JP6322973B2 - 衝撃吸収特性に優れた高強度鋼 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼に関し、具体的には、衝撃荷重負荷時における割れの発生が抑制され、さらに有効流動応力の高い衝撃吸収部材の素材として好適な980MPa超級の高強度鋼に関する。
近年、地球環境保護の観点から、自動車からのCO排出量の低減の一環として、自動車車体の軽量化が求められており、自動車用鋼材の高強度化が指向されている。これは、鋼の強度を向上させることにより、自動車用鋼材の薄肉化が可能となるためである。一方、自動車の衝突安全性向上に対する社会的要求もいっそう高くなっており、単に鋼の高強度化のみだけでなく、走行中に衝突した場合の耐衝撃性に優れた鋼の開発も望まれている。
ここで、衝突時の自動車用鋼材の各部位は、数10(s−1)以上の高いひずみ速度で変形を受けるため、動的強度特性に優れた高強度鋼が要求される。
このような高強度鋼として、静動差(静的強度と動的強度との差)が高い低合金TRIP鋼や、マルテンサイトを主体とする第2相を有する複相組織鋼といった高強度複相組織鋼が知られている。
低合金TRIP鋼に関しては、例えば、特許文献1に、動的変形特性に優れた自動車衝突エネルギー吸収用加工誘起変態型高強度鋼板(TRIP鋼板)が開示されている。
また、マルテンサイトを主体とする第2相を有する複相組織鋼板に関しては、下記のような発明が開示されている。
特許文献2には、微細なフェライト粒からなり、結晶粒径が1.2μm以下のナノ結晶粒の平均粒径dsと、結晶粒径が1.2μmを超えるミクロ結晶粒の平均結晶粒径dLとがdL/ds≧3の関係を満足する、強度と延性バランスとが優れ、かつ、静動差が170MPa以上である高強度鋼板が開示されている。
特許文献3には、平均粒径が3μm以下のマルテンサイトと平均粒径が5μm以下のフェライトの2相組織からなり、静動比が高い鋼板が開示されている。
特許文献4には、平均粒径が3.5μm以下のフェライト相を75%以上含有し、残部が焼き戻しマルテンサイトからなる衝撃吸収特性に優れる冷延鋼板が開示されている。
特許文献5には、予歪を加えてフェライトとマルテンサイトから構成される2相組織とし、5×10〜5×10/sの歪速度における静動差が60MPa以上を満足する冷延鋼板が開示されている。
さらに、特許文献6には、85%以上のベイナイトとマルテンサイトなどの硬質相のみからなる耐衝撃特性に優れた高強度熱延鋼板が開示されている。
特開平11−80879号公報 特開2006−161077号公報 特開2004−84074号公報 特開2004−277858号公報 特開2000−17385号公報 特開平11−269606号公報
しかしながら、従来の衝撃吸収部材の素材である鋼には、以下のような課題がある。すなわち、衝撃吸収部材(以下、単に「部材」ともいう。)の衝撃吸収エネルギーを向上するには、衝撃吸収部材の素材である鋼(以下、単に「鋼」ともいう。)の高強度化が必須である。
しかしながら、「塑性と加工」第46巻 第534号 641〜645頁に、衝撃吸収エネルギーを決定づける平均荷重(Fave)が、
ave∝(σY・t)/4
σY:有効流動応力
t:板厚
として与えられることが開示されているように、衝撃吸収エネルギーは鋼の板厚に大きく依存する。したがって、単に鋼を高強度化することだけでは、衝撃吸収部材について薄肉化と高衝撃吸収性能とを両立させることには限界がある。
ところで、例えば、国際公開第2005/010396号パンフレット、国際公開第2005/010397号パンフレット、さらには国際公開第2005/010398号パンフレットにも開示されるように、衝撃吸収部材の衝撃吸収エネルギーはその形状にも大きく依存する。
すなわち、塑性変形仕事量を増大させるように衝撃吸収部材の形状を最適化することによって、単に鋼を高強度化することだけでは達成し得ないレベルまで、衝撃吸収部材の衝撃吸収エネルギーを飛躍的に高めることができる可能性がある。
しかしながら、塑性変形仕事量を増大させるように衝撃吸収部材の形状を最適化したとしても、鋼がその塑性変形仕事量に耐え得る変形能を有していなければ、想定していた塑性変形が完了する前に、衝撃吸収部材に早期に割れが生じてしまい、結果的に塑性変形仕事量を増大させることができず、衝撃吸収エネルギーを飛躍的に高めることができない。また、割れが早期に衝撃吸収部材に生じると、この衝撃吸収部材に隣接して配置された他の部材を損傷する等の予期せぬ事態を招きかねない。
従来は、衝撃吸収部材の衝撃吸収エネルギーが鋼の動的強度に依存するとの技術思想に基づいて、鋼の動的強度を高めることが指向されてきたが、単に鋼の動的強度を高めることを指向するのでは顕著な変形能の低下を招く場合がある。このため、塑性変形仕事量を増大させるように衝撃吸収部材の形状を最適化したとしても、衝撃吸収部材の衝撃吸収エネルギーを飛躍的に高めることができるとは限らなかった。
また、そもそも上記技術思想に基づいて製造された鋼の使用を前提として衝撃吸収部材の形状が検討されてきた。このため、衝撃吸収部材の形状の最適化は、当初から既存の鋼の変形能を前提として検討されており、塑性変形仕事量を増大させるように、鋼の変形能を高め、かつ衝撃吸収部材の形状を最適化するという検討自体が、これまで十分になされていなかった。
さらには、鉄鋼材料の変形能は、強度の上昇に伴い著しく低下する。したがって、引張強度が980MPa以上の高強度材の衝撃吸収部材への適用は、これまでに前例がない。
上述したように、衝撃吸収部材の衝撃吸収エネルギーを高めるには、塑性変形仕事量を増大させるように、鋼の特性とともに、衝撃吸収部材の形状を最適化することが重要である。
鋼に関しては、衝撃荷重負荷時における割れの発生を抑制しつつ、塑性変形仕事量を増大させるように有効流動応力を高めることが重要である。
本発明者らは、耐割れ性に優れた高衝撃吸収鋼を提案するため、衝撃吸収エネルギーを高めつつ衝撃割れの発生を抑制する方法を鋭意検討し、以下に列記する新たな知見を得た。
[衝撃吸収エネルギーの向上]
(1)鋼の衝撃吸収エネルギーを高めるには、降伏強度と低ひずみ域での加工硬化係数を高めて有効流動応力を向上させることが有効である。
(2)降伏強度の向上には、ベイナイト相を含む網目状組織とすることが有効である。
(3)ベイナイト主相鋼の低ひずみ域での加工硬化係数の向上には、炭素含有量を高めることが有効である。網目状組織の主相鋼がベイナイトである場合にも同様に炭素含有量を高めることが有効である。
[衝撃割れの抑制]
(4)衝撃吸収材において、衝撃荷重負荷時に割れが発生すると、エネルギー吸収能が低下するばかりでなく、エンジン内の他の部分の損傷原因となる。
(5)しかしながら、材料強度、特に、降伏強度の上昇に伴い、衝撃過重負荷時における割れに対する感受性(以下、「衝撃割れ感受性」ともいう。)が高くなる。
(6)衝撃荷重負荷時における脆化割れの発生を抑制するには、フェライト粒径を微細にし、破壊靭性を向上させることが有効である。
(7)さらに、衝撃荷重負荷時における座屈変形部の割れを抑制するには、一様伸び(伸び)および局部延性(局部伸び、曲げ性)を向上させることが有効である。
(8)一様伸びを向上させるためには、オーステナイト相を混在させることが有効である。オーステナイトは、ベイナイトラス界面、ブロック界面、粒界に生成する。オーステナイトは、引張変形や曲げ変形など、塑性変形を受けると応力誘起変態によりマルテンサイト組織に変態し、加工硬化率が上昇するため、一様伸びの向上に寄与する。
(9)一方、フレッシュマルテンサイト相は、局部延性に悪影響を及ぼすので、極力低減する必要がある。
(10)鋼中のMn量が多いと、Mnミクロ偏析に起因した硬質のマルテンサイト相が生成し、局部延性に悪影響を及ぼす。したがって、Mn含有量は極力低減する必要がある。
(11)一様伸びおよび局部延性を高めるためには、フェライト粒内の炭化物の数密度を所定範囲に調整する必要がある。
本発明は上記の新たな知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1)質量%で、C:0.45%超0.77%以下、Mn:0.1〜0.5%、Si:0.5%以下、Cr:0.2〜1%、Al:0.01〜0.5%、N:0.001〜0.015%以下を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる化学組成を有し、
フェライト、マルテンサイト、ベイナイト、オーステナイト、および炭化物から構成される複相組織であって、フェライトの平均粒径が1.5〜7μmであり、占有率でフェライト粒界の50%以上がベイナイト相、マルテンサイト相、オーステナイト相の1種または2種以上で占められる網目状組織であり、フェライト粒内の炭化物の数密度が20〜50個/(μm)であり、
ナノインデンテーション法によるナノ硬さが10GPaを超えるマルテンサイト相が、前記フェライト粒界における面積比で5%以下であることを特徴とする、引張強度が980MPa以上の鋼。
本発明において、「占有率」とは、ナノインデンテーション法を用いた二次元画像から得られた面積率をいう。
また、本発明では、熱間加工や冷間加工が施されたものも「鋼」と称する。
(2)更に、質量%で、V:0.05〜0.15%、Nb:0.01〜0.05%、およびTi:0.005〜0.02%の1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記(1)に記載の鋼。
(3)次の工程を備えることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の鋼の製造方法。
上記(1)または(2)のいずれかに記載された化学組成を有する素材を、800〜1100℃の温度域で加熱した後、300℃/秒以上の冷却速度で450℃以下まで急冷して室温まで冷却し、600〜700℃の温度域で1時間以上保持する初期組織生成熱処理工程;および
前記初期組織生成熱処理が施された素材を50℃/秒以上の昇温速度で(Ae1+20℃)〜(Ae1+70℃)の温度域まで加熱し、150℃超300℃以下の温度域まで30℃/秒以上の冷却速度で冷却して100〜500秒間等温保持した後、350〜450℃の温度域に再加熱し100秒以上等温保持する最終組織生成熱処理工程。
(4)次の工程を備えることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の鋼の製造方法。
上記(1)または(2)に記載された化学組成を有する素材を、1200℃以上の温度域で加熱した後、800〜900℃の温度域で総圧下率50%以上の仕上加工を行い、当該仕上加工後0.3秒以内に500℃/秒以上の冷却速度で600〜700℃の温度域まで冷却し、500℃以下の温度域で5℃/秒以下の冷却速度で緩冷却を行うことによって熱間加工鋼材を得る熱間加工工程;および
前記熱間加工工程で得られた熱間加工鋼材に、50℃/秒以上の昇温速度で(Ae1+20℃)〜(Ae1+70℃)の温度域まで加熱して150℃超300℃以下の温度域まで30℃/秒以上の冷却速度で冷却して100〜500秒間等温保持した後、350〜450℃の温度域に再加熱し100秒以上等温保持する最終組織生成熱処理工程。
(5)次の工程を備えることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の鋼の製造方法。
上記(1)または(2)に記載された化学組成を有する素材を、800℃以上、900℃の温度域で仕上加工を行った後、400〜650℃の温度域まで50℃/秒以上、500℃/秒未満の冷却速度で冷却し、当該温度域で5℃/秒以下の冷却速度で緩冷却を行うことによって熱間加工鋼材を得る熱間加工工程;
前記熱間加工工程により得られた熱間加工鋼材に冷間加工を行い冷間加工鋼材を得る冷間加工工程;および
前記冷間加工工程により得られた冷間加工鋼材に、50℃/秒以上の昇温速度で(Ae1+20℃)〜(Ae1+70℃)の温度域まで加熱した後、150℃超300℃以下の温度域まで30℃/秒以上の冷却速度で冷却して100〜500秒間等温保持した後、350〜450℃の温度域に再加熱し100秒以上等温保持する最終組織生成熱処理工程。
本発明に係る鋼で製造した鋼は、衝撃吸収部材、特に自動車用の衝撃吸収部材の素材用いることが好ましい。
本発明によれば、衝撃荷重が負荷された時における衝撃吸収部材の割れの発生を抑制または解消でき、さらに有効流動応力の高い衝撃吸収部材を得ることが可能となるので、衝撃吸収部材の衝撃吸収エネルギーを飛躍的に高めることが可能となる。斯かる衝撃吸収部材を適用することにより、製品の衝突安全性を一層向上させることが可能になるので、産業上極めて有益である。
図1は、本発明に係る製造方法で規定する焼鈍サイクルを示す図である。
以下、本発明を説明する。
1.化学組成
(1)C:0.45%超0.77%以下
Cは鉄鋼材料の強度を向上させる基本的な元素である。Cは固溶強化によりフェライト相の高強度化に寄与する。C量の増加により、低温変態相であるベイナイト相、マルテンサイト相は著しく高強度化する。また、残留オーステナイト相を安定化させるため、均一延性の向上に寄与する。さらに、微細なセメンタイトにより結晶粒の粗大化を抑制し、局部延性を向上させる。加えて、ベイナイトを含む鋼の加工硬化係数を向上させる。しかしながら、C含有量が0.45%以下では、上記作用による効果を得ることが困難な場合がある。したがって、C含有量は0.45%超とする。一方、C含有量が0.77%を超えると、初晶の粗大なセメンタイトが生成し、局部延性を低下させる。望ましくは0.55〜0.65%である。
(2)Mn:0.1〜0.5%
Mnは、焼き入れ性を向上させ、ベイナイト相の相率を増加させる。また、固溶強化により鋼を強化し、降伏強度および引張強度を向上させる作用を有する。しかしながら、Mn含有量が0.1%未満では、上記作用による効果を得ることが困難な場合がある。したがって、Mn含有量は0.1%以上とする。一方、Mn含有量が0.5%を超えて添加すると、フェライト粒界にマルテンサイト相が生成して粒界を起点とする破壊(衝撃割れ)が起こり易くなる。したがって、Mn含有量は0.5%以下とする。望ましくは0.25〜0.5%である。
(3)Si:0.5%以下
Siは脱酸効果により鋼中の介在物を抑制し、衝撃割れを防止する効果がある。一方、炭化物の生成を抑制することから、結晶粒の微細化効果を低下させる。したがって、Si量は0.5%以下とする。望ましくは、0.1〜0.3%である。
(4)Cr:0.2〜1%
Crはセメンタイトの微細化およびパーライトラスの微細化に有効であり、その後の再加熱による逆変態組織の微細化に有効である。しかしながら、0.2%未満では上記の効果を得ることは困難である。一方、1%を超えると、フェライトの生成が押される。しかがって、Cr量は0.2〜1%とする。望ましくは0.5%〜1%である。
(5)Al:0.01〜0.5%
Alは脱酸効果により鋼中の介在物を抑制し、衝撃割れを防止する効果がある。しかしながら、Al含有量が0.01%未満では上記作用による効果を得ることが困難である。一方、Al含有量が0.5%を超えると、酸化物や窒化物を粗大化させ、かえって衝撃割れを助長する。したがって、Al含有量は0.01〜0.5%とする。
(6)N:0.001〜0.015%
Nは窒化物を生成することにより、オーステナイトやフェライトの粒成長を抑制し、衝撃割れを抑制する効果がある。しかしながら、N含有量が0.001%未満では上記作用による効果を得ることが困難である。一方、N含有量が0.015%を超えると窒化物が粗大化し、かえって衝撃割れを助長する。したがって、N含有量は0.001〜0.015%とする。
(7)V:0.05〜0.15%
VはVCなどの炭化物を生成し、フェライト粒の成長に対するピンニング効果により結晶粒の粗大化を抑制して、延性を向上させる効果がある。さらにVCによる析出強化で鋼を強化し、降伏強度および引張強度を向上させる効果を有する。したがって必要に応じて添加する。
しかしながら、0.05%未満では上記作用による効果を得ることが困難である。したがってV添加量は0.05%以上とする。一方、V含有量が0.15%を超えると粗大なVCが析出し、延性低下の原因となる。したがって、V量は0.05〜0.15%とする。
(8)Nb:0.01〜0.05%
NbはNbC、NbNなどの炭・窒化物を生成し、フェライト粒の成長に対するピンニング効果により結晶粒の粗大化を抑制して、延性を向上させる効果がある。したがって必要に応じて添加する。
しかしながら、0.01%未満では上記作用による効果を得ることが困難である。したがってNb添加量は0.01%以上とする。一方、Nb含有量が0.05%を超えると上記の効果が飽和するだけでなく、粗大な析出物が析出し、延性低下の原因となる。したがって、Nb量は0.01〜0.05%とする。
(9)Ti:0.005〜0.02%
TiはTiC、TiNなどの炭・窒化物を生成し、フェライト粒の成長に対するピンニング効果により結晶粒の粗大化を抑制して、延性を向上させる効果がある。したがって必要に応じて添加する。
しかしながら、0.005%未満では上記作用による効果を得ることが困難である。したがってTi添加量は0.005%以上とする。一方、Ti含有量が0.02%を超えると上記の効果が飽和するだけでなく、粗大な析出物が析出し、延性低下の原因となる。したがって、Ti量は0.005〜0.02%とする。
(10)P:0.02%以下
不可避不純物としてのPは、粒界を脆弱にし、熱間加工性の悪化を招く。そこで、Pの上限は0.02%以下とする。P含有量は少なければ少ないほど望ましいが、現実的な製造工程と製造コストの範囲内で脱Pすることを前提にすれば、Pの上限は0.02%である。望ましくは0.015%以下である。
(11)S:0.005%以下
不可避不純物としてのSは、粒界を脆弱にし、熱間加工性や延性の劣化を招く。そこで、Sの上限は0.005%以下とする。S含有量は少なければ少ないほど望ましいが、現実的な製造工程と製造コストの範囲内で脱Sすることを前提にすれば、Sの上限は0.005%である。望ましくは0.002%以下である。
2.鋼組織
(1)複相組織
本発明に係る鋼組織は、引張強度と延性を向上させるため、フェライト相の周りを、ベイナイト相等を有する第2相が取り囲む網目状組織とし、さらにマルテンサイト、オーステナイト、および炭化物を含む複相組織とする。マルテンサイトおよびオーステナイトは、ベイナイト変態に伴い炭素濃化した部分に生成する。したがって、一般には、ベイナイト組織に隣接する場合が多く、ベイナイトのラス、ブロック界面やフェライト粒界に存在する。
本発明において、「炭化物」とは、合金元素と炭素から構成される化合物であり、例えば、セメンタイト、VC、NbC、TiCが挙げられる。フェライト相内の炭化物の粒径は、フェライトを析出強化させる観点から、5〜100nmであることが望ましい。
(2)フェライトの平均粒径が1.5〜7μm
フェライト粒径が7μmを超えると延性が低下する場合がある。一方、フェライト粒径が1.5μm未満の場合には所望の複相組織が得られず、延性が低下する場合がある。したがって、フェライト粒径は1.5〜7μmとする。望ましくは、3〜5μmである。
(3)網目状組織
さらに、高い降伏強度と低ひずみ域の加工硬化係数を得て有効流動応力を高めるため、第2相がフェライト粒を囲む、網目状組織とする。この時、フェライト粒界における第2相の占有率が50%未満の場合には、降伏強度が低下し、所望の衝撃吸収エネルギーが得られない。したがって、フェライト粒界における第2相の占有率は50%以上とする。第2相はベイナイト相、マルテンサイト相、オーステナイト相の1種または2種以上で構成される。鋼全体における第2相の占有率の上限値としては、局部延性低下を防ぐため、10%以下であることが好ましい。
ここで、マルテンサイト相は局部延性を低下させることから、極力低下させる必要がある。ただし、高炭素鋼においてベイナイト相とマルテンサイト相の峻別は困難であることから、ナノインデンテーション法によるナノ硬さが10GPaを超える相をマルテンサイト相と定義し、その相比はフェライト粒界における面積比で5%以下であることが望ましい。
また、降伏強度を高めて衝撃吸収エネルギーを向上させるため、第2相におけるベイナイト相の占有率は50〜70%であることが望ましい。一様伸びを高めて衝撃荷重負荷時の割れを抑制するため、オーステナイト相の第2相における占有率は2〜8%であることが望ましい。なお、これらの相は、ナノインデンテーション法によるナノ硬さ、およびナノヤング率測定で峻別できる。ナノ硬さが4.5GPa未満の相がフェライト相、4.5〜10GPaの相がベイナイト相、ナノヤング率が190GPa以下の相がオーステナイトである。
(4)フェライト相内の炭化物の数密度:20〜50個/(μm)
フェライト相と第2相の硬さや塑性変形能に大差がある場合には、フェライト相/第2相の界面でボイドが発生しやすくなり、衝撃割れが発生しやすくなる。そこで、フェライトはセメンタイトを主体とする炭化物の微細分散により析出強化させる必要がある。しかしながら、炭化物の数密度が20個/(μm)未満の場合にはその効果が得られない。一方、炭化物の数密度が50個/(μm)を超えると、かえって延性が低下する。よって、フェライト相内の炭化物の適正な数密度は20〜50個/(μm)である。望ましくは、25〜40個/(μm)である。
3.特性
本発明に係る鋼は、有効流動応力が高く、衝撃吸収エネルギーが高いと同時に、衝撃荷重負荷時における割れの発生が抑制されている点に特徴を有する。この特徴は、後述する実施例に示すように、5%流動応力が高いこと、および曲げ性に優れることにより実証される。
他の機械的特性として、引張強度は980MPaを超え、一様伸び(伸び)は13%以上であり、局部伸びが5%以上と、高強度で延性に優れていることが挙げられる。
4.製造方法
本発明鋼は、微細な球状化セメンタイトが均一に分散した組織を初期組織とし、その後の逆変態と変態により最適な組織に制御する。初期組織は焼き戻しマルテンサイト主相またはフェライト主相であることが望ましい。
焼き戻しマルテンサイト組織からなる初期組織は以下の熱処理により最適な形態に制御する必要がある。
(1)初期組織生成熱処理工程
初期組織を焼き戻しマルテンサイトとする場合には、まず、素材のオーステナイト化のために800〜1100℃の温度域で1回以上加熱する。その後、300℃/秒以上の冷却速度で450℃以下の温度域まで急冷して室温まで冷却し、フルマルテンサイト相を得る。この時、450℃以下までの冷却速度が300℃/秒未満の場合には、フェライト相が析出してパーライトが形成されるため、延性低下の原因になる場合がある。さらに、引き続いて室温まで冷却しなければ、マルテンサイト相を得ることができない。マルテンサイト相を得るため、450℃以下の温度域から室温までの冷却速度は50℃/秒以上であることが望ましい。
得られたフルマルテンナイト組織に、600〜700℃の温度域で1時間以上の等温保持を加えることで、微細な球状セメンタイトが均一に分散した、焼き戻しマルテンサイト組織が得られる。
一方、フェライト主相を初期組織とする場合には、以下の熱間加工や冷間加工により最適な形態に制御することができる。
(2)熱間加工工程
熱間加工材を後述する最終組織生成熱処理工程の母材とする場合には、素材中の炭化物を完全に固溶させるためにその熱間加工工程の際に予め1200℃以上の温度域で1回以上加熱した素材について、最終の仕上加工を800〜900℃の温度域で、総圧下率(熱間圧延の場合には各パス圧下率の合計を表す。熱間鍛造の場合には、加工前後での最大厚みの変化率を表す。)50%以上の熱間加工を実施する。加工熱処理後、0.3秒以内に、500℃/秒以上の冷却速度で600〜700℃の温度域まで冷却し、500℃以下の温度域で5℃/秒以下の冷却速度で緩冷を行うことにより熱延鋼材を得る。上記の仕上加工は、熱間鍛造でもよく、また、熱間圧延でもいい。上記の熱間加工の条件を満足しない場合には、フェライト粒が粗大になり、且つ、炭化物が粗大化する。このような材料を熱処理母材として用いた場合には、その後の再加熱時に結晶粒が粗大化する上に、粗大な炭化物が残留して延性低下をもたらす。一方、上記の条件で熱間加工を行った材料は、微細なフェライトと微細な球状炭化物から構成される組織を有する。
冷間加工材を後述する最終組織生成熱処理工程の母材とする場合には、熱間加工材を母材とする場合と同様に、熱間加工工程の際に予め1200℃以上の温度域で1回以上加熱した素材について、熱処理工程において800〜900℃の範囲内で前述と同様の仕上加工を行ったのち、400〜650℃の温度域まで50℃/秒以上500℃/秒未満の冷却速度で冷却し、その温度域で5℃/秒以下の冷却速度で緩冷却を行うことによって微細なラメラ組織からなるパーライト組織を得る。
(3)冷間加工工程
冷間加工材を最終組織生成熱処理工程の母材とするために熱間加工が施された鋼材に対して、冷間加工により0.3〜0.7のひずみ(冷間加工率が30〜70%)を与える。この冷間加工は、冷間圧延でもよく、曲げ加工やせん断加工でもいい。こうして得られる組織は、加工されたフェライトと微細な球状炭化物から構成される。一方、加工熱処理条件や冷間加工条件が、所定の条件を満たさない場合には、その材料を熱処理母材として用いた場合、その後の再加熱時に結晶粒が粗大化する上に粗大な炭化物が残留して延性低下をもたらす。
(4)最終組織生成熱処理工程
初期組織生成熱処理により得られた熱処理素材、および熱間加工工程および/または冷間加工工程を経て得られた母材は、オーステナイト域への加熱および冷却制御により適切な組織制御を行い、粒内にセメンタイト等の炭化物が分散したフェライト相と網目状の第2相を主相とする複相組織の生成を促す。
オーステナイト化の温度(焼鈍温度)は、(Ae1変態点+20℃)〜(Ae1変態点+70℃)の範囲内で行う必要がある。オーステナイト温度域が上記の範囲から外れる場合には、結晶粒が粗大化したり、所望の複相組織が得られない場合がある。
また、オーステナイト域までの昇温速度が50℃/秒未満の場合には、結晶粒が粗大化したり、所望の複相組織が得られない場合がある。したがって、オーステナイト域までの昇温時の昇温速度は、50℃/秒以上とする必要がある。
オーステナイト化処理後の冷却時に、所望の複相組織への組織制御を行うため、以下の条件を満たす必要がある。
まず、(Ae1変態点+20℃)〜(Ae1変態点+70℃)の温度域から、30℃/秒以上の冷却速度で150℃超300℃以下の温度域まで冷却し、その温度域で等温保持を行う。ここで、保持時間は100〜500秒の範囲とする。
保持時間が100秒未満であると、第2相が十分に発達せず、不完全な組織となるため、延性が低下する。一方保持時間が500秒を超えると炭化物が生成する場合があり、やはり延性低下の原因となる。焼き入れ温度(変態処理温度)が150℃以下になると、硬質のマルテンサイトが多くなり、延性に悪影響を及ぼす。一方、焼き入れ温度が300℃を超えると、所望のベイナイト組織が少なくなる。
続いて、第2相を構成するオーステナイト中の炭素量を増加させ、オーステナイト相を安定化させるため、350〜450℃の範囲に再加熱し、100秒以上等温保持する。再加熱温度が350℃未満の場合には、オーステナイトへのCの分配が不十分であり延性が低下する場合がある。一方、再加熱温度が450℃を超えるとオーステナイトが分解するため、延性が低下する。また保持時間が100秒未満では、オーステナイトへのCの分配が不十分であり延性が低下する場合がある。また保持時間が500秒以上になるとオーステナイトが分解する場合があるので、望ましい保持時間は100〜500秒である。
表1に示す化学組成を有する鋼を、150Kgの溶鋼を真空溶製して鋳造した後、炉内温度1250℃で加熱し、950℃以上の温度で熱間鍛造を行い下記検討用のサンプルとした。
Figure 0006322973
各サンプルの熱処理、熱間加工条件、冷間加工条件を表2に示す。表2に示す各鋼板の組織は、ナイタル腐食後、SEM観察により求めた。
Figure 0006322973
試験番号1、2は、熱間加工および冷間加工を行わず、初期組織生成熱処理を行ったままの状態で評価するサンプル(以下、「未加工熱処理材」という。)であり、機械加工により2.0mmに切りだし、最終組織生成熱処理に供した。その後、表面脱炭の影響を除去するため、最終組織生成熱処理後、両面研削により1.6mmに減厚し、各種の特性評価に供した。なお、これらの試験では、オーステナイト化温度から表2に記載の冷却速度で200℃以下まで急冷し、70℃/秒の冷却速度で室温まで冷却し、その後、表2に記載の焼き戻し温度まで加熱した。
試験番号3、4は熱間圧延および表3に示した熱処理条件により組織を調整した。これらについては、熱間圧延により2mmの鋼板を作製し、その後、両面研削により1.6mmに減厚した。また、試験番号3、4については、表2の粗圧延の前に予め1250℃で60分以上の加熱を1回行った。
試験番号5〜14は、熱間圧延、冷間圧延、および表3に示した熱処理により組織を調整した。これらについては、冷間圧延により1.6mmまで減厚し、所定の熱処理後、そのまま試験に供した。
さらに、連続焼鈍シミュレータを用いて、連続焼鈍熱処理を施した。これらの条件を表3に示す。
Figure 0006322973
このようにして得られた鋼板について、以下の調査を行った。
すなわち、JIS5号引張試験片を採取して引張試験を行うことにより、5%流動応力、最大引張応力(TS)、伸び、局部伸び、破断応力を求めた。
さらに、V曲げ試験により局部延性を評価した。曲げ角度は60度とし、曲げ半径は3mmと5mmで実施した。未加工熱処理材については、任意の方向に曲げ加工を行い、熱間圧延材および冷間圧延材については、圧延方向と圧延方向と垂直な方向に曲げ加工を行った。曲げ加工により割れが生じた鋼板は×、曲げ加工により一切割れが生じず健全であった鋼板は○で表記した。
表4に示すフェライト平均粒径、フェライト粒界にベイナイト相、マルテンサイト相、オーステナイト相の1種または2種以上を有する第2相が占める割合(面積率)、および硬質マルテンサイトの存在割合(面積率)は、ナノインデンテーション装置に併設の原子間力顕微鏡による2次元画像から求めた。フェライト粒内の炭化物の数密度は、抽出レプリカサンプルを用いたTEM観察により得たTEM明視野像の2次元画像から炭化物の面積を算出し、円の面積に換算した場合における当該円の粒径が5〜100nmの炭化物の数密度を算出した。
以上の調査結果を表4に示す。
Figure 0006322973
本発明に係る鋼は、5%流動応力が800MPa以上と高い。さらに延性、特に局部伸びが5.2%以上を示し、曲げ性も曲げ半径が3mmおよび5mmのいずれにおいても健全であり、局部延性および曲げ加工性に優れる値を示した。したがって、本発明に係る鋼は、衝撃吸収部材、例えば、クラッシュボックス、サイドメンバー、センターピラー、ロッカー、等の素材として用いるのに好適である。

Claims (5)

  1. 質量%で、C:0.45%超0.77%以下、Mn:0.1〜0.5%、Si:0.5%以下、Cr:0.2〜1%、Al:0.01〜0.5%、N:0.001〜0.015%以下を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる化学組成を有し、
    フェライト、マルテンサイト、ベイナイト、オーステナイト、および炭化物から構成される複相組織であって、フェライトの平均粒径が1.5〜7μmであり、占有率でフェライト粒界の50%以上がベイナイト相、マルテンサイト相、オーステナイト相の1種または2種以上で占められる網目状組織であり、フェライト粒内の炭化物の数密度が20〜50個/(μm)であり、
    ナノインデンテーション法によるナノ硬さが10GPaを超えるマルテンサイト相が、前記フェライト粒界における面積比で5%以下であることを特徴とする、引張強度が980MPa以上の鋼。
  2. 更に、質量%で、V:0.05〜0.15%、Nb:0.01〜0.05%、およびTi:0.005〜0.02%の1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1に記載の鋼。
  3. 次の工程を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の鋼の製造方法。
    請求項1または2に記載された化学組成を有する素材を、800〜1100℃の温度域で加熱した後、300℃/秒以上の冷却速度で450℃以下まで急冷して室温まで冷却し、600〜700℃の温度域で1時間以上保持する初期組織生成熱処理工程;および
    前記初期組織生成熱処理が施された素材を50℃/秒以上の昇温速度で(Ae1+20℃)〜(Ae1+70℃)の温度域まで加熱し、150℃超300℃以下の温度域まで30℃/秒以上の冷却速度で冷却して100〜500秒間等温保持した後、350〜450℃の温度域に再加熱し100秒以上等温保持する最終組織生成熱処理工程。
  4. 次の工程を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の鋼の製造方法。
    請求項1または2に記載された化学組成を有する素材を、1200℃以上の温度域で加熱した後、800〜900℃の温度域で総圧下率50%以上の仕上加工を行い、当該仕上加工後0.3秒以内に500℃/秒以上の冷却速度で600〜700℃の温度域まで冷却し、500℃以下の温度域で5℃/秒以下の冷却速度で緩冷却を行うことによって熱間加工鋼材を得る熱間加工工程;および
    前記熱間加工工程で得られた熱間加工鋼材に、50℃/秒以上の昇温速度で(Ae1+20℃)〜(Ae1+70℃)の温度域まで加熱して150℃超300℃以下の温度域まで30℃/秒以上の冷却速度で冷却して100〜500秒間等温保持した後、350〜450℃の温度域に再加熱し100秒以上等温保持する最終組織生成熱処理工程。
  5. 次の工程を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の鋼の製造方法。
    請求項1または2に記載された化学組成を有する素材を、1200℃以上の温度域で加熱した後、800〜900℃の温度域で仕上加工を行った後、400〜650℃の温度域まで50℃/秒以上500℃/秒未満の冷却速度で冷却し、当該温度域で5℃/秒以下の冷却速度で緩冷却を行うことによって熱間加工鋼材を得る熱間加工工程;
    前記熱間加工工程により得られた熱間加工鋼材に冷間加工を行い冷間加工鋼材を得る冷間加工工程;および
    前記冷間加工工程により得られた冷間加工鋼材に、50℃/秒以上の昇温速度で(Ae1+20℃)〜(Ae1+70℃)の温度域まで加熱した後、150℃超300℃以下の温度域まで30℃/秒以上の冷却速度で冷却して100〜500秒間等温保持した後、350〜450℃の温度域に再加熱し100秒以上等温保持する最終組織生成熱処理工程。
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