JP6315933B2 - ロータおよびブラシレスモータ - Google Patents
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Description
また、前記ロータマグネットの前記軸方向における前記両端面を保持する前記フランジ部のうち、少なくとも一方の前記フランジ部が前記軸方向から見てクロス状に形成され、前記ロータマグネットの端面には、前記クロス状に形成された前記フランジ部と係合する切欠部が設けられていることを特徴としている。
図1は、実施形態に係るアクチュエータ1の斜視図であり、図2は、図1のA−A線に沿う断面図であり、図3は、第一ケース6の断面図である。
図1から図3に示すように、アクチュエータ1は、例えば、自動車に搭載され、可変ノズル式ターボチャージャのノズルベーンを開閉動作させるために用いられるものであって、ケーシングユニット2内に電動モータ3、変速機構4、および電動モータ3の駆動制御を行う制御基板5を備えている。なお、以下の説明では、電動モータ3のロータ12が回転する際の回転中心軸を中心軸Oという。
ケーシングユニット2は、電動モータ3が内装されている第一ケース6と、変速機構4が内装されている第二ケース7とで構成されている。第一ケース6および第二ケース7は、第一ケース6と第二ケース7との間に平板状のベースプレート8を介装させた状態で、複数のボルト50によって互いに締結固定されている。
第一ケース6の底部6bには、長手方向の一端側に、電動モータ3を固定するための有底筒状の固定部16が突設されている。固定部16は、底部16aを外側に向けた形で設けられている。
ステータ11は、例えば磁性材料からなる板材を軸方向に積層したり、磁性金属粉体を加圧したり(圧粉磁心)することにより形成されたものであって、周壁を形成するコア本体13と、コア本体13から径方向の内側に向かって突設された複数のティース部14と、が一体成形された一般的な構造となっている。
ティース部14は、巻線15を巻装する部分であって、周方向に等間隔で設けられている。ティース部14は、軸方向平面視でT字状に形成されており、ティース部14の先端部14aがステータ11の内周部を形成している。各ティース部14には、それぞれインシュレータ56が装着され、このインシュレータ56を介して各ティース部14に巻線15が巻装されている。
固定部16は、ティース部14の先端部14aのみが露出可能なように、有底筒状に形成されている。
固定部16の開口縁16bには、軸方向に沿って突出するリング状の立ち上がり部19が設けられている。また、固定部16の底部16aには、径方向の略中央にボス部42が形成されており、ここに軸受18が設けられている。軸受18は、ロータ12のシャフト部材17の端部を回転自在に軸支するためのものである。
ロータ12は、ステータ11の径方向の内側において、中心軸O周りに回転可能に配置されている。ロータ12の詳細については後述する。
第一段差部9には、平面視略長方形状のベースプレート8が内周面6cに内嵌された状態で配置されている。また、第一段差部9の段差面9aには、全周にわたって溝59が形成され、ここに段差面9aとベースプレート8との合わせ面をシールするためのパッキン60が設けられている。
第二段差部10には、制御基板5が配置されている。図2、図3および図4に示すように、制御基板5は、平面視で長方形状に形成されており、周縁に沿って位置決め孔33が6箇所形成されている。第二段差部10には、制御基板5の位置決め孔33に対応する部位に、位置決めピン34が突設されている。この位置決めピン34に制御基板5の位置決め孔33が嵌合することによって、制御基板5の第一段差部9上でのガタつきを抑えることができるようになっている。
また、制御基板5には、第二ケース7側の面に、変速機構4に設けられた変速機構側センサマグネット28の磁界の変化を示す情報として検出する磁気抵抗素子29が実装されている。
この他に、制御基板5には、長手方向の電動モータ3とは反対側端の一側と、長手方向における略中央の一側とに、それぞれ後述する雑防素子を実装するための接続端子5a,5bが設けられている。
ターミナルユニット121は、コンデンサ30、およびインダクタ31から制御基板5の接続端子5a,5bに至る間に延在する不図示のターミナルを有している。また、ターミナルユニット121は、後述するコネクタ35の端子37と一体化された不図示のコネクタ用ターミナルを有している。コネクタ用ターミナル(不図示)は、コネクタ35の端子37と制御基板5の接続端子5aとの間を跨るように形成されている。
収納部32の凸部32aは、コンデンサ30、およびインダクタ31を収納可能な突出高さに設定されているので、固定部16やコネクタ35の突出高さと比較して低くなる。
図2および図5に示すように、第一ケース6の第一段差部9に設けられたベースプレート8には、電動モータ3のシャフト部材17に対応する部位に、軸受ハウジング39が設けられている。この軸受ハウジング39には、シャフト部材17の他端を回転自在に軸支するための軸受38が設けられている。また、軸受ハウジング39には、第一ケース6とは反対側に挿通孔40が形成されている。シャフト部材17の他端に設けられたピニオンギア41は、軸受ハウジング39の挿通孔40から第二ケース7側に向かって突出している。そして、第二ケース7に内装されている変速機構4に噛合い、変速機構4にシャフト部材17の回転力を伝達する。
第二ケース7は、この外周縁が第一ケース6に内嵌された状態で固定されている。すなわち、ベースプレート8は、第二ケース7の周壁7bの端面7cと第一ケース6の第一段差部9の段差面9aとで挟持された状態になっている。このため、ケーシングユニット2の内部は、ベースプレート8によって第一ケース6側のモータ室86と、第二ケース7側のギア室43とに区画された状態になる。
ここで、ベースプレート8が第一ケース6の第一段差部9に配置されることによって、第一ケース6の第二段差部10に配置された制御基板5は、モータ室86内に存在している状態になる。
変速機構4の第一ギア44は、電動モータ3のシャフト部材17に取り付けられているピニオンギア41と噛合う大径歯車44aと、この大径歯車44aよりも小さい小径歯車44bとが一体成形されたものである。第一ギア44は、第一アイドラ軸48に回転自在に軸支されている。第一アイドラ軸48は、両端がそれぞれベースプレート8と第二ケース7の底部7dとに支持されている。
図2、図6(a)および図6(b)に示すように、セクタギア46は、略円板状の歯車本体61と、歯車本体61の径方向における略中央に設けられ、歯車本体61の軸方向に延びる有底円筒部62とが一体成形されたものである。
歯車本体61には、第一ケース6側の面に平面視環状の溝63が形成されており、ここに平面視C字状の凸部79が形成されている。凸部79が形成された溝63には、リターンスプリング(不図示)が設けられている。リターンスプリングは、セクタギア46が回動した際、セクタギア46に対して初期位置への復帰習性を付与するためのものである。なお、アクチュエータ1の仕様によっては、歯車本体61の溝63にリターンスプリングを設けずに、セクタギア46に初期位置への復帰習性を付与しなくてもよい。
また、出力軸47の先端側には、先端に向かうに従って徐々に先細りとなるように形成された先細り部67が設けられており、ここにセレーション68が形成されている。
セクタギア46は、有底円筒部62に設けられている縮径部76の段差面76aがベースプレート8の軸受73の内輪に当接するとともに、有底円筒部62の先端が第二ケース7の軸受75の内輪に当接することによって軸方向への移動が規制されている。
シャフト部材17の先細り部67に形成されているセレーション68には、出力アーム69が取り付けられる(図1参照)。この出力アーム69は、例えば、可変ノズル式ターボチャージャのノズルベーンに連係されるものである。出力軸47の先細り部67よりも先端側には、雄ネジ部70が設けられており、ここにナット71を螺入することによって出力アーム69が出力軸47に締結固定されるようになっている。
続いて、ロータ12について説明する。
図7は、ロータ12の斜視図である。
図7に示すように、ロータ12は、主にロータマグネット90と、ロータ側センサマグネット96と、ピニオンギア41と、シャフト部材17と、を備えている。ロータ12の回転中心となるシャフト部材17の中心軸は中心軸Oと一致している。なお、以下の説明では、中心軸Oに沿う方向を軸方向といい、軸方向に直交する方向を径方向といい、中心軸O周りに周回する方向を周方向という。
図2、図7および図8に示すように、ロータマグネット90は、例えばNdFeB(ネオジム−鉄−ボロン)系の磁石粉末からなる異方性希土類ボンド磁石であって、円環筒状に形成されている。
ロータマグネット90の外周面91には、周方向にわたって磁極が形成されており、N極およびS極が周方向に交互となるように着磁されている。
ロータマグネット90の内周面92には、軸方向における中央部に、他の部分とは内径の異なる異径部93が形成されている。異径部93は、径方向の内側に向かって突出するとともに、内周面92の全周にわたって形成された凸条に形成されている。これにより、異径部93は、ロータマグネット90の内周面92において、異径部93以外の部分よりも内径が小さくなっている。
ロータマグネット90の軸方向における両端面90a,90bのうち、他端面90bには、切欠部90cが形成されている。切欠部90cは、例えば軸方向に切欠き形成されており、例えば周方向に90°ピッチで4か所に設けられている。
ロータ側センサマグネット96は、各ホール素子25と軸方向で対向した状態になっている。これにより、各ホール素子25は、ロータ12の回転にともなって変化するロータ側センサマグネット96の磁界を検出するとともに、それぞれ60度位相のずれた正弦波アナログ信号を出力している。
ロータマグネット90の異径部93と、シャフト部材17の異径溝部20との係合代(すなわち異径部93の高さ)は、シャフト部材17をアウトサート成型する際に、溶融した樹脂材料が冷却されて収縮する際のシャフト部材17の反り量やヒケ量を考慮して設定される樹脂の収縮抑制対策となっている。具体的には、シャフト部材17をロータマグネット90に対してアウトサート成型した後、シャフト部材17に反りやヒケが発生してシャフト部材17の外径が小径化した場合や変形した場合でも、ロータマグネット90の異径部93とシャフト部材17の異径溝部20とが係合可能なように設定されている。したがって、シャフト部材17に反りやヒケが発生し、ロータマグネット90の内周面92とシャフト部材のロータマグネット保持面17aとの接触面積が減少した場合であっても、シャフト部材に対するロータマグネットの軸方向のガタつきを抑制できる。すなわち、異径部93は、シャフト部材17に対するロータマグネット90の軸方向のガタつきを抑制する規制部として機能している。
第一フランジ部21aは、軸方向から見て正方形状に形成されており、ロータマグネット90の一端面90aと当接している。また、第二フランジ部21bは、軸方向から見てクロス状に形成されており、ロータマグネット90の他端面90bと当接するとともに一部が切欠部90cに対して係合している。これにより、ロータマグネット90は、異径部93と第一フランジ部21aおよび第二フランジ部21bとにより、ロータマグネット90の軸方向への移動が規制されるとともに、第二フランジ部21bとロータマグネット90の切欠部90cとの係合により周方向への回転が規制される。すなわち、ロータマグネット90は、シャフト部材17に対して相対移動不能となっている。
図9は、実施形態の変形例に係るロータ12の斜視図であり、図10は、シャフト部材17の中心軸Oを含む実施形態の変形例に係るロータ12の側面断面図である。
続いて、実施形態の変形例に係るロータ12について説明する。
実施形態に係るロータ12は、ロータ側センサマグネット96がフェライト等により円環状に形成されて、シャフト部材17と一体成型されていた(図7参照)。
これに対して、図9および図10に示すように、実施形態の変形例に係るロータ12は、ロータ側センサマグネット96が、マグネット本体部97と支持プレート部98とにより形成されている点で、実施形態とは異なっている。なお、以下では、実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
支持プレート部98は、例えばステンレス等の非磁性体の金属材料により円盤状に形成されている。
ロータ側センサマグネット96は、支持プレート部98に対してマグネット本体部97をアウトサート成型することにより予め一体成型されている。マグネット本体部97の内周面97aよりも内側において、支持プレート部98の主面98aが外部に露出している。
支持プレート部98におけるマグネット本体部97の形成領域には、支持プレート部98を軸方向に貫通する貫通孔98b(図10参照)が設けられている。支持プレート部98に対してマグネット本体部97をアウトサート成型する際、貫通孔98bには、のちにマグネット本体部97となる溶融したボンド磁石材料が入り込む。したがって、マグネット本体部97と支持プレート部98とは、互いに強固に固着される。
支持プレート部98におけるシャフト部材17の形成領域には、支持プレート部98を軸方向に貫通する貫通孔98c(図10参照)が設けられている。支持プレート部98に対してシャフト部材17をアウトサート成型する際、貫通孔98cには、のちにシャフト部材17となる溶融した樹脂材料が入り込む。したがって、シャフト部材17と支持プレート部98とは、互いに強固に固着される。
11 ステータ
12 ロータ
14 ティース部
17 シャフト部材
21a 第一フランジ部(フランジ部)
21b 第二フランジ部(フランジ部)
90 ロータマグネット
90a 一端面(端面)
90b 他端面(端面)
92 内周面
93 異径部(規制部)
Claims (4)
- 円環状に形成されたロータマグネットと、樹脂材料により形成されるシャフト部材と、を備え、前記ロータマグネットと前記シャフト部材とが互いに同軸上に配置されて一体成型されたロータにおいて、
前記ロータマグネットの内周面には、前記シャフト部材に対する前記ロータマグネットの軸方向のガタつきを抑制する規制部が設けられ、
前記規制部は、前記ロータマグネットの内周面において内径の異なる異径部であり、
前記異径部による前記ロータマグネットと前記シャフト部材との係合代は、前記シャフト部材を樹脂成型した後、冷却する際に変形が発生した場合でも、前記ロータマグネットの前記異径部と前記シャフト部材の異径溝部とが係合可能なように設定されることを特徴とするロータ。 - 請求項1に記載のロータであって、
前記シャフト部材には、前記ロータマグネットの前記軸方向における両端面を保持するフランジ部が形成されていることを特徴とするロータ。 - 請求項2に記載のロータであって、
前記ロータマグネットの前記軸方向における前記両端面を保持する前記フランジ部のうち、少なくとも一方の前記フランジ部が前記軸方向から見てクロス状に形成され、
前記ロータマグネットの端面には、前記クロス状に形成された前記フランジ部と係合する切欠部が設けられていることを特徴とするロータ。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載のロータと、
前記ロータマグネットと対向するように配置された複数のティース部を有するステータと、
を備えたことを特徴とするブラシレスモータ。
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