JP6316711B2 - 減光式煙感知器及び減光式煙感知システム - Google Patents
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Description
送光部と受光部との間に外部検出空間を有し、前記外部検出空間に煙が流入することにより増加する減光率に基づいて火災判断をする減光式煙感知器であって、前記減光率を前記受光部で検出して減光率データとして記憶し、前記減光率が火災閾値を超えた時に、その一定時間前の前記減光率データが不動作判定値より大きい場合には火災と判断しない減光式煙感知器。
さらに、複数の汚損捕獲室を有し、検出光が光孔を通過する汚損キャッチャーが、前記送光部と前記受光部にそれぞれ接続される減光式煙感知器。
なお、本発明では「以上」と「より大きい」、「以下」と「より小さい」との違いは発明の本質からみて差異がなく、同等のものとしてどちらか一方で表わす。
汚損キャッチャー5が接続される送光部2と受光部3には、検出光が透過するガラスや樹脂等の円板状の透光性部材からなる送光窓または受光窓(図示せず)が嵌め込まれ、減光式煙感知器1の内部は密閉されて防水型となっている。なお、送光窓及び受光窓は円板状の透光性部材ではなく、レンズであっても良い。
汚損キャッチャー5は、つなげるキャッチャー片6の個数が多ければ汚損捕獲室8の段数が増えるので、汚損を捉える能力が高くなる。したがって、減光式煙感知器1を汚損しやすい場所に設置する場合には、所定の数(本実施例1では4つ)より多めの個数のキャッチャー片6を接続した汚損キャッチャー5を用いる。
また、汚損キャッチャー5を分解してキャッチャー片6を洗浄することによって、汚損捕獲室8内を清掃することができる。
しかしながら、汚損物質が少しずつ送光部2や受光部3の透光性部材に届いて汚損することは避けられない。このような汚損により誤報を出さないように、減光式煙感知器1には、後述する不動作ラインを設けている。
減光式煙感知器1で火災と判断し、火災信号を出力すると、その信号は受信機11に送られ、検出した減光式煙感知器1の番号が監視センターに設置された監視装置12に送信される。監視装置12では火災警報により報知するとともに、減光式煙感知器1の番号から火災が検出された場所を特定して、表示装置(図示せず)に表示する。
受信機11に接続する減光式煙感知器1の数は何台でも良く、監視装置12に接続する受信機11の数も何台でも良い。また、受信機11に接続する減光式煙感知器1の数は受信機11ごとに異なっていても良く、同じでも良い。
コントローラ13は一定時間ごとに送光電流発生回路14に発光信号を送り、送光電流発生回路14は送光素子2aに電力を供給して発光させる。この発光により得られた検出光は、外部検出空間9を介して受光素子3aに送られる。受光素子3aで検出光から変換された受光電圧は、増幅回路15で増幅され、コントローラ13に入力されてデジタル信号の減光率データに変換される。この減光率データは受光電圧が低いほど高い値になる。検出光が外部検出空間9で煙等を通過する場合には減衰して受光素子3aで受光され、電圧に変換される。したがって、煙や汚損物質が多いと受光量が減って、受光素子3aの出力電圧が低下する。すなわち、減光率及び減光率データの値が高くなる。コントローラ13では、減光率データを記憶するとともに火災判断を行う。火災と判断すると送受信部16が火災信号を受信機11に送信する。火災信号を受けた受信機11は、監視センターに設置された監視装置12に火災信号を送信する。
実施例1では、図5の動作領域に減光率データSk−3〜Sk−6のうち一つでもあれば、そこから火災閾値到達時までの減光率変化が大きいことになり、火災による煙と判断する。逆に、不動作領域に減光率データSk−3〜Sk−6が全てあれば、減光率変化が小さいことになり、汚損と判断する。
まず、一定時間Tごとに減光率を検出し、得られた減光率データが火災閾値を超えたか、すなわち火災閾値より大きいか判断する(ステップs1)。減光率データは減光率に対応するものであり、図5においては下方が大きい値となる。減光率データが火災閾値よりも大きければ火災の煙を捉えた可能性があるので、次のステップに進む。この、減光率データが火災閾値よりも大きくなった時を測定時間kTと表わす。
前述のように、これよりも測定時間kTに近い期間で得られた減光率データSk−1,Sk−2は、不動作判定値Nk−1,Nk−2との差があまりないことが想定されるから、誤差に影響されやすいために用いない。
減光率データSk−3が不動作判定値Nk−3より大きくなくて図5の動作領域にある場合には、火災閾値に至るまでの減光率の変化が大きいことになる。そのため、火災による煙が外部検出空間9に流入したと判断し、即ち、火災と判断し、火災信号を出力(s6)して送受信部16を介して受信機11に送信する。火災信号を受信した受信機11は、さらに火災信号を監視装置12に送信する。
一方、減光率データSk−3が不動作判定値Nk−3より大きくて不動作領域にある場合には、火災閾値に至るまでの減光率の変化が小さいため汚損が原因である可能性があり、火災による煙が外部検出空間9に流入したとは判断できない。そのため、次のステップに進む。
減光率データSk−4が不動作判定値Nk−4より大きくなくて動作領域にある場合には、火災閾値に至るまでの減光率の変化が大きいため火災による煙を捉えたと判断し、火災信号を出力(s6)して送受信部16を介して受信機11に送信する。受信機11の動作は上記と同様である。
一方、減光率データSk−4が不動作判定値Nk−4より大きくて不動作領域にある場合には、火災閾値に至るまでの減光率の変化が小さいため火災による煙であるとは判断できない。そのため、次のステップに進み、その前の測定時間(k−5)Tの減光率データSk−5と不動作判定値Nk−5を比較する。
測定時間(k−6)Tの減光率データSk−6が不動作判定値Nk−6より大きくて、不動作領域にある場合には、汚損が原因であると判断してs1に戻り、測定時間kTでの火災閾値による火災信号の出力は行わない。そして、汚損信号を、受信機11を経由して監視装置12に送信し、管理者に汚損が大きい旨を伝える。
この例では、測定時間(k−6)T、(k−5)Tでは減光率は不動作領域であるが、測定時間(k−4)Tでは動作領域にあり、減光率データSk−4は不動作判定値Nk−4より小さくなる。その後、測定時間(k−3)Tでは再び不動作領域となって減光率データSk−3は不動作判定値Nk−3より大きくなる。そして、測定時間kTにおいて火災閾値に達する。そうすると、図6のフロー図ではステップs1の火災閾値よりも減光率データSkが大きい状態となるため、ステップs2へ進み、ステップs3で「N」となって火災と判断し、火災信号を出力する。
実施例1では、不動作判定値と比較する減光率データSk−3〜Sk−6の数は所定数4、そのうち火災と判断しないための数である一定数を4とし、所定数である4つの減光率データのうち1つでも対応する不動作判定値よりも小さければ火災と判断し、一定数である4つの減光率データが全て対応する不動作判定値よりも大きければ火災ではないと判断した。しかし、一定数を3として、所定数である4つの減光率データSk−3〜Sk−6のうち3つ以上の減光率データが不動作判定値よりも大きければ火災でないと判断するようにすることもできる。この場合、ノイズによって1つの減光率データが不動作判定値よりも小さくなったとしても、誤作動を防ぐことができる。
また、実施例1では、所定数の減光率データとしてSk−3〜Sk−6の4つの減光率データを用いたが、上記所定数はいくつでもよく1つでもよい。
さらに 、実施例1では図5に示すように不動作ラインを直線としているが、これに限らず曲線としてもよい。
監視装置12では、火災信号を受けて火災警報により報知する(ステップs121)
(1)鉄道用トンネルでは、車内で火災が発生した列車は、煙をトンネル内に放出しながら走行する。したがって、一般的には複数の煙感知器で容易に煙を捉えることができる。このことから、隣接した複数の減光式煙感知器1が火災信号を出力した場合に監視装置12で火災警報により報知するようにすれば、さらに誤作動の可能性が低く正確で早い火災報知のシステムが得られる。
(2)上記実施例1,2では減光式煙感知器1や受信機11で減光率変化による火災判断を行ったが、全ての減光式煙感知器1の減光率データを監視装置12に送信して記憶し、監視装置12で火災判断をしてもよい。
(3)上記実施例1,2では一定時間Tごとに測定時間を設けたが、時間間隔を変化させてもよい。
(4)上記実施例1,2では4つの測定時間を用いて火災判断をしたが、測定時間数は他の数でも良い。また、実施例1では減光率データが不動作判定値より大きい測定時間が4つの場合には火災ではないと判断し、実施例2では2以上ある場合には火災でないと判断したが、これらの数値に限らず、本発明では減光率データが不動作判定値より大きい測定時間が一定数以上ある場合には火災ではないと判断すればよい。
Claims (5)
- 送光部と受光部との間に外部検出空間を有し、前記外部検出空間に煙が流入することにより増加する減光率に基づいて火災判断をする減光式煙感知器であって、
前記減光率を前記受光部で検出して減光率データとして記憶し、前記減光率が火災閾値を超えた時に、前記減光率の測定時間に近い所定期間に得られた減光率データは使用せず、前記所定期間より前の前記減光率データが不動作判定値より大きい場合には火災と判断しない減光式煙感知器。 - 送光部と受光部との間に外部検出空間を有し、前記外部検出空間に煙が流入することにより増加する減光率に基づいて火災判断をする減光式煙感知器であって、
前記減光率を前記受光部で検出して減光率データとして記憶し、前記減光率の検出と前記減光率データの記憶は一定時間ごとの測定時間に行われて、複数の前記測定時間における前記減光率データが記憶され、
前記減光率が時間に応じて設定される不動作ライン上に、前記測定時間ごとに不動作判定値を設け、
前記減光率が火災閾値を超えた時に、それ以前に得られた所定数の前記測定時間ごとに前記減光率データと前記不動作判定値を比較し、前記減光率データが前記不動作判定値より大きい前記測定時間が一定数以上ある場合には、火災と判断しない減光式煙感知器。 - 前記測定時間ごとの前記減光率データと前記不動作判定値の比較は、前記減光率が火災閾値を超えた時から所定期間内の前記測定時間については行わない、請求項2に記載の減光式煙感知器。
- 請求項1乃至3の何れかに記載の前記減光式煙感知器が複数接続された受信機と、
前記受信機が複数接続された監視装置と、を備え、
前記減光式煙感知器は前記減光率により火災と判断すると、火災信号を前記受信機に送信し、
前記火災信号を受信した前記受信機は、前記火災信号をさらに監視装置に送信する減光式煙感知システム。 - 送光部と受光部との間に外部検出空間を有し、前記外部検出空間に煙が流入することにより増加する減光率を前記受光部で検出する複数の減光式煙感知器と、
複数の前記減光式煙感知器が接続された受信機を備え、
前記減光式煙感知器は前記減光率による減光率データを前記受信機に送信し、
前記受信機は受信した前記減光率データを前記減光式煙感知器ごとに記憶し、前記減光率データが火災閾値を超えた時に前記火災閾値を超えた前記減光式煙感知器の、前記減光率の測定時間に近い所定期間に得られた前記減光率データは使用せず、前記所定期間より前の前記減光率データが不動作判定値より大きい場合には、火災と判断しない減光式煙感知システム。
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