JP6324609B1 - 固体材料容器およびその固体材料容器に固体材料が充填されている固体材料製品 - Google Patents
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Abstract
Description
用途において使用される。例えば、固体前駆体材料としては、バリア層、高誘電率/低誘電率絶縁膜、金属電極膜、相互接続層、強誘電性層、窒化珪素層又は酸化珪素層用の構成
成分が挙げられ得る。加えて、この固体前駆体としては、化合物半導体用のドーパントとして働く構成成分が挙げられ得る。この新たな材料の一部は、標準温度及び圧力で固体の
形にあるため、製造プロセス用の半導体成膜チャンバへと直接配送することはできない。例示的な前駆体材料としては、アルミニウム、バリウム、ビスマス、クロム、コバルト、
銅、金、ハフニウム、インジウム、イリジウム、鉄、ランタン、鉛、マグネシウム、モリブデン、ニッケル、ニオブ、白金、ルテニウム、銀、ストロンチウム、タンタル、チタン
、タングステン、イットリウム及びジルコニウムの無機化合物及び有機金属化合物が挙げられる。これらの材料は、一般に、非常に高い融点及び低い蒸気圧を有しているため、成
膜チャンバへの導入に先立って、狭い温度及び圧力の範囲内で気化・昇華されねばならない。
法が提案されている。
本発明に係る固体材料容器は、
内部に収納された固体材料を気化させて供給するための固体材料容器であって、
キャリアガスを前記固体材料容器の内部に導入するキャリアガス導入配管と、
前記固体材料容器内に配置され、前記固体材料が充填される第一充填部と、
前記第一充填部の外周の少なくとも一部に位置し、前記固体材料が充填される第二充填部と、
前記固体材料容器の内部の天井側に配置される少なくとも1つのトレー状の第三充填部と、
前記キャリアガスと共に同伴する前記固体材料を前記固体材料容器から導出する固体材料導出配管と、を有し、
前記キャリアガス導入配管のキャリアガス出口部は、前記第一充填部に設けられ、
前記固体材料導出配管の入口部が、前記第三充填部に設けられ、
前記キャリアガスが前記第一充填部、前記第二充填部、前記第三充填部の順に流通することを特徴とする。
なお、本明細書内では、第一充填部は第一充填部内の固体材料が充填された部分および第一充填部内の固体材料が充填されていない空間部分とを含み、第二充填部は第二充填部内の固体材料が充填された部分および第二充填部内の固体材料が充填されていない空間部分を含み、第三充填部は第三充填部内の固体材料が充填された部分および第三充填部内の固体材料が充填されていない空間部分を含む。
もよい。キャリアガスが上から下へ流れる第一充填部では、第一充填部の内部に配置された固体材料の上部の空間に配置されることがより好ましい。前記キャリアガス出口部の位置は、特に限定されないが、固体材料容器の容積や固体材料の特性によって、例えば第一充填部に充填された固体材料の表面から0.1〜30mm、0.1〜10mm、0.1〜0.8mmの範囲とすることができる。
第一充填部から第二充填部へガス(キャリアガスおよびキャリアガスに同伴された固体材料の蒸気が含まれる)が流通する流通部の位置は、キャリアガスが上から下へ流れる第一充填部では、第一仕切り部の下部(好ましくは、容器底から0.1〜30mm、0.1〜10mm、0.1〜0.8mmの範囲が例示される)とすることができる。
固体材料蒸気を含むキャリアガス中の固体材料蒸気濃度は、第一充填部では飽和濃度未満であり、第二充填部で飽和濃度に到達してもよい。
第一充填部及び第二充填部において飽和濃度未満であり、第三充填部で飽和濃度に到達してもよい。
第一充填部で飽和濃度に到達し、第一充填部に充填された固体材料の残量が低下した場合には第二充填部で飽和濃度に到達し、第二充填部に充填された固体材料の残量も低下した場合には第三充填部で飽和濃度に到達してもよい。
さらに本発明によれば、多段に第三充填部を積層しなくてもよいため圧力損失が少なく、第三充填部の圧力は、固体材料容器後段のユースポイントにおける圧力と同程度となる。このため導出される固体材料蒸気濃度は、ユースポイントにおける圧力での飽和蒸気濃度と同等となる。従って、圧力損失に起因する固体材料蒸気濃度低下を防止することができる。
さらに本発明によれば、第一充填部及び第二充填部での固体材料気化量が不十分な場合であっても、第三充填部に充填された固体材料が気化することから、固体材料の固体材料容器内残量が相当程度低下しても、飽和濃度の固体材料蒸気を導出することができる。第三充填部の、固体材料導出配管入口に近い上段のトレー状の容器は圧力損失が少ない。よって第三充填部におけるキャリアガスの線速が早くないため、パーティクルの発生が低減される。
本発明に係る固体材料容器は、前記第一充填部において、前記キャリアガスに含まれる前記固体材料の濃度は第一の濃度にまで上昇され、
前記第二充填部において、前記キャリアガスの前記固体材料の濃度は、前記第一の濃度よりも高い第二の濃度にまで上昇され、
前記第三充填部において、前記キャリアガス中の前記固体材料の濃度は、前記第二の濃度以上である第3の濃度にまで上昇されることができる。
本発明に係る固体材料容器は、前記第二充填部は前記第一充填部の外側部に環状に配置されることを特徴とすることができる。前記第二充填部は、前記第一充填部の外周を囲むように固体材料容器の側壁側に配置されていてもよい。前記第二充填部はまた、前記第一充填部の外周に加えて、前記第一充填部の底部の下方に配置されていてもよい。前記第一充填部の高さは、前記第二充填部の高さよりも高くてもよく、低くてもよく、同じであってもよい。
本発明に係る固体材料容器は、前記固体材料容器の内側の一部または全部の表面に黒色の表面処理が施された黒色面を有してもよい。固体材料容器を構成する材料は、固体材料容器壁面、仕切部、配管部は金属製(例えばステンレススチール、銅、アルミニウムが挙げられるがこれらに限られない)であり、非金属製のパッキン等を含んでもよい。固体材料と直接的に接触する部分は金属製である。金属表面は表面処理が施されていてもよい。表面処理としてはテフロン(登録商標)コーティング、ガラスコーティング等があるが、黒色処理を施されていてもよい。
黒色処理の場合には、前記固体材料容器の内側、すなわち固体材料容器の内面側壁、底面、天井面、キャリアガス導入配管外側面、第一充填部と第二充填部を仕切る仕切部の表面、およびトレー状の第三充填部の表面等の固体材料容器内側にある金属表面すべてが黒色面であってもよいが、それらの金属表面の一部が黒色面であってもよい。固体材料容器の内側側面および内側底面を黒色面としてもよい。 黒色面を評価する方法としては放射率および/または光沢度がある。
放射率は、一般に赤外分光光度計により、加熱した試料および2つの黒体炉から放射される赤外線を測定することにより評価される。赤外分光光度計としては例えば日本電子製JIR−5500型フーリエ変換赤外分光光度計および放射測定ユニットIRR200を使用することができる。
試料加熱温度は50℃〜200℃の範囲、赤外線の波長は5〜15μmが好適である。
この方法により測定した放射率が0.6以上1.0以下であり、好ましくは0.7以上1.0以下である黒色面が、固体材料容器の黒色処理として特に好適である。黒色面は、特に限定されず、金属酸化物、金属酸窒化物、または炭化物の薄膜により金属表面が被覆されたものであってもよく、金属表面自身が表面加工によって放射率0.6以上1.0以下を有するものであってもよい。ここで金属表面を構成する材料としては、特に限定されず、ステンレススチール、銅、アルミニウム等であってもよい。金属酸化物、金属酸窒化物、または炭化物の薄膜はALD法(原子層蒸着法)、CVD法(化学蒸着法)、スパッタリング法などの一般に知られる成膜方法により成膜されてもよい。前記薄膜の膜厚は、100nm未満であることがさらに好ましい。前記薄膜は、固体材料容器に充填される固体材料に対して耐食性を有する膜であってもよい。
黒色処理後の金属材料表面の光沢度は、一般に光沢度計による測定結果から評価される。前記薄膜は、光沢度計(例えば株式会社堀場製作所製、「IG−330」)を用いて、入射角度60度にて測定した場合の光沢度が、0.01以上30以下であってもよく、好ましくは0.1以上20以下であってもよい。
本発明に係る固体材料容器は、前記第三充填部のトレー外側壁の少なくとも一部は、前記固体材料容器の内壁と接することを特徴とすることができる。前記第三充填部のトレーの側壁の全面が、前記固体材料容器の側壁内面と接するようにすることもできるが、一部のみが接する構造としてもよい。一部のみが接する構造とする場合、トレーの外側壁の上側が前記固体材料容器の側壁内面と接するようにしてもよい。トレーの側壁が固体材料容器の側壁内面と接する位置はトレーの側壁の上側半分程度で合ってもよい。
本発明に係る固体材料容器は、前記第三充填部のトレー側壁は、前記固体材料を同伴した前記キャリアガスを流通させる開孔部を有することを特徴とすることができる。前記開孔部は固体材料の蒸気を同伴したキャリアガスが第二充填部から第三充填部へ流入するための経路となる。前記開孔部は孔状、細孔、メッシュ状、スリット状、または櫛状であってもよい。開孔部は例えば直径0.01mm〜20mmの孔であってもよく、幅0.01mm〜2mmの隙間を有する長孔形状で合ってもよい。前記開孔部は、第三充填部に充填された固体材料の表面よりも高い場所に位置することができる。この位置とすることは、開孔部の大きさが、固体材料容器に充填される固体材料の粒径よりも大きい場合に、第三充填部からの固体材料の落下を防止する効果もある。開孔部を、第三充填部の外周に均一に配置することにより、第三充填部へのキャリアガスおよび固体材料蒸気の流入を均一にすることができ、固体材料容器から導出される固体材料蒸気濃度をより均一にすることができる。
本発明に係る固体材料容器は、前記第三充填部は、前記固体材料を同伴した前記キャリアガスを流通させる開孔突起部を有することを特徴とすることができる。前記開孔突起部は1つ配置されていてもよく、複数配置されていてもよい。配置される開孔突起部の数は好ましくは1以上30以下であり、さらに好ましくは2以上10以下である。前記開孔突起部は前記第三充填部のトレーの底面に配置されていてもよく、トレーの側面に配置されてもよい。前記開孔突起部はトレーと前記第二充填部が接する面に配置されており、トレーと第一充填部が接する面には配置されていない。開孔突起部の開孔面は、前記第三充填部に充填された固体材料表面よりも高い場所に位置することが望ましい。開孔突起部を経由して、前記第三充填部に充填された固体材料が第一充填部または第二充填部へ落下することを防止できるためである。開孔突起部は図5A、図5Bに示すようにチューブ形状で合ってもよい。前記チューブ形状は、図5Aに示すようにI字型であってもよい。前記チューブ形状はまた、湾曲していてもよく、図5Bに示すようにL字型であってもよい。L字型の開孔突起部の開孔面は、トレー内を旋回するようにキャリアガスがフローするように配置されてもよい(例えば、図5Bに示す方向である)。キャリアガスがトレー内を旋回するようにフローすることにより、固体材料とキャリアガスとの接触が、さらに促進され、その結果固体材料の効率的気化が起こるためである。
本発明に係る固体材料容器の前記第三充填部は、中央部分から放射状または同心円状に広がる伝熱部をさらに有することができる。伝熱部は、トレー底面から立設し、固体材料を仕切る構造であってもよい。1の伝熱部が第三充填部を2つに仕切ることもできるが、2以上の伝熱部が、第三充填部を3以上に仕切ることもできる。伝熱部の形状は特に限定されず、例えば図6Aに示すように同心円状としてもよく、図6Bに示すように放射状としてもよく、またこれらの組み合わせで合ってもよい。伝熱部をトレー底部に立設する場合、伝熱部の高さは、トレー底部から固体材料容器天井までの距離よりも低くなる。第三
充填部の全体にガスが流れるようにするためである。
本発明に係る固体材料容器のキャリアガス導入配管のキャリアガス出口部は2以上の排出孔を有することができる。キャリアガス出口部は特に限定されず、シャワー形状、スパージャー形状とすることができる。キャリアガス出口部に多孔質材料を配置し、多孔質材料の孔からキャリアガスが噴出する構造としてもよい。図7に示すようにキャリアガス出口部13aの底部は封止し、キャリアガス出口部13aの下部に水平方向、斜め下方また
は斜め上方にキャリアガスが噴出する排出孔を配置してもよい。
本発明に係る固体材料容器は、前記第一充填部と前記第二充填部とを仕切る仕切り部を有し、
前記第二充填部が、充填されている前記固体材料がサブ仕切り部によって2以上分割される1また2以上の分割部を有し、
前記仕切り部は、前記分割部のそれぞれに前記キャリアガスが流入されるように、1以上のキャリアガス流通部を有することができる。サブ仕切部は、第二充填部の底面に立設されていてもよく、仕切部に立設されていてもよい。該仕切部は特に限定されず、例えば図6Bに示すように放射状に配置されていてもよい。第二充填部は、サブ仕切部により分割されるため、1または2以上の分割部を有する。すなわち、分割数がnの場合、第一から第n分割部を有する。キャリアガスは、キャリアガス流通部を経由して、それぞれの分割部へ流入する。キャリアガス流通部は特に限定されず、孔状や櫛状とすることもできる。
本発明に係る固体材料容器の前記第二充填部は、キャリアガスを下から上方向にフローする2以上のアップフロー層と、キャリアガスを上から下方向にフローするダウンフロー層をさらに有し、前記第二充填部が有する前記ダウンフロー層の数は前記アップフロー層の数よりも1少ないことを特徴とすることができる。前記第一充填部を基点とした場合に、第一アップフロー層、ダウンフロー層、第二アップフロー層を一単位として、前記第二
充填部が構成されている。
前記第一アップフロー層の外側にダウンフロー層が配置され、前記ダウンフロー層の外側にさらに第二アップフロー層が配置される。
前記第一アップフロー層、前記ダウンフロー層および前記第二アップフロー層は、同心円状に配置されていてもよい。キャリアガスおよび固体材料蒸気は前記第一充填部の下部から前記第一アップフロー層へ流入し、前記第一アップフロー層の内部を下部から上部方向へ流れ、前記第一アップフロー層の上部からからダウンフロー層へ流入する。前記ダウンフロー層の上部から流入したキャリアガスおよび固体材料蒸気は、前記ダウンフロー層の内部を上部から下部方向へ流れ、前記ダウンフロー層の下部から流出する。前記ダウンフロー層の下部から流入したキャリアガスおよび固体材料蒸気は、前記第二アップフロー層の内部を下部から上部方向へ流れ、第三充填部へ流入する。キャリアガス及び固体材料蒸気の流れの模式図を図9に示す。
本発明に係る固体材料容器の前記第一充填部に充填される前記固体材料の重量は、前記固体材料容器に充填される固体材料総重量の20%以上70%以下であってもよく、好ましくは40%以上50%以下であってもよい。
前記第二充填部に充填される前記固体材料の重量は、前記固体材料容器に充填される固体材料総重量の20%以上70%以下であってもよく、好ましくは40%以上50%以下であってもよい。
前記第三充填部に充填される前記固体材料の重量は、前記固体材料容器に充填される固体材料総重量の1%以上60%以下であってもよく、好ましくは5%以上20%以下であってもよい。各充填部の前記固体材料の充填量は、第一充填部≧第二充填部>第三充填部の関係であってもよく、第二充填部≧第一充填部>第三充填部の関係であってもよい。第三充填部への充填量が第一充填部及び第二充填部のそれよりも少なくてもよい。
本発明に係る固体材料容器は、前記固体材料容器を加温するためのヒーターをさらに備えることができる。前記ヒーターは、特に限定されず、温風で固体材料容器を加温するオーブン方式であってもよい。前記ヒーターは伝熱ヒーターにより加温する容器ヒーター(マントルヒーター)であってもよい。前記ヒーターは固体材料容器に密着するブロックヒーターで合ってもよい。ヒーターは固体材料容器側面、底面、上面をそれぞれ加熱してもよく、それらの組み合わせで合ってもよい。
本発明はまた、上記の固体材料容器に固体材料が充填されている、固体材料製品である。前記固体材料は、半導体層を堆積させるために用いられる前駆体で合ってもよい。固体材料は前駆体自体であってもよいが、固体材料をビーズ等の坦持体に坦持させたものであってもよい。また、固体材料は、前記固体材料が充填される際に固体状態であってもよく、固体材料容器が運搬される際に固体材料であってもよく、固体材料の充填の際、または充填後に加熱された場合には液体状態であってもよい。固体材料は特に限定されず、有機化合物、有機金属化合物、金属ハロゲン化物、およびこれらの混合物からなる群より選択される化合物を含む材料であってもよい。前記固体材料は、ユースポイントに接続された状態の固体材料容器に、ユースポイントで充填されてもよい。前記固体材料は、ユースポイントで固体材料を取り外した後にオフサイトで固体材料容器に充填されてもよい。
実施形態1の固体材料容器1について図1を用いて説明する。固体材料容器1は、内部に収納された固体材料S1、S2、S3を気化して供給するための固体材料容器であって、キャリアガスを前記固体材料容器1の内部に導入するキャリアガス導入配管11と、前記固体材料容器1内に配置され、前記固体材料S1が充填される第一充填部21と、前記第一充填部21の外周の少なくとも一部に位置し、前記固体材料S2が充填される第二充填部22と、前記固体材料容器1の内部の天井側に配置される少なくとも1つのトレー状の第三充填部23と、前記キャリアガスと共に同伴する前記固体材料S1、S2、S3を前記固体材料容器から導出する固体材料導出配管12と、を有する。
前記キャリアガス導入配管11のキャリアガス出口部13は、前記第一充填部21に設けられる。前記固体材料導出配管12の入口部14が、前記第三充填部23に設けられる。
前記キャリアガスが前記第一充填部21、前記第二充填部22、前記第三充填部23の順に流通する構成である。各構成について以下に詳述する。
に均等に8個配置される。
洗浄し、乾燥した円筒型固体材料容器下部41、蓋42、仕切部32、およびトレー31と、固体材料である六フッ化タングステンを、不活性雰囲気としたグローブボックスに搬入する。円筒型固体材料容器41の底面にある円状の溝41aに合わせて仕切部32を嵌合し、固定する。固体材料容器1に充填する六フッ化タングステンの合計量(6.5kg)のうち、2.6kgを第一充填部に、別の2.6kgを第二充填部に充填する。次に仕切部32上にトレー31を載せ、残りの六フッ化タングステン1.3kgを充填する。
その後、円筒型固体材料容器41に蓋42をかぶせ、ねじ込み式金具43で固定する。円筒型固体材料容器41と蓋42の間には密閉性を保つためのパッキンを入れる。以上により固体材料容器1への固体材料の充填が完了する。
固体材料が充填された固体材料容器1を、ユースポイントに接続する。具体的には、キャリアガス供給源をキャリアガス導入配管11の上流側に接続し、固体材料導出配管12を固体材料を使用するユースポイントに接続する。本実施例ではキャリアガスは窒素ガスである。六フッ化タングステンを供給するため、固体材料容器1は170℃に加熱される。本実施例では、容器外部から伝熱ヒーターにより加熱しした。固体材料容器1からの導出圧力は50Torrであった。
・固体材料:六フッ化タングステン
・固体材料の初期充填量:第一充填部2.6kg、第二充填部2.6kg、第三充填部1.3kg
・固体材料供給圧力:50torr
・キャリアガス:窒素ガス(流量:1000SCCM)
・キャリアガス温度:170℃
・固体材料容器加熱温度:170℃
・六フッ化タングステン濃度算出方法:昇華前後の重量測定による、島津製作所製TCDセンサーによる濃度モニター
別実施形態として、表2に示す固体材料およびキャリアガスを供給するために固体材料容器1を使用することもできる。
別実施形態として、第一充填部21から第二充填部22へガスを流入させるキャリアガス流通部33は、孔を水平方向に一列に並べるだけでなく、異なる高さに二列以上に並べてもよい。該キャリアガス流通部33は穴状ではなく、水平方向に延長されたスリットであってもよく、垂直方向に延長されたスリットであってもよい。該スリットは1つであってもよく、2以上であってもよい。該スリットは、例えば幅1mmから3mmの範囲とすることもできる。
別実施形態として、第三充填部23のトレー31は1つであってもよいが、縦方向に2以上積層されてもよい。この場合には、第2充填部22から、下方に位置するトレーへガスが流入し、その後上方のトレーへとガスが流入し、最上段のトレー31から固体材料蒸気導出配管12を経由してユースポイントへ固体材料蒸気が供給される。
別実施形態として、第一充填部21と第二充填部22を仕切る仕切部32は、円筒型固体材料容器41の下部底面に立設されていてもよい。さらに該仕切部32はサブ仕切部321(図8A参照)を有してもよい。サブ仕切部321はステンレススチール製の板状であり、平面板状であってもよいが、第二充填部22をらせん形状に分割するように湾曲した板状であってもよい。該仕切部または該円筒型固体材料容器下部41の底面に立設されていてもよい。該サブ仕切部321は1枚であってもよいが、複数枚あってもよい。
前記第二充填部22はまた、前記第一充填部21の外周に加えて、前記第一充填部21の底部の下方に配置されていてもよい(図2C参照)。
別実施形態として、第三充填部23のトレー31の底部の一部が、トレー31の底部の他の一部よりも低い場所に位置してもよい(図8B参照)。
別実施形態として、図2Bに示すように第一充填部21の外周の一部に第二充填部22が位置し、第一充填部21の外周の他の一部が固体材料容器1の壁面と接する構造であってもよい。
別実施形態として、トレー31は開孔突起部52を有してもよい(図5A参照)。開孔突起部521は、ステンレススチール製の、直径6mm、長さ20mmの円柱状であってもよい。該開孔突起部522は長さ方向中央部分でL字型に折れており、開孔突起部52からトレー31に水平方向にガスが噴出するように配置されていてもよい(図5B参照)。該開孔突起部52の開孔面は、トレー31に充填された固体材料S3の高さよりも高い位置に配置することが望ましいため、例えば高さ30mmの位置としてもよい。図5Bにおいて、矢印はキャリアガスの流れをイメージしている。
別実施形態として、トレー31に図6Aに示すように同心円状の伝熱部31bを配置してもよい。該同心円状の伝熱部31bは2つ配置され、第三充填部23を内側部、中間部、外側部の3つに分割してもよい。図6Bに示すように放射状に伝熱部31cを配置してもよい。該放射状の伝熱部31cはトレー31の中央から放射状に複数枚配置されてもよい。該伝熱部31b、31cはステンレススチール製の板状であってもよい。
別実施形態として、キャリアガス出口部13は複数の細孔(直径1mm程度)を下向き方向および/または水平方向に有するシャワー状であってもよい(図7参照)。キャリアガス出口部13の底部は封止し、水平方向の身に細孔を設けてもよい。キャリアガス出口部13の端部に多孔質材料を接続してもよい。多孔質材料としてはセラミック製多孔質材料であってもよく、ステンレススチール製多孔質材料であってもよい。
別実施形態として、図3に示すように、トレー31の側面は円筒型固体材料容器41の下部の側壁に接していなくてもよい。トレー31の上部は蓋42に接しており、トレー31の底部または側面には開孔部51または開孔突起部52が配置される。
固体材料容器1の内側表面を黒色とするためにはタンタル前駆体と酸化剤を使用したALD法により、所定の膜厚となるまで金属表面(例えばステンレススチール表面)にタンタル酸化膜を成膜することができる。タンタル前駆体としては、C13H33N4Ta、Ta(OC2H5)5、Ta(N(CH3)2)5等の一般に用いられるタンタル化合物を使用することができる。酸化剤としては酸素、オゾン等の一般に用いられる酸化剤を用いることができる。
Claims (13)
- 内部に収納された固体材料を気化させて供給するための固体材料容器であって、
キャリアガスを前記固体材料容器の内部に導入するキャリアガス導入配管と、
前記固体材料容器内に配置され、前記固体材料が充填される第一充填部と、
前記第一充填部の外周の少なくとも一部に位置し、前記固体材料が充填される第二充填部と、
前記固体材料容器の内部の天井側に配置される少なくとも1つのトレー状の第三充填部と、
前記キャリアガスと共に同伴する前記固体材料を前記固体材料容器から導出する固体材料導出配管と、を有し、
前記キャリアガス導入配管のキャリアガス出口部は、前記第一充填部に設けられ、
前記固体材料導出配管の入口部が、前記第三充填部に設けられ、
前記第三充填部のトレー側壁は、前記固体材料容器の内壁と接し、
前記キャリアガスが前記第一充填部、前記第二充填部、前記第三充填部の順に流通することを特徴とする、固体材料容器。 - 前記第一充填部において、前記キャリアガスに含まれる前記固体材料の濃度は第1の濃度にまで上昇され、
前記第二充填部において、前記キャリアガスの前記固体材料の濃度は、前記第1の濃度よりも高い第2の濃度にまで上昇され、
前記第三充填部において、前記キャリアガス中の前記固体材料の濃度は、前記第2の濃度以上である第3の濃度にまで上昇されることを特徴とする、請求項1に記載の固体材料容器。 - 前記第二充填部は前記第一充填部の外側部に環状に配置されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の固体材料容器。
- 前記固体材料容器の内側の一部または全部の表面に黒色の表面処理が施された黒色面を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の固体材料容器。
- 前記第三充填部のトレー側壁は、前記固体材料を同伴した前記キャリアガスを流通させる開孔部を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の固体材料容器。
- 前記第三充填部は、前記固体材料を同伴した前記キャリアガスを流通させる開孔突起部を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の固体材料容器。
- 前記第三充填部は、中央部分から放射状または同心円状に広がる伝熱部をさらに有することを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の固体材料容器。
- 前記キャリアガス導入配管のキャリアガス出口部は2以上の排出孔を有することを特徴とする、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の固体材料容器。
- 前記第一充填部と前記第二充填部とを仕切る仕切り部を有し、
前記第二充填部が、充填されている前記固体材料がサブ仕切り部によって2以上分割される1また2以上の分割部を有し、
前記仕切り部は、前記分割部のそれぞれに前記キャリアガスが流入されるように、1以上のキャリアガス流通部を有する、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の固体材料容器。 - 前記第二充填部は、キャリアガスを下から上方向にフローする2以上のアップフロー層と、キャリアガスを上から下方向にフローするダウンフロー層をさらに有し、前記第二充填部が有する前記ダウンフロー層の数は前記アップフロー層の数よりも1少ないことを特徴とする、請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の固体材料容器。
- 前記第一充填部に充填される前記固体材料の重量は、前記固体材料容器に充填される固体材料総重量の20%以上70%以下であり、
前記第二充填部に充填される前記固体材料の重量は、前記固体材料容器に充填される固体材料総重量の20%以上70%以下であり、
前記第三充填部に充填される前記固体材料の重量は、前記固体材料容器に充填される固体材料総重量の1%以上60%以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の固体材料容器。 - 前記固体材料容器を加温するためのヒーターをさらに備えることを特徴とする、請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の固体材料容器。
- 請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の固体材料容器に固体材料が充填されている、固体材料製品。
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