JP6317314B2 - テルル化合物ナノ粒子および複合ナノ粒子とそれらの製造方法 - Google Patents

テルル化合物ナノ粒子および複合ナノ粒子とそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、テルル化合物ナノ粒子および複合ナノ粒子とそれらの製造方法、ならびに当該テルル化合物ナノ粒子を利用した発光デバイスおよび液晶表示装置に関する。
液晶表示装置のバックライト等に用いられる白色発光デバイスとして、量子ドット(半導体量子ドットとも呼ばれる)の蛍光発光を利用したものが提案されている。半導体の微粒子はその粒径が例えば10nm以下になると、量子サイズ効果が発現することが知られており、そのようなナノ粒子は量子ドットと呼ばれる。量子サイズ効果とは、バルク粒子では連続とみなされる価電子帯と伝導帯のそれぞれのバンドが、粒径をナノサイズとしたときに離散的となり、粒径に応じてバンドギャップエネルギーが変化する現象を指す。
量子ドットは、光を吸収して、そのバンドギャップエネルギーに対応する光を発光するので、発光デバイスにおける波長変換物質として用いることができる。量子ドットを用いた発光デバイスは、例えば、特許文献1、2において提案されている。具体的には、LEDチップから発せされる光の一部を量子ドットに吸収させて、別の色の光を発光させ、量子ドットから発光される光と量子ドットに吸収されなかったLEDチップからの光とを混合して白色光を得ることが提案されている。これらの特許文献では、CdSeおよびCdTe等のII−VI族、PbSおよびPbSe等のIV−VI族の量子ドットを使用することが提案されている。また、特許文献3では、CdやPbを含む化合物の毒性を考慮して、これらの元素を含まないコアシェル構造型半導体量子ドットを使用した波長変換フィルムが提案されている。なお、コアシェル化については、非特許文献1にも記載されている。
特開2012−212862号公報 特開2010−177656号公報 WO2014/129067
Chem, Commun. 2010, vol. 46, pp 2082-2084
発光デバイスにおいて量子ドットを用いることの利点の一つは、バンドギャップに相当する波長の光が、比較的狭い半値幅のピークとして得られることである。しかしながら、波長変換物質として提案されている量子ドットのうち、バンドギャップに相当する波長の光、すなわちバンド端発光が確認されているものは、CdSe等のII−VI族に代表される二元系の半導体からなる量子ドットである。しかし、三元系の量子ドット、特に、I−III−VI族の量子ドットについてはバンド端発光が確認されていない。
I−III−VI族の量子ドットから発せられる光は、粒子表面や内部の欠陥準位、あるいはドナー・アクセプター対再結合に由来するものであるために、発光ピークがブロードであって半値幅が広く、その蛍光寿命も長いものである。そのような発光は、特に液晶表示装置で用いる発光デバイスには適していない。液晶表示装置に用いる発光デバイスに対しては、高い色再現性を確保するために、三原色(RGB)に対応するピーク波長を有する半値幅の狭い発光が要求されるからである。そのため、三元系の量子ドットは、低毒性の組成とし得るにもかかわらず、その実用は進んでいない。
本発明に係る実施形態は、低毒性の組成とし得る三元系(ないし四元系)の量子ドットであり、かつバンド端発光が可能な量子ドットとして、テルル化合物ナノ粒子を提供することを目的とする。
本発明に係る実施形態は、一般式(M Te(MはCu、Ag、Auから選ばれる少なくとも一種の元素であり、MはB、Al、Ga、Inから選ばれる少なくとも一種の元素であり、MはZn、Cd、Hgから選ばれる少なくとも一種の元素であり、xおよびyは、x+y=2、0≦y≦2を満たす)で表されるテルル化合物ナノ粒子であって、
結晶構造が六方晶であり、
粒子の形状がロッド状であって、その短軸の平均長さが5.5nm以下であり、
350nm〜1000nmの範囲内にある波長の光が照射されると、照射された光よりも長い波長を有する蛍光を発する、
テルル化合物ナノ粒子である。
上記テルル化合物ナノ粒子は、その形状および寸法に起因して、従来の三元系の量子ドットでは得られなかった、バンド端発光を与えるものである。また、上記テルル化合物ナノ粒子は、毒性が高いとされているCdおよびPbを含まない組成のものとすることができ、Cd等の使用が禁じられている製品等にも適用可能である。したがって、このテルル化合物ナノ粒子は、液晶表示装置に用いる発光デバイスの波長変換物質として、また、生体分子マーカーとして好適に用いることができる。
実施例1および2、比較例1で合成したテルル化合物ナノ粒子のXRDパターンである。 実施例1で合成したテルル化合物ナノ粒子の吸収スペクトルおよび発光スペクトルである。 実施例2で合成したテルル化合物ナノ粒子の吸収スペクトルおよび発光スペクトルである。 比較例1で合成したテルル化合物ナノ粒子の吸収スペクトルおよび発光スペクトルである。 実施例1で合成したテルル化合物ナノ粒子のTEM像である。
以下、実施形態を詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す形態に限定されるものではない。また、各実施形態およびその変形例において説明した事項は、特に断りのない限り、他の実施形態および変形例にも適用することができる。
(テルル化合物ナノ粒子)
第1の実施形態として、一般式(M Teで表されるテルル化合物ナノ粒子を説明する。
ここで、Mは、Cu、Ag、Auから選ばれる少なくとも一種の元素であり、好ましくはAg、またはCuであり、特に好ましくはAgである。MがAgであると、テルル化合物ナノ粒子の合成が容易となる。Mとして二以上の元素が含まれていてよい。
はB、Al、Ga、Inから選ばれる少なくとも一種の元素であり、好ましくはIn、またはGaであり、特に好ましくはInである。Inは副生成物を生じにくいことから好ましい。Mとして二以上の元素が含まれていてよい。
はZn、Cd、Hgから選ばれる少なくとも一種の元素であり、好ましくはZnである。MがZnであれば、テルル化合物ナノ粒子を低毒性の組成のものとして提供できる。Mとして二以上の元素が含まれていてよい。
およびMの組み合わせは特に限定されない。MおよびMの組み合わせ(M/M)は、好ましくは、Cu/InおよびAg/Inである。M、MおよびMの組み合わせもまた特に限定されない。M、MおよびMの組み合わせ(M/M/M)は、好ましくはCu/In/ZnおよびAg/In/Znである。
一般式(M Teにおいて、xおよびyは、x+y=2、0≦y<2を満たす。yの値を適宜選択することにより、バンドギャップエネルギーを変化させることができ、あるいは発光強度を変化させることができる。yは例えば、0≦y<2から選択してよく、特に0≦y≦1.5、より特には0≦y≦1.2から選択してよい。
一般式において、Mの一部は他の金属元素により置換されていてよい。他の金属元素は+3価の金属イオンになるものであってよく、具体的には、Cr、Fe、Al、Y、Sc、La、V、Mn、Co、Ni、Ga、In、Rh、Ru、Mo、Nb、W、Bi、AsおよびSbから選択される一または複数の元素であってよい。その置換量は、Mと置換元素とを合わせた原子の数を100%としたときに、10%以下であることが好ましい。
一般式において、Mの一部は、他の金属元素により置換されていてよい。他の金属元素は+2価の金属イオンになるものであってよく、具体的には、Co、Ni、Pd、Sr、Ba、Fe、Cr、Mn、Cu、Cd、Rh、W、Ru、Pb、Sn、MgおよびCaから選択される一または複数の元素であってよい。その置換量は、Mと置換元素とを合わせた原子の数を100%としたときに、10%以下であることが好ましい。
一般式において、Teの一部は、SおよびSeから選ばれる少なくとも一種の元素により置換されていてよい。その置換量は、Teと置換元素とを合わせた原子の数を100%としたときに、50%以下であることが好ましい。
テルル化合物ナノ粒子の化学組成は、例えば、エネルギー分散型X線分光法(EDX)または蛍光X線分析法(XRF)によって同定することができる。あるテルル化合物ナノ粒子について化学組成を分析したときに、M、MおよびMがそれぞれ上記において規定される元素であり、Teの比(すなわち、2)を基準として、x+yが有効数字の桁数を一桁としたときに2となり、あるいは、x+yを基準として(すなわち、x+yを2として)、Teの比が有効数字の桁数を一桁としたときに2となる場合、そのテルル化合物ナノ粒子は上記一般式で表されるものであるとする。xおよびyの値は、1未満のときは有効数字1桁で、1以上であるときは2桁で表すものとする。また、一般式(M Teにおいて、「(M)」は、MおよびMを任意の割合で含むことを意味するが、一般には、MおよびMの割合は化学量論組成の1:1である。
あるいは、元素Mと、元素Mと、元素Mと、Teとを含むテルル化合物ナノ粒子は、(M Teの一般式で表したときに、x+yを基準として(すなわち、x+yを2として)、Teの比が2とならず、(M Te(x+y=2)の一般式で表せないこともある。そのようなテルル化合物であっても、後述するように結晶構造が六方晶であり、粒子の形状がロッド状であって、その短軸の平均長さが5.5nm以下であり、350nm〜1000nmの範囲内にある波長の光が照射されると、照射された光よりも長い波長を有する蛍光を発するものは本実施形態のテルル化合物ナノ粒子に含まれる。
具体的には、後述する方法に従ってテルル化合物ナノ粒子を製造するに際し、Mの塩、Mの塩、Mの塩、およびTe−ホスフィン錯体の量を、化学量論組成のテルル化合物に対応した割合となるように選択しても、得られるテルル化合物は必ずしも化学量論組成のものとはならない。例えば、得られるテルル化合物において、Mは、一般式(M Teで表される化学量論組成のテルル化合物における、M、M、MおよびTeを合わせた原子数に対するMの割合(理論値、原子%)よりも多い割合で含まれる傾向にあり、Mは理論値より小さい割合で含まれる傾向にある。
本実施形態のテルル化合物ナノ粒子の結晶構造は、六方晶である。六方晶のテルル化合物ナノ粒子は、ロッド状の形状をとりやすい。なお、六方晶はウルツ鉱型、正方晶はカルコパイライト型である。
本実施形態のテルル化合物ナノ粒子は、ロッド状の形状を有し、その短軸の平均長さが5.5nm以下である。そのような形状および寸法を有するテルル化合物ナノ粒子は、いわゆるバンド端発光を与えることができる。短軸の平均長さが5.5nmを超えると、バンド端発光が得られにくくなる。短軸の平均長さは、3nm以下であってもよい。好ましくは、テルル化合物ナノ粒子の集合体において、すべてのテルル化合物ナノ粒子の短軸が5.5nm以下である。
ここで「ロッド状」の形状のナノ粒子は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて撮影されたTEM像において、長方形状(断面は、円、楕円、または多角形状を有する)、楕円形状、または多角形状(例えば鉛筆のような形状)等として観察される。本明細書においては、TEM像で観察して求められる、短軸の長さに対する長軸の長さの比が1.2より大きいものを「ロッド状」の形状を有するものとする。ここで、長軸の長さは、楕円形状の場合には、粒子の外周の任意の二点を結ぶ線分のうち、最も長いものを指し、長方形状または多角形状の場合、外周を規定する辺の中で最も長い辺に平行であり、かつ粒子の外周の任意の二点を結ぶ線分のうち、最も長いものを指す。短軸の長さは、外周の任意の二点を結ぶ線分のうち、前記長軸の長さを規定する線分に直交し、かつ最も長さの長い線分を指す。
短軸の平均長さは、50000倍〜150000倍のTEM像で観察される、すべての計測可能なロッド状の形状のナノ粒子について短軸の長さを測定し、それらの短軸の長さの算術平均とする。ここで「計測可能な」粒子は、TEM像において粒子全体が観察できるものである。したがって、TEM像において、その一部が撮像範囲に含まれておらず、「切れて」いるような粒子は計測可能なものではない。
一つのTEM像に含まれるロッド状の形状のナノ粒子が合計100点以上である場合には、一つのTEM像を用いて短軸の平均長さを求める。一つのTEM像に含まれるナノ粒子の数が少ない場合には、撮像場所を変更してTEM像をさらに得、二つ以上のTEM像に含まれる100点以上の粒子について短軸の長さを測定する。
本実施形態のテルル化合物ナノ粒子において、粒子の短軸の平均長さに対する長軸の平均長さの比(A)は、例えば1.2<A≦20の範囲内にあり、特に1.5≦A≦20の範囲内にあり、より特には2≦A≦5の範囲内にある。そのような長軸の平均長さ/短軸の平均長さの比を有するテルル化合物ナノ粒子は、バンド端発光を発光しやすい。なお、長軸の平均長さは、短軸の平均長さを求める場合と同様、TEM像にて観察される合計100点以上のナノ粒子について測定した長軸の長さの算術平均とする。
本実施形態のテルル化合物ナノ粒子は、主にその形状および寸法に起因して、バンド端発光を発光可能である。具体的には、本実施形態のテルル化合物ナノ粒子は、350nm〜1000nmの範囲内にある波長の光が照射されると、照射された光よりも長い波長を有する蛍光であって、好ましくは、寄与率の最も大きい成分の蛍光寿命が150ns以下である、蛍光を発光することができる。また、本実施形態のテルル化合物ナノ粒子が発する光は、好ましくは、テルル化合物ナノ粒子が与える発光スペクトルにおいて、半値幅が150nm以下として観察される。本実施形態のテルル化合物ナノ粒子において、バンド端発光が得られる理由は定かではないが、粒子の形状を細長いロッド状とし、かつその短軸の平均長さを5.5nm以下とすることによって、欠陥準位が減少し、それにより欠陥発光が消失ないしは減少することによると推察される。
上記「寄与率の最も大きい成分の蛍光寿命」は、次の手順に従って求める。まず、テルル化合物ナノ粒子に励起光を照射して蛍光を発光させ、発光スペクトルのピーク付近の波長、例えば、(ピークの波長±50nm)の範囲内にある波長の蛍光について、その減衰(残光)の経時変化を測定する。経時変化は、励起光の照射を止めた時点から測定する。得られる減衰曲線は一般に、発光や熱等の緩和過程に由来する複数の減衰曲線を足し合わせたものとなっている。そこで、本実施形態では、3つの成分(すなわち、3つの減衰曲線)が含まれると仮定して、蛍光強度をI(t)としたときに、減衰曲線が下記の式で表せるように、パラメータフィッティングを行う。パラメータフィッティングは、専用ソフト(例えば、株式会社堀場製作所製 DAS6)を使用して実施する。
I(t)=A1exp(-t/τ1)+A2exp(-t/τ2)+A3exp(-t/τ3)
上記の式中、各成分のτ1、τ2、τ3は、光強度が初期の1/e(36.8%)に減衰するのに要する時間であり、これが各成分の蛍光寿命に相当する。蛍光寿命の短い順にτ1、τ2、τ3とする。また、A1、A2およびA3は、各成分の寄与率である。本実施形態では、寄与率が最も大きい成分の蛍光寿命τが150ns以下である蛍光が得られる。そのような蛍光は、バンド端発光であると推察される。
なお、本実施形態では、蛍光の減衰曲線が3つ、4つ、または5つの成分を含むものと仮定してパラメータフィッティングを行って得られる式がそれぞれ描く減衰曲線と、実際の減衰曲線とのずれは、それほど変わらない。そのため、本実施形態では、寄与率の最も大きい成分の蛍光寿命を求めるにあたり、蛍光の減衰曲線に含まれる成分の数を3と仮定し、それによりパラメータフィッティングが煩雑となることを避けている。
テルル化合物ナノ粒子の発光スペクトルは、350nm〜1100nmの範囲から選択される波長の光を照射したときに得られる。例えば、AgInTeで表されるテルル化合物ナノ粒子の場合、波長700nmの光を照射すると、図2に示すように、1100nm付近に発光ピークが観察される発光スペクトルを得ることができる。
テルル化合物ナノ粒子が発光するバンド端発光は、テルル化合物ナノ粒子の形状および/または寸法、特に寸法を変化させることによって、そのピークの位置を変化させることができる。例えば、テルル化合物ナノ粒子の短軸の平均長さをより小さくすれば、量子サイズ効果により、バンドギャップエネルギーがより大きくなり、バンド端発光のピーク波長を短波長側にシフトさせることができる。
テルル化合物ナノ粒子の吸収スペクトルは、250nm〜1400nmの範囲から選択される波長の光を照射したときに得られる。例えば、AgInTeで表されるテルル化合物ナノ粒子の場合、波長450nm〜1400nmの光を照射すると、図2に示すような、吸収スペクトルを得ることができる。
本実施形態のテルル化合物ナノ粒子はまた、その吸収スペクトルがエキシトンピークを示すものであることが好ましい。エキシトンピークは、励起子生成により得られるピークであり、これが吸収スペクトルにおいて発現しているということは、短軸の長さの分布が小さく、結晶欠陥の少ないバンド端発光に適した粒子であることを意味する。エキシトンピークが急峻になるほど、短軸の長さがそろった結晶欠陥の少ない粒子が半導体ナノ粒子の集合体により多く含まれていることを意味し、したがって、発光の半値幅は狭くなり、発光効率が向上すると予想される。本実施形態のテルル化合物ナノ粒子の吸収スペクトルにおいて、エキシトンピークは、例えば、350nm〜1000nmの範囲内で観察される。
上記において説明した組成、形状および寸法、ならびに発光特性および吸収特性を有するテルル化合物ナノ粒子は、その表面が任意の化合物で修飾されていてよい。ナノ粒子の表面を修飾する化合物は表面修飾剤とも呼ばれる。表面修飾剤は、例えば、ナノ粒子を安定化させてナノ粒子の凝集または成長を防止するためのものであり、ならびに/あるいはナノ粒子の溶媒中での分散性を向上させるためのものである。
本実施形態において、表面修飾剤は好ましくは炭化水素系チオールである。炭化水素系チオールを用いると、有機溶媒中での粒子分散安定性が良好になる。炭化水素系チオールの炭化水素部位は、炭素数4〜20であることが好ましい。炭化水素部位としては、例えば、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、n−オクタン、n−デカン、n−ドデカン、n−ヘキサデカン、n−オクタデカン等の分岐を有していてもよい飽和脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素が挙げられ、このうち飽和脂肪族炭化水素が好ましい。炭化水素系チオールは、テルル化合物ナノ粒子の表面に硫黄が配位結合すると考えられる。
(テルル化合物複合ナノ粒子)
第2の実施形態として、第1の実施形態のテルル化合物ナノ粒子が被覆層で覆われたテルル化合物複合ナノ粒子を説明する。テルル化合物複合ナノ粒子は、第1の実施形態のテルル化合物ナノ粒子の表面に、一般式C’Z’(式中、C’はZnおよびCdからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素であり、Z’は、S、SeおよびTeからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素である)で表される被覆層が一または複数設けられた構造を有する。この複合ナノ粒子はいわゆるコアシェル構造の粒子である。コアシェル構造の粒子は凝集したとしても、コアとコアはシェルにより隔てられて、コア自体が凝集することはなく、したがって、コアをなすテルル化合物ナノ粒子はその機能(例えば波長変換機能)を十分に発揮できる。
また、コアシェル構造のナノ粒子においては被覆層により表面欠陥サイトが除去されるため、バンド端発光がより強くあらわれる傾向にある。
被覆層を構成する化合物は、例えば、ZnS、CdS、ZnSe、CdSe、CdTe,ZnTe、およびテルル化カドミウム亜鉛等である。被覆層を構成する半導体の組成として、バンドギャップが半導体ナノ粒子よりも大きなものを起用することによりエネルギー的な障壁を形成せしめることが一般に有効である。これらの化合物のうち、ZnSはCdを含む化合物と比較して毒性の低いものであること、およびナノ粒子の被覆層として用いられている実績があることから好ましく用いられる。また、前記被覆層は、半導体ナノ粒子の表面に複数、すなわち多層構造に形成されてもよい。その場合、特に多層構造の下部(コアに近い部分)の屈折率が、多層構造の上部(複合ナノ粒子表面に近い部分)の屈折率より高くなるように、各層を形成する化合物を選択することが好ましい。被覆層の最外周は更に周辺環境から半導体ナノ粒子を保護するために金属化合物で被覆されていても良い。
テルル化合物複合ナノ粒子は、被覆層で覆われているため、その全体の寸法は、テルル化合物ナノ粒子よりも相当に大きくなるが、発光に寄与するコアの部分が上記の形状および寸法を有する限りにおいて、複合ナノ粒子もバンド端発光を与える。尤も、複合ナノ粒子の平均粒径は100nm以下であることが好ましい。平均粒径が100nmを超えると、有機溶媒への分散安定性が悪くなる。
ここで、粒径は、TEM像で観察される粒子において、外周の任意の二点を結ぶ線分であって、当該粒子の中心を通過する線分のうち、最も長いものを指す。ただし、粒子がロッド状の形状を有するものである(短軸の長さに対する長軸の長さの比が1.2より大きい)場合には、短軸の長さを粒径とみなす。平均粒径は、短軸の平均長さの求め方に関連して説明したように、一つのTEM像において計測可能な粒子について測定される粒径の算術平均として求める。一つのTEM像において計測可能な粒子の合計点数が100点未満である場合には、撮像場所を変更して、100点以上の粒子について粒径を測定し、平均を求める。
(テルル化合物ナノ粒子の製造方法)
次に、第3の実施形態として、第1の実施形態のテルル化合物ナノ粒子を製造する方法を説明する。まず、一般式(M Teにおいてyが0であるテルル化合物ナノ粒子、または元素M、元素M、およびTeを含み、元素Mを含まない、前記一般式で表されないテルル化合物ナノ粒子の製造方法を説明する。そのようなテルル化合物ナノ粒子の製造方法は、
(a)トリアルキルホスフィンにTe粉末を加えた混合液を200〜250℃で熱処理して、Te−ホスフィン錯体を含む透明な溶液を得ること、
(b)炭化水素系チオールに、M(MはCu、Ag、Auから選ばれる少なくとも一種である)の塩とM(MはB、Al、Ga、Inから選ばれる少なくとも一種である)の塩とを加えて、溶液を得ること、
(c)前記(a)で得た溶液を、前記(b)で得た溶液に加えた後、180〜280℃に加熱すること
を含む。
工程(a)において、トリアルキルホスフィンにTe粉末を加えた混合液を200〜250℃で熱処理して透明な溶液を調製するのは、その後の反応をスムーズに進行させるためである。すなわち、工程()において、Te粉末をそのまま用いると、Te粉末が溶媒中に不均一に存在するため、Mの塩とMの塩と反応しにくい。一方で、工程(a)で調製した透明な溶液を用いると、透明な溶液中に均一に存在するTe−ホスフィン錯体がMの塩およびMの塩と反応しやすくなる。工程(a)で使用するトリアルキルホスフィンのアルキル基は3つとも同じであってもよく、2つが同じで1つが異なっていてよく、3つとも異なっていてよいが、3つとも同じであることが好ましい。アルキル基は特に限定されないが、例えば、炭素数4〜20の炭化水素基が好ましく、例えば、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基等の飽和脂肪族炭化水素基が好ましい。
工程(b)で使用する、炭化水素系チオール、MおよびMについては既に説明したとおりであるから、ここではその説明を省略する。Mの塩およびMの塩の種類は特に限定されず、例えば、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩、またはリン酸塩であってよい。炭化水素系チオールは、Mの塩およびMの塩と反応して、チオレート錯体を与えると推察される。このチオレート錯体とTeのホスフィン錯体とが反応して、目的とするMTeが生成すると推察される。炭化水素系チオールの代わりに炭化水素系アミンを用いた場合には目的物が得られない。これは、炭化水素系アミンがMの塩およびMの塩と反応してアミン錯体を形成するところ、アミン錯体の反応性が高すぎて、M Te等として沈殿を形成するためであると考えられる。
工程(b)においては、炭化水素系チオールの物質量(モル)対する、Mの塩の物質量およびMの塩の物質量(モル)の比がそれぞれ9.0×10−3〜6.0×10−2の範囲内にあるように、溶液を調製する。炭化水素系チオールの物質量対する、Mの塩の物質量およびMの塩の物質量の比を上記の範囲内とすることによって、本実施形態に特徴的な形状および寸法(ロッド状の形状で、短軸の平均長さ5.5nm以下)のテルル化合物ナノ粒子を得ることができる。この比が小さすぎる場合には、短軸の平均長さが5.5nmを超えやすく、大きすぎる場合には、ロッド状のナノ粒子に加えて、比較的大きな球形のナノ粒子が合成されやすく、また、ナノ粒子の結晶性が低下しやすい。大きな球形のナノ粒子が多く混在していると、ナノ粒子の集合体からは、ロッド状のナノ粒子からの光と球形のナノ粒子からの光とが合成された光が得られ、そのような合成光は発光スペクトルにおいてブロードなピークとして観察される。炭化水素系チオールの物質量(モル)に対する、Mの塩の物質量およびMの塩の物質量(モル)の比はそれぞれ、好ましくは1.2×10−2〜3.0×10−2である。
続いて、工程(c)において、工程(a)で得た溶液を、工程(b)で得た溶液に加えて、180℃〜280℃で加熱し、目的とするテルル化合物ナノ粒子を得る。反応温度が低すぎると、目的とするテルル化合物が生成しにくく、反応温度が高くても、得られるテルル化合物の光学特性が向上しないため、反応温度は上記範囲とすることが好ましい。反応温度とテルル化合物の結晶構造との間には相関関係があり、低温領域(180℃〜220℃)では六方晶になりやすく、中温領域(220℃〜250℃)では正方晶と六方晶の混合物になりやすく、高温領域(250℃〜280℃)では正方晶になりやすい。結晶構造が六方晶であるテルル化合物ナノ粒子は、ロッド状の形状を取りやすく、また、その短軸の平均長さを5.5nm以下にしやすい。したがって、工程(c)の加熱温度は180℃〜220℃とすることが好ましい。
工程(c)の後、例えば、以下のようにして目的とするテルル化合物ナノ粒子を反応混合液から回収することができる。工程(c)で加熱した混合液を放冷し、その混合液にアルコールを加えて沈殿させ、その沈殿を混合液から分離し、分離した沈殿に炭化水素系溶媒を加えた後、粗大粒子を除去することにより、テルル化合物ナノ粒子を含む溶液を得ることができる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール等の低級アルコールが好ましく用いられる。炭化水素系溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒を用いてもよいし、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等の脂肪族炭化水素溶媒を用いてもよい。
一般式(M Teにおいてyが0でない、Mを含むテルル化合物ナノ粒子、または元素Mと、元素Mと、元素Mと、Teとを含み、前記一般式で表されないテルル化合物ナノ粒子を製造する場合には、工程(b)において、Mの塩およびMの塩に加えて、さらにMの塩を加える。Mの塩の種類も特に限定されず、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩、またはリン酸塩であってよい。Mの塩を加えるときには、工程(b)で得られる溶液において、炭化水素系チオールの物質量(モル)に対する、Mの塩の物質量、Mの塩の物質量、およびMの塩の物質量(モル)の比がそれぞれ、9.0×10−3〜6.0×10−2の範囲内にあるように、溶液を調製する。
これにより、本実施形態に特徴的な形状および寸法のテルル化合物ナノ粒子を得ることができる。炭化水素系チオールの物質量(モル)に対する、Mの塩の物質量(モル)の比は、好ましくは2.1×10−3〜4.2×10−2である。その他の工程については、上記において説明したとおりであるから、ここではその説明を省略する。
テルル化合物複合ナノ粒子を製造する場合には、上記方法でテルル化合物ナノ粒子を得た後、これに被覆層を形成する。被覆層を形成する方法は、非特許文献1にも記載され、当該文献に記載された方法を用いて被覆層を形成してよい。具体的には、被覆層をZnSとする場合には、例えば、工程(c)の後、アルコールを加えて沈殿させたテルル化合物ナノ粒子を、再び炭化水素系チオール(例えば、1−ドデカンチオール)に分散させ、亜鉛源として酢酸亜鉛を加える。次に、チオアセトアミドを加え、窒素雰囲気下で例えば180℃で30分間加熱して、反応させる。反応後の生成物を室温まで冷却した後、エタノールを加えて遠心分離し、沈殿にトルエンまたはオクタンを加えて溶解させ、再び遠心分離により粗大な粒子を取り除き、テルル化合物複合ナノ粒子を含む溶液を得る。被覆層をZnTeとする場合は、チオアセトアミドに代えて、工程(a)で調製したTe前駆体を用いる。
被覆層を、ZnS、ZnTe以外の化合物とする場合も、上記と同様の方法で被覆層を形成できる。例えば、CdS等のCdを含む化合物を被覆層とする場合、カドミウム源として酢酸カドミウムが用いられる。また、セレン化合物を被覆層とする場合には、工程(a)と同様にして、Se粉末を用いて、Se−ホスフィン錯体溶液を調製し、これを用いる。
(発光デバイス)
次に、第4の実施形態として、第1の実施形態のテルル化合物ナノ粒子または第2の実施形態のテルル化合物複合ナノ粒子を用いた、発光デバイスを説明する。
第4の実施形態である発光デバイスは、光変換部材および半導体発光素子を含む発光デバイスであって、光変換部材に第1の実施形態のテルル化合物ナノ粒子、または第2の実施形態のテルル化合物複合ナノ粒子(以下、これらを総称して、「テルル化合物量子ドット」と呼ぶ)を含むものである。この発光デバイスによれば、例えば、半導体発光素子からの発光の一部を、テルル化合物量子ドットが吸収してより長波長の光が発せられる。そして、テルル化合物量子ドットからの光と半導体発光素子からの発光の残部とが混合され、その混合光を発光デバイスの発光として利用できる。
具体的には、半導体発光素子としてピーク波長が400nm〜490nm程度の青紫色光または青色光を発するものを用い、テルル化合物量子ドットとして青色光を吸収して黄色光を発光するものを用いれば、白色光を発光する発光デバイスを得ることができる。あるいは、テルル化合物量子ドットとして、青色光を吸収して緑色光を発光するものと、青色光を吸収して赤色光を発光するものの2種類を用いても、白色発光デバイスを得ることができる。
あるいは、ピーク波長が400nm以下の紫外線を発光する半導体発光素子を用い、紫外線を吸収して青色光、緑色光、赤色光をそれぞれ発光する、三種類のテルル化合物量子ドットを用いる場合でも、白色発光デバイスを得ることができる。この場合、発光素子から発せられる紫外線が外部に漏れないように、発光素子からの光をすべて量子ドットに吸収させて変換させることが望ましい。
あるいはまた、ピーク波長が490nm〜510nm程度の青緑色光を発するものを用い、テルル化合物量子ドットとして上記の青緑色光を吸収して赤色光を発するものを用いれば、白色光を発光するデバイスを得ることができる。
あるいはまた、半導体発光素子として波長700nm〜780nmの赤色光を発光するものを用い、テルル化合物量子ドットとして、赤色光を吸収して近赤外線を発光するものを用いれば、近赤外線を発光する発光デバイスを得ることもできる。
テルル化合物量子ドットは、他の半導体量子ドットと組み合わせて用いてよく、あるいは他の量子ドットではない蛍光体(例えば、有機蛍光体または無機蛍光体)と組み合わせて用いてよい。他の半導体量子ドットは、例えば、背景技術の欄で説明した二元系の半導体量子ドットである。量子ドットではない蛍光体として、アルミニウムガーネット系等のガーネット系蛍光体を用いることができる。ガーネット蛍光体としては、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体が挙げられる。他にユウロピウム及び/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム系蛍光体、ユウロピウムで賦活されたシリケート系蛍光体、β−SiAlON系蛍光体、CASN系又はSCASN系等の窒化物系蛍光体、LnSiN11系又はLnSiAlON系等の希土類窒化物系蛍光体、BaSi:Eu系又はBaSi12:Eu系等の酸窒化物系蛍光体、CaS系、SrGa系、SrAl系、ZnS系等の硫化物系蛍光体、クロロシリケート系蛍光体、SrLiAl4:Eu蛍光体、SrMgSiN:Eu蛍光体、マンガンで賦活されたフッ化物錯体蛍光体としてのKSiF:Mn蛍光体などを用いることができる。
発光デバイスにおいて、テルル化合物量子ドットを含む光変換部材は、例えばシートまたは板状部材であってよく、あるいは三次元的な形状を有する部材であってよい。三次元的な形状を有する部材の例は、表面実装型の発光ダイオードにおいて、パッケージに形成された凹部の底面に半導体発光素子が配置されているときに、発光素子を封止するために凹部に樹脂が充填されて形成された封止部材である。
または、光変換部材の別の例は、平面基板上に半導体発光素子が配置されている場合にあっては、前記半導体発光素子の上面および側面を略均一な厚みで取り囲むように形成された樹脂部材である。
あるいはまた、光変換部材のさらに別の例は、半導体発光素子の周囲にその上端が半導体発光素子と同一平面を構成するように反射材を含む樹脂部材が充填されている場合にあっては、前記半導体発光素子および前記反射材を含む樹脂部材の上部に、所定の厚さで平板状に形成された樹脂部材である。
光変換部材は半導体発光素子に接してよく、あるいは半導体発光素子から離れて設けられていてよい。具体的には、光変換部材は、半導体発光素子から離れて配置される、ペレット状部材、シート部材、板状部材または棒状部材であってよく、あるいは半導体発光素子に接して設けられる部材、例えば、封止部材、コーティング部材(モールド部材とは別に設けられる発光素子を覆う部材)またはモールド部材(例えば、レンズ形状を有する部材を含む)であってよい。
また、発光デバイスにおいて、異なる波長の発光を示す2種類以上のテルル化合物量子ドットを用いる場合には、1つの光変換部材内で前記2種類以上の量子ドットが混合されていてもよいし、あるいは1種類の量子ドットのみを含む光変換部材を2つ以上組み合わせて用いてもよい。この場合、2種類以上の光変換部材は積層構造を成してもよいし、平面上にドット状ないしストライプ状のパターンとして配置されていてもよい。
半導体発光素子としてはLEDチップが挙げられる。LEDチップは、GaN、GaAs、InGaN、AlInGaP、GaP、SiC、及びZnO等から成る群より選択される一種又は二種以上から成る半導体層を備えたものであってよい。青紫色光、青色光、または紫外線を発光する半導体発光素子は、好ましくは、一般式がInAlGa1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y<1)で表わされるGaN系化合物を半導体層として備えたものであることが好ましい。
本実施形態の発光デバイスは、光源として液晶表示装置に組み込まれることが好ましい。テルル化合物ナノ粒子によるバンド端発光は蛍光寿命の短いものであるため、これを用いた発光デバイスは、比較的速い応答速度が要求される液晶表示装置の光源に適している。また、本実施の形態のテルル化合物ナノ粒子は、バンド端発光として半値幅の小さい発光ピークを示し得る。したがって、発光デバイスにおいて、青色半導体発光素子によりピーク波長が420nm〜490nmの範囲内にある青色光を得るようにし、テルル化合物ナノ粒子により、ピーク波長が510nm〜550nm、好ましくは530nm〜540nmの範囲内にある緑色光、およびピーク波長が600nm〜680nm、好ましくは630〜650nmの範囲内にある赤色光を得るようにする。または、発光デバイスにおいて、半導体発光素子によりピーク波長400nm以下の紫外光を得るようにし、テルル化合物ナノ粒子によりピーク波長430nm〜470nm、好ましくは440〜460nmの範囲内にある青色光、ピーク波長が510nm〜550nm、好ましくは530〜540nmの緑色光、およびピーク波長が600〜680nm、好ましくは630〜650nmの範囲内にある赤色光を得るようにすれば、濃いカラーフィルターを用いることなく、色再現性の良い液晶表示装置が得られる。本実施形態の発光デバイスは、例えば、直下型のバックライトとして、またはエッジ型のバックライトとして用いられる。
あるいは、テルル化合物ナノ粒子を含む、樹脂もしくはガラス等からなるシート、板状部材、またはロッドが、発光デバイスとは独立した光変換部材として液晶表示装置に組み込まれていてよい。
(実施例1)
(1)Te前駆体の合成
10.7mmolのTe粉末をフラスコに加え、内部を窒素雰囲気とした後、窒素雰囲気下で保管しておいたn−トリオクチルホスフィン30cmを加えた。一度フラスコ内を減圧し、撹拌しながらマントルヒーターで加熱した。混合液の温度が80℃となったところで、フラスコ内に再び窒素を充填し、毎時100℃の速度で220℃になるまで昇温させた。加熱開始から3時間経過したところで、溶液がオレンジ色の透明な溶液となった。その後室温まで放冷すると、溶液は黄色に変化した。得られた前駆体溶液は実験に使用するまで窒素雰囲気下で保管した。
(2)テルル化合物(AgInTe)ナノ粒子の合成
酢酸銀(AgOAc)、酢酸インジウム(In(OAc))を0.15mmolずつ試験管に量り取り、これに1−ドデカンチオール3.0cmを加えた混合液を作製した。試験管内部を減圧後、窒素充填した。先に作製したTe前駆体溶液0.84cmを撹拌しながら加え、180℃にて10分間加熱した後、室温まで放冷した。得られた生成物にエタノールを加えた後、遠心分離して沈殿を集め、その沈殿にオクタンを加えて分散させ、再び遠心分離をすることで粗大な粒子などを取り除き、AgInTeナノ粒子を含む溶液を得た。
本実施例において、酢酸銀/1−ドデカンチオールのモル比、酢酸インジウム/1−ドデカンチオールのモル比はいずれも、1.2×10−2であった。
(実施例2)
酢酸銀および酢酸インジウムの量をそれぞれ0.25mmolとし、Te前駆体溶液の量を1.4cmとし、1−ドデカンチオールの量を2.0cmとしたこと以外は、実施例1と同様にしてAgInTeナノ粒子を含む溶液を得た。
本実施例において、酢酸銀/1−ドデカンチオールのモル比、酢酸インジウム/1−ドデカンチオールのモル比はいずれも、3.0×10−2であった。
(比較例1)
酢酸銀および酢酸インジウムの量をそれぞれ0.074mmolとし、Te前駆体溶液の量を0.42cmとしたこと以外は、実施例1と同様にしてAgInTeナノ粒子を含む溶液を得た。
本実施例において、酢酸銀/1−ドデカンチオールのモル比、酢酸インジウム/1−ドデカンチオールのモル比はいずれも、6.0×10−3であった。
(粒子の形状および寸法)
実施例1、2および比較例1で得たテルル化合物ナノ粒子の形状を、透過型電子顕微鏡(TEM、日立ハイテクノロジーズ、H−7650)を用いて観察するとともに、その寸法を68000倍のTEM像から測定した。ここでは、TEMグリッドとして、市販のエラスティックカーボン支持膜付き銅グリッド(応研商事)を用いた。短軸の平均長さ、および長軸の平均長さは、以下の方法に従って測定した。
1)TEM像に含まれているナノ粒子のうち、計測可能なものをすべて、すなわち、画像の端において粒子の像が切れているようなものを除くすべての粒子について、短軸の長さおよび長軸の長さを測定した。
2)短軸の長さに対する長軸の長さが1.2より大きい粒子(=ロッド状の形状の粒子)をすべて選択し、それらの粒子の短軸の長さおよび長軸の長さの算術平均を求め、それぞれ短軸の平均長さおよび長軸の平均長さとした。
3)一つのTEM像に含まれるロッド状の形状の粒子が100点に満たない場合には、別のTEM像を測定した。次にそのTEM像に含まれる粒子について上記1)および2)の方法で、短軸の長さ、長軸の長さを測定し、ロッド状の形状の粒子を選択し、算術平均を100点以上の粒子から求めるようにした。
結果を表1に示す。また、実施例1で得たテルル化合物ナノ粒子のTEM像を図5に示す。
(結晶構造)
実施例1、2および比較例1で得たテルル化合物ナノ粒子について、XRDパターンを測定し、カルコパイライト型AgInTe、ウルツ鉱型AgInTeと比較した。カルコパイライト型AgInTeは正方晶系、ウルツ鉱型AgInTeは六方晶系である。ウルツ鉱型AgInTeの回折パターンは報告されていないため、粉末X線結晶構造解析ソフト(RIETAN−FP)及び結晶構造描画ソフト(VESTA)を用いて、表2の結晶構造パラメータからシミュレーションを行った。測定したXRDパターンを図1に示す。なお、XRDパターンは、リガク製の粉末X線回折装置(商品名 SmartLab)を用いて測定した。
実施例および比較例のテルル化合物ナノ粒子はいずれも、ウルツ鉱型AgInTeのパターンと一致し、その結晶構造が六方晶であることがわかった。
(組成分析)
EDX(堀場製作所製、商品名 EMAX Energy EX−250)を用いて、実施例1、2および比較例1のテルル化合物ナノ粒子の組成を分析した。いずれも有効数字の桁数を一桁としたときに、AgInTeの化学量論組成であるAg:In:Te=1:1:2となった。
(吸収スペクトルおよび発光スペクトル)
実施例1、2および比較例1で得たテルル化合物ナノ粒子をオクタンに分散させて、吸収および発光スペクトルを測定した。吸収スペクトルは、日本分光製の紫外可視分光光度計(商品名 V670)を用いて、波長を450nm〜1400nm として測定した。発光スペクトルは、堀場製作所製の近赤外高速蛍光分光光度計(商品名 Nanolog)を用いて、励起波長を700nmとして測定した。その結果を図2ないし図4に示す。実施例1および2の吸収スペクトルにおいては、960nm付近にて明らかにエキシトンピークが観察された。比較例1の吸収スペクトルにおいてはエキシトンピークが観察されなかった。また、実施例1および2の発光スペクトルにおいて、1000nm付近に発光ピークが観察され、比較例1の発光スペクトルにおいては1100nm付近に発光ピークが観察された。
(蛍光寿命)
実施例1、2および比較例1で得たテルル化合物ナノ粒子が発光する蛍光の蛍光寿命を測定した。蛍光寿命の測定は、株式会社堀場製作所製の蛍光分光測定装置(商品名Fluorolog−3)を用いて、波長635nmの光を励起光として各テルル化合物ナノ粒子に照射して、蛍光を発光させた。実施例1および2については、発光スペクトルのピーク波長付近の蛍光(実施例1:1015nm、実施例2:1000nm)の減衰曲線を求め、比較例1については1050nmの蛍光の減衰曲線を求めた。得られた減衰曲線を株式会社堀場製作所製の解析用ソフトウェアDAS6を用いてパラメータフィッティングにより、実施例1および2については、3つの成分に分け、比較例1については主成分がもともと2つしか含まれていないデータに対して無理に3成分のフィッティングを適用するとエラーとなるため、当該データについては2成分のフィッティングを行った。その結果、τ1、τ2、およびτ3、ならびに各成分の寄与率(A1、A2およびA3)は以下の表3に示すとおりとなった。
実施例1および2については、寄与率の最も大きい成分の蛍光寿命(τ)はいずれも、150ns以下であり、より正確には約55ns(実施例1)、約61ns(実施例2)であった。これは、バンド端発光が確認されているCdSeが発する蛍光について、寄与率の最も大きい成分の蛍光寿命(30ns〜60ns)と同程度のものであった。比較例1については、寄与率の最も大きい成分の蛍光寿命が150nsを超えていた。
本発明に係る実施形態は、バンド端発光可能なテルル化合物ナノ粒子であり、発光デバイスの波長変換物質として、あるいは生体分子マーカーとして利用可能である。

Claims (15)

  1. 一般式(M In Te(MAg、またはAgとCuの組み合わせである)で表されるテルル化合物ナノ粒子であって、
    結晶構造が六方晶であり、
    粒子の形状がロッド状であって、その短軸の平均長さが5.5nm以下であり、
    350nm〜1000nmの範囲内にある波長の光が照射されると、照射された光よりも長い波長を有する蛍光を発する、
    テルル化合物ナノ粒子。
  2. 元素M(MAg、またはAgとCuの組み合わせである)と、Inと、Teとを含テルル化合物ナノ粒子であって、
    結晶構造が六方晶であり、
    粒子の形状がロッド状であって、その短軸の平均長さが5.5nm以下であり、
    350nm〜1000nmの範囲内にある波長の光が照射されると、照射された光よりも長い波長を有する蛍光を発する、
    テルル化合物ナノ粒子。
  3. 前記蛍光の半値幅が150nm以下である、請求項1または2に記載のテルル化合物ナノ粒子。
  4. その吸収スペクトルがエキシトンピークを示すものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のテルル化合物ナノ粒子。
  5. 前記エキシトンピークが350nm〜1000nmの範囲内にある、請求項4に記載のテルル化合物ナノ粒子。
  6. (前記蛍光のピーク波長±50)nmの範囲内にある波長の蛍光(以下、「寿命測定蛍光」)の蛍光寿命が、3つの成分を含むものとして、寿命測定蛍光の減衰曲線のパラメータフィッティングにより求めた各蛍光寿命成分のうち、最も寄与率の大きい成分の蛍光寿命が150ns以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のテルル化合物ナノ粒子。
  7. 粒子の短軸の平均長さに対する長軸の平均長さの比(A)が1.2<A≦20の範囲内にある、請求項1〜6のいずれか1項に記載のテルル化合物ナノ粒子。
  8. AgInTe である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のテルル化合物ナノ粒子。
  9. 前記テルル化合物ナノ粒子の表面は炭化水素系チオールで修飾されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載のテルル化合物ナノ粒子。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載のテルル化合物ナノ粒子の表面に、一般式C’Z’(式中、C’はZnおよびCdからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素であり、Z’は、S、SeおよびTeからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素である)で表される被覆層が一または複数、設けられている、テルル化合物複合ナノ粒子。
  11. 平均粒径が100nm以下である、請求項10に記載のテルル化合物複合ナノ粒子。
  12. (a)トリアルキルホスフィンにTe粉末を加えた混合液を200〜250℃で熱処理して、Te−ホスフィン錯体を含む透明な溶液を得ること、
    (b)炭化水素系チオールに、M(MAg、またはAgとCuの組み合わせである)の塩とInの塩とを加えて、溶液を得ること、
    (c)前記(a)で得た溶液を、前記(b)で得た溶液に加えた後、180〜280℃に加熱すること
    を含み、
    前記(b)で得られる溶液において、炭化水素系チオールの物質量(モル)対する、Mの塩の物質量およびMの塩の物質量(モル)の比がそれぞれ9.0×10−3〜6.0×10−2の範囲内にある、
    テルル化合物ナノ粒子の製造方法。
  13. 光変換部材および半導体発光素子を含む発光デバイスであって、前記光変換部材に請求項1〜のいずれか1項に記載のテルル化合物ナノ粒子、または請求項10もしくは11に記載のテルル化合物複合ナノ粒子が含まれる、発光デバイス。
  14. 前記半導体発光素子はLEDチップである、請求項13に記載の発光デバイス。
  15. 請求項13または14に記載の発光デバイスを光源として含む、液晶表示装置。
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