JP6322187B2 - セルロース系バイオマスからのエタノール生産方法 - Google Patents

セルロース系バイオマスからのエタノール生産方法 Download PDF

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Description

本発明は、セルロース系バイオマス加水分解物を用いアルコール発酵によりエタノールを生産する方法に関する。
セルロース系バイオマスは、環境面から微生物の発酵によるエタノール生産原料として注目されている。特に、最近では未利用バイオマスの有効活用という観点から、木材、紙類、あるいはバガス(サトウキビの搾りかす)、コーンストーバー(トウモロコシの芯、茎、葉等)並びにワラ類のような農業廃棄物等のセルロース系のバイオマス原料の利用が検討されている(特許文献1〜3)。
ところで、セルロース系バイオマスを用いて微生物の発酵によってエタノールを生産するためには、セルロース系バイオマスに含まれるセルロースや、ヘミセルロース、これらの一部分解物である多糖類を分解し、六炭糖であるグルコース、マンノース及びガラクトースや五炭糖であるキシロースを主成分とする糖化液を得、この糖化液中の糖を微生物の発酵に供する必要がある。そして、かかるセルロース系バイオマスの分解方法としては、酵素法と、希硫酸法や水熱分解法などの加水分解法が知られている。この内、酵素法での糖化は、糖化液にフルフラール、5−ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)などのフラン化合物、酢酸、ギ酸、レブリン酸の過分解物を生成しないが、多種類かつ多量の酵素が必要であり、工業化にはコスト面で課題がある。一方、希硫酸法や水熱分解法などの加水分解法はコスト面では優位であるものの、フルフラール、5−ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)などのフラン化合物、酢酸、ギ酸、レブリン酸などの弱酸など種々の過分解物(副生成物)を生成し、これらの副生成物が単糖からのエタノール生産を阻害することが知られている(非特許文献1〜3)。
特開2006−88136号公報 特開2008−54676号公報 特開2008−260811号公報
A. Peterssonら、「A 5-hydroxymethyl furfural reducing enzymes encoded by the Saccharomyces cerevisiae ADH6 gene conveys HMF tolerance」、Yeast 2006年、第23巻、p.455-464 J. A. van Marisら、「Alcoholic fermentation of carbon sources in biomass hydrolysates by Saccharomyces cerevisiae」、Antonie van Leeusenhoek、2006年、第90巻、p.391-418 E. PalmqvistおよびB. Hahn-Hagardal、「Fermentation of lignocellulosic hydrolysate. II: inhibitors and mechanisms of inhibition」、Bioresource Technology、2000年、第74巻、p.25-33
本発明の課題は、セルロース系バイオマス加水分解物中に発酵阻害物質が存在する場合であっても、効率的にエタノールを生産する方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、セルロース系バイオマス加水分解物を含有する発酵用液を用いてエタノールを生産する方法において、カンジダ・インターメディアに属する酵母を用いて、特定の通気条件下で発酵することによって、発酵用液中にセルロース系バイオマス加水分解物由来の発酵阻害物質が存在する場合であっても効率的なエタノールの生成を持続することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔3〕を提供するものである。
〔1〕セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液を、発酵槽内へのエア供給速度が0.0001〜100L/時/g乾燥菌体重量となる条件下で、カンジダ・インターメディア(Candida intermedia)に属する酵母を用いて発酵させることを特徴とするエタノールの生産方法。
〔2〕発酵が、セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液を0.0002〜2L/時/g乾燥菌体重量の供給速度で発酵槽内に供給する連続法である、〔1〕記載のエタノールの生産方法。
〔3〕カンジダ・インターメディア(Candida intermedia)に属する酵母が、4−6−4T2と命名されFERM BP−11509として寄託された酵母である〔1〕又は〔2〕記載のエタノールの生産方法。
本発明のエタノールの生産方法によれば、発酵阻害物質が存在するセルロース系バイオマス加水分解物から効率的にエタノールを生産することができる。
発酵用液に酢酸0.5質量%(0.08mol/L)を添加し、各酵母によりエタノール生産させた時のエタノール濃度経時変化を示す図である。 発酵用液に酢酸0.3質量%(0.05mol/L)、フルフラール0.1質量%(0.010mol/L)およびHMF0.1質量%(0.008mol/L)を添加し、各酵母により、エタノール生産させた時のエタノール濃度経時変化を示す図である。 発酵用液に酢酸0.3質量%(0.050mol/L)、レブリン酸0.3質量%(0.026mol/L)およびギ酸0.2質量%(0.043mol/L)を添加し、各酵母により、エタノール生産させた時のエタノール濃度経時変化を示す図である。 発酵用液にフルフラール0.22質量%(0.023mol/L)又はHMF0.68質量%(0.054mol/L)を添加し、カンジダ・インターメディア 4−6−4T2(FERM BP−11509)により、エタノール生産させた時のエタノール濃度経時変化を示す図である。 カンジダ・インターメディア NBRC10601の連続発酵でのエタノール生産濃度経時変化を示す図である。 カンジダ・インターメディア 4−6−4T2(FERM BP−11509)の連続発酵でのエタノール生産濃度経時変化を示す図である。
(1)酵母
本発明のエタノールの生産方法では、カンジダ・インターメディア(Candida intermedia)に属する酵母が用いられる。該酵母としてはカンジダ・インターメディア(Candida intermedia)に属する酵母であれば特に限定されず、例えば、独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)から入手可能なカンジ・インターメディア「NBRC10601」等であってもよいし、カンジダ・インターメディアの突然変異株であってもよい。その中でも、本発明者がカンジ・インターメディア「NBRC10601」を親株として常法に従い自然変異させ、親株よりもエタノール生産能が高い株を選抜することにより取得したカンジダ・インターメディア「4−6−4T2」と命名し、「FERM BP−11509」として独立行政法人 製品評価技術基盤機構 特許生物寄託センター(NITE)(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に寄託した酵母(原寄託日,2011年9月6日)を用いることが特に好ましい。
前記4−6−4T2は、グルコース及びキシロースとの共存下で、グルコース及びキシロースから短時間で効率良くエタノールを生産する能力を有する。ここで、グルコース及びキシロースとの共存下とは、少なくともグルコースとキシロースを含む原料液体(発酵用液)中に4−6−4T2が共存することを意味する。従来の酵母は、前述のようにキシロースの消費効率が十分でないもの、或いはグルコース又はキシロースのうちいずれか一方からのエタノール生産能を有するものの、グルコース及びキシロースの両方が存在する場合は、カタボライトリプレッションによりグルコースが完全に消費されるまでキシロースがほとんど消費されないものであったが、4−6−4T2は、グルコース及びキシロースの両方が存在する場合であっても、その両方から短時間で効率よくエタノールを生産する能力を有する。
また、4−6−4T2は、グルコース及びキシロースを含有する原料液体から短時間で効率良くエタノールを生産するが、このとき副生成物としてのキシリトールがほとんど生成されない。また、4−6−4T2は、このような糖からのエタノールの生産能力以外については親株と同等の性質を有する。
なお、セルロース系バイオマス加水分解物からエタノールを生産できる酵母としては、ピキア・スティピティス(Pichia stipitis)、カンジダ・シハタエ(Candida shehatae)及びパチソレン・タノフィルス(Pacysolen tannophilus)等も知られている。これら酵母は、セルロース系バイオマス加水分解物中の糖類の中でも消費しづらいキシロースを消費してエタノールを生産することができる。しかしながら、これらの酵母はセルロース系バイオマス加水分解物中に含まれる発酵阻害物質存在下では十分なエタノール生産ができないため、これら酵母を、本発明で用いられるカンジダ・インターメディアに属する酵母に代えて用いたとしても本発明のように効率的なエタノール生産を達成することはできない。
(2)セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液
本発明のエタノールの生産方法においては、セルロース系バイオマス加水分解物を炭素源として含有する。
ここで、セルロース系バイオマスとは、セルロースとヘミセルロースを含むバイオマスをいう。斯かるバイオマス中のセルロースが加水分解されることでグルコースが得られ、一方、ヘミセルロースが加水分解されることでグルコース、キシロース、マンノース、ガラクトースが得られる。なお、セルロース系バイオマス加水分解物中の各糖類の含有比率はセルロース系バイオマスの種類によって異なるが、いずれもグルコース、キシロース、マンノース、ガラクトースを含有する。
本発明においては、加水分解の原料であるセルロース系バイオマスとしては、エタノール生産における経済的優位性の観点から、農業残渣(稲ワラ、麦ワラ等、バガス、コーンストーバー等)、林業残渣(材木等)等から得られるものが好ましい。
本発明で用いられるセルロース系バイオマス加水分解物とは、セルロース系バイオマスを希硫酸法や水熱分解法などによって加水分解して得られるものを指す。例えば、希硫酸法ではセルロース系バイオマスを乾燥させた後、粉砕し、これに重量が10倍量になるように蒸留水および硫酸(0.2〜0.5質量%)を添加し、190℃〜210℃、5〜10分で加水分解することで(P-M.Bondessonら、「Ethanol and biogas production after steam pretreatment of corn stover with or without the addition of sulphuric acid」、Biotechnol.,for Biofuel.2013年、第6巻、p.1-11)、また、水熱分解法ではセルロース系バイオマスを190℃〜210℃、5〜10分加水分解することで、エタノール生産に適した糖化液を得ることができる(同上文献)。
セルロース系バイオマス加水分解物中には、加水分解処理に伴って発生する発酵阻害物質として、フルフラール及び5−ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)などのフラン化合物、酢酸、ギ酸及びレブリン酸などの弱酸などが含まれる。代表的な発酵阻害物質のセルロース系バイオマス加水分解物中での通常の含有量は、例えばフルフラールやHMFであれば0.0〜0.05mol/L、酢酸やギ酸やレブリン酸であれば0.0〜0.15mol/L程度である(H.B.Klinkeら「Inhibiton of ethanol-producing yeast and bacteria by degradation products produced during pre-treatment of biomass」、Appl.Microbiol.Biotechnol.66巻 p.10-26)。
これらの発酵阻害物質は、例えば酢酸等の弱酸であれば発酵用液中に0.02mol/L程度存在しても通常では著しくエタノール生産効率を低下させるが、本発明のエタノールの生産方法を用いた場合には、発酵阻害物質として弱酸が0.02mol/L以上存在していてもエタノール生産効率にはほとんど影響せず、さらには0.04mol/L以上存在していても問題なく効率のよいエタノール生産を行うことができる。一方、0.20mol/Lを超えるとエタノール生産効率に影響しやすくなるため、0.20mol/L以下であることが好ましく、0.15mol/L以下であることがより好ましく、0.12mol/L以下であることがさらに好ましく、0.08mol/L以下であることが特に好ましい。なお、上記含有量は全ての弱酸の合計の含有量である。
また、フルフラールやHMF等のフラン化合物であれば発酵用液中に0.01mol/L程度存在しても通常では著しくエタノール生産効率を低下させるが、本発明のエタノールの生産方法を用いた場合には、発酵阻害物質としてフラン化合物が0.01mol/L以上存在していても、エタノール生産効率にはほとんど影響せず、さらには0.02mol/L以上存在していても問題なく効率のよいエタノール生産を行うことができる。一方、0.10mol/Lを超えるとエタノール生産効率に影響しやすくなるため、0.10mol/L以下であることが好ましく、0.070mol/L以下であることがより好ましく、0.040mol/L以下であることが特に好ましい。なお、上記含有量は全てのフラン化合物の合計の含有量である。
従って、本発明のエタノール生産方法は、当然、弱酸やフラン化合物を含有しない条件下でも良好にエタノールを生産できるが、発酵阻害物質の存在にもかかわらずセルロース系バイオマス加水分解物から良好にエタノールを生産できるという効果を享受しやすいという観点からは、発酵用液中に弱酸が0.02mol/L〜0.15mol/L及び/又はフラン化合物が0.01mol/L〜0.10mol/L含有することが好ましい。さらに発酵用液中に弱酸が0.04mol/L〜0.12mol/L及び/又はフラン化合物が0.02mol/L〜0.07mol/L含有することがより好ましい。
本発明のエタノールの生産方法においては、このセルロース系バイオマス加水分解物を含有する発酵用液を用いてエタノールの発酵生産が行われ、その発酵用液中のセルロース系バイオマス加水分解物の含有量は適宜選択することができるが、発酵槽に投入する前の発酵用液中全量基準、総単糖類換算で0.1〜20質量%であることがより好ましく、0.5〜15質量%であることがさらに好ましく、1〜10質量%であることが特に好ましい。好ましい各糖濃度は、キシロースが0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%の範囲内であり、グルコース及びその他の6炭糖が合計で0.0〜15質量%、好ましくは0.5〜5質量%の範囲内である。
本発明のエタノール生産に用いる発酵用液には、セルロース系バイオマス加水分解物の他にも適宜必要な成分を含有していてもよい。例えば、セルロース系バイオマス加水分解物以外の炭素源として、グルコース、マンノース、ガラクトース及びキシロース等の糖類を含有してもよい。別途このような糖類を含有させる場合には、単糖の濃度としては、セルロース系バイオマス加水分解物由来の糖類との合計で0.1〜10質量%とすることが好ましく、1〜5質量%とすることがより好ましい。また、アミノ酸、尿素、ポリペプトン、アミノ酸不含ニトロゲンベース等の窒素源や、酵母エキス等を添加してもよい。なお、後述するように、発酵方式として連続発酵法を用いた場合には、培養槽中のエタノールを含有する発酵液の抜き出し時に酵母も抜き出され、発酵槽内での酵母の増殖が必要となる場合が多いため、長期にわたる連続発酵を行う際には、このような成分を酵母の増殖に適するように適宜含有させることが好ましい。
(3)発酵条件
本発明のエタノール生産方法においては、エア供給速度を0.0001〜100L/時/g乾燥菌体重量とする必要がある。この範囲を外れると、エタノール生産効率が低下してしまう。エア供給速度は、0.005〜100L/時/g乾燥菌体重量が好ましく、0.005〜10L/時/g乾燥菌体重量がより好ましく、0.005〜1.0L/時/g乾燥菌体重量が好ましい。また、回分発酵法の場合のエア供給速度は0.005〜1.0L/時/g乾燥菌体重量が好ましく、0.005〜0.5L/時/g乾燥菌体重量がより好ましく、0.005〜0.10L/時/g乾燥菌体重量がさらに好ましく、0.005〜0.05L/時/g乾燥菌体重量が特に好ましい。連続発酵法の場合のエア供給速度は0.05〜100L/時/g乾燥菌体重量が好ましく、0.05〜10L/時/g乾燥菌体重量がより好ましく、0.10〜1.0L/時/g乾燥菌体重量がさらに好ましく、0.10〜0.5L/時/g乾燥菌体重量が特に好ましい。ここでエアとは、大気であり、酸素供給量に換算すれば、その1/5である。
本発明のエタノール生産方法は回分発酵法で行ってもよいし連続発酵法で行ってもよいが、本発明によれば連続発酵法におけるエタノール生産の問題点を改善できるため、連続発酵法で行うことが好ましい。本発明を連続発酵法で行う場合、セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液を0.0002〜2L/時/g乾燥菌体重量の供給速度で発酵槽内に供給することが好ましい。この供給速度は、好ましくは0.005〜0.5L/時/g乾燥菌体重量、より好ましくは0.01〜0.05L/時/g乾燥菌体重量である。なお、連続発酵法では、発酵用液の供給と同じ速度で発酵液の抜き出しが行なわれる。
ここで、セルロース系バイオマス加水分解物を用いる酵母によるエタノール発酵においては、好気的条件下、セルロース系バイオマス加水分解物存在下における酵母の増殖と、嫌気的条件下、セルロース系バイオマス加水分解物存在下における増殖した酵母によるエタノール発酵とが行われる。そのため、回分発酵方法によるエタノール生産においては、かかる酵母の増殖を行う工程と、増殖した酵母によるエタノール発酵を行う工程とを交互に行うことで、それぞれの工程に適合した条件を採用することができる。ただし、工程の切り替え毎にエタノール生産が中断されるという難点がある。
これに対し、連続発酵方法によるエタノール生産では、このような工程の切り替えがない点で優れているが、増殖に適した条件よりもエタノール発酵に適した条件が採用されることが多い。その結果、酵母の増殖が抑えられ、連続的に発酵液として抜き出される酵母を発酵槽内で補うほどの増殖ができず、酵母濃度が減少し、エタノール生産効率も低下してしまう。そのため、通常の連続発酵法で高いエタノール生成効率を維持するには、酵母を補充する必要が生じることが多い。
しかし、本発明のエタノール生産方法によれば、酵母の増殖と増殖した酵母によるエタノール発酵とのバランスを有効にとれ、連続発酵中に酵母の追加供給を行うことなく効率的なエタノールの生成を持続することができる。
さらに、以下に述べる理由から、セルロース系バイオマス加水分解物を用いる酵母によるエタノール発酵は連続式発酵の方がより適しているといえ、このことからも効率的なエタノールの連続生産が可能となる本発明のエタノール生産方法の意義は大きい。
すなわち、増殖および発酵工程において、酵母はセルロース系バイオマス加水分解物中に存在する糖以外に発酵阻害物質であるフルフラールやHMFもいっしょに取り込む。取り込まれたこれらの物質は増殖あるいは発酵過程で酵母の細胞内の酵素により、酸化および/または還元され無毒化される。その際、酵素は補酵素(NADHあるいはNADPH)を必要とするが、補酵素は増殖または発酵過程にともない生成する(非特許文献1)。そのため、増殖およびエタノール生産濃度が変動する回分発酵は、セルロース系バイオマス加水分解物を用いる酵母によるエタノール発酵には適さない場合がある。これに対し、連続発酵では、増殖およびエタノール生産濃度がほぼ一定に保たれるため、補酵素の生成濃度も一定となり、これら補酵素の供給に過不足が生じないため、発酵阻害物質の影響が受けにくく、効率的にエタノールを生産することが可能となるためである。
かかる観点から、本発明エタノール生産方法のより好ましい条件はエア供給速度0.05〜100L/時/g乾燥菌体重量、さらに好ましくは0.05〜10L/時/g乾燥菌体重量、さらに好ましくは0.10〜1.0L/時/g乾燥菌体重量であって、セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液を0.005〜0.5L/時/g乾燥菌体重量、さらに好ましくは0.010〜0.05L/時/g乾燥菌体重量の供給速度で発酵槽内に供給する連続発酵法である。
上記以外の発酵条件については、適宜、選択すればよいが、好ましい条件を挙げると以下の通りである。
エタノール生産中の酵母濃度は、乾燥菌体重量で0.5〜5質量%に調整することが好ましい。回分発酵法においては、エタノール発酵工程前の増殖工程においてこの濃度に調整すればよい。連続発酵法においては、培養開始前に前培養した酵母をこの濃度の範囲となるように植菌するか、植菌後、酵母濃度を2倍程度の増殖をともなってもよく、エタノール生産中はセルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液の供給速度(すなわち発酵液抜き出し速度)や酸素濃度等の培養条件を調整しこの濃度の範囲となるように調整すればよい。
エタノール生産中の温度は、20〜35℃とすることが好ましい。
回分発酵法の増殖工程、連続発酵法や回分発酵法の増殖工程に先だって行う前培養、及び連続発酵法においてエタノール生産に先だって菌体量を好ましい濃度に調整するために実施する培養は、次のような条件で行うことができる。培地としては、炭素源としてセルロース系バイオマス加水分解物や、グルコースと、マンノース、ガラクトース及びキシロースから選ばれる1種以上の糖を含有し、さらに、適宜、生育に適したアミノ酸、尿素、ポリペプトン、アミノ酸不含ニトロゲンベース等の窒素源や、酵母エキス等を含有するものを用いることができる。なお、単糖の濃度としては、合計で0.1〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましいが、セルロース系バイオマス加水分解物を炭素源として用いる場合、斯かる加水分解物の使用量は、培地容量の20容量%以下が好ましく、10容量%以下がより好ましい。温度は、好ましくは10℃〜37℃であり、より好ましくは25℃〜30℃である。pHは、好ましくは4〜7、より好ましくは4.5〜6.5である。また、前培養を好気条件で行う場合には5〜6で行うことがより好ましい。
なお、本発明における効率的なエタノール生産とは、回分発酵法では発酵開始から24時間以内に発酵収率において70質量%以上達成していることを意味し、連続発酵法では発酵開始から24時間以降も発酵収率において70質量%以上を維持していることを意味する。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
参考例1
以下の手順に従い、独立行政法人 製品評価技術基盤機構 特許生物寄託センター(NITE)に保存されている酵母カンジ・インターメディア(Candida intermedia)「NBRC10601」を親株として、馴養及び自然変異により4−6−4T2株を取得した。
まず、グルコース及びキシロースをそれぞれ1質量%含有する酢酸水溶液のpHを水酸化マグネシウムにて5.0に調整し、この溶液20%と液体培地(酵母エキス:1%、アミノ酸不含酵母ニトロゲンベース:2%)80%を混合した。この混合溶液10mLにキシロースを1%添加し、酵母カンジ・インターメディア(Candida intermedia)「NBRC10601」を1白金耳植菌し、30℃で3日間培養し培養液を得た。
次いで、上記と同様にしてpHを5.0に調整したグルコース及びキシロースをそれぞれ1質量%含有する酢酸水溶液と液体培地を50%ずつ混合し、この混合液10mLに上記3日間培養した培養液を100μL添加し、更に7日間培養した。更に、上記と同様にしてpHを5.0に調整したグルコース及びキシロースをそれぞれ1質量%含有する酢酸水溶液80%と培地20%を混合し、この混合液10mLに上記7日間培養した培養液を100μL加え30日間更に培養し、馴養株液とした。
上記馴養株液を1000倍希釈し、YNB寒天培地(グルコース:5%、酵母エキス:1%、アミノ酸不含酵母ニトロゲンベース:2%、寒天:2%)の培地に塗布し、25℃で4日間培養した後、コロニーを形成した株を取得した。
上記取得した株をYNB寒天培地(トレハロース:2%、酵母エキス:1%、アミノ酸不含酵母ニトロゲンベース:2%、寒天:2%)の培地に塗布し、25℃で3日間培養した後、コロニーが形成されたのを確認し、4℃で保管した。4℃において拡大したコロニーを選抜し、リン酸緩衝液(キシロース:2.5%、KH2PO4:0.1M、pH=5.0、MgSO4・7H2O:0.006M)でエタノール生産試験を実施し、親株よりもエタノール生産能の高い株を選抜した。
このようにして目的とする酵母を選抜し、これをカンジダ・インターメディア(Candida intermedia)4−6−4T2株と命名した。本菌株は、独立行政法人 製品評価技術基盤機構 特許生物寄託センター(NITE)に寄託されており、その受託番号はFERM BP−11509である。
実施例1
カンジダ・インターメディア NBRC10601または、カンジダ・インターメディア 4−6−4T2(FERM BP−11509)を、YNB培地(グルコース2質量%およびキシロース1質量%、2%酵母ニトロゲンベース(アミノ酸不含)、1%酵母エキス)に添加し、48時間、温度30℃、pH5.5〜6(調整なし)で前培養を行った。その後、模擬セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液(グルコース3質量%、キシロース2質量%、酢酸0.5質量%(0.08mol/L)、0.05Mリン酸緩衝液、pH5.5)に2質量%(乾燥菌体重量相当)となるように菌を添加した。これを用い、エア供給量が0.01L/h/g乾燥菌体重量としてエタノール生産を行い、エタノール濃度の経時変化を測定した。結果は図1に示す。
なお、実施例1の上記模擬セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液は、セルロース系バイオマス加水分解物中で代表的な糖類であるグルコースとキシロースを含有させ、またセルロース系バイオマス加水分解物中の発酵阻害物質としては酢酸を含有させ、セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液を模擬したものである。
また、このエタノール生産では発酵用液の供給、発酵液の抜き出しは行わずに、すなわち連続発酵法は用いずに回分発酵法によってエタノール生産を行った。また、比較としてエア供給を0L/時/g乾燥菌体重量としてエタノール生産を行った。
実施例2
カンジダ・インターメディア NBRC10601または、カンジダ・インターメディア 4−6−4T2(FERM BP−11509)を、実施例1と同様の条件で前培養を行った後に、模擬セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液(グルコース3%、キシロース2%、酢酸0.3質量%(0.05mol/L)、フルフラール0.1質量%(0.010mol/L)、5−ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)0.1質量%(0.008mol/L)、0.05Mリン酸緩衝液、pH5.5)に、2質量%(乾燥菌体重量相当)となるように菌を添加した。これを用い、エア供給量が0.01L/h/g乾燥菌体重量としてエタノール生産を行い、エタノール濃度の経時変化を測定した。結果は図2に示す。
なお、実施例2の上記模擬セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液は、セルロース系バイオマス加水分解物中で代表的な糖類であるグルコースとキシロースを含有させ、またセルロース系バイオマス加水分解物中の発酵阻害物質としては酢酸、フルフラール、HMFを含有させ、セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液を模擬したものである。
また、このエタノール生産では発酵用液の供給、発酵液の抜き出しは行わずに、すなわち連続発酵法は用いずに回分発酵法によってエタノール生産を行った。また、比較としてエア供給を0L/時/g乾燥菌体重量としてエタノール生産を行った。
実施例3
カンジダ・インターメディア NBRC10601または、カンジダ・インターメディア 4−6−4T2(FERM BP−11509)を、実施例1と同様の条件で前培養を行った後に、模擬セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液(グルコース3質量%、キシロース2質量%、酢酸0.3質量%(0.050mol/L)、レブリン酸0.3質量%(0.026mol/L)、ギ酸0.2質量%(0.043mol/L)、0.05Mリン酸緩衝液、pH5.5)に2質量%(乾燥菌体重量相当)となるように菌を添加した。これを用い、エア供給量が0.01L/h/g乾燥菌体重量としてエタノール生産を行い、エタノール濃度の経時変化を測定した。結果は図3に示す。
なお、実施例3の上記模擬セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液は、セルロース系バイオマス加水分解物中で代表的な糖類であるグルコースとキシロースを含有させ、またセルロース系バイオマス加水分解物中の発酵阻害物質としては酢酸、レブリン酸、ギ酸を含有させ、セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液を模擬したものである。
また、このエタノール生産では発酵用液の供給、発酵液の抜き出しは行わずに、すなわち連続発酵法は用いずに回分発酵法によってエタノール生産を行った。また、比較としてエア供給を0L/時/g乾燥菌体重量としてエタノール生産を行った。
実施例4
カンジダ・インターメディア 4−6−4T2(FERM BP−11509)を、実施例1と同様の条件で前培養を行った後に、模擬セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液(グルコース3質量%、キシロース2質量%、フルフラール0.22質量%(0.023mol/L)、0.05Mリン酸緩衝液、pH5.5)に2質量%(乾燥菌体重量相当)となるように菌を添加した。これを用い、エア供給量が0.01L/h/g乾燥菌体重量としてエタノール生産を行い、エタノール濃度の経時変化を測定した。また、模擬セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液中のフルフラール0.22質量%に代えて5−ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)0.68質量%(0.054mol/L)を含有させた発酵用液、比較としてこれら発酵阻害物質を含有しない発酵用液をそれぞれ用い、これ以外は同じ条件にてエタノール生産を行い、エタノール濃度の経時変化を測定した。結果は図4に示す。
なお、実施例4の上記模擬セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液は、セルロース系バイオマス加水分解物中で代表的な糖類であるグルコースとキシロースを含有させ、またセルロース系バイオマス加水分解物中の発酵阻害物質としてはフルフラールまたはHMFを含有させ、セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液を模擬したものである。
また、このエタノール生産では発酵用液の供給、発酵液の抜き出しは行わずに、すなわち連続発酵法は用いずに回分発酵法によってエタノール生産を行った。また、比較としてエア供給を0L/時/g乾燥菌体重量としてエタノール生産を行った。
実施例5
カンジダ・インターメディア NBRC10601を、実施例1と同様の条件で前培養を行った後に、模擬セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液(グルコース3質量%、キシロース2質量%、酢酸0.5質量%(0.08mol/L)、0.05Mリン酸緩衝液、pH5.5)0.36Lに、2質量%(7.2g(乾燥菌体重量))となるように添加した。これを用い、発酵用液の供給速度を0.015L/時、発酵用液の抜き出し速度を0.015L/時とし、エア供給量を0L/時/g乾燥菌体重量、0.17L/時/g乾燥菌体重量または1.7L/時/g乾燥菌体重量のいずれかとし、連続発酵法にてエタノール生産を行い、エタノール濃度の経時変化を測定した。結果は図5に示す。
なお、実施例5の上記模擬セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液は、セルロース系バイオマス加水分解物中で代表的な糖類であるグルコースとキシロースを含有させ、またセルロース系バイオマス加水分解物中の発酵阻害物質としては酢酸を含有させ、セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液を模擬したものである。
実施例6
カンジダ・インターメディア 4−6−4T2(FERM BP−11509)を、実施例1と同様の条件で前培養を行った後に、模擬セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液(グルコース3質量%、キシロース2質量%、酢酸0.5質量%(0.08mol/L)、0.05Mリン酸緩衝液、pH5.5)0.36Lに、2質量%(7.2g乾燥菌体重量相当)となるように添加した。これを用い、発酵用液の供給速度を0.015L/時、発酵用液の抜き出し速度を0.015L/時とし、エア供給量を0L/時/g乾燥菌体重量、0.17L/時/g乾燥菌体重量または1.7L/時/g乾燥菌体重量のいずれかとし、連続発酵法にてエタノール生産を行い、エタノール濃度の経時変化を測定した。結果は図6に示す。
なお、実施例6の上記模擬セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液は、セルロース系バイオマス加水分解物中で代表的な糖類であるグルコースとキシロースを含有させ、またセルロース系バイオマス加水分解物中の発酵阻害物質としては酢酸を含有させ、セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液を模擬したものである。
図1〜図6の結果より、発酵阻害物質を含むセルロース系バイオマス加水分解物を原料とした場合であっても、カンジダ・インターメディアに属する酵母を用い、かつ発酵槽内へのエア供給速度を0.0001〜100L/時/g乾燥菌体重量となる条件で発酵すれば、エタノール生産効率が向上することがわかる。また、連続発酵法が特に有用である。

Claims (3)

  1. 弱酸およびフラン化合物からなる群より選択される発酵阻害物質を含有する、セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液を、発酵槽内へのエア供給速度が0.0005〜10L/時/g乾燥菌体重量となる条件下で、カンジダ・インターメディア(Candida intermedia)に属し、カンジダ・インターメディアに属する酵母が4−6−4T2と特定され、FERM BP−11509として寄託された酵母を用いて発酵させることを特徴とするエタノールの生産方法。
  2. 発酵が、セルロース系バイオマス加水分解物含有発酵用液を0.005〜2L/時/g乾燥菌体重量の供給速度で発酵槽内に供給する連続発酵である請求項1のエタノールの生産方法。
  3. 前記発酵が回分発酵又は連続発酵である請求項1記載のエタノール生産方法。
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