JP6315263B2 - 耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法及び製造方法、並びに、耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタル - Google Patents

耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法及び製造方法、並びに、耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタル Download PDF

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Description

本発明は、耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法及び製造方法、並びに、それによって得られる、耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルに関する。
ポリマーセメントモルタル(以下、PCMと略称することがある)は、平成13年建設省(現国土交通省)告示第1372号により、鉄筋コンクリートのかぶりに使用してもよい材料とされており、RC(Reinforced−Concrete)構造物等の補修材料として、一般に普及している。しかしながら、PCMは、高温加熱に曝されると、内部の水分やポリマー成分が気化・膨張することで高圧力が発生するため、爆裂(剥離して脱落する現象)を生じる可能性が高いことが知られている。このため、PCMをかぶり部分に使用した鉄筋コンクリート部材が火災加熱を受けると、かぶり部分のPCM層が爆裂によって脱落し、コンクリート部材の耐火性能を著しく低下させてしまう可能性がある。
ここで、非特許文献1には、には、ポリマーセメントモルタル層(PCM層)の厚さが20mm以下で、且つ、ポリマーセメント比(P/C)が4%以下であれば、爆裂が生じ難いことが説明されている。
また、非特許文献2には、従来から市販されているPCMの防火性能等に関して精力的な検討が行われ、爆裂性状は製品によって異なることが報告されている。
一方、上述のような、PCMの爆裂を抑制するため、特許文献1においては、PCMにポリプロピレン短繊維(以下、PP短繊維と略称することがある)を混入させることが提案されている。特許文献1に記載の技術によれば、PCMが火災加熱を受けた際、PP短繊維が気化して微細な空洞が形成され、さらに、これらの空洞が連結されて外部と連通する亀裂が生じることにより、この亀裂から水蒸気が外部に排出されることで、爆裂の発生を抑制できるとされている。
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、爆裂の抑制に用いられるPP短繊維の混入率が0.3〜4.0体積%と大きすぎることから、PP短繊維の混入量が過剰となり、施工性が低下する可能性がある。また、特許文献1では、上述したような、PCMに使用されるポリマー量、即ち、種々のポリマーセメント比に対するPP混入率との関係等が考慮されておらず、PCMの製造に手間やコストがかかる割には、爆裂の発生を最適に制御するのが難しいという問題がある。
また、非特許文献3においては、ポリプロピレン短繊維(PP短繊維)を混入させて耐火被覆を省略した構成の道路トンネル用耐火セグメントに対する補修材料として、PP短繊維を混入させて耐爆裂性能を高めた無機系吹付けモルタル材料を用いることが、本発明者等によって提案されている。しかしながら、非特許文献3に記載の技術においても、上記同様、火災加熱を受けた際にPCM層に爆裂が生じるのを防止するのは難しいという問題があった。
特許第5034691号公報
平成12年建設省(現国土交通省)告示第1399号の解説,国土交通省住宅局編集:平成17年6月1日施行改正建築基準法・同施工例等の解説,ぎょうせい,2005.8 「RC建築物のかぶり厚さの信頼性向上に関する研究」,日本建設業連合会,2013.4 森田武他「無機系吹付け補修材の耐火性状に関する実験検討」,土木学会,第62回年次学術講演会,講演概要集,pp5−604,2007年
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、火災加熱等によって高温に曝された場合であっても、経済性や施工性を低下させることなく、爆裂が生じるのを効果的に防止することが可能な、耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法及び製造方法、並びに、それによって得られる、耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、まず、本発明における第一の発明は、ポリプロピレン短繊維を含み、耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法であって、前記ポリマーセメントモルタルが、ポリマーとして、ネオデカン酸ビニルエステルを含むものであり、下記(1)式で表される、ポリマーセメントモルタル体が火災加熱を受けた場合の、ISO834に規定される標準加熱温度時間曲線での加熱による最大爆裂深さDsp,max(mm)を求める関係式に、下記(2)式又は(3)式で表される係数A、及び、下記(4)式又は(5)式で表される係数Bを代入した際に、前記最大爆裂深さDsp,max=0となる解を下記(6)式又は(7)式から求めることにより、ポリマーセメントモルタル中における前記ポリプロピレン短繊維の混入率β(体積%)を算定することを特徴とする。
sp,max = A×α+B ・・・・・(1)
A = −32.5β+6.00 (但し、0≦β<0.1の場合) ・・・(2)
A = −6.7β+3.42 (但し、0.1≦β≦0.2の場合) ・・・(3)
B = −65.0β−8.0 (但し、0≦β<0.1の場合) ・・・(4)
B = −13.3β−13.17 (但し、0.1≦β≦0.2の場合) ・・・(5)
β = (6.00α−8.00)/(32.5α+65.0) (但し、0≦β<0.1の場合) ・・・(6)
β = (3.42α−13.17)/(6.7α+13.3) (但し、0.1≦β≦0.2の場合) ・・・(7)
但し、上記(1)〜(7)式中において、
α:ポリマーセメント比(P/C)(質量%:0.0≦α≦2.5
β:ポリプロピレン短繊維の混入率(体積%:0.00≦β≦0.2
sp,max:最大爆裂深さ(mm)
A,B:ポリプロピレン短繊維の混入率β(体積%)から決定される係数(−)
である。
このような構成の耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法によれば、上記のように、最大爆裂深さDsp,max=0となる解を上記(1)〜(7)式を用いて求めることで、ポリマーセメントモルタル中におけるポリプロピレン短繊維の混入率β(体積%)を算定する方法なので、ポリマーセメント比αに対して、最適な範囲でポリプロピレン短繊維の混入率β(体積%)を設定することが可能になる。このように、ポリプロピレン短繊維の混入率β(体積%)を適正範囲に設定することで、この混入率が過剰となることによる、例えば、鉄筋コンクリートのかぶりにポリマーセメントモルタルを用いた場合における施工性の低下が生じることがなく、かつ、火災加熱等によって高温に曝された場合でも、爆裂が生じるのを防止できる効果が得られる。従って、優れた施工性及び耐爆裂特性の両方を備え、かつ、低コストであるポリマーセメントモルタルを設計することが可能になる。
また、ポリマーセメントモルタルに含有されるポリマーとして、ネオデカン酸ビニルエステルを用いた設計とすることで、上記同様、火災加熱等によって高温に曝された場合であっても、爆裂が生じるのを防止できる効果がより顕著となるポリマーセメントモルタルが得られる。
また、本発明における第二の発明は、上記構成とされた耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法において、前記ポリプロピレン短繊維が、繊度が17(dtex)以下であることを特徴とする。
このような構成の耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法によれば、ポリプロピレン短繊維として、繊度が17(dtex)以下の細く且つ短いものを用いた設計とすることで、同じ質量又は同じ体積のポリプロピレン短繊維の集合体であれば、集合体中の本数が多くなる。これにより、ポリマーセメントモルタルが火災加熱等を受けた場合に、ポリプロピレン短繊維が消失することでポリマーセメントモルタル中に管状空隙が形成される際、連通した管状空隙のネットワークが形成されるための必要な繊維の本数を確保できる。従って、ポリマーセメントモルタル中の水蒸気や気化したポリマー成分が、管状空隙のネットワークを通じて外部に排出されるので、爆裂が生じるのをより効果的に防止可能なポリマーセメントモルタルが得られる。
また、本発明における第三の発明は、上記構成とされた耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法において、前記ポリプロピレン短繊維の繊維長が3〜20mmの範囲であることを特徴とする。
このような構成の耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法によれば、ポリプロピレン短繊維を、繊維長が20mm以下、好ましくは3〜20mm、より好ましくは5〜10mmの範囲のもので設計することで、良好な施工性を確保しながら、火災加熱等を受けた場合であっても、爆裂が生じるのをさらに効果的に防止可能なポリマーセメントモルタルが得られる。
次に、本発明における第五の発明は、耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの製造方法であって、上記の設計方法によって得られたポリプロピレン短繊維の混入率β(体積%)に基づいてポリプロピレン短繊維を混入させることにより、ポリマーセメントモルタルを製造することを特徴とする。
このような構成の耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの製造方法によれば、上記の設計方法によって得られたポリプロピレン短繊維の混入率β(体積%)に基づいてポリプロピレン短繊維を混入させる方法なので、火災加熱等によって高温に曝された場合であっても、施工性を低下させることなく、爆裂が生じるのを効果的に防止することができ、かつ、低コストであるポリマーセメントモルタルを製造することが可能になる。
次に、本発明における第六の発明は、耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルであって、上記の設計方法、又は、請求項5に記載の製造方法によって得られることを特徴とする。
このような構成の耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルによれば、上記の設計方法又は製造方法によって得られるものなので、上記同様、火災加熱等によって高温に曝された場合であっても、施工性を低下させることなく、爆裂が生じるのを効果的に防止することができ、かつ、低コストであるポリマーセメントモルタルが実現できる。
本発明に係る耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法によれば、上記方法によって、最大爆裂深さDsp,max=0となる、ポリマーセメントモルタル中におけるポリプロピレン短繊維の混入率β(体積%)を算定する方法なので、ポリマーセメント比αに対して、最適な範囲でポリプロピレン短繊維の混入率β(体積%)を設定することが可能になる。このように、ポリプロピレン短繊維の混入率β(体積%)を適正範囲に設定することで、この混入率が過剰となることによる、例えば、鉄筋コンクリートのかぶりにポリマーセメントモルタルを用いた場合における施工性の低下が生じることがなく、かつ、火災加熱等によって高温に曝された場合でも、爆裂が生じるのを防止できる効果が得られる。従って、優れた施工性及び耐爆裂特性の両方を備え、かつ、低コストであるポリマーセメントモルタルを設計することが可能になる。
また、本発明に係る耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの製造方法によれば、上記の設計方法によって得られたポリプロピレン短繊維の混入率β(体積%)に基づいてポリプロピレン短繊維を混入させる方法なので、火災加熱等によって高温に曝された場合であっても、施工性を低下させることなく、爆裂が生じるのを効果的に防止することができ、かつ、低コストであるポリマーセメントモルタルを製造することが可能になる。
また、本発明に係る耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルによれば、上記の設計方法又は製造方法によって得られるものなので、上記同様、火災加熱等によって高温に曝された場合であっても、施工性を低下させることなく、爆裂が生じるのを効果的に防止することができ、かつ、低コストであるポリマーセメントモルタルが実現できる。
本発明の一実施形態である耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法、及び、製造方法、並びに、耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの優位性を確認するために行った実証実験で用いた試験体を示す平面図である。 本発明の一実施形態である耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法、及び、製造方法、並びに、耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの優位性を確認するために行った実証実験で用いた試験体を示す図であり、(a)は、PCM層厚を20mm又は40mmとした場合の垂直断面図、(b)は、PCM層厚を20mmとした場合の水平断面図、(c)は、PCM層厚を40mmとした場合の水平断面図である。 本発明の一実施形態である耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法、及び、製造方法、並びに、耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの優位性を確認するために行った実証実験の結果を説明する図であり、(a)〜(c)は、それぞれ、加熱後の試験体の状態を示す写真である。 本発明の一実施形態である耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法、及び、製造方法、並びに、耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの優位性を確認するために行った実証実験において、PCM層厚を20mmとした場合の最大爆裂深さ、及び、ポリマーセメントモルタルとコンクリートとの境界温度を示すグラフである。 本発明の一実施形態である耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法、及び、製造方法、並びに、耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの優位性を確認するために行った実証実験において、PCM層厚を40mmとした場合の最大爆裂深さ、及び、ポリマーセメントモルタルとコンクリートとの境界温度を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態である耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法及び製造方法、並びに、耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの一例を挙げ、その構成及び優位性について、図1〜図5を適宜参照しながら詳述する。
[ポリマーセメントモルタルの設計方法]
本実施形態の耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法は、ポリプロピレン短繊維を含み、耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法である。そして、本実施形態のポリマーセメントモルタルの設計方法は、ポリマーセメントモルタルが、ポリマーとして、ネオデカン酸ビニルエステルを含むものであり、下記(1)式で表される、ポリマーセメントモルタル体が火災加熱を受けた場合の、ISO834に規定される標準加熱温度時間曲線での加熱による最大爆裂深さDsp,max(mm)を求める関係式に、下記(2)式又は(3)式で表される係数A、及び、下記(4)式又は(5)式で表される係数Bを代入した際に、最大爆裂深さDsp,max=0となる解を下記(6)式又は(7)式から求めることにより、ポリマーセメントモルタル中におけるポリプロピレン短繊維の混入率β(体積%)を算定する方法である。
sp,max = A×α+B ・・・・・(1)
A = −32.5β+6.00 (但し、0≦β<0.1の場合) ・・・(2)
A = −6.7β+3.42 (但し、0.1≦β≦0.2の場合) ・・・(3)
B = −65.0β−8.0 (但し、0≦β<0.1の場合) ・・・(4)
B = −13.3β−13.17 (但し、0.1≦β≦0.2の場合) ・・・(5)
β = (6.00α−8.00)/(32.5α+65.0) (但し、0≦β<0.1の場合) ・・・(6)
β = (3.42α−13.17)/(6.7α+13.3) (但し、0.1≦β≦0.2の場合) ・・・(7)
但し、上記(1)〜(7)式中において、
α:ポリマーセメント比(P/C)(質量%:0.0≦α≦2.5
β:ポリプロピレン短繊維の混入率(体積%:0.00≦β≦0.2
sp,max:最大爆裂深さ(mm)
A,B:ポリプロピレン短繊維の混入率β(体積%)から決定される係数(−)
である。
本実施形態の方法で設計されるポリマーセメントモルタル(PCM)は、例えば、鉄筋コンクリートのかぶりや、コンクリートの欠損部の補修に用いられ、優れた耐爆裂性能を有するものである。本発明者等は、上述の非特許文献3に示した無機系吹付けモルタル材料の開発で得られた知見を基に、PCMの耐爆裂性能の向上を目指すべく、PCMの爆裂性状に関する基礎的知見を得ることを目的として、鋭意、実験検討を行った。この結果、ポリマーセメント比(P/C)αに対して、最適な範囲でポリプロピレン短繊維の混入率β(体積%)を設定することで、火災加熱等によって高温に曝された場合であっても、経済性や施工性を低下させることなく、爆裂が発生するのを効果的に防止することが可能になることを見出し、本発明を完成させたものである。
本実施形態の方法で設計されるポリマーセメントモルタルは、例えば、火災時等にポリマーセメントモルタル体が達すると想定される高温、例えば、500℃程度で消失する特性を有するポリプロピレン短繊維を、セメント、砂、水及びポリマーを含むポリマーセメントモルタルに、所定の割合で混入させることで得られるものである。このようなポリマーセメントモルタルは、例えば、JIS A 6203等に規定される方法に従って製造することが可能である。
本実施形態の方法で設計されるポリマーセメントモルタルに含まれるポリマーとしては、特に限定されず、例えば、VeoVa(登録商標)等のネオデカン酸ビニルエステル等、従来からポリマーセメントモルタルに用いられているポリマーを何ら制限無く用いることができる。本実施形態では、ポリマーセメントモルタルを設計するにあたり、ポリマーとして上記のネオデカン酸ビニルエステルを用いることで、詳細を後述するような、火災加熱等によって高温に曝された場合に、PCMに爆裂が生じるのを防止できる効果がより顕著となる。
本実施形態の方法で設計されるポリマーセメントモルタルに混入されるポリプロピレン短繊維(PP短繊維)は、PPからなる紐状の短繊維であり、上述のように、500℃程度で消失する特性を有するものである。
本実施形態の設計方法においては、上記(1)式により、PCM体が建築火災を受けた場合の、ISO834に規定される標準加熱温度時間曲線での加熱による最大爆裂深さDsp,max(mm)から求めるにあたり、最大爆裂深さDsp,max=0となる解を求めることで、ポリマーセメントモルタル中におけるPP短繊維の混入率β(体積%)の最適値を算定する。より具体的には、上記(2)式又は(3)式で表される係数A、及び、上記(4)式又は(5)式で表される係数Bを上記(1)式に代入した際に、最大爆裂深さDsp,max=0となる解を下記(6)式又は(7)式で求める。
上述したように、ポリマーセメントモルタル体が火災加熱を受けた場合の、ISO834に規定される標準加熱温度時間曲線での加熱による最大爆裂深さDsp,max(mm)は、次式{Dsp,max=A×α+B}(上記(1)式)で求められる。この式中において、αはポリマーセメント比(P/C)(質量%)であり、係数Aは、ポリプロピレン短繊維の混入率βから決定され、ポリマーセメント比αに乗じられる係数であり、また、係数Bは、ポリプロピレン短繊維の混入率βから決定され、ポリマーセメント比αに係数Aが乗じられた値に加えられるものである。
上記の係数Aは、次式{A=−32.5β+6.00}(上記(2)式:但し、0≦β<0.1の場合)、又は、次式{A=−6.7β+3.42}(上記(3)式:但し、0.1≦β≦0.35の場合)で表される。
また、上記の係数Bは、次式{B=−65.0β−8.0}(上記(4)式:但し、0≦β<0.1の場合)、又は、次式{B=−13.3β−13.17}(上記(5)式:但し、0.1≦β<0.35の場合)で表される。
これらの式中において、βは、上述したPCM中におけるポリプロピレン短繊維の混入率(体積%)であり、本実施形態の計算方法では、上記(1)式で求められるDsp,maxが0(mm)となる係数A,Bを求めることになるが、これら係数A,Bは、PP短繊維の混入率βによって決定される。また、各係数A,Bは、上記(2),(3)式、及び、(4),(5)式に示したように、何れもPP短繊維の混入率β(体積%)の範囲により、その計算式が決定される。
そして、本実施形態では、次式{β=(6.00α−8.00)/(32.5α+65.0)}(上記(6)式:但し、0≦β<0.1の場合)、又は、次式{β=(3.42α−13.17)/(6.7α+13.3)}(上記(7)式:但し、0.1≦β<0.35の場合)により、上記(1)式において、最大爆裂深さDsp,max=0となるポリマーセメント比αを求める。即ち、本実施形態の設計方法においては、上記(1)〜(7)式により、ポリマーセメントモルタル体が火災加熱を受けた場合のDsp,maxが0(mm)となる、PP短繊維の混入率β(体積%)を算定する。また、上記の各係数A,Bの場合と同様、PP短繊維の混入率β(体積%)についても、上記(6),(7)式に示したように、その混入率β(体積%)の範囲により、その計算式が上記(6)式、又は、上記(7)式の何れかに決定される。
本実施形態の計算方法によれば、最大爆裂深さDsp,max=0となる解を上記(1)〜(7)式を用いて求めることで、ポリマーセメントモルタル中におけるPP短繊維の混入率β(体積%)を算定する方法なので、ポリマーセメント比αに対して、最適な範囲でPP短繊維の混入率βを設定することが可能になる。なお、上記(1)〜(7)式を用いたPP短繊維の混入率βの算定にあたっては、混入率β≧0(体積%)となる解を選択すればよい。
なお、本実施形態の計算方法は、上記のポリマーセメント比α(質量%)が次式{0.0≦α≦10.00}の範囲、ポリプロピレン短繊維の混入率β(体積%)が次式{0.00≦β≦0.35}の範囲である場合に適用されるものである。
一般に、PCM中におけるPP短繊維の混入率βが大き過ぎ、PP短繊維が過剰である場合、例えば、鉄筋コンクリートのかぶり等にPCMを用いるにあたり、施工性が著しく低下するという問題があるが、本実施形態では、上記方法によって最適な範囲でPP短繊維の混入率βを算定できるので、優れた施工性を確保することが可能となる。
また、ポリマーセメント比αに対して、最適な範囲でPP短繊維の混入率βを設定することで、PCM体が火災加熱等を受けた場合に、PP短繊維が消失してPCM中に形成される管状の空隙を十分に確保できる。これにより、PCM中の水蒸気やや気化したポリマー成分が管状空隙のネットワークを通じて外部に効果的に排出されるので、爆裂が生じるのを防止できる。従って、優れた施工性及び耐爆裂特性の両方を備え、かつ、低コストであるポリマーセメントモルタルを設計することが可能になる。
本実施形態の設計方法では、PP短繊維の繊度が17(dtex)以下であることが好ましい。このように、PP短繊維として、繊度が17(dtex)以下を用いてポリマーセメントモルタルを設計することにより、同じ質量又は同じ体積のポリプロピレン短繊維の集合体であれば、集合体中の本数が多くなる。これにより、ポリマーセメントモルタルが火災加熱等を受けた場合に、ポリプロピレン短繊維が消失することでポリマーセメントモルタル中に管状の空隙が形成された際、連通した管状空隙のネットワークが形成されるための必要な繊維の本数を確保できる。従って、ポリマーセメントモルタル中の水蒸気や気化したポリマー成分が管状空隙のネットワークを通じて外部に排出されるので、爆裂が生じるのをより効果的に防止可能なポリマーセメントモルタルを得ることが可能となる。
また、本実施形態の設計方法では、PP短繊維として、繊維長が20mm以下、好ましくは3〜20mm、より好ましくは5〜10mmの範囲であるものを採用することが好ましい。このように、ポリプロピレン短繊維として、繊維長が上記の範囲のものを用いて設計することで、PCMを用いて鉄筋コンクリートのかぶり層等を形成する際の良好な施工性を確保しながら、火災加熱等を受けた場合であっても、爆裂が生じるのをさらに効果的に防止可能なポリマーセメントモルタルを得ることが可能となる。
以下に、本発明に係る耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法、及び、製造方法、並びに、耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの優位性を確認するために行なった実証実験について説明する。なお、本実証実験においては、ベースコンクリートに設けた模擬欠損部をPCMで修復し、これを加熱した後の状況を確認した。
本実証実験では、ポリマーセメント比(P/C)α、PP短繊維混入率β、PCM層の層厚を実験因子(パラメータ)として、図1の平面図及び図2(a)〜(c)の垂直断面図及び水平断面図に示すような形状及び寸法を有する試験体1を製作した(図2(a)〜(c)中の数字の単位は(mm)である)。この際、PCMとして、表1に示すような仕様を有するものを使用した。このPCMの使用材料は、特殊セメント、硅砂、PP短繊維(17dtex、L=10mm)、ポリマー(VeoVa系)、各種混和材、水であり、ポリマーセメント比αは、0%,2.5%,5.0%,7.5%,10.0%の5水準、PP短繊維の混入率βは0,0.1体積%,0.2体積%の3水準とした。
本実証実験では、図1及び図2(a)〜(c)に示すように、寸法が1200mm×1200mm×200mmとされた普通コンクリート板2に対して、PCM(PCM層4)を用いて部分補修を行ったものと試験体1とした。本実証実験においては、PCMによるコンクリート表層の局所的な部分補修を想定して、図2(a)〜(c)の断面図中に網掛けで示すように、試験体1に対して、予め、250mm角の凹型の模擬欠損部3を形成した。この模擬欠損部3の深さは、補修に用いるPCMの層厚が20mm、40mmの2水準となるように設定した。また、PCM(PCM層4)とコンクリート(普通コンクリート版2)の境界面の温度を測定するため、凹型の模擬欠損部3の底面3aの中心付近にK熱電対(素線径φ0.65mm)を取り付けた。また、試験体数は3体とし、深さが20mm、40mmの模擬欠損部3に対して、表1中に示す13種の配合とされたPCMを用いて吹付け施工を行い、PCM層4とした。なお、図1又は図2(a)〜(c)中に示す符号5(5a,5b)は鉄筋である。
また、普通コンクリート板2の圧縮強度は、材齢28日で34.2N/mm、耐火実験時で42.0N/mmであった。また、耐火実験時におけるPCM(PCM層4)の強度と水分率は、表1中に示した通りである。
本実証実験では、試験体1の加熱には、ガスバーナ4基を備えた小型壁炉(有効加熱面積:1000×1000mm)を使用し、試験体1においてPCMが施工された面、即ち、PCM層4が形成された面を加熱した。この際の加熱温度は、ISO834に規定される標準加熱温度時間曲線に準じ、加熱時間は3時間とした。また、この加熱実験は、コンクリート打設後7ヶ月、PCMによる補修後4ヶ月で実施した。
上記各条件による実験において、図3(a)に示す試験体No.1においては、加熱開始後18分に突然大きな爆裂が発生し、その時点で加熱を中止した。その他、図3(b)に示す試験体No.2、図3(c)に示す試験体No.3については、試験体No.1のような爆裂は発生せず、3時間の加熱を行った。
本実証実験における、加熱後の各試験体の状況を図3(a)〜(c)の写真に示すとともに、最大爆裂深さ、及び、PCMとコンクリートとの境界面における最高温度を図4、5のグラフに示す。ここで、図4のグラフにおいては、PCM層厚を20mmとした場合の最大爆裂深さを示しており、図5のグラフにおいては、PCM層厚を40mmとした場合の最大爆裂深さを示している。また、図3(a)〜(c)においては、表1中に示した各PCMに係る配合名を各写真の対応位置に記しており、図4、5中においても、各PCMに係る配合名を各データに対応させて記している。
図3(a)の写真に示すように、試験体No.1の被加熱面は、ポリマーセメント比αを10質量%としてPCMを施工した部分から、PCM層と同等の厚さで半分程度の面積が剥ぎ取られていた。これは、他のNo.2(図3(b))及びNo.3(図3(c))の試験体における爆裂性状や境界面の最高温度から判断すると、ポリマーセメント比αが10質量%と高すぎることによって爆裂が生じ、引き剥がされたものと推定される。また、本実証実験より、最大爆裂深さは、ポリマーセメント比αが高いほど深くなる傾向が見られることが明らかとなった。
また、表1中に示すPP混入率βが高いほど、爆裂深さは浅くなる傾向が見られ、ポリマーセメント比α=2.5質量%,5.0質量%の場合にはPP短繊維混入率β=0.1体積%で、ポリマーセメント比α=7.5質量%の場合にはPP短繊維混入率β=0.2体積%で、それぞれ爆裂が生じるのを防止できた。一方、ポリマーセメント比α=10質量%では、PP短繊維混入率β=0.2体積%であっても、爆裂が生じるのを防止することはできなかった。
なお、PCMにポリマーが混入されていない場合には、その層厚に関わらず、PP短繊維が無混入であっても爆裂は生じなかった。
上記の実証実験により、ポリマーセメント比αとPP短繊維の混入率βが、PCMの爆裂性状に及ぼす各種傾向が明確になった。そして、PCM中に、PP短繊維を適正量で混入させることにより、PCMの耐火性能(耐爆裂性能)が顕著に向上することが明らかとなった。
なお、本実証実験においては、ポリマーセメント比α=10質量%において、PCMの層厚が40mmの場合よりも、20mmの場合に大きな爆裂が発生し、普通コンクリート板2にも大きな損傷が生じる結果となった。
[ポリマーセメントモルタルの製造方法]
本実施形態の耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの製造方法は、上述した本実施形態の設計方法によって得られたポリプロピレン短繊維の混入率β(体積%)に基づいてポリプロピレン短繊維を混入させることにより、ポリマーセメントモルタルを製造する方法である。
本実施形態の製造方法では、例えば、JIS A 6203等に規定される方法に従い、まず、図示略のミキサー内に所定量の水を供給し、これに、セメント、砂、及び、ポリマーとして上記したネオデカン酸ビニルエステルを、各々所定の割合で投入し、所定の時間で低速撹拌を行って練り混ぜ、ポリマーセメントモルタルを製造する。あるいは、ミキサー内に、砂、セメント、ポリマーを投入し、予めPP短繊維を混入させた水を加えて練り混ぜる方法でポリマーセメントモルタルを製造しても良いし、この際、ポリマーについても、予めPP短繊維とともに水に混入させておいても良い。
次いで、練り混ぜられた状態のポリマーセメントモルタルに対して、ポリプロピレン短繊維を、上記の設計方法によって得られた混入率β(体積%)に基づいた量で添加し、所定の時間で低速撹拌を行って練り混ぜることにより、本実施形態の耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルを製造することができる。
本実施形態の製造方法によれば、上記の設計方法によって得られたポリプロピレン短繊維の混入率β(体積%)に基づいてPP短繊維を混入させる方法なので、上述したような、優れた施工性及び耐爆裂特性の両方を備え、かつ、低コストであるポリマーセメントモルタルを製造することが可能になる。
[ポリマーセメントモルタル]
本実施形態の耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルは、上述した本実施形態の設計方法又は製造方法によって得られるものである。
本実施形態の耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルによれば、上記の設計方法又は製造方法によって得られるものなので、上記各方法の欄で説明したように、施工性を低下させることなく、火災加熱等によって高温に曝された場合であっても、爆裂が生じるのを効果的に防止できるものとなる。従って、優れた施工性及び耐爆裂特性の両方を備え、かつ、低コストであるポリマーセメントモルタルが実現できる。
なお、このようなポリマーセメントモルタルを補修箇所に吹付ける場合には、図示を省略するが、例えば、ミキサーで練り込まれたPCMを圧送するためのポンプと、補修箇所に向けてPCMを吹付ける吹付けノズルとを有する、従来公知の構成を有する吹付け手段を何ら制限無く用いることができる。
[作用効果]
以上説明したように、本実施形態の耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法によれば、上記方法によって、最大爆裂深さDsp,max=0となる、PCM中におけるポリプロピレン短繊維の混入率β(体積%)を算定する方法なので、ポリマーセメント比αに対して、最適な範囲でPP短繊維の混入率β(体積%)を設定することが可能になる。このように、ポリプロピレン短繊維の混入率β(体積%)を適正範囲に設定することで、この混入率が過剰となることによる、例えば、鉄筋コンクリートのかぶりにポリマーセメントモルタルを用いた場合における施工性の低下が生じることがなく、かつ、火災加熱等によって高温に曝された場合でも、爆裂が生じるのを防止できる効果が得られる。従って、優れた施工性及び耐爆裂特性の両方を備え、かつ、低コストであるポリマーセメントモルタルを設計することが可能になるという優れた効果を奏する。
また、本実施形態の耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの製造方法によれば、上記の設計方法によって得られたPP短繊維の混入率β(体積%)に基づいてPP短繊維を混入させる方法なので、火災加熱等によって高温に曝された場合であっても、施工性を低下させることなく、爆裂が生じるのを効果的に防止することができ、かつ、低コストであるPCMを製造することが可能になる。
また、本実施形態の耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルによれば、上記の設計方法又は製造方法によって得られるものなので、上記同様、火災加熱等によって高温に曝された場合であっても、施工性を低下させることなく、爆裂が生じるのを効果的に防止することができ、かつ、低コストであるPCMが実現できる。
なお、以上説明した実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は上記の実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
本発明の耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法、及び、製造方法、並びに、耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルによれば、上記構成を採用することで、優れた施工性及び耐爆裂特性の両方を備え、かつ、低コストであるポリマーセメントモルタルが実現できるものなので、特に、鉄筋コンクリートのかぶりや、コンクリート構造物等の補修用に本発明のポリマーセメントモルタルを用いた場合において、耐火性等の寄与度が高いものである。
1…試験体、
2…普通コンクリート板、
3…模擬欠損部、
3a…底面、
4…ポリマーセメントモルタル(PCM)、
5,5a,5b…鉄筋。

Claims (5)

  1. ポリプロピレン短繊維を含み、耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法であって、
    前記ポリマーセメントモルタルが、ポリマーとして、ネオデカン酸ビニルエステルを含むものであり、
    下記(1)式で表される、ポリマーセメントモルタル体が火災加熱を受けた場合の、ISO834に規定される標準加熱温度時間曲線での加熱による最大爆裂深さDsp,max(mm)を求める関係式に、下記(2)式又は(3)式で表される係数A、及び、下記(4)式又は(5)式で表される係数Bを代入した際に、前記最大爆裂深さDsp,max=0となる解を下記(6)式又は(7)式から求めることにより、ポリマーセメントモルタル中における前記ポリプロピレン短繊維の混入率β(体積%)を算定することを特徴とする、耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法。
    sp,max = A×α+B ・・・・・(1)
    A = −32.5β+6.00 (但し、0≦β<0.1の場合) ・・・(2)
    A = −6.7β+3.42 (但し、0.1≦β≦0.2の場合) ・・・(3)
    B = −65.0β−8.0 (但し、0≦β<0.1の場合) ・・・(4)
    B = −13.3β−13.17 (但し、0.1≦β≦0.2の場合) ・・・(5)
    β = (6.00α−8.00)/(32.5α+65.0) (但し、0≦β<0.1の場合) ・・・(6)
    β = (3.42α−13.17)/(6.7α+13.3) (但し、0.1≦β≦0.2の場合) ・・・(7)
    但し、上記(1)〜(7)式中において、
    α:ポリマーセメント比(P/C)(質量%:0.0≦α≦2.5
    β:ポリプロピレン短繊維の混入率(体積%:0.00≦β≦0.2
    sp,max:最大爆裂深さ(mm)
    A,B:ポリプロピレン短繊維の混入率β(体積%)から決定される係数(−)
    である。
  2. 前記ポリプロピレン短繊維が、繊度が17(dtex)以下であることを特徴とする、請求項1に記載の耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法。
  3. 前記ポリプロピレン短繊維の繊維長が3〜20mmの範囲であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの設計方法
  4. 請求項1〜請求項に記載の設計方法によって得られたポリプロピレン短繊維の混入率β(体積%)に基づいてポリプロピレン短繊維を混入させることにより、ポリマーセメントモルタルを製造することを特徴とする、耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタルの製造方法。
  5. 請求項1〜請求項に記載の設計方法、又は、請求項に記載の製造方法によって得られることを特徴とする、耐爆裂性能を有するポリマーセメントモルタル。
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