JP6314529B2 - 配電系統の実負荷推定に資する学習データの作成方法、プログラム並びに配電系統の実負荷推定装置および推定方法 - Google Patents

配電系統の実負荷推定に資する学習データの作成方法、プログラム並びに配電系統の実負荷推定装置および推定方法 Download PDF

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Description

本発明は、配電系統の実負荷推定に資する学習データの作成方法、プログラム並びに配電系統の実負荷推定装置および推定方法に関し、特に、実負荷推定精度の向上が期待できる学習データを作成することで電力系統に連系した太陽光発電装置が出力する有効電力および負荷が消費する有効電力を正確に推定する技術に関する。
近年、配電系統に大量の太陽光発電装置(PV:Photo Voltaic generation)が導入されている。配電系統の適切な運用、特に事故復旧時の運用のためには太陽光発電装置(PV)の出力と負荷が消費する有効電力を正確に把握する必要がある。
従来の配電系統では、太陽光発電装置(PV)が含まれていなかったため、
計測した電力=負荷の消費する電力
の関係がなりたっていた。
そのため、従来の配電系統における事故復旧技術は、事故直前に計測した電力を賄うだけの電力を融通するもの、つまり計測した電力を周囲の系統から融通して事故復旧させるものであった。
しかし、分散電源(例.太陽光発電装置)が大量導入された配電系統では、このような技術は使えない。例えば、負荷の消費する電力が100kW、分散電源の出力量が100kWの場合、計測される電力は0Wになる。事故がおきると分散電源は系統から解列し出力量が0kWになる。事故復旧に必要な電力は、100kWになるが、事故直前に計測した電力は0Wであるので、従来技術で融通しようとすると融通電力が不足することになる。
分散電源を考慮して事故復旧を図る従来の技術は、下記に示す幾つかの文献に開示されている。すなわち、
下記特許文献1には、計測した有効電力と無効電力から、太陽光発電装置が出力する有効電力と、負荷が消費する有効電力とを独立成分分析を用いて分離する技術が開示されている。
また下記特許文献2には、計測した有効電力と無効電力から、太陽光発電装置が出力する有効電力並びに負荷が消費する有効電力が独立成分分析を使って分離される技術が開示されている。
この特許文献1及び特許文献2は、両者間に本質的な差は無く、計測した有効電力と無効電力から、太陽光発電装置が出力する有効電力と、負荷が消費する有効電力とを独立成分分析を用いて分離することが記載されている。簡潔に両者を区別すれば、特許文献1はオフラインで行う推定技術であるのに対して、特許文献2はリアルタイムで行う推定技術である。
特開2012−095478号公報 特開2012−170236号公報
上記した特許文献1及び特許文献2では、計測した有効電力と無効電力の数分周期の時系列データを用いて独立成分分析により実負荷と太陽光発電量出力を分離している。しかし、実運用されている配電自動化システムの計測周期は数十分周期であるため、計測点が少なくなり推定精度が悪化する。
推定精度が落ちないようにするために従来は、計測点を多くする手法として、推定対象日のデータだけではなく任意に決定した計測期間のデータを用いて独立成分分析を行っていた。
しかしながら、負荷が消費する電力は気温や日射量に依存するため、異なる季節の計測データを学習データとすると推定精度が低下する。なお、ここで学習データとは、推定対象日のデータと任意に決定した計測期間のデータとを含んで成るデータのことを指すものである。
そこで本発明の第1の目的は、実負荷及び太陽光発電量に相関がある情報に優先順位を付け、該優先順位に基づいて類似日を抽出し、抽出した類似日を補正して学習データを作成する学習データ作成方法およびプログラムを提供することを目的とするものである。
また本発明の第2の目的は、実負荷及び太陽光発電量に相関がある情報に優先順位を付け、該優先順位に基づいて類似日を抽出し、抽出した類似日を補正して学習データを作成し、該学習データに対して既存の換算式を適用して実負荷推定を行う実負荷推定装置及び方法を提供することを目的とするものである。
また本発明の第3の目的は、上記のようにして作成された学習データに対して換算式に独立成分分析のAmuseアルゴリズムを用いて推定精度を向上させた実負荷推定装置及び方法を提供することを目的とするものである。
記課題を解決するために本発明は、複数の太陽光発電装置及び負荷が接続された電力系統において、計測した電力の値から実負荷を推定する実負荷推定装置に資する学習データの作成方法であって、
前記電力系統の所定地点で有効電力および無効電力を定期的に計測するステップと、
計測した有効電力と無効電力とを計測電力として記憶手段に記憶するステップと、
実負荷及び太陽光発電装置に相関がある情報を優先順位付けし、前記記憶手段に記憶した前記計測電力の中から、前記優先順位付けした順に、実負荷の推定を行う推定日に類似する類似日の計測電力を抽出して学習データを作成するステップと、
を含むことを特徴とする。
上記において、前記実負荷及び太陽光発電装置に相関がある情報は、気象が類似する情報と歴情報であることを特徴とする。
また上記において、前記実負荷及び太陽光発電装置に相関がある情報の優先順位付けは、(1)推定日と同じ曜日種別(平日/休日)で且つ最高気温・最低気温が最も近い日の雨天日、(2)推定日と同じ曜日種別(平日/休日)で且つ最高気温・最低気温が最も近い日、(3)推定日と同じ曜日同種別(平日/休日)日、の順に優先順位付けすることを特徴とする。
また上記において、前記学習データを作成するステップは、抽出した前記類似日の負荷を前記推定日の負荷傾向に補正することを特徴とする。
また上記において、前記補正は、太陽光発電量が存在しない夜間の時間帯の送り出し負荷を比較することでバイアスを算出し、算出したバイアスを前記類似日のすべての時刻の負荷に加算することで前記学習データを平行移動させることにより行うことを特徴とする。
また上記において、類似日抽出日数を設定するステップと、該類似日抽出日数分だけ、前記学習データを作成するステップを行い、学習データを作成することを特徴とする。
さらに上記において、前記類似日抽出日数分の学習データが一部得られなかった場合、得られた類似日を複数倍することで学習データを作成することを特徴とする。
上記課題を解決するために本発明のプログラムは、複数の太陽光発電装置及び負荷が接続された電力系統において、計測した電力の値から実負荷を推定する実負荷推定装置に資する学習データをコンピュータに作成させるプログラムであって、前記コンピュータを、
予め前記電力系統の所定地点に配置された複数の電力計を用いて定期的に計測された有効電力および無効電力を計測電力として記憶する記憶手段、および、
実負荷及び太陽光発電装置に相関がある情報を、(1)推定日と同じ曜日種別(平日/休日)で且つ最高気温・最低気温が最も近い日の雨天日、(2)推定日と同じ曜日種別(平日/休日)で且つ最高気温・最低気温が最も近い日、(3)推定日と同じ曜日同種別(平日/休日)日、の順に優先順位付けし、前記記憶手段に記憶した前記計測電力の中から、前記優先順位付けした順に、実負荷の推定を行う推定日に類似する類似日の計測電力を抽出して学習データを作成する手段
として機能させることを特徴とする。
上記課題を解決するために本発明は、複数の太陽光発電装置及び負荷が接続された電力系統において、計測した電力の値から実負荷を推定する実負荷推定装置であって、
前記電力系統の所定地点で有効電力および無効電力を定期的に計測する手段と、
計測した有効電力と無効電力とを計測電力として記憶する記憶手段と、
実負荷及び太陽光発電装置に相関がある情報を優先順位付けし、前記記憶手段に記憶した前記計測電力の中から、前記優先順位付けした順に、実負荷の推定を行う推定日に類似する類似日の計測電力を抽出して学習データを作成する手段と、
作成した学習データに対して既存の換算式を適用して太陽光発電装置が出力する有効電力及び負荷が消費する有効電力を分離する手段と、
該負荷が消費する有効電力に基づいて実負荷を推定する手段と、
を備えることを特徴とする。
また上記において、作成した前記学習データに対して適用する既存の換算式は、回帰式または独立成分分析のFast ICAアルゴリズムであることを特徴とする。
上記課題を解決するために本発明の実負荷推定方法は、複数の太陽光発電装置及び負荷が接続された電力系統において、計測した電力の値から実負荷を推定する実負荷推定装置による実負荷推定方法であって、
前記電力系統の所定地点に配置された複数の電力計を用いて有効電力および無効電力を定期的に計測するステップと、
計測した有効電力と無効電力とを計測電力として記憶手段に記憶するステップと、
実負荷及び太陽光発電装置に相関がある情報を優先順位付けし、前記記憶手段に記憶した前記計測電力の中から、前記優先順位付けした順に、実負荷の推定を行う推定日に類似する類似日の計測電力を抽出して学習データを作成するステップと、
作成した学習データに対して既存の換算式を適用して太陽光発電装置が出力する有効電力及び負荷が消費する有効電力を分離するステップと、
該負荷が消費する有効電力に基づいて実負荷を推定するステップと、
を含むことを特徴とする。
上記課題を解決するために本発明のプログラム、複数の太陽光発電装置及び負荷が接続された電力系統において、計測した電力の値から実負荷をコンピュータに推定させるプログラムであって、前記コンピュータを、
予め前記電力系統の所定地点に配置された複数の電力計を用いて定期的に計測された有効電力および無効電力を計測電力として記憶する記憶手段
実負荷及び太陽光発電装置に相関がある情報を優先順位付けし、前記記憶手段に記憶した前記計測電力の中から、前記優先順位付けした順に、実負荷の推定を行う推定日に類似する類似日の計測電力を抽出して学習データを作成する手段、
作成した学習データに対して既存の換算式を適用して太陽光発電装置が出力する有効電力及び負荷が消費する有効電力を分離する手段、および、
該負荷が消費する有効電力に基づいて実負荷を推定する手段、
として機能させることを特徴とする。
上記課題を解決するために本発明の実負荷推定装置は、複数の太陽光発電装置及び負荷が接続された電力系統において、計測した電力の値から実負荷を推定する実負荷推定装置であって、
前記電力系統の所定地点で有効電力および無効電力を定期的に計測する手段と、
計測した有効電力と無効電力とを計測電力として記憶する記憶手段と、
実負荷及び太陽光発電装置に相関がある情報を優先順位付けし、前記記憶手段に記憶した前記計測電力の中から、前記優先順位付けした順に、実負荷の推定を行う推定日に類似する類似日の計測電力を抽出して学習データを作成する手段と、
作成した学習データに対して換算式に独立成分分析のAmuseアルゴリズムを用いて太陽光発電装置が出力する有効電力及び負荷が消費する有効電力を分離する手段と、
該負荷が消費する有効電力に基づいて実負荷を推定する手段と、
を備えることを特徴とする。
上記課題を解決するために本発明は、複数の太陽光発電装置及び負荷が接続された電力系統において、計測した電力の値から実負荷を推定する実負荷推定装置による実負荷推定方法であって、
前記電力系統の所定地点で有効電力および無効電力を定期的に計測するステップと、
計測した有効電力と無効電力とを計測電力として記憶手段に記憶するステップと、
実負荷及び太陽光発電装置に相関がある情報を優先順位付けし、前記記憶手段に記憶した前記計測電力の中から、前記優先順位付けした順に、実負荷の推定を行う推定日に類似する類似日の計測電力を抽出して学習データを作成するステップと、
作成した学習データに対して換算式に独立成分分析のAmuseアルゴリズムを用いて太陽光発電装置が出力する有効電力及び負荷が消費する有効電力を分離するステップと、
該負荷が消費する有効電力に基づいて実負荷を推定するステップと、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、従来法よりも推定精度を向上させた実負荷推定を行うことができる。
本発明の実施形態に係る配電系統の構成例を示す図である。 本発明の実施形態に係る電力推定装置の構成例を示す図である。 本発明の実施形態に係る学習データ作成処理部における学習データ作成のための処理フローを示す図である。 本発明の実施形態に係る学習データの作成の概念を示す図である。 本発明の実施形態に係る類似日を抽出するための処理フローの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る類似日の補正処理の概念を示す図である。 本発明による実負荷推定精度の一例を示す図である。 推定するのに使用するデータを同じにして得られた本発明による実負荷推定結果と従来法による実負荷推定結果を真値と比較して示したグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る配電系統の構成例を示す図である。図1を用いて、本発明の実施形態に係る配電系統について説明する。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る配電系統の上流側は変電所1に接続され、変電所1から下流に位置するA系統及びB系統に分岐された配電線に、複数の負荷および分散電源として典型の太陽光発電装置(PV:Photo Voltaic generation )がつながる構成である。そして配電線には、1もしくは複数の電力計(図示例では、電力計P1,・・・,P4)が設けられ、電力計P1,・・・,P4で計測した有効電力と無効電力は定期的に電力推定装置10に伝送され、不図示のメモリに蓄積される。なお電力計P1,・・・,P4では、上記した有効電力、無効電力のほか、電流、力率、開閉器の開閉状態等についても計測され、電力推定装置10に伝送され、上記と同様に不図示のメモリに蓄積される。
図1について更に詳しく説明すると、変電所1に接続される配電線のA系統(フィーダともいう)には、一例として2棟の一般家庭と1つ工場が接続され、配電線のB系統(フィーダともいう)には、一例として3棟の一般家庭が接続されている。そして一般家庭の屋根等には、太陽光発電パネルが設置され、該太陽光発電パネルにより発電された電力はインバータを介して交流に変換されるとともに、家庭内の負荷で電力を消費したり、太陽光発電電力が余れば系統に電力を供給することが出来るよう構成している。なお、変電所1には発電所(不図示)から送電線を介して送電が行われている。
図1に示す配電系統の構成例は、単なる例示であり、実際は、これより多くの一般家庭、工場、メガソーラ等が配電線に接続されることになる。また図示例の工場は、太陽光発電装置(発電パネル)を有さずに、工場内のモータ、コンデンサ(リアクタンス)、及び、一般的な電力負荷、等から成るエネルギーを消費する負荷が接続され、配電線を経て供給される電力を消費するものとして記述されている。なお、無効電力補償装置200は、無効電力の調整を行うもので、それ自体の機能は当業者に知られているのでその説明を省略する。
また図示例の配電線には、開閉器S1の変電所1側に電力計P1が設けられ、電力計P1より下流の配電線に接続される負荷全てが消費する電力値が、また開閉器S2の変電所1側に電力計P2が設けられ、電力計P2より下流の配電線に接続される負荷全てが消費する電力値が、また開閉器S3の変電所1側に電力計P3が設けられ、電力計P3より下流の配電線に接続される負荷全てが消費する電力値が、さらに開閉器S4の変電所1側に電力計P4が設けられ、電力計P4より下流の配電線に接続される負荷全てが消費する電力値が、それぞれ計測され、電力計P1,電力計P2、および、電力計P3,電力計P4でそれぞれ計測した有効電力と無効電力の値が定期的に電力推定装置10に伝送され、不図示のメモリに蓄積される。
図2は、本発明の実施形態に係る電力推定装置の構成を示す図である。図2に示す本発明の電力推定装置10は、コンピュータ等の情報を処理する汎用の装置で構成されており、当該装置には、特に図示しないが、CPU(中央処理ユニット)、記憶装置(ハードディスク)、内部メモリ、通信機能部、入出力インタフェース、入出力装置など当業者によく知られたハードウェア構成を備えている。そして上記記憶装置には予め所定のアプリケーションプログラムが記憶されており、上記CPUが内部メモリを使用しながらこのアプリケーションプログラムを読出して実行することにより下記に記述する各種処理部11〜15の機能を実現する。
上記電力推定装置10が備えるハードウェア構成の下に、バスで相互に接続された、
入力装置11は、電力計P1,・・・,P4で計測された有効電力と無効電力を収集する。気象情報・暦情報も外部装置(図示せず)から収集、もしくは直接入力する
メモリ12は、入力装置11から入力された情報を蓄積するとともに、電力推定装置10内の他の機能で処理した情報を蓄積する。
出力装置13は、メモリ12内の情報を画面や印刷を通して出力する。また、出力装置13は、電力推定装置10の内部にて計算し蓄積した情報を外部装置(図示せず)に出力することもできる。
学習データ作成処理部14は、メモリ12内に蓄積されたデータを元に後述する本発明に特有の学習データの抽出法に基づいて学習データを作成する。詳細は後述する。
推定処理部15は、学習データ作成処理部14により作成された学習データ(有効電力と無効電力)を用いて、既存の換算式(回帰式または特許文献1に記載の独立成分分析の手法(例えば、Fast ICAアルゴリズム)による)を使って実負荷(有効電力)と太陽光発電量(有効電力)を推定を行う。なお、本発明に特有の学習データの作成を行わずに上述のようにして収集した計測データ(有効電力と無効電力)から、独立成分分析(ICA(Independent Component Analysis:独立成分分析))のための復元行列を構築し、構築した復元行列を演算処理して実負荷(有効電力)と太陽光発電量(有効電力)を分離することもできる。この場合に本推定処理部は、独立成分分析手法を使用することによって推定処理を行うことになる。
独立成分分析するに当たっては、送り出し負荷の有効電力と無効電力の2入力のデータセットを複数入力することで、実負荷(有効電力)と太陽光発電量(有効電力)の2出力をデータセットに対してそれぞれ算出する。更に上記入力に推定時点の送り出し負荷のデータも含めることで、推定時点の2出力を推定値として取り出すことができる。
独立成分分析手法を用いて実負荷および太陽光発電量を分離出力する場合には、独立成分分析手法で用いるAmuse(Algorithm for Multiple Unknown Signal Extraction)アルゴリズムを換算式に使用することで推定精度が従来のものに比較して向上させることができる。独立成分分析手法におけるAmuseアルゴリズム自体は、当該技術分野の技術者には良く知られたものなので、詳細な説明は割愛する。
後述するように、本発明は、本発明に特有の学習データの抽出法に基づいて学習データを作成するので、既存の換算式(回帰式または特許文献1に記載の独立成分分析の手法による)を使うだけでも本発明に特有の学習データの抽出法を用いない学習データに基づいて実負荷(有効電力)と太陽光発電量(有効電力)を推定する従来手法より推定精度を向上させることができる。
また本実施形態では、独立成分分析する対象として上記のようにして作成した学習データを用いればさらに推定精度を向上させることができる。これについては後述する。
図3ないし図6は、本発明の実施形態に係る学習データ作成処理部の学習データの作成処理並びに学習データ作成時の類似日の抽出処理を説明する図である。すなわち、
図3は、本発明の実施形態に係る学習データ作成処理部における学習データ作成のための処理フローを示す図である。以下に示す手順(a)及び(b)に従って学習データの作成を行う内容について説明する。
(a)類似日の抽出処理
上記したようにメモリ12内に蓄積された計測データを元に類似日を抽出して学習データを作成する場合は、気温や天気等が推定日(推定対象日ともいう)のものと類似した過去の計測データを用いる方が推定精度の向上が期待できる。しかし、気温や天気等が類似する過去日だけで学習データを作成すると、過去に該当する日が存在しない場合もあるため、推定可能日が減少する。そのため、実負荷及び太陽光発電量に相関がある情報、例えば、気象予報情報(例えば天気や気温情報)、曜日情報、等について以下に示す表1の優先順位付け(段階付け)に基づいて類似日を抽出する。つまり、優先度の高い相関がある情報項目に合致する日からまず類似日を抽出し、その項目に合致する日が存在しない場合には次ぎに段階付けされた情報項目にしたがって類似日を抽出する(図5参照)。
送り出し負荷からでは実負荷と太陽光発電量の関係性がわからないため、本発明では推定日対象日に相関がある情報に優先順位を付け、当該優先順位に基づいて推定日に類似する類似日を抽出することで推定に適合する学習データを得やすくする。本発明の実施形態に係る類似日の抽出法では気象類似雨天日の抽出を高優先順位にしている。それは、気象類似雨天日であれば、太陽光発電量が含まれていない送り出し負荷を抽出することできるためで、夜間時間帯以外の実負荷のサンプル数が増えることにより、特に独立成分分析における分離精度の向上が見込めるからである。
(b)類似日の補正処理
上記のようにして抽出された類似日は、気象や曜日条件について推定日と類似しているが、送り出し負荷のスケール(大きさ)が異なっていることが考えられる。なお“送り出し負荷”は、概して電力事業者が予測する配電系統の全需要家で電力消費する負荷として定義される。“送り出し負荷”には季節性があり、夏季、冬季では電力需要量が多くなり、春季や秋季には電力需要量が夏季、冬季より下がることは一般に広く知られていることである。そのため、上記のようにして抽出された類似日に対して補正(後述するバイアス補正)を行う必要がある。
類似日の補正処理では、抽出した類似日と推定日の送り出し負荷のスケールを一致させるために、太陽光発電量が存在しない夜間の時間帯の送り出し負荷を推定日のそれと比較することで補正量となるバイアスを算出する(図6参照)。
夜間時間帯は、推定時刻によって既知である送り出し負荷が推定日と異なるため、夜間平均を算出する際は、類似日の夜間帯時刻を推定日の推定時刻(ここでは一例として時刻0:00〜3:00)に合わせる。
算出したバイアスを類似日のすべての時刻に加算することで、類似日の学習データを平行移動させる。抽出した類似日が複数あればこのプロセスを抽出した類似日毎に行う。
図4は、本発明の実施形態に係る学習データの作成の概念を説明する図である。図4の上段に示す図は、図3に示した(a)類似日の抽出処理を説明するものである。また図4の下段に示す図は、図3に示した(b)類似日の補正処理を説明するものである。
さらに説明すると、図4の上段の右側に示される図は、推定日における負荷の傾向(負荷曲線)を示す図であり、推定時点を推定日の正午とした場合のものである(推定日の0:00〜12:00を計測データとして利用可能)。また図4の上段の左側に示す類似日は、下記の図5で説明する類似日の抽出方法で抽出された類似日の負荷の傾向(負荷曲線)を示す図である。
次に、図4の下段の左側に示す類似日の図は、上記図4の上段で抽出された類似日の補正(バイアス補正)後の負荷の傾向(負荷曲線)を示す図である。すなわち、点線で示した図は補正前の負荷の傾向を示す曲線(負荷曲線)であり、実線で示した図は補正後の負荷の傾向を示す曲線(負荷曲線)である。
なお図4には、抽出した類似日として一つだけ示されているが、独立成分分析する場合には、サンプル数すなわち学習データ数が少ないと分離精度が悪化するので、類似日を2以上抽出することが望ましい。また図4には、類似日の負荷の傾向を示す曲線が推定日の負荷の傾向を示す曲線と略相似形に図示されているがこれは比較の為の図であって実際は相似形にはならないのが普通である。つまり、ここでいう類似日は推定日の気象や歴情報と類似する日であり、負荷曲線が類似する日ではないため、負荷曲線は相似形にならない。
図5は、本発明の実施形態に係る類似日を抽出するための処理フローの一例を示す図である。本発明の実施形態においては、以下の表1に示す類似日の内容欄の上から下に推定精度の信頼度が高い方から低くなる順に類似日を優先順位付け(段階付け)して抽出する。推定精度の信頼度は、シミュレーションの検証結果を元に評価する。その際、類似日抽出の入力情報となる、最高気温や最低気温は気象予報情報、曜日は既知情報、天気は気象庁によって公開されている天気概況から取得できる。また、天気に関しては、気象庁もしくは計測した日照時間、降水量や日射量予測値から判断してもよい。
図5に基づいて具体的に説明すると、ステップS51では、気象類似雨天日の有無を判定し、有り(Yes)の場合には、ステップS52に進み気象類似雨天日を類似日に設定して学習データの抽出処理を終了する。無い(No)場合には、ステップS53に進む。ここにおいて気象類似雨天日は、雨天日であって、下記に示す気象類似日であることを指している。
ステップS53では、気象類似日の有無を判定し、有り(Yes)の場合には、ステップS54に進み気象類似日を類似日に設定して学習データの抽出処理を終了する。無い(No)場合には、ステップS55に進む。ここにおける気象類似日は、推定日と同じ曜日種別(平日/休日)であり、最高気温・最低気温が最も近い日のことを指している。
ステップS55では、同曜日種別日の有無を判定し、有り(Yes)の場合には、ステップS56に進み同曜日種別日を類似日に設定して学習データの抽出処理を終了する。無い(No)場合には、ステップS57に進む。なお同曜日とは、推定日と同じ曜日のことであり、種別日とは、平日又は休日のことで、ここにおける同曜日種別日は、推定日と同じ曜日種別の近傍日のことを指している。
ステップS57では、類似日なしの処理を実行し、学習データの抽出処理を終了する。なおステップS57で類似日なしとなったら本発明の実施形態に係る学習データの抽出処理は終了するが、推定を行わないで済ませない場合には、本旨と外れるが推定日の近傍日を選択して既存の推定手法により推定を行うことになるが、これについては本発明の趣旨と外れるのでこれ以上の説明を省く。
このように本発明の実施形態に係る類似日の抽出手法は、抽出のための優先度を上記表1に示すように推定精度信頼度が高い方から低くなる順にしたがって類似日を抽出することで、過去データが欠損していたり、少量のサンプル数しか得られない場合でも、実負荷を推定することができる。なお、気象類似雨天日抽出が推定精度の信頼度が最も高くなるのは、太陽光発電量が含まれていない送り出し負荷を抽出することで、夜間帯以外の実負荷のサンプルが増え、独立成分分析による分離精度の向上に役立つためである。そのため、太陽光発電量が少ないデータが抽出できれば、雨天日のデータでなくても構わない。
なお、類似日の抽出日数は1日のみに限定されず任意の数に決めることができる。特に、独立成分分析(ICA)では学習データのサンプル数によって推定精度が変動するため、対象となるデータに対して最適な類似日抽出日数を設定することが望ましい。一般的に、独立成分分析(ICA)では、サンプル数を多くした方が推定精度は向上するが、多すぎると過学習を起こし推定精度が逆に低下する場合があるため、最適な類似日抽出日数を事前に設定しておく方が良い。
また最適な類似日抽出日数は、運用者が経験的に把握している最適な日数を設定してもよいし、また検証用データに対して段階的に類似日抽出日数を変化させた際の推定精度が優れた日数を設定してもよいし、さらにメタヒューリティクスのような最適化手法により日数を設定してもよい。
類似日を複数抽出する場合は、抽出した類似日毎に、上記図3で説明した、(b)類似日補正を行うことが望ましい。また、上述した図5の処理フローによって類似日が複数得られない場合は、処理フローの優先順位に従って類似日抽出方法を適宜組み合わせたり、抽出した類似日を複数倍することで、類似日を複数作成してもよい。この例について説明すれば、類似日を2日分抽出する際に気象類似雨天日が1日しか抽出できなかった場合、以下に示すいずれかにしたがって、
(1)組合せの例:気象類似雨天日1日 + 気象類似日1日
(2)複数倍の例:気象類似雨天日1日 × 2
類似日を2日分抽出するものとする。
図6は、本発明の実施形態に係る類似日の補正処理の概念を示す図である。図6において類似日における補正前の負荷の傾向を示す曲線(負荷曲線)は点線で示され、上記したバイアスを求めて実線のように負荷曲線を補正する。バイアスは、図6に示されるように、夜間時間帯の推定日と類似日の差からバイアスが下記式のように算出され、該バイアスを類似日のすべての時刻に加算することで、類似日の学習データを平行移動させることができる。なお、ここで使用している用語“バイアス”は、統計処理の結果や推定において真の値からずれること、あるいは、そのようなことが起きるプロセスを指す用語として一般に使用されていることに準拠したものである。
次に、上記したバイアスを算出する式は次にようになる。すなわち、
バイアス=送り出し負荷の夜間平均(推定日)−送り出し負荷の夜間平均(類似日)
送り出し負荷(類似日補正)=送り出し負荷(類似日)+上記式で求まるバイアス
本発明の実施形態では、上述したようにして本発明に特有の学習データを抽出したものに対して補正することができる。したがって、本発明によって抽出された学習データを補正して用いるので、既存の換算式(回帰式または独立成分分析の手法(例えば、Fast ICAアルゴリズム)による)を使うだけでも本発明に特有の学習データの抽出法を用いない学習データに基づいて実負荷(有効電力)と太陽光発電量(有効電力)を推定する従来法より推定精度を向上させることができる。
また本発明によって抽出され補正された学習データに対して時系列データに特化した独立成分分析のためのAmuseアルゴリズムを換算式として適用すれば、上記した既存の換算式(回帰式または独立成分分析の手法(例えば、Fast ICAアルゴリズム)による)を使うだけのものよりも更に推定精度の向上した実負荷と太陽光発電量の推定を行うことができる(図7及び図8参照)。なお、独立成分分析のためのAmuseアルゴリズムを換算式として適用する場合に、本発明者らは上記した学習データを数多く抽出して類似日数を最適な日数にしてかつ補正することで連結した時系列データとして使用すれば推定精度を更に向上させることができるとの知見を得ている。
図7は、本発明による実負荷推定精度の一例を示す図であり、本発明の実負荷推定精度の例として、上記した本発明に特有の学習データの抽出法で抽出した学習データに対して既存の独立成分分析におけるFast ICAアルゴリズムを換算式に使用した例(図7の中央に図示)、および、本発明に特有の学習データの抽出法で抽出した学習データに対して独立成分分析におけるAmuseアルゴリズムを換算式に使用した例(図7の右部に図示)を示している。
ここで両アルゴリズムの違いについて簡単に説明すると、独立成分分析(ICA)する際に、Amuseアルゴリズムを換算式に適用する場合は、適用するサンプルの順番が時系列順になっていることが必要であり、一方、独立成分分析(ICA)のデファクスタンダードであるFast ICAアルゴリズムを換算式に適用する場合は、サンプルの順番は関係なく、ランダムな順番でよくそれを学習させて推定結果を得るようにしている。観点を変えて云えば、Fast ICAアルゴリズムは初期解に乱数を用いるのに対して、Amuseアルゴリズムでは乱数を用いないため、Amuseアルゴリズムを換算式に適用することで推定精度結果を安定したものにできる。ここで安定とは、飛びぬけて推定精度が悪い結果が少ないという意味である。いずれにしてもこれら二つの例とも本発明に特有の学習データの抽出法で抽出した学習データを用いているのに対して、従来法では、本発明に特有の学習データの抽出法によらないで抽出した学習データ、例えば、近傍日を学習データとし抽出するとともに独立成分分析するのに十分なサンプル数を前記近傍日から取得して独立成分分析におけるFast ICAアルゴリズムを換算式に適用して得たものに比べて推定精度が向上しているのが分かるであろう。なお、図7ではそれぞれ計測周期を15分周期(1日96点)として絶対誤差を算出しそれを年間平均したものである。
図8は、推定するのに使用するデータを同じにして得られた本発明による実負荷推定結果(細実線)と従来法による実負荷推定結果(細実線)を真値(太破線)と比較して示したグラフである。図8のグラフでは、15分毎に推定した結果を1日分(96点)としてプロットしている。本発明(Amuse)も従来法も推定するのに使うデータは同じであるが、従来法は、類似日補正を実施せず且つ本発明に特有の学習データの抽出法で抽出した学習データを用いていないものである。
1 変電所
10 電力推定装置
11 入力装置
12 メモリ
13 出力装置
14 学習データ作成処理部
15 推定処理部
200 無効電力補償装置
300 開閉器S5
P1〜P4 電力計
S1〜S4 開閉器

Claims (14)

  1. 数の太陽光発電装置及び負荷が接続された電力系統において、計測した電力の値から実負荷を推定する実負荷推定装置に資する学習データの作成方法であって、
    前記電力系統の所定地点で有効電力および無効電力を定期的に計測するステップと、
    計測した有効電力と無効電力とを計測電力として記憶手段に記憶するステップと、
    実負荷及び太陽光発電装置に相関がある情報を優先順位付けし、前記記憶手段に記憶した前記計測電力の中から、前記優先順位付けした順に、実負荷の推定を行う推定日に類似する類似日の計測電力を抽出して学習データを作成するステップと、
    を含むことを特徴とする学習データ作成方法。
  2. 前記実負荷及び太陽光発電装置に相関がある情報は、気象が類似する情報と歴情報であることを特徴とする請求項に記載の学習データ作成方法。
  3. 前記実負荷及び太陽光発電装置に相関がある情報の優先順位付けは、(1)推定日と同じ曜日種別(平日/休日)で且つ最高気温・最低気温が最も近い日の雨天日、(2)推定日と同じ曜日種別(平日/休日)で且つ最高気温・最低気温が最も近い日、(3)推定日と同じ曜日同種別(平日/休日)日、の順に優先順位付けすることを特徴とする請求項に記載の学習データ作成方法。
  4. 前記学習データを作成するステップは、抽出した前記類似日の負荷を前記推定日の負荷傾向に補正することを特徴とする請求項ないしのいずれか1項に記載の学習データ作成方法。
  5. 前記補正は、太陽光発電量が存在しない夜間の時間帯の送り出し負荷を比較することでバイアスを算出し、算出したバイアスを前記類似日のすべての時刻の負荷に加算することで前記学習データを平行移動させることにより行うことを特徴とする請求項に記載の学習データ作成方法。
  6. 類似日抽出日数を設定するステップと、該類似日抽出日数分だけ、前記学習データを作成するステップを行い、学習データを作成することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の学習データ作成方法。
  7. 前記類似日抽出日数分の学習データが一部得られなかった場合、得られた類似日を複数倍することで学習データを作成することを特徴とする請求項に記載の学習データ作成方法。
  8. 数の太陽光発電装置及び負荷が接続された電力系統において、計測した電力の値から実負荷を推定する実負荷推定装置に資する学習データをコンピュータに作成させるプログラムであって、前記コンピュータを、
    予め前記電力系統の所定地点に配置された複数の電力計を用いて定期的に計測された有効電力および無効電力を計測電力として記憶する記憶手段、および、
    実負荷及び太陽光発電装置に相関がある情報を、(1)推定日と同じ曜日種別(平日/休日)で且つ最高気温・最低気温が最も近い日の雨天日、(2)推定日と同じ曜日種別(平日/休日)で且つ最高気温・最低気温が最も近い日、(3)推定日と同じ曜日同種別(平日/休日)日、の順に優先順位付けし、前記記憶手段に記憶した前記計測電力の中から、前記優先順位付けした順に、実負荷の推定を行う推定日に類似する類似日の計測電力を抽出して学習データを作成する手段、
    として機能させるためのプログラム。
  9. 数の太陽光発電装置及び負荷が接続された電力系統において、計測した電力の値から実負荷を推定する実負荷推定装置であって、
    前記電力系統の所定地点で有効電力および無効電力を定期的に計測する手段と、
    計測した有効電力と無効電力とを計測電力として記憶する記憶手段と、
    実負荷及び太陽光発電装置に相関がある情報を優先順位付けし、前記記憶手段に記憶した前記計測電力の中から、前記優先順位付けした順に、実負荷の推定を行う推定日に類似する類似日の計測電力を抽出して学習データを作成する手段と、
    作成した学習データに対して既存の換算式を適用して太陽光発電装置が出力する有効電力及び負荷が消費する有効電力を分離する手段と、
    該負荷が消費する有効電力に基づいて実負荷を推定する手段と、
    を備えることを特徴とする実負荷推定装置。
  10. 作成した前記学習データに対して適用する既存の換算式は、回帰式または独立成分分析のFast ICAアルゴリズムであることを特徴とする請求項に記載の実負荷推定装置。
  11. 数の太陽光発電装置及び負荷が接続された電力系統において、計測した電力の値から実負荷を推定する実負荷推定装置による実負荷推定方法であって、
    前記電力系統の所定地点に配置された複数の電力計を用いて有効電力および無効電力を定期的に計測するステップと、
    計測した有効電力と無効電力とを計測電力として記憶手段に記憶するステップと、
    実負荷及び太陽光発電装置に相関がある情報を優先順位付けし、前記記憶手段に記憶した前記計測電力の中から、前記優先順位付けした順に、実負荷の推定を行う推定日に類似する類似日の計測電力を抽出して学習データを作成するステップと、
    作成した学習データに対して既存の換算式を適用して太陽光発電装置が出力する有効電力及び負荷が消費する有効電力を分離するステップと、
    該負荷が消費する有効電力に基づいて実負荷を推定するステップと、
    を含むことを特徴とする実負荷推定方法。
  12. 数の太陽光発電装置及び負荷が接続された電力系統において、計測した電力の値から実負荷をコンピュータに推定させるプログラムであって、前記コンピュータを、
    予め前記電力系統の所定地点に配置された複数の電力計を用いて定期的に計測された有効電力および無効電力を計測電力として記憶する記憶手段
    実負荷及び太陽光発電装置に相関がある情報を優先順位付けし、前記記憶手段に記憶した前記計測電力の中から、前記優先順位付けした順に、実負荷の推定を行う推定日に類似する類似日の計測電力を抽出して学習データを作成する手段、
    作成した学習データに対して既存の換算式を適用して太陽光発電装置が出力する有効電力及び負荷が消費する有効電力を分離する手段、および、
    該負荷が消費する有効電力に基づいて実負荷を推定する手段、
    として機能させるためのプログラム。
  13. 数の太陽光発電装置及び負荷が接続された電力系統において、計測した電力の値から実負荷を推定する実負荷推定装置であって、
    前記電力系統の所定地点で有効電力および無効電力を定期的に計測する手段と、
    計測した有効電力と無効電力とを計測電力として記憶する記憶手段と、
    実負荷及び太陽光発電装置に相関がある情報を優先順位付けし、前記記憶手段に記憶した前記計測電力の中から、前記優先順位付けした順に、実負荷の推定を行う推定日に類似する類似日の計測電力を抽出して学習データを作成する手段と、
    作成した学習データに対して換算式に独立成分分析のAmuseアルゴリズムを用いて太陽光発電装置が出力する有効電力及び負荷が消費する有効電力を分離する手段と、
    該負荷が消費する有効電力に基づいて実負荷を推定する手段と、
    を備えることを特徴とする実負荷推定装置。
  14. 数の太陽光発電装置及び負荷が接続された電力系統において、計測した電力の値から実負荷を推定する実負荷推定装置による実負荷推定方法であって、
    前記電力系統の所定地点で有効電力および無効電力を定期的に計測するステップと、
    計測した有効電力と無効電力とを計測電力として記憶手段に記憶するステップと、
    実負荷及び太陽光発電装置に相関がある情報を優先順位付けし、前記記憶手段に記憶した前記計測電力の中から、前記優先順位付けした順に、実負荷の推定を行う推定日に類似する類似日の計測電力を抽出して学習データを作成するステップと、
    作成した学習データに対して換算式に独立成分分析のAmuseアルゴリズムを用いて太陽光発電装置が出力する有効電力及び負荷が消費する有効電力を分離するステップと、
    該負荷が消費する有効電力に基づいて実負荷を推定するステップと、
    を含むことを特徴とする実負荷推定方法。
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