JP6033442B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

本開示は、スパークプラグに関するものである。
従来から、内燃機関に、スパークプラグが用いられている。スパークプラグは、ギャップを形成する電極を有している。電極としては、例えば、耐酸化性に優れる被覆材と、被覆材よりも熱伝導性に優れ被覆材の内部に封入された芯材と、を有する接地電極が、提案されている。このような接地電極を採用すれば、接地電極の温度を低下させることで、耐酸化性を向上できる。
特開2001−284013号公報
ところで、接地電極が主体金具に接合される場合、接合強度が低い場合があった。例えば、被覆材と主体金具との接合強度が低い場合があった。
本開示は、接地電極と主体金具との接合強度を向上する技術を開示する。
本開示は、例えば、以下の態様または適用例を開示する。
[態様]
中心電極と、
前記中心電極を保持する絶縁体と、
前記絶縁体の径方向の周囲に配置される主体金具と、
前記主体金具の先端部に接合された基端部を有するとともに、前記中心電極との間でギャップを形成する接地電極と、
を備えるスパークプラグであって、
前記接地電極は、
前記接地電極の表面の少なくとも一部を形成し、前記主体金具に接合されるとともに、ニッケルを主成分として含みアルミニウムを0wt%より多く2.5wt%以下で含む材料で形成された外層と、
前記外層の内周側に配置される芯部と、
を含み、
前記外層の表面における酸素量は、0wt%を超え、8wt%以下であり、
前記芯部は、銅、または、銅を主成分として含む材料で形成された第1層を含み、
前記スパークプラグの中心軸と前記接地電極の中心軸とを含む断面の前記接地電極の前記基端部において、前記外層と前記芯部との境界を表す2本の境界線のうちの少なくとも一方は、前記境界線の前記主体金具側の端から前記接地電極の前記中心軸に対して斜めに前記外層の外周側に向かって延びる傾斜線を含み、
前記芯部は、さらに、一部が前記第1層の内周側に配置されるとともに、前記外層よりも大きな含有率(重量%)でニッケルを含む材料で形成され、前記外層よりも熱伝導率が高い第2層を含み、
前記断面の前記接地電極の前記基端部において、
前記傾斜線の前記主体金具側の端を境界端とし、
前記外層の外周面を表す2本の外周線のそれぞれの前記主体金具側の端である2つの外周端の間の前記接地電極の前記中心軸と垂直な方向の距離を全距離W2とし、
前記傾斜線を含む1つまたは2つの前記境界線に関して、前記接地電極の前記中心軸に平行な前記境界端を通る直線と、前記境界端から見て前記傾斜線の延びる方向に位置する前記外周端を通り前記接地電極の前記中心軸に平行な直線と、の間の距離の合計を接合距離W1とし、
前記全距離W2に対する前記接合距離W1の割合を割合tとしたときに、
前記割合tは、0%より大きく、20%以下であり、
前記断面において、前記主体金具は、前記第1層から離間しているとともに、前記外層と前記第2層とに接合されている、
スパークプラグ。
[適用例1]
中心電極と、
前記中心電極を保持する絶縁体と、
前記絶縁体の径方向の周囲に配置される主体金具と、
前記主体金具の先端部に接合された基端部を有するとともに、前記中心電極との間でギャップを形成する接地電極と、
を備えるスパークプラグであって、
前記接地電極は、
前記接地電極の表面の少なくとも一部を形成し、前記主体金具に接合されるとともに、ニッケルを主成分として含みアルミニウムを0wt%より多く2.5wt%以下で含む材料で形成された外層と、
前記外層の内周側に配置される芯部と、
を含み、
前記外層の表面における酸素量は、0wt%を超え、8wt%以下であり、
前記芯部は、銅、または、銅を主成分として含む材料で形成された第1層を含み、
前記スパークプラグの中心軸と前記接地電極の中心軸とを含む断面の前記接地電極の前記基端部において、前記外層と前記芯部との境界を表す2本の境界線のうちの少なくとも一方は、前記境界線の前記主体金具側の端から前記接地電極の前記中心軸に対して斜めに前記外層の外周側に向かって延びる傾斜線を含む、
スパークプラグ。
この構成によれば、外層の表面、すなわち、接地電極の表面における酸素量が8wt%以下であるので、酸素量が8wt%を超える場合と比べて、外層と主体金具との接合強度を向上できる。また、断面において外層と芯部との境界を表す2本の境界線のうちの少なくとも一方が、主体金具側の端から斜めに外周側に向かって延びる傾斜線を含むので、外層と主体金具との接合面積を大きくすることができる。この結果、接地電極と主体金具との接合強度を向上できる。
[適用例2]
適用例1に記載のスパークプラグであって、
前記外層の前記表面における前記酸素量は、0wt%を超え、5wt%以下であり、
前記断面の前記接地電極の前記基端部において、
前記傾斜線の前記主体金具側の端を境界端とし、
前記外層の外周面を表す2本の外周線のそれぞれの前記主体金具側の端である2つの外周端の間の前記接地電極の前記中心軸と垂直な方向の距離を全距離W2とし、
前記傾斜線を含む1つまたは2つの前記境界線に関して、前記接地電極の前記中心軸に平行な前記境界端を通る直線と、前記境界端から見て前記傾斜線の延びる方向に位置する前記外周端を通り前記接地電極の前記中心軸に平行な直線と、の間の距離の合計を接合距離W1とし、
前記全距離W2に対する前記接合距離W1の割合を割合tとしたときに、
前記割合tは、0%より大きく、80%以下である、
スパークプラグ。
この構成によれば、外層の表面における酸素量が5wt%以下であるので、外層と主体金具との接合強度を、さらに、向上できる。また、全距離W2に対する接合距離W1の割合tが、0%より大きく、80%以下であるので、接地電極と主体金具との接合強度を、さらに、向上できる。
[適用例3]
適用例1に記載のスパークプラグであって、
前記芯部は、さらに、一部が前記第1層の内周側に配置されるとともに、前記外層よりも大きな含有率(重量%)でニッケルを含む材料で形成され、前記外層よりも熱伝導率が高い第2層を含み、
前記断面の前記接地電極の前記基端部において、
前記傾斜線の前記主体金具側の端を境界端とし、
前記外層の外周面を表す2本の外周線のそれぞれの前記主体金具側の端である2つの外周端の間の前記接地電極の前記中心軸と垂直な方向の距離を全距離W2とし、
前記傾斜線を含む1つまたは2つの前記境界線に関して、前記接地電極の前記中心軸に平行な前記境界端を通る直線と、前記境界端から見て前記傾斜線の延びる方向に位置する前記外周端を通り前記接地電極の前記中心軸に平行な直線と、の間の距離の合計を接合距離W1とし、
前記全距離W2に対する前記接合距離W1の割合を割合tとしたときに、
前記割合tは、0%より大きく、20%以下である、
スパークプラグ。
この構成によれば、全距離W2に対する接合距離W1の割合tが、0%より大きく、20%以下であるので、接地電極と主体金具との接合強度を、さらに、向上できる。
[適用例4]
適用例3に記載のスパークプラグであって、
前記断面において、前記主体金具は、前記第1層から離間しているとともに、前記外層と前記第2層とに接合されている、
スパークプラグ。
この構成によれば、主体金具は、第1層から離間しているとともに、外層と第2層とに接合されているので、接地電極と主体金具との接合強度を、さらに、向上できる。
[適用例5]
適用例1から4のいずれか1項に記載のスパークプラグであって、
前記外層と前記芯部との前記境界を表す前記2本の境界線の両方が、それぞれ、前記境界線の前記主体金具側の端から前記接地電極の前記中心軸に対して斜めに前記外層のうちの前記境界線を形成する部分の外周側に向かって延びる傾斜線を含む、
スパークプラグ。
この構成によれば、2本の境界線のうちの一方のみが傾斜線を含む場合と比べて、外層と主体金具との接合面積を大きくすることができるので、接地電極と主体金具との接合強度を向上できる。
なお、本明細書に開示の技術は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、スパークプラグ、スパークプラグを搭載する内燃機関、スパークプラグの製造方法、等の態様で実現することができる。
第1実施形態のスパークプラグの一例の断面図である。 スパークプラグ100を先端側から見た概略図である。 接地電極30と主体金具50との接合部分の断面図である。 接合処理の一例を示す概略図である。 第2実施形態のスパークプラグの一例の断面図である。 変形例のスパークプラグの一例の断面図である。 変形例のスパークプラグの一例の断面図である。
A.第1実施形態:
A−1.スパークプラグの構成:
図1は、第1実施形態のスパークプラグの一例の断面図である。図示されたラインCLは、スパークプラグ100の中心軸を示している。図示された断面は、中心軸CLを含む断面である。以下、中心軸CLのことを「軸線CL」とも呼び、中心軸CLと平行な方向を「軸線方向」とも呼ぶ。中心軸CLを中心とする円の径方向を、単に「径方向」とも呼び、中心軸CLを中心とする円の円周方向を「周方向」とも呼ぶ。中心軸CLと平行な方向のうち、図1における上方向を先端方向D1と呼び、下方向を後端方向D1rとも呼ぶ。先端方向D1は、後述する端子金具40から電極20、30に向かう方向である。また、図1における先端方向D1側をスパークプラグ100の先端側と呼び、図1における後端方向D1r側をスパークプラグ100の後端側と呼ぶ。
スパークプラグ100は、絶縁体10(以下「絶縁碍子10」とも呼ぶ)と、中心電極20と、接地電極30と、端子金具40と、主体金具50と、導電性の第1シール部60と、抵抗体70と、導電性の第2シール部80と、先端側パッキン8と、タルク9と、第1後端側パッキン6と、第2後端側パッキン7と、を備えている。
絶縁体10は、中心軸CLに沿って延びて絶縁体10を貫通する貫通孔12(以下「軸孔12」とも呼ぶ)を有する略円筒状の部材である。絶縁体10は、アルミナを焼成して形成されている(他の絶縁材料も採用可能である)。絶縁体10は、先端側から後端方向D1rに向かって順番に並ぶ、脚部13と、第1縮外径部15と、先端側胴部17と、鍔部19と、第2縮外径部11と、後端側胴部18と、を有している。第1縮外径部15の外径は、後端側から先端側に向かって、徐々に小さくなる。絶縁体10の第1縮外径部15の近傍(図1の例では、先端側胴部17)には、後端側から先端側に向かって内径が徐々に小さくなる縮内径部16が形成されている。第2縮外径部11の外径は、先端側から後端側に向かって、徐々に小さくなる。
絶縁体10の軸孔12の先端側には、中心軸CLに沿って延びる棒状の中心電極20が挿入されている。中心電極20は、先端側から後端方向D1rに向かって順番に並ぶ、脚部25と、鍔部24と、頭部23と、を有している。脚部25の先端側の部分は、絶縁体10の先端側で、軸孔12の外に露出している。鍔部24の先端方向D1側の面は、絶縁体10の縮内径部16によって、支持されている。また、中心電極20は、外層21と芯部22とを有している。芯部22の後端部は、外層21から露出し、中心電極20の後端部を形成する。芯部22の他の部分は、外層21によって被覆されている。ただし、芯部22の全体が、外層21によって覆われていても良い。
外層21は、芯部22よりも耐酸化性に優れる材料、すなわち、内燃機関の燃焼室内で燃焼ガスに曝された場合の消耗が少ない材料を用いて形成されている。外層21の材料としては、例えば、ニッケル(Ni)、または、ニッケルを主成分として含む合金(例えば、インコネル(「INCONEL」は、登録商標))が用いられる。ここで、「主成分」は、含有率が最も高い成分を意味している(以下、同様)。含有率としては、重量パーセント(wt%)で表される値が、採用される。芯部22は、外層21よりも熱伝導率が高い材料、例えば、銅を含む材料(例えば、純銅、または、銅を主成分とする合金)で形成されている。
絶縁体10の軸孔12の後端側には、端子金具40が挿入されている。端子金具40は、導電材料(例えば、低炭素鋼等の金属)を用いて形成されている。絶縁体10の軸孔12内において、端子金具40と中心電極20との間には、電気的なノイズを抑制するための、円柱状の抵抗体70が配置されている。抵抗体70と中心電極20との間には、導電性の第1シール部60が配置され、抵抗体70と端子金具40との間には、導電性の第2シール部80が配置されている。中心電極20と端子金具40とは、抵抗体70とシール部60、80とを介して、電気的に接続される。
主体金具50は、中心軸CLに沿って延びて主体金具50を貫通する貫通孔59を有する略円筒状の部材である(本実施形態では、主体金具50の中心軸は、スパークプラグ100の中心軸CLと一致している)。主体金具50は、低炭素鋼材を用いて形成されている(他の導電材料(例えば、金属材料)も採用可能である)。主体金具50の貫通孔59には、絶縁体10が挿入されている。主体金具50は、絶縁体10の外周に固定されている。主体金具50の先端側では、絶縁体10の先端(本実施形態では、脚部13の先端側の部分)が、貫通孔59の外に露出している。主体金具50の後端側では、絶縁体10の後端(本実施形態では、後端側胴部18の後端側の部分)が、貫通孔59の外に露出している。
主体金具50は、先端側から後端側に向かって順番に並ぶ、胴部55と、座部54と、変形部58と、工具係合部51と、加締部53と、を有している。座部54は、鍔状の部分である。胴部55の外周面には、内燃機関(例えば、ガソリンエンジン)の取付孔に螺合するためのネジ部52が形成されている。座部54とネジ部52との間には、金属板を折り曲げて形成された環状のガスケット5が嵌め込まれている。
主体金具50は、変形部58よりも先端方向D1側に配置された縮内径部56を有している。縮内径部56の内径は、後端側から先端側に向かって、徐々に小さくなる。主体金具50の縮内径部56と、絶縁体10の第1縮外径部15と、の間には、先端側パッキン8が挟まれている。先端側パッキン8は、鉄製でO字形状のリングである(他の材料(例えば、銅等の金属材料)も採用可能である)。
工具係合部51の形状は、スパークプラグレンチが係合する形状(例えば、六角柱)である。工具係合部51の後端側には、加締部53が設けられている。加締部53は、絶縁体10の第2縮外径部11よりも後端側に配置され、主体金具50の後端(すなわち、後端方向D1r側の端)を形成する。加締部53は、径方向の内側に向かって屈曲されている。加締部53の先端方向D1側では、主体金具50の内周面と、絶縁体10の外周面と、の間に、第1後端側パッキン6と、タルク9と、第2後端側パッキン7とが、先端方向D1に向かってこの順番に、配置されている。本実施形態では、これらの後端側パッキン6、7は、鉄製でC字形状のリングである(他の材料も採用可能である)。
スパークプラグ100の製造時には、加締部53が内側に折り曲がるように加締められる。そして、加締部53が先端方向D1側に押圧される。これにより、変形部58が変形し、パッキン6、7とタルク9とを介して、絶縁体10が、主体金具50内で、先端側に向けて押圧される。先端側パッキン8は、第1縮外径部15と縮内径部56との間で押圧され、そして、主体金具50と絶縁体10との間をシールする。以上により、主体金具50が、絶縁体10に、固定される。
接地電極30は、本実施形態では、略矩形状の断面を有する棒状の電極である。接地電極30の一方の端部30xの端面37は、主体金具50の先端方向D1側の端部50xの端面57に接合されている。以下、接地電極30の端部30xを「基端部30x」と呼び、基端部30xの端面37を「基端面37」と呼ぶ。また、主体金具50の端部50xを「先端部50x」と呼び、先端部50xの端面57を「先端面57」と呼ぶ。本実施形態では、基端面37と先端面57とは、いずれも、主体金具50の中心軸CLとおおよそ垂直である。
接地電極30は、主体金具50の先端面57から先端方向D1に向かって延び、中心軸CLに向かって曲がって、先端部31に至る。先端部31は、中心電極20の先端面29(先端方向D1側の表面29)との間でギャップgを形成する。接地電極30は、接地電極30の表面の少なくとも一部を形成する外層35と、外層35内に埋設された芯部36と、を有している。なお、接地電極30の基端部30xは、接地電極30のうちの屈曲した部分38よりも主体金具50側の部分である。
図2は、スパークプラグ100を先端側から見た概略図である。図示するように、中心電極20と、絶縁体10と、主体金具50とが、中心軸CLを中心とする同軸上に、配置されている。主体金具50の先端面57には、接地電極30が接合されている。接地電極30の基端面37と主体金具50の先端面57との接合部分には、溶接時に幅が広くなった幅広部350が形成されている。幅広部350は、接地電極30と主体金具50との少なくとも一方の溶融と変形との少なくとも一方によって、形成される。
図3は、接地電極30と主体金具50との接合部分の断面図である。この断面図は、主体金具50の中心軸CL(図2)と接地電極30の中心軸CLxとを含む平面P1における断面である。以下、2つの中心軸CL、CLxを含む断面を「基準断面」と呼ぶ。図中の右方向Diは、径方向の内側に向かう方向(以下「内方向Di」と呼ぶ)であり、左方向Doは、径方向の外側に向かう方向(以下「外方向Do」と呼ぶ)である。
接地電極30の中心軸CLxは、接地電極30の棒形状の中心軸である。図3に示すように、中心軸CLxは、接地電極30のうちの屈曲した部分38ではなく、基端部30x(特に、溶接時に変形せずに元の形状を維持した部分30s(以下、「維持部分30s」と呼ぶ)における中心軸を示している。図2に示すように、主体金具50の中心軸CLから見ると、中心軸CLxは、接地電極30(特に、維持部分30s)の周方向の一端301から他端302までの角度範囲ARを二等分して得られる中央の方向に、位置している。本実施形態では、中心軸CLxは、主体金具50の中心軸CLと、おおよそ平行である。なお、図2中の第1幅Waは、接地電極30の断面の略矩形状の第1辺Saの長さを示し、第2幅Wbは、接地電極30の断面の略矩形状の第1辺Saと直交する第2辺Sbの長さを示している。第1辺Saは、平面P1と略垂直であり、平面P1によって二等分される。
図3に示すように、接地電極30は、外層35と芯部36とを含んでいる。外層35は、接地電極30の表面を形成しており、主体金具50に接合されている。外層35は、芯部36よりも耐酸化性に優れる材料で形成されている。本実施形態では、外層35は、主成分としてのニッケルと、クロムと、アルミニウムと、を含む材料、具体的には、アルミニウムが添加されたニッケルクロム合金で形成されている。このようにニッケルクロム合金にアルミニウムを添加することによって、耐酸化性を向上できる。芯部36は、外層35の内周側に配置されており、主体金具50に接合されている。芯部36は、外層35よりも熱伝導率が高い材料で形成されている。本実施形態では、芯部36は、純銅を用いて形成されている。
図中の2本の境界線L10、L20は、外層35と芯部36との境界を表している。第1境界線L10は、内方向Di側の境界線を示し、第2境界線L20は、外方向Do側の境界線を示している。第1境界端P11は、第1境界線L10の主体金具50側の端である。第2境界端P21は、第2境界線L20の主体金具50側の端である。また、図中の2本の外周線L30、L40は、外層35の外周面を表している。第1外周線L30は、内方向Di側の外周線を示し、第2外周線L40は、外方向Do側の外周線を示している。第1外周端P32は、第1外周線L30の主体金具50側の端である。第2外周端P42は、第2外周線L40の主体金具50側の端である。
図示するように、2本の境界線L10、L20は、維持部分30sでは、中心軸CLxとおおよそ平行である。幅広部350では、第2境界線L20は、主体金具50に近いほど中心軸CLxから遠くなるように湾曲して、第2境界端P21に至る。このような第2境界線L20が形成され得る理由については、後述する。
第1境界線L10は、幅広部350のうちの維持部分30sに近い部分では、第2境界線L20と同様に湾曲している。しかし、幅広部350のうちの主体金具50に近い部分では、第1境界線L10は、主体金具50に近いほど中心軸CLxに近くなるように湾曲して、第1境界端P11に至る。換言すれば、第1境界線L10は、第1境界端P11から、接地電極30の中心軸CLxに対して斜めに、外層35のうちの第1境界線L10を形成する部分の外周側に向かって延びる傾斜部分L11を含んでいる。このように、接地電極30の内方向Di側では、外層35は、主体金具50の先端面57に沿って中心軸CLxに向かって拡がっている。従って、外層35と主体金具50との接合面積が増大する。
このように、外層35と主体金具50との接合面積が増大することによって、接地電極30と主体金具50との溶接強度を向上できる。この理由は、以下の通りである。一般的に、銅の熱伝導率は、ニッケル合金の熱伝導率よりも、高い。すなわち、銅は、ニッケル合金よりも、熱を逃がしやすい。従って、接地電極30と主体金具50との溶接時には、接合面において、銅(すなわち、芯部36)の温度が、ニッケル合金(すなわち、外層35)の温度よりも低下し易い。この結果、芯部36と主体金具50との接合強度が、外層35と主体金具50との接合強度よりも、低下し得る。従って、接合面における外層35と主体金具50との接合面積の割合が大きい場合には、その割合が小さい場合と比べて、接地電極30と主体金具50との接合強度を向上できる。
図3のような接合部分を形成する方法としては、種々の方法を採用可能である。図4は、接合処理の一例を示す概略図である。接合処理は、図4(A)〜図4(F)の順番に、進行する。図中には、接地電極30の一部(主体金具50と接合される部分)と、主体金具50の一部(接地電極30と接合される部分)と、が示されている。また、図中には、図3と同様の基準断面(平面P1における断面)が示されている。
まず、図4(A)、図4(B)に示すように、接地電極30の一端を切断することによって、基端面37が形成される。図中の境界線L10u、L20uは、接合前の境界線L10、L20(図3)に、それぞれ対応し、外周線L30u、L40uは、接合前の外周線L30、L40に、それぞれ対応する。各線L10u、L20u、L30u、L40uは、いずれも、中心軸CLxと平行である。
接地電極30は、支持具910に支持された接地電極30に対して、切断刃920を、中心軸CLxと垂直な方向に移動させることによって、剪断される。切断刃920は、接地電極30の内方向Di側から外方向Doに向かって移動する。この切断によって形成される切断面が、基端面37に対応する。
図4(C)は、切断後の接地電極30を示している。基端面37の近傍では、接地電極30の各要素(ここでは、外層35と芯部36)は、外方向Doに移動する切断刃920との接触によって、外方向Doに向かって曲がるように変形する。例えば、第1境界線L10uは、基端面37の近傍において、基端面37に近いほど中心軸CLxに近くなるように、変形する。
次に、図4(D)に示すように、主体金具50の先端面57上に、接地電極30が配置される。接地電極30の基端面37は、主体金具50の先端面57上の所定部分に、接触する。そして、接地電極30と主体金具50とが、抵抗溶接によって、接合される。この際、接地電極30と主体金具50とには、中心軸CLxと平行な力が印加される。具体的には、接地電極30には、主体金具50に向かう方向(後端方向D1r)の力が印加され、主体金具50には、先端方向D1の力が印加される。
図4(E)は、溶接後の断面図の一例を示している。図示するように、主体金具50の先端部50xは、接地電極30の基端面37に沿って、中心軸CLxと垂直な方向に拡がっている。同様に、接地電極30の基端部30xは、主体金具50の先端面57に沿って、中心軸CLxと垂直な方向に拡がっている。溶接時に印加される力によって、基端部30xと先端部50xとは、図4(E)のように、変形し得る。
芯部36は、溶接時に主体金具50の先端面57に押しつけられるので、先端面57に沿って中心軸CLxから離れる方向に拡がるように変形する。この結果、溶接後には、第2境界線L20は、先端面57に近いほど中心軸CLxから遠くなるように、形成され得る。一方、第1境界線L10については、以下の通りである。溶接前の境界線L10uは、図4(C)で説明したように、基端面37の近傍において、基端面37に近いほど中心軸CLxに近くなるように、形成される。この結果、溶接時には、第1境界線L10uの近傍では、芯部36は拡がりにくく、外層35が中心軸CLxに向かって広がり得る。この結果、第1境界線L10の第1境界端P11は、第2境界線L20の第2境界端P21と比べて、中心軸CLxに近い位置に形成され得る。
溶接後、接合部分に生じた余分な部分が取り除かれ、そして、接合が完了する。図4(F)は、接合が完了した状態を示しており、図3の断面図と同じである。図4(E)、図4(F)の例では、第1基準面Siよりも内方向Di側の部分35i、50iが、取り除かれる。第1基準面Siは、主体金具50の内周面(先端面57の近傍の溶接前の内周面)を先端方向D1に延長して得られる面と、おおよそ同じである。また、第2基準面Soよりも外方向Do側の部分35o、50oが、取り除かれる。第2基準面Soは、主体金具50の外周面(先端面57の近傍の溶接前の外周面)を先端方向D1に延長して得られる面と、おおよそ同じである。
なお、接地電極30の製造方法としては、種々の方法を採用可能である。例えば、以下の方法を採用可能である。外層35の材料で形成されたカップ状の外部材を準備し、その外部材の中に、芯部36の材料で形成された内部材を挿入する。内部材が挿入された状態で、外部材の外形を成形することによって、内部材と、内部材を覆う外部材と、を有する棒状の部材、すなわち、曲げる前の接地電極を形成する。得られた棒状の接地電極を、図4で説明した手順に従って、主体金具50に接合する。そして、適切なギャップgが形成されるように接地電極を曲げることによって、接地電極30を形成する。なお、接地電極30を曲げやすくするために、曲げる前の棒状の接地電極を、焼鈍してもよい。
また、接地電極30と主体金具50との接合は、スパークプラグ100の製造の過程の種々の段階で、実行可能である。例えば、主体金具50が、中心電極20と端子金具40とを保持する絶縁体10に固定された後に、曲げる前の棒状の接地電極が、主体金具50に接合されてもよい。そして、この接合の後に、適切なギャップgを形成するように、接地電極が曲げられてもよい。このかわりに、曲げる前の棒状の接地電極が主体金具50に接合された後に、主体金具50が、中心電極20と端子金具40とを保持する絶縁体10に、固定されてもよい。
A−2.評価試験:
評価試験では、第1実施形態の接地電極30と主体金具50とを有する部材のサンプルを用いて、接合強度が評価された。以下の表1は、表面酸素量と、割合tと、強度の評価結果と、の関係を示している。
Figure 0006033442
「表面酸素量」は、溶接前の接地電極30の外層35の表面における酸素の含有率である(単位は、重量パーセント)。表面酸素量の測定方法は、以下の通りである。溶接前の接地電極30のうちの溶接時に溶融または変形する部分とは異なる部分の外層35の表面における元素の種類と量とを、電子線微小分析(Electron Probe Micro Analysis:EPMA)によって、分析した。分析された領域は、500μm×500μmの正方形の領域であった。そして、外層35を構成する元素と酸素元素との総量に対する酸素元素の量の比率を、表面酸素量として算出した。この分析には、SEM/EDS(走査型電子顕微鏡/エネルギー分散型X線分析装置)を用いた(具体的には、日本電子株式会社製のJSM−6490LA)。ここで、加速電圧を20kVに設定した。
接地電極30の表面の元素は、接地電極30を取り巻く環境ガス(例えば、空気)に含まれる酸素によって、酸化され得る。特に、外層35がアルミニウムを含む場合には、外層35の表面、すなわち、接地電極30の表面は、酸化されやすい。また、上述した焼鈍が行われる場合には、表面の酸化物の量が増大し得る。このような酸化物は、溶接欠陥の原因となり得る。従って、表面の酸素量が多い場合には、溶接強度が低下する可能性がある。
表1に示す評価試験では、表面酸素量として、1、2、4、5、8、9、10(wt%)の7個の値が、試験された。「1wt%」と「2wt%」とは、強度の評価結果が同じであったので、表1中では、まとめて示されている。また、「4wt%」と「5wt%」とは、強度の評価結果が同じであったので、表1中では、まとめて示されている。表面酸素量は、焼鈍の温度と焼鈍の時間とを調整することによって、調整された。なお、表面酸素量を制御する方法としては、焼鈍の温度と時間を調整する方法に限らず、種々の方法を採用可能である。例えば、焼鈍を行う際の環境ガス中の酸素濃度を調整してもよい。また、表面酸素量を小さくするために、真空ポンプで排気された容器中で焼鈍を行っても良い。
表1中の「割合t」は、図3に示す全距離W2に対する接合距離W1の割合である(単位は%)。全距離W2は、図3に示す基準断面において、2本の外周線L30、L40のそれぞれの主体金具50側の外周端P32、P42の間の、接地電極30の中心軸CLxと垂直な方向の距離である。接合距離W1は、傾斜部分L11の主体金具50側の境界端P11を通り接地電極30の中心軸CLxに平行な直線LP1と、境界端P11から見て傾斜部分L11の延びる方向に位置する外周端P32を通り接地電極30の中心軸CLxに平行な直線LP3と、の間の距離である。この接合距離W1は、接地電極30の中心軸CLxと垂直な方向の距離である。
第2境界線L20は、第2境界線L20の境界端P21から、接地電極30の中心軸CLxに対して斜めに、外層35のうちの第2境界線L20を形成する部分の外周側に向かって延びる傾斜部分を、含んでいない。従って、第2境界線L20の境界端P21と、第2外周線L40の第2外周端P42と、の間の距離は、接合距離W1には含まれない。
表1の評価試験では、割合tとして、0、5、10、30、50、80、90(%)の7個の値が、試験された。これら7個の値は、各表面酸素量毎に、評価された。すなわち、本評価試験では、7個の表面酸素量と7個の割合tとの49個の組み合わせのそれぞれのサンプルが、評価された。なお、割合tは、主に、切断刃920(図4(A))の刃先角と、溶接時に印加される荷重と、溶接電流と、を調整することによって、調整された。刃先角が大きいほど、割合tを大きくすることができる。荷重が大きいほど、割合tを大きくすることができる。溶接電流が小さいほど、割合tを大きくすることができる。
表1中の強度の評価結果は、以下のように決定された。すなわち、接地電極30と主体金具50とを中心軸CLxと平行に互いに離れる方向に引っ張る引張試験を行い、引張強度(すなわち、サンプルが耐え得る最大引張荷重)を測定した。A評価は、引張強度が450N/mm以上であることを示し、B評価は、引張強度が350N/mm以上、引張強度が450N/mm未満であることを示し、C評価は、引張強度が350N/mm未満であることを示している。なお、引張試験は、株式会社島津製作所製のAG−5000Bを用いて行われた。
なお、割合tの測定と引張試験とは、同じ条件下で作製された複数のサンプルを用いて、行われた。引張試験に用いたサンプルの割合tとしては、同じ条件下で作製されたサンプルを基準断面で切断することによって測定された割合tを、採用した。同じ条件下で作製された複数のサンプルの間で、割合tは、おおよそ同じであった。
49種類のサンプルの間では、表面酸素量と割合tと以外の構成は、共通であった。例えば、以下の構成は、49種類のサンプルに共通であった。
接地電極30の断面の第1幅Wa(図2) :2.8mm
接地電極30の断面の第2幅Wb(図2) :1.5mm
外層35の材料 :インコネル601
外層35のアルミニウムの含有量 :1.4wt%
芯部36の材料 :純銅
表1に示すように、表面酸素量が9wt%、または、10wt%である場合には、割合tに拘わらずに、強度の評価結果がC評価であった。一方、表面酸素量が8wt%以下である場合には、より良い評価結果(A評価、または、B評価)の実現が可能であった。このように、表面酸素量を8wt%以下に抑えることによって、溶接強度を向上できた。なお、表面酸素量が小さいほど、溶接強度を向上できると推定されるが、表面酸素量をゼロにすることは、現実には、困難である。従って、表面酸素量としては、ゼロwt%よりも大きい種々の値を採用可能である。
なお、良好な評価結果を実現可能な表面酸素量は、1、2、4、5、8(wt%)であった。これらの値のうちの任意の値を、表面酸素量の好ましい範囲(下限以上、上限以下)の上限として採用可能である。例えば、表面酸素量としては、8wt%以下の値を採用可能である。また、これらの値のうちの上限以下の任意の値を、表面酸素量の好ましい範囲の下限として採用可能である。例えば、表面酸素量としては、1wt%以上の値を採用可能である。
また、表面酸素量が5wt%以下である場合には、特に良いA評価を実現可能であった。なお、A評価を実現可能な表面酸素量は、1、2、4、5(wt%)であった。従って、表面酸素量の好ましい範囲の上限と下限とを、これら4個の値から選択することが特に好ましい。また、これら4個の表面酸素量のそれぞれにおいて、A評価が得られた割合tは、5、10、30、50、80(%)であった。これらの値のうちの任意の値を、割合tの好ましい範囲の上限として採用可能である。例えば、割合tとしては、80%以下の値を採用可能である。なお、割合tがゼロ%よりも大きい場合には、割合tがゼロ%である場合よりも、溶接強度を向上できると推定される。従って、割合tとしては、ゼロ%よりも大きな種々の値を採用可能である。また、A評価が得られた割合t(5、10、30、50、80(%))から、割合tの下限を選択してもよい。例えば、割合tとしては、5%以上の値を採用してもよい。
B.第2実施形態:
B−1.スパークプラグの構成:
図5は、第2実施形態のスパークプラグの一例の断面図である。図中には、図3と同様に、接地電極30bの基端部30bxと主体金具50の先端部50xとの接合部分の断面図が示されている。図3に示す第1実施形態との差異は、接地電極30bの芯部36bが、第1層34aと、第1層34aの内周側に配置された第2層34bと、を含む点だけである。接地電極30bの構成のうち、芯部36b以外の構成は、図3に示す接地電極30の構成と、同じである。以下、第2実施形態の接地電極30bの要素のうち、図3の接地電極30の要素と同じ要素には、同じ符号を付して、説明を省略する。また、第2実施形態のスパークプラグ100bの構成のうちの接地電極30b以外の構成は、図1に示すスパークプラグ100の構成と、同じである。以下、第2実施形態のスパークプラグ100bの要素のうち、図1のスパークプラグ100の要素と同じ要素には、同じ符号を付して、説明を省略する。
第1層34aは、図3の芯部36と同様に、外層35よりも熱伝導率が高い材料で形成されている。本実施形態では、第1層34aは、純銅を用いて形成されている。第2層34bは、その一部が第1層34aの内周側に配置されている。第2層34bは、外層35よりも大きな含有率(wt%)でニッケルを含む材料で形成されている。すなわち、第2層34bのニッケルの含有率は、外層35のニッケルの含有率よりも、高い。また、第2層34bの熱伝導率は、外層35の熱伝導率よりも、高い。本実施形態では、第2層34bは、純ニッケルを用いて形成されている。
図5に示すように、接地電極30bの内部構造は、基端面37を含む一部分では、外層35と第2層34bとの2層構造であり、他の部分では、外層35と第1層34aと第2層34bとの3層構造である。第1層34aは、主体金具50に接合されておらず、第2層34bは、主体金具50に接合されている。なお、図示を省略するが、接地電極30bの先端部(図1の先端部31に対応する部分)の内部構造も、外層35と第2層34bとの2層構造である。ただし、第1層34aが、接地電極30bの先端部まで延びていても良い。
図中の境界線L10b、L20bは、それぞれ、図3の境界線L10、L20と同様に、外層35と芯部36bとの境界を表している。境界端P11b、P21bは、それぞれ、図3の境界端P11、P21と同様に、境界線L10b、L20bの主体金具50側の端である。図示するように、境界線L10bは、図3の第1境界線L10と同様に、第1境界端P11bから、接地電極30bの中心軸CLxに対して斜めに、外層35のうちの第1境界線L10bを形成する部分の外周側に向かって延びる傾斜部分L11bを含んでいる。従って、外層35と主体金具50との接合面積が増大するので、傾斜部分L11bが形成されずに第1層34aが主体金具50に接合される場合と比べて、接地電極30bと主体金具50との溶接強度を向上できる。
また、上述したように、銅と比べて、ニッケルの溶接強度は強い。また、本実施形態では、銅を含む第1層34aは、主体金具50から離間している。そして、ニッケルを含む外層35と第2層34bとが、主体金具50に接合されている。従って、第1層34aが主体金具50に接合されている場合と比べて、接地電極30bと主体金具50との溶接強度を向上できる。
図5のような接合部分を形成する方法としては、図4(A)〜図4(F)で説明した方法と同様の方法を採用可能である。ここで、第1層34aを主体金具50から離間させる方法としては、種々の方法を採用可能である。例えば、切断前の接地電極30bとして、外層35と第1層34aと第2層34bとの3層構造の部分と、外層35と第2層34bの2層構造の部分と、を有する部材を製造する。次に、2層構造の部分を、図4(A)、図4(B)と同様に、切断する。次に、基端面37bと主体金具50の先端面57とを、図4(D)、図4(E)と同様に、溶接する。そして、基準面Si、So(図4(E)からはみ出た部分を、図4(E)、図4(F)と同様に取り除くことによって、接合処理が完了する。
なお、接地電極30bの製造方法としては、第1実施形態の接地電極30の製造方法と同様の方法を採用可能である。また、スパークプラグ100bの製造方法としては
第1実施形態のスパークプラグ100の製造方法と同様の方法を採用可能である。
B−2.評価試験:
評価試験では、第2実施形態の接地電極30bと主体金具50とを有する部材のサンプルを用いて、接合強度が評価された。以下の表2は、割合tと、100−tと、強度の評価結果と、の関係を示している。
Figure 0006033442
割合tは、図5に示す全距離W2に対する接合距離W1の割合である(単位は%)。図5の実施形態では、全距離W2は、図3の実施形態の全距離W2と、同じである。接合距離W1は、2本の直線LP1b、LP3の間の距離である。直線LP3は、図3の直線LP3と同じである。直線LP1bは、傾斜部分L11bの主体金具50側の境界端P11bを通り接地電極30bの中心軸CLxに平行な直線である。
第2境界線L20bは、第2境界線L20bの境界端P21bから、接地電極30bの中心軸CLxに対して斜めに、外層35のうちの第2境界線L20bを形成する部分の外周側に向かって延びる傾斜部分を、含んでいない。従って、第2境界線L20bの第2境界端P21bと、第2外周線L40の第2外周端P42と、の間の距離は、接合距離W1には含まれない。
表2の評価試験では、割合tとして、0、5、10、20、30、50、80、90(%)の8個の値が評価された。すなわち、本評価試験では、8種類のサンプルが、評価された。
「100−t(%)」は、100から割合tを引いた値である。この値が大きいほど、外層35と主体金具50との接合面積が小さい傾向があり、そして、第2層34bと主体金具50との接合面積が大きい傾向がある。
表2の強度の評価方法は、上記の表1の強度の評価方法と、同じである。ただし、評価の閾値が異なっている。すなわち、A評価は、引張強度が550N/mm以上であることを示し、B評価は、引張強度が450N/mm以上、引張強度が550N/mm未満であることを示し、C評価は、引張強度が450N/mm未満であることを示している。
なお、8種類のサンプルの間では、割合t(すなわち、100−t)以外の構成は、共通であった。例えば、以下の構成は、8種類のサンプルに共通であった。
接地電極30bの断面の第1幅(図2のWaに相当する幅):2.0mm
接地電極30bの断面の第2幅(図2のWbに相当する幅):1.6mm
外層35の材料 :インコネル601
外層35のアルミニウムの含有量 :1.4wt%
第1層34aの材料 :純銅
第2層34bの材料 :純ニッケル
表面酸素量 :5wt%
表2に示すように、割合tが大きい場合と比べて、割合tが小さい場合に、強度の評価結果が良い傾向があった。この理由は、以下のように推定される。主成分としてニッケルを含む材料を溶接する場合には、その材料中のニッケル以外の成分が、溶接欠陥の原因となり得る。従って、ニッケルの含有率(wt%)が高いほど、溶接強度が強くなる傾向がある。そして、図5の実施形態では、割合tが小さいほど、外層35よりもニッケルの含有率が高い第2層34bと、主体金具50と、の接合面積が大きくなる。従って、割合tが小さいほど、溶接強度が向上する、と推定される。なお、割合tがゼロ%である場合には、強度の評価結果がA評価ではなくB評価である。この理由としては、割合tを測定した基準断面とは異なる断面において第1層34aが主体金具50に接合されている可能性がある、と考えられる。
なお、A評価を実現可能な割合tは、5、10、20(%)であった。従って、これらの値のうちの任意の値を、割合tの好ましい範囲の上限として採用可能である。例えば、割合tとしては、20%以下の値を採用可能である。なお、割合tがゼロ%よりも大きい場合には、溶接時に外層35が中心軸CLxに向かって拡がることによって第1層34aと主体金具50との接合が抑制されるので、割合tがゼロ%である場合よりも、溶接強度を向上できると推定される。従って、割合tとしては、ゼロ%よりも大きな種々の値を採用可能である。また、A評価が得られた割合t(5、10、20(%))から、割合tの下限を選択してもよい。例えば、割合tとしては、5%以上の値を採用してもよい。
また、上述したように、表面酸素量が小さいほど、溶接強度を向上できる。従って、割合tの上述の好ましい範囲は、5wt%以下の種々の表面酸素量に適用可能である。
なお、図5の実施形態では、主体金具50は、第1層34aから離間しているとともに、外層35と第2層34bとに接合されている。このかわりに、主体金具50が、外層35と第1層34aと第2層34bとの全てと接合されていてもよい。この場合も、割合tを比較的小さくすることによって、第2層34bと主体金具50との接合面積を大きくすることができるので、接合強度を向上できると推定される。従って、この場合にも、割合tの上記の好ましい範囲を適用可能と推定される。
C.変形例:
(1)上述の実施形態では、第1境界線L10、L10b(図3、図5))が、傾斜部分L11、L11bを含んでいる。一般的には、基準断面における外層35と芯部36、36bとの2本の境界線の少なくとも一方が、傾斜部分を有することが好ましい。この構成によれば、2本の境界線の両方が傾斜部分を有していない場合と比べて、外層35と主体金具50との接合面積を大きくすることができるので、接地電極30、30bと主体金具50との接合強度を向上できる。
例えば、2本の境界線の両方が、傾斜部分を含んでも良い。このような構成を図3、図5の実施形態に適用する場合、第2境界線L20、L20bが、第2境界端P21、P21bから外方向Doに向かって斜めに延びる傾斜部分を含む。この場合、接合距離W1としては、第1境界端P11、P11bと第1外周端P32との間の第1距離(図3、図5の接合距離W1)と、第2境界端P21、P21bと第2外周端P42との間の第2距離と、の合計値が、採用される。第2距離は、第2境界端P21、P21bを通り中心軸CLxに平行な直線LP2、LP2bと、第2外周端P42を通り中心軸CLxに平行な直線LP4と、の間の距離である。また、内方向Di側の第1境界線L10、L10bが、傾斜部分を含まずに、外方向Do側の第2境界線L20、L20bが、傾斜部分を含んでも良い。
図6は、変形例のスパークプラグの一例の断面図である。この変形例のスパークプラグ100cは、2本の境界線の両方が傾斜部分を含むという構成を図3の実施形態に適用して得られるスパークプラグの例である。図中には、図3と同様に、接地電極30cの基端部30cxと主体金具50の先端部50xとの接合部分の断面図が示されている。図3に示す第1実施形態との差異は、接地電極30cの外層35cと芯部36cとの間の2本の境界線L10、L20cのうち外方向Do側の第2境界線L20cが傾斜部分L21cを含んでいる点だけである。図6の変形例では、接地電極30cの接合部分のうち中心軸CLxよりも内方向Di側の部分の構成は、図3の接合部分のうち中心軸CLxよりも内方向Di側の部分の構成と、同じである。また、図6の変形例では、接地電極30cの接合部分のうち中心軸CLxよりも外方向Do側の部分の構成は、中心軸CLxよりも内方向Di側の部分の構成に中心軸CLxを対称軸とする鏡映変換を行って得られる構成と、おおよそ同じである。
接地電極30cの他の部分の構成は、図3に示す接地電極30の構成とおおよそ同じである。例えば、外層35cと芯部36cとの構成は、基端部30cxでの第2境界線L20cの形状を除いて、図3の外層35と芯部36との構成と、それぞれ、おおよそ同じである。また、変形例のスパークプラグ100cの構成のうちの接地電極30c以外の構成は、図1に示すスパークプラグ100の構成と同じである。以下、変形例のスパークプラグ100cの要素のうち、図1、図3のスパークプラグ100と接地電極30との要素と同じ要素には、同じ符号を付して、説明を省略する。
第1境界線L10の傾斜部分L11は、第1境界端P11から、中心軸CLxに対して斜めに、外層35cのうちの第1境界線L10を形成する部分の外周側(ここでは、内方向Di側)に向かって延びている。また、図中の第2境界端P21cは、第2境界線L20cの主体金具50側の端である。傾斜部分L21cは、第2境界端P21cから、接地電極30cの中心軸CLxに対して斜めに、外層35cのうちの第2境界線L20cを形成する部分の外周側(ここでは、外方向Do側)に向かって延びている。接地電極30cの外方向Do側の部分と内方向Di側の部分との両方において、外層35cは、主体金具50の先端面57に沿って中心軸CLxに向かって拡がっている。このように、2本の境界線L10、L20cの両方が傾斜部分L11、L21cを含むので、2本の境界線L10、L20cの一方のみが傾斜部分を含む場合と比べて、外層35cと主体金具50との接合面積を増大できる。この結果、接地電極30cと主体金具50との接合強度を向上できる。
図6のような接合部分を形成する方法としては、任意の方法を採用可能である。例えば、図4(A)の切断刃920のような第1と第2の切断刃を準備し、2つの切断刃で接地電極を挟み込んで切断する方法を採用可能である。第1の切断刃は、接地電極の内方向Di側から中心軸CLxに向かって移動し、第2の切断刃は、接地電極の外方向Do側から中心軸CLxに向かって移動する。これにより、図4(B)中で主体金具50に向かって延びる第1境界線L10uが端面37の近傍で中心軸CLxに近づくように斜めに傾斜するのと同様に、図6の境界線L10、L20cに対応する2本の境界線は、接地電極30cの基端面37cの近傍で中心軸CLxに近づくように斜めに傾斜する。従って、図4(D)と同様の溶接によって、図6の傾斜部分L11、L21cを形成可能である。
図6の変形例においても、表面酸素量は、表1を参照して説明した表面酸素量の好ましい範囲内であることが好ましい。このような構成を採用すれば、良好な接合強度を実現できると推定される。例えば、表面酸素量が、8wt%以下であることが好ましく、5wt%以下であることが特に好ましい。また、図6中の第2距離W12は、第2境界端P21cを通り中心軸CLxに平行な直線LP2cと、第2外周端P42を通り中心軸CLxに平行な直線LP4と、の間の距離である。接合距離W1としては、第1境界端P11と第1外周端P32との間の第1距離W11(図3の距離W1と同じ)と、第2境界端P21cと第2外周端P42との間の第2距離W12と、の合計値が、採用される。このような接合距離W1(=W11+W12)から算出される割合t(=W1/W2)が、表1を参照して説明した割合tの好ましい範囲内であることが好ましい。このような構成を採用すれば、さらに良好な接合強度を実現できると推定される。例えば、割合tがゼロ%より大きく、80%以下であることが好ましい。
図7は、別の変形例のスパークプラグの一例の断面図である。この変形例のスパークプラグ100dは、2本の境界線の両方が傾斜部分を含むという構成を図5の実施形態に適用して得られるスパークプラグの例である。図中には、図5と同様に、接地電極30dの基端部30dxと主体金具50の先端部50xとの接合部分の断面図が示されている。図5に示す第2実施形態との差異は、接地電極30dの外層35dと芯部36dとの間の2本の境界線L10b、L20dのうち外方向Do側の第2境界線L20dが傾斜部分L21dを含んでいる点だけである。図7の変形例では、接地電極30dの接合部分のうち中心軸CLxよりも内方向Di側の部分の構成は、図5の接合部分のうち中心軸CLxよりも内方向Di側の部分の構成と、同じである。また、図7の変形例では、接地電極30dの接合部分のうち中心軸CLxよりも外方向Do側の部分の構成は、中心軸CLxよりも内方向Di側の部分の構成に中心軸CLxを対称軸とする鏡映変換を行って得られる構成と、おおよそ同じである。
接地電極30dの他の部分の構成は、図5に示す接地電極30bの構成とおおよそ同じである。例えば、外層35dと、芯部36dの第1層34cと第2層34dと、の構成は、基端部30dxでの第2境界線L20dの形状を除いて、図5の外層35と、芯部36bの第1層34aと第2層34bと、の構成と、それぞれ、おおよそ同じである。また、変形例のスパークプラグ100dの構成のうちの接地電極30d以外の構成は、図1に示すスパークプラグ100の構成と、同じである。以下、変形例のスパークプラグ100dの要素のうち、図1、図5のスパークプラグ100と接地電極30bとの要素と同じ要素には、同じ符号を付して、説明を省略する。
第1境界線L10bの傾斜部分L11bは、第1境界端P11bから、中心軸CLxに対して斜めに、外層35dのうちの第1境界線L10bを形成する部分の外周側(ここでは、内方向Di側)に向かって延びている。また、図中の第2境界端P21dは、第2境界線L20dの主体金具50側の端である。傾斜部分L21dは、第2境界端P21dから、接地電極30dの中心軸CLxに対して斜めに、外層35dのうちの第2境界線L20dを形成する部分の外周側(ここでは、外方向Do側)に向かって延びている。接地電極30dの外方向Do側の部分と内方向Di側の部分との両方において、外層35dは、主体金具50の先端面57に沿って中心軸CLxに向かって拡がっている。このように、2本の境界線L10b、L20dの両方が傾斜部分L11b、L21dを含むので、2本の境界線L10b、L20dの一方のみが傾斜部分を含む場合と比べて、外層35dと主体金具50との接合面積を増大できる。この結果、接地電極30dと主体金具50との接合強度を向上できる。
図7のような接合部分を形成する方法としては、任意の方法を採用可能である。例えば、図6の変形例で説明した方法と同様に、2つの切断刃を用いる方法を採用可能である。
図7の変形例においても、表面酸素量は、上述した好ましい範囲内であることが好ましい。このような構成を採用すれば、良好な接合強度を実現できると推定される。例えば、表面酸素量が、8wt%以下であることが好ましく、5wt%以下であることが特に好ましい。また、図7中の第2距離W12dは、第2境界端P21dを通り中心軸CLxに平行な直線LP2dと、第2外周端P42を通り中心軸CLxに平行な直線LP4と、の間の距離である。接合距離W1としては、第1境界端P11bと第1外周端P32との間の第1距離W11d(図5の距離W1と同じ)と、第2境界端P21dと第2外周端P42との間の第2距離W12dと、の合計値が、採用される。このような接合距離W1(=W11d+W12d)から算出される割合t(=W1/W2)が、表2を参照して説明した割合tの好ましい範囲内であることが好ましい。このような構成を採用すれば、さらに良好な接合強度を実現できると推定される。例えば、割合tが、ゼロ%より大きく、20%以下であることが好ましい。
(2)2つの部材を溶接によって接合すると、それら2つの部材の間に溶融部が形成される場合がある。溶融部は、溶接時に溶融した接合対象の部材によって形成される部分である。このような場合も、2つの部材が接合されているということができる。例えば、接地電極30、30b、30c、30dと主体金具50との間に、溶融部が形成されてもよい。ここで、外層35、35c、35dと主体金具50とが溶融部を介して接合されている場合、外層35、35c、35dが主体金具50に接合されている、ということができる。第1層34a、34cが溶融部から離間している場合には、主体金具50は第1層34a、34cから離間しているということができる。第1層34a、34cと主体金具50とが溶融部を介して接合されている場合、主体金具50は、第1層34a、34cから離間せずに、第1層34a、34cに接合されている、ということができる。
(3)接地電極30、30b、30c、30dと主体金具50との間に溶融部が形成されている場合も、境界端としては、基準断面における外層35、35c、35dと芯部36、36b、36c、36dとの境界線の主体金具50側の端を採用すればよい。この場合、境界端が、溶融部の輪郭上に配置され得る。外周端についても、同様に、基準断面における外層35、35c、35dの外周面を表す外周線の主体金具50側の端を採用すればよい。この場合、外周端が、溶融部の輪郭上に配置され得る。いずれの場合も、2つの境界端と2つの外周端との4つの端の間では、中心軸CLxと平行な方向の位置が、互いに異なり得る。
(4)実施形態のスパークプラグ100の接地電極と主体金具との接合強度の向上は、接地電極に関するパラメータである割合tと表面酸素量とによってもたらされると考えられる。したがって、これらのパラメータ以外の要素は、種々に変更可能である。
例えば、外層35、35c、35dの材料としては、ニッケルを主成分として含み、さらに、クロムとアルミニウムとを含む材料を採用することが好ましい。すなわち、少なくともアルミニウムが添加されたニッケルクロム合金を採用することが好ましい。なお、アルミニウムの含有率としては、1.4wt%に限らず種々の値を採用可能であり、例えば、0wt%より多く2.5wt%以下の値を採用可能である。このような範囲内の値を採用すれば、外層35の耐酸化性を向上できる。クロムの含有率としても、種々の値を採用可能であり、例えば、10wt%以上、30wt%以下の範囲の値を採用可能である。
第2層34b、35d(図5、図7)の材料としては、純ニッケルに限らず、外層35、35dよりもニッケルを多く含む種々の材料を採用可能である。例えば、ニッケルクロム合金等のニッケル合金を採用可能である。
図3の芯部36と図5の第1層34aと図6の芯部36cと図7の第1層34cとの材料としては、純銅に限らず、外層35、35c、35dよりも熱伝導率が高い種々の材料を採用可能である。例えば、銅を主成分として含む材料を採用可能である。銅を主成分として含む材料としては、例えば、銅ニッケル合金等の銅合金を採用可能である。銅の含有率としては、100%以下の種々の値を採用可能である。ここで、良好な熱伝導率を実現するためには、銅の含有率が、80wt%以上であることが好ましく、95wt%以上であることが特に好ましい。
主体金具50の材料としては、低炭素鋼材に限らず、接地電極30と溶接可能な種々の導電性材料を採用可能である。例えば、ニッケルクロム合金を採用してもよい。
接地電極30の幅Wa、Wbとしては、上述のサンプルの幅Wa、Wbに限らず、種々の値を採用可能である。
(5)スパークプラグの構成としては、図1で説明した構成に限らず、種々の構成を採用可能である。例えば、接地電極30、30b、30c、30dのうちのギャップgを形成する部分に、貴金属チップが設けられていてもよい。貴金属チップの材料としては、イリジウム、白金等の種々の貴金属を含む材料を採用可能である。同様に、中心電極20のうちのギャップgを形成する部分に、貴金属チップが設けられていてもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
本開示は、内燃機関等に使用されるスパークプラグに、好適に利用できる。
5...ガスケット、6...第1後端側パッキン、7...第2後端側パッキン、8...先端側パッキン、9...タルク、10...絶縁体(絶縁碍子)、11...第2縮外径部、12...貫通孔、12...軸孔、13...脚部、15...第1縮外径部、16...縮内径部、17...先端側胴部、18...後端側胴部、19...鍔部、20...中心電極、21...外層、22...芯部、23...頭部、24...鍔部、25...脚部、29...先端面、30、30b、30c、30d...接地電極、30s...維持部分、30x、30bx、30cx、30dx...基端部、31...先端部、34a、34c...第1層、34b、34d...第2層、35、35c、35d...外層、36、36b、36c、36d...芯部、37、37b、37c...基端面、38...屈曲部分、40...端子金具、50...主体金具、50x...先端部、51...工具係合部、52...ネジ部、53...加締部、54...座部、55...胴部、56...縮内径部、57...先端面、58...変形部、59...貫通孔、60...第1シール部、70...抵抗体、80...第2シール部、100、100b、100c、100d...スパークプラグ、350...幅広部、910...支持具、920...切断刃、L10、L10u、L10b...第1境界線、L20、L20u、L20b、L20c、L20d...第2境界線、L30、L30u...第1外周線、L40、L40u...第2外周線、P11、P11b...第1境界端、P21、P21b、P21c、P21d...第2境界端、P32...第1外周端、P42...第2外周端、L11、L11b、L21c、L21d...傾斜部分、CL、CLx...中心軸(軸線)、P1...平面、D1...先端方向、D1r...後端方向、Do...外方向、Di...内方向、LP1、LP1b、LP2、LP2b、LP2c、LP2d、LP3、LP4...直線、W1...接合距離、W2...全距離、W11、W11d...第1距離、W12、W12d...第2距離、AR...角度範囲、Wa...第1幅、Wb...第2幅、Sa...第1辺、Sb...第2辺、g...ギャップ、Si...第1基準面、So...第2基準面

Claims (3)

  1. 中心電極と、
    前記中心電極を保持する絶縁体と、
    前記絶縁体の径方向の周囲に配置される主体金具と、
    前記主体金具の先端部に接合された基端部を有するとともに、前記中心電極との間でギャップを形成する接地電極と、
    を備えるスパークプラグであって、
    前記接地電極は、
    前記接地電極の表面の少なくとも一部を形成し、前記主体金具に接合されるとともに、ニッケルを主成分として含みアルミニウムを0wt%より多く2.5wt%以下で含む材料で形成された外層と、
    前記外層の内周側に配置される芯部と、
    を含み、
    前記外層の表面における酸素量は、0wt%を超え、8wt%以下であり、
    前記芯部は、銅、または、銅を主成分として含む材料で形成された第1層を含み、
    前記スパークプラグの中心軸と前記接地電極の中心軸とを含む断面の前記接地電極の前記基端部において、前記外層と前記芯部との境界を表す2本の境界線のうちの少なくとも一方は、前記境界線の前記主体金具側の端から前記接地電極の前記中心軸に対して斜めに前記外層の外周側に向かって延びる傾斜線を含み、
    前記芯部は、さらに、一部が前記第1層の内周側に配置されるとともに、前記外層よりも大きな含有率(重量%)でニッケルを含む材料で形成され、前記外層よりも熱伝導率が高い第2層を含み、
    前記断面の前記接地電極の前記基端部において、
    前記傾斜線の前記主体金具側の端を境界端とし、
    前記外層の外周面を表す2本の外周線のそれぞれの前記主体金具側の端である2つの外周端の間の前記接地電極の前記中心軸と垂直な方向の距離を全距離W2とし、
    前記傾斜線を含む1つまたは2つの前記境界線に関して、前記接地電極の前記中心軸に平行な前記境界端を通る直線と、前記境界端から見て前記傾斜線の延びる方向に位置する前記外周端を通り前記接地電極の前記中心軸に平行な直線と、の間の距離の合計を接合距離W1とし、
    前記全距離W2に対する前記接合距離W1の割合を割合tとしたときに、
    前記割合tは、0%より大きく、20%以下であり、
    前記断面において、前記主体金具は、前記第1層から離間しているとともに、前記外層と前記第2層とに接合されている、
    スパークプラグ。
  2. 請求項1に記載のスパークプラグであって、
    前記外層の前記表面における前記酸素量は、0wt%を超え、5wt%以下である、
    スパークプラグ。
  3. 請求項1または2に記載のスパークプラグであって、
    前記外層と前記芯部との前記境界を表す前記2本の境界線の両方が、それぞれ、前記境界線の前記主体金具側の端から前記接地電極の前記中心軸に対して斜めに前記外層のうちの前記境界線を形成する部分の外周側に向かって延びる傾斜線を含む、
    スパークプラグ。
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