以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成例]
まず、図1〜図3を参照しつつ、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。ここで、図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。図2は、パチンコ遊技機1の一部を示す平面図である。
図1に例示されるように、パチンコ遊技機1は、入賞や判定に関する役物等が設けられた遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されている。
パチンコ遊技機1は、上皿28と、上皿28の下方に設けられた下皿29とを備えている。上皿28は、発射装置(不図示)へ供給される遊技球及び賞球を溜めるものである。下皿29は、パチンコ遊技機1から払い出された賞球としての遊技球を溜めるものである。この下皿29には取り出しボタン23が近接配置されており、取り出しボタン23を遊技者が操作すると、下皿29の下面の一部が開口されて、下皿29に溜まった遊技球が下皿29の下方に配置された不図示の箱に落下する。なお、他の実施形態では、上皿28及び下皿29が1つの皿で構成されてもよい。
パチンコ遊技機1では、遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計方向に回転させると、上皿28から発射装置へと案内された遊技球がレバー21の回転角度に応じた打球力で遊技領域10における上部位置へと発射される。遊技領域10には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って落下する。なお、遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン22を操作することによって一時的に停止される。
遊技者がレバー21を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で発射装置から発射される。この場合、遊技球は、矢印31に例示されるように遊技領域10における左側領域を流下する。一方、遊技者がレバー21を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で発射装置から発射される。この場合、遊技球は、矢印32に例示されるように遊技領域10における右側領域を流下する。
左打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口11、第2始動口12、電動チューリップ17、及び2つの普通入賞口14が設けられている。また、右打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、上記第2始動口12、ゲート16、上記電動チューリップ17、2つの普通入賞口14、第1大入賞口13、及び第2大入賞口19が設けられている。
遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口13、普通入賞口14、及び第2大入賞口19のいずれかに入球して入賞し得る。これにより、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が上皿28又は下皿29に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口18を介して遊技領域10から排出される。
第1始動口11は、常時開放されている始動口であり、第2始動口12は、普通電動役物としての電動チューリップ17が作動しているときだけ開放される始動口である。パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口11を通過して入賞した場合、又は遊技球が第2始動口12を通過して入賞した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技(特別遊技)を実行するか否かが判定され、その判定結果が後述する表示器4に表示される。
なお、以下の説明では、第1始動口11への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口12への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらの判定を総称して「特別図柄判定」と呼ぶものとする。また、第1始動口11と第2始動口12とを総称して「始動口」と呼ぶ場合もある。
電動チューリップ17は、第2始動口12に近接配置されており、一対の羽根部材を有している。この電動チューリップ17は、一対の羽根部材が第2始動口12を閉塞する閉姿勢(図1の実線を参照)と、第2始動口12を開放する開姿勢(図1の破線を参照)とに姿勢変化可能に構成されている。
第2始動口12は、図1に例示されるように、通常は電動チューリップ17によって閉塞されている。これに対して、遊技球がゲート16を通過すると、賞球の払い出しは行われないものの、第2始動口12を開放するか否かが判定される。以下の説明では、ゲート16に対する遊技球の通過を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。普通図柄判定において第2始動口12を開放すると判定された場合、電動チューリップ17の一対の羽根部材が規定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口12は、電動チューリップ17が作動していないときには遊技球が通過し難い状態であるのに対して、電動チューリップ17が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。
普通入賞口14は、第1始動口11と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数(例えば10個)の賞球が払い出される入賞口である。なお、第1始動口11等とは異なり、普通入賞口14に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
第1大入賞口13及び第2大入賞口19は、通常は閉塞されており、特別図柄判定の結果に応じて遊技球の入賞が可能な開放状態に制御され、遊技球の入賞によって所定個数(例えば15個)の賞球が払い出される入賞口である。第1大入賞口13の開口部には、第1大入賞口13を開閉するプレートが設けられている。第1大入賞口13は、通常はこのプレートによって閉塞されている。また、第2大入賞口19の開口部には、第2大入賞口19を開閉する1つの羽根部材191が設けられている。第2大入賞口19は、通常はこの羽根部材191によって閉塞されている。大当たり遊技中には、上記プレート(又は羽根部材191)を作動させて第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)を長開放する長開放ラウンド遊技が所定回数(例えば16回)行われる。1回の長開放ラウンド遊技では、例えば、比較的長い第1上限時間(例えば29.5秒)が経過するまでの期間、又は開放された第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまでの期間、第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)が開放状態とされた後に閉塞される。このため、遊技者は、長開放ラウンド遊技中に右打ちを行って第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)に遊技球を入賞させることで、大当たり遊技が行われていないときに比べて多くの賞球を得ることができる。
なお、他の実施形態では、大当たり遊技中に、第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)を長開放ラウンド遊技より短い時間開放する短開放ラウンド遊技が行われてもよい。例えば、1回の短開放ラウンド遊技では、比較的短い第2上限時間(例えば0.1秒)が経過するまでの期間、第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)が開放状態とされた後に閉塞される。短開放ラウンド遊技は第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)の開放時間が相対的に非常に短いため、基本的には第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)に遊技球が入賞しない。しかしながら、大当たり遊技終了直後には後述する確変遊技状態または時短遊技状態で遊技が制御されることになるため、大当たり遊技は遊技者にとって有利なものである。
なお、特別図柄判定の結果に応じて遊技球の入賞が可能な開放状態に制御される入賞口の数は2つに限らず、少なくとも1つ以上の入賞口であればよい。
[遊技状態について]
本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、「通常遊技状態」、「確変遊技状態」、又は「時短遊技状態」で遊技が制御される。「通常遊技状態」は、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い低確率状態で特別図柄判定が行われると共に、第2始動口12に遊技球が入賞し易くなるいわゆる電チューサポート機能が付与されない通常の遊技状態である。すなわち、通常遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/318)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に長い時間(例えば25秒)に設定される。また、第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に短い時間(例えば0.1秒×1回)に設定される。
「確変遊技状態」は、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い高確率状態で特別図柄判定が行われると共に、電チューサポート機能が付与される遊技状態である。すなわち、確変遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば10/318)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば12/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば2秒)に設定される。また、第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に長い時間(例えば1.6秒×3回)に設定される。このため、確変遊技状態のときに遊技球がゲート16を通過して普通図柄判定が行われると、遊技領域10の右側領域に打ち出された遊技球は第2始動口12に容易に入賞可能となる(電チューサポート機能)。確変遊技状態においては、始動口に遊技球が入賞すると高確率状態で特別図柄判定が行われることになるため、通常遊技状態のときに比べて大当たりを容易に引き当て易い。
「時短遊技状態」は、上述した低確率状態で特別図柄判定が行われると共に、電チューサポート機能が付与される遊技状態である。すなわち、時短遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/318)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば12/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば2秒)に設定される。また、第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に長い時間(例えば1.6秒×3回)に設定される。
本実施形態では、通常遊技状態、確変遊技状態、又は時短遊技状態で遊技が制御されている場合、右打ちされた遊技球は、第2始動口12又は普通入賞口14に入賞する可能性はあるが第1始動口11には入賞しない。ここで、通常遊技状態中には、確変遊技状態中または時短遊技状態中に比べて第2始動口12に遊技球が入賞し難く、第1始動口11の方が第2始動口12よりも遊技球が入賞し易い。このため、通常遊技状態で遊技が制御されているときには、遊技者は、第1始動口11を狙った左打ちにより遊技を行う。一方、確変遊技状態中または時短遊技状態中には、通常遊技状態中に比べて第2始動口12に遊技球が入賞し易く、第2始動口12の方が第1始動口11よりも遊技球が入賞し易い。このため、確変遊技状態または時短遊技状態で遊技が制御されているときには、遊技者は、第2始動口12を狙った右打ちにより遊技を行う。
本実施形態では、大当たり種別が16ラウンド(以下、「16R」と記載する。)確変当たり又は2R確変当たりの場合、大当たり遊技終了直後に確変遊技状態に制御される。確変遊技状態に移行してから例えば1万回の特別図柄判定が行われても1度も大当たり遊技を実行すると判定されなかった場合には、1万回目の特別図柄判定の判定結果(ハズレ)を示す特別図柄が停止表示された後に、遊技状態が確変遊技状態から通常遊技状態に戻される。また、本実施形態では、大当たり種別が4R非確変当たりの場合、大当たり遊技終了直後に時短遊技状態に制御される。時短遊技状態に移行してから例えば100回の特別図柄判定が行われても1度も大当たり遊技を実行すると判定されなかった場合には、100回目の特別図柄判定の判定結果(ハズレ)を示す特別図柄が停止表示された後に、遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に戻される。
以下の説明では、16R確変当たり及び2R確変当たりを総称して「確変当たり」と呼び、4R非確変当たりを単に「非確変当たり」と呼ぶ。
なお、他の実施形態では、遊技状態として「潜伏遊技状態」を有してもよい。「潜伏遊技状態」は、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い高確率状態で特別図柄判定が行われると共に、電チューサポート機能が付与されない遊技状態である。このような場合、例えば、大当たり遊技終了直後に潜伏遊技状態に制御される潜伏大当たりを備えてもよい。また、例えば、確変遊技状態に移行してから例えば100回の特別図柄判定が行われても1度も大当たり遊技を実行すると判定されなかった場合に、100回目の特別図柄判定の判定結果(ハズレ)を示す特別図柄が停止表示された後に、遊技状態を確変遊技状態から潜伏遊技状態に移行させてもよい。
他の実施形態では、例えば、第2大入賞口19の内部に遊技球が進入したことを検知するV入賞スイッチを備えてもよい。そして、例えば、V入賞スイッチからの検知信号が入力された場合には、大当たり遊技終了後の遊技状態が確変遊技状態に設定されてもよい。この場合、確変遊技状態に移行してから150回(他の回数でもよい。)の特別図柄判定が行われても1度も大当たり遊技を実行すると判定されなかった場合には、150回目の特別図柄判定の判定結果(ハズレ)を示す特別図柄が停止表示された後に、遊技状態が確変遊技状態から他の遊技状態に設定される制御が行われてもよい。また、V入賞スイッチからの検知信号が入力されなかった場合には、大当たり遊技終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定される制御が行われてもよい。具体的には、例えば、大当たり種別として、少なくとも第2大入賞口19を用いた短開放ラウンド遊技は含むが第2大入賞口19を用いた長開放ラウンド遊技は含まない「ショート当たり」と、少なくとも第2大入賞口19を用いた長開放ラウンド遊技を含む「ロング当たり」とを備えてもよい。ショート当たりの場合、第2大入賞口19に遊技球が進入し難いので、基本的に、大当たり遊技終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定される。一方、ロング当たりの場合、第2大入賞口19に遊技球が進入し易いので、基本的に、大当たり遊技終了後の遊技状態が確変遊技状態に設定される。例えば、所定の大当たり態様(例えば7図柄揃い)で大当たりが報知された場合にロング当たりに当選した可能性が高く、所定の大当たり態様以外(例えば2図柄揃い)で大当たりが報知された場合にはロング当たりに当選した可能性が低くなるように予め設定されていてもよい。
[パチンコ遊技機1の演出手段の構成例]
図1に例示されるように、遊技盤2又は枠部材3には、各種の演出を行うものとして、液晶表示装置5、スピーカ24、盤ランプ25、センターランプ30等が設けられている。また、図1には示されていないが、遊技盤2には、演出役物71(図4参照)が設けられており、枠部材3には、枠ランプ37(図5参照)が内蔵されている。
液晶表示装置5は、演出画像を表示する画像表示装置である。図1に示すように、液晶表示装置5の表示画面(以下「液晶画面5」ともいう。)は、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。後に詳述するが、液晶画面5には、例えば、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄、予告演出などを行うキャラクタやアイテムが表示される。また、特別図柄判定が保留されている数だけ表示される保留アイコンや、実行中の特別図柄判定に対応する当該アイコン等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、画像表示装置は、EL表示装置等の他の画像表示装置によって構成されてもよい。
また、本実施形態では、特別図柄変動表示中に点滅表示されて特別図柄の停止表示中に停止表示される点滅図柄画像(不図示)が液晶画面5の画面端に表示される。この点滅図柄画像は、例えば、演出役物71で液晶画面5の大部分が覆われたとしても(例えば図4(C)参照)、遊技者が必ず視認可能な表示位置に表示される。これにより、特別図柄が変動表示されているか停止表示されているかを示すことができる。なお、他の実施形態では、例えば、液晶画面5の付近に設けられたLEDの発光態様によって特別図柄が変動表示されているか停止表示されているかを示してもよい。
スピーカ24は、液晶画面5で行われる演出表示と同期するように、或いは非同期に、楽曲や音声、効果音等の演出音を出力して音による演出を行う。例えば、立体音響効果ありの演出音と、立体音響効果なしの演出音とを出力することで演出の興趣性を高めてもよい。盤ランプ25及び枠ランプ37は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更等の光による各種の演出を行う。
[入力手段の構成例]
図2に例示されるように、枠部材3には、遊技者が入力を行うための入力手段として、演出ボタン26及び演出キー27が設けられている。演出ボタン26および演出キー27は、パチンコ遊技機1の各種の設定操作に使用される他、各種の演出に用いられる。
演出ボタン26は、ボタンモータ261(図5参照)からの駆動力によって、通常状態と突出状態との間でその高さを変更可能に構成されている。ここで、通常状態は、演出ボタン26の上面が枠部材3の上面と略同じか或いは若干突出した高さにある状態である。突出状態は、演出ボタン26の上面が枠部材3の上面に対して所定の高さ(例えば10センチ)だけ上方に突出した状態である。なお、演出ボタン26は、通常状態と突出状態との間におけるどの高さにあっても操作(例えば押下)が可能である。
また、演出ボタン26には発光素子(例えばLED)により構成されるボタンランプ262(図5参照)が内蔵されており、例えば、遊技者による演出ボタン26の操作が有効になる予め定められた有効期間中にボタンランプ262を発光させることによって、遊技者に演出ボタン26の操作を促すことができる。ボタンランプ262は、青色や赤色といった色を含む複数の発光色の何れかで所定時間(例えば3秒間)発光し続けたり高速点滅したりする場合がある。
例えば、遊技者に演出ボタン26への操作を促す演出(例えば、後述するボタン操作演出)の実行中に演出ボタン26が操作されると、当該操作に応じた演出が実行される。例えば、ボタン操作演出の実行中に演出ボタン26が操作されると、当該操作に応じて特別図柄判定の判定結果を報知する態様で装飾図柄が疑似停止(後述する)される。なお、ボタン操作演出中に演出キー27が操作された場合には、当該操作に応じて、演出ボタン26が操作された場合と同一の演出が実行されてもよいし、異なる演出が実行されてもよいし、何ら演出が実行されなくてもよい。
演出キー27は、遊技者が選択操作を行うためのいわゆる十字キーであり、上を指示するための上キーと、下を指示するための下キーと、左を指示するための左キーと、右を指示するための右キーとから構成されている。
[表示器4の構成例]
図3は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図4に例示されるように、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、遊技状態表示器47、ラウンド表示器48等を有して構成されている。
第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定が行われると、特別図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。第2特別図柄表示器42は、第2特別図柄判定が行われると、特別図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。本実施形態では、パチンコ遊技機1には、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、及び特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示すハズレ図柄が予め定められている。例えば、特別図柄判定の判定結果として大当たり図柄が停止表示されると、遊技者にとって有利な大当たり遊技が実行される。本実施形態では、第1特別図柄判定の判定結果が大当たりであることを示す大当たり図柄として、4R非確変当たり、16R確変当たり、及び2R確変当たりを示す3種類の大当たり図柄が用意されている(図9(B)参照)。4R非確変当たりは、例えば、大当たり遊技中に長開放ラウンド遊技が4回行われた後、大当たり遊技終了直後の遊技状態が時短遊技状態に制御される大当たりである。16R確変当たりは、例えば、大当たり遊技中に長開放ラウンド遊技が16回行われた後、大当たり遊技終了直後の遊技状態が確変遊技状態に制御される大当たりである。2R確変当たりは、例えば、大当たり遊技中に長開放ラウンド遊技が2回行われた後、大当たり遊技終了直後の遊技状態が確変遊技状態に制御される大当たりである。
また、第2特別図柄判定の判定結果が大当たりであることを示す大当たり図柄として、4R非確変当たり及び16R確変当たりを示す2種類の大当たり図柄が用意されている。
なお、第1特別図柄判定の判定結果としての大当たり図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄判定の判定結果としての各図柄と異なってもよいし、共通でもよい。
以下の説明では、第1特別図柄表示器41に表示される特別図柄を「第1特別図柄」と呼び、第2特別図柄表示器42に表示される図柄を「第2特別図柄」と呼ぶ。また、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して「特別図柄」と呼ぶ。
第1特別図柄保留表示器43は、第1特別図柄判定の保留数を表示する。第2特別図柄保留表示器44は、第2特別図柄判定の保留数を表示する。特別図柄が変動表示されている場合や、大当たり遊技中である場合には、第1始動口11に新たに遊技球が入賞しても、この入賞を契機とする第1特別図柄判定、及び第1特別図柄の変動表示を即座に実行することはできない。このような場合に、所定数(例えば4個)を超えない範囲で第1特別図柄判定が保留されて、その保留数が第1特別図柄保留表示器43に表示される。これらのことは、第2特別図柄判定についても同様である。なお、第1特別図柄判定と第2特別図柄判定との両方が保留されている場合、第1特別図柄判定よりも第2特別図柄判定の方が優先消化される。
なお、他の実施形態では、特別図柄判定の保留は、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞した順に消化してもよい。
普通図柄表示器45は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。普通図柄保留表示器46は、普通図柄判定の保留数を表示する。遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源供給開始時における遊技状態を表示する。ラウンド表示器48は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に大当たり図柄が停止表示されると、大当たり遊技中における第1大入賞口13及び第2大入賞口19の開放パターンを表示する。
なお、以下の説明では、普通図柄表示器45に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶ。
[演出役物71]
次に、図4を参照しつつ、パチンコ遊技機1が備える演出役物71について説明する。図4は、演出役物71の動作態様および発光態様の一例を示す説明図である。パチンコ遊技機1は、遊技盤2に対して可動に構成された演出役物71を備え、演出役物自体の動きと光との両方或いは一方によって各種演出を行う。
本実施形態では、装飾が施された装飾部材(不図示)が液晶画面5の周囲を覆うように設けられており、演出役物71は、動作していないときには遊技者が視認出来ない(又は視認し難い)位置に格納されている。
例えば、図4(A)に示すように、演出役物71は3つの構成部材71a、71b、及び71cから構成される。例えば、構成部材71aは、上記装飾部材と液晶画面5との間であって液晶画面5の上方に位置する原点位置(図4(A)参照)に格納されている。また、構成部材71b及び71cは、装飾部材と液晶画面5との間であって液晶画面5の側方に位置する原点位置に格納されている。これらの構成部材71a〜cは、原点位置と、液晶画面5の前面中央部で互いに接するように配置された合体位置(図4(C)参照)との間を、モータ等の駆動力によって液晶画面5に沿って移動可能に構成されている(図4(B)参照)。例えば、演出役物71を動作させるタイミングとなると、演出役物71は、液晶画面5の前面に移動し、合体位置においてキャラクタの顔を模した形状に形成される。その後、演出役物71を原点位置へ復帰させるタイミングになると、演出役物71の構成部材71a〜cは、例えばモータ等の駆動力によって合体位置からそれぞれの原点位置まで復帰する。
また、例えば、演出役物71は、LED等の発光素子(不図示)を内蔵しており、各種の演出に応じた発光パターンで発光される。本実施形態では、図4(D)に示すように、演出役物71の発光色として「白色」、「青色」、「緑色」、「紫色」、「赤色」、及び「虹色」の6種類の発光色が予め用意されている。後に詳述するが、本実施形態では、リーチ図柄の数(有効ライン数)を報知(又は示唆)するために、演出役物71を動作させる動作演出が実行される場合がある。動作演出は、例えば、演出役物71の構成部材71a〜cをそれぞれの原点位置から合体位置へと移動させ、合体位置において、白→青→緑→紫→赤→虹の順で、演出役物71の発光色を何れかの発光色まで段階的に変化させる演出である。この動作演出については、図12に基づいて後に詳述する。
なお、他の実施形態では、演出役物71の表面が導光板により構成されており、所定の模様(例えばキャラクタの顔)に形成された光を導く溝を介して装飾部材等に備えられた発光素子の光によって発光してもよい。また、演出役物71の背景として液晶画面5に表示された演出画像の光によって演出役物71を発光させてもよい。
また、演出役物71は、構成部材71a〜cから構成されてもよいし、1つの構成部材から構成されてもよい。また、他の実施形態では、演出役物71は、動作していないときにその一部又は全部を遊技者が視認可能な位置に配置されてもよい。この場合、例えば、液晶画面5の前面であって液晶画面5の視認性を極力低下させない位置を、演出役物71の原点位置としてもよい。このように配置することで、演出役物71の表面に装飾を施しておいたり、各種の演出に応じた発光パターンで演出役物71の発光素子を発光させたりすることにより、演出役物71が動作していないときでも、遊技の興趣性を向上させることができる。
また、他の実施形態では、演出役物71は反転(表面と裏面とが入れ替わる等の反転)可能に設けられてもよい。この場合、裏面にも装飾を施しておくことにより、遊技中に演出役物71を反転させるような演出を行うことによって遊技の興趣を向上させることができる。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
図5は、パチンコ遊技機1が備える制御装置の構成例を示すブロック図である。図5に例示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、各種判定やコマンドの送信といった遊技の進行を制御する遊技制御基板100、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御基板130、画像や音による演出を制御する画像音響制御基板140、各種のランプや演出役物71による演出を制御するランプ制御基板150等から構成されている。なお、制御装置の構成はこれに限定されるものではなく、例えば演出制御基板130、画像音響制御基板140、及びランプ制御基板150が1つの基板で構成されていてもよい。
[遊技制御基板100]
遊技制御基板100は、メインCPU101、メインROM102、メインRAM103、及び乱数回路104を備えている。メインCPU101は、メインROM102に記憶されたプログラム等に基づいて、判定や払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。メインRAM103は、メインCPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。乱数回路104は、メインCPU101と独立して、遊技の進行を制御するための各種乱数(特別図柄判定用の各種乱数)を示す数値データを更新する回路である。
遊技制御基板100は、例えば、乱数回路104で生成する乱数の初期値(例えば0)を示す数値データを設定する機能を有する。一例として、遊技制御基板100は、メインROM102等の記憶領域に記憶された遊技制御基板100のIDナンバー(製品毎に付与された固有番号)を用いた演算により得られた数値データを、乱数回路104の初期値として設定する。乱数回路104は、予め設定された更新規則に従って、初期値から上限値までの範囲内(例えば0〜65535)で乱数を示す数値データを更新する。なお、乱数回路104は、初期値(又は上限値)を選択することにより数値データの更新範囲を選択する機能や、更新規則を選択(又は切り替え)する機能等を備える。これにより、生成する乱数のランダム性を向上できる。
本実施形態では、特別図柄判定用の乱数として、例えば、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数が用いられる。大当たり乱数は、大当たり又はハズレを決定するための乱数である。図柄乱数は、大当たりであると判定された場合に、大当たり図柄の種類(大当たり種別)を決定するための乱数である。リーチ乱数は、ハズレであると判定された場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の特別図柄の変動パターンを決定するための乱数である。普通図柄乱数は、第2始動口12を開放するか否かを決定するための乱数である。例えば、遊技制御基板100における乱数回路104は、遊技制御基板100によるタイマ割込み(後述する)が禁止される割込み禁止期間において、上記全て(又は一部)の乱数を示す各種の数値データを更新することが予め定められている。なお、本実施形態では、メインCPU101は、遊技制御基板100によるタイマ割込みが許可される割込み許可期間において、メインRAM103に設けられたランダムカウンタといった乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いることで、ソフトウェアによって上記乱数の一部(又は全部)を示す数値データを更新することが予め定められている。例えば、特別図柄判定用の乱数のうち大当たり乱数が割込み禁止期間中に乱数回路104によって更新され、大当たり乱数以外の特別図柄判定用の乱数が、割込み許可期間中にソフトウェアによって更新されてもよい。
なお、他の実施形態では、乱数回路またはソフトウェアのうちの何れか一方により乱数の更新を行ってもよい。また、本実施形態では遊技制御基板100に乱数回路が内蔵されるが、他の実施形態では、乱数回路は遊技制御基板100とは異なる乱数回路チップとして構成されてもよい。また、演出効果を高めるために、上記以外の乱数が用いられてもよい。これらのことは、後述する演出制御基板130、画像音響制御基板140、及びランプ制御基板150で行われる処理に用いられる乱数についても同様である。
(メインRAM103の構成例)
続いて、メインRAM103の構成例及びメインRAM103に格納される各種情報を説明する。メインRAM103には、判定用記憶領域1030、第1保留記憶領域1031、第2保留記憶領域1032、第3保留記憶領域1033、第4保留記憶領域1034、第1保留記憶領域1035、第2保留記憶領域1036、第3保留記憶領域1037、及び第4保留記憶領域1038が設けられている。
判定用記憶領域1030は、特別図柄判定が実際に実行されるときにその特別図柄判定に使用される各種情報が記憶される記憶領域である。第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034は、第1始動口11に遊技球が入賞する毎に第1保留記憶領域1031から順に第1特別図柄判定に係る各種情報が記憶される記憶領域である。第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038は、第2始動口12に遊技球が入賞する毎に第1保留記憶領域1035から順に第2特別図柄判定に係る各種情報が記憶される記憶領域である。
例えば、特別図柄が変動表示されているときや大当たり遊技中に第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞しても、特別図柄判定や特別図柄の変動表示を直ちに行うことはできない。このような状況下では、メインCPU101は、始動口への遊技球の入賞に応じて取得した特別図柄判定用の各種乱数(普通図柄乱数を除く)を示す値等を、特別図柄判定の保留を示す情報として保留記憶領域1031〜1038に格納する。一方、特別図柄が変動表示されておらず、特別図柄判定が保留されておらず、また、大当たり遊技中でもない場合には、メインCPU101は、始動口入賞を契機として取得した各種乱数等を、遊技球が入賞した始動口に対応した第1保留記憶領域(1031又は1035)に記憶した直後、判定用記憶領域1030にシフトさせる。
例えば、第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれにも情報が記憶されていない状態で第1始動口11に遊技球が入賞した場合、この入賞により取得された第1特別図柄判定に係る各種情報は、空きエントリの最上位である第1保留記憶領域1031に格納される。また、例えば、第1保留記憶領域1031及び第2保留記憶領域1032に情報が記憶された状態で第1始動口11に遊技球が入賞した場合、この入賞により取得された第1特別図柄判定に係る各種情報は、空きエントリの最上位である第3保留記憶領域1033に格納される。
また、例えば、保留記憶領域1031〜1038には事前判定情報も記憶される。事前判定情報は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて、後述する事前判定処理(図23のステップS2109、図24のステップS2209)によって得られる情報である。事前判定情報は、具体的には、入賞始動口情報、特別図柄判定の判定結果が大当たりであるか否かを示す情報、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを示す情報、特別図柄の変動パターンを示す情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等を含んでいる。ここで、入賞始動口情報は、同じ保留記憶領域内に格納される大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数が、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として取得されたのか、或いは遊技球が第2始動口12に入賞したことを契機として取得されたのかを示す情報である。これらの情報を含む事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数と同じ保留記憶領域内に格納される。特別図柄判定の権利の保留中に実行される先読み演出(例えば、保留アイコンの表示態様を変化させる演出や、変動演出中の装飾図柄の背景やリーチライン画像(後述する)を変化させる演出)を指定する変動パターンを示す情報が含まれている場合には、事前判定情報、保留数、及び現在行われている演出の態様等に基づいて先読み演出が実行される。
第1特別図柄判定の実行に際して第1保留記憶領域1031に記憶されている情報が判定用記憶領域1030にシフトされると、第2保留記憶領域1031より下位のエントリに記憶されている情報が1エントリずつ上位にシフトされる。例えば、第1保留記憶領域1031〜第3保留記憶領域1033のそれぞれに情報が記憶された状態で第1保留記憶領域1031に記憶されている情報が判定用記憶領域1030にシフトされると、第2保留記憶領域1032に記憶されている情報が第1保留記憶領域1031にシフトされると共に、第3保留記憶領域1033に記憶されている情報が第2保留記憶領域1032にシフトされる。
このような情報のシフト処理は、第2特別図柄判定に係る情報が記憶される第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038においても同様に行われる。なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄判定及び第2特別図柄判定の両方が保留されている場合、すなわち第1保留記憶領域1031及び第1保留記憶領域1035の両方に情報が記憶されている場合、第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034におけるシフト処理に先立って、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038におけるシフト処理が優先して行われる。よって、判定用記憶領域1030には、第2特別図柄判定が保留されている場合、第1保留記憶領域1035に記憶されている各種情報がシフトされる。また、第2特別図柄判定が保留されていない場合、すなわち第1特別図柄判定のみが保留されている場合には、第1保留記憶領域1031に記憶されている各種情報がシフトされる。
(各種スイッチ)
遊技制御基板100には、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、電動チューリップ制御部113、ゲートスイッチ114、第1大入賞口スイッチ115、第2大入賞口スイッチ116、第1大入賞口制御部117、第2大入賞口制御部118、普通入賞口スイッチ119、及び表示器4を構成する各表示器41〜48が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。電動チューリップ制御部113は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、電動チューリップ17の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2始動口12を開閉する。ゲートスイッチ114は、遊技球がゲート16を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
第1大入賞口スイッチ115は、第1大入賞口13に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2大入賞口スイッチ116は、第2大入賞口19に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
第1大入賞口制御部117は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、第1大入賞口13を閉塞するプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第1大入賞口13を開閉する。第2大入賞口制御部118は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、第2大入賞口19を閉塞する羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2大入賞口19を開閉する。普通入賞口スイッチ119は、遊技球が普通入賞口14に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。なお、本実施形態では普通入賞口14を4つ備えているため(図1参照)、普通入賞口スイッチ119を4つ備えるが、図5においては普通入賞口スイッチ119を1つだけ表記している。
遊技制御基板100のメインCPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、第1大入賞口スイッチ115、第2大入賞口スイッチ116、又は普通入賞口スイッチ119からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた賞球の払い出しを払出制御基板(不図示)に指示し、払出制御基板からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。詳細な説明は省略するが、払出制御基板は、球タンクから遊技球を送り出す駆動モータを制御することによって、上皿28又は下皿29に遊技球を供給する。
メインCPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。そして、大当たりであると判定した場合には、第1大入賞口制御部117(又は第2大入賞口制御部118)を介して第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)を開閉して大当たり遊技を実行する。
また、メインCPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、第2始動口12を開放すると判定した場合、電動チューリップ制御部113を介して電動チューリップ17に連結された電動ソレノイドを作動させることにより、第2始動口12を一時的に開放する。
また、メインCPU101は、表示器4を構成する各表示器41〜48に図3に基づいて上述した処理を実行させる。
[演出制御基板130]
演出制御基板130は、サブCPU131、サブROM132、サブRAM133、RTC(リアルタイムクロック)134、及び乱数回路135を備えている。サブCPU131は、サブROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。サブRAM133は、サブCPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時(現在日及び時刻)を計測する。乱数回路135は、サブCPU131と独立して、演出制御用の各種乱数を示す数値データを更新する回路である。
サブCPU131は、遊技制御基板100から送信される特別図柄判定や普通図柄判定、大当たり遊技等に関する遊技情報に基づいて演出内容を設定する。本実施形態では、例えば、変動演出パターン決定用の乱数および予告演出の設定情報を決定するための各種乱数を示す数値データが、演出制御基板130におけるタイマ割込み禁止期間中に乱数回路135で更新される。なお、サブCPU131は、サブRAM133に設けられたランダムカウンタといった乱数回路135とは異なるランダムカウンタを用いることで、演出制御基板130によるタイマ割込み許可期間中にソフトウェアによって上記乱数の一部(又は全部)を示す数値データを更新してもよい。
また、サブCPU131は、演出ボタン26又は演出キー27が操作されたことを示す操作コマンドをランプ制御基板150から受信すると、操作に応じた演出内容を設定する場合もある。サブCPU131は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。
[ランプ制御基板150]
ランプ制御基板150は、ランプCPU151、ランプROM152、及びランプRAM153を備えている。ランプCPU151は、ランプROM152に記憶されたプログラムに基づいて、盤ランプ25、枠ランプ37、演出ボタン26を動作させるボタンモータ261(例えばステッピングモータ)の駆動制御を行う際の演算処理を行う。また、ランプCPU151は、演出役物71を動作させる際の演算処理を行う。ランプRAM153は、ランプCPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
ランプROM152には、発光パターンデータ及び動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、盤ランプ25、枠ランプ37、及び演出ボタン26に内蔵されたボタンランプ、及び演出役物71に内蔵された発光素子のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、演出ボタン26、及び演出役物71の動作パターンを示すデータである。
例えば、ランプCPU151は、ランプROM152に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する演出用の発光パターンデータや動作パターンデータを読み出してランプRAM153に一時記憶させる。その後、演出制御基板130を介して、画像音響制御基板140から演出の開始を指示するコマンドを受信すると、ランプCPU151は、ランプRAM153に記憶されているパターンで演出役物71等を制御する。
[画像音響制御基板140]
図6は、画像音響制御基板140の構成例を示すブロック図である。画像音響制御基板140は、液晶画面5の画像表示制御と、スピーカ24の演出音出力制御とを行う。この画像音響制御基板140は、図6に例示されるように、統括CPU141、VDP(Video Display Processor)142、音響DSP(Digital Signal Processor)143、制御用ROM144、制御用RAM145、音響用ROM146、SDRAM147、CGROM148、及びVRAM149を備えている。
統括CPU141は、制御用ROM144に記憶されているプログラムやディスプレイリスト作成テーブルなどの各種テーブル、演出制御基板130から受信したコマンド等に基づいて、VDP142に対して、CGROM148に記憶されている画像データを表示させる指示を行う。この指示は、主にディスプレイリストの出力によって行われる。
ここで、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されており、描画する画像の種類、画像を描画する位置(座標)、表示の優先順位、表示倍率、回転角、透過率等の各種パラメータを含むものである。また、ディスプレイリスト作成テーブルは、このディスプレイリストを作成するために使用されるテーブルである。ディスプレイリスト作成テーブルには、例えば、通常遊技状態で使用されるテーブルと、確変遊技状態で使用されるテーブルと、時短遊技状態で使用されるテーブルとがある。
統括CPU141は、音響DSP143に対しても、音響用ROM146に記憶されている音響データをスピーカ24から出力させる指示を行う。
制御用ROM144は、マスクROMで構成されており、統括CPU141の制御プログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラムが記憶されている。
制御用RAM145は、統括CPU141が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
CGROM148は、特別図柄の変動表示に伴う変動演出や大当たり遊技に伴う演出などを実行するために必要な演出データを記憶するものである。このCGROM148は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなるスプライトデータ(1枚の画像データ)、複数の画像データの集まりからなるムービーデータ等を圧縮して記憶している。なお、画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。また、CGROM148は、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータ等を圧縮せずに記憶している。
なお、CGROM148に記憶される画像データの一部のみを圧縮しておくようにしてもよい。また、ムービーデータの圧縮方法としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
VRAM149は、画像データを高速に書き込んだり読み出したりすることができるSRAMで構成されており、ディスプレイリスト記憶領域1491、展開記憶領域1492、液晶画面用フレームバッファ1493などを有して構成されている。
ディスプレイリスト記憶領域1491は、統括CPU141から出力されたディスプレイリストを一時的に記憶するものである。展開記憶領域1492は、CGROM148から読み出された後に伸長された画像データを記憶するものである。液晶画面用フレームバッファ1493は、液晶画面5に表示される画像データの描画及び表示のために用いられる。液晶画面用フレームバッファ1493は、2つのバッファを備えるダブルバッファ方式のメモリであり、一方のバッファに記憶された画像データが表示のために出力されている間に他方のバッファに次の画像データが描画されることによって、画像データの描画と表示とが行われる。
VDP142は、CGROM148に圧縮された状態で記憶されている画像データを伸長して、伸長した画像データを展開記憶領域1492に格納する。また、VDP142は、ディスプレイリスト記憶領域1491に記憶されたディスプレイリストに基づいて、展開記憶領域1492に格納した画像データを用いて、液晶画面用フレームバッファ1493に対する描画処理を行う。また、VDP142は、VRAM149内の表示用フレームバッファに記憶された画像データから画像の色を示す映像信号としてのRGB信号を生成し、生成したRGB信号を液晶画面5に出力する。
音響DSP143には、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROM146と、音響DSP143によるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAM147と、アンプ1431が接続されている。音響DSP143は、統括CPU141からの指示に対応する音響データを音響用ROM146からSDRAM147に読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データを(アンプ1431を介して)スピーカ24に出力する。アンプ1431は、統括CPU141から音響DSP143を介して得られる音量に関する指示に従って音量を調整して音響データをスピーカ24に出力させる。詳細な説明は省略するが、音響DSP143は、統括CPU141からの指示に従って、例えば、スピーカ24が設置された位置以外の仮想的に形成される音源の位置から演出音が聞こえるように制御する立体音響制御、目的方向の演出音を強調する指向性制御などの処理を行う場合がある。
なお、本実施形態では、VDPが描画管理を担うと共に音響DSPがサウンド管理を担う場合について説明するが、他の実施形態では、VDPが描画管理とサウンド管理との両方を担うような構成を採用してもよい。この場合、音響DSPを別途設ける必要はない。
[液晶画面5の画面構成例]
図7は、液晶画面5の画面構成例を示す画面図である。本実施形態では、通常遊技状態で遊技が制御されている場合、図7(A)に例示されるように、液晶画面5に図柄領域50、保留領域51、及び当該領域52が形成される場合がある。
図柄領域50は、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄を表示する領域である。図柄領域50では、特別図柄の変動表示に伴って装飾図柄が変動表示されると共に、特別図柄の停止表示に伴って特別図柄判定の判定結果を示す表示態様で装飾図柄が停止表示される。このように装飾図柄が変動表示を開始してから停止表示されるまでの装飾図柄を用いた一連の演出を変動演出と呼ぶ。
本実施形態では、図柄領域50に「左」、「中」、「右」の図柄領域が形成される。ここで、「左」の図柄領域に表示される装飾図柄を左図柄と呼び、「左」の図柄領域を左図柄領域と呼ぶ。「中」の図柄領域に表示される装飾図柄を中図柄と呼び、「中」の図柄領域を中図柄領域と呼ぶ。また、「右」の図柄領域に表示される装飾図柄を右図柄と呼び、「右」の図柄領域を右図柄領域と呼ぶ。各図柄領域には、例えば、1〜8の数字が縦方向に連続して記された装飾図柄が表示される。本実施形態では、数字の1を示す1図柄、2を示す2図柄等、1つの数字を示すのに1つの装飾図柄が用いられる。なお、装飾図柄は数字に限らず、文字(例えば、英文字や漢字)、所定のキャラクタを模したキャラクタ画像、記号、又はこれらと数字の組み合わせでもよい。
第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42において特別図柄の変動表示が開始されると、これに応じて左図柄領域、中図柄領域、及び右図柄領域において、装飾図柄が、例えば上から下へとスクロールするように変動表示される。
本実施形態では、左図柄領域および中図柄領域において、8を示す8図柄から1を示す1図柄へと、数字が大きいものから小さいものへとスクロール表示された後、再度8図柄からスクロール表示される。これに対して、右図柄領域においては、数字が小さいものから大きいものへとスクロール表示される。
第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄が停止表示されると、これに応じて、左図柄、中図柄、及び右図柄として予め定められた最終停止図柄が有効ラインL1上(例えば横一本のライン、図7(A)参照)に停止表示される。これにより、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であるか「ハズレ」であるかが報知される。
本実施形態では、装飾図柄の変動表示が開始されてから最終停止図柄を示す装飾図柄が停止表示されるまでには、装飾図柄の変動表示態様がリーチとなる場合がある。ここで、リーチとは、特別図柄の停止表示に応じて全ての装飾図柄が停止するのに先立ち、例えば、左図柄および右図柄として同一の装飾図柄が有効ラインL1上に「疑似停止」し、中図柄が変動する状態である(図7(A)参照)。疑似停止は、例えば、装飾図柄を、有効ライン上で上下方向に揺れるように微動させた状態である。このようなリーチの状態で表示されている装飾図柄を「リーチ図柄」と呼ぶ。
後に詳述するが、本実施形態では、7図柄で構成されるリーチ図柄によって16R確変当たりの可能性を示唆(又は報知)できるように予め設定されている。また、奇数図柄(例えば、1図柄、3図柄、5図柄、及び7図柄)で構成されるリーチ図柄によって確変当たりの可能性を示唆(又は報知)できるように予め設定されている。そして、偶数図柄(例えば、2図柄、4図柄、6図柄、及び8図柄)で構成されるリーチ図柄によって非確変当たりの可能性を示唆(又は報知)できるように予め設定されている。
リーチが成立すると、これに応じて「リーチ演出」が実行される。ここで、「リーチ演出」は、変動表示中の中図柄が、左図柄および右図柄と同一の図柄で停止するのではないかという期待感を遊技者に与える演出である。
例えば、特別図柄判定の判定結果が大当たりの場合、リーチ演出が実行された後、リーチ演出の終盤で有効ラインL1上に「大当たりの態様」の装飾図柄が疑似停止されることによって大当たり確定であることが報知される。大当たりの態様は、例えば、左図柄、中図柄、及び右図柄が同一(ゾロ目)の装飾図柄で有効ライン上に示されることである。その後、大当たり図柄が停止表示されたことに応じて、大当たりの態様で疑似停止されていた装飾図柄が、大当たりの態様で有効ラインL1上に停止表示されることによって大当たりが報知される。
これに対して、特別図柄判定の判定結果がハズレであってリーチが成立した場合には、リーチ演出が実行された後、ハズレ図柄が停止表示されたことに応じて、左図柄、中図柄、及び右図柄としてゾロ目とはならない3つの装飾図柄が有効ラインL1上に停止表示されることによってハズレが報知される。このような装飾図柄の変動表示態様を、特別図柄判定の判定結果がハズレになる場合における「リーチハズレ」の変動表示態様と呼ぶ。
また、例えば、特別図柄判定の判定結果がハズレであってリーチが成立しない場合には、リーチ演出は実行されない。この場合、ハズレ図柄が停止表示されたことに応じて、左図柄、中図柄、及び右図柄としてゾロ目とはならない3つの装飾図柄(例えばバラケ目)が有効ラインL1上に停止表示されることによってハズレが報知される。このような装飾図柄の変動表示態様を、特別図柄判定の判定結果がハズレになる場合における「非リーチ」の変動表示態様と呼ぶ。
本実施形態では、装飾図柄の変動表示中に、図柄領域50における有効ライン数が1以上の所定のライン数(例えば1〜8ライン)に変更される場合がある。例えば、有効ライン数が1(シングルライン)の場合には、図7(A)に例示するように、有効ラインL1上に装飾図柄が変動表示または疑似停止される。一方、有効ライン数が2(ダブルライン)の場合には、図7(B)に例示するように、有効ラインL2及びL3上で装飾図柄が変動表示または疑似停止される。有効ラインL2は、左図柄領域の上側領域と、中図柄領域と、右図柄領域の下側領域とから構成される右斜め下方向の有効ラインである。有効ラインL3は、左図柄領域の下側領域と、中図柄領域と、右図柄領域の上側領域とから構成される右斜め上方向の有効ラインである。有効ラインL2とL3とは、中図柄領域で交差する。本実施形態では、例えば、有効ライン数が2のときに左図柄領域に装飾図柄が疑似停止されると、連続した2つの数字を示す装飾図柄(例えば、7図柄と8図柄)が疑似停止される。装飾図柄の変動表示態様がリーチである場合(ダブルリーチ)、本実施形態では、左図柄と同一の装飾図柄が、左図柄領域とは逆の順番で右図柄領域に疑似停止されることになる(図7(B)参照)。
すなわち、本実施形態では、有効ライン数が2以上の場合に、何れかの有効ライン上に大当たりの態様やリーチの態様の装飾図柄が疑似停止されると、全ての有効ライン上にてリーチ状態となる。これにより、有効ライン数が増加したときに多くの有効ライン上で装飾図柄の変動表示態様がリーチになるため、大当たりに対する期待感を高めることが可能である。
本実施形態では、図柄領域50における有効ライン数が変更され得る演出として、増加リーチ演出(後述する)が用意されている。
保留領域51は、第1特別図柄判定が保留されていることを示唆する保留アイコンを表示する領域である。保留領域には、第1特別図柄保留表示器43が示す第1特別図柄判定の保留数と同数の保留アイコンが表示される。図7(A)には、第1特別図柄判定の保留数が最大の「4」であることを示すために、保留領域に4つの保留アイコンが表示された状態が例示されている。なお、パチンコ遊技機1が通常遊技状態で制御されている場合であっても第2特別図柄判定が保留されることがある。この場合、第2特別図柄判定が保留されていることを示す保留アイコンは表示されてもよいし、表示されなくてもよい。
当該領域52は、第1特別図柄が変動表示されていることを示す当該アイコンを表示する領域である。この当該アイコンは、第1特別図柄(及び装飾図柄)の変動表示の開始に伴って当該領域52に表示され、第1特別図柄(及び装飾図柄)が停止表示される直前に当該領域52から消去される。
パチンコ遊技機1では、保留領域51に表示されている最先の保留アイコン(一番最初に表示された保留アイコン)に対応する第1特別図柄判定の実行に伴い、その保留アイコンを当該領域52に移動させるアイコンのシフト処理が実行される。そして、保留領域51に他の保留アイコンが表示されている場合には、保留領域51においてそれらの保留アイコンを当該領域側にシフトさせるシフト処理が併せて実行される。例えば、図7(A)に例示される状態で上記のシフト処理が行われた場合、保留領域51に3つの保留アイコンが表示された状態となり、これにより、第1特別図柄判定の保留数が「3」になったことが遊技者に示される。
[通常遊技状態での演出の流れ]
図8は、通常遊技状態での演出の流れを例示する説明図である。本実施形態では、通常遊技状態で遊技が制御されている場合、液晶画面5において以下のような演出が行われる。例えば、第1始動口11に遊技球が入賞すると、第1特別図柄判定が実行される。そして、第1特別図柄表示器41において、第1特別図柄が変動表示されたことに応じて、液晶画面5において装飾図柄が変動表示を開始する(図8(A)参照)。
第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であって、装飾図柄の変動表示態様が非リーチの場合には、有効ラインL1上(図7(A)参照)に左図柄および右図柄として異なる装飾図柄が疑似停止する。その後、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示されたことに応じてハズレの態様で装飾図柄が停止表示されることによってハズレが報知される(図8(B)参照)。そして、第1特別図柄判定が保留されている場合には、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52にシフトされ、第1特別図柄の変動表示に伴って装飾図柄の次の変動表示が開始されることになる(図8(C)参照)。
一方、装飾図柄の変動表示態様が非リーチではない場合、左図柄および右図柄として有効ラインL1上に同一の装飾図柄が疑似停止して、リーチが成立する(図8(D)参照)。リーチが成立すると、リーチ演出が実行される。
なお、リーチ成立前には、例えば、疑似連続演出が行われることがある。疑似連続演出は、その実行回数が多い程大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを報知(又は示唆)する演出である。疑似連続演出では、例えば、ハズレの態様(非リーチ、リーチハズレ目、又はチャンス目)の装飾図柄が有効ライン上に疑似停止された後に、全ての装飾図柄が再変動(疑似変動)される。チャンス目は、予め定められた非リーチの態様となる3つの奇数(又は偶数)を示す装飾図柄の組み合わせ(例えば、1、3、5の組み合わせ)であり、大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを報知(又は示唆)する組み合せである。
なお、他の実施形態では、なお、所定の装飾図柄(例えば7図柄)が有効ライン上に疑似停止されたことで疑似連続演出が行われる可能性を示唆(又は報知)してもよい。例えば、所定の装飾図柄(例えば7図柄)が有効ライン上に疑似停止された後には疑似連続演出が行われるので、遊技者は、その装飾図柄が有効ライン上に疑似停止したことで疑似連続演出が行われることを認識することが可能である。また、他の実施形態では、所定の装飾図柄の組み合わせ(例えば、6図柄と7図柄との組み合わせ)が有効ライン上に疑似停止されたことで、疑似連続演出が行われる可能性を示唆(又は報知)してもよい。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄の変動表示に伴って実行されるリーチ演出として、ノーマルリーチ演出、SPリーチ演出、SPSPリーチ演出、増加リーチ演出等が予め用意されている。
ノーマルリーチ演出(図8(E)参照)は、例えば、中図柄のスクロール速度を徐々に低下させていく演出であって、リーチ状態の左図柄および右図柄と、変動表示中の中図柄とが液晶画面5に大きく表示される演出である。本実施形態では、後述するSPリーチ演出やSPSPリーチ演出とは異なり、ノーマルリーチ演出としてはアニメ等のキャラクタが活躍する演出画像は表示されない。ノーマルリーチ演出は、装飾図柄の変動表示態様が非リーチである場合よりも「信頼度」は高いものの、大当たりとなる可能性は比較的低い演出である。「信頼度」は、大当たりになるときとハズレになるときとを含む全ての選択割合に対して、大当たりとなるときに選択される割合の度合い、すなわち大当たりとなる割合の程度である。
ノーマルリーチ演出は、リーチ成立直後に行われるリーチ演出である。ノーマルリーチ演出が行われる場合、第1特別図柄が停止表示されたことに応じて、ノーマルリーチ演出の終盤で当落(「大当たり」又は「ハズレ」)が報知される場合がある(図8(B)参照)。例えば、第1特別図柄として大当たり図柄が停止表示された場合には、これに応じて、大当たりの態様で装飾図柄が停止表示されることによって大当たりが報知される。この場合、装飾図柄の停止表示直後には、大当たり図柄の種類(すなわち大当たり種別)に応じて大当たり遊技に係る演出(例えばオープニング演出)が開始されることになる(図8(I)参照)。一方、第1特別図柄としてハズレ図柄が停止表示された場合には、これに応じて、リーチハズレの態様で装飾図柄が停止表示されることによってハズレが報知される。このように、ノーマルリーチ演出の終盤で当落が報知されて変動演出が終了する場合、この変動演出における最終リーチ演出はノーマルリーチ演出である。
なお、ノーマルリーチ演出の途中や、ノーマルリーチ演出の終盤においてリーチハズレの態様で装飾図柄が有効ラインL1上(図7(A)参照)に疑似停止された後、SPリーチ演出、SPSPリーチ演出、又は増加リーチ演出に発展する場合がある(図8(F)〜(H)参照)。例えば、ノーマルリーチ演出の終盤にリーチハズレの態様で装飾図柄を擬似停止させることによってハズレと見せ掛けておいて、これらの装飾図柄のうちの少なくとも1つの装飾図柄を再始動させて(スクロールを再開させて)、SPリーチ演出等へと発展させる。
SPリーチ演出(図8(F)参照)は、例えば、アニメのキャラクタが活躍する演出が実行される演出である。例えば、SPリーチ演出は、実行開始時に「SP」という演出画像が表示されたり、SPリーチ演出中に装飾図柄が液晶画面5に小さく表示される場合があったりする演出である(例えば図15(F)参照)。SPリーチ演出が実行された場合には、ノーマルリーチ演出のみが実行された場合に比べて大当たりに対する信頼度が高い。
SPリーチ演出は、リーチ成立直後、又はノーマルリーチ演出の途中や終盤から行われるリーチ演出である。SPリーチ演出が行われる場合、第1特別図柄が停止表示されたことに応じて、SPリーチ演出の終盤で当落(「大当たり」又は「ハズレ」)が報知される場合がある(図8(B)参照)。このように、SPリーチ演出の終盤で当落が報知されて変動演出が終了する場合、この変動演出における最終リーチ演出はSPリーチ演出である。
なお、SPリーチ演出の途中や、SPリーチ演出の終盤においてリーチハズレの態様で装飾図柄が有効ラインL1上に疑似停止された後、SPSPリーチ演出、又は増加リーチ演出に発展する場合がある(図8(G)及び(H)参照)。例えば、SPリーチ演出の終盤にリーチハズレの態様で装飾図柄を擬似停止させることによってハズレと見せ掛けておいて、これらの装飾図柄のうちの少なくとも1つの装飾図柄を再始動させて(スクロールを再開させて)、SPSPリーチ演出等へと発展させる。
SPSPリーチ演出(図8(G)参照)は、例えば、実写やCGのキャラクタが活躍する演出がSPリーチ演出よりも長い時間を掛けて展開される演出である。SPSPリーチ演出は、実行開始時に「SPSP」という演出画像が表示されたり、遊技者の期待感を増すための演出画像(例えば、信頼度を示唆するための演出画像)が表示されたりする演出である。また、SPSPリーチ演出中には、SPリーチ演出中と同様に、装飾図柄が液晶画面5に小さく表示される場合がある(例えば図15(H)参照)。SPSPリーチ演出が実行された場合には、ノーマルリーチ演出のみ又はSPリーチ演出のみが実行された場合に比べて大当たりに対する信頼度が高い。
SPSPリーチ演出は、リーチ成立直後、又はノーマルリーチ演出もしくはSPリーチ演出の途中や終盤から行われるリーチ演出である。SPSPリーチ演出が行われる場合、第1特別図柄が停止表示されたことに応じて、SPSPリーチ演出の終盤で装飾図柄が有効ラインL1上に停止表示されて当落(「大当たり」又は「ハズレ」)が報知される(図8(B)参照)。このように、SPSPリーチ演出の終盤で当落が報知されて変動演出が終了する場合、この変動演出における最終リーチ演出はSPSPリーチ演出である。
増加リーチ演出(図8(H)参照)は、リーチ成立後に有効ライン数(リーチ図柄)が増加する場合があるリーチ演出である。増加リーチ演出は、例えば、実写やCGのキャラクタが活躍する演出がSPリーチ演出よりも長い時間を掛けて展開される演出である。増加リーチ演出が実行された場合には、ノーマルリーチ演出のみ又はSPリーチ演出のみが実行された場合に比べて大当たりに対する信頼度が高い。
なお、本実施形態では、増加リーチ演出とSPSPリーチ演出との大当たりに対する信頼度がほぼ同じになるように予め設定されている。他の実施形態では、SPSPリーチ演出の方が増加リーチ演出よりも信頼度が高く設定されていてもよいし、増加リーチ演出の方がSPSPリーチ演出よりも信頼度が高く設定されていてもよい。
増加リーチ演出は、リーチ成立直後、又はノーマルリーチ演出もしくはSPリーチ演出の途中や終盤から行われるリーチ演出である。増加リーチ演出が行われる場合、第1特別図柄が停止表示されたことに応じて、増加リーチ演出の終盤で装飾図柄が有効ラインL1上に停止表示されて当落(「大当たり」又は「ハズレ」)が報知される(図8(B)参照)。このように、増加リーチ演出の終盤で当落が報知されて変動演出が終了する場合、この変動演出における最終リーチ演出は増加リーチ演出である。
本実施形態では、増加リーチ演出として、1ライン演出、2ライン演出、3ライン演出、4ライン演出、5ライン演出、6ライン演出、7ライン演出、及び8ライン演出の8種類の増加リーチ演出が用意されている。1ライン演出は、リーチ図柄の数(有効ライン数)の増加をあおる図柄増加あおり演出(後述する)が行われるものの、リーチ図柄の数(有効ライン数)が増加しない演出である。
2ライン演出は、リーチ図柄数(有効ライン数)が1から2に増加する演出である。3ライン演出は、リーチ図柄数(有効ライン数)が1から3に増加する演出である。4ライン演出は、リーチ図柄数(有効ライン数)が1から4に増加する演出である。5ライン演出は、リーチ図柄数(有効ライン数)が1から5に増加する演出である。6ライン演出は、リーチ図柄数(有効ライン数)が1から6に増加する演出である。7ライン演出は、リーチ図柄数(有効ライン数)が1から7に増加する演出である。8ライン演出は、リーチ図柄数(有効ライン数)が1から8に増加する演出である。後に詳述するが、本実施形態では、ライン数が多い増加リーチ演出ほど大当たりに対する信頼度が相対的に高くなるように予め設定されている。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1で行われるリーチ演出は、大別すると、シングルラインリーチ演出とマルチラインリーチ演出とに分類される。ここで、シングルラインリーチ演出は、有効ライン数が1つのリーチ演出である。本実施形態では、ノーマルリーチ演出、SPリーチ演出、SPSPリーチ演出、及び増加リーチ演出のうちの1ライン演出がシングルラインリーチ演出に該当する。マルチラインリーチ演出は、有効ライン数が2以上のリーチ演出である。本実施形態では、増加リーチ演出のうちの1ライン演出以外がマルチラインリーチ演出に該当する。
なお、他の実施形態では、SPSPリーチ演出の途中や、SPSPリーチ演出の終盤においてリーチハズレの態様で装飾図柄が有効ラインL1上に疑似停止された後、増加リーチ演出に発展してもよい。このような場合、例えば、SPSPリーチ演出よりも増加リーチ演出の方が大当たりに対する信頼度が高くなるように予め設定する。
また、他の実施形態では、増加リーチ演出の途中や、増加リーチ演出の終盤においてリーチハズレの態様で装飾図柄が有効ライン上に疑似停止された後、有効ラインの数を増減させずにSPSPリーチ演出に発展させてもよい。このような場合、例えば、増加リーチ演出よりもSPSPリーチ演出の方が大当たりに対する信頼度が高くなるように予め設定する。例えば、増加リーチ演出のうちのリーチ図柄増加演出(後述する)が終了したタイミングでSPSPリーチ演出に発展してもよい。また、増加リーチ演出のうちの図柄揃いあおり演出(後述する)においてリーチハズレの態様で装飾図柄が有効ライン上に疑似停止された後にSPSPリーチ演出に発展してもよい。例えば、有効ライン数が2以上のマルチラインリーチ演出から他のリーチ演出に発展する場合には、有効ラインが1のシングルラインリーチ演出から発展する場合と異なる発展先に発展するように予め設定してもよい。その際、有効ライン数と、リーチ演出が発展することを報知(又は示唆)する背景画像の種類とで、発展先を報知(又は示唆)してもよい。例えば、有効ライン数が1のノーマルリーチ演出からの発展タイミングで背景画像Aが表示されると第1SPSPリーチ演出に発展し、背景画像Bが表示されると第2SPSPリーチ演出に発展する。一方、有効ライン数が2の2ライン演出からの発展タイミングで背景画像Aが表示されると第3SPSPリーチ演出に発展し、背景画像Bが表示されると第4SPSPリーチ演出に発展する。さらに、リーチ図柄が7図柄の場合には、上記発展先よりも相対的に信頼度が高いSPSPリーチ演出に発展してもよい。このような構成により、遊技者は、発展先を予測する楽しみが得られるため、有効ライン数により注目することとなり、遊技の興趣性を向上することが可能である。また、有効ライン数と共に、リーチ図柄にも興味を持たせることが可能になるため、リーチ演出の演出効果を高めることが可能である。
また、他の実施形態では、増加リーチ演出の途中や、増加リーチ演出の終盤においてシングルリーチ演出(例えばSPSPリーチ演出)に発展する場合、発展に際して、増加リーチ演出中に表示されていたリーチ図柄のうちの何れか1つを、シングルリーチ演出中に表示させるリーチ図柄としてもよい。例えば、偶数図柄と奇数図柄とが増加リーチ演出中のリーチ図柄であった場合、増加リーチ演出からシングルリーチ演出への発展に際して、奇数図柄を消去して偶数図柄で構成されるリーチ図柄のみを表示させるようにしてもよい。このような構成により、大当たり時には確変であって欲しいといった期待感を抱きながら、発展後のシングルリーチ演出を楽しむことができる。なお、増加リーチ演出開始前に奇数図柄で構成されるリーチ図柄が表示されていた場合には、増加リーチ演出からシングルリーチ演出への発展に際して、偶数図柄を消去して奇数図柄で構成されるリーチ図柄のみを表示させるようにしてもよい。このような構成により、確変当たりかもしれないとの期待感を抱きながら遊技を楽しんでいた遊技者を落胆させずにすむ。
また、他の実施形態では、全ての装飾図柄が大当たりの態様で同期しながら変動表示(例えばスクロール表示)するリーチ演出を備えてもよい。この場合、リーチ演出には、例えば、大当たりの態様で同期しながら変動表示される全ての装飾図柄が、遊技者に有利な大当たりに当選したことを報知する装飾図柄(例えば、7図柄)で停止表示されるのではないかという期待感を遊技者に与える演出が含まれてもよい。
また、大当たりの態様は、3つの同じ装飾図柄の組み合わせ(例えば、7図柄揃い)に限らない。他の実施形態では、特別図柄判定の判定結果が大当たり(例えば上述した潜伏大当たり)の場合に、予め定められたリーチハズレ又はチャンス目の態様で装飾図柄が停止表示されてもよい。また、同一の2つの装飾図柄(例えば左図柄および右図柄)が有効ライン上に間隔を空けて並べられると共に、有効ライン上におけるこれら2つの装飾図柄の間に「大当たり」を報知(又は示唆)する特殊図柄を表示させるといった態様で大当たりを報知してもよい。
図9は、遊技制御基板100で行われる各種判定での決定割合の例について説明するための説明図である。本実施形態では、遊技制御基板100におけるメインCPU101は、例えば、始動口に遊技球が入賞した際に、特別図柄判定用の乱数として大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得する。遊技制御基板100におけるメインROM102には、これら特別図柄判定用の乱数の値と比較するための判定値が振り分けられたテーブルが予め記憶されている。
図9(A)は、遊技制御基板100で行われる大当たり判定(図23参照)での決定割合の一例である。例えば、メインCPU101は、始動口に遊技球が入賞した際に取得した大当たり乱数と、大当たり判定テーブルとを用いて、大当たり判定の判定結果を「大当たり」または「ハズレ」の何れとするかを、特別図柄判定の判定結果が報知される以前に決定する。図9(A)に示す決定割合の例では、パチンコ遊技機1の確変制御が行われているか否かに応じて、大当たりとするかハズレとするかの決定割合が異なっている。メインCPU101は、例えば、メインRAM103に記憶された確変遊技フラグ(図28参照)がONである場合に確変制御が行われていると判定する。本実施形態では、確変遊技状態に制御されている場合には、確変制御が行われていると判定される。また、通常遊技状態または時短遊技状態に制御されている場合には、確変制御が行われていないと判定される。
本実施形態では、確変制御御が行われていない場合には1/318の確率で大当たりと判定され、317/318の確率でハズレと判定されるように、低確率時用大当たり判定テーブルにおいて大当たり乱数と比較される判定値が予め振り分けられている(図9(A)参照)。具体的には、例えば、「0〜65535」が判定値として設定される場合、大当たりと判定される判定値として「0〜205」が定められており、ハズレと判定される判定値として「206〜65535」が定められている。
一方、例えば、確変制御御が行われている場合には10/318の確率で大当たりと判定され、308/318の確率でハズレと判定されるように、高確率時用大当たり判定テーブルにおいて大当たり乱数と比較される判定値が予め振り分けられている。具体的には、例えば、大当たりと判定される判定値として「0〜2060」が定められており、ハズレと判定される判定値として「2061〜65535」が定められている。
図9(B)は、大当たり図柄の種類(大当たり種別)の決定割合の一例である。例えば、メインCPU101は、大当たり判定の判定結果が「大当たり」の場合、始動口に遊技球が入賞した際に取得した図柄乱数と、図柄決定テーブルとを用いて、特別図柄判定の判定結果が報知される以前に大当たり図柄の種類を決定する。これにより、大当たり種別が決定されることになる。図7(B)に示す決定割合の例では、特別図柄判定に係る特別図柄が第1特別図柄であるか第2特別図柄であるかによって、大当たり種別の決定割合が異なる。
本実施形態では、特別図柄判定に係る特別図柄が第1特別図柄である場合、30%の割合で非確変当たりに決定され、50%の割合で16R確変当たりに決定され、20%の割合で2R確変当たりに決定されるように、図柄乱数と比較される判定値が予め割り振られている(図9(B)参照)。具体的には、例えば、「0〜99」が判定値として設定される場合、非確変当たりと判定される判定値として「0〜29」が定められており、16R確変当たりと判定される判定値として「30〜79」が定められており、2R確変当たりと判定される判定値として「80〜99」が定められている。
一方、特別図柄判定に係る特別図柄が第2特別図柄である場合、30%の割合で非確変当たりに決定され、70%の割合で16R確変当たりに決定されるように図柄乱数と比較される判定値が予め割り振られている。具体的には、例えば、非確変当たりと判定される判定値として「0〜29」が定められており、16R確変当たりと判定される判定値として「30〜99」が定められている。なお、第2特別図柄である場合には、2R確変当たりに対応して判定値が割り振られていない。このように、大当たり種別が16R確変当たりに決定される割合は、特別図柄判定に係る特別図柄が第1特別図柄のときよりも、第2特別図柄のときに高くなる。
図9(C)は、リーチ判定において、リーチ演出が実行できる特別図柄の変動パターンを選択するか否かを決定するために用いるリーチ判定テーブルにおける、リーチ乱数の値と比較するための判定値の振分率(決定割合)を説明するための説明図である。大当たり判定の判定結果がハズレである場合、メインCPU101は、例えば、始動口に遊技球が入賞した際に取得したリーチ乱数と、リーチ判定テーブルとを用いて、特別図柄判定の判定結果が報知される以前に、リーチ演出が実行できる変動パターンを選択するか否かを決定する。ハズレである場合にリーチ演出が実行できる変動パターン(リーチ)にすると決定された場合、演出制御基板130において、装飾図柄の変動表示態様がリーチハズレとなる変動演出パターンが選択されることになる。また、リーチ演出が実行できない変動パターン(非リーチ)にすると決定された場合、演出制御基板130において、装飾図柄の変動表示態様が非リーチとなる変動演出パターンが選択されることになる。例えば、メインROM102には、遊技状態毎に異なるリーチ判定テーブルが予め記憶されている。
本実施形態では、大当たり判定の判定結果が大当たりの場合、何れの遊技状態に制御されているかに関わらず、100%の割合でリーチ判定の判定結果がリーチに決定されるように、リーチ乱数と比較される判定値が割り振られている。具体的には、例えば、「0〜99」が判定値として設定される場合、リーチと判定される判定値として「0〜99」が定められている。これに対して、大当たり判定の判定結果がハズレの場合、例えば、特別図柄判定が行われた際の保留数に応じて決定割合を異ならせている。本実施形態では、保留数が多いときより少ないときの方が、リーチ判定の判定結果がリーチに決定され易いように予め設定されている。
例えば、通常遊技状態では、ハズレであって保留が0〜1の場合には、15%の割合でリーチ判定の判定結果がリーチに決定され、85%の割合でリーチ判定の判定結果が非リーチに決定されるように、リーチ乱数と比較される判定値が予め割り振られている(図9(C)参照)。具体的には、例えば、「0〜99」が判定値として設定される場合、リーチと判定される判定値として「0〜14」が定められており、非リーチと判定される判定値として「15〜99」が定められている。また、通常遊技状態では、ハズレであって保留が2〜3の場合には、5%の割合でリーチに決定され、95%の割合で非リーチに決定されるように、リーチ乱数と比較される判定値が予め割り振られている。具体的には、例えば、リーチと判定される判定値として「0〜4」が定められており、非リーチと判定される判定値として「5〜99」が定められている。
なお、例えば、ハズレであって確変遊技状態および時短遊技状態に制御されている場合には、リーチ乱数の値と比較される判定値が通常遊技状態に制御されている場合よりも多い割合で非リーチに予め割り当てられていてもよい。例えば、ハズレの場合には100%の割合で非リーチに決定されてもよい(すなわち「リーチ」は0%)。このように設定することで、確変遊技状態および時短遊技状態に制御されている場合には、通常遊技状態に制御されている場合よりも特別図柄の平均的な変動表示時間を短縮できる。
図9(D)は、遊技制御基板100において変動パターンを決定するために用いられる大当たり用変動パターンテーブル及びリーチ用変動パターンテーブルにおける、変動パターン乱数の値と比較するための判定値の振分率(決定割合)を説明するための説明図である。例えば、メインCPU101は、始動口に遊技球が入賞した際に取得した変動パターン乱数と、変動パターンテーブルとを用いて、特別図柄判定の判定結果が報知される以前に、変動パターンを決定する。例えば、メインROM102には、始動口及び遊技状態毎に異なる変動パターンテーブルが予め記憶されている。図9(D)は、通常遊技状態に制御されている場合における、第1特別図柄の変動パターンに対応した変動パターン乱数の値と比較するための判定値の決定割合を示している。
まず、図9(D)を参照しつつ、大当たり判定の判定結果が大当たりである場合の大当たり用変動パターンについて説明する。図9(D)に示す決定割合の例では、大当たりである場合、変動演出の最後に実行される最終リーチ演出が何れのリーチ演出種別であるかの決定割合が大当たり種別に応じて異なっている。
図9(D)に例示するように、大当たり種別が非確変当たりである場合、16R確変当たり及び2R確変当たりである場合よりも低い割合で最終リーチ演出がSPSPリーチ演出または増加リーチ演出に決定される。例えば、非確変当たりに当選した際の最終リーチ演出は、4%の割合でノーマルリーチ演出に、30%の割合でSPリーチ演出に、33%の割合でSPSPリーチ演出に、33%の割合で増加リーチ演出に決定されるように、変動パターン乱数と比較される判定値が予め振り分けられている。本実施形態では、特別図柄の変動時間が長い程、変動パターン乱数と比較される判定値が多く振り分けられている。
ここで、図10は、通常遊技状態における第1特別図柄の変動パターンの一例を説明するための説明図である。図10に例示するように、例えば、最終リーチ演出としてノーマルリーチ演出を実行できる大当たり用変動パターンとして、変動パターンA1が予め用意されている。最終リーチ演出としてSPリーチ演出を実行できる大当たり用変動パターンとして、変動パターンA2及びA3が予め用意されている。最終リーチ演出としてSPSPリーチ演出を実行できる大当たり用変動パターンとして、変動パターンA4〜7が予め用意されている。また、最終リーチ演出として増加リーチ演出を実行できる大当たり用変動パターンとして、変動パターンA8〜35が予め用意されている。本実施形態では、大当たり時に実行可能な増加リーチ演出として、1ライン演出、2ライン演出、3ライン演出、4ライン演出、5ライン演出、6ライン演出、7ライン演出、及び8ライン演出の8種類が予め用意されている。最終リーチ演出として増加リーチ演出を実行できる大当たり用変動パターンのうち、変動パターンA8〜11は、1ライン演出を実行できる変動パターンである。また、変動パターンA12〜15は、2ライン演出を実行できる変動パターンである。このように、本実施形態では、何れのライン数の増加リーチ演出を実行可能であるかによって複数の変動パターンが予め用意されている。
ここで、図9(E)は、第1特別図柄に対応した大当たり用変動パターンテーブル及びリーチ用変動パターンテーブルにおいて、最終リーチ演出として増加リーチ演出を実行できる変動パターンに振り分けられた判定値の振分率(決定割合)を説明するための説明図である。図9(E)は、通常遊技状態に制御されている場合の決定割合の一例を示している。
最終リーチ演出として増加リーチ演出を実行できる大当たり用変動パターンが決定される場合、図9(E)に例示するように、その変動パターンが1ライン演出に係る変動パターンである確率は9%であり、2ライン演出に係る変動パターンである確率は10%である。また、3ライン演出に係る変動パターンである確率は12%であり、4ライン演出に係る変動パターンである確率は15%であり、5ライン演出に係る変動パターンである確率は16%である。また、6ライン演出に係る変動パターンである確率は18%であり、7ライン演出に係る変動パターンである確率は19%であり、8ライン演出に係る変動パターンである確率は1%である。
具体的には、図9(D)に例示される決定割合で最終リーチ演出が決定され、例えば、「0〜999」が判定値として設定される場合、変動パターンA1(ノーマルリーチ演出)と判定される判定値として「0〜39」が定められている。また、変動パターンA2又はA3(SPリーチ演出)のうちの何れかと判定される判定値として「40〜339」が定められている。また、変動パターンA4〜7(SPSPリーチ演出)のうちの何れかと判定される判定値として「340〜669」が定められている。そして、変動パターンA8〜35(増加リーチ演出)のうちの何れかと判定される判定値として「670〜999」が定められている。そして、有効ライン数毎に判定値が図9(E)に例示される割合で割り振られている場合、変動パターンA8〜11(1ライン演出)のうちの何れかと判定される判定値として「670〜699」が定められている。また、例えば、変動パターンA12〜15(2ライン演出)のうちの何れかと判定される判定値として「700〜732」が定められている。また、例えば、変動パターンA28〜31(7ライン演出)のうちの何れかと判定される判定値として「930〜996」が定められており、変動パターンA32〜35(8ライン演出)のうちの何れかと判定される判定値として「997〜999」が定められている。
なお、大当たりの場合、最終リーチ演出が同じ変動パターンに割り振られる判定値の数は、特別図柄の変動時間が長い変動パターンほど多く設定されていればよい。
図9(D)に戻り、大当たり種別が16R確変当たりである場合について説明する。大当たり種別が16R確変当たりである場合、非確変当たり及び2R確変当たりである場合よりも高い割合で最終リーチ演出がSPSPリーチ演出または増加リーチ演出に決定される。例えば、16R確変当たりの場合、最終リーチ演出は、1%の割合でノーマルリーチ演出に、25%の割合でSPリーチ演出に、37%の割合でSPSPリーチ演出に、37%の割合で増加リーチ演出に決定されるように、変動パターン乱数と比較される判定値が予め振り分けられている。なお、最終リーチ演出として実行できる増加リーチ演出が何れのライン数の増加リーチ演出であるかの割合は、図9(E)に示すとおりである。
また、大当たり種別が2R確変当たりである場合、非確変当たりよりも高い割合で最終リーチ演出がSPSPリーチ演出または増加リーチ演出に決定される。例えば、2R確変当たりの場合、最終リーチ演出は、2%の割合でノーマルリーチ演出に、28%の割合でSPリーチ演出に、35%の割合でSPSPリーチ演出に、35%の割合で増加リーチ演出に決定されるように、変動パターン乱数と比較される判定値が予め振り分けられている。なお、最終リーチ演出として実行できる増加リーチ演出が何れのライン数の増加リーチ演出であるかの割合は、図9(E)に示すとおりである。
このような決定割合になるように変動パターンと比較されるための判定値が予め振り分けられていることにより、大当たり種別に応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。
次に、図9(D)を参照しつつ、大当たり判定の判定結果がハズレである場合の変動パターンについて説明する。図9(D)に例示するように、ハズレの場合、最終リーチ演出は、66%の割合でノーマルリーチ演出に、28%の割合でSPリーチ演出に、3%の割合でSPSPリーチ演出に、3%の割合で増加リーチ演出に決定されるように、変動パターン乱数と比較される判定値が予め振り分けられている。
大当たり判定の判定結果がハズレである場合には、リーチ判定の判定結果がリーチであることに対応して複数のリーチ用変動パターンが予め用意されており、リーチ判定の判定結果が非リーチであることに対応して複数の非リーチ用変動パターンが予め用意されている。図10に例示するように、例えば、最終リーチ演出としてノーマルリーチ演出を実行できるリーチ用変動パターンとして、変動パターンH1が予め用意されている。最終リーチ演出としてSPリーチ演出を実行できるリーチ用変動パターンとして、変動パターンH2及びH3が予め用意されている。最終リーチ演出としてSPSPリーチ演出を実行できるリーチ用変動パターンとして、変動パターンH4〜7が予め用意されている。また、最終リーチ演出として増加リーチ演出を実行できる大当たり用変動パターンとして、変動パターンH8〜35が予め用意されている。
図9(E)に例示するように、最終リーチ演出として増加リーチ演出を実行できるリーチ用変動パターンが決定される場合、その変動パターンが1ライン演出に係る変動パターンである確率は18%であり、2ライン演出に係る変動パターンである確率は17%である。また、3ライン演出に係る変動パターンである確率は16%であり、4ライン演出に係る変動パターンである確率は14%であり、5ライン演出に係る変動パターンである確率は13%である。また、6ライン演出に係る変動パターンである確率は12%であり、7ライン演出に係る変動パターンである確率は10%である。なお、ハズレの場合には8ライン演出に係る変動パターンは選択されないため、8ライン演出には変動パターン乱数と比較される判定値が割り振られていない。
このような決定割合になるように変動パターンと比較されるための判定値が予め振り分けられていることにより、増加リーチ演出の有効ライン数が多い程(特別図柄の変動時間が長い程)大当たりに対する信頼度を高く設定することができる。また、8ライン演出は、大当たりに当選した場合にのみ実行できる。
また、図10に例示するように、非リーチ用変動パターンとして、例えば、変動パターンH32及びH33が予め用意されている。例えば、特別図柄判定が行われた際の保留数が少ない場合(例えば0〜1)には、保留数が多い場合(例えば2〜3)に比べて、特別図柄の変動時間が短い変動パターンに決定される割合が高くなるように、変動パターン乱数と比較するための判定値が各変動パターンに対して割り振られる。
なお、本実施形態では、特別図柄の変動時間が長く設定されているほど、有効ライン数が多い増加リーチ演出を実行できる。他の実施形態では、特別図柄の変動時間が同じで異なる有効ライン数の増加リーチ演出が実行できるように予め設定されてもよい。このような場合、例えば、演出制御基板130において、変動演出パターン選択乱数(後述する)に基づいて変動パターンと対応する複数の変動演出パターンのうちの何れかの変動演出パターンが選択されることにより、増加リーチ演出の有効ライン数が決定されてもよい。例えば、増加リーチ演出の有効ライン数が多い程、変動演出パターン選択乱数と比較される判定値が多く割り振られた大当たり用の変動演出パターン選択テーブルや、増加リーチ演出の有効ライン数が多い程、上記判定値が少なく割り振られたリーチハズレ用の変動演出パターン選択テーブルを用いて変動演出パターンを決定してもよい。
また、本実施形態では、パチンコ遊技機1の遊技状態が通常遊技状態である場合と、確変遊技状態または時短遊技状態である場合とでは、各変動パターンに対する決定割合が異なるように予め設定されている。これにより、何れの遊技状態であるかに応じて、同一の変動パターンに決定される割合を異ならせることができる。
また、他の実施形態では、パチンコ遊技機1の遊技状態が確変遊技状態、時短遊技状態、及び通常遊技状態のうちの何れであるかに応じて、異なる変動パターンが決定されるようにしてもよい。例えば、増加リーチ演出の実行が可能な変動パターンは、通常遊技状態でのみ選択可能でもよい。これにより、何れの遊技状態であるかに応じて、異なる変動パターンに決定でき、実行されたリーチ演出によって現在の遊技状態を報知(又は示唆)することが可能である。また、例えば、確変遊技状態および時短遊技状態の場合には、通常遊技状態の場合よりも変動時間が短い変動パターンが予め用意されていてもよい。これにより、確変遊技状態および時短遊技状態の場合の特別図柄の変動時間を短縮できる。
なお、図9に例示した数値は一例に過ぎず、特別図柄判定用の各種乱数の値と比較される判定値の振分率は図9に例示した割合に限らない。例えば、確変当たりの割合は所定値以下(例えば65%以下)でもよい。例えば、増加リーチ演出のライン数が多い程、大当たりに対する信頼度や、遊技者にとって有利な大当たりに当選した可能性が相対的に高くなるような任意の設定であればよい。
図11は、最終リーチ演出種別と、リーチ図柄と、大当たり信頼度との対応関係について説明するための説明図である。例えば、サブCPU131は、変動パターンの情報等を含む変動演出開始コマンド(後述する)を遊技制御基板100から受信した際に、変動演出パターン乱数を取得する。そして、サブCPU131は、変動演出パターン乱数と、変動演出パターン選択テーブルとに基づいて、変動パターンに対応した装飾図柄の変動演出パターンを選択する。このようにして決定された変動演出パターンによって、装飾図柄の変動演出が制御される。本実施形態では、変動演出中にリーチ図柄として7図柄が表示された場合、リーチ図柄として7図柄が表示されない場合よりも大当たりに対する信頼度が相対的に高くなるように予め設定されている。
図11(A)は、第1特別図柄に係る変動演出として出現した場合の16R確変当たりに対する信頼度の平均値を例示する説明図である。信頼度の平均値は、例えば、保留数が1以下である場合と2以上である場合とに基づいて算出する。例えば、ノーマルリーチ演出が最終リーチ演出のとき、リーチ図柄として7図柄が表示されない場合の信頼度は0.04%であり、リーチ図柄として7図柄が表示される場合の信頼度は1.6%である。SPリーチ演出が最終リーチ演出のとき、リーチ図柄として7図柄が表示されない場合の信頼度は12%であり、リーチ図柄として7図柄が表示される場合の信頼度は45%である。SPSPリーチ演出が最終リーチ演出のとき、リーチ図柄として7図柄が表示されない場合の信頼度は21%であり、リーチ図柄として7図柄が表示される場合の信頼度は74%である。8ライン演出以外の増加リーチ演出が最終リーチ演出のとき、リーチ図柄として7図柄が表示されない場合の信頼度は12〜22%であり、リーチ図柄として7図柄が表示される場合の信頼度は61〜76%である。本実施形態では、ライン数が多い増加リーチ演出(例えば、7ライン演出)の方が、ライン数が少ない増加リーチ演出(例えば、1ライン演出や2ライン演出)よりも信頼度が高くなるように予め設定されている。このため、信頼度には幅がある。8ライン演出が最終リーチ演出のとき、信頼度は100%であり、リーチ図柄として7図柄が必ず表示される。
例えば、16R確変当たりの場合、大当たりの態様の最終停止図柄は、85%の確率で7図柄に決定され、15%の確率で7図柄以外の装飾図柄に決定される。また、例えばハズレの場合、最終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄は、6%の確率で7図柄に決定され、94%の確率で7図柄以外の装飾図柄に決定される。7図柄以外の装飾図柄はそれぞれ同じ確率で決定される。例えば、2ライン演出におけるリーチ図柄が4図柄または5図柄の場合、それぞれの最終停止図柄である確率は50%である(図11(B)参照)。また、2ライン演出におけるリーチ図柄が7図柄または8図柄の場合、7図柄が最終停止図柄である確率は85%であり、8図柄が最終停止図柄である確率は15%である(図11(C)参照)。
なお、他の実施形態では、所定の遊技状態(例えば確変遊技状態)に制御されているときにリーチ図柄として7図柄が表示された場合には、必ず大当たりであるように予め設定されていてもよい。
なお、図11に示した数値は一例に過ぎない。他の実施形態では、リーチ図柄として7図柄が表示される場合のノーマルリーチ演出の信頼度は、例えば、7図柄が表示される場合のSPリーチ演出と同じ位に高くなるように設定されいてもよい(例えば信頼度40%)。
[動作演出による有効ライン数の報知(又は示唆)]
図12は、動作演出での演出役物71の最終発光色と有効ライン数との対応関係について説明するための説明図である。本実施形態では、増加リーチ演出に発展する際に、予告演出として、演出役物71を動作させる動作演出が実行される。動作演出では、演出役物71が原点位置から合体位置へと動作すると共に、合体位置において、白→青→緑→紫→赤→虹の順で、演出役物71の発光色が何れかの発光色まで段階的に変化する。本実施形態では、動作演出中に演出役物71が最終的に何色に発光するかによって、その後に有効ライン数およびリーチ図柄数が何れの数になるかを報知(又は示唆)することが可能である。以下の説明では、最終的な演出役物71の発光色を「最終発光色」と呼ぶ場合もある。
具体的には、演出役物71が白色にのみ発光される動作演出は、有効ライン数1の1ライン演出が実行されることを示唆する。演出役物71の最終発光色が青色の動作演出は、2ライン演出が実行されることを示唆する。最終発光色が緑色の動作演出は3ライン演出が実行されることを示唆し、最終発光色が紫色の動作演出は4ライン演出が実行されることを示唆する。また、最終発光色が赤色の動作演出は5ライン演出、6ライン演出、及び7ライン演出のうちの何れかの増加リーチ演出が実行されることを示唆し、最終発光色が虹色の動作演出は8ライン演出が実行されることを示唆する。
例えば、最終発光色が赤色の動作演出では、演出役物71の発光色が赤色になるまでの時間によって、5ライン演出、6ライン演出、及び7ライン演出のうちの何れかの増加リーチ演出が実行されるかを示唆してもよい。例えば、動作演出の実行時間は同じ(例えば25秒)であるが、演出役物71の発光色が赤色になるまでの時間は、5ライン演出、6ライン演出、7ライン演出の順に短くなるように予め設定されていてもよい。
なお、演出役物71の発光色の発光パターンは白→青→緑→紫→赤→虹の順に限らず、どのような発光パターンで発光されてもよい。例えば、動作演出の開始と共に、演出役物71を最終発呼色に発光させてもよい。
[演出の流れの例]
図13は、リーチ演出が実行される場合における各種演出の実行タイミングを例示するタイムチャートである。
(シングルラインリーチ演出の演出の流れ)
図13(A)には、最終リーチ演出としてノーマルリーチ演出が実行される場合に、特別図柄や装飾図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでに実行される各種演出の実行タイミングが例示されている。図13(A)は、変動パターンA1(大当たり時)又は変動パターンH1(ハズレ時)に対応した変動演出中に実行される演出の実行タイミングの一例である。
特別図柄が変動表示を開始したことに応じて、全装飾図柄(左図柄、中図柄、及び右図柄)が変動表示を開始する。そして、まず、有効ラインL1上(図7(A)参照)に左図柄が疑似停止した後、有効ラインL1上に右図柄が疑似停止してリーチが成立する。リーチが成立すると、ノーマルリーチ演出が開始される。その後、例えば、ノーマルリーチ演出の終盤において、当落を報知する態様で全装飾図柄が有効ライン上に疑似停止される。例えば、変動パターンA1に対応した変動演出パターンが予め選択されていた場合には、大当たりの態様で装飾図柄が疑似停止される。これに対して、変動パターンH1に対応した変動演出パターンが予め選択されていた場合には、ハズレの態様で装飾図柄が疑似停止される。その後、特別図柄が停止表示されたことに応じて、疑似停止されていた装飾図柄が当落を報知する態様で有効ライン上に停止表示されて、変動演出が終了する。
(マルチラインリーチ演出の演出の流れ)
図13(B)には、最終リーチ演出として増加リーチ演出が実行される場合に、特別図柄や装飾図柄の変動表示が開始されてから停止表示されるまでに実行される各種演出の実行タイミングが例示されている。図13(B−1)は、最終リーチ演出として2ライン演出が実行される場合の一例であり、変動パターンA12(大当たり時)又は変動パターンH12(ハズレ時)に対応した変動演出中に実行される演出の実行タイミングの一例を示している。図13(B−2)は、最終リーチ演出として4ライン演出が実行される場合の一例であり、変動パターンA20(大当たり時、不図示)又は変動パターンH20(ハズレ時、不図示)に対応した変動演出中に実行される演出の実行タイミングの一例を示している。
まず、図13(B−1)を参照しつつ、最終リーチ演出として2ライン演出が実行される場合の一例について説明する。図13(B−1)に例示されるように、特別図柄が変動表示を開始したことに応じて、全装飾図柄(左図柄、中図柄、及び右図柄)が変動表示を開始する。そして、まず、有効ラインL1上に左図柄が疑似停止した後、有効ラインL1上に右図柄が疑似停止してリーチが成立する。リーチが成立すると、ノーマルリーチ演出が開始される。その後、例えば、ノーマルリーチ演出の途中または終盤において、増加リーチ演出に発展する。変動パターンA12及びH12に対応した変動演出では、有効ライン数が2に増加してリーチ図柄が2種類に増加する2ライン演出が増加リーチ演出として実行される。
本実施形態では、増加リーチ演出として、ライン数増加演出が実行された後に、図柄揃いあおり演出が実行される。ライン数増加演出は、例えば、リーチ図柄が変化する(増加する)ことに対する期待感を遊技者に与える演出である。図柄揃いあおり演出は、例えばリーチ図柄と同じ種類の中図柄を有効ライン付近に表示させることによって、変動表示中の中図柄が、左図柄および右図柄と同一の図柄で停止するのではないかという期待感を遊技者に与える演出である。
本実施形態では、増加リーチ演出に発展する際に、演出役物71を動作させる動作演出が実行される。変動パターンA12及びH12に対応した変動演出は、例えば、有効ライン数およびリーチ図柄数が2まで増加することを報知する動作演出の実行が可能である。この動作演出では、例えば、所定の実行時間(例えば10秒)で、演出役物71が、白色に発光した後に青色に発光する。これと共に、例えば、演出役物71の背景として、演出役物71の発光色に合わせる態様で液晶画面5に白色の演出画像が表示された後に青色の演出画像が表示される。
例えば、本実施形態では、増加リーチ演出の実行開始タイミングでライン数増加演出のうちの図柄増加あおり演出が実行される(図13(B−1)参照)。図柄増加あおり演出は、例えば、有効ラインL1上に疑似停止されたリーチ図柄を一旦認識困難な状態(例えば、消去、又は再変動表示)にさせることによって、リーチ図柄が変化するのではないかといった印象を遊技者に与える演出である。しかしながら、動作演出が実行されている間は、演出役物71が液晶画面5の前面に移動されると共に、動作演出に係る演出画像が液晶画面5に表示されるため、遊技者は、動作演出が終了するまで図柄増加あおり演出に係る演出画像を視認できない。なお、動作演出の実行中の図柄増加あおり演出の実行は内部的なものでもよいし、動作演出の終了と共に図柄増加あおり演出の実行が開始されてもよい。
動作演出が終了して図柄増加あおり演出に係る演出画像が視認可能になると、まず、有効ライン数が増加することに対する遊技者の期待感を高める演出表示が所定の実行時間(例えば2秒)で実行される。図柄増加あおり演出後には、有効ライン数およびリーチ図柄数が予め定められた数に増加するリーチ図柄増加演出が所定の実行時間(例えば2秒)で実行される。例えば、2ライン演出では、有効ライン数およびリーチ図柄数がリーチ図柄増加演出中に2に増加する。
有効ライン数およびリーチ図柄数が、予め定められた数である2に増加すると、図柄揃いあおり演出が実行される。本実施形態では、まず、有効ライン毎に、変動表示中の中図柄が、その有効ライン上に疑似停止された左図柄および右図柄と同一の図柄で停止するのではないかという期待感を遊技者に与える第1図柄揃いあおり演出が実行される。そして、全ての有効ラインに対して第1図柄揃いあおり演出が行われた直後に、変動表示中の中図柄が、全ての有効ライン上に疑似停止されたリーチ図柄のうちの何れか1つと同一の図柄で停止するのではないかという期待感を遊技者に与える第2図柄揃いあおり演出が実行される。
例えば、図13(B−1)に示された例では、まず、左図柄領域の最も下の段(以下、「最下段」と呼ぶ。)と、右図柄領域の最も上の段(以下、「最上段」と呼ぶ。)とから構成される第1ライン上に疑似停止された装飾図柄に対して第1図柄揃いあおり演出が実行される。例えば、2ライン演出の場合の第1ラインは、有効ラインL3である(図7(B)参照)。その後、左図柄領域の最上段と右図柄領域の最下段とから構成される第2ライン(例えば有効ラインL2)上に疑似停止された装飾図柄を対象とした第1図柄揃いあおり演出の実行が終了すると、第1ライン及び第2ライン上に疑似停止された装飾図柄を対象とした第2図柄揃いあおり演出が実行される。
本実施形態では、第2図柄揃いあおり演出の終盤でボタン操作演出が実行される。ボタン操作演出は、例えば、遊技者に演出ボタン26への操作を促す演出である。ボタン操作演出開始後の所定のタイミング(例えばボタン操作演出開始時から1秒後)に遊技者によって演出ボタン26が操作された場合には、操作に応じて、特別図柄判定の判定結果を報知する態様で全装飾図柄が有効ライン上に所定時間(例えば10秒)疑似停止される。一方、ボタン操作演出中に遊技者によって演出ボタン26が操作されなかった場合、演出ボタン26の操作が有効となる予め定められた有効期間(例えばボタン操作演出開始時から3秒)が終了したタイミングから、特別図柄判定の判定結果を報知する態様で全装飾図柄が有効ライン上に所定時間(例えば8秒)疑似停止される。
例えば、変動パターンA12に対応した変動演出では、第1ライン上または第2ライン上のうちの何れかにおいて大当たりの態様となるように装飾図柄が疑似停止される。これに対して、変動パターンH12に対応した変動演出では、第1ライン上または第2ライン上のうちの何れにおいてもハズレの態様となるように装飾図柄が疑似停止される。その後、特別図柄が停止表示されたことに応じて、疑似停止されていた装飾図柄が当落を報知する態様で有効ライン上(例えば有効ラインL1上)に停止表示されて、変動演出が終了する。
図13(B−1)に例示されるように、ボタン操作演出中の遊技者の操作の有無に関わらず、装飾図柄が停止表示されるタイミングは同じである。しかしながら、演出ボタン26が操作された場合には、操作に応じてボタン操作演出が終了した時間だけ、演出ボタン26が操作されなかった場合よりも装飾図柄が疑似停止される時間が長い。このように、操作タイミングの差により生じる、ボタン操作演出終了時から特別図柄が停止表示されるまでの時間差を、装飾図柄の疑似停止時間で吸収させている。これにより、特別図柄の停止に応じて装飾図柄を停止表示でき、演出の流れをスムーズにすることができる。
次に、図13(B−2)を参照しつつ、最終リーチ演出として4ライン演出が実行される場合の一例について説明する。図13(B−2)に例示されるように、増加リーチ演出に発展するまでは、例えば、図13(B−1)に例示する場合と同様の態様で各種演出が実行される。しかしながら、変動パターンA20及びH20に対応した変動演出では、増加リーチ演出として、有効ライン数が4に増加してリーチ図柄が4種類に増加する4ライン演出が実行される。
変動パターンA20及びH20に対応した変動演出では、増加リーチ演出に発展する際、有効ライン数およびリーチ図柄数が4に増加することを報知する動作演出の実行が可能である。この動作演出では、例えば、所定の実行時間(例えば22秒)で演出役物71の発光色が、白色、青色、緑色、紫色の順に段階的に変化する。これと共に、例えば、演出役物71の背景として、演出役物71の発光色に合わせる態様で液晶画面5に白色、青色、緑色、紫色の順に演出画像が表示される。
その後、動作演出が終了すると、図柄増加あおり演出に係る演出画像が所定時間(例えば2秒)視認可能になった後、リーチ図柄増加演出が所定の実行時間(例えば2秒)で実行される。これにより、有効ライン数およびリーチ図柄数が予め定められた数である4に増加する。
有効ライン数およびリーチ図柄数が4に増加すると、左図柄領域の最下段と右図柄領域の最上段とから構成される第1ライン上に疑似停止された装飾図柄に対して第1図柄揃いあおり演出が実行される。その後、順次、左図柄領域の最下段から所定数ずつ上の段(例えば1段)と、右図柄領域の最上段から所定数ずつ下の段(例えば1段)とから構成される有効ライン上に疑似停止された装飾図柄に対して第1図柄揃いあおり演出が実行される。このようにして、第1ライン、第2ライン、第3ライン、第4ラインの順に第1図柄揃いあおり演出が実行された後、第1〜4ライン上に疑似停止された装飾図柄を対象とした第2図柄揃いあおり演出が実行される。
その後、第2図柄揃いあおり演出の終盤でボタン操作演出が実行される。ボタン操作演出開始後の所定のタイミング(例えばボタン操作演出開始時から1秒後)に遊技者によって演出ボタン26が操作された場合、操作に応じて、特別図柄判定の判定結果を報知する態様で全装飾図柄が有効ライン上に所定時間(例えば10秒)疑似停止される。一方、ボタン操作演出中に遊技者によって演出ボタン26が操作されなかった場合、演出ボタン26の操作が有効となる予め定められた有効期間(例えばボタン操作演出開始時から3秒)が終了すると、特別図柄判定の判定結果を報知する態様で全装飾図柄が有効ライン上に所定時間(例えば8秒)疑似停止される。
例えば、変動パターンA20に対応した変動演出では、第1〜4ラインのうちの何れかの有効ライン上において大当たりの態様となるように装飾図柄が疑似停止される。これに対して、変動パターンH20に対応した変動演出では、第1〜4ライン上の何れにおいてもハズレの態様となるように装飾図柄が疑似停止される。その後、特別図柄が停止表示されたことに応じて、当落を報知する態様で有効ライン上(例えば有効ラインL1上)に装飾図柄が停止表示されて、変動演出が終了する。
なお、最終リーチ演出として1ライン演出が実行される場合には、ライン数増加演出のうちの図柄増加あおり演出が実行された後、リーチ図柄増加演出が実行されずに、有効ライン数およびリーチ図柄数が1から増加しない演出表示が行われる。その後、1つの有効ラインに対して第1図柄揃いあおり演出が行われた後、1つの有効ラインに対して第2図柄揃いあおり演出が行われる。そして、図13(B−1)及び図13(B−2)に例示された場合と同様、第2図柄揃いあおり演出の終盤でボタン操作演出が実行される。ボタン操作演出終了後、当落を報知する態様で装飾図柄が疑似停止された後、特別図柄の停止表示に応じて装飾図柄が当落を報知する態様で停止表示される。
また、本実施形態では、有効ライン数が2以上に増加する2〜7ライン演出では下記共通演出態様で演出が進行される。具体的には、増加後の有効ライン数(リーチ図柄数)を報知する動作演出が終了した後、図柄増加あおり演出に係る演出画像が所定時間(例えば2秒)視認可能になる。その後、リーチ図柄増加演出が所定の実行時間(例えば2秒)で実行される。これにより、有効ライン数およびリーチ図柄数が、予め定められた数に増加する。有効ライン数およびリーチ図柄数が予め定められた数に増加すると、左図柄領域の最下段と右図柄領域の最上段とから構成される第1ライン上に疑似停止された装飾図柄に対して第1図柄揃いあおり演出が実行される。その後、順次、左図柄領域の最下段から所定数ずつ上の段(例えば1段)と、右図柄領域の最上段から所定数ずつ下の段(例えば1段)とから構成される有効ライン上に疑似停止された装飾図柄に対して第1図柄揃いあおり演出が実行される。このようにして、左図柄領域の最上段と右図柄領域の最下段とから構成される有効ライン上に疑似停止された装飾図柄を対象とした第1図柄揃いあおり演出の実行が終了すると、全ての有効ライン上に疑似停止された装飾図柄を対象とした第2図柄揃いあおり演出が実行される。そして、第2図柄揃いあおり演出の終盤でボタン操作演出が実行される。ボタン操作演出終了後、当落を報知する態様で装飾図柄が疑似停止された後、特別図柄の停止表示に応じて装飾図柄が当落を報知する態様で停止表示される。
なお、有効ライン数が8に増加する8ライン演出は、増加リーチ演出の終盤で必ず大当たりの態様で装飾図柄が疑似停止(停止表示)される点で2〜7ライン演出と異なるが、その他の点は、上記共通演出態様と同様である。
なお、他の実施形態では、増加リーチ演出に発展する際に動作演出が行われなくてもよいし、増加リーチ演出に発展する際に所定の割合(例えば8割)で動作演出が行われてもよい。また、他の実施形態では、動作演出は、増加後の有効ライン数(リーチ図柄数)を報知(又は示唆)する演出でなくてよい。
また、本実施形態では、報知または示唆する有効ライン数(リーチ図柄数)によって動作演出の実行時間が異なるように予め設定されている。他の実施形態では、何れの有効ライン数(リーチ図柄数)を報知または示唆するかによらず、同一の実行時間で動作演出が行われるように予め設定されていてもよい。
また、他の実施形態では、動作演出に代えて、所定の演出画像(例えば、動植物を模した動植物画像やキャラクタ画像)を液晶画面5の全体領域や一部領域に表示させることによって、増加後の有効ライン数を報知(または示唆)してもよい。
また、他の実施形態では、リーチ成立前に予め定められた所定の装飾図柄の組み合わせ(例えば、リーチハズレ目、チャンス目)で装飾図柄が疑似停止されると増加リーチ演出が実行される構成でもよい。
また、増加リーチ演出に発展する際に行われる動作演出は、有効ライン数およびリーチ図柄数が少なくとも2以上の何れかの数まで増加することを示唆(又は報知)する演出でもよい。例えば、動作演出において演出役物が白色から青色まで発展した場合には、有効ライン数およびリーチ図柄数が少なくとも2以上に増加することが確定していることを報知してもよい。このような動作演出が実行された場合には、増加リーチ演出において、有効ライン数およびリーチ図柄数が2以上の予め定められた所定数(例えば6)に増加する。
また、動作演出によって、増加リーチ演出において所定のリーチ図柄(例えば7図柄)が増加することを報知(又は示唆)してもよい。また、動作演出によって、増加リーチ演出が行われる可能性を示唆してもよい。例えば、動作演出が実行される場合、所定の割合(例えば6割)で増加リーチ演出が実行され、残りの割合(例えば4割)で増加リーチ演出が実行されなくてもよい。
また、動作演出は、増加リーチ演出において有効ライン数およびリーチ図柄数が増加する可能性を示唆する演出でもよい。例えば、動作演出が実行されると、所定の割合(例えば8割)で有効ライン数およびリーチ図柄数が増加する増加リーチ演出(例えば2ライン演出)が実行され、残りの割合(例えば2割)で有効ライン数およびリーチ図柄数が増加しない増加リーチ演出(1ライン演出)が実行されてもよい。
また、他の実施形態では、増加リーチ演出中にボタン操作演出が実行されなくてもよいし、増加リーチ演出中に所定の確率(例えば60%)でボタン操作演出が実行されてもよい。例えば、大当たりに対する信頼度が相対的に高い増加リーチ演出(例えば、7ライン演出、又は8ライン演出)が実行される場合には、信頼度がそれよりも低い増加リーチ演出(例えば、1ライン演出、又は2ライン演出)が実行される場合よりもボタン操作演出が実行される割合が高くてもよい。
[シングルラインリーチ演出の具体例]
次に、図14〜16を参照しつつ、シングルラインリーチ演出の具体例について説明する。図14は、シングルラインリーチ演出において、リーチ図柄および最終停止図柄が7図柄以外の場合の具体例について説明するための説明図である。図15及び16は、シングルラインリーチ演出において、リーチ図柄および最終停止図柄が7図柄の場合の具体例を示す画面図である。
(リーチ図柄および最終停止図柄が7図柄以外の場合)
まず、図14を参照しつつ、リーチ図柄および最終停止図柄が7図柄以外の場合について説明する。図14は、変動パターンA1(大当たり時)又は変動パターンH1(ハズレ時)に対応した、最終リーチ演出がノーマルリーチ演出である変動演出中に実行される演出の具体例を示している。図14(A)に例示されるように、例えば第1特別図柄判定の保留数が「1」の状態でハズレを示す態様で装飾図柄が停止表示されると、当該領域52に表示されていた当該アイコンが消去される。そして、第1特別図柄の変動表示が開始されたことに応じて、図14(B)に例示されるように、図柄領域50において装飾図柄の変動表示が開始される。これと共に、保留領域51に表示されていた最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示される。
例えば、図柄変動開始時から所定時間(例えば9秒)が経過すると、まず、左図柄として4図柄が有効ラインL1上(図7(A)参照)に擬似停止する(図14(C)参照)。
その後、所定時間(例えば2秒)が経過すると、右図柄として左図柄と同じ4図柄が有効ラインL1上に擬似停止して、リーチが成立する。リーチが成立すると、リーチ成立を報知するために、図14(D)に例示されるリーチライン画像53が、装飾図柄よりも手前のレイヤーにおける有効ライン上に所定時間(例えば2秒)表示される。リーチライン画像53は、リーチ図柄として表示されている左図柄および右図柄を結ぶ直線を示す演出画像である。例えば、白色のリーチライン画像53が表示されてもよい。
本実施形態では、リーチライン画像53の態様によって大当たりに対する信頼度を報知(又は示唆)する。例えば、白色のリーチライン画像53が表示された場合よりも、金色のリーチライン画像53が表示された場合の方が大当たりに対する信頼度が相対的に高くなるように予め設定されていてもよい。また、大当たり確定であること報知する所定のリーチライン画像53(例えば、虹色や形状が異なるリーチライン画像53)が予め用意されていてもよい。
また、リーチ成立を報知するために、「リーチ」等の文言を示す演出画像を表示させてもよいし、スピーカ24から「リーチ!」等の演出音を出力させてもよい。
なお、他の実施形態では、リーチライン画像53の態様によって大当たりに対する信頼度を報知(又は示唆)しなくてよい。
リーチが成立すると、変動パターンA1(大当たり時)又は変動パターンH1(ハズレ時)に対応した変動演出では、ノーマルリーチ演出が開始される(図14(E)参照)。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、装飾図柄が予め定められた有効ライン上(例えば図7(A)参照)に所定態様(例えば、左図柄と右図柄とが同一の装飾図柄で擬似停止された状態)で表示されるとリーチ状態となる。リーチ状態となると、装飾図柄を用いたリーチ演出が実行される。
ここで、ノーマルリーチ演出は、大当たりに対する信頼度が相対的に低いリーチ演出である。また、本実施形態では、図14(E)に例示されるように、液晶画面5に表示されたリーチ図柄が7図柄以外の装飾図柄では、大当たりとなることに対してあまり期待できない。このため、図14(E)に例示される時点では、遊技者は、ハズレが報知されるのではないかと予測したり、信頼度の高い別のリーチ演出に発展して欲しいと願ったりしながら遊技を楽しむことが可能である。
変動パターンH1に対応した変動演出では、ノーマルリーチ演出の終盤(例えば、図柄変動開始時から12秒後)でリーチ図柄とは異なる中図柄が有効ライン上に疑似停止する。これにより、有効ライン上にリーチハズレ目が表示されて、「ハズレ」が報知されることになる(図14(F)参照)。
一方、変動パターンA1に対応した変動演出では、ノーマルリーチ演出の終盤(例えば、図柄変動開始時から12秒後)でリーチ図柄と同じ中図柄が有効ライン上に疑似停止する。これにより、有効ライン上にいわゆるゾロ目(例えば4図柄揃い)が表示されて、「大当たり」が報知されることになる(図14(H)参照)。
その後、特別図柄が停止表示されたことに応じて、ハズレ又は大当たりの態様で疑似停止していた装飾図柄が、所定の図柄確定時間(例えば1秒)停止表示されて変動演出が終了する(図14(G)参照)。
(リーチ図柄および最終停止図柄が7図柄の場合)
次に、図15及び16を参照しつつ、リーチ図柄および最終停止図柄が7図柄の場合について説明する。まず、図15を参照しつつ、リーチ成立時のリーチ図柄が7図柄である場合の演出の具体例について説明する。図15は、変動パターンA5(大当たり時)又は変動パターンH5(ハズレ時)に対応した、最終リーチ演出がSPSPリーチ演出である変動演出中に実行される演出の具体例を示している。例えば、第1特別図柄の変動表示が開始されたことに応じて装飾図柄の変動表示が開始されてから所定時間(例えば9秒)が経過すると、まず、左図柄として7図柄が有効ラインL1上(図7(A)参照)に擬似停止する(図15(A)及び(B)参照)。
その後、所定時間(例えば2秒)が経過すると、右図柄として左図柄と同じ7図柄が有効ラインL1上に擬似停止して、リーチが成立する。本実施形態では、図15(C)に例示されるように、リーチ図柄が7図柄の場合、リーチ図柄が他の装飾図柄である場合とは異なる態様のリーチライン画像53が、装飾図柄よりも手前のレイヤーにおける有効ライン上に所定時間(例えば2秒)表示される。例えば、本実施形態では、大当たりに対する信頼度が相対的に高いリーチ図柄(7図柄)でリーチ状態になったことを報知するために、金色のリーチライン画像53が表示される。
本実施形態では、リーチ図柄が7図柄である場合、大当たりに対する信頼度が相対的に高くなるように予め設定されている。このような設定により、7図柄で構成されたリーチ図柄が表示されると、遊技者は、大当たりに当選するのではないかといった期待感を抱きながら遊技を楽しむことが可能になる。
なお、7図柄でリーチが成立することを報知(又は示唆)するために、右図柄領域に7図柄が疑似停止される際、右図柄領域に他の装飾図柄が疑似停止される場合とは異なる演出音(例えば立体音響効果ありの演出音)をスピーカ24から出力してもよい。また、7図柄でリーチが成立することを報知(又は示唆)するために、左図柄領域に7図柄が疑似停止される際にも同様に、他の装飾図柄が疑似停止される場合とは異なる演出音をスピーカ24から出力してもよい。
また、7図柄でリーチが成立したことを報知するために、リーチ図柄が他の装飾図柄で構成される場合と異なる態様で、「リーチ」等の文言を示す演出画像を表示させてもよい。また、スピーカ24から、リーチ図柄が他の装飾図柄で構成される場合と異なる態様(例えば立体音響効果あり)で「リーチ!」等の演出音を出力させてもよい。
リーチが成立すると、変動パターンA5(大当たり時)又は変動パターンH5(ハズレ時)に対応した変動演出では、まずノーマルリーチ演出が開始される(図15(D)参照)。
ここで、ノーマルリーチ演出は大当たりに対する信頼度は相対的に低いリーチ演出であるが、リーチ図柄が7図柄のため、図15(D)に例示される時点では、遊技者は、信頼度の高い別のリーチ演出に発展したり、大当たりとなったりする可能性が高いのではないかと予測することが可能である。
その後、例えば、ノーマルリーチ演出の途中または終盤で、SPリーチ演出に発展することを示唆する演出画像が表示される(図15(E)参照)。例えば、図15(E)に例示されるように、リーチ図柄である左図柄および右図柄を若干小さくすると共に液晶画面5の両端に少し移動させた状態で、液晶画面の中央部分を用いて演出画像の表示が行われる。
続いて、例えば、リーチ図柄が若干小さく表示されたまま、SPリーチ演出が開始される(図15(F)参照)。
ここで、SPリーチ演出は、SPSPリーチ演出および増加リーチ演出よりは大当たりに対する信頼度が低いものの、信頼度が低くはないリーチ演出である。また、リーチ図柄が7図柄のため、図15(F)に例示される時点では、遊技者は、大当たりとなる可能性が高いのではないかと予測したり、信頼度の高い別のリーチ演出に発展するのではないかと予測したりすることが可能である。
SPリーチ演出中、液晶画面5の中央部ではSPリーチ演出画像の表示が行われる。その後、SPリーチ演出の途中または終盤で、SPSPリーチ演出に発展することを示唆する演出画像が表示された後に、SPSPリーチ演出が開始される(図15(G)及び(H)参照)。
そして、SPSPリーチ演出の終盤でリーチ図柄と同じ中図柄が有効ライン上に停止することに対する遊技者の期待感を高める演出表示が行われる。
ここで、SPSPリーチ演出は大当たりに対する信頼度が比較的高いリーチ演出であり、リーチ図柄が7図柄のため、図15(H)に例示される時点では、遊技者は、大当たりとなる可能性が高いのではないかと予測することが可能である。
変動パターンA5(大当たり時)に対応した変動演出では、図15(H)に続いて、例えば、大当たりの態様(7図柄揃い)で疑似停止された装飾図柄が液晶画面5に大きく表示されて大当たりが報知される(図15(I)参照)。
一方、変動パターンH5(ハズレ時)に対応した変動演出では、図15(H)に続いて、例えば、7図柄とは異なる中図柄が疑似停止する。そして、7図柄のリーチハズレの態様で疑似停止された装飾図柄が液晶画面5に大きく表示されてハズレが報知される(図15(J)参照)。
なお、変動パターンA5に対応した変動演出では、SPSPリーチ演出の終盤であたかも「ハズレ」であるように見せかける演出を行った直後に大当たりを報知してもよい。例えば、変動パターンH5に対応した変動演出と同様に、リーチハズレの態様の装飾図柄を液晶画面5に大きく表示させてあたかもハズレであるように見せかけてから、大当たりを報知してもよい。例えば、大当たりを報知する前にはボタン操作演出を経由させてもよいし、大当たり確定を報知するために、演出役物71を動作させる演出や液晶画面5をブラックアウトさせる演出を所定時間(例えば3秒)行ってもよい。これにより、意外性のある演出を行うことができ、演出効果の低下を抑制できる。
なお、他の変動パターンに対応した変動演出では、例えば、図15に例示される流れと同様に演出が進行されつつ、異なるタイミングで当落が報知される。例えば、変動パターンA1に対応した変動演出では、図15(D)に例示されるノーマルリーチ演出の終盤で大当たりが報知されて変動演出が終了する。また、変動パターンH1に対応した変動演出では、図15(D)に例示されるノーマルリーチ演出の終盤でハズレが報知されて変動演出が終了する。変動パターンA1又はH1に対応した変動演出は図14を参照しつつ上述したが、この場合のリーチ図柄は7図柄であるため、遊技者は、図15(D)に例示される時点では、リーチ図柄が7図柄以外の場合(図14(E)参照)よりも、信頼度の高い別のリーチ演出に発展するのではないか、大当たりとなるのではないかといった期待感を抱くことが可能である。
また、例えば、変動パターンA2に対応した変動演出では、図15(F)に例示されるSPリーチ演出の終盤で大当たりが報知されて変動演出が終了する。また、変動パターンH2に対応した変動演出では、図15(F)に例示されるSPリーチ演出の終盤でハズレが報知されて変動演出が終了する。
(リーチ図柄が途中で7図柄に変わる場合)
次に、図16を参照しつつ、リーチ成立後にリーチ図柄が7図柄に変更される場合の演出の具体例について説明する。図16は、変動パターンA5(大当たり時)又は変動パターンH5(ハズレ時)に対応した、最終リーチ演出がSPSPリーチ演出である変動演出中に実行される演出の具体例を示している。例えば、装飾図柄の変動表示が開始された後(図16(A)参照)、図16(B)に例示されるように、4図柄でリーチが成立する場合がある。リーチ成立後、ノーマルリーチ演出が実行された後にSPリーチ演出に発展する。
その後、例えば、SPリーチ演出の終盤で、リーチハズレの態様で装飾図柄が液晶画面5に大きく疑似停止される(図16(E)参照)。そして、例えば、左図柄、中図柄、及び右図柄が再始動(例えばスクロール表示)してSPSPリーチ演出に発展することを示唆する再始動演出が行われる(図16(F)参照)。
なお、図16(F)においては、再始動演出画像の視認性を低下させないようにするために、3つの装飾図柄を液晶画面5の右下に小図柄として表示させた状態を示している。このように、演出上、図柄領域50に装飾図柄を表示させない方が好ましい場合には、装飾図柄を小図柄として図柄領域50とは異なる領域に小さく表示させてもよいし、装飾図柄を液晶画面5に表示させなくてもよい。なお、装飾図柄が液晶画面5に表示されていないときでも、液晶画面5において遊技者が視認可能な表示領域には、特別図柄の変動表示中であることを示す態様で点滅図柄画像(不図示)が表示されているため、図柄変動表示中であることを示すことができる。
再始動演出が行われてSPSPリーチ演出に発展すると、図16(G)に例示されるように、図柄領域50の左右の両端にリーチ図柄を構成する左図柄および右図柄として7図柄が表示される。このとき、リーチ図柄が7図柄に変更されたことを強調するために、例えば、金色のリーチライン画像53を装飾図柄よりも手前のレイヤーに所定時間(例えば1秒)表示させたり、表示開始時に7図柄の表示サイズを大きくさせたりしてもよい。
このように、本実施形態では、リーチ演出中にリーチ図柄が変更されることがある。本実施形態では、リーチ図柄が7図柄の場合、大当たりに対する信頼度が相対的に高くなるように予め設定されている。このような設定により、図16(E)に例示された変更前のリーチ図柄(4図柄)のままSPSPリーチ演出に発展した場合よりも、図16(G)に例示されるようにリーチ図柄が7図柄に変更されてSPSPリーチ演出に発展した場合の方が、遊技者は、大当たりとなるのではないかといった期待感を抱くことが可能である。
そして、SPSPリーチ演出の終盤で図柄揃いに対する遊技者の期待感を高める演出が行われた後に、第1特別図柄判定の判定結果を報知する当落報知が行われる(図16(H)及び(I)参照)。なお、図16(H)には、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを報知するために、7図柄揃いとなった状態が例示されている。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、液晶画面5において、第1特別図柄の変動表示に伴って装飾図柄を変動表示させてリーチが成立した後に、そのリーチを形成するリーチ図柄が変更される場合がある。
そして、本実施形態では、最終リーチ演出として大当たりに対する信頼度が相対的に低いノーマルリーチ演出が実行される場合よりも、最終リーチ演出として信頼度が相対的に高いSPSPリーチ演出が実行される場合の方が、リーチ図柄および最終停止図柄として7図柄が表示され易い。また、ハズレ時よりも大当たり時の方がリーチ図柄および最終停止図柄として7図柄が表示され易い。
なお、リーチ図柄が初めから7図柄であるときと、途中から7図柄に変更される場合と、7図柄ではない場合とでは、同じ変動パターンに対応した変動演出であっても、異なる種類のリーチ演出が実行されてもよいし、同じ種類のリーチ演出が実行されてもよい。例えば、リーチ図柄が初めから7図柄であるときの方が、大当たりに対する信頼度が相対的に高いノーマルリーチ演出、SPリーチ演出、及びSPSPリーチ演出が実行されてもよい。一例として、変動パターンA5(大当たり時)に対応した変動演出パターンA及びBと、変動パターンH5(ハズレ時)に対応した変動演出パターンC及びDを予め備える場合ついて説明する。変動演出パターンA(大当たり時)及び変動演出パターンC(ハズレ時)は、ノーマルリーチ演出A、SPリーチ演出A、及びSPSPリーチ演出Aの実行を指示するパターンである。変動演出パターンB(大当たり時)及び変動演出パターンD(ハズレ時)は、ノーマルリーチ演出B、SPリーチ演出B、及びSPSPリーチ演出Bの実行を指示するパターンである。変動演出パターンAの方が変動演出パターンBよりも、変動演出パターン乱数の値と比較される判定値が多く割り振られている。また、変動演出パターンCの方が変動演出パターンDよりも、変動演出パターン乱数の値と比較される判定値が少なく割り振られている。このような場合に、変動演出パターンAの方が変動パターンBよりも、リーチ図柄が7図柄に設定され易く、他の装飾図柄に設定され難いように予め設定されていればよい。また、変動演出パターンC及びDでは、変動パターンBよりも、リーチ図柄が7図柄に設定され難く予め設定されていればよい。そして、リーチ図柄が7図柄に変更されるタイミングとして、例えば、変更なし、SPリーチ演出開始時、SPSPリーチ演出開始時の3つを備える場合、変動演出パターンAの方が変動パターンBよりも、SPSPリーチ演出開始時に設定され易く、変更なし及びSPリーチ演出開始時に設定され難いように予め設定されていてもよい。また、変動演出パターンC及びDでは、変更なし、SPリーチ演出開始時、SPSPリーチ演出開始時の順に設定され難く予め設定されていてもよい。
[マルチラインリーチ演出の具体例]
次に、図17〜20を参照しつつ、マルチラインリーチ演出の具体例について説明する。図17及び18は、2ライン演出において、リーチ図柄および最終停止図柄が7図柄以外の場合の具体例について説明するための説明図である。図19及び20は、4ライン演出において、リーチ図柄および最終停止図柄が7図柄である場合の具体例について説明するための説明図である。
(リーチ図柄および最終停止図柄が7図柄以外の場合)
まず、図17及び18を参照しつつ、リーチ図柄および最終停止図柄が7図柄以外の場合について説明する。図17及び18は、変動パターンA12(大当たり時)又は変動パターンH12(ハズレ時)に対応した、最終リーチ演出が2ライン演出である変動演出中に実行される演出の具体例を示している。例えば、図17(A)に例示されるように、装飾図柄の変動表示が開始されてから所定時間(例えば9秒)が経過すると、まず、左図柄として4図柄が有効ラインL1上(図7(A)参照)に擬似停止する(図15(A)及び(B)参照)。
その後、所定時間(例えば2秒)が経過すると、右図柄として左図柄と同じ4図柄が有効ラインL1上に擬似停止して、リーチが成立する。リーチが成立すると、リーチ成立を報知するために、例えば、白色のリーチライン画像53が、装飾図柄よりも手前のレイヤーにおける有効ライン上に表示される。
リーチ成立後、変動パターンA12(大当たり時)又は変動パターンH12(ハズレ時)に対応した変動演出では、ノーマルリーチ演出が開始される。
その後、例えば、ノーマルリーチ演出の途中、又は終盤において、所定の実行時間(例えば10秒)で動作演出が実行される(図17(E)参照)。図17(E)は、動作演出中に演出役物71が青色に発光されると共に、リーチの態様で変動表示中の3つの装飾図柄が液晶画面5の右下に小図柄として表示された状態を例示している。
動作演出では、演出役物71が白色に発光された後に青色に発光される。これと共に、例えば、演出役物71の背景として、演出役物71の発光色に合わせる態様で液晶画面5に白色の演出画像が表示された後に青色の演出画像が表示される。これにより、その後に有効ライン数が2に増加する増加リーチ演出(2ライン演出)が実行されることを報知できる。
なお、他の実施形態では、装飾図柄を液晶画面5に表示させずに動作演出を実行してもよい。この場合であっても、液晶画面5における遊技者が視認可能な表示領域には、特別図柄の変動表示中であることを示す態様で点滅図柄画像(不図示)が表示されているため、図柄変動表示中であることを示すことができる。
動作演出が終了すると、増加リーチ演出の図柄増加あおり演出において、図17(F)に例示されるように、左図柄が、液晶画面5における図柄領域50(図7(A)参照)の左図柄領域から画面中央部に移動する演出表示が実行される。これと共に、右図柄が、図柄領域50の右図柄領域から画面中央部に移動する演出表示が実行される。続いて、図17(G)に例示されるように、画面中央部において、左図柄および右図柄が認識困難な状態となり、装飾図柄に変化が起きるのではないかといった印象を遊技者に与える演出表示が実行される。このように、図柄増加あおり演出では、例えば、左図柄領域と右図柄領域とに疑似停止されていたリーチ図柄が、一旦認識困難な態様にされる。これにより、リーチ図柄数(有効ライン数)が増加してリーチ図柄が変化するのではないかといった遊技者の期待感を高めることが可能である。
そして、図17(H)に例示されるように、リーチ図柄増加演出が実行される。例えば、リーチ図柄増加演出開始前から表示されていたリーチ図柄である4図柄を、画面中央部から左図柄領域および右図柄領域に移動させる演出表示が実行される。これと共に、リーチ図柄増加演出開始前には表示されていなかった5図柄を、画面中央部から左図柄領域および右図柄領域に移動させる演出表示が実行される。
そして、左図柄として、左図柄領域の有効ラインL2及びL3(例えば図7(B)参照)上に4図柄と5図柄とが疑似停止されると共に、右図柄として、右図柄領域の有効ラインL2及びL3上に5図柄と4図柄とが疑似停止されると、2つのリーチが成立する。ここで、変動パターンA12(大当たり時)又は変動パターンH12(ハズレ時)に対応した変動演出中には、増加リーチ演出のうち2ライン演出が実行される。このため、リーチ図柄増加演出では最終的にリーチ図柄が2まで増加することになる。
本実施形態では、リーチ図柄増加演出によってリーチ図柄が増加してリーチが成立すると、リーチ成立を報知するために、装飾図柄よりも奥のレイヤーにおける有効ライン上にリーチライン画像53が所定時間(例えば1秒)表示される。図17(I)に例示されるように、2ライン演出のリーチ図柄数(有効ライン数)は2であるため、画面中央部で交差された2つのリーチライン画像53が表示されることになる。本実施形態では、2ライン演出中に表示されるリーチライン画像53は、青系統の色で表示される。本実施形態では、増加リーチ演出中に表示されるリーチライン画像53の表示色と、増加リーチ演出において最終的に表示されることになるリーチ図柄数(有効ライン数)とがひも付いているように予め設定されている。
続いて、第1図柄揃いあおり演出が実行される。図18(A)に例示されるように、例えば、第1図柄揃いあおり演出開始時には、液晶画面5の画面中央部における中図柄領域にリーチ図柄ではない装飾図柄(例えば6図柄)がゆっくりスクロール表示されながら大きく表示される。例えば、本実施形態では、左図柄領域の最下段に疑似停止された装飾図柄が示す数字に1加算した数を示す装飾図柄が、中図柄領域に最初にスクロール表示される。そして、例えば、各リーチ図柄に対して順に、有効ライン上にリーチ図柄と同一の装飾図柄が揃うのではないかといった遊技者の期待感を高める演出表示が行われる。
本実施形態では、例えば、リーチ図柄が示す数字と同じ数字を示す中図柄を有効ライン付近でゆっくりとスクロール表示させる際には、装飾図柄よりも手前のレイヤーにリーチライン画像53を表示させて、第1図柄揃いあおり演出の対象となっている装飾図柄を強調させる。また、第1図柄揃いあおり演出の対象となっている有効ライン上の装飾図柄は、他の有効ライン上の装飾図柄よりも大きく表示される。これにより、大当たりの態様で停止するのではないかといった印象を遊技者に与えることが可能である。例えば、図18(B)は、疑似停止されたリーチ図柄のうち、5図柄を対象とした第1図柄揃いあおり演出の演出態様を例示している。また、図18(C)は、疑似停止されたリーチ図柄のうち、4図柄を対象とした第1図柄揃いあおり演出の演出態様を例示している。
有効ライン毎に遊技者の期待感を高める第1図柄揃いあおり演出が終了すると、第2図柄揃いあおり演出が実行される。第2図柄揃いあおり演出では、例えば、図18(D)に例示されるように、液晶画面5の画面中央部における中図柄領域に、第1図柄揃いあおり演出開始時に表示させたリーチ図柄ではない装飾図柄(例えば6図柄)と、リーチ図柄と同じ装飾図柄(例えば、4図柄及び5図柄)とを、スクロール表示させる。
そして、第2図柄揃いあおり演出の終盤にボタン操作演出が実行されると、液晶画面5の画面中央部にボタン操作演出に係る演出画像が表示される。ボタン操作演出では、図18(E)に例示されるように、例えば、演出ボタン26を模したボタン画像と、演出ボタン26の操作が有効となる有効期間の残り時間を報知するゲージ画像とが表示される。このとき、変動表示中の中図柄は、遊技者が視認可能であってもよいし、視認できなくてもよい。
ここで、増加リーチ演出は、他のリーチ演出(例えばSPリーチ演出)と比較すると、大当たりに対する信頼度が相対的に高いリーチ演出である。しかしながら、増加リーチ演出の中で比較すると、2ライン演出はあまり有効ライン数が多い増加リーチ演出ではなく、大当たりに対する信頼度が相対的にあまり高くない。また、本実施形態では、図18(E)に例示されるように、増加リーチ演出中に表示されるリーチ図柄が7図柄以外の装飾図柄では、大当たりに対する信頼度が相対的に高くない。このため、図18(E)に例示される時点では、遊技者は、大当たりとなる可能性があまり高くないのではないかと予測することが可能である。
例えば、ボタン操作演出開始後の所定のタイミング(例えばボタン操作演出開始時から1秒後)に遊技者によって演出ボタン26が操作されると、操作に応じて、大当たり又はハズレの態様で全装飾図柄が有効ライン上に所定時間(例えば10秒)疑似停止される。一方、ボタン操作演出中に遊技者によって演出ボタン26が操作されなかった場合、演出ボタン26の操作が有効となる予め定められた有効期間(例えばボタン操作演出開始時から3秒)が終了したタイミングで、全装飾図柄が有効ライン上に所定時間(例えば8秒)疑似停止される。
変動パターンH12に対応した変動演出では、全ての有効ラインにおいてハズレの態様(例えば、565又は464の組み合わせ)となるような態様で装飾図柄が疑似停止されてハズレが報知される(図18(F)及び(G)参照)。ここで、本実施形態では、ハズレの態様で停止(疑似停止)される場合、第1図柄揃いあおり演出開始時に表示させたリーチ図柄ではない装飾図柄が中図柄として導出されるように予め設定されている。これは、最終停止図柄が表示される有効ライン以外の有効ラインにおいて大当たりの態様となってしまうと、遊技者に不信感を与えるおそれがあるからである。
なお、他の実施形態では、最終停止図柄となるリーチ図柄が示す数字に例えば1加算(又は減算)した数を示す装飾図柄を中図柄として決定してもよい。
これに対して、例えば、変動パターンA12に対応した変動演出では、大当たりの態様(例えば、444又は555の組み合わせ)で装飾図柄が疑似停止されて大当たりが報知される(図18(H)参照)。本実施形態では、最終停止図柄が、4図柄揃いのように偶数図柄で構成された大当たりの態様の場合には、非確変当たりに当選した可能性が高いものの、何れかの大当たりに当選したかは装飾図柄に基づいて推測できない。一方、最終停止図柄が、5図柄揃いのように奇数図柄で構成された大当たりの態様の場合には、2R確変当たり又は16R確変当たりのうちの何れかの大当たりに当選したことは報知できるが、どちらの何れかの大当たりに当選したかは装飾図柄に基づいて推測できない。
(リーチ図柄および最終停止図柄が7図柄の場合)
次に、図19及び20を参照しつつ、リーチ図柄および最終停止図柄が7図柄の場合について説明する。図19及び20は、変動パターンA20(大当たり時)又は変動パターンH20(ハズレ時)に対応した、最終リーチ演出が4ライン演出である変動演出中に実行される演出の具体例を示している。例えば、図19(A)〜(C)に例示されるように、左図柄および右図柄として4図柄が有効ラインL1上(図7(A)参照)に擬似停止すると、リーチが成立する。リーチ成立後、変動パターンA20(大当たり時)又は変動パターンH20(ハズレ時)に対応した変動演出では、ノーマルリーチ演出が開始される。
その後、例えば、ノーマルリーチ演出の途中、又は終盤において、所定の実行時間(例えば22秒)で動作演出が実行される(図19(D)参照)。図19(D)は、動作演出中に演出役物71が紫色に発光されると共に、リーチの態様で変動表示中の3つの装飾図柄が液晶画面5の右下に小図柄として表示された状態を例示している。
動作演出では、演出役物71が、白色、青色、緑色、紫色の順に段階的に変化する。これと共に、例えば、演出役物71の背景として、演出役物71の発光色に合わせる態様で液晶画面5に白色、青色、緑色、紫色の順に演出画像が表示される。これにより、その後に有効ライン数が4に増加する増加リーチ演出(4ライン演出)が実行されることを報知できる。
動作演出が終了すると、図19(E)及び(F)に例示されるように、増加リーチ演出のうちの図柄増加あおり演出が実行される。
その後、図19(G)に例示されるように、リーチ図柄増加演出が実行される。例えば、リーチ図柄増加演出開始前から表示されていたリーチ図柄である4図柄を、画面中央部から左図柄領域および右図柄領域に移動させる演出表示が実行される。これと共に、リーチ図柄増加演出開始前には表示されていなかった5図柄を、画面中央部から左図柄領域および右図柄領域に移動させる演出表示が実行される。4図柄と5図柄とが有効ライン上に疑似停止されると、2つのリーチが成立する。そして、リーチ成立を報知するために、装飾図柄よりも奥のレイヤーにおける有効ライン上に、画面中央部で交差された2つの紫色のリーチライン画像53が表示される。このリーチライン画像53の色により、リーチ図柄増加演出において、最終的にリーチ図柄数(有効ライン数)が4まで増加されることが示唆(又は報知)できる。本実施形態では、リーチ図柄増加演出中には、予め定められたリーチ図柄が全て表示されるまで、リーチライン画像53が表示され続ける。
2つのリーチが成立した後、図19(H)に例示されるように、5図柄の背面から6図柄が表示されて3つ目のリーチが成立し、6図柄が疑似停止された有効ライン上に紫色のリーチライン画像53が表示される。そして、図19(I)に例示されるように、6図柄の背面から7図柄が表示されて4つ目のリーチが成立し、7図柄が疑似停止された有効ライン上に金色のリーチライン画像53が表示される。本実施形態では、リーチ図柄として7図柄が表示されると、大当たりに対する信頼度が相対的に高いことが報知できる。そこで、7図柄に対応して表示されるリーチライン画像53を他と異なる態様(例えば金色)にすることで、7図柄を強調することができると共に、大当たりに対する期待感を高めることが可能になる。なお、7図柄が疑似停止された有効ライン上に表示されるリーチライン画像53は、他の有効ライン上に表示されたリーチライン画像53と同じ態様でもよい。
このように、本実施形態では、リーチ図柄として7図柄が表示された時点(図19(I)参照)で、遊技者は、大当たりとなる可能性が高いことを認識することが可能である。
7図柄が疑似停止された後、第1図柄揃いあおり演出が実行される。第1図柄揃いあおり演出開始時には、図20(A)に例示されるように、例えば、液晶画面5の画面中央部における中図柄領域にリーチ図柄ではない装飾図柄(例えば8図柄)が表示される。その後、例えば、各リーチ図柄に対して順に、有効ライン上にリーチ図柄と同一の装飾図柄が揃うのではないかといった遊技者の期待感を高める演出表示が行われる(図20(B)〜(D)参照)。
例えば、図20(B)は、7図柄を対象とした第1図柄揃いあおり演出の演出態様を例示しており、図20(C)は、6図柄を対象とした第1図柄揃いあおり演出の演出態様を例示している。また、図20(D)は、4図柄を対象とした第1図柄揃いあおり演出の演出態様を例示している。第1図柄揃いあおり演出中には、図20(B)〜(D)に例示されるように、7図柄に対応して表示されるリーチライン画像53は例えば金色で表示され、他のリーチ図柄に対応して表示されるリーチライン画像53は例えば紫色で表示される。このように、7図柄に対応して表示されるリーチライン画像53を他と異なる態様にすることで、7図柄を強調することができると共に、大当たりに対する期待感を高めることが可能になる。
有効ライン毎に行われる第1図柄揃いあおり演出が終了すると、第2図柄揃いあおり演出が実行される。第2図柄揃いあおり演出では、中図柄領域に、第1図柄揃いあおり演出開始時に表示させたリーチ図柄ではない装飾図柄(例えば8図柄)と、リーチ図柄と同じ装飾図柄(例えば、4〜7図柄)とを、スクロール表示させる。
ここで、4ライン演出は比較的有効ライン数が多い増加リーチ演出であり、大当たりに対する信頼度が相対的に高いリーチ演出である。また、増加リーチ演出中にリーチ図柄として7図柄が表示されているため、図柄揃いあおり演出中には、遊技者は、大当たりとなる可能性が相対的に高いのではないかと予測することが可能である。
そして、第2図柄揃いあおり演出の終盤にボタン操作演出が実行される(図20(E)参照)。例えば、ボタン操作演出開始後の所定のタイミング(例えばボタン操作演出開始時から1秒後)に遊技者によって演出ボタン26が操作されると、操作に応じて、大当たり又はハズレの態様で全装飾図柄が有効ライン上に所定時間(例えば10秒)疑似停止される。一方、ボタン操作演出中に遊技者によって演出ボタン26が操作されなかった場合、演出ボタン26の操作が有効となる予め定められた有効期間(例えばボタン操作演出開始時から3秒)が終了したタイミングで、全装飾図柄が有効ライン上に所定時間(例えば8秒)疑似停止される。
例えば、変動パターンA20に対応した変動演出では、図20(F)及び(G)に例示されるように、大当たりの態様(例えば777の組み合わせ)で装飾図柄が疑似停止されて大当たりが報知される。本実施形態では、最終停止図柄が7図柄揃いの場合には、16R確変当たりに当選したことを報知できる。
これに対して、変動パターンH20に対応した変動演出では、全ての有効ラインにおいてハズレの態様(例えば、484)となるような中図柄が疑似停止されてハズレが報知される(図20(H)参照)。本実施形態では、ハズレの態様で停止(疑似停止)される場合、最終停止図柄のリーチ目(左図柄および右図柄)が7図柄以外になり易いように予め設定されている。これにより、7図柄の大当たりに対する信頼度を、他の装飾図柄に対する信頼度よりも高く設定することが可能である。
なお、他の実施形態では、増加リーチ演出中に表示されるリーチライン画像53の態様によって、増加後の有効ライン数を報知(又は示唆)しなくてもよい。
また、本実施形態では、リーチライン画像53の表示色と、動作演出における演出役物71の最終発展先の発光色とは、同じ系統の色に予め設定されている。他の実施形態では、リーチライン画像53の表示色と、動作演出における演出役物71の最終発展先の発光色とが異なる色でもよい。
なお、他の実施形態では、現在の有効ライン数と、所定のキャラクタ画像の種別とがひもづけられていてもよい。例えば、リーチ図柄増加演出中、現在のリーチ図柄数が2のときにはキャラクタA、リーチ図柄数が3のときにはキャラクタB、リーチ図柄数が4のときにはキャラクタCといったように、液晶画面5に表示させるキャラクタ画像の種別を段階的に変化させてもよい。そして、最終的なリーチ図柄数に対応したキャラクタが活躍するリーチ演出画像を、増加リーチ演出中(例えば図柄揃いあおり演出中)に表示させてもよい。このような構成にすることで、遊技者は、リーチ図柄が最終的にいくつまで増えてどのキャラクタが活躍するかドキドキしながら遊技を楽しむことが可能である。また、リーチ図柄の増加に伴って表示させるキャラクタの数を増加させてもよい。例えば、リーチ図柄増加演出中、現在のリーチ図柄数が2のときにはキャラクタA及びB、リーチ図柄数が3のときにはキャラクタA〜C、リーチ図柄数が4のときにはキャラクタA〜Dといったように、液晶画面5に表示させるキャラクタの数を段階的に変化させてもよい。
また、他の実施形態では、増加リーチ演出のうちのリーチ図柄増加演出中に表示されるリーチライン画像53の表示色と、現在のリーチ図柄数(有効ライン数)とがひも付いていてもよい。例えば、最終的にリーチ図柄数(有効ライン数)が4まで増加する場合、現在のリーチ図柄数が2のときには青色、リーチ図柄数が3のときには緑色、リーチ図柄数が4のときには紫色と、リーチライン画像53の表示色を段階的に変化させてもよい。このような構成にすることで、遊技者は、リーチ図柄が最終的にいくつまで増えるかドキドキしながら遊技を楽しむことが可能である。
なお、リーチライン画像53は、リーチ図柄増加演出開始時から所定時間(例えば2秒)が経過したときに液晶画面5から消去してもよいし、装飾図柄よりも奥のレイヤーにリーチライン画像53を表示させたまま図柄揃いあおり演出を実行してもよい。
また、他の実施形態では、最終停止図柄が7図柄揃いの場合であっても16R確変当たりでなくてよい。例えば、最終停止図柄が7図柄揃いの場合、他の奇数図柄と同様に、確変当たりであることのみを報知(又は示唆)してもよい。
また、他の実施形態では、大当たりに対する信頼度が相対的に高い場合(例えば7図柄のリーチ図柄が表示されている場合)に実行されるボタン操作演出では、信頼度がそれよりも低い場合に表示されるボタン画像(図18(E)参照)と異なる態様のボタン画像が表示されてもよい。例えば、突出状態の演出ボタン26を模したボタン画像が表示されてもよく、このボタン画像が表示されるボタン操作演出中には、演出ボタン26の操作が有効となる予め定められた有効期間が終了するまで演出ボタン26を突出状態に維持してもよい。
また、他の実施形態では、大当たりに対する信頼度が相対的に高い場合に実行されるボタン操作演出では、信頼度がそれよりも低い場合に実行されるボタン操作演出とは異なる発光色で演出ボタン26を発光させてもよい。一例として、7図柄のリーチ図柄が表示されたリーチ演出中に実行されるボタン操作演出では演出ボタン26を赤色で発光させ、7図柄以外のリーチ図柄が表示されたリーチ演出中に実行されるボタン操作演出では演出ボタン26を青色で発光させてもよい。
以下、上述した演出を実現するためにパチンコ遊技機1で行われる処理の一例について、詳細に説明する。
[遊技制御基板100によるタイマ割込み処理]
次に、図21を参照しつつ、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図21は、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御基板100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、一定時間(例えば4ミリ秒)毎に定期的にタイマ割込みがかかるように設定されている。タイマ割込みが発生すると、遊技制御基板100は、図21に例示されている一連の処理を実行する。なお、図21以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御基板100の処理は、メインROM102に記憶されているプログラムに基づいてメインCPU101が発行する命令に従って行われる。
まず、遊技制御基板100のメインCPU101は、特別図柄判定用の各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数)の一部(又は全部)をソフトウェアにより更新するための乱数更新処理を実行する(ステップS1)。
例えば、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」加算される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタとしてはループカウンタが使用されており、各乱数は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻されて更新される。
ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ111、第2始動口12に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ112等の各スイッチから入力される検知信号の状態を判定するスイッチ処理を実行する(ステップS2)。このスイッチ処理については、図22に基づいて後に詳述する。
ステップS2の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄判定を実行し、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄を停止表示させる処理等を含む特別図柄処理を実行する(ステップS3)。特別図柄処理では、大当たりであるか否か、大当たり種別、特別図柄の変動パターン等が決定される。この特別図柄処理については、図25に基づいて後に詳述する。
ステップS3の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む普通図柄処理を実行する(ステップS4)。
ステップS4の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を行った結果、第2始動口12を開放すると判定した場合に、電動チューリップ制御部113を介して電動チューリップ17を動作させる電動チューリップ処理を実行する(ステップS5)。
ステップS5の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS3の処理で大当たりであると判定した場合に、第1大入賞口制御部117及び第2大入賞口制御部118を制御して第1大入賞口13及び第2大入賞口19を開放する大入賞口開放制御処理を実行する(ステップS6)。詳細な説明は省略するが、大入賞口開放制御処理は、大当たり遊技を制御する処理であり、大当たり遊技を実行すると判定されたことを示す特別図柄(大当たり図柄)が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示された場合に行われる。
ステップS6の処理に続いて、メインCPU101は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS7)。
ステップS7の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS7以前の処理ステップにおいてメインRAM103にセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板130に送信する送信処理を実行する(ステップS8)。
[遊技制御基板100によるスイッチ処理]
図22は、図21のステップS2におけるスイッチ処理の詳細フローチャートである。ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、図22に例示されるように、第1始動口スイッチ111からの検知信号の入力の有無を監視して、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力された時点の特別図柄判定用の各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得する処理等を含む第1始動口スイッチ処理を実行する(ステップS21)。この第1始動口スイッチ処理については、図23に基づいて後に詳述する。
次に、メインCPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号の入力の有無を監視して、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力された時点の特別図柄判定用の各種乱数を取得する処理等を含む第2始動口スイッチ処理を実行する(ステップS22)。この第2始動口スイッチ処理については、図24に基づいて後に詳述する。
そして、メインCPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号の入力の有無を監視して、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力された時点の普通図柄乱数を取得するゲートスイッチ処理を実行する(ステップS23)。
[遊技制御基板100による第1始動口スイッチ処理]
図23は、図22のステップS21における第1始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図23に例示されるように、メインCPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたか否かに基づいて、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否かを判定する(ステップS2101)。例えば、第1始動口スイッチ111が「ON」になったことを示すON信号が入力された場合に、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定される。
メインCPU101は、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS2101:YES)、第1特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得する(ステップS2102〜2105)。
次に、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、メインROM102に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS2106)。
メインCPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS2106:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新する(ステップS2107)。
ステップS2107の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103に記憶された時短遊技フラグが「ON」であるか否かを判定する(ステップS2108)。この時短遊技フラグは、現在の遊技状態が、電チューサポート機能が付与される遊技状態(例えば、確変遊技状態、時短遊技状態)である場合に「ON」に設定され、逆に、電チューサポート機能が付与されない遊技状態(例えば、通常遊技状態)である場合に「OFF」に設定されるフラグである。
メインCPU101は、時短遊技フラグが「ON」ではない(すなわち「OFF」)と判定した場合(ステップS2108:NO)、事前判定処理を実行する(ステップS2109)。具体的には、メインCPU101は、後述する大当たり判定処理(図26参照)や変動パターン決定処理(図27参照)に先立って、ステップS2102〜2105の処理によって取得された取得情報に基づいて、大当たりと判定されるか否か及び変動パターンがどの種別に決定されることになるか等を事前判定する。また、メインCPU101は、ステップS2102〜S2105の処理によって取得された取得情報に基づいて、保留領域51に表示させる保留アイコンの表示色を決定したり、先読み演出の実行の有無や先読み演出を実行する場合の開始タイミングを決定したりする。
メインCPU101は、ステップS2109の事前判定処理を実行した場合、又は時短遊技フラグが「ON」であると判定した場合(ステップS2108:YES)、ステップS2102〜2105の処理で取得した各種乱数を、第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034における空きエントリの最上位に格納する(ステップS2110)。なお、メインCPU101は、事前判定処理を実行した場合には、事前判定処理によって得られた事前判定情報を、各種乱数と同じ保留領域に格納する。
メインCPU101は、ステップS2110の処理に続いて、第1特別図柄判定に係る保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS2111)。この保留コマンドは、第1特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであって、ステップS2109の処理で得られた事前判定情報を含むものである。保留コマンドは、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
ステップS2111の処理を実行した場合、第1始動口スイッチ111が「ON」になっていないと判定した場合(ステップS2101:NO)、又は、保留数U1が最大保留数Umax1未満でないと判定した場合(ステップS2106:NO)、メインCPU101は図23に示す処理を終了する。
[遊技制御基板100による第2始動口スイッチ処理]
図24は、図22のステップS22における第2始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図24に例示されるように、メインCPU101は、ステップS21の第1始動口スイッチ処理に続いて、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたか否かに基づいて、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否かを判定する(ステップS2201)。例えば、第2始動口スイッチ112が「ON」になったことを示すON信号が入力された場合に、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定される。
メインCPU101は、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS2201:YES)、第2特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得する(ステップS2202〜2205)。
次に、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が、メインROM102に記憶されている第2特別図柄判定の最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS2206)。
メインCPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS2206:YES)、保留数U2の値を「1」加算した値に更新する(ステップS2207)。
ステップS2207の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS2108の処理と同様に、メインRAM103に記憶された時短遊技フラグが「ON」であるか否かを判定する(ステップS2208)。メインCPU101は、時短遊技フラグが「ON」であると判定した場合(ステップS2208:YES)、事前判定処理を実行する(ステップS2209)。
メインCPU101は、ステップS2209の事前判定処理を実行した場合、又は時短遊技フラグが「ON」ではない(すなわち「OFF」)と判断した場合(ステップS2208:YES)、ステップS2202〜2205の処理で取得した各種乱数を、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038における空きエントリの最上位に格納する(ステップS2210)。なお、メインCPU101は、事前判定処理を実行した場合には、事前判定処理によって得られた事前判定情報を、各種乱数と同じ保留領域に格納する。
メインCPU101は、ステップS2210の処理に続いて、第2特別図柄判定に係る保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS2211)。この保留コマンドは、第2特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであって、ステップS2210の処理で得られた事前判定情報を含むものである。保留コマンドは、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
ステップS2211の処理を実行した場合、第2始動口スイッチ112が「ON」になっていないと判定した場合(ステップS2201:NO)、又は、保留数U2が最大保留数Umax2未満でないと判定した場合(ステップS2206:NO)、メインCPU101は図24に示す処理を終了する。
[遊技制御基板100による特別図柄処理]
次に、図25を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図25は、図21のステップS3における特別図柄処理の詳細フローチャートである。
図25に例示されるように、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS301)。この大当たり遊技フラグは、大当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、大当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、大当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。ここで、大当たり遊技中であると判定された場合(ステップS301:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS301:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS302:NO)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS303)。ここで、保留数U2が「1」以上であると判定した場合(ステップS303:YES)、保留数U2を「1」減算した値に更新する(ステップS304)。
メインCPU101は、保留数U2が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS303:NO)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS305)。ここで、保留数U1が「1」以上ではないと判定された場合(ステップS305:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、保留数U1が「1」以上であると判定した場合(ステップS305:YES)、保留数U1を「1」減算した値に更新する(ステップS306)。
ステップS304の処理又はステップS306の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103の保留記憶領域に対するシフト処理を実行する(ステップS308)。具体的には、メインCPU101は、ステップS304の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第2特別図柄判定用の保留記憶領域1035〜1038に記憶されている最先の取得情報を判定用記憶領域1030にシフトさせると共に、残りの取得情報を1エントリずつ上位にシフトさせる。また、ステップS306の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第1特別図柄判定用の保留記憶領域1031〜1034に記憶されている最先の取得情報を判定用記憶領域1030にシフトさせると共に、残りの取得情報を1エントリずつ上位にシフトさせる。
ステップS308の処理に続いて、メインCPU101は、判定用記憶領域1030に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行する(ステップS309)。この大当たり判定処理が実行されることによって、始動口入賞時に取得された大当たり乱数が、メインROM102に予め用意された大当たり判定テーブル(不図示、後述する)に規定されている判定値の何れと一致するか否かに基づいて、大当たりか否かが判定される。また、大当たりであると判定された場合には、始動口入賞時に取得された図柄乱数が、メインROM102に予め用意された図柄決定テーブル(不図示、後述する)に規定されている判定値のいずれかと一致するか否かに基づいて大当たり図柄が決定されることによって、大当たりの種類が決定される。そして、これらの処理の結果を示す特別図柄の設定情報がメインRAM103にセットされる。この大当たり判定処理については、図26に基づいて後に詳述する。
図25の表記からも明らかなように、メインCPU101は、大当たり遊技中ではなく、図柄変動中でもないといった始動条件が成立すると、このステップS309において、始動口入賞時に取得した大当たり乱数等に基づいて、遊技者に有利な大当たり遊技を実行するか否かを判定する。
ステップS309の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン決定処理を実行する(ステップS310)。この変動パターン決定処理については、図27に基づいて後に詳述する。
ステップS310の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS309の処理で決定した特別図柄の設定情報、この特別図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報、ステップS310の処理で決定した変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態に関する情報等を含む変動開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS311)。
この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う演出の開始を指示するコマンドであって、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、液晶画面5における装飾図柄の変動表示等が開始されることになる。
ステップS311の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS311の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始する(ステップS312)。その際、判定用記憶領域1030に第1特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜311の処理が行われた場合には、第1特別図柄表示器41において特別図柄の変動表示を開始する。一方、第2特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜311の処理が行われた場合には、第2特別図柄表示器42において特別図柄の変動表示を開始する。
次に、メインCPU101は、ステップS312における変動表示を開始してからの経過時間である変動時間の計測を開始する(ステップS313)。
メインCPU101は、ステップS313の処理を実行した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS302:YES)、ステップS313における変動時間の計測開始から、ステップS310の処理によって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS315)。ここで、変動時間が経過していないと判定された場合(ステップS315:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS315:YES)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS316)。この図柄確定コマンドは、ステップS8における送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、液晶画面5に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
ステップS316の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS312の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了させる(ステップS317)。具体的には、ステップS309の処理で決定した特別図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)を、変動表示させていた特別図柄表示器に停止表示させる。なお、この特別図柄の停止表示は、少なくとも所定の図柄確定時間(例えば1秒)が経過するまで継続される。
このように、メインCPU101は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから大当たり判定処理の判定結果を示す特別図柄を第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示させる。
ステップS317の処理に続いて、メインCPU101は、上記ステップS313の処理で計測を開始した変動時間をリセットし(ステップS318)、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理等を含む停止中処理を実行する(ステップS319)。
[遊技制御基板100による大当たり判定処理]
図26は、図25のステップS309における大当たり判定処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、判定用記憶領域1030に記憶された大当たり乱数に基づいて大当たり判定を実行する(ステップS3091)。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が低確率状態(本実施形態では通常遊技状態または時短遊技状態)である場合には、低確率用大当たり判定テーブル(不図示)をメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする。一方、メインCPU101は、現在の遊技状態が高確率状態(本実施形態では確変遊技状態)である場合には、高確率用大当たり判定テーブル(不図示)をメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする。例えば、低確率用大当たり判定テーブル及び高確率用大当たり判定テーブルには、図9(A)に例示される決定割合となるように、大当たり乱数と比較される判定値が大当たり又はハズレに予め割り当てられている。メインCPU101は、図23のステップS2102の処理(又は図24のステップS2202の処理)で取得した大当たり乱数の値が、メインRAM103にセットされた大当たり判定テーブルに定められた判定値の何れと一致するかに基づいて、大当たりであるか否かを判定する。
このように、メインCPU101は、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報が判定用記憶領域1030に記憶されるといった始動条件が成立すると、その大当たり乱数に基づいて、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行するか否かを判定する。
ステップS3091の処理に続いて、メインCPU101は、大当たり判定の判定結果が大当たりであるか否かを判定する(ステップS3092)。ここで、大当たりであると判定された場合(ステップS3092:YES)、メインCPU101は、メインROM102に予め記憶されている図柄決定テーブルを参照して、ステップS3091の大当たり判定に使用された大当たり乱数と一緒に判定用記憶領域1030に記憶されている図柄乱数に基づいて大当たり図柄の種類を決定し、その設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3093)。大当たり図柄の種類が決定されることによって、大当たりの種類が決定されることになる。具体的には、例えば、図柄乱数が第1特別図柄判定に係るものである場合には、メインCPU101は、その図柄乱数が、第1始動口用図柄決定テーブル(不図示)に規定されているどの判定値と一致するかに基づいて、大当たり図柄を決定する。また、図柄乱数が第2特別図柄判定に係るものである場合には、メインCPU101は、その図柄乱数が、第2始動口用図柄決定テーブル(不図示)に規定されているどの判定値と一致するかに基づいて、大当たり図柄を決定する。例えば、図9(B)に例示される決定割合で大当たりの種類が決定されるように、第1始動口用図柄決定テーブル及び第2始動口用図柄決定テーブルには、図柄乱数と比較される判定値が各大当たり図柄に予め割り当てられている。具体的には、第1始動口用図柄決定テーブルでは、図柄乱数と比較される判定値が「16R確変当たり」、「2R確変当たり」、又は「非確変当たり」のうちの何れかに割り当てられており、第2始動口用図柄決定テーブルでは、図柄乱数と比較される判定値が「16R確変当たり」又は「非確変当たり」のうちの何れかに割り当てられている。そして、第1始動口用図柄決定テーブルよりも、第2始動口用図柄決定テーブルの方が、遊技者に有利な大当たり(例えば16R確変当たり)に決定され易いように予め設定されている。この処理で決定された大当たり図柄は、ステップS317の処理において、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示される。その後、停止表示された大当たり図柄に応じた大当たり遊技が行われることになる。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判定した場合(ステップS3092:NO)、ハズレ図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3094)。これにより、ステップS317の処理において、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42にハズレ図柄が停止表示される。この場合、大当たり遊技は行われない。以上でメインCPU101は図26に示す処理を終了する。
[遊技制御基板100による変動パターン決定処理]
図27は、図25のステップS310における変動パターン決定処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、図25のステップS309における大当たり判定処理を実行した後、ステップS3091の判定結果が大当たりであるか否かを判定する(ステップS3101)。ここで、大当たりであると判定した場合(ステップS3101:YES)、大当たり用変動パターンテーブル(不図示)をメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3102)。なお、変動パターンテーブルは、特別図柄の変動パターンと、変動パターン乱数と比較するための判定値とが対応付けられたテーブルであり、遊技状態毎にメインROM102に予め記憶されているテーブルである。大当たり用変動パターンテーブルには、例えば図10に例示されるような大当たり用の特別図柄の変動パターンが予め複数定められている。例えば、メインCPU101は、現在の遊技状態に対応した変動パターンテーブルをメインROM102から読み出し、メインRAM103にセットする。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判定した場合(ステップS3101:NO)、すなわちハズレである場合、演出制御基板130にリーチ演出を行わせる否かを判定するリーチ判定を行う(ステップS3103)。具体的には、メインCPU101は、ステップS3091の処理で使用した大当たり乱数と共に判定用記憶領域1030に記憶されたリーチ乱数に基づいて、リーチ判定を行う。例えば、メインROM102には、リーチ判定に用いるリーチ判定テーブル(不図示)が、遊技状態毎に予め記憶されている。例えば、図9(C)に例示されるような決定割合でリーチ演出を行わせると判定されるように、リーチ乱数と比較される判定値が「リーチ」又は「非リーチ」の判定結果に予め割り当てられている。例えば、メインCPU101は、保留数に基づいて、リーチ乱数が、リーチ乱数と比較するための判定値の何れと一致するかを判定することにより、リーチ演出を行わせるか否かを決定する。
メインCPU101は、リーチ判定の判定結果がリーチである場合(ステップS3103:YES)、リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3104)。一方、リーチ判定の判定結果が非リーチである場合(ステップS3103:NO)、非リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3105)。リーチ用変動パターンテーブルには、例えば図10に例示されるようなリーチハズレ用の特別図柄の変動パターンが予め複数定められている。また、非リーチ用変動パターンテーブルには、保留数に対応して、非リーチ用の特別図柄の変動パターンが予め複数定められている。
続いて、メインCPU101は、ステップS3102の処理、ステップS3104の処理、又はステップS3105の処理によってメインRAM103にセットされた変動パターンテーブルを参照して、特別図柄の変動パターンを決定し、その設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3107)。具体的には、メインCPU101は、ステップS3091の処理で使用した大当たり乱数と共に判定用記憶領域1030に記憶された変動パターン乱数が、変動パターンテーブルに規定された判定値のうちのどの値と一致するかに基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する。例えば、大当たり用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、メインCPU101は、変動パターン乱数が、大当たり用変動パターンテーブルに規定された判定値のうちのどの値と一致するかに基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する。また、例えば、非リーチ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、メインCPU101は、変動パターン乱数に基づいて、ステップS308のシフト処理後の保留数に対応した変動パターンを決定する。変動パターンの設定情報は、上述したステップS309の大当たり判定処理によってメインRAM103にセットされた特別図柄の設定情報と共に変動開始コマンドに含められて、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。以上でメインCPU101は図27に示す処理を終了する。
[遊技制御基板100による遊技状態設定処理]
図28は、遊技制御基板100において実行される遊技状態設定処理の一例を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1では、ステップS6の大入賞口開放制御処理によって大当たり遊技が実行される。大当たり遊技の最終ラウンド遊技終了直後に設定される予め定められたエンディング時間が経過すると、大当たり遊技終了直後のパチンコ遊技機1の遊技状態を設定する遊技状態設定処理が実行される。
メインCPU101は、例えば、大当たり遊技におけるエンディング時間が経過すると、メインRAM103に記憶されている図柄の設定情報に基づいて、今回の大当たり遊技の契機となった大当たりが確変当たり(例えば、16R確変当たり又は2R確変当たり)か否かを判定する(ステップS6261)。ここで、確変当たりではないと判定された場合(ステップS6261:NO)、後述するステップS6266に処理が進められる。
メインCPU101は、確変当たりであると判定した場合(ステップS6261:YES)、メインRAM103に記憶されている確変遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS6262)、同じくメインRAM103に記憶されている高確率遊技残余回数Kを「10000」に設定する(ステップS6263)。このステップS6263の処理が行われることにより、大当たり遊技が終了してから10000回の特別図柄判定が行われるまで、高確率用大当たり判定テーブルを用いて大当たり判定が行われる高確率状態に制御されることになる。
ステップS6263の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS6264)、同じくメインRAM103に記憶されている時短遊技残余回数Jを「10000」に設定する(ステップS6265)。このようにしてステップS6262〜6265の一連の処理が行われることによって、大当たり遊技が終了してから途中で大当たりが発生しなければ10000回の特別図柄判定が行われるまで確変遊技状態で遊技が制御されることになる。このため、実質的には、次回大当たりとなるまで確変遊技状態が継続することになる。
メインCPU101は、確変当たりではないと判定した場合(ステップS6261:NO)、時短遊技フラグを「ON」に設定し(ステップS6266)、時短遊技残余回数Jを「100」に設定する(ステップS6268)。
このようにしてステップS6266及びステップS6267の一連の処理が行われることによって、大当たり遊技が終了してから途中で大当たりが発生しなければ100回の特別図柄判定が行われるまで時短遊技状態で遊技が制御されることになる。
[演出制御基板130によるタイマ割込み処理]
以下、図29を参照しつつ、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図29は、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。演出制御基板130におけるサブCPU131は、遊技制御基板100で行われるタイマ割込み処理と同様に、図29に例示される一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図29以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板130で行われる処理は、サブROM132に記憶されているプログラムに基づいてサブCPU131が発行する命令に従って行われる。
サブCPU131は、まず、遊技制御基板100からのコマンドに応じた処理を行うコマンド受信処理を実行した後(ステップS10)、送信処理を実行する(ステップS30)。コマンド受信処理では、遊技制御基板100及びランプ制御基板150から各種コマンドを受信したことに応じた処理が行われる。具体的には、サブCPU131は、例えば、遊技制御基板100から遊技情報としてのコマンドを受信し、受信したコマンドに応じた演出内容を設定する。例えば、サブCPU131は、特別図柄の変動パターンに対応した変動演出パターンを決定したり、変動演出中に疑似停止(又は停止表示)させる装飾図柄の種類を決定したりする。また、決定した変動演出パターンにおいて実行可能な予告演出の実行の有無および内容を決定したりする。そして、サブCPU131は、決定した演出の実行を指示するためのコマンドを生成し、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。これにより、演出制御基板130において決定された内容の演出が、画像音響制御基板140及び/又はランプ制御基板150で実行されることになる。コマンド受信処理については、図30に基づいて後に詳述する。
ステップS30の処理に続いて、サブCPU131は、データ転送処理を行う(ステップS50)。サブCPU131は、例えば、演出役物71等を制御(例えば動作)させるために画像音響制御基板140から送信されたデータを、ランプ制御基板150に転送する。また、サブCPU131は、ランプ制御基板150から送信された演出役物71等の制御に関するデータを画像音響制御基板140に転送する。このデータ転送処理が行われることによって、例えば、液晶画面5に表示された演出画像や、スピーカ24によって出力された演出音と連動して、演出役物71が動作したり、盤ランプ25等の発光制御が行われたりする。以上でサブCPU131は、図29に示す処理を終了する。
[演出制御部130によるコマンド受信処理]
図30は、図29のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。図30に例示されるように、サブCPU131は、まず、遊技制御基板100から送信されたコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS11)。ここで、コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS11:NO)、ステップS30に処理が進められる。
サブCPU131は、遊技制御基板100からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS11:YES)、そのコマンドがステップS2111(図23参照)又はステップS2211(図24参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された保留コマンドであるか否かを判定する(ステップS12)。ここで、保留コマンドではないと判定された場合(ステップS12:NO)、後述するステップS15に処理が進められる。
サブCPU131は、受信したコマンドが保留コマンドであると判定した場合(ステップS12:YES)、アイコン表示コマンドをセットする(ステップS13)。アイコン表示コマンドには、保留アイコンの表示態様に関する設定情報、および第1始動口11又は第2始動口12のうちの何れの始動口に入賞したかを示す入賞始動口情報が含まれる。なお、サブCPU131は、保留コマンドを受信したことに応じて、入賞始動口情報に基づいて第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の保留数に1を加算する。アイコン表示コマンドは、ステップS30の送信処理によって画像音響制御基板140に送信される。これにより、例えば、大当たり判定(ステップS3091)の権利が保留されていることを示す保留アイコンが液晶画面5の保留領域51に表示される。なお、この保留アイコンは、事前判定処理(ステップS2109及び2209)の結果に基づいて、大当たりに対する信頼度を示唆(報知)する表示態様で表示されることもある。
サブCPU131は、受信したコマンドが保留コマンドではないと判定した場合(ステップS12:NO)、そのコマンドがステップS311(図25参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS15)。ここで、受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判定された場合(ステップS15:NO)、後述するステップS19に処理が進められる。
サブCPU131は、受信したコマンドが変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS15:YES)、変動開始コマンド受信処理を実行する(ステップS16)。変動開始コマンド受信処理では、サブCPU131は、例えば、変動開始コマンドに含まれる特別図柄の変動パターンに対応した装飾図柄の変動演出パターンを、変動演出パターン乱数を用いた抽選で決定する。この変動開始コマンド受信処理については、図31に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判定した場合(ステップS15:NO)、そのコマンドがステップS316(図25参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された図柄確定コマンドであるか否かを判定する(ステップS19)。サブCPU131は、図柄確定コマンドであると判定した場合(ステップS19:YES)、変動演出終了コマンドをセットする(ステップS19)。変動演出終了コマンドは、装飾図柄の変動演出の終了を指示するコマンドである。この変動演出終了コマンドがステップS30の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信されることで、変動表示(疑似停止)していた装飾図柄が有効ライン上に停止表示されて変動演出が終了する処理が実現される。例えば、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す特別図柄が第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に停止表示されるのに伴い、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す液晶画面5の有効ライン上に装飾図柄が停止表示されることになる。
サブCPU131は、受信したコマンドが図柄確定コマンドではないと判定した場合(ステップS19:NO)、そのコマンドがランプ制御基板150から送信された操作コマンドであるか否かを判定する(ステップS25)。この操作コマンドは、ランプ制御基板150のランプCPU151が演出ボタン26や演出キー27の操作を検知した場合に、その情報を通知するためにランプ制御基板150から送信されるコマンドであり、操作されたのが演出ボタン26であるか演出キー27であるかを示す情報、演出キー27が操作された場合にはどのキーが操作されたかを示す情報等を含むものである。
サブCPU131は、操作コマンドを受信したと判定した場合(ステップS25:YES)、操作に応じた処理を実行する(ステップS26)。例えば、サブCPU131は、操作されたことを通知する操作通知コマンドをサブRAM133にセットする。このコマンドがステップS30の送信処理によって画像音響制御基板140に送信されることで、例えば、演出ボタン26の操作に応じて、増加リーチ演出の終盤に大当たり又はハズレの態様で装飾図柄が疑似停止する処理が実現される。
一方、受信したコマンドが操作コマンドではないと判定された場合(ステップS25:NO)、サブCPU131は、その受信したコマンドに応じた他のコマンドをサブRAM133にセットする(ステップS27)。
[演出制御基板130による変動開始コマンド受信処理]
以下、図31を参照しつつ、遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドを受信した演出制御基板130において実行される変動開始コマンド受信処理について説明する。ここで、図31は、図30のステップS16における変動開始コマンド受信処理の詳細フローチャートである。
図31に示すように、サブCPU131は、遊技制御基板100から受信したコマンドが、遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS15:YES)、図31〜図35に例示する各処理で用いられる演出制御用の各種乱数として、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した時点の値を取得し、サブRAM133に格納する(ステップS160)。演出制御用の乱数には、例えば、変動演出の具体的な演出態様を決定するために用いられる変動演出パターン乱数や、各種予告演出の実行の有無および内容を決定するために用いられる複数の予告演出パターン乱数が含まれる。
なお、図31〜図35に例示する各処理で用いられる演出制御用の乱数を取得するタイミングは遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した際に限定されない。例えば、各処理を開始する際に取得してもよいし、後述するステップS161の処理が終了した際に取得してもよい。
ステップS160に続いて、サブCPU131は、装飾図柄の変動演出パターンを決定する変動演出パターン決定処理を実行する(ステップS161)。この変動演出パターン決定処理については、図32に基づいて後に詳述する。
続いて、サブCPU131は、ステップS161の処理で決定した変動演出パターンが、予告演出として、リーチ図柄の数(有効ライン数)が増加することを報知(又は示唆)する動作演出を実行可能か否か判断する。そして、動作演出を実行可能である場合には、動作演出パターンを決定する(ステップS162)。この動作演出パターンには、例えば、演出役物71の動作態様および発光態様が含まれる。
なお、本実施形態では、有効ライン数が何れの増加リーチ演出であるかによって、動作演出パターンが一義的に決定される構成を採用している。他の実施形態では、サブCPU131は、例えば、変動演出パターンと、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した際に取得した動作演出パターン決定用の乱数とに基づいて、大当たりに対する信頼度が異なる複数の動作演出パターンから何れか1つの動作演出パターンを決定してもよい。
ステップS162の処理に続いて、サブCPU131は、動作演出以外の他の予告演出を変動演出中に実行可能か否か判断し、実行可能である場合にはその演出内容を決定する(ステップS163)。具体的には、サブCPU131は、各種予告演出について、予告演出を実行するか否か、及び予告演出を実行する場合にはその演出内容を、予告演出毎に設けられた予告演出パターン乱数を用いた抽選で決定する。予告演出は、例えば、リーチ演出が行われる可能性が相対的に高いことや、大当たりとなる可能性が相対的に高いことを示唆又は報知する演出であればよく、実行の有無によって特別図柄の変動時間に変化が生じない演出であればよい。本実施形態では、所定の演出画像(例えばキャラクタの顔画像)を表示させるカットイン予告演出や、疑似連続演出といった複数種類の予告演出が予め実行可能に設定されている。例えば、サブROM132には、予告演出毎に、実行の有無や内容を決定するための予告演出選択テーブルが予め記憶されている。例えば、サブCPU131は、予告演出毎に設けられた予告演出パターン乱数を、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した際に取得する。そして、例えば、変動演出パターンに基づいて、予告演出パターン乱数の値と一致する項目を予告演出選択テーブルから特定することで、各種予告演出の実行の有無や内容を決定する。
例えば、増加リーチ演出中に実行可能な予告演出として、所定のキャラクタを表示させるキャラ予告演出を備えてもよい。増加リーチ演出中にキャラ予告演出が実行された場合の方が、キャラ予告演出が実行されない場合よりも大当たりに対する信頼度が高くてもよい。この場合、キャラ予告演出用の予告演出選択テーブルにおけるキャラ予告演出用の予告演出パターン乱数の値と比較するための判定値の数は、大当たりの方がハズレよりも多くなるように予め割り振っておく。なお、他の実施形態では、パチンコ遊技機1の現在の遊技状態によって、キャラ予告演出の実行の有無に対する信頼度を異ならせてもよい。具体的には、通常遊技状態中には、キャラ予告演出が実行された場合の方が、キャラ予告演出が実行されない場合よりも大当たりに対する信頼度が高く、時短遊技状態中には、キャラ予告演出が実行されない場合の方が、キャラ予告演出が実行された場合よりも大当たりに対する信頼度が高くなるように予め設定されていてもよい。
また、他の実施形態では、大当たりの態様の最終停止図柄、又は最終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄が7図柄に決定された場合に、大当たりに対する信頼度が相対的に高い所定の予告演出(例えば群予告)が実行され易いように予め設定されていてもよい。
ステップS163の処理に続いて、サブCPU131は、変動演出中にリーチ図柄を変更するか否かや、リーチ図柄を変更する場合の設定情報を決定するためのリーチ図柄変更処理を実行する(ステップS164)。本実施形態では、リーチ成立後にリーチ図柄が変更される場合がある(図16参照)。リーチ図柄が変更されない場合には、リーチ成立時に導出されたリーチ図柄が最終停止図柄の一部を構成することになる。これに対して、リーチ図柄が変更される場合には、リーチ成立時のリーチ図柄と、最終停止図柄の一部(例えば左図柄および右図柄)とでは異なる装飾図柄が決定される場合がある。このリーチ図柄変更処理については、図35に基づいて後に詳述する。
ステップS164の処理に続いて、サブCPU131は、変動演出および予告演出の実行を指示する変動演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS165)。変動演出開始コマンドには、ステップS161〜164の処理で決定した情報が含まれる。変動演出開始コマンドは、ステップS30の送信処理(図29参照)によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、演出制御基板130において決定された態様で変動演出及び各種演出が行われる。
[演出制御基板130による変動演出パターン決定処理]
図32は、図31のステップS161における変動演出パターン決定処理の詳細フローチャートである。図32に示すように、サブCPU131は、例えば、ステップS160の処理に続いて遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドを解析する(ステップS1610)。変動開始コマンドには、上述したように、大当たり判定(図26参照)の判定結果を示す大当たりか否かの情報、特別図柄の変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。
サブCPU131は、変動開始コマンドの解析結果(ステップS1610)に基づいて変動パターンに対応した変動演出を特定し(ステップS1611)、変動演出パターン乱数を用いた抽選により、変動演出の具体的な演出態様を決定する(ステップS1612)。例えば、変動演出パターンの決定には、変動演出パターン選択テーブルが用いられる。変動演出パターン選択テーブルは、例えば、特別図柄の変動パターンと、装飾図柄の変動演出パターンと、変動演出パターン乱数と比較するための判定値とが予め対応付けられたテーブルである。例えば、本実施形態では、大当たり判定の判定結果、リーチ判定の判定結果、及び現在の遊技状態毎に変動演出パターン選択テーブルがサブROM132に予め記憶されている。例えば、大当たり判定の判定結果が大当たりの場合、サブCPU131は、現在の遊技状態に対応した大当たり用変動演出パターン選択テーブルをサブROM132から読み出し、サブRAM133にセットする。例えば、サブCPU131は、セットした変動演出パターン選択テーブルを参照して、まず変動パターンに対応した変動演出パターンを特定する。そして、特定した複数の変動演出パターンに対して割り振られた判定値の中から、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した際に取得した変動演出パターン乱数の値と一致するものを特定することにより変動演出パターンを決定する。変動パターンに対応した変動演出パターンが1つの場合は、変動演出パターン乱数を用いた抽選を行わずに変動演出パターンを決定してもよい。具体例として、変動パターンA1に対応した変動演出パターンとして、ノーマルリーチ演出1の実行を指示する変動演出パターンE1と、ノーマルリーチ演出2の実行を指示する変動演出パターンE2が予め用意されている場合について説明する。この場合、サブCPU131は、変動演出パターン乱数を用いた抽選により変動演出パターンをE1及びE2のうちのどちらかに決定する。
なお、サブCPU131は、例えば変動演出パターンを決定する際に、サブRAM133に格納されている保留数の値を「1」減算する。これにより、ステップS1610の処理で解析した変動開始コマンドに対応する保留アイコンが、例えば変動演出開始の際に液晶画面5の保留領域51から当該領域52にシフトされることになる(図14(A)及び(B)参照)。
ステップS1612の処理に続いて、サブCPU131は、最終停止図柄を決定するための最終停止図柄決定処理を実行する(ステップS1613)。最終停止図柄は、例えば、特別図柄が停止表示されたことに応じて、液晶画面5の有効ラインL1上(図7(A)参照)に大当たり又はハズレの態様で停止表示される装飾図柄である。この最終停止図柄決定処理については、図33に基づいて後に詳述する。
ステップS1613の処理に続いて、サブCPU131は、当落報知ライン決定処理を実行する(ステップS1614)。当落報知ライン決定処理では、例えば、最終停止図柄を最初に疑似停止させる有効ラインの位置を、有効ライン数と最終停止図柄とに基づいて、乱数を用いた抽選で決定する。この当落報知ライン決定処理については、図34に基づいて後に詳述する。
[演出制御基板130による最終停止図柄決定処理]
図33は、図32のステップS1613における最終停止図柄決定処理の詳細フローチャートである。図33に示すように、サブCPU131は、例えば、ステップS1610の処理で解析した変動開始コマンドの解析結果に基づいて、大当たり判定(図26参照)において大当たりと判定されたか否かを判定する(ステップS1700)。
大当たりと判定された場合(ステップS1700:YES)、大当たり種別が「確変当たり」か否かを判定する(ステップS1701)。大当たり種別が確変当たりではないと判定された場合(ステップS1701:NO)、すなわち、大当たり種別が非確変当たりの場合、サブCPU131は、大当たりの態様の最終停止図柄を構成する装飾図柄を、偶数を示す偶数図柄(例えば、2図柄、4図柄、6図柄、及び8図柄)のうちの何れか1つに決定し(ステップS1702)、最終停止図柄決定処理を終了する。例えば、サブCPU131は、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した際に、演出制御基板130において更新される大当たり用最終停止図柄乱数を取得する。そして、サブROM132に予め記憶された大当たり用最終停止図柄テーブルを参照して、大当たり用最終停止図柄乱数の値と一致する装飾図柄を最終停止図柄に決定する。これにより、特別図柄の停止表示に応じて、液晶画面5の図柄領域50における左図柄領域、中図柄領域、及び右図柄領域に揃って停止表示させる同一の装飾図柄が決定されることになる。
ここで、大当たり用最終停止図柄テーブルは、大当たり判定の判定結果が大当たりの場合に参照されるテーブルであり、例えば、大当たり種別と、装飾図柄の種類と、大当たり用最終停止図柄乱数の値と比較するための判定値とが対応付けられたテーブルである。本実施形態では、非確変当たりである場合に対応した大当たり用最終停止図柄テーブルにおいて、大当たり用最終停止図柄乱数の値と比較するための判定値が偶数図柄に割り振られており、奇数図柄(例えば、1図柄、3図柄、5図柄、及び7図柄)に割り振られていない。一例として、非確変当たりである場合に対応して、各偶数図柄の決定割合が同じになるように、大当たり用最終停止図柄テーブルにおいて大当たり用最終停止図柄乱数の値と比較するための判定値が予め割り振られていてもよい。
大当たり種別が確変当たりであると判定された場合(ステップS1701:YES)、サブCPU131は、大当たり種別が16R確変当たりであるか否かを判定する(ステップS1703)。大当たり種別が16R確変当たりであると判定された場合(ステップS1703:YES)、サブCPU131は、大当たりの態様の最終停止図柄を構成する装飾図柄を、7図柄を含む全ての装飾図柄のうちの何れか1つに決定し(ステップS1704)、最終停止図柄決定処理を終了する。
本実施形態では、例えば、大当たり種別が16R確変当たりである場合に対応して、最終停止図柄が7図柄の決定割合が相対的に高くなるように、大当たり用最終停止図柄テーブルにおいて大当たり用最終停止図柄乱数の値と比較するための判定値が予め各装飾図柄に割り振られている。一例として、16R確変当たりである場合に最終停止図柄が7図柄に決定される割合が85%、7図柄以外に決定される割合が15%となるように、大当たり用最終停止図柄乱数の値と比較される判定値が割り振られている。なお、7図柄以外、すなわち1〜6図柄および8図柄には、それぞれ同じ確率で決定される。このような設定により、最終停止図柄が7図柄の場合に高揚感を与えることが可能であると共に、最終停止図柄が7図柄以外の場合でも、16R確変当たりかもしれないといった遊技者の期待感を維持することが可能になる。
これに対して、大当たり種別が16R確変当たりではないと判定された場合(ステップS1703:NO)、すなわち2R確変当たりである場合、サブCPU131は、大当たりの態様の最終停止図柄を構成する装飾図柄を、7図柄以外の全ての装飾図柄のうちの何れか1つに決定し(ステップS1705)、最終停止図柄決定処理を終了する。本実施形態では、2R確変当たりである場合に対応した大当たり用最終停止図柄テーブルにおいて、大当たり用最終停止図柄乱数の値と比較するための判定値が7図柄に割り振られておらず、7図柄以外の各図柄に割り振られている。一例として、2R確変当たりである場合に対応して、1〜6図柄および8図柄の決定割合が同じになるように、大当たり用最終停止図柄テーブルにおいて大当たり用最終停止図柄乱数の値と比較するための判定値が予め割り振られていてもよい。
ここで、本実施形態では、有効ライン数が2以上の増加リーチ演出中、最終停止図柄以外の装飾図柄で構成されるリーチ図柄が有効ライン上に疑似停止される。図34のステップS1805を参照しつつ後に詳述するが、本実施形態では、増加リーチ演出中に、7図柄で構成されるリーチ図柄を表示可能な最終停止図柄と、7図柄で構成されるリーチ図柄を表示できない最終停止図柄とがある。具体的には、ステップS161の処理で決定した変動演出パターンが有効ライン数2〜4の増加リーチ演出を実行させるパターンの場合、最終停止図柄の種類によっては増加リーチ演出中に7図柄で構成されるリーチ図柄を表示できない。このため、例えば、大当たり用最終停止図柄テーブルにおいて、有効ライン数2〜4の増加リーチ演出を実行させる変動演出パターンに対応して、7図柄で構成されるリーチ図柄を表示可能な装飾図柄に決定される割合の方が、7図柄で構成されるリーチ図柄を表示できない装飾図柄に決定される割合よりも高くなるように、大当たり用最終停止図柄乱数の値と比較するための判定値が予め割り振られていてもよい。
一方、大当たり判定において大当たりと判定されていない場合(ステップS1700:NO)、すなわちハズレの場合、サブCPU131は、リーチ演出の実行を指示する変動演出パターンがステップS161の処理で決定されたか等を判定することにより、装飾図柄の変動表示態様がリーチか否かを判定する(ステップS1706)。装飾図柄の変動表示態様がリーチではないと判定された場合(ステップS1706:NO)、サブCPU131は、非リーチのハズレ目を構成する装飾図柄の組み合わせを最終停止図柄に決定し(ステップS1707)、最終停止図柄決定処理を終了する。
サブCPU131は、例えば、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した際に、演出制御基板130において更新される左用最終停止図柄乱数、右用最終停止図柄乱数、及び中用最終停止図柄乱数を取得する。そして、例えばサブROM132に予め記憶された左用最終停止図柄テーブルを参照する等により、図柄領域50の左図柄領域に停止表示させる左図柄(最終停止図柄)を決定する。左用最終停止図柄テーブルは、ハズレの場合に参照されるテーブルであり、例えば、装飾図柄種別と、左用最終停止図柄乱数の値と比較するための判定値とが対応付けられたテーブルである。
本実施形態では、左用最終停止図柄テーブルにおいて、7図柄に決定される割合が1〜6図柄および8図柄に決定される割合よりも小さくなるように、左用最終停止図柄乱数の値と比較される判定値が予め割り振られている。この場合、左用最終停止図柄テーブルにおいて、1〜6図柄および8図柄の決定割合が同じになるように、左用最終停止図柄乱数の値と比較するための判定値が予め割り振られていてもよい。本実施形態では、装飾図柄の変動表示態様が非リーチの場合よりもリーチの場合の方が、左図柄(最終停止図柄)が7図柄である可能性が高くなるように予め設定されている。また、大当たりの場合の方がハズレの場合よりも、左図柄(最終停止図柄)が7図柄である可能性が高くなるように予め設定されている。このような設定により、例えば、左図柄が有効ライン上に疑似停止されたときに、リーチが成立するかもしれないといった期待感や、大当たりかもしれないといった期待感を遊技者に与えること可能になる。
なお、他の実施形態では、例えば、1〜8図柄の決定割合が同じになるように、左用最終停止図柄テーブルにおいて左用最終停止図柄乱数の値と比較するための判定値が予め割り振られていてもよい。
サブCPU131は、左用最終停止図柄を決定した後、サブROM132に予め記憶された右用最終停止図柄テーブルを参照する等により、右用最終停止図柄乱数の値に基づいて、図柄領域50の右図柄領域に停止表示させる右図柄(最終停止図柄)を決定する。右用最終停止図柄テーブルは、ハズレの場合に参照されるテーブルであり、例えば、装飾図柄種別と、右用最終停止図柄乱数の値と比較するための判定値とが対応付けられたテーブルである。サブCPU131は、右図柄(最終停止図柄)を決定する際には、例えば、右用最終停止図柄テーブルの設定などにより、左図柄(最終停止図柄)と異なる装飾図柄に決定する。
サブCPU131は、右用最終停止図柄を決定した後、サブROM132に予め記憶された中用最終停止図柄テーブルを参照する等により、中用最終停止図柄乱数の値に基づいて、図柄領域50の右図柄領域に停止表示させる中図柄(最終停止図柄)を決定する。中用最終停止図柄テーブルは、ハズレの場合に参照されるテーブルである。例えば、各装飾図柄に決定される割合が同じになるように、中用最終停止図柄乱数の値と比較するための判定値が各装飾図柄に割り振られている。
図33に例示する処理に戻る。ステップS1706の処理において装飾図柄の変動表示態様がリーチであると判定された場合(ステップS1706:YES)、サブCPU131は、増加リーチ演出の実行を指示する変動演出パターンであるか否かを判定する(ステップS1708)。サブCPU131は、ステップS161の処理においてサブRAM133に記憶された変動演出パターンの情報を参照する等によって、増加リーチ演出の実行を指示する変動演出パターンであるか否かを判定する。
増加リーチ演出の実行を指示する変動演出パターンではないと判定された場合(ステップS1708:NO)、サブCPU131は、リーチハズレ目を構成する装飾図柄の組み合わせを最終停止図柄に決定し(ステップS1709)、最終停止図柄決定処理を終了する。リーチハズレ目を決定する場合、サブCPU131は、例えば、最終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄(左図柄および右図柄)を決定した後、最終停止図柄を構成する中図柄を決定する。
例えば、サブCPU131は、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した際に、演出制御基板130において更新されるリーチハズレ用最終停止図柄乱数を取得する。リーチハズレ用最終停止図柄乱数は、最終停止図柄であるリーチハズレ目におけるリーチ図柄を決定するための乱数である。例えば、ハズレであって装飾図柄の変動表示態様がリーチである場合には、サブCPU131は、まず、サブROM132に予め記憶されたリーチハズレ用最終停止図柄テーブルを参照する。リーチハズレ用最終停止図柄テーブルは、例えば、装飾図柄種別と、リーチハズレ用最終停止図柄乱数の値と比較するための判定値とが予め対応付けられたテーブルである。そして、リーチハズレ用最終停止図柄乱数の値と比較するための判定値が何れの装飾図柄に対応した判定値と一致するかを判定することによって、最終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄を決定する。一例として、ハズレの場合、リーチ図柄が7図柄に決定される割合が6%、7図柄以外に決定される割合が94%となるように、リーチハズレ用最終停止図柄乱数の値と比較される判定値が割り振られている。なお、7図柄以外、すなわち1〜6図柄および8図柄には、それぞれ同じ確率で決定される。
ここで、本実施形態では、例えば、大当たりの場合よりもハズレである場合の方が、最終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄に7図柄が選ばれ難いように、大当たり用最終停止図柄テーブル及びリーチハズレ用最終停止図柄テーブルが予め設定されている。具体的には、大当たり用最終停止図柄テーブルにおいて7図柄に割り振られた判定値の数よりも、リーチハズレ用最終停止図柄テーブルにおいて7図柄に割り振られた判定値の数の方が少なくなるように、予め設定されている。このような設定により、リーチ図柄として有効ライン上に7図柄が疑似停止された際の大当たりに対する遊技者の期待感を高めることが可能である。
例えば、サブCPU131は、最終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄を決定した後、リーチ図柄を構成する装飾図柄が示す数字に所定の値(例えば「1」)を加算(又は減算)した数を示す装飾図柄を、中図柄(最終停止図柄)に決定する。一例として、最終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄が4図柄の場合、中図柄(最終停止図柄)として5図柄を決定する。
なお、他の実施形態では、サブCPU131は、最終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄を決定した後、中用最終停止図柄テーブルを参照する等により、中用最終停止図柄乱数の値に基づいて、中図柄(最終停止図柄)を決定してもよい。この場合、サブCPU131は、中図柄(最終停止図柄)を決定する際には、例えば、中用最終停止図柄テーブルの設定などにより、最終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄と異なる装飾図柄に決定する。
ステップS1708の処理において増加リーチ演出の実行を指示する変動演出パターンであると判定された場合(ステップS1708:YES)、サブCPU131は、中図柄(最終停止図柄)は決定せずに、最終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄だけを決定して(ステップS1710)、最終停止図柄決定処理を終了する。このステップS1710では、ステップS1709の処理と同様に、最終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄を決定してもよい。本実施形態では、ハズレの場合、増加リーチ演出における図柄揃いあおり演出中に表示させたリーチ図柄ではない装飾図柄が中図柄(最終停止図柄)として導出されるように予め設定されている。このため、増加リーチ演出の実行を指示する変動演出パターンの場合には、増加リーチ演出中に疑似停止される最終停止図柄以外のリーチ図柄が特定された後のタイミング(例えば図34のステップS1810)で、中図柄(最終停止図柄)が決定されることとしている。
なお、他の実施形態では、増加リーチ演出の実行を指示する変動演出パターンであるか否かに関わらず、ステップS1709の処理で最終停止図柄となるリーチハズレ目を決定してもよい。この場合、例えば、ステップS1810の処理に代えて、最終停止図柄が表示される有効ライン以外の有効ラインにおいて大当たりの態様とならないかチェックする処理を行ってもよい。そして、ステップS1709の処理で決定した最終停止図柄のリーチハズレ目を構成する中図柄が、他の有効ラインにおいて大当たりの態様になる場合には、大当たりの態様にならない装飾図柄を中図柄(最終停止図柄)に設定すればよい。
[演出制御基板130による当落報知ライン決定処理]
図34は、図32のステップS1614における当落報知ライン決定処理の詳細フローチャートである。図34に示すように、サブCPU131は、増加リーチ演出の実行を指示する変動演出パターンであるか否かを判定する(ステップS1800)。増加リーチ演出の実行を指示する変動演出パターンではないと判定された場合(ステップS1800:NO)、サブCPU131は、「当落報知ライン」(後述する)を有効ラインL1に決定して(ステップS1801)、ステップS162(図31参照)に処理を進める。
ここで、本実施形態では、ノーマルリーチ演出、SPリーチ演出、又はSPSPリーチ演出が最終リーチ演出の場合、最終リーチ演出の終盤で有効ラインL1上に最終停止図柄が疑似停止されて、当落(大当たり又はハズレ)が報知される。そして、特別図柄が停止表示されたことに応じて、有効ラインL1上に最終停止図柄が停止表示される。このように、本実施形態では、最終停止図柄が停止表示される前に、最終停止図柄が有効ライン上に疑似停止されることによって当落が報知される。この当落を報知するために最終停止図柄が疑似停止される有効ラインを「当落報知ライン」と呼ぶ。
本実施形態では、増加リーチ演出が最終リーチ演出の場合、最終リーチ演出の終盤で、1以上の有効ラインのうちの何れか1つの有効ライン上に最終停止図柄が所定時間(例えば3秒)疑似停止されて当落が報知される。その後、最終停止図柄が有効ラインL1上に再度疑似停止される演出表示が行われる。そして、特別図柄が停止表示されたことに応じて、有効ラインL1上に最終停止図柄が停止表示される。このように、本実施形態では、増加リーチ演出が最終リーチ演出の場合、当落を報知するために最終停止図柄が有効ライン上に疑似停止された後、異なる有効ライン上に最終停止図柄が再度疑似停止される場合がある。この当落を報知するために最終停止図柄が最初に疑似停止される有効ラインを、増加リーチ演出の「当落報知ライン」と呼ぶ。
増加リーチ演出の実行を指示する変動演出パターンであると判定された場合(ステップS1800:YES)、サブCPU131は、実行が指示される増加リーチ演出の有効ライン数を特定する(ステップS1802)。
続いて、サブCPU131は、ステップS1704の処理またはステップS1710の処理で決定された最終停止図柄のリーチ目(左図柄および右図柄)が7図柄か否かを判定する(ステップS1803)。
最終停止図柄のリーチ目が7図柄であると判定された場合(ステップS1803:YES)、サブCPU131は、ステップS1802の処理で特定した増加リーチ演出の有効ライン数に基づいて、ライン乱数を用いた抽選により当落報知ラインを決定する(ステップS1804)。ライン乱数は、例えば、演出制御基板130において更新される当落報知ラインを決定するための乱数であって、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した際に取得される乱数である。例えば、有効ライン数が2以上の場合、全ての有効ラインの決定割合が同じ割合に予め設定されていてもよい。例えば、有効ライン数が2の増加リーチ演出(2ライン演出)の場合、有効ラインL2又はL3(図7(B)参照)のうちの何れかが同じ割合で当落報知ラインに決定される。なお、サブCPU131は、ステップS1802の処理で特定した有効ライン数が1場合、すなわち増加リーチ演出(1ライン演出)の場合、当落報知ラインを有効ラインL1に決定する。
なお、他の実施形態では、大当たりの場合に対応して、最終停止図柄のリーチ目が7図柄の場合には、例えば、所定の有効ラインが当落報知ラインに決定され易く予め設定されていてもよい。所定の有効ラインは、例えば、図柄領域50のおける左図柄領域の最下段および右図柄領域の最上段から構成される有効ラインでもよい。この場合、後述するリーチ図柄変更処理のステップS1901の処理で必ずリーチ図柄を変更すると判定されてもよい。このように設定することで、大当たりの場合には、リーチ図柄増加演出(図13(B)参照)の終盤に7図柄で構成されるリーチ図柄が増加し易く、また、7図柄に対する第1図柄揃いあおり演出(図13(B)参照)が他の装飾図柄に対する第1図柄揃いあおり演出よりも後に行われ易くなる。これにより、遊技者は、7図柄で構成されるリーチ図柄が増加されるのではないか、7図柄で大当たりになるのではないかといったドキドキ感を感じながら遊技を楽しむことが可能になる。
最終停止図柄のリーチ目(左図柄および右図柄)が7図柄ではないと判定された場合(ステップS1803:NO)、サブCPU131は、例えば、最終停止図柄のリーチ目(7図柄以外の装飾図柄)と、増加リーチ演出種別(有効ライン数)とに基づいて、7図柄で構成されるリーチ図柄を増加リーチ演出中に表示可能か否かを判定する(ステップS1805)。
例えば、サブCPU131は、有効ライン数が1の1ライン演出の場合、最終停止図柄の種類に関わらず、7図柄で構成されるリーチ図柄を表示できないと判定する。有効ライン数が2の2ライン演出の場合、最終停止図柄のリーチ目が、6図柄または8図柄のときに7図柄で構成されるリーチ図柄を表示できると判定し、それ以外のときは表示できないと判定する。有効ライン数が3の3ライン演出の場合、最終停止図柄のリーチ目が1図柄、5図柄、6図柄、又は8図柄のときに7図柄で構成されるリーチ図柄を表示できると判定し、それ以外のときは表示できないと判定する。有効ライン数が4の4ライン演出の場合、最終停止図柄のリーチ目が3図柄以外のときに7図柄で構成されるリーチ図柄を表示できると判定し、3図柄のときは表示できないと判定する。有効ライン数が5以上の増加リーチ演出の場合、最終停止図柄の種類に関わらず、7図柄で構成されるリーチ図柄を表示できると判定する。
7図柄で構成されるリーチ図柄を増加リーチ演出中に表示できないと判定された場合(ステップS1805:NO)、サブCPU131は、ステップS1804に処理を進める。
一方、7図柄で構成されるリーチ図柄を増加リーチ演出中に表示可能であると判定された場合(ステップS1805:YES)、サブCPU131は、増加リーチ図柄テーブルを参照する等により、演出制御基板130において更新される増加リーチ図柄乱数の値に基づいて、7図柄で構成されるリーチ図柄を増加リーチ演出中に表示させるか否かを決定する(ステップS1806)。増加リーチ図柄乱数は、例えば、7図柄で構成されるリーチ図柄を増加リーチ演出中に表示させるか否かを決定するための乱数であって、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した際に取得される乱数である。例えば、サブROM132には、増加リーチ図柄テーブルが予め記憶されている。増加リーチ図柄テーブルは、当落(大当たり又はハズレ)に対応して、増加リーチ演出の有効ライン数と、7図柄の表示の有無と、増加リーチ図柄乱数と比較される判定値とが対応付けられたテーブルである。サブCPU131は、例えば、増加リーチ図柄乱数の値が、増加リーチ図柄乱数と比較される判定値と一致するか否かによって、7図柄で構成されるリーチ図柄を増加リーチ演出中に表示させるか否かを判定する。
本実施形態では、増加リーチ図柄テーブルにおいて、増加リーチ演出の有効ライン数が多い程、7図柄で構成されるリーチ図柄が表示され易いように、増加リーチ図柄乱数と比較される判定値が予め割り振られている。そして、増加リーチ図柄テーブルにおいて、増加リーチ演出の有効ライン数が同じ場合を比較すると、大当たりの方がハズレよりも7図柄で構成されるリーチ図柄が表示され易いように予め設定されている。このような設定により、増加リーチ演出の有効ライン数が多い程、すなわち大当たりに対する信頼度が相対的に高い増加リーチ演出程、増加リーチ演出中に7図柄で構成されるリーチ図柄が表示され易くできる。また、増加リーチ演出中に7図柄で構成されるリーチ図柄が表示される場合の方が、増加リーチ演出中に7図柄で構成されるリーチ図柄が表示されない場合よりも、大当たりに対する信頼度を高くできる。
なお、大当たりの種別が16R確変当たりの場合の方が、大当たり種別が2R確変当たりの場合よりも、増加リーチ演出中に7図柄で構成されるリーチ図柄が表示され易いように予め設定されていてもよい。そして、大当たりの種別が2R確変当たりの場合の方が、大当たり種別が非確変当たりの場合よりも、増加リーチ演出中に7図柄で構成されるリーチ図柄が表示され易いように予め設定されていてもよい。
7図柄で構成されるリーチ図柄を増加リーチ演出中に表示させると判定された場合(ステップS1806:YES)、サブCPU131は、増加リーチ演出の有効ライン数と、最終停止図柄のリーチ目とに基づいて、7図柄を含む1又は複数のリーチ組み合わせのうちの何れか1つのリーチ組み合わせを決定する。そして、サブCPU131は、リーチ組み合わせにおける最終停止図柄の位置に基づいて、当落報知ラインを決定する(ステップS1807)。例えば、増加リーチ演出の有効ライン数が3(すなわち3ライン演出)であって、最終停止図柄のリーチ目が6図柄の場合、増加リーチ演出中に表示可能な7図柄を含むリーチ組み合わせは、(5図柄、6図柄、7図柄)の組み合わせか、(6図柄、7図柄、8図柄)の組み合わせである。サブCPU131は、例えば上述したライン乱数を用いた抽選により、何れのリーチ組み合わせを増加リーチ演出中に表示させるかを決定する。例えば、(5図柄、6図柄、7図柄)の組み合わせを増加リーチ演出中に表示させると決定された場合、サブCPU131は、図柄領域50における左図柄領域の中段および右図柄領域の中段から構成される有効ラインを、当落報知ラインに決定する。なお、このような7図柄を含むリーチ組み合わせは、最終停止図柄のリーチ目と有効ライン数とに対応して予め用意していてもよい。
7図柄で構成されるリーチ図柄を増加リーチ演出中に表示させないと判定された場合(ステップS1806:NO)、サブCPU131は、増加リーチ演出の有効ライン数と、最終停止図柄のリーチ目とに基づいて、7図柄を含まない1又は複数のリーチ組み合わせのうちの何れか1つのリーチ組み合わせを決定する。そして、サブCPU131は、リーチ組み合わせにおける最終停止図柄の位置に基づいて、当落報知ラインを決定する(ステップS1808)。例えば、3ライン演出(有効ライン数が3)であって、最終停止図柄のリーチ目が5図柄の場合、増加リーチ演出中に表示可能な7図柄を含まないリーチ組み合わせは、(3図柄、4図柄、5図柄)の組み合わせか、(4図柄、5図柄、6図柄)の組み合わせである。サブCPU131は、例えば上述したライン乱数を用いた抽選により、(3図柄、4図柄、5図柄)の組み合わせを増加リーチ演出中に表示させると決定した場合、左図柄領域の最下段および右図柄領域の最上段から構成される有効ラインを、当落報知ラインに決定する。なお、このような7図柄を含まないリーチ組み合わせは、最終停止図柄のリーチ目と有効ライン数とに対応して予め用意していてもよい。
サブCPU131は、ステップS1804の処理を実行した場合、ステップS1807の処理を実行した場合、又はステップS1808の処理を実行した場合、変動開始コマンドの解析結果等に基づいて、大当たり判定(図26参照)において大当たりと判定されたか否かを判定する(ステップS1809)。大当たりと判定された場合(ステップS1809:YES)、ステップS162に処理が進められる。
大当たりと判定されなかった場合、すなわちハズレの場合、サブCPU131は、増加リーチ演出の終盤でハズレを報知するために当落報知ラインに疑似停止されるリーチハズレ目の中図柄を決定する(ステップS1810)。例えば、サブCPU131は、増加リーチ演出の有効ライン数と、ステップS1804の処理で決定した当落報知ラインと、最終停止図柄のリーチ目が7図柄であることとに基づいてリーチ組み合わせを特定し、増加リーチ演出における全ての有効ラインにてリーチハズレの組み合わせとなる中図柄を決定する。または、例えば、サブCPU131は、ステップS1807の処理もしくはステップS1808の処理で当落報知ラインを決定する際に定めたリーチ組み合わせと、最終停止図柄のリーチ目とに基づいて、増加リーチ演出における全ての有効ラインにてリーチハズレの組み合わせとなる中図柄(例えば図18(F)参照)を決定する。本実施形態では、左図柄領域の最下段および右図柄領域の最上段に表示されることになる装飾図柄が示す数字に、「1」加算した数字を示す装飾図柄が中図柄として決定される。なお、この処理で決定された中図柄は、増加リーチ演出の図柄揃いあおり演出中にも視認可能に表示される(例えば図13(B)、図18、図20参照)。
ここで、本実施形態では、増加リーチ演出のうちのリーチ図柄増加演出中に、装飾図柄が示す数字が小さいものから大きいものの順に、リーチ図柄が増加していく演出表示が行われる(例えば図19(G)〜(I)参照)。本実施形態では、最終停止図柄が偶数図柄揃いとなる場合、すなわち大当たり種別が非確変当たりの場合には、増加リーチ演出開始時のリーチ図柄が偶数図柄であることが望ましい。仮に、増加リーチ演出開始時に奇数図柄のリーチ図柄が表示されていると、遊技者は、確変当たりかもしれないといった期待感を高めてしまう可能性がある。このような場合に、偶数図柄の大当たりの態様で装飾図柄が停止表示されると、遊技者を落胆させてしまう可能性がある。そこで、大当たり種別が非確変当たりの場合、当落報知ラインに決定された有効ライン上に最終停止図柄を疑似停止させるとすれば増加リーチ演出開始時のリーチ図柄が奇数図柄になってしまわないかをチェックしてもよい。そして、増加リーチ演出開始時のリーチ図柄が奇数図柄になる場合には、当落報知ラインを何れかの有効ラインに変更して、増加リーチ演出開始時のリーチ図柄が偶数図柄になるように設定すればよい。
[演出制御基板130によるリーチ図柄変更処理]
図35は、図31のステップS164におけるリーチ図柄変更処理の詳細フローチャートである。図35に示すように、サブCPU131は、例えば、ステップS161の処理(図31参照)で決定した変動演出パターンが、装飾図柄の変動演出態様を非リーチにするパターンであるか否かを判断する(ステップS1900)。非リーチにする変動演出パターンであると判断された場合(ステップS1900:YES)、リーチ図柄変更処理が終了してステップS165に処理が進められる。
これに対して、非リーチにする変動演出パターンではないと判断された場合(ステップS1900:NO)、サブCPU131は、変動演出中の所定のタイミング(例えば、リーチ演出の発展時、リーチ図柄増加演出中)でリーチ図柄を変更するか否かを決定する(ステップS1901)。この場合、変動演出パターンに対応してリーチ図柄の変更の有無および/又は変更回数が予め定められていてもよいし、乱数を用いた抽選によりリーチ図柄の変更の有無等が決定されてもよい。
例えば、最終リーチ演出がSPリーチ演出である場合の方が、最終リーチ演出がノーマルリーチ演出の場合よりも、リーチ図柄が変更される割合が高くてもよい。また、最終リーチ演出がSPSPリーチ演出または増加リーチ演出である場合の方が、最終リーチ演出がノーマルリーチ演出またはSPリーチ演出である場合よりも、リーチ図柄が変更される割合が高くてもよい。また、有効ライン数が多い増加リーチ演出の方が、有効ライン数が少ない増加リーチ演出よりも、リーチ図柄が変更される割合が高くてもよい。また、最終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄が7図柄である場合の方が、他の図柄である場合よりも、リーチ図柄が変更される割合が高くてもよい。このように設定されることで、大当たりに対する信頼度が相対的に高いリーチ演出が実行される変動演出中にリーチ図柄が変更され易くできる。これにより、遊技者は、変動演出中にリーチ図柄が変更されたことによって、大当たりに対する期待感を高めながら遊技を楽しむことが可能になる。
なお、リーチ図柄が変更される割合の比は上述したものに限らない。例えば、大当たりに対する信頼度が相対的に低い最終リーチ演出が実行される変動演出の方が、信頼度が相対的に高い最終リーチ演出が実行される変動演出よりも、リーチ図柄が変更され易いように予め設定されていてもよい。例えば、最終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄が7図柄である場合の方が、他の図柄である場合よりも、リーチ図柄が変更され難くてもよい。これにより、遊技者は、変動演出中にリーチ図柄が変更されずに遊技が進行したことによって、大当たりに対する期待感を高めながら遊技を楽しむことが可能になる。
リーチ図柄を変更しないと判定された場合(ステップS1901:NO)、リーチ図柄変更処理が終了してステップS165に処理が進められる。
これに対して、リーチ図柄を変更すると判定された場合(ステップS1901:YES)、増加リーチ演出の実行を指示する変動演出パターンであるか否かを判定する(ステップS1902)。増加リーチ演出の実行を指示する変動演出パターンであると判定された場合(ステップS1902:YES)、サブCPU131は、図柄領域50における左図柄領域の最上段と右図柄領域の最下段から構成される有効ラインが当落報知ラインに決定されたか否かを判定する(ステップS1903)。例えば、サブCPU131は、ステップS1804の処理、ステップS1807の処理、又はステップS1808の処理で決定されてサブRAM133に記憶された当落報知ラインの設定情報を参照して、左図柄領域の最上段と右図柄領域の最下段から構成される有効ラインか否かを判定する。
当落報知ラインが、左図柄領域の最上段と右図柄領域の最下段から構成される有効ラインではないと判定された場合(ステップS1903:NO)、サブCPU131は、リーチ図柄を変更するタイミングをリーチ図柄増加演出中と特定する。そして、サブCPU131は、変更前のリーチ図柄を、当落報知ライン及び最終停止図柄のリーチ目に基づいて、最終停止図柄以外の装飾図柄に決定した後(ステップS1904)、リーチ図柄変更処理を終了してステップS165に処理を進める。なお、リーチ図柄増加演出中以外のタイミングでもリーチ図柄を変更する場合には、ステップS1905に処理が進められてもよい。
ステップS1903の処理でYESと判定された場合、又はステップSステップS1902の処理でNOと判定された場合、変動演出パターンに基づいてリーチ図柄の変更タイミングを決定する(ステップS1905)。この場合、変動演出パターンに対応してリーチ図柄の変更タイミングが予め定められていてもよいし、リーチ図柄の変更タイミングを決定するためのリーチ変更乱数を用いた抽選によりリーチ図柄の変更タイミングが決定されてもよい。リーチ変更乱数は、例えば、演出制御基板130で更新される乱数であり、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した際に取得される乱数である。例えば、サブCPU131は、リーチ演出の発展タイミング、ステップS162及びステップS163の処理で実行すると決定された各種予告演出の開始タイミング、又は各種予告演出の終了直後のタイミングといった1又は複数のタイミングから、リーチ図柄を変更するタイミングを決定する。サブCPU131は、例えば、サブROM132に予め記憶されたリーチ変更テーブルを参照して、リーチ変更乱数の値が、何れのタイミングに対応した判定値と一致するかを判定することによって、変更タイミングを決定する。
例えば、大当たりに対する信頼度が相対的に低い最終リーチ演出が実行される変動演出よりも、信頼度が相対的に高い最終リーチ演出が実行される変動演出の方が、変動演出開始時からの経過時間が短いタイミングでリーチ図柄が変更され易いように予め設定されていてもよい。例えば、最終リーチ演出がSPリーチ演出である場合の方が、最終リーチ演出がノーマルリーチ演出の場合よりも、変動演出開始時からの経過時間が短いタイミングに決定され易くてもよい。また、最終リーチ演出がSPSPリーチ演出または増加リーチ演出である場合の方が、最終リーチ演出がノーマルリーチ演出またはSPリーチ演出である場合よりも、変動演出開始時からの経過時間が短いタイミングに決定され易くてもよい。また、有効ライン数が多い増加リーチ演出の方が、有効ライン数が少ない増加リーチ演出よりも、変動演出開始時からの経過時間が短いタイミングに決定され易くてもよい。一例として、変動パターンA29(図10参照)に対応した変動演出パターンでは、ノーマルリーチ演出からSPリーチ演出に発展する際にリーチ図柄が変更され易く、変動パターンA13に対応した変動演出パターンでは、SPリーチ演出から2ライン演出に発展する際にリーチ図柄が変更され易くてもよい。このように設定されることで、遊技者は、変動演出開始時からの経過時間が短いタイミングでリーチ図柄が変更されたことによって、その後の展開に期待感を抱きながら遊技を楽しむことが可能になる。
なお、例えば、大当たりに対する信頼度が相対的に低い最終リーチ演出が実行される変動演出の方が、信頼度が相対的に高い最終リーチ演出が実行される変動演出よりも、変動演出開始時からの経過時間が短いタイミングでリーチ図柄が変更され易いように予め設定されていてもよい。これにより、遊技者は、変動演出開始時からの経過時間が短いタイミングでリーチ図柄が変更されなかったことによって、安心感を抱きながら遊技を楽しむことが可能になる。
なお、他の実施形態では、リーチ図柄が変更される直前に、遊技者に演出ボタン26への操作を促すボタン操作演出が実行されてもよい。この場合、例えば、ボタン操作演出中に遊技者によって演出ボタン26が操作されたことに応じてリーチ図柄が変更される。このボタン操作演出は、第2図柄揃いあおり演出の終盤で実行されるボタン操作演出とは異なる演出態様でもよく、リーチ図柄が変更される可能性を示唆(又は報知)する演出態様でもよい。なお、ボタン操作演出中に遊技者によって演出ボタン26が操作されなかった場合、演出ボタン26の操作が有効となる予め定められた有効期間(例えばボタン操作演出開始時から3秒)が終了したタイミングでリーチ図柄を変更してもよい。
ステップS1905の処理に続いて、サブCPU131は、最終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄が7図柄か否かを判定する(ステップS1906)。7図柄であると判定された場合(ステップS1906:YES)、変更前のリーチ図柄を、7図柄以外の装飾図柄のうちの何れか1つの装飾図柄に決定した後(ステップS1907)、リーチ図柄変更処理を終了してステップS165に処理を進める。このように、リーチ演出中にリーチ図柄が7図柄に変更されることで、遊技者は、16R確変当たりかもしれないといった期待感を高めながら遊技を楽しむことが可能である。
一方、終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄が7図柄ではないと判定された場合(1906:NO)、変更前のリーチ図柄を、偶数図柄のうちの何れか1つの装飾図柄に決定した後(ステップS1908)、リーチ図柄変更処理を終了してステップS165に処理を進める。このように変更前のリーチ図柄を偶数図柄に設定することにより、仮に最終図柄が偶数図柄揃いの大当たりの態様であっても奇数図柄のリーチ図柄が表示されることで確変当たりかもしれないといった期待感を遊技者が高めてしまうことを防止できる。
[画像音響制御基板140によるタイマ割込み処理]
図36は、画像音響制御基板140において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。画像音響制御基板140は、電源供給開始時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図36に例示されている一連の処理を一定時間(例えば33ミリ秒)毎に繰り返し実行する。図36に例示されるように、画像音響制御基板140の統括CPU141は、まず、ステップS165(図31参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された変動演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS501)。ここで、変動演出開始コマンドを受信したと判定された場合(ステップS501:YES)、統括CPU141は、受信した変動演出開始コマンドに含まれる情報、及びディスプレイリスト作成テーブルに基づいて変動演出の表示内容を設定し(ステップS502)、その設定内容に基づいてディスプレイリストを作成する(ステップS503)。
ここで、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されており、描画する画像の種類、画像を描画する位置(座標)、表示の優先順位、表示倍率、回転角、透過率等の各種パラメータを含むものであり、ディスプレイリスト作成テーブルは、このディスプレイリストを作成するために使用されるテーブルである。
画像音響制御基板140のVDP142は、統括CPU141によって作成されたディスプレイリストに基づいてCGROM148から演出データを読み出し、読み出した演出データを用いて、変動演出を行うための描画処理を実行する。
統括CPU141は、ステップS503の処理を実行した場合、又は変動演出開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS501:NO)、演出制御基板130から送信された変動演出終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS504)。ここで、変動演出終了コマンドを受信したと判定された場合(ステップS504:YES)、VDP142に実行中の変動演出を終了させる変動演出終了処理を実行する(ステップS505)。
統括CPU141は、ステップS505の処理を実行した場合、又は変動演出終了コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS504:NO)、その他のコマンドを受信したことに応じた処理を実行する(ステップS506)。例えば、ステップS13の処理に応じて演出制御基板130からアイコン表示コマンドを受信したことに応じて、演出制御基板130において決定された大当たりに対する信頼度を示唆(報知)する表示態様で、液晶画面5の保留領域51に保留アイコンを表示させる。また、例えば、動作演出において演出役物71が動作したことに応じた演出画像を液晶画面5に表示させる。
ステップS506の処理に続いて、統括CPU141は、データ送信制御処理を実行する(ステップS507)。具体的には、画像音響制御基板140において行われる画像音響制御に関するデータを演出制御基板130に送信する。
これに対して、演出制御基板130は、画像音響制御基板140から受信したデータをランプ制御基板150に転送する。これにより、液晶表示装置5及びスピーカ24によって行われる演出と同期するように、ランプ制御基板150によって演出役物71などが制御されることになる。
[ランプ制御基板150によるタイマ割込み処理]
次に、図37を参照しつつ、ランプ制御基板150において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図37は、ランプ制御基板150において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。ランプ制御基板150は、電源供給開始時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、演出制御基板130からのコマンド、及び演出制御基板130を介して画像音響制御基板140から送信される画像音響制御に関するデータに基づいて、図37に例示されている一連の処理を一定時間毎に繰り返し実行する。
ランプ制御基板150のランプCPU151は、まず、演出制御基板130を介して画像音響制御基板140から送信された画像音響制御に関するデータを受信するデータ受信処理を実行する(ステップS901)。具体的には、ランプCPU151は、演出制御基板130を介して画像音響制御基板140から送信された画像音響制御に関するデータを受信する。このデータには、データが示す演出の制御に関する指示(例えば演出の開始指示)が含まれる。この処理でデータを受信することで、ランプCPU151は、以降の処理において液晶画面5及びスピーカ24による演出と同期するように、演出役物71の動作等を制御できる。
ステップS901の処理に続いて、ランプCPU151は、演出制御基板130から送信されたコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS902)。ここで、演出制御基板130からのコマンドを受信していないと判定された場合(ステップS902:NO)、ステップS911に処理が進められる。
ランプCPU151は、演出制御基板130からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS902:YES)、そのコマンドが、ステップS165(図31参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された変動演出開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS903)。ここで、受信したコマンドが変動演出開始コマンドではないと判定された場合(ステップS903:NO)、ステップS908に処理が進められる。
ランプCPU151は、受信したコマンドが変動演出開始コマンドであると判定した場合(ステップS903:YES)、受信した変動演出開始コマンドに対応する発光パターンデータをランプROM152から読み出してランプRAM153にセットすることにより、演出役物71、盤ランプ25、枠ランプ37などの各発光素子の発光パターンを設定する(ステップS904)。そして、セットした発光パターンデータに基づいて、これらの発光素子の発光制御を開始する(ステップS905)。
ステップS905の処理に続いて、ランプCPU151は、受信した変動開始コマンドに含まれている変動演出パターンを示す情報が、動作演出の設定情報を含むものであるか否かを判定する(ステップS906)。具体的には、例えば、演出制御基板130においてステップS162(図31参照)の処理で動作演出パターンが決定された場合、ランプCPU151は、動作演出の設定情報を含むと判定する。動作演出の設定情報を含まないと判定された場合(ステップS906:NO)、ステップS911に処理が進められる。
ランプCPU151は、動作演出の設定情報を含むと判定した場合(ステップS906:YES)、演出役物71の動作設定情報をランプRAM153にセットする(ステップS907)。ランプCPU151は、例えば、ステップS162(図31参照)の処理で決定された動作演出パターンに基づいて演出役物71の動作パターン及び動作開始タイミングを特定し、これらに関する情報を動作設定情報としてランプRAM153にセットする。このステップS907の処理が実行された場合、ステップS911に処理が進められる。
ランプCPU151は、受信したコマンドが変動演出開始コマンドではないと判定した場合(ステップS903:NO)、受信したコマンドが、ステップS20(図30参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信された変動演出終了コマンドであるか否かを判定する(ステップS908)。
ランプCPU151は、受信したコマンドが変動演出終了コマンドではないと判定した場合(ステップS908:NO)、その他のコマンドに応じた処理を実行する(ステップS910)。例えば、ステップS13(図30参照)の処理に応じて演出制御基板130から送信されたアイコン表示コマンドを受信したことに応じて保留アイコンの表示色と同系統の色に盤ランプ25を発光させてもよい。また、例えば、液晶画面5の図柄領域50にリーチライン画像53が表示されたことに応じて、リーチライン画像53と同系統の色に枠ランプ37を発光させてもよい。
一方、ランプCPU151は、受信したコマンドが変動演出終了コマンドであると判定した場合(ステップS908:YES)、ステップS905の処理で開始した発光制御を終了する(ステップS909)。このステップS909の処理が実行された場合、ステップS911に処理が進められる。
ランプCPU151は、ステップS910の処理を実行した場合、ステップS902又はステップS906の処理でNOと判定した場合、ステップS907の処理を実行した場合、又はステップS909の処理を実行した場合、ステップS901の処理で受信した画像音響制御に関するデータに基づいて、演出役物71の動作制御を開始するタイミングであるか否かを判断する(ステップS911)。ここで、動作開始タイミングであると判断された場合(ステップS911:YES)、演出役物71の動作制御を開始する(ステップS912)。例えば、図17(E)に例示されるように、動作演出の開始タイミングで演出役物71が動作される。
ランプCPU151は、ステップS912の処理を実行した場合、又は演出役物71の動作開始タイミングではないと判定した場合(ステップS911:NO)、演出ボタン26(又は演出キー27)が操作されたか否かを判定する(ステップS913)。具体的には、演出ボタン26の操作を検知するセンサからの検知信号が入力されたか否かに基づいて、演出ボタン26が操作されたか否かを判定する。または、演出キー27の各キーの操作を検知するセンサからの検知信号が入力されたか否かに基づいて、演出キー27が操作されたか否かを判定する。演出ボタン26(又は演出キー27)が操作されていないと判定した場合(ステップS913:NO)、図37に示す処理が終了される。
ランプCPU151は、演出ボタン26(又は演出キー27)が操作されたと判定した場合(ステップS913:YES)、その旨を通知する操作コマンドを演出制御基板130に送信し(ステップS914)、図37に示す処理を終了する。
[変形例]
なお、この発明は、上記実施形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。そして、上記実施形態および変形例は互いに適用可能であり、様々な組み合わせで本発明が実現されてもよい。
(有効ラインの変化態様の変形例)
図38は、有効ライン数が増減可能なタイミングを複数備える増加リーチ演出の変形例について説明するための説明図である。上記実施形態では、図10に例示するように、ステップS310の処理により変動パターンが決定されると一義的に増加リーチ演出の有効ライン数が決定されるものとして説明した。また、図17及び図19に例示するように、増加リーチ演出中には、有効ライン数が、1から予め決定された所定数(例えば2〜8)に増加するものとして説明した。これに対して、他の実施形態では、例えば、有効ライン数を増減可能なタイミングが予め複数用意されていてもよく、例えば、変動演出パターン毎に有効ライン数を増減可能な上限回数が定められていてもよい。この場合、有効ライン数を変更するか否と、増減後の有効ライン数とが、予め定められていてもよいし、増減可能なタイミング毎に決定されてもよい。
例えば、図38を参照しつつ、有効ライン数が2回増減されることにより、有効ライン数が3回変更される場合の演出例について説明する。例えば、特別図柄の変動表示に応じた装飾図柄の変動表示開始後1回目のリーチ成立時には、リーチ図柄が第1ライン数(例えば1)と同じ数だけ液晶画面5の図柄領域50に疑似停止される。第1疑似停止時間(例えば1秒)経過後、全装飾図柄が第1再変動時間のあいだ再変動表示された後に、リーチ図柄が第2ライン数(例えば5)と同じ数だけ疑似停止される。第2疑似停止時間(例えば0.7秒)経過後、全装飾図柄が第2再変動時間のあいだ再変動表示された後に、リーチ図柄が第3ライン数(例えば1)と同じ数だけ疑似停止される。第3疑似停止時間(例えば0.5秒)経過後、図柄揃いあおり演出が行われる。
この図柄揃いあおり演出は、3回目のリーチ成立により疑似停止されたリーチ図柄に対してのみ行われてもよいし、1〜3回目のリーチ成立により疑似停止されたリーチ図柄を3回目のリーチ図柄疑似停止後に再度表示させる等により、全てのリーチ図柄に対して図柄揃いあおり演出が行われてもよい。1〜3回目のリーチ成立により疑似停止された全てのリーチ図柄に対して図柄揃いあおり演出が行われる場合、例えば、1回目のリーチ成立により疑似停止されたが、2及び3回目には疑似停止されなかったリーチ図柄が、最終停止図柄の一部を構成する場合もある。このような図柄揃いあおり演出の終盤で、当落を報知する態様で全装飾図柄が疑似停止される。そして、特別図柄の停止表示に応じて装飾図柄が停止表示される。
このような場合、第1疑似停止時間、第2疑似停止時間、及び第3疑似停止時間は同じでもよいし、異なるものがあってもよい。また、第1再変動時間と第2再変動時間とは同じでもよいし、異なっていてもよい。第1再変動時間中および第2再変動時間中には、装飾図柄の変動表示が終了していないことを示唆(又は報知)できればよく、変動表示中の装飾図柄を認識可能な程度に表示させていてもよいし、キャラクタ画像を表示させてもよい。
このように、有効ライン数を増減可能なタイミングが複数ある場合、リーチ図柄が疑似停止される回数が多い程、大当たりに対する信頼度が相対的に高くなるように予め設定されていてもよい。さらに、リーチ図柄として7図柄が疑似停止された回数が多い程、大当たりに対する信頼度が相対的に高くなるように予め設定されていてもよい。例えば、有効ライン数を増減可能な上限回数が2回である場合、7図柄がリーチ図柄として疑似停止される最大回数は3回である。また、第2ライン数および第3ライン数が相対的に大きい程、大当たりに対する信頼度が相対的に高くなるように予め設定されていてもよい。
図38を参照して説明したような演出が行われる場合、例えば、サブCPU131は、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した際に、以下の処理を行う。具体的には、サブCPU131は、例えば、有効ライン数を変更するか否か、変更する場合には上限回数として予め定められた回数内で何回変更するか、及び疑似停止させるリーチ図柄の種別を、演出制御用の所定の乱数の値やサブROM132に予め記憶されたテーブル等を用いて決定する。例えば、演出制御用の所定の乱数値やテーブルを参照する等により、有効ライン数を増減可能なタイミングを2回に設定すると決定された場合、サブCPU131は、まず1回目の変更タイミング後における第1ライン数を、上記乱数値及びテーブルとは異なる演出制御用の乱数の値やサブROM132に予め記憶されたテーブル等を用いて決定する。続いて、サブCPU131は、2回目の変更タイミング後における第2ライン数を、上記乱数及びテーブルとは異なる演出制御用の乱数の値やサブROM132に予め記憶されたテーブル等を用いて決定する。なお、変更回数、第2ライン数、及び第3ライン数を演出制御基板130におけるサブCPU131によって変動演出開始時に決定し、疑似停止されるリーチ図柄の種別は、画像音響制御基板140における統括CPU141によって決定してもよい。この場合、統括CPU141は、例えば、演出制御基板130から変動演出開始コマンドを受信したタイミングで疑似停止させるリーチ図柄の種別を全て決定してもよいし、装飾図柄の再変動表示開始タイミング毎に次に疑似停止させるリーチ図柄を決定してもよい。
(有効ラインの形成態様の変形例)
上記実施形態では、有効ライン数が2以上の場合、全ての有効ラインがある一点(中図柄領域)で交差して形成された。他の実施形態では、互いに接する有効ラインと互いに接しない有効ラインとを備えてもよく、例えば、少なくとも2以上の有効ラインが平行に形成されてもよい。有効ラインが平行に形成される場合、有効ラインが交差して形成される場合と同様、何れか1つの有効ライン上にリーチ状態となる装飾図柄が配置されると、他の有効ライン上にもリーチ状態となる装飾図柄が配置されることになる。しかしながら、有効ラインの形成態様によっては、遊技者によって視認され易い有効ラインと、遊技者によってあまり視認され易くない有効ラインとが形成されることになる。
例えば、図39を参照しつつ、交差していた有効ラインが平行に再配置されて、視認され易い有効ラインと、遊技者によってあまり視認され易くない有効ラインとが形成される場合の演出例について説明する。図39は、有効ラインの形成態様の変形例について説明するための説明図である。ここで、本発明を実現するためのパチンコ遊技機1は、上記実施形態の液晶画面5に相当するメイン液晶60と、サブ液晶表示装置61及びサブ液晶表示装置62(以下「サブ液晶61,62」と略称する。)とを備えるパチンコ遊技機にも適用することができる。複数の有効ラインが平行に設けられた場合の演出例は、図39に例示されるメイン液晶60、及びサブ液晶61,62を備えるパチンコ遊技機を用いて説明する。
例えば、サブ液晶61,62は、メイン液晶60に比べて表示画面が小さい画像表示装置である。サブ液晶61,62は、例えば、保留領域51及び当該領域52が形成されたり、装飾図柄、メイン液晶60で行われる演出表示に関連する演出画像、及びメイン液晶60に表示されない情報が表示されたりする。サブ液晶61,62は、例えば、遊技盤2に対して各々独立して可動に構成されており、メイン液晶60の前面側を、パチンコ遊技機の幅方向(遊技者に対する左右方向)、高さ方向(遊技者に対する上下方向)、及び斜め方向に移動及び回転可能に構成される。サブ液晶61,62は、動作していないときには、メイン液晶60に表示される演出画像の視認性を極力低下させない初期位置(例えばメイン液晶60の側、図39(A)参照)に配置されており、その一部又は全部を遊技者が視認可能な位置に配置されている。サブ液晶61,62の表面および裏面には所定の装飾が施されており、所定の発光パターンで発光可能なLED等の発光素子(不図示)が内蔵されている。このような構成により、サブ液晶61,62は、表示画面に演出画像が表示されていないときや、サブ液晶61,62が動作していないときでも遊技の興趣性を向上させることができる。
例えば、上記実施形態の増加リーチ演出のうちのライン数増加演出中(図13(B)参照)に、以下のような演出が行われてもよい。図39(A)に例示されるように、サブ液晶61,62に2つの有効ラインL2及びL3上にそれぞれリーチ図柄が疑似停止されているときに、サブ液晶61,62を動作させる液晶動作演出が実行される(図39(B)参照)。液晶動作演出中は、リーチ図柄数(有効ライン数)が増加することを報知(又は示唆)する演出である。液晶動作演出では、例えば、メイン液晶60、及びサブ液晶61,62に、リーチ図柄数(有効ライン数)が増加することを報知する増加リーチ演出画像が表示される。なお、メイン液晶60と、サブ液晶61,62とを1つの表示画面に見立てた増加リーチ演出画像が表示されてもよい。また、リーチの態様で変動表示中の装飾図柄を、メイン液晶60、及びサブ液晶61,62のうちの何れかの表示画面上に小図柄として表示させてもよい(図39(B)参照)。
例えば、図39(C)に例示されるように、液晶動作演出によって、サブ液晶表示装置61がメイン液晶60の上部に、サブ液晶表示装置62がメイン液晶60の下部にそれぞれ初期位置から移動される。そして、例えば、メイン液晶60と、サブ液晶61,62とを1つの表示画面に見立てて、リーチ図柄数(有効ライン数)が5つに増加するリーチ図柄増加演出(図13(B)参照)が行われる。その際、例えば、リーチ図柄数が2つであったときとは異なる有効ラインL4〜L8が形成される。図39(C)に例示されるように、例えば5つの有効ラインが、パチンコ遊技機の高さ方向に対して全て平行に形成されてもよい。
このような場合、遊技者によって視認され易い有効ライン上に、最終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄が配置されるようなリーチ図柄の組み合わせで複数のリーチ図柄が表示されてもよい。遊技者によって視認され易い有効ラインは、例えばメイン液晶60の中央部に形成された有効ラインL6である(図39(C)参照)。これに対して、遊技者によってあまり視認され易くない有効ラインは、例えばメイン液晶60とサブ液晶61,62との境界部に形成された有効ラインL4及びL8である。
例えば、最終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄が7図柄である場合に、遊技者によって視認され易い有効ラインと、遊技者によってあまり視認され易くない有効ラインとが形成される増加リーチ演出が行われてもよい。これにより、増加リーチ演出の演出効果を向上させることができると共に、遊技者に、大当たりに対する信頼度が高いことを効果的に印象付けることが可能になる。
なお、少なくとも2以上の有効ラインが平行に形成される場合であっても、殆ど(又は全く)視認性に差異が無い場合もある。例えば、他の実施形態では、液晶画面5を複数の表示領域に仮想的に分割し、各分割領域がそれぞれ、図柄領域50の左図柄領域、中図柄領域、及び右図柄領域を備えてもよい。各分割領域が図柄領域50を備えることにより、各分割領域が独立して有効ラインを備えることになる。例えば、上下方向および水平方向に液晶画面5を2分割すると、4つの分割領域が形成される。このような場合、例えば、各分割領域が横一本の有効ラインを備えると、液晶画面5には4つの有効ラインが形成されることになる。このとき、液晶画面5の上側2つの分割領域に形成される有効ラインと、下側2つの分割領域に形成される有効ラインとは、例えば平行に形成されるが、各有効ラインに視認性の差異は殆ど(又は全く)無い。
こうした分割領域を用いた増加リーチ演出では、例えば、分割領域の数が多い程、大当たりに対する信頼度が相対的に高くなるように予め設定されていてもよい。また、例えば、リーチ図柄として7図柄が疑似停止された分割領域の数が多い程、大当たりに対する信頼度が相対的に高くなるように予め設定されていてもよい。演出制御基板130のサブCPU131は、例えば、大当たりか否かの判定結果や最終停止図柄に基づいて、有効ライン上に疑似停止させるリーチ図柄を分割領域毎に決定してもよいし、分割領域に疑似停止させる全てのリーチ図柄を一括して決定してもよい。また、各分割領域に複数の有効ラインが形成されてもよい。
例えば、分割領域を表示したまま当落を報知する態様で装飾図柄が疑似停止(停止表示)されてもよい。例えば大当たりの場合、全ての分割領域に同じ図柄揃いの大当たりの態様で装飾図柄が疑似停止されてもよい。この場合、例えば、分割領域の数、すなわち有効ライン数と、最終停止図柄を構成する装飾図柄の種別によって、大当たり種別を報知(又は示唆)してもよい。一例として、2つの分割領域に6図柄揃いの装飾図柄が示された場合、すなわち6図柄揃いの有効ライン数が2つの場合、非確変当たりであることが報知(又は示唆)されてもよい。また、4つの分割領域に7図柄揃いの装飾図柄が示された場合、すなわち7図柄揃いの有効ライン数が4つの場合、2R確変当たりであることが報知(又は示唆)されてもよい。また、6つの分割領域に7図柄揃いの装飾図柄が示された場合、すなわち7図柄揃いの有効ライン数が6つの場合、16R確変当たりであることが報知(又は示唆)されてもよい。
(装飾図柄の変形例)
図40を参照しつつ、装飾図柄の変形例について説明する。上記実施形態では、1つの数字を示すのに1つの装飾図柄が用いられた。他の実施形態では、1つの装飾図柄で少なくとも1つ以上の数字を示す装飾図柄が予め用意されていてもよい。図40は、2つの装飾図柄と同じ役割を果たす1つの装飾図柄を用いた増加リーチ演出の変形例について説明するための説明図である。ここで、少なくとも2つ以上の装飾図柄と同じ役割を果たす1つの装飾図柄を「合体図柄」と呼ぶ。
例えば、図40(A)は、4図柄および5図柄と同じ役割を果たす1つの合体図柄である。図40(B)は、6図柄および7図柄と同じ役割を果たす1つの合体図柄である。
例えば、有効ライン数が2の2ライン演出と同様に、有効ラインL2及びL3上に合体図柄および装飾図柄が疑似停止されると、図40(C)に例示されるように、装飾図柄のみの場合よりも有効ラインを増加させることができる。具体的には、例えば、装飾図柄は左図柄領域の最上段と最下段とに同じ数字を表示できないが、合体図柄は、左図柄領域の最上段と最下段とに同じ数字(例えば7)を表示することが可能である。このため、斜め方向だけでなく、水平方向(有効ラインL10)にもリーチが成立し得る。さらに、同じ有効ライン上に左図柄および右図柄として合体図柄が疑似停止された場合には、1つの有効ライン上に複数のリーチが成立し得る(有効ラインL2とL9)。
このような場合、複数の有効ラインで同じリーチ図柄のリーチ状態となる可能性がある。複数の有効ラインで同じリーチ図柄のリーチ状態となると、見た目上、大当たりの態様で装飾図柄が停止し易そうに見えるので、遊技者は、ドキドキしながら遊技を楽しむことが可能である。
例えば、7図柄(装飾図柄および合体図柄)が疑似停止された数が多い程、大当たりに対する信頼度が相対的に高くなるように予め設定されていてもよい。また、例えば、全ての装飾図柄と同じ役割を果たす合体図柄が予め用意されていてもよい。また、例えば、所定の装飾図柄(例えば、1〜7図柄の全て)と同じ役割を果たす1つの合体図柄が有効ライン上に疑似停止されたことによって、大当たりに対する信頼度が相対的に高いことが報知(又は示唆)されてもよい。また、有効ライン上に疑似停止された合体図柄の数が所定数以上(例えば7つ以上)のときに、大当たりに対する信頼度が相対的に高くなるように予め設定されていてもよい。
(増加リーチ演出が実行される遊技状態の変形例)
他の実施形態では、例えば、パチンコ遊技機1が所定の遊技状態(例えば確変遊技状態)に制御されているときにのみ、増加リーチ演出が実行可能なように予め設定されていてもよい。このような設定により、遊技者は、増加リーチ演出が行われることによって、現在の遊技状態が所定の遊技状態(例えば確変遊技状態)であることを認識することが可能である。例えば、大当たり種別を報知しない演出が行われた後の変動演出中に増加リーチ演出が行われたことによって、現在の遊技状態を報知(又は示唆)してもよい。大当たり種別を報知しない演出は、例えば、大当たり遊技終了直後の遊技状態を報知(又は示唆)しない演出でもよく、変動演出、各種予告演出、大当たり遊技中の演出(オープニング演出、ラウンド遊技中に実行されるラウンド演出、エンディング演出)でもよい。
また、例えば、パチンコ遊技機1が所定の遊技状態(例えば確変遊技状態)に制御されているときの方が、他の遊技状態(例えば時短遊技状態)に制御されているときよりも、増加リーチ演出が実行される可能性が高くなるように予め設定されていてもよい。このような設定により、増加リーチ演出が行われることによって、現在の遊技状態を示唆(又は報知)できる。
また、例えば、演出モードとして、増加リーチ演出を実行可能なマルチモードと、増加リーチ演出が実行されないシングルモードとを備えてもよい。例えば、確変遊技状態中の演出モードとしてマルチモードとシングルモードとを備えてもよく、大当たり遊技中の所定の期間中(例えばラウンド演出中)に、何れか1つの演出モードの選択を遊技者に促すモード選択演出が実行されてもよい。モード選択演出では、例えば、複数のモードを示すモード画像と、演出ボタン26を模したボタン画像と、選択中のモードを示す画像と、遊技者にモード選択を促す文言(例えば「選択して下さい。」等の文言)とが、液晶画面5に表示されてもよい。このような場合、遊技者は好みの演出態様を選択できるので、カスタマイズの楽しみを得ながら遊技を楽しむことが可能である。
また、マルチモード及びシングルモードの切り替えは、例えば、特別図柄が変動表示しておらず、かつ大当たり遊技が行われていない客待ち状態中に可能でもよい。また、特別図柄の変動表示中に演出モードを切り替えることの設定が可能であり、次変動開始時に演出モードが切り替えられる構成でもよい。
また、例えば、確変遊技状態中の演出モードとしてマルチモードとシングルモードとを備える場合、大当たり遊技終了直後にマルチモードに移行し、その後、特別図柄の変動回数が所定回数以上(例えば51回以上)になるとシングルモードに移行するように予め設定されていてもよい。このような設定により、演出モードの演出効果が低下するのを防止可能になる。
上記実施形態では、通常遊技状態中には、大当たりに対する信頼度が相対的に高いリーチ演出程、装飾図柄が小さく表示され易い傾向にあった。これに対して、確変遊技状態中には、大当たりに対する信頼度が相対的に高いリーチ演出ほど装飾図柄を大きく表示し、逆に信頼度が低いリーチ演出ほど装飾図柄を小さく表示してもよい。
(変動パターン・変動演出パターンの変形例)
上記実施形態では、増加リーチ演出中にのみ有効ライン数が2以上になる。他の実施形態では、リーチ成立前に有効ライン数が2以上でもよく、例えば、図柄変動開始時から有効ライン数が2以上でもよい。この場合、2以上の有効ライン上に非リーチの態様で装飾図柄が停止表示されてハズレが報知されてもよい。また、有効ライン数が2以上の疑似連続演出が複数回(例えば2回)行われた後に、リーチ演出に発展してもよい。このような場合、パチンコ遊技機1は、上記のような演出の実行を指示可能な変動パターンを予め備えてもよい。また、図10に例示される変動パターンに対応して有効ライン数が異なる複数の変動演出パターンが予め用意されていてもよい。
例えば、上記実施形態では、ノーマルリーチ演出、SPリーチ演出、及びSPSPリーチ演出は、有効ライン数が1のリーチ演出であるが、他の実施形態では、これらのリーチ演出として、有効ライン数が1の場合と、2以上の場合とを備えてもよい。この場合、有効ライン数が多い程大当たりに対する信頼度が相対的に高いように予め設定されている。また、リーチ図柄として7図柄が表示された場合の方が、7図柄以外が表示された場合よりも大当たりに対する信頼度が相対的に高く設定されている。
例えば、SPSPリーチ演出として、有効ライン数が1の第1SPSPリーチ演出と、有効ライン数が3の第2SPSPリーチ演出とを備えてもよい。第1SPSPリーチ演出と第2SPSPリーチ演出とは、リーチ図柄数(有効ライン数)が異なる以外は演出表示に差異が殆ど(又は全く)なくてもよい。
(図柄揃いあおり演出の変形例)
上記実施形態では、第1図柄揃いあおり演出が行われた後に、第2図柄揃いあおり演出が行われてから当落が報知されるものとして説明した。他の実施形態では、第1図柄揃いあおり演出中に当落が報知されてもよい。具体的には、例えば、数字が大きいリーチ図柄から順に、同一の3つの装飾図柄が揃うことに対する遊技者の期待感を高める第1図柄揃いあおり演出が行われる。そして、大当たり判定の判定結果が大当たりの場合には、最終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄に対する第1図柄揃いあおり演出が行われた際に、大当たりの態様で装飾図柄が疑似停止される。これにより、増加リーチ演出が終了し、その後の特別図柄の停止表示に応じて変動演出が終了する。一方、大当たり判定の判定結果がハズレの場合には、全てのリーチ図柄に対して第1図柄揃いあおり演出が行われた後、例えば、最後に第1図柄揃いあおり演出が行われたリーチ図柄が最終停止図柄の一部となる態様でリーチハズレ目が疑似停止されて増加リーチ演出が終了する。このような構成では、一回一回の第1図柄揃いあおり演出に対して遊技者は目を離せなくなる可能性がある。
このように、第1図柄揃いあおり演出を順次行って、その途中または終盤にて当落が報知される場合には、第1図柄揃いあおり演出の対象となったが大当たりの態様となれなかった有効ライン上のリーチ図柄を順次消去してもよい。例えば、第1図柄揃いあおり演出が開始されて、数字が一番大きいリーチ図柄を対象とする第1図柄揃いあおり演出が終了すると、数字が二番目に大きいリーチ図柄を対象とする第1図柄揃いあおり演出が開始される前に、最初に対象となったリーチ図柄が液晶画面5から消去される。
第1図柄揃いあおり演出を順次行って、その途中または終盤にて当落が報知される場合には、まず、液晶画面5からリーチ図柄を全て消去してから第1図柄揃いあおり演出を開始してもよい。この場合、第1図柄揃いあおり演出の対象となるリーチ図柄を有効ライン上に1つずつ順番に表示させながら、第1図柄揃いあおり演出を有効ライン毎に行っていく。このような場合、例えば、第1図柄揃いあおり演出の対象となるリーチ図柄を報知(又は示唆)する図柄揃い演出画像を液晶画面5の所定領域(例えば右下領域)に表示させてもよい。図柄揃い演出画像は、遊技者が、何れの装飾図柄に対して第1図柄揃い演出が行われるかを認識できる態様であればよく、例えばリーチ図柄を構成する装飾図柄を模した比較的小さな演出画像でもよい。例えば、第1図柄揃いあおり演出の対象である全ての有効ライン数が所定数(例えば4)以上の場合に図柄揃い演出画像を表示させ、これ以下の有効ライン数が対象の場合は図柄揃い演出画像を表示させなくてもよい。
また、他の実施形態では、第1図柄揃いあおり演出を経由せず、第2図柄揃いあおり演出のみが行われて当落が報知されてもよい。このような構成により、スピード感のある演出を行うことが可能である。
また、他の実施形態では、図柄揃いあおり演出中に、中図柄が疑似停止される表示領域を報知(又は示唆)する領域画像を表示してもよい。この場合、例えば、領域画像によって示される表示領域が大きい場合よりも小さい場合の方が、大当たりに対する信頼度が高くなるように予め設定されていてもよい。
(その他の変形例)
上記実施形態では、マルチラインリーチ演出中には複数のリーチ図柄が表示されるため、遊技者は、最終停止図柄が何れの装飾図柄であるかを認識できなかった。他の実施形態では、リーチの態様で変動表示中の最終停止図柄を液晶画面5の右下に小図柄として表示させつつ、増加リーチ演出を行ってもよい。このような場合、例えば、液晶画面5には、複数の有効ライン上に疑似停止される増加リーチ演出用の装飾図柄と、1つの有効ライン上に疑似停止される最終停止図柄示唆用の装飾図柄とが同時に表示されることになる。なお、増加リーチ演出のうちのリーチ図柄増加演出によって最終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄が表示された後に、最終停止図柄示唆用のリーチ図柄の表示を開始するように予め設定されてもよい。このような設定により、増加リーチ演出の興趣性を損なわずに、最終停止図柄を示唆(又は報知)できる。
また、他の実施形態では、増加リーチ演出中に、同じ数字を示す装飾図柄から構成されるリーチ図柄を増加させてもよい。具体的には、リーチ図柄増加演出開始前から表示されていたリーチ図柄が4図柄の場合(例えば、図17(F)や図19(E)参照)、リーチ図柄増加演出で4図柄を増加させる。これにより、液晶画面5には、有効ライン数が2の2ライン演出では4図柄のリーチ図柄が2組表示され、有効ライン数が4の4ライン演出では4図柄のリーチ図柄が4組表示されることになる。この場合、リーチ図柄が7図柄の場合に大当たりに対する信頼度が高くなるように予め設定すると共に、7図柄のリーチ図柄の組の数が多い程大当たりに対する信頼度が高くなるように予め設定してもよい。
上記実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちの何れか一方が変動表示されている期間中には、他方の特別図柄が変動表示されないものとして説明した。他の実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄との両方が変動表示される期間があってもよい。このような構成は、例えば、図3のステップS3に代えて、第1特別図柄用の特別図柄処理(図25)と、第2特別図柄用の特別図柄処理とを行うことで実現可能である。第1特別図柄用の特別図柄処理では、図25のステップS302の処理で第1特別図柄を変動表示中か否かを判断し、かつステップS302に続いて第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する処理(ステップS305)を行う。第2特別図柄用の特別図柄処理では、図25のステップS302の処理で第2特別図柄を変動表示中か否かを判断し、かつステップS305及び306の処理が行われない特別図柄処理を行う。この場合、2つの特別図柄の変動表示中、液晶画面5には、第1特別図柄に対応した第1装飾図柄が変動表示される図柄領域と、第2特別図柄に対応した第2装飾図柄が変動表示される図柄領域とが形成されることになる。このため、2つの特別図柄の変動表示中には、液晶画面5に少なくとも2つの有効ラインが形成される。例えば、第1装飾図柄(又は第2装飾図柄)として7図柄から構成されるリーチ図柄が疑似停止されることで、第2特別図柄(第1特別図柄)に対応した演出の大当たりに対する信頼度が高いことを報知(又は示唆)してもよい。
また、他の実施形態では、先読み演出として、有効ライン数(リーチ図柄数)が増加することを報知(又は示唆)する動作演出が行われてもよい。この場合、例えば、図23のステップS2109の処理で、ステップS2102〜2105の処理によって取得された取得情報に基づいて、増加リーチ演出の実行を指示できる変動パターンが決定されることになるか等を事前判定(先読み)する。そして、増加リーチ演出の実行を指示できる変動パターンが決定されたことや、現在保留中の特別図柄判定の中に大当たりと判定されるものがないこと等に応じて、先読み対象の図柄変動が開始される前に、動作演出を開始する。例えば、先読み対象の図柄変動が開始される前に開始された動作演出は、先読み対象に対応する図柄の変動が開始されてリーチが成立し、増加リーチ演出のうちの図柄増加あおり演出が開始されるまで、継続して実行させてもよい。
上記実施形態では、リーチ図柄として7図柄が表示されると、大当たりに対する信頼度が相対的に高いことが報知された。他の実施形態では、リーチ演出中に、最終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄として、1つ以上の所定の装飾図柄(例えば偶数図柄)が表示されないことを報知(又は示唆)してもよい。これにより、最終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄として7図柄が表示される可能性が高くなるため、大当たりに対する信頼度が相対的に高いことが報知(又は示唆)できる。また、例えば、最終停止図柄の一部を構成するリーチ図柄として、1つ以上の偶数図柄が表示されないことを報知(又は示唆)することによって、遊技者にとって有利な大当たり(例えば、16R確変当たり又は2R確変当たり)になる可能性が高いことを報知(又は示唆)できる。
また、他の実施形態では、リーチ図柄として特定の図柄(例えば7図柄)が表示されると、大当たりに対する信頼度が相対的に低くなるように予め設定されていてもよい。
上記実施形態では、リーチ図柄として7図柄が表示されない場合には、増加リーチ演出での有効ライン数に関わらずリーチ図柄として7図柄が表示される場合よりも大当たりに対する信頼度が低くなるように予め設定されている場合について説明した。これに対して、他の実施形態では、リーチ図柄として7図柄が表示されているが有効ライン数が相対的に少ない増加リーチ演出よりも、リーチ図柄として7図柄が表示されていないが有効ライン数が相対的に多い増加リーチ演出の方が、大当たりに対する信頼度が高くなるように予め設定されていてもよい。一例として、リーチ図柄として7図柄が表示されている2ライン演出よりも、リーチ図柄として7図柄が表示されていない6ライン演出の方が、大当たりに対する信頼度が高くてもよい。
上記実施形態では、リーチ図柄として7図柄が表示された場合に大当たりに対する信頼度が高い場合について説明した。これに対して、他の実施形態では、7図柄以外の他の装飾図柄(例えば2図柄)がリーチ図柄として表示された場合に信頼度が高くなるように予め設定されてもよい。この場合、リーチ図柄として2図柄が表示されるよりも7図柄が表示される場合の方が大当たりに対する信頼度がより高いというように、リーチ図柄として表示される特定の図柄に応じて、大当たりに対する信頼度を異ならせるようにしてもよい。
また、他の実施形態では、リーチが複数成立したことによって、保留されている特別図柄判定の権利の中に大当たりであると判定されることになるものがあることを示唆してもよい。
上記実施形態では、液晶画面5を用いて演出画像が表示された。他の実施形態では、表示領域を透過または不透過に切り替えることが可能な透過液晶表示装置を用いて演出画像が表示されてもよい。透過液晶表示装置は、例えば、液晶画面5とほぼ同じ大きさの画像表示装置であり、液晶画面5の前面に設けられている。透過液晶表示装置は、透過している状態では、その後ろに配置されている液晶画面5を視認できる。例えば、液晶画面5にリーチ図柄を表示させると共に、透過液晶表示装置にリーチ図柄を表示させることによって、リーチ図柄数(有効ライン数)を2以上に増加させてもよい。
また、他の実施形態では、大当たりの態様の最終停止図柄が7図柄以外の場合であって16R確変当たりに当選している場合、大当たりの態様で最終停止図柄を疑似停止させた後に、7図柄揃いの大当たりの態様に変化させてもよい。この場合、例えば、乱数を用いた抽選により所定の割合(例えば50%)で7図柄揃いの大当たりの態様に変化させてもよい。
また、他の実施形態では、少なくとも2種類以上の装飾図柄がリーチ図柄として表示された場合に、大当たりに対する信頼度が相対的に高くなるように予め設定されていてもよい。例えば、増加リーチ演出中に、7図柄で構成されるリーチ図柄と8図柄で構成されるリーチ図柄とが表示された場合の方が、7図柄で構成されるリーチ図柄と8図柄以外の装飾図柄で構成されるリーチ図柄とが表示された場合よりも、大当たりに対する信頼度が相対的に高くなるように予め設定されていてもよい。
上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成や各部材の動作態様は単なる一例に過ぎず、他の構成や動作態様であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。上記実施形態で例示した画面図等も単なる一例であって、他の態様であってもよい。
また、他の実施形態では、画像音響制御基板140(又はランプ制御基板150)において実行される処理の一部を演出制御基板130に実行させたり、或いは、演出制御基板130において実行される処理の一部を画像音響制御基板140(又はランプ制御基板150)に実行させたりしてもよい。また、演出制御基板130、画像音響制御基板140、及びランプ制御基板150を一体に構成して、演出制御基板130において実行される処理と画像音響制御基板140において実行される処理とランプ制御基板150において実行される処理とを1つの制御基板で実行するようにしてもよい。
[本発明に係る遊技機の構成とその作用効果]
本発明に係る遊技機は以下のような構成として捉えることができる。なお、括弧書きは単なる例示にすぎない。
本実施形態に係る遊技機は、始動条件が成立(第1始動口11への遊技球の入賞)すると、遊技者に有利な特別遊技を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段(S3)と、図柄を予め定められた表示ライン上に所定態様で表示することでリーチ状態とし、該リーチ状態となったときに前記図柄を用いたリーチ演出を実行するリーチ演出実行手段(130、140)と、前記表示ライン上に前記図柄が特定態様で停止表示された場合に、前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段(S6)とを備え、前記リーチ演出には、第1表示ライン数の前記表示ラインが表示された状態で行われる第1リーチ演出と、前記第1表示ライン数よりも多い第2表示ライン数の前記表示ラインが表示された状態で行われる第2リーチ演出とがあり、前記リーチ演出実行手段は、前記第2リーチ演出として、前記第2表示ライン数の前記表示ラインのうちの1の表示ラインに特定の図柄(例えば7図柄)が表示された状態で行われる第1演出態様のリーチ演出と、前記第2表示ライン数の前記表示ラインの何れにも前記特定の図柄が表示されていない状態で行われる第2演出態様のリーチ演出とを実行可能であり、前記第1演出態様のリーチ演出を実行する場合の方が、前記第2演出態様のリーチ演出を実行する場合よりも前記特別遊技が実行される可能性が高く設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、リーチ図柄が特定の図柄を含む第1演出態様のリーチ演出の方が、リーチ図柄が特定の図柄を含まない第2演出態様のリーチ演出よりも、特別遊技が実行される可能性が高い。このため、第2リーチ演出が実行される場合に、リーチ図柄に特定の図柄が含まれることを遊技者に期待させることが可能であり、結果としてリーチ演出の興趣性を効果的に向上させることができる。