JP6322784B2 - シコニン系化合物とβ−1,3−1,6グルカンとの複合体の製造法 - Google Patents

シコニン系化合物とβ−1,3−1,6グルカンとの複合体の製造法 Download PDF

Info

Publication number
JP6322784B2
JP6322784B2 JP2013070885A JP2013070885A JP6322784B2 JP 6322784 B2 JP6322784 B2 JP 6322784B2 JP 2013070885 A JP2013070885 A JP 2013070885A JP 2013070885 A JP2013070885 A JP 2013070885A JP 6322784 B2 JP6322784 B2 JP 6322784B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glucan
shikonin
compound
acid
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013070885A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014193967A (ja
Inventor
健 長崎
健 長崎
泰造 谷口
泰造 谷口
真理子 炬口
真理子 炬口
鈴木 利雄
利雄 鈴木
政徳 柳田
政徳 柳田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
PHARMA CREA KOBE CO. LTD.
Osaka Soda Co Ltd
Original Assignee
PHARMA CREA KOBE CO. LTD.
Osaka Soda Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by PHARMA CREA KOBE CO. LTD., Osaka Soda Co Ltd filed Critical PHARMA CREA KOBE CO. LTD.
Priority to JP2013070885A priority Critical patent/JP6322784B2/ja
Publication of JP2014193967A publication Critical patent/JP2014193967A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6322784B2 publication Critical patent/JP6322784B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Description

本発明は、シコニン系化合物(a)、塩基性化合物(b)とβ-1,3結合に対するβ-1,6結合の分岐度が50〜100%であるβ-1,3-1,6グルカン(c)とを混合する工程を含む、シコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体の製造法に関する。
ムラサキ科ムラサキの根から抽出されるシコニンおよびその誘導体は、抗炎症作用、抗菌作用、傷の治癒促進作用があることが知られており、実際、医薬品有効成分として配合されるクリームとして市販されている。しかし、水に溶解しないためその使用方法は限定される。
具体的には、シコニンおよびその誘導体はたとえばエチルアルコール等のアルコール類や芳香族系の有機溶媒を用いて、ムラサキの根から抽出される。(特許文献1)
抽出されたシコニンおよびその誘導体は医薬品として使用される際には、ワセリンに混合する方法(特許文献2)や、O/WあるいはW/Oタイプに代表されるエマルジョンを形成する方法(特許文献3)を用いて製品化されるなど、製品及び製造工程が限定されている。
そこで、シコニンおよびその誘導体に水への分散性、及び可溶性を付与することにより、医薬品、化粧品等の用途に用いる新しい技術が期待されている。
一方、β-グルカンは、β-1,3-グルカン、β-1,6グルカン、β-1,3-1,6グルカンなどが自然界に生息するキノコ(担子菌の子実体)に多く含まれる成分(数%から50%程度)であり、それらの子実体だけでなく培養菌糸体にも含まれていることが知られている。また、それらのβ-グルカンには抗腫瘍活性があることが知られている(非特許文献1)。例えば、スエヒロタケ、カワラタケ、シイタケから抽出されたそれぞれのβ-グルカンは、既に抗がん剤などの医薬品として製造販売されている。一方、不完全菌であるオーレオバシジウム属(Aureobasidium)に属する微生物もβ-1,3-1,6グルカンを生産することが知られている。
また、β-1,3-1,6グルカンは、一本鎖構造のものが絡みあい3重螺旋構造を形成していることが知られており、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒やアルカリ溶液で処理することにより、3重螺旋構造が解離し、一本鎖構造となることが知られている(非特許文献2)。
特許第4028604号公報 特開2010−143887号公報 特公昭61−21523号公報
Immunity,19(3),311-315 J.Med.Mycol.Vol.33,267-277,(1992)
本発明は、実用上十分な水への分散性、及び可溶性を有するシコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体の製造法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために研究を重ね、シコニン系化合物(a)と、塩基性化合物(b)と、β-1,3-1,6グルカンの中でも、主鎖のβ-1,3結合に対する側鎖のβ-1,6結合の比率(分岐度)が50〜100%であるβ-1,3-1,6グルカン(c)を添加することで、実用上十分な水への分散性、及び可溶性を有するシコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体が得られることを見出した。
詳しくは、シコニン系化合物(a)、塩基性化合物(b)とβ-1,3結合に対するβ-1,6結合の分岐度が50〜100%であるβ-1,3-1,6グルカン(c)とを混合する工程を含むシコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体の製造法であり、またシコニン系化合物(a)と、β-1,3結合に対するβ-1,6結合の分岐度が50〜100%であるβ-1,3-1,6グルカン(c)とを、塩基性化合物(b)を用いてアルカリ性に調整した溶液中で混合し、中和剤(d)を用いて中和する工程とを含むシコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体の製造法である。これらの製造方法によって、製造されるシコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体は水へ分散性、及び可溶性を有することを見出した。
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、以下のシコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体の製造方法を提供する。
項1 シコニン系化合物(a)、塩基性化合物(b)とβ-1,3結合に対するβ-1,6結合の分岐度が50〜100%であるβ-1,3-1,6グルカン(c)とを混合する工程を含む、シコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体の製造法。
項2 塩基性化合物(b)が、アルキルアミン類、アルカノールアミン類、及びアルキレンアミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種である項1に記載のシコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体の製造法。
項3 塩基性化合物(b)が、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、モノプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、ジプロパノールアミン、及びトリプロパノールアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である項1又は2に記載のシコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体の製造法。
項4 シコニン系化合物(a)と、β-1,3結合に対するβ-1,6結合の分岐度が50〜100%であるβ-1,3-1,6グルカン(c)とをアルカリとして塩基性化合物(b)を用いてアルカリ性に調整した溶液中で混合する工程と、混合した溶液に中和剤(d)を添加して中和する工程とを含む、シコニン系化合物のシコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体の製造法。
本発明によれば、シコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体することにより、水への分散性、及び可溶性を付与することができる。発明は、食品成分としても利用されるβ-1,3-1,6グルカンを用いてシコニン系化合物を、水への分散性、及び可溶性を付与させているため、本発明の複合体を分散させた水分散液、本発明の複合体の溶液は安全性が高く、医薬・化粧品として利用可能なものである。また、本発明のシコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体は、複合体を分散させた水分散液、溶液として、石鹸、シャンプー、染料などの各種用途に使用できる。
また、本発明のシコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体の製造法を用いることで、効率よく安定性に優れた水への分散性、及び可溶性を有する複合体を製造することができる。
実験例で得たオーレオバシジウム・プルランス由来のグルカンのH NMRスペクトルである。 実験例で得たオーレオバシジウム・プルランス由来のグルカンの超音波照射したときの培養液の粒度分布を示す図である。 βグルカン−シコニン複合体の濃度40ppm水分散液の紫外−可視吸収曲線。
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)シコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体の製造法
シコニン系化合物(a)、塩基性化合物(b)とβ-1,3結合に対するβ-1,6結合の分岐度が50〜100%であるβ-1,3-1,6グルカン(c)とを混合する工程を含む、シコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体の製造法である。
(1−1)シコニン系化合物(a)
本発明において、シコニン系化合物(a)とはシコニン、デオキシシコニン、アセチルシコニン、イソブチルシコニン、β,β-ジメチルアクリルシコニン、イソバシコニン、α−メチル−n−ブチルシコニン、β−ヒドロキシイソバレリルシコニン等を例示することができ、分子が凝集して形成された集団又は微粒子の状態であってよい。これらのシコニンおよびその誘導体は、ムラサキ科ムラサキの根から水(50℃以上の熱湯が好ましい)、又はクロロホルム、エチルアルコール等の有機溶媒を用いて抽出されるが、抽出条件は特に限定されない。
ムラサキ科ムラサキの根より水、又はクロロホルム、エチルアルコール等の有機溶媒を用いて抽出されるシコニン系化合物(a)はシコニン及びその誘導体(デオキシシコニン、アセチルシコニン、イソブチルシコニン、β,β-ジメチルアクリルシコニン、イソバシコニン、α−メチル−n−ブチルシコニン、β−ヒドロキシイソバレリルシコニン等)の混合物であるが、目的や用途により、抽出物を乾固して粉末状にしても用いてもよく、抽出物を加水分解する、又はHPLCにより精製することにより得られる、高純度のシコニンを用いてもよい。
(1−2)塩基性化合物(b)
本発明に用いる塩基性化合物(b)としてはアミン類が好ましく、例えば、アルキルアミン類、アルカノールアミン類、アルキレンアミン類などを例示することができ、具体的には、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミンなどのアルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、アミノエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルアミノエチルエタノールアミン、アミノエトキシエタノール、及びN,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、プロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、ジ−iso−プロパノールアミン、ジ−n−プロパノールアミン、ジ−n− ブタノールアミン、ジイソブタノールアミン、ジ−n−ペンタノールアミン、ジ−n−ヘキサノールアミン、トリプロパノールアミン、テトラエタノールエチレンジアミン、テトラ−iso−プロパノールエチレンジアミンシクロヘキシルアミン、ジブチルエタノールアミン、ジブチル−iso−プロパノールアミンなどのアルカノールアミン類;エチレンジアミン,トリメチレンジアミン,ジエチレントリアミン,トリエチレンテトラミン,テトラエチレンペンタミン,ペンタエチレンヘキサミンなどのアルキレンアミン類を例示することができる。中でも作業環境の点で、アルカノールアミン類が好ましく、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、モノプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミンがより好ましい。
本発明の複合体の製造法におけるシコニン系化合物(a)と、塩基性化合物(b)の比率は、(塩基性化合物:シコニン系化合物)は重量比で、1:0.001〜100程度の範囲が好ましく、1:0.01〜50程度の範囲がより好ましく、1:0.1〜20程度の範囲がさらに好ましい。
(1−3)β-1,3結合に対するβ-1,6結合の分岐度が50〜100%であるβ-1,3-1,6グルカン(c)
本発明におけるβ-1,3-1,6グルカンはβ-1,3結合に対するβ-1,6結合の分岐度が50〜100%であれば特に限定することなく使用することができる。β-1,6結合の分岐度は60〜100%であることが好ましく、70〜100%であることがより好ましい。
本発明の複合体の製造法におけるシコニン系化合物(a)と、β-1,3-1,6グルカンの比率(β-1,3-1,6グルカン:シコニン系化合物)は重量比で、1:0.001〜100程度の範囲が好ましく、1:0.01〜50程度の範囲がより好ましく、1:0.1〜20程度の範囲がさらに好ましい。上記範囲であれば、水中で十分な分散性を有する分散液が得られる。
(i)オーレオバシジウム属微生物が生産するβ-1,3-1,6グルカン
上記の分岐度を有するβ-1,3-1,6グルカンは、オーレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物から得ることができる。
オーレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する微生物由来のβ-1,3-1,6グルカンは、1N水酸化ナトリウム重水溶液を溶媒とする溶液のH NMRスペクトルが約4.7ppm及び約4.5ppmの2つのシグナルを有する。NMRの測定値は条件の微妙な変化によって変化し、また誤差を伴うことは周知のことであることから、「約4.7ppm」「約4.5ppm」は、通常予測される範囲の測定値の変動幅(例えば±0.2)を含む数値を意味する。
上記の分岐度を有するβ-1,3-1,6グルカンは、水溶液の30℃、pH5.0、濃度0.5(w/v%)における粘度が、好ましくは200cP(mPa・s)以下、より好ましくは100cP(mPa・s)以下、さらに好ましくは50cP(mPa・s)以下のものである。上記粘度の下限値は通常10cP(mPa・s)程度であり得る。
本発明において、粘度は、BM型回転粘度計を用いて測定した値である。
オーレオバシジウム属の微生物が産生するβ-1,3-1,6グルカンは、菌体外に分泌されるため、キノコ類やパン酵母の細胞壁に含まれるβ-グルカンと比べて、回収が容易であり、また水溶性である点で好ましいものである。オーレオバシジウム属の微生物は、分子量が100万以上の高分子量のグルカンから分子量が数万程度の低分子のグルカンまでを培養条件に応じて産生することができる。
中でも、オーレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)が生産するものが好ましく、オーレオバシジウム・プルランスGM-NH-1A1株、又はGM-NH-1A2株(独立行政法人産業技術研究所特許生物寄託センターにそれぞれFERM P-19285及びFERM P-19286として寄託済み)が産生するものが好ましい。GM-NH-1A1株及びGM-NH-1A2株は、オーレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)K-1株の変異株である。オーレオバシジウム属K-1株は、分子量200万以上と100万程度の2種類のβ-1,3-1,6グルカンを産生することが知られている。
また、オーレオバシジウム属微生物が産生するβ-1,3-1,6グルカンは、通常、硫黄含有基を有するところ、K-1株の産生するβ−グルカンはスルホ酢酸基を有することが知られている(Arg.Biol.Chem.,47,1167-1172(1983)),科学と工業,64,131-135(1990))。GM-NH-1A1株、及びGM-NH-1A2株が生産するβ-1,3-1,6グルカンもスルホ酢酸基を有すると考えられる。オーレオバシジウム属微生物の中には、リン酸基のようなリン含有基、リンゴ酸基などを含むβ-1,3-1,6グルカンを産生する菌種、菌株も存在する。
GM-NH-1A1株及びGM-NH-1A2株は、後に実施例において示すようにメインピークが見かけ上50〜250万の高分子量のβ-グルカン(微粒子グルカン)とメインピークが見かけ上2〜30万の低分子量のβ-グルカンの両方を産生する菌株である。この微粒子状グルカンは、一次粒子径が0.05〜2μm程度である。
β-1,3-1,6グルカンの溶解度は、pH及び温度に依存する。このβ-1,3-1,6グルカンは、pH3.5、温度25℃の条件で2mg/ml水溶液を調製しようとすると、その50重量%以上が一次粒子径0.05〜2μmの微粒子を形成し、残部は水に溶解する。本発明において粒子径は、レーザー回折散乱法により測定した値である。
β-1,3-1,6グルカンは、水溶液にしたときの粘度が、オーレオバシジウム属微生物が産生する天然型β-1,3-1,6グルカンより低いものが好ましい。この低粘度β-1,3-1,6グルカンは、水溶液の30℃、pH5.0、濃度0.5(w/v%)における粘度が、通常200cP(mPa・s)以下であり、より好ましくは100cP(mPa・s)以下であり、さらに好ましくは50cP(mPa・s)以下であり、よりさらに好ましくは10cP以下である。
この低粘度グルカンは、オーレオバシジウム属微生物が産生する天然型β-1,3-1,6グルカンと同様の一次構造を有し得る。具体的には、1N水酸化ナトリウム重水溶液を溶媒とする溶液のHNMRスペクトルが約4.7ppm及び約4.5ppmの2つのシグナルを有するものである。NMRの測定値は条件の微妙な変化によって変化し、また誤差を伴うことは周知のことであることから、「約4.7ppm」「約4.5ppm」は、通常予測される範囲の測定値の変動幅(例えば±0.2)を含む数値を意味する。
β-1,3-1,6グルカンは、金属イオン濃度が、β-1,3-1,6グルカンの固形分1g当たり0.4g以下であることが好ましく、0.2g以下であることがより好ましく、0.1g以下であることがさらにより好ましい。原料β-1,3-1,6グルカンが水溶液状態のものである場合は、金属イオン濃度は、水溶液の100ml当たり120mg以下であることが好ましく、50mg以下であることがより好ましく、20mg以下であることがさらにより好ましい。
ここでいう金属イオンには、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、第3〜第5族金属イオン、遷移金属イオンなどが含まれるが、混入する可能性のある金属イオンとしては、代表的には、低粘度β-1,3-1,6グルカンの製造において使用されるアルカリ由来のカリウムイオン、ナトリウムイオンなどが挙げられる。金属イオン濃度は、限外ろ過や透析により調整できる。
金属イオン濃度が上記範囲であれば、水溶液状態で保存する場合や、水溶液状態で加熱滅菌する際に、β-1,3-1,6グルカンのゲル化、凝集、沈殿が生じ難い。また、固形で使用する場合は、再溶解させる場合に凝集などが生じ難い。
(ii)オーレオバシジウム属微生物によるβ-1,3-1,6グルカンの生産方法
分岐度50〜100%のβ-1,3-1,6グルカンは、例えば、これを産生する微生物の培養上清に有機溶媒を添加することにより沈殿物として得ることができる。
また、オーレオバシジウム属の微生物を培養して、β-1,3-1,6グルカンを産生させる方法は種々報告されている。培養培地に使用できる炭素源としては、シュークロース、グルコース、フラクトースなどの炭水化物、ペプトンや酵母エキスなどの有機栄養源などを挙げることができる。窒素源としては、硫酸アンモニウムや硝酸ナトリウム、硝酸カリウムなどの無機窒素源などを挙げることができる。場合によってはβ-グルカンの産生量を上昇させるために適宜、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などの無機塩、更には鉄、銅、マンガンなどの微量金属塩やビタミン類などを添加するのも有効な方法である。
オーレオバシジウム属微生物を、炭素源としてシュークロースを含むツアペック培地にアスコルビン酸を添加した培地で培養した場合、高濃度のβ-1,3-1,6グルカンを産生することが報告されている(Arg.Biol.Chem.,47,1167-1172(1983));科学と工業,64,131-135(1990);特開平7−51082号公報)。しかし、培地は、微生物が生育し、β-1,3-1,6グルカンを生産するものなら特に限定されない。必要に応じて酵母エキスやペプトンなどの有機栄養源を添加してもよい。
オーレオバシジウム属の微生物を上記培地で好気培養するための条件としては、10〜45℃程度、好ましくは20〜35℃程度の温度条件、3〜7程度、好ましくは3.5〜5程度のpH条件などが挙げられる。
効果的に培養pHを制御するためにアルカリ、あるいは酸で培養液のpHを制御することも可能である。更に培養液の消泡のために適宜、消泡剤を添加してもよい。培養時間は通常1〜10日間程度、好ましくは1〜4日間程度であり、これによりβ−グルカンを産生することが可能である。なお、β-グルカンの産生量を測定しながら培養時間を決めてもよい。
上記条件下オーレオバシジウム属の微生物を4〜6日間程度通気攪拌培養すると、培養液にはβ-1,3-1,6グルカンを主成分とするβ-グルカン多糖が0.1%(w/v)〜数%(w/v)含有されており、その培養液の粘度はBM型回転粘度計(東機産業社製)により30℃では数百cP(mPa・s)から数千cP(mPa・s)という非常に高い粘度を有する。この培養を遠心分離して得られる上清に例えば有機溶媒を添加することにより、β-1,3-1,6グルカンを沈殿物として得ることができる。
<低粘度β-1,3-1,6グルカンの製造方法>
上記の高粘度のβ-1,3-1,6グルカンを含む培養液を、常温で攪拌しながら、これにアルカリを添加すると、急激に粘度が低下する。
アルカリは、水溶性で、かつ医薬品や食品添加物として用いることができるものであればよく、特に限定されない。例えば、炭酸カルシウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、炭酸アンモニウム水溶液などの炭酸アルカリ水溶液;水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液などの水酸化アルカリ水溶液;あるいはアンモニア水溶液などを使用できる。アルカリは、培養液のpHが12以上、好ましくは13以上になるように添加してもよい。例えば水酸化ナトリウムを使用して培養液のpHを上げる場合は、水酸化ナトリウムの最終濃度が好ましくは0.5%(w/v)以上、より好ましくは1.25%(w/v)以上になるように添加すればよい。培養液にアルカリを添加し、良く攪拌すると、瞬時に培養液の粘度が低下する。
次いで、アルカリ処理後の培養液から菌体などの不溶性物質を分離する。培養液の粘度が低いため、菌体を自然沈降させて上澄みを回収する方法(デカント法)、遠心分離、ろ紙あるいはろ布を利用した全量ろ過、フィルタープレス、更に膜ろ過(MF膜などの限外ろ過)などの方法で、容易に不溶性物質とグルカンとを分離できる。ろ紙あるいはろ布による全量ろ過の場合は、セライトなどろ過助剤を利用するのも一つの手段である。工業的にはフィルタープレスによる菌体除去が好ましい。また、不溶性物質除去前のβ-グルカン液は必要に応じて水で希釈しても良い。濃度が高すぎると不溶性物質除去が困難であり、低すぎても効率的でない。β-グルカン濃度は、0.1mg/ml〜20mg/ml程度、好ましくは0.5mg/ml〜10mg/ml程度、さらに好ましくは1mg/ml〜5mg/ml程度が良い。
次いで、グルカンを含む溶液に酸を添加して中和する。中和は、不溶物の除去前に行ってもよい。酸は、医薬や食品添加物として使用できるものであればよく、特に限定されない。例えば、塩酸、燐酸、硫酸、クエン酸、リンゴ酸などを使用できる。酸の使用量は、溶液又は培養液の液性が中性(pH5〜8程度)になるような量とすればよい。即ち、中和はpH7に合わせることを必ずしも要さない。
pH12以上のアルカリ処理後、中和して得られるβ-1,3-1,6グルカンは、30℃、pH5.0、濃度0.5(w/v%)における粘度が通常200cP以下、場合によっては、100cP以下、50cP以下、又は10cP以下である。粘度は製造方法ないしは精製方法によって変動する。
アルカリ処理された低粘度のβ-1,3-1,6グルカンは、中和しても粘度が高くなることがない。さらに、常温(15〜35℃)では、液性をpHが4を下回るような酸性にしても、粘度が高くなることがない。
また、培養上清をアルカリ処理、及び中和した後に、菌体などを除去するのに代えて、培養上清から菌体などを除去した後に、アルカリ処理、及び中和を行うこともできる。
得られるグルカン水溶液からグルカンより低分子量の可溶性夾雑物(例えば塩類など)を除去する場合は、例えば限外ろ過を行えばよい。
また、アルカリ処理、除菌した後、中和せずに、アルカリ性条件下で限外ろ過することもでき、これにより透明性、熱安定性、長期保存性に一層優れる精製β-1,3-1,6グルカンが得られる。アルカリ性条件は、pH10以上、好ましくは12以上であり、pHの上限は通常13.5程度である。
このようにして得られる水溶液に含まれるβ-1,3-1,6グルカンは、乾燥させて固形製剤にする場合も、また水溶液のまま製剤として使用する場合も、一旦、水溶液から析出させることができる。β-1,3-1,6グルカンの析出方法は、特に限定されないが、例えば、限外ろ過などにより濃縮してグルカン濃度を1w/w%以上にした水溶液に、エタノールのようなアルコールを、水溶液に対して容積比で等倍以上、好ましくは2倍以上添加することにより、β-1,3-1,6グルカンを析出させることができる。この場合にpHをクエン酸などの有機酸によりpHを酸性、好ましくはpH4未満、さらに好ましくはpH3-3.7に調整して、エタノールを添加すると高純度のβ-1,3-1,6グルカンの粉末を得ることができる。
β-1,3-1,6グルカンを低粘度化することにより、限外ろ過などによる濃縮を容易に行えることから、アルコール沈殿に使用するアルコール量を少なくすることができる。
固形物として得る場合は、低粘度β-1,3-1,6グルカン水溶液を直接乾燥させてもよく、析出させたβ-1,3-1,6グルカンを乾燥させてもよい。乾燥は、噴霧乾燥法、凍結乾燥法など公知の方法で行うことができる。
(2)シコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体の製造法
本発明のシコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体は、以下の態様によって製造することができる。
シコニン系化合物(a)と、塩基性化合物(b)とβ-1,3結合に対するβ-1,6結合の分岐度が50〜100%であるβ-1,3-1,6グルカン(c)とを混合すること(混合工程)によって、シコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体が得られる。
(2−1)混合工程
本発明の混合工程は、シコニン系化合物(a)と、塩基性化合物(b)とβ-1,3結合に対するβ-1,6結合の分岐度が50〜100%であるβ-1,3-1,6グルカン(c)とを混合することができれば、添加の順序、方法等については特に限定されることはない。
即ち、シコニン系化合物(a)と、塩基性化合物(b)とβ-1,3結合に対するβ-1,6結合の分岐度が50〜100%であるβ-1,3-1,6グルカン(c)それぞれ添加した後に攪拌混合する方法、シコニン系化合物(a)とβ-1,3結合に対するβ-1,6結合の分岐度が50〜100%であるβ-1,3-1,6グルカン(c)を塩基性化合物(b)、具体的にはアミン類のみ、又はアミン類と他の塩基性化合物を用いてpHを調整したアルカリ性(好ましくはpH11以上、さらに好ましくはpH12以上)の溶液中で攪拌混合する方法、塩基性化合物(b)、具体的にはアミン類のみ、又はアミン類と他の塩基性化合物を用いてpHを調整したアルカリ性の後述のβ-1,3-1,6グルカン溶液を調製し、そのアルカリ溶液中にシコニン系化合物を直接添加した後に攪拌混合する方法、後述するシコニン系化合物(a)の懸濁液を調製し、β-1,3-1,6グルカンの粉体及び塩基性化合物(b)を添加、又は塩基性化合物(b)等を用いてpHを調整したアルカリ性のβ-1,3-1,6グルカン溶液を添加して攪拌混合する方法が挙げられる。
(2−2)β-1,3-1,6グルカンの溶液の調製方法
本発明の混合工程において、β-1,3-1,6グルカンの溶液は混合する際の溶液のpH調整のし易さの点で、溶液のpHを、塩基性化合物(b)等を用いてアルカリ性(好ましくはpH11以上、さらに好ましくはpH12以上)に調整したものであることが好ましい。
β-1,3-1,6グルカンの溶液の調製方法としては、溶液に粉体、又は水溶液のβ-1,3-1,6グルカンを添加し、攪拌することによって調製することができる。なお、溶液のpH調整は、β-1,3-1,6グルカンを添加する前の水に塩基性化合物(b)を添加して調節してもよく、β-1,3-1,6グルカンを添加しながら、同時に塩基性化合物(b)を添加して調節してもよく、β-1,3-1,6グルカンを添加した後に、塩基性化合物(b)を添加して調整してもよい。
(2−3)シコニン系化合物の懸濁液の調製方法
シコニン系化合物の「懸濁液」とは、シコニン系化合物を(水)溶液に添加し、攪拌することで一時的に(水)溶液中に分散状態となっているものを意味し、一定時間が経過するとシコニン系化合物が凝集あるいは沈降し、分散状態を保持することができないものをいう。
シコニン系化合物の懸濁液は、シコニン系化合物と(水)溶液とを攪拌混合して得られる。混合した後に、必要に応じて適宜、溶液のpHを調整してもよい。
本発明の混合工程における攪拌方法は、シコニン系化合物と塩基性化合物とβ-1,3-1,6グルカンを溶液中で均一に分散できる方法であれば、特に限定されない。具体的には、メカニカルスターラー、ディスパー、マグネティックスターラー、超音波分散機、遊星ミル、ビーズミル、三本ロールなどを例示することができる。なかでも、分散性の点で、ディスパー、ビーズミル、超音波分散機が好ましい。
混合工程における温度は10〜40℃であればよく、攪拌時間は0.1〜2時間であればよい。上記範囲であれば、溶液中で各成分を均一に混合することができる。
(2−4)中和工程
上記方法にて製造した水分散液はそのまま使用することができるが、医薬品・化粧品向けの用途に用いるものは、pH4〜9の範囲であることが好ましく、pH5〜7.5の範囲であることがより好ましいため、シコニン系化合物の水分散液の製造法として、更に中和工程を含めることができる。
本発明における中和工程は、上述した混合工程で得られるアルカリ性の溶液に中和剤(d)を添加して中和する工程である。なお、中和の際の攪拌は、上述した攪拌方法によって行うことができる。
中和工程に用いる中和剤(d)としては、一般に市販されているものを用いることができ、例えば、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸、不飽和脂肪族カルボン酸、飽和脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、アルドン酸、ウロン酸などの有機酸を例示することができる。
飽和脂肪族カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸などのモノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸などのジカルボン酸、クエン酸、イソクエン酸などのトリカルボン酸を例示することができる。
不飽和脂肪族カルボン酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸など例示することができる。
芳香族カルボン酸としては、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸などを例示することができる。アルドン酸としては、グルコン酸、マンノン酸、ガラクトン酸、リボン酸、キシロン酸、マルトビオン酸、マルトトリオン酸、マルトテトラオン酸、マルトペンタオン酸、ラクトビオン酸などを例示することができる。ウロン酸としては、グルクチュロン酸、ガラクチュロン酸、マンヌロン酸などを例示することができる。
中和に使用する中和剤(d)の添加量は、目的とするpHに応じて適宜選択すればよい。また、中和の際に発熱するため、必要に応じて冷却しながら中和をおこなってもよい。また、中和に用いる中和剤の添加方法としては、必要量を一括で添加してもよく、少量ずつ分けて添加して行うことができる。また、上述した中和剤を2種以上組合せて用いることもできる。
(3)その他
上記説明した本発明の複合体の製造法は、シコニン系化合物の水分散化又は水溶化方法、又はシコニン系化合物への水への可溶性又は水分散性の付与方法と捉えることもできる。尚、本発明において、分散(状態)とは、一定時間が経過しても溶液中にシコニン系化合物が均一に分散した状態で保たれたものを意味する。
水分散液として用いる場合のシコニン系化合物(a)の添加量は、水分散液中での最終濃度として、0.000001〜5重量%であればよく、0.002〜2重量%が好ましく、0.01〜0.5重量%がより好ましい。上記範囲であれば、安定した水分散液が得られる。
水分散液として用いる場合の塩基性化合物(b)の添加量は、使用するシコニン系化合物(a)の使用量にもよるが、水分散液とした際の最終濃度として0.000001〜5重量%であればよく、0.002〜2重量%が好ましく、0.01〜0.5重量%がより好ましい。上記範囲であれば、安定した水分散液が得られる。
水分散液として用いる場合のβ-1,3-1,6グルカン(c)の添加量は、使用するシコニン系化合物(a)の使用量にもよるが、水分散液とした際の最終濃度として0.000001〜5重量%であればよく、0.002〜2重量%が好ましく、0.01〜0.5重量%がより好ましい。上記範囲であれば、安定した水分散液が得られる。
本発明の製造法により得られたシコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体、特に複合体の水分散液、溶液は、安全性が高く、医薬品原料、医薬部外品、化粧品原料、染料、着色料などの各種用途に応用可能なものである。
以下、本発明の実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実験例(精製β-1,3-1,6グルカンの製造)
(1)低粘度β-1,3-1,6グルカンの調製
(1-1)β−グルカンの培養産生
後掲の表1に示す組成を有する液体培地100mlを500ml容量の肩付きフラスコに入れ、121℃で、15分間、加圧蒸気滅菌を行った後、オーレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)GM-NH-1A1株(FERM P-19285)を同培地組成のスラントより無菌的に1白金耳植菌し、130rpmの速度で通気攪拌しつつ、30℃で24時間培養することにより種培養液を調製した。
次いで、同じ組成の培地200Lを300L容量の培養装置(丸菱バイオエンジ製)に入れ、121℃で、15分間、加圧蒸気滅菌し、上記のようにして得られた種培養液2Lを無菌的に植菌し、200rpm、27℃、40L/minの通気攪拌培養を行った。なお、培地のpHは水酸化ナトリウム及び塩酸を用いてpH4.2〜4.5の範囲内に制御した。96時間後の菌体濁度はOD660nmで23ODで、多糖濃度は0.5%(w/v)で、硫黄含量から計算される置換スルホ酢酸含量は0.09%であった。
<多糖濃度測定>
多糖濃度は、培養液を数mlサンプリングし、菌体を遠心分離除去した後、その上清に最終濃度が66%(v/v)となるようにエタノールを加えて多糖を沈殿させて回収した後、イオン交換水に溶解し、フェノール硫酸法で定量した。
<置換スルホ含量測定>
同様にして菌体を除去した培養上清にエタノールを最終濃度が66%となるように添加し、β-グルカンを沈殿回収した。その後、再度イオン交換水に溶解し、再度遠心分離後、その上清に最終濃度が0.9%になるように食塩を加えた後、再度66%エタノールでβ-グルカンを回収した。このβ−グルカン回収精製操作を更に2回繰り返し、得られたβ-グルカン水溶液をイオン交換水で透析後、凍結乾燥によりβ-グルカン粉末を得た。
このβ-グルカン粉末を燃焼管式燃焼吸収後、イオンクロマト法で組成分析した結果、S含量は239mg/kgであり、この値から計算される置換スルホ酢酸含量は0.09%であった。
Figure 0006322784
(1−2)アルカリ処理
上記のようにして得られた培養液の粘度をBM型回転粘度計(東京計器製)を用いて、30℃、12rpmで測定したところ、1500cP(mPa・s)であった。測定に用いるロータは粘度にあわせて適当なものを選択した。
この培養液に水酸化ナトリウム最終濃度が2.4%(w/v)となるように25%(w/w)水酸化ナトリウムを添加し攪拌したところ(pH13.6)、瞬時に粘度が低下した。引き続いて50%(w/v)クエン酸水溶液でpH5.0となるように中和してから、濃度0.5(w/v%)における粘度を測定したところ、そのときの粘度(30℃)は20cP(mPa・s)であった。
次いで、この培養液にろ過助剤としてKCフロック(日本製紙社製)を1wt%添加し、薮田式ろ過圧搾機(薮田機械製)を用いて菌体を除去し、最終的に培養ろ液(約230L)を得た。その多糖濃度は0.5%(w/v)で、ほぼ100%の回収率であった。
(1−3)β-グルカン水溶液の脱塩
上記のβ-グルカン水溶液(培養ろ液)を0.3%に希釈後、限外ろ過(UF)膜(分子量カット5万、日東電工社製)を用いて脱塩を行い、最終的にナトリウムイオン濃度を20mg/100mlに落とした後、50%(w/v)クエン酸水溶液によりpHを3.5に調整した。
引き続いて、ホット充填用加熱ユニット(日阪製作所製)を用いて95℃で、3分間保持することにより殺菌処理を行い、最終製品のβ-グルカン水溶液を得た。この時のβ-グルカンの濃度をフェノール硫酸法により測定したところ0.22%(w/v)であった。また、培養液からのトータル収率は約73%であった。
<硫黄含有量の測定>
また、得られたβ-グルカン水溶液をイオン交換水で透析後、凍結乾燥によりβ-グルカン粉末を得た。本β-グルカンの組成分析結果からS含量は330mg/kgであり、これから計算される置換スルホ酢酸含量は0.12%であった。
<結合状態の確認>
また、脱塩を行った上記培養ろ液について、コンゴーレッド法によって、480nmから525nm付近への波長シフトを確認することができたのでβ−1,3結合を含むグルカンを含有していることが証明された(K. Ogawa, Carbohydrate Research, 67, 527-535 (1978)、今中忠行 監修, 微生物利用の大展開, 1012-1015, エヌ・ティー・エス(2002))。そのときの極大値へのシフト差分はΔ0.48/500μg多糖であった。
上記培養ろ液15mlを取り出し、30mlのエタノールを添加し、4℃、1000rpm、10minで遠心して、沈殿する多糖を回収した。66%エタノールで洗浄し、4℃、1000rpm、10分間遠心して、沈殿する多糖に2mlのイオン交換水と、1mlの1N水酸化ナトリウム水溶液を添加撹拌後、60℃、1時間保温して沈殿を溶解させた。次に-80℃にて凍結後、一晩、真空凍結乾燥を行い、乾燥後の粉末を1mlの1N水酸化ナトリウム重水溶液に溶解させ、2次元NMRに供した。
2次元NMR(13C−H COSY NMR)106ppmと相関関係を有するH NMRスペクトルを図1に示す。このスペクトルにおいて4.7ppmと4.5ppm付近との2つのシグナルが得られた。
この結果、本β−グルカンがβ-1,3-1,6グルカンであることが証明された(今中忠行 監修、微生物利用の大展開、1012-1015、エヌ・ティー・エス(2002))。それぞれのH NMRシグナルの積分比から、β-1,3結合/β-1,6結合の比は1.15であることが判明した。従って、主鎖のβ-1,3結合に対する側鎖のβ-1,6結合の分岐度は、約87%である。
<粒度測定>
次に、レ−ザ回折/散乱式粒度分布測定装置(HORIBA製LA−920)を用いて培養液の粒度を測定したところ、粒子としては0.3μmと100μm程度の大きさのところにピ−クが見られた。続いて、超音波を照射しながら、粒度測定を行うと、100μmのピ−クはみるみるうちに消失し、0.3μmのピ−クが増え、最終的に0.3μmのみとなった。超音波照射したときの培養液の粒度分布を図2に示す。
0.3μmのピークはβ-1,3-1,6グルカンの一次粒子によるピークであり、100〜200μmのピークはβ-1,3-1,6グルカンの一次粒子が凝集した二次粒子によるピークであると考えられる。
また、二次粒子はマグネチックスターラ−による攪拌、軽い振とうでも同じように消失し、容易に砕けて一次粒子になることが確認された。よって、二次粒子は非常に緩い凝集(緩凝集状態)と考えられる。
<分子量測定>
また、東ソー社製のトーヨーパールHW65(カラムサイズ75cm×φ1cm、排除分子量250万(デキストラン))を用いて、0.1Mの水酸化ナトリウム水溶液を溶離液としてゲルろ過クロマトグラフィーを行い、溶解β-1,3-1,6グルカンとβ-1,3-1,6グルカンの1次粒子とを含む溶液の分子量を測定したところ、溶解β-1,3-1,6グルカンに由来する2〜30万のピークの低分子画分と、1次粒子に由来する見かけ上50〜250万の高分子画分との二種類が検出された。分子量のマーカーとしてShodex社製のプルランを用いた。
水溶性β-1,3-1,6グルカンと微粒子とを分離するため、上記の微粒子画分と可溶性画分とを含むβ-1,3-1,6グルカン溶液をアドバンテック社製のフィルター(0.2μm)でろ過を行ったところ、50〜250万の高分子画分が消失した。このことから、高分子画分はβ-1,3-1,6グルカンの一次粒子や一次粒子が凝集した二次粒子に相当することが判明した。よって、水溶性β-1,3-1,6グルカンの分子量は2〜30万と考えられる。
(2)粉末化β-グルカンの調製
(1−2)において、アルカリ処理及び菌体除去処理により調製された微粒子β-1,3-1,6グルカンを含むβ-1,3-1,6グルカン水溶液に、最終濃度が66%(v/v)となるようにエタノールを添加して、多糖グルカンを沈殿させ、遠心分離法により回収した。次いで凍結乾燥法によりエタノールと水分を除去し、乾燥β-1,3-1,6グルカンを得た。そのときの収率はエタノール沈殿前の全糖濃度と比較して95%以上であった。
次いで、得られた乾燥β-1,3-1,6グルカンを最終濃度が0.3%(w/v)となるように水に溶解分散後、前述したと同様にして東ソー社製のトーヨーパールHW65(カラムサイズ 75cm×φ1cm、排除分子量250万(デキストラン))により0.1Mの水酸化ナトリウム水溶液を溶離液としてゲルクロマトグラフィーを行い、分子量を測定したところ、得られた多糖の分子量は2〜30万のピークの低分子画分と見かけ上50〜250万の高分子画分の二種類からなることが判明した。ここで、分子量のマーカーとしてShodex社製のプルランを用いた。
一方、水溶性β-1,3-1,6グルカンと微粒子を分離するため、本法で調製したβ-1,3-1,6グルカン水溶液(微粒子と可溶化グルカンを含むもの)をアドバンテック社製のフィルター(0.2μm)でろ過を行ったところ、50〜250万の高分子画分が消失した。よって、本法により得られたβ-1,3-1,6グルカンを乾燥させても、再溶解させれば乾燥前のβ-1,3-1,6グルカンと同様の物理的挙動を再現することが実証された。
(3)高純度β-1,3-1,6グルカン粉末の製造
(1)においてアルカリ処理を行い低粘度化した培養液(多糖濃度0.5%(5mg/ml))90Lを50%クエン酸水溶液9kgで中和後、ろ過助剤(日本製紙ケミカル製粉末セルロ−スKCフロック)を1.8kgプレコートした薮田式濾過圧搾機40D-4を通して、菌体を取り除いた。ろ液を限外ろ過スパイラルエレメント(日東電工製NTU3150−S4)で9Lまで濃縮した。本濃縮液を攪拌しながら、pHを3.0-3.5にクエン酸により調整して、エタノール18Lを加え、グルカン/エタノール/水スラリーを得た。スラリーの粘度はBM型粘度計で22mPa・s(30℃)であった。室温で3時間静置し、上澄み液(エタノール/水)約17Lを取り除いた。残ったスラリーの粘度は45mPa・s(30℃)であった。本濃縮スラリー10Lを坂本技研型の噴霧乾燥装置R-3を用いて噴霧乾燥し、360gのβ-1,3-1,6グルカン粉末を得た(回収率80%)。得られたβ-1,3-1,6グルカンの純度はNMRスペクトルの解析の結果、90%以上であった。
なお、得られたβ-1,3-1,6グルカン粉末を1N水酸化ナトリウム重水溶液に溶解させ、NMRスペクトルを測定したところ、H NMRスペクトルが約4.7ppm及び約4.5ppmの2つのシグナルを得た。また、得られたβ-1,3-1,6グルカン粉末の濃度0.5(w/v%)の水溶液の粘度は200cP以下であった(pH5.0、30℃)。上記記載の方法によって得られた精製β-グルカンを下記の試験に供した。
(4)シコニン系化合物(a)の抽出
1)シコニン系化合物(a1)
水洗し日陰干しした乾燥紫根を刻んだものを、クロロホルムに浸漬し、超音波処理により抽出する。抽出液をろ過後、エバポレーターで濃縮乾固することで、シコニン及びシコニン誘導体を含有する混合物(以下、シコニン系化合物(a1)とする。)を得た。
2)シコニン系化合物(a3)
水洗し日陰干しした乾燥紫根を刻んだものを、クロロホルムに浸漬し、超音波処理により抽出する。抽出液に1M水酸化ナトリウムを加え、1分間分配後、下層を廃棄し、上層に1M塩酸を加え、クロロホルムを加えて分配する。下層をエバポレーターで濃縮乾固することで、シコニン及びシコニン誘導体を含有する混合物(以下、シコニン系化合物(a2)とする。)を得た。
また、シコニン系化合物(a2)を70%メタノールに溶解させたものをサンプルとし、HPLCにより精製して、精製シコニン(純度99%以上、以下、シコニン系化合物(a3)とする。)を得た。
HPLC条件(リサイクル分取HPLC、2回目で分取)
カラム WatarsODS (X Brige C18 19X150mm、)
Cosmosil Packed Column 5C18(20X2
50mm)
溶離液 70%メタノール
流速 5.5ml/min
検出 UV 214nm
(5)シコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体の製造法
(実施例1)
(β-グルカン溶液の調製)
以下の方法を用いてβグルカン溶液を調製した。
225mlのガラス瓶に2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを3g用いて、pH11.0に調整したイオン交換水97gに上述した方法によって得られたβ-1,3-1,6グルカン粉末3.0gを添加し、ホモディスパー(プライミクス社製)を用いて、回転数1000rpmで3時間、温度85℃で攪拌処理を行い、3%β-グルカン溶液100gを得た。
(混合工程)
イオン交換水29gに上記方法により調整した3%β-グルカン溶液 1gとシコニン系化合物(a1)0.03gを添加し、ジルコニアビーズをメディアとしてペイントコンディショーナー(レッドデビル社)用いて2時間分散を行い、水分散液1 30g(pH8.2)を得た。得られた分散液1(中和前)の分散性を測定した。結果を表2に示す。
中和工程
上記で得られた分散液1 30gをホモディスパー(プライミクス(株)製)を用いて、回転数800rpmで撹拌しながら、中和剤として25%クエン酸溶液を使用して、中和を実施し、シコニン系化合物とβ-グルカンとアミンを含む水分散液2 約30g(分散液中のシコニン系化合物濃度0.1%、グルカン濃度0.1%、塩基性化合物濃度0.1%、pH6.7)を得た。得られた分散液2(中和後)の分散性を測定した。結果を表2に示す。
(実施例2)
シコニン系化合物(a1)の代わりに、シコニン系化合物(a3)を使用した以外は、実施例1と同様に行い、分散液3(中和前)、分散液4(中和後)を得た。
(比較例1)
βグルカンを使用せず、シコニン系化合物(a1)を0.03gとした以外は、実施例1に記載の方法により、シコニン系化合物の水分散液の作成を試みたが、凝集し塊状になり水分散液を得ることができなかった。そのため、中和は行わなかった。
(比較例2)
βグルカンを使用せず、シコニン系化合物(a1)0.3gからシコニン系化合物(a3)0.03gとした以外は、実施例1に記載の方法によりシコニン系化合物の水分散液の作成を試みたが、凝集し塊状になり水分散液を得ることができなかった。そのため、中和は行わなかった。
評価方法
(分散性の評価)
分散性は、得られた水分散液を12時間(室温)静置し、粒子の沈降状態を観察し、以下のように評価した。
○・・・沈降なし。
×・・・沈降が確認され、底部に粘土質の沈殿が発生する。
各実施例、及び比較例の評価結果を表2に示す。
Figure 0006322784
表2に示すように、シコニン系化合物、塩基性化合物とβ-1,3-1,6グルカンの複合体は、良好な分散性を保持していた。また、中和によって、分散性への影響は確認されなかった。従って、シコニン系化合物に水分散性が付与されたことが確認できた。
(実施例3)
水分散液3を蒸留水で25倍希釈し、得られた溶液の紫外可視吸収スペクトル(日本分光(株)製 分光光度計 UV−550型、測定温度25℃)を測定するとシコニンのピークが確認され、シコニン系化合物に水への可溶性が付与されたことが確認できた。紫外−可視光吸収強度曲線を図3に示す。
本発明の製造法により得られるシコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体は、水への分散性、及び可溶性が付与されているため、医薬及び化粧品または染料として実用可能なものである。

Claims (4)

  1. シコニン系化合物(a)、塩基性化合物(b)とβ-1,3結合に対するβ-1,6結合の分岐度が50〜100%であるβ-1,3-1,6グルカン(c)とを混合する工程を含む、シコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体の製造法。
  2. 塩基性化合物(b)が、アルキルアミン類、アルカノールアミン類、及びアルキレンアミン類からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のシコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体の製造法。
  3. 塩基性化合物(b)が、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、モノプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、ジプロパノールアミン、及びトリプロパノールアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載のシコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体の製造法。
  4. シコニン系化合物(a)と、β-1,3結合に対するβ-1,6結合の分岐度が50〜100%であるβ-1,3-1,6グルカン(c)とを塩基性化合物(b)を用いてアルカリ性に調整した溶液中で混合する工程と、混合した溶液に中和剤(d)を添加して中和する工程とを含む、シコニン系化合物とβ-1,3-1,6グルカンとの複合体の製造法。
JP2013070885A 2013-03-29 2013-03-29 シコニン系化合物とβ−1,3−1,6グルカンとの複合体の製造法 Active JP6322784B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013070885A JP6322784B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 シコニン系化合物とβ−1,3−1,6グルカンとの複合体の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013070885A JP6322784B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 シコニン系化合物とβ−1,3−1,6グルカンとの複合体の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014193967A JP2014193967A (ja) 2014-10-09
JP6322784B2 true JP6322784B2 (ja) 2018-05-16

Family

ID=51839433

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013070885A Active JP6322784B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 シコニン系化合物とβ−1,3−1,6グルカンとの複合体の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6322784B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6778359B2 (ja) * 2014-12-11 2020-11-04 株式会社ファルマクリエ神戸 疎水性物質包接剤およびそれを用いた疎水性物質の可溶化方法
JP2017176053A (ja) * 2016-03-30 2017-10-05 地方独立行政法人山口県産業技術センター ムラサキ科植物の栽培方法
JP7298846B2 (ja) * 2017-10-12 2023-06-27 三菱瓦斯化学株式会社 β-1,3-1,6-グルカン粉末、グルカン含有組成物、β-1,3-1,6-グルカン粉末の製造方法、包接複合体、包接複合体の製造方法およびゲスト分子の回収方法
JP6853594B2 (ja) * 2019-02-08 2021-03-31 株式会社メディカルフロント シコニン類を含有する貼付剤、及びその製造方法
CN115381778A (zh) * 2022-08-29 2022-11-25 成都紫旺药业有限责任公司 一种紫草萘醌水溶性固体分散体、水溶制剂及制备方法
CN116172992A (zh) * 2022-12-12 2023-05-30 吉林大学 水相分散的过渡金属离子/紫草素复合纳米粒子及其两相制备方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61130234A (ja) * 1984-11-30 1986-06-18 Shiseido Co Ltd シコニン含有可溶化組成物
CA2678524A1 (en) * 2006-12-12 2008-06-19 Jin-Do County Pharmaceutical composition comprising shikonin derivatives from lithospermum erythrorhizon for treating or preventing diabetes mellitus and the use thereof
TWI477278B (zh) * 2009-11-27 2015-03-21 Daiso Co Ltd 對於疏水性團簇化合物賦予水溶性或水分散性之方法
JP5714311B2 (ja) * 2009-11-27 2015-05-07 ダイソー株式会社 水難溶性薬理活性物質の薬理活性を維持しながら水溶性を付与する方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014193967A (ja) 2014-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6322784B2 (ja) シコニン系化合物とβ−1,3−1,6グルカンとの複合体の製造法
RU2541635C2 (ru) Способ получения полимерной агарозы из экстракта морских водорослей
JP5646505B2 (ja) 疎水性クラスター化合物への水溶性又は水分散性の付与方法
CN103483469A (zh) 一种水溶性壳聚糖的制备方法
JP5080029B2 (ja) β―グルカン産生微生物、培養方法、産生物及び食品
JP2020507666A (ja) オゾンを用いた多糖類の分解方法
CA1265791A (fr) Procede de preparation d'un polysaccharide modifie et compositions le contenant
JP6008424B2 (ja) 金属ナノ粒子の水分散液、及びその製造方法
JP4441304B2 (ja) 水溶性低粘度β−D−グルカン含有培養液の調製方法
JP2014040394A (ja) 炭素クラスター化合物の水分散液、及びその製造方法
JP5861582B2 (ja) 疎水性クラスター化合物への水溶性又は水分散性の付与方法
JP2732107B2 (ja) 低分子量キトサンの製造方法
JP2013053094A (ja) 肌のキメ改善剤、及び皮膚バリア機能改善剤
WO2016087521A1 (en) Method for preparing an aqueous solution of beta-glucan
JP2009060895A (ja) 可溶性β−D−グルカン粉末の製造方法
JP6075692B2 (ja) 光学式デジタイザー用塗料に用いる酸化チタン分散液とその製造方法
JPWO2019073989A1 (ja) β−1,3−1,6−グルカン粉末、グルカン含有組成物、β−1,3−1,6−グルカン粉末の製造方法、包接複合体、包接複合体の製造方法およびゲスト分子の回収方法
JP2010106068A (ja) 多糖類の新規化学修飾法
JP2007267720A (ja) β−1,3−1,6−D−グルカンの製造方法
JP2005526886A (ja) 多糖ガムおよびその製造方法
CN107641159B (zh) 一种低粘度增白卡拉胶的生产工艺
JP3507603B2 (ja) 食品のための分散安定用組成物
JPH0670084B2 (ja) アルカリゲネス・キュピダスの産出する多糖類、それを用いた凝集剤及び凝集方法
US4975371A (en) High viscous substance BS-1 and process for producing the same
JP2938880B2 (ja) ヒアルロン酸の精製法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160328

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170725

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170919

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6322784

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250