JP6319835B2 - 判定装置及び判定方法 - Google Patents
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Description
品質の低い噴射用ノズルを用いた場合には、地盤中を切削する際に噴流に作用する抵抗が大きくなり、噴流の到達距離すなわち地盤の切削距離が短くなってしまうからである。
しかし、大径噴射攪拌工法の施工現場で使用する以前の段階で、噴射用ノズルの良否を判定する有効な技術は、未だに実用化されていないのが実情である。
しかし、感圧紙は所定の圧力が作用すると変色するので、感圧紙が変色したとしても、どの時点で(変色する以上の)所定圧力が印加されたのかを特定することが出来ない。そして、どの時点で所定圧力が印加されたのかが特定できないため、噴流の圧力が常時均一に作用しないような不良品ノズルであっても、良品と判定してしまうという問題がある。
しかし、当該従来技術(特許文献1)に係る洗浄装置は地盤改良工事に適用することは出来ない。
所定値以上の高い圧力が作用した領域の面積/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積の数値(SH/SP)ならびに、
所定値未満の低い圧力が作用した領域の面積/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積の数値(SL/SP)をパラメータとして演算し、
演算された前記パラメータをしきい値と比較してノズルの良否を判定する制御装置(情報処理装置:例えばコンピュータ10)を有し、
前記制御装置(10)は、
前記圧力感知部(2)からの信号に基づいて、前記噴流が衝突した領域における所定値以上の高い圧力が作用した領域の面積(SH)と、所定値未満の低い圧力が作用した領域の面積(SL)と、噴流の圧力が作用した全ての領域の面積(SP)を決定する手段(11、12、13:或いは機能)と、
前記所定値以上の高い圧力が作用した領域の面積(SH)/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積(SP)の数値を演算する手段(14:或いは機能)と、
前記所定値以上の高い圧力が作用した領域の面積(SH)/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積(SP)の数値を第1の前記しきい値と比較する手段(17:或いは機能)と、
前記所定値未満の低い圧力が作用した領域の面積(SL)/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積(SP)の数値を演算する手段(15:或いは機能)と、
前記所定値未満の低い圧力が作用した領域の面積(SL)/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積(SP)の数値を第2の前記しきい値と比較する手段(18:或いは機能)と、
前記所定値以上の高い圧力が作用した領域の面積(SH)/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積(SP)の数値が第1の前記しきい値よりも大きく、且つ、所定値未満の低い圧力が作用した領域の面積(SL)/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積(SP)の数値が第2の前記しきい値よりも小さい場合に、検査対象である前記ノズル(N)を良品と判断する手段(19:或いは機能)を有することを特徴としている。
第1のしきい値及び第2のしきい値も、施工地盤の性状や、施工使用により、ケース・バイ・ケースで決定される。
前記制御装置(10A)は、
前記圧力感知部(2)からの信号に基づいて、圧力感知部(2)に衝突した噴流が有する全体のエネルギー量を演算する手段(11A:或いは機能)と、
演算された前記エネルギー量と第3の前記しきい値を比較する手段(17A:或いは機能)と、
演算された前記エネルギー量が第3の前記しきい値よりも大きい場合に、検査対象である前記ノズルを良品と判断する手段(19:或いは機能)を有することを特徴としている。
第3のしきい値についても、施工地盤の性状や、施工使用により、ケース・バイ・ケースで決定される。
前記制御装置(10B)は、
前記圧力感知部(2)からの信号に基づいて、噴流が圧力感知部(2)に衝突した領域とその重心位置を決定する手段(11B:或いは機能)と、
当該重心位置の変動する軌跡を決定する手段(12B:或いは機能)と、
当該軌跡を重畳した図形を決定する手段(13B:或いは機能)と、
当該図形の面積を決定する手段(14B:或いは機能)と、
当該面積と第4の前記しきい値を比較する手段(17A:或いは機能)と、
当該面積が第4の前記しきい値よりも小さい場合に、検査対象である前記ノズルを良品と判断する手段(19:或いは機能)を有することを特徴としている。
第4のしきい値についても、施工地盤の性状や、施工使用により、ケース・バイ・ケースで決定される。
圧力感知部(2)からの信号に基づいて、噴流が衝突した領域における所定値以上の高い圧力が作用した領域の面積(SH)と、所定値未満の低い圧力が作用した領域の面積(SL)と、噴流の圧力が作用した全ての領域の面積(SP)を決定する工程と、
所定値以上の高い圧力が作用した領域の面積(SH)/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積(SP)の数値を演算する工程と、
所定値以上の高い圧力が作用した領域の面積(SH)/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積(SP)の数値を第1のしきい値と比較する工程と、
所定値未満の低い圧力が作用した領域の面積(SL)/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積(SP)の数値を演算する工程と、
所定値未満の低い圧力が作用した領域の面積(SL)/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積(SP)の数値を第2のしきい値と比較する工程と、
所定値以上の高い圧力が作用した領域の面積(SH)/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積(SP)の数値を第1のしきい値よりも大きく、且つ、所定値未満の低い圧力が作用した領域の面積(SL)/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積(SP)の数値を第2のしきい値よりも小さい場合に、検査対象である前記ノズルを良品と判断する工程を有していることを特徴としている。
本発明の実施に際して、上述した各種工程は情報処理装置(コントロールユニット)により自動制御で行うことが出来るが、例えば作業者による手作業(いわゆる「手計算」)で行うことも可能である。
圧力感知部(2)からの信号に基づいて、圧力感知部(2)に衝突した噴流が有する全体のエネルギー量を演算する工程と、
演算された前記エネルギー量と第3のしきい値を比較する工程と、
演算された前記エネルギー量が第3のしきい値よりも大きい場合に、検査対象である前記ノズルを良品と判断する工程を有していることを特徴としている。
本発明の実施に際して、上述した各種工程は情報処理装置(コントロールユニット)により自動制御で行うことが出来るが、例えば作業者による手作業(いわゆる「手計算」)で行うことも可能である。
圧力感知部(2)からの信号に基づいて、噴流が圧力感知部(2)に衝突した領域とその重心位置を決定する工程と、
当該重心位置の変動する軌跡を決定する工程と、
当該軌跡を重畳した図形を決定する工程と、
当該図形の面積を決定する工程と、
当該面積と第4のしきい値を比較する工程と、
当該面積が第4のしきい値よりも小さい場合に、検査対象である前記ノズルを良品と判断する工程を有していることを特徴としている。
本発明の実施に際して、上述した各種工程は情報処理装置(コントロールユニット)により自動制御で行うことが出来るが、例えば作業者による手作業(いわゆる「手計算」)で行うことも可能である。
その結果、一定圧以上が作用したか否かのみを判定する従来の感圧紙による検品とは異なり、噴流が圧力感知部に衝突する際に圧力分布を観察することが可能であり、当該圧力分布における任意の数値範囲の圧力についても変動を観察することが可能である。
さらに本発明によれば、一軸圧縮応力、噴流が圧力感知部に衝突する範囲における重心位置、当該重心位置の変動の軌跡も求めることができる。そして、当該データについて、2D画像のみならず、3D画像にして表示することも可能である。
ここで、感圧紙の変色に基づいて判定する従来技術では、一定時間、噴流を感圧紙に衝突させているため、噴流が動いていることが判断できない。
その結果、本発明によれば、噴流全体のエネルギー(積分により得られる)が第3のしきい値よりも大きくければ、検品されたノズル(N)を良品と判断する旨の判断基準を設けることが可能である。
ノズル(N)から噴射される噴流全体のエネルギーが一定値以上であれば、施工地盤を長い距離に亘って切削して(噴流による地盤切削距離を長くして)、大径噴射攪拌工法で半径方向寸法の大きな地中固結体を造成することが可能である。
(E)式において、「t1」〜「t2」は一定以上の圧力で噴流がセンサに衝突した時間であり、「A(x)」は噴流により所定値以上の種々の圧力が作用した領域の面積(一定の圧力範囲毎の領域の面積)であり、「P(x)」は当該領域に作用した圧力である。そして、制御時間は、検査対象であるノズルの良否を判定するのに十分であることが統計的に明らかな時間である(例えば10〜20秒間)。
その結果、本発明によれば、噴流が圧力感知部に衝突した領域の重心位置の軌跡による図形の面積が第4のしきい値よりも小さければ、検品されたノズル(N)を良品であるという判断基準を採用することが可能である。
ここで、噴流が圧力感知部に衝突した領域の重心位置の軌跡による図形の面積が小さいことは、噴流の衝突位置の変動が小さく、いわゆる「ばらついた」状態ではないことを意味している。そして、「ばらついた」状態ではない噴流であれば地盤切削距離を長くすることが可能であり、大径噴射攪拌工法で半径方向寸法の大きな地中固結体を造成することが出来る。
最初に、図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
図1において、第1実施形態に係る判定装置は、噴流噴射装置(以下、「噴射ポンプ」と言う)1と、圧力検知部(以下、「センサ」と言う)2と、制御装置(以下、「コントロールユニット」と言う)10と、表示装置であるディスプレイ20を備えている。
センサ2の前面(図1の左面)は、保護部材である保護シート4によって覆われて、ノズルNから噴射される高圧の噴流の衝撃に対して保護されている。
センサ2の裏面(図1の右面)はセンサ固定板5に固定されている。
センサ固定板5において、センサ2の反対側の面に、コントロールユニット10(情報処理装置)が配置されており、コントロールユニット10は通信ケーブル6によって、ディスプレイ20と接続されている。
ディスプレイ20では、センサ2が感知(計測)した瞬間々々の圧力分布や、任意の時間に亘って重畳した圧力分布状態等、所望の状態が表示される。そしてコントロールユニット10は、センサ2が計測したデータをデジタルデータとして保存するように構成されている。
図1における符号Jは、ノズルNから噴射された噴流(ジェット)である。
図2において、コントロールユニット10は、圧力感知部(2)で感知した圧力に基づいてパラメータをSH/SP、SL/SPとして、第1の面積(SH)決定ブロック11、第2の面積(SL)決定ブロック12、第3の面積(SP)決定ブロック13、第1の面積SHと第3の面積SPの比(SH/SP)を演算するSH/SP演算ブロック14、第2の面積SLと第3の面積SPの比(SL/SP)を演算するSL/SP演算ブロック15、記憶装置16、第1比較回路17、第2比較回路18、判定ブロック19を備えている。
ここで、第1の面積(SH)決定ブロック11は、噴流J(図1参照)が衝突した領域のうち、所定圧以上の圧力が作用した領域の面積SHを決定するブロックである。第2の面積(SL)決定ブロック12は、噴流Jが衝突した領域のうち、所定圧未満の圧力が作用した領域の面積SLを決定するブロックである。第3の面積(SP)決定ブロック13は、噴流Jが衝突した領域全体の面積SP(圧力が作用した領域全体の面積)を決定するブロックである。
第2の面積(SL)決定ブロック12は、センサ2とラインL22で接続され、センサ2が検知した圧力情報によって、所定圧未満の圧力が作用した領域の面積SLを演算(決定)する。
第3の面積(SP)決定ブロック13は、センサ2とラインL23で接続され、センサ2が検知した圧力情報によって、噴流Jが衝突した領域全体の面積SP(圧力が作用した領域全体の面積)を演算(決定)する。
第1比較回路17は、SH/SP演算ブロック14とラインL47で接続され、記憶装置16とはラインL67で接続している。そして、第1比較回路17は、圧力感知部(2)で感知した圧力に基づいたパラメータSH/SPとし、SH/SP演算ブロック14が演算したSH/SPの値(噴流Jが衝突した領域全体の面積SPに対する所定圧以上の圧力が作用した領域SHの比率)と、記憶装置16で記憶した第1のしきい値とを比較する。
一方、第2比較回路18は、圧力感知部(2)で感知した圧力に基づいたパラメータSL/SPとし、SL/SP演算ブロック15とラインL58で接続され、記憶装置16とはラインL68で接続している。そして、第2比較回路18は、SL/SP演算ブロック15が演算したSL/SPの値(噴流Jが衝突した領域全体の面積SPに対する所定圧以上の圧力が作用した領域SHの比率)と、記憶装置16で記憶した第2のしきい値とを比較する。
図3において、ステップS1では、コントロールユニット10の第1の領域面積(SH)決定ブロック11は、センサ2からの圧力情報から所定圧以上の圧力が作用した領域の面積SHを演算(決定)する。
ステップS3に進み、コントロールユニット10の第3の領域面積(SP)決定ブロック13は、センサ2からの圧力情報から圧力が作用した全領域の面積SPを演算(決定)する。
ここで、図3で示す制御ではステップS1、ステップS2、ステップS3の順に実行されるが、ステップS1、S2、S3を実行する順序は、図3で示す順序には限定されない。また、ステップS1、S2、S3を同時に実行することも可能である。
比率「SH/SP」が第1のしきい値を超えていれば(ステップS4がYES)、ステップS5に進む。
一方、比率「SH/SP」が第1のしきい値以下であれば(ステップS4がNO)、ステップS6においてノズルNは「不良品」と判断して制御(判定)を終える。
そして、当該比率「SL/SP」が第2のしきい値未満か否かを判断する。
一方、比率「SL/SP」が第2のしきい値以上であれば(ステップS5がNO)、ステップS6においてノズルNは「不良品」と判断して制御(判定)を終える。
なお、図3ではステップS4を実行した後にステップS5を実行しているが、この順序を逆にすることも可能であり、ステップS4、S5を同時に実行すること可能である。
ここで、「所定値以上の高い圧力が作用した領域の面積(SH)/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積(SP)」の数値が第1のしきい値よりも大きく、且つ、「所定値未満の低い圧力が作用した領域の面積(SL)/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積(SP)」の数値が第2のしきい値よりも小さい、という条件は、圧力感知部(センサ)2に噴流が衝突する圧力が一定以上(従来の感圧紙を用いた検品方法であれば、シャッタ4が開放される以上の圧力)の場合に、成立する必要がある。
例えば、噴射ポンプ1が超高圧3連プランジャーポンプ(国産機種では回転数が150〜300rpm、海外機種では100rpm〜程度)であれば、回転数100rpmのポンプ脈動(1ストロークの時間)は、 1/(100/60)×3=0.2(sec) となる。
ここで、地盤切削用噴流を噴射するノズルの良否判定に必要な部材は、超高圧ポンプ、流量・圧力測定装置、接続のための高圧ホース、配管部品等、ノズルを装着する装着部材(モニタ)であり、必要部品数が比較的多いため、計測の精度向上、安定化のためには、50〜100ストローク分の時間を掛ける必要がある。上述した条件では、1ストロークの時間は0.2秒であるため、制御を実行する時間(ノズルを検査する時間)、すなわち50〜100ストローク分の時間は、 0.2×(50〜100)=10〜20(sec) である。
図示の実施形態(第1〜第3実施形態)では、例えば上記条件において、制御を実行する時間(ノズルを検査する時間)を10〜20秒としている。
圧力感知部(センサ)2と制御装置と情報処理装置であるコントロールユニット10を組み合わせることにより、デジタルデータを保存して、時間的変化(瞬間の変化、一定時間について積分したデータ)を観察することが可能である。
そして、例えば一軸圧縮応力を求めることや、重心位置の演算や重心位置の変化も求めることができる。さらに、2D画像のみならず、3D画像として、表現することも可能である。
ここで、赤色に発色するしきい値より低い圧力が作用する範囲が広範囲に亘って分散しているのであれば、当該噴射ノズルは良品とは言い難い。しかし、感圧紙の表面における赤色に発色した部分が一定領域に集中していれば、その様なノズル(感圧紙に衝突した噴流における若干低圧な圧力が作用する範囲が、広範囲に亘り分散している様な噴射用ノズル)も良品と判定されてしまう。
第1実施形態では、圧力感知部(センサ)2からの信号をコントロールユニット10で処理することにより、所望の圧力(一定範囲の圧力)が印加した領域を観察することが出来るので、上述した様な場合(感圧紙に衝突した噴流における若干低圧な圧力が作用する範囲が、広範囲に亘って分散している場合)に、感圧紙が赤色に発色する圧力が作用する部分が一定領域に集中していたとしても、その様な噴射ノズルを良品と判定してしまうことはない。
それに対して、第1実施形態によれば、噴流が圧力感知部に衝突する際に圧力分布を観察することが可能であり、衝突の瞬間毎に、「所定値以上の高い圧力が作用した領域の面積(SH)/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積(SP)」の数値が第1のしきい値よりも大きいか否かを判定することが出来るので、感圧紙に衝突した噴流が検査中に動いたとしても、上述した様な誤判定をすることが防止される。
これに対して図示の第1実施形態では、噴射用ノズルNの判定は、噴射ノズルNから噴射される噴流がセンサ2に衝突した領域における圧力が、所定値以上になってから(噴流が検査に十分な程度まで高圧となってから、或いは、噴射ポンプ1の性能が十分に発揮された状態になってから)開始することができる。例えば、センサ2の計測信号をコントロールユニット10で処理するのを、センサ2で計測された圧力が一定圧以上になってから開始することができる。
そのため、図示の第1実施形態では、従来の感圧紙を用いる場合に必要とされたシャッタが不要であり、シャッタの開閉制御が不要である。
第2実施形態に係る判定装置の概要については、図1で示すのと同様である。
第2実施形態では、第1実施形態とは異なるコントロールユニットを用いて、第1実施形態とは異なる制御を実行することにより、大径噴射攪拌工法で用いられる地盤切削距離が長い噴流噴射用のノズルの良否を判定している。
以下、図4、図5を参照して、主として図1〜図3の第1実施形態と異なる第2実施形態の内容を説明する。
図4において、コントロールユニット10Aは、積分ブロック11A、比較回路17A、判定ブロック19及び記憶装置(第1実施形態の構成図2でも図示した)16Aを備えている。
比較回路17Aは、積分ブロック11Aで決定した噴流エネルギーと、記憶装置16Aに記憶された噴流エネルギーのしきい値(第3のしきい値)と比較して、その結果を判定ブロック19に送信する機能を有する。
判定ブロック19は、比較回路17Aで出された比較結果(積分ブロック11Aで決定した噴流エネルギーの値としきい値の大小)によって、検査対象(判定対象)であるノズルNが「良品」であるか、「不良品」であるかを判定し、判定結果をディスプレイ20に送信する。
図5において、ステップS11では、積分ブロック11Aにより、センサ2からの継続する圧力情報に基づいて、噴流J(図1参照)のエネルギーを演算(決定)する。そして、ステップS12に進む。
噴流Jのエネルギーは積分により求めることが出来る。具体的には、噴流により所定値以上の種々の圧力が作用した領域の面積(一定の圧力範囲毎の領域の面積:Ax)と、当該領域に作用した圧力(Px)を乗算した値を、噴流が衝突した時間(時間「t1」から時間「t2」まで)について積分して求められる。例えば、以下の(E)式により、噴流Jのエネルギーを表現することが出来る。
ここで、センサ2からの継続する圧力情報は、少なくとも、図5における制御を実行する時間(ノズルを検査する時間)に亘ってコントロールユニット10Aに送信される。そして、制御を実行する時間は、検査対象であるノズルの良否を判定するのに十分であることが統計的に明らかな時間である(例えば10〜20秒間)。但し、検査対象であるノズルやその他の条件により、ケース・バイ・ケースに設定される。
噴流エネルギーがしきい値よりも大きければ(ステップS12がYES)、ステップS13に進み、噴流エネルギーがしきい値以下であれば(ステップS12がNO)、ステップS14に進む。
ステップS14(噴流エネルギーがしきい値以下の場合)では、判定ブロック19がノズルNは、不良品であると判断して制御を終える。
それに対して、図4、図5の第2実施形態では、噴射用ノズルNの良否判定は、噴流全体のエネルギーを基準としており、当該エネルギーがしきい値(第3のしきい値)よりも大きければ良品と判定している。
そのため、図4、図5の第2実施形態では、噴流がセンサ2に衝突している全ての時間について、計測された圧力を積算(積分)して、センサ2に衝突した噴流Jが有する全体のエネルギー量(噴流全体のエネルギー)を演算することが出来る。
そして、ノズルNから噴射される噴流全体のエネルギーが一定値以上であれば、施工地盤を長い距離に亘って切削して(噴流による地盤切削距離を長くして)、大径噴射攪拌工法で半径方向寸法の大きな地中固結体を造成することが可能である。そして、当該ノズルNは良品である。
なお、図4、図5の第2実施形態と図1〜図3の第1実施形態とを組み合わせることが可能である。その場合、図1〜図3の第1実施形態における良否の判定基準と、図4、図5の第2実施形態における良否の判定基準の双方をチェックすることになり、双方は判定基準をクリアしたノズルが良品と判定される。
第3実施形態で用いられる判定装置の概要は、図1で示す装置と同様である。
第3実施形態は、第1実施形態および第2実施形態とは異なるコントロールユニットを用いて、第1実施形態および第2実施形態とは異なる制御を実行することにより、大径噴射攪拌工法で用いられる地盤切削距離が長い噴流噴射用のノズルの良否を判定している。
以下、図6、図7を参照して、主として図1〜図5の実施形態と異なる点について説明する。
図6において、コントロールユニット10Bは、圧力感知部(2)で感知した圧力に基づいたパラメータを噴流が圧力感知部(2)に衝突した領域の重心位置の軌跡重畳図形の面積とし、噴流衝突範囲及びその重心決定ブロック11B、重心軌跡決定ブロック12B、積分ブロック13B、重心軌跡重畳図形の面積決定ブロック14B、比較ブロック17A、判定ブロック19、記憶装置16Bを備えている。
なお、センサ2は、例えば正方形或いは円形の板状部材であり、噴流J(の中心)が当該板状部材の中心点に衝突するのが理想である。しかし、ノズルNの加工精度その他の要因により、噴流J(の中心)がセンサ2に衝突する位置は、瞬間々々で(或いは所定時間毎に)異なる(移動する)。
重心軌跡決定ブロック12Bは、所定時間(例えば、制御サイクル)毎に、噴流Jがセンサ2に衝突した範囲における重心の位置(重心点)を決定する機能と、決定された重心位置を記憶する機能を有している。
重心軌跡重畳図形の面積決定ブロック14Bは、積分ブロック13Bが積分(集積)した重心軌跡重畳図形の面積を決定する。
判定ブロック19は、重心軌跡重畳図形の面積決定ブロック14Bが決定した図形の面積(重心軌跡重畳図形の面積)の値が、しきい値よりも小さい場合にノズルNを良品と判断する。
図7において、ステップS21では、コントロールユニット10の噴流衝突範囲及びその重心決定ブロック11Bにより、センサからの圧力情報に基づいて、制御サイクル毎に、噴流Jがセンサ2に衝突した範囲と、当該範囲における重心の位置(重心点)を決定する。ここで、噴流Jがセンサ2に衝突した範囲と、当該範囲における重心の位置(重心点)を決定するのは、センサ2に衝突した噴流の圧力が一定値(ケース・バイ・ケースで定まる数値)以上の制御サイクルのみにすることが好適である。
次のステップS23では、積分ブロック13Bにより、重心点の軌跡を重畳(積分)する。そしてステップS24に進み、重心軌跡重畳図形の面積決定ブロック14Bにより、ステップS23で重畳した軌跡を積分(集積)して、重心軌跡重畳図形を決定する。
ステップS26では、比較ブロック17Aにより、ステップS25で決定した重心軌跡重畳図形の面積と、記憶装置に記憶されたしきい値(重心軌跡重畳図形の面積のしきい値:第4のしきい値)とを比較する。ここで、重心軌跡重畳図形の面積が小さいということは、噴流Jがセンサ2に衝突位置が「ぶれ」てしまう量(ぶれ量:ばらつき)が少なく、ノズルNが良品であることを意味する。
重心軌跡重畳図形の面積がしきい値(第4のしきい値)よりも小さい場合(ステップS26がYES)、ステップS27に進み、重心軌跡重畳図形の面積がしきい値以上であれば(ステップS26がNO)、ステップS28に進む。
一方、ステップS28(重心軌跡重畳図形の面積がしきい値以上の場合)では、判定ブロック19が検査対象(判定対象)であるノズルNは不良品であると判断して制御を終える。
図7の制御を行なう時間(ノズルを検査する時間)は、検査対象であるノズルの良否を判定するのに十分な時間であり、良品のノズルと不良品のノズルとで重心軌跡重畳図形の面積の差異が顕著になることが統計的に明らかな時間(例えば10〜20秒間)である。但し、検査対象であるノズルやその他の条件により、ケース・バイ・ケースに設定される。
上述した様に、図6、図7の第3実施形態では、圧力感知部(センサ)2と情報処理装置であるコントロールユニット10Bを組み合わせているので、噴流Jがセンサ2に衝突する領域を決定し、その重心位置を演算することや、重心位置の変化を記録することもできる。
なお、噴流Jがセンサ2に衝突する領域の重心位置のバラツキが小さいことは、「所定値以上の高い圧力が作用した領域の面積/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積」の数値が大きく、且つ、「所定値未満の低い圧力が作用した領域の面積/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積」の数値が小さいことと、同様な作用効果を発揮する。
図6、図7の第3実施形態と図1〜図3の第1実施形態とを組み合わせることが可能である。その場合、図1〜図3の第1実施形態における良否の判定基準と、図6、図7の第3実施形態における良否の判定基準の双方をチェックすることになり、双方の判定基準をクリアしたノズルが良品と判定される。
さらに、図1〜図3の第1実施形態と、図4、図5の第2実施形態と、図6、図7の第3実施形態とを組み合わせることも可能である。その場合、図6、図7の第3実施形態における良否の判定基準と、図4、図5の第2実施形態における良否の判定基準と、図1〜図3の第1実施形態における良否の判定基準の全てをチェックすることになり、当該全ての判定基準をクリアしたノズルが良品と判定される。
例えば、図示はされていないが、噴流が圧力感知部に衝突している間における圧力が作用する位置(輝点)を動画として記録し、当該動画において、圧力が作用する位置(輝点)が一定範囲に収まっていれば、そのノズルは良品である旨の基準を採用することも可能である。
また、図示の実施形態では、情報処理装置であるコントロールユニットを用いた自動制御が説明されているが、例えば作業者による手作業(いわゆる「手計算」)で上述した各種工程を実行する場合も包含する。
2・・・圧力感知部/センサ
3・・・アタッチメント
4・・・保護シート
5・・・センサ固定板
6・・・通信ケーブル
10、10A、10B・・・制御装置/コントロールユニット
20・・・ディスプレイ
Claims (6)
- 地盤切削用噴流を噴射するノズルを検品する判定装置において、検査対象であるノズルを噴射口に着脱可能な噴流噴射装置と、噴流噴射装置から噴射された噴流が衝突する圧力を感知する圧力感知部と、圧力感知部を保護する保護部材と、圧力感知部で感知した圧力の分布を表示し、圧力感知部で感知した圧力に基づいて、
所定値以上の高い圧力が作用した領域の面積/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積の数値ならびに、
所定値未満の低い圧力が作用した領域の面積/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積の数値をパラメータとして演算し、
演算された前記パラメータをしきい値と比較してノズルの良否を判定する制御装置を有し、
前記制御装置は、
前記圧力感知部からの信号に基づいて、前記噴流が衝突した領域における所定値以上の高い圧力が作用した領域の面積と、所定値未満の低い圧力が作用した領域の面積と、噴流の圧力が作用した全ての領域の面積を決定する手段と、
前記所定値以上の高い圧力が作用した領域の面積/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積の数値を演算する手段と、
前記所定値以上の高い圧力が作用した領域の面積/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積の数値を第1の前記しきい値と比較する手段と、
前記所定値未満の低い圧力が作用した領域の面積/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積の数値を演算する手段と、
前記所定値未満の低い圧力が作用した領域の面積/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積の数値を第2の前記しきい値と比較する手段と、
前記所定値以上の高い圧力が作用した領域の面積/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積の数値を第1の前記しきい値よりも大きく、且つ、所定値未満の低い圧力が作用した領域の面積/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積の数値を第2の前記しきい値よりも小さい場合に、検査対象である前記ノズルを良品と判断する手段を有することを特徴とする判定装置。 - 地盤切削用噴流を噴射するノズルを検品する判定装置において、検査対象であるノズルを噴射口に着脱可能な噴流噴射装置と、噴流噴射装置から噴射された噴流が衝突する圧力を感知する圧力感知部と、圧力感知部を保護する保護部材と、圧力感知部で感知した圧力の分布を表示し、圧力感知部で感知した圧力に基づいて、前記圧力感知部に衝突した噴流が有する全体のエネルギー量をパラメータとして演算し、演算された前記パラメータをしきい値と比較してノズルの良否を判定する制御装置を有し、
前記制御装置は、
前記圧力感知部からの信号に基づいて、圧力感知部に衝突した噴流が有する全体のエネルギー量を演算する手段と、
演算された前記エネルギー量と第3の前記しきい値を比較する手段と、
演算された前記エネルギー量が第3の前記しきい値よりも大きい場合に、検査対象である前記ノズルを良品と判断する手段を有することを特徴とする判定装置。 - 地盤切削用噴流を噴射するノズルを検品する判定装置において、検査対象であるノズルを噴射口に着脱可能な噴流噴射装置と、噴流噴射装置から噴射された噴流が衝突する圧力を感知する圧力感知部と、圧力感知部を保護する保護部材と、圧力感知部で感知した圧力の分布を表示し、圧力感知部で感知した圧力に基づいて、前記噴流が圧力感知部に衝突した領域とその重心位置の変動する軌跡を重畳した図形の面積をパラメータとして演算し、演算された前記パラメータをしきい値と比較してノズルの良否を判定する制御装置を有し、
前記制御装置は、
前記圧力感知部からの信号に基づいて、噴流が圧力感知部に衝突した領域とその重心位置を決定する手段と、
当該重心位置の変動する軌跡を決定する手段と、
当該軌跡を重畳した図形を決定する手段と、
当該図形の面積を決定する手段と、
当該面積と第4の前記しきい値を比較する手段と、
当該面積が第4の前記しきい値よりも小さい場合に、検査対象である前記ノズルを良品と判断する手段を有することを特徴とする判定装置。 - 地盤切削用噴流を噴射するノズルを噴射口に取り付けて噴流噴射装置から噴流を噴射し、当該噴流が圧力感知部に衝突した際に圧力感知部で計測した計測結果を制御装置により処理する判定方法において、
圧力感知部からの信号に基づいて、噴流が衝突した領域における所定値以上の高い圧力が作用した領域の面積と、所定値未満の低い圧力が作用した領域の面積と、噴流の圧力が作用した全ての領域の面積を決定する工程と、
所定値以上の高い圧力が作用した領域の面積/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積の数値を演算する工程と、
所定値以上の高い圧力が作用した領域の面積/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積の数値を第1のしきい値と比較する工程と、
所定値未満の低い圧力が作用した領域の面積/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積の数値を演算する工程と、
所定値未満の低い圧力が作用した領域の面積/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積の数値を第2のしきい値と比較する工程と、
所定値以上の高い圧力が作用した領域の面積/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積の数値を第1のしきい値よりも大きく、且つ、所定値未満の低い圧力が作用した領域の面積/噴流の圧力が作用した全ての領域の面積の数値を第2のしきい値よりも小さい場合に、検査対象である前記ノズルを良品と判断する工程を有していることを特徴とする判定方法。 - 地盤切削用噴流を噴射するノズルを噴射口に取り付けて噴流噴射装置から噴流を噴射し、当該噴流が圧力感知部に衝突した際に圧力感知部で計測した計測結果を制御装置により処理する判定方法において、
圧力感知部からの信号に基づいて、圧力感知部に衝突した噴流が有する全体のエネルギー量を演算する工程と、
演算された前記エネルギー量と第3のしきい値を比較する工程と、
演算された前記エネルギー量が第3のしきい値よりも大きい場合に、検査対象である前記ノズルを良品と判断する工程を有していることを特徴とする判定方法。 - 地盤切削用噴流を噴射するノズルを噴射口に取り付けて噴流噴射装置から噴流を噴射し、当該噴流が圧力感知部に衝突した際に圧力感知部で計測した計測結果を制御装置により処理する判定方法において、
圧力感知部からの信号に基づいて、噴流が圧力感知部に衝突した領域とその重心位置を決定する工程と、
当該重心位置の変動する軌跡を決定する工程と、
当該軌跡を重畳した図形を決定する工程と、
当該図形の面積を決定する工程と、
当該面積と第4のしきい値を比較する工程と、
当該面積が第4のしきい値よりも小さい場合に、検査対象である前記ノズルを良品と判断する工程を有していることを特徴とする判定方法。
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