JP6325827B2 - 風取込装置 - Google Patents

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本発明は、建物の外壁に沿って流れる風を室内に取り込めるようにした風取込装置に関する。
室内と室外とを連通させる窓等の開口部に建物の外壁に沿って流れる風を開口部に導くための風誘導部材(導風板)を備え、建物の外壁に沿って流れる風が風誘導部材に衝突した後に開口部を通過して室内に取り込まれるように構成された風取込装置が知られている(特許文献1等参照)。
特開2000−160957号公報
しかしながら、特許文献1の図1;図2;図7;図8に開示された構成では、例えば、風が開口部の右方から外壁に沿って流れていた状態から風が開口部の左方から外壁に沿って流れる状態に変化した場合、即ち、風向きが変わった場合、風向きに合わせて風誘導部材(導風板)の状態をいちいち変更しなくてはならない。
また、特許文献1の図1;図2;図7;図8に開示された従来の風取込装置によれば、風誘導部材が開口部の左方から外壁に沿って流れてくる風を開口部に導くように設定されるか、又は、風誘導部材が開口部の右方から外壁に沿って流れてくる風を開口部に導くように設定されるかであり、風誘導部材を、開口部の左方から外壁に沿って流れてくる風及び開口部の右方から外壁に沿って流れてくる風の両方を開口部に導くことが可能な状態に設定することができない。
また、特許文献1の図4;図5に開示された構成では、例えば、風の強さや風向き状態によっては、風誘導部材が開口部と対向する位置に留まってしまう可能性があり、この場合、開口部の右方から外壁に沿って流れる風や開口部の左方から外壁に沿って流れる風が開口部の前を通り過ぎてしまって、外壁に沿って流れる風が室内に取り込まれない可能性がある。
つまり、特許文献1の構成では、風誘導部材が、開口部の左方から外壁に沿って流れてくる風を開口部に導くことが可能な状態に設定されるとともに開口部の右方から外壁に沿って流れてくる風を開口部に導くことが可能な状態に設定される構成ではなく、また、外壁に沿って流れる風を室内に取り込めない可能性もある。
本発明は、開口部の左方から外壁に沿って流れてくる風、又は、開口部の右方から外壁に沿って流れてくる風、又は、開口部の上方から外壁に沿って流れてくる風、又は、開口部の下方から外壁に沿って流れてくる風を、確実に、室内に取り込めるとともに、風誘導部材を、開口部の左方から外壁に沿って流れてくる風及び開口部の右方から外壁に沿って流れてくる風の両方を開口部に導くことが可能な状態、又は、風誘導部材を、開口部の上方から外壁に沿って流れてくる風及び開口部の下方から外壁に沿って流れてくる風の両方を開口部に導くことが可能な状態に設定することができて、当該状態で外壁に沿って流れる風を複数方向から室内に取り込めるようにした風取込装置を提供する。
本発明に係る風取込装置は、建物の壁を貫通して建物の室内と室外とを連通させる開口部の左右の開口縁部より室外に突出するように建物の外壁に取付けられたシャッター装置の左右一対のガイドレールと、左右一対のガイドレールの室外側に配置された左右一対の遮風板と、遮風板を貫通するように設けられて風を通過させる通風孔と、通風孔を開閉可能でかつ通風孔を通過する風を開口部側に誘導する風誘導部材と、を備えた。
また、左の遮風板の後端縁が左のガイドレールに連結され、右の遮風板の後端縁が右のガイドレールに連結されたことを特徴とする。
また、シャッター装置は、左右一対の遮風板の下端間に跨るように設けられて各遮風板の下端縁が連結された下枠を備えたことを特徴とする。
本発明に係る開閉装置によれば、建物の開口部の左右の開口縁部より室外に突出するように建物の外壁に取付けられたシャッター装置の左右一対のガイドレールの室外側に配置された左右一対の風遮蔽板にそれぞれ通風孔と風誘導部材とを備えた構成としたことにより、風誘導部材を、開口部の左方から外壁に沿って流れてくる風及び開口部の右方から外壁に沿って流れてくる風の両方を開口部に導くことが可能な状態に設定することができるので、当該状態で外壁に沿って流れる風を左右方向から室内に取り込めるようになる。
また、左の遮風板の後端縁が左のガイドレールに連結され、右の遮風板の後端縁が右のガイドレールに連結されたので、風圧に耐える構造の風取込装置を提供できる。
また、シャッター装置は、左右一対の遮風板の下端間に跨るように設けられて各遮風板の下端縁が連結された下枠を備えたので、風圧に耐える構造の風取込装置を提供できる。
風取込装置を示す斜視図(実施形態1)。 風取込装置を示す断面図(実施形態1)。 3バーヒンジを用いた例を示す斜視図(実施形態2) 伸縮可能な風誘導部材を用いた例を示す斜視図(実施形態3)。 風取込機能付シャッター装置を示す斜視図(実施形態4)。 風取込機能付シャッター装置を示す断面図(実施形態4)。 風取込機能付シャッター装置を示す斜視図(実施形態5)。 風取込機能付シャッター装置を示す断面図(実施形態5)。 折畳み可能な遮風板を用いた例を示す図であり、(a)は風取込装置が風取込可能状態に設定された場合を示す正面図、(b)は風取込装置が風取込不能状態に設定された場合を示す正面図、(c)は折畳み可能な遮風板の伸長状態を示す斜視図(実施形態6)。 伸縮可能な遮風板を用いた例を示す図であり、(a)は風取込装置が風取込可能状態に設定された場合を示す正面図、(b)は風取込装置が風取込不能状態に設定された場合を示す正面図、(c)は伸縮可能な遮風板の伸長状態を示す斜視図(実施形態7)。
実施形態1
図1;2に示すように、風取込装置1は、建物80の外壁81及び内壁82を貫通して建物80の室内83と室外84とを連通させる開口部85の左右の開口縁部86A;86Bより室外84に突出するように設けられ、外壁81に沿って左方又は右方から吹く風を開口部85に導いて室内83に取り込む装置である。
風取込装置1は、左右一対の左側風取込装置2Aと右側風取込装置2Bとを備える。
左側風取込装置2Aは、開口部85の左の開口縁部86Aより室外84に突出するように設けられた左側遮風板21Aと、左側遮風板21Aを貫通するように設けられて風を通過させる左側通風孔22Aと、左側通風孔22Aを開閉可能でかつ左側通風孔22Aを通過する風を開口部85に誘導する左側風誘導部材23Aとを備えた構成である。
右側風取込装置2Bは、開口部85の右の開口縁部86Bより室外84に突出するように設けられた右側遮風板21Bと、右側遮風板21Bを貫通するように設けられて風を通過させる右側通風孔22Bと、右側通風孔22Bを開閉可能でかつ右側通風孔22Bを通過する風を開口部85に誘導する右側風誘導部材23Bとを備えた構成である。
開口部85は、例えば、サッシ枠等の窓枠87で囲まれた窓を形成する開口部である。窓枠87が建物80の壁下地に形成された窓枠固定下地88に固定され、そして、壁下地の室外84側に形成された外壁下地面に外壁81が形成され、壁下地の室内83側に形成された内壁下地面に内壁82が形成されることによって、窓枠87の室外84側の外周縁を囲むように外壁81が設けられ、窓枠87の室内83側の外周縁を囲むように内壁82が設けられる。窓枠87で囲まれた窓である開口部85には、当該開口部85を開閉可能な開閉体としての戸90が設けられる。当該戸90は、例えば、引き違い戸(図1参照)、上げ下げ戸、ルーバー戸等である。
左側遮風板21Aは、例えば、互いに対向する板面が長方形に形成された長方形板の板面を貫通させて形成された左側通風孔22Aを囲む枠体に形成され、当該枠体の長辺21aが窓枠87の左縦枠87Aに沿って上下方向に延長するとともに枠体の板面21bが外壁面81と直交するように、枠体の一方の長辺部が、開口部85の左の開口縁部86Aとしての、例えば、窓枠87の左縦枠87A、又は、左縦枠87A近傍の窓枠固定下地88等に取付けられる。
右側遮風板21Bは、例えば、互いに対向する板面が長方形に形成された長方形板の板面を貫通させて形成された右側通風孔22Bを囲む枠体に形成され、当該枠体の長辺21aが窓枠87の右縦枠87Bに沿って上下方向に延長するとともに枠体の板面21bが外壁面81と直交するように、枠体の一方の長辺部が、開口部85の右の開口縁部86Bとしての、例えば、窓枠87の右縦枠87B、又は、右縦枠87B近傍の窓枠固定下地88等に取付けられる。
左側通風孔22Aは、左側遮風板21Aを形成する枠体で囲まれた1つ又は複数の開口により構成される。例えば、左側遮風板21Aを形成する枠体の外形である長方形と相似な1つの長方形の貫通孔(図1参照)、又は、左側遮風板21Aを形成する枠体の内側に上下方向に複数並ぶように形成された複数の貫通孔、又は、左側遮風板21Aを形成する枠体の内側に前後方向に複数並ぶように形成された複数の貫通孔により構成される。
右側通風孔22Bは、右側遮風板21Bを形成する枠体で囲まれた1つ又は複数の開口により構成される。例えば、右側遮風板21Bを形成する枠体の外形である長方形と相似な1つの長方形の貫通孔(図1参照)、又は、右側遮風板21Bを形成する枠体の内側に上下方向に複数並ぶように形成された複数の貫通孔、又は、右側遮風板21Bを形成する枠体の内側に前後方向に複数並ぶように形成された複数の貫通孔により構成される。
左側遮風板21Aは、左側通風孔22Aが形成されるとともに左側風誘導部材23Aを回転可能に支持する支持体として機能する。
右側遮風板21Bは、右側通風孔22Bが形成されるとともに右側風誘導部材23Bを回転可能に支持する支持体として機能する。
尚、上述した前後方向とは、外壁面81と直交する方向であり、前方向とは室内83から室外84に向けて進行する方向、後方向とは室外84から室内83に向けて進行する方向をいう。
左側風誘導部材23Aは、左側通風孔22Aを塞ぐことが可能な大きさに形成され、ヒンジ24Aにより左側通風孔22Aを開閉させるように可動可能に設けられた可動板により構成される。
右側風誘導部材23Bは、右側通風孔22Bを塞ぐことが可能な大きさに形成され、ヒンジ24Bにより右側通風孔22Bを開閉させるように可動可能に設けられた可動板により構成される。
ヒンジ24Aは、例えば、左側通風孔22Aを囲む枠体における外壁81から遠い位置にある左側通風孔22Aの上下方向に延長する開口縁に沿った左側風誘導部材23Aの辺縁を回転中心として当該左側風誘導部材23Aを回転させるヒンジにより構成される。
ヒンジ24Bは、例えば、右側通風孔22Bを囲む枠体における外壁81から遠い位置にある右側通風孔22Bの上下方向に延長する開口縁に沿った右側風誘導部材23Bの辺縁を回転中心として当該右側風誘導部材23Bを回転させるヒンジにより構成される。
尚、上述した説明から明らかなように、左側遮風板21A及び右側遮風板21B、左側通風孔22A及び右側通風孔22B、左側風誘導部材23A及び右側風誘導部材23Bは、左右の違い以外は構成が同じであるので、以下、本発明の説明において、必要に応じて、単に、「遮風板」、「通風孔」、「風誘導部材」と言う。
実施形態1による風取込装置1によれば、図2に示すように、左側風誘導部材23A及び右側風誘導部材23Bの外壁81に近い側の辺部23tを開口部85の中心85aに近づくように移動させることによって、外壁81に沿って流れる風が左側通風孔22Aあるいは右側通風孔22Bを通過した後、左側風誘導部材23Aあるいは右側風誘導部材23Bの板面(外面)に沿って開口部85側に導かれ、開口部85を経由して室内83に取り込まれる。
即ち、図2の矢印F1に示すように、外壁81に沿って開口部85の左側から右側に向かって流れる風が、左側通風孔22Aを通過した後、左側風誘導部材23Aの板面に沿って開口部85側に導かれ、開口部85を経由して室内84に取り込まれるとともに、図の矢印F2に示すように、外壁81に沿って開口部85の右側から左側に向かって流れる風が、右側通風孔22Bを通過した後、右側風誘導部材23Bの板面に沿って開口部85側に導かれ、開口部85を経由して室内84に取り込まれる。
つまり、左側風誘導部材23Aが開口部85の左方から外壁81に沿って流れてくる風を開口部85に導くことが可能な状態に設定されるとともに、右側風誘導部材23Bが開口部85の右方から外壁81に沿って流れてくる風を開口部85に導くことが可能な状態に設定されるので、左側風誘導部材23A及び右側風誘導部材23Bが当該状態に維持されることによって、当該状態で開口部85の左方から外壁81に沿って流れてくる風及び開口部85の右方から外壁81に沿って流れてくる風の両方を室内83に取り込めるようになる。
即ち、左側風誘導部材23A及び右側風誘導部材23Bをともに風取り込み可能状態に設定できるので、当該状態で外壁に沿って流れる風を開口部の左右の方向から室内83に取り込めるようになる。
また、開口部85の左方から外壁81に沿って流れてくる風、開口部85の右方から外壁81に沿って流れてくる風を、個別に室内83に取り込むことも可能である。
また、左右の通風孔22A;22Bを塞ぐように左右の風誘導部材23A;23Bを設定することにより、外壁81に沿って流れてくる風を開口部85に導かないようにすることも可能である。
さらに、左右の通風孔22A;22Bを塞ぐように左右の風誘導部材23A;23Bを設定した状態での左側風取込装置2A及び右側風取込装置2Bが、開口部85の前方に位置されないように構成することで、左右の通風孔22A;22Bを塞ぐように左右の風誘導部材23A;23Bが設定された場合には、開口部85の前方において、開口部85の前方の室外84から後方の室内83に向けて吹く風を遮るものが無くなるため、開口部85の前方の室外84から後方の室内83に向けて吹く風が開口部85を介して室内84にスムーズに取り込まれるようになる。
また、このように左右の通風孔22A;22Bを塞ぐように左右の風誘導部材23A;23Bを設定した場合には、開口部85の前方に、室内83側から見た開口部85の前方の室外84の眺望を阻害するものが無くなるため、開口部85の前方の眺望を損なうことも無くなる。
実施形態2
ヒンジ24A;24Bとして、例えば、3バーヒンジ(図3参照)、6バーヒンジ等のバーヒンジと呼ばれるヒンジを用いてもよい。
以下、遮風板に3バーヒンジを用いて風誘導部材を取付ける場合について説明する。
3バーヒンジは、遮風板の下横枠、及び、上横枠の両方に固定される。
以下、図3に基づいて、左側遮風板21Aの下横枠21cに固定された3バーヒンジ24Hと左側風誘導部材23Aとの関係を説明する。
下側の3バーヒンジ24Hは、左側遮風板21Aの下横枠21cに固定される固定リンク24aと、一端が固定リンク24aの一端側に回転自在に取付けられた第1可動リンク24bと、固定リンク24a上を移動可能に設けられたスライダー24cと、一端がスライダー24cに回転自在に取付けられた第2可動リンク24dと、一端が第2可動リンク24dの他端に回転自在に取付けられかつ他端側寄り中央部が第1可動リンク24bの他端に回転自在に取付けられた連結リンク24eと、風誘導部材が通風孔を開放するように作動する場合にスライダー24cの移動を阻止するストッパー24iと、風誘導部材が通風孔を閉じるように作動する場合に第2可動リンク24dの回転を阻止するストッパー凹部24jとを備えた構成である。
取付ねじ24fが連結リンク24eの取付孔24gを介して左側風誘導部材23Aの下端面23hに締結され、左側風誘導部材23Aの下端面23hと連結リンク24eとが連結され、同様に、上側の3バーヒンジが左側遮風板21Aの上横枠の固定され、左側風誘導部材23Aの上端面と連結リンクとが連結されることによって、左側風誘導部材23Aが左側通風孔22Aを開閉可能なように上下の3バーヒンジで左側遮風板21Aに取付けられている。
同様に右側風誘導部材23Bも3バーヒンジを用いて右側遮風板21Bに取付ける。
風誘導部材が通風孔を閉じるように作動する場合には、第1可動リンク24b、第2可動リンク24d、連結リンク24eが、固定リンク24aと平行な状態に近づくように動作し、第2可動リンク24dの一端部が回転してストッパー凹部24jに嵌る。
風誘導部材が通風孔を開くように作動する場合には、連結リンク24eと連結リンク24eとが直線状態に近づくように作動した後、スライダー24cが固定リンク24aの一端側に移動し、第1可動リンク24b及び連結リンク24eが開口部85に近づく方向に移動する。
3バーヒンジのようなバーヒンジを用いた場合、実施形態1と同じ効果が得られる他、風誘導部材の外壁81に近い側の辺部23tが開口部85の中心85aに近づくように風誘導部材を回転させる場合において、風誘導部材全体を開口部85に近づく方向に移動させることができ、風誘導部材の外壁81に近い側の辺部23tと開口部85との間の離間距離を短くできる。従って、外壁81に沿って流れる風が、通風孔を通過した後、風誘導部材の板面に沿って開口部85に導かれやすくなって室内83に取り込まれやすくなる。
実施形態3
風誘導部材として、伸縮可能に構成された伸縮風誘導部材を用いてもよい。
以下、図4を参照し、右側遮風板21Bに取付けられる伸縮風誘導部材23Xを例にして説明する。
伸縮風誘導部材23Xは、第1風誘導部材23aと第2風誘導部材23bとを備える。
第1風誘導部材23aは、左側通風孔22Aを塞ぐことが可能な大きさに形成され、ヒンジ24Bにより左側通風孔22Aを開閉させるように可動可能に設けられ、かつ、第2風誘導部材23bを保持するための上保持部23c及び下保持部23dを備えた可動板により構成される。上保持部23cは、例えば、可動板となる四角形の板の一辺側を折り返して形成された断面凹状の溝レール23fにより構成される。下保持部23dは、例えば、可動板となる四角形の板の一辺と平行に対向する他辺側を折り返して上保持部23cの断面凹状の溝レールと向かい合うように形成された断面凹状の溝レール23gにより構成される。
第2風誘導部材23bは、上辺側が上保持部23cの溝レール23f内を移動可能でかつ下辺側が下保持部23dの溝レール23g内を移動可能なように保持された板材により構成される。尚、23eは、上保持部23c及び下保持部23dの溝レール23f;23gに第2風誘導部材23bを出し入れするための取っ手である。また、伸縮風誘導部材23Xの第2風誘導部材23bの上保持部23c及び下保持部23dからの脱落を防止するための図外のストッパが設けられている。
第1風誘導部材23aと第2風誘導部材23bとが重ね合わされた状態の伸縮風誘導部材23Xの外壁81に近い側の辺部を開口部85の中心85aに近づくように移動させ、かつ、第2風誘導部材23bの外壁81に近い側から当該第2風誘導部材23bを溝レール23f;23gから引き出して、第2風誘導部材23bの外壁81に近い側の辺部23uを開口部85に近づける。
実施形態3の伸縮風誘導部材23Xを用いた場合、実施形態1と同じ効果が得られる他、第1風誘導部材23aの外壁81に近い側の辺部が開口部85の中心85aに近づくようにかつ開口部85から離れる方向に移動した場合でも、第2風誘導部材23bを溝レール23f;23gより引き出して伸縮風誘導部材23Xを伸長させることで、第2風誘導部材23bの外壁81に近い側の辺部23uが開口部85に近づき、実施形態2で説明したバーヒンジを用いた場合と同様に、第2風誘導部材23bの外壁81に近い側の辺部23uと開口部85との間の離間距離を短くできる。従って、外壁81に沿って流れる風が、通風孔を通過した後、風誘導部材の板面に沿って開口部85に導かれやすくなって室内83に取り込まれやすくなる。
尚、上述したヒンジにより回転可能に構成された風誘導部材の回転角度を所定の角度に、すなわち、予め定められた固定の角度や例えば風の強さに応じて使用者が希望する任意の角度に維持するためのストッパを備えることが好ましい。当該ストッパーとしては、例えば、調整器と呼ばれる突張棒のようなストッパーやヒンジに内臓されたストッパー等がある。
実施形態4
実施形態1乃至実施形態3で説明した風取込装置1とシャッター装置3とを備えた図5;図6に示すような風取込機能付シャッター装置を構成してもよい。
シャッター装置3は、左側遮風板21A;右側遮風板21Bの上端間に跨るように設けられたシャッターケース31と、左側遮風板21A;右側遮風板21Bの下端間に跨るように設けられた下枠32と、左側遮風板21Aの前縁に沿って上下方向に延長するように設けられた左ガイドレール33と、右側遮風板21Bの前縁に沿って上下方向に延長するように設けられた右ガイドレール34と、シャッターケース31と左右のガイドレール33;34と下枠32とで囲まれた開口部を開閉する開閉体としてのシャッターカーテン35と、シャッターカーテン35が巻き取り及び繰り出し可能に取付けられたシャフト36と、シャフト36の回転中心線を回転中心として当該シャフト36を回転させる図外の回転駆動機構を備える。
シャフト36及び回転駆動機構並びに図外の制御装置等は、シャッターケース31内に収納される。シャッターカーテン35の下端部が左右のガイドレール33;34に案内されて開口部85を開閉する。
風取込装置1の左側風取込装置2A及び右側風取込装置2Bは、例えば、左側遮風板21A及び右側遮風板21Bの後端縁が図外の連結手段により窓枠87に連結され、左側遮風板21A及び右側遮風板21Bの上端縁が図外の連結手段によりシャッターケース31に連結され、左側遮風板21A及び右側遮風板21Bの前端縁が図外の連結手段によりガイドレール33;34に連結され、左側遮風板21A及び右側遮風板21Bの下端縁が図外の連結手段により下枠32に連結されていることで、風取込装置1が風圧に耐える構造となっている。
即ち、建物80の外壁81とガイドレール33;34との間に、左側風取込装置2A及び右側風取込装置2Bが設けられた構成となっている。
実施形態5
実施形態4では、風取込装置1が建物80の外壁81とガイドレール33;34との間に設けられた構成の風取込機能付シャッター装置について説明したが、図7;図8に示すように、ガイドレール33;34が外壁81に取付けられ、風取込装置1の左側風取込装置2A及び右側風取込装置2Bがガイドレール33;34の前側(室外84側)に配置された構成の風取込機能付シャッター装置としてもよい。
風取込装置1の左側風取込装置2A及び右側風取込装置2Bは、例えば、左側遮風板21A及び右側遮風板21Bの後端縁が図外の連結手段によりガイドレール33;34に連結され、左側遮風板21A及び右側遮風板21Bの上端縁が図外の連結手段によりシャッターケース31に連結され、左側遮風板21A及び右側遮風板21Bの下端縁が図外の連結手段により下枠32に連結されていることで、風取込装置1が風圧に耐える構造となっている。
尚、図5乃至図8において、図1及び図2と同一部分は同一符号を付し、その説明を省略している。
実施形態4;実施形態5によれば、実施形態1乃至実施形態3の効果が得られる風取込機能付シャッター装置を提供できる。また、横方向からの光を遮断することもできる。
実施形態6
実施形態4又は実施形態5で説明した風取込機能付シャッター装置の左側風取込装置2A及び右側風取込装置2Bの遮風板が、折畳み可能に構成され、伸長状態において、ガイドレール33;34に沿って上下方向に延長するように設定され、かつ、折畳まれた状態でシャッターケース31の下面31aに固定可能に構成された風取込機能付シャッター装置であってもよい。
例えば、図9(c)に示すように、折畳み可能な遮風板25は、長方形枠状に形成された上遮風板25A及び下遮風板25Bを備える。
上遮風板25A及び下遮風板25Bは、例えば、同じ大きさに形成され、長辺同士が一直線上に位置されるように上遮風板25Aの短辺下端と下遮風板25Bの短辺上端とがヒンジ24Yを介して連結され、ヒンジ24Yにより上遮風板25Aと下遮風板25Bとが互いに近づく方向に回転して上遮風板25Aと下遮風板25Bとが重なり合うように折畳み可能な構成となっている。
遮風板25は、上遮風板25Aの上端がヒンジ24Xによってシャッターケース31の下面31aに取付けられて、上遮風板25A及び下遮風板25Bの長辺同士が例えば垂直方向に一直線上に位置された伸長状態に設定された場合、遮風板25の上下方向の高さ寸法はガイドレール33;34の上下の高さ寸法とほぼ同じ寸法となるように形成されている(図9(a)参照)。
尚、ガイドレール33;34の外面には、伸長状態の遮風板25を受ける受け部33T;34Tが設けられ、当該受け部33T;34Tに設けられた磁石やその他の固定手段により、遮風板25が伸長状態に維持される。
そして、遮風板25の伸長状態から下遮風板25Bの下端側を上方に移動させると、遮風板25がヒンジ24Yの部分で折れ曲がり、上遮風板25Aと下遮風板25Bとが重なり合うように折畳まれた状態でシャッターケース31の下面31aに沿った状態となる(図9(b)参照)。この状態が、図外の磁石やその他の固定手段で維持させることにより、風取込装置不使用状態に維持される。
実施形態7
実施形態4又は実施形態5で説明した風取込機能付シャッター装置の左側風取込装置2A及び右側風取込装置2Bの遮風板が、伸縮自在に構成され、伸長状態において、ガイドレール33;34に沿って上下方向に延長するように設定され、縮状態でシャッターケース31の下面31aに固定可能に構成された風取込機能付シャッター装置であってもよい。
例えば、図10(c)に示すように、伸縮可能な遮風板27は、方形枠状に形成された上遮風板27A及び下遮風板27Bを備える。
上遮風板27Aは、下遮風板27Bを保持するための前後一対の保持部27a;27bを備えた可動板により構成される。保持部27aは、例えば、可動板となる四角形の板の一辺側を折り返して形成された断面凹状の溝レール27cより構成され、保持部27bは、例えば、可動板となる四角形の板の一辺と平行に対向する他辺側を折り返して保持部27aの断面凹状の溝レール27cと向かい合うように形成された断面凹状の溝レール27dにより構成される。
下遮風板27Bは、一方の長辺側が保持部27aの溝レール27c内を移動可能でかつ他方の長辺側が保持部27bの溝レール27d内を移動可能なように保持された板材により構成される。尚、下遮風板27Bの溝レール27c;27dからの脱落を防止するための図外のストッパが設けられている。
遮風板27は、上遮風板27Aの上端がヒンジ24Zによってシャッターケース31の下面31aに取付けられて、図10(c)のように伸長状態に設定された場合、遮風板25の上下方向の高さ寸法はガイドレール33;34の上下の高さ寸法とほぼ同じ寸法となるように形成されている(図10(a)参照)。
上遮風板27Aと下遮風板27Bとが重ね合わされた縮状態の遮風板27を、ヒンジ24Zを介して回転させて、シャッターケース31の下面31aに沿った状態とする(図10(b)参照)。この状態を、図外の磁石やその他の固定手段で維持させることにより、風取込装置不使用状態に維持される。
尚、実施形態6の上遮風板25A及び下遮風板25Bで囲まれた通風孔を開閉可能な風誘導部材26や実施形態7の上遮風板27A及び下遮風板27Bで囲まれた通風孔を開閉可能な風誘導部材28は、例えば実施形態1や実施形態2と同様なヒンジにより上遮風板及び下遮風板に取付けられ、上述したように、外壁81に沿って吹く風を室内83に取り込むことが可能な状態に設定される。
実施形態6;実施形態7によれば、実施形態4;5と同じ効果が得られる他、風取込装置不使用状態にすることで、横方向からの光を室内83に導けるようになるという効果が得られる。
実施形態8
上記各実施形態では、開口部85の左の開口縁部86Aより室外84に突出するように設けられた左側風取込装置2Aと、開口部85の右の開口縁部86Bより室外84に突出するように設けられた右側風取込装置2Bとを備えた風取込装置1を説明したが、開口部85の上の開口縁部より室外84に突出するように設けられた図外の上側風取込装置と、開口部85の下の開口縁部より室外84に突出するように設けられた図外の下側風取込装置とを備えた風取込装置であってもよい。
上側風取込装置は、開口部85の上側開口縁部より室外84に突出するように設けられた上側遮風板と、上側遮風板を貫通するように設けられて風を通過させる上側通風孔と、上側通風孔を開閉可能でかつ上側通風孔を通過する風を開口部85に誘導する上側風誘導部材とを備えた構成である。
下側風取込装置は、開口部85の下側開口縁部より室外84に突出するように設けられた下側遮風板と、下側遮風板を貫通するように設けられて風を通過させる下側通風孔と、下側通風孔を開閉可能でかつ下側通風孔を通過する風を開口部85に誘導する下側風誘導部材とを備えた構成である。
上側風取込装置及び下側風取込装置の構成部品は、左側風取込装置及び右側風取込装置と同様の構成の構成部品を用いればよい。
実施形態8によれば、開口部85の上方向から外壁81に沿って吹く風、開口部85の下方向から外壁81に沿って吹く風に対して、実施形態1と同じ効果が得られるようになる。
実施形態9
実施形態1の風取込装置1と実施形態8の風取込装置とを組み合わせて、開口部85の上下左右の開口縁部より室外84に突出するように設けられた風取込装置としてもよい。
即ち、開口部85の室外84側の開口縁部を、左側風取込装置2A、右側風取込装置2B、上側風取込装置、下側風取込装置で囲むように構成された風取込装置とする。
実施形態9によれば、開口部85の左方向から外壁81に沿って吹く風、開口部85の右方向から外壁81に沿って吹く風、開口部85の上方向から外壁81に沿って吹く風、開口部85の下方向から外壁81に沿って吹くに対して、実施形態1と同じ効果が得られるようになる。即ち、外壁81に沿って吹く風を、開口部85の左右上下方向から室内83に取り込めるようになる。
尚、例えば図2;図6;図8では、風を室内に取り込む際に窓を開放している例を示したが、窓の全部又は一部が網戸やスリット等で構成された閉鎖状態であっても、風を室内に取り込むことか可能であれば、必ずしも窓の開放は必要ではない。
本発明の風取込装置が設けられるシャッター装置は、電動式シャッター装置、手動式シャッター装置のいずれでもよい。
本発明の適用対象となるシャッター装置の開閉体をシャッターカーテンとした場合、その構成態様としては、所謂スラットを上下方向に複数連設した態様だけではなく、パイプ、パネル、シート状物又はネット状物を単数もしくは複数連設して成る態様のシャッターカーテン、あるいは、スラット、パネル、パイプ、シート状物、ネット状物を適宜に組み合せたシャッターカーテンでもよい。所謂、オーバヘッドタイプのシャッターカーテンにも適用できる。
1 風取込装置、21A;21B 遮風板、22A;22B 通風孔、
23A;23B 風誘導部材、80 建物、81 外壁、83 室内、84 室外、
85 開口部、86A;86B 開口縁部。

Claims (3)

  1. 建物の壁を貫通して建物の室内と室外とを連通させる開口部の左右の開口縁部より室外に突出するように建物の外壁に取付けられたシャッター装置の左右一対のガイドレールと、
    左右一対のガイドレールの室外側に配置された左右一対の遮風板と、
    遮風板を貫通するように設けられて風を通過させる通風孔と、
    通風孔を開閉可能でかつ通風孔を通過する風を開口部側に誘導する風誘導部材と、
    を備えたことを特徴とする風取込装置。
  2. 左の遮風板の後端縁が左のガイドレールに連結され、右の遮風板の後端縁が右のガイドレールに連結されたことを特徴とする請求項1に記載の風取込装置。
  3. シャッター装置は、左右一対の遮風板の下端間に跨るように設けられて各遮風板の下端縁が連結された下枠を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の風取込装置。
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