<実施の形態1>
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、実施の形態1に係る液晶表示装置10を示すブロック図である。
図1に示すように、液晶表示装置10は、画像表示部11と、タイミングジェネレータ13と、垂直シフトレジスタ14と、データラッチ回路15と、水平ドライバ16と、を備える。水平ドライバ16は、水平シフトレジスタ161と、ラッチ回路162と、レベルシフタ/画素ドライバ163と、により構成される。
画像表示部11は、規則的に配置された複数の画素12を有する。複数の画素12は、垂直シフトレジスタ14に一端が接続されて行方向(X方向)に延在するm本(mは2以上の自然数)の行走査線g1〜gmと、レベルシフタ/画素ドライバ163に一端が接続されて列方向(Y方向)に延在するn本(nは2以上の自然数)の列データ線d1〜dnと、がそれぞれ交差する複数の交差部に二次元マトリクス状に配置されている。画像表示部11内の全ての画素12は、一端がタイミングジェネレータ13に接続されたトリガ線trig,trigbに共通接続されている。
なお、正転トリガパルス用トリガ線trigが伝送する正転トリガパルスTRIと、反転トリガパルス用トリガ線trigbが伝送する反転トリガパルスTRIBとは、常に逆論理値の関係(相補的な関係)にある。
タイミングジェネレータ13は、上位装置20から出力された垂直同期信号Vst、水平同期信号Hst、及び、基本クロックCLK等の外部信号を入力信号として受け取り、これら外部信号に基づいて、交流化信号FR、VスタートパルスVST、HスタートパルスHST、クロック信号VCK,HCK、ラッチパルスLT、及び、トリガパルスTRI,TRIB等の各種の内部信号を生成する。
交流化信号FRは、1サブフレーム毎に極性反転する信号であり、画像表示部11を構成する画素12内の液晶表示素子の共通電極に、後述する共通電極電圧Vcomとして供給される。
スタートパルスVSTは、後述する各サブフレームの開始タイミングで出力されるパルス信号であり、このスタートパルスVSTによって、サブフレームの切替わりが制御される。
スタートパルスHSTは、水平シフトレジスタ161の開始タイミングで当該水平シフトレジスタ161に対して出力されるパルス信号である。
クロック信号VCKは、垂直シフトレジスタ14における1水平走査期間(1V)を規定するシフトクロックであり、クロック信号VCKのタイミングで垂直シフトレジスタ14がシフト動作を行う。
クロック信号HCKは、水平シフトレジスタ161におけるシフトクロックであり、32ビット幅でデータをシフトさせるための信号である。
ラッチパルスLTは、水平シフトレジスタ161が水平方向の1行の画素数分のデータをシフトし終わったタイミングで出力されるパルス信号である。
正転トリガパルスTRI及び反転トリガパルスTRIBは、それぞれトリガ線trig,trigbを介して、画像表示部11内の全ての画素12に供給されるパルス信号である。
ここで、正転トリガパルスTRI及び反転トリガパルスTRIBは、あるサブフレーム期間において、画像表示部11内の全ての画素12内の第1データ保持部にデータが書き込まれた後にタイミングジェネレータ13から出力される。それにより、そのサブフレーム期間において、画像表示部11内の全ての画素12内の第1データ保持部に保持されたデータが、それぞれ対応する画素12内の第2データ保持部に一斉に転送される。
垂直シフトレジスタ14は、各サブフレームの開始タイミングで供給されるVスタートパルスVSTをクロック信号VCKに従って転送し、行走査信号を行走査線g1〜gmに対して1V単位で順次排他的に供給する。それにより、画像表示部11の最も上にある行走査線g1から最も下にある行走査線gmにかけて、行走査線が1本ずつ1V単位で順次選択されていく。
データラッチ回路15は、図示しない外部回路から供給される1サブフレーム単位の32ビット幅のデータを、上位装置20からの基本クロックCLKに基づいてラッチした後、基本クロックCLKに同期して水平シフトレジスタ161へ出力する。
なお、液晶表示装置10は、映像信号の1フレームを、その映像信号の1フレーム期間より短い表示期間を持つ複数のサブフレームに分割し、これらサブフレームの組み合わせにて階調表示を行っている。そのため、上記の外部回路は、各画素の階調を示す階調データを、複数のサブフレームに対応する複数の1ビットのサブフレームデータに変換している。さらに、上記の外部回路は、同じサブフレームに属する32画素分のサブフレームデータをまとめて32ビット幅のデータとしてデータラッチ回路15に供給している。
水平シフトレジスタ161は、1ビットシリアルデータの処理系としてみた場合、タイミングジェネレータ13から1Vの初期に供給されるスタートパルスHSTによりシフトを開始し、データラッチ回路15から供給される32ビット幅のデータをクロック信号HCKに同期してシフトする。
ラッチ回路162は、水平シフトレジスタ161が画像表示部11の1行分の画素数nと同じnビット分のデータをシフト(n/32シフトクロック)終わると、タイミングジェネレータ13から供給されるラッチパルスLTに同期して、水平シフトレジスタ161から並列に供給されるnビット分のデータ(すなわち、同じ行のn画素分のサブフレームデータ)をラッチし、レベルシフタ/画素ドライバ163のレベルシフタへ出力する。なお、ラッチ回路162のデータ転送が終了すると、タイミングジェネレータ13からスタートパルスHSTが再び出力され、水平シフトレジスタ161はクロック信号HCKに従ってデータラッチ回路15からの32ビット幅のデータのシフトを再開する。
レベルシフタ/画素ドライバ163のレベルシフタは、ラッチ回路162によりラッチされて供給される1行のn画素に対応したn個のサブフレームデータの信号レベルを液晶駆動電圧振幅までレベルシフトする。レベルシフタ/画素ドライバ163の画素ドライバは、レベルシフト後の1行のn画素に対応したn個のサブフレームデータをn本の列データ線d1〜dnに並列に出力する。
水平ドライバ16を構成する水平シフトレジスタ161、ラッチ回路162、及び、レベルシフタ/画素ドライバ163は、1V内において今回データを書き込む画素行に対するデータの出力と、次の1V内でデータを書き込む画素行に関するデータのシフトとを並行して行う。ある水平走査期間において、ラッチされた1行分のn個のサブフレームデータが、データ信号としてそれぞれn本の列データ線d1〜dnに並列に、かつ、一斉に出力される。
画像表示部11を構成する複数の画素12のうち、垂直シフトレジスタ14からの行走査信号により選択された1行のn個の画素12は、レベルシフタ/画素ドライバ163から一斉に出力された1行分のn個のサブフレームデータをn本の列データ線d1〜dnを介してサンプリングして各画素12内の後述する第1データ保持部に書き込む。
画素12の詳細については後述するが、画素12では、記憶部SM1に保持された入力データの反転データが反射電極PEに印加される。つまり、画素12は、レベルシフタ/画素ドライバ163から供給された入力データを反転する機能を有している。
(画素12の具体的構成)
続いて、画素12の具体的構成について説明する。
図2は、画素12の具体的構成を示す回路図である。
図2に示すように、画素12は、行走査線g1〜gmの何れか(以下、行走査線gと称す)と、列データ線d1〜dnの何れか(以下、列データ線dと称す)と、が交差する交差部分に設けられている。
画素12は、SRAMセル201と、DRAMセル202と、液晶表示素子LCと、を備える。SRAMセル201は、第1スイッチであるスイッチSW1と、第1データ保持部である記憶部SM1と、により構成されている。DRAMセル202は、第2スイッチであるスイッチSW2と、第2データ保持部である記憶部DM2と、により構成されている。液晶表示素子LCは、離間対向配置された光反射特性を有する画素電極である反射電極PEと、光透過性を有する共通電極CEとの間の空間に、液晶LCMが充填封入された公知の構造である。
(SRAMセル201の構成)
スイッチSW1は、例えばNチャネルMOS型トランジスタ(以下、NMOSトランジスタという)MN1により構成されている。スイッチSW1を構成するNMOSトランジスタMN1では、ソースが記憶部SM1の入力端子(ノードa)に接続され、ドレインが列データ線dに接続され、ゲートが行走査線gに接続されている。
記憶部SM1は、一方の出力端子が他方の入力端子に接続された2つのインバータINV11,INV12からなる自己保持型メモリである。より具体的には、インバータINV11の入力端子は、インバータINV12の出力端子及びスイッチSW1を構成するNMOSトランジスタMN1のソースに接続されている。インバータINV12の入力端子は、スイッチSW2及びインバータINV11の出力端子に接続されている。
図3は、インバータINV11の具体的構成を示す回路図である。
図3に示すように、インバータINV11は、直列接続されたPチャネルMOS型トランジスタ(以下、PMOSトランジスタという)MP11及びNMOSトランジスタMN11を有し、それぞれのゲートに供給された入力信号を反転してそれぞれのドレインから出力する公知のCMOSインバータである。同じく、インバータINV12は、直列接続されたPMOSトランジスタMP12及びNMOSトランジスタMN12を有し、それぞれのゲートに供給された入力信号を反転してそれぞれのドレインから出力する公知のCMOSインバータである。
ここで、インバータINV11,INV12の駆動能力は異なる。具体的には、記憶部SM1を構成するインバータINV11,INV12のうち、スイッチSW1から見て入力側となるインバータINV11内のトランジスタMP11,MN11の駆動能力は、スイッチSW1から見て出力側となるインバータINV12内のトランジスタMP12,MN12の駆動能力よりも大きい。それにより、列データ線dからスイッチSW1を介して記憶部SM1にデータが伝搬しやすくなり、一方で、スイッチSW2を介して記憶部DM2から記憶部SM1にデータが伝搬しにくくなる。
さらに、スイッチSW1を構成するNMOSトランジスタMN1の駆動能力は、インバータINV12を構成するNMOSトランジスタMN12の駆動能力よりも大きい。それにより、例えば、列データ線d上でHレベルを示すデータを記憶部SM1に記憶させる場合、列データ線dからスイッチSW1を介して記憶部SM1の入力端子(ノードa)に流れる電流が、記憶部SM1の入力端子からNMOSトランジスタMN12を介して接地電圧端子GNDに流れる電流よりも大きくなるため、データを正確に記憶部112に記憶させることができる。
(DRAMセル202の構成)
スイッチSW2は、並列接続されたNMOSトランジスタMN2及びPMOSトランジスタMP2からなる公知のトランスミッションゲートである。より具体的には、NMOSトランジスタMN2及びPMOSトランジスタMP2では、それぞれのソースが記憶部SM1の出力端子に共通接続され、それぞれのドレインが記憶部DM2の入力端子及び液晶表示素子LCの反射電極PEに共通接続されている。そして、NMOSトランジスタMN2のゲートは、正転トリガパルス用トリガ線trigに接続され、PMOSトランジスタMP2のゲートは、反転トリガパルス用トリガ線trigbに接続されている。
例えば、スイッチSW2は、トリガ線trigを介して供給される正転トリガパルスがHレベル(トリガ線trigbを介して供給される反転トリガパルスがLレベル)の場合にオン状態となり、記憶部SM1から読み出されたデータを記憶部DM2及び反射電極PEへ転送する。また、スイッチSW2は、トリガ線trigを介して供給される正転トリガパルスがLレベル(トリガ線trigbを介して供給される反転トリガパルスがHレベル)の場合にオフ状態となり、記憶部SM1の記憶データの読み出しは行わない。
スイッチSW2は、公知のトランスミッションゲートであるため、オン状態において接地電圧GNDから電源電圧VDDまでの広範囲の電圧を転送することができる。より具体的には、記憶部SM1からトランジスタMN2,MP2のソースに印加される電圧が接地電圧GNDレベル(Lレベル)の場合、PMOSトランジスタMP2のソース・ドレインが導通しない代わりに、NMOSトランジスタMN2のソース・ドレインは低抵抗で導通することができる。一方、記憶部SM1からトランジスタMN2,MP2のソースに印加される電圧が電源電圧VDDレベル(Hレベル)の場合、NMOSトランジスタMN2のソース・ドレインが導通しない代わりに、PMOSトランジスタMP2のソース・ドレインは低抵抗で導通することができる。このように、スイッチSW2では、トランスミッションゲートのソース・ドレインが低抵抗で導通することができるため、オン状態において接地電圧GNDから電源電圧VDDまでの広範囲の電圧を転送することができる。
記憶部DM2は、容量C1により構成されている。容量C1には、例えば、配線間で容量を形成するMIM(Metal Insulator Metal)容量、基板−ポリシリコン間で容量を形成するDiffusion容量、又は、2層ポリシリコン間で容量を形成するPIP(Poly Insulator Poly)容量等を用いることができる。
スイッチSW2がオンすると、記憶部SM1に記憶されたデータが読み出され、スイッチSW2を介して、記憶部DM2内の容量C1及び反射電極PEへ転送される。それにより、記憶部DM2に記憶されたデータが書き換えられる。
ここで、スイッチSW2がオンしている場合、容量C1に保持されたデータは記憶部SM1を構成するインバータINV12の入力ゲートにも影響を与える。しかしながら、インバータINV11の駆動能力をインバータINV12の駆動能力より大きくしているため、インバータINV12が容量C1のデータの影響を受ける前に、インバータINV11が容量C1のデータを書き換えてしまう。したがって、容量C1の保持データによって記憶部SM1のデータが意図せず書き換えられてしまうことはない。
このように、本実施の形態に係る液晶表示装置10は、SRAMセル及びDRAMセルを1つずつ備えた画素12を用いることにより、SRAMセルを2つ備えた画素を用いる場合よりも、画素を構成するトランジスタの数を少なくして、画素の小型化を実現している。
本実施の形態では、スイッチSW2がPMOSトランジスタMP2及びNMOSトランジスタMN2により構成される場合について説明したが、これに限られない。スイッチSW2は、PMOSトランジスタMP2及びNMOSトランジスタMN2の何れか一つが設けられた構成に適宜変更可能である。その場合、トリガ線trig,trigbの一方のみが設けられることとなる。
なお、液晶表示装置10は、画素を構成するトランジスタの数を少なくすることで画素の小型化を実現できるだけでなく、以下に説明するように記憶部SM1,DM2及び反射電極PEを素子の高さ方向に有効に配置することによっても画素の小型化を実現することができる。以下、図4を用いて、詳細に説明する。
(画素12の断面構造)
図4は、画素12の要部を示す概略断面図である。図4に示す断面図は、後述する図7のA−A’断面図に相当する。ただし、図7では、簡略化のため第1メタルより上層が省略されているのに対し、図4では、第1メタルより上層も示されている。また、図4では、容量C1が配線間で容量を形成するMIMにより構成された場合を例に説明する。
図4に示すように、シリコン基板100上にはNウエル101及びPウエル102が形成されている。
Nウエル101上には、スイッチSW2のPMOSトランジスタMP2、及び、インバータINV11のPMOSトランジスタMP11が形成されている。より具体的には、Nウエル101上には、PMOSトランジスタMP2,MP11のそれぞれのソースとなる共通拡散層、及び、ドレインとなる2つの拡散層が形成され、共通拡散層と2つの拡散層との間のチャネル領域上には、PMOSトランジスタMP2,MP11のそれぞれのゲートとなるポリシリコンがゲート酸化膜を介して形成されている。
Pウエル102上には、スイッチSW2のNMOSトランジスタMN2、及び、インバータINV11のNMOSトランジスタMN11が形成されている。より具体的には、Pウエル102上には、NMOSトランジスタMN2,MN11のそれぞれのソースとなる共通拡散層、及び、ドレインとなる2つの拡散層が形成され、共通拡散層と2つの拡散層との間のチャネル領域上には、NMOSトランジスタMN2,MN11のそれぞれのゲートとなるポリシリコンがゲート酸化膜を介して形成されている。
なお、Nウエル上の活性領域(拡散層及びチャネル領域)と、Pウエル上の活性領域と、の間には、素子分離酸化膜103が形成されている。
トランジスタMP2,MP11,MN2,MN11の上方には、層間絶縁膜105をメタル間に介在させて第1メタル106、第2メタル108、第3メタル110、MIM電極112、第4メタル114、及び、第5メタル116が積層されている。
第5メタル116は、画素毎に形成される反射電極PEを構成している。
トランジスタMN2,MP2の各ドレインを構成する各拡散層は、コンタクト118、第1メタル106、スルーホール119a、第2メタル108、スルーホール119b、第3メタル110、スルーホール119c、第4メタル114、及び、スルーホール119eを介して、第5メタル116に電気的に接続されている。さらに、トランジスタMN2,MP2の各ドレインを構成する各拡散層は、コンタクト118、第1メタル106、スルーホール119a、第2メタル108、スルーホール119b、第3メタル110、スルーホール119c、第4メタル114、及び、スルーホール119dを介してMIM電極112に電気的に接続されている。即ち、スイッチSW2を構成するトランジスタMN2,MP2の各ソースは、反射電極PE及びMIM電極112に電気的に接続されている。
反射電極PE(第5メタル116)は、その上面に形成された保護膜であるパッシベーション膜(PSV)117を介して、透明電極である共通電極CEに離間対向配置されている。反射電極PEと共通電極CEとの間には、液晶LCMが充填封止されている。反射電極PE、共通電極CE、及び、それらの間の液晶LCMによって液晶表示素子LCが構成される。
ここで、MIM電極112は、第3メタル110上に層間絶縁膜105を介して形成されている。このMIM電極112、第3メタル110、及び、それらの間の層間絶縁膜105によって容量C1が構成される。そのため、スイッチSW1,SW2及び記憶部SM1が、第1,2層配線である第1メタル106及び第2メタル108と、トランジスタと、を用いて形成されるのに対し、記憶部DM2は、それらの上層である第3メタル110及びMIM電極112を用いて形成されることとなる。つまり、スイッチSW1,SW2及び記憶部SM1と、記憶部DM2とは、それぞれ異なる層にて形成されることとなる。
図示しない光源からの光は、共通電極CE及び液晶LCMを透過して反射電極PE(第5メタル116)に入射して反射され、元の入射経路を逆進して共通電極CEを通して出射される。
このように、液晶表示装置10は、第5層配線である第5メタル116を反射電極PEとして用い、第3層配線である第3メタル110を記憶部DM2の一部として用い、第1,2層配線である第1メタル106及び第2メタル108とトランジスタとを記憶部SM1等として用いることで、記憶部SM1、記憶部DM2及び反射電極PEを高さ方向に有効に配置することが可能になるため、画素をさらに小型化することができる。それにより、例えば、3μm以下のピッチの画素を電源電圧3.3Vのトランジスタで構成できる。この3μm以下のピッチの画素を用いることで、対角の長さ0.55インチの横方向4000画素、縦方向2000画素の液晶表示パネルを実現できる。
(液晶表示装置10の動作)
次に、図5を用いて、液晶表示装置10の動作について説明する。
図5は、液晶表示装置10の動作を示すタイミングチャートである。
前述したように、液晶表示装置10では、垂直シフトレジスタ14からの行走査信号により、行走査線g1〜gmが1本ずつ1V単位で順次選択されていくため、画像表示部11を構成する複数の画素12には、選択された行走査線に共通に接続された1行のn個の画素単位でデータが書き込まれる。そして、画像表示部11を構成する複数の画素12の全てにデータが書き込まれると、その後、トリガパルスTRI,TRIBに基づき、全ての画素12のデータが一斉に読み出される(より具体的には、全ての画素12内の記憶部SM1のデータが一斉に記憶部DM2及び反射電極PEに転送される)。
図5の(A)は、各画素12に記憶されるサブフレームデータの変化を示している。なお、縦軸が行番号を表し、横軸が時間を表している。図5の(A)に示すように、サブフレームデータの境界線は右下がりとなっている。これは、行番号の大きな画素ほどサブフレームデータが遅れて書き込まれることを表している。この境界線の一端から他端までの期間がサブフレームデータの書き込み期間に相当する。なお、B0b,B1b,B2bは、それぞれビットB0,B1,B2のサブフレームデータの反転データを示している。
図5の(B)は、トリガパルスTRIの出力タイミング(立ち上がりタイミング)を示している。なお、トリガパルスTRIBは、常にトリガパルスTRIを論理反転した値を示すため、省略されている。図5の(C)は、反射電極PEに印加されるサブフレームデータのビットを模式的に示している。図5の(D)は、共通電極電圧Vcomの値の変化を示している。図5の(E)は、液晶LCMに印加される電圧の変化を示している。
まず、行走査信号により選択された画素12では、スイッチSW1がオンするため、水平ドライバ16から列データ線dに出力されたビットB0の正転サブフレームデータが、スイッチSW1によりサンプリングされて記憶部SM1に書き込まれる。同様にして、画像表示部11を構成する全ての画素12の記憶部SM1に対してビットB0の正転サブフレームデータが書き込まれる。その後、画像表示部11を構成する全ての画素12に対してHレベルのトリガパルスTRI(及びLレベルのトリガパルスTRIB)が同時に供給される(時刻T1)。
これにより、全ての画素12のスイッチSW2がオンするため、記憶部SM1に記憶されているビットB0の正転サブフレームデータがスイッチSW2を通して記憶部DM2に一斉に転送されて保持されるとともに、ビットB0の正転サブフレームデータが反射電極PEに印加される。ここで、図5の(C)を見てもわかるように、記憶部DM2によるビットB0の正転サブフレームデータの保持期間(反射電極PEへのビットB0の正転サブフレームデータの印加期間)は、トリガパルスTRIがHレベルとなってから(時刻T1)、次に再びHレベルとなるまで(時刻T2)の1サブフレーム期間である。
ここで、サブフレームデータのビット値が「1」、すなわちHレベルのときには反射電極PEには電源電圧VDD(ここでは3.3V)が印加され、ビット値が「0」、すなわちLレベルのときには反射電極PEには接地電圧GND(0V)が印加される。一方、共通電極CEには、接地電圧GND及び電源電圧VDDに制限されることなく、自由な電圧が共通電極電圧Vcomとして印加できるようになっており、Hレベルの正転トリガパルスTRIの入力に同期して共通電極電圧Vcomが所定電圧に切り替わるように制御される。本例では、共通電極電圧Vcomは、ビットB0の正転サブフレームデータが反射電極PEに印加されるサブフレーム期間中、図5(D)に示すように、0Vよりも液晶の閾値電圧Vttだけ低い電圧に設定される。
液晶表示素子LCは、反射電極PEの印加電圧と共通電極電圧Vcomとの差電圧の絶対値である液晶LCMの印加電圧に応じた階調表示を行う。したがって、ビットB0の正転サブフレームデータが反射電極PEに印加されるサブフレーム期間(時刻T1〜T2)では、液晶LCMの印加電圧は、図5(E)に示すように、サブフレームデータのビット値が「1」のときは3.3V+Vtt(=3.3V−(−Vtt))となり、サブフレームデータのビット値が「0」のときは+Vtt(=0V−(−Vtt))となる。
図6は、液晶の印加電圧(RMS電圧)と液晶のグレースケール値との関係を示す。
図6を参照すると、グレースケール値曲線は、黒のグレースケール値が液晶の閾値電圧VttのRMS電圧に対応し、かつ、白のグレースケール値が液晶の飽和電圧Vsat(=3.3V+Vtt)のRMS電圧に対応するようにシフトされる。グレースケール値を液晶応答曲線の有効部分に一致させることが可能である。したがって、液晶表示素子LCは上記のように液晶LCMの印加電圧が(3.3V+Vtt)のときは白を表示し、+Vttのときは黒を表示する。
図5に戻り、液晶表示素子LCがビットB0の正転サブフレームデータを表示しているサブフレーム期間(時刻T1〜T2)において、画像表示部11を構成する全ての画素12の記憶部SM1に対するビットB0の反転サブフレームデータの書き込みが順次開始される。そして、画像表示部11を構成する全ての画素12の記憶部SM1に対してビットB0の反転サブフレームデータが書き込まれると、その後、画像表示部11を構成する全ての画素12に対してHレベルのトリガパルスTRI(及びLレベルのトリガパルスTRIB)が同時に供給される(時刻T2)。
これにより、全ての画素12のスイッチSW2がオンするため、記憶部SM1に記憶されているビットB0の反転サブフレームデータがスイッチSW2を通して記憶部DM2に一斉に転送されて保持されるとともに、ビットB0の反転サブフレームデータが反射電極PEに印加される。ここで、図5の(C)を見てもわかるように、記憶部DM2によるビットB0の反転サブフレームデータの保持期間(反射電極PEへのビットB0の反転サブフレームデータの印加期間)は、トリガパルスTRIがHレベルとなってから(時刻T2)、次に再びHレベルとなるまで(時刻T3)の1サブフレーム期間である。ここで、ビットB0の反転サブフレームデータはビットB0の正転サブフレームデータと常に逆論理値の関係にあるため、ビットB0の正転サブフレームデータが「1」のときは「0」、ビットB0の正転サブフレームデータが「0」のときは「1」である。
一方、共通電極電圧Vcomは、ビットB0の反転サブフレームデータが反射電極PEに印加されるサブフレーム期間中、図5(D)に示すように、3.3Vよりも液晶の閾値電圧Vttだけ高い電圧に設定される。したがって、ビットB0の反転サブフレームデータが反射電極PEに印加されるサブフレーム期間(時刻T2〜T3)では、液晶LCMの印加電圧は、サブフレームデータのビット値が「1」のときは−Vtt(=3.3V−(3.3V+Vtt))となり、サブフレームデータのビット値が「0」のときは−3.3V−Vtt(=0V−(3.3V+Vtt))となる。
例えば、ビットB0の正転サブフレームデータのビット値が「1」であった場合には続いて印加されるビットB0の反転サブフレームデータのビット値は「0」となる。このとき、液晶LCMの印加電圧は、−(3.3V+Vtt)となり、ビットB0の正転サブフレームデータが印加されたときと比較して、電位の方向が逆になるが絶対値が同じになる。そのため、画素12は、ビットB0の反転サブフレームデータが印加されたときも、ビットB0の正転フレームデータが印加されたときと同様に、白を表示する。また、ビットB0の正転サブフレームデータのビット値が「0」であった場合には続いて印加されるビットB0の反転サブフレームデータのビット値は「1」となる。このとき、液晶LCMの印加電圧は、−Vttとなり、ビットB0の正転サブフレームデータが印加されたときと比較して、電位の方向が逆になるが絶対値が同じになる。そのため、画素12は、ビットB0の反転サブフレームデータが印加されたときも、ビットB0の正転フレームデータが印加されたときと同様に、黒を表示する。
したがって、画素12は、図5の(E)に示すように、時刻T1〜T3の2サブフレーム期間中、ビットB0とビットB0の相補ビットB0bとで同じ階調を表示するとともに、液晶LCMの電位方向がサブフレーム毎に反転する交流駆動を行うため、液晶LCMの焼き付きを防止することができる。
続いて、液晶表示素子LCがビットB0の反転サブフレームデータを表示しているサブフレーム期間(時刻T2〜T3)において、全ての画素12の記憶部SM1に対するビットB1の正転サブフレームデータの書き込みが順次開始される。そして、画像表示部11の全画素12の記憶部SM1に対してビットB1の正転サブフレームデータが書き込まれると、その後、画像表示部11を構成するすべての画素12に対してHレベルのトリガパルスTRI(及びLレベルのトリガパルスTRIB)が同時に供給される(時刻T3)。
これにより、全ての画素12のスイッチSW2がオンするため、記憶部SM1に記憶されているビットB1の正転サブフレームデータがスイッチSW2を通して記憶部DM2に一斉に転送されて保持されるととともに、ビットB1の正転サブフレームデータが反射電極PEに印加される。ここで、図5の(C)を見てもわかるように、記憶部DM2によるビットB1の正転サブフレームデータの保持期間(反射電極PEへのビットB1の正転サブフレームデータの印加期間)は、トリガパルスTRIがHレベルとなってから(時刻T3)、次に再びHレベルとなるまで(時刻T4)の1サブフレーム期間である。
一方、共通電極電圧Vcomは、ビットB1の正転サブフレームデータが反射電極PEに印加されるサブフレーム期間は、図5(D)に示すように、0Vよりも液晶の閾値電圧Vttだけ低い電圧に設定される。したがって、ビットB1の正転サブフレームデータが反射電極PEに印加されるサブフレーム期間(時刻T3〜T4)では、液晶LCMの印加電圧は、図5(E)に示すように、サブフレームデータのビット値が「1」のときは3.3V+Vtt(=3.3V−(−Vtt))となり、サブフレームデータのビット値が「0」のときは+Vtt(=0V−(−Vtt))となる。
続いて、液晶表示素子LCがビットB1の正転サブフレームデータを表示しているサブフレーム期間(時刻T3〜T4)において、画像表示部11を構成する全ての画素12の記憶部SM1に対するビットB1の反転サブフレームデータの書き込みが順次開始される。そして、画像表示部11を構成する全ての画素12の記憶部SM1に対してビットB1の反転サブフレームデータが書き込まれると、その後、画像表示部11を構成する全ての画素12に対してHレベルのトリガパルスTRI(及びLレベルのトリガパルスTRIB)が同時に供給される(時刻T4)。
これにより、全ての画素12のスイッチSW2がオンするため、記憶部SM1に記憶されているビットB1の反転サブフレームデータがスイッチSW2を通して記憶部DM2に一斉に転送されて保持されるとともに、ビットB1の反転サブフレームデータが反射電極PEに印加される。ここで、図5の(C)を見てもわかるように、記憶部DM2によるビットB1の反転サブフレームデータの保持期間(反射電極PEへのビットB1の反転サブフレームデータの印加期間)は、トリガパルスTRIがHレベルとなってから(時刻T4)、次に再びHレベルとなるまで(時刻T5)の1サブフレーム期間である。ここで、ビットB1の反転サブフレームデータはビットB1の正転サブフレームデータと常に逆論理値の関係にある。
一方、共通電極電圧Vcomは、ビットB1の反転サブフレームデータが反射電極PEに印加されるサブフレーム期間中、図5(D)に示すように、3.3Vよりも液晶の閾値電圧Vttだけ高い電圧に設定される。したがって、ビットB1の反転サブフレームデータが反射電極PEに印加されるサブフレーム期間(時刻T4〜T5)では、液晶LCMの印加電圧は、サブフレームデータのビット値が「1」のときは−Vtt(=3.3V−(3.3V+Vtt))となり、サブフレームデータのビット値が「0」のときは−3.3V−Vtt(=0V−(3.3V+Vtt))となる。
これにより、画素12は、図5の(E)に示すように、時刻T3〜T5の2サブフレーム期間中、ビットB1とビットB1の相補ビットB1bとで同じ階調を表示するとともに、液晶LCMの電位方向がサブフレーム毎に反転する交流駆動を行うため、液晶LCMの焼き付きを防止することができる。ビットB2以降についても同様の動作が繰り返される。
このようにして、液晶表示装置10は、複数のサブフレームの組み合わせにて階調表示を行っている。
なお、ビットB0と相補ビットB0bの各表示期間は同じ第1のサブフレーム期間であり、また、ビットB1と相補ビットB1bの各表示期間も同じ第2のサブフレーム期間であるが、第1のサブフレーム期間と第2のサブフレーム期間とは同一であるとは限らない。ここでは、一例として第2のサブフレーム期間は第1のサブフレーム期間の2倍に設定されている。また、図5(E)に示すように、ビットB2と相補ビットB2bの各表示期間である第3のサブフレーム期間は、第2のサブフレーム期間の2倍に設定されている。他のサブフレーム期間についても同様のことが言える。システムの仕様等に応じて、各サブフレーム期間の長さ、及び、サブフレーム数を任意に設定することができる。
(画素12の平面図)
図7は、画素12の概略平面図である。図7に示す平面図は、図4のB−B’平面図に相当する。ただし、図7では、簡略化のため第1メタル106より上層が省略されている。つまり、図7では、トランジスタ(Nウエル101、Pウエル102、ポリシリコン123、活性領域120)、第1メタル106、コンタクト118、スルーホール119aが示され、第2メタル108、スルーホール119b、第3メタル110、スルーホール119c、スルーホール119d、MIM電極112、第4メタル114、スルーホール119e、第5メタル116は示されていない。
なお、図7には、1つの画素12のみが示されているが、紙面の縦方向に隣接する画素12同士は、例えば、紙面の横方向を軸にして線対称に配置される。紙面の横方向に隣接する画素12同士は、例えば、紙面の縦方向を軸にして線対称に配置される。したがって、電源電圧VDDが伝搬する電源線とNウエル101とを接続するコンタクト118であるNウエルコンタクト118a、接地電圧GNDが伝搬する電源線とPウエル102とを接続するコンタクト118であるPウエルコンタクト118b、及び、スイッチSW1を構成するNMOSトランジスタMN1のドレインと列データ線dとを接続するコンタクト118であるコンタクト118cは、隣接する2つの画素12によって共用されている。
列データ線dは、第1メタル106を用いて列方向(紙面の縦方向)に配線され、列方向に沿って配置されたm個の画素12に共通接続されるとともに、レベルシフタ/画素ドライバ163に接続されている。
スイッチSW1のオンオフを制御するための行走査信号が伝搬する行走査線g、スイッチSW2のオンオフを制御するためのトリガパルスTRI,TRIBが伝搬するトリガ線trig,trigb、及び、電源電圧VDD,接地電圧GNDが伝搬する電源線は、何れも、図示しない第2メタル108を用いて行方向(紙面の横方向)に配線され、行方向に沿って配置されたn個の画素12に共通接続されるとともに、垂直シフトレジスタ14に接続されている。
インバータINV11、インバータINV12、及び、スイッチSW2のそれぞれのPMOSトランジスタの拡散層は、Nウエル101上の活性領域120にて形成されている。なお、各拡散層は、隣接するPMOSトランジスタによって共用されている。
インバータINV11、インバータINV12、スイッチSW1、及び、スイッチSW2のそれぞれのNMOSトランジスタの拡散層は、Pウエル102上の活性領域120にて形成されている。なお、各拡散層は、隣接するNMOSトランジスタによって共用されている。
電源電圧VDDが伝搬する電源線は、さらに、Nウエルコンタクト118a、及び、Nウエル101上に形成されたN型の拡散層を介して、Nウエル101に接続されている。
接地電圧GNDが伝搬する電源線は、さらに、Pウエルコンタクト118b、及び、Pウエル102上に形成されたP型の拡散層を介して、Pウエル102に接続されている。
ここで、インバータINV12の駆動能力をインバータINV11の駆動能力よりも小さくするため、インバータINV12を構成するトランジスタのゲート長は、インバータINV11を構成するトランジスタのゲート長よりも大きくなっている。
さらに、スイッチSW2を構成するPMOSトランジスタMP2及びNMOSトランジスタMN2のそれぞれの閾値電圧は、他のトランジスタ(例えば、インバータINV11を構成するトランジスタ)の閾値電圧よりも高くなっている。
具体的には、トランジスタ製造工程において、素子分離酸化膜103形成後、ポリシリコン123形成前に、PMOSトランジスタMP2のチャネル領域122(PMOSトランジスタMP2の活性領域120とポリシリコン123とが重なる領域)を含み、かつ、他のトランジスタのチャネル領域122を含まない範囲(以下、Vth調整範囲と称す)A1、を開口させた専用マスクを用いてレジストをパターニングする。そして、Vth調整範囲A1に対して浅くイオン注入を行う。同様に、NMOSトランジスタMN2のチャネル領域122を含み、かつ、他のトランジスタのチャネル領域122を含まないVth調整範囲A2、を開口させた専用マスクを用いてレジストをパターニングする。そして、Vth調整範囲A2に対して浅くイオン注入を行う。
このとき、Vth調整範囲A1,A2に含まれる領域のうち、活性領域120に対してのみイオン注入され、それ以外の素子分離酸化膜103に覆われた領域にはイオン注入されない。また、活性領域120に含まれる領域のうち、チャネル領域122(活性領域120とポリシリコン123とが重なる領域)及び拡散層121領域(活性領域120のうちポリシリコン123の領域と重ならない領域)の何れにもイオン注入されるが、拡散層121領域には、ポリシリコン123形成後に高濃度のイオンが注入されるため、ここでのイオン注入は拡散層121領域に影響を与えない。即ち、実質的に、PMOSトランジスタMP2及びNMOSトランジスタMN2のそれぞれのチャネル領域122に対してのみイオン注入が行われる。
ここで、PMOSトランジスタMP2及びNMOSトランジスタMN2のそれぞれの閾値電圧の値は、チャネル領域122に注入されるイオンによって決定される。つまり、PMOSトランジスタMP2及びNMOSトランジスタMN2のそれぞれのチャネル領域122にイオンを注入することで、PMOSトランジスタMP2及びNMOSトランジスタMN2のそれぞれの閾値電圧を高くすることができる。
なお、PMOSトランジスタMP2及びNMOSトランジスタMN2のそれぞれのチャネル領域に対するイオン注入は、それ以外のトランジスタを含む全てのトランジスタのそれぞれのチャネル領域に対する通常のイオン注入に追加する形で行われる。それにより、PMOSトランジスタMP2及びNMOSトランジスタMN2の閾値電圧を、それ以外のトランジスタの閾値電圧よりも高くすることができる。
例えば、ウエル電圧を基準にして、通常のPMOSトランジスタの閾値電圧は−0.6V、通常のNMOSトランジスタの閾値電圧は0.6Vであるのに対し、PMOSトランジスタMP2の閾値電圧は−1.0V程度、NMOSトランジスタMN2の閾値電圧は1.0Vに調整される。なお、NMOSトランジスタMN2及びPMOSトランジスタMP2のそれぞれの閾値電圧の絶対値はさらに大きくてもよい。
PMOSトランジスタMP2及びNMOSトランジスタMN2のそれぞれの閾値電圧を高くすることにより、オフ状態のPMOSトランジスタMP2及びNMOSトランジスタMN2のそれぞれのリーク電流(以下、オフリークと称す)を低減することができるため、表示される階調のダイナミックレンジの低下を抑制したり、上下輝度傾斜の増大を抑制したりすることができる。
なお、一般的にトランジスタは閾値電圧を高くすると駆動力が低下するが、スイッチSW2を構成するNMOSトランジスタMN2及びPMOSトランジスタMP2は、ソース−ドレイン間のオンオフを切り替えるスイッチ動作しかしないため、低い駆動能力でも動作に支障はない。
(画素12の変形例を示す平面図)
図8は、画素12の変形例を示す画素12aとして示す概略平面図である。図8に示す平面図は、図4のB−B’平面図に相当する。ただし、図8では、簡略化のため第1メタル106より上層が省略されている。つまり、図8では、トランジスタ(Nウエル101、Pウエル102、ポリシリコン123、活性領域120)、第1メタル106、コンタクト118、スルーホール119aが示され、第2メタル108、スルーホール119b、第3メタル110、スルーホール119c、スルーホール119d、MIM電極112、第4メタル114、スルーホール119e、第5メタル116は示されていない。
なお、図8には、1つの画素12aのみが示されているが、紙面の縦方向に隣接する画素12a同士は、例えば、紙面の横方向を軸にして線対称に配置される。紙面の横方向に隣接する画素12a同士は、例えば、紙面の縦方向を軸にして線対称に配置される。したがって、Nウエル101と電源電圧VDDが伝搬する電源線とを接続するコンタクト118であるNウエルコンタクト118a、Pウエル102と接地電圧GNDが伝搬する電源線とを接続するコンタクト118であるPウエルコンタクト118b、及び、スイッチSW1を構成するNMOSトランジスタMN1のドレインと列データ線dとを接続するコンタクト118であるコンタクト118cは、隣接する2つの画素12aによって共用されている。
図8に示す画素12aでは、図7に示す画素12と比較して、Vth調整範囲A1,A2の追加のイオン注入が無くなった代わりに、スイッチSW2を構成するNMOSトランジスタMN2及びPMOSトランジスタMP2のそれぞれのゲート長が大きくなっている。画素12aのその他の構成については、画素12の場合と同様であるため、その説明を省略する。
具体的には、スイッチSW2を構成するNMOSトランジスタMN2及びPMOSトランジスタMP2のそれぞれのゲート長が、インバータINV11を構成するNMOSトランジスタMN11及びPMOSトランジスタMP11のそれぞれのゲート長よりも大きくなっている。
NMOSトランジスタMN2及びPMOSトランジスタMP2では、ゲート長が大きくなることで駆動能力が低下するが閾値電圧が高くなるため、オフリークは低減する。さらに、NMOSトランジスタMN2及びPMOSトランジスタMP2では、ソース−ドレイン間の距離が長くなることによっても、オフリークは低減する。
なお、インバータINV11を構成するNMOSトランジスタMN11及びPMOSトランジスタMP11は、駆動力を高めるため、ゲート長をプロセスルールの最小寸法にまで小さくすることが望ましい。それに対し、スイッチSW2を構成するNMOSトランジスタMN2及びPMOSトランジスタMP2は、オフリークを低減するために、ゲート長を可能な限り大きくすることが望ましい。
また、スイッチSW2を構成するNMOSトランジスタMN2及びPMOSトランジスタMP2は、ソース−ドレイン間のオンオフを切り替えるスイッチ動作しかしないため、低い駆動能力でも動作に支障はない。
さらに、画素12の特徴と画素12aの特徴とは組み合わせて用いられることができる。液晶表示装置10は、画素12の特徴と画素12aの特徴と組み合わせた画素を用いることで、オフリークをさらに低減するとともに、表示される階調のダイナミックレンジの低下を防止したり、上下輝度傾斜の増大を抑制したりすることができる。
(液晶表示装置10のリーク電流低減効果)
図9は、液晶表示装置10のリーク電流低減効果を示すタイミングチャートである。
図9には、全画素に白データを書き込んだ場合における1画素の反射電極PEへの印加電圧の変化が示されている。なお、図9には、図5における時刻T1〜T5までの印加電圧の変化が示されている。
より詳細には、
図9の(a)は、各画素12に記憶されるサブフレームデータの変化を示している。図9の(b)は、スイッチSW2を構成するトランジスタMP2,MN2の閾値電圧を他のトランジスタの閾値電圧と同じにした画素のうち、サブフレーム期間において最初にデータの書き込みが行われる画素(以下、便宜上、画素12bと称す)、の反射電極への印加電圧の変化を示している。図9の(c)は、スイッチSW2を構成するトランジスタMP2,MN2の閾値電圧を他のトランジスタの閾値電圧と同じにした画素のうち、サブフレーム期間において最後にデータ書き込みが行われる画素(以下、便宜上、画素12cと称す)、の反射電極への印加電圧の変化を示している。それに対し、図9の(d)は、スイッチSW2を構成するトランジスタMP2,MN2の閾値電圧を他のトランジスタの閾値電圧よりも高くして構成された画素12、の反射電極PEへの印加電圧の変化を示している。なお、共通電極CEには、反射電極PEへの印加電圧とは反対の極性の電圧が印加される。
まず、図9の(b)について説明する。
時刻Wは、画素12bの記憶部SM1に対するビットB0の反転サブフレームデータの書き込み開始時刻を示している。画素12bは、時刻T1にて、記憶部SM1に記憶されたビットB0の正転サブフレームデータ(Hレベルのデータ)を記憶部DM2及び反射電極PEに転送し、時刻Wにて、記憶部SM1に対してビットB0の反転サブフレームデータ(Lレベルのデータ)の書き込みを行っている。そのため、時刻W〜T2では、記憶部DM2がHレベルのデータを保持し、記憶部SM1がLレベルのデータを記憶した状態となる。なお、記憶部SM1に記憶されているデータの値とは、記憶部DM2への出力側データ(即ち、インバータINV11の出力データ)の値のことであり、以下同様である。即ち、時刻W〜T2では、スイッチSW2を挟んで記憶部SM1側データと反射電極PE側データとでは異なる電圧を示している。
ここで、画素12bのスイッチSW2を構成するトランジスタMP2,MN2の閾値電圧は他のトランジスタの閾値電圧と同じであるため、オフ状態のトランジスタMP2,MN2のソース−ドレイン間に流れるリーク電流は大きくなる。そのため、記憶部DM2の容量C1に蓄えた電荷は、スイッチSW2を通して、インバータINV11を構成するNMOSトランジスタMN11のソースに接続された接地電圧端子GNDに放電される。その結果、反射電極PEの印加電圧は、時間の経過とともに電源電圧VDDよりも低くなってしまう。ただし、時刻T1から時刻Wまでは、記憶部SM1に書き込まれたデータと記憶部DM2に書き込まれたデータとが同じであるため、リーク電流は発生しない。
その後、画素12bは、時刻T2にて、記憶部SM1に記憶されたビットB0の反転サブフレームデータであるLレベルのデータを記憶部DM2及び反射電極PEに転送する。
時刻Yは、画素12bの記憶部SM1に対するビットB1の正転サブフレームデータの書き込み開始時刻を示している。画素12bは、時刻T2にて、記憶部SM1に記憶されたビットB0の反転サブフレームデータ(Lレベルのデータ)を記憶部DM2及び反射電極PEに転送し、時刻Yにて、記憶部SM1に対してビットB1の正転サブフレームデータ(Hレベルのデータ)の書き込みを行っている。そのため、時刻Y〜T3では、記憶部DM2がLレベルのデータを保持し、記憶部SM1がHレベルのデータを記憶した状態となる。即ち、時刻Y〜T3では、スイッチSW2を挟んで記憶部SM1側データと反射電極PE側データとでは異なる電圧を示している。
ここで、画素12bのスイッチSW2を構成するトランジスタMP2,MN2の閾値電圧は他のトランジスタの閾値電圧と同じであるため、オフ状態のトランジスタMP2,MN2のソース−ドレイン間に流れるリーク電流は大きくなる。そのため、記憶部DM2の容量C1は、スイッチSW2を通して、インバータINV11を構成するPMOSトランジスタMP11のソースに接続された電源電圧端子VDDによって充電される。その結果、反射電極PEの印加電圧は、時間の経過とともに接地電圧GNDよりも高くなってしまう。ただし、時刻T2から時刻Yまでは、記憶部SM1に書き込まれたデータと記憶部DM2に書き込まれたデータとが同じであるため、リーク電流は発生しない。
以降、時刻T3,T4,T5においても上記と同様の現象が起こる。なお、時刻T3〜T4のサブフレーム、及び、時刻T4〜T5のサブフレームは、それぞれ、時刻T1〜T2のサブフレーム、及び、時刻T2〜T3のサブフレームの2倍の時間に設定されている。そのため、スイッチSW2のオフリークによる反射電極PEの印加電圧の劣化は大きくなる。
次に、図9の(c)について説明する。
時刻X(X>W)は、画素12cの記憶部SM1に対するビットB0の反転サブフレームデータの書き込み開始時刻を示している。画素12cは、時刻T1にて、記憶部SM1に記憶されたビットB0の正転サブフレームデータ(Hレベルのデータ)を記憶部DM2及び反射電極PEに転送し、時刻Xにて、記憶部SM1に対してビットB0の反転サブフレームデータ(Lレベルのデータ)の書き込みを行っている。そのため、時刻X〜T2では、記憶部DM2がHレベルのデータを保持し、記憶部SM1がLレベルのデータを記憶した状態となる。即ち、時刻X〜T2では、スイッチSW2を挟んで記憶部SM1側データと反射電極PE側データとでは異なる電圧を示している。
ここで、画素12cのスイッチSW2を構成するトランジスタMP2,MN2の閾値電圧は他のトランジスタの閾値電圧と同じであるため、オフ状態のトランジスタMP2,MN2のソース−ドレイン間に流れるリーク電流は大きくなる。そのため、記憶部DM2の容量C1に蓄えた電荷は、スイッチSW2を通して、インバータINV11を構成するNMOSトランジスタMN11のソースに接続された接地電圧端子GNDに放電される。その結果、反射電極PEの印加電圧は、時間の経過とともに電源電圧VDDよりも低くなってしまう。ただし、時刻T1から時刻Xまでは、記憶部SM1に書き込まれたデータと記憶部DM2に書き込まれたデータとが同じであるため、リーク電流は発生しない。なお、画素12cでは、画素12bの場合と比較して、リーク電流の発生期間(時刻X〜T2)が短いため、時刻T2における反射電極PEの印加電圧の低下度合いは小さい。
その後、画素12cは、時刻T2にて、記憶部SM1に記憶されたビットB0の反転サブフレームデータ(Lレベルのデータ)を記憶部DM2及び反射電極PEに転送する。
時刻Zは、画素12cの記憶部SM1に対するビットB1の正転サブフレームデータの書き込み開始時刻を示している。画素12cは、時刻T2にて、記憶部SM1に記憶されたビットB0の反転サブフレームデータ(Lレベルのデータ)を記憶部DM2及び反射電極PEに転送し、時刻Zにて、記憶部SM1に対してビットB1の正転サブフレームデータ(Hレベルのデータ)の書き込みを行っている。そのため、時刻Z〜T3では、記憶部DM2がLレベルのデータを保持し、記憶部SM1がHレベルのデータを記憶した状態となる。即ち、時刻Z〜T3では、スイッチSW2を挟んで記憶部SM1側データと反射電極PE側データとでは異なる電圧を示している。
ここで、画素12cのスイッチSW2を構成するトランジスタMP2,MN2の閾値電圧は他のトランジスタの閾値電圧と同じであるため、オフ状態のトランジスタMP2,MN2のソース−ドレイン間に流れるリーク電流は大きくなる。そのため、記憶部DM2の容量C1は、スイッチSW2を通して、インバータINV11を構成するPMOSトランジスタMP11のソースに接続された電源電圧端子VDDによって充電される。その結果、反射電極PEの印加電圧は、時間の経過とともに接地電圧GNDよりも高くなってしまう。ただし、時刻T2から時刻Zまでは、記憶部SM1に書き込まれたデータと記憶部DM2に書き込まれたデータとが同じであるため、リーク電流は発生しない。なお、画素12cでは、画素12bの場合と比較して、リーク電流の発生期間(時刻Z〜T3)が短いため、時刻T3における反射電極PEの印加電圧の上昇度合いは小さい。
以降、時刻T3,T4,T5においても上記と同様の現象が起こる。なお、時刻T3〜T4のサブフレーム、及び、時刻T4〜T5のサブフレームは、それぞれ、時刻T1〜T2のサブフレーム、及び、時刻T2〜T3のサブフレームの2倍の時間に設定されている。
一般的に、ロジックLSIでは、待機時の消費電流の低減よりも動作の高速化が優先される。したがって、ロジックLSIには、動作の高速化のため、オフリークが多少増加しても、閾値電圧の低いトランジスタが用いられる。例えば、液晶表示装置10に設けられたデータラッチ回路15、水平ドライバ16、タイミングジェネレータ13、垂直シフトレジスタ14等には、動作の高速化のため、オフリークが多少増加しても、閾値電圧の低いトランジスタが用いられている。また、ウエハプロセスにおける製造ばらつきにより、高速動作用のトランジスタのオフリークはさらに大きくなる可能性もある。
したがって、スイッチSW2を構成するトランジスタMP2,MN2の閾値電圧を他のトランジスタの閾値電圧と同程度にした場合、オフ状態のトランジスタMP2,MN2のソース−ドレイン間に流れるリーク電流は他のトランジスタと同様に大きくなってしまう。そのため、画素12bや画素12cでは、スイッチSW2のオフリークの影響により、例えば、スイッチSW2を介して、インバータINV11と反射電極PEとの間にリーク電流が流れ、反射電極PEの印加電圧が劣化してしまう。その結果、表示される階調のダイナミックレンジが小さくなってしまう。このことは、製造ばらつきによってさらに顕著になる可能性もある。
また、画素毎に反射電極PEの印加電圧の劣化度合いが異なるため、表示される階調の上下輝度傾斜が大きくなってしまう。本例では、画面の上側に位置する画素12bに設けられた反射電極PEの印加電圧の劣化は大きく、画面の下側に位置する画素12cに設けられた反射電極PEの印加電圧の劣化は小さい。そのため、画面の上側の画素は暗くなり、画面の下側の画素は明るくなってしまう。
最後に、図9の(d)について説明する。
画素12では、スイッチSW2を構成するトランジスタMP2,MN2の閾値電圧を他のトランジスタの閾値電圧よりも高くしている。それにより、オフ状態のトランジスタMP2,MN2のソース−ドレイン間に流れるリーク電流は小さくなる。それにより、画素12は、反射電極PEの印加電圧の劣化を防ぐことができる。つまり、液晶表示装置10は、画素12を用いることにより、表示される階調のダイナミックレンジの低下を防ぐことができるとともに、表示される階調の上下輝度傾斜の増大を抑制することができる。
以上のように、液晶表示装置10は、SRAMセルとDRAMセルと液晶表示素子とを有する画素12を複数備え、DRAMセル内のスイッチを構成するトランジスタの閾値電圧を高くすることにより、SRAMセルとDRAMセルとの間のオフリークを低減している。それにより、液晶表示装置10は、表示される階調のダイナミックレンジの低下を防ぐことができるとともに、表示される階調の上下輝度傾斜の増大を抑制することができる。
(画素12のレイアウトによる面積縮小効果)
ここで、図7に示す画素12のレイアウトの特徴を説明する。
まず、インバータINV12を構成するPMOSトランジスタ(第2PMOSトランジスタ)MP12の、Nウエル101上の活性領域120にて形成されたソース電極と、インバータINV11を構成するPMOSトランジスタ(第1PMOSトランジスタ)MP11の、Nウエル101上の活性領域120にて形成されたソース電極とは、共通化されており、第1メタル106及びNウエルコンタクト118aを通じて、図示していない電源電圧VDD用配線に接続されている。このように、同電位を示す拡散領域で形成される拡散電極を共通化することにより、画素12のレイアウト面積を縮小することが可能となる。
また、インバータINV11を構成するPMOSトランジスタMP11の、Nウエル101上の活性領域120で形成されたドレイン電極と、スイッチSW2を構成するPMOSトランジスタ(第3PMOSトランジスタ)MP2の、Nウエル101上の活性領域120で形成されたソース電極及びドレイン電極の一方(ここではソース電極と称す)とは、共通化されており、コンタクト及び第1メタル106を通じて、インバータINV11を構成するNMOSトランジスタ(第1NMOSトランジスタ)MN11の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたドレイン電極と、スイッチSW2を構成するNMOSトランジスタ(第3NMOSトランジスタ)MN2の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたソース電極及びドレイン電極の一方(ここではソース電極と称す)と、インバータINV12を構成するPMOSトランジスタMP12及びNMOSトランジスタ(第2NMOSトランジスタ)MN12の、ポリシリコン123で形成されたそれぞれのゲート電極と、に接続されている。ここでも、同電位を示す拡散領域で形成される拡散電極を共通化することにより、画素12のレイアウト面積を縮小することが可能となる。
また、スイッチSW1を構成するNMOSトランジスタ(第4NMOSトランジスタ)MN1の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたドレイン電極は、上下に反転配置された隣接画素(不図示)に設けられたスイッチSW1を構成するNMOSトランジスタMN1の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたドレイン電極と共通化されており、コンタクトを通じて、第1メタル106で形成された列データ線dに接続されている。
また、スイッチSW1を構成するNMOSトランジスタMN1の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたソース電極と、インバータINV12を構成するNMOSトランジスタMN12の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたドレイン電極とは、共通化されており、コンタクト及び第1メタル106で形成された配線を通じて、インバータINV12を構成するPMOSトランジスタMP12の、Nウエル101上の活性領域120で形成されたドレイン電極と、インバータINV11を構成するPMOSトランジスタMP11及びNMOSトランジスタMN11の、ポリシリコン123で形成されたそれぞれのゲート電極と、に接続されている。
また、インバータINV12を構成するNMOSトランジスタMN12の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたソース電極と、インバータINV11を構成するNMOSトランジスタMN11の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたソース電極とは、共通化されており、コンタクト及び第1メタル106で形成された配線を通じて、図示していないGND用配線に接続されている。このように、同電位を示す活性領域で形成される拡散電極を共通化することにより、画素12のレイアウト面積を縮小することが可能となる。
また、インバータINV11を構成するNMOSトランジスタMN11の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたドレイン電極と、スイッチSW2を構成するNMOSトランジスタMN2の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたソース電極とは、共通化されており、コンタクト及び第1メタル106を通じて、インバータINV11を構成するPMOSトランジスタMP11の、Nウエル101上の活性領域120で形成されたドレイン電極と、スイッチSW2を構成するPMOSトランジスタMP2の活性領域120で形成されたソース電極と、インバータINV12を構成するPMOSトランジスタMP12及びNMOSトランジスタMN12の、ポリシリコン123で形成されたそれぞれのゲート電極と、に接続されている。ここでも、同電位を示す活性領域で形成される拡散電極を共通化することにより、画素12のレイアウト面積を縮小することが可能となる。
このように、図7に示す画素12のレイアウト構成は、3個のPMOSトランジスタ間の隣り合う拡散電極同士を共通化することで、1画素当たりのレイアウト面積を縮小することができる。また、4個のNMOSトランジスタ間の隣り合う拡散電極同士を共通化することで、1画素当たりのレイアウト面積を縮小することができる。
本発明のような画素レイアウトを行うことにより1画素あたりの面積を小さくすることができ、例えば3μmピッチの画素で対角の長さ0.55インチの横方向4000画素、縦方向2000画素の液晶表示パネルを実現できる。こうすることでパネルのダウンサイジングが可能になり、パネルのウエハからの取れ数増加や、歩留り向上に伴う低コスト化だけでなく、ランプやプロジェクターセットとしての小型化など大なる効果を得ることができる。
なお、図8に示す画素12aのレイアウト構成の場合でも、図7に示す画素12のレイアウト構成の場合と同等の効果を奏することができる。
また、上記した拡散電極の共通化によるレイアウト面積の削減は、スイッチSW2を構成するPMOSトランジスタMP2及びNMOSトランジスタMN2のそれぞれの閾値電圧を、他のトランジスタ(例えば、インバータINV11を構成するトランジスタ)の閾値電圧よりも高くしていない場合でも、同様に実現可能である。
<実施の形態2>
図10は、実施の形態2にかかる液晶表示装置に設けられた画素22を示す回路図である。画素22は、画素12と比較して、スイッチSW1がNMOSトランジスタMN1に加えてPMOSトランジスタ(第4PMOSトランジスタ)MP1を備える。NMOSトランジスタMN1及びPMOSトランジスタMP1は、トランスミッションゲートを構成している。それにより、スイッチSW1は、オン状態において接地電圧GNDから電源電圧VDDまでの広範囲の電圧を転送することができるため、画素22の動作を安定させることができる。画素22のその他の構成については、画素12と同様であるため、その説明を省略する。
(画素22の平面図)
図11は、画素22の概略平面図である。図11に示す平面図は、図4のB−B’平面図に対応する。ただし、図11では、簡略化のため第1メタル106より上層が省略されている。つまり、図11では、トランジスタ(Nウエル101、Pウエル102、ポリシリコン123、活性領域120)、第1メタル106、コンタクト118、スルーホール119aが示され、第2メタル108、スルーホール119b、第3メタル110、スルーホール119c、スルーホール119d、MIM電極112、第4メタル114、スルーホール119e、第5メタル116は示されていない。
なお、図11には、1つの画素22のみが示されているが、紙面の縦方向に隣接する画素22同士は、例えば、紙面の横方向を軸にして線対称に配置される。紙面の横方向に隣接する画素22同士は、例えば、紙面の縦方向を軸にして線対称に配置される。したがって、電源電圧VDDが伝搬する電源線とNウエル101とを接続するコンタクト118であるNウエルコンタクト118a、接地電圧GNDが伝搬する電源線とPウエル102とを接続するコンタクト118であるPウエルコンタクト118b、スイッチSW1を構成するPMOSトランジスタMP1のドレインと列データ線dとを接続するコンタクト118であるコンタクト118d、及び、スイッチSW1を構成するNMOSトランジスタMN1のドレインと列データ線dとを接続するコンタクト118であるコンタクト118cは、隣接する2つの画素22によって共用されている。
(画素22のレイアウトによる面積縮小効果)
ここで、図11に示す画素22のレイアウトの特徴を説明する。
まず、スイッチSW1を構成するPMOSトランジスタMP1の、Nウエル101上の活性領域120で形成されたソース電極と、インバータINV12を構成するPMOSトランジスタMP12の、Nウエル101上の活性領域120で形成されたドレイン電極とは、共通化されており、コンタクト及び第1メタル106で形成された配線を通じて、スイッチSW1を構成するNMOSトランジスタMN1の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたソース電極と、インバータINV12を構成するNMOSトランジスタMN12の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたドレイン電極と、インバータINV11を構成するPMOSトランジスタMP11及びNMOSトランジスタMN11の、ポリシリコン123で形成されたそれぞれのゲート電極と、に接続されている。
また、インバータINV12を構成するPMOSトランジスタMP12の、Nウエル101上の活性領域120にて形成されたソース電極と、インバータINV11を構成するPMOSトランジスタMP11の、Nウエル101上の活性領域120にて形成されたソース電極とは、共通化されており、第1メタル106及びNウエルコンタクト118aを通じて、図示していない電源電圧VDD用配線に接続されている。このように、同電位を示す拡散領域で形成される拡散電極を共通化することにより、画素22のレイアウト面積を縮小することが可能となる。
また、インバータINV11を構成するPMOSトランジスタMP11の、Nウエル101上の活性領域120で形成されたドレイン電極と、スイッチSW2を構成するPMOSトランジスタMP2の、Nウエル101上の活性領域120で形成されたソース電極及びドレイン電極の一方(ここではソース電極と称す)とは、共通化されており、コンタクト及び第1メタル106を通じて、インバータINV11を構成するNMOSトランジスタMN11の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたドレイン電極と、スイッチSW2を構成するNMOSトランジスタMN2の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたソース電極及びドレイン電極の一方(ここではソース電極と称す)と、インバータINV12を構成するPMOSトランジスタMP12及びNMOSトランジスタMN12の、ポリシリコン123で形成されたそれぞれのゲート電極と、に接続されている。ここでも、同電位を示す拡散領域で形成される拡散電極を共通化することにより、画素22のレイアウト面積を縮小することが可能となる。
また、スイッチSW1を構成するNMOSトランジスタMN1の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたドレイン電極は、上下に反転配置された隣接画素(不図示)に設けられたスイッチSW1を構成するNMOSトランジスタMN1の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたドレイン電極と共通化されており、コンタクトを通じて、第1メタル106で形成された列データ線dに接続されている。
また、スイッチSW1を構成するNMOSトランジスタMN1の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたソース電極と、インバータINV12を構成するNMOSトランジスタMN12の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたドレイン電極とは、共通化されており、コンタクト及び第1メタル106で形成された配線を通じて、スイッチSW1を構成するPMOSトランジスタMP1の、Nウエル101上の活性領域120で形成されたソース電極と、インバータINV12を構成するPMOSトランジスタMP12の、Nウエル101上の活性領域120で形成されたドレイン電極と、インバータINV11を構成するPMOSトランジスタMP11及びNMOSトランジスタMN11の、ポリシリコン123で形成されたそれぞれのゲート電極と、に接続されている。
また、インバータINV12を構成するNMOSトランジスタMN12の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたソース電極と、インバータINV11を構成するNMOSトランジスタMN11の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたソース電極とは、共通化されており、コンタクト及び第1メタル106で形成された配線を通じて、図示していないGND用配線に接続されている。このように、同電位を示す活性領域で形成される拡散電極を共通化することにより、画素22のレイアウト面積を縮小することが可能となる。
また、インバータINV11を構成するNMOSトランジスタMN11の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたドレイン電極と、スイッチSW2を構成するNMOSトランジスタMN2の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたソース電極とは、共通化されており、コンタクト及び第1メタル106を通じて、インバータINV11を構成するPMOSトランジスタMP11の、Nウエル101上の活性領域120で形成されたドレイン電極と、スイッチSW2を構成するPMOSトランジスタMP2の活性領域120で形成されたソース電極と、インバータINV12を構成するPMOSトランジスタMP12及びNMOSトランジスタMN12の、ポリシリコン123で形成されたそれぞれのゲート電極と、に接続されている。ここでも、同電位を示す活性領域で形成される拡散電極を共通化することにより、画素22のレイアウト面積を縮小することが可能となる。
このように、図11に示す画素22のレイアウト構成は、4個のPMOSトランジスタ間の隣り合う拡散電極同士を共通化することで、1画素当たりのレイアウト面積を縮小することができる。また、4個のNMOSトランジスタ間の隣り合う拡散電極同士を共通化することで、1画素当たりのレイアウト面積を縮小することができる。
本発明のような画素レイアウトを行うことにより1画素あたりの面積を小さくすることができ、例えば3μmピッチの画素で対角の長さ0.55インチの横方向4000画素、縦方向2000画素の液晶表示パネルを実現できる。こうすることでパネルのダウンサイジングが可能になり、パネルのウエハからの取れ数増加や、歩留り向上に伴う低コスト化だけでなく、ランプやプロジェクターセットとしての小型化など大なる効果を得ることができる。
なお、上記した拡散電極の共通化によるレイアウト面積の削減は、スイッチSW2を構成するPMOSトランジスタMP2及びNMOSトランジスタMN2のそれぞれの閾値電圧を、他のトランジスタ(例えば、インバータINV11を構成するトランジスタ)の閾値電圧よりも高くしていない場合でも、同様に実現可能である。
<実施の形態3>
図12は、実施の形態3にかかる液晶表示装置に設けられた画素12及びテスト用のスイッチSW3を示す図である。スイッチSW3は、左右に隣接する一対の画素12間に設けられている。
より詳細には、スイッチSW3は、画素12の反射電極PEと、隣接する他の画素12(不図示)と、の間に設けられ、画素12の不良を検知するためのプローブテスト時にオンする。なお、スイッチSW3は、トランスミッションゲートを構成するPMOSトランジスタ(第5PMOSトランジスタ)MP3及びNMOSトランジスタ(第5NMOSトランジスタ)MN3により構成されている。
画素12のプローブテストでは、例えば、スイッチSW3の左側の画素12(不図示)に検査信号が入力され、スイッチSW3の右側の画素12から検査結果が出力される。この検査結果に基づき、ウエハ入荷時における画素の欠陥等が検出される。なお、スイッチSW3を用いて、画素12の反射電極PEと、隣接する他の画素12(不図示)と、を導通する用途は、画素検査に限らない。例えば、4KパネルをFHD表示したい場合や2K2K表示したい場合において、水平方向のデータ量を1/2にして、1つのデータで水平2画素を同時に行う用途にも使用することができる。それにより、データ量を落とすことが可能となり、クロック周波数を低減したり、サブフレーム数を増やしたりする等の効果を期待することができる。このように、スイッチSW3の役割は、画素検査に限定されない。
(画素12及びスイッチSW3の平面図)
図13は、画素12及びスイッチSW3の概略平面図である。図13に示す平面図は、図4のB−B’平面図に対応する。ただし、図13では、簡略化のため第1メタル106より上層が省略されている。つまり、図13では、トランジスタ(Nウエル101、Pウエル102、ポリシリコン123、活性領域120)、第1メタル106、コンタクト118、スルーホール119aが示され、第2メタル108、スルーホール119b、第3メタル110、スルーホール119c、スルーホール119d、MIM電極112、第4メタル114、スルーホール119e、第5メタル116は示されていない。
なお、図13には、複数の画素12のうちの一つが示されているが、紙面の縦方向に隣接する画素12同士は、例えば、紙面の横方向を軸にして線対称に配置される。紙面の横方向に隣接する画素12同士は、例えば、紙面の縦方向を軸にして線対称に配置される。したがって、電源電圧VDDが伝搬する電源線とNウエル101とを接続するコンタクト118であるNウエルコンタクト118a、接地電圧GNDが伝搬する電源線とPウエル102とを接続するコンタクト118であるPウエルコンタクト118b、及び、スイッチSW1を構成するNMOSトランジスタMN1のドレインと列データ線dとを接続するコンタクト118であるコンタクト118cは、隣接する2つの画素12によって共用されている。
(画素12及びスイッチSW3のレイアウトによる面積縮小効果)
ここで、図13に示す画素12及びスイッチSW3のレイアウトの特徴を説明する。
まず、インバータINV12を構成するPMOSトランジスタMP12の、Nウエル101上の活性領域120にて形成されたソース電極と、インバータINV11を構成するPMOSトランジスタMP11の、Nウエル101上の活性領域120にて形成されたソース電極とは、共通化されており、第1メタル106及びNウエルコンタクト118aを通じて、図示していない電源電圧VDD用配線に接続されている。このように、同電位を示す拡散領域で形成される拡散電極を共通化することにより、画素12のレイアウト面積を縮小することが可能となる。
また、インバータINV11を構成するPMOSトランジスタMP11の、Nウエル101上の活性領域120で形成されたドレイン電極と、スイッチSW2を構成するPMOSトランジスタMP2の、Nウエル101上の活性領域120で形成されたソース電極及びドレイン電極の一方(ここではソース電極と称す)とは、共通化されており、コンタクト及び第1メタル106を通じて、インバータINV11を構成するNMOSトランジスタMN11の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたドレイン電極と、スイッチSW2を構成するNMOSトランジスタMN2の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたソース電極及びドレイン電極の一方(ここではソース電極と称す)と、インバータINV12を構成するPMOSトランジスタMP12及びNMOSトランジスタMN12の、ポリシリコン123で形成されたそれぞれのゲート電極と、に接続されている。ここでも、同電位を示す拡散領域で形成される拡散電極を共通化することにより、画素12のレイアウト面積を縮小することが可能となる。
また、スイッチSW2を構成するPMOSトランジスタMP2の、Nウエル101上の活性領域120で形成されたソース電極及びドレイン電極の他方(ここではドレイン電極)と、スイッチSW3を構成するPMOSトランジスタMP3の、Nウエル101上の活性領域120で形成されたソース電極及びドレイン電極の一方(ここではドレイン電極と称す)とは、共通化されており、スイッチSW2を構成するNMOSトランジスタMN2の、Pウエル101上の活性領域120で形成されたソース電極及びドレイン電極の他方(ここではドレイン電極)と、スイッチSW3を構成するNMOSトランジスタMN3の、Pウエル101上の活性領域120で形成されたソース電極及びドレイン電極の他方(ここではドレイン電極)と、に接続されている。
スイッチSW3を構成するPMOSトランジスタMP3のオンオフを制御する、ポリシリコン123で構成されたゲートは、コンタクト、第1メタル106、スルーホール、及び、行方向に配線されたpirb配線(不図示)を通じて、垂直シフトレジスタに接続されている。
また、スイッチSW1を構成するNMOSトランジスタMN1の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたドレイン電極は、上下に反転配置された隣接画素(不図示)に設けられたスイッチSW1を構成するNMOSトランジスタMN1の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたドレイン電極と共通化されており、コンタクトを通じて、第1メタル106で形成された列データ線dに接続されている。
また、スイッチSW1を構成するNMOSトランジスタMN1の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたソース電極と、インバータINV12を構成するNMOSトランジスタMN12の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたドレイン電極とは、共通化されており、コンタクト及び第1メタル106で形成された配線を通じて、インバータINV12を構成するPMOSトランジスタMP12の、Nウエル101上の活性領域120で形成されたドレイン電極と、インバータINV11を構成するPMOSトランジスタMP11及びNMOSトランジスタMN11の、ポリシリコン123で形成されたそれぞれのゲート電極と、に接続されている。
また、インバータINV12を構成するNMOSトランジスタMN12の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたソース電極と、インバータINV11を構成するNMOSトランジスタMN11の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたソース電極とは、共通化されており、コンタクト及び第1メタル106で形成された配線を通じて、図示していないGND用配線に接続されている。このように、同電位を示す活性領域で形成される拡散電極を共通化することにより、画素12のレイアウト面積を縮小することが可能となる。
また、インバータINV11を構成するNMOSトランジスタMN11の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたドレイン電極と、スイッチSW2を構成するNMOSトランジスタMN2の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたソース電極とは、共通化されており、コンタクト及び第1メタル106を通じて、インバータINV11を構成するPMOSトランジスタMP11の、Nウエル101上の活性領域120で形成されたドレイン電極と、スイッチSW2を構成するPMOSトランジスタMP2の活性領域120で形成されたソース電極と、インバータINV12を構成するPMOSトランジスタMP12及びNMOSトランジスタMN12の、ポリシリコン123で形成されたそれぞれのゲート電極と、に接続されている。ここでも、同電位を示す活性領域で形成される拡散電極を共通化することにより、画素12のレイアウト面積を縮小することが可能となる。
また、スイッチSW2を構成するNMOSトランジスタMN2の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたドレイン電極と、スイッチSW3を構成するNMOSトランジスタMN3の、Pウエル102上の活性領域120で形成されたドレイン電極とは、共通化されており、スイッチSW2を構成するPMOSトランジスタMP2の、Nウエル101上の活性領域120で形成されたドレイン電極と、スイッチSW3を構成するPMOSトランジスタMP3の、Nウエル101上の活性領域120で形成されたドレイン電極に接続されている。
スイッチSW3を構成するNMOSトランジスタMN3を制御する、ポリシリコン123で構成されたゲートは、コンタクト、第1メタル106、スルーホール、及び、行方向に配線されたpir配線(不図示)を介して、垂直シフトレジスタに接続されている。
なお、本例では、スイッチSW2を構成するPMOSトランジスタMP2及びNMOSトランジスタMN2のそれぞれの閾値電圧と、スイッチSW3を構成するPMOSトランジスタMP3及びNMOSトランジスタMN3とは、他のトランジスタ(例えば、インバータINV11を構成するトランジスタ)の閾値電圧よりも高くなっている。
具体的には、トランジスタ製造工程において、素子分離酸化膜103形成後、ポリシリコン123形成前に、PMOSトランジスタMP2,MP3のチャネル領域122(PMOSトランジスタMP2,MP3の活性領域120とポリシリコン123とが重なる領域)を含み、かつ、他のトランジスタのチャネル領域122を含まない範囲(以下、Vth調整範囲と称す)A1、を開口させた専用マスクを用いてレジストをパターニングする。そして、Vth調整範囲A1に対して浅くイオン注入を行う。同様に、NMOSトランジスタMN2,MN3のチャネル領域122を含み、かつ、他のトランジスタのチャネル領域122を含まないVth調整範囲A2、を開口させた専用マスクを用いてレジストをパターニングする。そして、Vth調整範囲A2に対して浅くイオン注入を行う。
このとき、Vth調整範囲A1,A2に含まれる領域のうち、活性領域120に対してのみイオン注入され、それ以外の素子分離酸化膜103に覆われた領域にはイオン注入されない。また、活性領域120に含まれる領域のうち、チャネル領域122(活性領域120とポリシリコン123とが重なる領域)及び拡散層121領域(活性領域120のうちポリシリコン123の領域と重ならない領域)の何れにもイオン注入されるが、拡散層121領域には、ポリシリコン123形成後に高濃度のイオンが注入されるため、ここでのイオン注入は拡散層121領域に影響を与えない。即ち、実質的に、PMOSトランジスタMP2,MP3及びNMOSトランジスタMN2,MN3のそれぞれのチャネル領域122に対してのみイオン注入が行われる。
ここで、PMOSトランジスタMP2,MP3及びNMOSトランジスタMN2,MN3のそれぞれの閾値電圧の値は、チャネル領域122に注入されるイオンによって決定される。つまり、PMOSトランジスタMP2,MP3及びNMOSトランジスタMN2,MN3のそれぞれのチャネル領域122にイオンを注入することで、PMOSトランジスタMP2,MP3及びNMOSトランジスタMN2,MN3のそれぞれの閾値電圧を高くすることができる。
なお、PMOSトランジスタMP2,MP3及びNMOSトランジスタMN2,MN3のそれぞれのチャネル領域に対するイオン注入は、それ以外のトランジスタを含む全てのトランジスタのそれぞれのチャネル領域に対する通常のイオン注入に追加する形で行われる。それにより、PMOSトランジスタMP2,MP3及びNMOSトランジスタMN2,MN3の閾値電圧を、それ以外のトランジスタの閾値電圧よりも高くすることができる。
例えば、ウエル電圧を基準にして、通常のPMOSトランジスタの閾値電圧は−0.6V、通常のNMOSトランジスタの閾値電圧は0.6Vであるのに対し、PMOSトランジスタMP2,MP3の閾値電圧は−1.0V程度、NMOSトランジスタMN2,MN3の閾値電圧は1.0Vに調整される。なお、NMOSトランジスタMN2,MN3及びPMOSトランジスタMP2,MP3のそれぞれの閾値電圧の絶対値はさらに大きくてもよい。
PMOSトランジスタMP2,MP3及びNMOSトランジスタMN2,MN3のそれぞれの閾値電圧を高くすることにより、オフ状態のPMOSトランジスタMP2,MP3及びNMOSトランジスタMN2,MN3のそれぞれのリーク電流(以下、オフリークと称す)を低減することができるため、表示される階調のダイナミックレンジの低下を抑制したり、上下輝度傾斜の増大を抑制したりすることができる。
なお、一般的にトランジスタは閾値電圧を高くすると駆動力が低下するが、スイッチSW2を構成するNMOSトランジスタMN2及びPMOSトランジスタMP2と、スイッチSW3を構成するNMOSトランジスタMN3及びPMOSトランジスタMP3は、ソース−ドレイン間のオンオフを切り替えるスイッチ動作しかしないため、低い駆動能力でも動作に支障はない。
このように、図13に示す画素12及びスイッチSW3のレイアウト構成は、4個のPMOSトランジスタ間の隣り合う拡散電極同士を共通化することで、1画素当たりのレイアウト面積を縮小することができる。また、5個のNMOSトランジスタ間の隣り合う拡散電極同士を共通化することで、1画素当たりのレイアウト面積を縮小することができる。
本発明のような画素レイアウトを行うことにより1画素あたりの面積を小さくすることができ、例えば3μmピッチの画素で対角の長さ0.55インチの横方向4000画素、縦方向2000画素の液晶表示パネルを実現できる。こうすることでパネルのダウンサイジングが可能になり、パネルのウエハからの取れ数増加や、歩留り向上に伴う低コスト化だけでなく、ランプやプロジェクターセットとしての小型化など大なる効果を得ることができる。
なお、上記した拡散電極の共通化によるレイアウト面積の削減は、スイッチSW2を構成するPMOSトランジスタMP2及びNMOSトランジスタMN2と、スイッチSW3を構成するPMOSトランジスタMP3及びNMOSトランジスタMN3と、のそれぞれの閾値電圧を、他のトランジスタ(例えば、インバータINV11を構成するトランジスタ)の閾値電圧よりも高くしていない場合でも、同様に実現可能である。
上記実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
複数の1ビットのサブフレームデータに応じた階調レベルにて1フレーム当たりの画像の表示を行う画素を、複数備え、
各画素は、
前記サブフレームデータをサンプリングする第1スイッチと、
前記第1スイッチとともにSRAMセルを構成し、前記第1スイッチによってサンプリングされた前記サブフレームデータを保持する第1データ保持部と、
他の前記画素とともに、一斉に、前記第1データ保持部に保持された前記サブフレームデータをサンプリングする第2スイッチと、
前記第2スイッチとともにDRAMセルを構成し、前記第2スイッチによってサンプリングされた前記サブフレームデータを保持する第2データ保持部と、
前記第2データ保持部に保持された前記サブフレームデータが印加される反射電極と、共通電極と、前記反射電極と前記共通電極との間に充填封入された液晶と、により構成される液晶表示素子と、を有し、
前記第1データ保持部は、
入力が第2インバータの出力及び前記第1スイッチに接続され、かつ、出力が前記第2インバータの入力及び前記第2スイッチに接続された、第1インバータと、
入力が前記第1インバータの出力に接続され、かつ、出力が前記第1インバータの入力に接続された、前記第2インバータと、を有し、
前記第1インバータは、
第1PMOSトランジスタ及び第1NMOSトランジスタを有し、
前記第2インバータは、
第2PMOSトランジスタ及び第2NMOSトランジスタを有し、
前記第2スイッチは、
トランスミッションゲートを構成する第3PMOSトランジスタ及び第3NMOSトランジスタを有し、
前記第2PMOSトランジスタのソースを構成する拡散電極と、前記第1PMOSトランジスタのソースを構成する拡散電極とは、共通化されており、
前記第1PMOSトランジスタのドレインを構成する拡散電極と、前記第3PMOSトランジスタのソース及びドレインの一方を構成する拡散電極とは、共通化されており、
前記第2NMOSトランジスタのソースを構成する拡散電極と、前記第1NMOSトランジスタのソースを構成する拡散電極とは、共通化されており、
前記第1NMOSトランジスタのドレインを構成する拡散電極と、前記第3NMOSトランジスタのソース及びドレインの一方を構成する拡散電極とは、共通化されている、液晶表示装置。
(付記2)
前記第1スイッチは、
第4NMOSトランジスタを有し、
前記第2NMOSトランジスタのドレインを構成する拡散電極と、前記第4NMOSトランジスタのソース及びドレインの一方を構成する拡散電極とは、共通化されている、
付記1に記載の液晶表示装置。
(付記3)
前記第1スイッチは、
第4PMOSトランジスタを有し、
前記第2PMOSトランジスタのドレインを構成する拡散電極と、前記第4PMOSトランジスタのソース及びドレインの一方を構成する拡散電極とは、共通化されている、
付記1に記載の液晶表示装置。
(付記4)
前記第1スイッチは、
トランスミッションゲートを構成する第4NMOSトランジスタ及び第4PMOSトランジスタを有し、
前記第2NMOSトランジスタのドレインを構成する拡散電極と、前記第4NMOSトランジスタのソース及びドレインの一方を構成する拡散電極とは、共通化されており、
前記第2PMOSトランジスタのドレインを構成する拡散電極と、前記第4PMOSトランジスタのソース及びドレインの一方を構成する拡散電極とは、共通化されている、
付記1に記載の液晶表示装置。
(付記5)
前記反射電極と、隣接する他の画素の前記反射電極と、の間に設けられた第3スイッチをさらに備え、
前記第2スイッチは、
トランスミッションゲートを構成する第3PMOSトランジスタ及び第3NMOSトランジスタを有し、
前記第3スイッチは、
トランスミッションゲートを構成する第5PMOSトランジスタ及び第5NMOSトランジスタを有し、
前記第3PMOSトランジスタのソース及びドレインの他方を構成する拡散電極と、前記第5PMOSトランジスタのソース及びドレインの一方を構成する拡散電極とは、共通化されており、
前記第3NMOSトランジスタのソース及びドレインの他方を構成する拡散電極と、前記第5NMOSトランジスタのソース及びドレインの一方を構成する拡散電極とは、共通化されている、
付記1〜4の何れか一項に記載の液晶表示装置。