JP6313378B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、フレキシブル・フラットケーブルによる信号伝送路を備えた遊技機に関する。
パチンコ遊技機等の遊技機には、遊技制御や演出制御を行うための複数の制御基板が設けられている。また、遊技機には、演出において用いられる種々の電子部材が設けられている。例えば、特定の動作を行うように構成された可動部材、画像を表示する画像表示装置、演出に応じて点灯する電飾ランプ等を備える。これらの制御基板および各種電子部材は、所定のケーブル等により配線されており、制御命令等のデータの伝送や電力供給等が行われている。
この種の配線に用いられるケーブルのひとつに、フレキシブル・フラットケーブル(FFC;Flexible Flat Cable)がある。特に可動部材への制御信号や電力の供給、画像表示装置へのビデオ信号の供給等には、可撓性に優れ、高密度化に適したフレキシブル・フラットケーブルが用いられることが多い(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2010−51382号公報 特開2008−48835号公報
遊技機において、役物等の演出に用いられる部材(演出部材)には様々な構成が適用されており、遊技者の興趣を高めるために、複雑な演出制御に対応させたものもある。例えば、複雑な動作をさせたり、動作しながら電飾ランプを所定のパターンで点灯させたりする可動部材等がある。このような演出部材には、複雑な制御を実現するために、多数の信号伝送路が配線される。
ここで、フレキシブル・フラットケーブルを用い、多数の信号伝送路を近接させて配線する場合、フレキシブル・フラットケーブル上での信号伝送路の配置によっては、ある信号が他の信号に影響し、ノイズやクロストークを発生させることが起こり得る。例えば、画像表示手段に画像を表示する描画データの信号の一例であるビデオ信号が、種々のノイズの影響を受け、画像表示装置に表示される画像の画質が劣化する場合がある。
そこで本発明は、遊技機におけるフレキシブル・フラットケーブルを用いた配線において、画像表示手段に画像を表示する描画データの信号に対する影響を抑制し、ノイズやクロストークの発生し難い配線を実現することを目的とする。
上記の目的を達成する本発明は、次のような遊技機として実現される。この遊技機は、
遊技に伴う演出において動作する可動演出部材115と、
前記可動演出部材115に設けられ、当該可動演出部材115を駆動する駆動手段115cと、
画像データを記憶する記憶手段312と、
前記記憶手段312に記憶されている画像データを用いて描画データを生成する画像処理手段311と、
前記画像処理手段311によって生成された描画データを送信する送信手段570と、
前記可動演出部材115に設けられ、前記画像処理手段311によって生成された前記描画データを用いて画像を表示する画像表示手段114bと、
前記可動演出部材115に設けられ、遊技に伴う演出において点灯する演出ランプ115bと、
信号を伝送するフレキシブル・フラットケーブル170と、
を備え、
前記フレキシブル・フラットケーブル170による配線は、少なくとも一部において、
前記送信手段570から前記画像表示手段114bへ前記描画データを伝送する一対の信号線と、前記演出ランプ115bを制御する制御信号を伝送するランプ信号線と、前記駆動手段115cを制御する制御信号を伝送する駆動信号線と、当該駆動信号線よりも流れる電流の変動量が小さい中間線と含み、
前記一対の信号線と前記ランプ信号線との間には前記中間線が設けられる。
また、上記の構成において、前記第1のフレキシブル・フラットケーブル170において前記一対の信号線に隣接する信号線は、グランド線とすることができる。
このような構成とすることにより、描画データが駆動手段を制御する制御信号等の影響を受けて、演出画像の画質が劣化することをさらに防止することができる。
なお、本欄における上記符号は、本発明の説明に際して例示的に付したものであり、この符号により本発明が減縮されるものではない。
本発明によれば、遊技機におけるフレキシブル・フラットケーブルを用いた配線において、画像表示手段に画像を表示する描画データの信号に対する影響を抑制し、ノイズやクロストークの発生し難い配線を実現することができる。
本実施の形態に係るパチンコ遊技機の概略正面図である。 本実施の形態のパチンコ遊技機の部分平面拡大図である。 本実施の形態のパチンコ遊技機の制御ユニットの内部構成を示す図である。 本実施の形態のパチンコ遊技機の枠部材の構成を説明する斜視図である。 本実施の形態のパチンコ遊技機の可動役物の例を示す図である。 図5に示した可動役物への配線の例を示す図である。 フレキシブル・フラットケーブルを3本重ねた様子を示す図である。 本実施の形態におけるフレキシブル・フラットケーブルの束(ケーブル束)の構成例を示す図である。 図8に示したケーブル束における信号伝送路の配置例を示す図である。 図9に示した信号伝送路の配置に基づき、図8に示したケーブル束の導線を区別した様子を示す図である。 1本のフレキシブル・フラットケーブルを用いた変形例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
同図に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
遊技盤110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材112と、遊技領域111の右側に遊技球を案内する案内部材113とを備えている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。本実施の形態では、画像表示部114として、遊技盤110に設けられた主画像表示部114aと、後述の可動役物115に設けられた副画像表示部114bとを備える。ただし、以下の説明においても、主画像表示部114aと副画像表示部114bとを特に区別する必要がない場合は、単に画像表示部114と記す。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。本実施の形態における可動役物115および可動役物115に設けられる副画像表示部114bの詳細については、後述する。
遊技領域111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域111には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が配設されている。
本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口121および第2始動口122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する始動ゲート(以下、単にゲートと呼ぶ)124と、が遊技盤110に配設されている。ここにいう第1始動口121および第2始動口122とは、予め定められた1の特別図柄表示器を作動させることとなる遊技球の入賞に係る入賞口をいう。
第2始動口122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ(開閉部材)123を備えている。電動チューリップ123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口122の入口が拡大して遊技球が第2始動口122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば6秒間)および規定回数(例えば3回)だけ開く。
なお、パチンコ遊技機100は、所定の条件下で、特別図柄抽選において大当たりに当選する大当たり確率が変動する場合(低確状態(例えば300分の1)から高確状態(例えば30分の1)への変動)がある。また、パチンコ遊技機100は、所定の条件下で、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間が短縮されたり、普通図柄抽選時の当選する確率が高まったり、普通図柄抽選時の普通図柄変動時間が短縮されたり、電動チューリップ123の羽根の開時間が延長されたり、電動チューリップ123の羽根が開く回数が増えたりする場合がある。
また、本実施の形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての大入賞口125と、遊技球が入賞しても抽選が始動しない普通入賞口126と、が遊技盤110に配設されている。
本実施の形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
また、遊技盤110の裏面には、内部抽選および当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられる。また、遊技盤110の裏面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が配設されている。
枠部材150は、遊技者がハンドル151に触れてレバー152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材150は、遊技者のレバー152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿153(図2参照)と、を備えている。この皿153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
また、枠部材150は、発射装置のハンドル151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタン154と、皿153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタン155と、を備えている。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行い、また、枠ランプ157は、点灯点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
図2は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100を説明する図であり、(a)は、遊技盤110の右下に配設された表示器130の一例を示す拡大図であり、(b)は、パチンコ遊技機100の部分平面図である。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2の(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞による特別図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過することにより普通図柄を変動表示しその抽選結果を表示する。本実施の形態では、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222および普通図柄表示器223は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
また、表示器130は、第1特別図柄表示器221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器218と、第2特別図柄表示器222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器219と、普通図柄表示器223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器220と、を備えている。本実施の形態では、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219および普通図柄保留表示器220は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
さらに、表示器130は、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224を備えている。本実施の形態では、状態表示器224は、2個のLEDを配列した表示装置で構成されている。2個のLEDのうち1つは、パチンコ遊技機100の遊技状態が、特別図柄抽選の当選確率が高確率に変動(確率変動)した遊技状態である確変遊技状態となっているか否かを点灯により報知するものである。他の1つは、右打ちすることによって(遊技球の打球力を変更することによって)大入賞口125や第2始動口122に入賞し易い遊技者に有利な遊技状態となっているか否かを点灯により報知するものである。
パチンコ遊技機100の枠部材150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図2の(b)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として、演出ボタン161と、演出ボタン161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キー162と、が枠部材150に配設されている。演出キー162は、その中央に1つの中央キーを配置し、また、中央キーの周囲に略同一形状の4つの周囲キーを配置して構成されている。遊技者は、4つの周囲キーを操作することにより、画像表示部114に表示されている複数の画像のいずれかを指示することが可能であり、また、中央キーを操作することにより、指示した画像を選択することが可能である。また、入力装置の形態としては、図示した演出ボタン161および演出キー162の他、レバーやダイヤル等、演出の内容等に応じて様々な入力形態を採用することができる。
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、内部抽選および当選の判定等といった払い出す賞球数に関する各種制御を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部400と、を備えている。
前述したように、遊技制御部200、演出制御部300、画像/音響制御部310、ランプ制御部320、および払出制御部400各々は、遊技盤110の後面に配設されたメイン基板としての遊技制御基板、サブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部200は、内部抽選および当選の判定等といった払い出し賞球数に関連する各種制御を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、特別図柄抽選での当選か否かの判定結果を演出制御部300に送る。また、特別図柄抽選時の当選確率の変動設定(例えば300分の1から30分の1への変動設定)、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間の短縮設定、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間の短縮設定を行い、設定内容を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、普通電動役物である電動チューリップ123の羽根の開時間の延長、および電動チューリップ123の羽根が開く回数の設定、さらには羽根が開く際の開閉動作間隔の設定を制御する。また、遊技制御部200は、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未抽選分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
さらにまた、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、特別電動役物である大入賞口125が所定条件(例えば30秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
さらに、遊技制御部200は、第1始動口121、第2始動口122、大入賞口125および普通入賞口126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部400に対する指示を行う。例えば、第1始動口121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部400に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲート124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部400に指示しない。
払出制御部400が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部400から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
遊技制御部200には、図2に示すように、第1始動口121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))211と、第2始動口122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))212と、電動チューリップ123を開閉する電動チューリップ開閉部213と、ゲート124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
また、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選(大当たり抽選)の未抽選分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器218と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の未抽選分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器219と、ゲート124への遊技球の通過により始動した普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する未抽選分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により始動した特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
そして、第1始動口スイッチ211、第2始動口スイッチ212、ゲートスイッチ214、大入賞口スイッチ215および普通入賞口スイッチ217にて検出された検出信号が、遊技制御部200に送られる。また、遊技制御部200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部213、大入賞口開閉部216、第1特別図柄保留表示器218、第2特別図柄保留表示器219、普通図柄保留表示器220、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222、普通図柄表示器223および状態表示器224に送られる。それにより、遊技制御部200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
さらに、遊技制御部200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板250が接続されている。そして、遊技制御部200は、払出制御部400から取得した、払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板250を介してホストコンピュータに送信する。
〔演出制御部の構成・機能〕
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果に基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン161または演出キー162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。
また、演出制御部300は、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、遊技制御部200が特別図柄抽選時の当選確率を変動させた場合、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間を短縮させた場合、および普通図柄抽選時の普通図柄変動時間を短縮させた場合には、演出制御部300は設定された内容に対応させて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。なお、CPU311は画像処理手段であり、ROM312は記憶手段312である。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。
ROM312には、さらに、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データ(描画データ)により画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部400は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU401と、CPU401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM402と、CPU401の作業用メモリ等として用いられるRAM403と、を備えている。
そして、払出制御部400は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部400は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部411を制御する。ここでの払出駆動部411は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
また、払出制御部400には、払出駆動部411により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部412と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部413と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部414と、が接続されている。そして、払出制御部400は、払出球検出部412、球有り検出部413および満タン検出部414にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
さらに、払出制御部400には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板450が接続されている。そして、払出制御部400は、例えば払出駆動部411に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部412にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板450を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
〔枠部材150の構成〕
次に、パチンコ遊技機100の枠部材150の構成について説明する。
図4は、枠部材150の構成を説明する斜視図である。
同図に示すように、枠部材150は、縦長の所謂フレーム構造である枠部材本体としての外枠10と、外枠10に開閉自在に装着される前面枠(内枠)20と、を備えている。
外枠10は、4つの金属製の枠部材である右縦枠部材11、左縦枠部材12、上横枠部材13および下横枠部材14と、外枠10の四隅に位置し、隣り合う枠部材を相互に連結する角部材15とを有する。
外枠10の前面下部には、下横枠部材14と同じ方向(横方向、左右方向)に延びる幕板16が取り付けられている。なお、幕板16の上端の縦方向の位置は、下横枠部材14の上端の縦方向の位置と略同一である。また、幕板16の前面(遊技者側の面)には、例えば社名やロゴ等を付すことで意匠的な装飾を施すことが可能である。
また、外枠10は、前面枠20が開閉する際に前面枠20と摺動する樹脂製の摺動部17を有する。より具体的には、この摺動部17は、下横枠部材14に取り付けられている。また、摺動部17は、下横枠部材14の上面に位置し、かつ、前面枠20の回転軸が位置する側とは反対側(同図での右側)に片寄って位置している。そして、摺動部17は、前面枠20の遊技盤保持枠22が閉じている状態で遊技盤保持枠22の下面と当接して前面枠20を保持する。このため、前面枠20が閉じている状態には、前面枠20と幕板16との間に、隙間が形成されることになる。
前面枠20は、上下方向に回転軸が延びるように一側部(図1での左側部)が外枠10に取り付けられている。付言すると、前面枠20は、透明板を所定位置に保持する透明板保持枠21と、遊技盤110を所定位置に保持する遊技盤保持枠22と、を備えている。そして、図4に示すように、閉めた状態の透明板保持枠21および遊技盤保持枠22を一体で外枠10に対して回転させて開けることが可能である。また、後述するように、透明板保持枠21および遊技盤保持枠22を閉めた状態において、遊技盤保持枠22を単独で外枠10および遊技盤保持枠22に対して回転させて開けることが可能である(図4参照)。
なお、前面枠20の遊技盤保持枠22には、外枠10の右縦枠部材11と係合して前面枠20が開かないように施錠するための施錠部材23、24、25が設けられている。この施錠部材23、24、25は、パチンコ遊技機100の正面側に配設されている鍵穴(不図示)に不図示の鍵を差し込んで所定の方向に回転することで、連動して施錠動作および開錠動作を行う。
なお、遊技盤110の後面には、各種の基板等が取り付けられ、また、これら各種の基板等は、内部が視認可能な透明のカバー510によって覆われている。この各種の基板等について付言すると、遊技盤110の後面には、メイン基板およびサブ基板が配設されている。すなわち、遊技盤110の後面には、メイン基板として、内部抽選および当選の判定等を行う遊技制御部が構成された遊技制御基板520が配設されている。この遊技制御基板520は、開封することにより痕跡が残るように透明部材で構成されたメイン基板ケース540に密封されている。
また、サブ基板として、演出を統括的に制御する演出制御部が構成された演出制御基板530、画像および音による演出を制御する画像/音響制御部が構成された画像制御基板(不図示)、および、各種のランプおよび可動役物115による演出を制御するランプ制御部が構成されたランプ制御基板(不図示)等が配設されている。また、遊技盤110の後面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源550が配設されている。
付言すると、払出球の払い出し制御を行う払出制御部が構成された払出制御基板(不図示)と、払出制御基板により制御され、外部から補給された補給球を一時的に溜めておき、賞球の払い出しや貸し球の払い出しを行う払い出しユニット560と、が枠部材150の前面枠20に配設されている。
〔可動役物の例〕
図5は、本実施の形態のパチンコ遊技機100における可動役物115の例を示す図である。
図5(a)に示すように、本実施の形態における演出部材としての可動役物115は、動作可能に構成された役物本体115aと、電飾ランプ115bと、副画像表示部114bとを備える。電飾ランプ115bは、盤ランプ116の一種であり、他の盤ランプ116と同様にランプ制御部320により発光を制御される。また、副画像表示部114bは、主画像表示部114aと同様に、画像/音響制御部310に制御されて演出のための画像を表示する。なお、可動役物115は可動演出部材であり、副画像表示部114bは画像表示手段である。
また、役物本体115aは、ランプ制御部320の制御により動作する駆動機構を備えており、図5(a)に示す状態(副画像表示部114bが横長に配置された状態、以下、A状態)から、図5(b)に示す状態(副画像表示部114bが縦長に配置された状態、以下、B状態)まで動作する。例えば、通常は図5(a)に示すA状態で副画像表示部114bに演出用画像が表示されており、特定の演出が行われると、これに伴って役物本体115aがわずかに上昇しながら1/4回転し、図5(b)に示すB状態となる。そして、その特定の演出の終了により、B状態からA状態へ戻る。
上記のように構成された可動役物115を制御する場合、少なくとも、役物本体115aを動作させる駆動機構への制御信号、電飾ランプ115bの制御信号、副画像表示部114bに画像を表示させるための表示制御信号であるビデオ信号を、可動役物115に供給する必要がある。また、役物本体115aが動くため、これらの信号を供給する信号伝送路(信号線)は、役物本体115aの動作に追従するように配線する必要がある。以下に、この可動役物115への配線について説明する。
図6は、図5に示した可動役物115への配線の例を示す図である。
図6に示すように、可動役物115への配線は、フレキシブル・フラットケーブル170を用いて行われる。フレキシブル・フラットケーブル170は、平行に並べた複数本の導線を内包する帯状の配線材である。図示の構成例では、演出制御基板530(図4参照)あるいはランプ制御基板(不図示)に接続された中継基板570と、可動役物115の基台115cとが、フレキシブル・フラットケーブル170により接続されている。基台115cの内部には、図5(a)、(b)を参照して説明したように役物本体115aを動作させる駆動機構が設けられている。なお、中継基板570は送信手段であり、基台115cは駆動手段である。
フレキシブル・フラットケーブル170は、帯状の形状であるために、面方向への曲げ変形に対しては非常に柔軟である一方、辺方向へはほとんど変形しない。このため、フレキシブル・フラットケーブル170の面(辺)の向きを適切に定めて配線することにより、可動役物115の動作に対して容易に追従する一方、ケーブルが不測の方向に曲がって絡まったり突起等に引っ掛かったりすることが抑制される。
ところで、パチンコ遊技機100の遊技盤110の裏面には、限られた空間内に、各種の基板や配線、電動役物の駆動機構等が配置されている。そのため、図6に示したような、可動役物115に制御信号や電力を供給するフレキシブル・フラットケーブル170も空間の制限を受けながら配設される。そして、可動役物115が配置される位置や、可動役物115の動作に対応するために特定されるフレキシブル・フラットケーブル170の向きに基づいて、配線することが可能なフレキシブル・フラットケーブル170の幅(以下、ケーブル幅)が制限される場合がある。ケーブル幅が制限されると、フレキシブル・フラットケーブル170の内部に設けられる導線の本数も制限される。そこで、ケーブル幅が制限される状況で多数の導線を配線する手段として、複数本のフレキシブル・フラットケーブル170を重ねて配線することが考えられる。
図7は、フレキシブル・フラットケーブル170を3本重ねた様子を示す図である。
図7に示すようにフレキシブル・フラットケーブル170を重ねて配線することにより、配線される空間においてケーブル幅が制限される場合であっても、多数の導線を配線することができる。したがって、図5(a)、(b)を参照して説明した可動役物115のように様々な信号や電力を供給するために多数の配線を必要とする場合にも適用することができる。なお、重ねるフレキシブル・フラットケーブル170の本数が増えると、重ねられたフレキシブル・フラットケーブル170の束(以下、ケーブル束)の厚みが増すために、ケーブル束全体の面方向の柔軟性が減少し、例えば可動役物115の動作に追従する際の抵抗が大きくなる。したがって、実際の配線においては、フレキシブル・フラットケーブル170を重ねる本数は、通常、2〜3本程度が適当である。ただし、4本以上のフレキシブル・フラットケーブル170を重ねたケーブル束に対しても、本実施の形態を適用可能である。
しかし、フレキシブル・フラットケーブル170を重ねると、各ケーブルの対応する位置に設けられた導線どうしが近接するため、伝送される信号が干渉し合ってノイズやクロストーク(以下、ノイズ等)を発生させる可能性がある。これを防止するため、本実施の形態では、ケーブル束に配設された導線における伝送信号の配置(どの導線にどの信号を伝送させるか)を特定する。
〔ケーブル束における信号伝送路の配置〕
図8は、本実施の形態におけるフレキシブル・フラットケーブル170の束(ケーブル束)の構成例を示す図である。
図8には、ケーブル束における導線を切る方向の断面を概略的に示す。図8に示すケーブル束は、ケーブルI、ケーブルII、ケーブルIIIの3本のフレキシブル・フラットケーブル170を重ねて構成される。ケーブルIには、導線a〜導線pの16本の導線が配設されており、ケーブルIIおよびケーブルIIIには、導線a〜導線hの8本の導線が配設されている。なお、各ケーブルI、II、IIIに配設される導線の本数は、例示に過ぎず、上記および図示の例には限定されない。
ここで、各ケーブルI、II、IIIに配設される導線どうしは、予め定めた間隙(線間隔)で形成されている。具体的には、ケーブルIの線間隔は、ケーブルII、IIIの線間隔よりも狭い(L1<L2)。また、図示の例においては、隣接する導線どうしの幅方向中央部間の距離であるピッチについてみると、ケーブルIのピッチは、ケーブルII、IIIのピッチよりも小さい(P1<P2)。例えば、ケーブルIのピッチP1が0.5mmであり、ケーブルII、IIIのピッチP2が1mmで形成される。
なお、図示の例においては、各ケーブルI、II、IIIの各導線自体の幅である線幅(図8における左右方向の長さ)をみると、ケーブルIの線幅が、ケーブルII、IIIの線幅よりも小さくなっているが、ケーブルIの線幅とケーブルII、IIIの線幅とが等しい構成や、ケーブルIの線幅がケーブルII、IIIの線幅よりも大きい構成であってもよい。
図9は、図8に示したケーブル束における信号伝送路の配置例を示す図である。
図9に示す各信号は、図5(a)、(b)を参照して説明した可動役物115に供給される信号の例を示すものとする。また、図9では、ケーブル束における各導線を、ケーブルの番号と導線の符号により特定し、各導線に対して伝送される信号を対応付けて記載している。例えば、ケーブルIの導線mは、図9においてI−mと記載され、信号CDR+の伝送路となっている。なお、GNDはグランド(接地)線である。
ケーブルごとに伝送される信号を参照すると、ケーブルIでは、可動役物115の部品を動作させるモータの駆動制御信号であるBGPH1(I−b)、BGPH2(I−c)、BGEN1(I−d)、BGEN2(I−e)と、電飾ランプ115bの点灯制御信号であるICLK(I−h)およびIDAT(I−j)と、その部品の状態を示す情報をフィードバックしてランプ制御部320に通知するためのスイッチ信号であるBGSW(I−i)と、副画像表示部114bに画像を表示させるためのビデオ信号であるCDR+(I−m)およびCDR−(I−n)とが伝送される。そして、導線a、f、g、k、l、o、pの7本がグランド線(GND)に設定されている。
次に、ケーブルIIでは、導線a〜hの8本が電力供給線として使用される。なお、図示の例では、35Vの電力供給線が3本(II−a〜c)、15Vの電力供給線が3本(II−d〜f)、5Vの電力供給線が2本(II−g、h)、設定されている。
次に、ケーブルIIIでは、可動役物115における役物本体115aを動作させるモータの駆動制御信号であるKTA(III−a)、KT/A(III−b)、KTB(III−c)、KT/B(III−d)と、役物本体115aの状態を示す情報をフィードバックしてランプ制御部320に通知するためのスイッチ信号であるKTSW1(III−f)およびKTSW2(III−g)とが伝送される。また、導線eは5Vの電力供給線であり、導線hはグランド線(GND)に設定されている。
さて、副画像表示部114bに画像を表示させるためのビデオ信号CDR+、CDR−を伝送する方式としては、例えば一線とグランド線との間の電位差を用いた伝送方式である不平衡伝送方式や、一対の信号線間の電位差を用いた伝送方式である平衡伝送方式がある。そして、平衡伝送方式においては、外部からノイズの影響を受ける場合であっても、一対の信号線の電位がともに変化するため、一対の信号線間の電位差が受ける影響は限定的となる。つまり、平衡伝送方式によって伝送される信号はノイズの影響を受けにくい。そこで、本実施の形態においては、平衡伝送方式を用いて、副画像表示部114bに画像を表示させるためのビデオ信号CDR+、CDR−が伝送される。
また、ビデオ信号や電飾ランプ115bの点灯制御信号は、伝送路を流れる電流が小さいため、その変動量も小さい。そして、これらの信号の伝送路に近接して大きな電流が流れる導線や電流の変動量が大きい信号伝送路が存在すると、それらの影響を受けて歪み易い。このような他の信号による影響を受ける可能性の高い信号を「弱い信号」と呼ぶことにする。ここで、上記の信号のうち、電飾ランプ115bの点灯制御信号ICLK、IDATは、電飾ランプ115bの点灯を制御するに過ぎないため、他の信号の影響によりノイズ等が発生しても、その影響はそれほど目立たない。一方、ビデオ信号CDR+、CDR−は、画像を表示させるものであるため、他の信号の影響によりノイズ等が発生すると表示される画像の画質の劣化を招き、発生したノイズ等の影響が目立ち易い。そこで、この信号CDR+、CDR−を「特に弱い信号」と呼ぶ。
一方、上記の信号のうち、モータの駆動制御信号は、伝送路を流れる電流の変動量が大きい。このため、モータの駆動制御信号の伝送路に近接する他の伝送路を通る信号は、駆動制御信号における電流の変動の影響を受けて歪み易い。このような他の信号に影響を与える可能性の高い信号を「強い信号」と呼ぶことにする。ここで、上記の駆動制御信号のうちKTA、KT/A、KTB、KT/Bは、伝送路として線幅が大きい導線(III−a〜d)が用いられており、この伝送路を流れる電流自体も大きい。このため、他の信号に対して影響を与える可能性が特に高い。そこで、この信号KTA、KT/A、KTB、KT/Bを「特に強い信号」と呼ぶ。
また、スイッチ信号は、可動役物115の部品や役物本体115aの状態を報知する単発的な信号であるので、他の信号等から受ける影響は小さい。また、伝送路を流れる電流の量およびその変動量が小さいため、他の伝送路を流れる信号に与える影響も小さい。
また、電力供給線は、伝送路を大きな電流が流れるが、電流の変動量は制御信号等のように大きくなく、安定している。そのため、電力供給線が他の伝送路を流れる信号に与える影響は小さい。また、電力供給線は、信号を伝送するものではないため、他の信号等から受ける影響も小さい。
また、グランド線は、信号や電力供給のための電流を伝送しないので、他の信号に対して影響を与えることはなく、他の信号からの影響を受けることもない。
〔信号伝送路の配置条件〕
本実施形態では、以上の点に鑑み、複数本のフレキシブル・フラットケーブル170を重ねたケーブル束を用いた配線において、副画像表示部114bに画像を表示させるためのビデオ信号の伝送路は、線間隔がより狭いケーブルIに設けられる。さらに説明をすると、ビデオ信号の伝送路としてケーブルIにおける隣り合う2本一対の導線を用いることで、例えばケーブルIIIに配設する場合と比較して、一対の導線をより近接して配置することが可能となる。
また、本実施形態では、上記の弱い信号を他の信号(特に強い信号)の影響から保護するように信号伝送路を配置する。具体的には、個々のフレキシブル・フラットケーブル170において強い信号の伝送路と弱い信号の伝送路とが隣接しないように配置するとともに、複数のフレキシブル・フラットケーブル170の間の重なり合う(対応する位置に配置された)導線においても強い信号の伝送路と弱い信号の伝送路とが隣接しないように配置する。また、弱い信号のうち、ビデオ信号のように、ノイズ等の影響が目立ち易い信号の伝送路については、その隣接する導線を信号伝送路として用いず、グランド線を配置する。
さらに、3本以上のフレキシブル・フラットケーブル170を重ねてケーブル束を構成した場合、上記の強い信号の伝送路と弱い信号の伝送路とを隣接するフレキシブル・フラットケーブル170に配置しないようにする。言い換えれば、強い信号の伝送路が配置されたフレキシブル・フラットケーブル170と弱い信号の伝送路が配置されたフレキシブル・フラットケーブル170との間に、他のフレキシブル・フラットケーブル170を挟むようにする。
〔信号伝送路の配置の具体例〕
図10は、図9に示した信号伝送路の配置に基づき、図8に示したケーブル束の導線を区別した様子を示す図である。
図10において、信号伝送路として使用される導線は白抜きで示され、電力供給線として使用される導線は斜線が付され、グランド線は黒塗りで示されている。図10を参照すると、弱い信号であるビデオ信号CDR+、CDR−および電飾ランプ115bの点灯制御信号ICLK、IDATと、強い信号であるモータの駆動制御信号KTA、KT/A、KTB、KT/BおよびBGPH1、BGPH2、BGEN1、BGEN2とが、離れた位置に配置されている。
具体的に見ると、平衡伝送方式を用いて伝送される信号CDR+、CDR−は、線間隔がより狭いケーブルIであって、互いに隣接する導線m、nに配置される(図中楕円内参照)。この構成により、2本の信号CDR+、CDR−を伝送する導線m、nの外乱条件が近似し、ノイズの影響を受け難くなっている。
また、信号CDR+、CDR−がケーブルIにおける導線m、n(図10においてケーブルIの右寄り)に配置されるのに対して、モータの駆動制御信号KTA、KT/A、KTB、KT/BはケーブルIIIの導線a〜d(図10においてケーブルIIIの左寄り)に配置されている。また、特に弱い信号である信号CDR+、CDR−が配置されたケーブルIと、特に強い信号である信号KTA、KT/A、KTB、KT/Bが配置されたケーブルIIIとは、他のケーブルIIを挟んで配置されている。したがって、信号CDR+、CDR−の伝送路と、信号KTA、KT/A、KTB、KT/Bの伝送路とは、ケーブルI、ケーブルII、ケーブルIIIからなるケーブル束において、遠い位置に配置されている。
また、モータの駆動制御信号BGPH1、BGPH2、BGEN1、BGEN2は、ビデオ信号CDR+、CDR−と同じケーブルIの導線b〜e(図10においてケーブルIの左寄り)に配置されている。しかし、両信号の伝送路の間には、7本の導線(f〜l)が介在しており、両信号が隣接しないように配置されている。このため、信号CDR+、CDR−は、信号BGPH1、BGPH2、BGEN1、BGEN2の影響を受け難くなっている。
また、弱い信号である電飾ランプ115bの点灯制御信号ICLK、IDATが配置されたケーブルIと、特に強い信号である信号KTA、KT/A、KTB、KT/Bが配置されたケーブルIIIとは、他のケーブルIIを挟んで配置されている。このため、信号ICLK、IDATは、信号KTA、KT/A、KTB、KT/Bの影響を受け難くなっている。
さらに、電飾ランプ115bの点灯制御信号ICLK、IDATと、モータの駆動制御信号BGPH1、BGPH2、BGEN1、BGEN2とは、同じケーブルIに配置されているが、両信号の伝送路の間には、2本の導線(f、g)が介在しており、両信号が隣接しないように配置されている。このため、信号ICLK、IDATは、信号BGPH1、BGPH2、BGEN1、BGEN2の影響を受け難くなっている。
ここで、信号CDR+、CDR−と信号ICLK、IDATとの位置関係について説明する。これらの信号は同じケーブルIに配置されているが、両信号の伝送路の間には、2本の導線(k、l)が介在しており、両信号が隣接しないように配置されている。これらの信号は、いずれも弱い信号であり、他の信号に与える影響は強くないので、モータの駆動制御信号KTA、KT/A、KTB、KT/B、BGPH1、BGPH2、BGEN1、BGEN2ほど離して配置する必要は無い。
次に、信号KTA、KT/A、KTB、KT/Bと、信号BGPH1、BGPH2、BGEN1、BGEN2との位置関係について説明する。信号KTA、KT/A、KTB、KT/Bが配置されるケーブルIIIと、信号BGPH1、BGPH2、BGEN1、BGEN2が配置されるケーブルIとの間にはケーブルIIが介在している。したがって、信号KTA、KT/A、KTB、KT/Bの伝送路と信号BGPH1、BGPH2、BGEN1、BGEN2の伝送路とは、隣接していない。また、ケーブルIIにおけるこれらの信号の伝送路に対応する位置の導線a〜dは、電力供給線となっている。電力供給線は、他の信号に与える影響も、他の信号から受ける影響も小さい。そのため、この電力供給線を間に挟むことにより、信号KTA、KT/A、KTB、KT/Bと信号BGPH1、BGPH2、BGEN1、BGEN2とは、互いに影響し難くなっている。
ここで、特に強い信号である信号KTA、KT/A、KTB、KT/Bの伝送路(III−a〜d)に着目すると、周囲の導線(II−a〜eおよびIII−e)全てに電力供給線が配置されている。これにより、信号KTA、KT/A、KTB、KT/Bが他の信号に影響し難い構成となっている。なお、信号KTA、KT/A、KTB、KT/Bの影響から他の信号を保護する目的では、周囲の導線を全てグランド線とすることが最も効果的である。しかし、ケーブル束に設けられた導線の数は決まっているため、グランド線が増えると、他の信号や電力供給線の配置が困難となったり、導線が不足したりすることがあり得る。そこで、図10に示した例では、他の信号の影響を受け難く、他の信号に対して影響を与え難い電力供給線を、信号KTA、KT/A、KTB、KT/Bの伝送路の周囲に配置した。
以上説明したように、本実施形態では、複数本のフレキシブル・フラットケーブル170を重ねたケーブル束を用いた配線において、平衡伝送方式を用いて伝送される信号の伝送路間の線間隔を狭くすることで、ノイズの影響を受けることを防止した。
また、弱い信号の伝送路と強い信号の伝送路とを隣接させないように配置することにより、弱い信号が強い信号からの影響を受けてノイズやクロストークを発生させることを防止した。
また、ビデオ信号のような特に弱い信号を他の信号の影響から保護するため、特に弱い信号の伝送路の周囲にグランド線を配置した。
また、特に弱い信号の伝送路と、モータの駆動制御信号のような特に強い信号の伝送路とを、異なるフレキシブル・フラットケーブル170に配置し、かつこれらのフレキシブル・フラットケーブル170の間に、さらに他のフレキシブル・フラットケーブル170を介在させて、ケーブル束を構成した。
〔変形例〕
図11は、1本のフレキシブル・フラットケーブル170を用いた変形例を示す図である。
上述の図7等においては、フレキシブル・フラットケーブル170を複数(3本)重ねたケーブル束を用いることを説明した。しかしながら、平衡伝送方式を用いて伝送されるビデオ信号CDR+、CDR−の伝送路間の線間隔が、他の伝送路の線間隔よりも狭い構成であれば、例えば、図11に示すように、1本のフレキシブル・フラットケーブル170を用いてもよい。なお、1本のフレキシブル・フラットケーブル170を用いると、フレキシブル・フラットケーブル170を複数重ねる場合よりも柔軟性が高くなる。
ここで、図11のフレキシブル・フラットケーブル170に設けられる伝送路は、それぞれ異なる線間隔で配置される。具体的には、ケーブル束における導線を切る方向の断面において、長手方向(図11における左右方向)の一端側(図11における左側)における線間隔は、他端側(図11における右側)においける線間隔よりも狭い(L3<L4)。
図11のフレキシブル・フラットケーブル170による配線は、少なくとも一部において、送信手段から画像表示手段へ描画データを伝送する一対の信号線を含む、所定の線間隔を有する第1の部分と、第1の部分と並べて設けられるとともに、駆動手段を制御する制御信号を伝送する信号線を含む、第1の部分よりも広い線間隔を有する第2の部分とを有する構成として捉えることができる。
なお、図11のフレキシブル・フラットケーブル170において伝送される信号を参照すると、ビデオ信号であるCDR+(I−c)およびCDR−(I−d)と、モータの駆動制御信号であるKTA(I−i)、KT/A(I−j)とが伝送される。また、グランド線が4本(I−a、b、e、f)、電力供給線が2本(I−g〜h)設定されている。したがって、弱い信号であるCDR+(I−c)およびCDR−(I−d)の伝送路と、強い信号であるKTA(I−i)、KT/A(I−j)の伝送路とが隣接しないように配置されるとともに、弱い信号であるCDR+(I−c)およびCDR−(I−d)の伝送路の周囲にはグランド線が配置される。
さて、図9乃至図11に示した信号伝送路の配置は例示に過ぎず、信号の種類および数、ケーブルや導線の本数、具体的な信号伝送路の位置関係等は、上記および図示の配置に限定されない。
また、本実施の形態では、副画像表示部114bを備えた可動役物115に対する配線を例として説明したが、本実施の形態による信号伝送路の配置を適用可能な配線は、上記のように構成された可動役物115に限定されない。
さらにまた、本実施の形態では、複数本のフレキシブル・フラットケーブル170を重ねたケーブル束を対象として説明したが、複数本のフレキシブル・フラットケーブル170による配線の一部が重ねて配設された重層部を有する場合において、その重層部においても、本実施の形態による信号伝送路の配置を適用することができる。
さらにまた、本実施の形態では、設けられる信号伝送路の線間隔が異なるフレキシブル・フラットケーブル170を例として説明したが、フレキシブル・フラットケーブル170における信号伝送路の長さ方向の一部において、線間隔が異なる部分を有する場合において、その線間隔が異なる部分にて、本実施の形態による信号伝送路の配置を適用することができる。
114b…副画像表示部、115…可動役物、115a…役物本体、115b…電飾ランプ、170…フレキシブル・フラットケーブル、300…演出制御部、310…画像/音響制御部、320…ランプ制御部、CDR+、CDR−…ビデオ信号

Claims (1)

  1. 遊技に伴う演出において動作する可動演出部材と、
    前記可動演出部材に設けられ、当該可動演出部材を駆動する駆動手段と、
    画像データを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されている画像データを用いて描画データを生成する画像処理手段と、
    前記画像処理手段によって生成された描画データを送信する送信手段と、
    前記可動演出部材に設けられ、前記画像処理手段によって生成された前記描画データを用いて画像を表示する画像表示手段と、
    前記可動演出部材に設けられ、遊技に伴う演出において点灯する演出ランプと、
    信号を伝送するフレキシブル・フラットケーブルと、
    を備え、
    前記フレキシブル・フラットケーブルによる配線は、少なくとも一部において、前記送信手段から前記画像表示手段へ前記描画データを伝送する一対の信号線と、前記演出ランプを制御する制御信号を伝送するランプ信号線と、前記駆動手段を制御する制御信号を伝送する駆動信号線と、当該駆動信号線よりも流れる電流の変動量が小さい中間線とを含み、
    前記一対の信号線と前記ランプ信号線との間には前記中間線が設けられる、遊技機。
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