JP6318952B2 - アナログデジタル変換回路およびアナログデジタル変換方法 - Google Patents

アナログデジタル変換回路およびアナログデジタル変換方法 Download PDF

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アナログデジタル変換回路およびアナログデジタル変換方法に関する。
従来、アナログ入力信号をデジタル出力信号に変換するアナログデジタル変換回路(A/D変換回路)は、様々な分野で用いられている。たとえば、マイクロコンピュータやシステムLSIは、逐次比較(SAR:Successive Approximation Register)型のA/D変換回路を搭載している。A/D変換回路は、たとえば、容量列とスイッチ列とを有するデジタルアナログ変換回路(D/A変換回路:CDAC)を有し、D/A変換回路の出力電圧とコモン電圧とを比較し、デジタル出力信号の各ビット値を決定する(たとえば、特許文献1〜3参照)。
特表2003−504912号公報 特開平7−336224号公報 特開2007−49637号公報
ところで、上記のように、容量列とスイッチ列とを有するCDACの場合、各容量における電圧の整定時間(セトリング・タイム)やスイッチのオン抵抗値は、A/D変換回路における変換時間に影響する。このため、CDACを有するA/D変換回路において、変換時間の短縮化が求められる。
本発明の一観点によれば、第1の共通配線に第1端子が接続された複数の第1のキャパシタと、前記複数の第1のキャパシタの第2端子にそれぞれ接続された複数の第1のスイッチとを有し、前記第1の共通配線に第1の出力電圧を生成する第1のデジタルアナログ変換回路と、第2の共通配線に第1端子が接続された複数の第2のキャパシタと、前記複数の第2のキャパシタの第2端子にそれぞれ接続された複数の第2のスイッチとを有し、前記第2の共通配線に第2の出力電圧を生成する第2のデジタルアナログ変換回路と、前記第1の共通配線に第1端子が接続され、前記高電位電圧と前記低電位電圧の中間電圧と異なる第1の参照電圧が第2端子に供給される第1のリセットスイッチと、前記第2の共通配線に第1端子が接続され、第2端子に前記第1の参照電圧が供給される第2のリセットスイッチと、前記第1の出力電圧と前記第1の参照電圧とを比較する第1のコンパレータと、前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧とを比較する第2のコンパレータと、前記第1の参照電圧と前記第2の出力電圧とを比較する第3のコンパレータと、前記第1の〜第3のコンパレータの出力信号に基づいて2ビットのデジタル信号を生成する演算回路と、前記第1のリセットスイッチ、前記第2のリセットスイッチ、前記複数の第1のスイッチ、及び前記複数の第2のスイッチを制御する制御回路と、を有し、前記制御回路は、差動アナログ入力信号のサンプリング時に、前記差動アナログ入力信号の逆相入力信号を前記第1のデジタルアナログ変換回路の前記複数の第1のキャパシタの第2端子に供給し、前記差動アナログ入力信号の正相入力信号を前記第2のデジタルアナログ変換回路の前記複数の第2のキャパシタの第2端子に供給し、前記第1の参照電圧を前記第1の共通配線と前記第2の共通配線に供給し、前記差動アナログ入力信号のサンプリング後に、前記複数の第1のキャパシタと前記複数の第2のキャパシタのうち、前記2ビットのデジタル信号の上位ビットに対応する上位キャパシタに前記低電位電圧を供給し、前記2ビットのデジタル信号の下位ビットに対応する下位キャパシタに前記第1の参照電圧を供給する。
本発明の一観点によれば、変換時間の短縮化を図ることができる。
一実施形態のアナログデジタル変換回路の回路図。 一実施形態のアナログデジタル変換回路の動作説明図。 一実施形態のアナログデジタル変換回路の動作説明図。 (a)は、1回目の変換ステップの対象となるキャパシタ及びスイッチを示すD/A変換回路の一部回路図、(b)上位スイッチの制御を示す説明図、(c)は下位スイッチの制御を示す説明図。 (a)は変換結果に対するスイッチ制御の説明図、(b)はスイッチ制御による電圧シフトの説明図。 (a)は変換結果に対するスイッチ制御の説明図、(b)はスイッチ制御による電圧シフトの説明図。 (a)は変換結果に対するスイッチ制御の説明図、(b)はスイッチ制御による電圧シフトの説明図。 (a)は変換結果に対するスイッチ制御の説明図、(b)はスイッチ制御による電圧シフトの説明図。 (a)(b)は、一実施形態のアナログデジタル変換回路の動作説明図。 (a)(b)は、一実施形態のアナログデジタル変換回路の動作説明図。 (a)(b)は、一実施形態のアナログデジタル変換回路の動作説明図。 変換ステップに対する電圧変化を示す説明図。 変換ステップに対する電圧変化を示す説明図。 変換ステップに対する電圧変化を示す説明図。 CMOS構造のトランスファゲートにおける入力電圧に対するオン抵抗値を示す特性図。
以下、一実施形態を説明する。
図1に示すように、逐次比較(SAR)型のアナログデジタル変換回路(A/D変換回路)10は、差動アナログ信号VIp,VImを、複数ビット(たとえば8ビット)のデジタル出力信号DOに変換する。
デジタル出力信号DOは、たとえば8ビットのデジタル出力信号DO(x)(x=7〜0)である。デジタル出力信号DO(7)は最上位ビット(MSB:Most Significant Bit)、デジタル出力信号DO(0)は最下位ビット(LSB:Least Significant Bit)である。
このA/D変換回路10は差動アナログ信号VIp,VImをサンプリングし、変換処理を複数回実行する。そして、A/D変換回路10は、1回の変換サイクルにおいて、2ビットのデジタル信号の値を決定する。1回の変換サイクルにおいて決定する2ビットのデジタル信号のうち、上位ビットのデジタル信号をDU、下位ビットのデジタル信号をDLとして説明する場合がある。
A/D変換回路10は、2つのデジタルアナログ変換回路(D/A変換回路)11p,11m、3つのコンパレータ12a,12b,12c、演算回路13、制御回路14を有している。
第1のD/A変換回路11は、電荷再配分型のデジタルアナログ変換回路(CDAC:Capacitive Digital-to-Analog Converter)である。
このD/A変換回路11pは、8ビットのデジタル出力信号DOに対応する6個のメインキャパシタC5p,C4p,C3p,C2p,C1p,C0pと、1つのダミーキャパシタCCpを有している。メインキャパシタC5p〜C0pは、バイナリ(binary)の比率で重み付けされ、その容量比は(32:16:8:4:2:1)である。ダミーキャパシタCCpの容量値は、最下位のメインキャパシタC0pと同じ容量値に設定されている。本実施形態において、メインキャパシタC5p〜C0pとダミーキャパシタCCpの容量値を、128C,64C,32C,16C,8C,4C,4Cとする。ここで、「C」は、単位容量値である。
メインキャパシタC5p〜C0p及びダミーキャパシタCCpの第1端子は共通配線LCpに接続されている。共通配線LCpは、第1のコンパレータ12aの非反転入力端子と、第2のコンパレータ12bの非反転入力端子に接続されている。たとえば、第1,第2のコンパレータ12a,12bに接続されるメインキャパシタC5p〜C0p及びダミーキャパシタCCpの第1端子をトッププレートと呼び、メインキャパシタC5p〜C0p及びダミーキャパシタCCpの第2端子をボトムプレートと呼ぶことがある。
メインキャパシタC5pの第2端子は、メインスイッチSW5pに接続されている。メインスイッチSW5pは、1つの共通端子と3つの切替端子とを有する3点スイッチである。共通端子はメインキャパシタC5pの第2端子に接続され、各切替端子には逆相入力電圧VIm,高電位電圧VRH,低電位電圧VRLが供給される。メインスイッチSW5pは、制御回路14により制御される。このメインスイッチSW5pにより、メインキャパシタC5pの第2端子は、逆相入力電圧VIm,高電位電圧VRH,低電位電圧VRLが選択的に供給される。
メインキャパシタC4pの第2端子は、メインスイッチSW4pに接続されている。メインスイッチSW4pは、1つの共通端子と4つの切替端子とを有する4点スイッチである。共通端子はメインキャパシタC4pの第2端子に接続され、各切替端子には逆相入力電圧VIm,高電位電圧VRH,第1の参照電圧VRQ,低電位電圧VRLが供給される。メインスイッチSW4pは、制御回路14により制御される。このメインスイッチSW4pにより、メインキャパシタC4pの第2端子は、逆相入力電圧VIm,高電位電圧VRH,第1の参照電圧VRQ,低電位電圧VRLが選択的に供給される。
メインキャパシタC3pの第2端子はメインスイッチSW3pに接続されている。メインキャパシタC1pの第2端子はメインスイッチSW1pに接続されている。メインスイッチSW3p,SW1pは、メインスイッチSW5pと同様に、1つの共通端子と3つの切替端子とを有する3点スイッチである。共通端子はメインキャパシタC3p、C1pの第2端子に接続され、各切替端子には逆相入力電圧VIm,高電位電圧VRH,低電位電圧VRLが供給される。メインスイッチSW3p,SW1pは、制御回路14により制御される。したがって、メインスイッチSW3p,SW1pにより、メインキャパシタC3p,C1pの第1端子は、逆相入力電圧VIm,高電位電圧VRH,低電位電圧VRLが選択的に供給される。
メインキャパシタC2pの第2端子はメインスイッチSW2pに接続されている。メインキャパシタC0pの第2端子はメインスイッチSW0pに接続されている。メインスイッチSW2p,SW0pは、メインスイッチSW4pと同様に、1つの共通端子と4つの切替端子とを有する4点スイッチである。共通端子はメインキャパシタC2p,C0pの第2端子に接続され、各切替端子には逆相入力電圧VIm,高電位電圧VRH,第1の参照電圧VRQ,低電位電圧VRLが供給される。メインスイッチSW2p,SW0pは、制御回路14により制御される。したがって、メインスイッチSW2p,SW0pにより、メインキャパシタC2p,C0pの第2端子に、逆相入力電圧VIm,高電位電圧VRH,第1の参照電圧VRQ,低電位電圧VRLが選択的に供給される。
ダミーキャパシタCCpの第2端子はダミースイッチSWCpに接続されている。ダミースイッチSWCpは、1つの共通端子と2つの切替端子とを有する2点スイッチである。共通端子はダミーキャパシタCCpの第2端子に接続され、各切替端子には、逆相入力電圧VIm,第2の参照電圧VRSが供給される。ダミースイッチSWCpは、制御回路14により制御される。このダミースイッチSWCpにより、ダミーキャパシタCCpの第2端子に、逆相入力電圧VImと第2の参照電圧VRSとが選択的に供給される。
第2のD/A変換回路11mは、第1のD/A変換回路11pと同様に、電荷再配分型のデジタルアナログ変換回路(CDAC)である。
この第2のD/A変換回路11mは、8ビットのデジタル出力信号DOに対応する6個のメインキャパシタC5m,C4m,C3m,C2m,C1m,C0mと、1つのダミーキャパシタCCmを有している。メインキャパシタC5m〜C0mは、バイナリの比率で重み付けされ、その容量比は(32:16:8:4:2:1)である。ダミーキャパシタCCmの容量値は、最下位のメインキャパシタC0mと同じ容量値に設定されている。本実施形態において、メインキャパシタC5m〜C0mとダミーキャパシタCCmの容量値を、128C,64C,32C,16C,8C,4C,4Cとする。ここで、「C」は、単位容量値である。
メインキャパシタC5m〜C0m及びダミーキャパシタCCmの第1端子は共通配線LCmに接続されている。共通配線LCmは、第2のコンパレータ12bの反転入力端子と、第3のコンパレータ12cの反転入力端子に接続されている。たとえば、第2,第3のコンパレータ12b,12cに接続されるメインキャパシタC5m〜C0m及びダミーキャパシタCCmの第1端子をトッププレートと呼び、メインキャパシタC5m〜C0m及びダミーキャパシタCCmの第2端子をボトムプレートと呼ぶことがある。
メインキャパシタC5mの第2端子は、メインスイッチSW5mに接続されている。メインスイッチSW5mは、1つの共通端子と3つの切替端子とを有する3点スイッチである。共通端子はメインキャパシタC5mの第2端子に接続され、各切替端子には正相入力電圧VIp,高電位電圧VRH,低電位電圧VRLが供給される。メインスイッチSW5mは、制御回路14により制御される。このメインスイッチSW5mにより、メインキャパシタC5mの第2端子は、正相入力電圧VIp,高電位電圧VRH,低電位電圧VRLが選択的に供給される。
メインキャパシタC4mの第2端子は、メインスイッチSW4mに接続されている。メインスイッチSW4mは、1つの共通端子と4つの切替端子とを有する4点スイッチである。共通端子はメインキャパシタC4mの第2端子に接続され、各切替端子には正相入力電圧VIp,高電位電圧VRH,第1の参照電圧VRQ,低電位電圧VRLが供給される。メインスイッチSW4mは、制御回路14により制御される。このメインスイッチSW4mにより、メインキャパシタC4mの第2端子は、正相入力電圧VIp,高電位電圧VRH,第1の参照電圧VRQ,低電位電圧VRLが選択的に供給される。
メインキャパシタC3mの第2端子はメインスイッチSW3mに接続されている。メインキャパシタC1mの第2端子はメインスイッチSW1mに接続されている。メインスイッチSW3m,SW1mは、メインスイッチSW5mと同様に、1つの共通端子と3つの切替端子とを有する3点スイッチである。共通端子はメインキャパシタC3m、C1mの第2端子に接続され、各切替端子には正相入力電圧VIp,高電位電圧VRH,低電位電圧VRLが供給される。メインスイッチSW3m,SW1mは、制御回路14により制御される。したがって、メインスイッチSW3m,SW1mにより、メインキャパシタC3m,C1mの第1端子は、正相入力電圧VIp,高電位電圧VRH,低電位電圧VRLが選択的に供給される。
メインキャパシタC2mの第2端子はメインスイッチSW2mに接続されている。メインキャパシタC0mの第2端子はメインスイッチSW0mに接続されている。メインスイッチSW2m,SW0mは、メインスイッチSW4mと同様に、1つの共通端子と4つの切替端子とを有する4点スイッチである。共通端子はメインキャパシタC2m,C0mの第2端子に接続され、各切替端子には正相入力電圧VIp,高電位電圧VRH,第1の参照電圧VRQ,低電位電圧VRLが供給される。メインスイッチSW2m,SW0mは、制御回路14により制御される。したがって、メインスイッチSW2m,SW0mにより、メインキャパシタC2m,C0mの第2端子に、正相入力電圧VIp,高電位電圧VRH,第1の参照電圧VRQ,低電位電圧VRLが選択的に供給される。
ダミーキャパシタCCmの第2端子はダミースイッチSWCmに接続されている。ダミースイッチSWCmは、1つの共通端子と2つの切替端子とを有する2点スイッチである。共通端子はダミーキャパシタCCmの第2端子に接続され、各切替端子には、正相入力電圧VIp,第2の参照電圧VRSが供給される。ダミースイッチSWCmは、制御回路14により制御される。このダミースイッチSWCmにより、ダミーキャパシタCCmの第2端子に、正相入力電圧VIpと第2の参照電圧VRSとが選択的に供給される。
ここで、上記の各電圧について説明する。
高電位電圧VRHと低電位電圧VRLは、差動アナログ信号VIp,VImの範囲を設定する。A/D変換回路10は、高電位電圧VRHと低電位電圧VRLの範囲の差動アナログ信号VIp,VImをMビット(たとえば8ビット)のデジタル出力信号DOに変換する。
第1の参照電圧VRQと第2の参照電圧VRSは、高電位電圧VRHと低電位電圧VRLの間の任意の電圧値であって、中間電圧(VRC=1/2*(VRH+VRL))と異なる電圧値に設定される。たとえば、第1の参照電圧VRQと第2の参照電圧VRSの間の電位差を所定値(たとえば「4」)にて分割し、その分割電圧の3/4と1/4に設定する。つまり、第1の参照電圧VRQと第2の参照電圧VRSは、
VRQ=3/4*(VRH−VRL)+VRL
VRS=1/4*(VRH−VRL)+VRL
である。なお、参照電圧VRQ,VRSは、高電位電圧VRHと低電位電圧VRLの間の電圧であって、相対的に設定される電圧であり、中間電圧VRC(=1/2*(VRH−VRL)+VRL)と異なる電圧である。また、低電位電圧VRLは、0[V](ゼロ・ボルト)であることが多い。このため、以下の説明において、電圧範囲を示すために「VRH−VRL」を表記し、「+VRL」については省略することがある。
なお、ダミーキャパシタCCp,CCmは、メインキャパシタC5p〜C0pとダミーキャパシタCCp(メインキャパシタC5m〜C0mとダミーキャパシタCCm)の容量値の合計値にて高電位電圧VRHと低電位電圧VRLの差電圧を分割した分解能で差動アナログ信号VIp,VImをデジタル出力信号DOに変換するために設けられている。メインキャパシタC5p〜C0p(メインキャパシタC5m〜C0m)の容量値に応じた分解能で差動アナログ信号VIp,VImをデジタル出力信号DOに変換する場合、ダミーキャパシタCCp,CCmを省略することが可能である。
第1のD/A変換回路11pの共通配線LCpにはリセットスイッチSWRpの第1端子が接続され、リセットスイッチSWRpの第2端子には第1の参照電圧VRQが供給される。リセットスイッチSWRpは、制御回路14からの制御信号CSWpに応じてオンオフする。
第2のD/A変換回路11mの共通配線LCmにはリセットスイッチSWRmの第1端子が接続され、リセットスイッチSWRmの第2端子には第1の参照電圧VRQが供給される。リセットスイッチSWRmは、制御回路14からの制御信号CSWmに応じてオンオフする。
上記したように、第1のコンパレータ12aの非反転入力端子は、第1のD/A変換回路11pの共通配線LCpに接続され、第1のコンパレータ12aの反転入力端子には、第1の参照電圧VRQが供給される。第1のコンパレータ12aは、共通配線LCpにおける出力電圧Vxpと第1の参照電圧VRQとを比較し、比較結果に応じた出力信号K1(第1の判定信号)を出力する。
第2のコンパレータ12bの非反転入力端子は、第1のD/A変換回路11pの共通配線LCpに接続され、第2のコンパレータ12bの反転入力端子は第2のD/A変換回路11mの共通配線LCmに接続されている。第2のコンパレータ12bは、共通配線LCpにおける出力電圧Vxpと、共通配線LCmにおける出力電圧Vxmとを比較し、比較結果に応じた出力信号K2z(第2の判定信号)と、その出力信号K2zと相補な反転信号K2xを出力する。
第3のコンパレータ12cの非反転入力端子には第1の参照電圧VRQが供給され、第3のコンパレータ12cの反転入力端子は第2のD/A変換回路11mの共通配線LCmに接続されている。第3のコンパレータ12cは、第1の参照電圧VRQと共通配線LCmにおける出力電圧Vxmとを比較し、比較結果に応じた出力信号K3(第3の判定信号)を出力する。
演算回路13は、ANDゲート21,22、ORゲート23を有している。演算回路13は、出力信号K2zと等しいレベルのデジタル信号DUを出力する。ANDゲート21には、コンパレータ12aの出力信号K1と、コンパレータ12bの正相出力信号K2zとを論理積演算し、演算結果に応じたレベルの信号S11を出力する。ANDゲート22は、コンパレータ12bの逆相出力信号K2xと、コンパレータ12cの出力信号K3を論理積演算し、演算結果に応じたレベルの信号S12を出力する。ORゲート23は、ANDゲート21の出力信号S11とANDゲート22の出力信号S12を論理和演算し、演算結果に応じたレベルのデジタル信号DLを出力する。
制御回路14は、高電位電圧VRH、低電位電圧VRL、クロック信号CLKに基づいて動作する。
制御回路14は、デジタル信号DU,DLを逐次保持するレジスタを有している。また、制御回路14は、レジスタに保持したデジタル信号に基づいて8ビットのデジタル出力信号DOを出力するロジック回路を有している。また制御回路14は、デジタル信号DU,DLに基づいて、D/A変換回路11p,11mのスイッチと、上記のリセットスイッチSWRp、SWRmを制御する制御信号CSWp,CSWmを生成するロジック回路を有している。
上記したように、メインスイッチSW5p〜SW0p及びダミースイッチSWCpは、メインキャパシタC5p〜C0p及びダミーキャパシタCCpに供給する電圧を切り替えるためのものである。このため、メインキャパシタC5p〜C0p及びダミーキャパシタCCpに供給する電圧を判り易くするため、他の図において、メインキャパシタC5p〜C0p及びダミーキャパシタCCpに供給する電圧の符号を示し、メインスイッチSW5p〜SW0p及びダミースイッチSWCpを省略することがある。同様に、メインキャパシタC5m〜C0m及びダミーキャパシタCCmに供給する電圧の符号を示し、メインスイッチSW5m〜SW0m及びダミースイッチSWCmを省略することがある。
A/D変換回路10は、差動アナログ信号VIp,VImをサンプリングし、変換処理を繰り返し実行し、デジタル出力信号DOを出力するものである。上記したように、A/D変換回路10は、1回の変換サイクルにおいて、2ビットのデジタル信号DU,DLを決定する。変換処理の実行回数は、生成するデジタル出力信号DOのビット数に対応する。本実施形態のA/D変換回路10は、4回の変換処理を実行する。各回の変換処理において、A/D変換回路10は、電圧シフト、比較、2ビットのデジタル信号の決定、を行う。
制御回路14は、各変換サイクルにおいて、第1のD/A変換回路11pと第2のD/A変換回路11mに含まれるキャパシタの端子電圧(第2端子における電圧)を変更し、第1のD/A変換回路11pの出力電圧Vxpと第2のD/A変換回路11mの出力電圧Vxmをシフトする。
サンプリング後の1回目の変換サイクルにおいて、制御回路14は、各キャパシタによりサンプリングした電荷を再配分し、第1のD/A変換回路11pの出力電圧Vxpと第2のD/A変換回路11mの出力電圧Vxmをシフトする。また、制御回路14は、各変換サイクルにおいて実施する電圧シフトにおいて、メインキャパシタの容量値の減少順に応じて、2つのメインキャパシタを対象キャパシタとし、対象キャパシタのうち、容量が大きな上位キャパシタと、容量が小さな下位キャパシタとのそれぞれに対して、端子電圧を設定する。
先ず、サンプリングについて説明する。
図2に示すように、D/A変換回路11pにおいて、全てのメインキャパシタC5p〜C0p及びダミーキャパシタCCpに逆相入力電圧VImを供給する。また、リセットスイッチSWRpをオンし、共通配線LCpに第1の参照電圧VRQを供給する。これにより、共通配線LCpの電圧Vxpは、逆相入力電圧VImと第1の参照電圧VRQの差に応じた電位となる。
同様に、D/A変換回路11mにおいて、全てのメインキャパシタC5m〜C0m及びダミーキャパシタCCmに正相入力電圧VIpを供給する。また、リセットスイッチSWRmをオンし、共通配線LCmに第1の参照電圧VRQを供給する。これにより、共通配線LCmの電圧Vxmは、正相入力電圧VIpと第1の参照電圧VRQの差に応じた電位となる。
なお、図2では、上記したように、図1に示すメインスイッチSW5p〜SW0p,SW5m〜SW0m及びダミースイッチSWCp,SWCmを省略し、メインキャパシタC5p〜C0p,C5m〜C0m及びダミーキャパシタCCp,CCmに供給する電圧を判り易くしている。
次に、1回目の変換サイクルにおける電圧シフトを説明する。
図3に示すように、制御回路14は、制御信号CSWpによりメインスイッチSW5p〜SW0p及びダミースイッチSWCpを制御する。制御回路14は、第1のD/A変換回路11pにおいて、上位キャパシタC5p,C3p,C1pの第2端子に低電位電圧VRLを供給し、下位キャパシタC4p,C2p,C0pの第2端子に第1の参照電圧VRQを供給する。そして、ダミーキャパシタCCpの第2端子に、第2の参照電圧VRSを供給する。
同様に、第2のD/A変換回路11mにおいて、上位キャパシタC5m,C3m,C1mの第2端子に低電位電圧VRLを供給し、下位キャパシタC4m,C2m,C0mの第2端子に第1の参照電圧VRQを供給する。そして、ダミーキャパシタCCmの第2端子に、第2の参照電圧VRSを供給する。
ここで、サンプリングと1回目の変換サイクルについて説明する。
図2に示すように、リセットスイッチSWRpをオンし、第1のD/A変換回路11pの共通配線LCpに第1の参照電圧VRQを供給する。そして、メインスイッチSW5p〜SW0p及びダミースイッチSWCpを制御し、メインキャパシタC5p〜C0p及びダミーキャパシタCCpに逆相入力電圧VImを供給する。
第1のD/A変換回路11pにおいて、サンプリング時における共通配線LCpの電荷Q1は、
Q1=Cp*VRQ+256C(VRQ−VIm)
となる。そして、スイッチ制御により各キャパシタの端子電圧を変更したとき、共通配線LCpの電荷Q2は、
Q2=(128C+32C+8C)(Vxp−VRL)+(64C+16C+4C)(Vxp−VRQ)+4C(Vxp−VRS)+Cp*Vxp
となる。ここで、低電位電圧VRLを0[V]とすると、第1の参照電圧VRQは第2の参照電圧VRSの3倍(3VRS)となるため、上記の電荷Q2は、
Q2=(256C+Cp)Vxp−256C*VRS
となる。
電荷保存側により、Q1=Q2であるから、共通配線LCpにおける電圧Vxpは、
Vxp=VRQ+(VRS−VIm)*(256C/(256C+Cp))
Vxp=VRQ+a(VRS−VIm)
となる。
なお、上記の式における「a」は圧縮率である。圧縮率aは、第1のD/A変換回路11pにおける容量値に対するメインキャパシタC5p〜C0p及びダミーキャパシタCCpの比の値である。図1において、共通配線LCp及びそれに接続される配線における寄生容量の値をCpとする。メインキャパシタC5p〜C0p及びダミーキャパシタCCpの容量値の合計値をCallとする。圧縮率aは、
a=Call/(Call+Cp)
である。
第2のD/A変換回路11mの共通配線LCmの電圧Vxmは、第1のD/A変換回路11pと同様に、
Vxm=VRQ+a(VRS−VIp)
となる。
第1のコンパレータ12aは、電圧Vxpと第1の参照電圧VRQを比較する。ここで、第1のコンパレータ12aが「1」の出力信号K1を出力する条件は、
VRQ+a(VRS−VIm)>VRQ
つまり、
Vim<VRS
である。ここで、第2の参照電圧VRS=1/4*(VRH−VRL)、逆相入力電圧VIm=(VRH−VRL)−VIpとすると。上記の条件は、
VIp>3/4*(VRH−VRL)
となる。
第2のコンパレータ12bは、電圧Vxpと電圧Vxmを比較する。第2のコンパレータ12bが「1」の正相出力信号K2z(上位ビットDU)を出力する条件は、
Vxp>Vxm
VRQ+a(VRS−VIm)>VRQ+a(VRS−VIp)
つまり、
VIp>VIm
である。したがって、上記の条件は、
VIp>2/4*(VRH−VRL)
となる。
第3のコンパレータ12cは、第1の参照電圧VRQと電圧Vxmを比較する。第3のコンパレータ12cが「1」の出力信号K3を出力する条件は、
Vxp>Vxm
VRQ>VRQ+a(VRS−VIp)
つまり、
VIp>VRS
である。したがって、上記の条件は、
VIp>1/4*(VRH−VRL)
となる。
このように、各コンパレータ12a,12b,12cは、高電位電圧VRHと低電位電圧VRLの電圧範囲において、3/4,2/4(=1/2),1/4をしきい値として、正相入力電圧VIpをそれぞれ比較する。
サンプリング直後の電圧シフトにおいて、メインキャパシタC5p〜C0p,C5m〜C0mに第1の参照電圧VRQまたは低電位電圧VRLを供給し、ダミーキャパシタCCp,CCmに第2の参照電圧VRSを供給し、第1のD/A変換回路11pの出力電圧Vxpと第2のD/A変換回路11mの出力電圧Vxmをシフトする。これにより、出力電圧Vxp,Vxmを、高電位電圧VRHと低電位電圧VRLの間の判定範囲内とする。
たとえば、キャパシタに中間電圧VRCを供給し、低電位電圧VRLと同電位の入力電圧をサンプリングした場合、D/A変換回路(CDAC)の出力電圧が高電位電圧VRHより高くなる。このため、D/A変換回路(CDAC)の出力電圧を受けるトランジスタの耐圧を高くする等の対策が必要となる。また、PチャネルMOSトランジスタにて出力電圧を受ける場合、そのトランジスタのバックゲート(N−well領域)には高電位電圧VRHが印加される。このため、D/A変換回路の出力電圧によりトランジスタに順方向バイアスがかかり、電荷が保持できなくなるおそれがある。
これらの点に対し、本実施形態では、第1のD/A変換回路11pの出力電圧Vxpと第2のD/A変換回路11mの出力電圧Vxmを、高電位電圧VRHと低電位電圧VRLの範囲内とする。これにより、耐圧に対する対策の必要性がなく、電荷を保持することができる。
次に、比較結果に対する電圧シフトについて説明する。
制御回路14は、比較結果(上位ビットDU及び下位ビットDL)に基づいて、上位ビットDUに対応する上位キャパシタの端子電圧を上位ビットDUに応じて変更する。また、下位ビットDLに対応する下位キャパシタの第2端子における電圧を、下位ビットDLに応じて変更する。
たとえば、デジタル出力信号DOにおいて、最上位ビットのデジタル出力信号DO(7)を上位ビットDU、デジタル出力信号DO(6)を下位ビットDLとする。
この場合、図4(a)に示すように、メインキャパシタC5p,C5mが上位ビットDUに対応し、メインキャパシタC4p,C4mが下位ビットに対応する。メインキャパシタC5p,C5mを上位キャパシタ、メインキャパシタC4p,C4mを下位キャパシタとする。上位キャパシタC5p,C5mに接続されたスイッチSW5p,SW5mを上位スイッチ、下位キャパシタC4p,C4mに接続されたスイッチSW4p,SW4mを下位スイッチとする。そして、変換結果の上位ビットDUに応じて上位スイッチSW5p,SW5mを制御し、下位ビットDLに応じて下位スイッチSW4p,SW4mを制御する。
図4(b)は上位ビットDU(DO(7))に応じた上位スイッチSW5p,SW5mの制御による上位キャパシタC5p,C5mの端子電圧の変化を示す。
上位ビットDU(DO(7))が「0」の場合、第1のD/A変換回路11pのメインキャパシタC5pの端子電圧を、低電位電圧VRLから高電位電圧VRHへ変更し、第2のD/A変換回路11mのメインキャパシタC5mの端子電圧を低電位電圧VRLに維持する。上位ビットDU(DO(7))が「1」の場合、第1のD/A変換回路11pのメインキャパシタC5pの端子電圧を低電位電圧VRLに維持し、第2のD/A変換回路11mのメインキャパシタC5mの端子電圧を、低電位電圧VRLから高電位電圧VRHへ変更する。
図4(c)は下位ビットDL(DO(6))に応じた下位スイッチSW4p,SW4mの制御による下位キャパシタC4p,C4mの端子電圧の変化を示す。
下位ビットDL(DO(6))が「0」の場合、第1のD/A変換回路11pのメインキャパシタC4pの端子電圧を、第1の参照電圧VRQから高電位電圧VRHへ変更し、第2のD/A変換回路11mのメインキャパシタC4mの端子電圧を、第1の参照電圧VRQから低電位電圧VRLへ変更する。下位ビットDL(DO(6))が「1」の場合、第1のD/A変換回路11pのメインキャパシタC4pの端子電圧を、第1の参照電圧VRQから低電位電圧VRLへ変更し、第2のD/A変換回路11mのメインキャパシタC4mの端子電圧を、第1の参照電圧VRQから高電位電圧VRHへ変更する。
[デジタル信号DU.DLが「00」の場合]
図5(a)に示すように、第1のD/A変換回路11pのメインキャパシタC5pの端子電圧を、低電位電圧VRLから高電位電圧VRHへ変更し、第2のD/A変換回路11mのメインキャパシタC5mの端子電圧を低電位電圧VRLに維持する。また、第1のD/A変換回路11pのメインキャパシタC4pの端子電圧を、第1の参照電圧VRQから高電位電圧VRHへ変更し、第2のD/A変換回路11mのメインキャパシタC4mの端子電圧を、第1の参照電圧VRQから低電位電圧VRLへ変更する。
図5(b)において、左側は比較時におけるD/A変換回路11p,11mの出力電圧Vxp,Vxmが含まれる範囲(電圧範囲)を示し、右側は電圧シフト後の出力電圧Vxp,Vxmが含まれる範囲(電圧範囲)を示す。なお、図5(b)における縦軸は、第1の参照電圧VRQ,高電位電圧VRH,低電位電圧VRLに基づく電圧シフトの量に応じた電圧値を単位として、判定範囲を示す値である。なお、図5(b)に示す範囲は、図5(a)に示すメインキャパシタC5p,C4p,C4p,C4mに対応する範囲であり、高電位電圧VRHと低電位電圧VRLの間の範囲である。
デジタル信号DU,DLが「00」の場合、出力電圧Vxpは「0〜4」の範囲内の電圧であり、出力電圧Vxmは「10〜16」の範囲内の電圧である。この比較結果に対して、第1のD/A変換回路11pの出力電圧Vxpを「9」上昇させ、第2のD/A変換回路11mの出力電圧Vxmを「3」下降させる。
[デジタル信号DU.DLが「01」の場合]
図6(a)に示すように、第1のD/A変換回路11pのメインキャパシタC5pの端子電圧を、低電位電圧VRLから高電位電圧VRHへ変更し、第2のD/A変換回路11mのメインキャパシタC5mの端子電圧を低電位電圧VRLに維持する。また、第1のD/A変換回路11pのメインキャパシタC4pの端子電圧を、第1の参照電圧VRQから低電位電圧VRLへ変更し、第2のD/A変換回路11mのメインキャパシタC4mの端子電圧を、第1の参照電圧VRQから高電位電圧VRHへ変更する。
図6(b)に示すように、デジタル信号DU,DLが「01」の場合、出力電圧Vxpは「4〜8」の範囲内の電圧であり、出力電圧Vxmは「8〜10」の範囲内の電圧である。この比較結果に対して、第1のD/A変換回路11pの出力電圧Vxpを「5」上昇させ、第2のD/A変換回路11mの出力電圧Vxmを「1」上昇させる。なお、図6(b)における縦軸は、図5(b)と同様である。
[デジタル信号DU.DLが「10」の場合]
図7(a)に示すように、第1のD/A変換回路11pのメインキャパシタC5pの端子電圧を低電位電圧VRLに維持し、第2のD/A変換回路11mのメインキャパシタC5mの端子電圧を、低電位電圧VRLから高電位電圧VRHへ変更する。また、第1のD/A変換回路11pのメインキャパシタC4pの端子電圧を、第1の参照電圧VRQから高電位電圧VRHへ変更し、第2のD/A変換回路11mのメインキャパシタC4mの端子電圧を、第1の参照電圧VRQから低電位電圧VRLへ変更する。
図7(b)に示すように、デジタル信号DU,DLが「10」の場合、出力電圧Vxpは「8〜10」の範囲内の電圧であり、出力電圧Vxmは「4〜8」の範囲内の電圧である。この比較結果に対して、第1のD/A変換回路11pの出力電圧Vxpを「1」上昇させ、第2のD/A変換回路11mの出力電圧Vxmを「5」上昇させる。なお、図7(b)における縦軸は、図5(b)と同様である。
[デジタル信号DU.DLが「11」の場合]
図8(a)に示すように、第1のD/A変換回路11pのメインキャパシタC5pの端子電圧を低電位電圧VRLに維持し、第2のD/A変換回路11mのメインキャパシタC5mの端子電圧を、低電位電圧VRLから高電位電圧VRHへ変更する。また、第1のD/A変換回路11pのメインキャパシタC4pの端子電圧を、第1の参照電圧VRQから低電位電圧VRLへ変更し、第2のD/A変換回路11mのメインキャパシタC4mの端子電圧を、第1の参照電圧VRQから高電位電圧VRHへ変更する。
図8(b)に示すように、デジタル信号DU,DLが「11」の場合、出力電圧Vxpは「10〜16」の範囲内の電圧であり、出力電圧Vxmは「0〜4」の範囲内の電圧である。この比較結果に対して、第1のD/A変換回路11pの出力電圧Vxpを「3」下降させ、第2のD/A変換回路11mの出力電圧Vxmを「9」上昇させる。なお、図8(b)における縦軸は、図5(b)と同様である。
このように比較結果に応じた量で第1のD/A変換回路11pの出力電圧Vxpと第2のD/A変換回路11mの出力電圧Vxmをそれぞれシフトさせる。そして、上位ビットDUと下位ビットDLの組み合わせに対して、シフト後の出力電圧Vxp,Vxmが含まれる電圧範囲を「9〜13」とする。
このA/D変換回路10は、1回の変換ステップにおいて2ビットのデジタル信号の値を設定する。つまり、このA/D変換回路10は、入力電圧範囲(判定範囲)を4等分し、入力電圧が4つの範囲のいずれに含まれるかを、3つのコンパレータにより判定する。したがって、3つのコンパレータのしきい値は、入力電圧範囲を「1」とすると、低電位側から順に「1/4」「2/4(1/2)」「3/4」となる。
高電位電圧VRHと低電位電圧VRLの電圧範囲において、高電位電圧VRHと低電位電圧VRLの中間の電圧を中間電圧VRCとする。正相入力電圧VIpと逆相入力電圧VImは、中間電圧VRCとの電位差(絶対値)が互いに等しい。
シフト後の電圧範囲においても、第1のD/A変換回路11pの出力電圧Vxpと、第2のD/A変換回路11mの出力電圧Vxmは、その電圧範囲の中間電圧に対して、互いに逆相の関係にある。そして、入力電圧を含む範囲を、次の変換ステップにおける判定範囲とする。
一般的な逐次比較型のA/D変換回路の場合、基準電圧を生成するD/A変換回路を含む。そして、変換ステップにおける判定結果(デジタル信号)に基づいて、各変換ステップにおける電圧範囲に応じて、コンパレータの基準電圧を変換ステップ毎に変更する。
本実施形態では、各変換ステップにおいて、判定後の電圧範囲の3/4を、次の判定範囲の3/4とするように電圧シフトする。これにより、第1の参照電圧VRQを変更することなく、各変換ステップを実行することができる。
次に、n回目の比較について説明する。
n回目の比較結果をD(n)=y(y=0,1,2,3)、比較後にメインスイッチSW5p〜SW0p,SW5m〜SW0mの接続を変更した後の電圧をVxp(n),Vxm(n)(n=1,2,3,4・・・)とする。
比較前の電圧Vxp(0),Vxm(0)は、
となる。そして、1回目の比較後の電圧Vxp(1),Vxm(1)は、
となり、2回目の比較後の電圧Vxp(2),Vxm(2)は、
となる。したがって、n回目の比較後の電圧Vxp(n),Vxm(n)は、
となる。
次に、コンパレータの比較機能を算出する。
比較前の電圧Vxp(0),Vxm(0)は、
である。そして、n回目の比較後の電圧Vxp(n),Vxm(n)は、
である。ここで、簡略化のため、上記のD(k)(k=1〜n)を「0」(VIp=0)とすると、上記の式におけるVRSの乗数は、
となる。
第1のコンパレータ12aにおいて、「1」の出力信号K1を出力する条件は、
となる。また、第2のコンパレータ12bにおいて、「1」の出力信号K2z(上位ビットDU)を出力する条件は、
となる。そして、第3のコンパレータ12cにおいて、「1」の出力信号K3を出力する条件は、
となる。
次に、一般化のために、上記の式におけるD(k)を次のように展開する。
上記の式の右辺における分子を、次のようにσとする。
すると、2回目の比較における電圧は、以下のようになる。
第1のコンパレータ12aでは、
となる。また、第2のコンパレータ12bでは、
となる。そして、第3のコンパレータ12cでは、
となる。
上記のように、比較が進むごとに判定範囲が1/4ずつ圧縮され、さらに比較結果に応じて「+σ」のオフセットが付加され、判定範囲が設定される。
次に、上記のA/D変換回路10の動作を、具体例を用いて説明する。
たとえば、正相入力電圧VIpを「27」,逆相入力電圧VImを「229」とする。また、高電位電圧VRHを「256」、低電位電圧VRLを「0」とする。この場合、第1の参照電圧VRQは「192」,第2の参照電圧VRSは「64」である。なお、これらの値は、A/D変換回路10の1LSBに対応する電圧値を単位として各電圧を表したデジタル値である。
図9(a)に示すように、第1のD/A変換回路11pのメインキャパシタC5p〜C0p及びダミーキャパシタCCpに逆相入力電圧VImを供給する。また、リセットスイッチSWRpをオンし、共通配線LCpに第1の参照電圧VRQを供給する。同様に、第2のD/A変換回路11mのメインキャパシタC5m〜C0m及びダミーキャパシタCCmに正相入力電圧VIpを供給する。また、リセットスイッチSWRmをオンし、共通配線LCmに第1の参照電圧VRQを供給する。
次に、図9(b)に示すように、リセットスイッチSWRp,SWRmをオフする。そして、共通配線LCp,LCmの電圧Vxp,Vxmをシフトする。つまり、上位キャパシタC5p,C3p,C1p,C5m,C3m,C1mに低電位電圧VRLを供給し、下位キャパシタC4p,C2p,C0p,C4m,C2m,C0mに第1の参照電圧VRQを供給する。また、ダミーキャパシタCCp,CCmに第2の参照電圧VRSを供給する。
その結果、第1のD/A変換回路11pの共通配線LCpの電圧Vxpは「27」、第2のD/A変換回路11mの共通配線LCmの電圧Vxmは「229」となる。
次いで、図10(a)に示すように、各コンパレータ12a〜12cにおいて比較を行い、上位ビットDUを決定する。また、各コンパレータ12a〜12cの出力信号に基づいて、演算回路13は下位ビットDLを決定する。ここで、第1の参照電圧VRQは「192」である。したがって、第1のコンパレータ12aはLレベルの出力信号K1を出力する。第2のコンパレータ12bは、Lレベルの出力信号K2zとHレベルの反転信号K2xを出力する。出力信号K2zに基づき、上位ビットDUが「0」に決定される。第3のコンパレータ12cはLレベルの出力信号K3を出力する。そして、コンパレータ12a〜13cの出力信号に基づき、下位ビットDLが「0」に決定される。
図10(b)に示すように、「0」の上位ビットDUに基づき、メインキャパシタC5pに高電位電圧VRHを供給する。また、「0」の下位ビットDLに基づき、メインキャパシタC4pに高電位電圧VRHを供給し、メインキャパシタC4mに低電位電圧VRLを供給する。その結果、第1のD/A変換回路11pの出力電圧Vxpは「171」となり、第2のD/A変換回路11mの出力電圧Vxmは「181」となる。
第1のコンパレータ12aは、出力電圧Vxpと第1の参照電圧VRQに基づき、Lレベルの出力信号K1を出力する。第2のコンパレータ12bは、出力電圧Vxp,Vxmに基づき、Lレベルの出力信号K2zとHレベルの反転信号K2xを出力する。出力信号K2zに基づき、上位ビットDUが「0」に決定される。第3のコンパレータ12cは、第1の参照電圧VRQと出力電圧Vxmに基づき、Hレベルの出力信号K3を出力する。そして、コンパレータ12a〜13cの出力信号に基づき、下位ビットDLが「1」に決定される。
図11(a)に示すように、「0」の上位ビットDUに基づき、メインキャパシタC3pに高電位電圧VRHを供給する。また、「1」の下位ビットDLに基づき、メインキャパシタC4pに低電位電圧VRLを供給し、メインキャパシタC4mに高電位電圧VRHを供給する。その結果、第1のD/A変換回路11pの出力電圧Vxpは「191」となり、第2のD/A変換回路11mの出力電圧Vxmは「185」となる。
第1のコンパレータ12aは、出力電圧Vxpと第1の参照電圧VRQに基づき、Lレベルの出力信号K1を出力する。第2のコンパレータ12bは、出力電圧Vxp,Vxmに基づき、Hレベルの出力信号K2zとLレベルの反転信号K2xを出力する。出力信号K2zに基づき、上位ビットDUが「1」に決定される。第3のコンパレータ12cは、第1の参照電圧VRQと出力電圧Vxmに基づき、Hレベルの出力信号K3を出力する。そして、コンパレータ12a〜13cの出力信号に基づき、下位ビットDLが「0」に決定される。
図11(b)に示すように、「1」の上位ビットDUに基づき、メインキャパシタC3mに高電位電圧VRHを供給する。また、「0」の下位ビットDLに基づき、メインキャパシタC4pに高電位電圧VRHを供給し、メインキャパシタC4mに低電位電圧VRLを供給する。その結果、第1のD/A変換回路11pの出力電圧Vxpは「192」となり、第2のD/A変換回路11mの出力電圧Vxmは「190」となる。
第1のコンパレータ12aは、出力電圧Vxpと第1の参照電圧VRQに基づき、Hレベルの出力信号K1を出力する。第2のコンパレータ12bは、出力電圧Vxp,Vxmに基づき、Hレベルの出力信号K2zとLレベルの反転信号K2xを出力する。出力信号K2zに基づき、上位ビットDUが「1」に決定される。第3のコンパレータ12cは、第1の参照電圧VRQと出力電圧Vxmに基づき、Hレベルの出力信号K3を出力する。そして、コンパレータ12a〜13cの出力信号に基づき、下位ビットDLが「1」に決定される。
上位ビットDUと下位ビットは、上記の1回目〜4回目の比較結果において、「00」「01」「10」「11」に決定される。その結果、デジタル出力信号DOは2進数で「00011011」となり、10進数で「27」となる。このように、差動アナログ信号VIp,VImがデジタル出力信号DOに変換される。
図12に示すように、変換サイクル毎に、第1のD/A変換回路11pの出力電圧Vxpは、第1の参照電圧VRQ(「192」)に収束する。なお、図12において、横軸は変換ステップ(変換の回数)、縦軸は、各電圧を、A/D変換回路10の1LSBに対応する電圧を単位として示したデジタル値である。同様に、第2のD/A変換回路11mの出力電圧Vxmも第1の参照電圧VRQに近づく。なお、第1のD/A変換回路11pの出力電圧Vxpと第2のD/A変換回路11mの出力電圧Vxmは、各変換サイクルにおける判定範囲において、判定範囲の中間電圧に対して互いに逆相(対称)の関係を持つ。このため、第2のD/A変換回路11mの出力電圧Vxmは、最終の判定範囲において1/4の電位(「190」)に収束する。
図13は、正相入力電圧VIpに対するA/D変換回路10のしきい値の変化を等価的に示す。図14は、図13において、正相入力電圧VIpが含まれる電圧範囲を拡大したものである。なお、図13,図14において、横軸は変換ステップ(変換の回数)、縦軸は、各電圧を、A/D変換回路10の1LSBに対応する電圧を単位として示したデジタル値である。
図13及び図14において、Vth1,Vth2,Vth3は、それぞれ図1にコンパレータ12a,12b,12cのしきい値電圧を等価的に示す。正相入力電圧VIpに対して、A/D変換回路10におけるしきい値電圧Vth1,Vth2,Vth3は、判定範囲、次の変換時に4分割している。
ところで、上記の差動アナログ信号VIp,VIm等のように、アナログ信号が供給されるスイッチには、たとえばCMOSのトランスファゲートが用いられる。このトランスファゲートは、互いに並列に接続されたPチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタを含む。これらのトランジスタは、それぞれのゲート端子に印加される相補な信号に応答してオンオフする。そして、これらのトランジスタは、たとえば、図1に示す演算回路13や制御回路14に含まれるトランジスタと同時に形成され、同じ電気的特性を持つ。演算回路13や制御回路14に含まれるトランジスタは、たとえば貫通電流を低減して低消費電力化を図るために、しきい値電圧等が調整される。
図15は、上記のようなスイッチ(トランスファゲート)における入力電圧とスイッチのオン抵抗値の特性を示す。中間電圧VRCを供給したときのスイッチのオン抵抗値は、第1の参照電圧VRQ,第2の参照電圧VRSを供給したときのオン抵抗値に比べ、5〜7倍である。したがって、第1の参照電圧VRQ,第2の参照電圧VRSを用いることにより、中間電圧VRCを供給する場合と比べ、キャパシタの端子電圧を短時間で変化させることができる。
また、NチャネルMOSトランジスタは、高電位電圧VRH側で抵抗値が大きく、PチャネルMOSトランジスタは低電位電圧VRL側で抵抗値が大きい。したがって、トランスファゲートのオン抵抗値は、第1の参照電圧VRQの付近ではNチャネルMOSトランジスタのオン抵抗値とほぼ等しく、第2の参照電圧VRSの付近ではPチャネルMOSトランジスタのオン抵抗値とほぼ等しい。したがって、キャパシタに印加する電圧に応じて、オン抵抗値の小さなトランジスタを用いることで、トランジスタの数を少なくすることができる。
たとえば、キャパシタに対して高電位電圧VRHや第1の参照電圧VRQを印加する端子にはPチャネルMOSトランジスタを用い、低電位電圧VRLや第2の参照電圧VRSを印加する端子には、NチャネルMOSトランジスタを用いる。これにより、トランジスタに起因する寄生容量を、CMOS構造のトランスファゲートのほぼ半分にできる。したがって、キャパシタの端子電圧を変化させるときのRCの時定数としては、オン抵抗で5分の1、容量で2分の1となる。したがって、RC時定数は、中間電圧VRCでトランスファゲートを用いた場合と比べて約10分の1になり、約10倍の高速化が可能になる。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)第1のD/A変換回路11pは、共通配線LCpに第1端子が接続されたメインキャパシタC5p〜C0pと、メインキャパシタC5p〜C0pの第2端子にそれぞれ接続されたメインスイッチSW5p〜SW0pを有している。第2のD/A変換回路11mは、共通配線LCmに第1端子が接続されたメインキャパシタC5m〜C0mと、メインキャパシタC5m〜C0mの第2端子にそれぞれ接続されたメインスイッチSW5m〜SW0mを有している。共通配線LCpにはリセットスイッチSWRpの第1端子が接続され、リセットスイッチSWRpの第2端子には第1の参照電圧VRQが供給される。共通配線LCmにはリセットスイッチSWRmの第1端子が接続され、リセットスイッチSWRmの第2端子には第1の参照電圧VRQが供給される。第1の参照電圧VRQは、高電位電圧VRHと低電位電圧VRLの間の中間電圧VRC(=1/2(VRH+VRL))と異なる電圧(たとえば、3/4(VRH−VRL)+VRL)である。
制御回路14は、サンプリング時に、メインスイッチSW5p〜SW0pを介してメインキャパシタC5p〜C0pの第2端子に差動アナログ信号VIp,VImの逆相入力電圧VImを供給し、共通配線LCpにリセットスイッチSWRpを介して第1の参照電圧VRQを供給する。また、制御回路14は、サンプリング時に、メインスイッチSW5m〜SW0mを介してメインキャパシタC5m〜C0mの第2端子に差動アナログ信号VIm,VImの逆相入力電圧VImを供給し、共通配線LCmにリセットスイッチSWRmを介して第1の参照電圧VRQを供給する。そして、制御回路14は、サンプリング後に、メインスイッチSW5p〜SW0p,SW5m〜SW0mを制御し、上位キャパシタC5p,C3p,C1p,C5m,C3m,C1mの第2端子に低電位電圧VRLを供給し、下位キャパシタC4p,C2p,C0p,C4m,C2m,C0mに第1の参照電圧VRQを供給する。
メインスイッチSW5p〜SW0p,SW5m〜SW0mをCMOS構成のトランスファゲートとした場合、トランスファゲートのオン抵抗値は、高電位電圧VRHと低電位電圧VRLの中間の電圧(中間電圧VRC)で最も大きい。したがって、第1の参照電圧VRQ(=3/4(VRH−VRL)+VRL)や低電位電圧VRLをメインキャパシタC5p〜C0p,C5m〜C0mに供給することで、トランスファゲート、つまりメインスイッチSW5p〜SW0p,SW5m〜SW0mをオン抵抗値の小さな電圧領域で使用する。これにより、キャパシタの端子電圧を変化させるときのRCの時定数が小さくなる。このため、メインキャパシタC5p〜C0p,C5m〜C0mの第2端子における電圧のセトリングタイム(整定時間)を、中間電圧VRCを用いる場合と比べて短くすることができ、変換時間の短縮化を図ることができる。
(2)メインスイッチSW5p〜SW0p,SW5m〜SW0mにおいて、高電位電圧VRHや第1の参照電圧VRQの付近におけるオン抵抗値はNチャネルMOSトランジスタにより決定される。また、低電位電圧VRLや第2の参照電圧VRSの付近におけるオン抵抗値は、PチャネルMOSトランジスタにより決定される。したがって、メインスイッチSW5p〜SW0p,SW5m〜SW0mにおいて、印加する電圧に応じて、オン抵抗値の小さなトランジスタを用い、オン抵抗値が大きなトランジスタを省略することで、トランジスタの数を、CMOS構成のトランスファゲートを用いた場合に比して少なくすることができる。このため、キャパシタの端子電圧を変化させるときのRCの時定数が小さくなり、セトリングタイムを短くして変換時間の短縮を図ることができる。
(3)サンプリング時に、共通配線LCp,LCmに第1の参照電圧VRQを供給する。そして、サンプリング後に、メインキャパシタC5p〜C0p,C5m〜C0mのうち、上位キャパシタC5p,C3p,C1p,C5m,C3m,C1mの第2端子に低電位電圧VRLを供給し、下位キャパシタC4p,C2p,C0p,C4m,C2m,C0pの第2端子に第1の参照電圧VRQを供給する。これにより、共通配線LCp,LCmにおける出力電圧Vxp,Vxmをシフトする。シフト後の出力電圧Vxp,Vxmは、高電位電圧VRHと低電位電圧VRLの間の判定範囲内となる。これにより、出力電圧Vxp,Vxmを受けるトランジスタの耐圧を高める等の対策を不要とし、電荷を保持することができる。
(4)サンプリング時に、メインキャパシタC5p〜C0p,C5m〜C0mの第1端子が接続された共通配線LCp,LCmに第1の参照電圧VRQを供給し、メインキャパシタC5p〜C0p,C5m〜C0mの第2端子に差動アナログ信号VIp,VImを供給する。そして、第1のコンパレータ12aは、共通配線LCpにおける出力電圧Vxpと第1の参照電圧VRQを比較する。第2のコンパレータ12bは、共通配線LCpにおける出力電圧Vxpと共通配線LCmにおける出力電圧Vxmを比較する。第3のコンパレータ12cは、共通配線LCmにおける出力電圧Vxmと第1の参照電圧VRQを比較する。したがって、共通配線LCp,LCmにおける寄生容量は、差動アナログ信号VIp,VImと、各コンパレータ12a〜12cにおけるしきい値の比較に影響しない。このため、寄生容量の影響を低減するためにサンプリングのためのキャパシタの容量値を大きくする必要がなく、高精度化(多ビット化)したA/D変換回路において小型化を図ることが可能となる。
(5)比較結果の2ビットのデジタル信号DU,DLに応じて出力電圧Vxp,Vxmを電圧シフトすることで、第1,第3のコンパレータ12a,12cは、第1の参照電圧VRQに基づいて、判定範囲の3/4,1/4をしきい値として、判定結果に応じた値の出力信号K1,K3を出力する。第2のコンパレータ12bは、出力電圧Vxp,Vxmを互いに比較することで、判定範囲の1/2(=2/4)をしきい値とする。このため、各変換サイクルにおいて、比較のための参照電圧を変更する必要がない。このため、参照電圧を生成するためのデジタルアナログ変換回路を設ける必要がない。また、参照電圧が安定するまで待つ必要が無いため、変換時間の短縮を図ることが可能となる。
尚、上記各実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・上記実施形態に対し、共通配線LCp,LCmに第2の参照電圧VRSを供給してサンプリングする。そして、ダミーキャパシタCCp,CCmに第1の参照電圧VRQを供給し、下位キャパシタC4p,C2p,C0p,C4m,C2m,C0mに第2の参照電圧VRSを供給する。このようにしても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
10 アナログデジタル変換回路(A/D変換回路)
11p 第1のデジタルアナログ変換回路(D/A変換回路)
11m 第2のデジタルアナログ変換回路(D/A変換回路)
12a,12b,12c コンパレータ
13 演算回路
14 制御回路
高電位電圧VRH
低電位電圧VRL
差動アナログ信号VIp,VIm
正相入力電圧VIp
逆相入力電圧VIm
第1の参照電圧VRQ
第2の参照電圧VRS
メインキャパシタC5p〜C0p
メインキャパシタC5m〜C0m
メインスイッチSW5p〜SW0p
メインスイッチSW5m〜SW0m
出力電圧Vxp
出力電圧Vxm
デジタル出力信号DO
共通配線LCp
共通配線LCm

Claims (5)

  1. 第1の共通配線に第1端子が接続された複数の第1のキャパシタと、前記複数の第1のキャパシタの第2端子にそれぞれ接続された複数の第1のスイッチとを有し、前記第1の共通配線に第1の出力電圧を生成する第1のデジタルアナログ変換回路と、
    第2の共通配線に第1端子が接続された複数の第2のキャパシタと、前記複数の第2のキャパシタの第2端子にそれぞれ接続された複数の第2のスイッチとを有し、前記第2の共通配線に第2の出力電圧を生成する第2のデジタルアナログ変換回路と、
    前記第1の共通配線に第1端子が接続され、高電位電圧と低電位電圧の中間電圧と異なる第1の参照電圧が第2端子に供給される第1のリセットスイッチと、
    前記第2の共通配線に第1端子が接続され、第2端子に前記第1の参照電圧が供給される第2のリセットスイッチと、
    前記第1の出力電圧と前記第1の参照電圧とを比較する第1のコンパレータと、
    前記第1の出力電圧と前記第2の出力電圧とを比較する第2のコンパレータと、
    前記第1の参照電圧と前記第2の出力電圧とを比較する第3のコンパレータと、
    前記第1〜第3のコンパレータの出力信号に基づいて2ビットのデジタル信号を生成する演算回路と、
    前記第1のリセットスイッチ、前記第2のリセットスイッチ、前記複数の第1のスイッチ、及び前記複数の第2のスイッチを制御する制御回路と、
    を有し、
    前記制御回路は、
    前記高電位電圧と前記低電位電圧の間の電圧値を有する差動アナログ入力信号のサンプリング時に、前記差動アナログ入力信号の逆相入力信号を前記第1のデジタルアナログ変換回路の前記複数の第1のキャパシタの第2端子に供給し、前記差動アナログ入力信号の正相入力信号を前記第2のデジタルアナログ変換回路の前記複数の第2のキャパシタの第2端子に供給し、前記第1の参照電圧を前記第1の共通配線と前記第2の共通配線に供給し、
    前記差動アナログ入力信号のサンプリング後に、前記複数の第1のキャパシタと前記複数の第2のキャパシタのうち、前記2ビットのデジタル信号の上位ビットに対応する上位キャパシタに前記低電位電圧を供給し、前記2ビットのデジタル信号の下位ビットに対応する下位キャパシタに前記第1の参照電圧を供給すること、
    を特徴とするアナログデジタル変換回路。
  2. 前記制御回路は、
    前記2ビットのデジタル信号の上位ビットに基づいて、前記第1のデジタルアナログ変換回路の上位キャパシタの第2端子または前記第2のデジタルアナログ変換回路の上位キャパシタの第2端子に前記高電位電圧を供給し、
    前記2ビットのデジタル信号の下位ビットに基づいて、前記第1のデジタルアナログ変換回路の下位キャパシタの第2端子と前記第2のデジタルアナログ変換回路の下位キャパシタの第2端子のいずれか一方に前記高電位電圧を供給し、いずれか他方に前記低電位電圧を供給すること、
    を特徴とする請求項1に記載のアナログデジタル変換回路。
  3. 前記第1のデジタルアナログ変換回路は、前記第1の共通配線に第1端子が接続された第1のダミーキャパシタと、前記第1のダミーキャパシタの第2端子に接続された第1のダミースイッチと、を有し、
    前記第2のデジタルアナログ変換回路は、前記第1の共通配線に第1端子が接続された第2のダミーキャパシタと、前記第2のダミーキャパシタの第2端子に接続された第2のダミースイッチと、を有し、
    前記制御回路は、
    前記差動アナログ入力信号のサンプリング時に、前記第1のダミーキャパシタの第2端子に前記差動アナログ入力信号の逆相入力信号を供給し、前記第2のダミーキャパシタの第2端子に前記差動アナログ入力信号の正相入力信号を供給すること、
    を特徴とする請求項1または2に記載のアナログデジタル変換回路。
  4. 前記制御回路は、サンプリング後に、前記第1のダミーキャパシタの第2端子及び前記第2のダミーキャパシタの第2端子に、前記第1の参照電圧及び前記中間電圧と異なる第2の参照電圧を供給すること、
    を特徴とする請求項3に記載のアナログデジタル変換回路。
  5. 高電位電圧と低電位電圧の間の電圧値を有する差動アナログ入力信号の逆相入力信号を第1のデジタルアナログ変換回路にサンプリングし、前記差動アナログ入力信号の正相入力信号を第2のデジタルアナログ変換回路にサンプリングし、
    前記第1のデジタルアナログ変換回路の第1の共通配線における第1の出力電圧と前記高電位電圧と前記低電位電圧の中間電圧と異なる第1の参照電圧とを比較し、前記第1の出力電圧と前記第2のデジタルアナログ変換回路の第2の共通配線における第2の出力電圧とを比較し、前記第1の参照電圧と前記第2の出力電圧とを比較し、各比較結果に応じて2ビットのデジタル信号を生成し、
    前記差動アナログ入力信号のサンプリング時に、前記逆相入力信号を第1のデジタルアナログ変換回路の複数の第1のキャパシタの第2端子に第1のスイッチを介して印加し、前記複数の第1のキャパシタの第1端子が接続された前記第1の共通配線に第1のリセットスイッチを介して前記第1の参照電圧を印加し、前記正相入力信号を第2のデジタルアナログ変換回路の複数の第2のキャパシタの第2端子に第2のスイッチを介して印加し、前記複数の第2のキャパシタの第2端子が接続された前記第2の共通配線に第2のリセットスイッチを介して前記第1の参照電圧を印加すること、
    を特徴とするアナログデジタル変換方法。
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