JP6314698B2 - クリップおよびピラーガーニッシュ取付構造 - Google Patents

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本発明は、クリップおよびそれを用いたピラーガーニッシュ取付構造(「取付構造」は「取付装置」といってもよい)に関する。
特許文献1は、クリップと、クリップを用いてカーテンエアバッグ(以下、CSA) が収納されたピラーガーニッシュをピラーに取り付け、かつピラーガーニッシュの飛散を防止したピラーガーニッシュ取付構造を開示している。
従来クリップは、座部と、座部から離れる方向に延びる軸部(以下、「脚」という)と、座部から離れた部位にある結合部で脚に結合し座部側に延びて自由端で終わる一対の係止爪と、を有する。係止爪は、結合部から爪先端側に向かって脚中心軸線から離れる方向に傾斜する外面と、外面から脚中心軸線側に折れ曲がって脚中心軸線側に延びるボデー係止面を有する。クリップは、クリップがボデーのクリップ係止孔に嵌合取付けされた時、係止爪のボデー係止面との間にボデーのクリップ係止孔縁部を保持し、クリップのガタつきを抑制するばね座を有する。
図13に示すように、従来クリップのクリップ挿入荷重対クリップ挿入量特性は、爪挿入荷重対クリップ挿入量特性F1と、ばね座挿入荷重対クリップ挿入量特性F2と、を含む。
ここで、爪挿入荷重対クリップ挿入量特性F1では、クリップ挿入量位置C1で係止爪の外側面がクリップ取付孔縁部に当たって爪挿入荷重が立ち上がりを開始する。ついで、クリップ挿入量位置C2で係止爪の外側面の軸方向途中部がクリップ取付孔縁部に摺動して爪挿入荷重がピークになる。さらに挿入されると、爪挿入荷重が低下しクリップ挿入量位置C3では爪挿入荷重がゼロ以下となる。
また、ばね座挿入荷重対クリップ挿入量特性F2では、クリップ挿入量位置C4でばね座がボデーのクリップ取付孔縁部に当たってばね座挿入荷重が立ち上がりを開始する。ついで、係止爪のボデー係止面がクリップ取付孔縁部に当接する正規嵌合点P6よりオーバストロークされた位置にある爪掛かり点P5で、係止爪が脚半径方向外方に弾性復帰する。それと同時に、脚が抜け方向にオーバストローク量だけ移動し、正規嵌合点P6にて係止爪のボデー係止面がボデーに軸方向に当接する。
特開2013−180725号公報
しかし、従来クリップにはつぎの課題がある。
クリップがピラーガーニッシュに組付けられた状態でクリップをボデーのクリップ取付孔に押し込んでピラーガーニッシュをボデーに取り付けるので、係止爪部位は作業者から見てピラーガーニッシュの背面でかつボデーの背面に位置する。このため、係止爪が作業者から見えない状態でのクリップのボデーへの組み付けとなり、一対の係止爪がボデーのクリップ取付孔縁部に正規に掛かったか否かは、作業者が感じとるクリップ挿入荷重が頼りとなる。
一方、クリップ挿入量位置C2からC3まで爪挿入荷重が比較的ゆるやかに低下するので、C2とC3間でクリップ挿入荷重には節度感がほとんど無い。また、爪掛かり点P5近傍ではばね座挿入荷重が単調増加しているため、ばね座挿入荷重の立ち上がり点に対応するクリップ挿入量位置C4と爪掛かり点P5に対応するクリップ挿入量位置C5間で、とくに挿入量位置C5近傍でクリップ挿入荷重には節度感が無い。その結果、作業者はクリップが爪掛かり点P5まで押し込まれて正規嵌合したか否か、および爪掛かり点P5近傍で一対の係止爪の一方の爪しか掛かっていない半嵌合や両方の爪とも掛からない未嵌合が生じているか否かを、感じとることが難しい。そのため、爪掛かり点P5でのばね座反力LC5よりも相当強い力でクリップをたとえば図13のP7まで押み、確実に爪掛かり点P5を通過させて爪掛かり点P5にて正規嵌合させる必要がある。これらの結果、クリップの組付作業において、作業者に精神的、肉体的な負担を強いている。
本発明の目的は、組付信頼性を向上させることができるクリップと、該クリップを用いたピラーガーニッシュ取付構造を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のクリップおよびピラーガーニッシュ取付構造は、つぎの態様をとることができる。なお、括弧付きの符号は図面に現れる部材符号に対応する。
本発明の第1の態様では、クリップ(10)は、座部(24)から離れる方向に延びる脚(20)、脚(20)の径方向に対向する部位に設けられ座部(24)から離れた位置にある結合部(32)にて脚(20)に結合され結合部(32)を除いて脚(20)から切り離され座部(24)側に延びる一対の係止爪(30)、および脚(20)がボデー(90)のクリップ取付孔(92)に挿入されて係止爪(30)がクリップ取付孔縁部に掛かった時に係止爪(30)とでボデー(90)のクリップ取付孔縁部を保持するばね部材(22)、を備えている。
一対の係止爪(30)の対向方向と直交する脚径方向において対向する一対の脚部位に、該脚部位の外面から脚の径方向外方に突出する少なくとも1つの脚突起(40)を備えている。
なお、ばね部材(22)はクリップ(10)に対して設けられたばね座(22)であってもよい。
脚突起(40)のクリップ取付孔(92)の外側への突出量は、クリップ取付孔通過時に生じる脚突起挿入荷重のピークLP2(実施例1ではLP2(1)、実施例1の変形例ではLP2(1A)、実施例2ではLP2(2))が、係止爪(30)がクリップ取付孔縁部に掛かる点P5でのばね座挿入荷重LC5よりも高くなるように設定されている。
本発明の第2の態様では、上記第1の態様において、脚突起(40)は、脚軸方向に、係止爪(30)を脚(20)および座部(24)から切り離す逆U字状スリット(42)が存在する脚軸方向領域内に位置する。
脚突起(20)は、脚軸方向と直交する方向に、脚の自由状態でボデー(90)のクリップ取付孔(92)の外側に突出しており、脚突起(40)がボデー(90)のクリップ取付孔(92)を通過する時にはスリット(42)の変形を伴って、ボデー(90)のクリップ取付孔(92)の内側に弾性変位する。
本発明の第の態様では、上記第1の態様またはの態様において、脚突起(40)の脚軸方向位置は、脚突起(40)がクリップ取付孔縁部と摺接した際の脚突起挿入荷重のピークLP2が生じるクリップ挿入量位置P2が、係止爪(30)がクリップ取付孔縁部に摺接した際に爪挿入荷重のピークLC2が生じるクリップ挿入量位置C2よりもクリップ(10)のクリップ取付孔(92)への挿入量大側に位置し、
脚突起(40)がクリップ取付孔縁部と摺接した際の脚突起挿入荷重が低下してゼロ以下となるクリップ挿入量位置P3が、ばね座(22)の反力が掛かっている状態で係止爪(30)のボデー係止面(36)がクリップ取付孔縁部に掛かるクリップ挿入量位置C5かそれよりクリップ(10)のクリップ取付孔(92)への挿入量小側に位置するように設定されている。
本発明の第の態様では、上記第1の態様−第の態様の何れか1つの態様において、クリップ(10)がクリップ挿入荷重対クリップ挿入量特性を有する。
クリップ挿入荷重対クリップ挿入量特性は、爪挿入荷重が増大してピークLC2に至りついでゼロかゼロ以下に低下する爪挿入荷重対クリップ挿入量特性F1と、爪挿入荷重がゼロかゼロ以下に低下した位置C3よりクリップ挿入量が大きい点C4からばね座挿入荷重が急激に増大し途中に爪掛かり点P5を有するばね座挿入荷重対クリップ挿入量特性F2と、を含んでいる。
クリップ挿入荷重対クリップ挿入量特性が、脚突起挿入荷重対クリップ挿入量特性F3をさらに含んでいる。該脚突起挿入荷重対クリップ挿入量特性F3は、爪挿入荷重対クリップ挿入量特性F1における爪挿入荷重がピークLC2をとるクリップ挿入量位置C2と、ばね座挿入荷重対クリップ挿入量特性F2における爪掛かり点P5に対応するクリップ挿入量位置C5との間の位置P1で、脚突起挿入荷重が立ち上がりを開始し、ついで脚突起挿入荷重のピーク値LP2に至り、ついでばね座挿入荷重対クリップ挿入量特性F2における爪掛かり点P5に対応するクリップ挿入量位置C5かそれよりクリップ挿入量小側で、脚突起挿入荷重がゼロとなる特性からなる。
上記第1−の態様は、後述する本発明の全実施例(変形例を含む)に適用可能である。
本発明の第の態様では、上記第1の態様−第の態様の何れか1つの態様において、一対の係止爪(30)の対向方向と直交する脚径方向において対向する一対の脚部位に脚突起(40)が1つづつ設けられている。
の態様は、後述する本発明の実施例1およびその変形例に適用可能である。
本発明の第の態様では、上記第の態様において、脚突起挿入荷重が低下してゼロになったクリップ挿入量位置P3(1)がばね座挿入荷重の立ち上がり開始位置C4かそれよりクリップ挿入量小側にある。
の態様は、後述する本発明の実施例1に適用可能である。
本発明の第の態様では、上記第の態様において、脚突起挿入荷重が低下してゼロになったクリップ挿入量位置P3(1A)がばね座挿入荷重の爪掛かり点P5に対応するクリップ挿入量位置C5にある。
の態様は、本発明の実施例1の変形例に適用可能である。
本発明の第の態様では、上記第1の態様−第の態様の何れか1つの態様において、一対の係止爪(30)の対向方向と直交する脚径方向において対向する一対の脚部位に脚突起(40)が複数づつ設けられている。該複数の脚突起(40)が脚軸方向と脚径方向の少なくとも一方に、互いにオフセットさせて設けられている。
の態様は、本発明の実施例2に適用可能である。
本発明の第の態様では、上記第1の態様−第の態様の何れか1つの態様において、クリップ(10)は、各係止爪(30)の座部側への延長部の座部側先端部にクリップ中心軸線から離れる方向に延びる係止解除部(38)を持つタイプのクリップであって、脚突起の外面に段差や急傾斜が設けられておらず、クリップがボデーに組付けられた状態で、脚突起の座部に近い部分がクリップ取付孔に掛かっている。
本発明の第10の態様では、上記第1の態様−第の態様の何れか1つの態様において、クリップ(10)がピラーガーニッシュ(80)をボデー(90)であるピラーに取り付けるテザークリップである。
本発明の第11の態様のピラーガーニッシュ取付構造(1)は、上記第11の態様において、上記第11の態様のテザークリップ(10)を用いてピラー(90)に取り付けられるピラーガーニッシュ(80)を備えている。
11の態様は、後述する本発明の全実施例(変形例を含む)に適用可能である。
上記第1の態様によれば、脚突起を設けたので、脚突起がクリップ取付孔縁部に摺接した際に生じる脚突起挿入荷重のピークが生じるクリップ挿入量位置を係止爪による爪挿入荷重のピークが生じるクリップ挿入量位置よりクリップ挿入量大側にもってくることができる。これによって、係止爪がボデーに掛かる爪掛かり点近傍(直前)でクリップ挿入荷重に節度感をもたせることができる。また、脚突起を設けたので、脚突起挿入荷重のピークを乗り越える勢いでクリップを爪掛かり点まで容易に挿入することができる。これらによって、クリップの組付信頼性を向上させることができる。
脚突起のクリップ取付孔の外側への突出量は、クリップ取付孔通過時に生じる脚突起挿入荷重が、係止爪がクリップ取付孔縁部に掛かる時のばね座挿入荷重よりも高くなるように設定されている。その結果、脚突起により、クリップ挿入荷重に爪掛かり点P5直前での節度感がより一層感じやすくなる。
上記第2の態様によれば、脚突起は、脚軸方向と直交する方向に、脚の自由状態でボデーのクリップ取付孔の外側に突出しているので、脚突起がボデーのクリップ取付孔を通過する時に脚突起挿入荷重を発生させることができる。
また、脚突起が、脚軸方向に、係止爪を脚および座部から切り離す逆U字状スリットが存在する脚軸方向領域内に位置するので、スリットの変形を伴って脚突起がボデーのクリップ取付孔を通過することができる。
上記第の態様によれば、脚突起の脚軸方向位置が、P2がC2よりクリップ挿入量大側に位置し、P3がC5かそれよりクリップ挿入量小側に位置するように設定されている。その結果、クリップ挿入荷重に爪掛かり点P5直前での節度感がより一層感じやすくな
る。
上記第の態様によれば、上記第4の態様の効果と同様、クリップ挿入荷重にC5直前で節度感を出すことができる。
上記第の態様によれば、脚突起の構造が単純であるため、脚突起に要求される特性を出しやすい。
上記第の態様によれば、爪掛かり点直前でのクリップ挿入荷重の変化を出しやすくなり、クリップ挿入荷重に節度感を感じやすくなる。その結果、係止爪がボデーに掛かるタイミングを作業者が感じとりやすくなる。なお、脚突起挿入荷重がたとえばW/2から低下してゼロになる場合は、WからW/2になる場合よりも同じ低下量であってもクリップ挿入荷重の変化を感じやすい。
上記第の態様によれば、脚突起挿入荷重のピークを乗り越えれば自動的に爪掛かり点P5に至り、爪の半嵌合、未嵌合が自動的に抑制される。その結果、組付信頼性を向上させることができる。
上記第の態様によれば、クリップ挿入量位置C2よりクリップ挿入量大側でクリップ挿入荷重が長いクリップ挿入量領域(C2−C3)にわたっていったん下がると挿入完了と間違えて押し込みを止め爪の未嵌合が起こる可能性があるが、複数の脚突起が設けられているため挿入量位置C2よりクリップ挿入量大側でクリップ挿入荷重が長いクリップ挿入量領域にわたっていったん下がることが抑制され、挿入完了と間違えるおそれを回避できる。
上記第の態様によれば、係止解除部を摘んでクリップをボデーから外すタイプのクリップでは、取り外し性を阻害させないことが大切である。脚突起の外面に節度感を出すための段差や急な斜面が設けらていないので、取り外し時に段差や急な斜面が抵抗となることはない。
なお、クリップのボデーへの組付時にクリップ取付孔縁部で脚突起が脚中心軸線(くりっぷ中心軸線)側に押されて変位したままに敢えてすることで、脚突起が永久変形してクリップ取り外し時の抵抗が下がるため、クリップ取り外し性の悪化を抑えることができる。
上記第10の態様によれば、テザークリップにおいても上記クリップと同じ効果が得られる。
上記第11の態様によれば、上記クリップを用いてピラーガーニッシュをピラーに取り付けるので、ピラーガーニッシュ取付構造においても上記クリップの効果と同じ効果が得られる。これに加えて、つぎの効果も得られる。
クリップの組付信頼性が上がることにより、ピラーガーニッシュのピラーへの組付性およびサービス時におけるクリップの取り外し性も良好になる。
本発明の実施例1に係るクリップの斜視図である。 図1のクリップの正面図である。 図1のクリップの側面図である。 図1のクリップの、脚突起挿入荷重立ち上がり開始位置での断面図である。 図1のクリップの、脚突起挿入荷重ピーク位置での断面図である。 図1のクリップの、ばね座挿入荷重立ち上がり開始位置での断面図である。 図1のクリップの、ばね座挿入荷重が爪掛かり点まで立ち上がった時の断面図である。 本発明の実施例2に係るクリップの斜視図である。 図1のクリップを用いた本発明のピラーガーニッシュ取付構造の断面図である。 図9のピラーガーニッシュ取付構造の、CSA展開時の断面図である。 本発明の実施例1とその変形例に係るクリップの、クリップ挿入荷重対クリップ挿入量特性図である。 本発明の実施例2に係るクリップの、クリップ挿入荷重対クリップ挿入量特性図である。 脚突起をもたない従来クリップの、クリップ挿入荷重対クリップ挿入量特性図である。
本発明のクリップ10、およびクリップ10がテザークリップである場合にそのテザークリップを用いてピラーガーニッシュをボデーに取り付けたピラーガーニッシュ取付構造
1を、図1−図12を参照して説明する。ピラーガーニッシュ取付構造1の主要部はクリップ10であるため、クリップ10とピラーガーニッシュ取付構造1とは主要部が同じである。
図1−図8はクリップ10に係わり、図9および図10はピラーガーニッシュ取付構造1に係わる。
図1−図7、図9−図11は本発明の実施例1とその変形例に係わり、図8、図12は本発明の実施例2に係わる。
本発明の全実施例(変形例を含む)にわたって共通する構成部分には、本発明の全実施例にわたって同じ符号を付してある。また、図9および図10において、FRは車両前方を示し、INは車両左右方向の内側方向を示す。
〔実施例1〕
まず、本発明の実施例1に係るクリップ10の構成を、作用と共に、説明する。図1−図7、図9−図11では、クリップ10がテザークリップ(クリップと同じであるからクリップと同じ符号を付す)10からなる場合を示しているが、クリップ10はテザークリップ11以外のクリップであってもよく、たとえば、CSAをボデーに固定する通常の固定クリップであってもよい。
クリップ11は可撓性を有する樹脂材からなる。樹脂材は、たとえばポリヘキサメチレンアジポアミドである。ただし、可撓性を有し必要な強度をもつ樹脂材であれば、それ以外の樹脂材であってもよい。
図1−図3に示すように、クリップ10はクリップ中心軸線10aを有する。クリップ10は、クリップ中心軸線10aと直交する単一の座部24と、座部24から離れる方向に延びクリップ中心軸線10aが延びる方向に延びる単一の脚(「脚」は「軸部」といってもよい)20と、脚20に設けられた少なくとも一対の係止爪30と、クリップ10をボデー90のクリップ取付孔92(図4)の縁部に取り付けた時に係止爪30との間にボデー90のクリップ取付孔92の縁部を保持する、弾性を有するばね部材22と、脚20の外面から突出する少なくとも1つの脚突起40を、備えている。図示例では、ばね部材22は、ばね座22(ばね部材22と同じ部材のため、ばね座の符号も22とする)からなる場合を示してあるが、反力を生じる部材であればばね座22でなくてもよく、たとえば、ウエザーストリップなどであってもよい。
脚20は、座部24と直交する。脚20の中心軸線はクリップ10の中心軸線10aと一致する。脚20は、中空である。クリップ中心軸線10aと直交する方向における脚20の断面の外形は、ほぼ円形、またはほぼ長方形である。長方形は正方形である場合を含む。図示例は、脚20の断面の外形が円形の場合を示している。
中空の脚20の、クリップ中心軸線10aを挟んで互いに対向する部位に一対の開口部が設けられ、そこに図2、図3に示すように、一対の係止爪30が設けられる。一対の係止爪30は、クリップ軸方向と直交する方向に、互いに対向している。
係止爪30は、クリップ軸方向に座部24から離れた位置にある脚20との結合部32から座部24側に延びる。係止爪30は、自由端で終わっていてもよい。係止爪30が自由端で終わっている場合、係止爪30は結合部32を除いて逆U字状のスリット42により脚20および座部24から切り離されている。係止爪30は複数対あってもよい。本発明では、一対の係止爪30が設けられている。
スリット42の座部24から遠い側の端部の軸方向位置と結合部32の軸方向位置とは、脚軸方向において互いに一致する。クリップ10が可撓性を有する樹脂材からなるため
、係止爪30は、クリップ中心軸線10aに接近、離反する方向に、すなわち倒れ、起立する方向に、弾性的に回転変形可能である。
係止爪30は、脚20の外周面から座部24側に向かってクリップ中心軸線10aからの距離が増大するように傾斜する外側面34と、外側面34の座部24側端からクリップ中心軸線10a側に折れ曲がり座部24に対向するボデー係止面36を有する。
クリップ10をボデー90に取り付ける際、脚20をクリップ取付孔92に挿入していくと、係止爪30の外側面34がクリップ取付孔92の縁部の内面または内面角部に当たる。それ以上挿入すると、係止爪30の座部側端が、係止爪30のクリップ中心軸線10aに近づく方向に、脚20との結合部32近傍にある回転変形中心かそれより座部24から離れた側にある仮想回転変形中心まわりに回転変形していく。
図11において、F1が爪挿入荷重対クリップ挿入量の特性を示す。クリップ挿入量位置がC1で係止爪30の外側面34がクリップ取付孔92の縁部の内面または内面角部に当たって爪挿入荷重が立ち上がりを開始する。クリップ挿入量がC2までは爪挿入荷重が増加していき、C2を過ぎると爪挿入荷重が低下していき、さらに挿入していくと爪挿入荷重がゼロ以下となる。爪挿入荷重がゼロ以下とは爪が引き込まれることを意味する。クリップ挿入量位置がC3になると、引込みが止まり、その位置で停止する。クリップ挿入量位置がC2での爪挿入荷重はLC2である。なお、本発明における特性F1は、図13に示した従来クリップの爪挿入荷重対クリップ挿入量特性F1に等しい。
ばね座22は、座部24または脚20の座部24側端から、座部24から離れる方向かつクリップ中心軸線10aから離れる方向に斜めに延びる。ばね座22は弾性を有する。ばね座22は、脚20をボデー(ピラーのインナーパネル)90のクリップ取付孔92に挿通させた時に、クリップ取付孔92縁部に当たって弾性圧縮される。ばね座22は、係止爪30のボデー係止面36との間にクリップ取付孔92縁部を挟み、クリップ10とボデー90との間の隙間を吸収してクリップ10のボデー90に対するグラツキを抑制する。ばね座22は図示例のようにクリップ10と一体に形成されていてもよいし、クリップ10と別体のスペーサやウエザーストリップであってもよい。
図11において、F2がばね座挿入荷重(ばね座反力)対クリップ挿入量の特性を示す。クリップ挿入量位置がC4でばね座22がクリップ取付孔92の縁部に当たってばね座挿入荷重が立ち上がりを開始する。C4はC3より大である。C4よりさらにクリップ10を押し込むと、F2は急激にかつ単調に増加していく。クリップ押し込み量が特性F2上で爪掛かり点P5に達すると、係止爪30が自由状態に弾性復帰し、それと同時にクリップ10が抜き方向に少量(係止爪30の外側面34の上端が、回転変形中心まわりに回転した時の軸方向変位分)移動して正規嵌合点P6に至る。正規嵌合点P6で、係止爪30のボデー係止面36がクリップ取付孔92の縁部の下面に密接する。C5は爪掛かり点P5でのクリップ挿入量を示し、LC5は爪掛かり点P5でのばね座反力を示す。同様に、C6は、正規嵌合点P6でのクリップ挿入量位置を示し、LC6は正規嵌合点P6でのばね座反力を示す。なお、本発明における特性F2は、図13に示した従来クリップのばね座挿入荷重対クリップ挿入量特性F2に等しい。
クリップ10の脚20には、一対の係止爪30の対向方向と直交する脚部位に、脚軸方向に延びる長孔からなる変形促進部52が形成されていてもよい。変形促進部52は脚下端で外部に開放するスリットまたは薄肉部であってもよい。変形促進部52は設けられなくてもよい。変形促進部52が設けられた場合は、変形促進部52によって、結合部32および結合部32に接続する係止爪根元部は、係止爪30がクリップ取付孔92縁部から押された時に、変形促進部52の変形を伴ってクリップ中心軸線10a側に撓むことがで
きる。これによって、結合部32および係止爪根元部は、脚の自由状態でクリップ中心軸線10aからの距離がクリップ取付孔92の内面の半径より大きくても、クリップ取付孔92を通過できる。したがって、クリップ取付孔92への通過性を確保したまま、結合部32および係止爪根元部の厚みを厚くすることができ、それによって結合部32および係止爪根元部の剛性を上げることができる。
中空の脚20の内面には、一対の係止爪30の座部側端から脚の下端までにわたって直線状に延びる凹凸26(図4−図7)が形成されている。一対の係止爪30のうち、一方の係止爪30に形成された凹凸26の凸部と他方の係止爪30に形成された凹凸26の凹部とが、一対の係止爪30の対向方向に対向している。これによって、一対の係止爪30が互いに接近する方向に倒れ変形した時の倒れ角が増大されるので、一対の係止爪30の座部側端角部が互いに干渉して倒れ角が制限されることが抑制される。また、係止爪30に凹凸26が形成されることにより、凹凸の凸部がリブとなって働くので、これによっても係止爪30の曲げ剛性が増大される。
結合部32および係止爪根元部の剛性を上げた場合、一対の係止爪30の回転変形中心を、結合部32よりも座部24から遠い側に下げることができる。下がった回転変形中心を仮想回転変形中心とも呼ぶ。係止爪30の回転変形中心が下がると、係止爪30の外側面34の上端が、仮想回転変形中心まわりに回転した時の軸方向変位分が低減される。このため、図11に示す爪掛かり点P5と正規嵌合点P6との間の距離が短くなり、爪掛かり荷重LC5も小さくなる。
クリップ挿入量位置C2からC3まで爪挿入荷重対クリップ挿入量特性F1が比較的ゆるやかに低下するので、クリップ挿入量位置C2とC3間でクリップ挿入荷重には節度感がほとんど無い。また、爪掛かり点P5近傍ではばね座挿入荷重が単調増加しているため、ばね座挿入荷重対クリップ挿入量特性F2の立ち上がり点でのクリップ挿入量位置C4と爪掛かり点P5に対応するクリップ挿入量位置C5間で、とくにクリップ挿入量位置C5近傍で、クリップ挿入荷重には節度感が無い。その結果、作業者はクリップが爪掛かり点P5まで押し込まれて正規嵌合したか否か、および爪掛かり点P5近傍で一対の係止爪の一方の爪しか掛かっていない半嵌合や両方の爪とも掛からない未嵌合が生じているか否かを、感じとることが難しく、組付信頼性を確保することが難しい。
組付信頼性を確保するために、本発明では、脚20に脚突起40が設けられる。これによって、脚突起挿入荷重対クリップ挿入量特性F3が創出され、クリップ挿入荷重に爪掛かり点P5より手前に節度感が出される。
一対の係止爪30の対向方向と直交する脚径方向において対向する一対の脚部位の各脚部位には、該脚部位の外面から脚20の径方向外方に突出する脚突起40が、少なくとも1つ設けられる。
脚突起40は、脚20の軸方向に、逆U字状スリット42が存在する脚軸方向領域内に位置する。
脚突起40は、脚20の自由状態でクリップ取付孔92の内面よりも外側に突出している。脚突起40は、脚突起40がクリップ取付孔92を通過する時にはクリップ取付孔92の縁部内面によって押され、スリット42の変形を伴って、クリップ取付孔92の内側に弾性変位する。脚突起40がクリップ取付孔92を挿通する時、脚突起40の外面がクリップ取付孔92縁部内面または角部に摺接し、脚突起挿入荷重を出す。図11、図12において、F3が脚突起挿入荷重対クリップ挿入量特性を示す。
脚突起40のクリップ取付孔92の外側への突出量は、脚突起40がクリップ取付孔挿
通時に生じる脚突起挿入荷重のピークLP2が、係止爪30がクリップ取付孔縁部に掛かる点P5でのばね座挿入荷重LC5よりも高くなるように設定されている。なお、脚突起挿入荷重のピークLP2を、実施例1ではLP2(1)、実施例1の変形例ではLP2(1A)で示してあり、実施例2ではLP2(2)で示してある。
脚突起40の脚軸方向位置は、脚突起40がクリップ取付孔縁部と摺接した際に脚突起挿入荷重のピークLP2が生じるクリップ挿入量位置P2が、係止爪30がクリップ取付孔縁部に摺接した際に爪挿入荷重のピークLC2が生じるクリップ挿入量位置C2よりもクリップ10のクリップ取付孔92への挿入量大側に位置するように設定されている。また、脚突起40の脚軸方向位置は、脚突起40がクリップ取付孔縁部と摺接した際に脚突起挿入荷重対クリップ挿入量F3が低下してゼロとなるクリップ挿入量位置P3が、ばね座22の反力が掛かっている状態で係止爪30のボデー係止面36がクリップ取付孔縁部に掛かるクリップ挿入量位置C5かそれよりクリップ10のクリップ取付孔92への挿入量小側に位置するように設定されている。なお、脚突起挿入荷重対クリップ挿入量特性F3が低下してゼロとなるクリップ挿入量位置P3は、実施例1ではP3(1)、実施例1の変形例ではP3(1A)、実施例2ではP3(2)で示してある。
図11、図12に示すように、脚突起挿入荷重対クリップ挿入量特性F3は、爪挿入荷重対クリップ挿入量特性F1における爪挿入荷重がピークLC2をとるクリップ挿入量位置C2と、ばね座挿入荷重対クリップ挿入量特性F2における爪掛かり点P5に対応するクリップ挿入量位置C5との間のクリップ挿入量位置P1で、脚突起挿入荷重の立ち上がりを開始する。ついで、クリップ挿入量位置P2で脚突起挿入荷重のピーク値LP2に至る。クリップ挿入量位置P2は、位置P1と位置C5の間にある。ついで、クリップ挿入量位置P3で脚突起挿入荷重がゼロとなる。クリップ挿入量位置P3は、ばね座挿入荷重対クリップ挿入量特性F2における爪掛かり点P5に対応するクリップ挿入量位置C5かそれよりクリップクリップ挿入量小側にある。
図11、図12において、トータルクリップ挿入荷重対クリップ挿入量特性は、F1、F2、F3の和となる。また、F3(1)は実施例1の特性F3を示し、F3(1A)は実施例1の変形例の特性F3を示し、F3(2)は実施例2の特性F3を示す。また、F1+F3(1)はF1とF3(1)の和を示し、F1+F3(1A)はF1とF3(1A)の和を示し、F1+F3(2)はF1とF3(2)の和を示し、F1+F3(1A)はF1とF3(1A)の和を示し、F2+F3(1A)はF2とF3(1A)の和を示す。
クリップ10は、各係止爪30の座部側への延長部の座部側先端部にクリップ中心軸線10aから離れる方向に延びる係止解除部38を持つタイプのクリップであってもよい。サービス時等においてクリップ10をボデー90から外す時には、一対の係止解除部38を摘んで一対の係止解除部38が互いに接近する方向に押し、係止爪30を仮想回転変形中心まわりに互いに接近する側に倒す。これによって、係止爪30のボデー係止面36のボデー90への掛かりが外れるので、クリップ10を抜き方向に引っ張ってボデー90から外すことができる。
つぎに、クリップ10がテザークリップ(クリップと同じであるため、テザークリップの符号も10とする)である場合の、上記クリップ10の構成に追加されるテザークリップ10の追加構成と、テザークリップ10を用いたピラーガーニッシュ取付構造1の構成を、作用と共に、説明する。なお、ピラーガーニッシュ取付構造1は、テザークリップ10と、ボデーであるピラー(ピラーの符号も90とする)90と、テザークリップ10を用いてピラー90に取り付けられるピラーガーニッシュ80と、を備える。
図1−図3に示すように、テザークリップ10は、テザー部60と係合保持部62を有する。テザー部60と係合保持部62は、従来クリップのテザー部と係合保持部と同じ構
成であってもよい。
テザー部60は、脚20と反対側に座部24から立ち上がる立ち上がり部60aと、座部24から遠い側の先端に設けられたアンカー部60bと、立ち上がり部60aとアンカー部60bとを連結する連結部60cと、を有する。連結部60cは湾曲していてもよい。連結部60cの湾曲の方向は、ピラーガーニッシュ80の長手方向と直交する方向であってもよいし、またはピラーガーニッシュ80の長手方向であってもよい。
アンカー部60bは、ピラーガーニッシュ80のテザー収納部82のテザー部挿通孔86より小さい長方形の外形を有する。テザー部60をテザー収納部82内に挿入する時は、アンカー部60bとテザー部挿通孔86との位相を合わせて、アンカー部60bがテザー部挿通孔86に挿通される。テザー部60がテザー収納部82内に挿入された後、テザークリップ10がクリップ中心軸線10aまわりに90度回転されてアンカー部60bがテザー収納部82から抜け外れ不能とされる。テザークリップ10がピラーガーニッシュ80に取り付けられた状態で、ピラーガーニッシュ80がピラー90側に押される。テザークリップ10の脚20がピラー90のクリップ取付孔92に押し込まれ、テザークリップ10付きピラーガーニッシュ80がピラー90に取り付けられる。図9はテザークリップ10付きピラーガーニッシュ80がピラー90に取り付けられた状態を示す。
係合保持部62は、脚20と反対方向に座部24から立ち上がる。係合保持部62は、テザー部60の立ち上がり部60aの側方に設けられる。係合保持部62は、立ち上がり部60aから離れた位置に設けられる。
係合保持部62は、テザー部挿通孔86が設けられているテザー収納部底壁84の厚みとほぼ等しい量だけ座部24から立ち上がる立ち上がり部62aと、立ち上がり部62aの先端からさらに座部24から離れる方向に延びるとともに立ち上がり部62aの立ち上がり方向と直交する方向に膨出する膨出部62bを有する。膨出部62bは立ち上がり方向と直交する方向に弾性をもつように中空形状に形成される。
テザークリップ10をピラーガーニッシュ80に取り付ける時には、係合保持部62をテザー収納部82のテザー部挿通孔86に押し込む。この時、膨出部62bが膨出量が低減する方向に弾性変形してテザー部挿通孔86を通り抜け、膨出部62bがテザー収納部82内に入る。膨出部62bがテザー部挿通孔86を通り抜けると、膨出部62bが元の位置(自由状態の位置)に弾性復帰し、テザー収納部底壁84を膨出部62bと座部24との間に保持する。この状態を維持したまま、テザークリップ10がピラー90に取り付けられる。
ピラーガーニッシュ80は、クリップ10と同等かそれよりは硬質のプラスチックからなる。図9、図10に示すように、ピラーガーニッシュ80は、テザークリップ10によってピラー90のインナーパネルに取り付けられる。ピラーガーニッシュ80は、テザー収納部82を有する。テザー収納部82の底壁84には長方形のテザー部挿通孔86が設けられる。CSA88は、ピラー90のインナーパネルとピラーガーニッシュ80との間の空間に、折り畳まれた状態で収納される。車両衝突時、CSA88が膨張展開され、ピラーガーニッシュ80をピラー90から離れる方向に押す。図10は、展開途中のCSA88の一部を示す。
CSA展開時、CSA88によってピラーガーニッシュ80が押されると、テザー部挿通孔86の周縁部が係合保持部62の膨出部62bを抜き方向に押し、膨出部62bを膨出量が低減する方向に弾性変形させ、膨出部62bがテザー部挿通孔86を通り抜け、テザー収納部底壁84が係合保持部62の膨出部62bから外れる。
その結果、テザー部60のアンカー部60bがテザー収納部底壁84のテザー部挿通孔86の周縁部に接触するまで、ピラーガーニッシュ80はピラー90から離れる方向に移動され、ピラー90のインナーパネルとの間にCSA88の展開用隙間を作る。図10に示すように、アンカー部60bがテザー部挿通孔86の周縁部に接触すると、ピラーガーニッシュ80はそれ以上移動できなくなり、ピラーガーニッシュ80の車室方向への飛散が防止される。
図10に示すように、CSA88は、ピラー90のインナーパネルとピラーガーニッシュ80との間に展開用隙間を通して車室内に、かつ、乗員とサイドドアとの間に展開し、乗員頭部を拘束、保護する。この時、テザークリップ10は、展開用隙間が作成されるように、ピラーガーニッシュ80の所定量の移動を許すが、ピラーガーニッシュ80が車室内に飛散しないように所定量以上の移動を拘束する。
以上の構成、作用は、本発明の全実施例に共通に適用できる。
本発明の実施例1はさらにつぎの構成、作用を有する。
一対の係止爪30の対向方向と直交する脚径方向において対向する一対の脚部位に、脚突起40が1つづつ設けられている。脚突起40は、図2および図3に示すように、脚軸方向に結合部32から座部24側に隔たった位置から座部24に近づくにつれて脚外面からの突出量が増大する増大突出部40aと、増大突出部40aに接続し脚外面からの突出量が最大でかつ一定の最大突出部40bと、最大突出部40bに接続し座部24に近づくにつれて脚外面からの突出量が減少する減少突出部40cとを有する。
図4は、脚20をボデー90のクリップ取付孔92に挿入していき、脚突起40がクリップ取付孔92の縁部の上端角部に当たった状態を示す。この状態は、図11でクリップ挿入量がC1に対応し、それ以上挿入すると爪挿入荷重が増大していく。この状態ではばね座22はボデー90から離れており、ばね座反力は発生していない。
図5は、脚20をボデー90のクリップ取付孔92にさらに挿入していき、脚突起40がクリップ取付孔92の縁部の内面に摺動している状態を示す。スリット42の変形を伴って脚突起40がクリップ中心軸線10a側に変位している。この状態は、図11でクリップ挿入量がC2か、またはC2とC3の間にある状態に対応し、それ以上挿入すると爪挿入荷重が減少していく。この状態ではばね座22はボデー90から離れており、ばね座反力はまだ発生していない。
図6は、脚20をボデー90のクリップ取付孔92にさらに挿入していき、脚突起40がクリップ取付孔92の縁部の内面に摺動している状態を示す。スリット42の変形を伴って脚突起40がクリップ中心軸線10a側に変位している。この状態は、図11でクリップ挿入量がC4にある状態に対応し、それ以上挿入するとばね座挿入荷重が増大していく。この状態ではばね座22がボデー90に当たり始め、ばね座反力はまだゼロである。
図7は、脚20をボデー90のクリップ取付孔92にさらに挿入していき、脚突起40がクリップ取付孔92の縁部の内面に摺動している状態を示す。スリット42の変形を伴って脚突起40がクリップ中心軸線10a側に変位している。この状態は、図11でクリップ挿入量がC5にある状態に対応する。係止爪30がボデー90に掛かる爪掛かり点P5にあり、ばね座22の反力はLC5である。係止爪30がボデー90に掛かると、係止爪30が自由状態に弾性復帰し、クリップ10が少量抜け方向に移動して図11の点P6に至り、係止爪30のボデー係止面36がボデー下面に密接する。
以上は、本発明の実施例1およびその変形例に適用できる。
本発明の実施例1はさらにつぎの構成、作用を有する。
図11に示すように、脚突起挿入荷重が低下してゼロになったクリップ挿入量位置P3(1)がばね座挿入荷重の立ち上がり開始位置C4かそれよりクリップ挿入量小側にある。脚突起挿入荷重がゼロの状態では、脚突起40はクリップ取付孔92の内面から離れている。
この構成、作用は、本発明の実施例1のみに適用される。
つぎに、本発明の実施例1のクリップ10とそれを用いたピラーガーニッシュ取付構造1の効果を説明する。
脚突起40を設けたので、脚突起40がクリップ取付孔縁部に摺接した際に生じる脚突起挿入荷重のピークが生じるクリップ挿入位置P2を係止爪30による爪挿入荷重のピークが生じるクリップ挿入量位置C2よりクリップ挿入量大側にもってくることができる。これによって、係止爪30がボデー90に掛かる爪掛かり点P5近傍(直前)でクリップ挿入荷重に節度感をもたせることができる。また、脚突起40を設けたので、脚突起挿入荷重のピークを乗り越える勢いでクリップ10を爪掛かり点P5まで容易に挿入することができる。これらによって、クリップの組付信頼性を向上させることができる。
たとえば、図11において、特性F1とF2との間に脚突起40による特性F3を設定し、特性F3から特性F2への移行部に、クリップ挿入荷重が特性F1の低下の傾斜より急傾斜で低下し、かつ、所定量以上の荷重変化を設けることにより、クリップ挿入荷重に節度感をもたせることが可能になる。そして、クリップ10をクリップ挿入荷重に節度感を感じる位置まで押し込み、そこからさらに所定量、所定荷重で押し込むことにより、ほぼ正確に爪掛かり点P5まで押し込むことができ、クリップ10をクリップ取付孔縁部に正規嵌合させることができる。これによって、爪掛かり点P5の手前で押し込みを止めるおそれがあった従来に比べて、爪掛かり点5の手前で押し込みを止めるおそれを無くすことができる。また、爪掛かり点P5を越える位置まで押し込んでも爪掛かり点P5を相当量越える点P7まで押し込んでいた従来に比べて、爪掛かり点P5を越える押し込み量と必要押し込み荷重を小さくできる。その結果、クリップ10のボデー90への組付の信頼性を向上させることができ、かつ、作業者の負担を軽減できる。
脚突起40が、脚軸方向と直交する方向に、脚20の自由状態でボデーのクリップ取付孔92の外側に突出しているので、脚突起40がボデーのクリップ取付孔92を通過する時にクリップ取付孔92内面によって押され、脚突起挿入荷重LP2を発生させることができる。そして、この脚突起挿入荷重LP2を爪掛かり点P5での節度感発生に利用することができる。
また、脚突起40が、脚軸方向に、係止爪を脚および座部から切り離す逆U字状スリット42が存在する脚軸方向領域内に位置するので、脚突起40が、脚軸方向と直交する方向に、脚20の自由状態でボデーのクリップ取付孔92の外側に突出しているにも係わらず、スリット42の変形を伴って脚突起40がクリップ取付孔92の内側に変位してボデーのクリップ取付孔92を通過することができる。
脚突起40のクリップ取付孔92の外側への突出量は、クリップ取付孔通過時に生じる脚突起挿入荷重の最大値LP2が、爪掛かり点P5で係止爪30がクリップ取付孔縁部に掛かる時のばね座挿入荷重LC5よりも高くなるように設定されている。このため、脚突起40により、爪掛かり点P5直前でクリップ挿入荷重にばね座挿入荷重LC5よりも大きな荷重の変化が得られ、クリップ挿入荷重に爪掛かり点P5直前で節度感を出すことができる。
また、脚突起40の脚軸方向位置が、図11においてP2がC2よりクリップ挿入量大
側に位置し、P3がC5かそれよりクリップ挿入量小側に位置するように設定されている。このため、クリップ挿入荷重に爪掛かり点P5直前で節度感を出すことができる。
脚突起40の脚軸方向位置および形状は、図11における脚突起挿入荷重対クリップ挿入量特性F3が、クリップ挿入量位置C2と、クリップ挿入量位置C5との間の位置P1で、脚突起挿入荷重が立ち上がりを開始し、ついで脚突起挿入荷重のピーク値LP2に至り、ついでクリップ挿入量位置C5かそれよりクリップ挿入量小側で、脚突起挿入荷重がゼロとなるように、設定されている。このため、クリップ挿入荷重にC5直前で節度感を出すことができる。
係止解除部38を摘んでクリップ10をボデー90から外すタイプのクリップ10では、取り外し性を良くするため、脚突起40の外面に段差や急な斜面を設けないことが大切である。本発明では脚突起40の外面に段差や急な斜面を設けないので、クリップ取り外し性の悪化を抑えることができる。また、クリップ10がボデー90に組付けられた状態で、脚突起40の座部24に近い部分がクリップ取付孔92に掛かっているので、取り外し時にボデー90が脚突起40の外面に接触を開始した時の抵抗を無くすかまたは下げることができ、これによってもクリップ取り外し性の悪化を抑えることができる。
なお、クリップ10のボデー90への組付時にクリップ取付孔92の縁部で脚突起40がクリップ中心軸線10a側に押されて変位したままに敢えてしてもよい。その場合には、脚突起40が永久変形してクリップ取り外し時の抵抗が下がるため、クリップ取り外し性の悪化を抑えることができる。
クリップ10がテザークリップであっても、上記効果と同じ効果が得られる。
また、クリップ10を用いてピラーガーニッシュ80をピラー90に取り付けるピラーガーニッシュ取付構造1においても上記効果と同じ効果が得られる。これに加えて、つぎの効果も得られる。すなわち、クリップ10の組付信頼性が上がることにより、ピラーガーニッシュ80のピラー90への組付の信頼性およびサービス時におけるクリップ10の取り外し性も良好になる。
以上の効果は本発明の全実施例に適用できる。
本発明の実施例1はさらにつぎの効果を有する。
脚突起40が、一対の係止爪30の対向方向と直交する脚径方向において対向する一対の脚部位に、脚突起40が1つづつ設けられている。また、脚突起40は、増大突出部40aと最大突出部40bと減少突出部40cとを有する。脚突起40の数が1つづつであり、かつ、脚突起40の構造が単純であるため、脚突起に要求される特性を出しやすい。
以上は、本発明の実施例1とその変形例に適用できる。
本発明の実施例1はさらにつぎの効果を有する。
図11に示すように、脚突起挿入荷重が低下してゼロになったクリップ挿入量位置P3(1)がばね座挿入荷重の立ち上がり開始位置C4かそれよりクリップ挿入量小側にある。このため、爪掛かり点P5直前でのクリップ挿入荷重が、LP2からゼロへと変わり、荷重の変化が大きくなるので、クリップ挿入荷重に節度感を出しやすい。その結果、係止爪30がボデー90に掛かるタイミングを作業者が感じとりやすくなる。この効果は、本発明の実施例1のみに適用できる。
〔実施例1の変形例〕
図1−図11は、本発明の実施例1の変形例のクリップ10およびピラーガーニッシュ取付構造1にも適用される。本発明の実施例1の変形例のクリップ10では、脚突起挿入荷重対クリップ挿入荷重特性F3(1A)とそれを創出するための脚突起40の脚軸方向位置が、実施例1の脚突起挿入荷重対クリップ挿入荷重特性F3(1)とそれを創出するた
めの脚突起40の脚軸方向位置と異なる。それ以外は、本発明の実施例1の変形例のクリップ10およびピラーガーニッシュ取付構造1は、本発明の実施例1のクリップ11およびピラーガーニッシュ取付構造1と同じ構成、作用、効果を有する。本発明の実施例1で本発明の全実施例に適用できる、および実施例1とその変形例に適用できるとした構成、作用、効果は、本発明の実施例1の変形例に適用、または準用される。
本発明の実施例1の変形例はさらにつぎの構成、作用を有する。
図11に示すように、脚突起挿入荷重がピークを過ぎて低下しゼロになるクリップ挿入量位置P3(1A)がばね座挿入荷重の立ち上がり開始位置C4よりクリップ挿入量大側にある。したがって、実施例1の変形例では、特性F3(1A)が特性F2の立ち上がり部に重複している。望ましくは、クリップ挿入量位置P3(1A)が爪掛かり点P5のクリップ挿入量位置C5にほぼ一致される。クリップ挿入量位置P3(1A)が爪掛かり点P5のクリップ挿入量位置C5にほぼ一致される場合、F2+F3(1A)の特性は、F3(1A)のピークLP2(1A)を越えると、ばね座挿入荷重対クリップ挿入量特性F2の爪掛かり点P5に向かって下降し、爪掛かり点P5で終わる。
この構成、作用は、本発明の実施例1の変形例のみに適用される。
本発明の実施例1の変形例はさらにつぎの効果を有する。
クリップ挿入量位置P3(1A)が爪掛かり点P5のクリップ挿入量位置C5にほぼ一致されている場合、脚突起挿入荷重のピークLP2(1A)を乗り越えれば、F2+F3(1A)の特性は自動的にほぼ爪掛かり点P5に至り爪掛かり点P5で止まる。そのため、従来クリップの場合のように点P7(図11、図13)まで余分に押し込まなくても、係止爪30の半嵌合、未嵌合が自動的に抑制される。したがって、クリップ10のボデー90への組付の信頼性を向上させることができる。ただし、爪掛かり点5の直前の荷重の変化(LP(1A)−LC5)は実施例1の荷重の変化(LP2(1)−ゼロ)より小さくなるので、節度感は実施例1に比べて小さい。実施例1をとれば節度感が大きくなり、実施例1の変形例をとれば組付信頼性が上がる。
〔実施例2〕
図8−図10(図9、図10の脚突起40は図8に示す形状の脚突起40に置き換えられるものとする)および図12は、本発明の実施例2のクリップ10およびピラーガーニッシュ取付構造1に適用される。図1−図7で脚突起40を除いた部分および本発明の実施例1で本発明の全実施例に適用できるとした構成、作用、効果は、本発明の実施例2に適用、または準用される。
本発明の実施例2はさらにつぎの構成、作用を有する。
本発明の実施例2では、一対の係止爪30の対向方向と直交する脚径方向において対向する一対の脚部位の各々に、脚突起40が複数づつ設けられている。実施例2の脚突起40の符号を、以下、40dとする。複数の脚突起40dは、脚軸方向と脚径方向の少なくとも一方において、互いにオフセットして設けられている。このオフセットにより、図12の特性F3(2)の複数の山の位置、高さを適宜に出しやすくなる。
図12に示すように、実施例2における脚突起挿入荷重対クリップ挿入量特性F3(2)では、立ち上がりが開始するクリップ挿入量位置P1(2)が爪挿入荷重のピークが現れるクリップ挿入量位置C2と、爪挿入荷重がゼロ以下となるクリップ挿入量位置C3との間にある。また、脚突起挿入荷重対クリップ挿入量特性F3(2)では、脚突起挿入荷重が最大LP2(2)となるクリップ挿入量位置P2(2)が上記C3よりクリップ挿入量小側にある。また、脚突起挿入荷重対クリップ挿入量特性F3(2)では、脚突起挿入荷重がゼロとなるクリップ挿入量位置P3(2)が上記C3とばね座挿入荷重の立ち上がり開始のクリップ挿入量位置C4との間にある。これによって、F1+F3(2)は、爪
挿入荷重のピーク近傍から凹凸しながら緩やかに下がっていき、上記LP2(2)を過ぎると急激に下がって上記P3(2)でゼロとなる。そして、ばね座挿入荷重対クリップ挿入量特性F2上の爪掛かり点P5の直前に荷重を大きく変化させ、クリップ挿入荷重に節度感を出す。
この構成、作用は、本発明の実施例2のみに適用される。
本発明の実施例2はさらにつぎの効果を有する。
クリップ挿入量位置C2よりクリップ挿入量大側でクリップ挿入荷重がいったん下がると挿入完了と間違えてクリップの押し込みを停止すると爪の未嵌合が起こる可能性があるが、複数の脚突起40が設けられているため、挿入量位置C2よりクリップ挿入量大側でクリップ挿入荷重がいったん下がることが抑制され、挿入完了と間違えるおそれを回避できる。また、複数の脚突起40dが設けられているため、特性1+F3(2)を凹凸をもって緩やかに下降する特性とすることができる。さらに、複数の脚突起40dが脚軸方向と脚径方向の少なくとも一方において、互いにオフセットして設けられているため、特性F3(2)における凸同士の位置を自由に選定できる。
1 ピラーガーニッシュ取付構造
10 クリップ(テザークリップ)
10a クリップ中心軸線
20 脚
22 ばね座
24 座部
30 一対の係止爪
32 結合部
36 ボデー係止面
38 係止解除部
40、40d 脚突起
42 逆U字状スリット
80 ピラーガーニッシュ
90 ボデー(ピラー)
92 クリップ取付孔
F1 爪挿入荷重対クリップ挿入量特性
F2 ばね座挿入荷重対クリップ挿入量特性
F3 脚突起挿入荷重対クリップ挿入量特性
F3(1) 実施例1の特性F3
F3(1A) 実施例1の変形例の特性F3
F3(2) 実施例2の特性F3
C1 爪挿入荷重が立ち上がりを開始するクリップ挿入量位置
C2 爪挿入荷重のピークをとるクリップ挿入量位置
C3 爪挿入荷重がゼロ以下となるクリップ挿入量位置
C4 ばね座荷重が立ち上がりを開始するクリップ挿入量位置
C5 爪掛かり点におけるクリップ挿入量位置
P1 脚突起荷重が立ち上がりを開始するクリップ挿入量位置
P2 脚突起荷重がピークをとるクリップ挿入量位置
P3 脚突起荷重がゼロとなるクリップ挿入量位置
P1(1) 実施例1のP1
P1(1A) 実施例1の変形例のP1
P1(2) 実施例2のP1
P2(1) 実施例1のP2
P2(1A) 実施例1の変形例のP2
P2(2) 実施例2のP2
P3(1) 実施例1のP3
P3(1A) 実施例1の変形例のP3
P3(2) 実施例2のP3
LC2 爪挿入荷重のピーク
LP2 脚突起挿入荷重のピーク
LP2(1) 実施例1のLP2
LP2(1A) 実施例1の変形例のLP2
LP2(2) 実施例2のLP2
P5 爪掛かり点
LC5 爪掛かり点P5でのばね座挿入荷重

Claims (11)

  1. 座部から離れる方向に延びる脚、脚の径方向に対向する部位に設けられ座部から離れた位置にある結合部にて脚に結合され結合部を除いて脚から切り離され座部側に延びる一対の係止爪、および脚がボデーのクリップ取付孔に挿入されて係止爪がクリップ取付孔縁部に掛かった時に係止爪とでボデーのクリップ取付孔縁部を保持するばね部材、を備えたクリップであって、
    一対の係止爪の対向方向と直交する脚径方向において対向する一対の脚部位に、該脚部位の外面から脚の径方向外方に突出する少なくとも1つの脚突起を備えており、
    脚突起のクリップ取付孔の外側への突出量は、クリップ取付孔通過時に生じる脚突起挿入荷重のピークLP2が、係止爪がクリップ取付孔縁部に掛かる点P5でのばね座挿入荷重LC5よりも高くなるように設定されている、クリップ。
  2. 脚突起は、脚軸方向に、係止爪を脚および座部から切り離す逆U字状スリットが存在する脚軸方向領域内に位置し、
    脚突起は、脚軸方向と直交する方向に、脚の自由状態でボデーのクリップ取付孔の外側に突出しており、脚突起がボデーのクリップ取付孔を通過する時には前記スリットの変形を伴って、ボデーのクリップ取付孔の内側に弾性変位する、請求項1記載のクリップ。
  3. 脚突起の脚軸方向位置は、脚突起がクリップ取付孔縁部と摺接した際の脚突起挿入荷重のピークLP2が生じるクリップ挿入量位置P2が、係止爪がクリップ取付孔縁部に摺接した際の爪挿入荷重のピークLC2が生じるクリップ挿入量位置C2よりもクリップのクリップ取付孔への挿入方向後側に位置し、
    脚突起がクリップ取付孔縁部と摺接した際の脚突起挿入荷重が低下してゼロ以下となるクリップ挿入量位置P3が、ばね座の反力が掛かっている状態で係止爪のボデー係止面がクリップ取付孔縁部に掛かるクリップ挿入量位置C5かそれよりクリップのクリップ取付孔への挿入方向前側に位置するように設定されている、請求項1または請求項2記載のクリップ。
  4. クリップがクリップ挿入荷重対クリップ挿入量特性を有し、
    クリップ挿入荷重対クリップ挿入量特性が、爪挿入荷重が増大してピークLC2に至りついでゼロかゼロ以下に低下する爪挿入荷重対クリップ挿入量特性F1と、爪挿入荷重がゼロかゼロ以下に低下した位置C3よりクリップ挿入量が大きい点C4からばね座挿入荷
    重が急激に増大し途中に爪掛かり点P5を有するばね座挿入荷重対クリップ挿入量特性F2と、を含んでおり、
    前記クリップ挿入荷重対クリップ挿入量特性が、脚突起挿入荷重対クリップ挿入量特性F3をさらに含んでおり、該脚突起挿入荷重対クリップ挿入量特性F3は、爪挿入荷重対クリップ挿入量特性F1における爪挿入荷重がピークLC2をとるクリップ挿入位置C2と、ばね座挿入荷重対クリップ挿入量特性F2における爪掛かり点P5に対応するクリップ挿入位置C5との間の位置P1で、脚突起挿入荷重が立ち上がりを開始し、ついで脚突起挿入荷重のピーク値LP2に至り、ついでばね座挿入荷重対クリップ挿入量特性F2における爪掛かり点P5に対応するクリップ挿入量位置C5かそれよりクリップ挿入方向前側で、脚突起挿入荷重がゼロとなる特性からなる、請求項1−請求項3の何れか1項に記載のクリップ。
  5. 一対の係止爪の対向方向と直交する脚径方向において対向する一対の脚部位に脚突起が1つづつ設けられている請求項1−請求項4の何れか1項に記載のクリップ。
  6. 脚突起挿入荷重が低下してゼロになったクリップ挿入量位置P3(1)がばね座挿入荷重の立ち上がり開始位置C4かそれよりクリップ挿入方向手前にある請求項5記載のクリップ。
  7. 脚突起挿入荷重が低下してゼロになったクリップ挿入量位置P3(2)がばね座挿入荷重の爪掛かり点P5に対応するクリップ挿入量位置C5にある請求項5記載のクリップ。
  8. 一対の係止爪の対向方向と直交する脚径方向において対向する一対の脚部位に脚突起が複数づつ設けられており、該複数の脚突起が脚軸方向と脚径方向の少なくとも一方に、互いにオフセットして設けられている請求項1−請求項4の何れか1項に記載のクリップ。
  9. 前記クリップは、各係止爪の座部側への延長部の座部側先端部にクリップ中心軸線から離れる方向に延びる係止解除部を持つタイプのクリップであって、脚突起の外面に段差または急傾斜が設けられておらず、クリップがボデーに組付けられた状態で、脚突起の座部に近い部分がクリップ取付孔に掛かっている、請求項1−請求項8の何れか1項に記載のクリップ。
  10. 前記クリップがピラーガーニッシュをボデーであるピラーに取り付けるテザークリップである請求項1−請求項9の何れか1項に記載のクリップ。
  11. 請求項10記載のテザークリップを用いて前記ピラーに取り付けられるピラーガーニッシュを備えたピラーガーニッシュ取付構造。
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