JP6311373B2 - 媒体授受装置 - Google Patents

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本発明媒体授受装置に関し、例えば利用者に要求された紙幣等の媒体を繰り出して所望の取引を行う現金自動預払機(ATM)に適用して好適なものである。
従来、金融機関等で使用される現金自動預払機等においては、利用者との取引内容に応じて、例えば利用者に紙幣や硬貨等の現金を入金させ、また利用者へ現金を出金するものが広く普及している。
現金自動預払機には、キャッシュカードから磁気情報を読み出すカード処理ユニットや、通帳から磁気情報を読み出し、また取引の履歴を記録する通帳処理ユニット等が設けられている。この現金自動預払機は、入金取引や出金取引が行われる場合、例えば利用者にキャッシュカードをカード処理ユニットに挿入させ、当該カード処理ユニットにおいて当該キャッシュカードから磁気情報を読み出すことにより、利用者の口座番号等を特定する。
また現金自動預払機としては、設置場所に制約があるなかで保守作業の効率化を図る観点等から、保守作業等が行われる際に、外周面を保護する筐体を残し、内部のカード処理ユニット等を後方へ引き出し得るように構成されたものがある。
しかしながらこの現金自動預払機では、内部のカード処理ユニット等が後方へ引き出された場合、筐体に設けられたカード挿入口がそのまま残っており、利用者が誤ってこのカード挿入口にキャッシュカード等を挿入しようとして筐体内へ落下させるおそれがある。そこで現金自動預払機のなかには、カード処理ユニットの前後方向への移動に連動して、カード挿入口をシャッタにより開閉するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−141618号公報(第1図)
しかしながら、かかる構成の現金自動預払機では、利用者が誤解等によって、指先等によりシャッタを開放させ、キャッシュカード等をカード挿入口に挿入する場合がある、という問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、シャッタが閉塞した状態からの意図しない開放を防止する媒体授受装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の媒体授受装置においては、利用者が対峙する対峙面を有する対峙パネルに形成され対峙面側とその反対側である背面側との間を貫通する貫通孔の少なくとも一部を閉塞する閉塞状態、又は当該貫通孔を開放する開放状態に遷移し、開放状態から閉塞状態に遷移する際、重力を利用して下降するシャッタと、対峙パネルにおける背面側の近傍である授受位置に位置する場合に貫通孔を介して利用者との間で所定の媒体を授受し、授受位置又は授受位置から離隔された位置へ移動される媒体授受部が、授受位置にあるときにはシャッタを開放状態に遷移させ、媒体授受部が授受位置から離隔される場合にはシャッタを閉塞状態に遷移させる連動部と、連動部に設けられ、シャッタが閉塞状態から開放状態へ遷移される際に、当該シャッタを背面から対峙面へ向かう手前方向へ移動させてから当該手前方向と交差する上方向へ移動させて開放状態へ遷移させるよう制限する制限部とを設けるようにした。
また本発明の媒体授受装置においては、利用者が対峙する対峙面を有する対峙パネルに形成され対峙面側とその反対側である背面側との間を貫通する貫通孔の少なくとも一部を閉塞する閉塞状態、又は当該貫通孔を開放する開放状態に遷移するシャッタと、対峙パネルにおける背面側の近傍である授受位置に位置する場合に貫通孔を介して利用者との間で媒体を授受し、授受位置又は授受位置から離隔された位置へ移動される媒体授受部が、授受位置にあるときにはシャッタを開放状態に遷移させ、媒体授受部が授受位置から離隔される場合にはシャッタを閉塞状態に遷移させる連動部と、連動部に設けられ、シャッタが閉塞状態から開放状態へ遷移される際に、当該シャッタを背面から対峙面へ向かう手前方向へ移動させてから当該手前方向と交差する上方向へ移動させて開放状態へ遷移させるよう制限する制限部とを設け、連動部は、所定の力をシャッタに伝達する伝達部材を有し、媒体授受部が授受位置から離隔される場合に、シャッタを、開放状態から貫通孔を閉塞した仮閉塞状態へ遷移させてから当該シャッタをロックする本閉塞状態に遷移させ、且つ伝達部材により伝達される力を利用して、前記シャッタ開放状態から仮閉塞状態へ遷移させると共に、当該伝達部材により伝達される力を利用して、当該シャッタを当該仮閉塞状態から本閉塞状態へ遷移させるようにした。
本発明は、シャッタに力を作用させるための付勢部材等を必要とすることなく、媒体授受部を授受位置から離隔させるだけで、連動部により重力を利用して当該シャッタを移動させて貫通孔を閉塞した閉塞状態に遷移できる。これにより本発明では、簡易な構成としながら、利用者により対峙パネルの対峙面側からシャッタに対し開放状態へ遷移させる方向へ力が加えられたとしても、手前方向以外へのシャッタの移動を制限して閉塞状態を維持できる。
本発明によれば、シャッタが閉塞した状態からの意図しない開放を防止する媒体授受装置を実現できる。
現金自動預払機の構成を示す略線的斜視図である。 接客パネルの構成を示す略線図である。 カード処理ユニットの移動を示す略線図である。 接客パネルに対するシャッタ開閉部の取付を示す略線的斜視図である。 シャッタ開閉部の構成を示す略線的斜視図である。 シャッタ開閉部の構成を示す略線的斜視図である。 ガイドフレームの構成を示す略線図である。 シャッタ開閉部の開閉動作(1)を示す略線図である。 シャッタ開閉部の開閉動作(2)を示す略線図である。 シャッタ開閉部の開閉動作(3)を示す略線図である。 シャッタ開閉部の開閉動作(4)を示す略線図である。 従来のシャッタ開閉部の構成を示す略線図である。 他の実施の形態によるシャッタ開閉部の構成を示す略線図である。 他の実施の形態によるシャッタ開閉部の構成を示す略線図である。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.現金自動預払機の全体構成]
図1に外観を示すように、現金自動預払機1は、箱状の筐体2を中心に構成されており、例えば金融機関等に設置され、利用者との間で入金取引や出金取引等の現金に関する取引を行うようになっている。また以下では、現金自動預払機1のうち利用者が対峙する正面側を前側とし、その反対を後側とし、当該前側に対峙した利用者から見て左及び右をそれぞれ左側及び右側とし、さらに上側及び下側を定義して説明する。
筐体2は、その前側に利用者が対峙した状態で紙幣の投入やタッチパネルによる操作等をしやすい箇所、すなわち前面の上部から上面に渡る部分が一部切り落とされたような形状となっており、この部分に接客部3が配置されている。接客部3は、利用者と接する部分であり、利用者との間で紙幣や硬貨及び通帳やキャッシュカード等のやりとりを行い、また利用者に情報を提示すると共に利用者からの操作指示を受け付ける。
この接客部3は、筐体2における前面の上部から上面に渡る部分を覆う接客パネル10を中心に構成されている。接客パネル10は、左方向から見て略L字状に屈曲された板状に形成されている。また接客パネル10は、上側部分を占める上部接客パネル10U及び下側部分を占める下部接客パネル10Lのそれぞれに、板面を前後方向若しくは上下方向に貫通する貫通孔が適宜形成されている。
図2に示すように、上部接客パネル10Uには、カード入出口4及び通帳入出口5が設けられている。カード入出口4は、キャッシュカード等の各種カードが挿入または排出される部分である。カード入出口4の奥側には、各種カードに磁気記録された口座番号等の読取を行うカード処理ユニット11が設けられている。通帳入出口5は、通帳が挿入または排出される部分である。通帳入出口5の奥側には、通帳に記録された磁気情報の読取や取引内容の印字処理等を行う通帳処理ユニット12が設けられている。
下部接客パネル10Lには、紙幣入出金口6、硬貨入出金口7及び表示操作部8が設けられている。紙幣入出金口6は、利用者が入金する紙幣が投入されると共に、利用者へ出金する紙幣が排出される部分である。硬貨入出金口7は、利用者が入金する硬貨が投入されると共に、利用者へ出金する硬貨が排出される部分である。表示操作部8は、取引に際して操作画面を表示するLCD(Liquid Crystal Display)と、取引の種類の選択、暗証番号や取引金額等を入力するタッチセンサとが一体化されたタッチパネルとなっている。
主制御部9(図1)は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成され、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、入金取引や出金取引等の種々の処理を行う。また主制御部9は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部を有し、この記憶部に各種プログラム等の種々の情報を記憶させる。
また図3(A)及び(B)に模式的な側面図を示すように、筐体2の内部には、カード処理ユニット11がスライドレール11Rを介して取り付けられている。スライドレール11Rは、筐体2に対しカード処理ユニット11を前後方向へ移動させ得るようになっている。カード処理ユニット11は、現金自動預払機1が運用状態にあり利用者との間で各種取引を行う場合、図3(A)に示すように、筐体2の内部に収納され、その前端をカード入出口4の後側直近に位置させる。以下、このときのカード処理ユニット11の位置を運用位置と呼ぶ。
カード処理ユニット11は、運用位置にあるとき、利用者によってキャッシュカードがカード入出口4に挿入されると、このキャッシュカードを内部に引き込み、磁気情報の読み取り処理等を行う。またカード処理ユニット11は、キャッシュカードを利用者に返却する際、カード入出口4から当該キャッシュカードの前端側を一部露出させた状態に保持して、利用者に確実に把持させた上で引き抜かせる。
またカード処理ユニット11は、現金自動預払機1において保守作業等が行われる場合、筐体2の後面側に設けられた後扉2Bが開放された上で、図3(B)に示すように、スライドレール11Rにより筐体2の後方へ引き出され、その前端をカード入出口4から離れた箇所に位置させる。
因みに通帳処理ユニット12(図2)は、カード処理ユニット11と同様、図示しないスライドレールにより筐体2に対し前後方向へ移動し得るようになっている。
このように現金自動預払機1は、筐体2に対しカード処理ユニット11を前後方向へ移動させることにより、接客パネル10に設けられたカード入出口4とカード処理ユニット11の前端との距離を変化させるようになっている。
[2.シャッタ開閉部の構成]
ところで接客パネル10におけるカード入出口4の後側には、図4に示すように、当該カード入出口4を開放又は閉塞するシャッタ開閉部20が取り付けられている。このシャッタ開閉部20は、図5及び図6に示すように、シャッタ板21、2個のガイドフレーム22、アップリンク23、2個の回動スタッド24、2個のリンク体25、2個のリンク回動スタッド26及び2個のリンク移動スタッド27により構成されている。因みに図5は各部品を組み立てた状態を表しており、図6は各部品を分解した状態を表している。
シャッタ板21は、前後方向に薄い板状に形成された板状部21Aを中心に構成されている。板状部21Aは、左右方向に長く上下方向に短い長方形状に形成されており、上下方向及び左右方向の長さが、接客パネル10のカード入出口4(図2)における上下方向及び左右方向の長さよりも長くなっている。
シャッタ板21の左右両端には、左右方向に薄い板状の側板部21Bが後方へ向けてそれぞれ垂設されている。各側板部21Bの上端近傍には、小さな丸孔でなるスタッド受け孔21Cが左右方向に貫通するようにそれぞれ穿設されている。また各側板部21Bの下端近傍には、中心軸を左右方向に向けた小さな円柱状の下スタッド21Dが、左右の外方へ向けてそれぞれ立設されている。
ガイドフレーム22は、左右方向に薄く上下方向に細長い平板状に形成された本体部22Aを中心に構成されている。本体部22Aの前側上端及び下端には、前後方向に薄い小さな板状の取付板22B及び22Cが、それぞれ左方向へ向けて立設されている。この取付板22B及び22Cにおける下辺には、上方へ向けて略U字状の切欠が形成されており、ねじ穴として機能するようになっている。
因みに取付板22B及び22Cは、接客パネル10の後面に対向した状態で所定の取付ねじ等により当該接客パネル10にねじ止めされることで、ガイドフレーム22全体を当該接客パネル10に固定するようになっている。
図7に側面図を示すように、本体部22Aの上側には、主に上下方向に沿った長孔でなる上ガイド溝22Dが穿設されている。上ガイド溝22Dは、ほぼ上下方向に沿って比較的長い直線状に形成された上下移動区間22D1と、当該上下移動区間22D1における下端から後方へ向けて比較的短い直線状に形成された前後移動区間22D2とにより構成されている。
また本体部22Aの下側には、主に上下方向に沿った長孔でなる下ガイド溝22Eが穿設されている。下ガイド溝22Eは、下側部分においてほぼ上下方向に沿った直線状に形成される一方、上側部分において上ガイド溝22Dとの間にある程度の間隔を空けるように、前方へ湾曲している。因みに下ガイド溝22Eは、上側部分を湾曲させて上ガイド溝22Dから引き離すことで、本体部22Aの強度を確保している。
この下ガイド溝22Eは、シャッタ板21の下スタッド21Dがそれぞれ挿通されることで、当該下ガイド溝22Eに沿ってシャッタ板21の下端近傍を主に上下方向へ移動させ、また当該下スタッド21Dを中心にシャッタ板21の傾斜角度を変化させることができる。
さらに本体部22Aの下端近傍、すなわち下ガイド溝22Eのやや下方には、丸孔でなる回動孔22Fが左右方向に貫通するように穿設されている。因みにガイドフレーム22は、例えば十分な厚さを有する鋼板に対し切削及び屈曲等の加工を施すことによって製造されており、外力に対し容易に変形しないような十分な強度を有している。
アップリンク23(図5及び図6)は、左右方向に細長い連結部23Aを中心に構成されている。連結部23Aは、図5及び図6に示した状態で上下方向に薄く左右方向に細長い棒状ないし板状に形成されており、その左右両端から前方へ向けてアーム部23Bがそれぞれ延接されている。
各アーム部23Bは、図5及び図6に示した状態で前後方向に細長く左右方向に薄い棒状ないし板状に形成され、その前端近傍に左右方向に貫通し丸孔でなる回動孔23Cがそれぞれ穿設されている。また各アーム部23Bは、前後の中央近傍に、左右方向に貫通し丸孔でなるリンク孔23Dがそれぞれ穿設されている。さらに連結部23Aの右端近傍には、図5及び図6に示した状態で後方に向けて、カード処理ユニット11(図3)と接触する接触部23Eが突設されている(詳しくは後述する)。
各回動スタッド24は、中心軸を左右方向に向けた小さな円柱状でなる柱状部と、当該柱状部の一端に取り付けられた小さな円板状でなる板状部とにより構成される。この回動スタッド24は、その柱状部がガイドフレーム22の回動孔22F及びアップリンク23の回動孔23Cに挿通され、当該柱状部の先端側、すなわち板状部と反対の先端側に所定の抜止部材(図示せず)が取り付けられることで、回動軸として機能し、ガイドフレーム22に対しアップリンク23を自在に回動させることができる。
各リンク体25は、図5及び図6に示した状態で、左右方向に薄く、且つ前上方と後下方とを結ぶ斜め方向に沿った細長い棒状ないし板状に形成されており、その前上端近傍及び後下端近傍に、左右方向に貫通する丸孔でなるリンク孔25A及び25Bがそれぞれ穿設されている。
各リンク回動スタッド26は、回動スタッド24と同様、中心軸を左右方向に向けた小さな円柱状でなる柱状部と、当該柱状部の一端に取り付けられた小さな円板状でなる板状部とにより構成される。このリンク回動スタッド26は、その柱状部分がリンク体25のリンク孔25A及びアップリンク23のリンク孔23Dに挿通され、当該柱状部の先端側、すなわち板状部と反対の先端側に所定の抜止部材(図示せず)が取り付けられる。これによりリンク回動スタッド26は、回動軸として機能し、アップリンク23に対しリンク体25を自在に回動させることができる。
各リンク移動スタッド27は、回動スタッド24と同様、中心軸を左右方向に向けた小さな円柱状でなる柱状部と、当該柱状部の一端に取り付けられた小さな円板状でなる板状部とにより構成される。このリンク移動スタッド27は、その柱状部分がガイドフレーム22の上ガイド溝22D、リンク体25のリンク孔25B及びシャッタ板21のスタッド受け孔21Cに順次挿通され、当該柱状部の先端側、すなわち板状部と反対の先端側に所定の抜止部材(図示せず)が取り付けられる。因みにリンク移動スタッド27における柱状部の直径は、上ガイド溝22Dの溝幅並びにリンク孔25B及びスタッド受け孔21Cの孔径よりも僅かに小さくなっている。
このためリンク移動スタッド27は、シャッタ板21に対しリンク体25を自在に回動させる回動軸として機能すると共に、上ガイド溝22Dに沿ってシャッタ板21の上端近傍及びリンク体25の前上端をそれぞれ自在に移動させる移動軸として機能することができる。これによりシャッタ板21は、リンク移動スタッド27及び下スタッド21Dを上ガイド溝22D及び下ガイド溝22Eに沿ってそれぞれ摺動させることにより、主に上下方向に移動することができる。
かかる構成によりシャッタ開閉部20は、アップリンク23がガイドフレーム22の回動孔22F及び回動スタッド24を中心に回動すると、リンク回動スタッド26、リンク体25及びリンク移動スタッド27を介してシャッタ板21に力が伝達される。
例えばシャッタ開閉部20は、アップリンク23の接触部23Eがガイドフレーム22から離れる方向へ回動すると、シャッタ板21を下方へ移動させることになる。またシャッタ開閉部20は、アップリンク23の接触部23Eがガイドフレーム22へ近づく方向へ回動すると、シャッタ板21を上方へ移動させることになる。
これを換言すれば、シャッタ開閉部20は、ガイドフレーム22、アップリンク23、回動スタッド24、リンク体25、リンク回動スタッド26及びリンク移動スタッド27を互いに連動させることにより、シャッタ板21を上下方向へ移動させることができる。以下では、説明の都合上、ガイドフレーム22、アップリンク23、回動スタッド24、リンク体25、リンク回動スタッド26及びリンク移動スタッド27をまとめて連動部28と呼ぶ。
このようにシャッタ開閉部20は、各部品が回動若しくは移動可能に組み付けられており、またガイドフレーム22の上ガイド溝22D及び下ガイド溝22Eに沿ってシャッタ板21の上端近傍及び下端近傍をそれぞれ移動させ得るようになっている。
[3.シャッタ開閉動作]
次に、シャッタ開閉部20におけるシャッタ板21を上下方向へ移動させる動作、すなわちシャッタ開閉動作について説明する。図4に示したように、シャッタ開閉部20は、接客パネル10におけるカード入出口4の後側にガイドフレーム22が取り付けられることで、当該接客パネル10に取り付けられている。
図3(A)に示したようにカード処理ユニット11が運用位置にあり、筐体2内に収納され最も前寄りに位置している場合、シャッタ開閉部20は、図8に示すように、アップリンク23の接触部23Eをカード処理ユニット11の前端に設けられたカム部11Cに当接させている。
このときアップリンク23は、自らに重力が作用すること及びシャッタ板21に作用する重力がリンク体25を介して伝達されることにより、ガイドフレーム22の回動孔22Fを中心に上端側を後下方へ倒す方向に回動しようとして、接触部23Eをカード処理ユニット11のカム部11Cに当接させ続ける。これを換言すれば、アップリンク23は、カード処理ユニット11のカム部11Cにより接触部23Eを介して後方から支えられ、アーム部23Bの長手方向をほぼ垂直に向けた状態となる。
またこのときリンク体25は、アップリンク23によりリンク回動スタッド26を介してリンク孔25Aが比較的上方へ持ち上げられているため、長手方向に関し反対側のリンク孔25Bに挿通されたリンク移動スタッド27を、上ガイド溝22D内における上端近傍に位置させている。
これに伴いシャッタ板21は、その上端部分が上ガイド溝22Dの上端近傍に位置し、且つその下端部分が下ガイド溝22E(図5、図6及び図7)における上端近傍に位置している。このためシャッタ板21は、カード入出口4よりも上方に位置し、当該カード入出口4を開放した状態にある。以下、シャッタ開閉部20におけるこの状態を開放状態とも呼ぶ。
次に、保守作業等が行われる際に、カード処理ユニット11が図8に示した運用位置からやや後方へ移動された場合を想定する。このときシャッタ開閉部20は、図8と対応する図9に示すように、アップリンク23に作用する重力により、開放状態から引き続きアップリンク23の接触部23Eをカード処理ユニット11のカム部11Cに当接させたまま、当該アップリンク23の上端を後下方へ倒すように矢印R1方向へ回動させていく。
またリンク体25は、アップリンク23によりリンク回動スタッド26を介してリンク孔25Aが後下方へ引き下げられていくため、下端を後方へ向けるように傾斜しながら、リンク孔25Bに挿通されたリンク移動スタッド27を上ガイド溝22Dの上下移動区間22D1(図7)内において下方へ移動させる。
これに伴いシャッタ板21は、その上端部分が上ガイド溝22Dの上下移動区間22D1に沿って下降し、且つ下端の下スタッド21D(図5及び図6)が下ガイド溝22E(図5、図6及び図7)に沿って下降するため、開放状態(図8)よりも下方に位置し、カード入出口4の上側を一部閉塞した状態にある。以下、これを中間状態と呼ぶ。
今度は、カード処理ユニット11が図9に示した位置から筐体2内でさらに後方へ移動された場合を想定する。このときシャッタ開閉部20は、図8及び図9と対応する図10に示すように、アップリンク23に作用する重力により、中間状態から引き続きアップリンク23の接触部23Eをカード処理ユニット11のカム部11Cに当接させたまま、当該アップリンク23の上端をさらに後下方へ倒すように矢印R1方向へ回動させていく。
またリンク体25は、アップリンク23によりリンク回動スタッド26を介してリンク孔25Aがさらに後下方へ引き下げられていくため、下端を後方へ向けるようにさらに傾斜しながら、リンク孔25Bに挿通されたリンク移動スタッド27を上ガイド溝22Dの上下移動区間22D1(図7)内において下端まで移動させる。
これに伴いシャッタ板21は、その上端部分が上ガイド溝22Dの上下移動区間22D1における下端に到達し、且つ下端の下スタッド21D(図5及び図6)が下ガイド溝22E(図5、図6及び図7)内おける下端に到達するため、カード入出口4を閉塞した状態にある。以下、シャッタ開閉部20におけるこの状態を仮閉塞状態と呼ぶ。
最後に、カード処理ユニット11が図10に示した位置からさらに後方へ移動された場合を想定する。このときシャッタ開閉部20は、図8〜図10と対応する図11に示すように、アップリンク23に作用する重力により、仮閉塞状態よりも接触部23Eをさらに後下方へ下降させて矢印R1方向へ回動しようとする。
このときリンク移動スタッド27は、アップリンク23の後下方へ回動しようとする力がリンク回動スタッド26及びリンク体25を介して伝達されるため、上ガイド溝22Dの前後移動区間22D2内を後方へ移動するものの、間もなくその後端に到達し、後方への移動が規制される。これによりリンク体25は、リンク回動スタッド26を介してアップリンク23の後下方への回動を規制して静止させ、接触部23Eをカード処理ユニット11から引き離す。
ここで上ガイド溝22Dの前後移動区間22D2は、前後方向に沿って形成されている。このためリンク移動スタッド27は、仮にリンク体25やシャッタ板21等を介して前方向以外の各方向、すなわち後方向、上方向、下方向、左方向及び右方向の何れへ向かう力が加えられたとしても変位せず、シャッタ板21を開放させない。以下、この状態を本閉塞状態と呼ぶ。
一方、カード処理ユニット11が図11に示した状態から前方へ移動された場合、前端のカム部11Cがアップリンク23の接触部23Eに近接していき、やがて当接する。このとき本閉塞状態にあるシャッタ開閉部20は、カム部11Cから接触部23Eに対し前方に向かう力が加えられるため、接触部23Eを前上方へ押し上げるようにして、アップリンク23を矢印R2方向へ回動させていく。
このときリンク体25は、アップリンク23からリンク回動スタッド26を介して前上方へ向かう力が伝達されることにより、リンク孔25Bに挿通されたリンク移動スタッド27に対し前上方へ向かう力を作用させる。これによりリンク移動スタッド27は、上ガイド溝22Dの前後移動区間22D2に沿って前方へ移動し、その前端、すなわち前後移動区間22D2と上下移動区間22D1との接合部分に到達した段階で、仮閉塞状態(図10)に戻る。
続いてカード処理ユニット11がさらに前方へ移動された場合、前端のカム部11Cがアップリンク23の接触部23Eをさらに前上方へ押し上げるようにして、アップリンク23をさらに矢印R2方向へ回動させていく。
このときリンク体25は、アップリンク23からリンク回動スタッド26を介して前上方へ向かう力が伝達されることにより、リンク孔25Bに挿通されたリンク移動スタッド27に対し前上方へ向かう力を作用させる。これによりリンク移動スタッド27は、上ガイド溝22Dの上下移動区間22D1に沿って上方へ移動し、シャッタ板21を上方へ持ち上げてカード入出口4を徐々に開放していく。これによりシャッタ開閉部20は、やがて中間状態(図9)となる。
その後カード処理ユニット11が運用位置、すなわち筐体2内の最も前方に到達すると、当該カード処理ユニット11からアップリンク23及びリンク体25を介して伝達された力により、リンク移動スタッド27が上ガイド溝22Dの上下移動区間22D1内における上端近傍に到達する。このときシャッタ開閉部20は、シャッタ板21をカード入出口4よりも上方に位置させた開放状態(図8)に戻り、利用者による当該カード入出口4を介したカード処理ユニット11へのキャッシュカードの挿入を許容する。
このようにシャッタ開閉部20は、カード処理ユニット11の前後方向への移動に伴いアップリンク23を回動させ、リンク体25を介して力を伝達することにより、シャッタ板21をガイドフレーム22の上ガイド溝22D及び下ガイド溝22Eに沿って主に上下方向へ移動させ、カード入出口4を開放又は閉塞する。
[4.動作及び効果]
以上の構成において、現金自動預払機1のシャッタ開閉部20は、ガイドフレーム22に形成する上ガイド溝22Dを、上下方向に沿った上下移動区間22D1及び前後方向に沿った前後移動区間22D2により構成した(図7)。またシャッタ開閉部20は、リンク移動スタッド27により上ガイド溝22D、シャッタ板21のスタッド受け孔21C及びリンク体25のリンク孔25Aを挿通させ、当該上ガイド溝22Dに沿ってリンク移動スタッド27を移動させるようにした。
ここで、本実施の形態との比較用に、従来のシャッタ開閉部40を図12に示す。従来のシャッタ開閉部40は、本実施の形態によるシャッタ開閉部20と比較して、ガイドフレーム22に代わるガイドフレーム42が用いられている点において相違する。この従来のガイドフレーム42は、上ガイド溝42Dが上下方向に沿った直線状の部分のみにより構成されている。このため従来のシャッタ開閉部40は、この図12に示したように、リンク移動スタッド27が上ガイド溝42D内で下端に到達すると、本実施の形態における仮閉塞状態(図10)に相当する閉塞状態となる。
シャッタ開閉部40は、その構造上、閉塞状態であっても接客パネル10のカード入出口4からシャッタ板21の一部を露出させている。このためシャッタ開閉部40は、仮に利用者がカード入出口4を介して指先をシャッタ板21の前面に当接させ、そのまま指先を上方へ持ち上げた場合、摩擦力の作用により当該シャッタ板21に対し上向きの力を作用させる。このときシャッタ開閉部40では、リンク移動スタッド27が上ガイド溝42Dに沿って上方向へ移動できるため、この上向きの力によってシャッタ板21が上方へ移動され、カード入出口4が開放されてしまう。
すなわち従来のシャッタ開閉部40では、閉塞状態にありシャッタ板21によってカード入出口4を閉塞していたとしても、利用者が誤解等によりシャッタ板21に対し指先等で上方向に力を作用させた場合、当該シャッタ板21を上昇させてカード入出口4を開放させ得る。この場合シャッタ開閉部40は、カード処理ユニット11(図3)が運用位置に無いにも拘わらずカード入出口4からキャッシュカードを挿入できてしまい、挿入されたキャッシュカード等を筐体2内に落下させる等の問題を引き起こす恐れがあった。
これに対し本実施の形態によるシャッタ開閉部20は、上ガイド溝22Dを上下移動区間22D1及び前後移動区間22D2により構成したため、カード処理ユニット11の運用位置からの後方への移動に伴い、開放状態(図8)から中間状態(図9)及び仮閉塞状態(図10)を経て本閉塞状態(図11)に遷移する。
このシャッタ開閉部20は、本閉塞状態(図11)において、上ガイド溝22Dの前後移動区間22D2により、リンク移動スタッド27の移動可能な方向を前方向のみに規制している。このためシャッタ開閉部20は、仮に利用者がカード入出口4を介して指先をシャッタ板21の前面に当接させ、そのまま指先を上方へ持ち上げたとしても、当該シャッタ板21の上方向への移動を規制し、閉塞状態を維持することができる。
またシャッタ開閉部20は、本閉塞状態(図11)において、カード入出口4の後側にシャッタ板21を位置させているため、利用者の指先から力を加えられる可能性がある方向が後方向、上下方向及び左右方向であるところ、上ガイド溝22Dの前後移動区間22D2により、この全ての方向への移動を規制することができる。
これを換言すれば、シャッタ開閉部20は、本閉塞状態において利用者がシャッタ板21に対し指先によって力を加えることができない唯一の方向である前方向を、リンク移動スタッド27が唯一移動可能な方向とすることで、利用者による不用意なシャッタの開放を確実に防止することができる。
またシャッタ開閉部20は、本閉塞状態(図11)において、アップリンク23の大部分が回動スタッド24の後方に位置しているため、重力の作用によりリンク体25を介しリンク移動スタッド27に対し後方へ向かう力を加え続けている。このためシャッタ開閉部20は、リンク移動スタッド27を上ガイド溝22Dの前後移動区間22D2における後端部分に積極的に止めておくことができ、シャッタ板21に対し前方向へ比較的小さな力が作用したとしても、本閉塞状態を維持することができる。
ところでシャッタ開閉部20は、開放状態(図8)から中間状態(図9)を介して仮閉塞状態(図10)に至る際に、シャッタ板21の自重により、リンク移動スタッド27を上ガイド溝22Dの上下移動区間22D1(図7)に沿って容易に下方向へ移動させ得る。しかしながらシャッタ開閉部20は、前後移動区間22D2(図7)においては重力の作用方向と進行方向が相違するため、当該シャッタ板21の自重を後方向への移動に利用することができない。
この点においてシャッタ開閉部20は、仮閉塞状態(図10)から本閉塞状態(図11)へ遷移する際、アップリンク23からリンク体25を介してリンク移動スタッド27に作用する力の方向が後下方向である。すなわちシャッタ開閉部20は、上ガイド溝22Dの前後移動区間22D2が前後方向に沿って形成されているため、この力のうち後方向成分を利用することができ、当該リンク移動スタッド27を後方向へ容易に移動させることができる。
一方、シャッタ開閉部20は、保守作業等が終了してカード処理ユニット11が前方へ移動されると、アップリンク23及びリンク体25を介してリンク移動スタッド27が前方へ移動され、仮閉塞状態(図10)に戻る。これを換言すれば、シャッタ開閉部20は、本閉塞状態においてリンク移動スタッド27が移動し得る方向を、カード処理ユニット11からアップリンク23及びリンク体25を介してリンク移動スタッド27に力が加えられる方向である前上方向に近い前方向とした。
このためシャッタ開閉部20は、カード処理ユニット11が運用位置(図3(A))に戻ろうとしてスライドレール11Rにより前方向へ向かう際にアップリンク23を介して加えられる前方向への力を、そのままリンク移動スタッド27に作用させることで、本閉塞状態から仮閉塞状態へ容易に遷移させることができる。
以上の構成によれば、現金自動預払機1のシャッタ開閉部20は、上下方向に沿った上下移動区間22D1及び前後方向に沿った前後移動区間22D2を有する上ガイド溝22Dをガイドフレーム22に形成し、シャッタ板21の上端近傍に取り付けたリンク移動スタッド27を当該上ガイド溝22Dに沿って移動させるようにした。シャッタ開閉部20は、カード処理ユニット11が後方へ移動した際、リンク移動スタッド27を上下移動区間22D1に沿って下降させた後、前後移動区間22D2に沿って後方へ移動させることで本閉塞状態に遷移し、シャッタ板21の移動可能な方向を前方向のみに制限できるので、利用者の指先により不用意に開放されてしまうことを防止できる。
[5.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態においては、上ガイド溝22Dにのみ、前後方向に沿った前後移動区間22D2を設ける場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば図13に示すシャッタ開閉部60のように、ガイドフレーム62に形成する上ガイド溝62D及び下ガイド溝62Eの双方において、下端から後方へ向けて前後移動区間62D2及び62E2をそれぞれ形成しても良い。また、ガイドフレームに3本以上のガイド溝を形成する場合に、1本以上のガイド溝の下端に、後方へ向けて前後移動区間を形成しても良い。
また上述した実施の形態においては、開放状態においてシャッタ板21をカード入出口4の上方に退避させておき(図8)、カード処理ユニット11の後方への移動に伴い、シャッタ板21及びアップリンク23に作用する重力を利用して当該シャッタ板21を下降させる場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば各種スプリングのような付勢部材を用いてアップリンク23やリンク体25等に対し接触部23Eが常に下方ないし後方へ向かうよう付勢するようにしても良い。これにより、本閉塞状態(図11)において、シャッタ板21に対しある程度の大きさの前方向へ向かう力が加えられたとしても、後方へ付勢されていることにより、この本閉塞状態を維持することができる。
また、例えば図14(A)及び(B)に示すシャッタ開閉部80のように、シャッタ開閉部20の構成をほぼ上下反転させて開放状態においてシャッタ板81をカード入出口4の下方に退避させておくと共に、アップリンク83に対しトーションスプリングでなるスプリング89の力を作用させるようにしても良い。この場合、スプリング89は、復元力を作用させることにより、アップリンク83に対し矢印R1方向へ向かう力を作用させ、シャッタ板21を上方向へ持ち上げることができる。
さらに上述した実施の形態においては、開放状態においてシャッタ板21をカード入出口4の上側に退避して開放させ、カード処理ユニット11の後方への移動に伴い当該シャッタ板21を下降させてカード入出口4を閉塞させる場合について述べた。
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば図14に示したようにカード入出口4の下側へ退避させるようにしても良く、或いはカード入出口4の左側や右側等、カード入出口4におけるカードの入出方向である前後方向と交差する何れかの方向へ退避させて、当該カード入出口4を開放しても良い。これらの場合、シャッタ板を案内するガイド溝に、当該シャッタ板を開閉させるための移動方向(上下方向や左右方向)に沿った移動区間に加えて、この移動方向とは異なる前後方向に沿った前後移動区間を形成すれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、ガイドフレーム22に上ガイド溝22D及び下ガイド溝22Eといった2本のガイド溝を形成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、ガイドフレーム22に1本又は3本以上のガイド溝を形成しても良い。
すなわち本発明では、シャッタ板21を上下方向に移動させるガイド溝の少なくとも1本に、当該上下方向と交差しアップリンク23からリンク体25を介して力が加えられる方向(例えば後方向)に沿った部分が形成され、このガイド溝に沿ってリンク移動スタッドを移動させることにより、本閉塞状態においてシャッタ板21の開閉方向への移動を制限できれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、ガイドフレーム22に上ガイド溝22D及び下ガイド溝22Eを設け、シャッタ板21に固定されたリンク移動スタッド27及び下スタッド21Dを各ガイド溝に沿って移動させる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばシャッタ板21の側板部21Bにガイド溝を設け、ガイドフレーム22にスタッドを立設し、このスタッドにガイド溝を沿わせるようにしてシャッタ板21を移動させても良い。
さらに上述した実施の形態においては、リンク機構として構成された連動部28により、アップリンク23の回動によって生じた力をシャッタ板21に伝達して上下方向へ移動させる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばギアやベルト等、周知の機構を適宜組み合わせて構成した連動部により、アップリンク23の回動によって生じた力をシャッタ板21に伝達するようにしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、接客パネル10のカード入出口4にシャッタ開閉部20を設ける場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば接客パネル10の通帳入出口5や、自動販売機における紙幣投入口等、種々の装置において恒常的に利用者に面する部分に形成された種々の貫通孔にシャッタ開閉部20を設けても良い。
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
さらに上述した実施の形態においては、シャッタとしてのシャッタ板21と、連動部としての連動部28と、制限部としての上ガイド溝22Dの前後移動区間22D2とによってシャッタ開閉装置としてのシャッタ開閉部20を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなるシャッタと、連動部と、制限部とによってシャッタ開閉装置を構成しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、対峙パネルとしての接客パネル10と、貫通孔としてのカード入出口4と、媒体授受部としてのカード処理ユニット11と、移動部としてのスライドレール11Rと、シャッタとしてのシャッタ板21と、連動部としての連動部28と、制限部としての前後移動区間22D2とによって媒体授受装置としての現金自動預払機1を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる対峙パネルと、貫通孔と、媒体授受部と、移動部と、シャッタと、連動部と、制限部とによって媒体授受装置を構成しても良い。
本発明は、利用者との間で種々の媒体を授受するユニットを筐体内に内蔵する種々の装置でも利用できる。
1……現金自動預払機、2……筐体、4……カード入出口、5……通帳入出口、10……接客パネル、10L……下部接客パネル、10U……上部接客パネル、11……カード処理ユニット、11C……カム部、11R……スライドレール、12……通帳処理ユニット、20、40、60、80……シャッタ開閉部、21、81……シャッタ板、21C……スタッド受け孔、21D……下スタッド、22、42、62、82……ガイドフレーム、22D、42D、62D……上ガイド溝、22D1……上下移動区間、22D2……前後移動区間、22E、62E……下ガイド溝、22F……回動孔、23、83……アップリンク、23E……接触部、24……回動スタッド、25……リンク体、25A……リンク孔、25B……リンク孔、26……リンク回動スタッド、27……リンク移動スタッド、28……連動部、89……スプリング。

Claims (5)

  1. 利用者が対峙する対峙面を有する対峙パネルに形成され前記対峙面側とその反対側である背面側との間を貫通する貫通孔の少なくとも一部を閉塞する閉塞状態、又は当該貫通孔を開放する開放状態に遷移し、前記開放状態から前記閉塞状態に遷移する際、重力を利用して下降するシャッタと、
    前記対峙パネルにおける前記背面側の近傍である授受位置に位置する場合に前記貫通孔を介して前記利用者との間で所定の媒体を授受し、前記授受位置又は前記授受位置から離隔された位置へ移動される媒体授受部が、前記授受位置にあるときには前記シャッタを開放状態に遷移させ、前記媒体授受部が前記授受位置から離隔される場合には前記シャッタを閉塞状態に遷移させる連動部と、
    前記連動部に設けられ、前記シャッタが前記閉塞状態から前記開放状態へ遷移される際に、当該シャッタを前記背面から前記対峙面へ向かう手前方向へ移動させてから当該手前方向と交差する上方向へ移動させて前記開放状態へ遷移させるよう制限する制限部と
    を具えることを特徴とする媒体授受装置。
  2. 前記連動部は、
    前記対峙パネルに固定されたガイドフレームと、
    前記ガイドフレームに設けられたガイド溝と、
    前記ガイド溝に沿って前記シャッタと一体に移動するスタッドと
    をさらに具え、
    前記ガイド溝は、
    前記交差方向に沿った交差方向移動区間と、
    前記交差方向移動区間と連通し、前記手前方向と反対の奥行方向に沿った奥行方向移動区間と
    をさらに具えることを特徴とする請求項1に記載の媒体授受装置。
  3. 前記スタッドは、前記シャッタが前記閉塞状態であるときに前記ガイド溝内で最も低い位置にある
    ことを特徴とする請求項2に記載の媒体授受装置。
  4. 前記連動部は、前記媒体授受部から離れているときに、前記スタッドに対して前記奥行方向に向かう力を作用させる
    ことを特徴とする請求項3に記載の媒体授受装置。
  5. 利用者が対峙する対峙面を有する対峙パネルに形成され前記対峙面側とその反対側である背面側との間を貫通する貫通孔の少なくとも一部を閉塞する閉塞状態、又は当該貫通孔を開放する開放状態に遷移するシャッタと、
    前記対峙パネルにおける前記背面側の近傍である授受位置に位置する場合に前記貫通孔を介して前記利用者との間で媒体を授受し、前記授受位置又は前記授受位置から離隔された位置へ移動される媒体授受部が、前記授受位置にあるときには前記シャッタを開放状態に遷移させ、前記媒体授受部が前記授受位置から離隔される場合には前記シャッタを閉塞状態に遷移させる連動部と、
    前記連動部に設けられ、前記シャッタが前記閉塞状態から前記開放状態へ遷移される際に、当該シャッタを前記背面から前記対峙面へ向かう手前方向へ移動させてから当該手前方向と交差する上方向へ移動させて前記開放状態へ遷移させるよう制限する制限部と
    を具え、
    前記連動部は、所定の力を前記シャッタに伝達する伝達部材を有し、前記媒体授受部が前記授受位置から離隔される場合に、前記シャッタを、前記開放状態から前記貫通孔を閉塞した仮閉塞状態へ遷移させてから当該シャッタをロックする本閉塞状態に遷移させ、且つ前記伝達部材により伝達される力を利用して、前記シャッタ前記開放状態から前記仮閉塞状態へ遷移させると共に、当該伝達部材により伝達される力を利用して、当該シャッタを当該仮閉塞状態から前記本閉塞状態へ遷移させる
    ことを特徴とする媒体授受装置。
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