JP6319723B2 - 光微小共振器 - Google Patents

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Description

本発明は、光微小共振器に関するものである。
今までの情報処理は、電圧や電荷等の観測できる物理量の値に数値を対応させることにより実現されている。一方、量子情報処理においては、量子力学に基づく重ね合わせ状態に情報を載せ、盗聴不可能な情報通信(量子暗号)や大規模な並列計算を可能にする計算機(量子コンピュータ)が実現可能になると考えられており、研究開発が進められている。
このような量子情報処理を行うための基本素子として、光子を1つずつ発生する単一光子源が有力な候補となっている。この単一光子源を量子暗号通信の光源として用いることにより、盗聴があった際に識別可能となるセキュアな通信が可能となる。更に単一光子発生器から発せられる光子の性質を揃えお互いに区別出来ない(識別不可能)状態が実現されると、量子演算と呼ばれる量子力学的重ね合わせ状態に対する演算が可能となり、量子中継による長距離量子暗号通信、量子コンピュータなどより高度な量子情報処理につながる技術となる。
単一光子源の性能である光子の取り出し効率と識別不可能性は、どちらも光子の自然放射寿命に大きく依存する。非発光再結合過程の寿命より自然放射寿命が長いと発光効率自体が低下する。また、発光素子内の電子・正孔対(励起子)の散乱寿命(コヒーレンス時間)より自然放射寿命が長いと、発光中に量子力学的位相が変化してしまうため光子の均一性が失われてしまい、識別不可能性が低下してしまう。
従って、量子情報通信システムに使用される単一光子発生器をより高度な量子演算などに応用する場合には、発生した光子が特定の電磁界モードに効果的に結合し発光寿命が短くなる(弱結合)ような素子構造を用いる。これにより、発生する光子の取り出し効率及び識別不可能性を向上させることができる。また、コヒーレントな単一光子源や、電子と光子の相互もつれ(エンタングル)などを実現するためには、発光体が電磁界モードに非常に強く結合すること(強結合)が必要となる。このような構造としては、発光体である量子ドットをDBR(distributed Bragg reflector)ミラーを用いてミクロンサイズのピラー構造に埋め込んだマイクロピラー共振器が有望とされている。一般的なマイクロピラー共振器は、単層の中心層と、中心層の上下に設けられたDBRミラーを有するピラーにより形成されている。
しかしながら、現状においては、半導体量子ドットによる通信波長〜1.55μm帯の発光に適用するマイクロピラー共振器の報告例は少数にとどまっている。これは、1.55μm帯での単一光子源に適した量子ドットは、現在のところInP基板上でしか実現されておらず、InP基板に格子整合する半導体材料の組み合わせでは、光学的な共振器構造を実現するために要する高い屈折率差を作り出すことが困難であるからである。
発明者達は、屈折率差を高くすることのできるSi/SiO−DBRミラーと量子ドットを含む半導体中心層をハイブリッド接合して、高品質の通信波長帯マイクロピラー共振器を形成する方法を提案した(例えば、非特許文献1、2)。しかしながら、この構造で十分な共振器特性を実現するためには、共振器ピラーの横サイズが大きい(例えば円形ピラーの場合直径D>1.6μm)ので、共振器中に存在する量子ドットの数を抑えることは難しい。よって、この共振器で強結合状態を実現することは難しい。
小さい横サイズ、即ち、横幅のマイクロピラーで高い品質を実現する技術として、一般的なマイクロピラー共振器では単層の中心層だけであった部分を、多層のテーパDBR構造にする方法が開示されている(例えば、非特許文献3、4)。テーパDBRとは、通常のDBRと同様に二種材料を交互に繰り返して積層した構造であるが、その膜厚が共振器中心に近づくに従って徐々に減少するように形成されている。しかしながら、開示されている共振器に用いられているAlAs/GaAs、SiO/TiOの材料の組み合わせは、InP系材料からなる通信波長帯となる1.55μmの光源には適しておらず、かつ、低い屈折率差により増大するピラー高さによって、加工プロセスが困難であるという問題も有している。
このため、通信波長帯の単一光子源として用いるためには、小さいピラーサイズで十分高い品質を得られるマイクロピラー共振器が必要となる。
宋他、第60回応用物理学会春季学術講演会,29a-PB6-1. Song et al., Opt.Lett. 38, 3241(2013). M. Lermer et al.,Phys.Rev.Lett.108,057402(2012). Y. Zhang and M.Loncar, Opt. Lett. 34, 902 (2009). Optical Electronics, edited by A. Yariv(Saunders College, San Francisco, 1991). Handbook ofoptical constants of solids, edited by E. D. Palik(Academic Press, An Imprint of Elsevier, 1998). K. Takemoto et al., Appl. Phys. Exp. 3, 092802 (2010). T. Kuroda et al., Phys. Stat. Sol.(c) 6, 944 (2009).
上記のように、単一光子源の性能を高める方法として、発光体である量子ドットをDBRを用いた微小共振器の中に埋め込むことは非常に有効である。特に、中心層に近くなるほど薄くなるように、膜厚を徐々に変化させた2層膜の繰り返しによる構造(テーパDBR)においては、高い品質因子Qを得ることができる。
しかしながら、光ファイバーで長距離伝送が可能な1.55μm領域の光を効率的に発光することが可能な量子ドットは、現在のところInP基板上のInAs量子ドットのみである。従って、InP基板上でエピタキシャル成長することが可能な半導体材料であって、高い屈折率差を有する材料の組み合わせは得られていない。このため、上述した材料によりDBRを形成した場合、光閉じ込めが弱いため、電磁界の実行的な広がりを表すモード体積が大きくなってしまうとともに、十分な反射率を得るためのDBRの層数が多くなる。よって、ピラー高さが20μm以上となり、極めて大きくなってしまうという問題がある。
また、InP基板上にInAs量子ドットを形成する場合に、良質な量子ドットが得られる条件における量子ドットの面密度は、1010cm−2程度である。よって、量子ドットのバラツキ等を考慮しても、ピラー内に存在する量子ドットの数は100個程度以下にしなければ良好な単一光子特性を得ることは困難である。
従って、InP基板上のInAs量子ドットを用いたマイクロピラー型単一光子源のように大きな屈折率差を得ることが困難な材料系を発光層(中心層)に用いた共振器構造において、小型で、高い品質因子Qを得ることのできる光微小共振器が求められている。例えば、10μm程度以下の高さ、1μm程度以下の直径で、数100程度以上の高い品質因子Qを得ることを可能とする光微小共振器が求められている。
本実施の形態の一観点によれば、微小な発光体を含み、第1の材料を含む材料により形成された中心層と、前記中心層の一方の側に設けられた第1の通常DBR層と、前記中心層の他方の側に設けられた第2の通常DBR層と、前記中心層と前記第1の通常DBR層との間に設けられた第1の遷移DBR層と、前記中心層と前記第2の通常DBR層との間に設けられた第2の遷移DBR層と、を有し、前記第1の通常DBR層及び前記第2の通常DBR層は、第2の材料と第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、前記第3の材料は、前記第2の材料よりも屈折率の高い材料であって、前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記第2の材料と前記第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、前記第2の材料により形成される層及び/または前記第3の材料により形成される層の膜厚を徐々に変化させながら形成されるものであって、前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記中心層に近づくに従って光の減衰率が徐々に小さくなっており、前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第2の材料により形成される層の膜厚は、前記中心層に近づくに従って徐々に薄くなっており、前記第3の材料により形成される層の膜厚が、前記中心層に近づくに従って徐々に厚くなっていることを特徴とする。
開示の光微小共振器によれば、InP基板上に形成されたInAs量子ドット等により形成される発光層(中心層)を有する共振器構造において、小型で、高い品質因子Qを得ることができる。
TM波に対する平面DBRミラーでの電磁界減衰の割合の膜厚依存性の説明図 第1の実施の形態及び第2の実施の形態における光微小共振器の構造図 第1の実施の形態における光微小共振器の遷移DBR層のテーパ段数Nと品質因子Qとの相関図 第1の実施の形態における光微小共振器のピラー直径Dと品質因子Qとの相関図 第1の実施の形態における光微小共振器の特性図(1) 第1の実施の形態における光微小共振器の特性図(2) 第1の実施の形態における光微小共振器の製造方法の工程図(1) 第1の実施の形態における光微小共振器の製造方法の工程図(2) 第1の実施の形態における光微小共振器の製造方法の工程図(3) 第2の実施の形態における光微小共振器の特性図 第3の実施の形態における光微小共振器の構造図 第3の実施の形態における光微小共振器のピラー直径DとPurcell因子Fとの相関図 第3の実施の形態における光微小共振器の特性図 第4の実施の形態における光微小共振器の構造図 第4の実施の形態における光微小共振器の特性図 第5の実施の形態における光微小共振器の構造図 第5の実施の形態における光微小共振器の特性図
実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。ピラーの形状は円形に限定されるものではないが、本願においては、直径Dを持つ円形ピラーを例として説明する。
(実施の形態の概要)
開示する実施の形態は、周期が一定のSi/SiO通常DBRとInP中心層との間に、膜厚を徐々に変化させた2層膜の繰り返しにより形成される遷移DBR層が設けられているSi/SiO−InPマイクロピラー共振器である。
例えば、この構造の光微小共振器の1つは、遷移DBR層がテーパ型構造、即ち、遷移DBR層内における各単層の膜厚が中心層に近くなるほど薄くなるものであり、この構造のものをテーパ型ハイブリッドマイクロ共振器と呼ぶことにする。このような共振器構造においては、1μm以下のピラー直径で、比較的高い品質因子Qを得ることができる。
さらに他の構造として、マイクロピラー共振器における通常DBRと中心層との間に挿入されている遷移DBR層において、高屈折率層と低屈折率層の膜厚の比を一定に保つことなく膜厚を変化させる構造が挙げられる。特に、中心層に近くなるに従って、低屈折率層よりも高屈折率層における膜厚の比率が大きくなるように変化させた遷移DBR層を有する構造が好ましい。
テーパ型ハイブリドマイクロ共振器構造においては、通常の設計を行った場合、中心層の膜厚がλ/4以下となってしまう。しかしながら、上記のように低屈折率層よりも高屈折率層における膜厚の比率が大きくなるように変化させることにより、中心層の膜厚を厚くしても高いQ値の得られる共振器を得ることができる。従って、構造パラメータを適切に選ぶことにより、ピラーの直径が波長の数倍程度以下であっても、高いQ値を得ることが可能になる。
(実施の形態における効果)
DBRを用いたマイクロピラー型微小共振器では、近似的に言えば、ピラーの縦方向となる軸方向においてはDBRによるブラッグ反射により光閉じ込めを行い、横方向となる半径方向においては屈折率差による全反射による光閉じ込めを行うことにより共振器構造を実現している。しかしながら、全反射がおこるのは平面波の場合であり、微小共振器のように反射面が有限領域である場合は厳密には、全反射はおこらず有限のリークが発生する。これが微小共振器におけるQ値が有限の値になる理由の1つである。即ち、全反射が起こらない理由は、光が有限領域に閉じ込められていることにより、波数成分に広がりが生じ、全反射条件を満たさない成分が発生するからである。
テーパ型構造においては、DBR層の膜厚を中心層に近づくに従って薄くすることにより、DBRのバンドギャップを高波数側に徐々にシフトさせている。これによりDBRの減衰率は中心層に近づくに従って小さくなり、ゆるやかな光閉じ込めが実現される。光閉じ込めがゆるやかになることにより、光の電磁界の包絡線の変化も緩やかになり、フーリエ変換により得られる電磁界の波数成分の広がりも小さくなり、全反射条件を満たさない光の成分を小さくすることができる。
しかしながら、DBRの減衰率を中心層に近づくに従って小さくする方法は、DBR層の膜厚を中心に近づくに従って薄くすることによりバンドギャップを高波数側にシフトさせる方法が唯一のものではない。高屈折率層及び低屈折率層の膜厚の変化のさせ方には様々な方法があり、バンドギャップの中心波長をシフトさせるだけではなく、バンドギャップの幅自体を変化させることによっても可能である。
この様子を定性的に調べるには、平面DBRで解析を行えばよい。例えば、積層方向をZ方向とした場合のTMモードに対して考えると、次のようになる。まず、数1に示される式のように、Eを進行波成分Eと後退波成分Eとに分ける。すると各接合面での境界条件は数2に示される式となり、数3に示される式が得られる。
Figure 0006319723
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Figure 0006319723
これに基づき、材料1及び材料2の2層膜からなる領域の両側のEを結びつける縦続行列Fは、数4に示される。
Figure 0006319723
尚、数5に示されるものは材料iでできた層における誘電率であり、数6に示されるものはz方向の波数である。
Figure 0006319723
Figure 0006319723
平面DBRの1層(高屈折率層1層+低屈折率層1層)あたりの電磁界の振幅の減衰割合を表す定数は、数4に示される行列の固有値であり、数7に示される固有方程式の解xとして与えられる。
Figure 0006319723
数7に示される方程式の解が、2つの異なる実数となる場合、一方の解の絶対値は1より大きく、他方は1より小さくなるため、考えている光の波長はDBRの阻止域にあり、絶対値の小さい解が1層あたりの電磁界の減衰の割合となる。
TEモードに対しても、上記固有方程式の誘電率の代わり透磁率を用いることにより、同様の結果を得ることができる。
図1は、以上のように計算したTM波に対する平面DBRミラーでの電磁界の減衰の割合を表す定数xのDBR膜厚依存性を示している。上記のように、xは1層進む毎に電磁界がどれだけ小さくなるかを表しているので、xの値が小さいほど減衰の割合は大きい。従って、DBRの減衰率を最も大きくするためには、高屈折率層及び低屈折率層をともに、λ/4の奇数倍にする必要があることがわかるが、これよりも小さい減衰率を得るためには、様々な膜厚の組み合わせがあることがわかる。よって、中心層の膜厚にあまり制約を与えることなく、中心に近づくに従って減衰率が小さくなるような緩やかな光閉じ込めを実現することは可能である。
以下に開示する実施の形態は、このような様々な構造変化に基づき遷移DBRを形成することにより、中心層の膜厚にあまり制約を与えることなく、高いQ値をもつマイクロピラー型微小共振器を得るものである。尚、開示される実施の形態おいて得られるQ値については、開示される実施の形態とともに記載する。
〔第1の実施の形態〕
(構造)
第1の実施の形態における光微小共振器は、中心層に近づくに従って遷移DBR層における各材料の膜厚が連続的に薄くなるマイクロピラー型微小共振器である。本実施の形態における光微小共振器について、図2に基づき説明する。図2は、本実施の形態における光微小共振器の構造の断面図である。
本実施の形態における光微小共振器は、中心層11と、中心層11の両側となる上下に第1の通常DBR層21と第2の通常DBR層22とを有している。また、中心層11と第1の通常DBR層21との間には第1の遷移DBR層31が設けられており、中心層11と第2の通常DBR層22との間には第2の遷移DBR層32が設けられている。
中心層11は、微小な発光体を含む第1の材料111により形成されている。第1の通常DBR層21及び第2の通常DBR層22は、第2の材料112である低屈折率材料と第3の材料113である高屈折率材料とを同じ周期で交互に積層することにより形成されている。第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32は、第2の材料112である低屈折率材料と第3の材料113である高屈折率材料とを各々の膜厚等を徐々に変化させながら交互に積層することにより形成されている。また、本実施の形態における光微小共振器は、全体として積層方向に軸を持つ波長の数倍程度の半径を持つ円柱またはそれに近い立体構造を有している。
より詳細に説明すると、本実施の形態における光微小共振器は、基板10の上に、ピラー100が立つように形成されている。ピラー100の上面における形状は円形に限定されるものではないが、本実施の形態においては、直径Dを持つ円形ピラーを例として説明する。本実施の形態における光微小共振器は、ピラー100の中央付近に第1の材料111により形成された中心層11がある。中心層11には発光体が形成されている。中心層11の上下側には、各々二種類の多層膜DBRミラーが形成されている。具体的には、本実施の形態における光微小共振器は、基板10の上に、第1の通常DBR層21、第1の遷移DBR層31、中心層11、第2の遷移DBR層32、第2の通常DBR層22の順に積層して形成されているピラー100を有している。
基板10の上に形成された第1の通常DBR層21は、通常DBRミラーであって、第2の材料112である低屈折率材料と第3の材料113である高屈折率材料とを所定の膜厚で交互に積層することにより形成されたn周期の構造ものである。第2の材料112である低屈折率材料により形成される低屈折率層及び第3の材料113である高屈折率材料により形成される高屈折率層の光学厚さ(光に対して真空中に相当する値)は、ブラッグ波長λの1/4であればいい。即ち、第2の材料112により形成される低屈折率層の膜厚t=λ/4ne2となり、第3の材料113により形成される高屈折率層の膜厚t=λ/4ne3となるように形成されている。ここでは、ne2、ne3は第2の材料112、第3の材料113における有効屈折率であり、ピラー直径Dにより変わる。尚、有効屈折率は非特許文献5に開示されている方法により計算することができる。また、上述した材料の光学常数は非特許文献6等に開示されている。ブラッグ波長λは目標波長付近、例えば、通信波長の1.55μmとなるように設定する。
ピラー100の一番上に形成された第2の通常DBR層22は、第1の通常DBR層21と同様な構造のものであって、低屈折率層と高屈折率層とをm周期となるように形成したものである。マイクロピラー共振器においては、このような構造はm/n−DBR対と記載される場合がある。第1の通常DBR層21と中心層11との間には、テーパDBRである第1の遷移DBR層31が形成されており、第2の通常DBR層22と中心層11の間には、テーパDBRである第2の遷移DBR層32が形成されている。第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32は、第1の通常DBR層21及び第2の通常DBR層22と同様に、第2の材料112である低屈折率材料と第3の材料113である高屈折率材料とを交互に積層することにより形成されている。本願明細書においては、第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32については、単に遷移DBR層と記載して説明する場合がある。
尚、本実施の形態においては、第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32は、周期構造ではなく、低屈折率層及び高屈折率層の膜厚が、中心層11に近づくに従って、徐々に薄くなるN段からなる構造である。テーパDBRにおける膜厚設定は、一例として、第2の材料112により形成される低屈折率膜の膜厚はt2i=t(1−2ρi)であり、第3の材料113により形成される高屈折率膜の膜厚はt3i=t(1−ρ(2i−1))である。ここでは、段番号iは、第1の通常DBR層21または第2の通常DBR層22より離れるにともない大きくなる整数であり、ρは層厚変化のスロープ(傾き)である。また、中心層11の膜厚はテーパDBRの構造と関係があり、例えば、t=σλ(1−2ρN)/4ne1とするのがよい。尚、ne1は第1の材料111の有効屈折率であり、σは約1と等しい調整係数である。以上の設定は1例であって、これに限定されるものではなく、上記の方式よりもずれている場合の方が、より効果がある場合がある。例えば、この例のように膜厚を直線的に(即ち、1次関数で表されるように)変化させるのではなく、放物線的に(即ち、2次関数で表されるように)変化させる方法も効果的である。これ以降の実施の形態も同様である。
本実施の形態におけるテーパ型マイクロピラー共振器構造の光学性能は、FTDT(finite-difference-time-domain)法を用いて解析することができる。解析においては、第1の材料111としてInAs量子ドットを含むInPを用い、第2の材料112としてSiOを用い、第3の材料113としてSiを用いるものとした。また、基板10としてSiを用い、ピラー100の直径D=0.8μm、4/6.5−DBR対、λ=1.55μm、ρ=0.045、σ〜1となるように設定して、遷移DBR層のテーパ段数Nによる最適化した品質因子Qの変化を計算した。この結果を図3に示す。N=0の場合では、非特許文献1、2に開示されている構造のものと同様であり、InPにより形成された中心層11の厚さは、ほぼ1波長であり、第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32が形成されていないため、Q値は100以下と非常に小さい。テーパDBRとなる第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32が形成されると、Q値はテーパ段数一段あたり約一桁の割合で上昇する。第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32を3段テーパDBRにした場合では、Q値は略10に達する。4段テーパとするとやや飽和傾向となるものの、Q値が10以上になる。よって、本実施の形態における光微小共振器においては、光微小共振器におけるピラー100のピラー直径が、サブミクロン(sub-micrometer)の領域においても、高いQ値が得られることがわかる。
尚、光微小共振器における各種パラメータを適切に調整することにより、特定の波長に対応するように構造を最適化することができる。図4には、モード波長をλ=1.55μmに合わせた場合において、ピラー100におけるピラー直径Dと対応する最適な品質因子Qとの関係を示す。尚、本願においては、品質因子Qを単にQ値と記載する場合がある。また、ピラー直径Dの範囲はサブミクロンの領域である。最適な光微小共振器における縦構造は、横サイズであるピラー直径Dに依存して変わる。この結果よりピラー直径Dが0.6μm〜1.0μmの範囲で、1.55μmのInAs/InP量子ドット発光に対して、10以上のQ値が得られることがわかる。最も良い場合の一つは、D=0.8μmの構造のものであり、Q〜8´10が得られた。この構造の光微小共振器の縦構造は、4/6.5−DBR対、遷移DBR層は3段テーパ、λ=1.58μm、ρ=0.05、σ=1.18、ピラー高さ7.6μm、中心層11の厚さt〜115nmである。
図5(a)は、本実施の形態における光微小共振器におけるピラー100のピラー直径Dとモード波長λとの関係を示すものであり、図5(b)は、ピラー100のピラー直径Dと品質因子Qとの関係を示すものである。
「●」は、上述した縦構造において、ピラー直径Dを変えた場合の光学性能の変化を示し、「×」は、従来のSi/SiO−InP共振器の場合を示す。「●」により示される上述した縦構造において、ピラー直径Dを変えた場合の光学性能の変化は、「×」により示される従来のSi/SiO−InP共振器と同様に、モード波長λが変化している。本実施の形態において、通信波長1.55μm帯の付近(例えば、1.3μm〜1.7μm)のモード波長λを得るためのピラー直径Dの範囲は、サブミクロン領域(例えば、D=0.5μm〜1.0μm)である。また、Q値は、ピラー直径Dの範囲がサブミクロンの範囲では10以上である。
また、図5においては、「▲」は、他の縦構造における直径依存性を示す。この縦構造では、6/9.5−DBR対、遷移DBR層は4段テーパ、共振器はD=0.65μm、モード波長1.55μmに対して、縦構造λ=1.76μm、ρ=0.03、σ=1.19、t1=140nm、ピラー高さ12μmの場合に最適となる。この際得られるQ値は、Q=3×10であった。この場合は、ピラー直径D=0.5μm〜0.8μmの範囲で、モード波長λは通信波長1.55μm帯付近の1.3μm〜1.7μmに収まり、Q値は10以上の高い値となる。また、モード体積Vが〜0.8(λ/nで小さいこともわかる。
これらのテーパ型Si/SiO−DBR_InPハイブリド共振器は、従来のSi/SiO−DBR_InP共振器である大きい直径(D>2μm)でQ<4000、V>>1(λ/nのものと比べて、性能の優位性が著しい。以上より、本実施の形態における光微小共振器においては、上述した構造とすることにより、通信波長帯に対応する波長において、小さい直径、高いQ値を実現することができる。
ところで、上述した高いQ値は、テーパDBRである第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32を用いたことにより得られる効果ではあるが、実際には中心層11も関係している。即ち、AlAs/GaAs−DBRマイクロピラー共振器(非特許文献3)、TiO/SiO−DBRマイクロピラー共振器(非特許文献4)では、中心層の材料として、DBRにおける低屈折率層または高屈折率層を形成している材料が用いられている。このため、中心層もテーパDBRの一部となり、連続的な一体の構造となっているため、原理的に高いQ値を得ることは容易である。
しかしながら、本実施の形態においては、中心層11は、DBRを形成している第2の材料112及び第3の材料113とは異なる第1の材料111により形成されているため、光微小共振器の性能が変化する。図6(a)は、第3の材料113における屈折率nに対する第1の材料111における屈折率nの比率(n/n)とモード波長λとの関係を示す。また、図6(b)は、第3の材料113における屈折率nに対する第1の材料111における屈折率nの比率(n/n)と品質因子Qとの関係を示す。尚、図6は、ピラー直径D=0.8μm、4/6.5対DBR(光学層厚λ/4)、遷移DBR層は3段テーパDBR(ρ=0.045)であり、中心層11の厚さを調整して最大Q値を求めた結果である。中心層11がSiの場合、モード波長λ=1.55μm、Q=1×10である。中心層11を形成している材料の屈折率が、Siの屈折率の値からずれると、モード波長λも変化し、Q値も低下する。しかしながら、中心層11における材料の屈折率(n)がSiの屈折率(n)より±30%以内の範囲で増減しても、モード波長λは大体±0.05μmの範囲内に保たれ、Q値は1×10以上に保たれる。中心層11を形成している材料がInPやInGaAsPの場合、高いQ値が得られる理由は、これらの屈折率がSiの屈折率の値に近いからである。
以上で述べたマイクロピラー共振器の最も重要な効果は、強結合を実現できることである。具体的に説明すると、強結合ができる条件は数8に示される式で表される(非特許文献3)。尚、γが量子ドットの純dephasing率、κ=2πc/Qλが共振器モードの半値幅、gは量子ドットと共振器の光モードが結合する強度であり、数9に示す式で表される。
Figure 0006319723
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一般的に、InAs/InP量子ドットの自然放射寿命Tは〜1.2ns(非特許文献7)であり、コヒーレンス時間Tは〜130ps(非特許文献8)であることを用いて、λ=1.55μmの場合について計算する。この場合、f=εcλ/(2πn)〜28、γ=1/T−1/2T〜4.6×1010−1となる。控えめに見積もってQ=10、V=1(λ/n)としても、κ=1.2×1011−1とg=1.4×1011−1、そして、g/(κ+γ)=0.84>1/4が得られる。従って、本実施の形態における光微小共振器の構造にすることにより、通信波長1.55μm帯において、強結合状態を実現することが可能であることがわかる。このように強結合状態が実現できるのであれば、弱結合状態を得ることはより簡単である。
Q値が向上するとともに、共振器の横サイズが小さくなることにより、単一ドット発光が実現しやすくなる。例えば、量子ドットの面密度を5×1010cm−2、発光スペクトル半値幅を50meVにした場合においては、D=0.8μm、Q=10を有するマイクロピラー共振器にモードと共鳴する量子ドットは、0.8個になる。
この共振器のピラー高さは7μm〜12μmであり、従来のSi/SiO−DBR_InP共振器の4.5μm(非特許文献2)と比べてよいとはいえないが、従来のGaAs/AlAsやSiO/TiOテーパ型マイクロピラー共振器よりはよい。GaAs/AlAsテーパ共振器はモードλ〜0.9μmではピラー高さが〜9.6μmであるため、λ〜1.55μmの場合においては、ピラー高さが〜16μmになる。TiO/SiOテーパ共振器はモードλ〜0.64μmではピラー高さが〜6.2μmであるため、λ〜1.55μmの場合においては、ピラー高さが〜15μmとなる。
(光微小共振器の製造方法)
次に、本実施の形態における光微小共振器の製造方法について説明する。説明の便宜上、基板10がSi、中心層11を形成している第1の材料111がInP、第1の通常DBR層21及び第1の遷移DBR層31等を形成している第2の材料112がSiO、第3の材料113がSiにより形成した場合について説明する。図7から図9は、本実施の形態における光微小共振器の製造方法を説明する工程断面図である。
最初に、図7(a)に示すように、本実施の形態における光微小共振器の中心層11を形成する。中心層11は、例えば、分子線エピタキシー(molecular beam epitaxy:MBE)法又は有機金属気相成長(metal organic chemical vapor deposition:MOCVD)法により形成する。具体的には、InPウェハ50の上に、厚さが1μm〜数μmのInPからなる不図示のバッファ層を形成し、更に、基板10と格子整合するエッチストップ層51として、例えば、膜厚が〜100nm程度となるInGaAsからなる層を形成する。更に、エッチストップ層51の上に、不図示の量子ドット下地InP層を〜60nm程度形成した後、基板温度や成長環境を調整してInAsを〜2原子層程度の堆積させることによりInAs量子ドットを形成する。更にこの後、〜60nm程度の不図示のキャップInP層を成長する。これにより、量子ドット下地InP層、InAs量子ドット及びキャップInP層により中心層11が形成される。
次に、図7(b)に示すように、テーパDBRである第1の遷移DBR層31と第1の通常DBR層21を順に成膜する。具体的には、MOCVD装置等より量子ドットが形成されたInP基板を取り出して蒸着装置内に設置する。Si/SiOの成膜は、PECVD(plasma-enhanced chemical vapor deposition)や電子ビーム蒸着等により行なう。具体的には、中心層11の上に、SiO−Siの順に交互にN回繰り返して蒸着を行なうことによりテーパDBRとなる第1の遷移DBR層31を形成する。第1の遷移DBR層31においては、蒸着により成膜される膜厚は各々違っている。3段テーパの場合では、例えば、SiO/Siの厚さが、順に、247.0nm/93.6nm、282.5nm/106.0nm、317.8nm/118.5nmとなるように蒸着する。これにより、第1の遷移DBR層31を形成する。この後、第1の遷移DBR層31の上に、一定の厚さ(例えば、353.0nm/124.8nm)でSiO/Siを交互にn回繰り返して蒸着することにより、第1の通常DBR層21を形成する。
次に、図7(c)に示すように、第1の通常DBR層21まで成膜されているInPウェハ50の上下反転し、基板10となるSiウェハの上に、第1の通常DBR層21が位置するように貼り合せる。このSiウェハは、これまでの構造図において基板10として示されているものである。基板10となるSiウェハの上の貼り合せはウェハボンディングなどの方法で行う。これにより、Siウェハである基板10の上に、第1の通常DBR層21、第1の遷移DBR層31、中心層11、エッチストップ層51、InPウェハ50の順に積層されたものが形成される。従って、第1の通常DBR層21は基板10と接しており、中心層11等を含むInPウェハ50は上側になる。
次に、図8(a)に示すように、研磨により、InPウェハ50の大部分を削り落とした後、例えば、HPO/HCl溶液を用いたウェットエッチング等により、不図示のInPからなるバッファ層を除去することにより、エッチストップ層51を露出させる。
次に、図8(b)に示すように、例えば、HPO/H溶液を用いたウェットエッチングにより、InGaAs等により形成されているエッチストップ層51を除去することにより、表面に中心層11を露出させる。
次に、図8(c)に示すように、基板10を再び蒸着装置に設置し、中心層11の上に、第2の遷移DBR層32を形成し、第2の遷移DBR層32の上に第2の通常DBR層22を形成する。尚、第2の遷移DBR層32は、N段SiO/SiのテーパDBRであり、第1の遷移DBR層31と同様に蒸着による成膜により形成する。第2の通常DBR層22は、m周期の通常SiO/Si−DBRであり第1の通常DBR層21と同様に、蒸着による成膜により形成する。これにより、光微小共振器を形成するための共振器の縦構造が形成される。
次に、図9に示すように、リソグラフィによるパターニングにより、ピラー100が形成される領域に不図示のレジストパターンを形成した後、レジストパターンの形成されていない領域において基板10の表面が露出するまでエッチングにより除去する。これにより、一定の横サイズとなるピラー直径Dを有するマイクロピラーを形成することができ、本実施の形態における光微小共振器を作製することができる。この後、不図示のレジストパターンは、有機溶剤等により除去する。尚、上記エッチングは、ドライエッチングを含む方法であってもよい。
上記においては、エッチストップ層51等のように作製プロセス上必要であるが、本実施の形態における最終的な構造において不要なものはすべて取り除くものとして説明している。しかしながら、これらのものが十分に薄いまたは屈折率が隣接する層に近い等の理由により、最終的な光学特性に与える影響が十分小さいのであれば残っても構わない。また、中心層11の上に第2の遷移DBR層32を成膜する際に、中心層11が大気にさらされる影響や成膜時のダメージを回避するため、光学特性へ影響を与えない範囲でパッシベーション層等を挿入することも可能である。
ところで、本実施の形態における光微小共振器においては、中心層11の表面を露出させる際の技術が困難である。即ち、極めて薄い中心層11を膜厚を変えることなく表面を露出させるためには、極めて高いエッチング技術が必要であり、中心層11の厚さが変化してしまった場合には、光微小共振器における性能が著しく劣化してしまう。また、量子ドットから接合界面までの距離が近いため、エッチング、張り合わせ、第2の遷移DBR層32、第2の通常DBR層22の成膜等のプロセスにおける物理的及び熱的ダメージにより、量子ドットの発光特性が劣化してしまう場合がある。これらの問題を低減するため、更に、以下の実施の形態について開示する。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態における光微小共振器は、第1の材料111からなる中心層11の厚さtが〜115nmと極めて薄く、このようにInP層が極めて薄いことが、製造プロセスを困難なものとしている。従って、加工精度の確保や量子ドットへのダメージ低減のためには、なるべく中心層11が厚くなるような構造であることが好ましい。
本実施の形態における光微小共振器は、DBRにおいて、第3の材料113により形成されている層を厚く形成し、第2の材料112により形成されている層を薄く形成した光微小共振器である。
本実施の形態における光微小共振器は、第1の実施の形態と同様に、第1の通常DBR層21、第1の遷移DBR層31、中心層11、第2の遷移DBR層32、第2の通常DBR層22により形成されている。第1の通常DBR層21及び第2の通常DBR層22は通常DBRミラーであり、第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32は遷移DBRミラーである。
次に、本実施の形態における光微小共振器の膜厚等を第1の実施の形態における形式に基づき記載する。本実施の形態における光微小共振器の1つは、第1の通常DBR層21及び第2の通常DBR層22は4/6.5対DBRミラーであり、Siの膜厚はt=λ/3ne3、SiOの膜厚はt=λ/6ne2(λ/3−λ/6DBR構造)である。尚、Siが第3の材料113となり、SiOが第2の材料112となる。第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32は、N=3、ρ=0.05である。InPにより形成される中心層11は、σ=1.16、全体にλ=1.58μmとする光微小共振器である。
本実施の形態における光微小共振器の他の1つは、第1の通常DBR層21及び第2の通常DBR層22は4/6.5対DBRミラーであり、Siの膜厚はt=3λ/8ne3、SiOの膜厚はt=λ/8ne2(3λ/8−λ/8DBR構造)である。尚、Siが第3の材料113となり、SiOが第2の材料112となる。第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32は、N=3とρ=0.05であり、InPにより形成される中心層11は、σ=1.30、全体にλ=1.58μmとする光微小共振器である。
これらの光微小共振器における特性を図10に示す。尚、図10(a)は、ピラー100におけるピラー直径Dとモード波長λとの相関図であり、図10(b)は、ピラー100におけるピラー直径Dと品質因子Qとの相関図である。図10に示されるように、ピラー100におけるピラー直径Dが1μm以下の領域において、共振波長〜1.55μm及び10000以上のQ値を得ることができる。特に、本実施の形態においては、InPにより形成される中心層11の厚さtを150nm、185nm程度にすることができるため、第1の実施の形態における光微小共振器と比べて、中心層11における量子ドットへのダメージ等が低減される。尚、本実施の形態におけるマイクロピラー共振器の製造方法は、第1の実施の形態と略同様であるため省略する。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、遷移DBR層において、中心層11に近づくに従って第2の材料112により形成される層の膜厚が徐々に薄くなり、第3の材料113により形成される層の膜厚が徐々に厚くなるように形成されている。即ち、本実施の形態は、遷移DBR層において、第2の材料112により形成される低屈折率層の膜厚に対する第3の材料113により形成される高屈折率層の膜厚の比が、中心層11に近づくに従って徐々に増加する構造の一例である。
図1からわかるように、このような膜厚の変化のさせ方は、遷移DBR層における第3の材料である高屈折率材料により形成される高屈折率層を中心層11の付近で膜厚を厚くするのに最も有利な方法である。
図11に示されるように、本実施の形態における光微小共振器は、中心層11と、中心層11の両側となる上下に第1の通常DBR層21と第2の通常DBR層22とを有している。また、中心層11と第1の通常DBR層21との間には第1の遷移DBR層31が設けられており、中心層11と第2の通常DBR層22との間には第2の遷移DBR層32が設けられている。
より詳細に説明すると、本実施の形態における光微小共振器は、基板10の上に、ピラー100が立つように形成されている。本実施の形態における光微小共振器においては、ピラー100の中央付近に第1の材料111により形成された中心層11がある。中心層11には発光体が形成されており、中心層11の上下側には、各々二種類の多層膜DBRミラーが形成されている。具体的には、基板10の上に、第1の通常DBR層21、第1の遷移DBR層31、中心層11、第2の遷移DBR層32、第2の通常DBR層22の順に積層して形成されているピラー100を有している。
このDBRにおける低屈折率層及び高屈折率層の光学厚さは、ブラッグ波長λの1/4−3/4となっている。一例として、第2の材料112により形成される膜の膜厚をt=αλ/4ne2とし、第3の材料113により形成される層の膜厚t=3αλ/4ne3とする。ここでα、αは、1に近い調整パラメータである。ブラッグ波長λは目標波長の近く、例えば、通信波長の1.55μmに設定する。
基板10の上に形成されている第1の通常DBR層21はn周期のDBRミラーである。また、ピラー100の一番上には第1の通常DBR層21と同様のm周期の第2の通常DBR層22が形成されている。第1の通常DBR層21と中心層11との間には、第1の遷移DBR層31が設けられており、第2の通常DBR層22と中心層11との間には、第2の遷移DBR層32が設けられている。第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32は、第1の通常DBR層21及び第2の通常DBR層22と同じ材料を交互に積層することにより形成されており、膜厚が徐々に変化するN段からなる構造である。但し、第1の実施の形態におけるテーパDBRと違って、中心層11に近づくに従って第2の材料112により形成される層は徐々に薄くなり、第3の材料113により形成される層は徐々に厚くなる。第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32における膜厚変化は、一例として、第2の材料112により形成される層の膜厚がt2i=t(1−ρi)、第3の材料113により形成される層の膜厚がt3i=t(3+ρi)/3となっている。ここでは、ρ、ρを膜厚変化のスロープ(傾き)という。尚、中心層11の膜厚は例えばt=αλ(3+ρ(N+1))/4ne1である。
第3の実施の形態における効果を説明する前に、共振器を評価するパラメータを説明する。発光体の自然放射率が増強される程度を表すのはPurcell因子Fがある。簡単にいえば、Fは発光体の元自然放射寿命と共振器に入れた後の自然放射寿命の比に等しい。InAs/InP量子ドットの自然放射寿命Tは、例えば、1.2nsとなる(非特許文献7)。識別不可な光子を作るためには、自然放射寿命がコヒーレンス寿命T(例えば、0.13ns(非特許文献8))の半分程度以下にする必要がある。従って、通信波長帯のInAs/InP量子ドットに対して有効な共振器はFが20以上となるようにする必要がある。本実施の形態における光微小共振器は、この要求を満たすことができることを以下で表す。
基板10をSi、第1の材料111をInP、第2の材料112をSiO、第3の材料113をSiにより形成し、4/6.5対DBRと3段遷移層DBRを有する共振器の構造について考える。低屈折率層及び高屈折率層における膜厚は、上記の式より、α2、α=1、ρ=ρ=1/4に設定する。このような共振器構造においては、モード波長λがピラー直径Dによらずモード波長λ〜1.5μmとなる。ピラー100におけるピラー直径DによるPurcell因子Fの変化を図12に示す。Fが20以上になるのは、小さいピラー直径Dの範囲内にもあるため、本実施の形態における光微小共振器は、小さいピラー直径Dにおいても、弱結合条件を満足することができる。尚、光微小共振器の縦構造はピラー直径Dによっても変化する。
次に、本実施の形態における微小光共振器における直径依存性を検討する。先の構造に基づいて、α=1.03、α=0.88にすると、共振器はピラー直径D=0.85μmでモード波長λ=1.55μm、品質因子Q〜1000、Purcell因子F=55となる。このような縦構造を固定して、共振器特性のピラー直径依存性を図13に示す。図13(a)は、ピラー直径Dとモード波長λとの関係を示し、図13(b)は、ピラー直径Dと品質因子Qとの関係を示し、図13(c)は、ピラー直径DとPurcell因子Fとの関係を示す。
従来のSi/SiO−DBR_InP共振器と比べて、モード波長の変化は同様で、Q値はより高くなっているため、性能の向上が確認される。また、Fは直径2μm以下の場合に従来より高くなる。特に、D〜0.85μm周辺では、λ〜1.55μmとF>20となり、本実施の形態における光微小共振器は、サブミクロンの直径で弱結合条件をよく満足することがわかり、第1の実施の形態における光微小共振器と同様に、単一ドットと共鳴することができる。また、ピラー高さは〜11μmであり、合理的な範囲に収まっている。
本実施の形態における光微小共振器においては、InPにより形成される中心層11の厚さは〜500nmであり、第1の実施の形態における光微小共振器よりも数倍厚くすることができる。これにより、容易に加工精度を確保することができ、量子ドットへのダメージも低減することができる。尚、本実施の形態におけるマイクロピラー共振器の製造方法は、第1の実施の形態と略同様であるため省略する。
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、中心層11に近づくに従って遷移DBR層における第2の材料112により形成される層の膜厚が徐々に薄くなって、第3の材料113により形成される層の膜厚が一定となるように形成されているマイクロピラー共振器である。尚、本実施の形態は、遷移DBR層において、第2の材料112により形成される低屈折率層の膜厚に対する第3の材料113により形成される高屈折率層の膜厚の比が、中心層11に近づくに従って徐々に増加する構造の一例である。
本実施の形態における光微小共振器の構造の縦断面図を図14に示す。ピラー100の上段/下段には、第3の実施の形態と同様に、m/n周期の第1の通常DBR層21/第2の通常DBR層22が形成されている。第1の通常DBR層21及び第2の通常DBR層22における低屈折率層及び高屈折率層の光学厚さは、ブラッグ波長λの1/4−3/4となる。例えば、第2の材料112により形成される層の膜厚はt=αλ/4ne2、第3の材料113により形成される層の膜厚はt=3αλ/4ne3とする。ブラッグ波長λは目標波長の近く、例えば通信波長の1.55μmに設定する。第1の通常DBR層21と中心層11との間には、第1の遷移DBR層31が設けられており、第2の通常DBR層22と中心層11との間には、第2の遷移DBR層32が設けられている。
第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32は、第1の通常DBR層21及び第2の通常DBR層22と同じ材料をN回交互に積層することにより形成されている。本実施の形態は、第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32において、中心層11に近づくに従って、第3の材料113により形成されている高屈折率層の膜厚が一定であって、第2の材料112により形成されている低屈折率層の膜厚を徐々に薄くする。従って、高屈折率層については、第1の通常DBR層21及び第2の通常DBR層22と同様である。
例えば、第3の材料113である高屈折率材料により形成されている層の膜厚をt3i=tとし、第2の材料112である低屈折率材料により形成されている層の膜厚をt2i=t(1−ρi)となるように形成する。このように第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32を形成した場合、中心層11の膜厚はt=3αλ/4ne1とする。
本実施の形態において、基板10をSi、第1の材料111をInP、第2の材料112をSiO、第3の材料113をSiとした場合において、4/6.5対DBRと3段の遷移DBR層を有するマイクロピラー共振器の特性を図15に示す。尚、α=0.91、α=1.07、ρ=1/4として各膜厚は設定されている。図15(a)は、ピラー直径Dとモード波長λとの関係を示し、図15(b)は、ピラー直径Dと品質因子Qとの関係を示し、図15(c)は、ピラー直径DとPurcell因子Fとの関係を示す。
従来のSi/SiO−DBR_InP共振器と比べて、モード波長の変化は同様で、Q値は基本的により高くなっているため、性能の向上が確認される。これからFは直径2μm以下の場合に従来より大幅に高まる傾向があることがわかる。特に、直径D〜0.88μm周辺では、λ〜1.55μmとF>20となり、本実施の形態における光微小共振器は、サブミクロンの直径で弱結合条件をよく満足することがわかる。
本実施の形態においては、InPにより形成される中心層11の厚さは〜440nmであり、第1の実施の形態における光微小共振器より数倍厚くすることができる。これにより、容易に加工精度を確保することができ、量子ドットへのダメージも低減されることが期待される。尚、本実施の形態におけるマイクロピラー共振器の製造方法は第1の実施の形態と略同様であるため省略する。
〔第5の実施の形態〕
次に、第5の実施の形態について説明する。本実施の形態は、中心層11に近づくに従って遷移DBR層における第2の材料112により形成される層の膜厚を一定に保ちながら、第3の材料113により形成される層の膜厚が徐々に厚くなるように形成されたマイクロピラー共振器である。尚、本実施の形態は、遷移DBR層において、第2の材料112により形成される低屈折率層の膜厚に対する第3の材料113により形成される高屈折率層の膜厚の比が、中心層11に近づくに従って徐々に増加する構造の一例である。
図16は、第5の実施の形態における光微小共振器の構造の縦断面図である。ピラー100の上段/下段には、第2の実施の形態と同様に、m/n周期の第1の通常DBR層21/第2の通常DBR層22が形成されている。第1の通常DBR層21及び第2の通常DBR層22における低屈折率層及び高屈折率層の光学厚さは、ブラッグ波長λの1/4−3/4となる。例えば、第2の材料112である低屈折率材料により形成される層の膜厚はt=αλ/4ne2であり、第3の材料113である高屈折率材料により形成される層の膜厚はt=3αλ/4ne3とする。ブラッグ波長λは目標波長の近く、例えば通信波長の1.55μmに設定する。第1の通常DBR層21と中心層11との間には、第1の遷移DBR層31が設けられており、第2の通常DBR層22と中心層11との間には、第2の遷移DBR層32が設けられている。
第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32は、第1の通常DBR層21及び第2の通常DBR層22と同じ材料をN回交互に積層することにより形成されている。本実施の形態は、第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32において、中心層11に近づくに従って、第2の材料112により形成された低屈折率層の膜厚が一定であって、第3の材料113により形成された高屈折率層の膜厚を徐々に厚くする。従って、低屈折率層については、第1の通常DBR層21及び第2の通常DBR層22と同様である。
例えば、第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32における第2の材料112の膜厚はt2i=t、第3の材料113における膜厚はt3i=t(3+ρi)/3となるように形成する。このように第1の遷移DBR層31及び第2の遷移DBR層32を形成した場合、中心層11の膜厚は、例えば、t=3αλ/4ne1とする。
本実施の形態において、基板10をSi、第1の材料111をInP、第2の材料112をSiO、第3の材料113をSiとした場合において、4/6.5対DBRと3段の遷移DBR層を有するマイクロピラー共振器の特性を図17に示す。尚、α=1.05、α=1.23、ρ=1/4として各膜厚は設定されている。図17(a)は、ピラー直径Dとモード波長λとの関係を示し、図17(b)は、ピラー直径Dと品質因子Qとの関係を示し、図17(c)は、ピラー直径DとPurcell因子Fとの関係を示す。
従来のSi/SiO−DBR_InP共振器と比べて、モード波長λの変化は同様で、Q値は高くすることが可能であるため、性能の向上が確認される。また、直径D〜1.15μm周辺では、モード波長λ〜1.55μmとF>20となり、本実施の形態における光微小共振器は、小さい直径で弱結合条件を満足することがわかる。
本実施の形態においては、InPにより形成されている中心層11の厚さtは〜600nmであり、第1の実施の形態における光微小共振器より数倍厚くなる。これにより、容易に加工精度を確保することができ、量子ドットへのダメージも低減されることが期待される。尚、本実施の形態におけるマイクロピラー共振器の製造方法は第1の実施の形態と同様であるため省略する。
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。即ち、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
上記の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
微小な発光体を含み、第1の材料を含む材料により形成された中心層と、
前記中心層の一方の側に設けられた第1の通常DBR層と、
前記中心層の他方の側に設けられた第2の通常DBR層と、
前記中心層と前記第1の通常DBR層との間に設けられた第1の遷移DBR層と、
前記中心層と前記第2の通常DBR層との間に設けられた第2の遷移DBR層と、
を有し、
前記第1の通常DBR層及び前記第2の通常DBR層は、第2の材料と第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、
前記第3の材料は、前記第2の材料よりも屈折率の高い材料であって、
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記第2の材料と前記第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、前記第2の材料により形成される層及び/または前記第3の材料により形成される層の膜厚を徐々に変化させながら形成されるものであって、
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記中心層に近づくに従って光の減衰率が徐々に小さくなっていることを特徴とする光微小共振器。
(付記2)
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第3の材料により形成される層の膜厚が、前記中心層に近づくに従って、徐々に薄くなっていることを特徴とする付記1に記載の光微小共振器。
(付記3)
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第2の材料により形成される層の膜厚は、前記中心層に近づくに従って徐々に薄くなっており、
前記第3の材料により形成される層の膜厚が、前記中心層に近づくに従って徐々に厚くなっていることを特徴とする付記1に記載の光微小共振器。
(付記4)
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第2の材料により形成される層の膜厚は、前記中心層に近づくに従って徐々に薄くなっており、
前記第3の材料により形成される層の膜厚は一定であることを特徴とする付記1に記載の光微小共振器。
(付記5)
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第2の材料により形成される層の膜厚は一定であって、
前記第3の材料により形成される層の膜厚が、前記中心層に近づくに従って徐々に厚くなっていることを特徴とする付記1に記載の光微小共振器。
(付記6)
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第3の材料により形成される層の膜厚が、前記中心層に近づくに従って、徐々に厚くなっていることを特徴とする付記1に記載の光微小共振器。
(付記7)
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第2の材料により形成される層の膜厚に対する前記第3の材料により形成される層の膜厚の比率が、前記中心層に近づくに従って、徐々に大きくなることを特徴とする付記1に記載の光微小共振器。
(付記8)
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第2の材料により形成される層の膜厚、及び、前記第3の材料により形成される層の膜厚は、ともに前記中心層に近づくに従って、徐々に厚くなっていることを特徴とする付記7に記載の光微小共振器。
(付記9)
前記第1の通常DBR層、前記第1の遷移DBR層、前記中心層、前記第2の遷移DBR層、前記第2の通常DBR層は、基板の上に形成されているピラーに形成されており、
前記ピラーの上面は円形であることを特徴とする付記1から8のいずれかに記載の光微小共振器。
(付記10)
前記第1の材料はInPを含む材料により形成されており、前記第2の材料はSiOを含む材料により形成されており、前記第3の材料はSiを含む材料により形成されていることを特徴とする付記1から9のいずれかに記載の光微小共振器。
10 基板
11 中心層
21 第1の通常DBR層
22 第2の通常DBR層
31 第1の遷移DBR層
32 第2の遷移DBR層
50 InPウェハ
51 エッチストップ層
100 ピラー
111 第1の材料
112 第2の材料
113 第3の材料

Claims (8)

  1. 微小な発光体を含み、第1の材料を含む材料により形成された中心層と、
    前記中心層の一方の側に設けられた第1の通常DBR層と、
    前記中心層の他方の側に設けられた第2の通常DBR層と、
    前記中心層と前記第1の通常DBR層との間に設けられた第1の遷移DBR層と、
    前記中心層と前記第2の通常DBR層との間に設けられた第2の遷移DBR層と、
    を有し、
    前記第1の通常DBR層及び前記第2の通常DBR層は、第2の材料と第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、
    前記第3の材料は、前記第2の材料よりも屈折率の高い材料であって、
    前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記第2の材料と前記第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、前記第2の材料により形成される層及び/または前記第3の材料により形成される層の膜厚を徐々に変化させながら形成されるものであって、
    前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記中心層に近づくに従って光の減衰率が徐々に小さくなっており、
    前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第2の材料により形成される層の膜厚は、前記中心層に近づくに従って徐々に薄くなっており、
    前記第3の材料により形成される層の膜厚が、前記中心層に近づくに従って徐々に厚くなっていることを特徴とする光微小共振器。
  2. 微小な発光体を含み、第1の材料を含む材料により形成された中心層と、
    前記中心層の一方の側に設けられた第1の通常DBR層と、
    前記中心層の他方の側に設けられた第2の通常DBR層と、
    前記中心層と前記第1の通常DBR層との間に設けられた第1の遷移DBR層と、
    前記中心層と前記第2の通常DBR層との間に設けられた第2の遷移DBR層と、
    を有し、
    前記第1の通常DBR層及び前記第2の通常DBR層は、第2の材料と第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、
    前記第3の材料は、前記第2の材料よりも屈折率の高い材料であって、
    前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記第2の材料と前記第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、前記第2の材料により形成される層及び/または前記第3の材料により形成される層の膜厚を徐々に変化させながら形成されるものであって、
    前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記中心層に近づくに従って光の減衰率が徐々に小さくなっており、
    前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第2の材料により形成される層の膜厚は、前記中心層に近づくに従って徐々に薄くなっており、
    前記第3の材料により形成される層の膜厚は一定であることを特徴とする光微小共振器。
  3. 微小な発光体を含み、第1の材料を含む材料により形成された中心層と、
    前記中心層の一方の側に設けられた第1の通常DBR層と、
    前記中心層の他方の側に設けられた第2の通常DBR層と、
    前記中心層と前記第1の通常DBR層との間に設けられた第1の遷移DBR層と、
    前記中心層と前記第2の通常DBR層との間に設けられた第2の遷移DBR層と、
    を有し、
    前記第1の通常DBR層及び前記第2の通常DBR層は、第2の材料と第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、
    前記第3の材料は、前記第2の材料よりも屈折率の高い材料であって、
    前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記第2の材料と前記第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、前記第2の材料により形成される層及び/または前記第3の材料により形成される層の膜厚を徐々に変化させながら形成されるものであって、
    前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記中心層に近づくに従って光の減衰率が徐々に小さくなっており、
    前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第3の材料により形成される層の膜厚が、前記中心層に近づくに従って、徐々に厚くなっていることを特徴とする光微小共振器。
  4. 微小な発光体を含み、第1の材料を含む材料により形成された中心層と、
    前記中心層の一方の側に設けられた第1の通常DBR層と、
    前記中心層の他方の側に設けられた第2の通常DBR層と、
    前記中心層と前記第1の通常DBR層との間に設けられた第1の遷移DBR層と、
    前記中心層と前記第2の通常DBR層との間に設けられた第2の遷移DBR層と、
    を有し、
    前記第1の通常DBR層及び前記第2の通常DBR層は、第2の材料と第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、
    前記第3の材料は、前記第2の材料よりも屈折率の高い材料であって、
    前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記第2の材料と前記第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、前記第2の材料により形成される層及び/または前記第3の材料により形成される層の膜厚を徐々に変化させながら形成されるものであって、
    前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記中心層に近づくに従って光の減衰率が徐々に小さくなっており、
    前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第2の材料により形成される層の膜厚は一定であって、
    前記第3の材料により形成される層の膜厚が、前記中心層に近づくに従って徐々に厚くなっていることを特徴とする光微小共振器。
  5. 微小な発光体を含み、第1の材料を含む材料により形成された中心層と、
    前記中心層の一方の側に設けられた第1の通常DBR層と、
    前記中心層の他方の側に設けられた第2の通常DBR層と、
    前記中心層と前記第1の通常DBR層との間に設けられた第1の遷移DBR層と、
    前記中心層と前記第2の通常DBR層との間に設けられた第2の遷移DBR層と、
    を有し、
    前記第1の通常DBR層及び前記第2の通常DBR層は、第2の材料と第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、
    前記第3の材料は、前記第2の材料よりも屈折率の高い材料であって、
    前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記第2の材料と前記第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、前記第2の材料により形成される層及び/または前記第3の材料により形成される層の膜厚を徐々に変化させながら形成されるものであって、
    前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記中心層に近づくに従って光の減衰率が徐々に小さくなっており、
    前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第2の材料により形成される層の膜厚、及び、前記第3の材料により形成される層の膜厚は、ともに前記中心層に近づくに従って、徐々に厚くなっていることを特徴とする光微小共振器。
  6. 微小な発光体を含み、第1の材料を含む材料により形成された中心層と、
    前記中心層の一方の側に設けられた第1の通常DBR層と、
    前記中心層の他方の側に設けられた第2の通常DBR層と、
    前記中心層と前記第1の通常DBR層との間に設けられた第1の遷移DBR層と、
    前記中心層と前記第2の通常DBR層との間に設けられた第2の遷移DBR層と、
    を有し、
    前記第1の通常DBR層及び前記第2の通常DBR層は、第2の材料と第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、
    前記第3の材料は、前記第2の材料よりも屈折率の高い材料であって、
    前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記第2の材料と前記第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、前記第2の材料により形成される層及び/または前記第3の材料により形成される層の膜厚を徐々に変化させながら形成されるものであって、
    前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記中心層に近づくに従って光の減衰率が徐々に小さくなっており、
    前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第2の材料により形成される層の膜厚に対する前記第3の材料により形成される層の膜厚の比率が、前記中心層に近づくに従って、徐々に大きくなることを特徴とする光微小共振器。
  7. 前記第1の通常DBR層、前記第1の遷移DBR層、前記中心層、前記第2の遷移DBR層、前記第2の通常DBR層は、基板の上に形成されているピラーに形成されており、
    前記ピラーの上面は円形であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の光微小共振器。
  8. 前記第1の材料はInPを含む材料により形成されており、前記第2の材料はSiO を含む材料により形成されており、前記第3の材料はSiを含む材料により形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の光微小共振器。
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