しかしながら、このようなコージェネレーションシステムでは、次の通りの解決すべき問題がある。発電ユニット102と貯湯ユニット108とが間隔をおいて設置されるために、発電ユニット102側に発電ユニットハウジング106が設けられ、この発電ユニットハウジング106によって燃料電池104及び改質装置114などが覆われている。また、貯湯ユニット108側に貯湯ユニットハウジング112が設けられ、この貯湯ユニットハウジング112によって貯湯タンク110などが覆われる。このように発電ユニット102側及び貯湯ユニット108側に保護用の個別のハウジングを設ける必要があるために、発電ユニットハウジング106及び貯湯ユニットハウジング112に関連して製造コストが上昇するという問題がある。
更に、貯湯水循環流路130に関連して、その第2流路部162は、上流側配管156から変成器用熱交換器122、改質器用熱交換器120及び冷却水用熱交換器124を通って上方に延びた後に下方に下流側配管158まで延びており、またその第3流路部164は、下流側配管158から上方に貯湯タンク110の流入部128まで延びており、それ故に、貯湯水循環流路130の第2及び第3流路部162,164に関連してそれらの流路長が長くなり、このことに起因して、貯湯水循環流路130の熱損失が大きくなり、システム全体の総合熱効率が低下するという問題がある。
本発明の目的は、発電ユニットハウジング及び貯湯ユニットハウジングに関連して製造コストの低減を図ることができるコージェネレーションシステムを提供することである。
また、本発明の他の目的は、貯湯水循環流路に関連してその熱損失の低減を図ってシステム全体の総合熱効率を改善することができるコージェネレーションシステムを提供することである。
本発明の請求項1に記載のコージェネレーションシステムは、発電を行うための発電ユニットと、発電ユニットで発生した熱を温水として回収するための貯湯ユニットと、を備えたコージェネレーションシステムであって、
前記発電ユニットは、発電を行う発電手段と、前記発電手段を収容する発電ユニットハウジングとを有し、前記貯湯ユニットは、温水を貯める貯湯タンクと、前記貯湯タンクを収容する貯湯ユニットハウジングと、を有しており、
前記発電ユニット及び前記貯湯ユニットの設置施工時に、前記発電ユニットハウジングの発電ユニット側特定パネルを取り外して、前記発電ユニットハウジングと前記貯湯ユニットハウジングが接続連結され、これにより、前記発電ユニットハウジング内の発電ユニット空間と前記貯湯ユニットハウジング内の貯湯ユニット空間とが連通され、また前記発電ユニット側特定パネルが前記貯湯ユニットハウジングの特定面用パネルとして取り付けられることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載のコージェネレーションシステムでは、前記発電ユニットと前記貯湯ユニットとは横方向に接続連結されるように構成され、前記発電ユニット側特定パネルは、前記発電ユニットハウジングにおける特定側面パネルであり、前記発電ユニット及び前記貯湯ユニットの設置施工時に、前記発電ユニットハウジングの前記特定側面パネルを取り外して、前記発電ユニットハウジングと前記貯湯ユニットハウジングが前記横方向に接続連結され、これにより、前記発電ユニットハウジング内の発電ユニット空間と前記貯湯ユニットハウジング内の貯湯ユニット空間とが前記横方向に連通され、また前記特定側面パネルが前記貯湯ユニットハウジングの側面用パネルとして取り付けられることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載のコージェネレーションシステムでは、前記貯湯ユニットハウジングの第1特定側面及び第2特定側面が開放されており、前記発電ユニット及び前記貯湯ユニットの設置施工時に、前記特定側面パネルを取り外した側面開口と前記第1特定側面の開口とが連通するように前記発電ユニットハウジングと前記貯湯ユニットハウジングとが接続連結され、また前記発電ユニットハウジングから取り外した前記特定側面パネルが前記貯湯ユニットハウジングの前記側面用パネルとして前記第2特定側面の開口に取り付けられることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載のコージェネレーションシステムでは、前記貯湯ユニットハウジングの第1特定側面及び第2特定側面には第1簡易側面パネル及び第2簡易側面パネルが取り付けられており、前記発電ユニット及び前記貯湯ユニットの設置施工時に、前記特定側面パネルを取り外した側面開口と前記第1簡易側面パネルを取り外した側面開口とが連通するように前記発電ユニットハウジングと前記貯湯ユニットハウジングとが接続連結され、また前記発電ユニットハウジングから取り外した前記特定側面パネルが、前記貯湯ユニットハウジングの前記側面用パネルとして、前記第2簡易側面パネルを取り外した側面開口に取り付けられることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に記載のコージェネレーションシステムでは、前記発電ユニットの前記発電手段は燃料電池から構成され、前記燃料電池に関連して、前記燃料電池を冷却するための冷却水が循環される冷却水循環流路及び前記冷却水循環流路に配設された冷却水用熱交換器が設けられ、前記燃料電池、前記冷却水循環流路及び前記冷却水用熱交換器が前記発電ユニットハウジング内に配設され、また前記貯湯タンクに関連して、貯湯タンク内の貯湯水が循環される貯湯水循環流路が設けられ、前記貯湯水循環流路は、前記貯湯タンクの底部から前記貯湯ユニット空間を通って前記発電ユニット空間に延び、前記発電ユニット空間内を上方に前記冷却水用熱交換器を通して延び、更に前記発電ユニット空間の上部から前記貯湯ユニット空間の上部を通って前記貯湯タンクの上端部に接続されることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に記載のコージェネレーションシステムでは、前記貯湯タンク内の貯湯水が循環される前記貯湯水循環流路は、前記貯湯ニットハウジング内から前記発電ユニットハウジング内に延びる上流側流路部と、前記発電ユニットハウジング内を上方に延びる中間流路部と、前記発電ユニットハウジング内から前記貯湯ユニットハウジング内に延びる下流側流路部とを備え、前記温水循環流路の前記上流側流路部及び/又は前記下流側流路部の一部は、前記発電ユニットの片側に前記貯湯ユニットを接続連結したとき及び発電ユニットの他側に前記貯湯ユニットを接続連結したときに用いる共通接続配管から構成されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項7に記載のコージェネレーションシステムでは、前記発電ユニットと前記貯湯ユニットとは上下方向に接続連結されるように構成され、前記発電ユニット側特定パネルは、前記発電ユニットハウジングにおける上面パネル又は下面パネルであり、前記発電ユニット及び前記貯湯ユニットの設置施工時に、前記発電ユニットハウジングの前記上面パネル又は前記下面パネルを取り外して前記発電ユニットハウジングの上側又は下側に前記貯湯ユニットハウジングが前記上下方向に接続連結され、これにより、前記発電ユニットハウジング内の発電ユニット空間と前記貯湯ユニットハウジング内の貯湯ユニット空間とが前記上下方向に連通され、また前記上面パネル又は前記下面パネルが前記貯湯ユニットハウジングの上面用パネル又は下面用パネルとして取り付けられることを特徴とする。
また、本発明の請求項8に記載のコージェネレーションシステムでは、前記貯湯ユニットハウジングの下面及び上面が開放されており、前記発電ユニット及び前記貯湯ユニットの設置施工時に、前記発電ユニットハウジングの前記上面パネル又は前記下面パネルを取り外した上面開口又は下面開口と前記貯湯ユニットハウジングの前記下面又は前記上面の開口とが連通するように前記発電ユニットハウジングと前記貯湯ユニットハウジングとが接続連結され、また前記発電ユニットハウジングから取り外した前記上面パネル又は前記下面パネルが前記貯湯ユニットハウジングの前記上面用パネル又は前記下面用パネルとして前記貯湯ユニットハウジングの前記上面又は前記下面の開口に取り付けられることを特徴とする。
更に、本発明の請求項9に記載のコージェネレーションシステムでは、前記貯湯ユニットハウジングの上面及び下面には簡易上面パネル及び簡易下面パネルが取り付けられており、前記発電ユニット及び前記貯湯ユニットの設置施工時に、前記発電ユニットハウジングの前記上面パネル又は前記下面パネルを取り外した上面開口又は下面開口と前記簡易下面パネルを取り外した下面開口又は前記簡易上面パネルを取り外した上面開口とが連通するように前記発電ユニットハウジングと前記貯湯ユニットハウジングとが接続連結され、また前記発電ユニットハウジングから取り外した前記上面パネル又は前記下面パネルが、前記貯湯ユニットハウジングの前記上面用パネル又は前記下面用パネルとして、前記簡易上面パネルを取り外した前記上面開口又は前記簡易下面パネルを取り外した前記下面開口に取り付けられることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載のコージェネレーションシステムによれば、発電ユニットは発電手段を収容する発電ユニットハウジングを有し、貯湯ユニットは貯湯タンクを収容する貯湯ユニットハウジングを有し、発電ユニット及び貯湯ユニットの設置施工時に、発電ユニットハウジングの特定パネルを取り外して、発電ユニットハウジングと貯湯ユニットハウジングを接続連結するので、発電ユニットハウジング内の発電ユニット空間と貯湯ユニットハウジング内の貯湯ユニット空間とが連通され、この連通空間に対応する面のパネルが不要となり、これによって、発電ユニットハウジング及び貯湯ユニットハウジングに関連して製造コストの低減を図ることができる。また、発電ユニット空間と貯湯ユニット空間とが連通されるので、この連通空間を通して貯湯水循環流路を配設することができる。更に、発電ユニットハウジングの特定パネルを取り外して貯湯ユニットハウジングの特定面用パネルとして利用するので、この特定面用パネルの有効利用を図ることができる。
また、本発明の請求項2に記載のコージェネレーションシステムによれば、発電ユニット及び貯湯ユニットの設置施工時に、発電ユニットハウジングの特定側面パネルを取り外して、発電ユニットハウジングと貯湯ユニットハウジングを横方向に接続連結するので、発電ユニットハウジング内の発電ユニット空間と貯湯ユニットハウジング内の貯湯ユニット空間とが連通され、この連通空間に対応する側面パネルが不要となる。また、発電ユニットハウジングの特定側面パネルを取り外して貯湯ユニットハウジングの側面用パネルとして利用するので、この特定側面パネルの有効利用を図ることができる。
また、本発明の請求項3に記載のコージェネレーションシステムによれば、工場出荷時には貯湯ユニットハウジングの第1特定側面及び第2特定側面が開放されており、このような貯湯ユニットハウジングを備えた形態のものでは、発電ユニット及び貯湯ユニットの施工を次のようにして行うことができる。発電ユニット側における特定側面パネルを取り外した側面開口と貯湯ユニット側における第1特定側面の側面開口とが連通するように発電ユニットハウジングと貯湯ユニットハウジングとが接続連結され、また発電ユニットハウジングから取り外した特定側面パネルが貯湯ユニットハウジングの第2特定側面に取り付けられ、このようにすることによって、重要な構成部品である発電手段などについては発電ユニットハウジングで覆われた保護状態で工場出荷することができるとともに、貯湯ユニットハウジング側においては、第1及び第2特定側面に対応する側面パネルを省略することができ、貯湯ユニットハウジングの製造コストの低減を図ることができる。
また、本発明の請求項4に記載のコージェネレーションシステムによれば、貯湯ユニットハウジングの第1特定側面及び第2特定側面には第1簡易側面パネル及び第2簡易側面パネルが取り付けられており、このような貯湯ユニットハウジングを備えた形態のものにおいては、発電ユニット及び貯湯ユニットの施工を次のようにして行うことができる。特定側面パネルを取り外した側面開口と第1簡易側面パネルを取り外した側面開口とが連通するように発電ユニットハウジングと貯湯ユニットハウジングとが接続連結される。また、発電ユニットハウジングから取り外した特定側面パネルが、貯湯ユニットハウジングにおける側面用パネルとして、第2簡易側面パネルを取り外した側面開口に取り付けられる。このようにすることによって、発電手段などについては発電ユニットハウジングで覆われた保護状態で工場出荷することができ、また貯湯タンクなどについても一部簡易側面パネルによる貯湯ユニットハウジングで覆われた保護状態で工場出荷することができる。また、第1及び第2簡易側面パネルについては安価なものを用いることが可能となり、このことに関連して、貯湯ユニットハウジングの製造コストの低減を図ることができる。尚、貯湯ユニットハウジングから取り外した第1及び第2簡易側面パネルについては再利用することが可能であり、再利用することにより、製造コストの一層の低減を図ることができる。
また、本発明の請求項5に記載のコージェネレーションシステムによれば、発電手段は燃料電池から構成され、この燃料電池に関連して、発電ユニットハウジング内に燃料電池を冷却するための冷却水循環流路及び冷却水用熱交換機が設けられ、また貯湯タンクに関連して、貯湯タンク内の貯湯水が循環される貯湯水循環流路が設けられ、貯湯水循環流路は、貯湯タンクの底部から貯湯ユニット空間を通って発電ユニット空間に延び、発電ユニット空間内を上方に冷却水用熱交換器を通して延び、更に発電ユニット空間の上部から貯湯ユニット空間の上部を通って貯湯タンクの上端部に接続されるので、貯湯水循環流路の流路長を短くすることができるとともに、貯湯水循環流路の一部が発電ユニット空間の上部から貯湯ユニット空間の上部に直線状に延び、加温された温水が発電ユニット空間及び貯湯ユニット空間の高温領域を通して貯湯ユニット側の貯湯タンクに流れるようになり、その結果、貯湯水循環流路の熱損失を低減することができるとともに、システム全体の熱効率の向上を図ることができる。
また、本発明の請求項6に記載のコージェネレーションシステムによれば、貯湯タンク内の貯湯水が循環される貯湯水循環流路の上流側流路部及び/又は下流側流路部の一部が共通接続配管から構成されているので、発電ユニットの片側に貯湯ユニットを接続連結したとき、また発電ユニットの他側に貯湯ユニットを接続連結したときにもこの共通接続配管を用いて貯湯水循環流路における貯湯ユニット側と発電ユニット側とを所要の通りに接続することができ、これによって、設置の際に用いる接続配管の種類を少なくすることができる。
また、本発明の請求項7に記載のコージェネレーションシステムによれば、発電ユニット及び貯湯ユニットの設置施工時に、発電ユニットハウジングの上面パネル(又は下面パネル)を取り外して、発電ユニットハウジングと貯湯ユニットハウジングを上下方向に接続連結するので、発電ユニットハウジング内の発電ユニット空間と貯湯ユニットハウジング内の貯湯ユニット空間とが連通され、この連通空間に対応するパネルが不要となる。また、発電ユニットハウジングの上面パネル(又は下面パネル)を取り外して貯湯ユニットハウジングの上面用パネル(又は下面用パネル)として利用するので、この上面パネル(又は下面パネル)の有効利用を図ることができる。
また、本発明の請求項8に記載のコージェネレーションシステムによれば、工場出荷時には貯湯ユニットハウジングの上面及び下面が開放されており、このような貯湯ユニットハウジングを備えた形態のものでは、発電ユニット及び貯湯ユニットの施工を次のようにして行うことができる。発電ユニット側における上面パネル(又は下面パネル)を取り外した上面開口(又は下面)と貯湯ユニット側における下面(又は上面)の開口とが連通するように発電ユニットハウジングの上側(又は下側)に貯湯ユニットハウジングが接続連結され、また発電ユニットハウジングから取り外した上面パネル(又は下面パネル)が貯湯ユニットハウジングの上面(又は下面)に取り付けられ、このようにすることによって、重要な構成部品である発電手段などについては発電ユニットハウジングで覆われた保護状態で工場出荷することができるとともに、貯湯ユニットハウジング側においては上面パネル及び下面パネルを省略することができ、貯湯ユニットハウジングの製造コストの低減を図ることができる。
更に、本発明の請求項9に記載のコージェネレーションシステムによれば、貯湯ユニットハウジングの上面及び下面には簡易上面パネル及び下面簡易側面パネルが取り付けられており、このような貯湯ユニットハウジングを備えた形態のものにおいては、発電ユニット及び貯湯ユニットの施工を次のようにして行うことができる。上面パネル(又は下面パネル)を取り外した発電ユニット側の開口と簡易下面パネル(又は簡易上面パネル)を取り外した下面(又は上面)の開口とが連通するように発電ユニットハウジングの上側(又は下側)に貯湯ユニットハウジングが接続連結される。また、発電ユニットハウジングから取り外した上面パネル(又は下面パネル)が、貯湯ユニットハウジングにおける上面用パネル(又は下面用パネル)として、簡易上面パネル(又は簡易下面パネル)を取り外した上面(又は下面)の開口に取り付けられる。このようにすることによって、発電手段などについては発電ユニットハウジングで覆われた保護状態で工場出荷することができ、また貯湯タンクなどについても一部簡易上面パネル及び簡易下面パネルによる貯湯ユニットハウジングで覆われた保護状態で工場出荷することができる。また、簡易上面パネル及び簡易下面パネルについては安価なものを用いることが可能となり、このことに関連して、貯湯ユニットハウジングの製造コストの低減を図ることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に従うコージェネレーションシステムの各種実施形態について説明する。図1において、図示のコージェネレーションシステムは、発電ユニット2及び貯湯ユニット4から構成され、発電ユニット2は、燃料ガス(例えば、都市ガス)を原燃料として発電を行う発電手段6を有し、この発電手段6が発電ユニットハウジング8内に配設されている。この形態では、発電手段6は、燃料ガスを原燃料として燃料電池反応により発電を行う燃料電池10から構成されているが、例えばガスエンジンとこのガスエンジンにより駆動される発電機との組合せから構成するようにしてもよい。
また、貯湯ユニット4は、熱を温水として貯める貯湯タンク12を有し、この貯湯タンク12が貯湯ユニットハウジング14内に配設されている。この形態では、発電ユニット2と貯湯ユニットハウジング4とが後述するように接続連結され、発電ユニットハウジング8と貯湯ユニットハウジング14とが一体的なシステムハウジング16を構成する。
次に、発電ユニット2について説明すると、この発電ユニット2は、原燃料ガスを改質するための改質装置18を有し、この改質装置18は、例えば改質器20及び一酸化炭素変成器22を含んでいる。改質器20は、改質触媒により原燃料ガスを例えば水蒸気改質して改質燃料ガスとし、一酸化炭素変成器22は、一酸化炭素変成触媒により改質燃料ガス中に含まれる一酸化炭素を水素と二酸化炭素に変成し、このように変成された改質燃料ガスが燃料電池10の燃料極側に送給される。また、燃料電池10の酸素極側には空気が送給され、燃料電池10において、燃料極側の酸化及び酸素極側の還元を伴う燃料電池反応により発電が行われ、燃料電池10の発電電力がインバータ24により所定の交流電力に変換されて出力される。
この形態では、改質器20に関連して改質器用熱交換器28が配設され、一酸化炭素変成器22に関連して変成器用熱交換器26が配設され、また燃料電池10に関連して冷却水用熱交換器30が配設されている。これらの熱交換器26,28,30は高温のものが発電ユニットハウジング8内の上側に位置するように、変成器用熱交換器26、改質器用熱交換器28及び冷却水用熱交換器30が下から上に向けてこの順に配置されている。
改質器20に関連して、この改質器20を所定の改質温度に保つための燃焼バーナ(図示せず)が設けられており、この燃焼バーナからの燃焼排気ガスが改質器用熱交換器28を通って下流側に一酸化炭素変成器20に流れる。この燃焼排気ガスは、一酸化炭素変成器20を所定の一酸化炭素変成温度に保持し、変成器用熱交換器26を通して外部に排出される。
また、燃料電池10には、冷却水を循環させるための冷却水循環流路32が設けられ、この冷却水循環流路32は燃料電池10及び冷却水用熱交換器30を通して設けられている。冷却水循環流路32には冷却水用ポンプ34が配設され、この冷却水用ポンプ34の作用によって、冷却水が燃料電池10及び冷却水用熱交換器30を通して循環される。
次いで、貯湯ユニット4について説明する。図示の貯湯ユニット4においては、貯湯タンク12の底部に流出部36が設けられ、その上端部に流入部38が設けられ、流出部36と流出部38とが貯湯水循環流路40を介して連通され、貯湯タンク12の流出部36から流出した貯湯水は、この貯湯水循環流路40を通して流れた後に流入部38から貯湯タンク12の上端部に流入する。
この形態では、燃料電池10及びこれに関連する構成要素(改質装置18、インバータ24、変成器用熱交換器26、改質器用熱交換器28及び冷却水用熱交換器30など)が発電ユニットハウジング8内の発電ユニット空間42に収容され、貯湯タンク12及びこれに関連する構成要素(貯湯水循環流路40に配設された貯湯水用ポンプ44など)が貯湯ユニットハウジング14内の貯湯ユニット空間46に収容されている。そして、このことに関連して、貯湯水循環流路40の上流側流路部48は、システムハウジング16内の下部にて貯湯ユニット空間46から発電ユニット空間42に延び、その中間流路部50は、発電ユニット空間42を上方に向けて変成器用熱交換器26、改質器用熱交換器28及び冷却水用熱交換器30を通して延び、その下流側流路部52は、ユニットハウジング16の上部にて発電ユニット空間42から貯湯ユニット空間46に延びている。
このコージェネレーションシステムでは、貯湯タンク12の底部から流出部36を通して流出した貯湯水は、上流側流路部48を通して中間流路部50に流れ、この中間流路部50を通して流れる間に加温されて温水となる。即ち、貯湯水は、変成器用熱交換器26を流れる間に、一酸化炭素変成器20を流れた燃焼排気ガスとの熱交換により加温され、また改質器用熱交換器28を通して流れる間に、改質器20を通して流れた燃焼排気ガスとの熱交換により加温され、更に冷却水用熱交換器30を通して流れる間に、燃料電池10を通して流れた冷却水との熱交換により加温される。そして、このように加温された貯湯水(温水)は、下流側流路部52を通して流入部38に流れ、この流入部38を通して温水として貯湯タンク10の上端部に戻され、温水は、貯湯タンク10の上端側から下方に向けて層状に貯湯される。
この実施形態では、貯湯ユニット4側に、例えば図2に示すような配管接続部54が設けられている。図2をも参照して、この配管接続部54には、ガス用接続部56、水用接続部58及び出湯用接続部60が配設されており、後述する設置施工時に、ガス用接続部56にガス配管62が接続され、このガス配管62を通して供給される燃料ガスが改質装置18に供給され、また水用接続部58に水道水配管64が接続され、水道水配管64を通して供給される水道水が貯湯タンク12に供給され、更に出湯用接続部60に出湯用配管66が接続され、貯湯タンク20に貯湯された温水がこの出湯用配管66を通して出湯される。このように発電ユニットハウジング8と貯湯ユニットハウジング14とを一体的となるように連結接続した場合、配管接続部54における各種接続部の個数を少なくすることができる。
このようなコージェネレーションシステムでは、発電ユニット2については発電ユニットの製造メーカにて製造され、また貯湯ユニット4については貯湯ユニットの製造メーカにて製造され、個別に製造された発電ユニット2及び貯湯ユニット4が設置現場にて次の通りに接続連結されて使用される。この例では、発電ユニット2側においては、発電ユニットハウジング8の特定側面パネル68(図3(a)において右側面のパネル)(発電ユニット側特定パネルを構成する)が取外し可能に取り付けられ、この特定側面パネル68は、工場出荷時には発電ユニットハウジング8の一部を構成するように取り付けられているが、設置施工時には発電ユニット2から取り外される。また、貯湯ユニット4側においては、第1特定側面(図3(a)において左側面)及び第2特定側面(図3(a)において右側面)に対応して、第1簡易側面パネル70及び第2簡易側面パネル72が取外し可能に取り付けられ、第1及び第2簡易側面パネル70,72は、工場出荷時には貯湯ユニットハウジング14の一部を構成するように取り付けられているが、設置施工時には貯湯ユニット4から取り外される。
発電ユニットハウジング8を構成する特定側面パネル68及び他の3つの側面パネル74並びに上面パネル76は、充分な耐久性及び強度を有する金属パネル(例えば、表面塗装された鉄製パネルなど)から構成される。また、貯湯ユニットハウジング14の一部を構成する第1及び第2簡易側面パネル70,72は、一時的に使用するためのものであるために、比較的安価な合板製パネル又は薄い金属製パネル(例えば、簡単な表面塗装の薄い鉄製パネルなど)などから構成され、貯湯ユニットハウジング14の他の2つの側面パネル78及び上面パネル80は、発電ユニットハウジング8と同様に、充分な耐久性及び強度を有する金属製パネルから構成される。
このような発電ユニット2及び貯湯ユニット4の設置施工は、例えば、次のようにして行われる。まず、発電ユニットハウジング8の特定側面パネル68(発電ユニット側特定パネル)を取り外すとともに、貯湯ユニットハウジング14の第1及び第2簡易側面パネル70,72を取り外す。このように取り外すと、発電ユニットハウジング8の一側面(特定側面パネル68に対応する側面)が開放されるとともに、貯湯ユニットハウジング14の2つの側面(第1及び第2簡易側面パネル70,72に対応する側面)が開放される。尚、この第1及び第2簡易側面パネル70,72は、貯湯ユニット4の製造工場に持ち帰って、新たに製造する貯湯ユニット4の第1及び第2簡易側面パネルとして再利用することができる。
そして、発電ユニットハウジング8の開放された一側面と貯湯ユニットハウジング14の開放された側面(第1簡易側面パネル70に対応する側面)とを対向させ、かく対向させた状態で、発電ユニット2側の各種流路部(例えば、ガス流路部、貯湯水循環流路40の上流側流路部48及び下流側流路部52)と貯湯ユニット4側の各種流路部(例えば、ガス流路部、貯湯水循環流路40の上流側流路部48及び下流側流路部52)とを所要の通りに接続する。この接続の際、必要に応じて発電ユニットハウジング8及び/又は貯湯ユニットハウジング14の他の側面パネルを外して接続するようにしてもよい。
その後、この対向させた状態でもって、発電ユニットハウジング8及び貯湯ユニットハウジング14を相互に接触させて両者を横方向に接続連結する。例えば、発電ユニット8の支持フレーム構造(図示せず)と貯湯ユニットハウジング14の支持フレーム構造(図示せず)とを所要の通りに連結する。かく接続連結すると、図3(b)に示すように、発電ユニットハウジング8と貯湯ユニットハウジング14とが一体的となってシステムハウジング16を構成するとともに、発電ユニットハウジング8内の発電ユニット空間42と貯湯ユニットハウジング14の貯湯ユニット空間46とが開放された側面開口を通して横方向に連通状態になる。尚、このように接続した後に両者を接触させて接続連結するのではなく、両者を接触させて接続連結した後に上述したように接続するようにしてもよい。
しかる後、発電ユニットハウジング8から取り外した特定側面パネル68(発電ユニット側特定パネル)を、第2簡易側面パネル72を取り外した貯湯ユニットハウジング14の側面開口に取り付け、このようにして発電ユニット2及び貯湯ユニット4を図1に示す通りに設置することができる。
この実施形態においては、工場出荷時から施工現場に搬送するまでの間、発電ユニットハウジング8が発電ユニット2の上面及び4側面を覆っているので、発電ユニット2内の燃料電池10などを確実に保護することができる。また、貯湯ユニットハウジング14が貯湯ユニット4の上面及び4側面を覆っているので、貯湯ユニット4内の貯湯タンク10などを保護することができる。加えて、両者を接続連結した際に不要となる発電ユニット2側の特定側面パネル68を貯湯ユニットハウジング14の側面開口(第2簡易側面パネル72に対応する側面開口)に取り付けて使用するので、比較的高価な特定側面パネル68を貯湯ユニットハウジング14の側面用パネル(特定面用パネル)として無駄なく利用することができる。
このようなコージェネレーションシステムでは、発電ユニット及び貯湯ユニットを製造出荷段階において図4に示すように構成することもできる。即ち、発電ユニット2については、上述したと同様に構成され、発電ユニットハウジング8の特定側面パネル68(図4(a)において右側面のパネル)(発電ユニット側特定パネルを構成する)が取外し可能に取り付けられる。一方、貯湯ユニット4Aについては、上述した第1及び第2簡易側面パネル70,72が省略され、貯湯ユニットハウジング14Aの第1特定側面84(上述した図3(a)の形態において、第1簡易側面パネル70が取り付けられていた側面)及び第2特定側面86(上述した図3(a)形態において、第2簡易側面パネル72が取り付けられていた側面)が、図4(a)で示すように開放されている。
このような発電ユニット2及び貯湯ユニット4Aの設置施工は、例えば、次のようにして行われる。まず、発電ユニットハウジング8の特定側面パネル68(発電ユニット側特定パネル)を取り外し、かく取り外すことにより、発電ユニットハウジング8の一側面(特定側面パネル68に対応する側面)が開放される。
そして、発電ユニットハウジング8の開放された一側面と貯湯ユニットハウジング14Aの開放された第1特定側面84の側面開口とを対向させ、かく対向させた状態で、上述したと同様に、発電ユニット2側の各種流路部と貯湯ユニット4A側の各種流路部とを所要の通りに接続する。
その後、このように対向させた状態でもって、発電ユニットハウジング8及び貯湯ユニットハウジング14Aを相互に接触させて両者を上述したように横方向に接続連結する。かく接続連結すると、図4(b)に示すように、発電ユニットハウジング8と貯湯ユニットハウジング14Aとが一体的となってシステムハウジング16を構成するとともに、発電ユニットハウジング8内の発電ユニット空間42と貯湯ユニットハウジング14の貯湯ユニット空間46とが開放された側面開口を通して連通状態になる。
しかる後、発電ユニットハウジング8から取り外した特定側面パネル68を、貯湯ユニット4Aの側面用パネルとして貯湯ユニットハウジング14Aの第2特定側面86の側面開口に取り付け、このようにして発電ユニット2及び貯湯ユニット4Aを図1に示す通りに設置することができる。この場合においては、貯湯ユニットハウジング14Aの2側面を工場出荷時に開放しているので、これら側面を覆う側面パネルを省略することができ、これによって、製造コストの更なる低減を図ることができる。
次に、図5及び図6を参照して、本発明に従うコージェネレーションシステムの第3の実施形態について説明する。上述した第1及び第2の実施形態では、設置施工時に正面から見て左側に発電ユニット2、右側に貯湯ユニット4(4A)を設置する構成であるが、この第3の実施形態では、正面から見て発電ユニットの右側又は左側のいずれの側においても貯湯ユニットを設置できるように構成されている。
図5及び図6において、図示のコージェネレーションシステムは、発電ユニット2B及び貯湯ユニット4Bから構成され、これらの基本的構成は、第1及び第2実施形態のものと実質上同一であり、以下の実施形態において、上述した実施形態と同一の部材については同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
この第3の実施形態では、貯湯水が循環する貯湯水循環流路40Bの上流側流路部に関連して、次のように構成されている。発電ユニット2B側には、この上流側流路部に第1配管接続部202が設けられ、また貯湯ユニット4B側には、この上流側流路部に第2配管接続部204が設けられている。発電ユニット2Bにおいては、この第1配管接続部202が横方向(図5及び図6において左右方向)中央部に設けられ、第1配管接続部202を通る軸線P1と発電ユニットハウジング8Bの一側端(図5及び図6において左側端)との間の間隔と、この軸線P1と発電ユニットハウジング8Bの他側端(図5及び図6において右側端)との間の間隔とが、実質上等しくなるように構成され、ともに長さD1に設定されている。また、貯湯ユニット4Bにおいても、発電ユニット2Bと同様に、この第2配管接続部204が横方向(図5及び図6において左右方向)中央部に設けられ、第2配管接続部204を通る軸線P2と貯湯ユニットハウジング14Bの一側端(図5及び図6において左側端)との間の間隔と、この軸線P2と貯湯ユニットハウジング14Bの他側端(図5及び図6において右側端)との間の間隔とが、実質上等しくなるように構成され、ともに長さD2に設定されている。更に、発電ユニット2B側の上記長さD1と貯湯ユニット4B側の上記長さD2とが実質上等しくなる(D1=D2)ように構成されている。
このように構成することにより、発電ユニット2B及び貯湯ユニット4Bを図5に示すように設置した場合(即ち、正面から見て左側に発電ユニット2B、右側に貯湯ユニット4Bを設置した場合)、発電ユニット2B側の第1配管接続部202と貯湯ユニット4B側の第2配管接続部204との間の間隔は、長さ(D1+D2)となり、またこれらを図6に示すように設置した場合(即ち、正面から見て左側に貯湯ユニット4B、右側に発電ユニット2Bを設置した場合)、発電ユニット2B側の第1配管接続部202と貯湯ユニット4B側の第2配管接続部204との間の間隔も、長さ(D1+D2)となり、これらの場合における第1配管接続部202と第2配管接続部204との間隔は実施上等しくなる。
このような場合、発電ユニット2B側の第1配管接続部202と貯湯ユニット4B側の第2配管接続部204とを接続する配管部材として共通接続配管206を用いることができる。図7(a)に示す共通接続配管206は、細長い接続配管本体208を有する一つの配管部材から構成され、その両端部に、この接続管本体208から所定方向に湾曲した第1及び第2接続部210、212が設けられている。発電ユニット2B及び貯湯ユニット4Bを図5(又は図6)に示すように設置した場合、共通接続配管206の第1接続部210が発電ユニット2B側の第1配管接続部202(又は貯湯ユニット4B側の第2配管接続部204)に接続され、その第2接続部212が貯湯ユニット4B側の第2配管接続部204(又は発電ユニット2B側の第1配管接続部202)に接続される。
発電ユニット2B及び貯湯ユニット4Bは、図5(又は図6)に示すように、それらの背面側が、例えば一戸建て家屋の壁214に近接して配設されることから、発電ユニット2B側の第1配管接続部202は、発電ユニットハウジング8B内の前面側(例えば、変成器用熱交換器26より前面側)に配設するのが好ましく、また貯湯タンク4B側の第2配管接続部204は、貯湯ユニットハウジング14B内の前面側(例えば、貯湯タンク12より前面側)に配設するのが好ましい。このように構成した場合、図5(又は図6)に示すように設置したときに第1及び第2配管接続部202,204が発電ユニットハウジング8B及び貯湯ユニットハウジング14Bの前面側に位置し、発電ユニット2B及び貯湯ユニット4Bを所要の通りに設置した状態において、それの前面側から共通接続配管206を発電ユニット2B側の第1配管接続部202及び貯湯ユニット4Bの第2配管接続部204に接続することができ、この接続作業の際に、必要に応じて、発電ユニットハウジング8Bの側面パネルの一つとしての前面パネル216及び/又は貯湯ユニットハウジング14Bの側面パネルの一つとしての前面パネル218を取り外すことにより容易に行うことができる。
この共通接続配管については、例えば、図7(b)に示すように構成することもできる。図7(b)を参照して、この共通接続配管206Aは、相互に接続される2つの配管部材、即ち第1及び第2配管部材220,222から構成されている。例えば、第1配管部材220の一端部には、上述したと同様の第1接続部210が設けられ、その他端部には雄ねじ部224が設けられる。また、第2配管部材222の一端部には、第1配管部材220の雄ねじ部224に対応する雌ねじ部(図示せず)が設けられ、その他端部には、上述したと同様の第2接続部212が設けられ、第1配管部材220の雄ねじ部224と第2配管部材222の雌ねじ部とを螺着することによって、上述したと同様の共通接続配管206Aが構成される。このような共通接続配管206Aを用いた場合、上述したと同様に、第1配管部材220の第1接続部210が発電ユニット2B側の第1配管接続部202(又は貯湯ユニット4B側の第2配管接続部204)に接続され、第2配管部材222の第2接続部212が貯湯ユニット4Bの第2配管接続部204(又は発電ユニット2B側の第1配管接続部202)に接続される。
上述した形態では、貯湯水が循環する貯湯水循環流路40Bの上流側流路部の一部を共通接続配管206(206a)から構成し、貯湯水循環流路40Bの上流側流路部における発電ユニット2B側と貯湯ユニット4B側とをこの共通接続配管206(206a)を介して連通しているが、このような共通接続配管206(206a)は、この上流側流路部に代えて、又はこの上流側流路部に加えて貯湯水循環流路40Bの下流側流路部に適用することもできる。この場合、図示していないが、上述したと略同様に構成され、発電ユニット2B側には、貯湯水循環流路40Bの下流側流路部に第1配管接続部が設けられ、また貯湯ユニット4B側には、この下流側流路部に第2配管接続部が設けられ、例えば、共通接続配管206(206a)の第1接続部210が発電ユニット2B側の第1配管接続部(又は貯湯ユニット4B側の第2配管接続部)に接続され、その第2接続部212が貯湯ユニット4B側の第2配管接続部(又は発電ユニット2B側の第1配管接続部)に接続される。
上述した第1〜第3の実施形態では、発電ユニット2(2B)及び貯湯ユニット4(4A,4B)が横方向に併設される構成であるが、図8〜図10に示すようにこれらを上下方向に重ねて設置するようにすることもできる。
図8及び図9に示すコージェネレーションシステムの第4の実施形態では、発電ユニット2Cが下側に、貯湯ユニット4Cが上側に配置され、例えば、発電ユニット2Cの発電ユニットハウジング8Cの支持フレーム構造(図示せず)の上側に貯湯ユニット4Cの貯湯ユニットハウジング14Cの支持フレーム構造(図示せず)が載置固定される。尚、発電ユニット2C及び貯湯ユニット4Cの基本的構成は、上述した第1実施形態のものと略同様の構成である。
この第4の実施形態のコージェネレーションシステムでは、発電ユニット2C側においては、発電ユニットハウジング8Cの上面パネル232(発電ユニット側特定パネルを構成する)が取外し可能に取り付けられ、この上面パネル232は、工場出荷時には発電ユニットハウジング8Cの一部を構成するように取り付けられているが、設置施工時には発電ユニット2Cから取り外される。また、貯湯ユニット4C側においては、上面及び下面に対応して、簡易上面パネル234及び簡易下面パネル236が取外し可能に取り付けられ、簡易上面パネル234及び簡易下面パネル236は、工場出荷時には貯湯ユニットハウジング14Cの一部を構成するように取り付けられているが、設置施工時には貯湯ユニット4Cから取り外される。
発電ユニットハウジング8Cを構成する上面パネル232、4つの側面パネル238及び下面パネル240は、充分な耐久性及び強度を有する金属パネルから構成される。また、貯湯ユニットハウジング14Cの一部を構成する簡易上面パネル234及び簡易下面パネル236は、一時的に使用するためのものであるために、比較的安価な合板製パネル又は薄い金属製パネルなどから構成され、貯湯ユニットハウジング14Cの4つの側面パネル242は、発電ユニットハウジング8Cと同様に、充分な耐久性及び強度を有する金属製パネルから構成される。
このような発電ユニット2C及び貯湯ユニット4Cの設置施工は、例えば、次のようにして行われる。まず、発電ユニットハウジング8Cの上面パネル232(発電ユニット側特定パネル)を取り外すとともに、貯湯ユニットハウジング14Cの簡易上面パネル234及び簡易下面パネル236を取り外す。このように取り外すと、発電ユニットハウジング8Cの上面が開放されるとともに、貯湯ユニットハウジング14Cの上面(簡易上面パネル234に対応する上面)及び下面(簡易下面パネル236に対応する下面)が開放される。尚、簡易上面パネル234及び簡易下面パネル236は、貯湯ユニット4Cの製造工場に持ち帰って、新たに製造する貯湯ユニット4の簡易上面パネル及び簡易下面パネルとして再利用することができる。
そして、発電ユニットハウジング8Cの開放された上面(例えば、その支持フレーム構造)の上側に貯湯ユニットハウジング14の開放された下面(例えば、その支持フレーム構造)を載置し、かく載置させた状態で両者を固定し、発電ユニット2Cの上側に貯湯ユニット4Cを接続連結する。かく接続連結すると、図9(b)に示すように、発電ユニットハウジング8Cと貯湯ユニットハウジング14Cとが一体的となってシステムハウジング16Cを構成するとともに、発電ユニットハウジング8C内の発電ユニット空間42と貯湯ユニットハウジング14Cの貯湯ユニット空間46とが開放された開口を通して上下方向に連通状態になる。
このように接続連結した後、発電ユニット2C側の各種流路部(例えば、貯湯水循環流路40の上流側流路部48及び下流側流路部52並びに出湯流路246の下流側部など)と貯湯ユニット4C側の各種流路部(例えば、貯湯水循環流路40の上流側流路部48及び下流側流路部52並びに出湯流路246の上流側部など)とを所要の通りに接続する。この接続の際、必要に応じて発電ユニットハウジング8C及び/又は貯湯ユニットハウジング14Cの側面パネル(例えば、前面側パネル)を取り外して接続するようにしてもよい。
しかる後、発電ユニットハウジング8Cから取り外した上面パネル232(発電ユニット側特定パネル)を、簡易上面パネル234を取り外した貯湯ユニットハウジング14Cの上面開口に取り付け、このようにして発電ユニット2及び貯湯ユニット4を図8に示す通りに設置することができる。
この実施形態においては、工場出荷時から施工現場に搬送するまでの間、発電ユニットハウジング8Cが発電ユニット2Cの全面を覆っているので、発電ユニット2C内の燃料電池10などを確実に保護することができる。また、貯湯ユニットハウジング14C(簡易上面パネル234及び簡易下面パネル236を含む)が貯湯ユニット4の全面を覆っているので、貯湯ユニット4C内の貯湯タンク10などを保護することができる。加えて、両者を上下方向に接続連結した際に不要となる発電ユニット2C側の上面パネル232を貯湯ユニットハウジング14Cの上面開口(簡易上面パネル234に対応する上面開口)に取り付けて使用するので、比較的高価な上面パネル232を貯湯ユニットハウジング14Cの上面用パネル(特定面用パネル)として無駄なく利用することができる。
この第4の実施形態のコージェネレーションシステムでは、発電ユニット2Cの上側に貯湯ユニット4Cを接続連結しているが、これとは反対に、図10に示すように、貯湯ユニットの上側に発電ユニットを接続連結するようにしてもよい。
図10において、コージェネレーションシステムの第5の実施形態では、貯湯ユニット4Dの上側に発電ユニット2Dが配置され、例えば、貯湯ユニット4Dの貯湯ユニットハウジング14Dの支持フレーム構造(図示せず)の上側に発電ユニット2Dの発電ユニットハウジング8Dの支持フレーム構造(図示せず)が載置固定される。
この第5の実施形態のコージェネレーションシステムでは、発電ユニット2D側においては、発電ユニットハウジング8Dの下面パネル240(発電ユニット側特定パネルを構成する)が取外し可能に取り付けられ、この下面パネル240は、工場出荷時には発電ユニットハウジング8Dの一部を構成するように取り付けられているが、設置施工時には発電ユニット2Dから取り外される。また、貯湯ユニット4D側においては、上述した簡易側上面パネル及び簡易下面パネルが省略され、貯湯ユニットハウジング14Dの上面252及び下面254が、図10(a)で示すように開放されている。尚、この場合においても、上述したと同様に、簡易上面パネル及び簡易下面パネルを取り外し可能に取り付けるようにしてもよい。
このような発電ユニット2D及び貯湯ユニット4Dの設置施工は、例えば、次のようにして行われる。まず、発電ユニットハウジング8Dの下面パネル240(発電ユニット側特定パネル)を取り外し、かく取り外すことにより、発電ユニットハウジング8の下面が開放される。
そして、このように取り外した下面パネル240(発電ユニット側特定パネル)を貯湯ユニットハウジング14Dの開放された下面254の開口に取り付け、発電ユニット2Dを取り付ける前の段階で下面パネル240を下面用パネルとして貯湯ユニットハウジング14Dに取り付けることにより、比較的容易に取り付けることができる。
その後、貯湯ユニットハウジング14Dを所定位置に設置し、その開放された上面252(例えば、その支持フレーム構造)の上側に発電ユニットハウジング8Dの開放された下面(例えば、その支持フレーム構造)を載置固定し、貯湯ユニット4Dの上側に発電ユニット2Dを接続連結する。かく接続連結すると、図10(b)に示すように、貯湯ユニットハウジング14Dと発電ユニットハウジング8Dとが一体的となってシステムハウジング16Dを構成するとともに、貯湯ユニットハウジング8D内の貯湯ユニット空間46と発電ユニットハウジング8D内の発電ユニット空間42とが開放された開口を通して上下方向に連通状態になる。
このように接続連結した後、発電ユニット2D側の各種流路部と貯湯ユニット4D側の各種流路部とを所要の通りに接続し、このようにして発電ユニット2D及び貯湯ユニット4Dを所要の通りに設置することができる。この場合においては、工場出荷段階において貯湯ユニットハウジング14Dの上面252及び下面254が開放されているので、これら上面252及び下面254を覆う上面パネル及び下面パネルを省略することができ、これによって、製造コストの更なる低減を図ることができる。
以上、本発明に従うコージェネレーションシステムの各種実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更乃至修正が可能である。
例えば、上述した実施形態では、貯湯ユニット4(4A〜4D)の貯湯タンク12からの温水が直接的に出湯する構成であるが、この貯湯ユニット4(4A〜4D)に関連してバックアップ熱源機(図示せず)を設け、貯湯タンク4(4A〜4D)らの温水がバックアップ熱源機を通して出湯するようにすることもできる。この場合、貯湯タンク12とバックアップ熱源機との間に、温水往き流路(図示せず)及び温水戻り流路(図示せず)が設けられるとともに、バックアップ熱源機に出湯用接続部が設けられる。
また、例えば、上述した実施形態では、発電ユニット2(2B〜2D)として、変成器用熱交換器26、改質器用熱交換器28及び冷却水用熱交換器30を備え、貯湯タンク12からの貯湯水循環流路40がこれら熱交換器26,28,30を通して流れるコージェネレーションシステムに適用して説明したが、他の形態の発電ユニット(例えば、燃料電池から排出される反応燃料ガスとの間で熱交換を行う熱交換器、改質器を改質温度に保つための燃焼バーナからの燃焼排気ガスとの間で熱交換を行う熱交換器、燃料電池から排出される空気との間で熱交換を行う熱交換器、及び燃料電池を冷却するための冷却水との間で熱交換を行う熱交換器を具備するもの)を備えたコージェネレーションシステムにも同様に適用することができる。
また、上述した実施形態では、発電ユニット2(2B〜2D)については発電ユニットの製造メーカにて製造し、貯湯ユニット4(4A〜4D)については貯湯ユニットの製造メーカにて製造する例に適用して説明したが、発電ユニット2(2B〜2D)及び貯湯ユニット4(4A〜4D)を同じ製造メーカの別工場で製造する場合、また同じ製造メーカの同じ工場で製造する場合にも適用することができ、これらの場合においても同様の効果を達成することができる。