理を終了する。すなわち,特別図柄の変動表示が継続される。
一方,特別図柄の変動時間が経過した場合(S1501:YES),遊技制御用マイコン81は,変動停止コマンドを,RAM84の出力バッファにセットする(S1502)。変動停止コマンドは,サブ制御基板90に出力され,サブ制御基板90によって変動停止コマンドに応じた演出が実行される。S1502の後,遊技制御用マイコン81は,特別動作ステータスを3に変更する(S1503)。
S1503の後,遊技制御用マイコン81は,特別図柄表示器41に特別図柄の変動表示を停止させる(S1504)。そして,遊技制御用マイコン81は,特別図柄を一定時間にわたって停止表示させるための停止時間をセットし(S1505),特別図柄変動中処理を終了する。
[特別図柄確定処理]
図23は,図19のS922の特別図柄確定処理の手順を示している。特別図柄確定処理では,遊技制御用マイコン81は先ず,前述した特別図柄変動中処理のS1505でセットされた停止時間が経過したか否かを判断する(S1601)。停止時間が経過していなければ(S1601:NO),特別図柄確定処理を終了する。
停止時間が経過していれば(S1601:YES),遊技制御用マイコン81は,遊技状態を管理する遊技状態管理処理を実行する(S1602)。図24に,遊技状態管理処理の手順を示す。
遊技状態管理処理では,遊技制御用マイコン81は先ず,高確率状態であるか否かを判断する(S1651)。高確率状態であれば(S1651:YES),遊技制御用マイコン81は,確変カウンタを1つ減算する(S1652)。確変カウンタは,高確率状態で大当たりの抽選を実行できる残りの回数を示すものである。そして,高確率状態で大当たりの抽選が行われる度に,確変カウンタは1ずつ減算される。
S1652の後,遊技制御用マイコン81は,確変カウンタの値が0になったか否かを判断する(S1653)。確変カウンタの値が0であれば(S1653:YES),遊技制御用マイコン81は,通常確率状態に設定する(S1654)。なお,遊技制御用マイコン81は,通常確率状態であった場合(S1651:NO),確変カウンタの減算や通常確率状態の設定を行わない。
S1654の後,または確変カウンタの値が0でない場合(S1653:NO),または高確率状態でなければ(S1651:NO),遊技制御用マイコン81は,時短状態であるか否かを判断する(S1661)。時短状態であれば(S1661:YES),遊技制御用マイコン81は,時短カウンタを1つ減算する(S1662)。時短カウンタは,時短状態で大当たりの抽選を実行できる残りの回数を示すものである。そして,時短状態で大当たりの抽選が行われる度に,時短カウンタは1ずつ減算される。
S1662の後,遊技制御用マイコン81は,時短カウンタの値が0になったか否かを判断する(S1663)。時短カウンタの値が0であれば(S1663:YES),遊技制御用マイコン81は,非時短状態に設定する(S1664)なお,遊技制御用マイコン81は,非時短状態であった場合(S1661:NO),時短カウンタの減算や非時短状態の設定は行わない。
S1664の後,または時短カウンタの値が0でない場合(S1663:NO),または時短状態でなければ(S1661:NO),遊技状態管理処理を終了する。図23の説明に戻り,遊技制御用マイコン81は,大当たりフラグがオンか否か,すなわち大当たりに当選したか否かを判断する(S1611)。大当たりフラグがオンであれば(S1611:YES),遊技制御用マイコン81は,特別動作ステータスを4に変更する(S1612)。そして,遊技制御用マイコン81は,遊技状態を初期化する(S1613)。具体的にS1613では,遊技状態を,通常確率状態かつ非時短状態とする。これにより,後述する大当たり遊技の実行中は,通常確率状態かつ非時短状態として制御される。つまり,大当たり遊技の実行中,パチンコ遊技機1は,低ベース状態になる。
S1613の後,遊技制御用マイコン81は,大当たり遊技を開始するべく,大当たりのオープニングコマンドを,RAM84の出力バッファにセットする(S1621)。出力バッファにセットされたオープニングコマンドは,サブ制御基板90に出力され,サブ制御基板90によってコマンドに応じた処理が実行される。これにより,大当たり遊技のオープニングが開始されることになる。
S1621の後,遊技制御用マイコン81は,大入賞口についての,大当たりの種別に応じた開放パターン(図8参照)を決定する(S1622)。さらに遊技制御用マイコン81は,大当たり遊技中の大入賞口の開放回数をカウントするカウンタの値を,大当たりの種別に応じた値にセットする(S1623)。パチンコ遊技機1では,「16R確変大当たり」あるいは「16R通常大当たり」であれば,第1大入賞口30を16回開放することから,カウンタ値に16がセットされる。「4R確変大当たり」であれば,第2大入賞口35を4回開放することから,カウンタ値に4がセットされる。S1623の後,遊技制御用マイコン81は,決定された開放パターンに従って,所定の大入賞口の作動を開始する(S1624)。すなわち,それぞれの大入賞口に対応するソレノイドに対する制御を開始する。S1624の後,特別図柄確定処理を終了する。
一方,大当たりフラグがオンでなければ(S1611:NO),ハズレに当選しており,大当たり遊技を実行しないことから,遊技制御用マイコン81は,特別動作ステータスを1に変更する(S1631)。S1631の後,特別図柄確定処理を終了する。
[大当たり遊技処理]
図25は,図19のS932の大当たり遊技処理の手順を示している。大当たり遊技処理では,遊技制御用マイコン81は先ず,大当たり終了フラグがオンか否かを判断する(S2001)。大当たり終了フラグは,大当たり遊技が終了したことを示すフラグであり,大当たり遊技の開始時はオフである。
大当たり終了フラグがオフであれば(S2001:NO),遊技制御用マイコン81は,大入賞口が開放中か否かを判断する(S2011)。パチンコ遊技機1は,大当たり遊技中はラウンド数に応じて第1大入賞口30もしくは第2大入賞口35を開放させることから(図8参照),S2011ではラウンド数に応じた大入賞口が開放されているか否かを判断することになる。ラウンド数は,総ラウンド数と開放カウンタの値とによって求められる。
大入賞口が開放されていなければ(S2011:NO),遊技制御用マイコン81は,大入賞口を開放させる時間になったか否かを判断する(S2012)。具体的にS2012では,遊技制御用マイコン81は,大当たり遊技のオープニングが終了して第1ラウンドに対応する大入賞口の開放を開始する時間になったか,または前回の開放終了からのインターバル時間が経過して今回のラウンドに対応する大入賞口の開放を開始する時間になったか,否かを判断する。
大入賞口を開放させる時間になっていれば(S2012:YES),遊技制御用マイコン81は,前述した特別図柄確定処理のS1622にてセットされた開放パターンに従って,開放させる時間になった大入賞口を開放させる(S2015)。S2015の後,遊技制御用マイコン81は,ラウンドコマンドを,RAM84の出力バッファにセットする(S2016)。出力バッファにセットされたラウンドコマンドは,サブ制御基板90に出力され,サブ制御基板90によってコマンドに応じた処理が実行される。これにより,大当たり遊技中のラウンド番号が通知されることになる。S2016の後,あるいは大入賞口を開放させる時間になっていなければ(S2012:NO),大当たり遊技処理を終了する。
一方,大入賞口が開放されていれば(S2011:YES),遊技制御用マイコン81は,大入賞口の閉塞条件を満たしているか否かを判断する(S2021)。大入賞口の閉塞条件には,大入賞口への遊技球の入賞が既定の最大入賞個数以上あること,セットされている開放パターンに従う開放時間が経過したこと,が含まれる。遊技制御用マイコン81では,これらの条件のうち1つでも満たしている場合には,大入賞口の閉塞条件を満たしたと判断する。なお,本形態では,最大入賞個数を8個とする。大入賞口の閉塞条件を満たしていない場合(S2021:NO),大当たり遊技処理を終了する。すなわち,大入賞口の開放を継続する。
大入賞口の閉塞条件を満たしている場合(S2021:YES),遊技制御用マイコン81は,閉塞条件を満たした大入賞口を閉塞させる(S2022)。S2022の後,遊技制御用マイコン81は,開放カウンタを1つ減算する(S2023)。そして,遊技制御用マイコン81は,開放カウンタが0になったか否かを判断する(S2031)。
開放カウンタが0になった場合(S2031:YES),遊技制御用マイコン81は,大当たり遊技を終了するべく,大当たりのエンディングコマンドを,RAM84の出力バッファにセットする(S2032)。出力バッファにセットされたエンディングコマンドは,サブ制御基板90に出力され,サブ制御基板90によってコマンドに応じた処理が実行される。これにより,大当たり遊技のエンディングが開始されることになる。
S2032の後,遊技制御用マイコン81は,大当たり終了フラグをオンにし(S2033),大当たり遊技処理を終了する。また,開放カウンタが0でない場合(S2031:NO),大当たり遊技が継続中であり,大入賞口の次の開放のために,S2032〜S2033を行うことなく,大当たり遊技処理を終了する。
一方,大当たり終了フラグがオンであれば(S2001:YES),大当たり遊技における大入賞口の開放がすべて終了し,エンディングが開始されていることから,遊技制御用マイコン81は,エンディングの時間が経過したか否かを判断する(S2041)。エンディングの時間が経過していれば(S2041:YES),遊技制御用マイコン81は,大当たり終了フラグをオフにし(S2042),大当たりフラグをオフにし(S2043),特別動作ステータスを1に変更する(S2044)。S2044の後,遊技制御用マイコン81は,遊技状態を設定する遊技状態設定処理を実行する(S2045)。
具体的にS2045では,図26に示すように,遊技制御用マイコン81は,遊技制御用マイコン81は,遊技状態を高確率状態に設定する(S2051)。さらに遊技制御用マイコン81は,確変カウンタに10をセットする(S2052)。これにより,パチンコ遊技機1は,大当たりに当選した場合には,高確率状態で連続して最大10回の大当たりの抽選が可能になる。そして,パチンコ遊技機1は,確変カウンタがセットされた後,次に大当たりに当選するまで,あるいは大当たりに当選することなく10回の大当たりの抽選が行われるまで,高確率状態での遊技を可能にする。
さらに遊技制御用マイコン81は,時短状態に設定する(S2061)。すなわち,パチンコ遊技機1は,大当たりに当選した場合,遊技状態が,高確率状態かつ時短状態となる。S2061の後,遊技制御用マイコン81は,当選した大当たりの種別が「16R確変大当たり」か否かを判断する(S2062)。当選した大当たりの種別が「16R確変大当たり」であれば(S2062:YES),遊技制御用マイコン81は,時短カウンタに100をセットする(S2071)。これにより,パチンコ遊技機1は,16R確変大当たりに当選した場合には,時短状態で連続して最大100回の大当たりの抽選が可能になる。そして,パチンコ遊技機1は,時短カウンタがセットされた後,次に大当たりに当選するまで,あるいは大当たりに当選することなく100回の大当たりの抽選が行われるまで,時短状態での遊技を可能にする。
一方,当選した大当たりの種別が「16R確変大当たり」でなければ(S2062:NO),遊技制御用マイコン81は,当選した大当たりの種別が「8R確変大当たり」か否かを判断する(S2063)。当選した大当たりの種別が「8R確変大当たり」であれば(S2063:YES),遊技制御用マイコン81は,時短カウンタに50をセットする(S2072)。一方,当選した大当たりの種別が「8R確変大当たり」でなければ(S2063:NO),「4R確変大当たり」に当選していることから,遊技制御用マイコン81は,時短カウンタに25をセットする(S2073)。このようにパチンコ遊技機1は,大当たり遊技のラウンド数が多い大当たりに当選するほど,時短カウンタにセットされる値が大きく,時短状態での遊技中に次の大当たりに当選する可能性が高まる。すなわち,時短状態が継続する確率が高い。S2701,S2072,あるいはS2073の後,遊技状態設定処理を終了する。さらに図25の大当たり遊技処理に戻り,大当たり遊技処理を終了する。
7.演出制御用マイコン91の動作
続いて,パチンコ遊技機1のサブ制御基板90における演出制御用マイコン91の動作について説明する。演出制御用マイコン91が実行する具体的な処理としては,サブ側起動処理がある。なお,演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ,タイマ,フラグ,ステータス,バッファ,などは,RAM94に設けられる。
[サブ側起動処理]
演出制御用マイコン91が実行するサブ側起動処理について,図27のフローチャートを参照しつつ説明する。サブ側起動処理は,パチンコ遊技機1の電源オンを契機に,演出制御用マイコン91によって実行される。
サブ側起動処理では,演出制御用マイコン91は先ず,CPU92の初期化を行う(S4001)。具体的にS4001では,演出制御用マイコン91は,例えば,スタックの設定,定数設定,CPUの設定,SIO,PIO,CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定,を行う。また,S4001では,遊技制御用マイコン81からRAM初期化コマンドを受信していた場合,演出制御用マイコン91は,RAM94を初期化する。これにより,RAM94に記憶されていた各種の情報が失われる。なお,S4001は,電源投入後に一度だけ実行され,その後は実行されない。
S4001の後,演出制御用マイコン91は,割り込みを禁止する(S4004)。次いで,演出制御用マイコン91は,各種の乱数の値を更新する(S4005)。具体的にS4005では,演出制御用マイコン91は,演出図柄乱数,変動演出パターン乱数,予告演出乱数,予告演出種類乱数,告知乱数の各種の乱数の値を更新する。これらの乱数は,先に説明した遊技制御用マイコン81にて用いられる乱数とは異なる乱数であり,演出制御用マイコン91でのみ用いられる。乱数の更新方法としては,遊技制御用マイコン81と同様であってもよいし,異なってもよい。
S4005の後,演出制御用マイコン91は,RAM94の出力バッファにセットされている各種のコマンドを,画像制御基板100等に送信する(S4006)。例えば,コマンドを受信した画像制御基板100は,そのコマンドに従って画像表示装置7に各種の静止画ないし動画を表示させ,スピーカ67に各種の音声を出力させる。すなわち,演出図柄変動演出や,大当たり遊技に伴う遊技演出や,客待ち演出等を実行する。
なお,画像制御基板100による各種の演出の実行に伴って,演出制御用マイコン91は,ランプ中継基板107を介して枠ランプ66を点灯させる。なお,前述したように主制御基板80はサブ制御基板90からの入力を受け付けないことから,S4006から送信されるコマンドは遊技制御用マイコン81には入力されない。
S4006の後,演出制御用マイコン91は,割り込みを許可する(S4007)。以降,S4004〜S4007を繰り返す。割り込みが許可されている間は,サブ側2msタイマ割り込み処理(S4009),サブ側10msタイマ割り込み処理(S4010),の各種の処理の実行が可能になる。
なお,演出制御用マイコン91は,S4009,S4010以外の割り込み処理も実行する。例えば,演出制御用マイコン91は,主制御基板80から送られたコマンドが演出制御用マイコン91の入出力回路97に入力された場合に,そのコマンドをRAM94に記憶させる主制御コマンド割り込み処理を実行する。主制御コマンド割り込み処理は,他の割り込み処理(S4009,S4010)に優先して実行される。
[サブ側2msタイマ割り込み処理]
次に,サブ側2msタイマ割り込み処理について,図28のフローチャートを参照しつつ説明する。サブ側2msタイマ割り込み処理は,2ms周期の割り込みパルスが入力される度に,演出制御用マイコン91によって実行される。
サブ側2msタイマ割り込み処理では,演出制御用マイコン91は先ず,演出ボタン検出スイッチ63xからの出力信号に基づいて,演出ボタン63への操作の有無の情報を示すスイッチデータを作成する(S4201)。なお,パチンコ遊技機1にこれら以外の入力部材が設けられている場合,その入力部材の入力の有無の情報もスイッチデータに含める。
S4201の後,演出制御用マイコン91は,後述するサブ側10msタイマ割り込み処理にて作成されるランプデータに従って,枠ランプ66を点灯ないし消灯させるための制御を行う(S4202)。さらに,演出制御用マイコン91は,同じくサブ側10msタイマ割り込み処理にて作成される可動体駆動データに従って,盤可動体15を変位させるための制御を行う(S4203)。
S4203の後,演出制御用マイコン91は,ウォッチドックタイマをリセットする等,その他の処理を実行する(S4299)。S4299の後,サブ側2msタイマ割り込み処理を終了する。
[サブ側10msタイマ割り込み処理]
次に,サブ側10msタイマ割り込み処理について,図29のフローチャートを参照しつつ説明する。サブ側10msタイマ割り込み処理は,10ms周期の割り込みパルスが入力される度に,演出制御用マイコン91によって実行される。
サブ側10msタイマ割り込み処理では,演出制御用マイコン91は先ず,主制御基板80から受信したコマンドを解析するサブ側受信コマンド解析処理を実行する(S4301)。S4301の詳細については後述する。S4301の後,演出制御用マイコン91は,特図保留の数の変化に応じて,演出保留画像に関する演出を行う(S4302)。
S4302の後,演出制御用マイコン91は,サブ側2msタイマ割り込み処理のS4201にて作成されたスイッチデータを取得する(S4303)。そして,演出制御用マイコン91は,スイッチデータに基づいて,各種の入力部材への操作に応じたスイッチ制御を行う(S4304)。
S4304の後,演出制御用マイコン91は,各種の演出に応じて,枠ランプ66の点灯制御を行うためのランプデータを作成する(S4305)。さらに,演出制御用マイコン91は,盤可動体15の稼働制御を行うための可動体駆動データを作成する(S4306)。
S4306の後,演出制御用マイコン91は,演出制御用マイコン91で用いる各種の乱数を更新する等,その他の処理を実行し(S4399),サブ側10msタイマ割り込み処理を終了する。
[サブ側受信コマンド解析処理]
図30は,図29のS4301のサブ側受信コマンド解析処理の手順を示している。サブ側受信コマンド解析処理では,演出制御用マイコン91は先ず,主制御基板80から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンドもしくは第2始動入賞コマンド)を受信したか否かを判断する(S4401)。第1始動入賞コマンドは,遊技球の第1分岐通路71の通過を契機に,主制御基板80から出力される。第2始動入賞コマンドは,遊技球の第2分岐通路72の通過を契機に,主制御基板80から出力される。前述したように,始動入賞コマンドには,大当たりの当否,大当たりの種別,リーチの有無,さらにはSPリーチを行うか否か,の各情報が含まれる。
主制御基板80から始動入賞コマンドを受信した場合(S4401:YES),演出制御用マイコン91は,受信した始動入賞コマンドに対応する保留カウンタおよび受信カウンタに1を加算する(S4402)。保留カウンタは,第1特図保留記憶部95aに対応する第1特図保留カウンタと,第2特図保留記憶部95bに対応する第2特図保留カウンタと,の2種類有り,始動入賞コマンドが記憶が受信される度に,始動入賞コマンドを記憶する特図保留記憶部に対応する保留カウンタが1つ加算される。つまり,保留カウンタは,特図保留記憶部ごとに,記憶される始動入賞コマンドの数をカウントするカウンタである。受信カウンタは,始動入賞コマンドを受信する度にカウントアップされるカウンタである。演出制御用マイコン91は,受信カウンタ値の大小を比較することによって,始動入賞コマンドを受信した順,すなわち始動口に入賞した順序を把握できる。
S4402の後,演出制御用マイコン91は,受信した始動入賞コマンドおよび受信カウンタ値をRAM94に記憶する(S4403)。具体的にS4403では,受信した始動入賞コマンドが,第1始動入賞コマンドであれば,第1特図保留記憶部95aに記憶し,第2始動入賞コマンドであれば,第2特図保留記憶部95bに記憶する。なお,始動入賞コマンドは,各特図保留記憶部において設けられている4つの記憶領域のうち,始動入賞コマンドが記憶されていない記憶領域に記憶される。
S4403の後,あるいは主制御基板80から始動入賞コマンドを受信していない場合(S4401:NO),演出制御用マイコン91は,変動開始コマンドを受信したか否かを判断する(S4411)。変動開始コマンドは,例えば,特別図柄の変動表示を開始するにあたって主制御基板80から出力される。
主制御基板80から変動開始コマンドを受信した場合(S4411:YES),演出制御用マイコン91は,特図保留記憶部95に記憶される各始動入賞コマンドの記憶領域をシフトする(S4412)。具体的にS4412では,演出制御用マイコン91は,特図保留記憶部95に記憶される各始動入賞コマンドのうち最も優先度が高い始動入賞コマンド,すなわち最も小さい値の受信カウンタに対応する始動入賞コマンドを記憶していた特図保留記憶部に記憶される各始動入賞コマンドを,現在の記憶領域から読み出しの優先度が高い側の記憶領域に1つシフトするとともに,最後にシフトされたシフト元の記憶領域を初期化する。
4412の後,演出制御用マイコン91は,S4412にてシフトされた始動入賞コマンドを記憶する特図保留記憶部に対応する保留カウンタに1を減算する(S4413)。S4413の後,演出制御用マイコン91は,RAM94に記憶する始動入賞コマンドのうち最も優先度が高い1つの始動入賞コマンドや変動開始コマンドを用いて,演出図柄変動演出等の演出を開始させる変動演出開始処理を実行する(S4414)。S4414の詳細については後述する。
S4414の後,あるいは主制御基板80から変動開始コマンドを受信していない場合(S4411:NO),演出制御用マイコン91は,主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否かを判断する(S4431)。オープニングコマンドは,大当たり遊技等,特別遊技を開始するにあたって主制御基板80から出力される。
主制御基板80からオープニングコマンドを受信した場合(S4431:YES),演出制御用マイコン91は,特別遊技のオープニング演出に関するオープニング演出処理を実行する(S4432)。S4432の詳細については後述する。
S4432の後,または主制御基板80からオープニングコマンドを受信していない場合(S4431:NO),演出制御用マイコン91は,主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否かを判断する(S4441)。エンディングコマンドは,例えば,特別遊技を終了するにあたって主制御基板80から出力される。
主制御基板80からエンディングコマンドを受信した場合(S4441:YES),演出制御用マイコン91は,特別遊技のエンディング演出に関するエンディング演出処理を実行する(S4442)。S4442の詳細については後述する。
主制御基板80からエンディングコマンドを受信していない場合(S4441:NO),演出制御用マイコン91は,告知中フラグがオンか否かを判断する(S4443)。告知中フラグは,エンディング演出中における大当たり示唆演出(2回目の大当たり示唆演出)が実行されている場合にオンになるフラグであり,初期値はオフである。告知中フラグがオンになっている場合にも(S4443:YES),演出制御用マイコン91は,エンディング演出処理を実行する(S4442)。
S4442の後,または告知中フラグがオフの場合(S4443:NO),演出制御用マイコン91は,主制御基板80からラウンドコマンドを受信したか否かを判断する(S4451)。ラウンドコマンドは,大当たり遊技の実行中,各ラウンドのラウンド遊技を実行する際,すなわち大入賞口が開口した際に主制御基板80から出力される。
主制御基板80からラウンドコマンドを受信した場合(S4451:YES),演出制御用マイコン91は,ラウンド番号を報知するメッセージを含む画像を,画像表示装置7に表示させるラウンド報知コマンドを,RAM94の出力バッファにセットする(S4452)。S4452にてセットされたラウンド報知コマンドは,サブ側起動処理のS4006にて画像制御基板100に送信される。画像制御基板100のCPU102は,そのコマンドに対応する演出画像をROM103から読み出し,画像表示装置7にその画像を表示させる。
S4452の後,または主制御基板80からラウンドコマンドを受信していない場合(S4451:NO),演出制御用マイコン91は,主制御基板80から客待ち待機コマンドを受信したか否かを判断する(S4461)。客待ち待機コマンドは,例えば,電源オンや,特図保留の数が0になった場合に,主制御基板80から出力される。主制御基板80から客待ち待機コマンドを受信した場合(S4461:YES),演出制御用マイコン91は,客待ち演出を開始する(S4462)。
具体的にS4462では,演出制御用マイコン91は,客待ち演出に対応したシナリオデータをRAM94のシナリオバッファにセットする。客待ち演出としては,例えば,画像表示装置7によるデモンストレーション画像の表示が該当する。その後,演出制御用マイコン91は,客待ち演出を実行するための客待ち演出開始コマンドを,RAM94の出力バッファにセットする。
なお,セットされた客待ち演出開始コマンドおよびシナリオデータは,サブ側起動処理のS4006にて画像制御基板100に送信される。画像制御基板100のCPU102は,そのコマンドに対応する演出画像をROM103から読み出し,画像表示装置7にその画像を表示させる。
S4462の後,または主制御基板80から客待ち待機コマンドを受信していない場合(S4461:NO),演出制御用マイコン91は,前述のコマンド以外のコマンドに対応する処理を実行する(S4499)。前述のコマンド以外のコマンドとしては,例えば,各種の異常報知コマンド,余剰球受皿62の満杯報知コマンドが該当する。S4499の後は,サブ側受信コマンド解析処理を終了する。
[変動演出開始処理]
次に,図30のS4414の変動演出開始処理について,図31のフローチャートを参照しつつ説明する。
変動演出開始処理では,演出制御用マイコン91は先ず,変動開始コマンドの内容を解析し,変動演出パターンの選択を行う(S4701)。変動開始コマンドには,図20のS1012にて決定された変動パターンの情報が含まれる。つまり,始動入賞コマンドと同様に,大当たりの当否,大当たりの種別,リーチの有無,さらにはSPリーチを行うか否か,の各情報が含まれる。演出制御用マイコン91は,選択された変動演出パターンを,変動演出記憶部96に記憶する(S4702)。
具体的にS4701では,演出制御用マイコン91は,変動演出パターン乱数を取得し,変動パターンの種類に応じて分類される複数のテーブルの中から,変動開始コマンドの解析結果に基づいて1つのテーブルを選択し,そのテーブルを用いて,取得した変動演出パターン乱数を判定することにより,変動演出パターンを選択する。これにより,画像表示装置7によって表示される画像の種類やその表示タイミング,枠ランプ66の点灯の有無やその点灯タイミング,盤可動体15の稼働の有無やその稼働タイミングといった詳細まで含めて変動演出の内容が決定される。つまり変動演出パターンが決まれば,変動演出の時間,演出図柄の変動表示態様,リーチ演出の有無,リーチ演出の内容,演出中のボタン操作の有無,演出の展開構成,演出図柄の組み合わせ,背景の種類等,変動演出の詳細,すなわち演出図柄変動演出を含む変動中の演出のシナリオが決まることになる。
S4702の後,演出制御用マイコン91は,予告演出の選択を行う予告演出選択処理を実行する(S4711)。具体的にS4711では,演出制御用マイコン91は,演出図柄変動演出中の予告演出の実行有無を判定し,予告演出を実行する場合には,予告演出乱数や予告演出種類乱数を取得し,これらの乱数を判定することにより,予告演出を選択する。これにより,連続予告,カットイン予告,ステップアップ予告等,各種の予告演出の内容が決定される。演出制御用マイコン91は,選択された予告演出の情報を,変動演出記憶部96に記憶する(S4712)。
S4712の後,演出制御用マイコン91は,選択された変動演出パターンおよび予告演出を含む変動演出開始コマンドを,RAM94の出力バッファにセットする(S4751)。セットされた変動演出開始コマンドは,サブ側起動処理のS4006にて画像制御基板100等に送信される。画像制御基板100のCPU102は,そのコマンドに対応する演出画像等をROM103から読み出し,画像表示装置7にその画像を表示させる。これにより,演出図柄変動演出が開始される。S4751の後,変動演出開始処理を終了する。
[オープニング演出処理]
図32は,図30のS4432のオープニング演出処理の手順を示している。オープニング演出処理では,オープニング演出を行い,さらにオープニング演出中に1回目の大当たり示唆演出を行う。
オープニング演出処理では,演出制御用マイコン91は先ず,オープニング演出に関する画像を,画像表示装置7に表示させるオープニング演出開始コマンドを,RAM94の出力バッファにセットする(S4801)。S4801にてセットされたオープニング演出開始コマンドは,サブ側起動処理のS4006にて画像制御基板100に送信される。画像制御基板100のCPU102は,そのコマンドに対応する演出画像をROM103から読み出し,画像表示装置7にその画像を表示させる。
S4801の後,演出制御用マイコン91は,現在の特図保留の数をRAM94に記憶する(S4802)。具体的に演出制御用マイコン91は,第1特図保留記憶部95aに記憶される第1特図保留の数と,第2特図保留記憶部95bに記憶される第2特図保留の数と,の合計を記憶する。
S4802の後,演出制御用マイコン91は,大当たり示唆演出の導入パートのシナリオを決定するために,特図保留の数が閾値以上か否かを判断する(S4811)。閾値は,特図保留記憶部95に記憶可能な特図保留の上限値よりも小さい値であればよい。本形態では,閾値を4とする。そして,特図保留の数が閾値以上の場合(S4811:YES),演出制御用マイコン91は,図12(B1)に示したような変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が有る期待度が高い,すなわち課題の難易度が低い導入パートのシナリオ(「期待度強シナリオ」とする)を選択する(S4812)。一方,特図保留の数が閾値以上でない場合(S4811:NO),演出制御用マイコン91は,図12(B2)に示したような変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が有る期待度が低い,すなわち課題の難易度が高い導入パートのシナリオ(「期待度弱シナリオ」とする)を選択する(S4813)。
変動開始前の特図保留の数が多いほど,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が有る可能性が高くなる。そこで,パチンコ遊技機1は,特図保留の数の大小に応じて,大当たり示唆演出の導入パートのシナリオを選択する。すなわち,特図保留の数が閾値以上の場合には,閾値以上でない場合と比較して,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が有る期待度が高いシナリオを選択する。これにより,パチンコ遊技機1は,遊技者に対して,先読みの対象となる特図保留の数の大小を示唆し得る。
S4812あるいはS4813の後,演出制御用マイコン91は,大当たり示唆演出の告知パートのシナリオを決定するために,全ての特図保留の先読みを行う(S4821)。具体的に演出制御用マイコン91は,特図保留記憶部95に記憶される個々の特図保留のコマンドを解析し,大当たりに当選すると判定される予定か否かを判断する。
S4821の後,演出制御用マイコン91は,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が有るか否かを判断する(S4822)。大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が有る場合には(S4822:YES),演出制御用マイコン91は,大当たりに当選する予定の特図保留が有る旨を示唆する告知パートのシナリオ(「大当たり有シナリオ」)を選択する(S4823)。さらに,告知済フラグをオンにする(S4825)。告知済フラグは,大当たり示唆演出によって大当たりに当選する予定の特図保留が有る旨を告知したか否かを記憶するフラグであり,大当たりに当選する予定の特図保留が有る旨を告知した場合にオンになる。
一方,大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が無い場合には(S4822:NO),演出制御用マイコン91は,大当たりに当選する予定の特図保留が無い旨を示唆する告知パートのシナリオ(「大当たり無シナリオ」)を選択する(S4824)。
つまり,演出制御用マイコン91では,大当たり示唆演出のシナリオとして,特図保留の数が閾値以上であり,かつ大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が有る場合には,導入パートが期待度高シナリオで,告知パートが大当たり有シナリオとなる組み合わせを選択する。特図保留の数が閾値以上であり,かつ大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が無い場合には,導入パートが期待度高シナリオで,告知パートが大当たり無シナリオとなる組み合わせを選択する。特図保留の数が閾値以上でなく,かつ大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が有る場合には,導入パートが期待度低シナリオで,告知パートが大当たり有シナリオとなる組み合わせを選択する。特図保留の数が閾値以上でなく,かつ大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が無い場合には,導入パートが期待度低シナリオで,告知パートが大当たり無シナリオとなる組み合わせを選択する。
なお,本形態では,2種類の導入パートのシナリオを有し,特図保留の数が閾値以上か否かによって導入パートのシナリオを選択しているが,3種類の導入パートのシナリオを有し,特図保留の数を3段階(例えば,特図保留の数が0〜2を第1段階,3〜5を第2段階,6〜8を第3段階)に区別し,各段階に応じて導入パートのシナリオを選択するようにしてもよい。勿論,4種類以上の導入パートのシナリオを用意し,各段階に応じて導入パートのシナリオを選択するようにしてもよい。
S4824あるいはS4825の後,演出制御用マイコン91は,選択された大当たり示唆演出のシナリオに関する画像を,画像表示装置7に表示させる大当たり示唆演出開始コマンドを,RAM94の出力バッファにセットする(S4831)。S4831にてセットされた大当たり示唆演出開始コマンドは,サブ側起動処理のS4006にて画像制御基板100に送信される。画像制御基板100のCPU102は,そのコマンドに対応する演出画像をROM103から読み出し,画像表示装置7にその画像を表示させる。なお,大当たり示唆演出は,オープニング演出よりも優先される。そのため,オープニング演出は,大当たり示唆演出が終了するまで中断する。S4831の後,オープニング演出処理を終了する。
[エンディング演出処理]
図33は,図30のS4442のエンディング演出処理の手順を示している。エンディング演出処理では,エンディング演出を行い,さらにエンディング演出中に,2回目の大当たり示唆演出を行う。また,エンディング演出中の大当たり示唆演出では,告知パートに入る直前のタイミングで特図保留の先読みを行う。この点,導入パートを開始する際に特図保留の先読みを行うオープニング演出中の大当たり示唆演出とは異なる。
エンディング演出処理では,演出制御用マイコン91は先ず,告知中フラグがオンか否かを判断する(S4901)。告知中フラグは,前述したように,大当たり示唆演出の実行中にオンとなるフラグである。
告知中フラグがオフの場合(S4901:NO),すなわち大当たり示唆演出が実行されていない場合,演出制御用マイコン91は,エンディング演出に関する画像を,画像表示装置7に表示させるエンディング演出開始コマンドを,RAM94の出力バッファにセットする(S4911)。S4911にてセットされたエンディング演出開始コマンドは,サブ側起動処理のS4006にて画像制御基板100に送信される。画像制御基板100のCPU102は,そのコマンドに対応する演出画像をROM103から読み出し,画像表示装置7にその画像を表示させる。
S4911の後,演出制御用マイコン91は,告知済フラグがオンか否かを判断する(S4912)。告知済みフラグがオンの場合(S4912:YES),既に大当たりの当選を告知しているため,改めて告知する必要性に乏しい。そこで,演出制御用マイコン91は,2回目の大当たり示唆演出を開始せずに,告知済フラグをオフにして(S4925),エンディング演出処理を終了する。
告知済みフラグがオフの場合(S4912:NO),演出制御用マイコン91は,記憶されている特図保留の数が上限値であるか否かを判断する(S4913)。特図保留の数が上限値の場合(S4913:YES),1回目の大当たり示唆演出の実行後にRAM94に記憶される新規の特図保留が生じないため,改めて告知する必要性に乏しい。そこで,演出制御用マイコン91は,2回目の大当たり示唆演出を開始せずに,告知済フラグをオフにして(S4925),エンディング演出処理を終了する。
特図保留の数が上限値でない場合(S4913:NO),演出制御用マイコン91は,2回目の大当たり示唆演出を開始するために,大当たり示唆演出の導入パートのシナリオとして,期待度弱シナリオを選択する(S4921)。なお,本形態では,期待度弱シナリオのみが選択される構成であるが,1回目の大当たり示唆演出の開始時から現時点までの間の特図保留の増加分の大小に応じて,導入パートのシナリオを選択してもよい。また,大当たり遊技のラウンド数に応じて,導入パートのシナリオを選択してもよい。具体的には,ラウンド数が多いほど1回目の大当たり示唆演出と2回目の大当たり示唆演出との間の期間が長く,特図保留の数が増加し易い。そのため,ラウンド数が閾値以上の場合に,期待度強シナリオとし,ラウンド数が閾値以上でない場合に,期待度弱シナリオとしてもよい。
S4921の後,演出制御用マイコン91は,大当たり示唆演出のうち導入パートのシナリオに関する画像を,画像表示装置7に表示させる大当たり示唆導入パート開始コマンドを,RAM94の出力バッファにセットする(S4922)。すなわち,エンディング演出中に大当たり示唆演出を行う場合,エンディング演出の開始時に導入パートのシナリオのみ決定され,告知パートのシナリオは決定されない。告知パートのシナリオは,大当たり示唆演出中の所定のタイミングで選択される。そこで,演出制御用マイコン91は,告知パートが未定の大当たり示唆演出の実行中であることを記憶するため,告知中フラグをオンにし(S4923),告知済フラグをオフにする(S4925)。なお,大当たり示唆演出は,エンディング演出よりも優先される。そのため,エンディング演出は,大当たり示唆演出が終了するまで中断する。S4925の後,エンディング演出処理を終了する。
一方,告知中フラグがオンの場合(S4901:YES),すなわち大当たり示唆演出が実行されている場合,演出制御用マイコン91は,大当たり示唆演出での告知パートを決定しなければならないタイミングである決定タイミングになったか否かを判断する(S4951)。決定タイミングは,導入パートから告知パートに切り替わる直前(例えば,3〜5秒前)であり,演出制御用マイコン91は,大当たり示唆演出の開始時点(例えば,S4922の大当たり示唆導入パート開始コマンドをセットした時点)からの経過時間によって,決定タイミングになったことを判断する。決定タイミングになっていない場合(S4951:NO),エンディング演出処理を終了する。
決定タイミングになった場合(S4951:YES),演出制御用マイコン91は,オープニング演出での大当たり示唆演出の開始時から現時点までの間の特図保留の増加分,すなわちオープニング演出での大当たり示唆演出にて先読みの対象にならなかった新規の特図保留について,先読みを行う(S4961)。演出制御用マイコン91は,S4802において,1回目の大当たり示唆演出の開始時の特図保留の数,すなわち1回目の大当たり示唆演出での先読みの対象となった特図保留の数を記憶している。そのため,オープニング演出での大当たり示唆演出の開始時以降に記憶された特図保留を把握できる。
S4961の後,演出制御用マイコン91は,新規の特図保留の中に大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が有るか否かを判断する(S4962)。新規の特図保留の中に大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が有る場合には(S4962:YES),演出制御用マイコン91は,告知パートのシナリオとして,大当たり有シナリオを選択する(S4963)。一方,新規の特図保留の中に大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が無い場合には(S4962:NO),演出制御用マイコン91は,大当たり無シナリオを選択する(S4964)。
S4963あるいはS4964の後,演出制御用マイコン91は,選択された大当たり示唆演出の告知パートのシナリオに関する画像を,画像表示装置7に表示させる大当たり示唆告知パート開始コマンドを,RAM94の出力バッファにセットする(S4966)。S4966にてセットされた大当たり示唆告知パート開始コマンドは,サブ側起動処理のS4006にて画像制御基板100に送信される。画像制御基板100のCPU102は,そのコマンドに対応する演出画像をROM103から読み出し,画像表示装置7にその画像を表示させる。S4966の後,演出制御用マイコン91は,告知中フラグをオフにし(S4967),エンディング演出処理を終了する。
なお,前述のエンディング演出処理では,告知済フラグがオンであった場合,すなわち大当たりに当選する予定の特図保留が有る旨を示唆済みであった場合,エンディング演出処理にて2回目の大当たり示唆演出を実行しないが,S4912を省略し,大当たりの示唆済みか否かにかかわらず,新規の特図保留に関する2回目の大当たり示唆演出を行ってもよい。この場合,遊技者は,新規の特図保留についても大当たりの当選の有無を認識できる。一方で,新規の特図保留に大当たりの当選する予定の特図保留が無かった場合に大当たり無シナリオによる2回目の大当たり示唆演出が行われてしまうため,折角,1回目の大当たり示唆演出にて大当たりに当選する予定の特図保留が有る旨を示唆したとしても,遊技者を落胆させてしまうこともある。また,変動開始前の特図保留に大当たりに当選する特図保留が無いものと勘違いさせてしまうこともある。そのため,前述のエンディング演出処理のように,大当たりの示唆済みであった場合,エンディング演出処理にて2回目の大当たり示唆演出を実行しないようにすることで,上述の問題を回避し得る。
8.実施の形態の効果
実施の形態のパチンコ遊技機1は,特図保留の消化条件を満たさない期間中に,2回の先読みを行い,各先読みに対応する大当たり示唆演出を行う。これにより,大当たり遊技中における大当たり示唆演出の実行機会が増え,その結果として,1回目の大当たり示唆演出にて先読みの判定対象とならなかった特図保留についても,その後の2回目の大当たり示唆演出にて先読みの判定対象となり,その2回目の大当たり示唆演出にて大当たりが示唆される可能性がある。従って,変動開始前の特図保留に関する大当たりの示唆の興趣性が高まり易い。
9.実施の形態の変形例
[第1の変形例]
続いて,実施の形態の変形例について説明する。第1の変形例では,図34に示すように,オープニング演出にて1回目の大当たり示唆演出を行った後,払い出しラウンド期間中の各ラウンドのラウンド演出において,2回目以降の大当たり示唆演出を繰り返し行う。この点,オープニング演出にて1回目の大当たり示唆演出を行った後,エンディング演出において,2回目の大当たり示唆演出を行う実施の形態と異なる。払い出しラウンド期間中に行われる大当たり示唆演出の数は,ラウンド数によって異なる。
また,第1の変形例では,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留があったとしても,大当たりに当選する予定の特図保留が無い旨を示唆することもあり得る。この点,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留があった場合に,必ず大当たりに当選する予定の特図保留が有る旨を示唆する実施の形態と異なる。
また,第1の変形例では,2回目以降の大当たり示唆演出であっても,全ての特図保留を先読みの対象とする。この点,2回目の大当たり示唆演出では,1回目の大当たり示唆演出以降に記憶された新規の特図保留のみを先読みの対象とする実施の形態と異なる。
具体的に,第1の変形例では,S4301のサブ側受信コマンド解析処理が実施の形態と異なる。そのため,サブ側受信コマンド解析処理について図35を参照しつつ説明し,他の処理の説明を省略する。また,実施の形態と同じ処理については同じ符号を付している。
[サブ側受信コマンド解析処理]
第1の変形例におけるサブ側受信コマンド解析処理では,始動入賞コマンドを受信した場合(S4401:YES)の処理,変動開始コマンドを受信した場合(S4411:YES)の処理,客待ち待機コマンドを受信した場合の処理(S4461:YES),その他の処理(S4499)については,実施の形態と同様である。また,オープニングコマンドを受信した場合(S4431:YES),オープニング演出処理を実行することは実施の形態と同様であるが,その処理内容が異なる。第1の変形例におけるオープニング演出処理については後述する。
また,第1の変形例におけるサブ側受信コマンド解析処理では,エンディングコマンドを受信した場合(S4441:YES),演出制御用マイコン91は,エンディング演出に関する画像を,画像表示装置7に表示させるエンディング演出開始コマンドを,RAM94の出力バッファにセットする(S5442)。S5442にてセットされたエンディング演出開始コマンドは,サブ側起動処理のS4006にて画像制御基板100に送信される。画像制御基板100のCPU102は,そのコマンドに対応する演出画像をROM103から読み出し,画像表示装置7にその画像を表示させる。S5442の後,演出制御用マイコン91は,告知済フラグをオフにする(S5443)。
また,第1の変形例におけるサブ側受信コマンド解析処理では,ラウンドコマンドを受信した場合(S4451:YES),演出制御用マイコン91は,特別遊技のラウンド演出に関するラウンド演出処理を実行する(S5452)。S5452の詳細については後述する。
[オープニング演出処理]
次に,第1の変形例におけるオープニング演出処理について,図36のフローチャートを参照しつつ説明する。第1の変形例におけるオープニング演出処理では,演出制御用マイコン91は先ず,オープニング演出開始コマンドを,RAM94の出力バッファにセットする(S4801)。
S4801の後,演出制御用マイコン91は,1回目の大当たり示唆演出の導入パートのシナリオを決定するために,特図保留の数が閾値以上か否かを判断する(S4811)。特図保留の数が閾値以上の場合(S4811:YES),演出制御用マイコン91は,期待度強シナリオを選択する(S4812)。一方,特図保留の数が閾値以上でない場合(S4811:NO),演出制御用マイコン91は,期待度弱シナリオを選択する(S4813)。
S4812あるいはS4813の後,演出制御用マイコン91は,告知パートのシナリオを決定するために,変動開始前の全ての特図保留の先読みを行う(S4821)。そして,演出制御用マイコン91は,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が有るか否かを判断する(S4822)。
変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が有る場合には(S4822:YES),演出制御用マイコン91は,告知乱数を取得する(S5821)。そして,取得した告知乱数に基づいて,大当たりに当選している特図保留がある旨を告知するか否かを判断する(S5822)。本形態では,告知乱数が0〜99までの範囲内の値であり,例えば,取得した告知乱数の値が0〜19までの範囲内の値の場合に,演出制御用マイコン91は,告知すると判断する。
告知すると判断した場合(S5822:YES),演出制御用マイコン91は,告知パートのシナリオとして,大当たり有シナリオを選択する(S4823)。さらに,告知済フラグをオンにする(S4825)。つまり,第1の変形例では,変動開始前の特図保留中に大当たりに当選する予定の特図保留が有ったとしても,必ずしも大当たりに当選する予定の特図保留が有る旨を示唆するわけではなく,大当たりに当選する予定の特図保留が無い旨を示唆することもある。一方,告知しないと判断した場合(S5822:NO),あるいは変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が無い場合には(S4822:NO),演出制御用マイコン91は,大当たり無シナリオを選択する(S4824)。
S4824あるいはS4825の後,演出制御用マイコン91は,選択された大当たり示唆演出のシナリオに関する画像を,画像表示装置7に表示させる大当たり示唆演出開始コマンドを,RAM94の出力バッファにセットする(S4831)。S4831の後,オープニング演出処理を終了する。
[ラウンド演出処理]
図37は,図35のS5452のラウンド演出処理の手順を示している。ラウンド演出処理では,再度,大当たり示唆演出を行う。また,ラウンド演出中の大当たり示唆演出では,全ての特図保留の先読みを行う。
ラウンド演出処理では,演出制御用マイコン91は先ず,ラウンド演出に関する画像を,画像表示装置7に表示させるラウンド演出開始コマンドを,RAM94の出力バッファにセットする(S5901)。S5901にてセットされたラウンド演出開始コマンドは,サブ側起動処理のS4006にて画像制御基板100に送信される。画像制御基板100のCPU102は,そのコマンドに対応する演出画像をROM103から読み出し,画像表示装置7にその画像を表示させる。
S5901の後,演出制御用マイコン91は,現時点で変動開始前の特図保留が有るか否かを判断する(S5902)。変動開始前の特図保留が無ければ(S5902:NO),ラウンド演出処理を終了する。これにより,パチンコ遊技機1では,S5901でセットされたラウンド演出が行われる。
変動開始前の特図保留が有れば(S5902:YES),演出制御用マイコン91は,告知済フラグがオンか否かを判断する(S5903)。告知済みフラグがオンの場合(S5903:YES),既に大当たりに当選する予定の特図保留が有る旨を告知しているため,大当たり示唆演出を開始せずに,ラウンド演出処理を終了する。
告知済みフラグがオフの場合(S5903:NO),演出制御用マイコン91は,2回目以降の大当たり示唆演出を開始するために,大当たり示唆演出の導入パートのシナリオとして,期待度弱シナリオを選択する(S5911)。なお,本形態では,期待度弱シナリオのみが選択される構成であるが,変動開始前の特図保留の数に応じて,導入パートのシナリオを選択してもよい。
S5911の後,演出制御用マイコン91は,告知パートのシナリオを決定するために,変動開始前の全ての特図保留の先読みを行う(S5921)。そして,演出制御用マイコン91は,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が有るか否かを判断する(S5922)。すなわち,第1の変形例では,オープニング演出処理や先のラウンド処理での大当たり示唆演出にて先読み対象となった特図保留を含めて,再度,先読みを行う。
S5921以降の処理は,第1の変形例に係るオープニング演出処理でのS4821以降の処理と同様である。すなわち,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が有る場合には(S5922:YES),演出制御用マイコン91は,告知乱数を取得し(S5923),変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選している特図保留がある旨を告知するか否かを判断する(S5924)。告知すると判断した場合(S5924:YES),演出制御用マイコン91は,告知パートのシナリオとして,大当たり有シナリオを選択する(S5925)。さらに,告知済フラグをオンにする(S5926)。一方,告知しないと判断した場合(S5924:NO),あるいは変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が無い場合には(S5922:NO),演出制御用マイコン91は,大当たり無シナリオを選択する(S5927)。S5926あるいはS5927の後,演出制御用マイコン91は,選択された大当たり示唆演出のシナリオに関する画像を,画像表示装置7に表示させる大当たり示唆演出開始コマンドを,RAM94の出力バッファにセットする(S5931)。S5931の後,ラウンド演出処理を終了する。
なお,第1の変形例では,1ラウンドごとに大当たり示唆演出の実行機会が有るが,所定数のラウンドごと,あるいは前回の大当たり示唆演出からの経過時間が所定時間以上になったラウンド等,特定のラウンドで大当たり示唆演出を実行する構成であってもよい。ラウンド期間は一定ではなく,短時間で終了指定してしまう可能性がある。そのため,1ラウンドごとに大当たり示唆演出の実行機会を設けると,導入パートが短くなるあるいは告知パートが実行されずに次の大当たり示唆演出が開始されてしまう等,大当たり示唆演出の興趣性が低下する可能性がある。そこで,大当たり示唆演出を行うラウンドを減らし,次の大当たり示唆演出の開始までに1ないし複数のラウンドを設けることで,大当たり示唆演出のための時間を確保でき,大当たり示唆演出の興趣性の低下を抑制できる。一方,第1の変形例のように,1ラウンドごとに大当たり示唆演出を実行することで,特定のラウンドで大当たり示唆演出を実行する場合と比較して,変動開始前の特図保留の中の大当たりの有無を示唆できる可能性が高まる。
第1の変形例では,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が有る場合であっても,大当たり有シナリオが選択されないこともある。そのため,大当たり遊技中に,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選している特図保留が有る旨の告知が無くても大当たりに当選することがあり,遊技の興趣性が高まり得る。また,ラウンド演出中にも大当たり示唆演出が行われ,その大当たり示唆演出の開始時の全ての特図保留を判定対象として先読みが行われることから,実施の形態と同様に,新たに記憶された特図保留を反映した大当たり示唆演出が繰り返し実行され,大当たり示唆演出の信頼性が高まる。また,ラウンド演出処理中の大当たり示唆演出では,先の大当たり示唆演出にて先読み対象となった特図保留を含めて,再度,全ての特図保留を判定対象として先読みを行うことから,仮に大当たりに当選する予定の特図保留があるにもかかわらず大当たり無シナリオが選択されたとしても,次の大当たり示唆演出の実行機会に大当たり有シナリオが選択される可能性があり,変動開始前の特図保留の中の大当たりを示唆できる可能性が減り難い。
[第2の変形例]
第2の変形例では,図38に示すように,大当たり遊技の開始前の演出図柄変動演出にて,1回目の大当たり示唆演出を実行する。この点,大当たり遊技中にのみ,大当たり示唆演出を実行する実施の形態と異なる。
具体的に,第2の形態では,図31の変動演出開始処理中のS4711の処理,すなわち予告演出を選択する際の処理が,実施の形態と異なる。そのため,S4711の処理を,予告演出選択処理として,図39を参照しつつ説明する。
[予告演出選択処理]
第2の変形例における予告演出選択処理では,演出制御用マイコン91は先ず,変動開始コマンドに基づいて,現在変動中の特図保留が大当たりに当選しているか否かを判断する(S6761)。大当たりに当選していない場合には(S6761:NO),大当たり示唆演出を行わないため,演出制御用マイコン91は,その他の予告演出の有無を判定し(S6781),予告演出選択処理を終了する。なお,パチンコ遊技機1は,あくまでも大当たり示唆演出を実行しないのであって,他の予告演出(例えば連続予告)によって,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が有る旨を示唆し得る。
大当たりに当選している場合には(S6761:YES),現在の変動開始前の特図保留の数をRAM94に記憶する(S6762)。そして,演出制御用マイコン91は,現時点で変動開始前の特図保留が有るか否かを判断する(S6763)。変動開始前の特図保留が無ければ(S6763:NO),演出制御用マイコン91は,その他の予告演出の有無を判定し(S6781)。予告演出選択処理を終了する。
変動開始前の特図保留が有れば(S6763:YES),演出制御用マイコン91は,導入パートのシナリオを決定するために,特図保留の数が閾値以上か否かを判断する(S6764)。本形態では,オープニング処理のS4811と同様に,閾値を4とする。そして,特図保留の数が閾値以上の場合(S6764:YES),演出制御用マイコン91は,期待度強シナリオを選択する(S6765)。一方,特図保留の数が閾値以上でない場合(S6764:NO),演出制御用マイコン91は,期待度弱シナリオを選択する(S6766)。
S6765あるいはS6766の後,演出制御用マイコン91は,告知パートのシナリオを決定するために,変動開始前の全ての特図保留の先読みを行う(S6771)。そして,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が有るか否かを判断する(S6772)。変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が有る場合には(S6772:YES),演出制御用マイコン91は,大当たり有シナリオを選択する(S6773)。さらに,告知済フラグをオンにする(S6775)。一方,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選すると判定される予定のコマンドが無い場合には(S6772:NO),演出制御用マイコン91は,大当たり無シナリオを選択する(S6774)。
S6774あるいはS6775の後,演出制御用マイコン91は,その他の予告演出の有無を判定し(S6781)。予告演出選択処理を終了する。これにより,大当たり示唆演出を実行する場合,予告演出の1つとして変動演出記憶部96にそのシナリオが記憶され(S4712),大当たり示唆演出を含む変動演出開始コマンドがセットされ(S4751),演出図柄変動演出中に大当たり示唆演出が実行される。
なお,第2の変形例では,変動開始前の特図保留の数に応じて大当たり示唆演出の導入パートのシナリオを選択しているが,特図保留の数に関係なく,導入パートのシナリオを決定してもよい。また,第2の変形例では,大当たり遊技の開始前に1回目の大当たり示唆演出を実行するため,オープニング演出処理中の大当たり示唆演出は実行しない。ただし,オープニング演出処理中にも大当たり示唆演出の実行機会を設けてもよく,その場合には,告知済フラグに基づいて大当たり示唆演出の実行可否を決定する。その他の大当たり遊技中の動作は,実施の形態あるいは第1の変形例と同じでよく,説明を省略する。
第2の変形例では,大当たり遊技の開始前に,大当たり示唆演出を実行する。そのため,大当たり遊技中にのみ大当たり示唆演出を実行する場合と比較して,大当たり示唆演出の実行機会を確保し易い。
[第3の変形例]
第3の変形例では,大当たり示唆演出において,変動開始前の特図保留に大当たりに当選するコマンドがあることの期待度を示唆する。この点,変動開始前の特図保留に大当たりに当選するコマンドがあるか否かを示唆する実施の形態と異なる。また,第3の変形例では,1回目の大当たり示唆演出にて先読みを行う特図保留の数に上限を設ける。第3の変形例では,その上限を特定値とし,特定値を4とする。
具体的に,第3の変形例では,S4432のオープニング演出処理およびS4442のエンディング演出処理が実施の形態と異なる。そのため,オープニング演出処理について図40を参照しつつ説明し,エンディング演出処理について図41を参照しつつ説明し,他の処理の説明を省略する。また,実施の形態と同じ処理については同じ符号を付している。
なお,第3の変形例での大当たり示唆演出は,変動開始前の特図保留に大当たりに当選する特図保留があることの期待度を示唆する。例えば,課題に成功した場合(本形態ではバトルに勝利した場合)には,失敗する場合(本形態ではバトルに敗北した場合)と比較して,期待度が高い。つまり,課題に成功したからといって,変動開始前の特図保留に大当たりに当選する特図保留があることが確定しているわけではない。また,セリフの色やエフェクト画像の色の違いによって,期待度を表現してもよい。例えば,特別色(例えば赤や金)を表示した場合には,特別色以外の通常色を表示する場合と比較して期待度が高い。
[オープニング演出処理]
第3の変形例におけるオープニング演出処理では,演出制御用マイコン91は先ず,オープニング演出開始コマンドを,RAM94の出力バッファにセットする(S4801)。S4801の後,演出制御用マイコン91は,現在の変動開始前の特図保留の数をRAM94に記憶する(S4802)。
S4802の後,演出制御用マイコン91は,大当たり示唆演出の導入パートのシナリオを決定するために,変動開始前の特図保留の数が閾値以上か否かを判断する(S7811)。変動開始前の特図保留の数が閾値以上の場合(S7811:YES),演出制御用マイコン91は,期待度強シナリオを選択する(S4812)。一方,変動開始前の特図保留の数が閾値以上でない場合(S7811:NO),演出制御用マイコン91は,期待度弱シナリオを選択する(S4813)。
S4812あるいはS4813の後,演出制御用マイコン91は,演出制御用マイコン91は,告知乱数を取得する(S7820)。そして,告知パートのシナリオを決定するために,演出制御用マイコン91は,変動開始前の特図保留のうち特定値までの特図保留の先読みを行う(S7821)。本形態では,特定値が4であることから,変動開始前の現在の特図保留の数が4個以内であれば,全ての特図保留を先読みの判定対象とし,5個以上であれば先に記憶された順に4個目までの特図保留を先読みの判定対象とし,5個目からの特図保留を先読みの判定対象としない。
S7821の後,演出制御用マイコン91は,S7821にて先読みの判定対象となった特図保留の中に大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が有るか否かを判断する(S7822)。
先読みの判定対象となった特図保留の中に大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が有る場合には(S7822:YES),演出制御用マイコン91は,告知パートのシナリオとして,図42に示すような期待度高テーブルの中から,1つの告知シナリオを選択する(S7823)。期待度高テーブルでは,例えば,課題に成功するシナリオ(本形態ではバトルに勝利するシナリオ)が,課題に失敗するシナリオ(本形態ではバトルに敗北するシナリオ)よりも選択され易いように告知乱数の値が割り振られている。一方,先読みの判定対象となった特図保留の中に大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が無い場合には(S7822:NO),演出制御用マイコン91は,図43に示すような期待度低テーブルの中から,1つの告知シナリオを選択する(S7824)。期待度低テーブルでは,例えば,課題に成功するシナリオが,課題に失敗するシナリオよりも選択され難いように告知乱数の値が割り振られている。
S7823あるいはS7824の後,演出制御用マイコン91は,選択された大当たり示唆演出のシナリオに関する画像を,画像表示装置7に表示させる大当たり示唆演出開始コマンドを,RAM94の出力バッファにセットする(S4831)。S4831の後,オープニング演出処理を終了する。
[エンディング演出処理]
第3の変形例におけるエンディング演出処理では,演出制御用マイコン91は先ず,告知中フラグがオンか否かを判断する(S4901)。告知中フラグがオフの場合(S4901:NO),演出制御用マイコン91は,エンディング演出開始コマンドを,RAM94の出力バッファにセットする(S4911)。そして,演出制御用マイコン91は,記憶されている特図保留の数が上限値であるか否かを判断する(S4913)。特図保留の数が上限値の場合(S4913:YES),エンディング演出処理を終了する。
特図保留の数が上限値でない場合(S4913:NO),演出制御用マイコン91は,演出制御用マイコン91は,大当たり示唆演出を開始するために,大当たり示唆演出の導入パートのシナリオとして,期待度弱シナリオを選択する(S4921)。
S4921の後,演出制御用マイコン91は,大当たり示唆導入パート開始コマンドを,RAM94の出力バッファにセットする(S4922)。そして,演出制御用マイコン91は,告知中フラグをオンにし(S4923),エンディング演出処理を終了する。
一方,告知中フラグがオンの場合(S4901:YES),演出制御用マイコン91は,大当たり示唆演出での告知パートを決定しなければならないタイミングである決定タイミングになったか否かを判断する(S4951)。決定タイミングになっていない場合(S4951:NO),エンディング演出処理を終了する。
決定タイミングになった場合(S4951:YES),演出制御用マイコン91は,告知乱数を取得する(S7960)。そして,演出制御用マイコン91は,変動開始前の全ての特図保留を判定対象として,先読みを行う(S7961)。すなわち,オープニング演出処理で先読みの判定対象となった特図保留を含めて,現時点で記憶されている全ての特図保留を対象として先読みを行う。
S7961の後,演出制御用マイコン91は,S7961にて先読みの判定対象となった特図保留の中に大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が有るか否かを判断する(S7962)。大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が有る場合には(S7962:YES),演出制御用マイコン91は,告知パートのシナリオとして,期待度高テーブルの中から,1つの告知シナリオを選択する(S7963)。一方,大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が無い場合には(S7962:NO),演出制御用マイコン91は,期待度低テーブルの中から,1つの告知シナリオを選択する(S7964)。
S7963あるいはS7964の後,演出制御用マイコン91は,選択された大当たり示唆演出の告知パートのシナリオに関する画像を,画像表示装置7に表示させる大当たり示唆告知パート開始コマンドを,RAM94の出力バッファにセットする(S4966)。S4966の後,演出制御用マイコン91は,告知中フラグをオフにし(S4967),エンディング演出処理を終了する。
第3の変形例では,1回目の特図保留の先読みを行う際に上限がある。そのため,1回目の大当たり示唆演出にて大当たりの期待度が高い演出が行われた場合に,消化される順位が高い特図保留で大当たりに当選することを,遊技者が推測し得る。また,1回目の大当たり示唆演出にて大当たりの期待度が低い演出が行われた後,2回目の大当たり示唆演出にて大当たりの期待度が高い演出が行われた場合に,消化される順位が低い特図保留で大当たりに当選することを,遊技者が推測し得る。このように大当たりに当選する特図保留の順位を遊技者が推測し得ることで,興趣性がより高まる。
なお,第3の変形例では,大当たり示唆演出を,変動開始前の特図保留に大当たりに当選する特図保留があることの期待度を示唆する演出としているが,実施の形態や他の変形例と同様に,変動開始前の特図保留に大当たりに当選する特図保留があることを示唆する演出としてもよい。また,実施の形態や第3の変形例以外の変形例では,大当たり示唆演出を,変動開始前の特図保留に大当たりに当選する特図保留があることを示唆する演出としているが,第3の変形例と同様に,変動開始前の特図保留に大当たりに当選する特図保留があることの期待度を示唆する演出としてもよい。
10.実施の形態のその他の変形例
本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,本実施の形態に記載された数値(抽選回数,各種テーブルの設定値,各種の保留数の上限等)は例示であって,適宜選択すればよい。特に通常確率状態の当選確率が高いスペック(例えば,通常確率状態での大当たりの当選確率が1%以上)の遊技機では,大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が発生する可能性が高く,本発明が好適に作用する。
また,実施の形態のパチンコ遊技機1は,第1始動口20に入賞した遊技球を第1分岐通路71と第2分岐通路72とに交互に振り分け,第1特図保留と第2特図保留とが交互に記憶される構成であるが,これに限るものではない。例えば,第1始動口20に入賞した遊技球を,第1分岐通路71にのみ流入させ,第1特図保留のみが記憶される構成,すなわち,第1始動口20への入賞を契機に第1特図保留が記憶され,第2始動口21への入賞を契機に第2特図保留が記憶される構成であってもよい。なお,実施の形態のパチンコ遊技機1のように第1始動口20に入賞した遊技球が交互に記憶されて最大8個の特図保留が記憶される構成の場合,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が発生する可能性が高く,本発明が好適に作用する。
また,実施の形態では,大当たりに当選した後,高確率状態かつ時短状態で大当たりの抽選を所定回数だけ可能で,その後,大当たりの種類に応じて,通常確率状態かつ時短状態で大当たりの抽選を実行できる回数が異なる構成であるが,高確率状態かつ時短状態で大当たりの抽選を所定回数だけ実行した後,大当たりの種類に応じて,高確率状態かつ非時短状態(いわゆる潜伏状態)で大当たりの抽選を実行できる回数が異なる構成であってもよい。
また,実施の形態では,いわゆるST機(大当たり遊技後に所定回数を上限として時短状態かつ高確率状態に制御する遊技機)として構成したが,当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成してもよい。この場合,大当たりに当選する予定の特図保留があれば,その旨を示唆する演出を行うとよいが,さらに,高確率状態へ移行する大当たりか否かを区別する演出を行うとよりよい。すなわち,本発明は,遊技機のゲーム性を問わず,種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
また,実施の形態のパチンコ遊技機1は,大当たり示唆演出として,バトル演出を行っているが,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が有るか否かを示唆する演出はバトル演出に限るものではない。例えば,大当たり遊技中に必ず行われる演出に対して,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が有る場合に,通常時の演出と異なる演出を行ってもよい。具体的には,例えば,エンディング演出において,「ラッシュタイム継続」等,高確高ベース状態が継続することを示唆するところ,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が有る場合には,「ラッシュタイム超継続」等,文言を変更して,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が有ることを示唆してもよい。この場合,メッセージの色や背景色を変更して通常時と異なる画像としてもよい。また,例えば,いわゆるV確機(大当たり遊技中に特定の領域に遊技球を通過させることを高確率状態への移行条件とする遊技機)であれば,遊技球が特定の領域を通過したことを報知する演出を,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が有る場合には,メッセージの色や背景色を変更して通常時と異なる画像としてもよい。
また,実施の形態のパチンコ遊技機1は,大当たり示唆演出として,課題に成功するか否かによって,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が有るか否かを示唆する演出を行っている,すなわち変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が無くても無い旨を示唆する演出を行っているが,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が有る旨をを示唆する特別な演出のみを用意し,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が無い旨を示唆する演出を用意しなくてもよい。この場合,パチンコ遊技機1は,特図保留の先読みの結果,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が有ると判断した場合に,その特別な演出を実行する。具体的にパチンコ遊技機1は,実施の形態のうち導入パートを選択する処理(例えば,S4811,S4812,S4813,S4921,S4922)および先読みの結果として変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が無い場合の処理(例えば,S4824,S4964)を実行せず,先読みの結果として変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選する予定の特図保留が有る場合にその特別な演出を実行するシナリオを選択するとよい。なお,特別な演出としては,例えば実行確率が極めて低いプレミア演出や,特別な効果音の出力が該当する。
また,実施の形態のパチンコ遊技機1は,特図保留の消化条件を満たさない特定期間(本形態では特別図柄の変動表示開始から大当たり遊技の終了までの期間),大当たり示唆演出として,2回ともバトル演出を行っているが,複数種類の大当たり示唆演出を用意し,1回目の大当たり示唆演出と,2回目の大当たり示唆演出とで,種類の異なる大当たり示唆演出を行ってもよい。例えば,1回目の大当たり示唆演出をバトル演出とし,2回目の大当たり示唆演出を,バトル演出以外の演出(例えば大当たりに当選する予定の特図保留がある場合に背景色が変化する演出)としてもよい。
また,実施の形態のパチンコ遊技機1は,大当たり示唆演出の開始時あるいは実行中に,変動開始前の特図保留について先読みを行っているが,先読みを行うタイミングは,予め決められたタイミングであればよく(すなわち始動口入賞時のような不確実なタイミングでなければよく),これらに限るものではない。例えば,演出図柄変動演出中であって1回目の大当たり示唆演出の開始前に先読みを行ってその結果を記憶しておき,1回目の大当たり示唆演出ではその結果を読み出して告知パートのシナリオを選択してもよい。また,ラウンド払い出し期間中に先読みを行い,エンディング演出の開始時に,その先読み結果に応じて,2回目の大当たり示唆演出の告知パートを選択してもよい。
また,実施の形態では,パチンコ遊技機1は,大当たり示唆演出において,課題の難易度の高低によって,変動開始前の特図保留の中に大当たりに当選すると判定される予定の特図保留が有る期待度を表現しているが,表現方法はこれに限るものではない。例えば,1つの課題であっても,背景,エフェクト画像,セリフの文字等の色の違いによって,特図保留の中に大当たりに当選すると判定される予定のコマンドが有る期待度を表現してもよい。すなわち,先読みの判定対象となった特図保留の数に応じて,大当たり示唆演出に用いられる画像の色を変更してもよい。
また,実施の形態では,パチンコ遊技機1は,オープニング演出中に実行される大当たり示唆演出において,特図保留の数に応じてシナリオを決定しているが,何個目の特図保留で当選するかに応じて,シナリオを決定してもよい。例えば,次に変動演出が開始される特図保留で大当たりに当選している場合には期待度が高い演出を行い,2番目以降に変動表示が開始される特図保留で大当たりに当選している場合には期待度が低い演出を行うとしてもよい。また,当選している特図保留の数に応じて,シナリオを決定してもよい。例えば,当選している特図保留の数が1つであれば期待度が低い演出を行い,当選している特図保留の数が複数であれば期待度が高い演出を行うとしてもよい。
また,実施の形態に開示されている処理は,主として主制御基板80の遊技制御用マイコン81のCPU82,サブ制御基板90の演出制御用マイコン91のCPU92,および画像制御用マイコン101のCPU102によって実行されるが,例えば,単一の制御基板による単一あるいは複数のCPUによって実行されてもよい。また,実施の形態に開示されている処理は,遊技制御用マイコン81,演出制御用マイコン91,画像制御用マイコン101の少なくとも1つにおいて複数のCPUによって実行されてもよい。また,実施の形態に開示されている処理は,遊技制御用マイコン81,演出制御用マイコン91,あるいは画像制御用マイコン101に加え,他のハードウェアとの組み合わせで実行されてもよい。また,実施の形態に開示されている処理のうち,遊技制御用マイコン81,演出制御用マイコン91,あるいは画像制御用マイコン101の処理の一部を,他のマイコンが実行してもよい。つまり,遊技制御用マイコン81,演出制御用マイコン91,画像制御用マイコン101,これらを包含した1つのマイコン,他のハードウェアと組み合わせ,これらすべて遊技制御手段や演出制御手段の一例である。また,実施の形態に開示されている処理は,その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体,または方法等の種々の態様で実現することができる。
13.本明細書に開示される発明
本明細書には,以下に示す第1および第2の構成の発明が開示されている。以下に記す構成の説明では,上記した実施の形態における対応する構成名や表現,図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し,各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
先ず,第1の構成にかかる遊技機(パチンコ遊技機1)は,遊技球が転動可能な遊技領域(3)を有する遊技盤(2)と,前記遊技領域内に位置する入球口(第1始動口20,第2始動口21)と,演出を行う演出手段(画像表示装置7,スピーカ67)と,記憶手段(RAM94)と,遊技制御手段(主制御基板80)と,演出制御手段(サブ制御基板90)と,を備え,前記遊技制御手段は,遊技球の前記入球口への入球に応じて抽選情報を取得する取得処理(S214,S224)と,前記取得処理にて取得した抽選情報に対する所定の消化条件を満たしたことに応じて,前記消化条件を満たした抽選情報に基づく大当たりの抽選を行う抽選処理(S1102)と,前記取得処理にて取得した抽選情報に基づくコマンドを,その抽選情報に対する前記消化条件を満たす前に,前記演出制御手段に出力する事前コマンド出力処理(S215,S225)と,を実行し,前記演出制御手段は,前記事前コマンド出力処理にて出力されたコマンドに基づく情報である保留抽選情報を,前記記憶手段に保持する保持処理(S4402)と,前記消化条件を満たさない特定の期間中,前記記憶手段に保持されている少なくとも一部の保留抽選情報を用いて,前記消化条件を満たす前の抽選情報の先読みを行う第1先読み処理(S4821,S6771,S7821)と,前記第1先読み処理での先読みの結果に基づいて,前記消化条件を満たす前の抽選情報についての大当たりの確定あるいは期待度を示唆する大当たり示唆演出を,前記演出手段に行わせる第1特定演出処理(S4831,S4751)と,前記特定の期間中,前記記憶手段に保持されている保留抽選情報のうち前記第1先読み処理にて先読みの対象とならなかった保留抽選情報を含む保留抽選情報を用いて,前記消化条件を満たす前の抽選情報の先読みを行う第2先読み処理(S4961,S5921,S7961)と,前記第2先読み処理での先読みの結果に基づいて,前記消化条件を満たす前の抽選情報についての大当たりの確定あるいは期待度を示唆する前記大当たり示唆演出を,前記演出手段に行わせる第2特定演出処理(S4922,S4966,S5931)と,を実行することを特徴としている。
1つの抽選情報の変動演出期間や大当たり遊技の実行期間等,特定の期間内で大当たり示唆演出を行った後にも,その特定の期間が終了するまでに新たな保留抽選情報が記憶される場合があり,さらにその新たに記憶された保留抽選情報の中にも,当選と判定される予定の保留抽選情報が有る場合も生じ得る。この場合,大当たりの当選が示唆されないため,改善の余地がある。
そこで,第1の構成にかかる遊技機では,特定の期間中に,少なくとも2回の先読みを行い,各先読みに対応する各大当たり示唆演出を行う。これにより,特定の期間中の大当たり示唆演出の実行機会が増え,その結果として,先の先読みで判定対象とならなかった保留抽選情報(例えば,先の先読み以降に記憶された保留抽選情報)についても,その後の先読みに対応する大当たり示唆演出にて大当たりが示唆される可能性がある。従って,その特定の期間内での大当たりに関する示唆の興趣性が高まり易い。
また,第1の構成にかかる遊技機において,前記演出制御手段は,前記第1先読み処理では,前記記憶手段に現時点で保持されている全ての保留抽選情報を用いて,先読みを行い,前記第2先読み処理では,前記第1先読み処理での先読みにて対象となっていない保留抽選情報のみを用いる(実施の形態)とよい。この構成によれば,どの保留抽選情報で大当たりに当選するかを遊技者が推測し易い。
また,第1の構成にかかる遊技機において,前記演出制御手段は,前記第1先読み処理では,前記記憶手段に保持可能な保留抽選情報の上限値よりも少ない所定の個数までを用いて,先読みを行う(第3の変形例)とよい。この構成によれば,どの保留抽選情報で大当たりに当選するかを遊技者が推測し易い。
また,第1の構成にかかる遊技機において,前記演出制御手段は,前記第2先読み処理では,前記第1先読み処理での先読みにて対象となった保留抽選情報の少なくとも一部を用いて先読みを行う(第1の変形例)とよい。この構成によれば,例えば,第1特別演出処理での大当たり示唆演出において,大当たりに当選すると判定される予定の抽選情報に対応する保留抽選情報が有るにも拘らずそのような保留抽選情報が無い演出が行われた場合に,第2特別演出処理の大当たり示唆演出において,大当たりに当選すると判定される予定の抽選情報に対応する保留抽選情報が有る演出が可能になる。そのため,大当たり示唆演出の信頼度が高まる。
また,第1の構成にかかる遊技機において,前記演出制御手段は,前記第1先読み処理および前記第2先読み処理を,各処理での先読みの結果を用いる大当たり示唆演出の実行開始時から実行終了時までの範囲内でそれぞれ実行する(実施の形態,第1の変形例,第2の変形例,第3の変形例)とよい。大当たり示唆演出の実行開始から実行終了までのいずれかのタイミングにおいて保持されている保留抽選情報を用いることで,実行開始前のタイミングにおいて保持されている保留抽選情報を用いる場合と比較して,より多くの保留抽選情報を大当たり示唆演出に反映でき,大当たり示唆演出の信頼度が高まる。
また,第1の構成にかかる遊技機において,前記第1先読み処理と前記第2先読み処理との少なくとも一方を,各処理での先読みの結果を用いる大当たり示唆演出の実行開始時にそれぞれ実行する(実施の形態,第1の変形例,第2の変形例,第3の変形例)とよい。大当たり示唆演出の実行開始時において保持されている保留抽選情報を用いることで,大当たり示唆演出の内容を早期に決定でき,演出の自由度が高まる。
また,第1の構成にかかる遊技機において,前記大当たり示唆演出では,実行開始から大当たりの確定あるいは期待度を示唆するまでに所定の準備期間(導入パート)があり,前記演出制御手段は,前記第1先読み処理と前記第2先読み処理との少なくとも一方を,各処理での先読みの結果を用いる大当たり示唆演出の前記準備期間の完了時にそれぞれ実行する(実施の形態,第2の変形例,第3の変形例)とよい。準備期間の完了時において保持されている保留抽選情報を用いることで,より多くの保留抽選情報を大当たり示唆演出に反映でき,大当たり示唆演出の信頼度が高まる。
また,第1の構成にかかる遊技機において,前記演出制御手段は,前記第1先読み処理にて先読みの対象となった保留抽選情報の数が,前記記憶手段に保持可能な保留抽選情報の上限値に達していなかった場合,前記第2特定演出処理を実行し,前記記憶手段に保持可能な保留抽選情報の上限値に達していた場合,前記第2特定演出処理を実行しない(S4913)とよい。第1先読み処理の先読みにおいて保留抽選情報の数が上限に達していた場合,消化条件を満たすまでその後に新たな保留抽選情報が記憶されない。そのため,第2先読み処理での先読みが第1先読み処理での先読みと同じ結果となる可能性が極めて高く,同じ演出の繰り返しを避ける方が好ましい。
また,第1の構成にかかる遊技機において,前記演出制御手段は,前記第2先読み処理を,前記第1先読み処理にて先読みを行った後に実行する(実施の形態,第1の変形例,第2の変形例,第3の変形例)とよい。大当たり示唆演出を,先読みを行った順に行う方が,大当たり示唆演出の信頼度が高まる。
また,第1の構成にかかる遊技機において,前記特定の期間は,前記遊技制御手段が前記抽選処理にて大当たりに当選した場合に実行される特別遊技の実行期間である(実施の形態,第1の変形例,第3の変形例)とよい。特別遊技(大当たり遊技)は実行時間が長く,実行中に新たな保留抽選情報が記憶され易く,本発明が好適に作用する。
また,第1の構成にかかる遊技機において,前記特別遊技の実行期間中,前記第1特定演出処理での前記大当たり示唆演出の後,所定の演出を繰り返し実行し,前記所定の演出の実行中に,前記第2先読み処理を実行する(第2の変形例)とよい。繰り返しの演出の度に先読みを行うことで,大当たりの示唆の機会が増える。
また,第1の構成にかかる遊技機において,前記演出制御手段は,前記特別遊技の実行期間中,前記遊技制御手段から前記特別遊技の実行の進捗に関する情報である進捗情報を取得し(S4431,S4441,S4451),前記進捗情報に基づいて,前記特別遊技の実行期間が所定のタイミングに達したと判断した時点に,前記第2先読み処理を実行する(実施の形態,第1の変形例,第3の変形例)とよい。この構成によれば,遊技者に分かり易いタイミングで,大当たりを示唆し得る。
また,第1の構成にかかる遊技機において,前記大当たり示唆演出は,大当たりの期待度を示唆する演出であり,前記大当たり示唆演出には,複数の種類が有り,前記演出制御手段は,先読み対象の保留抽選情報の数に応じて,前記大当たり示唆演出の種類を決定する(S4811,S4812,S4813)とよい。先読みの対象となった保留抽選情報の数が多いほど,大当たりに当選している保留抽選情報が有る可能性が高い。そのため,保留抽選情報の数に応じて大当たり示唆演出を変えることで,遊技者に対して,大当たりに当選する予定の保留抽選情報があることの期待度を示唆することができる。
次に,第2の構成にかかる遊技機(パチンコ遊技機1)は,遊技球が転動可能な遊技領域(3)を有する遊技盤(2)と,前記遊技領域内に位置する入球口(第1始動口20,第2始動口21)と,演出を行う演出手段(画像表示装置7,スピーカ67)と,記憶手段(RAM94)と,遊技制御手段(主制御基板80)と,演出制御手段(サブ制御基板90)と,を備え,前記遊技制御手段は,遊技球の前記入球口への入球に応じて抽選情報を取得する取得処理(S214,S224)と,前記取得処理にて取得した抽選情報に対する所定の消化条件を満たしたことに応じて,前記消化条件を満たした抽選情報に基づく大当たりの抽選を行う抽選処理(S1102)と,前記取得処理にて取得した抽選情報に基づくコマンドを,その抽選情報に対する前記消化条件を満たす前に,前記演出制御手段に出力する事前コマンド出力処理(S215,S225)と,を実行し,前記演出制御手段は,前記事前コマンド出力処理にて出力されたコマンドに基づく情報である保留抽選情報を,前記記憶手段に保持する保持処理(S4402)と,予め決められた所定のタイミングにおいて,前記記憶手段に保持されている保留抽選情報を用いて,前記消化条件を満たす前の抽選情報の先読みを行う先読み処理(S4821,S6771,S7821)と,前記先読み処理の結果に基づいて,前記消化条件を満たす前の抽選情報についての大当たりの確定あるいは期待度を示唆する大当たり示唆演出を,前記演出手段に行わせる特定演出処理(S4831,S4751)と,を実行し,前記大当たり示唆演出には,複数の種類が有り,先読み対象の保留抽選情報の数に応じて,前記大当たり示唆演出の種類を決定する(S4811,S4812,S4813)ことを特徴としている。
大当たり示唆演出が固定的であると,遊技者に飽きが生じやすい。そのため,特定の期間において,大当たりと判定される予定の保留抽選情報があることを示唆する演出には,改善の余地がある。
そこで,第2の構成にかかる遊技機では,保留抽選情報の数に応じて大当たり示唆演出を変える。これにより,遊技者に対して,先読みの判定対象となる保留抽選情報の数の大小を示唆することができ,その結果として,大当たりに当選する予定の保留抽選情報があることの期待度が示唆されることになり,大当たり示唆演出の興趣性が高まる。
また,第2の構成にかかる遊技機において,前記演出制御手段は,先読み対象の保留抽選情報の数が多いほど,大当たりの期待度が高い前記大当たり示唆演出を実行する(S4811,S4812,S4813)とよい。先読みの対象となった保留抽選情報の数が多いほど,大当たりの期待度が高い大当たり示唆演出を実行することで,先読みにおける期待度の高さが遊技者に伝わり易い。
また,第2の構成にかかる遊技機において,前記演出制御手段は,前記先読み処理を,前記大当たり示唆演出の実行開始時から実行終了時までの範囲内で実行する(実施の形態,第1の変形例,第2の変形例,第3の変形例)とよい。大当たり示唆演出の実行開始から実行終了までのいずれかのタイミングにおいて保持されている保留抽選情報を用いることで,実行開始前のタイミングにおいて保持されている保留抽選情報を用いる場合と比較して,より多くの保留抽選情報を大当たり示唆演出に反映でき,大当たり示唆演出の信頼度が高まる。
また,第2の構成にかかる遊技機において,前記演出制御手段は,前記先読み処理を,前記大当たり示唆演出の実行開始時に実行する(実施の形態,第1の変形例,第2の変形例,第3の変形例)とよい。大当たり示唆演出の実行開始時において保持されている保留抽選情報を用いることで,大当たり示唆演出の内容を早期に決定でき,演出の自由度が高まる。
また,第2の構成にかかる遊技機において,前記大当たり示唆演出では,実行開始から大当たりの確定あるいは期待度を示唆するまでに所定の準備期間(導入パート)があり,前記演出制御手段は,前記先読み処理を,前記大当たり示唆演出の前記準備期間の完了時に実行する(実施の形態,第2の変形例,第3の変形例)とよい。準備期間の完了時において保持されている保留抽選情報を用いることで,より多くの保留抽選情報を大当たり示唆演出に反映でき,大当たり示唆演出の信頼度が高まる。