JP6321121B2 - イオントラップを使用する質量範囲にわたる順次ウィンドウ化取得のためのシステムおよび方法 - Google Patents

イオントラップを使用する質量範囲にわたる順次ウィンドウ化取得のためのシステムおよび方法 Download PDF

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Description

関連出願への相互参照
本出願は、2012年4月2日に出願された米国仮特許出願第61/619,008号の利益を主張し、それの内容は、参照によって本明細書でその全体が援用される。
イントロダクション
最近開発された高分解能かつ高処理量の四重極質量分析器は、質量範囲が隣接または重複する質量窓(mass window)を有する複数の走査の使用によって、分離実験の小時間区間内で正確に走査されることを可能にする。複数の走査からの結果は、各時間区間において、質量範囲全体に対するスペクトルを生成するように一緒につなぎ合わせられることができる。分離の各時間区間における各スペクトルの集合は、質量範囲全体についてのスペクトル集合である。ウィンドウ化質量分析走査を使用することにより質量範囲全体を走査するための方法は、例えば、順次ウィンドウ化取得(sequential windowed aquisition)、またはライブラリを通した順次ウィンドウ化取得(SWATH)と呼ばれる。
1つの例示的な順次ウィンドウ化取得実験では、400〜1200ダルトン(Da)の質量範囲が32個の隣接する25ダルトン(Da)質量窓に分割された。スペクトルが、四重極飛行時間(TOF)質量分析計を使用して、各質量窓について、100ミリ秒間(ms)にわたり累算された。その質量範囲についての質量スペクトルの累算のための合計時間は、3.2秒であった。言い換えると、分離実験のため最小時間区間は、3.2秒であった。
順次ウィンドウ化取得実験のデューティサイクルまたは効率は、適切な信号対雑音比を有する質量窓についてTOFスペクトルを収集するために必要とされる時間量によって制限される。最近開発された高分解能かつ高処理量の四重極飛行時間質量分析器はデューティサイクルを有意に増加させているが、四重極飛行時間質量分析は、多数の制限を依然として有する。例えば、各質量窓の選択は、質量フィルタ処理ステップを伴い、この質量フィルタ処理ステップは、典型的に、時間がかかる。加えて、質量フィルタ処理ステップは、多数のイオンが無駄となることを必要とする。その結果、源からのイオン流束が少ない場合、質量範囲全体について所望される信号対雑音比を有するスペクトルを得るために十分なイオンが存在しない場合がある。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
質量分析データの順次ウィンドウ化取得のためのシステムであって、前記システムは、
イオントラップおよび質量アナライザを含む質量分析計と、
前記質量分析計と通信するプロセッサであって、前記プロセッサは、
試料についての質量範囲および質量窓幅パラメータを受信し、
前記質量分析計に、前記イオントラップにおいて、前記質量範囲内にある試料からの複数のイオンを収集することを命令し、
前記質量窓幅パラメータを使用して、ある質量範囲に及ぶ2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓を計算し、
前記質量分析計に、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内のイオンを前記イオントラップから放出し、前記質量アナライザで、前記各質量窓の放出されるイオンからの質量スペクトルを検出することにより、前記質量範囲についての質量スペクトル集合を生成することを命令する、
プロセッサと
を備えるシステム。
(項目2)
前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓は、同一の幅を有する、項目1に記載のシステム。
(項目3)
プロセッサは、前記質量分析計に、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓について異なる励起周波数範囲を有する異なる波形を使用することによって、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内のイオンを前記イオントラップから放出することを命令する、項目2に記載のシステム。
(項目4)
異なる励起周波数範囲を有する異なる波形は、前記質量分析計がいずれかのイオンを前記イオントラップから放出する前に、前記プロセッサによって、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓について計算され、前記質量分析計に記憶される、項目3に記載のシステム。
(項目5)
前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓は、異なる幅を有する、項目1に記載のシステム。
(項目6)
プロセッサは、前記質量分析計に、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓について同一の励起周波数範囲を有する同一の波形を使用することによって、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内のイオンを前記イオントラップから放出することを命令する、項目5に記載のシステム。
(項目7)
前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓の幅は、前記質量範囲における各質量窓の質量の増加に伴って増加する、項目5に記載のシステム。
(項目8)
前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓のうちの少なくとも2つの質量窓は、異なる幅を有する、項目1に記載のシステム。
(項目9)
前記プロセッサは、前記質量分析計に、前記質量スペクトルを検出することにより前記質量範囲についてのタンデム質量分析質量スペクトル集合を生成する前に、コリジョンセルにおける前記各質量窓の放出されるイオンを断片化することをさらに命令する、項目1に記載のシステム。
(項目10)
質量分析データの順次ウィンドウ化取得のための方法であって、
試料についての質量範囲および質量窓幅パラメータを受信することと、
質量分析計のイオントラップにおいて、前記質量範囲内にある試料からの複数のイオンを収集することと、
前記質量窓幅パラメータを使用して、前記質量範囲に及ぶ2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓を計算することと、
前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内のイオンを前記イオントラップから放出し、前記質量分析計の質量アナライザで、前記各質量窓の放出されるイオンから質量スペクトルを検出することにより、前記質量範囲についての質量スペクトル集合を生成することと
を含む、方法。
(項目11)
前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓は、同一の幅を有する、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記イオントラップから前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内のイオンを放出することは、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓について異なる励起周波数範囲を有する異なる波形を使用することを含む、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記質量分析計がいずれかのイオンを前記イオントラップから放出する前に、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓について異なる励起周波数範囲を有する異なる波形を計算し、前記質量分析計に記憶することをさらに含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓は、異なる幅を有する、項目10に記載の方法。
(項目15)
前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内のイオンを前記イオントラップから放出することは、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓について同一の励起周波数範囲を有する同一の波形を使用することを含む、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓の幅は、前記質量範囲における各質量窓の質量の増加に伴って増加する、項目14に記載の方法。
(項目17)
前記質量スペクトルを検出することにより前記質量範囲についてタンデム質量分析質量スペクトル集合を生成する前に、前記質量分析計のコリジョンセルにおける前記各質量窓の放出されるイオンを断片化することをさらに含む、項目10に記載の方法。
(項目18)
質量分析データの順次ウィンドウ化取得のための方法を行なうためのコンピュータプログラム製品であって、非一時的かつ有形のコンピュータ可読記憶媒体を含み、前記コンピュータ可読記憶媒体のコンテンツは、プロセッサで実行される命令を有するプログラムを含み、
前記方法は、
システムを提供することであって、前記システムは、1つまたはそれよりも多くの別個のソフトウェアモジュールを含み、前記別個のソフトウェアモジュールは、分析モジュールおよび制御モジュールを含む、ことと、
前記分析モジュールを使用して、試料についての質量範囲および質量窓幅パラメータを受信することと、
前記制御モジュールを使用して、質量分析計のイオントラップにおいて、前記質量範囲内にある試料からの複数のイオンを収集することと、
前記分析モジュールを使用し、前記質量窓幅パラメータを使用して、前記質量範囲に及ぶ2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓を計算することと、
前記制御モジュールを使用して、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内のイオンを前記イオントラップから放出し、前記質量分析計の質量アナライザで、前記各質量窓の放出されるイオンから質量スペクトルを検出することにより、前記質量範囲についての質量スペクトル集合を生成することと
を含む、
コンピュータプログラム製品。
(項目19)
前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓は、同一の幅を有する、項目18に記載のコンピュータプログラム製品。
(項目20)
前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓は、異なる幅を有する、項目18に記載のコンピュータプログラム製品。
当業者は、下記で説明される図面が例証の目的のみのためであることを理解する。図面は、本教示の範囲のいかなる制限も意図しない。
図1は、様々な実施形態に従い、コンピュータシステムを図示するブロック図である。
図2は、様々な実施形態に従い、2つまたはそれよりも多くの質量窓の各質量窓が同一の質量幅を有する場合、励起周波数の範囲がある質量範囲に及ぶ2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓のうちの最初の質量窓から最後の質量窓まで、どのように減少するかを示す例示的表である。
図3は、様々な実施形態に従い、順次ウィンドウ化取得のための質量分析システムの概略図である。
図4は、様々な実施形態に従い、質量分析/質量分析(MS/MS)順次ウィンドウ化取得のステップ3後の選択された質量範囲のイオンの場所を描写する概略図である。
図5は、様々な実施形態に従い、MS/MS順次ウィンドウ化取得のステップ4中の選択された質量範囲のイオンの場所を描写する概略図である。
図6は、様々な実施形態に従い、MS/MS順次ウィンドウ化取得のステップ5後の選択された質量範囲のイオンの場所を描写する概略図である。
図7は、様々な実施形態に従い、MS/MS順次ウィンドウ化取得のステップ6後の選択された質量範囲のイオンの場所を描写する概略図である。
図8は、様々な実施形態に従い、MS/MS順次ウィンドウ化取得のステップ8中の選択された質量範囲のイオンの場所を描写する概略図である。
図9は、様々な実施形態に従い、MS/MS順次ウィンドウ化取得中の質量分析計の飛行時間選択の加速器領域におけるイオンの場所を描写する概略図である。
図10は、様々な実施形態に従い、ある質量範囲に及び、均一な質量幅を有するn個の質量窓を描写する例示的略図である。
図11は、様々な実施形態に従い、ある質量範囲に及び、可変質量幅を有するn個の質量窓を描写する例示的略図である。
図12は、様々な実施形態に従い、質量分析データの順次ウィンドウ化取得のための方法を示す例示的流れ図である。
図13は、様々な実施形態に従い、質量分析データの順次ウィンドウ化取得のための方法を行なう1つまたはそれよりも多くの別個のソフトウェアモジュールを含むシステムの概略図である。
本教示の1つまたはそれよりも多くの実施形態が詳細に説明される前に、当業者は、本教示が、その用途において、以下の詳細な説明に記載されるか、または図面に図示される構造、構成要素の配列、およびステップの配列の細部に限定されないことを、理解する。また、本明細書で使用される表現および専門用語は、説明の目的のためのものであって、限定としてみなされるべきではないことが、理解されるべきである。
様々な実施形態の説明
コンピュータ実装システム
図1は、本教示の実施形態が実装され得るコンピュータシステム100を図示するブロック図である。コンピュータシステム100は、情報を通信するためのバス102または他の通信機構と、情報を処理するための、バス102と連結されているプロセッサ104とを含む。コンピュータシステム100はまた、プロセッサ104によって実行されるべき命令を記憶するための、バス102に連結されているランダムアクセスメモリ(RAM)または他の動的記憶デバイスであり得るメモリ106を含む。メモリ106はまた、プロセッサ104によって実行されるべき命令の実行中、一時変数または他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。コンピュータシステム100は、プロセッサ104のための静的情報および命令を記憶するための、バス102に連結されている読取専用メモリ(ROM)108または他の静的記憶デバイスをさらに含む。磁気ディスクまたは光ディスクのような記憶デバイス110が、情報および命令を記憶するために提供され、バス102に連結されている。
コンピュータシステム100は、バス102を介して、コンピュータユーザに情報を表示するための、陰極線管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)のようなディスプレイ112に連結されてもよい。英数字および他のキーを含む入力デバイス114は、情報およびコマンド選択をプロセッサ104に通信するために、バス102に連結されている。別のタイプのユーザ入力デバイスは、方向情報およびコマンド選択をプロセッサ104に通信するため、およびディスプレイ112上のカーソル移動を制御するための、マウス、トラックボール、またはカーソル方向キーのようなカーソル制御116である。この入力デバイスは、典型的に、デバイスが平面において位置を特定することを可能にする2つの軸、第1の軸(すなわち、X)および第2の軸(すなわち、Y)における2つの自由度を有する。
コンピュータシステム100は、本教示を行うことができる。本教示のある実装によると、結果が、プロセッサ104がメモリ106に含まれる1つまたはそれよりも多くの命令の1つまたはそれよりも多くのシーケンスを実行することに応じて、コンピュータシステム100によって提供される。そのような命令は、記憶デバイス110のような別のコンピュータ可読媒体からメモリ106に読み込まれてもよい。メモリ106に含まれる命令のシーケンスの実行は、プロセッサ104に、本明細書に説明されるプロセスを行わせる。代替として、ハードワイヤード回路が、本教示を実装するために、ソフトウェア命令の代わりに、またはそれと組み合わせて使用されてもよい。したがって、本教示の実装は、ハードウェア回路およびソフトウェアの任意の特定の組み合わせに限定されない。
用語「コンピュータ可読媒体」は、本明細書で使用される場合、実行のために命令をプロセッサ104に提供することに関与する任意の媒体を指す。そのような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含むがそれらに限定されない多くの形態をとり得る。不揮発性媒体は、例えば、記憶デバイス110のような光学または磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メモリ106のようなダイナミックメモリを含む。伝送媒体は、バス102を備える配線を含む同軸ケーブル、銅線、および光ファイバを含む。
コンピュータ可読媒体の一般的形態は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、または任意の他の磁気媒体、CD−ROM、デジタルビデオディスク(DVD)、ブルーレイディスク、任意の他の光学媒体、サムドライブ、メモリカード、RAM、PROM、およびEPROM、FLASH−EPROM、任意の他のメモリチップまたはカートリッジ、あるいはコンピュータが読み取ることができる任意の他の有形媒体を含む。
様々な形態のコンピュータ可読媒体が、実行のためにプロセッサ104への1つまたはそれよりも多くの命令の1つまたはそれよりも多くのシーケンスを実施することに関与し得る。例えば、命令は、最初に、遠隔コンピュータの磁気ディスクで実施されてもよい。遠隔コンピュータは、命令をそのダイナミックメモリ中にロードでき、モデムを使用して電話回線を経由し、命令を送信することができる。コンピュータシステム100にローカル接続されているモデムは、電話回線でデータを受信でき、赤外線送信機を使用することにより、データを赤外線信号に変換することができる。バス102に連結されている赤外線検出器は、赤外線信号において搬送されるデータを受信することができ、データをバス102に置くことができる。バス102は、データをメモリ106に搬送し、そこから、プロセッサ104が、命令を読み出し、実行する。メモリ106によって受信された命令は、必要に応じて、プロセッサ104による実行の前または後のいずれかに、記憶デバイス110に記憶されてもよい。
様々な実施形態に従い、プロセッサによって実行されることによりある方法を行うように構成されている命令が、コンピュータ可読媒体に記憶される。コンピュータ可読媒体は、デジタル情報を記憶するデバイスであることができる。例えば、コンピュータ可読媒体は、当技術分野において既知であるような、ソフトウェアを記憶するためのコンパクトディスク読取専用メモリ(CD−ROM)を含む。コンピュータ可読媒体は、実行されるように構成されている命令を実行するために、好適なプロセッサによってアクセスされる。
本教示の様々な実装の下記の説明は、例証および説明の目的のために提示されている。それは、包括的でもなく、本教示を開示されている厳密な形態に限定するものでもない。修正およびバリエーションが、上記の教示に照らして可能であっても、本教示の実践から得られてもよい。加えて、説明される実装はソフトウェアを含むが、本教示は、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせとして実装されても、ハードウェア単独で実装されてもよい。本教示は、オブジェクト指向および非オブジェクト指向の両方のプログラミングシステムで実装されてもよい。
イオントラップを使用する順次ウィンドウ化取得
上記で説明されたように、最近開発された高分解能かつ高処理量の四重極飛行時間質量分析器は、隣接または重複する質量窓を有する複数の走査を使用して、質量範囲が分離実験の小時間区間内で正確に走査されることを可能にする。1つの例示的な順次ウィンドウ化取得実験では、400〜1200ダルトン(Da)の質量範囲が、32個の隣接する25ダルトン(Da)質量窓に分割された。スペクトルは、各質量窓について100ミリ秒間(ms)にわたり累算(accumulate)された。質量範囲全体についての質量スペクトルの累算のための合計時間は、したがって、3.2秒であった。
これらの最近開発された高分解能かつ高処理量の四重極飛行時間質量分析器は、順次ウィンドウ化取得を可能にしたが、多数の制限を依然として有する。例えば、各質量窓の選択は、質量フィルタ処理ステップを伴い、その質量フィルタ処理ステップは、典型的に、時間がかかる。加えて、質量フィルタ処理ステップは、多数のイオンが無駄になることを必要とする。その結果、源からのイオン流束が少ない場合、質量範囲全体についての所望される信号対雑音比を有するスペクトルを得るために十分なイオンが存在しない場合がある。
様々な実施形態では、順次ウィンドウ化取得は、イオントラップを使用して行なわれる。イオントラップを使用することによって、時間がかかる質量フィルタ処理ステップが、1回のみ行なわれる。質量窓の選択は、イオントラップからイオンを放出するさらに高速のステップによって行なわれる。
上記で述べられた例を検討するとする。イオントラップは、例えば、111ms内で、400〜1200Daの質量範囲からの全イオンで充填されることができる。これは、1つの質量フィルタ処理ステップである。イオントラップからのイオンの25Da質量窓の各放出は、例えば、10ms内で行なわれることができる。その結果、イオントラップを使用する順次ウィンドウ化取得のための合計時間は、100+32×18、すなわち699msとなる。これは、例えば、イオントラップを使用する順次ウィンドウ化取得のデューティサイクルが、四重極飛行時間を使用した順次ウィンドウ化取得のデューティサイクルよりほぼ5倍高速であることを、意味する。
様々な実施形態で、イオントラップは、ある質量範囲内のイオンを収集するため、およびある質量範囲に及ぶ2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓を使用して収集されたイオンを選択的に放出するために、使用される。線形イオントラップ(LIT)質量分析計におけるイオンの選択的軸方向移送のための方法は、例えば、米国特許第7,459,679号(以下、「第’679号特許」)で説明されている。第’679号特許で、異なる質量対電荷比を有するイオン群がLITの中に受け入れられる。第1の質量対電荷比(m/z)を有する第1のイオン群は、第1の半径方向励起場を使用して選択され、次いで、軸方向加速場を使用して放出される。第1のイオン群の放出に続き、第2のイオン群が同一の態様で放出される。第1のイオン群のm/z範囲は、第2のイオン群のm/z範囲と離隔している(disjoint)。
第’679号特許は、したがって、異なりかつ離隔しているm/z範囲を有する異なる時間におけるイオン放出群について説明している。離隔しているm/z範囲とは、例えば、単一のm/z値も共有しないm/z範囲であるか、あるいは結合されないかまたは隣接しないm/z範囲である。第’679号特許は、したがって、放出される群の異なるm/z範囲がLITに受け入れられるイオンの連続質量範囲を走査するように選択されることを示唆しない。言い換えると、第’679号特許は、順次ウィンドウ化取得について説明していない。
順次ウィンドウ化取得の目標は、例えば、広範な質量範囲における全種を、単一分析内における複数の反応監視(MRM)実験の選択性および特異性で定量化することである。順次ウィンドウ化取得は、したがって、タンデム質量分析(MS/MS)に非常に好適である。異なる質量窓で選択されたイオンは、MS/MS断片化のためにコリジョンセルに移送されることができる。
様々な実施形態で、順次ウィンドウ化取得のために使用されるイオントラップは、LITである。このLITは、例えば、第’679号特許で説明されているLITに類似する。LITは、例えば、広範な質量範囲内のイオンを収集するために使用される。分解直流(DC)(resolving direct current)の計算された量が、質量範囲内のそれらのイオンのみの伝送を可能にするように適用される。LITは、捕捉されたイオンを選択的に励起し、次いで、それに放出のための軸方向プッシュを与える能力を有する。この技法は、例えば、半径方向振幅支援移送(RAAT)(radial amplitude assisted transfer)と呼ばれる。
イオンの広範な質量範囲は、フィルタ処理雑音場(FNF)(filtered noise field)のような広帯域励起波形を使用することによって、RAATトラップにおいて励起されることができる。これは、多数のイオンが同時に励起されることを可能にし、次いで、MS/MSのためのコリジョンセルを通して送られることを可能にする。最初の質量窓についてのデータが収集されると、次いで、LITの同一充填物からの次の隣接または重複する質量窓が、LITから放出されることにより次のスペクトルを収集する。このプロセスは、最初の広範な質量範囲窓の質量範囲全体がカバーされるまで繰り返される。
様々な実施形態で、イオンを放出するために使用され、その質量範囲に及ぶ2つまたはそれよりも多くの質量窓は、同一の質量幅を有し、可変励起周波数範囲を使用して選択される。例えば、LITは、400〜1200Daのイオンの質量範囲を伝送するように命令される。これは、質量854.7m/z(較正q=0.7045、駆動周波数=1.228484MHz、r=4.17mm)に設定されたLITの場合、196.28Vの分解DCを必要とする。イオンは、コリジョンセルで捕捉され、冷却される。質量範囲全体が次いで、LITに戻される。同一の無線周波数(RF)振幅で捕捉されたイオンは、下記によって定義されるMathieu q値を有することが、公知である。
Figure 0006321121
式中、mはイオンの質量であり、VはRF振幅であり、rはLITの場半径であり、Ωは角駆動周波数である。各イオンは、下記によって定義される固有の運動の基本周波数を有する。
Figure 0006321121
式中、βはqの関数である。パラメータβは、例えば、連分数式(continued fraction expression)を使用して計算される。
LITから放出されるべき最初の質量窓は、均一な25Da窓が選ばれる場合、400〜425Daである。その範囲の中心における質量(412.5Da)は、既知のq値に設定されることができる(すなわち、LITは、0.7045の較正qを有し、駆動周波数は1.228484MHzである)。これは、400Daがq=0.714682に存在する一方で、425Daはq=0.672642に存在し、全ての他の質量がそれらの値の間に及ぶq値を有することを意味する。q値は、下記を使用して計算される。
Figure 0006321121
これは、例えば、式(1)を使用して導出される。
最初の質量窓は、したがって、355,925Hz〜327,880Hzの範囲の励起周波数を必要とする。最後の質量窓1175〜1200Daは、異なる範囲の励起周波数を必要とするが、この範囲は、低減される。
図2は、様々な実施形態に従い、2つまたはそれよりも多くの質量窓の各質量窓が同一の質量幅を有する場合、どのように、励起周波数の範囲が、ある質量範囲に及ぶ2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓のうちの最初の質量窓から最後の質量窓まで減少するかを示す例示的表200である。励起周波数の範囲の減少は、25Daずつ分離された2つの質量について計算されたq値間の差異が、質量が増加するにつれて減少する、という事実に起因するものである。
様々な代替の実施形態では、イオンを放出させるために使用され、その質量範囲に及ぶ2つまたはそれよりも多くの質量窓は、異なる質量幅を有し、同一の励起周波数範囲を使用して選択される。周波数範囲が一定に保持され、質量窓幅は、例えば、質量の増加に伴って増加させられる。最初の質量窓が412.5Daを中心とする25Da(28,045Hz)窓幅から開始する場合、1200Daに達する最後の質量窓は、同一の励起周波数範囲または波形が使用される場合、1129〜1200Da、すなわち、71Daの質量幅を有する。
なおもさらなる様々な実施形態では、励起周波数範囲は、その質量範囲の一部分について一定に保たれ、次いで、その質量範囲の途中で調節される。例えば、質量範囲400〜1200Daは、2つの範囲、すなわち400〜800Daおよび800〜1200Daに分割される。第1の範囲が質量窓400〜425Daに基づく励起周波数範囲を使用する一方で、第2の範囲は、800〜825Daの範囲の25Da窓に対応するように周波数範囲をリセットする。この方式では、第1の質量範囲における質量窓は、25Da(400〜425Da)から47.1Da(752.9〜800Da)まで変動する。第2の質量範囲では、質量窓は、25Da(800(q=0.715508)〜825(q=0.693826)Da)から36.4Da(1163.6〜1200Da)まで変動する。
励起周波数範囲の代わりに異なる質量窓の質量幅が変動することを可能にすることは、同一の波形が多数の窓について使用され得ることを意味する。質量窓が25Daの幅で一定に保たれる場合、波形を毎回再構築するか、または多数の波形が少なくとも構築されて事前に記憶されるかのいずれかを必要とする。波形は、フィルタ処理雑音場のための任意の標準的技法を使用して構築されることができる。
様々な実施形態で、RAAT LITが、順次ウィンドウ化取得のために使用される。半径方向励起場が、2つまたはそれよりも多くの質量窓の各々におけるイオンを選択するために使用され、イオンは、次いで、軸方向加速場を使用して放出される。
様々な代替の実施形態で、2つまたはそれよりも多くの質量窓からのイオンは、質量選択的軸方向放出(MSAE)を使用して、LITから放出される。この技法は、軸方向場が印加されないことを除きRAATに類似する。代わりに、出口バリアが各質量窓のイオンを放出するために下げられる。例えば、出口バリアは、数ボルト以下まで下げられる。励起振幅もまた、減少させられ、励起区間が増加させられる(少なくとも、数十ミリ秒)。
データ例
図3は、様々な実施形態に従う順次ウィンドウ化取得のための質量分析システム300の概略図である。システム300は、質量分析計310およびプロセッサ320を含む。プロセッサ320は、質量分析計310と通信する。プロセッサ320は、コンピュータ、マイクロプロセッサ、または制御信号およびデータを質量分析計310に送信することと、その質量分析計から受信することと、データを処理することとが可能な任意のデバイスであることができるが、それらに限定されない。プロセッサ320は、質量分析計310に、例えば、多数のステップを使用してタンデム質量分析またはMS/MS順次ウィンドウ化取得を行なうように命令する。
ステップ1で、質量分析計310は、試料についての飛行時間(TOF)質量分析(MS)データを収集する。これは、例えば、100ms内で収集されるMSデータである。MSデータの質量範囲は、MS/MSについて選択される。
ステップ2で、無線周波数直流(RFDC)成分窓が、その質量範囲におけるイオンを選択するために、質量分析計310のQ1に設定される。この設定は、例えば、1ms内で適用される。
ステップ3で、質量分析計310のQ2は、その質量範囲におけるイオンで充填され、そのイオンは冷却される。イオンの移送および冷却は、例えば、1〜100msかかる。同時に、質量分析計310のIQ1およびSTは、イオンビームをオフにするために、Q2へのイオンの移送後に引き上げられる。
図4は、様々な実施形態に従い、MS/MS順次ウィンドウ化取得のステップ3後における選択された質量範囲のイオンの場所400を描写する概略図である。
ステップ4で、選択された質量範囲におけるイオンは、質量分析計310のQ1に戻される。Q1は、例えば、LIT/RAATである。イオンは、例えば、10ms内で移送される。
図5は、様々な実施形態に従い、MS/MS順次ウィンドウ化取得のステップ4中における選択された質量範囲のイオンの場所500を描写する概略図である。
ステップ5で、質量分析計310のQ1におけるRF振幅は、励起波形の印加のために適切なレベルに調節されることにより、MS/MSのための質量窓のイオンを選択する。質量分析計310のQ2におけるDCオフセットは、所望される衝突エネルギーを与えるように調節され、IQ3もまた調節される。IQ3は、Q2コリジョンセルにおけるイオンの捕捉のためのバリアを提供するように上昇させられる。これらの調節は、例えば、1ms内で行なわれる。
図6は、様々な実施形態に従い、MS/MS順次ウィンドウ化取得のステップ5後における選択された質量範囲のイオンの場所600を描写する概略図である。
ステップ6で、選択された質量窓のイオンは、高い半径方向振幅に励起される。イオンは、例えば、5ms内で励起される。
図7は、様々な実施形態に従い、MS/MS順次ウィンドウ化取得のステップ6後における選択された質量範囲のイオンの場所700を描写する概略図である。
ステップ7で、半径方向励起はオフにされ、質量分析計310のIQ2は、所望されるレベルに調節される。これらの変更は、例えば、1ms内で行なわれる。
ステップ8で、軸方向場がオンにされることにより、選択された質量窓のイオンを質量分析計310のQ1から放出する。ステップ6においてより高い半径方向振幅に励起されているそれらのイオンのみが、パルス状軸方向場の力を受ける。イオンは、質量分析計310のQ2に送られ、そこで、高エネルギー衝突を通して断片化される。Q2は、例えば、コリジョンセルである。ステップ8は、例えば、1ms内で行なわれる。
図8は、様々な実施形態に従い、MS/MS順次ウィンドウ化取得のステップ8中における選択された質量範囲のイオンの場所800を描写する概略図である。
ステップ9で、TOF MS/MSデータが、選択された質量窓のイオンについて収集される。データは、例えば、10ms内に収集される。
図9は、様々な実施形態に従い、MS/MS順次ウィンドウ化取得中の、質量分析計の飛行時間選択の加速器領域(図示せず)におけるイオンの場所900を描写する概略図である。
ステップ5〜9は、データが選択された質量範囲に及ぶ質量窓の全イオンについて収集されるまで繰り返される。ステップ2〜4は、例えば、12〜111msを必要とする。ステップ5〜9の各繰り返しは、例えば、18msを必要とする。
ステップ2において選択された質量範囲が400〜1200Daであり、かつステップ6において励起される各質量幅が25Daである場合、上記のように、800Da質量範囲に及ぶ合計32個((1200−400)/25)の総質量窓が存在する。ステップ5〜9は、次いで、32回、繰り返され、総反復時間は、32×18、すなわち576msを必要とする。MS/MSスペクトルを収集するための合計時間は、ステップ2〜9の合計、すなわち12ms+576ms=588msから111ms+576ms=699msである。
上記で説明されたように、四重極飛行時間質量分析計は、同一のMS/MSスペクトルを収集するために約3.2sを必要とする。したがって、イオントラップ飛行時間質量分析計を用いたMS/MS順次ウィンドウ化取得は、三連四重極を用いたMS/MS順次ウィンドウ化取得よりも約5倍速い。また、四重極飛行時間質量分析計と比較して、イオントラップを使用するデューティサイクルの改善は、2つまたはそれよりも多くの質量窓の質量幅が減少させられるにつれて非線形に増加する。
上記で説明されたように、ステップ6において選択され、ステップ2において選択された質量範囲に及ぶために使用される2つまたはそれよりも多くの質量窓は、均一な質量幅を有することができる。代替として、ステップ6において選択された2つまたはそれよりも多くの質量窓は、可変質量幅を有することができる。
図10は、様々な実施形態に従い、ある質量範囲に及びかつ均一な質量幅を有するn個の質量窓を描写する例示的略図1000である。
図11は、様々な実施形態に従い、ある質量範囲に及びかつ可変質量幅を有するn個の質量窓を描写する例示的略図1100である。
データ処理のシステムおよび方法
順次ウィンドウ化取得システム
図3に戻ると、システム300は、質量分析計310およびプロセッサ320を含む。質量分析計310は、イオントラップ330、質量アナライザ340、およびコリジョンセル350を含む。イオントラップ330は、LITとして示される。しかしながら、イオントラップ330は、任意のタイプのイオントラップであることができる。他のタイプのイオントラップは、3−Dイオントラップ、トロイダルイオントラップ、および静電イオントラップを含み得るが、それらに限定されない。質量アナライザ340は、TOF質量アナライザとして示される。同様に、質量アナライザ340は、任意のタイプの質量アナライザであることができる。他のタイプの質量アナライザは、線形イオントラップ、3−Dイオントラップ、静電イオントラップ、またはペニングイオントラップを含み得るが、それらに限定されない。コリジョンセル350は、四重極として示される。同様に、コリジョンセル350は、任意のタイプのコリジョンセルであることができる。
プロセッサ320は、試料についての質量範囲および質量窓幅パラメータを受信する。プロセッサ320は、質量分析計310に、イオントラップ330で、質量範囲内にある試料からの複数のイオンを収集するように命令する。プロセッサ320は、質量窓幅パラメータを使用して、ある質量範囲に及ぶ2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓を計算する。言い換えると、2つまたはそれよりも多くの質量窓が、その質量範囲に及ぶために、少なくとも1つのm/z値によって結合または重複させられる。質量窓幅パラメータは、幅、質量窓の数(a number of mass windows)、またはどのように質量窓幅が質量に伴って変動するかを記述する関数を含み得るが、それらに限定されない。
プロセッサ320は、質量分析計310に、イオントラップ330から2つまたはそれよりも多くの質量窓の各質量窓内のイオンを放出するように命令する。プロセッサ320はまた、質量分析計310に、質量アナライザ340を用いて、各質量窓の放出されるイオンから質量スペクトルを検出することにより、質量範囲についての質量スペクトル集合を生成するように命令する。2つまたはそれよりも多くの質量窓の各質量窓が、次いで、例えば、連続的に選択および分析される。イオントラップ330は、例えば、同時にまたは連続してのいずれかにおいて、2つまたはそれよりも多くの質量窓の各質量窓内のイオンを放出することができる。
上記で説明されたように、2つまたはそれよりも多くの質量窓は、全てが同一の幅を有しても、全てが異なる幅を有しても、異なる幅を有する少なくとも2つの質量窓を有してもよい。様々な実施形態で、2つまたはそれよりも多くの質量窓が全て同一の幅を有する場合、プロセッサ320は、2つまたはそれよりも多くの質量窓の各質量窓について異なる励起周波数範囲を有する異なる波形を計算する。異なる波形は、次いで、イオントラップ330から2つまたはそれよりも多くの質量窓の各質量窓内のイオンを放出するために使用される。様々な実施形態で、プロセッサ320は、処理速度を改善するために、質量分析計310がイオントラップ330からいずれかのイオンを放出する前に、2つまたはそれよりも多くの質量窓の各質量窓について異なる励起周波数範囲を有する異なる波形を、質量分析計310に記憶する。
様々な実施形態で、2つまたはそれよりも多くの質量窓が全て異なる幅を有する場合、プロセッサ320は、2つまたはそれよりも多くの質量窓の各質量窓について同一の励起周波数範囲を有する同一の波形を計算する。同一の波形が、次いで、イオントラップ330から2つまたはそれよりも多くの質量窓の各質量窓内のイオンを放出するために使用される。
様々な実施形態で、2つまたはそれよりも多くの質量窓の各質量窓の幅は、質量範囲の関数として変動することができる。例えば、2つまたはそれよりも多くの質量窓の各質量窓の幅は、質量範囲における各質量窓の質量の増加に伴って増加する。
様々な実施形態では、システム300は、タンデム質量分析またはMS/MSを行なうことができる。例えば、プロセッサ320は、質量分析計310に、質量スペクトルを検出する前に、コリジョンセル350における各質量窓の放出されるイオンを断片化するようにさらに命令する。タンデム質量分析質量スペクトルの集合が、次いで、その質量範囲について生成される。
順次ウィンドウ化取得方法
図12は、様々な実施形態に従い、質量分析データの順次ウィンドウ化取得のための方法1200を示す例示的流れ図である。
方法1200のステップ1210では、質量範囲および質量窓幅パラメータが試料について受信される。
ステップ1220では、その質量範囲内にある試料からの複数のイオンが質量分析計のイオントラップにおいて収集される。
ステップ1230では、2つまたはそれよりも多くの、質量が隣接または重複する窓(mass adjacent or overlapping window)が、質量窓幅パラメータを使用して、その質量範囲に及ぶように計算される。
ステップ1240では、2つまたはそれよりも多くの質量窓の各質量窓内のイオンがイオントラップから放出される。質量スペクトルが、次いで、質量分析計の質量アナライザを用いて、各質量窓の放出されるイオンから検出され、質量範囲に対する質量スペクトル集合を生成する。
順次ウィンドウ化取得コンピュータプログラム製品
様々な実施形態では、コンピュータプログラム製品は、非一時的かつ有形のコンピュータ可読記憶媒体を含み、この非一時的かつ有形のコンピュータ可読記憶媒体は、そのコンテンツが質量分析データの順次ウィンドウ化取得のための方法を行なうように、プロセッサ上で実行される命令を有するプログラムを含む。本方法は、1つまたはそれよりも多くの別個のソフトウェアモジュールを含むシステムによって行なわれる。
図13は、様々な実施形態に従い、質量分析データの順次ウィンドウ化取得のための方法を行なう1つまたはそれよりも多くの別個のソフトウェアモジュールを含むシステム1300の概略図である。システム1300は、分析モジュール1310および制御モジュール1320を含む。
分析モジュール1310は、試料について、質量範囲および質量窓幅パラメータを受信する。制御モジュール1320は、質量分析計のイオントラップにおいて、その質量範囲内にある試料からの複数のイオンを収集する。分析モジュール1310は、質量窓幅パラメータを使用して、ある質量範囲に及ぶ2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓を計算する。制御モジュール1320は、イオントラップから、2つまたはそれよりも多くの質量窓の各質量窓内のイオンを放出する。制御モジュール1320は、質量分析計の質量アナライザで、各質量窓の放出されるイオンから質量スペクトルを検出することにより、質量範囲についての質量スペクトル集合を生成する。
本教示は様々な実施形態と併せて説明されるが、本教示は、そのような実施形態に限定されることを意図するものではない。対照的に、本教示は、当業者によって理解されるように、様々な代替、修正、および均等物を包含する。
さらに、様々な実施形態を説明する際、本明細書は、方法および/またはプロセスを、ステップの特定のシーケンスとして提示し得る。しかしながら、方法またはプロセスが本明細書に記載されるステップの特定の順序に依拠しない範囲において、方法またはプロセスは、説明されるステップの特定のシーケンスに限定されるべきではない。当業者が理解するように、ステップの他のシーケンスが可能であってもよい。したがって、本明細書に記載されるステップの特定の順序は、請求項についての限定として解釈されるべきではない。加えて、方法および/またはプロセスを対象とする請求項は、書かれた順序におけるそのステップの実施に限定されるべきではなく、当業者は、シーケンスが変更されてもよく、様々な実施形態の精神および範囲に依然としてあることを容易に理解することができる。

Claims (20)

  1. 質量分析データの順次ウィンドウ化取得のためのシステムであって、前記システムは、
    線形イオントラップ[330]、コリジョンセル[350]および質量アナライザ[340]を含む質量分析計と、
    前記質量分析計と通信するプロセッサであって、前記プロセッサは、
    試料についての連続質量範囲および質量窓幅パラメータを受信し、
    前記質量分析計に、前記線形イオントラップにおいて、イオンビームから前記連続質量範囲内の複数のイオンを収集することを命令し、ここで、前記イオンビームは、前記試料からのイオン源によって生成され、
    前記質量分析計に、前記線形イオントラップに無線周波数(RF)半径方向励起を適用し、前記線形イオントラップにおいて、前記連続質量範囲内のイオンを選択することを命令し、
    前記質量分析計に、前記試料から前記線形イオントラップへのイオンビームをオフにすることを命令し、
    前記質量分析計に、前記連続質量範囲内の選択されたイオンを、前記コリジョンセルから前記線形イオントラップへと逆移送することを命令し、
    前記質量窓幅パラメータを使用して、前記連続質量範囲に及ぶ2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓を計算し、
    前記質量分析計に、前記線形イオントラップにRF半径方向励起を適用し、前記線形イオントラップにおいて、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内のイオンを選択することを命令し、
    前記質量分析計に、前記コリジョンセルを使用して、前記コリジョンセル内に注入される前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内のイオンを断片化することを命令し、
    前記質量分析計に、前記イオントラップから、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内のイオンを放出させ、そして、前記質量アナライザを使用して、前記各質量窓の前記放出されたイオンからの質量スペクトルを検出することにより、前記連続質量範囲についての質量スペクトル集合を生成することを命令し、ここで、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内の前記イオンは、前記連続質量範囲を走査するために放出される、
    プロセッサと
    を備えるシステム。
  2. 前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓は、同一の幅を有する、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記プロセッサは、前記質量分析計に、前記線形イオントラップに無線周波数(RF)半径方向励起を適用し、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓について異なる励起周波数範囲を有する異なるRF波形を使用することによって、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内のイオンを前記イオントラップから選択することを命令する、請求項2に記載のシステム。
  4. 異なる励起周波数範囲を有する異なるRF波形は、前記質量分析計がいずれかのイオンを前記イオントラップから放出する前に、前記プロセッサによって、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓について計算され、前記質量分析計に記憶される、請求項3に記載のシステム。
  5. 前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓は、異なる幅を有する、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記プロセッサは、前記質量分析計に、前記線形イオントラップに無線周波数(RF)半径方向励起を適用し、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓について同一の励起周波数範囲を有する同一のRF波形を使用することによって、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内のイオンを前記イオントラップから選択することを命令する、請求項5に記載のシステム。
  7. 前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓の幅は、前記連続質量範囲における各質量窓の質量の増加に伴って増加する、請求項5に記載のシステム。
  8. 前記プロセッサは、前記質量分析計に、半径方向振幅支援移送(RAAT)を使用して、前記線形イオントラップから前記コリジョンセルへと、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内のイオンを選択および放出することを命令し、RAATでは、各質量窓内のイオンを選択するために半径方向励起場が使用され、その後、前記選択されたイオンが軸方向加速場を使用して放出される、請求項1に記載のシステム。
  9. 前記プロセッサは、前記質量分析計に、質量選択的軸方向放出(MSAE)を使用して、前記線形イオントラップから前記コリジョンセルへと、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内のイオンを選択および放出することを命令し、MSAEでは、各質量窓内のイオンを選択するために半径方向励起場が使用されるが、前記イオンを放出するために軸方向加速場は使用されず、代わりに、前記線形イオントラップから前記コリジョンセルへと軸方向に各質量窓の前記イオンを放出するために、前記線形イオントラップと前記コリジョンセルの間の出口バリアが下げられる、請求項1に記載のシステム。
  10. 質量分析データの順次ウィンドウ化取得のための方法であって、
    試料についての連続質量範囲および質量窓幅パラメータを受信することと、
    質量分析計のイオントラップにおいて、イオンビームから前記連続質量範囲内にある複数のイオンを収集することであって、ここで、前記イオンビームは、前記試料からのイオン源によって生成されることと、
    線形イオントラップに無線周波数(RF)半径方向励起を適用し、前記線形イオントラップにおいて前記連続質量範囲内にあるイオンを選択することと、
    前記試料から前記線形イオントラップへのイオンビームをオフにすることと、
    前記連続質量範囲内の選択されたイオンを、前記コリジョンセルから前記線形イオントラップへと逆移送することと、
    前記質量窓幅パラメータを使用して、前記連続質量範囲に及ぶ2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓を計算することと、
    前記線形イオントラップにRF半径方向励起を適用し、前記線形イオントラップにおいて、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内のイオンを選択することと、
    前記コリジョンセルを使用して、前記コリジョンセル内に注入される前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内のイオンを断片化することと、
    前記イオントラップから、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内のイオンを放出させ、そして、前記質量分析計の質量アナライザを使用して、前記各質量窓の前記放出されたイオンからの質量スペクトルを検出することにより、前記連続質量範囲についての質量スペクトル集合を生成することであって、ここで、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内の前記イオンは、前記連続質量範囲を走査するために放出されること
    を含む、方法。
  11. 前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓は、同一の幅を有する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記線形イオントラップに無線周波数(RF)半径方向励起を適用し、前記イオントラップから前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内のイオンを選択することは、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓について異なる励起周波数範囲を有する異なるRF波形を使用することを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記質量分析計がいずれかのイオンを前記イオントラップから放出する前に、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓について異なる励起周波数範囲を有する異なるRF波形を計算し、前記質量分析計に記憶することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓は、異なる幅を有する、請求項10に記載の方法。
  15. 前記線形イオントラップに無線周波数(RF)半径方向励起を適用し、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内のイオンを前記イオントラップから選択することは、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓について同一の励起周波数範囲を有する同一のRF波形を使用することを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓の幅は、前記連続質量範囲における各質量窓の質量の増加に伴って増加する、請求項14に記載の方法。
  17. 半径方向振幅支援移送(RAAT)を使用して、前記線形イオントラップから前記コリジョンセルへと、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内のイオンを選択および放出することをさらに含み、RAATでは、各質量窓内のイオンを選択するために半径方向励起場が使用され、その後、前記選択されたイオンが軸方向加速場を使用して放出される、請求項10に記載の方法。
  18. プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記プログラムは、質量分析データの順次ウィンドウ化取得のための方法を行なうために、プロセッサで実行される命令を有するプログラムを含み、
    前記方法は、
    システムを提供することであって、前記システムは、1つまたはそれよりも多くの別個のソフトウェアモジュールを含み、前記別個のソフトウェアモジュールは、分析モジュールおよび制御モジュールを含む、ことと、
    前記分析モジュールを使用して、試料についての連続質量範囲および質量窓幅パラメータを受信することと、
    前記制御モジュールを使用して、質量分析計のイオントラップにおいて、イオンビームから前記連続質量範囲内にある複数のイオンを収集することであって、ここで、前記イオンビームは、前記試料からのイオン源によって生成されることと、
    前記制御モジュールを使用して、線形イオントラップに無線周波数(RF)半径方向励起を適用し、前記線形イオントラップにおいて前記連続質量範囲内にあるイオンを選択することと、
    前記制御モジュールを使用して、前記試料から前記線形イオントラップへのイオンビームをオフにすることと、
    前記制御モジュールを使用して、前記連続質量範囲内の選択されたイオンを、前記コリジョンセルから前記線形イオントラップへと逆移送することと、
    前記分析モジュールを使用して、前記質量窓幅パラメータを使用して、前記連続質量範囲に及ぶ2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓を計算することと、
    前記制御モジュールを使用して、前記線形イオントラップにRF半径方向励起を適用し、前記線形イオントラップにおいて、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内のイオンを選択することと、
    前記制御モジュールを使用して、前記コリジョンセルを使用し、前記コリジョンセル内に注入される前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内のイオンを断片化することと、
    前記制御モジュールを使用して、前記イオントラップから、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内のイオンを放出させ、そして、前記質量分析計の質量アナライザを使用し、前記各質量窓の前記放出されたイオンからの質量スペクトルを検出することにより、前記連続質量範囲についての質量スペクトル集合を生成することであって、ここで、前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓の各質量窓内の前記イオンは、前記連続質量範囲を走査するために放出されること
    を含む、
    コンピュータ読み取り可能な記録媒体
  19. 前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓は、同一の幅を有する、請求項18に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体
  20. 前記2つまたはそれよりも多くの隣接または重複する質量窓は、異なる幅を有する、請求項18に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP2016233916A 2012-04-02 2016-12-01 イオントラップを使用する質量範囲にわたる順次ウィンドウ化取得のためのシステムおよび方法 Active JP6321121B2 (ja)

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