以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにより可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数に分割された可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄を可変表示する。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動のいずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアは、画像表示装置5の表示領域内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム、又は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。なお、表示結果を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。
画像表示装置5では、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rとなる表示領域として、3つの領域が接着して、あるいは、分離して、あるいは、接着及び分離が可能に、設けられてもよい。画像表示装置5における表示動作は、図2に示す演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120によって制御される。演出制御用CPU120は、第1特別図柄表示装置4Aで第1特図の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って画像表示装置5で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示装置4Bで第2特図の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って画像表示装置5で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば9種類の図柄(英数字「1」〜「9」あるいは漢数字「一」〜「九」、英文字「A」〜「I」、所定のモチーフに関連する9個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)で構成される。また、こうした9種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「9」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「9」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は9種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の変動中には、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「9」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5の表示領域には、「左」及び「右」の色図柄表示エリア5A、5Bが配置されている。そして、特図ゲームとして第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動が開始されるときには、「左」の色図柄表示エリア5Aにて色図柄の変動(例えば表示色の更新)が開始される。他方、特図ゲームとして第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動が開始されるときには、「右」の色図柄表示エリア5Bにて色図柄の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、色図柄の変動が終了して、色図柄の可変表示結果となる確定色図柄が停止表示される。即ち、色図柄表示エリア5Aは第1特図の変動と同期して変動し、色図柄表示エリア5Bは第2特図の変動と同期して変動する。
「左」及び「右」の色図柄表示エリア5A、5Bにて可変表示される色図柄には、例えば4種類の図柄(例えば「黄色」、「緑色」、「赤色」、「青色」など)が含まれていればよい。色図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「黄色」、「緑色」、「赤色」、「青色」の色図柄それぞれに対して、「1」〜「4」の図柄番号が付されている。特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」であるか「ハズレ」であるかなどに対応して、予め定められた色図柄が停止表示されればよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したときに発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
一例として、始動入賞記憶表示エリア5Hには、始動入賞の発生に基づき先に始動条件が成立した可変表示ゲームから順に左から右へと、表示色が変更される複数の表示部位が設けられている。そして、第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときには、通常非表示(透過色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている第1始動入賞に対応する表示部位のうち左端の表示部位)を白色表示に変化させる。その後、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件(第1開始条件)が成立したときには、例えば第1始動入賞に対応する表示部位のうち左端の表示部位における表示を除去するとともに、第1始動入賞に対応する各表示部位における表示を1つずつ左方向に移動させる。このとき、白表示に変化していた表示部位のうちの1つ(例えば表示色が変化していた第1始動入賞に対応する表示部位のうち右端の表示部位)は、非表示に戻る。第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときには、通常非表示(透過色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている第2始動入賞に対応する表示部位のうち左端の表示部位)を白色表示に変化させる。その後、第2特図を用いた特図ゲームの開始条件(第2開始条件)が成立したときには、例えば第2始動入賞に対応する表示部位のうち左端の表示部位における表示を除去するとともに、第2始動入賞に対応する各表示部位における表示を1つずつ左方向に移動させる。このとき、白色表示に変化していた表示部位のうちの1つ(例えば表示色が変化していた第2始動入賞に対応する表示部位のうち右端の表示部位)は、非表示に戻る。なお、この実施の形態では、始動入賞記憶表示エリア5Hに8つの表示部位が設けられており、そのうち左側の4つが第1始動入賞に対応する表示部位となっており、右側の4つが第2始動入賞に対応する表示部位となっており、いずれの始動入賞に対応する保留記憶かを特定可能である。
なお、始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に進入した有効始動入賞球数としての第1保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入した有効始動入賞球数としての第2保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口に進入しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口に進入しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
こうして、第1始動条件や第2始動条件が成立したものの、先に開始された特図ゲームが実行中であることや、パチンコ遊技機1が大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されていることなどにより、特図ゲームを開始するための開始条件が成立しないときには、可変表示の保留が発生する。例えば、第1始動条件が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動条件が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との加算値は、合計保留記憶数ということもあれば、特図保留記憶数ということもある。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20は、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示する。複数種類の普通図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、普通図柄表示器20は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を普通図柄として可変表示するものに限定されず、例えば「○」と「×」とを示す装飾ランプ(又はLED)を交互に点灯させることや、「左」、「中」、「右」といった複数の装飾ランプ(又はLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示するものであってもよい。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口が1つ又は複数設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿が設けられている。打球供給皿を形成する部材には、遊技者により操作可能な操作部30が取り付けられている。操作部30は、遊技者から見て奥・手前・左・右(前後左右)といった予め定められた複数の方向(例えば4方向)のうちから選択した方向を押下操作することが可能な押しボタンスイッチからなる平面視で円形の操作ボタン32と、操作ボタン32の周囲に設けられて回転操作することが可能なダイヤル(ジョグダイヤル)からなる平面視で環状の操作ダイヤル33という、複数の操作部を含んで構成されている。操作ボタン32は、前後左右の4方向以外に、全体を下方向にも押下操作が可能である。すなわち、遊技者は、操作ボタン32に対して、パチンコ遊技機1に向いた状態で前後左右の4方向から1つの方向を選択的に押下する押下方向選択操作と、方向選択操作以外に操作ボタン32全体を下方に押下する全体押下決定操作とを、行うことができる。また、遊技者は、操作ダイヤル33に対して、右回り(時計回り)あるいは左回り(反時計回り)のうち1つの回転方向へと選択的に回転させる回転方向選択操作を行うことができる。操作ボタン32や操作ダイヤル33に対してなされた遊技者の操作行為は、それぞれ図2に示す操作検出スイッチ31によって検出される。
なお、操作部30は、押下操作や回転操作が可能なものに限定されず、例えばタッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよいし、レバー型スイッチのような傾動操作が可能なものであってもよい。また、例えば赤外線センサやCCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、操作部30は、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。
操作ボタン32において、前方向(奥側)を選択するために操作される部分(遊技者がパチンコ遊技機1に向かった状態で操作ボタン32の奥側部分)を、前方向部(奥方向部)と称する。操作ボタン32において、後方向(手前側)を選択するために操作される部分(遊技者がパチンコ遊技機1に向かった状態で操作ボタン32の手前側部分)を、後方向部(手前方向部)と称する。操作ボタン32において、左方向を選択するために操作される部分(遊技者がパチンコ遊技機1に向かった状態で操作ボタン32の左側部分)を、左方向部と称する。操作ボタン32において、右方向を選択するために操作される部分(遊技者がパチンコ遊技機1に向かった状態で操作ボタン32の右側部分)を、右方向部と称する。
遊技機用枠3において打球供給皿を形成する部材には、操作部30の他に、所定のカードユニットを介して遊技球の貸出を受ける際に操作する球貸スイッチ91や、プリペイドカードなどの返却を受ける際に操作する返却スイッチ92等が取り付けられている。例えば、球貸スイッチ91や返却スイッチ92は、打球供給皿にて操作部30が取り付けられている面と同一面上にて、その面よりも凹んだ位置に配置されていればよい。これにより、遊技者が操作部30の操作を行っているときに、誤って球貸スイッチ91や返却スイッチ92を押下してしまう事態を防止できる。
普通図柄表示器20による普図ゲームは、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。なお、通過ゲート41を遊技球が通過したときに、普図ゲームを実行せずに普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われるようにしてもよい。
第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームは、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、開始される。第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームは、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間となる所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「−」を示す記号をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示された後に制御される特定遊技状態としての大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7の開閉板が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンド遊技が実行される。こうしてラウンド遊技の実行中に大入賞口を開放状態とした開閉板は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンド遊技を終了させる。この実施の形態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンド遊技の実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となる。ラウンド遊技の実行回数が「15」となる大当り遊技状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。このような大当り遊技状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出玉が得られる。
大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく15ラウンド大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態(「低確低ベース状態」ともいう)に比べて特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮される時短状態(「低確高ベース状態」ともいう)に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や時短状態等の特別遊技状態以外の遊技状態のことであり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。なお、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄のうち「3」の数字を示す特別図柄が停止表示されたことに基づく大当り状態が終了した後には、時短状態とはならずに通常状態となるようにしてもよい。こうした「3」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に時短状態や通常状態に制御される大当り図柄は、通常大当り図柄(非確変大当り図柄ともいう)と称される。また、通常大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「通常大当り」(「非確変大当り」ともいう)と称される。
大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されるとともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる高確率遊技状態としての確変状態に制御される。確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態よりも高くなるように向上する。この実施の形態では、このような確変状態が、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続する。これに対して、確変状態となった後に、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了するようにしてもよい。また、確変状態において所定回数の特図ゲームが実行されたり可変表示結果が「大当り」となる以前であっても、特図ゲームが開始されるときに、所定の割合で確変状態が終了することがあるようにしてもよい。あるいは、確変状態となった後に、可変表示結果が「大当り」となることなく所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときには、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を通常状態と同様の可変表示時間に戻す一方で、確変制御は継続して行われるようにしてもよい。こうした「7」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される大当り図柄は、確変大当り図柄と称される。また、確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「確変大当り」と称される。なお、大当り図柄「1」〜「7」は一例であり、各大当り図柄はこれらに限定されない。例えば、遊技者に大当り図柄であることや、大当り種別を認識されないようにするために、大当り図柄を数字とせずに予め定められた記号(例えば「コ」など)にしてもよい。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態や時短状態に制御されている期間と同一であればよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示画面に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ演出)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチといったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーリーチ伴って実行される演出は、ノーマルリーチに伴って実行される演出と異なる。また、スーパーリーチのリーチ演出が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ演出が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなる。
また飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、遊技者に報知するために、所定の演出を繰り返す繰返演出が実行されることがある。ここで、「所定の演出」を繰り返し行うとは、1の可変表示パターンとして最終的に識別情報が停止表示されるまでの間に、実行されている変動表示を一旦終了させて改めて変動を実行している状態に変更することで、新たな変動表示を行うことであり、このような変動表示が行われる可変表示パターンを繰返演出(「擬似連」)と呼ぶ。「所定の演出」は、繰り返しや最終的に識別情報が停止される前に行われる各変動表示のことであり、「繰返演出」はそれらの変動表示を実行する可変表示パターン(本実施形態では「擬似連」としている)である。この実施の形態では、繰返演出として、飾り図柄の可変表示を一旦終了した後に、停止させた飾り図柄の可変表示を改めて開始することで、飾り図柄の可変表示を繰り返す演出が実行される。またこの実施の形態において、繰返演出において繰り返される所定の演出として、繰り返しのタイミングや最終停止図柄の導出表示前に実行される飾り図柄の変動表示(例えば、後述する初回変動、次回変動、次々回変動)が実行される。この実施の形態では、主基板11の側でこれら所定の演出を実行するための変動パターンが決定されることなどに対応して、「擬似連」の可変表示演出を含む各々の演出動作を実行するか否かが決定される。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部又は全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、当該一部又は全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大2回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから一部又は全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける当該一部又は全部にて飾り図柄が再変動する回数(以下、再変動回数ともいう)である。
ここで、一例として、「擬似連」の初回変動において、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれか1つのみにおいて、飾り図柄が仮停止表示されることがある。また、「擬似連」の初回変動において、「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Lとおいて同じ飾り図柄が仮停止表示され、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。さらに、「擬似連」の初回変動において、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、所定の特殊組合せの(例えば、左仮停止図柄と中仮停止図柄とが偶数であり、右仮停止図柄が奇数である)擬似連チャンス目として予め定められた複数種類のハズレ組合せのいずれかとなる飾り図柄が仮停止表示されることがある。
また、擬似連変動(再変動)の回数が2回である場合には、飾り図柄の1回目の再変動が開始されてから全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が一旦仮停止するまでの次回変動が行われる。この次回変動では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、擬似連チャンス目として予め定められた複数種類のハズレ組合せのいずれかとなる飾り図柄が仮停止表示される。なお、「擬似連」の次回変動においても、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれか1つのみにおいて、飾り図柄が仮停止表示されたり、「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Lとおいて同じ飾り図柄が仮停止表示されるリーチ状態とされても良い。
さらに、擬似連変動の回数が1回である場合には、飾り図柄の1回目の再変動が開始されてから全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて最終図柄が最終停止表示されるまでの最終変動が行われる。同様に、擬似連変動の回数が2回である場合には、飾り図柄の2回目の再変動が開始されてから全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて最終図柄が最終停止表示されるまでの最終変動が行われる。
ここで、「左図柄」は「左」の飾り図柄表示エリア5Lに仮停止表示される飾り図柄であり、「中図柄」は「中」の飾り図柄表示エリア5Cに表示される飾り図柄であり、「右図柄」は「右」の飾り図柄表示エリア5Rに表示される飾り図柄である。なお、仮停止表示では、飾り図柄が停留して表示される一方で、例えば揺れ変動表示を行うことや短時間の停留だけで直ちに飾り図柄を再変動させることなどによって、遊技者に表示されている飾り図柄が確定しない旨を報知すればよい。あるいは、仮停止表示でも、一旦表示された飾り図柄が確定したと遊技者が認識する程度に飾り図柄を停留させてから、飾り図柄を再変動させるようにしてもよい。
「擬似連」の可変表示演出では、擬似連変動(再変動)の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなるように設定されていればよい。これにより、遊技者は、擬似連チャンス目のいずれかが仮停止表示されることにより、「擬似連」の次回変動又は次々回変動が行われることを認識でき、擬似連変動の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる期待感が高められる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜2回行われることにより、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜3回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば3回、4回や5回といった、1回〜2回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
「擬似連」の可変表示演出において、初回変動を含む複数回の変動表示に伴って、関連する表示演出などによる再変動演出が実行されるようにしてもよい。一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、遊技領域の内部又は外部に設けられた複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが1つずつ増えていくように制御されてもよい。また、各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、装飾用LEDの表示色が変化するように制御されてもよいし、複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが変化するように制御されてもよい。他の一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、遊技領域の内部又は外部に設けられた演出用模型(可動部材)が動作するように制御されてもよい。さらに他の一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、画像表示装置5において特定のキャラクタ画像といった所定の演出画像を表示するように制御されてもよい。これらの再変動演出の一部又は全部に加えて、あるいは、これらの再変動演出の一部又は全部に代えて、装飾用LEDの点灯や点滅、演出用模型の動作、演出画像の表示のうち、一部又は全部を組み合わせた再変動演出を実行するように制御されてもよい。このとき、1種類の演出態様のみで再変動演出が実行される場合よりも、複数種類の演出態様を組み合わせた再変動演出が実行される期間を含んでいる場合や、複数回の再変動演出における演出態様が変化する場合に、可変表示結果が「大当り」となる可能性や、「確変大当り」となる可能性などが高まるようにしてもよい。
尚、飾り図柄の可変表示中に擬似連の可変表示演出が行われる場合など、例えば、飾り図柄の擬似連変動を行うタイミングで上記の所定の演出が繰り返された場合において、「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Lとおいて同じ飾り図柄が仮停止表示されることで、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの可変表示状態が所定のリーチ状態とならずにハズレ組合せを構成する確定飾り図柄が導出表示されることは、「擬似連ガセ」と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「リーチ無しハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチ組合せ(リーチハズレ組合せともいう)となる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。なお、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄と、リーチ組合せとなる確定飾り図柄は、まとめてハズレ組合せ(非特定の組合せ)の確定飾り図柄ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄「3」、「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定の大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「9」の飾り図柄のうちのいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。
なお特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち通常大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、前記画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「9」の飾り図柄のうちのいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示され、その後に通常大当りである旨が表示される。また特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち確変大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、前記画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「9」の飾り図柄のうちのいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示され、その後に確変大当りである旨が表示される。即ち、通常大当りと確変大当りとで、確定表示される飾り図柄に区別はない。
確変状態では、例えば「確変中」といった確変状態であることを報知する演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させること、及び/又は、画像表示装置5の表示画面における背景画像や飾り図柄の表示態様を通常の演出モードにおける表示態様とは異なるものとすることなどにより、確変状態であることを遊技者が認識できる確変中の演出モードとなるようにしてもよい。
なお図44に示すように、飾り図柄の可変表示が行われ(A)、リーチ状態となった後に(B)、当該リーチ状態が成立した飾り図柄であるリーチ図柄(「当初リーチ図柄」とも称する)を含んで、特定数(ここでは2)のリーチ図柄(「増加リーチ図柄」と称する)を増加させる(C)(C’)、特別演出Aが実行される場合がある。この特別演出Aが実行される場合、本例では、シングルリーチが成立した後に、有効ライン1〜3上において当初リーチ図柄1個+増加リーチ図柄2個のトリプルリーチに変化する。
また図45に示すように、飾り図柄の可変表示が行われ(A)、リーチ状態となった後に(B)、当初リーチ図柄を含まずに、特別数(ここでは3)の増加リーチ図柄を増加させる(C)、特別演出Bが実行される場合がある。この特別演出Bが実行される場合、本例では、シングルリーチが成立した後に、当初リーチ図柄が消去される一方で有効ライン1〜3上において増加リーチ図柄が3個のトリプルリーチに変化する。
そして本例においては、図41に示すように、飾り図柄「1」〜「9」は、第1識別情報と第2識別情報とに振り分けられている。ここで第1識別情報は、本例では「7」以外の図柄(即ち「1」「2」「3」「4」「5」「6」「8」「9」)である。また第2識別情報は、当該第2識別情報でリーチ状態に制御されたときに大当り遊技状態に制御される割合(即ち大当り信頼度)が、前記第1識別情報でリーチ状態に制御されたときに大当り遊技状態に制御される割合よりも高い図柄であって、本例では「7」図柄である。ここでは図41(a)に示すように、大当りの場合にリーチ図柄として「7」図柄が決定される確率が40%であり、「7」以外の図柄が決定される確率よりも高いので、リーチ図柄が「7」図柄の大当り信頼度は、「7」以外の図柄の大当り信頼度よりも高いことになる。
また第1識別情報は、第3識別情報と第4識別情報と第5識別情報とに振り分けられている。ここで第3識別情報は、当初リーチ図柄から特定数(ここでは2)の増加リーチ図柄を増加させても第2識別情報(「7」図柄)を含むことができない図柄であって、本例では「3」図柄である。また第4識別情報は、当初リーチ図柄から特定数の増加リーチ図柄を増加させると第2識別情報(「7」図柄)を含むことができる図柄であって、本例では「5」「6」「8」「9」図柄である。そして第3識別情報は、当該第3識別情報でリーチ状態に制御されたときに大当り遊技状態に制御される割合(即ち大当り信頼度)が、前記第4識別情報でリーチ状態に制御されたときに大当り遊技状態に制御される割合よりも高い図柄である。ここでは図41(a)に示すように、大当りの場合にリーチ図柄として「3」図柄が決定される確率が30%であり、「5」「6」「8」「9」図柄が決定される確率よりも高いので、リーチ図柄が「3」図柄の大当り信頼度は、「5」「6」「8」「9」図柄の大当り信頼度よりも高いことになる。
さらに第5識別情報は、当初リーチ図柄から特定数(ここでは2)の増加リーチ図柄を増加させると第3識別情報(「3」図柄)を含むことができる図柄であって、本例では「1」「2」「4」図柄である。なお「5」図柄は、第4識別情報にも第5識別情報にも分類可能であるが、本例では第4識別情報に分類する。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、電源基板16、払出制御基板17といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と電源基板16や払出制御基板17との間で伝送される各種の制御信号、及び、演出制御基板12、音声制御基板13やランプ制御基板14とスピーカ8、遊技効果ランプ9、操作検出スイッチ31の間で伝送される各種の制御信号を中継するためドロア中継基板19も搭載されている。さらに、ドロア中継基板19とスピーカ8、遊技効果ランプ9、操作検出スイッチ31の間には、各種の制御信号を中継するため枠中継基板26が設けられる。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部又は一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
電源基板16は、主基板11や演出制御基板12などの各種基板や、画像表示装置5や遊技効果ランプ9やスピーカ8などの演出装置に電力を供給する。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。主基板11は、各種スイッチからの検出信号を受信すると、各種スイッチに応じた賞球の払い出しを実行させるための賞球信号を払出制御基板17に送出する。なお、この賞球信号は、電源基板16を経由して伝送される。払出制御基板17は、賞球信号を受信すると、球払出装置18を駆動して賞球信号に応じた賞球を払い出させる。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。主基板11には、例えば中継基板15に対応する主基板側コネクタが設けられ、主基板側コネクタと遊技制御用マイクロコンピュータ100との間には、出力バッファ回路が接続されている。出力バッファ回路は、主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができ、中継基板15から主基板11への信号の入力を阻止する。したがって、演出制御基板12や中継基板15の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。
中継基板15には、例えば主基板11から演出制御基板12に対して制御信号を伝送するための配線毎に、伝送方向規制回路が設けられていればよい。各伝送方向規制回路は、主基板11対応の主基板用コネクタにアノードが接続されるとともに演出制御基板12対応の演出制御基板用コネクタにカソードが接続されたダイオードと、一端がダイオードのカソードに接続されるとともに他端がグランド(GND)接続された抵抗とから構成されている。この構成により、各伝送方向規制回路は、演出制御基板12から中継基板15への信号の入力を阻止して、主基板11から演出制御基板12へ向かう方向にのみ信号を通過させることができる。したがって、演出制御基板12の側から主基板11側に信号が伝わる余地はない。この実施の形態では、中継基板15において制御信号を伝送するための配線毎に伝送方向規制回路を設けるとともに、主基板11にて遊技制御用マイクロコンピュータ100と主基板側コネクタの間に出力バッファ回路を設けることで、外部から主基板11への不正な信号の入力を防止することができる。
中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。図3(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。なお、変動パターンは、飾り図柄の可変表示中に「擬似連」の可変表示演出を実行するか否か(つまり、飾り図柄の再変動を行うか否か)のパターン、及び「擬似連」の可変表示演出を実行する場合における可変表示中に実行する再変動の回数のパターン、並びに飾り図柄の変動時間のパターンのパターンを少なくとも含む。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
この実施の形態では、第1及び第2変動開始コマンドと、変動パターン指定コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、第1特図及び第2特図のいずれが変動開始となるかの指定内容と、変動パターンの指定内容とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)と変動パターンとの組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを特定できるようにしてもよい。ここで、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)に応じた2種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動開始となる特別図柄を指定する演出制御コマンドと、変動パターンを指定する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動開始となる特別図柄に対応した2種類の演出制御コマンドと、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」、「大当り」のいずれとなるかの事前決定結果、また、可変表示結果が「大当り」となる場合における飾り図柄の可変表示態様(大当り種別)が「通常」、「確変」のいずれとなるかの大当り種別決定結果に対応して、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「通常」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を示す第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を示す第3可変表示結果通知コマンドである。
この実施の形態では、変動パターン指定コマンドと可変表示結果通知コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、変動パターン指定コマンドに示される変動パターンと、可変表示結果通知コマンドに示される可変表示結果とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動パターンと可変表示結果(「ハズレ」及び「大当り」のいずれかと、「大当り」となる場合における大当り種別)との組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動パターンと可変表示結果を特定可能な情報が伝送されるようにしてもよい。あるいは、3つ以上の演出制御コマンドにより、変動パターンと可変表示結果とを特定できるようにしてもよい。ここで、変動パターンと可変表示結果とを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、複数種類の可変表示結果に応じた複数種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動パターンを指定する演出制御コマンドと、可変表示結果を通知する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドと、可変表示結果の種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の可変表示の停止を指定する飾り図柄停止コマンドである。
この実施の形態では、飾り図柄の可変表示の停止を指定する演出制御コマンドとして、飾り図柄停止コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するようにしている。これに対して、飾り図柄停止コマンドの送信は行われないようにしてもよい。この場合、演出制御基板12の側では、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに対応する特図変動時間を特定し、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドを受信してからの経過時間が特定された特図変動時間に達したときに、主基板11からの演出制御コマンドを受信しなくても、特図ゲームに対応して実行される演出を終了するための設定が行われるようにすればよい。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。当り開始指定コマンドでは、事前決定結果や、大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。
コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。なお、大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかにかかわりなく、大当り遊技状態の開始時点から、あるいは、飾り図柄の可変表示開始時点から、大当り遊技状態の終了時点まで、継続的な演出動作が実行されるようにしてもよい。あるいは、大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となっている期間であるか、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかに応じて、異なる演出動作が実行されるようにしてもよい。
コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドや当り開始指定コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドや当り開始指定コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。
コマンドB001Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に進入(始動入賞)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されたことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB002Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入(始動入賞)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されたことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC0XXHは、画像表示装置5の表示領域に設けられた始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したことに対応して、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかが送信されたことに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。保留記憶数通知コマンドでは、例えば図11に示す第1特図保留記憶部151Aにおける保留データと第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの総記憶数(例えば「1」〜「8」)、あるいは、始動データ記憶部151Cにおける始動データの総記憶数(例えば「1」〜「8」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。これにより、演出制御基板12の側では、第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときに、主基板11から伝送された保留記憶数通知コマンドを受信して、第1特図保留記憶部151Aと第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの総記憶数を特定することができる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/O105は、外付けであってもよい。
このように、遊技制御用マイクロコンピュータ100ではCPU103がROM101に格納されている遊技制御用のプログラムを実行して遊技制御を行うので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(又はCPU103)が実行する(又は処理を行う)ということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11とは異なる他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
主基板11では、例えば図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。また、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、及び変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データは、別個独立のものではなく、例えば特図表示結果決定用の乱数値MR1及び大当り種別決定用の乱数値MR2が、兼用の数値データを持っていたり、兼用の決定値データを持っていたりするといったように一体となっているものであってもよい。また、特図表示結果決定用の乱数値MR1及び変動パターン種別決定用の乱数値MR3が、兼用の数値データを持っていたり、兼用の決定値データを持っていたりするといったように一体となっているものであってもよい。
こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の全部又は一部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図11に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。一例として、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データは、乱数回路104によりCPU103とは独立して更新され、それ以外の乱数値MR2〜MR4を示す数値データは、CPU103がランダムカウンタを用いてソフトウェアにより更新されればよい。また、乱数回路104により更新された数値データの全部又は一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、乱数値MR1〜MR4の全部又は一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数回路104が更新する数値データの初期値を設定する機能を有していてもよい。例えば、ROM101等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ100の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路104が更新する数値データの初期値として設定する。このような処理を行うことにより、乱数回路104が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「通常」、「確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、飾り図柄の変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、飾り図柄の変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。
図5は、この実施の形態における飾り図柄の変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、当り変動パターンと称される。
図5に示すように、この実施の形態では、非リーチ変動パターンとして、変動パターンPA1−1−0、変動パターンPA1−1−1、変動パターンPA1−2−0が、予め用意されている。また、リーチ変動パターンとして、変動パターンPA2−1−0、変動パターンPA2−1−1、変動パターンPA2−2−0、変動パターンPA2−2−1、変動パターンPB3−1−0、及び変動パターンPB3−1−1が、予め用意されている。可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した当り変動パターンとしては、変動パターンPA4−1−0、PA4−1−1、PA4−1−2、変動パターンPA4−2−0、変動パターンPA4−2−1、変動パターンPA4−2−2、変動パターンPB5−1−0、変動パターンPB5−1−1、及び変動パターンPB5−1−2が、予め用意されている。
変動パターンPA1−1−0、変動パターンPA1−2−0、変動パターンPA2−1−0、変動パターンPA2−2−0、変動パターンPA3−1−0、変動パターンPA4−1−0、変動パターンPA4−2−0、及び変動パターンPA5−1−0は、飾り図柄の可変表示中において再変動が行われない(つまり、「擬似連」の可変表示演出が実行されない)変動パターンである。また、変動パターンPA1−1−1、変動パターンPA2−1−1、変動パターンPA2−2−1、変動パターンPA3−1−1、変動パターンPA4−1−1、変動パターンPA4−2−1、及び変動パターンPA5−1−1は、飾り図柄の可変表示中において1回再変動が行われる(つまり、「擬似連」の可変表示演出が実行される)変動パターンである。さらに、変動パターンPA4−1−2、変動パターンPA4−2−2、及び変動パターンPA5−1−2は、飾り図柄の可変表示中において「擬似連」の可変表示演出が実行され、2回再変動が行われる変動パターンである。尚、変動パターンPA1−2−0は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮される「短縮あり」の変動パターンであり、変動パターンPA1−2−0以外のパターンは、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されない「短縮なし」の変動パターンである。
図6は、この実施の形態における飾り図柄の変動パターン種別を示している。図5に示す各変動パターンは、図6に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作などに基づいて分類(グループ化)された1つ又は複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、に分ければよい。本実施形態においては、複数の変動パターンは、リーチ演出の種類と、可変表示結果と、再変動回数とで分類されている。
図6に示す例では、可変表示結果が「ハズレ」で再変動が行われずに「非リーチ」の可変表示態様となる場合に対応して、変動パターン種別CA1−1−0及び変動パターン種別CA1−2−0が予め用意され、可変表示結果が「ハズレ」で再変動が1回行われて「非リーチ」の可変表示態様となる場合に対応して、変動パターン種別CA1−1−1が、予め用意されている。さらに、可変表示結果が「ハズレ」で再変動が行われずに「リーチ」の可変表示態様となる場合に対応して、変動パターン種別CA2−1−0及び変動パターン種別CA2−2−0が予め用意され、可変表示結果が「ハズレ」で再変動が1回行われて「リーチ」の可変表示態様となる場合に対応して、変動パターン種別CA2−1−1及び変動パターン種別CA2−2−1が予め用意されている。可変表示結果が「大当り」の可変表示態様(大当り種別)で再変動が行われない態様に対応して、変動パターン種別CA3−1−0及び変動パターン種別CA3−2−0が予め用意され、可変表示結果が「大当り」の可変表示態様で再変動が1回行われる態様に対応して、変動パターン種別CA3−1−1及び変動パターン種別CA3−2−1が予め用意され、可変表示結果が「大当り」の可変表示態様で再変動が2回行われる態様に対応して、変動パターン種別CA3−1−2及び変動パターン種別CA3−2−2が予め用意されている。
変動パターン種別CA1−1−0及び変動パターン種別CA1−1−1は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されない「短縮なし」の変動パターン種別であり、「短縮なし」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA1−2−0は、例えば合計保留記憶数が「3」以上であることや、確変状態や時短状態にて時間短縮制御が行われることに対応して、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮される「短縮あり」の変動パターン種別であり、「短縮あり」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。
変動パターン種別CA2−1−0及び変動パターン種別CA2−1−1は、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後に通常のリーチ演出となるノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定飾り図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(ハズレ)」の変動パターン種別であり、「ノーマルリーチ(ハズレ)」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA2−2−0及び変動パターン種別CA2−2−1は、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチを伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定飾り図柄を導出表示する「スーパーリーチ(ハズレ)」の変動パターン種別であり、「スーパーリーチ(ハズレ)」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。
変動パターン種別CA3−1−0、変動パターン種別CA3−1−1、及び変動パターン種別CA3−1−2は、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときに大当り組合せの確定飾り図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(大当り)」の変動パターン種別であり、「ノーマルリーチ(大当り)」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。変動パターン種別CA3−2−0、変動パターン種別CA3−2−1、及び変動パターン種別CA3−2−2は、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチを伴い、リーチ演出が終了したときに大当り組合せの確定飾り図柄を導出表示する「スーパーリーチ(大当り)」の変動パターン種別であり、「スーパーリーチ(大当り)」と予め対応付けられた変動パターンを含んでいる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような飾り図柄の変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図7は、ROM101に記憶される図柄表示結果判定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、図柄表示結果判定テーブルとして、図7に示す特図表示結果判定テーブル130が、予め用意されている。特図表示結果決定テーブル130は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて判定するために参照されるテーブルである。特図表示結果決定テーブル130は、図11に示す遊技制御フラグ設定部152に設けられた確変フラグがオフであるかオンであるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1を、大当り判定値データやハズレ判定値データに対応付ける(割り当てる)設定データ(決定用データ)などから構成されている。
図8は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」とする旨の判定がなされて大当り遊技状態に制御することが決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、可変表示態様を「通常」や「確変」といった複数種類の大当り種別のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、図11に示す遊技制御バッファ設定部155に設けられた変動特図指定バッファの値(変動特図指定バッファ値)が「1」であるか「2」であるかに関わらず、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「通常」や「確変」などの大当り種別に割り当てられている。ここで、変動特図指定バッファ値は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行されるときに「1」となり、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行されるときに「2」となる。
大当り種別決定テーブル131において、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値を示すテーブルデータは、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御するか否かの決定結果に対応した決定用データとなっている。例えば、「通常」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御しないとの決定結果に対応する一方で、「確変」の大当り種別に割り当てられている決定値を示すテーブルデータは、確変状態に制御するとの決定結果を示している。大当り種別決定テーブル131は、遊技制御バッファ155に設けられた大当り種別バッファの値(大当り種別バッファ値)を、決定された大当り種別に対応する値(例えば「0」〜「1」のいずれか)に設定するためのテーブルデータ(設定用データ)を含んでいてもよい。
図9は、ROM101に記憶される変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン種別決定テーブルとして、図9(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aと、図9(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bと、図9(C)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cとが、予め用意されている。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA3−1−0、CA3−1−1、及びCA3−1−2、並びに変動パターン種別CA3−2−0、CA3−2−1、及びCA3−2−2のいずれかに割り当てられている。
ここで、再変動回数が0回(つまり、擬似連なし)の変動パターン種別CA3−1−0及びCA3−2−0よりも、再変動回数が1回の変動パターン種別CA3−1−1及びCA3−2−1の方が多くの決定値が割り当てられている。また、再変動回数が1回の変動パターン種別CA3−1−1及びCA3−2−1よりも、再変動回数が2回の変動パターン種別CA3−1−2及びCA3−2−2の方が多くの決定値が割り当てられている。これらの構成によれば、再変動回数が多くなるほど、特図表示結果が「大当り」となり、大当り制御状態に制御されることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
なお、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分があってもよい。また、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターン種別に対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、大当り種別が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。さらに、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態、確変状態のいずれであるかに応じて、各変動パターン種別に対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。また、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態、確変状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bと、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ここで、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bは、例えば遊技状態が通常状態で合計保留記憶数が「3」未満であるときといった、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されない場合に使用テーブルとして選択される。これに対して、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cは、例えば遊技状態が確変状態や時短状態であるときや、通常状態でも合計保留記憶数が「3」以上であるときといった、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮される場合に使用テーブルとして選択される。
なお、遊技状態が確変状態や時短状態であるときと、遊技状態が通常状態で合計保留記憶数が「3」以上であるときとでは、異なる決定テーブルを参照して変動パターン種別の決定が行われるようにしてもよい。また、合計保留記憶数が「3」以外の所定数以上であるか否かに応じて、異なる決定テーブルを参照することで変動パターン種別の決定が行われるようにしてもよい。さらに、合計保留記憶数が「0」であるときと、合計保留記憶数が「1」であるときと、合計保留記憶数が「2」であるときと、合計保留記憶数が「3」であるときと、合計保留記憶数が「4」であるときとでは、異なる決定テーブルを参照して変動パターン種別の決定が行われるようにしてもよい。加えて、合計保留記憶数が「3」未満であるときには、共通の決定テーブルを参照して変動パターン種別の決定が行われるようにする一方で、合計保留記憶数が「3」であるときと、合計保留記憶数が「4」であるときとでは、異なる決定テーブルを参照して変動パターン種別の決定が行われるようにしてもよい。あるいは、合計保留記憶数に代えて、第1保留記憶数や第2保留記憶数が所定数以上であるか否かに応じて、異なる決定テーブルを参照することで変動パターン種別の決定が行われるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数が所定数(例えば「3」など)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて可変表示時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別に決定される割合が高くなるように各変動パターン種別に対して決定値が割り当てられるようにすればよい。あるいは、遊技状態が確変状態や時短状態であるときにも、合計保留記憶数が所定数(例えば「1」など)以上であるか否かを判定し、その判定結果に応じて異なる決定テーブルを参照して変動パターン種別の決定が行われるようにしてもよい。例えば、確変状態や時短状態であるときに合計保留記憶数が所定数未満であればハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bが使用テーブルとして選択される一方で、確変状態や時短状態であるときに合計保留記憶数が所定数以上であればハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cが使用テーブルとして選択されるようにしてもよい。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bやハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cでは、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA1−1−0、変動パターン種別CA2−1−0、変動パターン種別CA2−2−0などに割り当てられている。ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bとハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cとでは、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。例えば、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bとハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cとでは、変動パターン種別CA1−1−0、変動パターン種別CA2−1−0、変動パターン種別CA2−2−0に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されるか否かに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
また、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bとハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cとには、再変動回数が2回の変動パターン種別に対して決定値が割り当てられていない。この構成によれば、遊技者は、2回目の再変動が実行されると、特図表示結果が「ハズレ」にならず「大当り」となり、大当り遊技状態に制御されることを認識できる。
また、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bとハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cとでは、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分がある。例えば、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bでは、変動パターン種別CA1−2−0に対して決定値が割り当てられていない一方で、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cでは、変動パターン種別CA1−2−0に対して決定値が割り当てられている。また、例えば、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cでは、変動パターン種別CA1−1−1、CA2−1−1、及びCA2−2−1に対して決定値が割り当てられていない一方で、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bでは、変動パターン種別CA1−1−1、CA2−1−1、及びCA2−2−1に対して決定値が割り当てられている。これにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮されるか否かに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
なお、特図表示結果が「ハズレ」に決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態、確変状態のいずれであるかに応じて、各変動パターン種別に対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。また、特図表示結果が「ハズレ」に決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や時短状態、確変状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
この実施の形態では、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bやハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cを参照することにより、変動パターン種別CA1−1−0、変動パターン種別CA1−2−0や変動パターン種別CA2−1−0、変動パターン種別CA2−2−0のいずれかに決定することができる。また、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bを参照することにより、変動パターン種別CA1−1−1、変動パターン種別CA2−1−1、変動パターン種別CA2−2−1のいずれかに決定することができる。ここで、変動パターン種別CA1−1−0、変動パターン種別CA1−2−0は、図6に示すように、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「非リーチ」となり、再変動が行われない(つまり、擬似連なしの)場合に対応した変動パターン種別である。また、変動パターン種別CA1−1−1は、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「非リーチ」となり、再変動回数が1回(つまり、擬似連あり)の場合に対応した変動パターン種別である。また、変動パターン種別CA2−1−0、変動パターン種別CA2−2−0は、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「リーチ」となり、再変動が行われない場合に対応した変動パターン種別である。さらに、変動パターン種別CA2−1−1、変動パターン種別CA2−2−1は、可変表示結果が「ハズレ」で可変表示態様が「リーチ」となり、再変動回数が1回の場合に対応した変動パターン種別である。したがって、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づき、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aやハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bやハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cを参照して変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否か(リーチ演出を行うか否か)、再変動を行うか否か、及び再変動を行う場合における再変動回数を決定することができる。
そして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cにおいて変動パターン種別CA1−1−0や変動パターン種別CA1−2−0に対して割り当てられる決定値は、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bにおいて変動パターン種別CA1−1−0に対して割り当てられる決定値よりも多くなっている。このような設定により、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が短縮される場合には、短縮されない場合よりも高い割合で、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態としないことに決定される。そして、非リーチ変動パターンにおける平均的な可変表示時間がリーチ変動パターンにおける平均的な可変表示時間に比べて短くなるように設定されていれば、合計保留記憶数が所定数(具体的には「3」)以上であるときには、所定数未満であるときに比べて、平均的な可変表示時間を短縮することができ、また、確変状態や時短状態であるときには、通常状態にて合計保留記憶数が所定数(具体的には「3」)未満であるときに比べて、平均的な可変表示時間を短縮することができる。
図10は、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン決定テーブルとして、図10(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブル133Aと、図10(B)に示す大当り変動パターン決定テーブル133Bとが、予め用意されている。
ハズレ変動パターン決定テーブル133Aは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ハズレ変動パターン決定テーブル133Aでは、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「ハズレ」とする場合に対応した1つ又は複数の変動パターン(ハズレ変動パターン)に割り当てられている。
大当り変動パターン決定テーブル133Bは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン決定テーブル133Bでは、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」とする場合に対応した1つ又は複数の変動パターン(当り変動パターン)に割り当てられている。
本実施形態では、CPU103は、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づき、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aやハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bやハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cを参照して変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否か(リーチ演出をするか否か)、再変動を行うか否か、及び再変動を行う場合における再変動回数を決定するとして説明した。しかし、これに限定されるのではなく、CPU103は、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、図10(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブル133Aや、図10(B)に示す大当り変動パターン決定テーブル133Bを参照して変動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否か、再変動を行うか否か、及び再変動を行う場合における再変動回数を決定しても良い。 また、CPU103は、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aやハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bやハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cを参照して変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否か及びリーチ状態とする場合にはリーチの種類(つまり、リーチパターン)を決定し、変動パターン決定用の乱数値MR4と、図10(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブル133Aや、図10(B)に示す大当り変動パターン決定テーブル133Bを参照して変動パターンを決定することにより、再変動を行うか否か、及び再変動を行う場合における再変動回数を決定しても良い。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図11に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図11に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、始動データ記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が入賞して第1始動条件は成立したが第1開始条件は成立していない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その入賞(遊技球の検出)による第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された各種の乱数値を示す数値データを保留データとし、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。この実施の形態では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データとが、保留データとして第1特図保留記憶部151Aに記憶される。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が入賞して第2始動条件は成立したが第2開始条件は成立していない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その入賞(遊技球の検出)による第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された各種の乱数値を示す数値データを保留データとし、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。この実施の形態では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データとが、保留データとして第2特図保留記憶部151Bに記憶される。
始動データ記憶部151Cは、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が入賞したかを示す始動データを、各遊技球の入賞順を特定可能として記憶する。一例として、始動データ記憶部151Cは、第1始動入賞口への入賞に対応した「第1」の始動データ、あるいは、第2始動入賞口への入賞に対応した「第2」の始動データを、各遊技球の入賞順に従った保留番号と関連付けて記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御フラグ設定部152に、特図プロセスフラグ、普図プロセスフラグ、大当りフラグ、確変フラグ、時短フラグなどが設けられている。
特図プロセスフラグは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの進行や、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの進行などを制御するために実行される図17に示すステップS15や図18に示す特別図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。普図プロセスフラグは、普通図柄表示器20による普通図柄を用いた普図ゲームの進行などを制御するために図17に示すステップS16に示す普通図柄プロセス処理において、どの処理を選択・実行すべきかを指示する。
大当りフラグは、特図ゲームが開始されるときに特図表示結果を「大当り」とする旨の決定(事前決定)に対応して、オン状態にセットされる。その一方で、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されたことなどに対応して、大当りフラグがクリアされてオフ状態となる。
確変フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態に制御されることに対応してオン状態にセットされる一方で、確変状態が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。時短フラグは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態や時短状態となり時間短縮制御などが開始されることに対応してオン状態にセットされる一方で、確変状態や時短状態が終了することなどに対応してクリアされてオフ状態となる。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御タイマ設定部153に、遊技制御プロセスタイマ、特図変動タイマ、普図変動タイマなどが設けられている。
遊技制御プロセスタイマは、例えば大当り遊技状態の進行を制御するための時間などを、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、遊技制御プロセスタイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、遊技制御プロセスタイマは、大当り遊技状態の開始時点といった、所定時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
特図変動タイマは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)といった特図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、特図変動タイマは、特図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、特図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、特図変動タイマは、特図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
普図変動タイマは、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示時間(普図変動時間)といった普図ゲームの進行を制御するための時間を、主基板11の側にて計測するためのものである。具体的な一例として、普図変動タイマは、普図ゲームの進行を制御するために計測する時間に対応したタイマ値を示すデータを、普図変動タイマ値として記憶し、定期的にカウントダウンするダウンカウンタとして用いられる。あるいは、普図変動タイマは、普図ゲームの開始時点からの経過時間に対応したタイマ値を示すデータを記憶し、定期的にカウントアップするアップカウンタとして用いられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御カウンタ設定部154に、ランダムカウンタ、第1保留記憶数カウンタ、第2保留記憶数カウンタ、合計保留記憶数カウンタ、時短回数カウンタ、ラウンド数カウンタなどが設けられている。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタは、遊技の進行を制御するために用いられる乱数値を示す数値データの一部を、乱数回路104とは別個に、あるいは、乱数回路104から抽出された数値データを用いて、CPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのものである。例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
第1保留記憶数カウンタは、第1特図保留記憶部151Aにおける保留データの数である第1保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第1保留記憶数カウンタには、第1保留記憶数に対応したカウント値データが、第1保留記憶数カウント値として記憶され、第1保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。第2保留記憶数カウンタは、第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの数である第2保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、第2保留記憶数カウンタには、第2保留記憶数に対応したカウント値データが、第2保留記憶数カウント値として記憶され、第2保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。合計保留記憶数カウンタは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを合計した合計保留記憶数をカウントするためのものである。例えば、合計保留記憶数カウンタには、合計保留記憶数に対応したカウント値データが、合計保留記憶数カウント値として記憶され、合計保留記憶数の増減に対応して更新(例えば1加算あるいは1減算)される。
時短回数カウンタは、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態であるときに、時短制御を終了するまでに実行可能な特図ゲームの残存回数を特定可能にカウントするためのものである。本実施形態においては、一例として、時短回数カウンタには、大当り遊技状態が終了するときに、大当り種別バッファ値が「0」であることに対応したカウント初期値「100」を示すデータが、時短回数カウント値として設定される。その後、可変表示結果が「大当り」となるまでは、特図ゲームが終了するごとに、時短回数カウント値が1減算されるなどして更新される。そして、時短回数カウント値が「0」に達したときには、時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、時短状態を終了して通常状態へと移行する制御が行われる。これに対して、大当り遊技状態が終了するときに大当り種別バッファ値が「1」である場合には、時短回数カウント値に関わらず、次に大当り遊技状態に制御されるまで時短状態を継続する。しかし、これに限定される訳でなく、大当り遊技状態が終了するときに大当り種別バッファ値が「1」である場合であっても、大当り種別バッファ値が「1」であることに対応したカウント初期値「100」を示すデータが時短回数カウント値として設定された後、可変表示結果が「大当り」となるまでの間、特図ゲームが終了するごとに、時短回数カウント値が1減算されるなどして更新され、時短回数カウント値が「0」に達したときには、時短フラグをクリアしてオフ状態としても良い。
ラウンド数カウンタは、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数などをカウントするためのものである。例えば、ラウンド数カウンタには、大当り遊技状態の開始時にカウント初期値「1」を示すデータが、ラウンド数カウント値として設定される。そして、1回のラウンド遊技が終了して次回のラウンド遊技が開始されるときに、ラウンド数カウント値が1加算されて更新される。保留変動回数カウンタは、保留変動において実行可能な特図ゲームの残存回数を特定可能にカウントするためのものである。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。この実施の形態では、遊技制御バッファ設定部155に、送信コマンドバッファ、始動口バッファ、変動特図指定バッファ、大当り種別バッファなどが設けられている。
送信コマンドバッファは、主基板11からサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信するための設定データを一時的に格納するために用いられる。例えば、送信コマンドバッファは、複数(例えば「12」)のバッファ領域を備えて構成され、送信する制御コマンドに対応したコマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データなどが、各バッファ領域に格納される。また、送信コマンドバッファにおいて設定データの書込や読出を行うバッファ領域は、送信コマンドポインタなどによって指定され、複数のバッファ領域をリングバッファとして使用することができるように構成されていればよい。
始動口バッファには、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに進入した遊技球が検出されたかを示すバッファ値が格納される。一例として、第1始動口スイッチ22Aにより第1始動入賞口に進入した遊技球が正常に検出されたことに対応して、始動口バッファ値には「1」が設定される。また、第2始動口スイッチ22Bにより第2始動入賞口に進入した遊技球が正常に検出されたことに対応して、始動口バッファ値には「2」が設定される。
変動特図指定バッファには、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームのうち、いずれの特図ゲームが実行されるかを示すバッファ値が格納される。一例として、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定バッファ値には「1」が設定される。また、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行されることに対応して、変動特図指定バッファ値には「2」が設定される。そして、特図ゲームが終了したことなどに対応して、変動特図指定バッファ値が「0」に設定される。
大当り種別バッファには、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別を複数種類のいずれかとする決定結果に対応したバッファ値が格納される。一例として、図8に示すような大当り種別決定テーブル131での設定に基づき、大当り種別が「通常」であれば大当り種別バッファ値には「0」が設定され、大当り種別が「確変」であれば大当り種別バッファ値には「1」が設定される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。あるいは、演出制御用CPU120は演出制御用マイクロコンピュータに内蔵される一方で、ROM121やRAM122の少なくともいずれか一方は、演出制御用マイクロコンピュータに外付けされてもよい。乱数回路124も、演出制御用マイクロコンピュータに内蔵又は外付けされるものであればよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、操作部30に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、操作検出スイッチ31から伝送するための配線も接続されている。
ここでROM121は、図41に示すリーチ図柄決定テーブル,図42に示すリーチ図柄毎の特別演出実行割合テーブル,及び図43に示すリーチ図柄毎の増加リーチ図柄パターンテーブルを記憶している。
まず図41に示すリーチ図柄決定テーブルは、(a)に示す大当り用と、(b)に示すハズレ用とがある。(a)の大当り用では、特定表示結果が大当りの場合におけるリーチ図柄(当初リーチ図柄)の決定率が設定されており、ここでは該決定率として、「7」図柄が40%,「3」図柄が30%,「5」「6」「8」「9」図柄が20%,「1」「2」「4」図柄が10%と設定されているが、「7」図柄の決定率が他の図柄の決定率よりも高く、また「3」図柄の決定率が「1」「2」「4」「5」「6」「8」「9」の決定率よりも高ければ、その値はこれに限定されない。(b)のハズレ用では、変動パターンがリーチハズレの場合におけるリーチ図柄(当初リーチ図柄)の決定率が設定されており、ここでは該決定率として、「7」図柄が10%,「3」図柄が20%,「5」「6」「8」「9」図柄が30%,「1」「2」「4」図柄が40%と設定されている。
また図42に示すリーチ図柄毎の特別演出実行割合テーブルは、リーチ図柄(当初リーチ図柄)毎に、大当りの場合とハズレの場合の各々について、図44に示す特別演出Aを実行する割合,図45に示す特別演出Bを実行する割合,及び特別演出を実行しない割合が設定されており、さらに特別演出A又は特別演出Bについては、大当りの信頼度が他の図柄よりも高い「7」図柄(激熱図柄),又は大当りの信頼度が「1」「2」「4」「5」「6」「8」「9」図柄よりも高い「3」図柄(チョイ熱図柄)を含む場合と、該激熱図柄又はチョイ熱図柄(以下、「熱図柄」と総称する。)を含まない場合とに分けて、実行割合が設定されている。なお当初リーチ図柄が「7」又は「3」の場合には、熱図柄を含まない特別演出Aと、特別演出Bは、実行されない。これらが実行されてリーチ図柄から「熱図柄」が消えてしまうと、大当り発生に対する遊技者の期待感を削ぐことになるからである。
さらに図43に示すリーチ図柄毎の増加リーチ図柄パターンテーブルは、リーチ図柄(当初リーチ図柄)毎に、該当初リーチ図柄1個+増加リーチ図柄2個=トリプルリーチの図柄パターンが設定されている。
ここで当初リーチ図柄が「7」については、該激熱図柄を含む図柄パターンが設定されている。また当初リーチ図柄が「3」については、該チョイ熱図柄を含む図柄パターンが設定されている。これによれば、リーチ図柄を特定数増加させるものにおいて、該特定数(ここでは2)増加させても増加リーチ図柄に第2識別情報(激熱図柄「7」)を含むことが配列上できない第3識別情報(チョイ熱図柄「3」)でリーチ状態に制御された場合でも、大当りに制御されることに対する遊技者の期待感を維持することができる。
また当初リーチ図柄が「5」「6」「8」「9」については、該当初リーチ図柄から前記特定数以内の激熱図柄(「7」)を含む図柄パターンと、該激熱図柄を含まない図柄パターンとが設定されている。また当初リーチ図柄が「1」「2」「4」については、該当初リーチ図柄から前記特定数以内のチョイ熱図柄(「3」)を含む図柄パターンと、該チョイ熱図柄を含まない図柄パターンとが設定されている。これによれば、リーチ図柄を特定数増加させるものにおいて、該特定数増加させても増加リーチ図柄に第2識別情報(激熱図柄「7」)を含むことが配列上できない第5識別情報(「1」「2」「4」)でリーチ状態に制御された場合でも、大当りに制御されることに対する遊技者の期待感を維持することができる。
ここで図41に示すリーチ図柄決定テーブルの決定率と図42に示すリーチ図柄毎の特別演出実行割合テーブルの実行割合から、特別演出Aが実行された場合に大当り状態となる信頼度が導かれ、該信頼度が高い順に6段階で、
A:当初リーチ図柄が「7」で特別演出Aが「7」を含む場合、
B:当初リーチ図柄が「5」「6」「8」「9」で特別演出Aが「7」を含む場合、
C:当初リーチ図柄が「3」で特別演出Aが「3」を含む場合、
D:当初リーチ図柄が「1」「2」「4」で特別演出Aが「3」を含む場合、
E:当初リーチ図柄が「5」「6」「8」「9」で特別演出Aが「7」を含まない場合
F:当初リーチ図柄が「1」「2」「4」で特別演出Aが「3」を含まない場合、となる。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。図12は、演出制御基板12の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図12に示すように、この実施の形態では、演出制御基板12の側において、再変動タイミング決定用の乱数値SR1を示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。例えば、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる最終停止図柄決定用の乱数値を示す数値データ、1回目の仮停止で表示される仮停止図柄(以下、第1仮停止図柄という)を決定するために用いられる第1仮停止図柄決定用の乱数値を示す数値データ、2回目の仮停止で表示される仮停止図柄(以下、第2仮停止図柄という)を決定するために用いられる第2仮停止図柄決定用の乱数値を示す数値データなどが、カウント可能に制御されてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば図16に示す演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路124とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値SR1を示す数値データをカウントするようにしてもよい。あるいは、乱数回路124により更新された数値データの全部又は一部を用いて、スクランブル処理や演算処理といった所定の処理を実行することにより、演出用乱数の全部又は一部を示す数値データが更新されるようにしてもよい。また、演出制御基板12に乱数回路124が搭載されていない場合には、演出制御用CPU120がランダムカウンタを用いて、演出用乱数の全部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
再変動タイミング決定用の乱数値SR1は、仮停止された仮停止図柄を再変動させるタイミングを複数種類タイミングのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」の範囲の値をとる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、変動パターン指定コマンドに設定されるEXTデータと、EXTデータに対応した変動パターンを表す情報とが対応付けて記憶されている。また、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、制御を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、制御パターンテーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。
図13は、ROM121に記憶される再変動タイミング決定テーブルの構成例を示している。再変動タイミング決定テーブル145Aは、変動パターンと、再変動タイミング決定用の乱数値SR1とに基づいて、最初に仮停止された飾り図柄の再変動タイミング(以下、第1再変動タイミングという)を、図14に示すようなタイミングA、タイミングN、タイミングB、及びタイミングCのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
この実施の形態では、タイミングAは、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、飾り図柄の可変表示が開始されてから第1仮停止が、「左」及び「右」の各飾り図柄表示エリア5L及び5Rの双方において行われることで可変表示状態がリーチ状態となる前までの時間区間に含まれるタイミングである。尚、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、及び「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、及び5Rのそれぞれで最初に行われる仮停止を第1仮停止とする。また、第1再変動タイミング後において、「左」、「中」、及び「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、及び5Rのそれぞれで最初に行われる仮停止を第2仮停止とする。タイミングAの具体例として、「左」の飾り図柄表示エリア5Lのみにおいて第1仮停止が行われた時から所定時間経過したタイミングであって、「右」の各飾り図柄表示エリア5Rにおいて第1仮停止が行われる前のタイミングを挙げる。
タイミングNは、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全てにおいて、可変表示の開始された飾り図柄が擬似連チャンス目を構成する3つの第1仮停止図柄の全てが第1仮停止し終えた時刻から所定時間経過するまでの時間区間に含まれるタイミングである。タイミングNの具体例として、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全てにおいて、可変表示の開始された飾り図柄が擬似連チャンス目を構成する3つの第1仮停止図柄の全てが第1仮停止し終えた時刻から所定時間経過したタイミングを挙げる。
タイミングB及びCは、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の可変表示が開始されてから、「左」及び「右」の各飾り図柄表示エリア5L及び5Rの双方において飾り図柄の第1仮停止が行われることで可変表示状態がリーチ状態となった後に(つまり、図柄がテンパイした後に)、再変動告知演出が終了する終了タイミングである。タイミングB及びCの具体例として、再変動告知演出が終了する終了タイミングを挙げる。なお、再変動告知演出とは、例えば、画像表示装置5の表示領域が割れたような画像を表示する画面割れ演出などを含み、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の再変動表示が開始すること(後述するような、飾り図柄の再変動表示が連続演出タイマの値で定まる途中の段階から開始されること、及びタイミングNで再変動表示が既に内部的に開始されていること、を当然に含む)を遊技者に報知する演出をいう。再変動告知演出は、画面割れ演出に限定されるのではなく、例えば、ブラックアウト又はホワイトアウトなどの少なくとも遊技者の見た目上、飾り図柄の変動表示の状態が一瞬または所定の時間に渡って途切れるものであれば良い。なお、飾り図柄の可変表示が開始されたタイミングを基準とすると、タイミングAは、タイミングNよりも早いタイミングであり、タイミングNは、タイミングBよりも早いタイミングであり、タイミングBは、タイミングCよりも早いタイミングである。
再変動タイミング決定テーブル145Aでは、ハズレ変動パターンに対して、可変表示が開始されたタイミングを基準として早いタイミング程、多くの決定値が割り当てられている。つまり、再変動タイミング決定テーブル145Aでは、ハズレ変動パターンに対して、タイミングCよりもタイミングBの方が多くの決定値が割り当てられており、タイミングBよりもタイミングNの方が多くの決定値が割り当てられており、タイミングNよりもタイミングAの方が多くの決定値が割り当てられている。これに対して、当り変動パターンに対して、可変表示が開始されたタイミングを基準として遅いタイミング程、多くの決定値が割り当てられている。つまり、再変動タイミング決定テーブル145Aでは、当り変動パターンに対して、タイミングAよりもタイミングNの方が多くの決定値が割り当てられており、タイミングNよりもタイミングBの方が多くの決定値が割り当てられており、タイミングBよりもタイミングCの方が多くの決定値が割り当てられている。これらの構成によれば、遅いタイミングで再変動表示が開始される程、大当り遊技状態に対する遊技者の期待感をより向上させることができる。また、再変動タイミング決定テーブル145Aでは、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示される変動パターンに対して、可変表示状態がリーチ状態となった後のタイミングであるタイミングB及びタイミングC並びにタイミングNに対する決定値が割り当てられているのに対して、非リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示される変動パターンに対してタイミングB及びタイミングC並びにタイミングNに対する決定値が割り当てられていない。この構成によれば、非リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示される場合には、可変表示状態がリーチ状態となった後のタイミングに再変動タイミングが決定されないため、可変表示状態がリーチ状態となることで遊技者の大当り遊技状態に対する期待感を向上させた後に、非リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されることで遊技者を落胆させてしまうことを防止できる。
ここで、PA1−1−1の変動パターンは、「擬似連」の可変表示演出が実行される変動パターンであるにも関わらず、非リーチハズレ変動パターンであるため、PA1−1−1の変動パターンは、「擬似連ガセ」の変動パターンと称される。この「擬似連ガセ」の変動パターンPA1−1−1に対して、再変動タイミング決定テーブル145Aでは、可変表示状態がリーチ状態となった後のタイミングであるタイミングB及びタイミングC並びにタイミングNに対する決定値が割り当てられていないとして説明したが、これに限定される訳ではなく、タイミングCに対する決定値が割り当てられていないが、タイミングA及びタイミングNに対する決定値が割り当てられている構成を採用できる。この構成において、タイミングNに対する決定値の割り当ては、タイミングAに対する決定値の割り当てよりも多い構成を採用できる。これらの構成によれば、再変動タイミングがタイミングAである場合には、大当り遊技状態に対する信頼度が低いが、タイミングAよりもタイミングNの方が高い確率で再変動タイミングとして決定されるので、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L及び5Rの双方が第1仮停止すると、可変表示状態がリーチ状態となる確率が向上する。
演出制御基板12に搭載されたROM121には、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった発光体、操作ボタン32を用いた演出動作の制御を行うために、演出制御パターンを構成するパターンデータが予め複数種類記憶されている。こうした演出制御パターンとしては、例えば図柄変動制御パターン、当り時演出制御パターンなどが含まれていればよい。
図柄変動制御パターンは、飾り図柄の可変表示が開始されてから最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるまでの期間における、画像表示装置5の表示領域での飾り図柄の可変表示動作に関する制御内容を示すパターンデータなどから構成され、飾り図柄の変動パターンごとに予め複数用意されたものであればよい。
例えば、飾り図柄の変動パターンが、飾り図柄の再変動を1回行うものである場合には、図柄変動制御パターンは、第1可変表示動作に関する制御内容を示す第1制御パターンデータと、最終可変表示動作に関する制御内容を示す最終制御パターンデータとで構成される。
尚、第1可変表示動作は、図15(A)示すような、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて可変表示が開始されてから、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全てにおいて飾り図柄が1回目に仮停止されるまでにおける飾り図柄の可変表示動作を含む。最終可変表示動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれかにおいて、2回目の(再変動回数が1回目の場合は1回目)の再変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全てにおいて確定飾り図柄が停止表示されるまでにおける飾り図柄の可変表示動作をいう。
また例えば、飾り図柄の変動パターンが、飾り図柄の再変動を2回行うものである場合には、図柄変動制御パターンは、第1制御パターンデータと、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれかにおいて1回目の再変動表示が開始されてから、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全てにおいて飾り図柄が2回目に仮停止されるまでにおける飾り図柄の可変表示動作(以下、第2可変表示動作という)に関する制御内容を示す第2制御パターンデータと、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれかにおいて2回目の再変動表示が開始されてから、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全てにおいて確定飾り図柄が停止表示されるまでにおける飾り図柄の可変表示動作(つまり、最終可変表示動作)に関する制御内容を示す図柄変動制御パターンデータ(つまり、最終制御パターンデータ)とで構成される。
図15(A)に示す第1制御パターンデータで表される制御内容に従って制御される第1可変表示動作(以下、第1制御パターンデータに従った第1可変表示動作という)は、右図柄、中図柄、及び左図柄が可変表示を開始してから擬似連チャンス目を構成する組合せで飾り図柄がそれぞれ仮停止する動作である。飾り図柄の変動時間がT時間であるとすると、図15(A)に示す第1可変表示動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれかにおいて飾り図柄が可変表示を開始した時刻T0を基準としたタイミングNに終了する。このタイミングNは、当該時刻T0から、時間T/2」(飾り図柄の変動時間時間Tの半分)だけ後の時刻である。但し、図15(A)に示す第1可変表示動作の終了タイミングNは、誤差を許容するため又は遊技興趣を高めるため、時刻T0+T/2に対して所定時間前後しても良い。尚、飾り図柄の変動時間時間Tは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのいずれかにおいて飾り図柄が可変表示を開始した時刻T0から、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全てにおいて確定飾り図柄が導出表示される時刻までの時間をいう。また、図15(A)に示す最終制御パターンデータで表される制御内容に従って制御される最終可変表示動作は、タイミングNに実行を開始されると、時刻T0から変動時間Tだけ後の時刻(つまり、タイミングNから時間T/2だけ後の時刻)に終了する。尚、最終可変表示動作の終了タイミングは、リーチ演出による演出効果を高めるため、誤差を許容するため又は遊技興趣を高めるため、時刻T0+Tに対して所定時間前後しても良い。
ここで、図15(A)の例において、再変動タイミングがタイミングNであれば、画像表示装置5の表示領域では、第1制御パターンデータに従った第1可変表示動作の全てが行われた後に、最終制御パターンデータに従った最終可変表示動作が開始される。つまり、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動表示が開始した後に、擬似連チャンス目を構成する組合せで飾り図柄が仮停止してから、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の再変動が開始する。
図15(B)に示す第1制御パターンデータに対応する第1可変表示動作は、実際に最後まで実行された場合には、飾り図柄が可変表示を開始してからリーチ状態となった後に(つまり、図柄がテンパイした後に)画面割れ演出を行う動作であり、図15(A)に示したタイミングNよりも遅いタイミングCに終了する。これに対して、図15(B)及び図15(C)に示す最終制御パターンデータは、図15(A)に示す最終制御パターンデータと同様であるので、タイミングCよりも早いタイミングNから最終制御パターンデータに従った最終可変表示動作が開始されれば、時刻T0から変動時間Tだけ後の時刻(つまり、タイミングNから時間T/2だけ後の時刻)に最終可変表示動作が終了する。
ここで、図15(B)の例において、再変動タイミングがタイミングCであれば、画像表示装置5の表示領域では、第1制御パターンデータに従った第1可変表示動作の全てが行われた後に、最終制御パターンデータに従った最終可変表示動作が連続演出タイマの値で定まる途中の段階から(つまり、最終可変表示動作がタイミングNに開始されたとした場合におけるタイミングCの動作から)開始される。つまり、図15(B)の例では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動表示が開始した後に、「左」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同じ仮停止図柄で飾り図柄が仮停止してから(飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に)、画面割れ演出が実行される。その後、画面割れ演出が終了すると、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の再変動が途中から開始する。ここで、図36を参照しながら後述する本実施形態の変形例においては、最終制御パターンデータに従った最終可変表示動作がタイミングNにおいて内部的に実行される。このため、画面割れ演出が終了すると、連続演出タイマの値で定まる途中の段階の動作から最終可変表示動作が開始されるのではなく、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの動作が、タイミングNにおいて既に内部的に実行されている最終可変表示動作に切り替えられる。尚、連続演出タイマの値で定まる途中段階の動作から最終可変表示動作を開始する場合と、タイミングNから内部的に実行されている最終可変表示動作に動作切替えが行われる場合とで、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの動作に相違は無い又は殆ど無い。再変動タイミングがタイミングBである場合も、再変動タイミングがタイミングCと同様であるので説明を省略する。
ここで、図15(C)の例において、再変動タイミングがタイミングAであれば、画像表示装置5の表示領域において、第1制御パターンデータに従った第1可変表示動作がタイミングAまで(途中まで)行われた後に、第1可変表示動作と最終可変表示動作とを繋ぐ表示動作(以下、繋表示動作という)がタイミングAからタイミングNまで行われる。その後、タイミングNから最終制御パターンデータに従った最終可変表示動作が最初から開始される。なお、繋表示動作は、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を変動表示させる動作であり、繋制御パターンデータで表される制御内容に従って制御される。
つまり、図15(C)の例において再変動タイミングがタイミングAであれば、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動表示が開始した後に、例えば、「左」の各飾り図柄表示エリア5Lのみにて飾り図柄が仮停止図柄で仮停止してから「右」の各飾り図柄表示エリア5Rにて飾り図柄が仮停止する前のタイミングで(つまり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる前のタイミングで)、「左」の飾り図柄表示エリア5Lにて飾り図柄の再変動表示が行われる(但し、「中」及び「右」の飾り図柄表示エリア5C及び5Rにて飾り図柄の可変表示は継続している)。尚、再変動タイミングがタイミングA(つまり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる前のタイミング)であったとしても、画面割れ演出を実行する構成を採用できる。ここで、画面割れ演出では、画像表示装置5で画面が割れたような画像が表示された後に、(遊技者から見て)割れた画面の奥側にあたかも別の画像表示装置が存在し、かつ当該別の画像表示装置では、既にタイミングNに開始した第2可変表示動作又は最終可変表示動作が行われているような画像をも表示される。このため、この構成において実行される画面割れ演出は、タイミングAから実行を開始されると、少なくともタイミングNよりも後の時刻に終了する必要がある。つまり、割れた画面の奥側に存在する別の画像表示装置において、第2可変表示動作又は最終可変表示動作が開始しておらず、飾り図柄が停止又は仮停止しているような画像が表示されることを防止するためである。
なお、本実施形態において、再変動回数が2回の場合には、第1可変表示動作が、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全てにて飾り図柄の変動表示を開始させた後に、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全てにて擬似連チャンス目を構成する組合せの仮停止図柄を仮停止させる動作であるとすると、この第1可変表示動作は、時刻T0+T/3において終了する。この第1可変表示動作の終了時刻T0+T/3は、上記のタイミングNに相当するため、第1タイミングNと称される。なお、第1可変表示動作は、図15(B)及び(C)に示したような、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全てにて飾り図柄が可変表示を開始してからリーチ状態となった後に画面割れ演出を行う動作であっても良い。また、第1再変動タイミングは、上記のタイミングNに相当する第1タイミングNだけでなく、上記のタイミングA、タイミングB、及びタイミングCであっても良い。また、第2可変表示動作が、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、第1タイミングNにおいて飾り図柄を再変動させた後に、擬似連チャンス目を構成する組合せの仮停止図柄で再度仮停止させる動作であり、この第2可変表示動作は、時刻T0+2T/3において終了する。さらに、最終可変表示動作は、時刻T0+2T/3に開始すると、時刻T0+Tおいて終了する。
なお、パチンコ遊技機1が、例えば、確変状態や時短状態などの遊技状態によって演出を異ならせたり、遊技状態が同じであっても賑やかしなどのために演出を通常の演出と異ならせる場合には、パチンコ遊技機1における演出状態を表す複数種類の演出モードに対応して、互いに異なる図柄変動制御パターンが用意されてもよい。こうした複数の図柄変動制御パターンはそれぞれ、最終停止図柄となる確定飾り図柄や可変表示中に仮停止表示される仮停止図柄などを用いて行われる飾り図柄の可変表示において、飾り図柄の表示位置や大きさ、飾り図柄の変動方向や変動速度などのタイムスケジュールを規定していればよい。ここで、最終停止図柄や仮停止図柄などは、主基板11から演出制御基板12へと伝送された変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンなどに基づいて、可変表示の開始時に決定されるものであればよい。
予告演出制御パターンは、予告演出における演出動作の制御内容を示すパターンデータなどから構成され、予告演出における演出動作の内容に応じた予告演出パターンごとに予め複数用意されたものであればよい。
当り時演出制御パターンは、特図ゲームにおける特図表示結果が「大当り」となった後に、大当り遊技状態に制御される期間などにおける演出動作の制御内容を示すパターンデータなどから構成され、特図表示結果が「大当り」であるかや、大当り種別が「通常」又は「確変」であるかなどに応じて予め複数用意されたものであればよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図16に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図16に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の表示画面における演出画像の表示状態といった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の表示画面における演出画像の表示動作といった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の画面上に表示させる演出画像の切替タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示やリーチ演出における演出表示といった各種の演出表示を実行させるための制御を行う。表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などを備えて構成されていればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドや操作検出スイッチ31から伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9などに供給する。
次に、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図17のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図17に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図18は、特別図柄プロセス処理として、図17に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS100)。図19は、ステップS100にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
図19に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、図2に示す第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bのうち、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号がオン状態であるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aからの検出信号がオン状態であれば(ステップS201;Yes)、第1特図保留記憶部151Aに記憶されている保留データの個数に対応した第1保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの値(第1保留記憶数カウント値)を読み取ることなどにより、第1保留記憶数を特定すればよい。
ステップS202にて第1保留記憶数が上限値ではない場合には(ステップS202;No)、例えば第1保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、第1保留記憶数を1加算する(ステップS203)。そして、乱数回路104やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、抽出する(ステップS204)。このとき抽出した各乱数値を示す数値データが、保留データとして第1特図保留記憶部151Aにおける空きエントリの先頭にセットされることで、各乱数値が記憶される(ステップS205)。続いて、例えばROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレス(先頭アドレス)を送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS206)。こうして設定された第1始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図17に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS206の処理を実行した後には、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの値(合計保留記憶数カウント値)を1加算することなどにより、合計保留記憶数を1加算する(ステップS209)。そして、始動データ記憶部151Cにおける空きエントリの先頭に、第1始動入賞口への入賞に対応した「第1」の始動データを記憶させる(ステップS210)。続いて、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS211)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図17に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、第1始動入賞口指定コマンドに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aからの検出信号がオフ状態である場合や(ステップS201;No)、ステップS202にて第1保留記憶数が上限値に達している場合(ステップS202;Yes)、あるいは、ステップS211の処理を実行した後には、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態であるか否かを判定する(ステップS212)。このとき、第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオフ状態であれば(ステップS212;No)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、第2始動口スイッチ22Bからの検出信号がオン状態である場合には(ステップS212;Yes)、第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの個数に対応した第2保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS213)。このとき、CPU103は、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの値(第2保留記憶数カウント値)を読み取ることなどにより、第2保留記憶数を特定すればよい。
ステップS213にて第2保留記憶数が上限値に達していれば(ステップS213;Yes)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、第2保留記憶数が上限値ではない場合には(ステップS213;No)、例えば第2保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、第2保留記憶数を1加算する(ステップS214)。そして、乱数回路104やランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、抽出する(ステップS215)。このとき抽出した各乱数値を示す数値データが、保留データとして第2特図保留記憶部151Bにおける空きエントリの先頭にセットされることで、各乱数値が記憶される(ステップS216)。続いて、例えばROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う(ステップS217)。こうして設定された第2始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図17に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS217の処理を実行した後には、例えば合計保留記憶数カウント値を1加算することなどにより、合計保留記憶数を1加算する(ステップS220)。そして、始動データ記憶部151Cにおける空きエントリの先頭に、第2始動入賞口への入賞に対応した「第2」の始動データを記憶させる(ステップS221)。続いて、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにセットすることなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS222)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図17に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、第2始動入賞口指定コマンドに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。以上のような始動入賞判定処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値に応じて、図18に示すステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に対応して、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理や、特図プロセスフラグの値を“2”に更新する処理などが含まれている。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかに関わりなく、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。さらに、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大入賞口開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大入賞口開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理や、特図プロセスフラグの値を“5”に更新する処理などが含まれている。
ステップS115の大入賞口開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大入賞口開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理や、特図プロセスフラグの値を“6”に更新する処理などが実行されればよい。
ステップS116の大入賞口開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大入賞口開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理や、特図プロセスフラグの値を“7”に更新する処理などが含まれている。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り種別に対応して確変状態に制御するための各種の設定を行う処理や、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する処理などが含まれている。
図20及び図21は、図18のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図20及び図21に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている合計保留記憶数カウント値などに基づき、第1保留記憶数と第2保留記憶数の合計値である合計保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(図20に示すステップS231)。このとき、合計保留記憶数が「0」以外であれば(ステップS231;No)、始動データ記憶部151Cから始動データを読み出す(ステップS232)。このときには、始動データ記憶部151Cにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている始動データを読み出せばよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば合計保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、合計保留記憶数を1減算するように更新するとともに、始動データ記憶部151Cにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「8」に対応するエントリ)に記憶された始動データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS233)。そして、ステップS232にて読み出した始動データが「第1」と「第2」のいずれであるかを判定する(ステップS234)。
ステップS234にて始動データが「第1」であると判定された場合には(ステップS234;第1)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データとを、それぞれ読み出す(ステップS235)。このときには、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、第1保留記憶数を1減算するように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS236)。そして、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始することに対応して、遊技制御バッファ設定部155に設けられた変動特図指定バッファの値(変動特図指定バッファ値)を「1」に設定する(ステップS237)。
ステップS234にて始動データが「第2」であると判定された場合には(ステップS234;第2)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データとを、それぞれ読み出す(ステップS239)。このときには、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、第2保留記憶数を1減算するように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS240)。そして、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始することに対応して、変動特図指定バッファ値を「2」に設定する(ステップS241)。
ステップS237、S241の処理のいずれかを実行した後には、可変表示結果を「ハズレ」、「大当り」のいずれとするかを判定するための使用テーブルとして、図7に示す特図表示結果決定テーブル130を選択してセットする(ステップS242)。例えば、ステップS242の処理では、ROM101における特図表示結果決定テーブル130の記憶アドレスを、決定テーブルポインタなどにセットすればよい。
CPU103は、こうしてセットされた特図表示結果決定テーブル130を参照することにより、ステップS235又はステップS239にて読み出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが、「大当り」や「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、特図表示結果を「大当り」や「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS243)。そして、ステップS243にて決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(図21のステップS244)。
ステップS244にて「大当り」であると判定された場合には(ステップS244;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS245)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS246)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、ステップS235又はステップS239にて読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づき、「通常」や「確変」といった予め複数用意された大当り種別のいずれかに決定する(ステップS247)。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を更新することなどにより、決定された大当り種別を記憶させる(ステップS248)。一例として、大当り種別が「通常」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とすればよい。
ステップS248の処理を実行した後には、大入賞口開放回数最大値(例えば「15」)を設定する(ステップS253)。尚、このステップS253の処理は、ステップS248の処理の後ではなく、後述する図23のステップS291において、大当りフラグがオンであると判別されると(ステップS291;Yes)実行されるとしても良い。
ステップS244にて「大当り」ではないと判定された場合や(ステップS244;No)、ステップS253の処理を実行した後には、大当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS254)。一例として、ステップS244にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS244にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS248における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「通常」とする決定結果に応じて、通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS254にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS255)、特別図柄通常処理を終了する。また、図20のステップS231にて合計保留記憶数が「0」である場合には(ステップS231;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS256)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS256におけるデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する客待ちデモ指定コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、例えばROM101における客待ちデモ指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにセットすることなどにより、客待ちデモ指定コマンドの送信設定を行う。こうして設定された客待ちデモ指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後に図17に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
図22は、図18のステップS111にて実行される変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;No)、確変状態や時短状態における時間短縮制御が実行中であることを示す時短フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS266)。
ステップS266にて時短フラグがオフであるときには(ステップS266;No)、合計保留記憶数カウント値が「3」以上であるか否かを判定する(ステップS267)。そして、合計保留記憶数が「3」未満であれば(ステップS267;No)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bを選択してセットする(ステップS268)。これに対して、ステップS266にて時短フラグがオンであるときや(ステップS266;Yes)、ステップS267にて合計保留記憶数カウント値が「3」以上であるときには(ステップS267;Yes)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cを選択してセットする(ステップS269)。なお、ステップS266にて時短フラグがオンであるときにも、合計保留記憶数が所定数(例えば「1」など)以上であるか否かを判定し、その判定結果に応じて異なる決定テーブルを選択してもよい。例えば、時短フラグがオンである場合に、合計保留記憶数が「0」であればステップS268に進んでハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)132Bを選択してセットする一方、合計保留記憶数が「1」以上であればステップS269に進んでハズレ変動パターン種別決定テーブル(短縮用)132Cを選択してセットしてもよい。
ステップS262、S268、S269の処理のいずれかを実行した後には、例えば特図変動用乱数値バッファなどに格納されている変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づき、ステップS262、S268、S269のいずれかにてセットした使用テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS270)。変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データは、ステップS270の処理が実行されるときに乱数回路503や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタなどから抽出されてもよいし、第1始動入賞口や第2始動入賞口に進入(始動入賞)した遊技球が検出されたときに抽出されたものを、乱数値MR1〜MR2とともに、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bにおける保留データとして記憶しておいてもよい。
ステップS270の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン種別決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定することができる。
ステップS270にて変動パターン種別を決定した後には、特図表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかに応じて、ハズレ変動パターン決定テーブル133Aと大当り変動パターン決定テーブル133Bのいずれかを選択し、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとしてセットする(ステップS271)。続いて、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、ステップS271にてセットした変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS272)。
このステップS272の処理により、再変動の有無、再変動回数、飾り図柄の可変表示状態を所定のリーチ状態とするか否か、及び飾り図柄の変動時間が決定される。
なお、本実施形態においては、CPU103は、ハズレ変動パターン決定テーブル133Aと大当り変動パターン決定テーブル133Bとの内で選択された1つのテーブルと、変動パターン決定用の乱数値MR4とを用いて、再変動回数、リーチ状態とするか否か、及び飾り図柄の変動時間を決定するとして説明した。しかし、これに限定されるのではなく、CPU103は、リーチ状態とするか否かと、飾り図柄の変動時間とを決定するために用いられる変動パターン決定テーブルと、再変動回数の決定に用いられる再変動回数決定テーブルとの2つのテーブルを用いて、再変動回数、リーチ状態とするか否か、及び飾り図柄の変動時間を決定する構成を採用できる。この構成では、ROM101には、変動パターン決定テーブルと再変動回数決定テーブルとが記憶され、主基板11の側において、変動パターン決定用の乱数値MR4だけでなく、再変動回数決定用の乱数値MR5を示す数値データが、カウント可能に制御される。さらにこの構成では、CPU103は、変動パターン決定テーブルと、乱数値MR4とを用いて、リーチ状態とするか否か、及び飾り図柄の変動時間を決定し、再変動回数決定テーブルと、乱数値MR5とを用いて再変動回数を決定する。
なお、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データは、ステップS272の処理が実行されるときに乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタなどから抽出されてもよいし、第1始動入賞口や第2始動入賞口に進入(始動入賞)した遊技球が検出されたときに抽出されたものを、乱数値MR1、MR2とともに、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bにおける保留データとして記憶しておいてもよい。
ステップS272の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。また、ステップS272の処理では、ステップS270における変動パターン種別の決定結果にかかわらず、変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。
ステップS272にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS273)。その後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS274)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。これに対して、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS274の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS275)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。こうしたステップS275での設定を行った場合には、変動パターン設定処理が終了してから図17に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS276)、変動パターン設定処理を終了する。
図23は、図18のステップS113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS291;Yes)、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS292)。例えば、ステップS292の処理では、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。
ステップS292の処理に続いて、当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。例えば、ステップS293の処理では、大当り種別バッファ値に応じた当り開始指定コマンドを送信するために予め用意された当り開始指定コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データが、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納されればよい。これにより、特別図柄停止処理が終了してから図17に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されたときに、主基板11から演出制御基板12に対して、大当り種別に応じた当り開始指定コマンドが送信される。ステップS293での設定を行った後には、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS294)。また、確変状態や時短状態を終了するための設定を行う(ステップS295)。例えば、ステップS295の処理において、CPU103は、確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、時短状態における特図ゲームの残存回数をカウントするための時短回数カウンタをクリアする処理などを実行すればよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS296)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS291にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS291;No)、時短フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS304A)。このとき、時短フラグがオンであれば(ステップS304A;Yes)、確変フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS304B)。このとき、確変フラグがオフであれば(ステップS304B;No)、遊技制御タイマ設定部153に設けられた時短回数カウンタにおける格納値(時短回数カウント値)を1減算して更新した後(ステップS305)、更新後の時短回数カウント値が“0”であるか否かを判定する(ステップS306)。時短回数カウント値が“0”であれば(ステップS306;Yes)、時短フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS307)。
ステップS304Aにて時短フラグがオフである場合や(ステップS304A;No)、ステップS304Bにて確変フラグがオンである場合(ステップS304B;Yes)、時短回数カウント値が“0”以外である場合(ステップS306;No)、又はステップS307の処理を実行した後には、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する(ステップS308)。
図24は、図18のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS311)。一例として、図18に示すステップS116の大入賞口開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS311の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS311;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS311;Yes)、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出すことなどにより、大当り種別を特定する(ステップS312)。続いて、ステップS312にて特定した大当り種別が「確変」であるか否かを判定する(ステップS313)。このとき、大当り種別が「確変」であれば(ステップS313;Yes)、確変フラグをオン状態にセットする(ステップS314)。これに対して、CPU103は、大当り種別が「確変」でないと判別すると(ステップS313;Yes)、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「100」)を、時短回数カウンタに設定する(ステップS315)。ステップS314又はステップS315を実行した後に、CPU103は、時短フラグをオン状態にセットする(ステップS316)。その後、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS317)、大当り終了処理を終了する。なお、図24の大当り終了処理において、大当り種別が「確変」であるときにも(ステップS313;Yes)、時短回数カウンタを予め定められたカウント初期値にセットし(ステップS315)、図23の特別図柄停止処理において、大当りフラグがオフ状態であると判別されると(ステップS291)、確変フラグがオン状態であると判別されるか否かに関わらず(ステップS304B;Yes及びNo)、時短回数カウント値を値1だけデクリメントした後に(ステップS305)、ステップS306の処理を実行してもよい。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図25のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図25に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS401)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS402)、演出制御に用いる演出用乱数のうち、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。続いて、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS403)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS403にてタイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS403;No)、ステップS402の処理に戻る。他方、ステップS403にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS403;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS404)、コマンド解析処理を実行する(ステップS405)。ステップS405にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS405にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行した後に(ステップS406)、ステップS402から上記処理を繰り返す。ステップS406の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
図26は、コマンド解析処理として、図25のステップS405にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図26に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、第1始動口入賞指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS501)。例えば演出制御基板12の側で受信した演出制御コマンドは演出制御コマンド受信用バッファに格納されており、演出制御用CPU120は、この演出制御コマンド受信用バッファに格納されているコマンドを読み出して内容を確認することにより、受信した演出制御コマンドを特定できればよい。
ステップS501にて第1始動口入賞指定コマンドを受信したと判定されたときには(ステップS501;Yes)、第1始動口入賞時に対応した表示更新の設定を行う(ステップS502)。例えば、ステップS502の処理において、画像表示装置5の表示領域に設けられた始動入賞記憶表示エリア5Hで非表示となっている表示部位のうちの1つを、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出による第1始動条件の成立に応じて、青色表示に変化させるための表示設定などが行われればよい。
ステップS501にて第1始動口入賞指定コマンドを受信していないと判定されたときには(ステップS501;No)、第2始動口入賞指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS503)。このとき、第2始動口入賞指定コマンドを受信したと判定されれば(ステップS503;Yes)、第2始動口入賞時に対応した表示更新の設定を行う(ステップS504)。例えば、ステップS504の処理において、画像表示装置5の表示領域に設けられた始動入賞記憶表示エリア5Hで非表示となっている表示部位のうちの1つを、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出による第2始動条件の成立に応じて、赤色表示に変化させるための表示設定などが行われればよい。演出制御用CPU120は、ステップS502、S504の処理のいずれかを実行した後に、コマンド解析処理の実行を終了する。
ステップS503にて第2始動口入賞指定コマンドを受信していないと判定されたときには(ステップS503;No)、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドといった、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS515)。このとき、演出制御用CPU120は、変動開始コマンドを受信したと判定すれば(ステップS515;Yes)、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた変動開始コマンド受信フラグをオン状態にセットした後に(ステップS516)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS515にて変動開始コマンドを受信していないと判定されたときには(ステップS515;No)、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS519)。このとき、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドを受信したと判定すると(ステップS519;Yes)、変動パターン指定コマンドからEXTデータを抽出した後に、抽出されたEXTデータを変動パターン変数に保存した後に(ステップS520)、コマンド解析処理の実行を終了する。
ステップS515にて変動パターン指定コマンドを受信していないと判定されたときには(ステップS519;No)、主基板11から中継基板15を介して受信した他のコマンドに応じた設定を行ってから(ステップS521)、コマンド解析処理を終了する。
図27は、図25のステップS406にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、例えば演出制御フラグ設定部191に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS160〜S165の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS160の飾り図柄変動開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動開始待ち処理には、主基板11から伝送される変動開始コマンドとして、第1変動開始コマンドと第2変動開始コマンドのいずれかを受信したか否かに応じて、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける飾り図柄の可変表示を、開始するか否かの判定を行う処理などが含まれている。このとき、可変表示を開始する旨の判定がなされたことに対応して、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS161の飾り図柄変動設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動設定処理には、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの開始や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの開始に対応して、飾り図柄の可変表示を含めた各種の演出動作を行うために、変動パターンや可変表示結果などに応じて、最終停止図柄となる確定飾り図柄や、仮停止図柄、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とする場合にはリーチ状態、飾り図柄の再変動表示を行う場合には再変動タイミング、特別演出を行う場合には増加リーチ図柄等を決定する処理などが含まれている。また、飾り図柄変動設定処理では、これらの決定結果に基づいて、例えば図柄変動制御パターンといった、各種の演出制御パターンが設定される。こうした決定や設定などが行われた後には、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS162の飾り図柄変動中処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動中処理には、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)に対応して、図柄変動制御パターンなどから各種の制御データを読み出して、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。こうした演出制御を行った後、例えば図柄変動制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される飾り図柄停止コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。図柄変動制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS163の飾り図柄変動終了時処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この飾り図柄変動終了時処理には、主基板11から伝送される当り開始指定コマンドを受信したか否かを判定する処理が含まれている。このとき、当り開始指定コマンドを受信した旨の判定がなされれば、その当り開始指定コマンドから特定される特図表示結果が「大当り」であるときに、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される。また、当り開始指定コマンドを受信せずに所定時間が経過したときには、可変表示結果が「ハズレ」であることに対応して、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS164の大当り制御中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り制御中演出処理には、例えば可変表示結果が「大当り」となったことなどに対応した当り時演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出動作を制御する処理が含まれている。そして、例えば主基板11から伝送される当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS165のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理には、大当り遊技状態が終了することなどに対応した当り時演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了に対応した各種の演出動作を制御する処理が含まれている。そして、こうした演出動作が終了したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図28は、図27のステップS161にて実行される飾り図柄変動設定処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す飾り図柄変動設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、最終停止図柄決定処理を実行する(ステップS551)。
図29は、ステップS551にて実行される最終停止図柄決定処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す最終停止図柄決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS751)。
ステップS751にて特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされれば(YES)、例えば変動パターン変数に保存されたEXTデータ(つまり、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータ)を読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS752)。
ステップS752にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(YES)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定してから(ステップS753)、最終停止図柄決定処理を終了する。一例として、ステップS753の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示画面における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示画面における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示画面における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
前記ステップS751にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(NO)、図41(a)に示す大当り用のリーチ図柄決定テーブルで設定されている決定率に従って、リーチ図柄を決定する(ステップS754)。このテーブルでは、リーチ図柄として、「7」図柄が40%,「3」図柄が30%,「5」「6」「8」「9」図柄が20%,「1」「2」「4」図柄が10%の割合で決定されるように設定されている。即ち「7」図柄のリーチは、他の図柄のリーチよりも大当りの発生割合が高く、また「3」図柄のリーチは、「1」「2」「4」「5」「6「「8」「9」図柄のリーチよりも大当りの発生割合が高い。
前記ステップS752にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(NO)、図41(b)に示すハズレ用のリーチ図柄決定テーブルで設定されている決定率に従って、リーチ図柄を決定する(ステップS755)。このテーブルでは、リーチ図柄として、「7」図柄が10%,「3」図柄が20%,「5」「6」「8」「9」図柄が30%,「1」「2」「4」図柄が40%の割合で決定されるように設定されている。
前記ステップS751又はステップS752でリーチ図柄を決定したら、図42に示すリーチ図柄毎の特別演出実行割合テーブルで設定されている実行割合に従って、図44に示す特別演出A(リーチ図柄を含むトリプルリーチへの変化)を実行するか否かを決定し(ステップS756)、特別演出Aを実行すると決定したならば(YES)、図43に示すリーチ図柄毎の増加リーチ図柄パターンテーブルに従って、トリプルリーチの図柄と最終停止図柄を決定し(ステップS757)、特別演出実行フラグをONにして(ステップS760)、最終停止図柄決定処理を終了する。
この特別演出実行フラグがONされることにより、後述する図34に示すS565aやS591aの特別演出処理で、図44に示す特別演出Aが実行される。例えば当初リーチ図柄が「6」の場合には(B)、大当りならば50%の割合で「6」「7」「8」のトリプルリーチ(即ち激熱図柄の「7」を含むトリプルリーチ)に変化して、いずれかのリーチ図柄が中図柄に停止して大当りとなる。なお激熱図柄の「7」を含むトリプルリーチに変化しても、該「7」で大当りになるとは限らない。一方、ハズレならば20%の割合で「4」「5」「6」のトリプルリーチ(即ち激熱図柄の「7」を含まないトリプルリーチ)に変化して、該リーチ図柄以外が中図柄に停止してハズレとなる。
これによれば、大当りに制御される割合がリーチ図柄によって異なる遊技機において(図41)、該リーチ図柄の数を増加させる特別演出を実行する際に、増加させる図柄に対してもリーチ状態となった際の大当り信頼度を担保できるので、遊技者が混乱するおそれを低減できる。
前記ステップS756で特別演出Aを実行しないと決定したならば(NO)、図42に示すリーチ図柄毎の特別演出実行割合テーブルで設定されている実行割合に従って、図44に示す特別演出B(リーチ図柄を含まないトリプルリーチへの変化)を実行するか否かを決定し(ステップS758)、特別演出Bを実行すると決定したならば(YES)、図43に示すリーチ図柄毎の増加リーチ図柄パターンテーブルに従って、トリプルリーチの図柄と最終停止図柄を決定し(ステップS759)、特別演出実行フラグをONにして(ステップS760)、最終停止図柄決定処理を終了する。
この特別演出実行フラグがONされることにより、後述する図34に示すS565aやS591aの特別演出処理で、図45に示す特別演出Bが実行される。例えば当初リーチ図柄が「6」の場合には(B)、「3」「4」「5」のトリプルリーチに変化して、大当りならばいずれかのリーチ図柄が中図柄に停止して大当りとなる一方、ハズレならばリーチ図柄及び当初リーチ図柄以外(本例では「7」)が中図柄に停止してハズレとなる。
このようにするために、ステップS759では、ハズレの場合において、特別演出Bを実行した後に最終停止する中図柄が消去した当初リーチ図柄以外となるような禁則処理を行う。これによれば、特別数(ここでは3)の図柄を増加させると共に当初リーチ図柄を消去する特別演出Bを実行した場合には、最終停止する中図柄が前記消去した当初リーチ図柄以外となるような禁則処理を実行するので、大当りにならなくても、該特別演出Bが実行されたことによって大当りに制御されなかったという残念感を遊技者に与えてしまうことを防止できる。
図28のステップS551にて以上のような最終停止図柄決定処理を実行した後には、繰返演出設定処理を実行する(ステップS552)。
図30は、ステップS552にて実行される繰返演出設定処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す繰返演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、図26のステップS520で値を設定された変動パターン変数の値(つまり、変動パターン指定コマンドのEXTデータ)に対応付けられた変動パターンを表す情報をROM121から検索した後に、検索された情報で表される変動パターンの再変動回数を特定する(ステップS760)。次に、演出制御用CPU120は、再変動回数が’0’より大きいか否か(つまり、擬似連変動を行うことで、例えば、繰返演出を実行するか否か)を判別する(ステップS761)。このとき、演出制御用CPU120は、再変動回数が’0’より多いと判別すると(ステップS761;Yes)、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される再変動タイミング決定用の乱数値SR1を示す数値データを抽出する(ステップS762)。次に、演出制御用CPU120は、抽出された乱数値SR1を示す数値データと、変動パターン変数に基づいて特定された変動パターンとに基づき、図13の再変動タイミング決定テーブル145Aを参照することにより、1回目の再変動タイミング(つまり、第1再変動タイミング)を決定する(ステップS763)。
次に、演出制御用CPU120は、ステップS763で決定された第1再変動タイミングは、図14に示すようなタイミングAであるか否かを判別する(ステップS764)。このとき、演出制御用CPU120は、第1再変動タイミングがタイミングAであると判別すると(ステップS764;Yes)、「左」の飾り図柄表示エリア5Lにおける1回目の仮停止において表示される仮停止図柄(以下、第1左仮停止図柄という)を決定する(ステップS765)。一例として、ステップS765の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左仮停止図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左仮停止図柄決定テーブルを参照することなどにより、仮停止図柄のうち画像表示装置5の表示画面における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左仮停止図柄を決定する。
ステップS764において、演出制御用CPU120は、第1再変動タイミングがタイミングAでないと判別すると(ステップS764;No)、ステップS763で決定された第1再変動タイミングは、図14に示すようなタイミングNであるか否かを判別する(ステップS766)。このとき、演出制御用CPU120は、第1再変動タイミングがタイミングNであると判別すると(ステップS766;Yes)、擬似連チャンス目のいずれかを構成する、1回目の仮停止において表示される仮停止図柄を決定する(ステップS767)。一例として、ステップS767の処理では、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される擬似連チャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の擬似連チャンス目決定テーブルを参照することなどにより、仮停止表示されて擬似連チャンス目のいずれかを構成する仮停止図柄を決定すればよい。その後、演出制御用CPU120は、ステップS767で決定された擬似連チャンス目を、「左」、「中」、及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、及び5Rにおける第1仮停止図柄とする(ステップS768)。
ステップS766において、演出制御用CPU120は、第1再変動タイミングがタイミングNでないと判別すると(ステップS766;No)、ステップS763で決定された第1再変動タイミングは、図14に示すようなタイミングB又はタイミングCであると判別する。次に、演出制御用CPU120は、ステップS765と同様に、第1左仮停止図柄を決定する(ステップS769)。その後、演出制御用CPU120は、決定された第1左仮停止図柄と同じ図柄に、「右」の飾り図柄表示エリア5Rにおける1回目の仮停止において表示される仮停止図柄(以下、第1右仮停止図柄という)を決定することで、リーチ状態を決定する(ステップS770)。
ステップS765、ステップS768、又はステップS770を実行した後に、演出制御用CPU120は、ステップS760で特定された再変動回数が2回であるか否かを判別する(ステップS771)。このとき、演出制御用CPU120は、再変動回数が2回であると判別すると(ステップS771;Yes)、2回目の再変動タイミング(以下、第2再変動タイミングという)をタイミングNに決定する(ステップS772)。その後、演出制御用CPU120は、ステップS767と同様の処理により、疑似連チャンス目を決定する(ステップS773)。その後、演出制御用CPU120は、決定された疑似連チャンス目を第2仮停止図柄とする(ステップS774)。
ステップS761において、再変動回数が’0’であると判別した場合(ステップS761;No)、ステップS771において、再変動回数が2回でない(つまり、1回である)と判別した場合、又はステップS774を実行した後に、演出制御用CPU120は、変動中フラグをオフ状態として初期化した後に(ステップS775)、繋表示中フラグをオフ状態として初期化した後に(ステップS776)、繰返演出設定処理の実行を終了する。なお、変動中フラグは、飾り図柄の変動表示が開始されることに対応してオン状態にセットされる一方で、飾り図柄の変動表示が終了されることに対応してオフ状態にセットされる。また、繋表示中フラグは、繋表示動作の実行が開始されることに対応してオン状態にセットされ、繋表示動作が終了することに対応してオフ状態にセットされる。
尚、繋表示動作は、第1可変表示動作と第2可変表示動作又は最終可変表示動作とを繋ぐ表示動作をいう。本実施形態において、繋表示動作は、第1可変表示動作の終了後から、第2可変表示動作又は最終可変表示動作の開始(勿論、連続演出タイマの値で定まる途中段階からの開始を含む)までの間に実行される。これに対して後述するような、第2可変表示動作又は最終可変表示動作が内部的に実行開始される実施形態において、繋表示動作は、第1可変表示動作の終了後から、内部的に実行が開始されている第2可変表示動作又は最終可変表示動作への表示切換までの間に実行される。この繋表示動作は、「左」の飾り図柄表示エリア5Lのみにおいて仮停止図柄を表示させ、「中」及び「右」の飾り図柄表示エリア5C及び5Rの双方において飾り図柄を可変表示させる当初状態から、「左」の飾り図柄表示エリア5Lのみにおいて飾り図柄の再変動を開始させる(つまり、「左」の飾り図柄表示エリア5Lのみ低速で可変表示が開始され、「中」及び「右」の飾り図柄表示エリア5C及び5Rにおいて高速で可変表示が開始されている)初期段階と、「左」、「中」、及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、及び5Rの全て高速な可変表示を行わせる後期期段階と、に段階分可能である。
本実施形態において、演出制御用CPU120は、ステップS763において、第1再変動タイミングのみを複数のタイミング(つまり、タイミングA、タイミングN、タイミングB、及びタイミングC)から決定し、第2再変動タイミングは、ステップS772において常にタイミングNに決定されるとして説明した。
しかし、これに限定される訳ではなく、例えば、演出制御用CPU120は、ステップS763において、第1再変動タイミング及び第2再変動タイミングの双方を、複数のタイミングから一括して決定する(つまり、第1再変動タイミングと第2再変動タイミングとを同じタイミングに決定する)としても良い。
また、これに限定される訳ではなく、例えば、演出制御用CPU120は、ステップS763において第1再変動タイミングを複数のタイミングから決定した後に、図13の再変動タイミング決定テーブル145Aを用いたステップS763の処理と同等の処理を実行することで第2再変動タイミングを、第1再変動タイミングとは別個に決定しても良い。
また、本実施形態において、演出制御用CPU120は、第1再変動タイミングを決定した後に第1仮停止図柄を決定するとして説明したが、これに限定されるのではなく、例えば、第1仮停止図柄を決定した後に第1再変動タイミングを決定する構成を採用できる。この構成では、ROM101には、図31に示すような、擬似連ガセであるか否かと乱数値SR1とに基づいて、第1再変動タイミングを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照される再変動タイミング決定テーブル145Bが記憶されている。
ここで、変動パターンが非リーチハズレ変動パターンである(つまり、完全停止時に飾り図柄がリーチ状態とならずにハズレ組合せの最終停止図柄が導出表示される)場合に、擬似連ガセとなる。これに対して、変動パターンがリーチハズレ変動パターン若しくは当り変動パターンである(つまり、完全停止時に飾り図柄がリーチ状態となった後にハズレ組合せの最終停止図柄が導出表示される、又は大当り組合せの最終停止図柄が導出表示される)場合には、擬似連ガセとならない(以下、非擬似連ガセという)。
再変動タイミング決定テーブル145Bは、擬似連ガセに対して、タイミングA(つまり、仮停止時において飾り図柄がリーチ状態となる前のタイミング)にのみ第1再変動タイミングを決定するための決定値が割り当てられている。これに対して、非擬似連ガセに対して、タイミングA、タイミングN、タイミングB、タイミングCのいずれにも第1再変動タイミングを決定するための決定値が割り当てられている。この構成によれば、非リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示される場合には、可変表示状態がリーチ状態となった後のタイミングに再変動タイミングが決定されないため、可変表示状態がリーチ状態となることで特定遊技状態に対する遊技者の期待感を向上させた後に、非リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されることで遊技者を落胆させることを防止できる。
尚、再変動タイミング決定テーブル145Bは、ハズレ変動パターンに対して、タイミングCよりもタイミングBの方が多くの決定値が割り当てられており、タイミングBよりもタイミングNの方が多くの決定値が割り当てられており、タイミングNよりもタイミングAの方が多くの決定値が割り当てられている。これに対して、再変動タイミング決定テーブル145Bは、当り変動パターンに対して、タイミングAよりもタイミングNの方が多くの決定値が割り当てられており、タイミングNよりもタイミングBの方が多くの決定値が割り当てられており、タイミングBよりもタイミングCの方が多くの決定値が割り当てられている。これらの構成によれば、遅いタイミングで再変動表示が開始される程、大当り遊技状態に対する遊技者の期待感をより向上させることができる。
第1仮停止図柄が決定された後に第1再変動タイミングが決定される構成において、演出制御用CPU120は、図32に示すような繰返演出設定処理を実行する。演出制御用CPU120は、図30のステップS761を実行した後に、第1仮停止図柄を決定する(ステップS762A)。一例として、演出制御用CPU120は、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左仮停止図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左仮停止図柄決定テーブルを参照することなどにより、仮停止飾り図柄のうち画像表示装置5の表示画面における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左仮停止飾り図柄を決定する。次に、演出制御用CPU120は、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右仮停止図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右仮停止図柄決定テーブルを参照することなどにより、仮停止飾り図柄のうち画像表示装置5の表示画面における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右仮停止飾り図柄を決定する。さらに、演出制御用CPU120は、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中仮停止図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中仮停止図柄決定テーブルを参照することなどにより、仮停止飾り図柄のうち画像表示装置5の表示画面における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中仮停止飾り図柄を決定する。
ステップS762Aにおいて第1仮停止図柄が決定された後に、演出制御用CPU120は、決定された第1仮停止図柄の右仮停止図柄と左仮停止図柄とが同じ図柄であるか否かと、変動パターンが非リーチハズレ変動パターンであるか否かと、に基づいて、擬似連ガセか否かを判別する(ステップS762B)。その後、演出制御用CPU120は、例えば演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される再変動タイミング決定用の乱数値SR1を示す数値データを抽出する(ステップS762C)。次に、演出制御用CPU120は、抽出された乱数値SR1を示す数値データと、擬似連ガセか否かと、に基づき、図31の再変動タイミング決定テーブル145Bを参照することで、第1再変動タイミングを決定する(ステップS763B)。その後、演出制御用CPU120は、ステップS771の処理から図30に示す処理の実行を継続する。以上で第1仮停止図柄が決定された後に第1再変動タイミングが決定される構成の説明を終了する。
図28のステップS552の処理に続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS556)。そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS557)。このときには、例えば図26のステップ520で設定された変動パターン変数の値に対応した変動パターンに対応した図柄変動制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS558)、飾り図柄変動設定処理を終了する。
図33は、図27のステップS162にて実行される飾り図柄変動中処理の一例を示すフローチャートである。図33に示す飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)してから(ステップS541)、更新後の演出制御プロセスタイマ値を、例えば演出制御パターンにて示される演出制御プロセスタイマ判定値と比較して、いずれかのタイマ判定値と合致したか否かの判定を行う(ステップS542)。そして、いずれのタイマ判定値とも合致しなければ(ステップS542;No)、飾り図柄変動中処理を終了する。
ステップS542にてタイマ判定値と合致した場合には(ステップS542;Yes)、そのタイマ判定値と対応付けて演出制御パターンに格納された各種制御データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、終了コードのいずれか)を読み出す(ステップS543)。ここで、ステップS542の処理で演出制御パターンにて示される複数のタイマ判定値が演出制御プロセスタイマ値と合致した場合には、合致した各々のタイマ判定値と対応付けて格納されている複数の制御データを、ステップS543の処理にて読み出すようにすればよい。そして、ステップS543にて読み出された制御データが終了コードであるか否かの判定を行う(ステップS544)。このとき、終了コードではないと判定されれば(ステップS544;No)、ステップS543にて読み出された制御データに応じた指令や設定を行うための演出制御指令処理を実行してから(ステップS545)、飾り図柄変動中処理を終了する。
ステップS544にて終了コードであると判定された場合には(ステップS544;Yes)、例えば所定のタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定することなどにより、当り開始指定コマンド受信待ち時間の設定を行う(ステップS546)。そして、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄変動終了時処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS547)、飾り図柄変動中処理を終了する。なお、主基板11から演出制御基板12に対して飾り図柄停止コマンドが送信される場合には、ステップS544にて終了コードであると判定されたときに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて例えば飾り図柄の揺れ変動表示を行うように仮停止表示させ、図27に示すステップS163の飾り図柄変動終了時処理にて飾り図柄停止コマンドを受信したことに応答して、飾り図柄を完全停止させればよい。
図34及び図35は、図33のステップS545にて実行される演出制御指令処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御指令処理において、演出制御用CPU120は、まず、図30のステップS760で特定された再変動回数が0回であるか(つまり、「擬似連」の可変表示演出を実行しないか)否かを判別する(ステップS561)。このとき、演出制御用CPU120は、再変動回数が0回である(つまり、擬似連なし)と判別すると(ステップS561;Yes)、変動中フラグがオン状態であるか否かを判別する(ステップS562)。このとき、演出制御用CPU120は、変動中フラグがオフ状態であると判別すると(ステップS562;No)、飾り図柄の変動表示を開始させる(ステップS563)。次に、演出制御用CPU120は、変動中フラグをオン状態とした後に(ステップS564)、演出制御指令処理の実行を終了する。
ステップS562において、演出制御用CPU120は、変動中フラグがオン状態であると判別すると(ステップS562;Yes)、後述する図37に示す特別演出処理を行ってから(ステップS565a)、変動表示の終了タイミングであるか否かを判別する(ステップS565)。このとき、演出制御用CPU120は、変動表示の終了タイミングでないと判別すると(ステップS565;No)、演出制御指令処理の実行を終了する。これに対して、演出制御用CPU120は、変動表示の終了タイミングであると判別すると(ステップS565;Yes)、飾り図柄の変動表示を、図29のステップS755又はステップS754で決定された最終停止図柄で完全停止させる(ステップS566)。その後、演出制御用CPU120は、変動中フラグをオフ状態としてから(ステップS567)、演出制御指令処理の実行を終了する。
ステップS561において、演出制御用CPU120は、再変動回数が0回より多い(つまり、擬似連あり)と判別すると(ステップS561;No)、変動中フラグがオン状態であるか否かを判別する(ステップS568)。このとき、演出制御用CPU120は、変動中フラグがオフ状態であると判別すると(ステップS568;No)、図30のステップS763で決定された第1再変動タイミングを判定するための演出制御プロセスタイマ判定値(以下、第1再変動タイミング値という)、第1タイミングNを判定するための演出制御プロセスタイマ判定値(以下、第1タイミングN値という)、変動表示を終了するタイミングを判定するための演出制御プロセスタイマ判定値などを設定する。また、再変動回数が2回の場合には、演出制御用CPU120は、図30のステップS772で決定された第2再変動タイミングを判定するための演出制御プロセスタイマ判定値(以下、第2再変動タイミング値という)及び第2タイミングN(つまり、第2再変動タイミング)を判定するための演出制御プロセスタイマ判定値(以下、第2再変動タイミング値という)をさらに設定する。さらに、第1可変表示動作が擬似連チャンス目を構成する仮停止図柄で飾り図柄を仮停止させる動作を含む場合には、演出制御用CPU120は、擬似連チャンス目を表示するタイミングを判定するための演出制御プロセスタイマ判定値(以下、チャンス目表示タイミング値という)をさらに設定する。また、第1可変表示動作が飾り図柄の可変表示態様をリーチ状態とした後に画面割れ演出を行う動作を含む場合には、飾り図柄をリーチ状態とするタイミングを判定するための演出制御プロセスタイマ判定値(以下、リーチ状態タイミング値という)と、画面割れ演出を行うタイミングを判定するための演出制御プロセスタイマ判定値(以下、画面割れ演出実行タイミング値という)とをさらに設定する(ステップS569)。その後、演出制御用CPU120は、飾り図柄の変動表示を開始させた後に(ステップS570)、変動中フラグをオン状態としてから(ステップS572)、演出制御指令処理の実行を終了する。
ステップS568において、演出制御用CPU120は、変動中フラグがオン状態であると判別した場合には(ステップS568;Yes)、演出制御プロセスタイマ値が第1タイミングN値であるか否かを判別する(ステップS573)。このとき、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値が第1タイミングN値であると判別すると(ステップS573;Yes)、繋表示中フラグがオン状態であるか否かを判別する(ステップS574)。
ステップS574において、演出制御用CPU120は、繋表示中フラグがオン状態であると判別すると(ステップS574;Yes)、例えば、図15(C)に示すように、繋制御パターンに従った繋表示動作を終了させる。次に、演出制御用CPU120は、再変動回数が1回の場合には、最終制御パターンに従って最終可変表示動作を開始させることで飾り図柄の擬似連変動を開始し、再変動回数が2回の場合には、第2制御パターンに従って第2可変表示動作を開始させることで擬似連変動を開始させる(ステップS575)。その後、演出制御用CPU120は、繋表示中フラグをオフ状態とする(ステップS576)。
ここで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値が第1タイミングN値であると判別した後に(図35のステップS573;Yes)、繋表示中フラグがオン状態であると判別すると(ステップS574;Yes)、例えば、図15(C)に示すように、繋表示動作を終了させるとともに、最終可変表示動作又は第2可変表示動作を開始させる(ステップS575)として説明した。
ここで、第1可変表示動作、第2可変表示動作、最終可変表示動作、及び繋表示動作のいずれにおいても、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにそれぞれ表示される飾り図柄の変動速度は、動作の初期段階(つまり、飾り図柄が変動を開始してから所定時間経過するまでの間)において低速であり、初期段階の後の後期段階において高速である。このため、タイミングNにおいて繋表示動作が後期段階にある場合には、繋表示動作を終了させるとともに、最終可変表示動作又は第2可変表示動作を初期段階から開始させると、繋表示動作における飾り図柄の変動速度と、最終可変表示動作又は第2可変表示動作における飾り図柄の変動速度との相違により、繋表示動作の終了及び最終可変表示動作又は第2可変表示動作の開始を遊技者が認識できてしまう。
よって、ステップS575において、演出制御用CPU120は、タイミングNから所定時間だけ繋表示動作を継続させた後に、後述するステップS580Aに類似した処理を実行することで、タイミングNから所定時間後のタイミングに対応した繋制御パターンデータの制御内容に従って、最終可変表示動作又は第2可変表示動作を後期段階から開始させる。
ステップS574において、演出制御用CPU120は、繋表示中フラグがオフ状態であると判別すると(ステップS574;No)、仮にタイミングNから連続演出を実行した場合における、連続演出の実行時間を計時する連続演出タイマをスタートさせる(ステップS577A)。なお、連続演出タイマのタイマ値は、図33のステップS541において、演出制御プロセスタイマとともに更新されても良い。
ステップS573において、演出制御用CPU120が、演出制御プロセスタイマ値が第1タイミングN値でないと判別した場合(ステップS573;No)、ステップS576を実行した後、又はステップS577Aを実行した後に、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値が第1再変動タイミング値であるか否かを判別する(ステップS578)。このとき、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値が第1再変動タイミング値であると判別すると(ステップS578;Yes)、連続演出タイマがステップS577Aでスタートさせられているか(計時中であるか)否かを判別する(ステップS579A)。
ここで、第1再変動タイミングがタイミングAに決定された場合には、ステップS574の判別において条件式が真(つまり、繋表示中フラグはオン状態)であると判別され(ステップS574;Yes参照)、ステップS579Aの判別において条件式が偽(つまり、連続演出タイマが計時中でない)であると判別される(ステップS579A;No参照)。以下、この理由を説明する。
ステップS574の処理に用いられる繋表示中フラグはオフ状態に初期化される(図30のステップS776参照)。その後、変動表示が開始され(図35のステップS570参照)、タイミングNよりも第1再変動タイミングに決定されたタイミングAの方が先に到来する(ステップS578;Yes参照)。ここで、ステップS579の処理に用いられる連続演出タイマは、仮にタイミングNから連続演出を実行した場合における連続演出の実行時間を計時するタイマである。このため、連続演出タイマは、タイミングAの時点においては計時を行っていない(ステップS579A;No参照)。またこのとき、図15(C)に示すように、第1可変表示動作が終了される。さらに、第2可変表示動作又は最終可変表示動作が開始されるのは現在のタイミングAよりも後のタイミングNであるから、タイミングAからタイミングNまで、これらの動作を繋ぐ繋表示動作が実行され、繋表示中フラグがオン状態に更新される(ステップS581参照)。その後、タイミングNの到来により(ステップS573;Yes参照)、ステップS574の処理で繋表示中フラグがオン状態であると判別され(ステップS574;Yes参照)、繋表示動作が終了された後に、「擬似連」の可変表示演出が開始される(ステップS575参照)。
これに対して、第1再変動タイミングがタイミングN、B、及びCのいずれかに決定された場合には、ステップS574の判別において条件式が偽(つまり、繋表示中フラグはオフ状態)であると判別される(ステップS574;No参照)。以下、第1再変動タイミングがタイミングNに決定された場合を例に挙げて、この理由を説明する。
ステップS574の処理に用いられる繋表示中フラグはオフ状態に初期化された後に(ステップS776参照)、変動表示が開始されてから(ステップS570参照)、タイミングAが到来する。その後、タイミングNが到来し(ステップS573;Yes参照)、初期化状態のままの繋表示中フラグがオフ状態であると判別される(ステップS574;No参照)。このため、繋表示動作に関する処理は実行されない。ここで、連続演出タイマは、仮にタイミングNから連続演出を実行した場合における連続演出の実行時間を計時するタイマであるから、タイミングNの到来によりスタートさせられる(ステップS577A参照)。次に、タイミングNは、第1再変動タイミングであると判別された後に(ステップS578;Yes参照)、連続演出タイマが計測中であると判別され(ステップS579;Yes参照)、連続演出タイマの値で定まる段階の演出から連続演出を開始する(ステップS580A参照)。
ここで、図35に戻り演出制御指令処理の説明を再開する。ステップS579において、連続演出タイマが計時中であると判別すると(ステップS579A;Yes)、演出制御用CPU120は、例えば、図15(B)に示すように、連続演出の最初から連続演出タイマのタイマ値だけ後の演出(つまり、連続演出タイマのタイマ値で定められる最終制御パターンデータ又は第2制御パターンデータの制御内容に従った動作)から連続演出を開始する(ステップS580A)。具体的には、演出制御用CPU120は、再変動回数が1回の場合には、最終制御パターンの先頭アドレスに対して連続演出タイマのタイマ値で定まる値だけシフトしたアドレスを算出し、算出されたアドレスから最終制御パターンの制御内容を順次読み出す。その後、演出制御用CPU120は、読み出された制御内容に従って、最終表示動作の最初の動作からタイマ値で表される時間だけ後の表示動作を順次実行させる。同様に、再変動回数が2回の場合には、演出制御用CPU120は、第2制御パターンの先頭アドレスに対して連続演出タイマのタイマ値で定まる値だけシフトしたアドレスを算出し、算出されたアドレスから第2制御パターンを順次読み出す。その後、演出制御用CPU120は、読み出されたパターンに従って、第2表示動作の最初の動作からタイマ値で表される時間だけ後の動作を順次実行させる。その後、演出制御用CPU120は、演出制御指令処理の実行を終了する。
なお、ステップS580Aにおいて、第1再変動タイミングがタイミングNである場合には、連続演出タイマのタイマ値が値’0’であるため、演出制御用CPU120は、最初の動作から最終表示動作又は第2表示動作を開始させることで、最初から連続演出を開始させる。
ステップS579Aにおいて、連続演出タイマが計時中でないと判別すると(ステップS579A;No)、演出制御用CPU120は、図15(C)に示すように、第1可変表示動作を終了させた後に、繋制御パターンに従って繋表示動作を開始させることで繋演出を実行させる(ステップS581)。その後、演出制御用CPU120は、繋表示中フラグをオン状態にセットした後に(ステップS582)、演出制御指令処理の実行を終了する。
ステップS578において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値が第1再変動タイミング値でないと判別すると(ステップS578;No)、図34に戻り、演出制御プロセスタイマ値が、リーチ状態タイミング値であるか否かを判別する(ステップS583)。このとき、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値がリーチ状態タイミング値であると判別すると(ステップS583;Yes)、「左」の飾り図柄表示エリア5Lにおいて図30のステップS769で決定された第1左仮停止図柄で飾り図柄を仮停止させた後に、「右」の飾り図柄表示エリア5Rにおいて図30のステップS770で決定された第1右仮停止図柄で飾り図柄を仮停止させることでリーチ状態とする(ステップS584)。その後、演出制御用CPU120は、演出制御指令処理の実行を終了する。
ステップS583において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値がリーチ状態タイミング値でないと判別すると(ステップS583;No)、演出制御プロセスタイマ値が画面割れ演出実行タイミング値であるか否かを判別する(ステップS585)。このとき、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値が画面割れ演出実行タイミング値であると判別すると(ステップS585;Yes)、第1制御パターンに従って画面割れ演出の実行を開始する(ステップS586)。その後、演出制御用CPU120は、演出制御指令処理の実行を終了する。
ステップS585において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値が画面割れ演出実行タイミング値でないと判別すると(ステップS585;No)、タイマ値がチャンス目表示タイミング値であるか否かを判別する(ステップS587)。このとき、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値がチャンス目表示タイミング値であると判別すると(ステップS587;Yes)、第1制御パターンに従って、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄を、図30のステップS768で決定された擬似連チャンス目で仮停止させる(ステップS588)。その後、演出制御用CPU120は、演出制御指令処理の実行を終了する。
ステップS587において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値がチャンス目表示タイミング値でないと判別すると(ステップS587;No)、演出制御プロセスタイマ値が第2再変動タイミング値であるか否かを判別する(ステップS589)。尚、再変動回数が2回でない場合には、この判別結果は常に偽になる。このとき、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値が第2再変動タイミング値であると判別すると(ステップS589;Yes)、最終制御パターンに従って最終表示動作の実行を開始させることで、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の2回目の再変動を開始する(ステップS590)。その後、演出制御用CPU120は、演出制御指令処理の実行を終了する。
ステップS589において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値が第2再変動タイミング値でないと判別すると(ステップS589;No)、後述する図37に示す特別演出処理を行ってから(ステップS591a)、リーチ演出の開始タイミングであるか否かを判別する(ステップS591)。リーチ演出の開始タイミングは、リーチ変動パターンに対応した最終制御パターンに設定されており、演出制御用CPU120は、これらの最終制御パターンに従って最終可変表示動作を実行することで、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L及び5Rの双方において同じ最終停止図柄を確定停止させることでリーチ状態とし、リーチ演出が実行される(ステップS592)。その後、演出制御用CPU120は、演出制御指令処理を終了する。
ステップS591において、演出制御用CPU120は、リーチ演出の開始タイミングでないと判別すると(ステップS591;No)、リーチ演出の終了タイミングであるか否かを判別する(ステップS593)。リーチ演出の終了タイミングは、最終制御パターンに設定されており、演出制御用CPU120は、最終制御パターンに従って最終可変表示動作を実行することで、リーチ演出を終了させる(ステップS594)。その後、演出制御用CPU120は、演出制御指令処理を終了する。
ステップS593において、演出制御用CPU120は、リーチ演出の開始タイミングでないと判別すると(ステップS593;No)、演出制御プロセスタイマ値が変動表示の終了タイミングを判別するための判別値であるか否かを判別する(ステップS595)。このとき、演出制御用CPU120は、タイマ値が変動表示の終了タイミングを判別するための判別値でないと判別すると(ステップS595;No)、演出制御指令処理の実行を終了する。これに対して、演出制御用CPU120は、タイマ値が変動表示の終了タイミングを判別するための判別値であると判別すると(ステップS595;Yes)、ステップS566及びステップS567に相当する処理を順に実行した後に(ステップS596及びステップS597)、演出制御指令処理の実行を終了する。
尚、ステップS565又はステップS595の判定処理で、それぞれの判定条件のいずれも成立しないと判別された場合(ステップS565;No又はステップS595;No)であっても、ステップS543で読み出された各種制御データに応じた画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作などが実行されている。
本実施形態において、再変動タイミングがタイミングB又はタイミングCである場合には、演出制御用CPU120は、ステップS580Aにおいて、再変動タイミングよりも前のタイミングNにおいて計時をスタートさせられた連続演出タイマの値で定められる演出から連続演出を開始するとして説明した。しかし、これに限定される訳ではなく、例えば、再変動タイミングがタイミングB又はタイミングCである場合には、演出制御用CPU120は、タイミングNで内部的に実行を開始された最終可変表示動作又は第2可変表示動作へ、画像表示装置5の表示動作を切り替えることで、連続演出を途中の演出から開始する構成を採用できる。
なお、演出制御用CPU120が内部的に最終可変表示動作又は第2可変表示動作を実行させるとは、例えば、第1制御パターンデータを読み込み、読み込まれたデータで表される制御内容に従って画像表示装置5の表示を制御する処理(以下、通常処理という)が実行されるプロセス又はスレッドとは異なるプロセス又はスレッドを生成した後に、生成されたプロセス又はスレッドにおいて、最終制御パターンデータ又は第2制御パターンデータの読み込みを開始するが、読み込まれたデータで表される制御内容に従って画像表示装置5の表示に対する制御を行わない処理(以下、内部処理という)を演出制御用CPU120が実行することをいう。
この内部処理を実行する構成において、演出制御用CPU120は、図35のステップS574において、繋表示中フラグがオフ状態であると判別すると(ステップS574;No)、第1可変表示動作の次に実行される最終可変表示動作又は第2可変表示動作(以下、次の変表示動作という)の実行を内部的に開始する(図36のステップS577B)。次に、実行されている内部処理の数を計数する内部処理カウンタの値を値’1’だけインクリメントする(ステップS577C)。その後、演出制御用CPU120は、ステップS578から図35に示された処理を継続実行する。なお、内部処理カウンタは、図30の繰返演出設定処理において値’0’が代入されることで初期化される。
さらに、上記の内部処理を実行する構成において、図35のステップS578において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値が第1再変動タイミング値であると判別すると(ステップS578;Yes)、内部処理カウンタの値が’0’より大きいか否か(つまり、内部処理が実行されているか否か)を判別する(ステップS579B)。このとき、演出制御用CPU120は、内部処理カウンタの値が’0’である(つまり、内部処理が実行されていない)と判別すると(ステップS579B;No)、図35のステップS581及びステップS582の処理を順に実行した後に、演出制御指令処理の実行を終了する。これに対して、演出制御用CPU120は、内部処理カウンタの値が’0’より大きい(つまり、内部処理が実行されている)と判別すると(ステップS579B;Yes)、画像表示装置5の表示動作を、内部で実行されている可変表示動作に切替えることで、飾り図柄の再変動を実行させる(ステップS580B)。つまり、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の表示を制御する処理を、ステップS580Bの実行前における通常処理から、ステップS580Bの実行前における内部処理へと切り替える。その後、演出制御用CPU120は、内部処理カウンタを値’1’だけデクリメントした後に(ステップS580C)、演出制御指令処理の実行を終了する。
図37は、図33のステップS565a及びステップS591aにて実行される特別演出処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御指令処理において、演出制御用CPU120は、まずステップS601で、特別演出実行中フラグがオン状態であるか否かを判定する。ここで特別演出実行中フラグは、後述するステップS606で特別演出の実行が開始されるとオンされるフラグである。このステップS601で特別演出実行中フラグがオン状態である(YES)と判定した場合には、ステップS602で、特別演出の終了タイミングであるか否かを判定する。このステップS602で特別演出の終了タイミングである(YES)と判定した場合には、ステップS603で、特別演出実行中フラグをオフにして、特別演出処理を終了する。
一方、ステップS601で特別演出実行中フラグがオフ状態である(NO)と判定した場合には、ステップS604で、特別演出実行フラグがオン状態であるか否かを判定する。ここで特別演出実行フラグは、特別演出を実行すると決定した際に、前記図29のステップS759でオンされるフラグである。このステップS604で特別演出実行フラグがオフ状態である(NO)と判定した場合には、特別演出処理を終了する。一方、ステップS604で特別演出実行フラグがオン状態である(YES)と判定した場合には、ステップS605で、特別演出の実行タイミングであるか否かを判定する。ここで特別演出の実行タイミングは、変化前飾り図柄でリーチ状態となってから所定期間経過後の、予め定められた任意のタイミングである。このステップS605で特別演出の実行タイミングでない(NO)と判定した場合には、特別演出処理を終了する。
一方、ステップS605で特別演出の実行タイミングである(YES)と判定した場合には、ステップS606で、特別演出の実行を開始して、変化前飾り図柄を変化後飾り図柄に変化させ、ステップS607で、特別演出実行フラグをオフにし、ステップS608で、特別演出実行中フラグをオンにして、特別演出処理を終了する。
次に、パチンコ遊技機1において実行される各種の演出動作の具体例について図38から図40を参照して説明する。図38は、再変動回数が1回の当り変動パターンに従って、タイミングB又はタイミングCにおいて再変動が実行される場合における演出動作の一例を表す図である。
例えば、図38(A)に示すように、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の変動が開始された後、図38(B)に示すように、「左」の飾り図柄表示エリア5Lにて飾り図柄の仮停止が行われる。次に、図38(C)に示すように、「右」の飾り図柄表示エリア5Rにて、「左」の飾り図柄表示エリア5Lと同じ図柄で飾り図柄の仮停止が行われることでリーチ状態とされる。その後、図38(D)に示すように、画像表示装置5の表示領域に、当該表示領域が割れたような画像を表示する画面割れ演出が実行される。その後のタイミングB又はタイミングCにおいて、図38(E)に示すように、「左」及び「右」の各飾り図柄表示エリア5L及び5Rの双方にて飾り図柄の1回目の再変動が開始される。この1回目の再変動は、具体的には、本実施形態において、タイミングNに計時を開始した繰返演出タイマのタイマ値によって定まる動作から最終可変表示動作が開始される。つまり、タイミングNに最終可変表示動作を内部的に開始する実施形態においては、予め内部的に開始された最終可変表示動作に表示が切り替えられる(演出を表示する為の制御データが切り替えられる)。尚、本実施形態においては最終可変表示動作を実現する為の制御データに基づく処理として、タイミングNからタイマを更新することにより、タイミングCとなったタイミングで最終可変表示動作を実現する為の制御データのうちのタイマに応じた制御データから演出データを読み出すことにより演出の切り替えを行っているが、処理の方法はこれに限られない。例えば、演出制御用CPU120は、タイミングNの時点からVDPに対してタイミングCまで行う所定の演出に対応した制御指令を出力するとともに、最終可変表示動作に対応する指示も出す様にし、VDPでは両方の演出に対応した演出データをVRAM上に展開して画像の合成を行う。しかし、VDPでは、タイミングCとなるまでは、演出制御用CPU120がタイミングCまで行う所定の演出に対応する画像を描画する(フレームバッファに展開し、実際に表示するのはタイミングCまで行う所定の演出に対応する画像とする)指示を行い、実際に表示される画像はタイミングCまで行われる所定の演出とする。また、VDPでは、タイミングCになったタイミング以降は、最終可変表示動作に対応する演出データのみをVRAM上に展開させ、最終可変表示動作に対応した所定の演出の画像を表示するようにしても良い。その後、図38(F)に示すようにリーチ状態とされてリーチ演出が行われてから、図38(G)に示すように大当り組合せの最終停止図柄が導出表示される。
次に、パチンコ遊技機1において実行される演出動作の他の具体例について図39を参照して説明する。図39は、再変動回数が1回の非リーチハズレ変動パターンに従って、タイミングAで第1再変動が実行される演出動作の一例を表す図である。
例えば、図39(A)に示すように、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の変動が開始された後、図39(B)に示すように、「左」の飾り図柄表示エリア5Lにて飾り図柄の仮停止が行われる。次に、タイミングNよりも前のタイミングAにおいて(つまり、リーチ演出が行われるよりも前のタイミングにおいて)、繋表示動作が実行されることで、図39(C)に示すように、「左」の飾り図柄表示エリア5Lにて飾り図柄の1回目の再変動が開始される。その後、第1タイミングNにおいて繋表示動作が終了されると共に、第2可変表示動作が開始されることで、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の変動が継続される。その後、図39(D)に示すように、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて、非リーチハズレ組合せの最終停止図柄が導出表示される。
この構成によれば、非リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示される場合でも、可変表示状態がリーチ状態となるより前のタイミングAで再変動が行われるため、可変表示状態がリーチ状態となることで遊技者の大当り遊技状態に対する期待感を向上させた後に、非リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されることで遊技者を落胆させてしまうことを防止できる。
次に、パチンコ遊技機1において実行される演出動作の他の具体例について図40を参照して説明する。図40は、再変動回数が2回の当り変動パターンに従ってタイミングAで再変動表示が実行される演出動作の一例を表す図である。
例えば、図40(A)から図40(F)に示すように、図39(A)から図39(F)を参照して説明した演出動作が実行される。つまり、図39(A)に示すように、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の変動が開始された後、図40(B)に示すように、「左」の飾り図柄表示エリア5Lにて飾り図柄の仮停止が行われる。次に、タイミングAにおいて、図40(C)に示すように、「左」の飾り図柄表示エリア5Lにて飾り図柄の1回目の再変動が開始される。その後、図40(D)に示すように、「左」の飾り図柄表示エリア5L及び「右」の飾り図柄表示エリア5Rにて飾り図柄の仮停止が順次行われる。その後、図40(E)に示すように、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて飾り図柄の仮停止が行われることで、擬似連チャンス目の飾り図柄が仮停止される。その後、図40(F)に示すように、2回目のタイミングNにおいて、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の再変動が開始された後に、図39(G)に示すように、「左」の飾り図柄表示エリア5L及び「右」の飾り図柄表示エリア5Rにて飾り図柄の仮停止が順次行われることでリーチ状態とされるが行われる。その後、図39(H)に示すように、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて、大当り組合せの最終停止図柄が導出表示される。
以上説明したように、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1によれば、識別情報の可変表示態様としてリーチ演出を実行しないと決定された場合、所定の演出を繰返すタイミングとして、リーチ状態となった後のタイミングを決定しないため、リーチ状態となることで特定遊技状態に対する遊技者の期待感を向上させた後に、識別情報の可変表示態様としてリーチ演出を実行しないことで遊技者を落胆させることを防止できる。
また、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、所定の演出を繰返すタイミングが遅くなるほど、特定遊技状態に対する期待感を向上させることができる。
また、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、所定の演出を繰返すタイミングをリーチ状態となった後の第1タイミングに決定した場合であっても第1タイミングよりも所定時間前の第2タイミングに決定した場合であっても、次に実行される所定の演出を実行するための所定の処理を第2タイミングから開始するため、繰返演出の制御に用いられるデータについて、所定の演出を繰返すタイミングが第1タイミングであるデータと、所定の演出を繰返すタイミングが第2タイミングであるデータとの2つのデータを記憶する必要がない。また、所定の演出を繰返すタイミングに基づいて繰返演出の制御に用いられるデータを検索する必要がない。このため、所定の演出実行開始するための制御負荷及びデータ量の増加を軽減できる。また、このような構成によれば、所定の演出の開始タイミングを第2タイミングだけでなく第1タイミングにも決定できるため、開始タイミングが第2タイミングのみである場合と比べて多いタイミングで、所定の演出が繰り返されることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
また、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、第2タイミングは、識別情報の可変表示の開始時刻から所定の時間だけ後のタイミングであるため、所定の演出を繰り返すタイミングを第1タイミングに決定した場合であっても第2タイミングに決定した場合であっても、可変表示の開始時刻から所定の時間だけ後のタイミングで所定の処理の実行を繰り返すことができる。このため、所定の処理を実行開始するための制御負荷及びデータ量の増加を軽減できるので、所定の演出を繰り返すための制御負荷及びデータ量の増加を軽減できる。
上記実施の形態において説明した擬似連変動は、飾り図柄が仮停止表示された後に再変動表示されるものに限定されるのではなく、例えば、タイミングAにおいて、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5C、5Rで開始される擬似連変動のように、飾り図柄を仮停止表示させることなく再変動表示を行うものも含む。
ここで、遊技機1は、例えば、可変表示状態がリーチ状態などの特定態様となった後のタイミングB又はタイミングCに、擬似連再変動を行うとして説明した。ここで、遊技機1は、可変表示状態がリーチ状態となった後に、大当り期待度がそれぞれ異なる第1リーチ演出(後述するスーパーリーチAなど)と第2リーチ演出(後述するスーパーリーチCなど)とを含む複数のリーチ演出を実行し、大当り期待度が低い第1リーチ演出が開始された場合であっても、その後再度可変表示が開始し直されて、大当り期待度の高い第2リーチ演出が実行される場合があるとしても良い。
このようなリーチ演出を発展させる遊技機1について以下説明する。このリーチ演出を発展させる遊技機1が行う擬似連再変動は、飾り図柄の可変表示態様がリーチ状態となった後にのみ実行される。また、遊技機1に予め設定されているリーチ演出は、スーパーリーチA、スーパーリーチB、及びスーパーリーチCを含む。この実施の形態における飾り図柄の変動パターンには、図5の変動パターンに加えて、可変表示結果が「ハズレ」でスーパーリーチを伴うリーチ変動パターンが含まれている。つまり、この変動パターンが、図9(B)のハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常用)に対して追加されており、この追加された変動パターンに対して決定変数MR3が割り当てられている。同様に、この実施の形態における飾り図柄の変動種別パターンには、可変表示結果が「ハズレ」でスーパーリーチの可変表示態様に対応した変動パターン種別が予め用意されている。つまり、この変動パターン種別が、図10(A)ハズレ変動パターン決定テーブルに追加されており、この追加された変動パターン種別に対して決定変数MR4が割り当てられている。
CPU103は、図22のステップS272の処理により、スーパーリーチ(つまり、スーパーリーチAからスーパーリーチCのいずれか)のリーチ演出を実行して最終停止図柄を導出表示するか(つまり、変動パターンを、スーパーリーチを伴うパターンとするか)を決定する。次に、このリーチ演出を発展させる遊技機1のCPU103は、擬似連変動決定用の乱数値を示す数値データに基づき、ROM101に予め記憶された擬似連変動決定テーブルを参照することで、擬似連変動の有無及び再変動回数を決定する。このとき、CPU103が、擬似連変動ありと決定すると、演出制御用CPU120は、図30のステップS763の処理により、第1再変動タイミングを決定する。
ステップS763で、第1再変動タイミングがスーパーリーチのリーチ演出の実行される期間に含まれるタイミングB又はタイミングCに決定されると(ステップS766;No参照)、演出制御用CPU120は、ステップS769及びS770の処理により第1右仮停止図柄と第1左仮停止図柄とを同じ図柄とする。次に、演出制御用CPU120は、第1再変動タイミングが到来すると(図34のステップS583;Yes参照)、ステップS584の処理により、可変表示状態を所定のリーチ状態(つまり、特定態様)とする。その後、演出制御用CPU120は、図34のステップS591からS597の処理によって、最終停止図柄の導出にあたって、図22のステップS272で決定されたスーパーリーチを実行して、最終停止図柄を導出表示する。
ここで、この遊技機1は、最終停止図柄が導出表示されるときのリーチ演出を、複数種類のスーパーリーチのうちから遊技者に選択させるリーチ選択演出を実行する。具体的には、この遊技機1のROM121は、リーチ選択演出にて選択可能なスーパーリーチの組合せパターンを複数種類のいずれかに決定するために参照される組合せパターン決定テーブルを記憶している。この組合せパターン決定テーブルには、スーパーリーチAのみからなる組合せ(以下、組合せKP1)に対して、スーパーリーチA、スーパーリーチB、及びスーパーリーチCからなる組合せ(以下、組合せKP2)よりも多くの決定値が、可変表示結果「大当り」に割り当てられている。
このため、遊技機1のCPU103が、図20のステップS243において、乱数値MR1に基づき特図表示結果を大当り図柄と決定した場合には、遊技機1の演出制御用CPU120は、図34のステップS592において実行されるリーチ演出(つまり、最終停止図柄が導出表示されるときのリーチ演出)をスーパーリーチAなどよりもスーパーリーチCなどに決定することが多い。
また、この遊技機1の演出制御用CPU120は、図28の飾り図柄変動設定処理において、組合せパターン決定用の乱数値に基づいて、組合せパターン決定テーブルを参照することで、選択可能なスーパーリーチの組合せパターンを組合せKP1又は組合せKP2に決定する。その後、演出制御用CPU120は、図34の演出制御指令処理において、先ず、図33のステップS543で読み出された演出制御実行データに基づいて、スーパーリーチを伴う飾り図柄の可変表示であるか否かを判定し、スーパーリーチを伴う飾り図柄の可変表示でないと判別すると、図34のステップS561から処理を継続する。
これに対して、演出制御用CPU120は、スーパーリーチを伴う飾り図柄の可変表示であると判別すると、演出制御実行データに基づいて、選択可能なスーパーリーチを画像表示装置5に表示させる。ここで、選択可能なスーパーリーチの組合せパターンが、スーパーリーチAのみで構成される組合せKP1である場合には、スーパーリーチAが実行されることが遊技者にとって判明する。その後、演出制御用CPU120は、操作ダイヤル33に対する遊技者の指示操作又は操作ボタン32に対する遊技者の指示操作に対する検出の有無を操作検出スイッチ31から伝送される操作検出信号などに基づいて検出し、検出された信号に基づいて、組合せKP1又は組合せKP2に決定された組合せパターンから、遊技者によって選択されたスーパーリーチを検出する。
ここで、演出制御用CPU120は、擬似連変動の有無及び再変動回数を、図26のコマンド解析処理において解析する変動パターン指定コマンドによって指定された後に、遊技者が選択可能なスーパーリーチの組合せパターンを決定しても良い。この場合、上記の組合せパターン決定テーブルには、可変表示結果とスーパーリーチの種類と、指定された再変動回数が0回か否か(つまり、擬似連ありか否か)との組合せに対して決定値が割り当てられていても良い。例えば、擬似連ありに対して、スーパーリーチAのみからなる組合せKP1にのみ決定値が割り当てられており、擬似連無しに対して、組合せKP1とスーパーリーチA、スーパーリーチB、及びスーパーリーチCからなる組合せKP2との双方に決定値が割り当てられている。
このような構成によれば、リーチ選択演出にて選択可能なリーチ演出の組合せに応じて、選択されたリーチ演出の開始後に再度識別情報の可変表示が開始し直される割合が異なってくるため、識別情報の可変表示に意外性を与えて、遊技の興趣が向上させることができる。
またこのような構成によれば、大当り期待度が低い第1リーチ演出が開始された場合でも、再度識別情報の可変表示が開始し直される可能性があるため、遊技の興趣が低下することを防止することができる。
その後、演出制御用CPU120は、検出したスーパーリーチのリーチ演出、第1制御パターンデータに基づいて実行する。その後、演出制御用CPU120は、第1再変動タイミングが到来すると、2回目の擬似連変動を実行させた後に、第2制御パターンデータに基づいて改めて可変表示状態をリーチ状態とし、スーパーリーチBを実行させる。その後、第2再変動タイミングが到来すると、2回目の擬似連変動を実行させた後に最終制御パターンデータに基づいて、改めて可変表示状態をリーチ状態としてから、スーパーリーチCを実行して最終停止図柄を導出表示する。
このような構成によれば、識別情報の表示態様が特定態様となった後に、再度識別情報の可変表示が開始し直されるため、識別情報の可変表示に意外性を与えることができる。また、識別情報の表示結果が特定表示結果になる可能性(大当り期待度)が低い第1リーチ演出(スーパーリーチAなど)が開始された場合でも、その後再度識別情報の可変表示が開始し直されて、大当り期待度が高い第2リーチ演出(スーパーリーチCなど)に発展する可能性があるため、識別情報の可変表示に遊技者をより注目させることができる。
また、演出制御用CPU120は、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とする前、または、リーチ状態とした後に、飾り図柄の可変表示結果が最終停止図柄となる可能性を予告する桜柄演出を実行する。この桜柄演出として、予告演出やリーチ演出における演出態様を、通常演出態様(桜柄演出が実行されないときの演出態様)とは異なる特定のデザイン(この実施の形態では桜柄)を使用した特殊演出態様とする演出が実行される。なお、特殊演出態様は、桜柄に限定されず、通常使用されるデザインとは色彩、模様、柄などが異なる特定のデザインとするものであればよい。
具体的には、ROM121には、桜柄演出の有無及び桜柄演出の実行タイミングと可変表示結果とに対して決定値が割り当てられている桜柄演出決定テーブルが記憶されている。ここで、ハズレ組合せの可変表示結果に対しては、桜柄演出の実行無し又はタイミングA(桜柄演出の実行有り)にのみ決定値が割り当てられている。これに対して、非確変大当り図柄の可変表示結果に対しては、桜柄演出の実行無し、タイミングA、及びタイミングBに決定値が割り当てられている。さらに、確変大当り図柄の可変表示結果に対しては、桜柄演出の実行無し、タイミングA、タイミングB、及びタイミングCに決定値が割り当てられている。尚、桜柄演出決定テーブルにおいて、ハズレ組合せの可変表示結果に対しては、桜柄演出の実行無し又は飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる前(桜柄演出の実行有り)にのみ決定値が割り当てられており、非確変大当り図柄の可変表示結果に対しては、桜柄演出の実行無し、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる前のタイミング、及び飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後のタイミングに決定値が割り当てられているとしても良い。さらに、桜柄演出決定テーブルには、桜柄演出の有無及び桜柄演出の実行タイミングと可変表示結果と、さらに擬似連ありか擬似連なしか(つまり、擬似連の有無)、再変動回数、再変動タイミングのいずれか1つ以上とに対して異なる量の決定値が割り当てられていても良い。つまり、擬似連有の有無、再変動回数、及び再変動タイミングのいずれか1つ以上によって、桜柄演出の実行タイミングがリーチ状態となる前のタイミングとリーチ状態となった後のタイミングとで異なる確率で決定されるとして良い。
図28の飾り図柄変動設定処理において、演出制御用CPU120は、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される桜柄演出決定用の乱数値に基づき、桜柄演出決定テーブルを参照することにより、桜柄演出の実行有無及び桜柄演出を実行する場合はその実行タイミングを決定する。
また、桜柄演出が「リーチ前」に実行することに決定された場合、予告演出におけるキャラクタの服の柄が通常演出態様では無地であるが、桜柄演出が実行される場合は桜柄となる。また、桜柄演出が「リーチ後」に実行することに決定された場合、リーチ演出におけるキャラクタの服の柄が通常演出態様では無地であるが、桜柄演出が実行される場合は桜柄となる。
桜柄演出の実行有りと決定された場合に、演出制御用CPU120は、決定した桜柄演出の実行タイミングが到来すると、特殊演出態様に対応した図柄変動制御パターンに従って桜柄演出を実行する。
このような構成によれば、特定のデザインを用いた演出が実行されたときの遊技の進行状況に応じて特定表示結果となる割合を異ならせることができ、遊技者の期待感に抑揚をつけることができ、遊技の興趣が向上する。
尚、桜柄演出は、リーチ状態となる前、リーチ状態となった以後に、それぞれ1回ずつ実行するものとする。例えば、ステップアップ予告や、擬似連変動における予告演出など、リーチ状態となる前に複数回桜柄演出を実行する機会があるものであっても、桜柄演出は1回のみ実行されるようにする。尚、演出制御用CPU120は、「擬似連」の可変表示演出が実行される場合において、再変動前に実行されるステップアップ予告演出を、再変動後に実行されるステップアップ予告演出の演出態様の段階よりも低い段階の演出態様で終了させるようにしても良い。
また、繰り返し実行されるステップアップ動作やキャラクタ表示の予告演出に加え、変動中に1回のみ実行される特別予告演出を実行することができる。このようにすることで、演出が煩わしくなることを防止して、興趣の低下を防止しつつ複数種類の演出を実行できる
リーチ演出を発展させる遊技機1において、擬似連変動は、飾り図柄の可変表示態様がリーチ状態となった後にのみ実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、擬似連変動は、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる前にも実行されるものであってもよい。この場合、左と右の飾り図柄の変動表示が停止した段階で同一種類のものが揃っていれば、可変表示状態がリーチ状態となり、大当り遊技状態の発生を遊技者に期待させるものとなる。もっとも、左と右の飾り図柄の変動表示が停止されるまでにもある程度の時間は消化されるため、未だ何れの飾り図柄の変動表示も停止されていない段階で、左と右の飾り図柄表示領域に停止(疑似連変動の場合は1回目の仮停止)される飾り図柄の種類が(時に、中の飾り図柄表示領域に停止される飾り図柄の種類も)予告されるものとなる。そして、実際に可変表示状態がリーチ状態となることもない場合でリーチ状態とならない種類の飾り図柄を予告する割合は、当該変動表示の変動パターンが疑似連変動であるとことが決定されているときの方が、再変動表示が行われることなく「ハズレ」となるときよりも高くなっている。このため、左と右の飾り図柄表示領域に停止される飾り図柄としてリーチ状態とならない種類の飾り図柄が予告されても、遊技者は、疑似連の変動パターンで再変動表示の後に大当り遊技状態が発生することを十分に期待できるので、遊技者の期待感を減退させることがない。むしろ左と右の飾り図柄表示領域に停止される飾り図柄としてリーチ状態とならない種類の飾り図柄が予告されることは、疑似連変動の信頼度が高いということであり、むしろこれらの発生を遊技者に期待させることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更及び応用が可能である。
上記実施の形態では、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が入賞したかに関わらず、各遊技球の入賞順に従って、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームとが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行するようにしてもよい。
上記実施の形態では、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bを備えたパチンコ遊技機1について説明したが、1つの特別図柄表示装置が設けられたパチンコ遊技機1にも本発明を適用することができる。
上記実施の形態では、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120が、図28に示すステップS551の最終停止図柄決定処理、ステップS552の繰返演出設定処理などを実行することにより、各種演出動作の制御内容を決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば演出動作を制御するために設けられた複数の制御基板にそれぞれ搭載された複数のCPUなどにより、各種演出動作の制御内容を分担して決定するようにしてもよい。
一例として、演出制御基板12と画像表示装置5との間に、表示制御基板を設ける。表示制御基板には、表示制御用CPUと、ROMと、RAMと、乱数回路と、I/Oとが搭載されていればよい。この場合、表示制御基板に搭載された表示制御用CPUが画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行することから、上記実施の形態で演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、表示制御基板に搭載されればよい。表示制御基板では、例えば表示制御用CPUがROMから読み出したプログラムを実行することにより、画像表示装置5における演出画像の表示による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、表示制御用CPUがROMから固定データを読み出す固定データ読出動作や、表示制御用CPUがRAMに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、表示制御用CPUがRAMに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、表示制御用CPUがI/Oを介して表示制御基板の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、表示制御用CPUがI/Oを介して表示制御基板の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
この場合、表示制御用CPUは、例えば演出制御基板12からの表示制御指令や演出制御基板12を介して主基板11から伝送された演出制御コマンドなどに基づき、図28に示すステップS551又はステップS552の処理のいずれかを実行してもよい。なお、表示制御用CPUは、上記実施の形態にて演出制御用CPU120が実行した処理のうち、任意の一部を実行するものであればよい。また、音声制御基板13やランプ制御基板14は、演出制御基板12からの制御指令を伝送する配線により、演出制御基板12と接続されていてもよい。この場合、演出制御基板12では、例えば演出制御用CPU120により、演出動作を統括的に制御するための処理が実行されればよい。
あるいは、音声制御基板13やランプ制御基板14が備える機能を、演出制御基板12に搭載された音声制御回路やランプ制御回路などに備えさせ、音声制御基板13やランプ制御基板14となる独立の制御基板は設けられないようにしてもよい。この場合には、演出制御基板12と画像表示装置5との間に、前述したような表示制御基板を設け、演出制御用CPU120により決定された演出制御パターンなどに応じた表示制御コマンドが、演出制御基板12から表示制御基板に対して伝送されるようにしてもよい。図2に示す構成において、音声制御基板13に搭載されたマイクロコンピュータやランプ制御基板14に搭載されたマイクロコンピュータにより、上記実施の形態にて演出制御用CPU120が実行した処理のうち、任意の一部が実行されるようにしてもよい。このように、演出動作を制御するために複数の制御基板が設けられた場合には、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理、スピーカ8L、8Rにおける音声出力動作の制御内容を決定するための処理、遊技効果ランプ9といった発光体における点灯動作の制御内容を決定するための処理といった、各種の演出動作の制御内容を決定するための処理がそれぞれ、いずれの制御基板で実行されるかの組合せは、任意の組合せであればよい。
上記実施の形態では、いずれの大当り種別に決定された場合でも、大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7の開閉板が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンド遊技が実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる期間(開閉板により大入賞口を開放状態とする期間)が、第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)となるラウンド遊技が実行される大当り種別(突確)があってもよい。また、上記実施の形態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンド遊技の実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となるものとして説明したが、大当り種別が「突確」である場合のラウンド遊技の実行回数は、第1ラウンド数より少ない第2ラウンド数(例えば「2」)としてもよい。さらに、可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて小当り遊技状態に制御され、小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われないようにしてもよい。大当り種別が「突確」となる場合や可変表示結果が「小当り」となる場合に代えて、あるいは、これらの場合に加えて、「突然時短」や「突然通常」となる場合を設けるようにしてもよい。一例として、「突然時短」と「突然通常」は、可変表示結果が「大当り」となる場合における大当り種別に含まれるものとする。この場合、大当り種別決定テーブル131は、変動特図指定バッファ値に応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)を、「突然時短」や「突然非確変」の大当り種別に割り当てるテーブルデータが含まれるように構成されればよい。そして、可変表示結果が「大当り」となる場合に大当り種別が「突然時短」となるときには、大当り種別が「突確」の場合と同様にして、開閉板により大入賞口を開放状態とする期間が、第2期間となるラウンド遊技が第2ラウンド数実行され、その終了後には、大当り種別が「突確」の場合とは異なり時短状態に制御されればよい。他方、可変表示結果が「大当り」となる場合に大当り種別が「突然通常」となるときには、大当り種別が「突確」の場合と同様にして、開閉板により大入賞口を開放状態とする期間が、第2期間となるラウンド遊技が第2ラウンド数実行され、その終了後には、大当り種別が「突確」の場合とは異なり通常状態に制御されればよい。これにより、開閉板により大入賞口を開放状態とする期間が、第2期間となるラウンド遊技が第2ラウンド数実行される大当り遊技状態の終了後に制御される遊技状態に対する遊技者の期待感を高め、遊技興趣を向上させることができる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
上記の実施形態では、図29のステップS756で、実行されるリーチが確変リーチとなるか否かを判定する例について説明したが、これに限らず、例えば出玉の多い大当りとなりうるリーチであるか否かや、時短回数の多い大当りとなりうるリーチであるか否か等、遊技者にとって一番有利な大当りとなりうるリーチであるか否かを判定するものであってもよい。
上記の実施形態では、図29のステップS757に示すように、演出制御用CPU120が、特別演出を実行するか否かを決定する例について説明したが、これに限らず、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が、特別演出を実行するか否かの決定に関与するものであってもよく、この場合には、例えば図5に示す変動パターン及び図6に示す変動パターン種別に、特別演出を実行するものを予め含め、該特別演出を実行する変動パターン指定コマンドが主基板11から演出制御基板12に伝送されたことに基づいて、該特別演出が実行されるように構成すればよい。