JP6316115B2 - トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真及び静電印刷のような画像形成方法に用いられる静電荷像を現像するためのトナーに関する。
トナーを使用する電子写真方式の代表機器として、レーザープリンターや複写機が挙げられる。近年は急激にカラー化が進み、一層の高画質化が求められている。
トナーを使用する電子写真の課題の一つに、カブリが挙げられる。電子写真方式では、静電荷像担持体を帯電させて画像部と非画像部に電位差を設けて、画像部にトナーを現像させることが一般的原理である。この現像過程において、非画像部にもトナーが現像してしまうことをカブリと言う。通常、現像された静電荷像担持体上のトナーは、紙などの転写材又は中間転写体に転写後さらに転写材に転写する工程を経て、熱と圧力で転写材に定着される。非画像部に現像されたトナーの挙動も例外でなく、上記のような転写工程、定着工程を経て、転写材上に定着されてしまうことがほとんどである。よって、画像が無いはずの部分が着色されてしまい、画像品質の悪化として認識されてしまう。
カブリの発生をゼロにする、すなわち非画像部に現像してしまうトナー量をゼロにすることは非常に難しいと考えられている。一方で、目に見えない程度までカブリを減少させることは可能である。そのため、従来からカブリ抑制手段に関する様々な提案がなされているが、それらの技術は、本質的にはカブリを目に見えない程度にまで減少させる手段である。カブリ抑制手段の考え方は大別して2つある。1つは現像システムの電位制御によるものであり、もう1つはトナーの帯電量制御によるものである。
まず、一般的な現像システムの電位制御について説明する。現像部において、トナーは正又は負に帯電した状態でトナー担持体に担持されている。さらに現像部では、静電荷像担持体の電位、トナー担持体の電位及びトナーの帯電量に応じて、トナーが静電荷像担持体に移行するかトナー担持体に留まるかが決まる。ここで、トナー担持体電位と非画像部の静電荷像担持体電位に差を設け、トナーが極力非画像部に現像されないように制御する。それら電位差は、カブリとり電位、Vback電位又はバックコントラストなど、種々の呼び名で表現されている。本明細書においては、バックコントラストと表現する。現在では、バックコントラスト制御を細かく設定することで、種々の環境で高画質を達成することが可能となる場合が多いが、各種電位制御装置の複雑化というデメリットが生じてしまう。
次に、トナーの帯電量制御について説明する。非画像部にトナーが現像されてしまう主原因は、トナーの各粒子で帯電量が不十分な粒や、設計思想と逆極性に帯電した粒が存在することである。帯電量が不十分なトナーは、バックコントラストに対する反応が鈍く、確率論的に、又は静電気力以外の付着力の作用によって非画像部に移ってしまう。設計思想と逆極性に帯電したトナーは、積極的に非画像部へ現像されてしまう。それらの不都合な粒子を極力抑えたトナーを達成すべく、各種のトナー技術が提案されている。
トナーによる帯電量制御の一例は、外添剤をトナー粒子表面に付着させて流動性を確保し、帯電を均一化させることである。外添剤の代表例はシリカ微粒子である。シリカは、二酸化ケイ素によって構成され、化学構造はSiOである。シリカ粒子の使用は、流動性を付与することが主目的の一つであるが、カブリにも効果があることが良く知られている。そこで本発明者らは、流動性起因のカブリ改善効果のみならず、ケイ素が組み込まれた化合物に、カブリを改善する何らかの効果がある可能性を考えた。特に、トナー粒子表面をケイ素化合物で均一に覆うことができれば、これまで以上にカブリを抑制できるのではないかと考え、検討を続けてきた。
トナー粒子表面がケイ素化合物で覆う思想の例として、反応系にシランカップリング剤を添加することを特徴とする重合トナーの製造方法が開示されている(特許文献1参照)。この方法では、恐らくはトナー表面へのシラン化合物の析出量が不十分であるため、大きなカブリ改善効果を得ることはできなかった。
あるいは、表面部に連続した薄膜の形で施されたケイ素化合物を含んでいる重合トナーが開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、高温高湿下における帯電性の変化により、大きなカブリ改善効果を得ることはできなかった。
特開平03−089361号公報 特開平09−179341号公報
本発明の目的は、従来以上にカブリを改善するトナーを提供することを目的とする。とくに、バックコントラスト制御への依存度を抑制したトナーを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行なった結果、以下のトナーを見出した。すなわち、有機ケイ素重合体及び樹脂Aを含有するトナー粒子を有するトナーであって、前記有機ケイ素重合体は、下記式(2)で表される部分構造を有し、前記トナー粒子は、前記有機ケイ素重合体に含有されるケイ素原子1.000個当たり、式(2)で表される部分構造を0.050個以上含有し、前記トナー粒子の表面のX線光電子分光分析において、前記トナー粒子の表面の、炭素原子の濃度dC、酸素原子の濃度dO、及びケイ素原子の濃度dSiの合計を100.0atomic%としたときに、前記ケイ素原子の濃度dSiが1.0atomic%以上であり、前記樹脂Aは、下記式(1)で表されるイソソルビドユニットを0.1mol%以上30.0mol%以下有する樹脂であることを特徴とするトナー。
Figure 0006316115

R−SiO3/2 式(2)
本発明によれば、低温低湿環境から高温高湿環境のいずれにおいても、幅広いバックコントラスト領域でカブリを抑制できるトナーを提供できる。
有機ケイ素化合物を含有するトナー表層の、表層厚さを定義する概念図 本発明における有機ケイ素化合物のNMR測定例である 本発明が適用できる電子写真装置の一例である 本発明におけるバックコントラストとカブリとの関係を示した一例である 本発明におけるバックコントラストとカブリとの関係を示した一例である 本発明におけるバックコントラストとカブリとの関係を示した一例である
以下、本発明を詳細に説明する。本発明は、有機ケイ素重合体及び樹脂Aを含有するトナー粒子を有するトナーであって、前記有機ケイ素重合体は、式(2)で表される部分構造を有し、前記トナー粒子は、前記有機ケイ素重合体に含有されるケイ素原子1.000個当たり、式(2)で表される部分構造を0.050個以上含有し、前記トナー粒子の表面のX線光電子分光分析において、前記トナー粒子の表面の、炭素原子の濃度dC、酸素原子の濃度dO、及びケイ素原子の濃度dSiの合計を100.0atomic%としたときに、前記ケイ素原子の濃度dSiが1.0atomic%以上であり、前記樹脂Aは、式(1)で表されるイソソルビドユニットを0.1mol%以上30.0mol%以下有する樹脂であることを特徴とするトナーに関する。本発明のトナーは、幅広いバックコントラスト領域でカブリを抑制できる。
まず、バックコントラストについて説明する。バックコントラストとは、前述の通り、静電荷像担持体の非画像部とトナー担持体又は現像剤担持体との電位差のことである。システムにもよるが、おおむね100V前後から200V前後までの間でバックコントラストが設定されている。また、カブリ抑制に非常に重要な制御要素であることから、使用環境や使用枚数を検知して、最適なカブリ抑制を発現できるバックコントラストを設定する制御機構を設けることが通常である。
バックコントラストを小さくしていくと、急激にカブリが増えていくが、これは普通の現象である。バックコントラストが小さくなると、静電荷像担持体と接触したトナーがトナー担持体に戻るためのドライビングフォースが小さくなるからである。よって、一定値以上のバックコントラストが必要である。
一方で、バックコントラストを大きくしていくと、徐々にカブリが増えていく場合がある。場合によってはある値を越えると急激にカブリが悪化することもある。これは、トナーが設計思想と逆極性に帯電しているトナーが存在するからである。
一般的に、各種現像部品やトナーが劣化すると、弊害として認識されない程度にカブリを抑制できるバックコントラストの値が狭くなることが指摘できる。例えば、使用初期では、バックコントラストが80Vから300Vの間でカブリが目に見えない、というシステムがあったとする。しかしながら、耐久による各種部品やトナーの劣化が進むと、100Vから130Vの間が使用可能領域であり、その領域を外れるとカブリ弊害として認識されてしまう、という状況が生じる。程度は状況にもよるが、たいていの場合、このような耐久劣化によるバックコントラストの最適値狭化(この現象を、本明細書においてはカブリラチチュードの低下と表現する)は本質的に避けられない。さらには、弊害として認識されない程度にカブリを抑制できるバックコントラストが設定できないまで劣化が進んだ場合、この弊害を基準として寿命に到達したと判断する場合もある。
また、使用する環境によって、カブリラチチュードが変化する場合もある。低湿環境では、トナーの帯電量がブロードになってカブリが発生し易いため、狭い範囲でバックコントラストを設定しなければならない場合が存在する。高湿環境では、低電量のトナーがどうしても生じてしまうため、最適なバックコントラストが限られてしまう場合が存在する。これらの特徴は、トナーを使用する電子写真装置としては極めて一般的である。
幅広いバックコントラスト領域でカブリを抑制できるトナーが提供できれば、現像制御装置の簡素化、トナー使用量の削減、クリーニング機構の簡素化又はレス化などへ対応が容易となる。次に、本発明のトナーが幅広いバックコントラスト領域でカブリを抑制でき
る理由を考察する。
本発明のトナーは、R−SiO3/2で表される部分構造(式(2))を有している。式(2)で示される有機ケイ素重合体は、Si原子の4個の原子価について、1個はRで示される有機基と、残り3個はO原子と結合している。O原子は、原子価2個がいずれもSiと結合している状態、つまり、シロキサン結合(Si−O−Si)を構成する要素である。有機ケイ素重合体としてのSi原子とO原子を考えると、Si原子2個でO原子3個を有することになるため、−SiO3/2と表現される。すなわち、下記式(3)のような構造である。
Figure 0006316115
この有機ケイ素重合体の−SiO3/2構造は、多数のシロキサン構造で構成されるシリカ(SiO)と類似の性質を有することが考えられる。従って本発明のトナーは、シリカを添加した場合と似た状況を作り出していると考えられる。一方で、Rを含んでいることで、シリカとは違う何らかの作用も持っていると考えられる。
本発明のトナーは、下記式(1)で表されるイソソルビドユニットを有する樹脂Aを含有することも特徴の一つである。従って、この樹脂Aと上記有機ケイ素重合体を共に含んでいることが、幅広いカブリラチチュードを発揮させる重要な因子であると考えられる。そこで、それぞれの役割について考察する。
Figure 0006316115
カブリの原理からすると、低帯電量のトナー及び逆極性に帯電したトナーが少なければ、すなわちトナー帯電量分布が耐久や環境を通して従来以上にシャープであれば、カブリラチチュードが広がると考えられる。そこで、トナー担持体上の本発明トナーの帯電量分布を測定したが、低帯電量のトナー又は逆極性に帯電したトナーが極端に少ない訳ではなかった。よって、帯電量分布以外に何か効果発現の理由があると考えられる。種々の検討を実施した結果、現像する瞬間に何か特異的なことが起こっていることを推定するに至った。
静電荷像担持体とトナー担持体が最も接近する現像部位をトナーが通過する際、トナーには電荷のやり取りが起こっている。なぜなら、トナー担持体上のトナーが現像部位を通過し、そのトナーが現像されずトナー担持体上に留まっている場合でも、帯電量が通過前
後で変化することが観察されるからである。本発明のトナーは、この変化が非常に小さいことを示唆する結果が得られた。帯電量を測定するまでの時間変化により、現像前後の瞬間をとらえることが困難であるため、推定の域を出ないが、以下のようなメカニズムを考えている。
まず、R−SiO3/2で表される部分構造を有する有機ケイ素重合体が、トナー粒子表面に存在する。R−があることで、酸素密度がシリカよりも小さいため、トナー帯電の電荷密度は、シリカの部分よりも恐らく小さいと思われる。一方で、式(1)で表されるイソソルビドユニットを有する樹脂Aがトナーに含有されている。これは、環状構造物上にエーテル結合を2個有するユニットである。環状であるため、この2個のエーテル基の相対的存在位置は変わらないと考えてよい。すなわち、R−SiO3/2で表される部分構造を有する有機ケイ素重合体の酸素が程よい密度であること、相対的存在位置の変わらない2個のエーテル基がトナー粒子中に存在することで、現像部位におけるトナー電荷のやり取りを抑制していると推定している。
現像部位での電荷のやり取りが抑制されることで、カブリが抑制される推定理由を述べる。現像部位通過前後で帯電量が変わるトナーは、詳細な理由は不明な点が多いが、カブリラチチュードが狭い場合がある。本発明のトナーは、現像部位通過前後で帯電量の変化が少ないことが示唆されているが、このこととカブリ特性とを併せて考えてみる。現像部位通過時にトナー帯電量の変化が大きく、カブリラチチュードが低下する場合は、現像部位で逆極性トナーや低帯電量トナーが生じていると考えられる。もし、現像部位でトナー帯電量が変化しても、逆極性トナーや低帯電量トナーが発生しなければ、カブリラチチュードは大きく変わらないと考えられるからである。よって、トナー担持体上でのトナーの帯電量分布がある程度狭く、現像部位でのトナー帯電量の変化が生じない状態を、耐久を通して達成できれば、カブリラチチュードの広い状態が維持されるはずである。これを達成したのが、本発明トナーであると、本発明者らは考えている。
本発明に係るトナー粒子は、本発明に係る有機ケイ素重合体に含有されるケイ素原子1.000個当たり、式(2)で表される部分構造を0.050個以上含有していることが必要である。これは、トナー粒子に含まれる有機ケイ素重合体のケイ素のうち、5.0%以上が−SiO3/2で表される部分構造を有していることを意味している。−SiO3/2骨格は、耐久性向上と電荷密度適正化を得るために必要な要素であると考えられ、5.0%以上この構造を含有させる必要があると解釈している。この部分構造が0.050個未満であると、耐久を通して本発明の効果が発揮しにくくなる。
例えば、Si原子の4つの原子価のうち、3つが酸素と結合してさらにそれら酸素がSi原子と結合することが、−SiO3/2の意味であるが、そのうち1つがSiOHであったとすると、そのケイ素の部分構造は、R−SiO2/2−OHで表現される。この構造では、ジメチルシリコーンに代表される2置換シリコーン樹脂に類似している。推定だが、−SiO3/2の構造が5.0%未満であると、樹脂的性質が支配的となり、5.0%以上であると、シリカのような硬い性質が発現し始めると考えられる。それが、耐久しても効果が衰えにくい一因であると推定する。
一方で、SiOのような構造が支配的であった場合、硬い性質が支配的となり、耐久劣化には効果があると考えられる。しかしこの場合、恐らくは酸素の密度が高いため、広いカブリラチチュードが得られにくくなる。好ましくは、トナー粒子中に含有されるケイ素原子1.000個当たり、上記式(2)で表される部分構造が0.400個以上である。より一層構造が強化され、また恐らくは酸素密度の適正化による帯電安定性向上が図られるためである。一方、構造安定化による耐久性向上と帯電安定性の観点より、トナー粒子中に含有される有機ケイ素原子1.000個当たり、上記式(2)で表される部分構造が、1.000個以下であることが好ましい。すなわち、種々の手段で1.000個に近
づけることが最も好ましい。該ケイ素原子1.000個当たりの、式(2)で表される部分構造の量は、式(2)の部分構造を形成させる際の反応温度や、反応時のpHにより制御することができる。
本発明のトナー粒子の表面のX線光電子分光分析において、前記トナー粒子の表面の、炭素原子の濃度dC、酸素原子の濃度dO、及びケイ素原子の濃度dSiの合計を100.0atomic%としたときに、前記ケイ素原子の濃度dSiが1.0atomic%以上であることも必要である。摩擦帯電はトナー表面で起きるため、本発明の有機ケイ素化合物が表面に存在することが必要であり、本発明の効果を発揮する必要条件の一つである。より好ましくは、9.0atomic%以上である。一方、前記ケイ素原子の濃度dSiは、構造安定性の観点より、28.6atomic%以下であることが好ましく、28.6atomic%に近いほど、より好ましい。
通常考えられるトナー粒子の主要原子は、炭素(C)、酸素(O)であり、本発明においては、トナー粒子表面にケイ素(Si)原子が存在した場合、そのSi原子にO原子が結合している部分が必ず存在するはずである。そして、本発明で規定した量の−SiO3/2が存在するはずである。よって、dSiが上記範囲であることで、トナー粒子の表面に、本発明に係る有機ケイ素重合体が存在することを表し、これにより上記性能が向上すると考えられる。前記トナー粒子の表面のケイ素原子の濃度dSiは、式(2)のRの炭素数や、式(2)の部分構造を形成させる際の反応温度、あるいは反応時のpHにより制御することができる。
本発明のトナー粒子は、式(1)で表されるイソソルビドユニットを0.1mol%以上30.0mol%以下有する樹脂Aを含有している。前述の通り、このユニットは環状構造物上にエーテル結合を2個有しており、環状であるため、この2個のエーテル基の相対的存在位置は変わらないことが効果発現のメカニズムと推定している。前記有機ケイ素重合体の存在と併せて、本発明の効果を発現させる必要条件が、樹脂中に式(1)で表されるイソソルビドユニットを0.1mol%以上30.0mol%以下組み込まれた樹脂を使用することである。
イソソルビドユニットが0.1mol%以下の場合、樹脂Aのポリマー鎖内のイソソルビドユニットの存在割合が少なすぎるため、カブリラチチュード維持効果に寄与する特性が損なわれてしまう。一方、イソソルビドユニットは吸湿性を有しており、イソソルビドユニットが30.0mol%を超える場合、樹脂Aの吸湿特性が強く働きすぎるため、高湿環境下でのトナーの帯電量が低下する。恐らくはこの吸湿性が原因で、樹脂Aのイソソルビドユニット量が30.0mol%を越えると、高湿環境におけるカブリラチチュードの低下が起こる。樹脂A中の該イソソルビドユニットの含有量は、1.0mol%以上15.0mol%以下であることが好ましい。
有機ケイ素重合体をトナー粒子表面に露出させたときの、さらなる好条件として、この有機ケイ素重合体にてトナー粒子に表面層を形成させることである。具体的には、前記トナー粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた断面観察において規定できるが、詳細は後述する。前記有機ケイ素重合体を含有する表面層の平均厚みDav.が5.0nm以上であることが好ましい。この表面層により、カブリラチチュード拡大効果のみならず、摺擦や圧力と言った耐久によるトナー劣化要因からトナー粒子を守ることができる。よって、広いカブリラチチュードのさらなる維持が可能となる。より好ましくは、前記平均厚みが10.0nm以上である。一方、前記平均厚みは、高湿環境でのカブリ性能の観点から、150.0nm以下であることが好ましく、100.0nm以下であることがより好ま
しい。
また、本発明においては、有機ケイ素重合体を含有するトナー粒子の表面層の厚みが2.5nm以下である分割軸の数の割合(以下、表面層の厚み2.5nm以下の割合ともい
う)が、20.0%以下であることが好ましく、より好ましくは10.0%以下である。
また、有機ケイ素重合体を含有するトナー表面層の厚みが2.5nm以下である分割軸の数の割合が20.0%以下であることで、広範な環境や厳しい使われ方においても、優れた耐久性を有するトナーを得ることができる。この条件は、トナー粒子の表面層の面積のうち、少なくとも80.0%以上が、2.5nm以上の有機ケイ素重合体を含む表面層で構成されていることを近似している。そのため、本条件を満たすと、−SiO3/2構造による高耐久性が強く発現すると考えられ、トナー粒子中の樹脂Aとの作用と相まって、カブリラチチュードの耐久持続性が大幅に向上する。
上記有機ケイ素重合体を含有するトナー粒子表面層の平均厚みDav.及び上記表面層の厚み2.5nm以下の割合は、有機ケイ素重合体形成時におけるトナー粒子の製造方法、有機ケイ素重合体形成時の加水分解、重合時の反応温度、反応時間、反応溶媒及びpHによって制御することができる。また、有機ケイ素重合体の含有量によっても制御することができる。
本発明において、有機ケイ素重合体の部分構造である前記式(2)におけるRが、メチル基又はエチル基であることがより好ましい。これにより、本発明におけるカブリラチチュード拡大効果がより強く発揮される。酸素の密度が効果発揮に好ましい状態になると、本発明者らは推定している。
本発明に用いられる有機ケイ素重合体は、下記式(4)で表される構造を有する有機ケイ素化合物を重合して得られる有機ケイ素重合体であることが好ましい。
Figure 0006316115
(式(4)中、R1は飽和炭化水素基又はアリール基を表し、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、アセトキシ基又はアルコキシ基を表す。)
上記R2、R3及びR4が、加水分解、付加重合及び縮合重合することで、−Si−O−Si−構造を得やすく、条件をコントロールしやすいためである。R2、R3及びR4が、アルコキシ基であることが、重合条件のコントロール性とシロキサン構造の形成し易さの点で、好ましい。有機ケイ素重合体のトナー粒子表面への析出性と被覆性の観点から、メトキシ基やエトキシ基がより好ましい。なお、R2〜R4の加水分解、付加重合及び縮合重合は反応温度、反応時間、反応溶媒及びpHによって制御することができる。
また、R1の飽和炭化水素基としては炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、メチル基、エチル基又はブチル基であることがより好ましく、メチル基又はエチル基であることがさらに好ましい。R1のアリール基としてはフェニル基が好ましい。例えば、R1がメチル基又はエチル基である有機ケイ素化合物を用いることで、前記式(2)におけるRを、メチル基又はエチル基とすることができる。
本発明の樹脂Aは、ポリエステル樹脂であることが好適である。アルコールと酸との重縮合で得られるポリエステル樹脂において、アルコール成分としてイソソルビドを用いることで、容易にイソソルビドユニットを樹脂中に導入することができるからである。
イソソルビド以外の二価アルコール成分としては、例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.
0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのようなビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールのような脂肪族系のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールAのようなビスフェノールA類が挙げられる。
三価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
また、ポリエステル樹脂を形成するために用いられる酸成分としては下記のものが挙げられる。
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸及びピロメリット酸のような芳香族多価カルボン酸;フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、コハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸のような炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸の脂肪族多価カルボン酸;それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜8)エステル。
それらの中でも特に、ビスフェノール誘導体をアルコール成分とし、二価以上のカルボン酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルを酸成分として、これらを縮重合して得られるポリエステル樹脂を好ましく用いることができる。
本発明において、樹脂Aの含有量は、トナー粒子中の樹脂100.0質量部に対して、1.0質量部以上40.0質量部以下であることが好ましい。
本発明における有機ケイ素重合体を作製するための有機シラン化合物として、具体的に以下が挙げられる。例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、エチルトリアセトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリクロロシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、ブチルメトキシジクロロシラン、ブチルエトキシジクロロシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどが挙げられる。有機ケイ素化合物は単独で用いても、或いは2種類以上を複合して用いてもよい。
一般的に、ゾルゲル反応では、反応媒体の酸性度によって生成するシロキサン結合の結合状態が異なることが知られている。具体的には、媒体が酸性である場合には、水素イオンが一つの反応基(例えばアルコキシ基−OR基)の酸素に親電子的に付加する。次に、水分子中の酸素原子がケイ素原子に配位して、置換反応によってヒドロシリル基になる。水が十分に存在している場合には、H+ひとつで反応基(例えばアルコキシ基−OR基)の酸素をひとつ攻撃するため、媒体中のH+の含有率が少ないときには、ヒドロキシ基への置換反応が遅くなる。よって、シランに付いた反応基のすべてが加水分解する前に重縮合反応が生じ、比較的容易に、一次元的な線状高分子や二次元的な高分子が生成し易い。
一方、媒体がアルカリ性の場合には、水酸化物イオンがケイ素に付加して5配位中間体を経由する。そのため全ての反応基(例えばアルコキシ基−OR基)が脱離しやすくなり
、容易にシラノール基に置換される。特に、同一シランに3個以上の反応基を有するケイ素化合物を用いた場合には、加水分解及び重縮合が3次元的に生じて、3次元の架橋結合の多い有機ケイ素重合体が形成される。また、反応も短時間で終了する。
従って、有機ケイ素重合体を形成するには、アルカリ性の下でゾルゲル反応を進めることが好ましく、水系媒体中で製造する場合には、具体的には、pH8.0以上、反応温度90℃以上、反応時間5時間以上で反応を進めることが好ましい。これによって、より強度の高い、耐久性に優れた有機ケイ素重合体を形成することができる。
次に、本発明のトナー粒子の製造方法について説明する。上記その他の添加物として、本発明の効果に影響を与えない範囲で、以下の樹脂を用いることができる。ポリスチレン、ポリビニルトルエンのようなスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリ酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体のようなスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂。これらは単独又は混合して使用できる。
以下、本発明トナーの具体的製造方法について説明するが、これらに限定されるわけではない。
第一製法としては、重合性単量体、樹脂A、有機ケイ素化合物及び必要に応じて着色剤などその他の添加剤を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に懸濁、造粒し、重合性単量体を重合して本発明のトナー粒子を得る方法である。このトナー粒子は、トナー表面近傍に有機ケイ素化合物がトナー表面に析出した状態で重合されるため、トナー粒子表面に有機ケイ素重合体を含む層を形成させることができる。また、有機ケイ素化合物が均一に析出し易い利点が挙げられる。一方で、樹脂Aは有機ケイ素化合物よりも粒子の内側に閉じ込められる。このような懸濁重合法は、トナー粒子表面の有機ケイ素重合体を含む層の均一性の観点から、最も好ましい製法である。
第二製法としては、トナー母体を得てから水系媒体中で有機ケイ素重合体の表層を形成する方法である。トナー母体は、樹脂A、結着樹脂、及び必要に応じて着色剤などその他の添加剤を溶融混練し、粉砕して得ても良く、樹脂Aを含む結着樹脂粒子、及び必要に応じて着色剤粒子を、水系媒体中で凝集し、会合して得てもよい。あるいは、樹脂Aを含む結着樹脂、シラン化合物及び必要に応じて着色剤などその他の添加剤を、有機溶媒に溶解し製造された有機相分散液を、水系媒体中に懸濁、造粒、重合した後に有機溶媒を除去して得てもよい。
第三製法としては、樹脂A、結着樹脂、有機ケイ素化合物及び必要に応じて着色剤などその他の添加剤を、有機溶媒に溶解し製造された有機相分散液を、水系媒体中に懸濁、造粒、重合した後に有機溶媒を除去してトナー粒子を得る方法である。この方法においても、トナー粒子表面近傍に有機ケイ素化合物がトナー表面に析出した状態で重合される。
本発明において好ましい水系媒体とは、以下のものが挙げられる。水、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、これらの混合溶媒が挙げられる。
上記懸濁重合法における重合性単量体として、以下に示すビニル系重合性単量体が好適に例示できる。スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチル、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンのようなスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートのようなメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、蟻酸ビニルのようなビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトン。
また、重合に際して、用いられる重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ系、又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドのような過酸化物系重合開始剤。これらの重合開始剤は、重合性単量体に対して0.5質量%以上30.0質量%以下の添加が好ましく、単独でも又は併用してもよい。
また、トナー粒子を構成する結着樹脂の分子量をコントロールする為に、重合に際して、連鎖移動剤を添加してもよい。好ましい添加量としては、重合性単量体の0.001質量%以上15.000質量%以下である。
一方、トナー粒子を構成する結着樹脂の分子量をコントロールする為に、重合に際して、架橋剤を添加してもよい。架橋性単量体としては、以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA 日本化薬)、及び以上のアクリレートをメタ
クリレートに変えたもの。
多官能の架橋性単量体としては以下のものが挙げられる。ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシ・ポリエトキシフェニル)プロパン、ジアクリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリールクロレンデート。好ましい添加量としては、重合性単量体に対して0.001質量%以上15.000質量%以下である。
上記懸濁重合の際に用いられる媒体が水系媒体の場合には、重合性単量体組成物の粒子の分散安定剤として以下のものを使用することができる。リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタ珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ。また、有機系の分散剤としては、以下のものが挙げられる。ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン。
また、市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤の利用も可能である。このような界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム。
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、特に限定されず、以下に示す公知のものを使用することができる。
黄色顔料としては、黄色酸化鉄、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキなどの縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物が用いられる。具体的には以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー111、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー180。
橙色顔料としては以下のものが挙げられる。パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK。
赤色顔料としては、ベンガラ、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドC、レーキッドD、ブリリアントカーミン6B、ブリラントカーミン3B、エオキシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキなどの縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメン
トレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド254。
青色顔料としては、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBGなどの銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などが挙げられる。具体的には以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー7、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66。
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。
緑色顔料としては、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGが挙げられる。白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛が挙げられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、非磁性フェライト、マグネタイト、上記黄色系着色剤、赤色系着色剤及び青色系着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。これらの着色剤は、単独又は混合して、さらには固溶体の状態で用いることができる。
なお、着色剤の含有量は、結着樹脂又は重合性単量体100質量部に対して3.0質量部以上15.0質量部以下であることが好ましい。
本発明のトナーには、トナー製造時に荷電制御剤を用いることができ、公知のものが使用できる。これらの荷電制御剤の添加量としては、結着樹脂又は重合性単量体100質量部に対して、0.01質量部以上10.00質量部以下であることが好ましい。
本発明のトナーは、必要に応じて、トナー粒子に各種有機又は無機微粉体を外添し。該有機又は無機微粉体は、トナー粒子に添加した時の耐久性から、トナー粒子の重量平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。
有機又は無機微粉体としては、例えば、以下のようなものが用いられる。
(1)流動性付与剤:シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック及びフッ化カーボン。
(2)研磨剤:金属酸化物(例えばチタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化クロム)、窒化物(例えば窒化ケイ素)、炭化物(例えば炭化ケイ素)、金属塩(例えば硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム)。
(3)滑剤:フッ素系樹脂粉末(例えばフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン)、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム)。
(4)荷電制御性粒子:金属酸化物(例えば酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ)、カーボンブラック。
有機又は無機微粉体は、トナーの流動性の改良及びトナー粒子の帯電均一化のためにト
ナー粒子の表面を処理することもできる。有機又は無機微粉体の疎水化処理の処理剤としては、未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、有機チタン化合物が挙げられる。これらの処理剤は単独で又は併用して用いられてもよい。
以下、本発明に関係する各種測定方法を述べる。
<NMRの測定方法>
固体NMR測定における、測定条件及び試料調製方法は以下の通りである。
「測定条件」
装置:日本電子社製 JNM−EX400
プローブ:6mm CP/MASプローブ
測定温度:室温
基準物質:ポリジメチルシラン(PDMS) 外部基準:−34.0ppm
測定核:29Si (共鳴周波数79.30MHz)
パルスモード:CP/MAS
パルス幅:6.4μsec
繰り返し時間:ACQTM=25.6msec PD=15.0sec
データ点:POINT=4096 SAMPO=1024
コンタクト時間:5msec
スペクトル幅:40kHz
試料回転数:6kHz
積算回数:2000回
試料:測定試料200mg(調製方法は以下)を直径6mmのサンプルチューブに入れる。
測定試料の調製:トナー粒子10.0gを秤量し、円筒濾紙(東洋濾紙製No.86R)に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)200mlを用いて20時間抽出し、円筒濾紙中のろ物を40℃で数時間真空乾燥して得られたものをNMR測定用のサンプルとする。
なお、本発明において、トナーに上記有機微粉体又は無機微粉体が外添されている場合は、下記方法によって、該有機微粉体又は無機微粉体を除去し、トナー粒子を得る。
イオン交換水100mLにスクロース(キシダ化学製)160gを加え、湯せんをしながら溶解させ、ショ糖濃厚液を調製する。遠心分離用チューブに上記ショ糖濃厚液を31gと、コンタミノンN(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を6mL入れ分散液を作製する。この分散液にトナー1.0gを添加し、スパチュラなどでトナーのかたまりをほぐす。
遠心分離用チューブをシェイカーにて350spm(strokes per min)、20minで振とうする。振とう後、溶液をスイングローター用ガラスチューブ(50mL)に入れ替えて、遠心分離機にて3500rpm、30minの条件で分離する。この操作により、トナー粒子と外れた外添剤が分離する。トナーと水溶液が十分に分離されていることを目視で確認し、最上層に分離したトナーをスパチュラなどで採取する。採取したトナーを減圧濾過器で濾過した後、乾燥機で1時間以上乾燥し、トナー粒子を得る。この操作を複数回実施して、必要量を確保する。
上記測定後に、トナー粒子の、置換基及び結合基の異なる複数のシラン成分をカーブフィティングにて下記Q1構造、Q2構造、Q3構造、及びQ4構造にピーク分離して、ピークの面積比から各成分のモル%を算出する。
カーブフィティングは日本電子社製のJNM−EX400用ソフトのEXcalibu
r for Windows(登録商標) version 4.2(EX series)を用いた。メニューアイコンから「1D Pro」をクリックして測定データを読み込む。
次に、メニューバーの「Command」から「Curve fitting functinon」を選択し、カーブフィティングを行った。その一例を図2に示す。合成ピーク(b)と測定結果(d)の差分である合成ピーク差分(a)のピークが最も小さくなるようにピーク分割を行った。
Q1構造の面積、Q2構造の面積、Q3構造の面積、Q4構造の面積を求めて以下の式によりSQ1、SQ2、SQ3、SQ4を求めた。
Q1構造:(Ri)(Rj)(Rk)SiO1/2 式(6)
Q2構造:(Rg)(Rh)Si(O1/2式(5)
Q3構造:RfSi(O1/2式(8)
Q4構造:Si(O1/2 式(7)
Figure 0006316115

(式(8)、(5)及び(6)中のRf、Rg、Rh,Ri、Rj、及びRkはケイ素に結合している有機基、ハロゲン原子、水酸基又はアルコキシ基を示す。)
本発明では化学シフト値でシランモノマーを特定して、トナー粒子の29Si−NMRの測定において全ピーク面積からQ1構造の面積とQ2構造の面積とQ3構造の面積とQ4構造の面積の合計を有機ケイ素重合体の全ピーク面積にした。
SQ1+SQ2+SQ3+SQ4=1.000
SQ1={Q1構造の面積/(Q1構造の面積+Q2構造の面積+Q3構造の面積+Q4構造の面積)}
SQ2={Q2構造の面積/(Q1構造の面積+Q2構造の面積+Q3構造の面積+Q4
構造の面積)}
SQ3={Q3構造の面積/(Q1構造の面積+Q2構造の面積+Q3構造の面積+Q4構造の面積)}
SQ4={Q4構造の面積/(Q1構造の面積+Q2構造の面積+Q3構造の面積+Q4構造の面積)}
本発明においては、トナー粒子中に含有される有機ケイ素原子1.000個当たり、下記式(2)で表される部分構造を0.050個以上含有している。この測定方法において、−SiO3/2構造を示す値は上記SQ3である。この値が、0.050以上であることが本発明の条件である。

R−SiO3/2 式(2)
[式(2)で表される部分構造の確認方法]
式(2)のRで表される有機基の有無は、13C−NMRにより確認した。
また、式(2)の詳細な構造はH−NMR,13C−NMR及び29Si−NMRに
より確認した。使用した装置及び測定条件を以下に示す。
「測定条件」
装置:BRUKER製 AVANCE III 500
プローブ:4mm MAS BB/1H
測定温度:室温
試料回転数:6kHz
試料:測定試料(上記NMR測定用のトナー粒子のTHF不溶分)150mgを直径4mmのサンプルチューブに入れた。
当該方法にて、式(2)のRで表される有機基の有無を確認した。シグナルが確認できたら、式(2)の構造は“あり”とした。
13C−NMR(固体)の測定条件」
測定核周波数:125.77MHz
基準物質:Glycine(外部標準:176.03ppm)
観測幅:37.88kHz
測定法:CP/MAS
コンタクト時間:1.75ms
繰り返し時間:4s
積算回数:2048回
LB値:50Hz
<透過型電子顕微鏡(TEM)を用いたトナー粒子の断面観察によって測定される、トナー粒子の表面層の平均厚みDav.及び表面層の厚みが2.5nm以下の割合の測定方法>
本発明において、トナー粒子の断面観察は以下の方法により行う。
トナー粒子の断面を観察する具体的な方法としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナー粒子を十分分散させた後、40℃の雰囲気下で2日間硬化させる。得られた硬化物からダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサンプルを切り出す。このサンプルを透過型電子顕微鏡(FEI社製電子顕微鏡Tecnai TF20XT)(TEM)で1万〜10万倍の倍率に拡大し、トナー粒子の断面を観察する。
本発明においては、用いる樹脂と有機ケイ素化合物の中の原子の原子量の違いを利用し、原子量が大きいとコントラストが明るくなることを利用して確認を行っている。さらに、材料間のコントラストを付けるためには四三酸化ルテニウム染色法及び四三酸化オスミウム染色法を用いる。
当該測定に用いた粒子は、上記TEMの顕微鏡写真より得られたトナー粒子の断面から円相当径Dtemを求め、その値が後述の方法により求めたトナー粒子の重量平均粒径の±10%の幅に含まれるものとした。
上述のように、FEI社製電子顕微鏡Tecnai TF20XTを用い、加速電圧200kVでトナー粒子断面の明視野像を取得する。次にGatan社製EELS検出器GIF Tridiemを用い、Three Window法によりSi−K端(99eV)のEFマッピング像を取得して表面層に有機ケイ素重合体が存在することを確認する。
次いで、円相当径Dtemがトナー粒子の重量平均粒径の±10%の幅に含まれるトナー粒子1個について、トナー粒子断面の最大径である長軸Lと、長軸Lの中心を通りかつ垂直な軸L90の交点を中心にして、トナー粒子断面を均等に16分割する(図1参照)。すなわち、該長軸Lの中点を通り、且つ、前記中点における交差角が均等(交差角は11.25°)になるように前記断面を横断する直線を16本ひくことにより、前記中点から前記トナー粒子の表面まで32本の線分を形成する。次に、該中心からトナー粒子の表層へ向かう線分(分割軸)をそれぞれAn(n=1〜32)、線分(分割軸)の長さをRAn、有機ケイ素重合体を含有するトナー粒子の表面層の厚みをFRAnとする。
そして、該線分(分割軸)上の32箇所の有機ケイ素重合体を含有するトナー粒子の表面層の平均厚みDav.を求める。さらに、32本存在する各線分上における有機ケイ素重合体を含有するトナー粒子の表面層の厚みが2.5nm以下である線分の数の割合を求める。
本発明では、平均化するため、トナー粒子10個の測定を行い、トナー粒子1個あたりの平均値を計算した。
「透過型電子顕微鏡(TEM)写真より得られたトナー粒子の断面から求めた円相当径(Dtem)」
TEM写真より得られたトナー粒子の断面から求めた円相当径(Dtem)は以下の方法で求める。まず、1つのトナー粒子に対して、TEM写真より得られるトナー粒子の断面から求めた円相当径Dtemを下記式に従って求める。
[TEM写真より得られたトナー粒子の断面から求めた円相当径(Dtem)]=(RA1+RA2+RA3+RA4+RA5+RA6+RA7+RA8+RA9+RA10+RA11+RA12+RA13+RA14+RA15+RA16+RA17+RA18+RA19+RA20+RA21+RA22+RA23+RA24+RA25+RA26+RA27+RA28+RA29+RA30+RA31+RA32)/16
トナー粒子10個の円相当径を求め、粒子1個あたりの平均値を計算してトナー粒子の断面から求めた円相当径(Dtem)とする。
[トナー粒子の表面層の平均厚み(Dav.)の測定]
トナー粒子の表面層の平均厚み(Dav.)は以下方法で求める。
まず、1つのトナー粒子の表面層の平均厚みD(n)を以下の方法で求める。
(n)=(分割軸上における表面層の厚みの32箇所の合計)/32
平均化するためトナー粒子10個のトナー粒子の表面層の平均厚みD(n)(n=1〜10)を求め、トナー粒子1個あたりの平均値を計算してトナー粒子の表面層の平均厚み(Dav.)とする。
Dav.={D(1)+D(2)+D(3)+D(4)+D(5)+D(6)+D(7)+D(8)+D(9)+D(10)}/10
[表面層の厚み2.5nm以下の割合の測定]
[表面層の厚み(FRAn)が2.5nm以下である割合]=〔{表面層の厚み(FRAn)が2.5nm以下である分割軸の数}/32〕×100
この計算をトナー粒子10個に対して行い、得られた10個の表面層の厚み(FRAn)が2.5nm以下である割合の平均値を求め、トナー粒子の表面層の厚み(FRAn)
が2.5nm以下である割合とした。
<トナー粒子の重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)の測定方法>
トナー粒子の重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター
Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー粒子約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー粒子を分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径
(D1)である。
<トナー粒子の表面に存在するケイ素原子の濃度(atomic%)>
トナー粒子の表面に存在するケイ素原子の濃度[dSi](atomic%)、炭素原子の濃度[dC](atomic%)及び酸素原子の濃度[dO](atomic%)は、X線光電子分光分析(ESCA:Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)を用いた表面組成分析を行い算出した。
本発明では、ESCAの装置及び測定条件は、下記の通りである。
使用装置:ULVAC−PHI社製 Quantum2000
X線光電子分光装置測定条件: X線源 Al Kα
X線:100μm 25W 15kV
ラスター:300μm×200μm
PassEnergy:58.70eV StepSize:0.125eV
中和電子銃:20μA、1V Arイオン銃:7mA、10V
Sweep数:Si 15回、C 10回 O 10回
本発明では、測定された各元素のピーク強度から、PHI社提供の相対感度因子を用いて、トナー粒子の表面層に存在する、ケイ素原子の濃度[dSi]、炭素原子の濃度[dC]、酸素原子の濃度[dO](いずれも、atomic%)を算出した。
そして、トナー粒子の表面層の、炭素原子の濃度dCと酸素原子の濃度dOとケイ素原子の濃度dSiの合計(dC+dO+dSi)を100.0atomic%としたときのケイ素原子の濃度dSiの割合(atomic%)を求めた。
以下、具体的な製造方法、実施例、比較例をもって本発明をさらに詳細に説明するが、これは本発明を何ら限定するものではない。なお、以下の配合における部数は全て質量部である。
(樹脂A−1の製造)
無水トリメリット酸以外の原材料モノマーを表1に示した仕込み量で混合した混合物100質量部と、触媒としてジ(2−エチルヘキサン酸)錫0.52質量部を、窒素導入ライン、脱水ライン、攪拌機を装備した重合タンクに入れ、窒素雰囲気下、200℃で6時間かけて重縮合反応を行った。さらに、210℃に昇温し、無水トリメリット酸を添加して、40kPaの減圧下にて縮合反応を行った。この樹脂を樹脂A−1とする。
なお、表中のイソソルビドとは、下記式(9)の構造を持つ化合物である。
Figure 0006316115
(樹脂A−2〜8の製造)
表1の原材料モノマー仕込み量にて、樹脂A−1と同様の操作を行い、樹脂A−2〜8を製造した。
<ポリエステル系樹脂(1)の製造例>
・テレフタル酸 :11.0mol・ビスフェノールA−プロピレンオキシド2モル付加物(PO−BPA):10.9mol
上記単量体をエステル化触媒とともにオートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置をオートクレーブに装着し、窒素雰囲気下、減圧しながら、常法に従って210℃でTgが68℃になるまで反応を行い、ポリエステル系樹脂(1)を得た。重量平均分子量(Mw)は7,400、数平均分子量(Mn)は3,020であった。
<ポリエステル系樹脂(2)の製造例>
(イソシアネート基含有プレポリマーの合成)
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 725質量部
・フタル酸 290質量部
・ジブチルスズオキサイド 3.0質量部
上記材料を220℃にて攪拌して7時間反応し、さらに減圧下で5時間反応させた後、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート190質量部と2時間反応し、イソシアネート基含有ポリエステル樹脂を得た。イソシアネート基含有ポリエステル樹脂を25質量部とイソホロンジアミン1質量部を50℃で2時間反応させ、ウレア基を含有するポリエステルを主成分とするポリエステル系樹脂(2)を得た。得られたポリエステル系樹脂(2)の重量平均分子量(Mw)は22300、数平均分子量(Mn)は2980、ピーク分子量は7200であった。
<トナー粒子1の製造例>
還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた4つ口容器中にイオン交換水700質量部と0.1モル/リットルのNaPO水溶液1000質量部と1.0モル/リットルのHCl水溶液24.0質量部を添加し、高速撹拌装置TK−ホモミキサーを用いて12,000rpmで撹拌しながら、60℃に保持した。ここに1.0モル/リットルのCaCl水溶液85質量部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca(POを含む水系分散媒体を調製した。その後、以下の原料を用いて、重合性単量体組成物を作製した。
・スチレンモノマー 75.0質量部
・n−ブチルアクリレート 25.0質量部
・ジビニルベンゼン 0.1質量部
・有機ケイ素化合物(メチルトリエトキシシラン) 15.0質量部
・銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3) 6.5質量部
・樹脂A−1 6.0質量部
・荷電制御剤 0.5質量部
(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物)
・離型剤〔べヘン酸ベヘニル〕 10.0質量部
上記原料をアトライター(日本コークス工業社製)で3時間分散させ、重合性単量体組成物とした。次に、この重合性単量体組成物を別の容器に移し、撹拌しながら60℃で20分保持し、その後、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート16.0質量部(トルエン溶液50%)を添加し、撹拌しながら5分間保持した。次に、該重合性単量体組成物を水系分散媒体中に投入し、高速撹拌装置で撹拌しながら、10分間造粒した。その後、高速撹拌装置をプロペラ式撹拌器に変えて、内温を72℃に昇温させ、ゆっくり撹拌しながら5時間反応させた(反応1工程)。pHは5.1であった。次に、1.0N−NaOH10.0質量部加えてpH8.0にし、容器内を温度90℃に昇温して8.0時間維持した(反応2工程)。その後、10%塩酸4.0質量部をイオン交換水50質量部に加え、pHを5.1にした。次に、イオン交換水を300質量部添加して、還流管を取り外し、蒸留装置を取り付けた。容器内の温度が100℃の蒸留を5時間行って残存単量体及びトルエンを取り除き、重合体スラリーを得た(蒸留工程)。30℃に冷却後の重合体スラリーを含む容器内に希塩酸を添加して分散安定剤を除去した。さらに、ろ別、洗浄、乾燥の後、風力分級によって微粗粉をカットし、トナー粒子1とした。トナー粒子1の
処方及び製造条件を表2に示し、物性を表3に示した。
<トナー粒子2〜14、トナー粒子16〜21>
表2に示した重合性単量体組成物の組成量及び製造条件、並びに、表3に示した有機ケイ素化合物の種類に従い、それ以外は上記トナー粒子1の製造例に従い、トナー粒子2〜14及びトナー粒子16〜21を得た。得られた粒子の物性を表3に示す。
<比較トナー粒子1、比較トナー粒子3及び4の製造例>
表2に示した重合性単量体組成物の組成量及び製造条件、並びに、表3に示した有機ケイ素化合物の種類に従い、それ以外は上記トナー粒子1の製造例に従い、比較トナー粒子1、比較トナー粒子3及び4を得た。得られた粒子の物性を表3に示す。
<比較トナー粒子2の製造例>
表2に示した重合性単量体組成物の組成量及び製造条件、並びに、表3に示した有機ケイ素化合物及の種類に従い、また、反応2工程でのNaOH水溶液添加を実施せず、反応2工程終了後の塩酸添加を実施しなかった以外は、上記トナー粒子1の製造例に従い、比較トナー粒子2を得た。得られた粒子の物性を表3に示す。
<トナー粒子15の製造例>
・ポリエステル系樹脂(1) 60.0質量部
・ポリエステル系樹脂(2) 40.0質量部
・樹脂A−4 6.0質量部
・銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3) 6.5質量部
・有機ケイ素化合物(メチルトリエトキシシラン) 15.0質量部
・荷電性制御剤 0.1質量部
(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物)
・離型剤〔べヘン酸ベヘニル〕 10.0質量部
上記材料を、トルエン400質量部に溶解して、溶解液を得た。
リービッヒ還流管を備え付けた四つ口容器中にイオン交換水700質量部と0.1モル/リットルのNaPO水溶液1000質量部と1.0モル/リットルのHCl水溶液24.0質量部を添加し、高速撹拌装置TK−ホモミキサーを用いて12,000rpmで撹拌しながら、60℃に保持した。ここに1.0モル/リットルのCaCl水溶液85質量部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca(POを含む水系分散媒体を調製した。
次に上記溶解液100質量部をTK−ホモミキサーで12,000rpmに攪拌しながら、投入し5分間攪拌した。ついでこの混合液を72℃で5時間保持した。pHは5.1であった。1.0N−NaOH:10.0質量部を加え、pHを8.0にした。つぎに、90℃まで昇温して7.5時間保持した。その後、10%塩酸:4.0質量部とイオン交換水:50質量部を加え、pHを5.1にした。イオン交換水を300質量部添加して、還流管を取り外し、蒸留装置を取り付けた。次に、容器内の温度が100℃の蒸留を5時間行って重合体スラリーを得た。重合体スラリーを含む容器内に希塩酸を添加して分散安定剤を除去した。さらに、ろ別、洗浄、乾燥、風力分級による微粗粉カットをして、トナー粒子15を得た。物性を表3に示した。
<実施例1>
図3のような構成を有するタンデム方式のキヤノン製レーザービームプリンタLBP9510Cを改造し、シアンステーションだけでプリント可能とした。また、バックコントラストを任意に設定できるように改造した。このLBP9510C用トナーカートリッジを用い、トナー粒子1を200g充填した。そして、そのトナーカートリッジを低温低湿L/L(10℃/15%RH)、常温常湿N/N(25℃/50%RH)、高温高湿H/
H(32.5℃/85%RH)の各環境下で24時間放置した。各環境下で24時間放置後にトナーカートリッジをLBP9510Cに取り付け、1.0%の印字比率の画像をA4用紙横方向で15,000枚までプリントアウトして、初期と15,000枚出力時(耐久後)のカブリラチチュードの評価を行った。結果を表4に示す。
<カブリラチチュードの評価>
バックコントラストを50Vから400Vまで10V刻みで変化させ、それぞれにおいて全面白地画像(0%の印字比率の画像)をプリントし、「リフレクトメータ」(東京電色社製)にアンバーフィルターを装着して、カブリを測定した。また、その作業を初期及び15,000枚印刷後において実施した。カブリの測定値は、未使用紙の測定値から全面白地画像の測定値を差し引いた、カブリ濃度(%)である。図4、図5及び図6に測定例を示すが、2.0%以内にカブリ濃度が収まっている範囲をカブリラチチュードと定義した。およそ、カブリ濃度が3.5%を越えると画像弊害として認識される傾向にある。従って、カブリ濃度が2.0%以内に収まるカブリラチチュードが50Vを越えると、カブリ制御設計の優位性が発現すると判断した。
<実施例2〜21、比較例1〜4>
表4及び表5に示した各トナー粒子を、実施例1と同様にしてカブリラチチュードの評価を行った。結果を表4及び表5に示す。
Figure 0006316115
表中、TPAはテレフタル酸、IPAはイソフタル酸、TMAはトリメリット酸、BPA(PO)はビスフェノールA−プロピレンオキシド2モル付加物、BPA(EO)はビスフェノールA−エチレンオキシド2モル付加物を表す。
Figure 0006316115
Figure 0006316115
Figure 0006316115
Figure 0006316115
1:感光体、2:現像ローラ、3:トナー供給ローラ、4:トナー、5:規制ブレード、6:現像装置、7:レーザー光、8:帯電装置、9:クリーニング装置、10:クリーニング用帯電装置、11:撹拌羽根、12:駆動ローラ、13:転写ローラ、14:バイアス電源、15:テンションローラー、16:転写搬送ベルト、17:従動ローラ、18:紙、19:給紙ローラ、20:吸着ローラ、21:定着装置

Claims (4)

  1. 有機ケイ素重合体及び樹脂Aを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    前記有機ケイ素重合体は、下記式(2)で表される部分構造を有し、
    前記トナー粒子は、前記有機ケイ素重合体に含有されるケイ素原子1.000個当たり、式(2)で表される部分構造を0.050個以上含有し、
    前記トナー粒子の表面のX線光電子分光分析において、前記トナー粒子の表面の、炭素原子の濃度dC、酸素原子の濃度dO、及びケイ素原子の濃度dSiの合計を100.0atomic%としたときに、前記ケイ素原子の濃度dSiが、1.0atomic%以上であり、
    前記樹脂Aは、下記式(1)で表されるイソソルビドユニットを0.1mol%以上30.0mol%以下有する樹脂であることを特徴とするトナー。
    Figure 0006316115

    R−SiO3/2 式(2)
    (式(2)中、Rは有機基を表す。)
  2. 前記トナー粒子は、前記有機ケイ素重合体を含有する表面層を有するトナー粒子であり、
    前記トナー粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた断面観察において、前記トナー粒子の断面の最大径である長軸Lの中点を通り、且つ、前記中点における交差角が均等(交差角は11.25°)になるように前記断面を横断する直線を16本ひくことにより前記中点から前記トナー粒子の表面まで32本の線分が形成されたとき、前記32本の線分上において、前記有機ケイ素重合体を含有する表面層の平均厚みDav.が、5.0nm以上である請求項1に記載のトナー。
  3. 前記有機ケイ素重合体を含有する表面層の厚みが2.5nm以下である前記線分の数の割合が、20.0%以下である請求項2に記載のトナー。
  4. 前記式(2)におけるRが、メチル基又はエチル基である請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
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