JP6326183B1 - 垂直入射音響特性測定装置及び垂直入射音響特性測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温における垂直入射音響特性を効果的に測定できる垂直入射音響特性測定装置及び垂直入射音響特性測定方法を提供する。【解決手段】垂直入射音響特性測定装置は、一方の端部に音源が配置され、管内に測定対象の試験体が配置され、前記音源と前記試験体との間に音圧センサが配置される管本体と、前記管本体の前記音源と前記試験体との間の第一の位置で測定される第一の温度に基づき決定された条件で、前記第一の位置を含む第一の管壁部分を加熱する第一の加熱制御部と、前記管本体の前記音源と前記試験体との間であって前記第一の位置より前記音源に近い第二の位置で測定される第二の温度に基づき決定された条件で、前記第二の位置を含む第二の管壁部分を加熱する第二の加熱制御部とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、垂直入射音響特性測定装置及び垂直入射音響特性測定方法に関する。
非特許文献1には、定在波管として透明石英管を用い、試料が配置された当該透明石英管を環状電気炉で400℃まで加熱して、定在波比法にて、当該試料の垂直入射吸音率を測定したことが記載されている。
日本音響学会誌40巻9号(1984)612−619
しかしながら、高温で垂直入射音響特性を測定する場合、従来の装置及び方法には問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、高温における垂直入射音響特性を効果的に測定できる装置及び方法を提供することをその目的の一つとする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る垂直入射音響特性測定装置は、一方の端部に音源が配置され、管内に測定対象の試験体が配置され、前記音源と前記試験体との間に音圧センサが配置される管本体と、前記管本体の前記音源と前記試験体との間の第一の位置で測定される第一の温度に基づき決定された条件で、前記第一の位置を含む第一の管壁部分を加熱する第一の加熱制御部と、前記管本体の前記音源と前記試験体との間であって前記第一の位置より前記音源に近い第二の位置で測定される第二の温度に基づき決定された条件で、前記第二の位置を含む第二の管壁部分を加熱する第二の加熱制御部と、を含む。本発明によれば、高温における垂直入射音響特性を効果的に測定できる垂直入射音響特性測定装置が提供される。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る垂直入射音響特性測定方法は、一方の端部に音源が配置され、管内に測定対象の試験体が配置され、前記音源と前記試験体との間に音圧センサが配置された管本体を含む装置を準備すること、前記管本体の前記音源と前記試験体との間の第一の位置で測定された第一の温度に基づき決定された条件で、前記第一の位置を含む第一の管壁部分を加熱すること、前記管本体の前記音源と前記試験体との間であって前記第一の位置より前記音源に近い第二の位置で測定された第二の温度に基づき決定された条件で、前記第二の位置を含む第二の管壁部分を加熱すること、加熱された前記管本体の管内に前記音源から前記試験体に向けて音波を放射しながら、前記音圧センサにより前記管内の音圧を測定すること、及び前記音圧センサによる測定結果に基づいて、前記試験体の垂直入射音響特性を評価すること、を含む。本発明によれば、高温における垂直入射音響特性を効果的に測定できる垂直入射音響特性測定方法が提供される。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る垂直入射音響特性測定装置は、一方の端部に音源が配置され、管内に測定対象の試験体が配置され、前記音源と前記試験体との間に音圧センサが配置される管本体と、前記管本体の前記試験体と前記音圧センサとの間に含まれる管壁部分が、対向するヒータにより加熱される場合において、前記音圧センサと前記音源との間の管壁に含まれる、前記ヒータに対向しない非加熱部分からの放熱を促進し、及び/又は前記非加熱部分の熱抵抗を増加させて、前記音源の温度上昇を抑制する昇温抑制部と、を含む。本発明によれば、高温における垂直入射音響特性を効果的に測定できる垂直入射音響特性測定装置が提供される。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る垂直入射音響特性測定方法は、一方の端部に音源が配置され、管内に測定対象の試験体が配置され、前記音源と前記試験体との間に音圧センサが配置された管本体を含む装置を準備すること、前記管本体の前記試験体と前記音圧センサとの間に含まれる管壁部分を、対向するヒータにより加熱すること、加熱された前記管本体の管内に前記音源から前記試験体に向けて音波を放射し、且つ加熱された前記管本体の前記音圧センサと前記音源との間の管壁に含まれる、前記ヒータに対向しない非加熱部分からの放熱を促進し、及び/又は前記非加熱部分の熱抵抗を増加させて、前記音源の温度の上昇を抑制しながら、前記音圧センサにより前記管内の音圧を測定すること、及び前記音圧センサによる測定結果に基づいて、前記試験体の垂直入射音響特性を評価すること、を含む。本発明によれば、高温における垂直入射音響特性を効果的に測定できる垂直入射音響特性測定装置が提供される。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る垂直入射音響特性測定装置は、一方の端部に音源が配置され、管内に測定対象の試験体が配置され、前記音源と前記試験体との間に音圧センサが配置される管本体と、前記管本体の管内に配置された、音波透過性の断熱材と、を含む。本発明によれば、高温における垂直入射音響特性を効果的に測定できる垂直入射音響特性測定装置が提供される。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る垂直入射音響特性測定方法は、一方の端部に音源が配置され、管内に測定対象の試験体が配置され、前記音源と前記試験体との間に音圧センサが配置された管本体と、前記管本体の管内に配置された、音波透過性の断熱材と、を含む装置を準備すること、前記管本体の前記試験体と前記音圧センサとの間に含まれる管壁部分を加熱すること、加熱された前記管本体の管内に前記音源から前記断熱材を介して前記試験体に向けて音波を放射しながら、前記音圧センサにより前記管内の音圧を測定すること、及び前記音圧センサによる測定結果に基づいて、前記試験体の垂直入射音響特性を評価すること、を含む。本発明によれば、高温における垂直入射音響特性を効果的に測定できる垂直入射音響特性測定装置が提供される。
本発明によれば、高温における垂直入射音響特性を効果的に測定できる垂直入射音響特性測定装置及び垂直入射音響特性測定方法が提供さ
れる。
本発明の一実施形態の第一の側面に係る垂直入射音響特性測定装置の一例について、その主な構成を断面視で示す説明図である。 従来の垂直入射音響特性測定装置について、数値シミュレーションを行った結果を示す説明図である。 本発明の一実施形態の第一の側面に係る垂直入射音響特性測定装置の一例について、数値シミュレーションを行った結果を示す説明図である。 本発明の一実施形態の第二の側面に係る垂直入射音響特性測定装置の一例について、その主な構成を断面視で示す説明図である。 本発明の一実施形態の第二の側面に係る垂直入射音響特性測定装置の他の例について、その主な構成を断面視で示す説明図である。 本発明の一実施形態の第二の側面に係る垂直入射音響特性測定装置のさらに他の例について、その主な構成を断面視で示す説明図である。 本発明の一実施形態の第二の側面に係る垂直入射音響特性測定装置のさらに他の例について、その主な構成を断面視で示す説明図である。 本発明の一実施形態の第二の側面に係る垂直入射音響特性測定装置のさらに他の例について、その主な構成を断面視で示す説明図である。 本発明の一実施形態の第三の側面に係る垂直入射音響特性測定装置の一例について、その主な構成を断面視で示す説明図である。 本発明の一実施形態の第三の側面に係る垂直入射音響特性測定装置の一例について、数値シミュレーションを行った結果を示す説明図である。
以下に、本発明の一実施形態に係る垂直入射音響特性測定装置(以下、「本装置」という。)及び垂直入射音響特性測定方法(以下、「本方法」という。)について説明する。なお、本発明は本実施形態で示す例に限られない。
図1〜図10には、本装置の例について、主な構成を断面視で示す。以下、これらの図面を参照しながら、本装置及び本方法について説明する。
まず、本装置1及び本方法の基本的な構成について説明する。本装置1は、一方の端部10aに音源20が配置され、管内10cに測定対象の試験体30が配置され、当該音源20と当該試験体30との間に音圧センサ40が配置される管本体10を含み、当該試験体30の垂直入射音響特性の測定に用いられる。
また、本方法は、一方の端部10aに音源20が配置され、管内10cに測定対象の試験体30が配置され、当該音源20と当該試験体30との間に音圧センサ40が配置された管本体10を含む装置(例えば、本装置1)を準備することを含む、当該試験体30の垂直入射音響特性を測定する方法である。
本装置1及び本方法で測定される垂直入射音響特性は、試験体30に対して音波を垂直に入射して測定される音響特性であれば特に限られず、例えば、垂直入射吸音特性、及び/又は垂直入射遮音特性が挙げられる。
垂直入射吸音特性は、試験体30の吸音性に関する特性であれば特に限られず、例えば、垂直入射吸音率、比音響インピーダンス、複素音圧反射係数、音圧反射率、伝達関数、特性インピーダンス、伝搬定数、実効密度、及び体積弾性率からなる群より選択される1以上が挙げられ、特に、垂直入射吸音率が好ましく測定される。
垂直入射遮音特性は、試験体30の遮音性に関する特性であれば特に限られず、例えば、垂直入射音響透過損失、伝達関数、特性インピーダンス、伝搬定数、実効密度、及び体積弾性率からなる群より選択される1以上が挙げられ、特に、垂直入射音響透過損失が好ましく測定される。
垂直入射音響特性の測定について規格が存在する場合には、当該規格に準拠した方法、又は当該規格に準拠した方法に高温における測定に必要な改変を加えた方法にて、本装置1及び本方法による測定を行うことが好ましい。
上記規格としては、例えば、音響管による吸音率及びインピーダンスの測定に関し、伝達関数法について規定するJIS A1405−2:2007、ISO 10534−2:1998及びASTM E 1050や、定在波比法について規定するJIS A1405−1:2007及びISO 10534−1:1996が挙げられ、垂直入射音響透過損失に関しては、ASTM E 2611が挙げられる。
管本体10は、垂直入射音響特性の測定に用いられ得る管状体であれば特に限られず、例えば、上記規格で規定される特性を備えた管状体(例えば、いわゆる音響管)が好ましく用いられる。
管本体10の断面形状は特に限られないが、例えば、円形又は方形であることが好ましい。本実施形態の図面に示す例では、断面形状が円形の管本体10が用いられている。
管本体10の一方端部10aは開口しており、本装置1及び本方法による測定においては、当該開口を塞ぐように音源20が配置される。これに対し、管本体10の他方の端部10bは閉塞される。本実施形態の図面に示す管本体10は、他方端部10bの長手方向を塞ぐ背板部11aを含んでいる。背板部11aは、垂直入射音響特性の測定において剛端として機能するよう形成されることが好ましい。
本実施形態の図面に示す例において、試験体30は、管本体10の背板部11aの音源20に密着するように配置されているが、必要に応じて、当該試験体30と背板部11aとの間に背後空気層(図示せず)を形成してもよい。
また、例えば、垂直入射遮音特性(例えば、垂直入射音響透過損失)を測定する場合には、試験体30と背板部11aとの間に、当該試験体30を透過してきた音波の音圧を測定するための空間を形成してもよい。この場合、例えば、試験体30と背板部11aとの間において、当該試験体30を挟んで、本実施形態の図面に示す第一の音圧センサ41と対称の位置、及び第二の音圧センサ42と対称の位置で音圧の測定を行う。このため、本装置1は、試験体30と背板部11aとの間に、さらに音圧センサ(図示せず)を追加的に配置してもよい。この場合、追加した音圧センサと背板部11aとの間に吸音材(図示せず)を配置してもよい。
管本体10は、管内10cに試験体30を保持するための試験体保持部10dを含んでもよい。試験体保持部10dは、試験体30の保持に適した部材であれば特に限られないが、上記規格で規定されるもの(例えば、JIS A1405−2:2007やJIS A1405−1:2007で規定される試験体ホルダ)が好ましい。試験体保持部10dは、例えば、管本体10の他方端部10bを構成し、又は管本体10の一方端部10aと他方端部10bとの間の中途部分を構成する管状体である。本実施形態の図面に示す例において、管本体10の他方端部10bは、管状の部材である試験体保持部10dを含んでいる。そして、試験体保持部10dは、その長手方向端を塞ぐ剛端である背板部11aを含んでいる。
音源20は、垂直入射音響特性の測定に適した音波を、管本体10の一方端部10aから管内10cに放射できる機器であれば特に限られず、例えば、上記規格で規定されるスピーカが好ましく用いられる。本実施形態の図面に示す例では、音源20としてコーン形スピーカが用いられている。
音源20は、測定法に応じた音波を放射する。すなわち、例えば、伝達関数法による測定においては、音源20は、試験体30と音圧センサ40との間の管内10cに平面波音場を形成するための広帯域雑音を放射する。また、定在波比法による測定においては、音源20は、純音を放射する。
本装置1及び本方法による測定においては、管本体10の音源20と試験体30との間に音圧センサ40が配置される。音圧センサ40は、管内10cの音圧を測定できる機器であれば特に限られず、例えば、上記規格で規定されるマイクロホンが好ましく用いられる。マイクロホンとしては、プローブマイクロホンを用いてもよい。
本実施形態の図面に示す例においては、管本体10の音源20と試験体30との間の管壁11に配置された第一の音圧センサ41と、当該管本体10の長手方向において当該第一の音圧センサ41から音源20側に所定距離だけ離れて配置された第二の音圧センサ42とが用いられている。
具体的に、図示される音圧センサ41,42としては、ダイアフラムを含むマイクロホン本体41a,42aと、当該マイクロホン本体41a,42aに接続されたプローブ管41b,42bとを含むプローブマイクロホンが用いられている。
音圧センサ40の数や配置は、測定法に応じて適宜設定される。すなわち、本実施形態の図面に示す例では、第一の音圧センサ41及び第二の音圧センサ42という2つのマイクロホンを用いているが、これに限られず、例えば、1つのマイクロホンを用いて、上記図面における第一の音圧センサ41の位置における音圧の測定と、第二の音圧センサ42の位置における音圧の測定とを行ってもよい。
また、例えば、管壁11に配置されるマイクロホンに代えて、音源20側から試験体30側に向けて管本体10の長手方向に延びるプローブマイクロホン(図示せず)を管内10cに配置し、当該プローブマイクロホンの先端(試験体30に向いた先端)の位置を移動させることにより、上記図面に示す第一の音圧センサ41の位置における音圧の測定と、第二の音圧センサ42の位置における音圧の測定とを行ってもよい。
本装置1及び本方法による測定においては、管本体10の管内10cに試験体30が配置される。試験体30は、本装置1及び本方法により垂直入射音響特性を測定できるものであれば特に限られない。試験体30の形状は、垂直入射音響特性を測定できる範囲であれば特に限られないが、上記規格で規定される形状が好ましい。すなわち、例えば、試験体30の音源20側の表面30aは、平坦であることが好ましい。試験体30は、管本体10の長手方向において管内10cを塞ぐように配置される。
本装置1及び本方法による測定においては、管本体10を加熱することにより、管内10cの温度(すなわち、管内10cに充填されている気体(例えば、空気)の温度)を比較的高い所望の温度範囲内に維持し、当該加熱された管内10cにおいて、音源20から試験体30に向けて音波を放射し、音圧センサ40によって当該管内10cの音圧を測定する。
このため、測定時において、本装置1は、管本体10を加熱するヒータ50を含む。ヒータ50は、管内10cの温度が所望の温度範囲内に維持されるように管本体10を加熱できる機器であれば特に限られず、例えば、電力の供給を受けて発熱するヒータが好ましく用いられる。具体的に、ヒータ50としては、例えば、電熱ヒータ、ランプヒータ、オイルバス、ウォーターバス、サンドバス及びソルトバスからなる群より選択される1以上が用いられる。本実施形態の図面に示す例においては、ヒータ50として、電熱ヒータが用いられている。
ヒータ50は、本実施形態の図面に示すように、管本体10の管壁11の加熱すべき部分に対向するよう、当該管壁11の径方向外側に配置される。ヒータ50の位置は、管本体10の管内10cの温度が所望の温度範囲内となるよう管壁11を加熱できる範囲であれば特に限られず、当該管壁11の外表面11bから離れて配置されてもよいし、当該外表面11bと接するように配置されてもよい。
本装置1及び本方法による測定においては、上述のとおり、管本体10の管内10cの温度が比較的高い所望の温度範囲内に維持されるよう、当該管本体10の管壁11を加熱する。
具体的に、例えば、管本体10の管内10cの温度が、100℃以上になるよう加熱してもよく、200℃以上になるよう加熱してもよく、300℃以上になるよう加熱してもよく、400℃以上になるよう加熱してもよく、500℃以上になるよう加熱してもよく、600℃以上になるよう加熱してもよく、700℃以上になるよう加熱してもよく、800℃以上になるよう加熱してもよい。管内10cの加熱温度の上限値は、本装置1及び本方法により測定できる範囲であれば特に限られないが、当該加熱温度は、例えば、1000℃以下であってもよい。
また、管本体10の管壁11の温度が、例えば、100℃以上になるよう加熱してもよく、200℃以上になるよう加熱してもよく、300℃以上になるよう加熱してもよく、400℃以上になるよう加熱してもよく、500℃以上になるよう加熱してもよく、600℃以上になるよう加熱してもよく、700℃以上になるよう加熱してもよく、800℃以上になるよう加熱してもよい。管壁11の加熱温度の上限値は、本装置1及び本方法により測定できる範囲であれば特に限られないが、当該加熱温度は、例えば、1000℃以下であってもよい。
本装置1及び本方法による測定においては、加熱下における音圧センサ40による測定結果に基づいて、試験体30の垂直入射音響特性を評価する。すなわち、例えば、本実施形態の図面に示すように2つの音圧センサ41,42を用いて、伝達関数法により測定する場合には、当該2つの音圧センサ41,42による測定結果に基づいて、当該2つの音圧センサ41,42の測定位置間の伝達関数を測定し、当該得られた伝達関数に基づいて、垂直入射音響特性を算出する。
このため、本装置1は、音圧センサ40による測定結果に基づいて、試験体30の垂直入射音響特性を評価する評価処理部(図示せず)を含んでもよい。評価処理部は、例えば、プロセッサを含む演算装置(例えば、CPUを含むコンピュータ)により実現される。すなわち、本装置1の評価処理部は、例えば、伝達関数法により垂直入射音響特性を評価する場合には、音圧センサ40から音圧測定結果を受け入れて、当該音圧測定結果に基づく演算処理を実行して伝達関数を算出し、さらに、当該伝達関数に基づく演算処理を実行して、垂直入射音響特性を算出する。
次に、本実施形態の第一の側面に係る本装置1及び本方法について、主に図1〜図3を参照しながら説明する。
本実施形態の第一の側面に係る本装置1は、図1に示すように、管本体10の音源20と試験体30との間の第一の位置X1で測定される第一の温度に基づき決定された条件で、当該第一の位置X1を含む第一の管壁部分101を加熱する第一の加熱制御部110と、当該管本体10の音源20と試験体30との間であって当該第一の位置X1より当該音源20に近い第二の位置X2で測定される第二の温度に基づき決定された条件で、当該第二の位置X2を含む第二の管壁部分102を加熱する第二の加熱制御部120と、を含む。
また、本実施形態の第一の側面に係る本方法は、管本体10の上記第一の位置X1で測定された第一の温度に基づき決定された条件で、当該第一の位置X1を含む第一の管壁部分101を加熱すること、当該管本体10の上記第二の位置X2で測定された第二の温度に基づき決定された条件で、当該第二の位置X2を含む第二の管壁部分102を加熱すること、加熱された当該管本体10の管内10cに音源20から試験体30に向けて音波を放射しながら、音圧センサ40により当該管内10cの音圧を測定すること、及び当該音圧センサ40による測定結果に基づいて、当該試験体30の垂直入射音響特性を評価すること、を含む。
ここで、上述した非特許文献1においては、定在波管の長手方向に延びるマイクロホンのプローブの先端が温度一様の領域にあることが必要とされ、環状電気炉で加熱される定在波管のうち、試料(当該電気炉の中央に配置)から炉端方向に波長の4分の1に相当する距離(約250mm)までの範囲内を当該一様温度にすべきと決定し、実際に、試料の温度が400℃のときに、当該試料から約250mmの範囲で400℃〜390℃であり、ほぼ一様であったと評価している。
しかしながら、本発明の発明者らが独自に検討した結果、管本体10の試験体30付近の管壁11の温度に基づいて加熱制御を行うのみでは、管内10cの温度を長手方向において均一化することは難しいことが判明した。管内10cの温度が長手方向において均一化されていない場合、当該管内10cにおいて垂直入射音響特性の測定に適した音場(例えば、伝達関数法による測定における平面波音場)を形成することが難しくなる。
すなわち、図2に示す数値シミュレーションの結果においては、試験体30の音源(図示せず)側の表面30aから当該音源側に400mmまでの範囲の管本体10の管壁11を1つのヒータ50で加熱する場合、すなわち、加熱制御を1系統のみで行う場合(試験体30の位置で測定される温度が目標温度400℃となるようにヒータ50をPID制御する場合)には、当該試験体30の位置の管壁11の温度が400℃に達した状態であっても、当該試験体30の表面30aから当該音源側に250mm(上記非特許文献1における波長の4分の1に相当する距離)離れた位置における管内10cの空気の温度は359℃であり、目標温度である400℃より41℃の温度低下が生じることが示された。
なお、数値シミュレーションは、市販の熱流体解析ソフトウェア(SCRYU/Tetra(登録商標)、株式会社ソフトウェアクレイドル製)をインストールしたコンピュータを用い、ブシネスク近似を用いて管内10cにおける空気の自然対流を計算することで、当該管内10cにおける空気の温度分布を計算することにより行った。空気の物性値は、公知文献「技術資料 流体の熱物性値集、日本機械学会(1983)」を参照した。音響管の物性値としては、上記ソフトウェアSCRYU/Tetra(登録商標)に搭載されている物性値を用いた。
これに対し、本発明の発明者らは、管内10cの長手方向における温度を均一化するための技術的手段について独自に検討を重ねた結果、本装置1が、管本体10の管壁11の複数の位置で測定された温度に基づいて、当該複数の位置の加熱をそれぞれ制御する複数の加熱制御系統を含むことにより、また、本方法において、管本体10の管壁11の複数の位置で測定された温度に基づいて、当該複数の位置の加熱をそれぞれ制御することにより、当該管本体10の管内10cの温度を長手方向において効果的に均一化できることを見出した。
すなわち、図3に示す数値シミュレーションの結果においては、試験体30の音源(図示せず)側の表面30aから当該音源側に250mmの位置までの範囲の管本体10の管壁部分101を第一のヒータ51で加熱し、当該250mmの位置から当該音源側に400mmの位置までの範囲の管壁部分102を第二のヒータ52で加熱する場合、すなわち、加熱制御を2系統で行う場合(試験体30の位置で測定される温度が目標温度400℃となるように第一のヒータ51をPID制御するとともに、これとは独立して、第二のヒータ52で加熱される位置で測定される温度が目標温度400℃となるように当該第二のヒータをPID制御する場合)には、当該試験体30の温度が400℃に達した状態で、当該試験体30の表面30aから当該音源側に250mm離れた位置における管内10cの空気の温度は381℃となり、目標温度からの温度低下は、図2に示す場合の半分以下となることが示された。なお、図3に示すシミュレーションは、第二のヒータ52で加熱される位置に温度センサを追加して、当該追加された温度センサにより測定される温度が目標温度400℃になるように当該第二のヒータ52の出力を、第一のヒータ51の出力とは独立にPID制御したこと以外は、図2と同一の条件で行った。
測定温度に基づき加熱条件を決定する方法は、当該測定温度に応じた加熱を実現できる方法であれば特に限られないが、例えば、測定温度と、予め定められた目標温度との差分に基づき加熱条件を決定することとしてもよい。具体的に、加熱条件は、例えば、P制御、PI制御及びPID制御からなる群より選択される1以上を用いて決定されてもよい。
すなわち、本方法においては、管本体10の第一の位置X1で測定された第一の温度と、予め定められた第一の目標温度との差分に基づき決定された条件で、第一の管壁部分101を加熱し、当該管本体10の第二の位置X2で測定された第二の温度と、予め定められた第二の目標温度との差分に基づき決定された条件で、第二の管壁部分102を加熱することとしてもよい。
また、本装置1は、管本体10の第一の位置X1で測定された第一の温度と、予め定められた第一の目標温度との差分に基づき決定された条件で、第一の管壁部分101を加熱する第一加熱制御部110と、第二の位置X2で測定された第二の温度と、予め定められた第二の目標温度との差分に基づき決定された条件で、第二の管壁部分102を加熱する第二加熱制御部120とを含むこととしてもよい。
第一の目標温度と第二の目標温度とは、同一の温度であることが好ましいが、異なる温度であってもよい。第一の目標温度と第二の目標温度との差は、測定条件に応じて適宜決定されればよいが、例えば、20℃以下であることとしてもよく、10℃以下であることが好ましく、5℃以下であることがより好ましく、1℃以下であることが特に好ましい。
また、第一の目標温度(℃)と第二の目標温度(℃)との差は、当該第一の目標温度の20%以下であることとしてもよく、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、1%以下であることが特に好ましい。
第一の目標温度及び第二の目標温度の定め方は特に限られないが、例えば、管本体10の第一の位置X1における管壁11の温度と管内10cの温度との第一の相関関係、及び第二の位置X2における管壁11の温度と管内10cの温度との第二の相関関係を予め確認し、当該第一の相関関係及び第二の相関関係と、測定において達成されるべき管内10cの目標温度とに基づいて、当該第一の目標温度及び第二の目標温度を定めることとしてもよい。
測定温度に基づき決定される加熱条件は、管本体10の管内10cの温度を長手方向において均一化する上で適切なものであれば特に限られないが、例えば、加熱強度、加熱頻度、及び加熱周期からなる群より選択される1以上が挙げられる。
すなわち、電熱ヒータを用いる場合の加熱条件として、例えば、当該電熱ヒータによる発熱強度(より具体的には、当該電熱ヒータに供給する電力)、当該電熱ヒータへの通電のON/OFFを行う頻度、及び当該電熱ヒータにより周期加熱を行う場合の周期からなる群より選択される1以上が挙げられる。
なお、第一の加熱制御部110により加熱される第一の管壁部分101は、第二の位置X2を含まず、第二の加熱制御部120により加熱される第二の管壁部分102は、第一の位置X1を含まない。すなわち、第一の管壁部分101と第二の管壁部分102とは、管本体10の管壁11の互いに異なる部分である。
また、第一の管壁部分101の加熱条件は、第二の温度に基づくことなく、第一の温度に基づき決定され、第二管壁部分102の加熱条件は、第一の温度に基づくことなく、第二の温度に基づき決定されてもよい。
第一の加熱制御部110は、管本体10の第一の位置X1で第一の温度を測定する第一の温度センサ111と、当該第一の位置X1を含む第一の管壁部分101を加熱する第一のヒータ51と、当該第一の温度に基づいて当該第一のヒータ51による加熱を制御する第一の制御処理部112とを含み、第二の加熱制御部120は、当該管本体10の第二の位置X2で第二の温度を測定する第二の温度センサ121と、当該第二の位置X2を含む第二の管壁部分102を加熱する第二のヒータ52と、当該第二の温度に基づいて当該第二のヒータ52による加熱を制御する第二の制御処理部122とを含むこととしてもよい。
すなわち、この場合、本装置1は、管本体10の管壁11の一部の温度を測定する温度センサと、当該管壁の一部を加熱するヒータと、当該温度センサにより測定された温度に基づいて当該ヒータによる加熱を制御する制御処理部とを含む加熱制御系統を少なくとも2つ含む。
第一の温度センサ111及び第二の温度センサ121は、第一の位置X1及び第二の位置X2における管壁11の温度をそれぞれ測定できるものであれば特に限られないが、例えば、感温素子を含む温度センサが好ましく用いられる。感温素子としては、例えば、熱電対、測温抵抗体、サーミスタ及びサーモパイル(放射温度計)からなる群より選択される1以上が挙げられる。
なお、第一の温度センサ111及び第二の温度センサ121の位置は、それぞれ管本体10の第一の位置X1及び第二の位置X2における実質的な管壁11の温度を測定できる範囲であれば、管本体10の管壁11の外表面11bから離れて配置されてもよいし、当該外表面11bに接するように配置されてもよい。
第一のヒータ51及び第二のヒータ52は、管本体10の管壁11を加熱できる機器であれば特に限られないが、例えば、電力の供給を受けて発熱するヒータが好ましく用いられる。具体的に、ヒータ51,52としては、例えば、電熱ヒータ、ランプヒータ、オイルバス、ウォーターバス、サンドバス及びソルトバスからなる群より選択される1以上が用いられる。図1に示す例においては、第一のヒータ51及び第二のヒータ52として、電熱ヒータが用いられている。
第一のヒータ51が対向する第一の管壁部分101は、例えば、試験体30が配置されている位置(例えば、試験体30の音源20側の表面30aの位置X3)を含む。第二のヒータ52が対向する第二の管壁部分102は、例えば、図1に示すように、管本体10の長手方向において、第一の管壁部分101の音源20側に連なる管壁部分である。
制御処理部112,122は、温度センサ111,121による温度測定結果に基づいてヒータ51,52による加熱を制御するための演算処理を行うものであれば特に限られないが、例えば、プロセッサを含む制御装置により実現される。
すなわち、制御処理部112,121は、例えば、温度調節器や電力調整器により実現されてもよい。この場合、制御処理部112,121は、例えば、温度センサ111,121からの温度測定結果に基づきPID制御のための演算処理を行って、電熱ヒータであるヒータ51,52に供給すべき電力を決定する温度調節部(図示せず)と、当該温度調節器から指示された電力を当該ヒータ51,52に供給する電力調整部(図示せず)とを含んで実現される。
第一の加熱制御部110は、第一の位置X1で第一の温度を測定する第一の温度センサ111と、当該第一の位置X1を含む第一の管壁部分101を加熱する第一のヒータ51と、当該第一の温度と予め定められた第一の目標温度との第一の差分に基づき第一の加熱条件を決定する第一の制御処理部112とを含み、第二の加熱制御部120は、第二の位置X2で第二の温度を測定する第二の温度センサ121と、当該第二の位置X2を含む第二の管壁部分102を加熱する第二のヒータ52と、当該第二の温度と予め定められた第二の目標温度との第二の差分に基づき第二の加熱条件を決定する第二の制御処理部122とを含み、当該第一のヒータ51は、当該第一の加熱条件で当該第一の管壁部分101を加熱し、当該第二のヒータ52は、当該第二の加熱条件で当該第二の管壁部分102を加熱することとしてもよい。
すなわち、例えば、第一のヒータ51及び第二のヒータ52が電力の供給を受けて発熱するヒータである場合、第一の制御処理部112は、第一の差分に基づき、第一のヒータ51への電力供給に関する第一の加熱条件を決定するとともに、当該第一の加熱条件で当該第一のヒータ51に電力を供給して第一の管壁部分101の加熱を行い、第二の制御処理部122は、第二の差分に基づき、第二のヒータ52への電力供給に関する第二の加熱条件を決定するとともに、当該第二の加熱条件で当該第二のヒータ51に電力を供給して第二の管壁部分102の加熱を行う。
第一の加熱制御部110と第二の加熱制御部120(より具体的には、第一の制御処理部112と第二の制御処理部122)とは、互いに異なる加熱条件を決定することができる。すなわち、例えば、第二の差分が第一の差分より大きい場合には、第二の加熱条件は、第一の加熱条件に比べて、大きな電力を供給し、及び/又は高い頻度で電力を供給するよう決定される。
本装置1及び本方法において、第一の位置X1は、試験体30の音源20側の表面30aの位置X3と、音圧センサ40の当該音源20に最も近い音圧測定位置X4との間の位置であり、第二の位置X2は、当該音圧測定位置X4と、当該音源20との間の位置であることとしてもよい。
この場合、試験体30と音圧センサ40との間の範囲に加えて、当該音圧センサ40と音源20との間の範囲についても、測定温度に基づく加熱制御を行うことにより、管本体10の管内10cの温度の長手方向における均一化をより効果的に達成することができる。
なお、音圧センサ40の音源20に最も近い音圧測定位置X4は、当該音圧センサ40の当該音源20側の端面の位置である。管本体10の長手方向に配置される複数の音圧センサ(本実施形態の図面に示す例では、2つの音圧センサ41,42)を用いる場合には、当該複数の音圧センサのうち、当該音源20に最も近い位置に配置される音圧センサ(本実施形態の図面に示す第二の音圧センサ42)の当該音源20側の端面の位置である。
また、上記音圧測定位置X4は、1つの音圧センサを用いて管本体10の長手方向における複数の位置で音圧を測定する場合には、当該複数の測定位置のうち、音源20に最も近い測定位置に当該音圧センサを配置した状態における、当該音圧センサの当該音源20側の端面の位置である。
また、上記音圧測定位置X4は、音圧センサ40として、音源20側から試験体30側に向けて管本体10の長手方向に延びるプローブマイクロホン(図示せず)を用い、当該長手方向における複数の位置で音圧を測定する場合には、当該複数の測定位置のうち、音源20に最も近い測定位置に配置される当該プローブマイクロホンの先端面(当該試験体30に対向する測定面)の位置である。
本装置1及び本方法において、上記第二の位置X2と、上記音圧測定位置X4との距離L1は、25mm以上であることとしてもよい。この場合、上記距離L1は、50mm以上であることが好ましく、100mm以上であることがより好ましく、150mm以上であることが特に好ましい。
また、上記距離L1の上限値は、上記第二の位置X2が、上記音圧測定位置X4と音源20との間の範囲内であれば特に限られないが、当該距離L1は、例えば、500mm以下であることとしてもよい。この場合、上記距離L1は、400mm以下であってもよく、300mm以下であってもよい。
上記距離L1は、上記下限値のうちの一つと、上記上限値のうちの一つとを任意に組み合わせて特定することができる。すなわち、上記距離L1は、例えば、25mm以上、500mm以下であることとしてもよく、50mm以上、500mm以下であることが好ましく、150mm以上、500mm以下であることが特に好ましい。また、これらの場合、上記距離L1は、400mm以下であってもよく、300mm以下であってもよい。
上記第二の位置X2と上記音圧測定位置X4との距離L1が上述の範囲内であることにより、上記音圧測定位置X4より音源20側の管壁部分の加熱をより効果的に制御することができ、管内10cの温度を長手方向においてより効果的に均一化することができる。
なお、本実施形態の第一の側面に係る本装置1を製造する方法は、特に限られないが、本装置1は、例えば、まず管本体10を準備し、次いで、第一の加熱制御部110及び第二の加熱制御部120を設けることを含む方法により製造される。
次に、本実施形態の第二の側面に係る本装置1及び本方法について、主に図4〜図8を参照しながら説明する。
本実施形態の第二の側面に係る本装置1は、管本体10の試験体30と音圧センサ40との間に含まれる管壁部分201が、対向するヒータ50により加熱される場合において、当該音圧センサ40と音源20との間に含まれる、当該ヒータ50に対向しない非加熱部分202からの放熱を促進し、及び/又は当該非加熱部分202の熱抵抗を増加させて、当該音源20の温度上昇を抑制する昇温抑制部200を含む。
また、本実施形態の第二の側面に係る本方法は、管本体10の試験体30と音圧センサ40との間に含まれる管壁部分201を、対向するヒータ50により加熱すること、加熱された当該管本体10の管内10cに音源20から当該試験体30に向けて音波を放射し、且つ加熱された当該管本体10の当該音圧センサ40と当該音源20との間に含まれる、当該ヒータ50に対向しない非加熱部分202からの放熱を促進し、及び/又は当該非加熱部分202の熱抵抗を増加させて、当該音源20の温度の上昇を抑制しながら、当該音圧センサ40により当該管内10cの音圧を測定すること、及び当該音圧センサ40による測定結果に基づいて、当該試験体30の垂直入射音響特性を評価すること、を含む。
ここで、上述した非特許文献1においては、定在波管を加熱するにあたり、「音源部への熱の伝導を嫌って」、当該定在波管として透明石英管を用いたことが記載されている。
しかしながら、透明石英管のような特殊な管を用いる方法は汎用性に欠ける。一方で、従来、通常の音響管をそのまま用いる場合には、当該音響管の一方端に配置された音源が過剰に加熱されてしまう恐れがあった。
これに対し、本発明の発明者らは、音源の過剰な加熱を回避するための技術的手段について独自に検討を重ねた結果、本装置1が、管本体10の管壁11のうち、音圧センサ40と音源20との間の管壁に含まれる、ヒータ50により直接加熱されない非加熱部分202からの放熱を促進し、及び/又は当該非加熱部分202の熱抵抗を増加させて、音源20の温度上昇を抑制する昇温抑制部200を含むことにより、また、本方法において、当該非加熱部分202からの放熱を促進し、及び/又は当該非加熱部分202の熱抵抗を増加させて、当該音源20の温度の上昇を抑制しながら、音圧センサ40により管内10cの音圧を測定することにより、音源の過剰な加熱を効果的に回避することができることを見出した。
管本体10の非加熱部分202からの放熱を促進する技術的手段は、特に限られないが、例えば、本装置1の昇温抑制部200は、非加熱部分202に設けられた放熱フィン210を含むこととしてもよい。この場合、放熱フィンにより、非加熱部分202からの放熱を促進して、音源20の温度の上昇を効果的に抑制することができる。
非加熱部分202に設けられた放熱フィン210は、対向して配置されるヒータ50により直接加熱される管壁部分(以下、「加熱部分」という。)201の外表面201aに比べて、及び/又は当該非加熱部分202の外表面が平坦である場合に比べて、当該非加熱部分202の外表面の面積を増加させることにより、当該非加熱部分202からの放熱を促進する構造であれば特に限られず、例えば、管本体10の径方向外側に突出する凸部210a、及び/又は径方向内側に窪む凹部210bを含む。
すなわち、図4に示す例において、本装置1の放熱フィン210は、管本体10の非加熱部分202において、当該管本体10の径方向外側に突出するよう設けられた複数の凸部210aを含んでいる。また、図4に示す放熱フィン210においては、複数の凸部210aの間に複数の凹部210bが形成されている。これら凸部210a及び凹部210bによって、放熱フィン210の表面210cの面積は大きくなっている。
管本体10において、放熱フィン210の表面210cの面積(例えば、凸部210aの面積と凹部210bの面積との合計)は、例えば、ヒータ50が対向している加熱部分201の外表面201aの面積の0.5倍以上であることとしてもよく、0.75倍以上であることが好ましく、1.0倍以上であることが特に好ましい。また、長手方向単位長さあたりの、放熱フィン210の表面210cの面積は、例えば、当該放熱フィン210を設けない場合の非加熱部分202の面積(例えば、放熱フィン210が設けられている非加熱部分202から当該放熱フィン210を除去して得られる当該非加熱部分202の平坦な外表面の面積)の1.2倍以上であってもよく、2倍以上であってもよく、5倍以上であることが好ましく、10倍以上であることがより好ましく、50倍以上であることがより一層好ましく、100倍以上であることが特に好ましい。
管本体10は、管壁11の一部として、放熱フィン210を含むこととしてもよい。この場合、放熱フィン210は、管本体10の非加熱部分202の少なくとも一部である管壁部分を成形することにより形成される。すなわち、この場合、本装置1は、管本体10の管壁11のうち非加熱部分202に一体的に形成された放熱フィン210を含む。
また、本装置1は、管本体10の非加熱部分202の外周を覆うように配置された、当該管本体10とは別体の放熱フィン210を含むこととしてもよい。すなわち、この場合、放熱フィン210は、管本体10とは別体に作製され、その後、当該管本体10の非加熱部分202の外周に、熱伝導可能に配置される。
本装置1の昇温抑制部200は、非加熱部分202に含まれる、試験体30側に連なる管壁部分より厚みが小さい薄肉部分220を含むこととしてもよい。この場合、薄肉部分220により、非加熱部分202の熱抵抗を増加させて、音源20の温度の上昇を効果的に抑制することができる。
すなわち、非加熱部分202が、薄肉部分220と、当該薄肉部分220の試験体30側に連なる、当該薄肉部分220より厚みが大きい管壁部分(以下、「厚肉部分」という。)230とを含むことにより、当該厚肉部分230から当該薄肉部分220に熱が伝導する場合における熱抵抗が増加する。
より具体的に、薄肉部分220の管壁断面積(当該薄肉部分220を径方向に切断して露出する管壁断面の面積)は、厚肉部分230の管壁断面積より小さいため、当該厚肉部分230から当該薄肉部分220に向けて熱が伝導する場合に、当該厚肉部分230と当該薄肉部分220との接続部分で熱抵抗が増加する。
厚肉部分230の厚みに対する薄肉部分220の厚みの割合は、例えば、50%以下であることとしてもよく、40%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、20%以下であることが特に好ましい。
なお、垂直入射音響特性を測定する上で、薄肉部分220の内表面(管内10c側の表面)220aは、管本体10の径方向において、厚肉部分230の内表面230aと同一の位置に形成されていることが好ましい。すなわち、図5に示すように、薄肉部分220の内表面220aと厚肉部分230の内表面230aとは面一で形成されていることが好ましい。
一方、薄肉部分220の外表面220bは、厚肉部分230の外表面230bより、管本体10の径方向内側に位置するよう形成されていることとしてもよい。すなわち、薄肉部分220の外径は、厚肉部分230の外径より小さいこととしてもよい。
具体的に、図5に示す例においては、薄肉部分220の外径は、厚肉部分230の外径より小さく、当該薄肉部分220と当該厚肉部分230との接続部分に段差が形成されている。
なお、厚肉部分230は、薄肉部分220の試験体30側に連なる管壁11の一部又は全部であれば特に限られない。すなわち、厚肉部分230は、図5に示すように、非加熱部分202の一部であってもよいが、これに限られず、加熱部分201の一部であってもよい。
本装置1の昇温抑制部200は、管本体10の非加熱部分202の周囲に、当該非加熱部分202の温度より低い温度の流体を流通させる冷却部240を含むこととしてもよい。この場合、非加熱部分202の周囲に、当該非加熱部分202の温度より低い温度の流体を流通させて、当該非加熱部分202と当該流体との間で熱交換を行うことにより、当該非加熱部分202からの放熱を促進して、音源20の温度の上昇を効果的に抑制することができる。
流体は、管本体10の非加熱部分202の温度より低い温度で非加熱部分202の周囲に流通させることができるものであれば特に限られず、液体又は気体のいずれを用いることもできる。
すなわち、冷却部240は、例えば、流体として水を用いる場合には、水冷式の冷却装置として実現され、流体として空気を用いる場合には、空冷式の冷却装置として実現される。
具体的に、例えば、図6に示す本装置1は、管本体10の非加熱部分202を囲むように配置され、内部に当該非加熱部分202の温度より低い温度の流体が流通する流路241が形成された冷却部240を含んでいる。この冷却部240は、その流路241内を流通する流体と、非加熱部分202との間で熱交換を行うことにより、当該非加熱部分202を冷却する。
流体の温度は、非加熱部分202の温度より低ければ特に限られないが、当該非加熱部分202の温度より、例えば、1℃以上低いこととしてもよく、5℃以上低いこととしてもよく、10℃以上低いこととしてもよい。
また、冷却部240は、図6に示す例に限られず、例えば、管本体10の非加熱部分202に気体を吹き付ける冷却部であってもよい。この場合、冷却部240は、例えば、回転することで風を起こすファンを含み、非加熱部分202を空冷方式で冷却する送風装置である。
本装置1の昇温抑制部200は、管本体10の非加熱部分220に配置された、熱電変換素子251を含む冷却部250を含むこととしてもよい。この場合、冷却部250により、非加熱部分202からの放熱を促進して、音源20の温度の上昇を効果的に抑制することができる。
具体的に、例えば、図7に示す本装置1は、管本体10の非加熱部分202を囲むように配置され、内部に熱電変換素子251を含む冷却部250を含んでいる。
冷却部250に含まれる熱電変換素子は、管本体10の非加熱部分202からの放熱を促進することができるものであれば特に限られないが、例えば、ペルチェ素子であることが好ましい。
本装置1は、昇温抑制部200として、上述した放熱フィン210、薄肉部220、流体を流通させる冷却部240、及び熱電変換素子251を含む冷却部250からなる群より選択される2以上を含むこととしてもよい。
すなわち、本装置1は、例えば、図8に示すように、厚肉部分230の音源20側に連なる薄肉部分220と、当該薄肉部分220の当該音源20側に設けられた放熱フィン210とを含むこととしてもよい。
この場合、厚肉部分230から薄肉部分220への熱抵抗が増加し、且つ放熱フィン210によって放熱が促進されるため、音源20の過剰な加熱をより効果的に回避することができる。
また、本装置1は、例えば、放熱フィン210及び/又は薄肉部分220を含む管本体10の非加熱部分202の外周に配置された、流体を流通させる冷却部240及び/又は熱電変換素子251を含む冷却部250を含むこととしてもよい。
なお、本実施形態の第二の側面に係る本装置1を製造する方法は、特に限られないが、本装置1は、例えば、まず管本体10を準備し、次いで、昇温抑制部200を設けることを含む方法により製造される。
次に、本実施形態の第三の側面に係る本装置1及び本方法について、主に図9及び図10を参照しながら説明する。
本実施形態の第三の側面に係る本装置1は、図9に示すように、管本体10の管内10cに配置された、音波透過性の断熱材300を含む。
また、本実施形態の第三の側面に係る本方法は、管本体10と、当該管本体10の管内10cに配置された、音波透過性の断熱材300とを含む装置を準備すること、当該管本体10の試験体30と音圧センサ40との間に含まれる管壁部分203を加熱すること、加熱された管本体10の管内10cに当該音源20から当該断熱材300を介して当該試験体30に向けて音波を放射しながら、当該音圧センサ40により当該管内10cの音圧を測定すること、及び当該音圧センサ40による測定結果に基づいて、当該試験体30の垂直入射音響特性を評価すること、を含む。
ここで、上述した非特許文献1においては、定在波管としての透明石英管を環状電気炉により加熱していた。しかしながら、本発明の発明者らが独自に検討した結果、管本体10の管内10cの対流、特に、当該管本体10の長手方向における対流が、当該管内10cの温度を長手方向において均一化する上で大きな障害となっていることが判明した。
すなわち、上述の図2に示す数値シミュレーションの結果においては、試験体30の音源(図示せず)側の表面30aから当該音源側に400mmまでの範囲に配置されたヒータ50を用いて、当該試験体30の温度が400℃に達するように管本体10の管壁11を加熱したとしても、例えば、当該400mmまでの範囲と、当該ヒータ50が配置されていない、より音源側の範囲との管内10cの温度差により、管内10cに自然対流が発生することで、当該試験体30の表面30aから当該音源側に250mm離れた位置における管内10cの空気の温度は359℃であり、目標温度である400℃より41℃の温度低下が生じることが示されている。
これに対し、本発明の発明者らは、管内10cの長手方向における温度を均一化するための技術的手段について独自に検討を重ねた結果、本装置1が、管本体10の管内10cに配置された、音波透過性の断熱材300をさらに含み、また、本方法において、管内10cに当該断熱材300が配置された管本体10を加熱した状態で、加熱された当該管内10cに当該音源20から当該断熱材300を介して当該試験体30に向けて音波を放射しながら、当該音圧センサ40により当該管内10cの音圧を測定することにより、管本体10の管内10cにおける対流を効果的に抑制し、当該管内10cの温度を長手方向において効果的に均一化できることを見出した。
すなわち、図10に示す数値シミュレーションの結果においては、管本体10において、試験体30と音源(図示せず)との間の管内10cを仕切る厚さ25mmの断熱材300を配置することにより、当該管内10cの対流が抑制され、その結果、当該試験体30の温度が400℃に達した状態で、当該試験体30の表面30aから当該音源側に250mm離れた位置における管内10cの空気の温度は391℃となり、目標温度からの温度低下は9℃であり、図2に示す場合の4分の1以下となることが示された。なお、図10に示すシミュレーションは、厚さ25mm、熱抵抗0.625m・K/Wの断熱材300を管壁11の内表面に熱接触させた状態で配置したこと以外は、図2と同一の条件で行った。
断熱材300は、測定に必要な音波を音源20側から試験体30側に透過させる音波透過性と、測定温度における断熱性とを有する材料であれば特に限られない。
断熱材300の音波透過性は、例えば、音響透過損失により規定される。断熱材300の音響透過損失は、例えば、75dB以下であることとしてもよく、25dB以下であることとしてもよく、13dB以下であることとしてもよい。さらに、断熱材300の音響透過損失は、例えば、8dB以下であることが好ましく、2.5dB以下であることがより好ましく、0.5dB以下であることがより一層好ましく、0.06dB以下であることが特に好ましい。断熱材300の音響透過損失は、ASTM E 2611に準拠した垂直入射音響透過損失測定により測定される。
断熱材300の断熱性は、例えば、熱抵抗により規定される。断熱材300の熱抵抗は、例えば、0.00025m・K/W以上であることとしてもよく、0.125m・K/W以上であることが好ましく、0.375m・K/W以上であることがより好ましく、0.625m・K/W以上であることが特に好ましい。断熱材300の熱抵抗は、JIS A 1412−1に準拠した保護熱板法、又はJIS A 1412−2に準拠した熱流計法により測定され、好ましくは保護熱板法により測定される。
断熱材300を構成する材料は、特に限られず、当該断熱材300は、例えば、有機成分、無機成分、金属成分及び炭素成分からなる群より選択される1以上を含む材料から構成される。
断熱材300は、多孔質体であることとしてもよい。多孔質体は、多孔性を有する材料であれば特に限られず、例えば、繊維体、発泡体及び圧紛体からなる群より選択される1以上であってもよい。
繊維体は、例えば、有機繊維、無機繊維、金属繊維及びカーボンファイバーからなる群より選択される1以上を含む。具体的に、繊維体として、例えば、無機繊維体(例えば、グラスウール、ロックウール、セラミック繊維及びカーボンファイバーからなる群より選択される1以上)が好ましく用いられる。発泡体としては、例えば、樹脂発泡体(例えば、ポリウレタンフォーム)が好ましく用いられる。圧紛体としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミ、炭化ケイ素、及び窒化ケイ素からなる群より選択される1以上が好ましく用いられる。
断熱材300の空隙率は、例えば、0.2以上、0.999以下であってもよい。空隙率は、懸吊法、液浸法、水銀圧入法、又は水蒸発法により測定される。空隙率は、次の式で算出される:空隙率=1−(見掛けの密度÷密度)。ここで、見掛けの密度は、JIS A 9512に準拠した密度測定方法により測定される。密度は、JIS Z 8807に準拠した比重瓶による密度及び比重の測定方法、ルシャテリエ比重瓶による密度及び比重の測定方法、液中ひょう量法による密度及び比重の測定方法、による密度及び比重の測定方法により測定され、好ましくは比重瓶による密度及び比重の測定方法で測定される。断熱材300の単位厚さあたりの流れ抵抗は、例えば、10N・s/m以上、10N・s/m以下であってもよい。流れ抵抗は、ISO 9053:1991に準拠した直流法により測定される。
断熱材300の形状は、垂直入射音響特性を測定できる範囲であれば特に限られないが、例えば、板状又はシート状であることが好ましい。
断熱材300の厚さ(すなわち、管本体10の長手方向における長さ、又は、音源20側の表面300aと試験体30側の表面300bとの距離)は、垂直入射音響特性を測定できる範囲であれば特に限られないが、例えば、0.01mm以上、75mm以下であることとしてもよく、1mm以上、25mm以下であることが好ましく、1mm以上、10mm以下であることが特に好ましい。
断熱材300は、管本体10の長手方向において、管内10cを塞ぐように配置される。すなわち、図9に示す例において、断熱材300は、音源20と試験体30との間において、管内10cを仕切るように配置されている。また、図9に示す例において管内10cに配置されている断熱材300は1つのみであるが、これに限られず、複数の断熱材300を配置してもよい。
断熱材300を配置する位置は、管内10cにおける対流が抑制される範囲であれば特に限られないが、当該断熱材300は、例えば、音源20と試験体30との間の管内10cに配置され、特に、音源20と、音圧センサ40の当該音源20に最も近い音圧測定位置X4との間の管内10cに配置されることが好ましい。この場合、管内10cにおける対流を効果的に抑制することができる。なお、管内10cの長手方向において複数の断熱材300を配置する場合には、当該複数の断熱材300のうち少なくとも1つが、音源20と、音圧センサ40の当該音源20に最も近い音圧測定位置X4との間の管内10cに配置されればよい。
本装置1は、管本体10の上記音圧測定位置X4を含む管壁部分203を加熱するヒータ50を含み、断熱材300の少なくとも一部は、当該ヒータ50の当該音源20に最も近い加熱位置X5と試験体30との間に配置されることとしてもよい。
具体的に、図9に示す例において、断熱材300は、その全体が、管本体10の長手方向においてヒータ50の音源20に最も近い加熱位置X5と試験体30との間に配置されている。すなわち、この場合、断熱材300は、その音源20側の表面300aが、上記加熱位置X5より試験体30側に位置するよう配置されている。
ただし、断熱材300の配置は、図9に示す例に限られない。すなわち、断熱材300は、例えば、その試験体30側の表面300bが、上記加熱位置X5より当該試験体30側に位置するよう配置されてもよい。
また、管本体10の長手方向において複数の断熱材300を配置する場合には、当該複数の断熱材300のうち、試験体30に最も近い位置に配置される断熱材300の少なくとも一部が、上記加熱位置X5と試験体30との間に配置されればよい。
なお、上記加熱位置X5は、管本体10の管壁11の外表面11bに対向するよう配置されるヒータ50の音源20に最も近い端面の位置である。
断熱材300は、その少なくとも一部が、上記音圧測定位置X4と、上記加熱位置X5との間に配置されてもよい。具体的に、図9に示す例において、断熱材300は、その全体が、上記音圧測定位置X4と、上記加熱位置X5との間に配置されている。
ただし、断熱材300の配置は、図9に示す例に限られない。すなわち、断熱材300は、例えば、その音源20側の表面300a、及び/又は、その試験体30側の表面300bが、上記音圧測定位置X4と上記加熱位置X5との間に位置するよう配置される。
なお、本実施形態の第三の側面に係る本装置1を製造する方法は、特に限られないが、まず管本体10を準備し、次いで、当該管本体10の管内10cに音波透過性の断熱材300を配置することを含む方法により製造される。
本装置1及び本方法は、上述した第一の側面に係る技術的特徴、第二の側面に係る技術的特徴、及び第三の側面に係る技術的特徴からなる群より選択される2以上の技術的特徴を含むこととしてもよい。
すなわち、本装置1は、例えば、管本体10と、第一の加熱制御部110と、第二の加熱制御部120と、昇温抑制部200と、を含むこととしてもよい。また、本方法は、例えば、管本体10を含む装置を準備すること、当該管本体10の上記第一の位置X1で測定された第一の温度に基づき決定された条件で、第一の管壁部分101を加熱すること、当該管本体10の上記第二の位置X2で測定された第二の温度に基づき決定された条件で、第二の管壁部分102を加熱すること、管本体10の試験体30と音圧センサ40との間に含まれる管壁部分201が当該管壁部分201に対向するヒータ50により加熱された当該管本体10の管内10cに音源20から当該試験体30に向けて音波を放射し、且つ加熱された当該管本体10の当該音圧センサ40と当該音源20との間に含まれる、当該ヒータ50に対向しない管壁部分202からの放熱を促進し、及び/又は当該ヒータ50に対向しない管壁部分202の熱抵抗を増加させて、当該音源20の温度の上昇を抑制しながら、当該音圧センサ40により当該管内10cの音圧を測定すること、及び当該音圧センサ40による測定結果に基づいて、当該試験体30の垂直入射音響特性を評価すること、を含むこととしてもよい。
本装置1は、例えば、管本体10と、第一の加熱制御部110と、第二の加熱制御部120と、音波透過性の断熱材300と、を含むこととしてもよい。また、本方法は、例えば、管本体10と、音波透過性の断熱材300と、を含む装置を準備すること、当該管本体10の上記第一の位置X1で測定された第一の温度に基づき決定された条件で、第一の管壁部分101を加熱すること、当該管本体10の上記第二の位置X2で測定された第二の温度に基づき決定された条件で、第二の管壁部分102を加熱すること、加熱された当該管本体10の管内10cに音源20から試験体30に向けて音波を放射しながら、音圧センサ40により当該管内10cの音圧を測定すること、及び当該音圧センサ40による測定結果に基づいて、当該試験体30の垂直入射音響特性を評価すること、を含むこととしてもよい。
本装置1は、例えば、管本体10と、昇温抑制部200と、音波透過性の断熱材300と、を含むこととしてもよい。また、本方法は、例えば、管本体10と、音波透過性の断熱材300と、を含む装置を準備すること、当該管本体10の試験体30と音圧センサ40との間に含まれる管壁部分201を、対向するヒータ50により加熱すること、加熱された当該管本体10の管内10cに音源20から当該試験体30に向けて音波を放射し、且つ加熱された当該管本体10の当該音圧センサ40と当該音源20との間に含まれる、当該ヒータ50に対向しない管壁部分202からの放熱を促進し、及び/又は当該ヒータ50に対向しない管壁部分202の熱抵抗を増加させて、当該音源20の温度の上昇を抑制しながら、当該音圧センサ40により当該管内10cの音圧を測定すること、及び当該音圧センサ40による測定結果に基づいて、当該試験体30の垂直入射音響特性を評価すること、を含むこととしてもよい。
本装置1は、例えば、管本体10と、第一の加熱制御部110と、第二の加熱制御部120と、昇温抑制部200と、音波透過性の断熱材300と、を含むこととしてもよい。また、本方法は、例えば、管本体10と、音波透過性の断熱材300と、を含む装置を準備すること、当該管本体10の上記第一の位置X1で測定された第一の温度に基づき決定された条件で、第一の管壁部分101を加熱すること、当該管本体10の上記第二の位置X2で測定された第二の温度に基づき決定された条件で、第二の管壁部分102を加熱すること、管本体10の試験体30と音圧センサ40との間に含まれる管壁部分201が当該管壁部分201に対向するヒータ50により加熱された当該管本体10の管内10cに音源20から当該試験体30に向けて音波を放射し、且つ加熱された当該管本体10の当該音圧センサ40と当該音源20との間に含まれる、当該ヒータ50に対向しない管壁部分202からの放熱を促進し、及び/又は当該ヒータ50に対向しない管壁部分202の熱抵抗を増加させて、当該音源20の温度の上昇を抑制しながら、当該音圧センサ40により当該管内10cの音圧を測定すること、及び当該音圧センサ40による測定結果に基づいて、当該試験体30の垂直入射音響特性を評価すること、を含むこととしてもよい。

Claims (11)

  1. 一方の端部に音源が配置され、管内に測定対象の試験体が配置され、前記音源と前記試験体との間に音圧センサが配置される管本体と、
    前記管本体の前記試験体と前記音圧センサとの間に含まれる管壁部分が、対向するヒータにより加熱される場合において、前記音圧センサと前記音源との間の管壁に含まれる、前記ヒータに対向しない非加熱部分からの放熱を促進し、及び/又は前記非加熱部分の熱抵抗を増加させて、前記音源の温度上昇を抑制する昇温抑制部と、
    を含む垂直入射音響特性測定装置。
  2. 前記昇温抑制部は、前記非加熱部分に設けられた放熱フィンを含む、請求項に記載の装置。
  3. 前記昇温抑制部は、前記非加熱部分に含まれる、前記試験体側に連なる管壁部分より厚みが小さい薄肉部分を含む、請求項又はに記載の装置。
  4. 前記昇温抑制部は、前記非加熱部分の周囲に、前記非加熱部分の温度より低い温度の流体を流通させる冷却部を含む、請求項乃至のいずれかに記載の装置。
  5. 前記昇温抑制部は、前記非加熱部分に配置された、熱電変換素子を含む冷却部を含む、請求項乃至のいずれかに記載の装置。
  6. 一方の端部に音源が配置され、管内に測定対象の試験体が配置され、前記音源と前記試験体との間に音圧センサが配置された管本体を含む装置を準備すること、
    前記管本体の前記試験体と前記音圧センサとの間に含まれる管壁部分を、対向するヒータにより加熱すること、
    加熱された前記管本体の管内に前記音源から前記試験体に向けて音波を放射し、且つ加熱された前記管本体の前記音圧センサと前記音源との間の管壁に含まれる、前記ヒータに対向しない非加熱部分からの放熱を促進し、及び/又は前記非加熱部分の熱抵抗を増加させて、前記音源の温度の上昇を抑制しながら、前記音圧センサにより前記管内の音圧を測定すること、及び
    前記音圧センサによる測定結果に基づいて、前記試験体の垂直入射音響特性を評価すること、
    を含む、垂直入射音響特性測定方法。
  7. 前記装置は、前記非加熱部分に設けられた放熱フィンを含み、
    前記放熱フィンにより、前記非加熱部分からの放熱を促進して、前記音源の温度の上昇を抑制する、
    請求項に記載の方法。
  8. 前記装置の前記非加熱部分は、前記試験体側に連なる管壁部分より厚みが小さい薄肉部分を含み、
    前記薄肉部により、前記非加熱部分の熱抵抗を増加させて、前記音源の温度の上昇を抑制する、
    請求項又はに記載の方法。
  9. 前記非加熱部分の周囲に、前記非加熱部分の温度より低い温度の流体を流通させることにより、前記非加熱部分からの放熱を促進して、前記音源の温度の上昇を抑制する、
    請求項乃至のいずれかに記載の方法。
  10. 前記装置は、前記非加熱部分に配置された、熱電変換素子を含む冷却部を含み、
    前記冷却部により、前記非加熱部分からの放熱を促進して、前記音源の温度の上昇を抑制する、
    請求項乃至のいずれかに記載の方法。
  11. 一方の端部に音源が配置され、管内に測定対象の試験体が配置され、前記音源と前記試験体との間に音圧センサが配置される管本体をまず準備し、次いで、前記管本体の前記試験体と前記音圧センサとの間に含まれる管壁部分が、対向するヒータにより加熱される場合において、前記音圧センサと前記音源との間の管壁に含まれる、前記ヒータに対向しない非加熱部分からの放熱を促進し、及び/又は前記非加熱部分の熱抵抗を増加させて、前記音源の温度上昇を抑制する昇温抑制部を設けることを含む方法により製造される、垂直入射音響特性測定装置。
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