JP6317292B2 - シース熱電対およびその先端部の製造方法 - Google Patents

シース熱電対およびその先端部の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6317292B2
JP6317292B2 JP2015092229A JP2015092229A JP6317292B2 JP 6317292 B2 JP6317292 B2 JP 6317292B2 JP 2015092229 A JP2015092229 A JP 2015092229A JP 2015092229 A JP2015092229 A JP 2015092229A JP 6317292 B2 JP6317292 B2 JP 6317292B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermocouple
tip
metal sheath
inorganic insulating
temperature measuring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015092229A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016211855A (ja
Inventor
勝 山名
勝 山名
真一 福嶋
真一 福嶋
吉田 孝行
孝行 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okazaki Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Okazaki Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okazaki Manufacturing Co Ltd filed Critical Okazaki Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2015092229A priority Critical patent/JP6317292B2/ja
Publication of JP2016211855A publication Critical patent/JP2016211855A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6317292B2 publication Critical patent/JP6317292B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、工業用温度計として広く用いられているシース熱電対に関するもので、より具体的には、激しい振動のある場所に設置されるシース熱電対に関するものである。
シース熱電対は、特許文献1の図4ならびに図5、特許文献2の図6などに示されているとおり、金属シース内にマグネシア、アルミナ等を材質とする無機絶縁材粉末が充填され、その中に一対または複数対の金属を材質とする熱電対素線が収容されている温度センサである。
各対の熱電対素線の先端は接合されて測温接点が形成されており、測温接点の温度がシース熱電対の出力温度となる。また、金属シースの先端は溶接により、先端と反対側の端末は、エポキシ等のシール材により、気密封止されていて、熱電対素線はこの端末のシールを通って外部に出ている。金属シースの内部は、この先端の溶接封止部と端末のシールとによって外部から遮断されており、この遮断は、無機絶縁材粉末の吸湿による絶縁低下や、高温で使用した際に内部の熱電対素線が酸化することによる温度測定誤差の発生等を防ぐために、シース熱電対には必須である。
次に、従来のシース熱電対において一般的に採られている先端部の製作手順を図3に沿って説明する。図3(a1)、(b)、(c)、(d)、(e)は縦断面図、図3(a2)は図3(a1)のB−B断面図で、部品の符号は基本的に最初に現れる箇所にのみ付している。また、見易いように、図3(b)乃至(d)は先端部を拡大して描いている。
図3は一対の熱電対素線を収容したシース熱電対について示しているが、複数対の熱電対素線が収容されたものについても同様の手順で作られる。
シース熱電対2は、図3(a1)、(a2)に示す、金属シース4に無機絶縁材粉末6を介在して一対の熱電対素線5を収容したMIケーブル3より作られる。MIケーブルは、Mineral Insulated ケーブルの一般に用いられている略称である。
先ず、図3(b)のように、MIケーブル3の先端部の無機絶縁粉末6をサンドブラスト等で除去し、金属シース4内に露出した一対の熱電対素線5の先端部を切断除去した後、図3(c)のように一対の熱電対素線5の残った露出部を中央に寄せて溶接し、測温接点を形成する。符号7で示す部分が溶接部であり測温接点である。
続いて、追加の無機絶縁材粉末8を、図3(d)のとおり先端部に詰め、図3(e)に示すように金属シース4の先端を金属シース4と同材質の金属で封止溶接してシース熱電対2の先端部が完成する。符号9が封止溶接をした箇所である。溶接で生じた余盛はベルター等を用いた研磨により取り除かれるのは、特許文献1の図6に示されるとおりである。
特開2014−178127号公報 特開2010−230505号公報
MIケーブルは、太く作った金属シースに無機絶縁材粉末を介在させて熱電対素線を収容したものを、ドローイングやスエージングにより縮径して作られるのが通常である。したがって図3に示すMIケーブル3の無機絶縁材粉末6は圧縮されて高密度に固く充填された状態にあり、そのため、シース熱電対2を強い振動のある場所で用いたとしても無機絶縁材粉末6が振動によって動くことはない。
一方、図3に示す追加の無機絶縁材粉末8は、上記縮径が行われないので充填密度が低く、シース熱電対2を強い振動のある場所で用いると、振動によって追加の無機絶縁材粉末8が動くことにより、これと接触する熱電対素線5と測温接点7の表面および金属シース4と封止溶接部9の内面が磨耗し、磨耗により発生した金属粉が追加の無機絶縁粉末8の中に混入する。
シース熱電対2を強い振動のある場所で長期に使用すると、この金属粉の濃度が上昇し、本来絶縁されている、金属シース4ならびに封止溶接部9と熱電対素線5との間、測温接点7以外の2本の熱電対素線5間、また複数対の熱電対素線を収容したシース熱電対の場合には各対の熱電対素線間の絶縁抵抗が低下して温度測定誤差が増加し、終にはこれらの間が短絡状態となって温度センサとしての機能を失うという問題が、従来のシース熱電対にはあった。
追加の無機絶縁材粉末8の密度を上げるために、図3(d)の状態で、振動を加えることや、上部から圧縮する外力を加えることがなされる場合が多いが、このようにしても強い振動に対しても動かない密度に充填することはできず、程度の差はあれ、絶縁抵抗の低下、短絡という問題は生じる。
強い振動でシース熱電対2に生じる応力による損傷を防止することは、金属シース4の厚いものを使用する等の対策が可能であるので、上に説明した絶縁抵抗の低下及び短絡が、強い振動のある場所で使用されるシース熱電対2の寿命の制限となることがある。
本発明は、シース熱電対の先端部の製作過程において追加される無機絶縁材粉末の充填密度が低いことによって、強い振動のある場所で用いた場合に生じる磨耗に起因する絶縁抵抗の低下及び短絡の問題を軽減し、同場所での使用寿命を延長することを課題としてなされたものである。
上述の課題を解決するために、以下のシース型熱電対とした。
(第1の態様)
第1の態様は、金属シース内に無機絶縁材粉末を介在させて一対または複数対の熱電対素線を収容したものを縮径して作られた、金属シース内に高密度に固く充填された無機絶縁材粉末を介在して一対または複数対の熱電対素線が収容されたMIケーブルを用い、
MIケーブルの先端部の無機絶縁材粉末を除去して金属シース内に露出させた熱電対素線の先端部を切断除去し、金属シース内に残った各対の熱電対素線の露出部先端を中央に寄せて溶接して測温接点を形成した後、放電被覆加工によって、熱電対素線の露出部と測温接点の表面を高硬度の導電性物質でコーティングし、続いて金属シースの先端部の無機絶縁材粉末が除去された箇所に、追加の無機絶縁材粉末を測温接点より先の、金属シースの先端近傍まで充填し、金属シース先端を封止溶接して先端部が作られることにより、
追加の無機絶縁材粉末内の熱電対素線と測温接点の表面が、高硬度の導電性物質でコーティングされていることを特徴とするシース型熱電対である。
本態様のシース熱電対は、強い振動のある場所で用いられて追加の無機絶縁材粉末が動いても、熱電対素線と測温接点の表面が高硬度の物質でコーティングされているので、これらの磨耗による金属粉の発生が従来のシース熱電対より少なく、強い振動のある場所で用いた場合の使用寿命が長くなる。
放電被覆加工は、周知のとおり、火花放電により導電性の電極棒の材質をワーク表面にコーティングする加工で、ワークへの熱入力がほとんどない特徴、及び、大気中において電極棒とワークの近接部を選択的にコーティングできる特徴を持っている。
本態様での放電被覆加工の採用により、シース熱電対の製作中の段階で、熱電対素線と測温接点の表面へ選択的にコーティングを行うことができ、また、コーティング時の熱電対素線への熱入力が少ないために、熱電対素線の測温特性つまり熱起電力特性を変化させて新たな温度測定誤差を生じさせることがなく、歪み、変形を生じさせることもない。加えて、細い電極棒の使用によって、ある程度細径までのシース熱電対の熱電対素線と測温接点の表面をコーティングすることが可能である。
(第2の態様)
第2の態様は、第1の態様のシース熱電対において、
放電加工によって、熱電対素線の露出部と測温接点の表面に加えて、MIケーブルの先端部の無機絶縁材粉末の除去によって露出した金属シースの内面も、高硬度の導電性物質でコーティングすることにより、
追加の無機絶縁材粉末内の熱電対素線と測温接点の表面、および、追加の無機絶縁材粉末に接する金属シースの内面が高硬度の導電性物質でコーティングされていることを特徴とするものである。
強い振動のある場所で追加の無機絶縁材粉末が動くことによる金属シース内面の磨耗は、金属シースの材質を硬度の高い金属とすることで避けることができるが、追加の無機絶縁材粉末内の熱電対素線と測温接点の表面に加えて、追加の無機絶縁材粉末内の金属シース内面も放電被覆加工により高硬度の導電性物質でコーティングすることにより、金属シースの材質が高硬度でなくても、長寿命化を図ることができる。
(第3の態様)
第3の態様は、第1の態様または第2の態様のシース熱電対において、
高硬度の導電性物質は、タングステンカーバイトであることを特徴とするものである。
タングステンカーバイトは高硬度の導電性材料で、放電被覆加工の電極材として広く使用されている実績があり、かつ、経済的にも優れている。第3の態様は、第1の態様と第2の態様のシース熱電対において、実績がありかつ経済的なコーティングができるという効果がある。
(第4の態様)
次に、第4の態様は、本発明によるシース熱電対の先端部の製作方法である。
つまり、本態様は、金属シース内に無機絶縁材粉末を介在させて一対または複数対の熱電対素線を収容したものを縮径して作られた、金属シース内に高密度に硬く充填された無機絶縁材粉末を介在して一対または複数対の熱電対素線が収容されたMIケーブルを用いたシース熱電対先端部の製作方法であって、
MIケーブルの先端部の無機絶縁粉末を除去して金属シース内に露出させた熱電対素線の先端部を切断除去し、金属シース内に残った各対の熱電対素線の露出部先端を中央に寄せて溶接して測温接点を形成する測温接点形成工程と、
続いて、放電被覆加工により、熱電対素線の露出部と測温接点の表面を高硬度の導電性物質でコーティングするコーティング工程と、
続いて、測温接点形成工程において金属シースの先端部の無機絶縁材粉末が除去された箇所に、測温接点より先の、金属シースの先端部近傍まで追加の無絶縁材粉末を充填する無絶縁材粉末追加工程と、
最後に、金属シースの先端を封止溶接する金属シース先端封止溶接工程と、を有するものである。
本態様の製作方法でシース熱電対の先端部を作ることにより、強い振動のある場所で使用して追加の無機絶縁材粉末が動いても、磨耗による金属粉の発生が従来のシース熱電対より少ないために、従来の熱電対より使用寿命の長いシース熱電対が得られる。
(第5の態様)
第5の態様は、第4の態様のシース熱電対先端部の製作方法において、
コーティング工程は、放電被覆加工によって、熱電対素線の露出部と測温接点の表面に加え、測温接点形成工程において無機絶縁粉末を除去して露出した金属シースの内面も、高硬度の導電性物質でコーティングすることを特徴とするものである。
本態様の製作方法とすることで、金属シースの材質が高硬度でなくても、強い振動のある場所での使用において使用寿命の長いシース熱電対が得られる。
(第6の態様)
第6の態様は、第4の態様または第5の態様のシース熱電対先端部の製作方法において、
無絶縁材粉末追加工程後に、追加の無機絶縁材粉末の充填密度を高めるために、金属シースの先端部を加振すること、または追加の無機絶縁材粉末に金属シースの上端開口から圧縮力を加えることの少なくとも1つを行うものである。
本態様の製作方法とすることで追加の無機絶縁材粉末の充填密度を高め、強い振動のある場所で使用した場合の追加の無機絶縁材粉末の動きを軽減して磨耗速度を落とすことにより、同使用における寿命が延ばされたシース熱電対が得られる。
従来のシース熱電対は、強い振動のある場所で用いた場合に、磨耗により生じる金属粉に起因する絶縁抵抗の低下と短絡が、使用寿命を短くすることがあったのに対し、本発明によるシース熱電対とその製造方法は、このような短い使用短寿を長くする効果を持つ。
本発明によるシース熱電対の第1の実施形態における先端部の製作手順と仕上がり形状を示す断面図である。 本発明によるシース熱電対の第2の実施形態における先端部の形状を示す断面図である。 従来のシース熱電対の一般的な先端部の製作手順を示す断面図である。
本発明のシース熱電対の第1の実施形態を図1に沿って説明する。図1は本発明によるシース熱電対の第1の実施形態における先端部の製作手順と仕上がり形状を示す断面図である。図1(a1)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)は縦断面図、図1(a2)は図1(a1)のA−A断面図で、図1(f)が先端部の仕上がり形状である。部品の符号は基本的に最初に現れる箇所にのみ付しており、見易いように、図1(b)乃至(e)は先端部を拡大して描いている。
本実施形態のシース熱電対1は、図1(a1)、(a2)に示す、金属シース4に無機絶縁材粉末6を介在して一対の熱電対素線5を収容したMIケーブル3より作られる。このMIケーブル3は、太い金属シース4に無機絶縁材粉末6を介在させて一対または複数対の熱電対素線5を収容したものを、ドローイングやスエージング等により縮径して作られたもので、縮径によって無機絶縁材粉末6は金属シース4内に高密度に固く充填されている。
先ず、図1(b)のように、MIケーブル3の先端部の無機絶縁粉末6をサンドブラスト等で除去し、金属シース4内に露出した一対の熱電対素線5の先端部を切断除去した後、一対の熱電対素線5の残った露出部を中央に寄せて溶接し、測温接点を形成する(測温接点形成工程)。図1(c)に符号7で示す部分が溶接部であり測温接点である。
続いて、図1(c)の如く、放電被覆加工により熱電対素線5の露出部と測温接点7の表面を高硬度の導電性物質でコーティングする(コーティング工程)。放電被覆加工によるコーティングは、コーティング材で作られた電極棒10とワークである熱電対素線5の露出部と測温接点7との間で火花放電を発生させることにより、電極棒10の材質をワーク表面にコーティングするもので、放電被覆加工したコーティング11を図1(d)に示している。なお、図1(c)には3本の放電加工の電極棒10の先端外形を点線で示しているが、これは当電極棒10の放電被覆加工中の位置を3例示しているもので、3本の電極棒を使って加工する意味の図示でない。放電被覆加工は1本の電極棒で行われる。
続いて図1(e)に示すように、追加の無機絶縁材粉末8を測温接点7より先の、金属シース4の先端近傍まで詰めた(無絶縁材粉末追加工程)後、金属シース4の先端を封止溶接(金属シース先端封止溶接工程)し、その封止溶接部9により金属シース4の先端開口を封止する。封止溶接の際、溶融した溶接金属によって金属シース4の先端の追加の無機絶縁材粉末8の無い空間が埋められる。なお、封止溶接で余盛が生じた場合は、ベルター等を用いた研磨により取り除いて、図1(f)に示す先端形状に仕上げる。
第1の実施形態のシース熱電対1の先端部の製作方法は以上のとおりであり、その形状は図1(f)に示すとおりで、追加の無機絶縁材粉末8内の熱電対素線5と測温接点7の表面に高硬度の導電性物質でコーティング11が施されているのが特徴である。
放電被覆加工は、ワークへの熱入力がほとんどないこと、大気中において電極棒とワークの近接部を選択的にコーティングできることなどの特徴を持っており、この放電被覆加工を使用することによって、シース熱電対1の製作中の段階で、熱電対素線5と測温接点7の表面へ選択的にコーティングを行うことができ、また、放電被覆加工時の熱電対素線5への熱入力が少ないために、熱電対素線5の測温特性つまり熱起電力特性を変化させて新たな温度測定誤差を生じさせることがなく、歪み、変形を生じさせることもない。加えて、細い電極棒10の使用によって、ある程度細径までのシース熱電対1の熱電対素線5と測温接点7の表面をコーティングすることが可能である。
本実施形態の1つの具体例として、金属シース4と封止溶接部9の材質がハステロイX(;米国ヘインズ社の登録商標)で外径が4.6mm、無機絶縁材粉末6及び追加の無機絶縁材粉末8の材質がマグネシア、熱電対素線5がニッケルを主成分である一対のK熱電対素線、そしてコーティング11の材質をタングステンカーバイトとしたものが挙げられる。タングステンカーバイトは高硬度の導電性材料で、放電被覆加工の電極材として広く使用されている実績があり、かつ、経済的にも優れているために採用した。
シース熱電対1は、強い振動のある場所で用いられて追加の無機絶縁材粉末8が動いても、熱電対素線5と測温接点7の表面が高硬度の物質でコーティングされているので、これらの磨耗による金属粉の発生が従来のシース熱電対より少なく、このため、強い振動のある場所で用いられた場合の使用寿命が長い。
また、上述の具体例のように、熱電対素線5と比較して硬度の高いハステロイXなどが金属シース4と封止溶接部9の材質である場合、コーティング11がなければ金属粉の多くは熱電対素線5と測温接点7から発生するので、これらの表面にタングステンカーバイトなどの高硬度の導電性物質でコーティング11を施すことは使用寿命延長への効果が大きい。
次に、本発明のシース熱電対の第2の実施形態を説明する。説明は第1の実施形態と異なる点について行う。
第2の実施形態の製作方法の第1の実施形態との違いは、図1(c)、(d)に示した第1の実施形態のコーティング工程における放電被覆加工の際に、熱電対素線5と測温接点7の表面に加えて、露出している金属シース4内面も放電被覆加工により高硬度の導電性物質でコーティングするところにある。
図2は、このように製作された本発明によるシース熱電対1の第2の実施形態における先端部の形状を示す断面図である。追加の無機絶縁材粉末8内の熱電対素線5と測温接点7の表面に加えて、同粉末8に接する金属シース4の内面にも高硬度の導電性物質でコーティング11が施されているのが第1の実施形態と異なる。
第1の実施形態の1つの具体例として先に挙げたシース熱電対1のうち、金属シース4と封止溶接部9の材質をハステロイXから硬度の低いSUS304等に替えた場合でも、第2の実施形態では、金属シース4の追加の無機絶縁材粉末8に接する箇所は高硬度のタングステンカーバイトでコーティングされているので、強い振動のある場所で用いられて追加の無機絶縁材粉末8が動くことによる金属シース4内面の磨耗は生じ難く、金属粉の発生は少ないために、強い振動のある場所での使用における長寿命化が図れる。
なお、第1及び第2の実施形態のシース熱電対1の先端部の製作方法において、追加の無機絶縁材粉末8を金属シース4の先端近傍まで詰めた後、金属シース4の先端部を加振すること、追加の無機絶縁材粉末8を圧縮する外力を金属シース4の上端開口より加えることの両方、もしくは片方を行うことで追加の無機絶縁材粉末8の充填密度を高めることができ、強い振動のある場所で用いた際の使用寿命を延ばす効果が得られる。しかしながら、これらを実施しても、経験上、追加の無機絶縁材粉末8の動きをなくすことはできず、熱電対素線5と測温接点7の表面、場合によっては金属シース4内面へのコーティング11が、長い使用寿命とするために必要である。
以上、本発明を実施するための形態を示したが、本発明は、もとより上記実施形態によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に包含される。
本発明は、ポンプ、ブロア、タービンなどの強い振動のある場所に取り付けられるシース熱電対に用いることで効果を発揮する。
また、シース熱電対の先端部に限らず、金属シース内に無機絶縁材粉末を介在させて発熱線を収容したマイクロヒータやシースヒータの先端部に適用することにより、これらが強い振動のある場所に取り付けられて用いられた際の使用寿命を延長する効果がある。
1 本発明によるシース熱電対
2 従来のシース熱電対
3 MIケーブル
4 金属シース
5 熱電対素線
6 無機絶縁材粉末
7 測温接点
8 追加の無機絶縁材粉末
9 封止溶接部
10 電極棒
11 コーティング

Claims (6)

  1. 金属シース内に無機絶縁材粉末を介在させて一対または複数対の熱電対素線を収容したものを縮径して作られた、該金属シース内に高密度に固く充填された該無機絶縁材粉末を介在して一対または複数対の該熱電対素線が収容されたMIケーブルを用い、
    該MIケーブルの先端部の前記無機絶縁材粉末を除去して前記金属シース内に露出させた前記熱電対素線の先端部を切断除去し、前記金属シース内に残った各対の前記熱電対素線の露出部先端を中央に寄せて溶接して測温接点を形成した後、放電被覆加工によって、前記熱電対素線の露出部と前記測温接点の表面を高硬度の導電性物質でコーティングし、続いて前記金属シースの先端部の前記無機絶縁材粉末が除去された箇所に、追加の無機絶縁材粉末を前記測温接点より先の、前記金属シースの先端近傍まで充填し、該金属シース先端を封止溶接して先端部が作られることにより、
    前記追加の無機絶縁材粉末内の前記熱電対素線と前記測温接点の表面が、前記高硬度の導電性物質でコーティングされていることを特徴とするシース熱電対
  2. 放電加工によって、前記熱電対素線の露出部と前記測温接点の表面に加えて、前記MIケーブルの先端部の前記無機絶縁材粉末の除去によって露出した前記金属シースの内面も、前記高硬度の導電性物質でコーティングすることにより、
    前記追加の無機絶縁材粉末内の前記熱電対素線と前記測温接点の表面、および、前記追加の無機絶縁材粉末に接する前記金属シースの内面が前記高硬度の導電性物質でコーティングされていることを特徴とする請求項1に記載のシース熱電対
  3. 前記高硬度の導電性物質は、タングステンカーバイトであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシース熱電対
  4. 金属シース内に無機絶縁材粉末を介在させて一対または複数対の熱電対素線を収容したものを縮径して作られた、該金属シース内に高密度に硬く充填された該無機絶縁材粉末を介在して一対または複数対の該熱電対素線が収容されたMIケーブルを用いたシース熱電対先端部の製作方法であって、
    前記MIケーブルの先端部の前記無機絶縁粉末を除去して前記金属シース内に露出させた前記熱電対素線の先端部を切断除去し、前記金属シース内に残った各対の前記熱電対素線の露出部先端を中央に寄せて溶接して測温接点を形成する測温接点形成工程と、
    続いて、放電被覆加工により、前記熱電対素線の露出部と前記測温接点の表面を高硬度の導電性物質でコーティングするコーティング工程と、
    続いて、前記測温接点形成工程において前記金属シースの先端部の前記無機絶縁材粉末が除去された箇所に、前記測温接点より先の、前記金属シースの先端部近傍まで追加の無絶縁材粉末を充填する無絶縁材粉末追加工程と、
    最後に、前記金属シースの先端を封止溶接する金属シース先端封止溶接工程と、を有するシース熱電対先端部の製作方法
  5. 前記コーティング工程は、放電被覆加工によって、前記熱電対素線の露出部と前記測温接点の表面に加え、前記測温接点形成工程において前記無機絶縁粉末を除去して露出した前記金属シースの内面も、前記高硬度の導電性物質でコーティングすることを特徴とする請求項4に記載のシース熱電対先端部の製作方法。
  6. 前記無絶縁材粉末追加工程後に、前記追加の無機絶縁材粉末の充填密度を高めるために、前記金属シースの先端部を加振すること、または前記追加の無機絶縁材粉末に金属シースの上端開口から圧縮力を加えることの少なくとも1つを行う請求項4または請求項5に記載のシース熱電対先端部の製作方法

JP2015092229A 2015-04-28 2015-04-28 シース熱電対およびその先端部の製造方法 Active JP6317292B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015092229A JP6317292B2 (ja) 2015-04-28 2015-04-28 シース熱電対およびその先端部の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015092229A JP6317292B2 (ja) 2015-04-28 2015-04-28 シース熱電対およびその先端部の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016211855A JP2016211855A (ja) 2016-12-15
JP6317292B2 true JP6317292B2 (ja) 2018-04-25

Family

ID=57550736

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015092229A Active JP6317292B2 (ja) 2015-04-28 2015-04-28 シース熱電対およびその先端部の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6317292B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6992553B2 (ja) 2018-01-31 2022-01-13 株式会社デンソー 温度センサ及び温度測定装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5937771B2 (ja) * 1979-06-27 1984-09-12 株式会社フジクラ 熱電対線の熱接点端部の形成方法
JPH01129634U (ja) * 1988-02-18 1989-09-04
JP3647522B2 (ja) * 1995-10-16 2005-05-11 テクノコート株式会社 金属部材への被覆または肉盛り方法
JP4004053B2 (ja) * 2004-09-10 2007-11-07 株式会社岡崎製作所 シース型熱電対
JP4853269B2 (ja) * 2005-12-15 2012-01-11 山里産業株式会社 シース熱電対およびその製造方法
JP2008241267A (ja) * 2007-03-24 2008-10-09 Sumitomo Electric Ind Ltd 熱電対およびその製造方法
JP4751492B2 (ja) * 2007-11-02 2011-08-17 三菱重工業株式会社 熱電対

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016211855A (ja) 2016-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10168228B2 (en) Thermocouple apparatus and method
JP5905056B2 (ja) スパークプラグ、および、スパークプラグの製造方法
US11131587B2 (en) Temperature sensor with heat transfer element and fabrication method
KR101305945B1 (ko) 온도 센서 유닛 및 이를 제조하는 방법
JP6352557B1 (ja) センサ素子、及び、センサ素子の製造方法
WO2009057728A1 (ja) 高速流体用高速応答熱電対
JP5830636B1 (ja) 温度センサ、及び、温度センサの製造方法
JP4967770B2 (ja) 二重シース型熱電対及びその製造方法
JP6317292B2 (ja) シース熱電対およびその先端部の製造方法
JP6650170B1 (ja) シース熱電対
JP5800921B2 (ja) コンタクトエレメント及び該コンタクトエレメントを製造する方法
JP2011115001A (ja) シースケーブル接続構造
US4732619A (en) Self renewing thermocouple
JP6245716B2 (ja) セラミックスヒータ型グロープラグの製造方法及びセラミックスヒータ型グロープラグ
US2794059A (en) Sealed tip thermocouples
JP6033442B2 (ja) スパークプラグ
JP6888561B2 (ja) 温度センサ
KR101617353B1 (ko) 시스열전대 및 그 제조방법
JP6438140B2 (ja) 火炎面まで達するコアを備えた点火プラグ電極を製造するための方法
TWI644329B (zh) 纜線、溫度測量裝置及纜線之製造方法
JP6570201B2 (ja) 非発熱部のあるマイクロヒータ
JP5095349B2 (ja) 高温用シースヒータ
JP6571156B2 (ja) 非発熱部のあるマイクロヒータ
JP6310497B2 (ja) スパークプラグ
JP2007187654A (ja) シース熱電対およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170501

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180315

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180329

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6317292

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250