JP6313932B2 - 回路基板用の修復部材、回路基板の製造方法、及び回路基板用の修復部材の製造方法 - Google Patents

回路基板用の修復部材、回路基板の製造方法、及び回路基板用の修復部材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、回路基板用の修復部材、回路基板の製造方法、及び回路基板用の修復部材の製造方法に関する。
パーソナルコンピュータ等の電子機器においては、CPU(Central Processing Unit)等の電子部品がはんだを介して回路基板の上に実装される。はんだは、回路基板の上に電子部品を実装するときに加熱されて溶融するが、溶融したはんだが濡れ広がらないようにするために回路基板の最上層にはソルダレジスト層が設けられる。
その回路基板においては、電子部品の実装後に電子部品に不良が発見されたり、電子部品と回路基板との間に接続不良が発見されたりする場合がある。これらの場合は、新品の電子部品と交換するために、はんだを再び加熱して溶融することにより、回路基板から電子部品を取り外すことになる。
但し、このように回路基板から電子部品を取り外した直後では、はんだが回路基板の上に残存しており、そのはんだが邪魔で新品の電子部品を回路基板に搭載するのが難しくなる。
そこで、回路基板から電子部品を取り外した後には、回路基板の上に残存しているはんだを除去する作業が行われる。その作業では、はんだ鏝を利用してはんだを溶融し、溶融したはんだをウィックやスポイト等で吸引してはんだが除去される。
しかしながら、その作業中に作業者がはんだ鏝の鏝先で回路基板のソルダレジスト層を傷つけてしまい、ソルダレジスト層が部分的に欠損することがある。このようにソルダレジスト層が欠損すると、はんだを介して回路基板に新品の電子部品を実装するときに回路基板の上をはんだが濡れ広がってしまい、回路基板の隣接するパッド同士がはんだによって電気的にショートするおそれがある。
更に、このようにはんだが濡れ広がることにより、回路基板と電子部品とを接続するはんだの量が少なくなり、はんだにより回路基板と電子部品とを接続するのが難しくなるおそれもある。
欠損したソルダレジスト層を修復するために、ソルダレジストの欠損部に液状のソルダレジストを塗布する方法も考えられる。しかし、BGA(Ball Grid Allay)のように電極パッドが密に配された電子部品を搭載する場合には、回路基板側の電極パッドも密に配されており、隣接する電極パッド間の狭いスペースに液状のソルダレジストを塗布するのは極めて困難である。
更に、ソルダレジスト層の欠損部を補修するために、回路基板の全面に感光性の新たなソルダレジスト層を形成してそれを露光した後、そのソルダレジスト層を薬液に浸して所定のソルダレジストのパターンを得ることも考えられる。しかし、その薬液はアルカリ性であるため、交換対象となっていない電子部品が回路基板にあると、その電子部品が薬液によってダメージを受けてしまう。
そのため、上記のようにソルダレジスト層が欠損した回路基板は、使用可能な部品が実装されている場合でも廃棄せざるを得ず、部品のリサイクルや資源保護といった観点から問題である。
特開2004−4263号公報 特開平4−233790号公報
回路基板用の修復部材、回路基板の製造方法、及び回路基板用の修復部材の製造方法において、欠損したソルダレジスト層を簡単に修復できるようにすることを目的とする。
以下の開示の一観点によれば、シートと、前記シートの上に設けられ、所定の平面形状に整形された樹脂層とを有し、前記樹脂層が、修復対象の回路基板に貼付可能な粘着性を有するソルダレジストを材料とし、かつ前記シートから剥離可能である回路基板用の修復部材が提供される。
また、その開示の他の観点によれば、ソルダレジスト層を備えた回路基板の表面において、前記ソルダレジスト層が欠損している部分に、シートの上に設けられた樹脂層を貼付する工程と、前記樹脂層を貼付した後、前記樹脂層から前記シートを剥離する工程とを有する回路基板の製造方法が提供される。
更に、その開示の別の観点によれば、シートの上に設けられ、修復対象の回路基板に貼付可能な粘着性を有するソルダレジストを材料とし、かつ前記シートから剥離可能な樹脂層を加工することにより、前記樹脂層を所定の平面形状に整形する工程とを有する回路基板用の修復部材の製造方法が提供される。
以下の開示によれば、シートに設けられた樹脂層を回路基板に貼付した後、そのシートを樹脂層から剥離することにより、回路基板のソルダレジスト層の欠損部を樹脂層で簡単に修復することができる。
図1(a)は、第1実施形態においてリワーク前の電子部品と回路基板の平面図であり、図1(b)は図1(a)のI−I線に沿う断面図である。 図2は、第1実施形態において電子部品を取り外した後の回路基板の拡大平面図である。 図3は、第1実施形態に係る回路基板の製造方法を示すフローチャートである。 図4(a)は、第1実施形態に係る修復部材の平面図であり、図4(b)は図4(a)のII−II線に沿う断面図である。 図5(a)、(b)は、第1実施形態に係る回路基板の修復方法について説明するための斜視図(その1)である。 図6(a)、(b)は、第1実施形態に係る回路基板の修復方法について説明するための斜視図(その2)である。 図7(a)は、図5(b)のIII−III線に沿う断面図であり、図7(b)は、図6(b)のIV−IV線に沿う断面図である。 図8(a)は、第2実施形態において円形の第1の電極パッドに好適な修復部材の平面図(その1)であり、図8(b)は、その修復部材が備える樹脂層を貼付した状態の回路基板の拡大平面図(その1)である。 図9(a)は、第2実施形態において円形の第1の電極パッドに好適な修復部材の平面図(その2)であり、図9(b)は、その修復部材が備える樹脂層を貼付した状態の回路基板の拡大平面図(その2)である。 図10(a)は、第2実施形態において円形の第1の電極パッドに好適な修復部材の平面図(その3)であり、図10(b)は、その修復部材が備える樹脂層を貼付した状態の回路基板の拡大平面図(その3)である。 図11(a)は、第2実施形態において円形の第1の電極パッドに好適な修復部材の平面図(その4)であり、図11(b)は、その修復部材が備える樹脂層を貼付した状態の回路基板の拡大平面図(その4)である。 図12(a)は、第2実施形態において円形の第1の電極パッドに好適な修復部材の平面図(その5)であり、図12(b)は、その修復部材が備える樹脂層を貼付した状態の回路基板の拡大平面図(その5)である。 図13(a)は、第2実施形態において矩形の第1の電極パッドに好適な修復部材の平面図(その1)であり、図13(b)は、その修復部材が備える樹脂層を貼付した状態の回路基板の拡大平面図(その1)である。 図14(a)は、第2実施形態において矩形の第1の電極パッドに好適な修復部材の平面図(その2)であり、図14(b)は、その修復部材が備える樹脂層を貼付した状態の回路基板の拡大平面図(その2)である。 図15(a)は、第2実施形態において矩形の第1の電極パッドに好適な修復部材の平面図(その3)であり、図15(b)は、その修復部材が備える樹脂層を貼付した状態の回路基板の拡大平面図(その3)である。 図16(a)は、第2実施形態において矩形の第1の電極パッドに好適な修復部材の平面図(その4)であり、図16(b)は、その修復部材が備える樹脂層を貼付した状態の回路基板の拡大平面図(その4)である。 図17(a)は、第2実施形態において矩形の第1の電極パッドに好適な修復部材の平面図(その5)であり、図17(b)は、その修復部材が備える樹脂層を貼付した状態の回路基板の拡大平面図(その5)である。 図18(a)は、第2実施形態において矩形の第1の電極パッドに好適な修復部材の平面図(その6)であり、図18(b)は、その修復部材が備える樹脂層を貼付した状態の回路基板の拡大平面図(その6)である。 図19(a)は、第2実施形態において多角形状の第1の電極パッドに好適な修復部材の平面図(その1)であり、図19(b)は、その修復部材が備える樹脂層を貼付した状態の回路基板の拡大平面図(その1)である。 図20(a)は、第2実施形態において多角形状の第1の電極パッドに好適な修復部材の平面図(その2)であり、図20(b)は、その修復部材が備える樹脂層を貼付した状態の回路基板の拡大平面図(その2)である。 図21(a)は、第2実施形態において多角形状の第1の電極パッドに好適な修復部材の平面図(その3)であり、図21(b)は、その修復部材が備える樹脂層を貼付した状態の回路基板の拡大平面図(その3)である。 図22(a)は、第2実施形態において多角形状の第1の電極パッドに好適な修復部材の平面図(その4)であり、図22(b)は、その修復部材が備える樹脂層を貼付した状態の回路基板の拡大平面図(その4)である。 図23(a)は、第2実施形態において多角形状の第1の電極パッドに好適な修復部材の平面図(その5)であり、図23(b)は、その修復部材が備える樹脂層を貼付した状態の回路基板の拡大平面図(その5)である。 図24(a)は、第2実施形態において円形と矩形とを合わせた形状を有する第1の電極パッドに好適な修復部材の平面図であり、図24(b)はその修復部材が備える樹脂層を貼付した状態の回路基板の拡大平面図である。 図25は、第3実施形態においてソルダレジスト層が欠損した回路基板の斜視図である。 図26(a)は、第3実施形態に係る修復部材の平面図であり、図26(b)は図26(a)のV−V線に沿う断面図である。 図27(a)、(b)は、第3実施形態に係る回路基板の修復方法について説明するための斜視(その1)である。 図28(a)、(b)は、第3実施形態に係る回路基板の修復方法について説明するための斜視(その2)である。 図29は、第3実施形態においてカメラで取得される画像の一例を示す図である。 図30(a)は、第4実施形態に係る修復部材の平面図であり、図30(b)は図30(a)のVI−VI線に沿う断面図である。 図31は、第4実施形態に係る回路基板の修復方法について説明するための斜視図(その1)である。 図32は、第4実施形態に係る回路基板の修復方法について説明するための斜視図(その2)である。 図33は、第4実施形態に係る回路基板の修復方法について説明するための斜視図(その3)である。 図34は、第4実施形態に係る回路基板の修復方法について説明するための斜視図(その4)である。 図35は、第4実施形態においてカメラで取得される画像の一例を示す図である。 図36(a)〜(d)は、第5実施形態の第1例に係る修復部材の製造方法について示す断面図である。 図37(a)〜(c)は、第5実施形態の第2例に係る修復部材の製造方法について示す断面図である。 図38(a)〜(d)は、第5実施形態の第3例に係る修復部材の製造方法について示す断面図である。 図39(a)、(b)は、第5実施形態の第4例に係る修復部材の製造方法について示す斜視図である。
以下に、各実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)
前述のように回路基板にはCPU等の電子部品が搭載されるが、電子部品を搭載した後にその電子部品に不具合が発見される場合があり、その場合には回路基板から電子部品を取り外して新品に交換する作業が行われる。この作業はリワークとも呼ばれる。
以下に、リワークとこれに伴う回路基板の修復方法について説明する。
図1(a)は、リワーク前の電子部品と回路基板の平面図であり、図1(b)は図1(a)のI−I線に沿う断面図である。
図1(a)に示すように、回路基板1には部品搭載領域R1が画定されており、その部品搭載領域R1にBGAタイプのCPU等の電子部品6が搭載される。なお、部品搭載領域R1は電子部品6と同一の大きさと平面形状を有し、この例では部品搭載領域R1の平面形状は矩形である。
また、図1(b)に示すように、回路基板1の表面はソルダレジスト層2で保護されており、ソルダレジスト2の開口2x内に銅を材料とする第1の電極パッド3が設けられる。
また、電子部品6は、銅を材料とする第2の電極パッド5を有する。第2の電極パッド第1の電極パッド3の各々ははんだバンプ4と接合しており、そのはんだバンプ4を介して回路基板1と電子部品6とが電気的かつ機械的に接続される。
上記のように回路基板1の表面にソルダレジスト層2を設けたことにより、溶融したはんだバンプ4が回路基板1の表面を濡れ広がるのを抑制でき、はんだを介して隣接する第1の電極パッド3同士が電気的に接続されるのを防止できる。
ここで、電子部品6等に不具合が発見された場合には、電子部品6を交換するために前述のリワークが行われる。
そのリワークに際しては、電子部品6にホットエアーを当てることによりはんだバンプ4を溶融させた後、回路基板1から電子部品6を取り外す。
図2は、このようにして電子部品6を取り外した後の回路基板1の拡大平面図である。
図2に示すように、電子部品6を取り外すと複数の第1の電極パッド3が露出した状態となる。
そして、これらの第1の電極パッド3の一部の周囲においては、上記のリワークの際にソルダレジスト層2が欠損し、ソルダレジスト2に欠損部2aが発生することがある。
このようにソルダレジスト層2が欠損する原因には様々なものがある。例えば、作業者がはんだ鏝を利用して回路基板1の上のはんだバンプ4の残渣を除去することがあり、その際に鏝先でソルダレジスト層2を傷つけてしまい、これが原因で欠損部2aが発生することがある。また、電子部品6を搭載する前において、回路基板1を作製するときにも欠損部2aが発生することがある。
そこで、本実施形態では以下のようにして回路基板1を修復する。
図3は、本実施形態に係る回路基板の製造方法を示すフローチャートである。
最初のステップS1では、図2のようにソルダレジスト層2が欠損した回路基板1を用意する。
次に、ステップS2に移り、回路基板1の修復を行う。
図4(a)は、回路基板1の修復に使用する回路基板用の修復部材20の平面図であり、図4(b)は図4(a)のII−II線に沿う断面図である。
図4(a)に示すように、この修復部材20は、シート21と樹脂層22とを有する。樹脂層22は、前述のように欠損したソルダレジスト層2(図2参照)を補修するものであって、シート21の上において予め所定の平面形状に整形される。
樹脂層22の材料は特に限定されず、修復対象のソルダレジスト層2と同じ材料を用いて樹脂層22を形成してもよいし、ソルダレジスト層2とは異なる材料を用いて樹脂層22を形成してもよい。本実施形態では、熱硬化型又は紫外線硬化型の樹脂を樹脂層22の材料として使用し得る。そのような樹脂としては、例えば、熱硬化型又は紫外線硬化型のエポキシ樹脂がある。
なお、この時点では樹脂層22は半硬化の状態であり、完全には硬化していない。エポキシ樹脂においては半硬化の状態をBステージと呼ぶこともある。
また、樹脂層22の平面形状も特に限定されないが、後述のように樹脂層22は第1の電極パッド3(図2参照)の周囲のソルダレジスト層3の補修に使用するので、第1の電極パッド3の平面形状に合わせて樹脂層22を整形するのが好ましい。
本実施形態では第1の電極パッド3の平面形状は円形である。よって、図4(a)の例では、円形の第1の電極パッド3の全部に相当する領域を樹脂層22から予め除去し、樹脂層22の平面形状をリング状とする。
この場合、樹脂層22において円形に切り欠かれた部分の直径D1は例えば0.1mm〜0.7mm程度であり、平面視したときの樹脂層22の幅Wは例えば0.1mm〜0.4mm程度である。
更に、樹脂層22の厚さも特に限定されず、5μm〜300μm程度の厚さに樹脂層22を形成し得る。
一方、シート21は、透光性を有する樹脂シートであって、例えばポリエステルシートやポリイミドシートをシート21として採用し得る。
また、シート21の形や大きさも特に限定されない。この例では、平面視で一辺の長さが1mm〜10mm程度の正方形状のシート21を使用する。
図5〜図6は、上記のステップS2(図3参照)における回路基板の修復方法について説明するための斜視図である。
まず、図5(a)に示すように、上記した樹脂層22を下側にして回路基板1の上方に修復部材20を配し、ソルダレジスト層2の欠損部2aと修復部材20との位置合わせを行う。本工程は、作業者が手作業で行ってもよいし、専用の吸引ノズルで修復部材20を吸引しながら自動で行ってもよい。
作業者が手作業で本工程を行う場合、透光性のシート21として透明なシートを用いることで、シート21を透して回路基板1を作業者が視認することができるため、欠損部2aと修復部材20との位置合わせが容易となる。
次に、図5(b)に示すように、欠損部2aに樹脂層22を当て、シート21の上から樹脂層22を押圧することにより、回路基板1に樹脂層22を貼付する。
前述のように樹脂層22は半硬化の状態にあるため、このように回路基板1に貼付され得る程度の適度な粘着性を有する。
図7(a)は、図5(b)のIII−III線に沿う断面図である。
図7(a)に示すように、このように樹脂層22を貼付したのみでは、ソルダレジスト層2の欠損部2aと樹脂層22との間に隙間Sが形成された状態となり、欠損部2aは完全には補修されない。
そこで、欠損部2aを完全に補修するために、図6(a)に示すように、回路基板1に熱硬化性の修復部材22を押し当てながら、樹脂層22を50℃〜220℃程度の温度に加熱して熱硬化させる。
なお、本工程ではシート21も加熱されるが、シート21の材料であるポリエステルやポリイミドは耐熱性があるため、熱によってシート21が過度に軟化することはない。
また、樹脂層22の材料として紫外線硬化型の樹脂を用いる場合には、透光性のシート21を介して樹脂層22に紫外線を照射することにより樹脂層22を硬化させればよい。
更に、ソルダレジスト層2に半硬化の樹脂層22を押圧しながら硬化させることでソルダレジスト層2に樹脂層22が強く密着する。これにより、ソルダレジスト層2と樹脂層22との密着強度が、シート21と樹脂層22との密着強度よりも高くなるため、樹脂層22からシート21が剥離可能な状態となる。
そこで、次の図6(b)の工程では、樹脂層22からシート21を剥離することにより、回路基板1側のみに樹脂層22を残す。
図7(b)は、図6(b)のIV−IV線に沿う断面図である。
図7(b)に示すように、熱硬化や紫外線硬化後の樹脂層22によってソルダレジスト層2の欠損部2aが埋められ、欠損部2aが完全に補修される。
なお、この補修により、ソルダレジスト層2と樹脂層22との間には、樹脂層22の厚さに起因した段差Δが生じる。また、ソルダレジスト層2と樹脂層22の各々の材料の相違により、ソルダレジスト層2と樹脂層22とが異なった色彩を呈することもある。
以上により、ステップS2(図3参照)における回路基板1の修復を終了し、本実施形態に係る回路基板の製造方法の基本ステップを終える。
上記した本実施形態によれば、図5(b)に示したように、第1の電極3の形状に合わせて整形された樹脂層22を予めシート21の上に設け、樹脂層22を回路基板1に貼付することで簡単にソルダレジスト層2の欠損部2aを修復できる。
また、このように回路基板1を修復できることから、欠損部2aが生じた回路基板1を廃棄せずに再利用することができ、回路基板1やそれに搭載されている部品のコストを無駄に消費するのを抑制できる。
更に、市場に流通してから長期間が経過して製造中止となっている回路基板1も修復できるため、回路基板1の製造時期の如何を問わずに様々な回路基板1を修復できる。
しかも、上記のようにシート21の上で樹脂層22が予め所定の形状に整形されているので、回路基板1に樹脂層22を貼付した後に樹脂層22をパターニングする必要がない。樹脂層22をパターニングするには、樹脂層22の不要部分を除去するために樹脂層22をアルカリ性の薬液に浸す必要があるが、本実施形態ではその必要がない。よって、交換対象となっていない電子部品が回路基板1にある場合でも、その電子部品がアルカリ性の薬液によってダメージを受けることがない。
(第2実施形態)
第1実施形態では、図4(a)に示したように、樹脂層22はリング状であったが、樹脂層22の平面形状はこれに限定されない。
本実施形態では樹脂層22の平面形状の様々な例について説明する。
樹脂層22は、第1の電極パッド3の形状に合わせて整形されるため、以下では第1の電極パッド3の形状ごとに好適な樹脂層22の平面形状について説明する。
図8(a)、図9(a)、図10(a)、図11(a)、図12(a)は、円形の第1の電極パッド3に好適な修復部材20の平面図である。そして、図8(b)、図9(b)、図10(b)、図11(b)、図12(b)は、これらの修復部材20が備える樹脂層22を貼付した状態の回路基板1の拡大平面図である。
図8〜図12のいずれの例においても、樹脂層22は、円形状の第1の電極パッド3に相当する領域の一部を切り欠いた形状を有する。
一方、図13(a)、図14(a)、図15(a)、図16(a)、図17(a)、図18(a)は、矩形状の第1の電極パッド3に好適な修復部材20の平面図である。そして、図13(b)、図14(b)、図15(b)、図16(b)、図17(b)、図18(b)は、これらの修復部材20が備える樹脂層22を貼付した状態の回路基板1の拡大平面図である。
これらのうち、図13及び図14の例では、樹脂層22は、矩形状の第1の電極パッド3の全部に相当する領域を切り欠いた形状を有する。
そして、図15〜図18の例では、樹脂層22は、矩形状の第1の電極パッド3に相当する領域の一部を切り欠いた形状を有する。
また、図19(a)、図20(a)、図21(a)、図22(a)、図23(a)は、矩形状以外の多角形状の第1の電極パッド3に好適な修復部材20の平面図である。そして、図19(b)、図20(b)、図21(b)、図22(b)、図23(b)は、これらの修復部材20が備える樹脂層22を貼付した状態の回路基板1の拡大平面図である。
これらのうち、図19〜図21の例では、樹脂層22は、多角形状の第1の電極パッド3の全部に相当する領域を切り欠いた形状を有する。
そして、図22及び図23の例では、樹脂層22は、多角形状の第1の電極パッド3の一部に相当する領域を切り欠いた形状を有する。
図24(a)は、円形と矩形とを合わせた形状を有する第1の電極パッド3に好適な修復部材20の平面図であり、図24(b)はその修復部材20が備える樹脂層22を貼付した状態の回路基板1の拡大平面図である。
上記した図8〜図24のように、第1の電極パッド3の形に合わせて樹脂層22を整形することにより、樹脂層22によって電極パッド3が覆われるのを防止しつつ、ソルダレジスト2を樹脂層22で補修できる。
(第3実施形態)
第1実施形態では、図2に示したように、ソルダレジスト層2の欠損部2aが一つの第1の電極パッド3の周囲に収まっている。
しかし、ソルダレジスト層2が欠損する範囲が一つの第1の電極のパッド3の周囲を超えてより広範に及ぶことがある。
図25は、このように広範囲にわたってソルダレジスト層2が欠損した場合の回路基板1の斜視図である。なお、図25において、第1実施形態で説明したのと同じ要素には第1実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
図25に示すように、回路基板1において電子部品6(図1(a)参照)と同じ平面形状の部品搭載領域R1には複数の第1の電極パッド3が格子状に設けられており、第1の電極パッド3の各々が露出している。
そして、この例では、複数の第1の電極パッド3を包含する領域においてソルダレジスト層2の欠損部2aが生じている。
本実施形態では、このように広範囲わたって欠損したソルダレジスト層2を以下のように補修する。
図26(a)は、本実施形態に係る修復部材20の平面図であり、図26(b)は図26(a)のV−V線に沿う断面図である。
なお、図26(a)、(b)において第1実施形態で説明したのと同じ要素には第1実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
図26(a)に示すように、本実施形態では、シート21の上に平面視で矩形状の樹脂層22を設ける。平面視したときの樹脂層22の大きさは特に限定されないが、この例では一辺の長さL1が約2mm〜12mm程度の正方形に樹脂層22を形成する。
そして、その樹脂層22においては、複数の第1の電極パッド3(図25参照)に対応する部分が予め除去されており、これにより開口22aが複数形成される。各開口22aは、第1の電極パッド3と同一の形状かつ同一の大きさに形成するのが好ましく、この例では直径D2が0.1mm〜0.7mm程度の円形に各開口22aを形成する。
更に、平面視で樹脂層22の外側のシート21には位置合わせマークMが設けられる。図26(b)に示すように、位置合わせマークMは、シート21の両主面のうち樹脂層22が設けられている側とは反対側の主面に印刷法等によりシート21に予め印刷される。
図27〜図28は、本実施形態に係る回路基板の修復方法について説明するための斜視図である。なお、図27〜図28において、第1〜第2実施形態で説明したのと同じ要素にはこれらの実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
まず、図27(a)に示すように、吸引ノズル30でシート21を吸引しながら、回路基板1の上方に修復部材20を配する。このとき、シート21の膜厚を適度に厚くしてシート21の剛性を高めることにより、シート21の撓みが減ってシート21の平坦性を高めることができる。
また、シート21には開口22aが形成されていないため、開口22aを通じて外気が吸引ノズル30内に流入することがなく、吸引ノズル30内の負圧を維持して吸引ノズル30でシート21を確実に吸引することができる。これについては、後述の第4実施形態でも同様である。
そして、カメラ31で位置合わせマークMと第1の電極パッド3とを認識することにより、回路基板1と修復部材20との位置合わせを行う。カメラ31がシート21を透して回路基板1を認識できるようにするため、本実施形態ではシート21として透明シートを用いる。
図29は、カメラ31で取得される画像35の一例を示す図である。
図29に示すように、本実施形態では、第1の電極パッド3よりも小さい大きさに位置合わせマークMを形成する。これにより、位置合わせマークMの周囲に第1の電極パッド3がリング状にはみ出すようになるため、そのリングの幅Zが第1の電極パッド3の周囲で均一となったときに回路基板1と修復部材20とが位置合わせされたと認識できる。
なお、前述のように本実施形態では開口22aの大きさは第1の電極パッド3の大きさと同じである。よって、上記のように位置合わせマークMを第1の電極パッド3よりも小さくするには、位置合わせマークMを開口22aよりも小さくすればよい。
更に、位置合わせマークMの色彩は、背景の回路基板1との間でコントラストが生じる色彩であれば特に限定されない。本実施形態では回路基板1との間でコントラストが高まる黒色の位置合わせマークMを用いる。
また、上記ではカメラ31を用いて回路基板1と修復部材20との位置合わせを行ったが、作業者が目視で位置合わせマークMを認識することにより、手作業で修復部材20と回路基板1との位置合わせを行ってもよい。
次に、図27(b)に示すように、ソルダレジスト層2の欠損部2aに樹脂層22を当て、シート21の上から樹脂層22を押圧することにより、回路基板1のソルダレジスト層2に半硬化状態の樹脂層22を貼付する。
なお、本実施形態では修復部材20は平面視で部品搭載領域R1よりも小さく、部品搭載領域R1における複数の第1の電極3のなかには修復部材20で覆われないものもある。
続いて、図28(a)に示すように、樹脂層22の材料が熱硬化型の樹脂の場合には、樹脂層22を50℃〜220℃程度の温度に加熱して熱硬化させる。
なお、樹脂層22の材料として紫外線硬化型の樹脂を用いる場合には、透光性のシート21を介して樹脂層22に紫外線を照射することにより、樹脂層22を硬化させればよい。
その後に、図28(b)に示すように、樹脂層22からシート21を剥離する。
以上により、回路基板1の修復を終了する。
本実施形態に係る修復部材20によれば、図26(a)に示したように、樹脂層22において複数の第1の電極パッド3に相当する部分が予め除去されている。そのため、図25のように複数の第1の電極パッド3を包含する領域においてソルダレジスト層2が欠損している場合でも、回路基板1に1枚の修復部材20を貼付することによりソルダレジスト層2を修復することができる。
更に、第1実施形態と比較して修復部材20の外形が大きいため、作業者が修復部材20を扱うのが容易となる。
(第4実施形態)
第3実施形態においては、図27(b)に示したように、部品搭載領域R1よりも小さい修復部材20を用いた。
本実施形態では第3実施形態におけるよりも更に大きな修復部材20を使用する。
図30(a)は、本実施形態に係る修復部材20の平面図であり、図30(b)は図30(a)のVI−VI線に沿う断面図である。
なお、図30(a)、(b)において第1〜第3実施形態で説明したのと同じ要素には第1実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
図30(a)に示すように、本実施形態に係る修復部材20の平面形状は、一辺の長さL2が10mm〜30mm程度の正方形であって、修復部材20の縁部にまで樹脂層20が設けられる。
その樹脂層22において複数の第1の電極パッド3に相当する部分は予め除去されており、これにより直径D2が0.1mm〜0.7mm程度の円形の開口22aが複数形成される。
更に、本実施形態では平面視で開口22aの内側に位置するようにシート21に位置合わせマークMを設ける。
図30(b)に示すように、位置合わせマークMは、シート21の両主面のうち樹脂層22が設けられている側とは反対側の主面に印刷法等によりシート21に予め印刷される。
図31〜図34は、本実施形態に係る回路基板の修復方法について説明するための斜視図である。なお、図31〜図34において、第1〜第3実施形態で説明したのと同じ要素にはこれらの実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
まず、図31に示すように、ソルダレジスト層2に欠損部2aが生じた回路基板1を用意する。そして、吸引ノズル30でシート21を吸引しながら、回路基板1と修復部材20との位置合わせを行うことにより、部品搭載領域R1に修復部材20を合わせる。
その位置合わせは、第3実施形態と同様に、カメラ31で位置合わせマークMと第1の電極パッド3とを認識することにより行われる。
図35は、カメラ31で取得される画像36の一例を示す図である。
本実施形態では、シート21として透明なシートを用いることにより、図35のように開口22a内のシート21を透して第1の電極パッド3を見えるようにする。
これにより、位置合わせマークMと第1の電極パッド3とが重なっているか否かを簡単に判別でき、両者が重なっているときに回路基板1と修復部材20とが位置合わせされていると判断することが可能となる。
また、上記ではカメラ31を用いて回路基板1と修復部材20との位置合わせを行ったが、作業者が目視で位置合わせマークMと第1の電極3とを認識することにより、手作業で修復部材20と回路基板1との位置合わせを行ってもよい。
次に、図32に示すように、シート21の上から樹脂層22を押圧することにより、回路基板1の部品搭載領域R1に半硬化状態の樹脂層22を貼付する。
なお、本実施形態では平面視したときの樹脂層22の大きさは部品搭載領域R1のそれと同一であるため、部品搭載領域R1における全ての第1の電極パッド3が樹脂層22で覆われることになる。
続いて、図33に示すように、樹脂層22の材料が熱硬化型の樹脂の場合には、樹脂層22を50℃〜220℃程度の温度に加熱して熱硬化させる。
なお、樹脂層22の材料として紫外線硬化型の樹脂を用いる場合には、透光性のシート21を介して樹脂層22に紫外線を照射することにより、樹脂層22を硬化させればよい。
その後に、図34に示すように、樹脂層22からシート21を剥離する。
以上により、回路基板1の修復を終了する。
上記した本実施形態によれば、図32に示したように、平面視で修復部材20が部品搭載領域R1と同じ大きさである。そのため、部品搭載領域R1内で発生したソルダレジスト層2の任意の欠損部2aを一枚の修復部材20で簡単に修復することができる。
特に、部品搭載領域R1内の複数個所に欠損部2aがある場合に、このように一枚の修復部材20で修復が可能なことにより作業者の負担を軽減することができる。
(第5実施形態)
本実施形態では、第1〜第4実施形態で説明した修復部材20の製造方法について説明する。
修復部材20の製造方法には、以下の第1例〜第4例がある。
図36(a)〜(d)は、第1例に係る修復部材20の製造方法について示す断面図である。なお、図36(a)〜(d)において、第1〜第4実施形態で説明したのと同じ要素にはこれらの実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
まず、図36(a)に示すように、シート21、樹脂層22、及び保護フィルム23をこの順に積層してなる積層体24を用意する。
その積層体24において、シート21は厚さが10μm〜500μm程度のポリエステルシート又はポリイミドシートである。また、樹脂層22は、Bステージの熱硬化型又は紫外線硬化型のエポキシ樹脂を5μm〜300μm程度の厚さに形成してなる。
そして、保護フィルム23としては、厚さが5μm〜100μm程度のポリエチレンフィルムを使用し得る。
次に、図36(b)に示すように金属製の型26を用意する。型26は、内側が中空の円筒状であって、型26の外周側面26aは樹脂層22の法線方向nに対して傾斜している。
その後に、図36(c)に示すように、樹脂層22と保護フィルム23とに型26を押し込むことにより、樹脂層22と保護フィルム23の各々に開口22aを形成する。
なお、本例ではシート21には型26を押し込まず、シート21に加工は施さない。
そして、図36(d)に示すように、樹脂層22と保護フィルム23の各々から型26を引き抜き、樹脂層22の加工を終了する。このとき、上記のように型26の外周側面26aを傾斜させたため、樹脂層22や保護フィルム23から型26を引き抜くのが容易となる。
以上により修復部材20の基本構造が完成する。
なお、保護フィルム23は、修復部材20を使用する直前に剥離すればよい。
本例に係る修復部材20の製造方法によれば、図36(c)の工程で開口22aを形成した後、シート21によって開口22aが下から塞がれた状態となる。そのため、修復部材20の下方から開口22a内に塵等の異物が入るのをシート21で防止することができ、開口22a内を清浄な状態に維持することができる。
更に、このように開口22aが塞がれることにより、図27(a)や図31(a)のように吸引ノズル30を使用するときに、開口22aを通じて外気が吸引ノズル30内に入らなくなり、吸引ノズル30でシート21を確実に吸引できる。これについては、後述の第2〜第4例でも同様である。
また、樹脂層22の上に保護フィルム23を残すことにより、修復部材20の使用前に樹脂層22に塵が付着するのを防止できる。
次に、本実施形態の第2例に係る修復部材20の製造方法について説明する。
図37(a)〜(c)は、第2例に係る修復部材20の製造方法について示す断面図である。
なお、図37(a)〜(c)において、第1〜第4実施形態で説明したのと同じ要素にはこれらの実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
まず、図37(a)に示すように、ステージ29の上に第1例で説明した積層体24を置き、その積層体24の上方に金属製の型28を配する。
次いで、図37(b)に示すように、型28で積層体24を打ち抜くことにより、シート21、樹脂層22、及び保護フィルム23の各々に開口22aを形成する。
第1例と異なり、本例ではこのように型28で積層体24を打ち抜くため、積層体24から型28を引き抜くのを容易にする目的で型28の外周側面を傾斜させる必要はない。
その後に、図37(c)に示すように、シート21にシート部材39を貼付することにより、シート部材39で開口22aを塞ぐ。シート部材39の材料は特に限定されず、シート21と同様にポリエステルやポリイミド等の材料をシート部材39の材料として使用し得る。
以上により修復部材20の基本構造が完成する。
なお、第1例と同様に、保護フィルム23は、修復部材20を使用する直前に剥離すればよい。
本例に係る修復部材20の製造方法によれば、図37(c)のようにシート部材39で開口22aを塞ぐため、修復部材20の下方から開口22a内に塵等の異物が入るのをシート部材39で防止することができる。
次に、本実施形態の第3例に係る修復部材20の製造方法について説明する。
図38(a)〜(d)は、第3例に係る修復部材20の製造方法について示す断面図である。
なお、図38(a)〜(d)において、第1〜第4実施形態で説明したのと同じ要素にはこれらの実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
まず、図38(a)に示すように、第1例(図36(b)参照)と同様にして、積層体24の上に型26を配する。但し、本例では積層体24の表裏を第1例とは逆にして、シート21が型26と対向するようにする。
また、型26は、第1例と同様に樹脂層22の法線方向nから傾斜した外周側面26aを有する。
次に、図38(b)に示すように、シート21と樹脂層22とに型26を押し込むことにより、シート21と樹脂層22の各々に開口22aを形成する。
なお、本例では保護フィルム23には型26を押し込まず、保護フィルム23に加工は施さない。
続いて、図38(c)に示すように、シート21と樹脂層22の各々から型26を引き抜き、樹脂層22の加工を終了する。
このとき、型26の外周側面26aを傾斜させたことで、第1例と同様にシート21や樹脂層22から型26を引き抜くのが容易となる。
また、上記のように本例では保護フィルム23には加工を施さないため、本工程を終了した時点においては、開口22aの二つの開口端22x、22yのうち、一方の開口端22xが保護フィルム23で塞がれた状態となる。
次いで、図38(d)に示すように、第2例(図37(c)参照)で説明したシート部材39をシート21に貼付することにより、開口22aの他方の開口端22yをシート部材39で塞ぐ。
以上により修復部材20の基本構造が完成する。
なお、第1例や第2例と同様に、保護フィルム23は、修復部材20を使用する直前に剥離すればよい。
本例に係る修復部材20の製造方法によれば、図38(d)のように開口22aの二つの開口端22x、22yの両方が保護フィルム23やシート部材39で塞がれるため、開口22aが密閉された状態となる。よって、第1例や第2例と比較して、開口22a内に塵等の異物が入るのを更に効果的に防止することが可能となる。
次に、本実施形態の第4例に係る修復部材20の製造方法について説明する。
図39(a)、(b)は、第4例に係る修復部材20の製造方法について示す斜視図である。
なお、図39(a)、(b)において、第1〜第4実施形態で説明したのと同じ要素にはこれらの実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
まず、図39(a)に示すように、シート21と樹脂層22との積層体を用意し、樹脂層22にCO2レーザ等のレーザ光Lを照射する。これにより、レーザ光Lが照射された部分の樹脂層22が蒸散して複数の開口22aが形成される。
なお、レーザ光Lによってシート21にも開口22aが形成されるのを防止するために、レーザ光Lが照射されても蒸散し難い材料をシート21の材料として使用するのが好ましい。そのような材料としては、例えば、銅等の金属がある。
そして、図39(b)のように所定の個数の開口22aを形成することにより、修復部材20の基本構造が完成する。
本例に係る修復部材20の製造方法によれば、レーザ光Lを利用することにより、複数の開口22aを簡単に形成することができる。
更に、レーザ光Lに対して蒸散し難い金属をシート21の材料として用いることにより開口22aの下にシート21を残すことができ、修復部材20の下から開口20内に塵等の異物が入るのをシート21で阻止することができる。
なお、上記した第1例〜第4例においては樹脂層22を加工することにより複数の開口22aを形成したが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、第1例〜第4例と同じ方法を用いて樹脂層22を加工することにより、第1実施形態の図8〜図24のように円形と多角形のいずれか一方の全部又は一部を切り欠いた形状に樹脂層22を整形してもよい。
以上、各実施形態について詳細に説明したが、各実施形態は上記に限定されない。例えば、上記では図1(a)、(b)のようにBGA型の電子部品6が搭載される回路基板1を修復する場合について説明したが、BGAに限らずはんだにより電子部品が搭載される任意の回路基板1を各実施形態の方法で修復し得る。
以上説明した各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) シートと、
前記シートの上に設けられ、所定の平面形状に整形された樹脂層とを有し、
前記樹脂層が、修復対象の回路基板に貼付可能で、かつ前記シートから剥離可能であることを特徴とする回路基板用の修復部材。
(付記2) 前記平面形状は、前記樹脂層に複数の開口が設けられた形状であることを特徴とする付記1に記載の修復部材。
(付記3) 前記シートに設けられた位置合わせマークを更に有することを特徴とする付記2に記載の修復部材。
(付記4) 前記位置合わせマークは、前記開口よりも小さいことを特徴とする付記3に記載の修復部材。
(付記5) 前記位置合わせマークは、平面視において、前記開口の内側に位置することを特徴とする付記3又は付記4に記載の修復部材。
(付記6) 前記シートは透明であることを特徴とする付記3乃至付記5のいずれかに記載の修復部材。
(付記7) 前記平面形状は、円形と多角形のいずれか一方の全部又は一部を切り欠いた形状であることを特徴とする付記1に記載の修復部材。
(付記8) ソルダレジスト層を備えた回路基板の表面において、前記ソルダレジスト層が欠損している部分に、シートの上に設けられた樹脂層を貼付する工程と、
前記樹脂層を貼付した後、前記樹脂層から前記シートを剥離する工程と、
を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
(付記9) 前記樹脂層を貼付した後であって、前記樹脂層から前記シートを剥離する前に、紫外線の照射又は加熱により前記樹脂層を硬化させる工程を更に有することを特徴とする付記8に記載の回路基板の製造方法。
(付記10) 前記回路基板として、格子状に配された複数の電極パッドが露出した回路基板を用いると共に、
前記樹脂層として、複数の前記電極パッドの各々に対応する開口が形成された樹脂層を用いることを特徴とする付記8又は付記9に記載の回路基板の製造方法。
(付記11) 前記樹脂層を貼付する工程の前に、前記シートに設けられた位置合わせマークと前記電極パッドとを重ねることにより、前記回路基板と前記シートとの位置合わせを行う工程を更に有することを特徴とする付記10に記載の回路基板の製造方法。
(付記12) 前記回路基板として、前記ソルダレジスト層の横に電極パッドが露出している回路基板を用いると共に、
前記樹脂層として、前記電極パッドの全部又は一部に相当する領域を欠いた形状に整形された樹脂層を用いることを特徴とする付記8又は付記9に記載の回路基板の製造方法。
(付記13) シートの上に設けられ、修復対象の回路基板に貼付可能、かつ前記シートから剥離可能な樹脂層を加工することにより、前記樹脂層を所定の平面形状に整形する工程と、
を有することを特徴とする回路基板用の修復部材の製造方法。
(付記14) 前記樹脂層を加工する工程において、前記樹脂層に開口を形成すると共に、前記開口を形成した後、前記シートで前記開口を塞いだ状態とすることを特徴とする付記13に記載の修復部材の製造方法。
(付記15) 前記樹脂層を加工する工程において、前記樹脂層と前記シートの各々に開口を形成し、
前記樹脂層を形成する工程の後に、シート部材で前記開口を塞ぐ工程を更に有することを特徴とする付記13に記載の修復部材の製造方法。
(付記16) 前記樹脂層を加工する工程は、前記樹脂層の上に保護フィルムが設けられた状態で行われ、かつ、前記開口を形成した後に該開口の一方の開口端が前記保護フィルムで塞がれた状態とし、
前記シート部材で前記開口を塞ぐ工程において、前記開口の他方の開口端を前記シート部材で塞ぐことを特徴とする付記15に記載の修復部材の製造方法。
(付記17) 開口が設けられたソルダレジスト層と、
前記開口内に露出した電極パッドとを有し、
前記開口の横に前記ソルダレジスト層の欠損部が存在し、該欠損部が樹脂層で埋められたことを特徴とする回路基板。
1…回路基板、2…ソルダレジスト層、2a…欠損部、2x…開口、3…第1の電極パッド、4…はんだバンプ、5…第2の電極パッド、6…電子部品、20…修復部材、21…シート、22…樹脂層、22a…開口、22x、22y…開口端、23…保護フィルム、24…積層体、26、28…型、26a…外周側面、29…ステージ、30…吸引ノズル、31…カメラ、35、36…画像、39…シート部材、M…位置合わせマーク。

Claims (10)

  1. シートと、
    前記シートの上に設けられ、所定の平面形状に整形された樹脂層とを有し、
    前記樹脂層が、修復対象の回路基板に貼付可能な粘着性を有するソルダレジストを材料とし、かつ前記シートから剥離可能であることを特徴とする回路基板用の修復部材。
  2. 前記平面形状は、前記樹脂層に複数の開口が設けられた形状であることを特徴とする請求項1に記載の修復部材。
  3. 前記シートに設けられた位置合わせマークを更に有することを特徴とする請求項2に記載の修復部材。
  4. 前記位置合わせマークは、前記開口よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の修復部材。
  5. 前記位置合わせマークは、平面視において、前記開口の内側に位置することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の修復部材。
  6. 前記平面形状は、円形と多角形のいずれか一方の全部又は一部を切り欠いた形状であることを特徴とする請求項1に記載の修復部材。
  7. 前記樹脂層は半硬化の状態にあることを特徴とする請求項1に記載の修復部材。
  8. ソルダレジスト層を備えた回路基板の表面において、前記ソルダレジスト層が欠損している部分に、シートの上に設けられた樹脂層を貼付する工程と、
    前記樹脂層を貼付した後、前記樹脂層から前記シートを剥離する工程と、
    を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
  9. シートの上に設けられ、修復対象の回路基板に貼付可能な粘着性を有するソルダレジストを材料とし、かつ前記シートから剥離可能な樹脂層を加工することにより、前記樹脂層を所定の平面形状に整形する工程と、
    を有することを特徴とする回路基板用の修復部材の製造方法。
  10. 前記樹脂層は半硬化の状態にあることを特徴とする請求項9に記載の修復部材の製造方法。
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