JP6311088B1 - 尿はね防止器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】異臭の発生や不衛生になることを抑制できると共に、誰もが容易に使用することの可能な尿はね防止器具を提供する。【解決手段】尿はね防止器具は、放尿を受ける受尿体4と、受尿体4の下端側に接続された尿排出ホース5と、受尿体4の上端側に接続された給水パイプ6と、受尿体4を回動可能かつ昇降可能に支持するガイド部材2とを備え、給水パイプ6を介して受尿体4に洗浄水を供給可能となっている。使用時は、受尿体4をガイド部材に沿って昇降させて所望の高さにした状態で洋式便器1の真上まで回動し、この状態で使用者の排尿器官に近付けた受尿体4に向けて放尿し、排尿後に給水パイプ6を介して受尿体4に水道水等の洗浄水を供給することにより、受尿体4や尿排出ホース5の内壁面に付着した尿を洗い流して洋式便器1に排出する。【選択図】図1
Description
本発明は、便器に向けて放尿する際の尿はねを防止するための尿はね防止器具に関するものである。
洋式便器を用いて男性が正立姿勢で放尿する場合、便器の尿を受ける面が放尿をする者よりもかなり低い位置となるため、便器の外部に尿はねが拡散して便器周辺の壁面や床等を汚してしまうことが多くなる。そこで、特許文献1に記載されているように、このような尿はねを防止するための尿はね防止器具が本発明者によって提案されている。
特許文献1に開示された尿はね防止器具は、放尿を受ける受尿筒と、この受尿筒の下面に接続された可撓性の尿誘導ホースと、これら受尿筒と尿誘導ホースが載置される棚板とを備えて構成されており、棚板は便器の近傍に立設されたポールに回動可能に支持されている。
このように構成された尿はね防止器具を使用する場合、使用者は、棚板を回動して受尿筒を洋式便器の真上まで移動し、尿誘導ホースの下端を洋式便器内に差し込んだ状態で放尿すれば、尿を受ける受尿筒が使用者の排尿器官に近い位置となるため、尿はねを防止することができる。また、排尿が終わった後に棚板を逆方向へ回動し、受尿筒と尿誘導ホースを洋式便器の側方の保管場所へ移動しておけば、尿はね防止器具を使用しない女性や子供等は、尿はね防止器具の存在が邪魔にならずに洋式便器を利用することができる。
特許文献1に開示された尿はね防止器具は、使用するときだけ棚板を便器の真上まで回動することにより、受尿筒を尿の受けやすい位置に移動して尿はねを防止することができると共に、不使用時には便器周辺の保管場所に収納して利便性を高めることができる。しかし、使用時に受尿筒に受けられた排尿が尿誘導ホースを通って便器まで導かれる構造であるため、排尿後に受尿筒や尿誘導ホースの内壁面に尿が付着したまま残ってしまい、それが悪臭を発生させたり不衛生の原因になるという課題がある。
また、特許文献1に開示された尿はね防止器具では、ポールに支持された棚板を回動することにより、棚板に載置された受尿筒が収納位置と使用位置との間を移動可能となっているため、便器に正対する使用者の前方に受尿筒を配置することができる。しかし、棚板は水平面内を回動するだけであるため、使用者の身長の高低差にかかわらず受尿筒の高さは一定であり、背の高い使用者や身長の低い子供等、使用者の身長によっては十分な尿はね防止効果を期待できないことがある。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、異臭が発生したり不衛生になることを抑制できると共に、誰もが容易に使用することのできる尿はね防止器具を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の尿はね防止器具は、便器に放尿する際の尿はねを防止するための尿はね防止器具であって、放尿を受ける受尿体と、前記受尿体の下端側に接続された尿排出流路と、前記受尿体の上端側に接続された給水流路と、前記受尿体を回動可能かつ昇降可能に支持するガイド部材と、前記受尿体と前記尿排出流路との接続部に設けられた開閉弁とを備え、前記給水流路を介して前記受尿体に洗浄水を供給可能となっていることを特徴としている。
このように構成された尿はね防止器具では、受尿体をガイド部材に沿って昇降させて所望の高さにした状態で便器の真上まで回動し、この状態で使用者の排尿器官に近付けた受尿体に向けて放尿すれば、使用者の身長の高低にかかわらず誰でも尿はねを防止することができる。また、排尿後に給水流路を介して受尿体に水道水等の洗浄水を供給すれば、受尿体や尿排出流路の内壁面に付着した尿が洗い流されて便器に排出されるため、使用後の尿はね防止器具を清潔に保って異臭の発生等を防止することができる。しかも、受尿体と尿排出流路との接続部に開閉弁が設けられているため、使用者は、開閉弁を閉じた状態で受尿体に向けて放尿し、洗浄の前に開閉弁を開いて受尿体内の尿を尿排出流路を経由して便器に排出することができる。
上記の構成において、前記受尿体は前記ガイド部材に保持体を介して支持されており、前記保持体に前記受尿体が水平方向へ移動可能に保持されていると、ガイド部材と受尿体との間隔が調整可能となるため、尿はね防止器具の非使用時に受尿体を保管しておく位置の自由度を高めることができて好ましい。
また、上記の構成において、前記給水流路が可撓性を有する蛇腹ホースまたはゴムホースであると、受尿体の回動位置や昇降位置に応じて給水流路が自在に変形するため、給水流路を接続したまま受尿体を所望の位置まで容易に移動させることができる。
また、上記の構成において、前記給水流路が着脱可能な継手を介して前記受尿体に接続されていると、洗浄時には給水流路を受尿体に連結しておき、受尿体の回動時等には給水流路を取り外しておけば、給水流路が邪魔にならずに受尿体を容易に回動することができる。
また、上記の構成において、前記受尿体は上端を大径部とする円錐形状の内周面を有しており、前記洗浄水は前記給水流路から前記受尿体の内周面に沿って噴出されるようになっていると、受尿体の内周面に付着した尿をきれいに洗浄することができる。
また、上記の構成において、前記受尿体が外周面の一部を上方へ突出させたストッパ片を有していると、低い位置から放たれた尿をストッパ片で受けて受尿体内に導くことができるため、女性や子供でも容易に使用することができる。
また、上記の構成において、前記便器の便器本体に水溜り部に臨む取付孔が設けられており、前記尿排出流路が可撓性を有する蛇腹ホースまたはゴムホースであると共に、この尿排出流路の先端部が前記取付孔に固定されていると、尿排出流路の先端側を便器本体に接続した状態で、受尿体を使用位置と収納位置との間で移動させることができ、使い勝手がさらに向上する。
また、上記の目的を達成するために、本発明の尿はね防止器具は、キャスター付きの運搬台と、前記運搬台に立設されたガイド支柱と、前記ガイド支柱に回動可能かつ昇降可能に支持された放尿を受ける受尿体と、前記受尿体の下端側に接続された尿排出流路と、前記受尿体と前記尿排出流路との接続部に設けられた開閉弁と、を備えたことを特徴としている。
このように構成された尿はね防止器具では、病室等のトイレ以外の場所で開閉弁を閉じた状態で受尿体に向けて放尿した後、そのままキャスター付きの運搬台を利用して尿はね防止器具をトイレに搬送すれば、トイレ内で開閉弁を開いて受尿体内の尿を尿排出流路を経由して便器に排出すことができる。そして、その排出後にトイレ内に設置された水道等から受尿体に洗浄水を供給すれば、受尿体や尿排出流路の内壁面に付着した尿が洗い流されて便器に排出されるため、使用後の尿はね防止器具を清潔に保って異臭の発生等を防止することができる。また、受尿体をガイド部材に沿って昇降させたり回動することにより、受尿体を使用者の排尿器官に近付けた状態で放尿することができるため、使用者の身長の高低にかかわらず誰でも尿はねを防止することができる。
本発明によれば、異臭が発生したり不衛生になることを抑制できると共に、誰もが容易に使用することの可能な尿はね防止器具を提供することができる。
発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1〜図3に示すように、第1実施形態に係る尿はね防止器具は、洋式便器(便器)1の側方に立設されたガイド部材2と、ガイド部材2に回動可能かつ昇降可能に連結された保持体3と、保持体3に支持された受尿体4と、受尿体4の下端側に接続された尿排出ホース(尿排出流路)5と、受尿体4の上端側に接続された給水パイプ(給水流路)6とによって主に構成されている。
ガイド部材2は、上下方向に延びる円筒状の支柱からなり、洋式便器1を収容するトイレ内のコーナ部分に設置されている。このガイド部材2には昇降筒体7が上下動可能に挿入されており、昇降筒体7の外周面には使用者によって回転操作される操作摘み7aが装着されている。昇降筒体7は、操作摘み7aを締め付けることでガイド部材2の任意位置に固定することができ、操作摘み7aを緩めることで高さ位置を調整することができる。
保持体3は、昇降筒体7の上部に回転可能に支持された筒状部3aと、筒状部3aから水平方向へ突出する支持部3bとを有しており、支持部3bには水平方向へ延びるスリット3cが設けられている。すなわち、保持体3は、ガイド部材2を中心に水平方向へ回動可能であると共に、ガイド部材2に対する昇降筒体7の高さを調整することにより、上下方向にも移動可能となっている。
受尿体4は、上方が開放され、上端を大径部とする円錐形状の内周面を有する漏斗状の容器であり、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のプラスチック材料によって形成されている。なお、受尿体4の形状は漏斗状に限定されるものではない。受尿体4の先窄まり形状の下端部は保持体3のスリット3cに挿入されており、当該部分の外周面にはスリット3cの幅よりも大径な規制リング8が固定されている。これにより受尿体4は、規制リング8よりも上方の大径部分が支持部3bから突出した状態で保持体3に保持され、スリット3cの長手方向に沿ってスライド可能となっている。
詳細については後述するが、保持体3をガイド部材2の軸回りに回動することにより、受尿体4は、洋式便器1の周辺の保管場所(例えば洋式便器1の後方の収納位置)と、洋式便器1の真上の使用位置との間を移動可能となっている。また、保持体3をガイド部材2の長手方向に沿って上下動することにより、受尿体4はトイレの床面からの高さを調整可能となっている。なお、受尿体4の上下方向の可動範囲は50cm程度の有限値であることが好ましく、その場合、ガイド部材2に図示せぬストッパを設けて昇降筒体7の移動量を規制すれば良い。
尿排出ホース5は受尿体4の下端に固定された可撓性を有するゴムホースであり、受尿体4の下端側の開口4aは尿排出ホース5に接続されている。なお、尿排出ホース5は可撓性を有していれば良く、例えば、長さを伸縮することができる蛇腹ホースであっても良い。
給水パイプ6は、長さを伸縮することができる可撓性を有する蛇腹ホースであり、その一端側は受尿体4の上端側に設けられた噴出口4bに接続され、他端側はトイレ内に設置された水道12の蛇口に取り付けられている。ここで、給水パイプ6は、可撓性を有していれば良く、例えば、ゴムホースを用いることもできる。なお、トイレ内に水道水を貯留可能な貯水タンク(不図示)を設置しておき、この貯水タンクに給水パイプ6の他端側を接続するようにしても良い。
次に、このように構成された尿はね防止器具の使用方法について、図1〜図4を参照しつつ説明する。
尿はね防止器具の不使用時には、保持体3を洋式便器1の後方の収納位置に移動しておき、保持体3に保持された受尿体4や尿排出ホース5が利用者の邪魔にならないようにしておく。ここで、受尿体4が保持体3のスリット3cに沿ってスライド可能となっているため、洋式便器1の後方に広いスペースを確保できない場合は、受尿体4をスリット3cの後端側へ移動してガイド部材2に近付けておけば、受尿体4に邪魔されずに洋式便器1の便蓋1aを開閉することができる。ただし、洋式便器1の後方に広い収納スペースがある場合は、受尿体4をスリット3cの先端側に移動させた状態で、尿はね防止器具を収納位置に保管しておけば良い。
尿はね防止器具を使用する際は、図4に示すように、使用者Mが保持体3を回動操作して受尿体4を洋式便器1の水溜り部1bの真上まで移動し、さらに尿排出ホース5の下端を洋式便器1の水溜り部1bに差し込む。この状態で使用者Mである男性が受尿体4に向けて放尿すると、受尿体4で受尿された尿は尿排出ホース5を経由して洋式便器1の水溜り部1bに流入する。このとき、使用者Mの排尿器官と受尿体4との距離が12cm以内に保たれていると、受尿体4によって尿はねを効果的に防止することができる。したがって、受尿体4の高さ位置が使用者の排尿器官に合っていない場合は、操作摘み7aを緩めてガイド部材2に対する昇降筒体7の取付位置を調整した後、操作摘み7aを締め付けて昇降筒体7をガイド部材2に固定すれば、使用者の排尿器官と受尿体4との距離を12cm以内に保つことができる。
排尿が終わった後に水道12の蛇口を開くと、水道水(洗浄水)が給水パイプ6を経由して受尿体4内に供給されるため、受尿体4や尿排出ホース5の内壁面に付着した尿をきれいに洗い流して洋式便器1の水溜り部1bに排出することができる。したがって、かかる洗浄後に保持体3を上記と逆向きに回動操作して、受尿体4を洋式便器1の後方の収納位置に戻したとき、尿はね防止器具を清潔な状態で収納位置に保管することができ、尿の付着に起因する異臭の発生等を防止することができる。
以上説明したように、本発明の第1実施形態に係る尿はね防止器具は、放尿を受ける受尿体4と、受尿体4の下端側に接続された尿排出ホース5と、受尿体4の上端側に接続された給水パイプ6と、受尿体4を回動可能かつ昇降可能に支持するガイド部材2とを備え、給水パイプ6を介して受尿体4に洗浄水を供給可能となっているため、受尿体4をガイド部材に沿って昇降させて所望の高さにした状態で洋式便器1の真上まで回動し、この状態で使用者の排尿器官に近付けた受尿体4に向けて放尿すれば、使用者の身長の高低にかかわらず誰でも尿はねを防止することができる。そして、排尿後に給水パイプ6を介して受尿体4に水道水等の洗浄水を供給すれば、受尿体4や尿排出ホース5の内壁面に付着した尿が洗い流されて洋式便器1に排出されるため、使用後の尿はね防止器具を清潔に保って異臭の発生等を防止することができる。
また、第1実施形態に係る尿はね防止器具では、受尿体4が保持体3を介してガイド部材2に支持されており、この保持体3に受尿体4が水平方向へ移動可能に保持されているため、ガイド部材2と受尿体4との間隔を調整することができる。これにより、尿はね防止器具の使用時に受尿体4をガイド部材2から遠いスリット3cの先端側に移動しておき、尿はね防止器具の非使用時に受尿体4をスリット3cの後端側に移動してガイド部材2に近付けることができるため、尿はね防止器具の収納スペースに応じて受尿体4を最適な位置に保管することができる。ただし、尿はね防止器具の収納スペースに十分な余裕がある場合は、保持体3を省略し、受尿体4から側方へ突出する腕部をガイド部材2に支持するという構成にしても良い。
また、第1実施形態に係る尿はね防止器具では、給水パイプ6が可撓性を有する蛇腹ホースであるため、受尿体4の回動位置や昇降位置に応じて給水パイプ6の長さや形状を自在に追従させることができる。これにより、給水パイプ6を受尿体4に連結したままの状態で、受尿体4を使用位置と収納位置との間で容易に移動させることができる。
図5は第2実施形態に係る尿はね防止器具の要部を示す説明図である。図5に示すように、第2実施形態に係る尿はね防止器具では、給水パイプ6が着脱可能な継手9を介して受尿体4に接続されており、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。すなわち、受尿体4の上端側の噴出口4bに本体部9aが取り付けられていると共に、給水パイプ6の先端側にソケット部9bが取り付けられており、これら本体部9aとソケット部9bは着脱自在なワンタッチ継手を構成している。
このように給水パイプ6が着脱可能な継手9を介して受尿体4に接続されていると、洗浄時には本体部9aとソケット部9bを連結して給水パイプ6を受尿体4に接続しておき、受尿体4の回動時に本体部9aとソケット部9bを分離して給水パイプ6を受尿体4から取り外すことにより、給水パイプ6が邪魔にならずに受尿体4を容易に回動することができる。なお、着脱可能な継手9としては、カプラータイプやナットタイプ等のワンタッチ継手を用いることができる。
図6は第3実施形態に係る尿はね防止器具の要部を示す断面図である。図6に示すように、第3実施形態に係る尿はね防止器具では、受尿体4と尿排出ホース5との接続部に開閉弁10が設けられており、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。すなわち、受尿体4の内底面には開口4aを開閉可能な開閉弁10が設けてあり、この開閉弁10は受尿体4の外部から操作できるようになっている。
このような開閉弁10を備えた第3実施形態に係る尿はね防止器具では、開閉弁10を閉じた状態で受尿体4に向けて放尿すれば、その放尿を受尿体4内に一時的に溜めておくことができる。そして、洗浄の直前に開閉弁10を開放すると、受尿体4内の尿が尿排出ホース5を経由して洋式便器1の水溜り部1bに排出されるため、受尿体4や尿排出ホース5の内周面に付着した尿を速やかに洗浄することができる。
図7は第4実施形態に係る尿はね防止器具の要部を示す説明図である。図7に示すように、第4実施形態に係る尿はね防止器具では、洗浄水(水道水)が給水パイプ6から受尿体4の内周面に沿って噴出されるようになっており、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。すなわち、受尿体4の上部内周面にはL字状に屈曲する噴出口4bが取り付けられており、噴出口4bの先端は受尿体4の円錐形状の内周面を向いている。
このように噴出口4bの先端を受尿体4の内周面に向けておくと、給水パイプ6を経由した水道水(洗浄水)が、噴出口4bから受尿体4の内周面に向けて噴出された後、受尿体4の円錐形状の内周面に沿って螺旋状に流れて尿排出ホース5へ向かうため、受尿体4の内周面に付着した尿をきれいに洗浄することができる。
図8は第5実施形態に係る尿はね防止器具の外観斜視図である。図8に示すように、第5実施形態に係る尿はね防止器具では、ストッパ片11aを有する女性用の受尿体11が用いられており、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。すなわち、受尿体11には外周面の一部を上方へ突出させたストッパ片11aが形成されており、尿はね防止器具の使用時にストッパ片11aが洋式便器1の手前側に配置されるようになっている。受尿体11は、使用者(女性)の皮膚に接触することがあるため、比較的柔らかい素材で形成することが好ましい。
このように構成された第5実施形態に係る尿はね防止器具では、使用時に受尿体11を洋式便器1の水溜り部1bの真上まで移動してストッパ片11aを手前側に起立させ、さらに尿排出ホース5の下端を洋式便器1の水溜り部1bに差し込む。この状態で使用者の女性が洋式便器1の便蓋1aを背にして受尿体11に向けて放尿すると、受尿体11のストッパ片11aで受けられた尿は、受尿体11から尿排出ホース5を経由して洋式便器1の水溜り部1bに流入する。そして、第1実施形態と同様に、排尿後に給水パイプ6を経由して受尿体4内に水道水(洗浄水)を供給すれば、受尿体4や尿排出ホース5の内壁面に付着した尿をきれいに洗い流して洋式便器1に排出することができる。
なお、上記の第5実施形態において、図8の2点鎖線で示すように、ストッパ片11aを突出位置と没入位置との間で折り畳み可能にすると、男性がストッパ片11aを没入位置に折り畳んだ状態で放尿することができるため、男女兼用の尿はね防止器具として使用することができる。
図9は第6実施形態に係る尿はね防止器具の外観斜視図である。図9に示すように、第6実施形態に係る尿はね防止器具では、尿排出ホース5の先端部が洋式便器1の便器本体に固定されており、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。すなわち、洋式便器1の便器本体には水溜り部1bに臨む取付孔1cが穿設されており、この取付孔1cに尿排出ホース5の先端部が固定されている。尿排出ホース5は長さが伸縮できる可撓性を有する蛇腹ホースであり、受尿体4の移動に追従できる長さに設定されており、取付孔1cは水溜り部1bの上方位置に設けられている。なお、蛇腹ホースの代わりにゴムホースを用いても良い。
このように構成された第6実施形態に係る尿はね防止器具では、受尿体4の下端に接続された尿排出ホース5の先端部が便器本体の取付孔1cに固定されているため、排尿や洗浄のたびに尿排出ホース5を洋式便器1の水溜り部1bに差し込む必要がなくなり、使用者は受尿体4を洋式便器1の水溜り部1bの真上に移動するだけで、排尿や洗浄を容易に行うことができる。よって、使い勝手がさらに向上する。また、使用後に受尿体4を収納位置へ移動する場合、受尿体4の移動に追従して蛇腹ホースからなる尿排出ホース5の長さや形状が変化するため、尿排出ホース5の先端部を便器本体に固定したまま、尿はね防止器具を使用位置と収納位置との間で移動させることができる。
図10は第7実施形態に係る尿はね防止器具の外観斜視図である。図10に示すように、第7実施形態に係る尿はね防止器具は、病室等のトイレ以外の場所での使用を可能とするものであり、ガイド部材としてのガイド支柱21がキャスター20a付の運搬台20に立設されている。受尿体4の上端側の噴出口4bには、第2実施形態と同様のワンタッチ継手の本体部9aが取り付けられており、この本体部9aに対してトイレ内に設置された給水パイプに取り付けられたソケット部(不図示)が着脱可能となっている。また、受尿体4と尿排出ホース5との接続部には第3実施形態と同様の開閉弁10が設けられており、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。
このように構成された第7実施形態に係る尿はね防止器具では、使用者が病室等のトイレ以外の場所で開閉弁10を閉じた状態で受尿体4に向けて放尿した後、そのままキャスター20a付の運搬台20を利用して尿はね防止器具をトイレに搬送すれば、トイレ内で開閉弁10を開くことにより、受尿体4内の尿を尿排出ホース5を経由して洋式便器1の水溜り部1bに排出すことができる。その際、受尿体4をガイド支柱21に沿って昇降させたり回動することにより、受尿体4を使用者の排尿器官に近付けた状態で放尿することができるため、前述した各実施形態例と同様に、使用者の身長の高低にかかわらず誰でも尿はねを防止することができる。
そして、受尿体4内の尿を洋式便器1に排出した後、図示せぬ給水パイプに取り付けられたソケット部を受尿体4の本体部9aに連結した状態で、水道水(洗浄水)を給水パイプを経由して受尿体4内に供給すれば、受尿体4や尿排出ホース5の内壁面に付着した尿をきれいに洗い流して洋式便器1の水溜り部1bに排出することができるため、使用後の尿はね防止器具を清潔に保って異臭の発生等を防止することができる。その際、本体部9aとソケット部を省略し、給水パイプからの水道水を受尿体4の上部開口から供給して洗浄を行うようにしても良い。
1 洋式便器(便器)
1a 便蓋
1b 水溜り部
1c 取付孔
2 ガイド部材
3 保持体
3a 筒状部
3b 支持部
3c スリット
4 受尿体
4a 開口
4b 噴出口
5 尿排出ホース(尿排出流路)
6 給水パイプ(給水流路)
7 昇降筒体
7a 操作摘み
8 規制リング
9 継手
9a 本体部
9b ソケット部
10 開閉弁
11 受尿体
11a ストッパ片
12 水道
20 運搬台
20a キャスター
21 ガイド支柱
1a 便蓋
1b 水溜り部
1c 取付孔
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3 保持体
3a 筒状部
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4 受尿体
4a 開口
4b 噴出口
5 尿排出ホース(尿排出流路)
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7a 操作摘み
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9b ソケット部
10 開閉弁
11 受尿体
11a ストッパ片
12 水道
20 運搬台
20a キャスター
21 ガイド支柱
Claims (8)
- 便器に放尿する際の尿はねを防止するための尿はね防止器具であって、
放尿を受ける受尿体と、前記受尿体の下端側に接続された尿排出流路と、前記受尿体の上端側に接続された給水流路と、前記受尿体を回動可能かつ昇降可能に支持するガイド部材と、前記受尿体と前記尿排出流路との接続部に設けられた開閉弁とを備え、前記給水流路を介して前記受尿体に洗浄水を供給可能となっていることを特徴とする尿はね防止器具。 - 請求項1に記載の尿はね防止器具において、前記受尿体は前記ガイド部材に保持体を介して支持されており、前記保持体に前記受尿体が水平方向へ移動可能に保持されていることを特徴とする尿はね防止器具。
- 請求項1に記載の尿はね防止器具において、前記給水流路が可撓性を有する蛇腹ホースまたはゴムホースであることを特徴とする尿はね防止器具。
- 請求項1に記載の尿はね防止器具において、前記給水流路が着脱可能な継手を介して前記受尿体に接続されていることを特徴とする尿はね防止器具。
- 請求項1に記載の尿はね防止器具において、前記受尿体は上端を大径部とする円錐形状の内周面を有しており、前記洗浄水は前記給水流路から前記受尿体の内周面に沿って噴出されることを特徴とする尿はね防止器具。
- 請求項1に記載の尿はね防止器具において、前記受尿体が外周面の一部を上方へ突出させたストッパ片を有していることを特徴とする尿はね防止器具。
- 請求項1に記載の尿はね防止器具において、前記便器の便器本体に水溜り部に臨む取付孔が設けられており、前記尿排出流路が可撓性を有する蛇腹ホースまたはゴムホースであると共に、この尿排出流路の先端部が前記取付孔に固定されていることを特徴とする尿はね防止器具。
- キャスター付きの運搬台と、前記運搬台に立設されたガイド支柱と、前記ガイド支柱に回動可能かつ昇降可能に支持された放尿を受ける受尿体と、前記受尿体の下端側に接続された尿排出流路と、前記受尿体と前記尿排出流路との接続部に設けられた開閉弁と、を備えたことを特徴とする尿はね防止器具。
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