JP6324253B2 - 導電性ペースト及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、チップ積層セラミック製品用電極及びSi結晶太陽電池用電極の製造に好適に使用可能な、焼結遅延性に優れた、導電性ペーストの製造方法に関する。
基板上に金属粉のペーストでパターンを形成して焼成することで導体パターンが得られる。LTCC(低温同時焼成セラミック)であればアルミナ粉末を主成分としたセラミック粉末から構成されるグリーンシート上にAg粉ペーストで、パターンを形成し、焼結される。Agは酸化されにくいので、Agペーストの焼成は大気中でも可能である。
LTCCで銀ペーストとアルミナ粉末等が同時焼成可能なのは、アルミナ粉末を主成分として構成されるグリーンシート内にガラスフリットを添加して、アルミナ粉末が1000℃以下で焼結するようにされているからである。このガラスフリットがなければアルミナ粉末は1600℃で焼成しなければならない。このガラスフリットとしてはボロシリケートまたは長石系結晶性ガラスとアルミナを組み合わせたもの、コージエライト系ガラスセラミックス、ディオプサイド系ガラスセラミックス、チタン酸ランタノイド系ガラスセラミックスが代表的である。
しかし、これらのガラスフリットで焼成温度を1000℃以下としても、Ag粉末は1000℃以下で焼結が始まる。粒子サイズにもよるが、数μmの大きさであれば500℃付近から焼結が始まる。Ag粉末の焼結開始温度と焼成温度の差が大きいと、室温まで収縮した際にAg粉末から形成された電極層がセラミック基材に対して大きく収縮してしまい、電極に欠陥が生じる。このため、Ag粉ペーストにはガラスフリットが添加される。このガラスフリットは、Ag粉間に入り込みAg粉同士の接点数を減らすことで、ペーストの焼結遅延性を向上させる。
一方、Si結晶太陽電池ではガラスフリットを添加したAgペーストをSiNx上に印刷して焼成すると、Ag粉は焼結して電極が形成されると同時に、このガラスフリットがSiNx膜を分解して、電極とSiウエハーとが電気的に接続される。また、裏面ではAlペースト塗膜上にAgペーストを印刷して焼成することで、裏面のAg電極が形成される。Alペーストとの密着性、同時収縮の観点から、裏面のAgペーストにもガラスフリットが添加されるケースが多い。
近年、主にコスト、マイグレーションの観点から、Ag粉、をCu粉に置き換えようという試みがある。特に、Si結晶太陽電池ではAgペーストが全量Cu粉ペーストに置き換わった場合、コストが3割下がる試算がある。しかし、Cu粉は酸化する傾向が強いので、還元性雰囲気での焼成でなければ導電性がある焼結体を形成できない。サイズが小さくなると、この傾向は顕著になる。一方、粉末サイズが大きければ、焼結開始温度はより高温側にシフトする。このため、LTCCに代表されるような積層セラミック製品、Si結晶太陽電池では、粒子サイズが大きいCu粉を使用する方法も考えられる。しかし、サイズが大きいCu粉は、導体の薄層化、細線化の障害となる可能性がある。
そこで、サイズの小さなCu粉を使用して、このCu粉に対して表面処理を行って、焼結遅延性に優れた導電性ペーストを得る技術が開発されてきた(特許文献1、特許文献2)。
一方、特許文献3では、ガラスフリットのガラス転移点を銅粉の焼結開始温度に下げることで、焼結時における導電性ペーストとセラミック基材との剥離を防止しようとしている。しかし、特許文献3では、製粉時にPを添加することである程度銅粉の焼結性も向上させているが、PはCuに固溶して導電率を下げるので、好ましくない。
国際公開WO2013/125659A1号 特開2013−171745号公報 特開2011−192608号公報
このように、チップ積層セラミック製品の内部電極やSi結晶太陽電池用電極の製造に好適に使用可能な、焼結遅延性、作業性、及び生産性に優れた、導電性ペーストが求められている。そこで、本発明の目的は、銅粉を使用して、焼結遅延性に優れた、導電性ペーストを、提供することにある。
本発明者は、これまでの鋭意研究の結果、後述する方法によって表面処理を行って製造した、表面処理された銅粉を使用した導電性ペーストが、焼結遅延性、作業性、及び生産性に優れ、低温同時焼成セラミックの電極やSi結晶太陽電池用電極の製造に好適に使用可能であることを見いだしている。
この導電性ペーストによって得られる電極は、得られた金属表面の微細な構造を観察すると、焼結条件によっては必ずしも平滑な状態ではないものであった。平滑でない電極も優れた導電性を有するものであったが、本発明者の検討によれば、このような表面の平滑性は、高周波特性に影響がある。すなわち、高周波での動作を期待される電子部品には、得られた電極の金属表面の平滑性が望まれる。
本発明者は、このような観点から、さらに、鋭意研究を進めたところ、後述の組成の導電性ペーストとすることで、得られる焼結体の表面の粗さを十分に低減できることを見いだして、本発明に到達した。
したがって、本発明は次の(1)以下を含む。
(1)
Al、Si、Ti、Zr、Ce及びSnからなる群から選択された1種以上の元素が銅粉の表面に付着して含まれる、表面処理された銅粉であって、
Al、Si、Ti、Zr、Ce及びSnからなる群から選択された1種以上の元素の、銅粉1gに対する付着量をx(μg)、焼結開始温度をy(℃)としたとき、次の式:
50≦x≦1500
y≧0.2x+530
を満たす、表面処理された銅粉を、40〜90重量%含み、
ガラスフリットの平均粒径D50gと銅粉の平均粒径D50cが、次の式:
D50g/D50c≦5
を満たすガラスフリットを、0.1〜5重量%含み、
脂肪酸、脂肪酸誘導体、脂肪族アミン、ポリエーテル及びポリオールからなる群から選択された1種以上の有機化合物を、0.01〜5重量%含む、導電性ペースト。
(2)
D50c≦1μmである、(1)の導電性ペースト。
(3)
0.01≦D50g/D50c≦5である、(1)又は(2)に記載の導電性ペースト。
(4)
Al、Si、Ti、Zr、Ce及びSnからなる群から選択された1種以上の元素が、カップリング剤処理によって銅粉に吸着した、(1)〜(3)のいずれかに記載の導電性ペースト。
(5)
カップリング剤が、その水溶液がアルカリ性を示す1種以上のカップリング剤である、(4)に記載の導電性ペースト。
(6)
ガラスフリットの焼結開始温度が850℃以上である、(1)〜(5)のいずれかに記載の導電性ペースト。
(7)
脂肪酸が、C3〜C24の、二重結合数0〜2個の脂肪酸である、(1)〜(6)のいずれかに記載の導電性ペースト。
(8)
脂肪族アミンが、C3〜C24の、二重結合数0〜2個の脂肪族アミンである、(1)〜(6)のいずれかに記載の導電性ペースト。
(9)
ポリエーテルが、−(Cn2n−O)−を繰り返し単位とする高分子ポリエーテル(ただし、nは、2、3、4又は5である)である、(1)〜(6)のいずれかに記載の導電性ペースト。
(10)
導電性ペースト用の樹脂及び溶剤をさらに含む、(1)〜(9)のいずれかに記載の導電性ペースト。
(11)
導電性ペーストが、表面平滑性電極製造用導電性ペーストである、(1)〜(10)のいずれかに記載の導電性ペースト。
(12)
導電性ペーストが、高周波回路電極製造用導電性ペーストである、(1)〜(10)のいずれかに記載の導電性ペースト。
(13)
(1)〜(12)のいずれかに記載の導電性ペーストが塗布されて焼結されてなる、電極。
(14)
(1)〜(12)のいずれかに記載の導電性ペーストがグリーンシート上に塗布されて焼結されてなる、電極。
(15)
電極が、金属表面の表面粗さRzが0.01〜2.0μmである、(13)又は(14)に記載の電極。
(16)
電極が、表面平滑性性電極である、(13)〜(15)のいずれかに記載の電極。
(17)
電極が、高周波回路用電極である、(13)〜(15)のいずれかに記載の電極。
さらに、本発明は、次の(21)以下を含む。
(21)
Al、Si、Ti、Zr、Ce及びSnからなる群から選択された1種以上の元素が銅粉の表面に付着して含まれる、表面処理された銅粉であって、
Al、Si、Ti、Zr、Ce及びSnからなる群から選択された1種以上の元素の、銅粉1gに対する付着量をx(μg)、焼結開始温度をy(℃)としたとき、次の式:
50≦x≦1500
y≧0.2x+530
を満たす、表面処理された銅粉、
ガラスフリットの平均粒径D50gと銅粉の平均粒径D50cが、次の式:
D50g/D50c≦5
を満たすガラスフリット、及び
脂肪酸、脂肪酸誘導体、脂肪族アミン、ポリエーテル及びポリオールからなる群から選択された1種以上の有機化合物を、含有させて、
さらに導電性ペースト用の樹脂及び溶剤を含有させて、混練する工程、
を含む、導電性ペーストの製造方法。
(22)
表面処理された銅粉、ガラスフリット、及び有機化合物を含有させて、さらに導電性ペースト用の樹脂及び溶剤を含有させて、混練する工程、が、
表面処理された銅粉、有機化合物、溶剤を含有させて、予備混練する工程、及び
予備混練された表面処理された銅粉、有機化合物及び溶剤に、さらに導電性ペースト用の樹脂及びガラスフリットを含有させて、混練する工程、
によって行われる、(21)に記載の方法。
さらに、本発明は次の(31)以下を含む。
(31)
(1)〜(10)のいずれかに記載の導電性ペーストを、グリーンシート上に塗布する工程、
塗布した導電性ペーストを、焼結する工程、
を含む、電極の製造方法。
(32)
焼結が、700〜1000℃の温度での焼結である、(31)に記載の方法。
(33)
焼結が、窒素、または還元性雰囲気下で行われる、(31)又は(32)に記載の方法。
(34)
電極が、金属表面の表面粗さRzが0.01〜2.0μmである、(31)〜(33)のいずれかに記載の方法。
(35)
グリーンシートが、セラミック粒子を含有するスラリーがシート上に塗布されてなるグリーンシートである、(31)〜(34)のいずれかに記載の方法。
(36)
セラミック粒子のD50が、0.1μm≦D50cer≦1.5μmである、(35)に記載の方法。
(37)
セラミック粒子が、アルミナ、チタン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、NiCuZn系フェライトからなる群から選択された1種以上のセラミックの粒子である、(35)又は(36)に記載の方法。
(38)
電極が、表面平滑性性電極である、(31)〜(37)のいずれかに記載の方法。
(39)
電極が、高周波回路用電極である、(31)〜(37)のいずれかに記載の方法。
(40)
(31)〜(39)のいずれかに記載の方法によって製造された、電極。
本発明によれば、チップ積層セラミックコンデンサーの内部電極やSi結晶太陽電池用電極の製造に好適に使用可能な、焼結遅延性、作業性、及び生産性に優れた、導電性ペーストを、銅粉を使用して得ることができる。この導電性ペーストの焼結によって得られる電極は、金属表面の平滑性に優れており、高周波での動作を期待される電子部品に適したものとなっている。
以下に本発明を実施の態様をあげて詳細に説明する。本発明は以下にあげる具体的な実施の態様に限定されるものではない。
[導電性ペーストの製造]
本発明の導電性ペーストは、Al、Si、Ti、Zr、Ce及びSnからなる群から選択された1種以上の元素が銅粉の表面に付着して含まれる、表面処理された銅粉であって、Al、Si、Ti、Zr、Ce及びSnからなる群から選択された1種以上の元素の、銅粉1gに対する付着量をx(μg)、焼結開始温度をy(℃)としたとき、次の式:50≦x≦1500、y≧0.2x+530を満たす、表面処理された銅粉と、ガラスフリットの平均粒径D50gと銅粉の平均粒径D50cが、次の式:D50g/D50c≦5を満たすガラスフリット、及び、脂肪酸、脂肪酸誘導体、脂肪族アミン、ポリエーテル及びポリオールからなる群から選択された1種以上の有機化合物を、含有させて、さらに導電性ペースト用の樹脂及び溶剤を含有させて、混練する工程、を含む製造方法によって、製造することができる。好適な実施の態様において、表面処理された銅粉、ガラスフリット、及び有機化合物を含有させて、さらに導電性ペースト用の樹脂及び溶剤を含有させて、混練する工程、を、表面処理された銅粉、有機化合物、溶剤を含有させて、予備混練する工程、及び予備混練された表面処理された銅粉、有機化合物及び溶剤に、さらに導電性ペースト用の樹脂を含有させて、混練する工程、によって行うことができる。
[表面処理された銅粉]
表面処理された銅粉は、Al、Si、Ti、Zr、Ce及びSnからなる群から選択された1種以上の元素が銅粉の表面に付着して含まれる、表面処理された銅粉であって、Al、Si、Ti、Zr、Ce及びSnからなる群から選択された1種以上の元素の、銅粉1gに対する付着量をx(μg)、焼結開始温度をy(℃)としたとき、次の式:50≦x≦1500、y≧0.2x+530を満たす、表面処理された銅粉であり、導電性ペースト中に40〜90重量%、好ましくは50〜85重量%含有される。表面処理成分の付着量と焼結開始温度が上記範囲を外れると、表面処理銅粉の焼結挙動が適切ではなかったり、または表面処理銅粉がペースト中で凝集してしまい、平坦な塗膜、電極を得るのが困難になる。また、Al、Si、Ti、Zr、Ce及びSnからなる群から選択された1種以上の元素を単独で銅粉表面に付着していてもよいし、2種類以上の元素を銅粉に付着させてもよい。前者であれば、それぞれの成分を含む水溶液で処理をすればよい。後者であれば、それぞれの成分を含む水溶液で処理をして得られた銅粉を混合してもよいし、あるいはそれぞれの成分を含む試薬を2種類以上含む水溶液で処理をしてもよい。40重量%を下回るとペーストの粘度が低くて、所望の厚みを実現するのが困難になる。90重量%を超えるとペーストの粘度が高くなり、ペーストの取扱い、及び印刷性が困難になる。
[表面処理された銅粉の調製]
表面処理された銅粉は、特許文献1及び特許文献2を参照して調製することができる。あるいは、以下に説明する手段で調製することができる。
表面処理された銅粉は、銅粉を、Al、Si、Ti、Zr、Ce、及びSnからなる群から選択された元素を含む表面付着試薬の溶液と混合した後に分離して、表面付着試薬処理された銅粉を得る工程、を行って得ることができる。好適な実施の態様において、表面付着試薬の溶液は、アルカリ性の溶液を使用することができる。好適な実施の態様において、表面付着試薬の溶液がアルカリ性でない場合、アルカリ性溶液によって活性化処理をした後に、銅粉は、表面付着試薬の溶液と混合することができる。
好適な実施の態様において、さらに、表面付着試薬処理された銅粉を水性溶媒によって付着成分の一部を除去するする工程を、行うことができ、また、洗浄された銅粉を乾燥して、表面処理された銅粉を得る工程、を行うことができる。
[表面処理される銅粉]
表面処理される銅粉は、公知の方法によって製造された銅粉を使用することができる。好適な実施の態様において、例えば、湿式法によって製造された銅粉、アトマイズ法に代表される乾式法によって製造された銅粉を使用することができる。好適な実施の態様において、湿式法によって製造された銅粉、例えば、不均化法、化学還元法等によって製造された銅粉を使用することができる。
[湿式法による銅粉]
好適な実施の態様において使用される湿式法による銅粉の製造方法として、アラビアゴムの添加剤を含む水性溶媒中に亜酸化銅を添加してスラリーを作製する工程、スラリーに希硫酸を5秒以内に一度に添加して不均化反応を行う工程、を含む方法によって製造される銅粉を使用することができる。不均化反応の原理は次のようなものである:
Cu2O+H2SO4→Cu↓+CuSO4+H2
不均化によって得られた銅粉は、所望により、洗浄、防錆、ろ過、乾燥、解砕、分級を行って、その後に本発明による表面処理を行うことができるが、所望により、洗浄、防錆、ろ過を行った後に、乾燥を行うことなく、そのまま本発明による表面処理を行うことができる。
[アルカリ処理]
好適な実施の態様において、銅粉は、表面付着試薬の溶液がアルカリ性でない場合には、表面付着試薬処理に先だって、アルカリ処理することが好ましい。アルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液を挙げることができる。アルカリ処理では、銅粉を、公知の手段によって、混合し、所望により撹拌し、分離することによって行われ、所望により純水によって洗浄してもよい。
[表面付着試薬]
表面付着試薬は、Al、Si、Ti、Zr、Ce、及びSnからなる群から選択された元素、好ましくはAl、Si又はTiを含む。好適な表面付着試薬として、例えば、上記金属元素を有するカップリング剤を挙げることができる。これらの溶液がアルカリ性を示すものとして、例えば、シラン、チタネート又はアルミネートを挙げることができる。例えば、アミノ基を有するカップリング剤を挙げることができる。溶液が中性または酸性を示すものとして、例えば、エポキシ基を有するカップリング剤をあげることができる。例えば、アミノ基を有しないカップリング剤を挙げることができる。非アミノ基含有カップリング剤として、例えば、エポキシシラン、ビニルシラン、メタクリルシラン、メルカプトシラン等をあげることができる。
[アミノ基を有するカップリング剤]
アミノ基を有するカップリング剤としては、例えば、アミノシラン、ウレイドシラン、アミノ含有チタネート、アミノ含有アルミネートからなる群から選択された1種以上のカップリング剤を使用することができる。アミノ基を有するカップリング剤は、例えば、中心原子であるAl、Ti、又はSiに配位する分子鎖の末端にアミノ基を有する構造のものを使用することができる。
[アミノシラン]
好適な実施の態様において、アミノ基を有するカップリング剤として、次の式I:
2N−R1−Si(OR22(R3) (式I)
(ただし、上記式Iにおいて、
R1は、直鎖状又は分枝を有する、飽和又は不飽和の、置換又は非置換の、環式又は非環式の、複素環を有する又は複素環を有しない、C1〜C12の炭化水素の二価基であり、
R2は、C1〜C5のアルキル基であり、
R3は、C1〜C5のアルキル基、又はC1〜C5のアルコキシ基である。)
で表されるアミノシランを使用することができる。
好ましい実施の態様において、上記式IのR1は、直鎖状又は分枝を有する、飽和又は不飽和の、置換又は非置換の、環式又は非環式の、複素環を有する又は複素環を有しない、C1〜C12の炭化水素の二価基であり、さらに好ましくは、R1は、置換又は非置換の、C1〜C12の直鎖状飽和炭化水素の二価基、置換又は非置換の、C1〜C12の分枝状飽和炭化水素の二価基、置換又は非置換の、C1〜C12の直鎖状不飽和炭化水素の二価基、置換又は非置換の、C1〜C12の分枝状不飽和炭化水素の二価基、置換又は非置換の、C1〜C12の環式炭化水素の二価基、置換又は非置換の、C1〜C12の複素環式炭化水素の二価基、置換又は非置換の、C1〜C12の芳香族炭化水素の二価基、からなる群から選択された基とすることができる。好ましい実施の態様において、上記式IのR1は、C1〜C12の、飽和又は不飽和の鎖状炭化水素の二価基であり、さらに好ましくは、鎖状構造の両末端の原子が遊離原子価を有する二価基である。好ましい実施の態様において、二価基の炭素数は、例えばC1〜C12、好ましくはC1〜C8、好ましくはC1〜C6、好ましくはC1〜C3とすることができる。
好ましい実施の態様において、上記式IのR1は、−(CH2n−、−(CH2n−(CH)m−(CH2j-1−、−(CH2n−(CC)−(CH2n-1−、−(CH2n−NH−(CH2m−、−(CH2n−NH−(CH2m−NH−(CH2j−、−(CH2n-1−(CH)NH2−(CH2m-1−、−(CH2n-1−(CH)NH2−(CH2m-1−NH−(CH2j−、−CO−NH−(CH2n−、−CO−NH−(CH2n−NH−(CH2m−からなる群から選択された基である(ただし、n、m、jは、1以上の整数である)とすることができる。(ただし、上記(CC)は、CとCの三重結合を表す。)好ましい実施の態様において、R1は、−(CH2n−、又は−(CH2n−NH−(CH2m−とすることができる。(ただし、上記(CC)は、CとCの三重結合を表す。)好ましい実施の態様において、上記の二価基であるR1の水素は、アミノ基で置換されていてもよく、例えば1〜3個の水素、例えば1〜2個の水素、例えば1個の水素が、アミノ基によって置換されていてもよい。
好ましい実施の態様において、上記式Iのn、m、jは、それぞれ独立に、1以上12以下の整数、好ましくは1以上6以下の整数、さらに好ましくは1以上4以下の整数とすることができ、例えば、1、2、3、4から選択された整数とすることができ、例えば、1、2又は3とすることができる。
好ましい実施の態様において、上記式IのR2は、C1〜C5のアルキル基、好ましくはC1〜C3のアルキル基、さらに好ましくはC1〜C2のアルキル基とすることができ、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、又はプロピル基とすることでき、好ましくは、メチル基又はエチル基とすることができる。
好ましい実施の態様において、上記式IのR3は、アルキル基として、C1〜C5のアルキル基、好ましくはC1〜C3のアルキル基、さらに好ましくはC1〜C2のアルキル基とすることができ、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、又はプロピル基とすることでき、好ましくは、メチル基又はエチル基とすることができる。また、上記式IのR3は、アルコキシ基として、C1〜C5のアルコキシ基、好ましくはC1〜C3のアルコキシ基、さらに好ましくはC1〜C2のアルコキシ基とすることができ、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、又はプロポキシ基とすることでき、好ましくは、メトキシ基又はエトキシ基とすることができる。
[アミノ含有チタネート]
好適な実施の態様において、アミノ基を有するカップリング剤として、次の式II:
(H2N−R1−O)pTi(OR2q (式II)
(ただし、上記式IIにおいて、
R1は、直鎖状又は分枝を有する、飽和又は不飽和の、置換又は非置換の、環式又は非環式の、複素環を有する又は複素環を有しない、C1〜C12の炭化水素の二価基であり、
R2は、直鎖状又は分枝を有する、C1〜C5のアルキル基であり、
p及びqは、1〜3の整数であり、p+q=4である。)
で表されるアミノ基含有チタネートを使用することができる。
好適な実施の態様において、上記式IIのR1としては、上記式IのR1として挙げた基を好適に使用することができる。上記式IIのR1として、例えば、 −(CH2n−、−(CH2n−(CH)m−(CH2j-1−、−(CH2n−(CC)−(CH2n-1−、−(CH2n−NH−(CH2m−、−(CH2n−NH−(CH2m−NH−(CH2j−、−(CH2n-1−(CH)NH2−(CH2m-1−、−(CH2n-1−(CH)NH2−(CH2m-1−NH−(CH2j−、−CO−NH−(CH2n−、−CO−NH−(CH2n−NH−(CH2m−からなる群から選択された基(ただし、n、m、jは、1以上の整数である)とすることができる。特に好適なR1として、−(CH2n−NH−(CH2m−を挙げることができ(ただし、n+m=4、特に好ましくはn=m=2)を挙げることができる。
上記式IIのR2としては、上記式IのR2として挙げた基を好適に使用することができる。好適な実施の態様において、C3のアルキル基を挙げることができ、特に好ましくは、プロピル基、及びイソプロピル基を挙げることができる。
上記式IIのp及びqは、1〜3の整数であり、p+q=4であり、好ましくはp=q=2の組み合わせ、p=3、q=1の組み合わせを挙げることができる。このように官能基が配置されたアミノ基含有チタネートとして、プレインアクト KR44(味の素ファインテクノ社製)を挙げることができる。
[エポキシ基を有するカップリング剤]
アミノ基を有するカップリング剤としては、例えば、例えば、中心原子であるAl、Ti、又はSiに配位する分子鎖の末端にエポキシ基を有する構造のものを使用することができる。
好適な実施の態様において、エポキシ基を有するカップリング剤として、次の式III:
2COCH−R4−Si(OR22(R3) (式III)
(ただし、上記式Iにおいて、
R4は、直鎖状又は分枝を有する、飽和又は不飽和の、置換又は非置換の、環式又は非環式の、複素環を有する又は複素環を有しない、C1〜C12の炭化水素の二価基であり、
R2は、C1〜C5のアルキル基であり、
R3は、C1〜C5のアルキル基、又はC1〜C5のアルコキシ基である。)
で表されるエポキシシランを使用することができる。
上記の基H2COCH−は、エポキシ基を表す。
好適な実施の態様において、式IIIのR4として、例えば、−(CH2n−、−(CH2n−(CH)m−(CH2j-1−、−(CH2n−(CC)−(CH2n-1−、−(CH2n−O−(CH2m−、−(CH2n−O−(CH2m−O−(CH2j−からなる群から選択された基(ただし、n、m、jは、1以上の整数である)とすることができる。特に好適なR4として、−(CH2n−O−(CH2m−を挙げることができ(ただし、n+m=4、特に好ましくはn=1、m=3)を挙げることができる。
好適な実施の態様において、式IIIのR2、R3は、式IのR2、R3として上述した基から、選択することができる。
[非アミノ含有チタネート]
好適な実施の態様において、アミノ基を有しないカップリング剤として、次の式IV:
(R5−O)pTi(OR2q (式IV)
(ただし、上記式IVにおいて、
R5は、直鎖状又は分枝を有する、飽和又は不飽和の、置換又は非置換の、C2〜C20の脂肪酸のアシル基であり、
R2は、直鎖状又は分枝を有する、C1〜C5のアルキル基であり、
p及びqは、1〜3の整数であり、p+q=4である。)
で表されるアミノ基含有チタネートを使用することができる。
好適な実施の態様において、式IIIのR2、R3は、式IのR2、R3として上述した基から、選択することができる。
好適な実施の態様において、R5は、C2〜C20、好ましくはC10〜C20、好ましくはC16〜C18の脂肪酸のアシル基とすることができる。例えば、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、(9,12,15)−リノレン酸、(6,9,12)−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、エレオステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸(エイコサン酸)、8,11−エイコサジエン酸、5,8,11−エイコサトリエン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ネルボン酸、エライジン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、ステアリドン酸からなる群から選択された脂肪酸のアシル基とすることができる。
上記式IVのp及びqは、1〜3の整数であり、p+q=4であり、好ましくはp=q=2の組み合わせ、p=3、q=1の組み合わせを挙げることができる。このように官能基が配置された非アミノ基含有チタネートとして、プレインアクト KR44TTS(味の素ファインテクノ社製)を挙げることができる。
[表面付着試薬の溶液との混合]
銅粉を、表面付着試薬の溶液と混合する場合において、例えば、銅粉1gに対して、表面付着試薬を例えば、0.005〜0.500g、0.025〜0.250g、0.025〜0.100gの範囲の量を含むものとすることができる。公知の方法によって、混合し、撹拌することができる。例えば、常温で行うことができ、例えば、5〜80℃、10〜40℃の範囲の温度で行うことができる。
[水性溶媒による洗浄]
表面付着試薬処理された銅粉は、水性溶媒によって一旦付着した表面処理成分を銅粉から除去する工程を行うことができる。この除去は公知の手段で行うことができる。例えば、銅粉残渣に水性溶媒を添加して撹拌した後に再び残渣として回収してもよく、あるいは、ろ過フィルターに載置された残渣に対して水性溶媒を連続的添加してもよい。好適な実施の態様において、水性溶媒による洗浄は、洗浄後の銅粉の乾燥質量に対して5倍の質量の水性溶媒を添加した後に得たろ過液の中に、ICP分析によって検出されるSi、Ti、Al、Zr、Ce及びSnからなる群から選択された1種の元素が、50ppm以下の濃度、好ましくは30ppm以下の濃度となるまで行うことができる。上記濃度の下限は、例えば1ppm以上、5ppm以上とすることができる。
[水性溶媒]
洗浄に使用される水性溶媒としては、純水、又は水溶液を使用できる。水溶液は、例えば、無機酸、無機酸の塩、有機酸、有機酸の塩、水溶性のアルコール、及び水溶性のエステルから選択された1種以上の溶質又は溶媒が、溶解又は分散した水溶液を使用できる。pHは、例えばpH7〜14、pH8〜12の範囲とできる。純水は、例えば、高度精製された高純度の水を使用でき、あるいは、工業的な純度の水であって意図的な化合物の添加がなされていない水を、使用できる。
[乾燥]
洗浄された銅粉は、水性溶媒から分離して、所望により乾燥されないまま次の工程に進むこともできるが、所望により公知の手段により乾燥させて、表面処理された銅粉として得ることもできる。この乾燥には、公知の手段を使用することができる。
[表面処理によって吸着される元素]
表面処理された銅粉は、銅粉の表面にAl、Si、Ti、Zr、Ce及びSnからなる群から選択された1種以上の元素が、表面処理によって吸着(付着)されて、表面処理層となっている。好適な実施の態様において、このように表面処理によって吸着(付着)される元素は、好ましくはAl、Si、及びTiからなる群から選択された1種の元素、さらに好ましくはSi又はTiとすることができる。
[元素の付着量]
銅粉の表面の元素の付着量は、実施例に記載のように、ICP(誘導結合プラズマ原子発光分析法)によって求めることができる。好適な実施の態様において、表面処理された銅粉は、銅粉1gに対して、この元素の付着量が、例えば10〜5000μg、好ましくは50〜2000μg、さらに好ましくは50〜1500μg、あるいは100〜1500μg、とすることができる。銅粉に対する元素の付着量をppmで表した場合には、1ppmは銅粉1gに対して元素が1μgの付着量であることを表す。表面付着試薬によって、この元素を銅粉の表面に付着させることができる。
好適な実施の態様において、アミノ基を有するカップリング剤によって銅粉を表面処理することができ、この場合に表面処理された銅粉は、カップリング剤のアミノ基に由来する窒素がその表面に含まれている。
[焼結開始温度]
表面処理された銅粉は、優れた焼結遅延性を有する。焼結遅延性の指標として、焼結開始温度がある。これは表面処理された銅粉から成る圧粉体を還元性雰囲気中で昇温し、ある一定の体積変化(収縮)が起こったときの温度である。本願では1%の体積収縮が起こるときの温度を焼結開始温度とする。焼結開始温度が高いことは、焼結遅延性に優れていることを意味する。焼結開始温度は、例えば、550℃以上、好ましくは580℃以上、さらに好ましくは590℃以上とできる。
[元素の付着量と焼結開始温度]
表面処理された銅粉は、Al、Si、Ti、Zr、Ce及びSnからなる群から選択された1種以上の元素の、銅粉1gに対する付着量をx(μg)、焼結開始温度をy(℃)としたとき、次の式:50≦x≦1500、y≧0.2x+530を満たすものとなっており、好ましくは次の式:100≦x≦1500を満たすものとなっている。
[平均粒径]
表面処理された銅粉は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した平均粒径D50が、0.05〜1μmの範囲、好ましくは0.08〜0.90μmとすることができ、最大粒子径Dmaxが1μm以下で二次粒子が存在しないものとすることができる。レーザー回折式粒度分布測定装置として、例えば、島津製作所製SALD−2100を使用することができる。
[ガラスフリット]
ガラスフリットは、焼結開始温度が850℃以上であるものを使用できる。好適な実施の態様において、ガラスフリットは、シリカナノ粒子、チタン酸バリウムナノ粒子、CaZrO3ナノ粒子、アルミナ粒子、NiCuZn系フェライトからなる群から選択された1種以上のガラスフリットを使用することができる。好適な実施の態様において、グリーンシートペーストに含有されるセラミック層と同成分の材料のナノ粒子を使用することができる。ガラスフリットの平均粒径D50gは、例えば、20〜200nm、40〜100nmの範囲とすることができる。ガラスフリットの平均粒径D50gと銅粉の平均粒径D50cが、次の式:D50g/D50c≦5、好ましくは次の式:D50g/D50c≦3、好ましくは次の式:0.01≦D50g/D50c≦5、好ましくは次の式:0.01≦D50g/D50c≦1.5を満たす。ガラスフリットが銅粉に対して大きすぎても小さすぎても効果がない。ガラスフリットは、導電性ペースト中に0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%含有される。0.1重量%を下回ると効果が十分ではない。また、5重量%を上回ると効果が飽和するか、ペーストの混練工程で銅粉表面の成分を削り取る等の懸念があるからである。
上記、焼結開始温度が850℃以上のガラスフリットに加えて、基材との密着性をさらに向上させるために焼成温度よりも低温で軟化するガラスフリットをペーストに加えてもよい。これは焼成時に液相に変化したガラスフリットが基材とCuペーストの密着力を向上させるからである。このようなガラスフリットとして、Si−B−Zn系ガラスがある。この組成系ではBの濃度を高くすると、軟化する温度が低下する。セラミック製品設計の条件に合わせて、Bの濃度を調整すればよい。
[有機化合物]
導電性ペーストには、脂肪酸、脂肪酸誘導体、脂肪族アミン、ポリエーテル及びポリオールからなる群から選択された1種以上の有機化合物を、0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜2重量%含有させる。0.01重量%を下回ると効果が十分ではない。5重量%を上回ると、効果が飽和する。表面処理された銅粉が、その水溶液がアルカリ性を示すカップリング剤によって表面処理された銅粉である場合には、有機化合物として、脂肪酸、脂肪酸誘導体及び脂肪族アミンを好適に使用することができる。表面処理された銅粉が、その水溶液が中性、または酸性を示すカップリング剤によって表面処理された銅粉である場合には、有機化合物として、脂肪酸、ポリエーテル及びポリオールを好適に使用することができる。
[脂肪酸]
脂肪酸として、炭素数がC3〜C24の飽和又は不飽和の脂肪酸を挙げることができる。好適な実施の態様において、C3〜C24、さらに好ましくはC4〜C22、さらに好ましくはC8〜C22、さらに好ましくはC12〜C22、さらに好ましくはC16〜C20、特に好ましくはC18の炭素数の脂肪酸を使用できる。好適な実施の態様において、二重結合の数が、例えば0〜4個、例えば0〜3個、例えば0〜2個の脂肪酸を使用できる。好適な実施の態様において、脂肪酸として、親油性を有する脂肪酸を使用することができ、そのような脂肪酸としては、例えば上記炭素数の脂肪酸を挙げることができる。
このような脂肪酸として、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、(9,12,15)−リノレン酸、(6,9,12)−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、エレオステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸(エイコサン酸)、8,11−エイコサジエン酸、5,8,11−エイコサトリエン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ネルボン酸、エライジン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、ステアリドン酸からなる群から選択された1種以上を使用することができる。好適な実施の態様において、脂肪酸として、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、及びアクリル酸からなる群、好ましくはステアリン酸、オレイン酸、及びリノール酸からなる群から選択された1種以上を使用することができる。脂肪酸として、脂肪酸の塩を使用することができるが、好適な実施の態様において、脂肪酸は、脂肪酸の塩ではない、脂肪酸そのものを使用することが、好ましい。
脂肪酸の誘導体としては、例えば、上記脂肪酸のアミド、アミンを挙げることができる。
[脂肪族アミン]
脂肪族アミンとして、飽和又は不飽和の脂肪族アミン、好ましくはC3〜C24の、二重結合数0〜2個の脂肪族アミンを使用できる。
このような脂肪族アミンとしては、カプリイルアミン、ラウリイルアミン、ミリスチイルアミン、ペンタデシルアミン、パルミチイルアミン、パルミトレイルアミン、マルガリイルアミン、ステアリイルアミン、オレイルアミン、バクセイルアミン、リノーリイルアミン、(9,12,15)−リノレイルアミン、(6,9,12)−リノレイルアミン、ジホモ−γ−リノレイルアミン、エレオステアリイルアミン、ツベルクロステアリイルアミン、アラキジイルアミン(エイコサイルアミン)、8,11−エイコサジエニイルアミン、5,8,11−エイコサトリエニイルアミン、アラキドニイルアミン、ベヘニイルアミン、リグノセリイルアミン、ネルボニイルアミン、エライジニルアミン、エルキイルアミン、ドコサヘキサエニイルアミン、エイコサペンタエニイルアミン、ステアリドニイルアミンからなる群から選択された1種以上を使用することができる。脂肪族アミンとして、脂肪族アミンの塩を使用することができるが、好適な実施の態様において、脂肪族アミンは、脂肪族アミンの塩ではない、脂肪族アミンそのものを使用することが、好ましい。
[ポリオール]
ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールを挙げることができる。
[ポリエーテル]
ポリエーテルとしては、−(Cn2n−O)−を繰り返し単位とする高分子ポリエーテルを挙げることができる。例えば、nは、2、3、4又は5であり、好ましくは2、3又は4であり、さらに好ましくは2又は3である。このようなポリエーテルとして、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールを挙げることができる。
[樹脂]
導電性ペーストに含有される樹脂として、公知のバインダ樹脂であって、基板との密着力を向上させる樹脂を使用できる。例えば、セルロース系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂を挙げることができる。好適な実施の態様において、エチルセルロース樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル酸エステル樹脂を使用できる。
[溶剤]
溶剤は、電子材料のスクリーン印刷用ペーストに使用される溶剤を使用できる。このような溶剤として、例えば、アルコール溶剤、グリコールエーテル溶剤、アセテート溶剤、ケトン溶剤、及び炭化水素溶剤を挙げることができる。アルコール溶剤としては、例えば、テルピネオール、イソプロピルアルコール、ブチルカルビトールを挙げることができる。テルピネオールとしては、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオールを挙げることができ、特にα−テルピネオールが好ましい。グリコールエーテル溶剤としては、例えば、ブチルカルビトールを挙げることができる。アセテート溶剤としては、例えば、ブチルカルビトールアセテートを挙げることができる。ケトン溶剤としては、例えば、メチルエチルケトンを挙げることができる。炭化水素溶剤としては、例えば、トルエン、シクロヘキサンを挙げることができる。好適な実施の態様において、溶剤として、テルピネオール、イソプロピルアルコール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、メチルエチルケトン、トルエン、シクロヘキサンからなる群から選択された1種以上を使用でき、好ましくは、α−テルピネオール、ブチルカルビトール、及びブチルカルビトールアセテートからなる群から選択された1種以上を使用できる。
[混練]
導電体ペーストの製造の工程で行われる混練には、公知の手段を使用できる。混練は、上記の導電体ペーストの成分を含有させた後に、1工程の混練工程によって行うことができる。あるいは、混練は、表面処理された銅粉、有機化合物、溶剤を含有させて、予備混練する工程、及び、予備混練された表面処理された銅粉、有機化合物及び溶剤に、さらに導電性ペースト用の樹脂及びガラスフリットを含有させて、混練する工程、の2工程によって行うことができる。
[塗膜の平坦性]
本発明の導電体ペーストは、粒子の凝集が低減されており、これを公知の手段で塗布して、薄層電極に求められる平坦な塗膜を、容易に形成できる。塗膜の平坦性は、実施例に記載のように、塗膜の最大山高さRzを、接触式表面粗さ計(小坂研究所製、SE−3400)によりJIS−BO601に従ってn=3で測定し、平均値を求めることで評価することができる。
[グリーンシート]
積層セラミック製品などでは、導電体ペーストの塗膜は、グリーンシート上に塗工(印刷)して、形成される。グリーンシートとは、誘電体原料粉末に分散剤や成型助剤としての有機バインダ及び溶剤を加え、粉砕、混合、脱泡工程を経て得たスラリーを、ダイコータ等の塗布工法により、PETフィルム等のキャリアフィルム上に薄く延ばして塗布し、乾燥して薄い誘電体シート(グリーンシート)となったものである。チップ積層コンデンサの製造では、導電体ペーストが印刷されたグリーンシートが多数積層されて焼結される。グリーンシートに使用される誘電体原料粉末として、例えば、アルミナ、チタン酸バリウム(BaTiO3)、ジルコン酸カルシウム(CaZrO3)、NiCuZn系フェライトのセラミック微粒子を挙げることができる。
[焼結]
導電性ペーストを、例えばグリーンシート上に塗工(塗布)した後に、これを焼結して、電極を製造することができる。本発明の導電性ペーストは、高い焼結開始温度を有するために、使用した銅粉が微細な粒子であるにもかかわらず、高温で焼結することができる。例えば、700℃以上、800℃以上、850℃以上の温度で、例えば、1000℃以下、950℃以下、930℃以下の温度で、例えば、700〜1000℃の範囲、800〜950℃の範囲の温度で、焼結することができる。そして、微細な銅粉による導電性ペーストとしては、極めて高温である上記の温度範囲で焼結した場合にも、これによって得られる電極は、金属表面の外観は金属らしい金属光沢が観察され、金属表面は表面粗さRzが十分に低減されたものとすることができる。
[雰囲気]
焼結は、還元性雰囲気中又は非還元性雰囲気中で行うことができる。非還元性雰囲気とは、雰囲気中にCO、H2S、SO2、H2、HCHO、HCOOH、H2O等の還元性気体が、0.5vol%以下、好ましくは0.1vol%以下で含まれる雰囲気をいう。非還元性雰囲気としては、例えば、大気圧の気体窒素を含む雰囲気を挙げることができる。還元性雰囲気は、上記の還元性気体が、0.5vol%以上、好ましくは1.0vol%以上で含まれる雰囲気をいう。還元性雰囲気としては、例えば、大気圧の気体窒素及び気体水素を含む雰囲気を挙げることができる。
[焼結体の外観]
本発明の導電体ペーストによる焼結体(焼成体)は、外観を目視又は光学顕微鏡により観察すると、金属表面が金属らしい金属光沢を備えている。
[焼結体の平坦性]
導電性ペーストを塗工した後に焼結して製造される電極(焼結体)は、平坦な薄層電極となっており、その金属表面は、優れた平滑性(平坦性)を有する。この平滑性(平坦性)は、塗膜の平坦性と同様に、実施例に記載のように、最大山高さRzを、接触式表面粗さ計(小坂研究所製、SE−3400)によりJIS−BO601に従ってn=3で測定し、平均値を求めることで評価することができる。本発明の導電性ペーストは、焼結体の金属表面の平滑性(平坦性)に優れており、優れた高周波特性を備えた電極を製造できるものとなっている。焼結体として得られる金属表面の表面粗さRzは、例えば0.01〜2.0μm、0.01〜1.8μm、0.1〜1.8μm、0.2〜1.8μmとすることができる。
以下に実施例をあげて、本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[銅粉]
銅粉を以下の手順で用意した。
(不均化法による銅粉 (実施例1〜19及び21、比較例1〜6で使用))
表面処理に供される銅粉20gを、上述した不均化法による湿式法によって製造した。これは具体的には以下の手順で行った。
(1) アラビアゴム0.05〜0.4g+純水350mLに、亜酸化銅50gを添加した。
(2) 次に、希硫酸(25wt%)50mLを一時に添加した。
(3) これを、回転羽で攪拌後(300rpm×10分)、60分放置した。
(4) 次に、沈殿に対して、洗浄を行った。
洗浄は、最初に、上澄み液を除去し、純水350mLを加えて攪拌(300rpm×10分)後、60分放置し、上澄み液を除去し、純水350mLを加えて攪拌(300rpm×10分)後、60分放置し、銅粉を沈降させた。この状態で粒度測定をレーザー回折式粒度分布測定(島津製作所SLAD−2100)で行い、表面処理前の粒度D50とした。測定時の分散剤としてヘキサメタリン酸ナトリウムを使用した。
(化学還元法による銅粉 (実施例20で使用))
特許第4164009号公報に従い、化学還元法による湿式法によって銅粉を得た。すなわち、アラビアゴム2gを2900mLの純水に添加した後、硫酸銅125gを添加し撹拌しながら、80%ヒドラジン一水和物を360mL添加した。ヒドラジン一水和物の添加後〜3時間かけて室温から60℃に昇温し、更に3時間かけて酸化銅を反応させた。この後60分放置し、銅粉を沈降させた。この状態で粒度測定を上記手順で行い、表面処理前の粒度D50とした。この化学還元法によって得られた銅粉は、実施例6で使用した。
[カップリング剤水溶液の調製]
次の各種のカップリング剤を使用したカップリング剤水溶液をそれぞれ50mL調製した。
シラン:
ジアミノシランA−1120(MOMENTIVE社製)
エポキシシランZ−6040(東レダウコーニング社製)

チタネート:
アミノ基含有 プレインアクト KR44(味の素ファインテクノ社製)
アミノ基非含有 プレインアクト KR44TTS(味の素ファインテクノ社製)

濃度は0.15〜8vol%の範囲で調製した。また、アミノ系カップリング剤以外は希硫酸でpHを4に調整した。
各種のシランの構造式は、以下である。
ジアミノシランA−1120:
2N−C24−NH−C36−Si(OCH33

エポキシシランZ−6040:
[例A:実施例1〜15、19、20、比較例3〜5]
[表面処理]
上記不均化法または化学還元法で得られた銅粉スラリーから上澄み液を除去し、銅粉を乾燥させることなく、調製したカップリング剤水溶液と60分間、以下の方法で混合させた。銅粉の質量はカップリング剤水溶液50mLに対して、それぞれ20gとした。

回転羽(300rpm)+超音波(株式会社テックジャム製、超音波洗浄器 3周波タイプ/W−113)(出力100W、周波数100kHz)

次にこれらのカップリング剤水溶液をそれぞれアスピレーターで吸引ろ過したのち、銅粉の上に純水を加え、さらにろ過した。このろ過は、ろ過後に銅粉の乾燥質量の1.4倍の純水を加えてろ過して得られたろ液をICP(高周波誘導結合プラズマ)分析した場合に、カップリング剤に由来するSi、Ti、Al、Zr、Ce又はSnの元素が50ppm以下の濃度となるまで行った。上記の場合、ろ過のための純水は約350mlを要した。そこで、ICP分析は、最後の約350mLをろ過後に約100mLを更にろ過し、この約100mLのろ液に対して行った。得られた残渣を窒素雰囲気下で70℃で1時間乾燥し、乳鉢で粉砕した。
[付着量の分析]
表面処理された銅粉の表面に付着したSi、及びTiを次の条件で分析した。銅粉を酸で溶解し、ICP(誘導結合プラズマ原子発光分析法)で定量して、表面処理された銅粉の単位質量(g)に対する、付着したSi及びTiの質量(μg)を求めた。
[TMA測定]
表面処理された銅粉によって、サンプルを作製して、TMA(Thermomechanical Analyzer)を使用して、焼結開始温度を、次の条件で測定した。

サンプル作製条件
圧粉体サイズ:7mmφ×5mm高さ
成型圧力:1Ton/cm2(1000kg重/cm2
(潤滑剤として0.5wt%のステアリン酸亜鉛を添加)
測定条件
装置:島津製作所TMA−50
昇温:5℃/分
雰囲気:2vol%H2−N2(300cc/分)
荷重:98.0mN
このように、測定対象の表面処理された銅粉に0.5wt%のステアリン酸亜鉛を添加して混合し、この混合物を直径7mmの筒体に装填し、上部からポンチを押し込んで1Ton/cm2で3秒保持する加圧を付与し,高さ約5mm相当の円柱状に成形した。この成形体を、軸を鉛直方向にして且つ軸方向に98.0mNの荷重を付与した条件で、昇温炉に装填し、2vol%H2−N2(300cc/分)流量中で昇温速度5℃/分、測定範囲:50〜1000℃に連続的に昇温してゆき、成形体の高さ変化(膨張・収縮の変化)を自動記録した。成形体の高さ変化(収縮)が始まり、その収縮率が1%に達したところの温度を「焼結開始温度」とした。
[例B:実施例16〜18]
[表面処理]
上記不均化法で得られた銅粉スラリーから上澄み液を除去し、銅粉を乾燥させることなく、水酸化ナトリウム水溶液(5g/L)中で撹拌した。その後、静置し、上澄み液を取り除き、純水350mLとさらに撹拌した。再び、静置し、上澄み液を取り除き、調製したカップリング剤水溶液と60分間、例Aの方法で混合させた。銅粉の質量はカップリング剤水溶液50mLに対して、それぞれ20gとした。
次にこれらのカップリング剤水溶液をそれぞれアスピレーターで吸引ろ過したのち、銅粉の上に純水を加え、さらにろ過した。このろ過は、ろ過後に銅粉の乾燥質量の1.4倍の純水を加えてろ過して得られたろ液をICP(高周波誘導結合プラズマ)分析した場合に、カップリング剤に由来するSi、Ti、Al、Zr、Ce又はSnの元素が50ppm以下の濃度となるまで行った。上記の場合、ろ過のための純水は約350mlを要した。そこで、ICP分析は、最後の約350mLをろ過後に約100mLを更にろ過し、この約100mLのろ液に対して行った。得られた残渣を窒素雰囲気下で70℃で1時間乾燥し、乳鉢で粉砕した。
[例C:比較例6]
WO2013/125659に従い、表面処理銅粉を得た。上記不均化法で得られた銅粉スラリーから上澄み液を除去し、銅粉を乾燥させることなく、調製したカップリング剤水溶液と60分間、以下の方法で混合させた。銅粉の質量はカップリング剤水溶液50mLに対して、それぞれ20gとした。

回転羽(300rpm)+超音波(株式会社テックジャム製、超音波洗浄器 3周波タイプ/W−113)(出力100W、周波数100kHz)

次にこれらのカップリング剤水溶液をそれぞれアスピレーターで吸引ろ過したのち、得られた残渣を窒素雰囲気下で70℃で1時間乾燥し、乳鉢で粉砕した。
[例D:実施例21]
上記不均化法で得られた銅粉スラリーから上澄み液を除去し、銅粉を乾燥させることなく、調整したジアミノシラン水溶液を用いて、例Aの方法で表面処理を行い、10gの表面処理銅粉を得た。
別途、上記不均化法で得られた銅粉スラリーから上澄み液を除去し、銅粉を乾燥させることなく、調整したアミノチタネート水溶液を用いて、例Aの方法で表面処理を行い、10gの表面処理銅粉を得た。
上記2種類の表面処理銅粉を混合し、SiとTiを付着させた表面処理銅粉を得た。
[グリーンシート作製]
50が0.41μmのアルミナ粉、トルエン、エタノール、エチルセルロース及び可塑剤をボールミルで適度な粘度になるまで混合し、グリーンシート形成用スラリーを得た。そして、PETフィルム上に、ドクターブレード法で上記スラリーを塗布してグリーンシートを作製した。
[銅粉ペースト作製]
実施例1〜5、7〜20、比較例1〜6では上述の手順で得られた表面処理された銅粉を、エチルセルロースとテルピネオール(以下、TPO)からなるビークルと、テルピネオール、脂肪酸または脂肪酸誘導体またはポリオールまたはポリエーテル、及びガラスフリットをミキサーで混練した後に、3本ロールに通して、表面処理された銅粉による銅粉ペーストを得た。重量組成は
銅粉:TPO:エチルセルロース:脂肪酸または脂肪酸誘導体またはポリオールまたはポリエーテル:ガラスフリット
=80:15.9:2.1:0.3:1.7
とした。ガラスフリットとしてD50が50nm、90nmのシリカナノ粒子を用いた。分散剤としてオレイン酸、オレイルアミン、ミリストレイン酸を用いた。
実施例6では表面処理された銅粉とTPOとオレイン酸をミキサーで混練した後に、エチルセルロースとTPOに溶かした有機ビークル、及びガラスフリットを加えて、さらにミキサーで混練した後、3本ロールに通して、表面処理された銅粉による銅粉ペーストを得た。
[印刷、焼成、塗膜/焼成体粗さ測定]
上記銅粉ペーストをグリーンシート上にスクリーン印刷で、乾燥後の厚みが10μmとなるように塗膜した。実施例1〜11、13〜20、比較例1、3〜6の焼成は2%の水素を含む窒素中で所定の温度で1時間焼成した。実施例12、比較例2は雰囲気を窒素として所定の温度で1時間焼成した。
得られた塗膜、焼成体の最大山高さRzを、接触式表面粗さ計(小坂研究所製、SE−3400)によりJIS−BO601に従ってn=3で測定し、平均値を求めた。
[焼結体の外観評価]
焼結体を上から肉眼で観察し、金属光沢の有無を判定した。
[結果のまとめ]
以上の結果を次の表1にまとめた。
本発明によれば、高温焼結後に得られる電極の金属表面の平滑性に優れた、導電性ペーストを得ることができる。本発明は産業上有用な発明である。

Claims (10)

  1. Si及びTiからなる群から選択された1種以上の元素が銅粉の表面に付着して含まれる、表面処理された銅粉であって、
    Si及びTiからなる群から選択された1種以上の元素の、銅粉1gに対する付着量をx(μg)、焼結開始温度をy(℃)としたとき、次の式:
    50≦x≦1500
    y≧0.2x+530
    を満たす、表面処理された銅粉を、40〜90重量%含み、
    ガラスフリットの平均粒径D50gと銅粉の平均粒径D50cが、次の式:
    D50g/D50c≦5
    を満たすガラスフリットを、0.1〜5重量%含み、
    脂肪酸、脂肪酸誘導体、脂肪族アミン、ポリエーテル及びポリオールからなる群から選択された1種以上の有機化合物を、0.01〜5重量%含む、導電性ペースト。
  2. D50c≦1μmである、請求項1に記載の導電性ペースト。
  3. 0.01≦D50g/D50c≦5である、請求項1又は2に記載の導電性ペースト。
  4. Si及びTiからなる群から選択された1種以上の元素が、カップリング剤処理によって銅粉に吸着した、請求項1〜3のいずれかに記載の導電性ペースト。
  5. ガラスフリットの焼結開始温度が850℃以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の導電性ペースト。
  6. 導電性ペースト用の樹脂及び溶剤をさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の導電性ペースト。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の導電性ペーストが塗布されて焼結されてなる、電極。
  8. 電極が、金属表面の表面粗さRzが0.01〜2.0μmである、請求項7に記載の電極。
  9. Si及びTiからなる群から選択された1種以上の元素が銅粉の表面に付着して含まれる、表面処理された銅粉であって、
    Si及びTiからなる群から選択された1種以上の元素の、銅粉1gに対する付着量をx(μg)、焼結開始温度をy(℃)としたとき、次の式:
    50≦x≦1500
    y≧0.2x+530
    を満たす、表面処理された銅粉、
    ガラスフリットの平均粒径D50gと銅粉の平均粒径D50cが、次の式:
    D50g/D50c≦5
    を満たすガラスフリット、及び
    脂肪酸、脂肪酸誘導体、脂肪族アミン、ポリエーテル及びポリオールからなる群から選択された1種以上の有機化合物を、含有させて、
    さらに導電性ペースト用の樹脂及び溶剤を含有させて、混練する工程、
    を含む、導電性ペーストの製造方法。
  10. 表面処理された銅粉、ガラスフリット、及び有機化合物を含有させて、さらに導電性ペースト用の樹脂及び溶剤を含有させて、混練する工程、が、
    表面処理された銅粉、有機化合物、溶剤を含有させて、予備混練する工程、及び
    予備混練された表面処理された銅粉、有機化合物及び溶剤に、さらに導電性ペースト用の樹脂及びガラスフリットを含有させて、混練する工程、
    によって行われる、請求項9に記載の方法。
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