JP6319723B2 - 光微小共振器 - Google Patents
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Description
開示する実施の形態は、周期が一定のSi/SiO2通常DBRとInP中心層との間に、膜厚を徐々に変化させた2層膜の繰り返しにより形成される遷移DBR層が設けられているSi/SiO2−InPマイクロピラー共振器である。
DBRを用いたマイクロピラー型微小共振器では、近似的に言えば、ピラーの縦方向となる軸方向においてはDBRによるブラッグ反射により光閉じ込めを行い、横方向となる半径方向においては屈折率差による全反射による光閉じ込めを行うことにより共振器構造を実現している。しかしながら、全反射がおこるのは平面波の場合であり、微小共振器のように反射面が有限領域である場合は厳密には、全反射はおこらず有限のリークが発生する。これが微小共振器におけるQ値が有限の値になる理由の1つである。即ち、全反射が起こらない理由は、光が有限領域に閉じ込められていることにより、波数成分に広がりが生じ、全反射条件を満たさない成分が発生するからである。
(構造)
第1の実施の形態における光微小共振器は、中心層に近づくに従って遷移DBR層における各材料の膜厚が連続的に薄くなるマイクロピラー型微小共振器である。本実施の形態における光微小共振器について、図2に基づき説明する。図2は、本実施の形態における光微小共振器の構造の断面図である。
次に、本実施の形態における光微小共振器の製造方法について説明する。説明の便宜上、基板10がSi、中心層11を形成している第1の材料111がInP、第1の通常DBR層21及び第1の遷移DBR層31等を形成している第2の材料112がSiO2、第3の材料113がSiにより形成した場合について説明する。図7から図9は、本実施の形態における光微小共振器の製造方法を説明する工程断面図である。
次に、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態における光微小共振器は、第1の材料111からなる中心層11の厚さt1が〜115nmと極めて薄く、このようにInP層が極めて薄いことが、製造プロセスを困難なものとしている。従って、加工精度の確保や量子ドットへのダメージ低減のためには、なるべく中心層11が厚くなるような構造であることが好ましい。
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、遷移DBR層において、中心層11に近づくに従って第2の材料112により形成される層の膜厚が徐々に薄くなり、第3の材料113により形成される層の膜厚が徐々に厚くなるように形成されている。即ち、本実施の形態は、遷移DBR層において、第2の材料112により形成される低屈折率層の膜厚に対する第3の材料113により形成される高屈折率層の膜厚の比が、中心層11に近づくに従って徐々に増加する構造の一例である。
次に、第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、中心層11に近づくに従って遷移DBR層における第2の材料112により形成される層の膜厚が徐々に薄くなって、第3の材料113により形成される層の膜厚が一定となるように形成されているマイクロピラー共振器である。尚、本実施の形態は、遷移DBR層において、第2の材料112により形成される低屈折率層の膜厚に対する第3の材料113により形成される高屈折率層の膜厚の比が、中心層11に近づくに従って徐々に増加する構造の一例である。
次に、第5の実施の形態について説明する。本実施の形態は、中心層11に近づくに従って遷移DBR層における第2の材料112により形成される層の膜厚を一定に保ちながら、第3の材料113により形成される層の膜厚が徐々に厚くなるように形成されたマイクロピラー共振器である。尚、本実施の形態は、遷移DBR層において、第2の材料112により形成される低屈折率層の膜厚に対する第3の材料113により形成される高屈折率層の膜厚の比が、中心層11に近づくに従って徐々に増加する構造の一例である。
(付記1)
微小な発光体を含み、第1の材料を含む材料により形成された中心層と、
前記中心層の一方の側に設けられた第1の通常DBR層と、
前記中心層の他方の側に設けられた第2の通常DBR層と、
前記中心層と前記第1の通常DBR層との間に設けられた第1の遷移DBR層と、
前記中心層と前記第2の通常DBR層との間に設けられた第2の遷移DBR層と、
を有し、
前記第1の通常DBR層及び前記第2の通常DBR層は、第2の材料と第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、
前記第3の材料は、前記第2の材料よりも屈折率の高い材料であって、
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記第2の材料と前記第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、前記第2の材料により形成される層及び/または前記第3の材料により形成される層の膜厚を徐々に変化させながら形成されるものであって、
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記中心層に近づくに従って光の減衰率が徐々に小さくなっていることを特徴とする光微小共振器。
(付記2)
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第3の材料により形成される層の膜厚が、前記中心層に近づくに従って、徐々に薄くなっていることを特徴とする付記1に記載の光微小共振器。
(付記3)
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第2の材料により形成される層の膜厚は、前記中心層に近づくに従って徐々に薄くなっており、
前記第3の材料により形成される層の膜厚が、前記中心層に近づくに従って徐々に厚くなっていることを特徴とする付記1に記載の光微小共振器。
(付記4)
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第2の材料により形成される層の膜厚は、前記中心層に近づくに従って徐々に薄くなっており、
前記第3の材料により形成される層の膜厚は一定であることを特徴とする付記1に記載の光微小共振器。
(付記5)
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第2の材料により形成される層の膜厚は一定であって、
前記第3の材料により形成される層の膜厚が、前記中心層に近づくに従って徐々に厚くなっていることを特徴とする付記1に記載の光微小共振器。
(付記6)
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第3の材料により形成される層の膜厚が、前記中心層に近づくに従って、徐々に厚くなっていることを特徴とする付記1に記載の光微小共振器。
(付記7)
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第2の材料により形成される層の膜厚に対する前記第3の材料により形成される層の膜厚の比率が、前記中心層に近づくに従って、徐々に大きくなることを特徴とする付記1に記載の光微小共振器。
(付記8)
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第2の材料により形成される層の膜厚、及び、前記第3の材料により形成される層の膜厚は、ともに前記中心層に近づくに従って、徐々に厚くなっていることを特徴とする付記7に記載の光微小共振器。
(付記9)
前記第1の通常DBR層、前記第1の遷移DBR層、前記中心層、前記第2の遷移DBR層、前記第2の通常DBR層は、基板の上に形成されているピラーに形成されており、
前記ピラーの上面は円形であることを特徴とする付記1から8のいずれかに記載の光微小共振器。
(付記10)
前記第1の材料はInPを含む材料により形成されており、前記第2の材料はSiO2を含む材料により形成されており、前記第3の材料はSiを含む材料により形成されていることを特徴とする付記1から9のいずれかに記載の光微小共振器。
11 中心層
21 第1の通常DBR層
22 第2の通常DBR層
31 第1の遷移DBR層
32 第2の遷移DBR層
50 InPウェハ
51 エッチストップ層
100 ピラー
111 第1の材料
112 第2の材料
113 第3の材料
Claims (8)
- 微小な発光体を含み、第1の材料を含む材料により形成された中心層と、
前記中心層の一方の側に設けられた第1の通常DBR層と、
前記中心層の他方の側に設けられた第2の通常DBR層と、
前記中心層と前記第1の通常DBR層との間に設けられた第1の遷移DBR層と、
前記中心層と前記第2の通常DBR層との間に設けられた第2の遷移DBR層と、
を有し、
前記第1の通常DBR層及び前記第2の通常DBR層は、第2の材料と第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、
前記第3の材料は、前記第2の材料よりも屈折率の高い材料であって、
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記第2の材料と前記第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、前記第2の材料により形成される層及び/または前記第3の材料により形成される層の膜厚を徐々に変化させながら形成されるものであって、
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記中心層に近づくに従って光の減衰率が徐々に小さくなっており、
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第2の材料により形成される層の膜厚は、前記中心層に近づくに従って徐々に薄くなっており、
前記第3の材料により形成される層の膜厚が、前記中心層に近づくに従って徐々に厚くなっていることを特徴とする光微小共振器。 - 微小な発光体を含み、第1の材料を含む材料により形成された中心層と、
前記中心層の一方の側に設けられた第1の通常DBR層と、
前記中心層の他方の側に設けられた第2の通常DBR層と、
前記中心層と前記第1の通常DBR層との間に設けられた第1の遷移DBR層と、
前記中心層と前記第2の通常DBR層との間に設けられた第2の遷移DBR層と、
を有し、
前記第1の通常DBR層及び前記第2の通常DBR層は、第2の材料と第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、
前記第3の材料は、前記第2の材料よりも屈折率の高い材料であって、
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記第2の材料と前記第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、前記第2の材料により形成される層及び/または前記第3の材料により形成される層の膜厚を徐々に変化させながら形成されるものであって、
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記中心層に近づくに従って光の減衰率が徐々に小さくなっており、
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第2の材料により形成される層の膜厚は、前記中心層に近づくに従って徐々に薄くなっており、
前記第3の材料により形成される層の膜厚は一定であることを特徴とする光微小共振器。 - 微小な発光体を含み、第1の材料を含む材料により形成された中心層と、
前記中心層の一方の側に設けられた第1の通常DBR層と、
前記中心層の他方の側に設けられた第2の通常DBR層と、
前記中心層と前記第1の通常DBR層との間に設けられた第1の遷移DBR層と、
前記中心層と前記第2の通常DBR層との間に設けられた第2の遷移DBR層と、
を有し、
前記第1の通常DBR層及び前記第2の通常DBR層は、第2の材料と第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、
前記第3の材料は、前記第2の材料よりも屈折率の高い材料であって、
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記第2の材料と前記第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、前記第2の材料により形成される層及び/または前記第3の材料により形成される層の膜厚を徐々に変化させながら形成されるものであって、
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記中心層に近づくに従って光の減衰率が徐々に小さくなっており、
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第3の材料により形成される層の膜厚が、前記中心層に近づくに従って、徐々に厚くなっていることを特徴とする光微小共振器。 - 微小な発光体を含み、第1の材料を含む材料により形成された中心層と、
前記中心層の一方の側に設けられた第1の通常DBR層と、
前記中心層の他方の側に設けられた第2の通常DBR層と、
前記中心層と前記第1の通常DBR層との間に設けられた第1の遷移DBR層と、
前記中心層と前記第2の通常DBR層との間に設けられた第2の遷移DBR層と、
を有し、
前記第1の通常DBR層及び前記第2の通常DBR層は、第2の材料と第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、
前記第3の材料は、前記第2の材料よりも屈折率の高い材料であって、
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記第2の材料と前記第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、前記第2の材料により形成される層及び/または前記第3の材料により形成される層の膜厚を徐々に変化させながら形成されるものであって、
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記中心層に近づくに従って光の減衰率が徐々に小さくなっており、
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第2の材料により形成される層の膜厚は一定であって、
前記第3の材料により形成される層の膜厚が、前記中心層に近づくに従って徐々に厚くなっていることを特徴とする光微小共振器。 - 微小な発光体を含み、第1の材料を含む材料により形成された中心層と、
前記中心層の一方の側に設けられた第1の通常DBR層と、
前記中心層の他方の側に設けられた第2の通常DBR層と、
前記中心層と前記第1の通常DBR層との間に設けられた第1の遷移DBR層と、
前記中心層と前記第2の通常DBR層との間に設けられた第2の遷移DBR層と、
を有し、
前記第1の通常DBR層及び前記第2の通常DBR層は、第2の材料と第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、
前記第3の材料は、前記第2の材料よりも屈折率の高い材料であって、
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記第2の材料と前記第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、前記第2の材料により形成される層及び/または前記第3の材料により形成される層の膜厚を徐々に変化させながら形成されるものであって、
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記中心層に近づくに従って光の減衰率が徐々に小さくなっており、
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第2の材料により形成される層の膜厚、及び、前記第3の材料により形成される層の膜厚は、ともに前記中心層に近づくに従って、徐々に厚くなっていることを特徴とする光微小共振器。 - 微小な発光体を含み、第1の材料を含む材料により形成された中心層と、
前記中心層の一方の側に設けられた第1の通常DBR層と、
前記中心層の他方の側に設けられた第2の通常DBR層と、
前記中心層と前記第1の通常DBR層との間に設けられた第1の遷移DBR層と、
前記中心層と前記第2の通常DBR層との間に設けられた第2の遷移DBR層と、
を有し、
前記第1の通常DBR層及び前記第2の通常DBR層は、第2の材料と第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、
前記第3の材料は、前記第2の材料よりも屈折率の高い材料であって、
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記第2の材料と前記第3の材料とを交互に積層することにより形成されており、前記第2の材料により形成される層及び/または前記第3の材料により形成される層の膜厚を徐々に変化させながら形成されるものであって、
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層は、前記中心層に近づくに従って光の減衰率が徐々に小さくなっており、
前記第1の遷移DBR層及び前記第2の遷移DBR層において、前記第2の材料により形成される層の膜厚に対する前記第3の材料により形成される層の膜厚の比率が、前記中心層に近づくに従って、徐々に大きくなることを特徴とする光微小共振器。 - 前記第1の通常DBR層、前記第1の遷移DBR層、前記中心層、前記第2の遷移DBR層、前記第2の通常DBR層は、基板の上に形成されているピラーに形成されており、
前記ピラーの上面は円形であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の光微小共振器。 - 前記第1の材料はInPを含む材料により形成されており、前記第2の材料はSiO 2 を含む材料により形成されており、前記第3の材料はSiを含む材料により形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の光微小共振器。
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