本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施の形態に基づいて以下に説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図8は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側として説明する。尚、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。本実施の形態におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右下)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bと、普通図柄表示器20とが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」、「第1特別図柄」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」、「第2特別図柄」ともいう。
ここで、変動表示とは、複数種類の識別情報を順次変動表示するものだけでなく、例えば一の識別情報の表示態様を変化させる(表示と非表示との繰り返しや、形状や色彩を変化させる等)ものも含む。また、本実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とはそれぞれ1つの特別図柄にて構成されていたが、例えば2つ以上の表示図柄の組合せからなるものであってもよい。
また、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
第2特別図柄表示装置4Bの下方には、第1保留表示器25Aと、第2保留表示器25Bと、普図保留表示器25Cとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、後述する普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口または普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動時間が経過すると表示結果(確定停止図柄)を導出表示する。尚、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
図1に示すように、遊技盤2における遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて演出図柄(飾り図柄ともいう)の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施の形態では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を同様に丸型の白色表示とする。
尚、以下の説明において、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uを保留表示エリアと称することがあり、保留記憶数は、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uに表示される保留記憶表示の数により認識できるようになっている。更に、この保留記憶表示が集まった表示を保留表示と称することがある。
第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせても良い。尚、本実施の形態においては、『実行』と『実施』とは同義である。
特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが、このように演出表示装置5を用いた演出を行う場合において、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、近年においては演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置5上の表示領域を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。よって、これら現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくいことを解消することを目的として、演出表示装置5に、演出図柄と特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示エリアを設けても良い。これら第4図柄は、第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるとともに、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるようにすれば良い。尚、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽されたりすることはないため、常に視認することができる。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図8に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図8に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図8に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第2始動条件が成立する。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの右側には、第1特別可変入賞球装置7aが設けられている。第1特別可変入賞球装置7aは、図8に示す大入賞口扉用となるソレノイド106によって開閉駆動される大入賞口扉としての後述する底面部材を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第1特定領域としての第1大入賞口を形成する。
一例として、第1特別可変入賞球装置7aでは、大入賞口扉用のソレノイド106がオフ状態であるときに大入賞口扉が第1大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、第1特別可変入賞球装置7aでは、大入賞口扉用のソレノイド106がオン状態であるときに大入賞口扉が第1大入賞口を開放状態として、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、第1特定領域としての第1大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
また、第1特別可変入賞球装置7aには、第1大入賞口として2つの入賞口が設けられており、各々について通過した遊技球を検出するカウントスイッチ(図8の第1カウントスイッチ223a、第2カウントスイッチ223b)が設けられている。カウントスイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第1特別可変入賞球装置7aにおいて開放状態となった第1大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第1特別可変入賞球装置7aにおいて第1大入賞口が開放状態となれば、その第1大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第2状態となる。その一方で、第1特別可変入賞球装置7aにおいて第1大入賞口が閉鎖状態となれば、第1大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第1状態となる。第1特別可変入賞球装置7aについては後述する図2から図7で詳細に説明する。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下側には、第2特別可変入賞球装置7bが設けられている。第2特別可変入賞球装置7bは、図8に示す大入賞口扉用となるソレノイド206によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第2特定領域としての第2大入賞口を形成する。なお、第1大入賞口および第2大入賞口は、まとめて大入賞口とも称する。
一例として、第2特別可変入賞球装置7bでは、大入賞口扉用のソレノイド206がオフ状態であるときに大入賞口扉が第2大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、第2特別可変入賞球装置7bでは、大入賞口扉用のソレノイド206がオン状態であるときに大入賞口扉が第2大入賞口を開放状態として、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、第2特定領域としての第2大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第2大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
第2大入賞口を通過(進入)した遊技球は、図8に示す第3カウントスイッチ223cによって検出される。第3カウントスイッチ223cによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第2特別可変入賞球装置7bにおいて開放状態となった第2大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第2特別可変入賞球装置7bにおいて第2大入賞口が開放状態となれば、その第2大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第2特別可変入賞球装置7bにおいて第2大入賞口が閉鎖状態となれば、第2大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、第1特別可変入賞球装置7a、第2特別可変入賞球装置7b等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
次に、図2から図7を参照して、第1特別可変入賞球装置7aについて詳細に説明する。この第1特別可変入賞球装置7aは、遊技領域の右下領域の特定の経路上に設けられている。第1特別可変入賞球装置7aは、やや傾斜した状態で左右方向に延在し、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の底面部材23a、23cを、前後方向に進退移動させることにより、底面部材23a、23c各々の下方に位置する第1大入賞口に遊技球が入賞可能な開状態(開放状態ともいう)と遊技球が入賞不能な閉状態(閉鎖状態ともいう)とに変化させる。
底面部材23aの下方には、第1大入賞口として、上流側大入賞口24aが設けられている。また、底面部材23aと間隔を置いて下流側に設けられる底面部材23cの下方には、第1大入賞口として、下流側大入賞口24cが設けられている。第1特別可変入賞球装置7aは、第1特別図柄表示装置4Aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示装置4Bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに、生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)において、底面部材23a、23cを前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材23a、23cを後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる上流側大入賞口24a、下流側大入賞口24cを開状態とする開放制御を複数ラウンド、実行する。
上流側大入賞口24a内には、上流側大入賞口24a内に入賞した遊技球を検出可能な第1カウントスイッチ223aが設けられている。また、下流側大入賞口24c内には、下流側大入賞口24c内に入賞した遊技球を検出可能な第2カウントスイッチ223bが設けられている。このように、第1大入賞口として入賞口を2つ設けて、入賞口毎にカウントスイッチを設けて、各カウントスイッチを各入賞口の開口部の近傍に配置することによって、入賞口毎に遊技球を検出できかつ入賞した遊技球を検出するまでの時間を短くすることができる。このため、大入賞口を1つの入賞口で構成し1つのカウントスイッチで検出するものと比較して、遊技球を検出までに次の遊技球が入賞口へ入賞(オーバー入賞)してしまう可能性を低減することができる。
カウントスイッチによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。ここで、第1特別可変入賞球装置7aにおいて開状態となった上流側大入賞口24a、下流側大入賞口24cを遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出されるようになっている。したがって、第1特別可変入賞球装置7aが開状態となれば、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、第1特別可変入賞球装置7aが閉状態となれば、上流側大入賞口24a、下流側大入賞口24cに遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な状態となる。
図2〜図5に示すように、第1特別可変入賞球装置7aは、左右方向に長い矩形板状のベース板部101を備えている。第1特別可変入賞球装置7aは、このベース板部101が遊技領域に例えば螺子などで固定されることで、遊技領域に固定支持される。ベース板部101には、前方に向けて開口する上流側大入賞口24aと、上流側大入賞口24aから下流側に間隔をおいて下流側大入賞口24cが形成されるとともに、上流側大入賞口24aおよび下流側大入賞口24c各々の上方位置には、底面部材23a、23cが後退移動した際に、底面部材23a、23cを遊技領域の背面側(後方)に収容するための左右方向に長いスリット状の収容孔102a、102cが形成されている。
底面部材23aは、右方からその上面に進入した遊技球を、左方に向けて流下させるように、左下がり傾斜し、収容孔102aは、底面部材23aの傾斜に沿うように、左下がり傾斜するように形成されている。また、底面部材23aの下流側には、その上面に進入した遊技球を左方に向けて流下させるように、左下がり傾斜するように形成された固定の底面部材23bが形成されている。さらに、底面部材23bの下流側には、その上面に進入した遊技球を左方に向けて流下させるように、左下がり傾斜し、収容孔102cは、底面部材23cの傾斜に沿うように、左下がり傾斜するように形成されている。底面部材23a、23cは、図3に示す前進移動された状態と、図4に示す後退移動した状態と、に進退移動可能とされており、図5および図6を参照し、ベース板部101の背面側(後方)には、底面部材23a、23cを進退移動させる駆動装置103が配置されている。
駆動装置103は、ベース板部101の背面に一体形成された収容部104(図5において、説明便宜上、二点鎖線で示す。)に収容され、この収容部104は、遊技領域に形成された図示省略する孔に挿通されて、遊技領域の後方内部に収容されるように配置されている。なお、本実施形態において収容部104は、ベース板部101に一体形成されるが、別体でベース板部101に固定されるものであってもよい。
駆動装置103は、プランジャ105を前後方向に進退移動させるソレノイド106と、プランジャ105の先端部に、一端部を上下方向を軸中心として回動可能に支持されるとともに他端を右方に延ばし、その中央部に枢支孔107が形成された第1アーム部108と、第1アーム部108の先端部に形成された長孔109に挿通される軸部110を一端部に有するとともに、他端部を底面部材23a、23cの後部に固定させた前後方向に延在する第2アーム部111と、を備えている。
ソレノイド106は、主基板40からの指令に基づき駆動し、第1アーム部108の枢支孔107には、上下方向が軸中心となるように図示省略する枢軸(例えば、収容部104に形成される)が挿通される。これにより、プランジャ105の進退移動に伴い、第1アーム部108が枢支孔107を軸中心に揺動し、長孔109が形成された側の端部が前後方向に揺動する。そして、第2アーム部111は、軸部110が長孔109の長手方向に相対移動可能に挿通されることで、第1アーム部108の揺動に応じて長孔109から前後方向に沿った作用力を付与されることになり、底面部材23a、23cを前後方向に沿って進退移動させることが可能となっている。
本実施形態では、図6(A)に示すように、プランジャ105が後方に向けて推進した状態で、底面部材23a、23cが前進移動した状態となる一方で、図6(B)に示すように、図6(A)の状態からプランジャ105を縮退させることで、第1アーム部108が枢支孔107を軸中心に揺動して、長孔109が形成された側の端部が後方に移動する。これにより、第2アーム部111が後方に引かれることで、底面部材23a、23cが後退移動した状態となり、逆の動作によって、底面部材23a、23cが前進移動した状態となる。このように、底面部材23a、23cは、一つのソレノイド106および一つの駆動機構により駆動される。このため、底面部材23aと底面部材23cとの動作を一致させることができる。
なお、仮に底面部材23a、23cがベース板部101よりも深い位置まで後退移動した場合、ベース板部101の収容孔102a、102cの位置からずれてしまい、底面部材23a、23cを前進移動させようとしたときに収容孔102a、102cの淵に引っかかるなどして適正に収容孔102a、102cから前進移動しない虞がある。そこで、以下のように構成することで対策を講じることとしてもよい。
まず、第1の構成例として、底面部材23a、23cがベース板部101よりも深い位置まで後退移動することを抑制するストッパ部材を設けることとしてもよい。例えば、第2アーム部111の前後方向に長孔部を形成し、該長孔部にストッパ部材としての突起部を挿通して固定し、底面部材23a、23cを適切な位置まで後退移動させたときに該突起部が該長孔部の前端部に当接することにより、底面部材23a、23cがベース板部101よりも深い位置まで後退移動することを抑制することとしてもよい。また、第2の構成例として、底面部材23a、23cがベース板部101よりも深い位置まで後退移動した場合であっても、適正に前進移動させるよう底面部材23a、23cを誘導する誘導部(誘導リブ)をベース板部101の裏面や収容部104に設けることとしてもよい。これら第1の構成例および第2の構成例のうち、いずれか一方の構成例を適用することとしてもよいし、両方の構成例を適用することとしてもよい。
図2〜図4に戻り、ベース板部101の正面側には、前方に向けて突出した流路形成台部112が形成されており、この流路形成台部112の上部には、上流側における上流側流路部113aと、中間における中間流路部113bと、下流側における下流側流路部113cとが形成されている。
上流側流路部113aは、前進移動した状態の底面部材23aの上方側端部(右端部)である上流領域23Uと底面部材23aの長手方向で連なり、底面部材23aとともに遊技球の流路を形成する。中間流路部113bは、底面部材23bにより構成され、前進移動した状態の底面部材23aの下方側端部(左端部)の領域と底面部材23aの長手方向で連なるとともに、前進移動した状態の底面部材23cの上方側端部(右端部)の領域と底面部材23cの長手方向で連なり、底面部材23aおよび底面部材23cとともに遊技球の流路を形成する。下流側流路部113cは、底面部材23cの下方側端部(左端部)である下流領域23Lと底面部材23cの長手方向で連なり、底面部材23cとともに遊技球の流路を形成する。上流側流路部113a、中間流路部113b、および、下流側流路部113cは、各々、遊技球を左方に流下させるべく左下がりに傾斜するように形成されている。
上流側大入賞口24a内には、入賞した遊技球を検出する第1カウントスイッチ223aが設けられており、その下方には、入賞した遊技球を後方(背面側)に案内する三角形状のガイド部116aが配設されている。また、下流側大入賞口24c内には、入賞した遊技球を検出する第2カウントスイッチ223bが設けられており、その下方には、入賞した遊技球を後方(背面側)に案内する三角形状のガイド部116bが配設されている。
またさらに、流路形成台部112の前部(遊技者側)には、上流側流路部113a、中間流路部113b、下流側流路部113cなどを前方から覆うように配置された壁部117が一体に形成されている。この壁部117は、上流側流路部113a、中間流路部113b、下流側流路部113cを前方から覆うことで、これら各流路部を流下する遊技球がガラス扉枠4側に跳ねてしまうことを防ぐ機能を有している。なお、本実施形態では、壁部117が流路形成台部112に一体形成されるが、別体で固定されるものでもよい。
第1特別可変入賞球装置7aでは、ベース板部101と壁部117との間において、上流側流路部113a、底面部材23a、中間流路部113b(底面部材23b)、底面部材23c、および下流側流路部113cからなる、左右方向に連なる遊技球の流路Fが形成される。ここで、本実施形態では、ベース板部101および壁部117に、流路Fを流下する遊技球の流下速度を低下させる複数の規制片118が形成されている。
本実施形態において、規制片118は、ベース板部101および壁部117に一体形成され、ベース板部101から前方に突出する、または壁部117から後方に突出するリブ状に形成され、遊技球に干渉することで、左方に向けて流下する遊技球を前後方向成分の動きをもって蛇行するように、遊技球の流下方向を変更させて、その流下にかかる時間を、規制片118がない場合よりも遅延させる。これら規制片118は、流路Fにおける遊技球の流下方向で、所定間隔を空けて並ぶように形成され、かつベース板部101および壁部117に交互に形成されている。また、規制片118は、底面部材23a、23cの前後方向幅の1/3〜1/4程度の幅寸法に設定され、かつ隣接するもの同士の間に遊技球が通過可能な幅寸法に設定されている。さらに詳しくは、本実施形態では、壁部117のうちの上流側流路部113aを前方から覆う部位に規制片118が1つ形成され、壁部117のうちの中間流路部113bを前方から覆う部位に規制片118が2つ形成されるとともに、壁部117のうちの下流側流路部113cを前方から覆う部位に、規制片118が1つ形成されている。また、ベース板部101の底面部材23a〜23c各々に対応する部位には、規制片118が1つずつ形成されている。なお、このような規制片118の数は、特段限定されるものではない。また、本実施形態では、規制片118の大部分が、前方(遊技者側)から壁部117によって覆われるようになっている。
以上のような規制片118の配置により、図3および図5に示すように、本実施形態の第1特別可変入賞球装置7aでは、流路Fを流下しようとする遊技球Pが、流路F上を蛇行するようにして流下することになる。そして、このような流路Fが形成される第1特別可変入賞球装置7aの閉状態では、遊技球Pが上流側大入賞口24a、下流側大入賞口24cに入賞せずに、第1特別可変入賞球装置7aを基本的に通過する。一方で、図4を参照し、底面部材23a、23cが後退移動した第1特別可変入賞球装置7aの開状態では、遊技球Pが、上流側大入賞口24a、下流側大入賞口24cに入賞することが可能となる。
図7は、規制片118により遅延された遊技球Pの、底面部材23aにおける上流領域23Uから、底面部材23cにおける下流領域23Lへの流下にかかる時間(以下、流下時間)と、大当り遊技状態におけるラウンドインターバルとの関係を説明する図である。
図7(A)では、遊技球Pの、底面部材23a、23cにおける上流領域23Uから下流領域23Lへの流下時間を便宜上、符号Ta(s)で示している。一方、図7(B)には、大当り遊技状態におけるラウンドインターバルをTin(s)で示している。ラウンドインターバルTin(s)は、大当り遊技状態において第1特別可変入賞球装置7aを開状態から閉状態に変化させたあと、再度開状態に変化させる時間である。なお、ラウンドインターバルTin(s)は、賞球検出待ち時間が考慮された値であってもよい。賞球検出待ち時間とは、底面部材23a、23cを閉鎖する直前に入賞した遊技球が第1カウントスイッチ223aあるいは第2カウントスイッチ223bを通過するまでにかかる時間であり、上流側大入賞口24a、下流側大入賞口24cから第1カウントスイッチ223aあるいは第2カウントスイッチ223bまでの入賞球誘導通路の長さに応じて設定される。
ここで、本実施形態では、流下時間Ta(s)>ラウンドインターバルTin(s)の関係が成り立つように、規制片118が設けられるようになっている。このような関係とするための具体的な手段としては、例えば、底面部材23a上の上流領域23Uから下流領域23Lへ蛇行して流下する遊技球の流下距離を、上流領域23Uに達する際の遊技球の平均的な速度で除することなどにもとづいて規制片118の数や配置を演算的に決定したりしてもよい。具体的には、後述するように、確変大当りAおよび非確変大当りAにおけるラウンドインターバルTin(s)は1秒であるため、流下時間Ta(s)が約1.2秒になるように規制片118を設けることとすれば、流下時間Ta(s)>ラウンドインターバルTin(s)の関係が成り立つこととなる。本実施の形態における第1特別可変入賞球装置7aにおける流下時間Ta(s)は、1.2秒となるように定められているものとする。
流下時間Ta(s)>ラウンドインターバルTin(s)の関係が成り立つ大当り中においては、ラウンド間において大入賞口23を閉鎖している底面部材23a、23cが底面部材23a、23cに遊技球が載っている間に再度、開くので、ラウンド間に第1大入賞口に入賞せずに流下してしまう遊技球をほぼ0にすることができる。
また、第1大入賞口として、上流側大入賞口24aと下流側大入賞口24cとを設けているため、流下時間Taを長くする構成を備えつつも、底面部材の大きさおよび入賞可能領域の広さを抑えることができる。その結果、1ラウンドの入賞玉数として設計上規定された玉数以上に遊技球が入賞してしまう可能性を抑制することができ、大当り中の出玉が管理しやすくなるため、出玉管理性を向上できる。
なお、図7では、遊技球が底面部材23aの略中央位置から底面部材23cの略中央位置に流下するまでの時間を流下時間Taとしている例について説明した。しかし、流下時間Taは、これに限らず、たとえば、最短時間、つまり底面部材23aの左端の位置から底面部材23cの右端の位置に遊技球が流下するまでの時間、あるいは、中間流路部113bの右端の位置から左端の位置に遊技球が流下するまでの時間などであってもよく、また、最大時間、つまり底面部材23aの右端の位置から底面部材23cの左端の位置に遊技球が流下するまでの時間などであってもよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図8に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、各LEDの点灯および消灯の組合せによる特定のパターン(たとえばLEDが4つとも点灯)の特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図8に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図8に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。尚、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
特図ゲームにおける確定停止図柄として大当り図柄が導出表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、大当りの種別に応じた大入賞口を所定の態様で解放状態とする。これにより、第1特別可変入賞球装置7aあるいは第2特別可変入賞球装置7bを遊技者にとって有利な状態に制御するラウンド遊技が実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、第1特別可変入賞球装置7aあるいは第2特別可変入賞球装置7bを遊技者にとって不利な第1状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「期待度」あるいは「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、本実施の形態では、図11に示すように、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。更に、本実施の形態では、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様においては、スーパーリーチβが出現した場合には、スーパーリーチαが出現した場合よりも変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高い(大当り期待度:スーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチ)。
尚、本実施の形態では、後述するように、リーチにおいては、変動時間がスーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチとなるように設定されており(図11参照)、変動時間が長くなる程、大当り期待度が高くなるようになっている。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出とは異なり、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、演出図柄の変動表示態様などにより遊技者に報知するための「滑り」や「擬似連」といった変動表示演出が実行されることがあるようにしてもよい。これら「滑り」や「擬似連」の変動表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。尚、「滑り」の変動表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの変動表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、演出図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。
予告演出のうちには、保留表示予告演出となるものが含まれていてもよい。保留表示予告演出は、変動表示結果が「大当り」となる可能性などが、予告される対象となる変動表示を開始するより前に、特図ゲームの保留表示などの表示態様の変化に基づいて示唆される予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される演出図柄の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する演出は、連続予告演出(連続演出)とも称される。尚、特図ゲームが1回実行される間に、演出図柄を一旦仮停止表示させた後、当該演出図柄を再び変動(擬似連変動、再変動)させる演出表示を所定回数行い、擬似的に複数回の変動表示が実行されているかのように見せる「擬似連」の変動表示演出を実行する遊技機においては、当該擬似的な複数回の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する予告演出も連続予告演出(連続演出)に含まれる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出表示)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出表示)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち後述する非確変大当りに対応する大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示しても良い。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示しても良い。「非確変」の大当り種別(後述する非確変大当りA、非確変大当りB、非確変大当りC)で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(本実施の形態では、100回、50回、20回のいずれか)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、後述する確変大当りに対応する大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常(非確変)」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、本実施の形態では、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が通常大当り組合せを構成する偶数「2」、「4」、「6」、「8」及び奇数の「3」、「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示される。このうち、確変大当り組合せを構成する図柄番号が「3」、「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、本実施の形態では、「確変」の大当り種別(後述する確変大当りA、確変大当りB、確変大当りC)では、確定特別図柄として確変大当りに対応した変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。尚、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。尚、本実施の形態では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態(有利状態)とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態(特別状態)とも称される。
尚、小当り図柄を停止表示する場合にあっては、前述した小当り遊技状態に制御した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御すれば良い。
確定演出図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる演出図柄の変動表示中には、再抽選演出を実行しても良い。再抽選演出では、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rに通常大当り組合せとなる演出図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて同一の演出図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる演出図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる演出図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定演出図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定演出図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われば良い。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定演出図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
パチンコ遊技機1には、例えば図8に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LEDなどの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,106に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図8に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ223a、第2カウントスイッチ223b、第3カウントスイッチ223cからの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1カウントスイッチ223a、第2カウントスイッチ223b、第3カウントスイッチ223cは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図9(A)は、本実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図9(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図9(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8C0YHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図9(B)に示すように、変動表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
変動表示結果通知コマンドでは、例えば図9(B)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りC」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C04Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第5変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C05Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第6変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C06Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変大当りC」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第7変動表示結果指定コマンドである。尚、小当りを発生させる場合には、小当りに対応する変動表示結果指定コマンド(例えば、コマンド8C08H)を設定して、変動表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を通知すれば良い。
コマンド8F00Hは、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。大当り開始指定コマンドは、発生した大当りの種別を特定可能な情報や、制御する大入賞口を特定可能な情報を含む。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する大当り終了指定コマンドである。
大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、大当り開始指定コマンドや大当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。また、大入賞口開放中通知コマンド、大入賞口開放後通知コマンドは、各々、発生した大当りの種別を特定可能な情報や、制御する大入賞口を特定可能な情報を含むコマンドであってもよい。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドB5XXHは、時短回数の残り回数(変動回数)を通知するための演出制御コマンドであり、時短回数の残り回数(変動回数)に応じたEXTデータが設定されることにより、時短回数の残り回数(変動回数)が通知される。
コマンドC1XXHは、第1保留記憶表示エリア5Dなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2保留記憶表示エリア5Uなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
大入賞口入賞指定コマンドD100Hは、大入賞口への入賞を通知するための演出制御コマンドである。コマンドD100Hは、大入賞口に遊技球が1つ入賞するごとに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。演出制御基板12においては、大入賞口開放中通知コマンドA1XXHを受信してから大入賞口開放後通知コマンドA2XXHを受信するまでに、大入賞口入賞指定コマンドD100Hを受信した回数をカウントして、その回数が1ラウンドの規定入賞玉数を上回った場合に、上回った数に応じた演出を実行するようにする(たとえば、入賞したときの特殊音を上回った数に応じて変更する)。また、上回った数が多い方が派手な演出を実行するようにする。これにより、規定入賞玉数より多い遊技球が入賞したことを遊技者に知らせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図10は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図10に示すように、本実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図14に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65536」の範囲の値をとる。大当り種別判定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「確変大当りC」、「非確変大当りA」、「非確変大当りB」、「非確変大当りC」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。
普図表示結果判定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける変動表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図11は、本実施の形態における変動パターンを示している。本実施の形態では、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施の形態では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けても良い。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
図11に示すように、本実施の形態におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施の形態におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、本実施の形態では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
尚、本実施の形態においては、後述するように、これら変動パターンを、例えば、非リーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別等のように、変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに変動パターン判定用の乱数値MR3のみを用いて決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、変動パターン判定用の乱数値MR3に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしても良い。
図8に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図11に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図12は、ROM101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。本実施の形態では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、小当りを発生させる場合において、小当りの当選確率を第1特図と第2特図とで異なるようにする場合には、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
本実施の形態の表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果判定テーブルにおいて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される判定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる判定用データとなっている。本実施の形態の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施の形態では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施の形態では約1/30)。すなわち、表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
図13(A)は、ROM101に記憶される大当り種別判定テーブルの構成例を示している。本実施の形態の大当り種別判定テーブルは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブルでは、特図ゲームにおいて変動表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2と比較される数値(判定値)が、「確変大当りA」、「確変大当りB」、「確変大当りC」、「非確変大当りA」、「非確変大当りB」、「非確変大当りC」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
ここで、本実施の形態における大当り種別について、図13(B)を用いて説明すると、本実施の形態では、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において高確制御と時短制御とが実行されて高確高ベース状態に移行する確変大当りA、確変大当りB、確変大当りCと、大当り遊技状態の終了後において時短制御のみが実行されて低確高ベース状態に移行する非確変大当りA、非確変大当りB、非確変大当りCとが設定されている。
「確変大当りA」による大当り遊技状態と「非確変大当りA」、「非確変大当りB」による大当り遊技状態は、前述したように、大当り種別に対応する特別可変入賞球装置を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが15回(いわゆる15ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである。また、「確変大当りB」による大当り遊技状態と「非確変大当りC」による大当り遊技状態は、前述したように、大当り種別に対応する特別可変入賞球装置を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが10回(いわゆる10ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りであり、「非確変大当りA」による大当り遊技状態は、前述したように、大当り種別に対応する特別可変入賞球装置を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである。
確変大当りAや確変大当りB、確変大当りCの大当り遊技状態の終了後において実行される高確制御は、該大当り遊技状態の終了後において再度大当りが発生するまで継続して実行される。よって、再度発生した大当りが確変大当りAや確変大当りB、確変大当りCである場合には、大当り遊技状態の終了後に再度、高確制御が実行されるので、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する、いわゆる連荘状態となる。
また、確変大当りAや確変大当りB、確変大当りC、非確変大当りCの大当り遊技状態の終了後において実行される時短制御は、100回の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了する。尚、非確変大当りAの大当り遊技状態の終了後において実行される時短制御は、50回の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了し、非確変大当りBの大当り遊技状態の終了後において実行される時短制御は、20回の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了する。
図13(A)に示す大当り種別判定テーブルの設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、図13(A)に示すように、「確変大当りA」、「確変大当りB」、「確変大当りC」、「非確変大当りA」、「非確変大当りB」、「非確変大当りC」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別をラウンド数の少ない「確変大当りB」、「確変大当りC」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「確変大当りB」、「確変大当りC」としてラウンド数の少ない大当り遊技状態に制御する割合が少なくなるので第1特図を用いた特図ゲームと比較して得られる賞球が少ない大当り遊技状態の頻発を回避し、遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。
「非確変大当りA」、「非確変大当りB」、「非確変大当りC」に注目すると、変動特図が第1特図である場合には、判定値における「61」〜「80」の範囲の値が50回の特図ゲームを実行する「非確変大当りA」の大当り種別に割り当てられている一方で、判定値における「81」〜「95」の範囲の値が20回の特図ゲームを実行する「非確変大当りB」の大当り種別に割り当てられている。また、変動特図が第2特図である場合には、判定値における「61」〜「85」の範囲の値が50回の特図ゲームを実行する「非確変大当りA」の大当り種別に割り当てられている一方で、判定値における「86」〜「95」の範囲の値が20回の特図ゲームを実行する「非確変大当りB」の大当り種別に割り当てられている。尚、変動特図が第1特図である場合と第2特図である場合の双方において、判定値における「96」〜「100」の範囲の値が100回の特図ゲームを実行する「非確変大当りC」の大当り種別に割り当てられている。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を、50回の特図ゲームを実行する「非確変大当りA」と20回の特図ゲームを実行する「非確変大当りB」に決定する割合を異ならせることができる。
尚、図13(A)に示す大当り種別判定テーブルの設定例では、「確変大当りA」、「確変大当りB」、「確変大当りC」の大当り種別に対する判定値の割当ては、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに係わらず「1」〜「60」の範囲とされているので、確変大当り(「確変大当りA」、「確変大当りB」、「確変大当りC」のいずれか)となる確率と非確変大当り(「非確変大当りA」、「非確変大当りB」、「非確変大当りC」のいずれか)となる確率は、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず同一とされている。
よって、上記したように、「確変大当りA」、「確変大当りB」、「確変大当りC」においては、「確変大当りB」、「確変大当りC」に対する判定値の割り当てが、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なることに応じて、「確変大当りA」に対する判定値の割り当ても変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なり、ラウンド数の多い「確変大当りA」については、変動特図が第2特図である場合の方が第1特図である場合よりも決定され易くなるように設定されている。
また、上記したように、「非確変大当りA」、「非確変大当りB」、「非確変大当りC」においては、「非確変大当りA」、「非確変大当りB」に対する判定値の割り当てが、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なることに応じて、「非確変大当りA」に対する判定値の割り当ても変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なり、50回の特図ゲームを実行する「非確変大当りA」については、変動特図が第2特図である場合の方が第1特図である場合よりも決定され易くなるように設定されている。
尚、本実施の形態では、変動特図が第1特図である場合と第2特図である場合とで判定値の割当てを「確変大当りA〜C」の大当り種別において異なる範囲に設定している形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、判定値の割当てを「確変大当りA〜C」の大当り種別において同一に設定してもよい。また、「非確変大当りA〜C」の大当り種別についても変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、同一に判定値の割当てとしてもよい。
また、ROM101には、変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、特図表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、特図表示結果を「ハズレ」にすることが事前決定されたときに使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
大当り用変動パターン判定テーブルにおいては、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1−2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1−3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。尚、本実施の形態では、これらの判定値が、大当りの種別が「確変大当りA」、「確変大当りB」、「確変大当りC」である場合にはスーパーリーチβが決定され易く、大当りの種別が「非確変大当りA」、「非確変大当りB」、「非確変大当りC」である場合には、スーパーリーチαが決定され易いように割り当てられていることで、スーパーリーチβの変動パターンが実行されたときには、「確変大当りA」、「確変大当りB」または「確変大当りC」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることできる。
また、ハズレ用変動パターン判定テーブルには、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルAと、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルCと、遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルDとが予め用意されている。
ハズレ用変動パターン判定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、ハズレ用変動パターン判定テーブルBにおいては、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−2)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、ハズレ用変動パターン判定テーブルCにおいては、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−3)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、ハズレ用変動パターン判定テーブルDにおいては、時短制御中に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−4)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
尚、図11に示すように、短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)よりも非リーチハズレの変動パターン(PA1−2)の方が変動時間は短く、さらに、変動パターン(PA1−2)よりも非リーチハズレの変動パターン(PA1−3)の方が変動時間は短い。よって、保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチハズレの変動パターンが決定されることにより、保留記憶が消化されやすくなって、保留記憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞することで、保留記憶がなされない無駄な始動入賞が発生し難くなるようになるとともに、保留記憶数が減少した場合には、変動時間が長い短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)が決定されることによって、変動表示の時間が長くなることにより、変動表示が実行されないことによる遊技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
図8に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図14に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図14に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数回路104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR2〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図8に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図8に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。尚、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図8に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図8に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、図示しない演出制御用データ保持エリアが設けられている。この演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部と、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部とを備えている。
演出制御フラグ設定部には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。演出制御タイマ設定部には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。演出制御バッファ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施の形態では、演出制御バッファ設定部の所定領域に、保留記憶表示エリア5D,5Uにて保留記憶表示を行うための始動入賞バッファが設定されている。始動入賞バッファには、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられており、各格納領域に、始動入賞の有無を示すデータ(具体的には始動入賞無しを示す「0」と、始動入賞有りを示す「1」)とが記憶されている。尚、これら始動入賞バッファのデータは、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドの受信や、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドの受信に応じて、後述する演出制御プロセス処理内の保留表示更新処理(S71、図23参照)にて更新されるとともに、更新後の始動入賞バッファのデータに基づいて保留記憶表示エリア5D,5Uにおける保留記憶表示が更新される。
具体的には、第1始動入賞口への始動入賞があったことに基づいて第1始動口入賞指定コマンドを受信したときには、保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示に、丸型の白色表示が新たに追加される一方、新たに第1特図の変動が開始されたことに基づいて第1変動開始コマンドを受信したときには、保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示のうち、最上位(最も先に始動入賞した保留記憶)の丸型の白色表示が消去されて、その他の丸型の白色表示が、所定方向(例えば、左方向)にシフト(移動)するように、保留表示を更新する。同様に、第2始動入賞口への始動入賞があったことに基づいて第2始動口入賞指定コマンドを受信したときには、保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示に、丸型の白色表示が新たに追加される一方、新たに第2特図の変動が開始されたことに基づいて第2変動開始コマンドを受信したときには、保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示のうち、最上位(最も先に始動入賞した保留記憶)の丸型の白色表示が消去されて、その他の丸型の白色表示が、所定方向(例えば、左方向)にシフト(移動)するように、保留表示を更新する。
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図15のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図15に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ223といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、第1特別可変入賞球装置7aや第2特別可変入賞球装置7bにおける大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図16は、特別図柄プロセス処理として、図15に示すS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S21)。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
S21の始動入賞判定処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部151Aにおける空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部151Bにおける空きエントリの最上位に格納する。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(表示図柄;大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S22の特別図柄通常処理やS23の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S24の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、S24の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「確変大当りA」、「確変大当りB」、「確変大当りC」、「非確変大当りA」、「非確変大当りB」、「非確変大当りC」のいずれであるかに応じて、対応する大入賞口を開放状態とする期間の上限などを設定する。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ223によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド106に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
尚、大当り終了処理においては、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「確変大当りA」、「確変大当りB」、「確変大当りC」、「非確変大当りA」、「非確変大当りB」、「非確変大当りC」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当りA」、「非確変大当りB」または「非確変大当りC」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。
また、特定した大当り種別に応じて、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施の形態では「100」、「50」、「20」のいずれか)を時短回数カウンタにセット)を行う。
図17は、特別図柄停止処理として、図16のS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S181)。尚、変動特図指定バッファ値が第1特図を示す「1」である場合には、第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、変動特図指定バッファ値が第2特図を示す「2」である場合には、第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御基板12に図柄確定コマンドを送信する制御を行う(S182)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを判定し(S183)、大当りフラグがセットされていない場合(S183;N)には、S190に移行する。大当りフラグは、変動開始時における大当り判定により大当りにする旨の判定がされたときにセットされる。
一方、大当りフラグがセットされている場合(S183;Y)には、CPU103は、確変フラグや時短フラグがセットされていれば、確変フラグおよび時短フラグをクリアし(S184)、演出制御基板12に、記憶されている大当りの種別に応じて大当り開始1指定コマンド(確変大当りA)、大当り開始2指定コマンド(確変大当りB)、大当り開始3指定コマンド(確変大当りC)、大当り開始4指定コマンド(非確変大当りA)、大当り開始5指定コマンド(非確変大当りB)、大当り開始6指定コマンド(非確変大当りC)を送信するための設定を行う(S185)。
さらにCPU103は、演出制御基板12に通常状態を示す遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(S186)。大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S187)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、確変大当りA、非確変大当りA、非確変大当りBの場合には15回、確変大当りB、非確変大当りCの場合には10回、確変大当りCの場合には5回)をセットする(S188)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S26)に対応した値である“4”に更新する(S189)。
一方、S190においてCPU103は、時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。時短回数カウンタの値が「0」である場合(S190;Y)には、S196に進む。
一方、時短回数カウンタの値が「0」でない場合(S190;N)、つまり、時短回数が残存している高ベース状態である場合には、該時短回数カウンタの値を−1する(S191)。そして、減算後の時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S193)、「0」でない場合(S193;N)にはS196に進み、時短回数カウンタの値が「0」である場合(S193;Y)には、時短制御を終了させるために、時短フラグをクリアした後(S194)、確変フラグまたは時短フラグのセット状態に対応した遊技状態(具体的には低確低ベース)に対応した遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S195)、S196に進む。
S196では、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから、当該特別図柄停止処理を終了する。
図18は、大入賞口開放前処理を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、まず、CPU56は、大入賞口開放前タイマを−1する(ステップS1401)。そして、CPU56は、大入賞口開放前タイマがタイムアウトしたか否かを判定し(ステップS1402)、タイムアウトしていない場合にはそのまま処理を終了する。タイムアウトした場合、CPU56は、ラウンド数カウンタの値をEXTデータにセットして、大入賞口開放中指定コマンドを送信する(ステップS1403)。
その後、CPU56は、同一ラウンド中における遊技球の入賞個数を示す入賞個数カウンタに0をセットし(ステップS1404)、ラウンド数カウンタに応じた開放時間を開放時間タイマにセットする(ステップS1408)。ここでは、大当り種別およびラウンド数に応じて開放時間がセットされる。具体的には、図19に示す開閉時間テーブルを用いることによりステップS1408を実現する。
図19は、大当り種別に応じた開閉時間および大入賞口を示す説明図である。大当り種別が確変大当りAまたは非確変大当りAである場合は、開放時間として27秒がセットされ、ラウンドにおける開放状態が終了したときの閉鎖時間として1秒がセットされる。また、大当り種別が確変大当りBまたは非確変大当りBである場合は、開放時間として27秒がセットされ、ラウンドにおける開放状態が終了したときの閉鎖時間として10秒がセットされる。また、大当り種別が確変大当りCまたは非確変大当りCである場合は、開放時間として27秒がセットされ、ラウンドにおける開放状態が終了したときの閉鎖時間として5秒がセットされる。
図19では、開放時間および閉鎖時間について、ラウンドにかかわらず一定である例について説明したが、これに限らず、ラウンドに応じて異なるように定められているものであってもよい。たとえば、最終ラウンドは、それ以前のラウンドよりも長い時間が定められているものであってもよい。また、開放時間は、大当り種別にかかわらず一定である例について説明したが、これに限らず、大当り種別に応じて異なるように定められているものであってもよい。たとえば、確変大当りAおよび非確変大当りAは、他の大当りよりも長い開放時間となるように定められているものであってもよい。
図18に戻り、ステップS1408の後、CPU56は、大当り種別に応じた大入賞口を開放状態に制御し(ステップS1410)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS27)に対応した値に更新する(ステップS1412)。
ここで、図19を参照して、大当り種別に応じて開放状態に制御される大入賞口を説明する。開放状態に制御される大入賞口としては、前述したとおり、第1特別可変入賞球装置7aと第2特別可変入賞球装置7bとが設けられている。図19では、第1特別可変入賞球装置7aを「第1」と示し、第2特別可変入賞球装置7bを「第2」と示している。
大当り種別が確変大当りAまたは非確変大当りAである場合は、第1特別可変入賞球装置7aが開放状態に制御される大入賞口に定められている。大当り種別が確変大当りBまたは非確変大当りBである場合は、第2特別可変入賞球装置7bが開放状態に制御される大入賞口に定められている。また、大当り種別が確変大当りCまたは非確変大当りCである場合は、第1特別可変入賞球装置7aが開放状態に制御される大入賞口に定められている。
図2〜図7で説明したとおり、第1特別可変入賞球装置7aは、上流側大入賞口24aと下流側大入賞口24cとが設けられており、さらに、その間の流下時間Ta(s)が1.2秒に定められている。また、図19で示したように、確変大当りA、非確変大当りA、確変大当りC、非確変大当りCについては、第1特別可変入賞球装置7aが開放状態に制御される。このうち、確変大当りA、非確変大当りAの開放時間は、1秒に定められている。このため、確変大当りA中または非確変大当りA中であるときには、閉状態であったとしても、遊技球が底面部材23a〜23cを通過している間に再度開状態となるように制御される。その結果、確変大当りA中または非確変大当りA中においては、第1特別可変入賞球装置7aに向けて発射された遊技球が大入賞口に入賞せずに流下してしまうことを防止(ほぼゼロ)できる。
一方、確変大当りC、非確変大当りCの開放時間は、5秒に定められている。このため、確変大当りC中または非確変大当りC中であるときには、閉状態の間に遊技球が底面部材23a〜23cを通過してしまう。その結果、確変大当りC中または非確変大当りC中においては、第1特別可変入賞球装置7aに向けて発射されても、大入賞口に入賞せずに流下してしまう遊技球が生じることになる。具体的に、確変大当りCや非確変大当りC中のラウンド間においては、60秒で遊技球を100発射可能な場合、5秒から1.2秒を差し引いた3.8秒間に6〜7の遊技球が第1大入賞口へ入賞しないことになる。しかし、確変大当りBあるいは非確変大当りB発生により制御される第2特別可変入賞球装置7aよりも、発射された遊技球が大入賞口に入賞せずに流下してしまう頻度を抑制できる。また、確変大当りBあるいは非確変大当りBよりも短い閉鎖時間が短くなるように設定されている。
これに対し、第2特別可変入賞球装置7bが開放状態に制御させる確変大当りB、非確変大当りBの開放時間は、他のいずれの大当りよりも長い時間である10秒が設定されている。また、第2特別可変入賞球装置7bの近傍には、第1特別可変入賞球装置7aのように流下時間を長くする構成が設けられていない。このため、確変大当りB中および非確変大当りB中は、大入賞口に入賞せずに流下してしまう遊技球が他のいずれの大当り中であるときよりも多く生じることになる。具体的に、確変大当りB、非確変大当りB中のラウンド間においては、60秒で遊技球を100発射可能な場合、10秒間に16〜17の遊技球が第2大入賞口へ入賞しないことになる。
図20は、大入賞口開放中処理を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、まず、CPU56は、大当り種別に応じた特別可変入賞球装置のカウントスイッチがオンしているか否かを判定する(ステップS1451)。つまり、大入賞口への遊技球の入賞が検知されたか否かを判定する。第1特別可変入賞球装置7aを開放状態に制御する大当り中であるときには、第1カウントスイッチ223a、第2カウントスイッチ223bが該当する。一方、第2特別可変入賞球装置7bを開放状態に制御する大当り中であるときには、第3カウントスイッチ223cが該当する。大当り種別に応じたカウントスイッチがオンしていなければステップS1453へ移行する。大当り種別に応じたカウントスイッチがオンしていれば、入賞個数カウンタの値を1加算する(ステップS1452)。
次に、CPU56は、入賞個数カウンタの値が上限の9であるか否かを判定し(ステップS1453)、9でない場合には開放時間タイマを−1し(ステップS1454)、開放時間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1455)。なお、1ラウンド中における大入賞口への入賞個数の上限は、9に限るものではなく、かつ、大当りの種別に応じて異なるものであってもよい。開放時間タイマがタイムアウトしていない場合にはそのまま大入賞口開放中処理を終了する。ステップS1453において入賞個数カウンタの値が9であるか、またはステップS1455において開放時間タイマがタイムアウトした場合には、CPU56は、大当り種別に応じた大入賞口を閉鎖状態に制御する(ステップS1468)。これにより、大入賞口に遊技球が9個入賞するか、または開放時間タイマがタイムアウトした場合に対応する大入賞口を閉鎖状態に制御することとしている。なお、大入賞口に遊技球が9個入賞したか否かの判定と、開放時間タイマがタイムアウトしたか否かの判定との順序についてはこれに限るものではない。
その後、CPU56は、ラウンド数カウンタの値をEXTデータにセットして大入賞口開放後指定コマンドを送信し(ステップS1470)、ラウンド数カウンタの値が大当り種別に応じた最後のラウンド数(図13(B)参照)であるか否か、すなわち、最終ラウンドが終了したか否かを判定する(ステップS1471)。最終ラウンドが終了していない場合、ラウンド数カウンタの値に応じて大入賞口開放前タイマをセットする(ステップS1472)。ここでは、具体的に、大入賞口開放前タイマに、図19で示した大当り種別に応じた閉鎖時間がセットされる。そして、CPU56は、ラウンド数カウンタの値を+1し(ステップS1473)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS26)に対応した値に更新し(ステップS1475)、大入賞口開放中処理を終了する。
また、ステップS1471において、ラウンド数カウンタの値が大当り種別に応じた最終ラウンド数であると判定された場合、CPU56は、ラウンド数カウンタの値に応じて大入賞口開放後タイマに閉鎖時間をセットする(ステップS1476)。大入賞口開放後タイマは、最終ラウンドが終了してから大当り遊技状態が終了するまでの時間を計測するタイマである。このとき、ラウンド数は最終ラウンドであるため、いずれの大当り種別であっても3.0秒が大入賞口開放後タイマとしてセットされるようにしてもよい。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放後処理(ステップS28)に対応した値に更新し(ステップS1477)、大入賞口開放中処理を終了する。
図21は、大当り終了処理として、図16のS29にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが動作中、つまりタイマカウント中であるか否かを判定する(S201)。大当り終了表示タイマが動作中でない場合(S201;N)には、大当り終了表示タイマに、演出表示装置5において大当り終了表示を行う時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S204)、処理を終了する。
一方、大当り終了表示タイマが動作中である場合(S201;Y)には、大当り終了表示タイマの値を1減算する(S205)。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち、大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S206)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(S206;Y)、CPU103は、記憶されている大当り種別が確変大当りA、確変大当りB、確変大当りCのいずれかであるかを判定する(S207)。
大当り種別が確変大当りA、確変大当りB、確変大当りCのいずれかである場合(S207;Y)には、確変フラグをセットし(S208)、時短フラグをセットする(S211)。また、大当り種別が確変大当りA、確変大当りB、確変大当りCのいずれでもない場合(S207;N)、つまり、大当り種別が非確変大当りA、非確変大当りB、非確変大当りCのいずれかである場合は、時短フラグのみをセットする(S211)。
S211の実行後、CPU103は、時短回数カウンタに大当り種別に応じた値をセットする(S212)。具体的には、大当り種別が確変大当りA、確変大当りB、確変大当りCまたは非確変大当りCである場合は、時短回数カウンタに「100」をセットし、大当り種別が非確変大当りAである場合は、時短回数カウンタに「50」をセットし、大当り種別が非確変大当りBである場合は、時短回数カウンタに「20」をセットしてS213に移行する。
S213では、大当りフラグをリセットし、大当り種別に応じた大当り終了指定コマンドの送信設定を行う(S214)。そして、セットされた確変フラグや時短フラグに基づく遊技状態を演出制御基板12に通知するための遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S215)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新する(S216)。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図22は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図9参照)であるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S56)。その後、S52に移行する。
尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図9参照)であるのかを解析する。
図23は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留記憶表示を、始動入賞時受信コマンドバッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S71)。保留表示更新処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、共通楽曲再生処理を実行する(S72)。共通楽曲再生処理は、各大当り種別の大当り遊技状態において共通の楽曲を再生することに決定された場合に、その共通の楽曲を大当り遊技状態に合わせて好適に再生するための処理を実行する。なお、大当り遊技状態の長さに比べて再生する楽曲の長さが長い場合、大当り遊技状態開始前の変動中から楽曲の再生を開始しても、また大当り遊技状態終了後の変動時まで楽曲の再生を継続してもよい。逆に、大当り遊技状態の長さに比べて再生する楽曲の長さが短い場合、予めリピート再生処理を設定しておき、楽曲の所定のタイミングから2回目の再生を開始してもよい。共通楽曲再生処理の詳細については、後述する。共通楽曲再生処理を実行した後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。大当り表示処理では、大当り開始指定コマンドから特定される発生した大当りの種別に応じた態様で大当りの発生を報知するための画面が表示される。たとえば、閉鎖時間が短くかつ15ラウンドが設定される確変大当りAや非確変大当りAが発生したときには、「超高速大当り!」といった画像を演出表示装置5に表示するとともに、特別な態様で遊技効果ランプ9を点灯させ特別な効果音をスピーカ8L、8Rから発生させる制御を行なう。また、第1特別可変入賞球装置7aを制御する大当りのうち確変大当りCや非確変大当りCが発生したときには、「高速大当り!」といった画像を演出表示装置5に表示するとともに、特定の態様で遊技効果ランプ9を点灯させ特定の効果音をスピーカ8L、8Rから発生させるための制御を行なう。また、第2特別可変入賞球装置7bを制御する確変大当りBや非確変大当りBが発生したときには、「大当り!」といった画像を演出表示装置5に表示するとともに、所定の態様で遊技効果ランプ9を点灯させ所定の効果音をスピーカ8L、8Rから発生させるための制御を行なう。なお、演出の態様は、確変大当りであるか否かやラウンド数などに応じて異なるようにしてもよい。たとえば、確変大当りのときには「確変だ!」とったメッセージを表示するようにしてもよい。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。大当り遊技中に行なわれる演出は、大当り開始指定コマンドなどから特定される発生した大当りの種別に応じた態様で大当りの発生を報知するための画面が表示される。たとえば、確変大当りAや非確変大当りAであるか、確変大当りBや非確変大当りBであるか、確変大当りCや非確変大当りCであるかに応じて異なる態様で、大当り遊技中の演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。大当り終了時に行なわれる演出は、大当り開始指定コマンドなどから特定される発生した大当りの種別に応じた態様で大当り終了を報知するための画面が表示される。たとえば、確変大当りAや非確変大当りAであるか、確変大当りBや非確変大当りBであるか、確変大当りCや非確変大当りCであるかに応じて異なる態様で、大当り終了時の演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
続いて、音声制御基板13の構成やパチンコ遊技機1において音声を出力する際の制御について説明する。図24に示すように、音声制御基板13(または音声制御基板13に構成される音声合成用IC)は、デコーダ131、音声データROM132、出力I/F(インタフェース)133等から構成される。この他、音声制御基板13は、各種の音を発生する音源回路や処理タイミングを決定するためのクロックを発生するタイミング発生回路等を備えてもよい。なお、スピーカ8L,8Rが音出力手段として機能するとともに、音声制御基板13が音制御手段として機能する例を説明したが、これに限られない。例えば、音制御手段の機能を演出制御基板12で構成しても、演出制御基板12と音声制御基板13とで構成してもよい。また、音声制御基板13をスピーカ8L,8Rに組込み、スピーカユニットとして構成してもよい。
デコーダ131は、演出制御基板12(演出制御用CPU120)からの命令(コマンド)により、圧縮された音声データを音声データROM132から読み出し、読み出した音声データをデコード(復号化、伸張)する。デコーダ131は、音声の再生チャンネルとして32チャンネル(再生チャンネル0〜31)を備え、独立した32種類の音声を同時再生可能である。なお、この実施の形態では、ステレオ音声を出力するために2つずつチャンネルがペアになっており、16種類のステレオ音声を同時に再生可能になっている。つまり、演出制御基板12は、コマンドを音声制御基板13に送信するだけで、所定の再生設定(1回再生、リピート再生など)で音声を再生チャンネルで再生することが可能であり、音声制御基板13に音声データを送信する必要も、再生設定の情報を送信する必要がない。
音声データROM132は、演出等に使用する音声の音声データを圧縮して記憶する。なお、音声データは演出制御基板12のROMや他の記憶装置に記憶されていてもよい。
出力インタフェース133は、デコーダ131の各チャンネルにおいてデコード・再生された音声データをミックスする。そして、ミックスした音声データ(デジタルデータ)をアナログデータに変換し、変換したアナログデータを増幅してスピーカ8L、8Rから出力する。スピーカ8L、8Rから出力される音量は、予め定められた音量設定によって決められている。音量設定は、例えば、最も小さいレベル1(ボリューム1)から最も大きい音量レベル5(ボリューム5)までの5段階に設定可能である。なお、音量設定は、音声制御基板13に音量設定切替スイッチ(図示せず)を設け、遊技場の管理者が当該音量設定切替スイッチで音量設定を行っても、操作ボタンを所定時間以上長押しすることによって、現在の音量設定を画像表示装置5に表示して、遊技者が音量設定を行ってもよい。また、音量設定は、音量設定切替スイッチなどがマスターボリュームとして機能し、すべてのチャンネルに同じ音量を設定するだけでなく、チャンネル毎に異なる音量を設定できるようにしてもよい。例えばチャンネル2,3は、レベル1よりも大きいレベル2(ボリューム2)に設定し、チャンネル4,5は、レベル2よりも大きいレベル3(ボリューム3)に設定する。
図25は、パチンコ遊技機1における演出等で使用する音声の種類の一例と、その音声の再生に使用するチャンネルと、の対応関係を示した図である。図25に示すBGMは、飾り図柄の可変表示中等に出力されるBGMである。図柄停止音は、飾り図柄が停止する際に出力される音声である。変動開始音は、飾り図柄の可変表示が開始される際に出力される音声である。予告演出(SU)は、変動中予告演出として演出内容が段階的に変化するステップアップ予告演出が実行されるときに出力される音声である。予告演出(セリフ)は、変動中予告演出として所定のセリフが出力されるセリフ予告演出が実行されるときに出力される音声(セリフ)である。
大当り確定報知音は、中の飾り図柄が停止してから大当りの表示結果が確定するときに出力される音声である。ファンファーレは、大当り遊技状態開始時に出力される大当り遊技状態が開始することを報知するためのファンファーレの音声である。
この実施の形態では、確変大当りとなった後に確変状態となってから通常大当りとならずに確変大当りが継続した回数(いわゆる連チャン回数)に対応した大当り確定報知音を出力するようになっている。具体的には、連チャン回数に応じた回数の特別音(例えば「ピキーン」という音声)を出力する。従って、連チャン回数が多くなればなるほど特別音の出力回数が多くなり、大当り確定報知音の出力期間が長くなる。ファンファーレは、大当りの表示結果が確定した後に出力されることになるが、大当り確定報知音の出力期間がファンファーレの出力タイミングに重複する可能性がある。そこで、この実施の形態では、図25に示すように、同じタイミングで出力され得る大当り確定報知音とファンファーレの再生チャンネルを異ならせている。
楽曲は、大当り遊技状態において再生させる演出用の楽曲である。この実施の形態では、大当り遊技状態において複数種類の楽曲が再生されるようになっている。
リーチ演出(BGM+セリフ)は、リーチ演出が実行されるときのBGMやリーチ演出におけるセリフの音声である。先読み予告演出は、先読み予告演出が実行されるときに出力される音声である。エラー音は、入賞エラー等の各種エラーが発生した場合に出力される音声である。
図25に示すように、BGMの再生には再生チャンネル0、1が使用され、図柄停止音の再生には再生チャンネル2、3が使用され、変動開始音の再生には再生チャンネル4、5が使用され、予告演出(SU)の音声の再生には再生チャンネル6、7が使用され、予告演出(セリフ)の音声の再生には再生チャンネル8、9が使用され、大当り確定報知音の再生には再生チャンネル10、11が使用され、ファンファーレの再生には再生チャンネル12、13が使用され、楽曲の再生には再生チャンネル14、15が使用され、リーチ演出(BGM+セリフ)の音声の再生には再生チャンネル0、1が使用され、先読み予告演出の音声の再生には再生チャンネル20、21が使用され、エラー音の再生には再生チャンネル30、31が使用される。
なお、BGMを再生する再生チャンネル0、1は、パチンコ遊技機1が稼働している間、継続して音を出力するようなチャンネルであり、大当り中には楽曲再生以外で昇格演出などの演出音を再生する場合に利用されることがある。また、図25に示す音声の種類と使用する再生チャンネルとの関係は例示であり、再生チャンネルを、複数の遊技状態を跨いで音を再生するチャンネルと、ある特定の遊技状態(例えば大当り中など)にしか使用しないチャンネルとに分けて設けてもよい。
さらに、先読み予告演出の音声の再生には再生チャンネル20、21が使用されているが、複数の再生チャンネルに分けて先読み予告演出の音声を再生してもよい。例えば、先読み予告演出の音声について、保留記憶に関して音声を再生する再生チャンネルとして保留系再生チャンネル、背景変化などに関して音声を再生する再生チャンネルとして背景系再生チャンネル、チャンス目(図柄)に関して音声を再生する再生チャンネルとしてチャンス目(図柄)系再生チャンネルと分ける。また、先読み予告演出の音声の再生の一部を他の再生チャンネルと共用してもよい。例えば、チャンス目(図柄)で先読み予告演出の音声を再生する場合、再生チャンネル20、21を使用せずに、図柄停止音を再生する再生チャンネル2、3を使用してもよい。さらに、保留系再生チャンネルは、保留記憶が減る(消化時、シフト時など)ときに再生する先読み予告演出の音声と、保留記憶が増える(入賞時など)ときに再生する先読み予告演出の音声とを分けて、別の再生チャンネルとしてもよい。また、再生チャンネルで音声を再生する場合、同じ再生チャンネルで同時に音声が再生されると、先に再生した音が消え、後から再生した音が上書きされるため、必要とする音声が再生されない問題がある。そこで、再生する音声に予め優先度を付けておき、優先度の高い音声と優先度の低い音声とが同じ再生チャンネルで同時に再生される場合に、優先度の高い音声が確実に再生されるように演出制御用CPU120で予め禁則処理を行ってもよい。
異なる再生チャンネルを使用する音声同士は同時に再生・出力が可能である。例えば、BGMの再生・出力中に、予告演出(SU)の音声の再生・出力が可能である。これにより、複数の音声が重畳した多彩な音声を出力することができる。また、音声の種類に応じて再生チャンネルを固定とすることで、当該音声同士が干渉することを防止できる。例えば、BGMを再生・出力するための再生チャンネル(0、1)を固定することで、BGMの干渉を防止できる。同様に、エラー音の再生・出力するための再生チャンネル(30、31)を固定することで、エラー音の干渉を防止できる。
その一方で、遊技の状態(可変表示の進行状況や予告演出の有無)に応じて出力されるセリフの音声といった特定種類の音声を再生・出力するための再生チャンネルは固定されておらず、遊技の状態(例えば第1状態であるか第2状態であるか)に応じて異なる再生チャンネルを使用して当該特定の音声が再生・出力される。このように、遊技の状態が第1状態(例えば図柄可変表示中)であるか第2状態(例えばリーチ演出中)であるかに応じて、特定の音声を再生・出力するための再生チャンネルを異ならせることで、音声の出力の自由度が向上する。
具体的には、遊技の状態が第1状態(例えば図柄可変表示中)である場合に、セリフ予告演出が実行されるときに、セリフ(特定種類の音声)のみから構成される音声データが再生チャンネル8、9において再生される。このセリフのみから構成される音声データは、時系列に沿って複数種類のセリフを出力するための単一の音声データであってもよい。また、複数種類のセリフに対応した複数種類の音声データを用意して、演出内容に応じて時系列に沿って複数の音声データを再生して複数種類のセリフを出力するようにしてもよい。
そして、遊技の状態が第2状態(例えばリーチ演出中)である場合には、リーチ演出が実行されるときに、セリフ(特定種類の音声)とBGM(特定種類の音声以外の音声)から構成される音声データが再生チャンネル0、1において再生される。即ち、リーチ演出中のように、複数の音声を出力する場合には、予めセリフ(特定種類の音声)とBGM(特定種類の音声以外の音声)から構成される音声データを用意して、その音声データを再生することで、複数の音声の出力タイミングや再生チャンネルの制御等をする必要がなくなり、制御が容易になる。このセリフとBGMとから構成される音声データは、時系列に沿って複数種類のセリフとBGMを出力するためのデータであってもよい。また、リーチ演出が分岐する場合など、複数種類のリーチ演出に対応した音声データを用意して、演出内容に応じて時系列に沿って複数種類のセリフとBGMを再生・出力するようにしてもよい。
このように、遊技の状態が第1状態である場合と第2状態である場合とで特定種類の音声を再生する再生チャンネルを異ならせるとともに、第1状態では特定種類の音声から構成される音声データを再生し、第2状態では、特定種類の音声と特定種類の音声以外の音声から構成される音声データを再生する。このようにすることで、音声出力の自由度が向上するとともに、複数の再生チャンネルを出力する音声に応じて効果的に使用することができる。
なお、ここでは、第1状態が図柄可変表示中であり、第2状態がリーチ演出中である例について説明した。また、特定種類の音声がセリフの音声である例について説明した。これに限定されず、パチンコ遊技機1における遊技の状態(どのような演出の実行中であるかや遊技状態が特別遊技状態であるか等)のうち任意の状態を第1状態や第2状態としてもよい。そして、その第1状態と第2状態とにおいて出力される特定種類の音声を出力する際に使用する再生チャンネルが異なるように制御すればよい。このようにすることで、音声出力の自由度を向上させることができる。
また、同時に出力される可能性のある音声の再生には、異なる再生チャンネルを使用することが好ましい。例えば、実行中の可変表示の表示結果等を予告する変動中予告演出(SUやセリフ)と、実行中の可変表示よりも後に実行される可変表示の表示結果等を予告する先読み予告演出と、は予告対象が異なるため同時に実行される可能性がある。従って、これらの音声の再生に使用される再生チャンネルは異なっている。図25に示すように、予告演出(SU)の音声の再生には再生チャンネル6、7が使用され、予告演出(セリフ)の音声の再生には再生チャンネル8、9が使用され、先読み予告演出の音声の再生には再生チャンネル20、21が使用される。このように、再生チャンネルを異ならせることで、変動中予告演出と先読み予告演出の演出音が干渉することを防止できる。そして、変動中予告演出と先読み予告演出とが重複して実行される場合であっても、それぞれの演出の音声を再生・出力することができる。
なお、再生チャンネル数は有限なので、同時に出力されない音声の再生には同一の再生チャンネルを使用する必要性が生じる。また、リーチ演出(BGM+セリフ)のように、複数種類の音声を組み合わせた音声の音声データを一つにまとめ、一つの再生チャンネルにより再生することで、データ量の低減や処理負担の軽減を図ることができる。
図26は、遊技の状態と各再生チャンネルから出力される音声の一例を示すタイムチャートである。なお、以下の制御は、演出制御用CPU120からの命令(コマンド)により、音声制御基板13において実行される。図26に示すように、飾り図柄の可変表示が開始されると、再生チャンネル0、1において飾り図柄の可変表示中であることに対応したBGMの再生が開始される。また、このとき再生チャンネル4、5において変動開始音が再生される。
左、右、中の飾り図柄が停止するときには、再生チャンネル2、3において図柄停止音が再生される。例えば、左、右に同じ飾り図柄が停止したことに対応して、リーチ状態となった後には、再生チャンネル0、1においてスーパーリーチのリーチ演出の演出内容に対応した音声(BGMやセリフ等)が再生される。図26に示す例では、時系列に沿ってリーチ演出に対応したBGMが継続的に再生されるとともに、所定のタイミングからリーチ演出に対応したセリフが再生されることを示している。
また、ステップアップ予告演出を実行する場合には、例えば可変表示の開始から中の飾り図柄の停止までの任意のタイミングにおいて、予告演出(SU)の音声が再生チャンネル6、7において再生される。セリフ予告演出を実行する場合には、例えば可変表示の開始から右の飾り図柄の停止まで(リーチとなるまで)の任意のタイミングにおいて、予告演出(セリフ)の音声が再生チャンネル8、9において再生される。図26に示すように、飾り図柄の可変表示が行われている期間中(変動中)は、複数の音を出力する必要があるため、複数のチャンネルを使用している。具体的に図26に示す例では、左、右に同じ飾り図柄が停止するタイミングに、再生チャンネル0、1において可変表示中であることに対応したBGMが、再生チャンネル2、3において図柄停止音が、再生チャンネル6、7においてステップアップ予告の音声が、再生チャンネル8、9においてセリフ予告の音声がそれぞれ再生されている。
中の飾り図柄が停止して可変表示結果が大当りとなった場合には、再生チャンネル10、11において大当り確定報知音が再生される。表示結果が確定して大当り遊技状態を開始するときには、再生チャンネル12、13においてファンファーレ(大当り遊技状態が開始することを示す音声)が再生される。大当り遊技状態が開始するときには、ファンファーレと合わせて、大当り遊技状態が開始することを示すセリフが出力されるようにしてもよい。この場合、セリフの音声は、例えば再生チャンネル8、9等(ファンファーレの再生チャンネルとは異なる再生チャンネル)において再生されればよい。
また、大当り遊技状態においては、再生チャンネル0、1において大当り遊技状態の演出内容に対応した音声(効果音やセリフ等)が再生され、再生チャンネル14、15において大当り遊技状態の演出内容に対応した楽曲が再生される。なお、大当り遊技状態において、大当り遊技状態の演出内容に対応した音声(効果音やセリフ等)を再生チャンネル0、1ではなく、大当り遊技状態の演出音を専用に再生する再生チャンネルを設けて当該再生チャンネルで再生しても、予告演出などの演出音を出力し大当り遊技状態では使用されない再生チャンネル(例えば再生チャンネル6、7,10、11,12、13,16〜29)で再生してもよい。図26に示すように、大当り遊技状態に制御されている期間中(大当り中)は、変動中に比べて出力する音の数が少ないため、使用するチャンネル数が少ない。具体的に図26に示す例では、再生チャンネル0、1において大当り遊技状態の演出内容に対応した音声(効果音やセリフ等)が、再生チャンネル14、15において楽曲がそれぞれ再生されている。
大当り遊技状態が終了した場合には、再生チャンネル0、1においてエンディング中であることに対応したBGMの再生が開始される。また、このとき再生チャンネル4、5において大当り遊技状態の終了音が再生される。さらに、次の飾り図柄の可変表示が開始されると、再生チャンネル0、1において飾り図柄の可変表示中であることに対応したBGMの再生が開始される。また、このとき再生チャンネル4、5において変動開始音が再生される。なお、大当り遊技状態終了後の遊技状態は、大当りが確変大当りであった場合、確変状態(高確高ベース状態)に制御される。
また、次の飾り図柄の可変表示中にセリフ予告演出を実行する場合には、例えば可変表示の開始から右の飾り図柄の停止まで(リーチとなるまで)の任意のタイミングにおいて、予告演出(セリフ)の音声が再生チャンネル8、9において再生される。そして、飾り図柄が停止するときには、再生チャンネル2、3において図柄停止音が再生される。
ここで、図26に示す例では、再生チャンネル14、15において再生する楽曲が、大当り遊技状態が開始される前の変動中から再生が開始され、大当り遊技状態が終了後の遊技状態(変動が開始された後の所定期間経過)まで再生される。なお、遊技状態が確変状態(高確高ベース状態)に制御されている間、楽曲をリピート再生してもよい。
このように、同じ種類の音声(セリフ)であっても、遊技の状態(例えばリーチ演出中であるか否か、ファンファーレ期間であるか否か等)に応じて異なる再生チャンネルが使用されるようになっている。これにより、音声出力の自由度を向上させることができる。
図27は、可変表示中における楽曲の実行設定を行なう楽曲設定処理の一例を示すフローチャートである。楽曲設定処理は、演出制御用CPU120により、変動を開始させる際に実行される。図27に示す楽曲設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「大当り」となるか否かを判定する(ステップS801)。特図表示結果が「大当り」以外となる旨の判定がなされたときには(ステップS801;No)、楽曲設定処理を終了する。
特図表示結果が「大当り」となる旨の判定がなされたときには(ステップS801;Yes)、大当り遊技状態において再生する楽曲を複数種類から選択する。この実施の形態では、大当り遊技状態において楽曲A〜Gの7種類の楽曲が設けられている。そして、この実施の形態では、図28に示すように、大当り種別に応じて楽曲が選択されるようになっている。なお、楽曲の種類は任意に選択されればよい。また、大当り種別に応じて楽曲の選択割合を異ならせてもよいし、変動パターンや確変大当りの継続回数(いわゆる連荘回数)に応じて選択割合を異ならせてもよい。また、遊技者がスティックコントローラ31A等の操作手段の操作により楽曲を選択できるようにしてもよい。遊技者が楽曲を選択できるようにする場合、大当りの開始時や、可変表示が実行されていないときのデモ画面等において、大当り遊技状態において再生する楽曲を予め選択できるようにしてもよい。また、パスワードを入力できる遊技機であって、パスワードの入力から遊技の終了までの遊技履歴を二次元コードにより出力できる遊技機であれば、パスワードに楽曲を特定する情報を付加してもよい。そして、次回遊技時などに入力されたパスワードに基づいて、楽曲を選択できるようにしてもよい。
図28に示すように、楽曲Aはいずれの大当り種別であっても共通して選択可能な楽曲となっている。この実施の形態では、楽曲Aを共通楽曲または共通の楽曲ともいう。
このような共通楽曲の選択割合は大当り種別に応じて異ならせてもよい。例えば、大当り種別が「確変大当りA」や「非確変大当りA」である場合には、必ず楽曲Aが選択されるようにしてもよい。また、この実施の形態では、共通の楽曲は楽曲Aのみであったが、いずれの大当り種別であっても共通して選択可能な共通の楽曲を複数設けてもよい(例えば楽曲A1、A2等)。
図27に戻って、ステップS802にて楽曲を選択した後にはその選択結果を保存する(ステップS803)。原則として、ここで保存された選択結果を参照することで楽曲に対応した演出制御パターン(音声制御パターン)が選択される。なお、この実施の形態では、大当り種別が「確変大当りA」または「非確変大当りA」である場合、楽曲Aの再生を可変表示中に開始するので、可変表示が開示される前に大当り遊技状態における演出内容(楽曲の種類)を決定するようになっていた。これに限定されず、可変表示を終了し大当り遊技状態に移行するときに、例えば、図柄確定コマンドや当り開始指定コマンド、大入賞口開放中通知コマンドを受信したときに、大当り種別に応じて大当り遊技状態における演出内容(楽曲の種類)を決定するようにしてもよい。
続いて、ステップS802にて選択された楽曲が共通楽曲である楽曲Aであるか否かを判定する(ステップS804)。楽曲Aでないと判定された場合は(ステップS804;No)、楽曲設定処理を終了する。
楽曲Aであると判定された場合は(ステップS804;Yes)、大当り種別が「確変大当りA」または「非確変大当りA」であるか否かを判定する(ステップS805)。大当り種別が「確変大当りA」または「非確変大当りA」でないと判定された場合は(ステップS805;No)、楽曲設定処理を終了する。ステップS805では、大当り種別が「確変大当りA」または「非確変大当りA」であるか否かを、可変表示結果通知コマンドから判定する。なお、「確変大当りA」または「非確変大当りA」である場合には、専用の変動パターンが選択されるようにして、変動パターン指定コマンドから当該専用の変動パターンであるか否かを判定することで、大当り種別が「確変大当りA」または「非確変大当りA」であるか否かを判定するようにしてもよい。
また、「確変大当りA」または「非確変大当りA」である場合にのみ選択され得る特別な変動パターンを設けて、その変動パターンが選択された場合には共通の楽曲が選択されるようにしてもよい。この場合、ステップS802では、特別な変動パターンである場合には共通の楽曲を選択し、ステップS804及びS805の処理に代えて、特別な変動パターンであるか否かを判定する処理を実行すればよい。
大当り種別が「確変大当りA」または「非確変大当りA」であると判定された場合は(ステップS805;Yes)、楽曲Aに対応した音声制御データを使用パターンとしてセットし(ステップS806)、楽曲フラグをオン状態にセットする(ステップS807)。その後、楽曲設定処理を終了する。
ステップS806にてセットされる楽曲Aに対応した音声制御データは、楽曲Aを時系列に沿って再生するためのデータである。そして、可変表示の開始に対して、再生を開始するタイミングが設定されたデータである。楽曲フラグをオン状態である場合には、即ち、大当り種別が「確変大当りA」または「非確変大当りA」であって、共通の楽曲Aが選択された場合には、飾り図柄の可変表示中に、演出制御プロセスタイマ値が楽曲Aの再生開始タイミングか否かを判定する処理を実行し、再生開始タイミングである場合に、楽曲Aの再生が開始される。なお、共通の楽曲を複数設ける場合には、当該共通の楽曲に応じて(例えばイントロの長さに応じて)、再生を開始するタイミングが設定されていればよい。
大当り種別が「確変大当りA」または「非確変大当りA」であって楽曲Aが選択された場合以外のときは(ステップS804;NoまたはステップS805;No)、ステップS803で保存された選択結果を、演出制御パターンを選択するステップにて参照することで楽曲に対応した演出制御パターン(音声制御データ)が選択される。そして、当該楽曲を再生するための制御が実行される。なお、大当り種別が「確変大当りA」または「非確変大当りA」であって、共通の楽曲Aが選択された場合には、演出制御パターンを選択するステップにてステップS806にてセットされるものと同一の音声制御データ(楽曲Aに対応した音声制御データ)が選択される。大当り種別が「確変大当りA」および「非確変大当りA」以外の大当りであって、共通の楽曲Aが選択された場合には、音声制御データ(楽曲Aに対応した音声制御データ)は別処理で再生されるため、演出制御パターンを選択するステップにおいては、楽曲の音声制御データが省かれた演出制御パターンが選択される。つまり、大当り種別が超高速大当りとなる「確変大当りA」または「非確変大当りA」である場合、共通の演出として楽曲Aの再生を大当り遊技状態が開始される前の変動中から開始する。これにより、変動中から特別な演出として遊技者の興趣を向上させることができる。なお、「確変大当りA」である場合にのみ、大当り遊技状態が開始される前の変動中から楽曲Aの再生を始めるようにしてもよく、この場合には変動中に確変当りであることを予告していることとなる。また、遊技状態が確変状態(高確高ベース状態)に制御されている間、楽曲Aをリピート再生してもよい。
この実施の形態では、大当り遊技状態において再生される楽曲はイントロ、Aメロ、Bメロ、サビ等から構成され、楽曲に対応した音声制御データは、イントロ、Aメロ、Bメロ、サビ等を時系列で再生するためのデータとなっている。例えば、共通楽曲である楽曲Aは、図29に示すように、イントロ、Aメロ、Bメロ、サビ(1番)、Aメロ、Bメロ、サビ(2番)、Aメロ、Bメロ、サビ(3番)で構成されている。
大当り種別が「確変大当りA」および「非確変大当りA」以外の大当りである場合には、大当り遊技状態中に全ての楽曲のフルコーラスあるいはそれに近いもの(少なくとも遊技者に聞かせたい部分)を再生可能になっている。そのため、図26に示す再生チャンネル14、15において大当り遊技状態の開始時から、図27のステップS802にて選択された楽曲の再生が開始される。
一方、大当り種別が「確変大当りA」または「非確変大当りA」である場合には、閉鎖時間が短いために、大当り遊技状態中に発射された遊技球が第1大入賞口へ入賞しない遊技球がほぼ0となり、高速でラウンド遊技が消化される。このため、想定される大当り遊技状態の期間が楽曲のフルコーラスの時間より短くなり、大当り遊技状態中に共通の楽曲(楽曲A)のフルコーラスを再生不可能となる虞がある。
よって、「確変大当りA」または「非確変大当りA」である場合に共通の楽曲(楽曲A)を再生する場合には、大当り遊技状態が開始される前の変動中から楽曲Aの再生を始める。具体的には、図30に示すように、飾り図柄の可変表示中の所定のタイミング(例えば、リーチ演出中)から楽曲Aに対応する音声制御データの再生が開始される。このとき、大当り遊技状態が開始するまでの期間、楽曲Aの再生チャンネル(14、15)の音量は、音量設定で設定した設定値の50%の音量にセットされる。つまり、飾り図柄の可変表示中の他の演出が実行されており、複数のチャンネルから音が出力されているので、設定値(100%)の音量で楽曲Aを再生した場合、他の演出により出力される音(リーチBGMやステップアップ予告の音など)が聞こえづらくなる虞があった。そこで、大当り遊技状態が開始するまでの期間、楽曲Aの再生チャンネル(14、15)の音量を設定値の50%の音量にセットすることで変動時に他の演出により出力される音が聞こえづらくなる虞を低減している。上述したように、楽曲を再生するための再生チャンネル(14、15)は、飾り図柄の可変表示中の他の演出音を再生するための再生チャンネル(0〜9等)とは独立しているため、他の演出音の再生と干渉することなく、楽曲の再生をすることができる。
そして、再生チャンネル(14、15)は、大当り遊技状態が開始されても飾り図柄の可変表示中から再生している楽曲Aを継続する。ただし、大当り遊技状態が開始するときに、再生チャンネル(14、15)の音量は、音量設定で設定した設定値(100%)の音量にセットされる。つまり、楽曲Aは、異なる遊技状態を跨いで共通の再生チャンネル(14、15)で再生される。楽曲Aを異なる遊技状態を跨いで再生する場合、遊技状態毎に異なる再生チャンネルで楽曲Aを再生すると、異なる再生チャンネル間で再生タイミングを合わせる処理が必要となり音声制御基板13の処理負担が増加する問題があった。また、大当り遊技状態が開始するまでの期間に再生する設定値の50%の音量とする楽曲Aのデータと、大当り遊技状態の期間に再生する設定値(100%)の音量とする楽曲Aのデータとを別々に用意すると、音声制御基板13に記憶するデータ容量が増加する問題があった。しかし、本実施の形態では、いずれもの問題も解決することができ、共通の再生チャンネル(14、15)で楽曲Aを再生することで使用する再生チャンネルの数が増加せず、設計の自由度を高めることができる。
なお、楽曲Aに対応する音声制御データの再生開始のタイミングは、飾り図柄の可変表示中から大当り遊技状態へと継続して楽曲Aを再生することが可能なタイミングであればよく、例えば、図30に示すように、大当り遊技状態の開始時にイントロの最後の部分が再生させるようなタイミングとなっている。このため、大当り遊技状態が開始するまでの期間、再生チャンネル(14、15)の音量を設定値の50%にセットして楽曲Aのイントロ部分を再生して遊技者に期待を持たせて、大当り遊技状態が開始するときに、再生チャンネル(14、15)の音量を設定値の100%に戻してAメロ、Bメロ、サビの部分を再生して遊技者の興趣を向上させることができる。なお、楽曲Aに対応する音声制御データの再生開始のタイミングは一定ではなく異ならせるようにしてもよい。例えば、大当り遊技状態の開始時にイントロの途中の部分が再生させるようなタイミング、Aメロの最後の部分が再生させるようなタイミングなどであってもよい。また、楽曲Aの再生される順番は、図29に示した1番、2番、3番の順に再生される場合に限定されず、3番、2番、1番の順に再生される場合であってもよい。
さらに、大当り種別が「確変大当りA」である場合、再生チャンネル(14、15)は、大当り遊技状態が終了して、次の飾り図柄の可変表示が開始されても継続して楽曲Aを再生する。また、「確変大当りA」以外の大当りであっても大当り遊技状態終了後の遊技状態が、確変状態(高確高ベース状態)に制御されている間、楽曲Aをリピート再生(例えば音声制御基板13の再生設定をリピート再生に設定)するのであれば、1回目の楽曲Aの再生が終了後、2回目の楽曲Aの再生が開始されるようにしてもよい。なお、2回目の楽曲Aの再生では、イントロから再生せずにAメロから再生が開始される例を示しているが、これに限定されず、例えばイントロから再生してもサビから再生してもよい。また、1回目の楽曲Aの再生が終了後、楽曲Aを再生するのではなく別の曲を再生してもよい。例えば、音声制御基板13は、1回目の楽曲Aの再生が終了後、音声データROM132に記憶さている楽曲をランダムに再生してもよい。ただし、遊技者が楽曲Aを選曲している場合は、音声制御基板13は、楽曲をランダムに再生するのではなく、楽曲Aのみをリピート再生するようにしてもよい。なお、「非確変大当りA」など大当り終了後において非確変状態となる場合には、大当り遊技状態が終了後したときに楽曲の再生を終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態が終了して、次の飾り図柄の可変表示が開始するときに、再生チャンネル(14、15)の音量は、音量設定で設定した設定値の60%の音量にセットされる。楽曲Aに対応する音声制御データの再生終了のタイミングは、次の大当り遊技状態が開始されるタイミングや、確変状態(高確高ベース状態)が終了するタイミングであればよい。もちろん、音声制御基板13においてリピート再生が行われない場合は、楽曲Aの再生終了時のタイミングであればよい。具体的に、再生終了のタイミングには、例えば、演出制御プロセスタイマ値が楽曲Aの再生終了タイミングとなる。次の飾り図柄の可変表示が開始されると他の演出が実行され、複数のチャンネルから音が出力されるので、設定値の音量のままで楽曲Aを再生した場合、他の演出により出力される音(可変表示中BGMやセリフ予告の音など)が聞こえづらくなる虞があった。そこで、大当り遊技状態が終了後に再生チャンネル(14、15)の音量を設定値の60%の音量にセットすることで変動時に他の演出により出力される音が聞こえづらくなる虞を低減している。
また、大当り遊技状態終了後の遊技状態は、確変状態(高確高ベース状態)に制御されるので、楽曲Aを継続して再生することで有利な遊技状態であることを遊技者に示唆することができる。さらに、確変状態(高確高ベース状態)の場合、図26に示すように他の演出により出力される音の数が少ないので、大当り遊技状の開始前の変動時に再生する楽曲Aの音量(設定値の50%)に比べて、大当り遊技状態終了後の変動時に再生する楽曲Aの音量(設定値の60%)を大きくしている。もちろん、大当り遊技状の開始前の変動時に再生する楽曲Aの音量と、大当り遊技状態終了後の変動時に再生する楽曲Aの音量とが同じであっても、逆に大当り遊技状の開始前の変動時に再生する楽曲Aの音量に比べて、大当り遊技状態終了後の変動時に再生する楽曲Aの音量を小さくしてもよい。
なお、確変状態(高確高ベース状態)中にリーチ演出が開始された場合、リーチ演出の演出音を優先させるために、再生している楽曲Aの再生チャンネル(14、15)が出力する音量を設定値の0%に設定してもよい。リーチ演出終了後、確変状態(高確高ベース状態)が継続していれば、再生している楽曲Aの再生チャンネル(14、15)が出力する音量を設定値を60%に戻し、リーチ演出終了後、大当り遊技状態になれば再生している楽曲Aの再生チャンネル(14、15)が出力する音量を設定値(100%)にすることになる。もちろん、確変状態(高確高ベース状態)中にリーチ演出が開始された場合、再生している楽曲Aの再生チャンネル(14、15)が出力する音量を設定値の0%に設定するのではなく、楽曲Aの再生を停止してもよい。また、リーチ演出終了後、大当り遊技状態になる場合、リーチ演出で再生していた楽曲と異なる楽曲をリーチ演出終了後の大当り遊技状態で再生してもよい。
ここで、「確変大当りA」である場合に選択される楽曲のうち共通の楽曲(楽曲A)以外の楽曲(楽曲B、D)も、ラウンド遊技中にフルコーラスを再生可能な長さの楽曲となっていてもよい。また、「非確変大当りA〜C」である場合に選択される楽曲のうち共通の楽曲(楽曲A)以外の楽曲(楽曲B、C)は、ラウンド遊技中にフルコーラスを再生可能な長さの楽曲となっていてもよい。
図31は、共通の楽曲(楽曲A)を再生する(図30に示すような制御を実現する)ための、共通楽曲再生処理の一例を示すフローチャートである。なお、共通楽曲再生処理は、図23のステップS72にて実行される。図31に示す共通楽曲再生処理において、演出制御用CPU120は、まず、楽曲フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS821)。楽曲フラグがオン状態でなければ、共通楽曲再生処理を終了する。なお、本実施の形態では、共通楽曲再生処理を行う共通の楽曲として楽曲Aの場合について説明するが、他の楽曲であっても共通楽曲再生処理を行ってもよい。例えば、図27に示す楽曲設定処理で楽曲A以外の楽曲について楽曲フラグをセット(ステップS807)すればよい。また、変動中から再生を始めて、大当り遊技状態が終了後の遊技状態まで再生する楽曲は楽曲Aに限定し、大当り遊技状態が終了後の遊技状態から再生する楽曲は記憶してある全ての楽曲としてもよい。
楽曲フラグがオン状態であれば(ステップS;Yes)、演出制御プロセスタイマ値が、楽曲Aに対応した音声制御データ(演出制御パターン)にて示される楽曲Aの再生開始タイミングに合致したか否かを判定する(ステップS822)。楽曲Aの再生開始タイミングに合致した場合(ステップS822;Yes)、楽曲Aに対応した音声制御データの再生を開始する制御を実行する(ステップS823)。このとき、再生チャンネル(14、15)が出力する音量は設定値の50%に設定される。ステップS823では、例えば、楽曲Aに対応した音声制御データを設定値の50%の音量で出力することを指示する信号を音声制御基板13に対して送出すればよい。ステップS823の処理を実行した後は、共通楽曲再生処理を終了する。
なお、ここでは、演出制御プロセスタイマ値が、楽曲Aの再生開始タイミングに合致したか否かを判定することで、楽曲Aの再生を開始するか否かを判定しているが、図30に示すファンファーレ期間と共通の楽曲のイントロ期間が略一致する場合など、共通の楽曲の再生開始タイミングが図柄確定時となる場合には、図柄確定コマンドを受信したか否かを判定することで、共通の楽曲の再生を開始するか否かを判定するようにしてもよい。
演出制御プロセスタイマ値が楽曲Aの再生開始タイミングに合致しない場合(ステップS822;No)、主基板11から伝送される当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)の受信があるか否かを判定する(ステップS824)。当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)の受信があった場合には(ステップS824;Yes)、大当り遊技状態が開始されるタイミングであると判定し、ファンファーレ演出が開始されるタイミングに合わせて、楽曲Aを再生する音量を設定値(100%)の音量に変更するする(ステップS825)。ステップS825では、例えば、楽曲Aに対応した音声制御データを設定値(100%)の音量で出力することを指示する信号を音声制御基板13に対して送出すればよい。その後、共通楽曲再生処理を終了する。なお、ステップS824では、図柄確定コマンドや大入賞口開放中通知コマンド(1ラウンド目)を受信してからの時間に基づいて、大当り遊技状態の開始タイミングであるか否かを判定するようにしてもよい。また、楽曲Aに対応した音声制御データを設定値(100%)の音量で出力するタイミングは、ファンファーレ開始時に限定されず、大当り遊技状態の開始時、図柄確定時、ファンファーレ終了時、1ラウンド目が開始されるタイミングなどであってもよい。
当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)の受信がない場合には(ステップS824;No)、主基板11から伝送される当り終了指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS826)。当り終了指定コマンドの受信があった場合(ステップS826;Yes)、大当り遊技状態の終了タイミングであると判定し、エンディング演出が終了するタイミングで楽曲Aを再生する音量を設定値(60%)の音量に変更する(ステップS827)。ステップS827では、例えば、楽曲Aに対応した音声制御データを設定値(60%)の音量で出力することを指示する信号を音声制御基板13に対して送出すればよい。その後、共通楽曲再生処理を終了する。なお、ステップS826では、次の変動開始コマンドの受信に基づいて、楽曲Aを再生する音量を設定値(60%)の音量に変更するか否かを判定するようにしてもよい。つまり、楽曲Aに対応した音声制御データを設定値(60%)の音量で出力するタイミングは、最終ラウンドの終了時や、次の飾り図柄の可変表示が開始されるタイミングなどであってもよい。
当り終了指定コマンドの受信がない場合(ステップS826;No)、演出制御プロセスタイマ値が、楽曲Aに対応した音声制御データ(演出制御パターン)にて示される楽曲Aの再生終了タイミングに合致したか否かを判定する(ステップS828)。楽曲Aの再生終了タイミングに合致した場合(ステップS828;Yes)、楽曲Aに対応した音声制御データの再生を終了することを指示する信号を音声制御基板13に送出し(ステップS829)、楽曲フラグをオフ状態にクリアして(ステップS830)、共通楽曲再生処理を終了する。具体的に、楽曲Aの再生終了タイミングは、例えば、大当り遊技状態が終了して非確変状態となるタイミングや、次の大当り遊技状態が開始されるタイミングや、確変状態(高確高ベース状態)が終了するタイミングである。また、楽曲Aの再生終了タイミングは、リーチ演出が行われるタイミング、保留記憶数が「0」となりデモ画面の演出が開始されるタイミング、メニュー画面が表示されるタイミングであってもよい。さらに、ステップS829において、楽曲Aの再生を終了するのではなく、楽曲Aを再生する再生チャンネル(14、15)の音量を、音量設定で設定した設定値の0%の音量にセットしてもよい。なお、楽曲Aの再生が一回の再生で終了するのであれば、あえて楽曲Aに対応した音声制御データの再生を終了することを指示する信号を音声制御基板13に送出しなくてもよい。
続いて、共通の楽曲(楽曲A)が再生される場合の具体的な演出動作例について説明する。図32(A)は、飾り図柄の可変表示が実行される画像表示装置5を示している。飾り図柄の可変表示中に楽曲Aの再生開始タイミングとなった場合(図31のステップS822;Yes)、楽曲Aの再生が開始される。この段階では再生チャンネル(14、15)の音量は設定値の50%に設定され、スピーカ8からは飾り図柄の変動中であることに対応した演出音が出力されるとともに楽曲Aのイントロ部分が再生される。その後、図32(B)に示すように、大当り組合せを構成する飾り図柄が最終停止し、図32(C)に示すように、大当りであることが報知される。ここでは、図26に示すように、スピーカ8からは大当り確定報知音やファンファーレ等が出力される。
図32(D)に示すように、大当り遊技状態が開始されるときに、楽曲Aの音量が設定値(100%)の音量に設定される(図31のステップS825)。その後、図32(E)に示すように、ラウンド遊技が終了する。なお、図32(E)に示す例では、大当り種別が「確変大当りA」である場合を示している。そして、図32(F)に示すように、エンディング演出が終了するときに、楽曲Aの音量が設定値の60%に設定される(図31のステップS827)。さらに、図32(E)は、次の飾り図柄の可変表示が実行される画像表示装置5を示しており、大当り組合せを構成する飾り図柄が最終停止したタイミングで楽曲Aの再生が終了する。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
上記実施の形態における第1特別可変入賞球装置7aには、流路Fを流下する遊技球の流下速度を低下させる複数の規制片118が形成されている。このため、第1大入賞口を開状態にし得る大当り遊技状態中において、流路Fを流下する遊技球が第1大入賞口へ入賞しない割合を低減させることができる。また、第1特別可変入賞球装置7aには、上流側大入賞口24aと下流側大入賞口24cとが設けられ、各々に対して第1カウントスイッチ223aと第2カウントスイッチ223bとが設けられているため、各大入賞口毎に遊技球を検出できかつ入賞した遊技球を検出するまでの時間を短くすることができる。このため、第1大入賞口を1つの大入賞口で構成し1つのカウントスイッチで検出するものと比較して、遊技球を検出までに次の遊技球が大入賞口へ入賞(オーバー入賞)してしまう可能性を低減することができる。その結果、出玉を設計値から想定される範囲内に収束させることができ、出玉が管理しやすくなるため、出玉管理性を向上できる。
また、上流側大入賞口24aおよび下流側大入賞口24cの開閉状態を変化させる底面部材23a、23cは、一つのソレノイド106および一つの駆動機構により駆動される。このため、底面部材23aと底面部材23cとの動作を一致させることができる。その結果、上流側大入賞口24aおよび下流側大入賞口24cの開閉状態が不一致となることを抑制でき、開状態あるいは閉状態に変化させるタイミングを同期させることができる。
また、図7で示したように、上記実施の形態における確変大当りAや非確変大当りA中において、第1大入賞口が閉鎖状態となるラウンドインターバルTin(s)は、流路Fを遊技球が流下するの要する流下時間Ta(s)よりも短くなるように設定されている。このため、第1大入賞口を開状態にし得る大当り遊技状態中においては、流路Fを流下する遊技球をほぼすべて第1大入賞口へ入賞させることができる。
また、図19を参照し、第1大入賞口を制御する大当りとして、閉鎖時間が流下時間Ta(s)よりも短くなるように設定された確変大当りA・非確変大当りAと、閉鎖時間が流下時間Ta(s)よりも長くなるように設定された確変大当りC・非確変大当りCとを示し、さらに、確変大当りA・非確変大当りAであるか確変大当りC・非確変大当りCであるかによって異なる態様で大当り発生時および大当り中の演出を実行する例について説明した。これにより、確変大当りC・非確変大当りCよりも高速で大当り消化可能な確変大当りA・非確変大当りAについての特別感を、演出により強調することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図1を参照し、大入賞口として、第1特別可変入賞球装置7aにより構成される第1大入賞口と、遊技球の流下速度を低下させる規制片118のようなものが設けられていない第2特別可変入賞球装置7bにより構成される第2大入賞口とが設けられている例について説明した。また、大当りとして、図19により、第1大入賞口を制御する確変大当りA・非確変大当りA・確変大当りC・非確変大当りCと、第2大入賞口を制御する確変大当りB・非確変大当りBとを示し、閉鎖時間が第2大入賞口を制御する大当り中よりも第1大入賞口を制御する大当り中の方が短くなる例を示した。さらに、第2特別可変入賞球装置7bを制御する大当りであるか第1特別可変入賞球装置7aを制御する大当りであるかによって異なる態様で大当り発生時および大当り中の演出を実行する例について説明した。これにより、第2特別可変入賞球装置7bを制御する大当りよりも高速で大当り消化可能な第1特別可変入賞球装置7aを制御する大当りについての特別感を、演出により強調することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上記実施の形態では、大当り遊技状態が「確変大当りA」または「非確変大当りA」である場合、大当り遊技状態が開始される前の変動中から楽曲の再生を始めて、「確変大当りA」であった場合には大当り遊技状態終了後の遊技状態まで楽曲を再生する。また、大当り遊技状態が終了後、確変状態(高確高ベース状態)に制御されている間、楽曲Aをリピート再生するので1回目の楽曲Aの再生が終了後、2回目の楽曲Aの再生が開始される。そこで、上記実施の形態では、異なる遊技状態を跨いで(例えば、飾り図柄の可変表示が実行される状態から大当り遊技状態に跨いで)共通の楽曲Aを再生する(継続して楽曲Aを再生)。そして、上記実施の形態では、大当り遊技状態が開始するまでの期間、楽曲Aの再生チャンネル(14、15)の音量を設定値の50%の音量にセットし、大当り遊技状態が終了後に再生チャンネル(14、15)の音量を設定値の60%の音量にセットすることで変動時に他の演出により出力される音が聞こえづらくなる虞を低減して、楽曲Aを好適な音量で出力することができる。
なお、上記実施の形態では、大当り遊技状態が開始するまでの期間、楽曲Aの再生チャンネル(14、15)の音量を設定値の50%の音量にセットし、大当り遊技状態が終了後に再生チャンネル(14、15)の音量を設定値の60%の音量にセットすると説明したが、これに限定されるものではない。音声制御基板13は、例えば、大当り遊技状態が開始するまでの期間、および大当り遊技状態が終了後に音量を一定値に変更するのではなく、時間とともに音量が変化するように変更してもよい。具体的に、音声制御基板13は、楽曲Aの再生を開始してから大当り遊技状態が開始するまでの期間に、音量を所定のペースで設定値の0%〜100%に変更してもよい。また、音声制御基板13は、大当り遊技状態が終了してから楽曲Aの再生が終了するまでの間に、音量を所定のペースで設定値の100%〜0%に変更してもよい。
また、上記実施の形態では、大当り遊技状態が開始するまでの期間、楽曲Aの再生チャンネル(14、15)の音量を設定値の50%の音量にセットし、大当り遊技状態が終了後に再生チャンネル(14、15)の音量を設定値の60%の音量にセットすると説明したが、大当り遊技状態が開始するまでの期間、および大当り遊技状態が終了後に再生チャンネル(14、15)の最大音量が、少なくとも大当り遊技状態中の再生チャンネル(14、15)の最大音量を超えなければよい。
さらに、上記実施の形態では、楽曲Aの再生チャンネル(14、15)の音量を変更することを説明したが、スピーカから出力される楽曲Aの音量が変更されていればよく、再生チャンネル(14、15)の音量の設定を変更する場合に限定されない。例えば、スピーカから出力される楽曲Aの音量を、使用するスピーカの個数や使用するスピーカの種類により変更したり、楽曲Aの周波数帯域を調整することで変更したり、楽曲Aをモノラルで出力するかステレオで出力するかを切換えることで変更してもよい。具体的に、パチンコ遊技機が高中音用のスピーカ2個と、低音用のスピーカ2個とを備えている場合に、大当り遊技状態が開始するまでの期間、楽曲Aを高中音用のスピーカ2個のみから出力し、大当り遊技状態中、楽曲Aをすべてのスピーカから出力してもよい。
さらに、上記実施の形態では、大当り遊技状態が開始される前の変動中から楽曲Aの再生を始める構成について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、大当り遊技状態が開始される前の変動が1変動ではなく複数の変動であってもよい。同様に、大当り遊技状態が終了後の遊技状態まで楽曲Aを再生する構成についても1変動に限定されない。
また、上記実施の形態では、大当り遊技状態が開始するまでの期間、楽曲Aの再生チャンネル(14、15)の音量を設定値の50%の音量にセットし、大当り遊技状態が終了後に再生チャンネル(14、15)の音量を設定値の60%の音量にセットする構成について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、楽曲Aの再生チャンネル(14、15)の音量を変更せずに、他の演出による音を出力する再生チャンネル(0、1)などの音量を大当り遊技状態の期間で設定値より小さく設定(設定値の50%など)し、その他の期間で設定値より大きく設定(設定値の120%など)してもよい。
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
[可変装置について]
前記実施の形態では、可変装置として、遅延手段としての規制片が設けられた第1特別可変入賞球装置7aと、規制片が設けられていない第2特別可変入賞球装置7bとを備えた遊技機を例示した。しかし、遅延手段が近傍に設けられている可変装置を備える遊技機であれば、これに限らず、可変装置として、たとえば、第2特別可変入賞球装置7bを備えずに第1特別可変入賞球装置7aのみを備えたものであってもよく、また、別の第3の特別可変入賞球装置を備えるものであってもよい。さらに、規制片が設けられた第1特別可変入賞球装置7aと同一又は類似の構造のものを、始動入賞口を開閉する普通可変入賞球装置6Bとして用いてもよい。
前記実施の形態では、可変装置と遅延手段とが一体に形成されている例について説明したが、可変装置の近傍に遅延手段が設けられているものであればこれに限らず、可変装置と遅延手段とが別体(別構成)に設けられているものであってもよい。
前記実施の形態では、可変装置として、大当り中に開閉状態となる第1特別可変入賞球装置7aを例示したが、これに限らず、可変装置は、始動入賞口を形成する普通入賞球装置であってもよい。たとえば、普通入賞球装置として、前記実施の形態における第1特別可変入賞球装置7aの構成を備えた役物を採用した遊技機であってもよい。この場合、有利状態とは、普通入賞球装置を所定の態様で開状態にし得る状態(普通図柄の当り状態)であってもよく、開放時間や閉鎖時間が異なる複数種類の状態が設けられているものであってもよい。
前記実施の形態の第1特別可変入賞球装置7aは、2つの入賞口が略水平方向に設けられている例について説明したが、可変装置としては複数の入賞口が設けられており、その間において遅延手段が設けられているものであればこれに限らず、たとえば、2つの入賞口が略垂直方向に設けられているものであってもよい。
[遅延手段について]
前記実施の形態では、遅延手段として複数の規制片を例示した。しかし、遅延手段は、遊技球の移動を遅延させるものであればこれに限らず、たとえば、流路Fに遊技球が引っかかるような窪み部や、所定期間に亘って遊技球を貯留する貯留部、流路Fより上流側の底面の傾斜角度よりも小さく(水平に近く傾斜が小さい)なるように調整された流路F内の底面などであってもよい。
[大当り中の制御内容について]
前記実施の形態では、大当り中の特別可変入賞球装置の閉鎖時間が一定である例について説明した。しかし、大当り中の特別可変入賞球装置の閉鎖時間は、これに限らず、ラウンドに応じて変化させるようにしてもよい。たとえば、ラウンド数が15に設定されている大当り(たとえば、確変大当りA、非確変大当りAなど)について、所定ラウンド(たとえば、前半ラウンド)終了後までのラウンドインターバルか、所定ラウンドの次のラウンド(たとえば、後半ラウンド)以降のラウンドインターバルかに応じて、特別可変入賞球装置の閉鎖時間を異ならせるようにしてもよい。より具体的には、1ラウンド終了後〜4ラウンド終了後のラウンドインターバルの閉鎖時間が5秒に設定されており、5ラウンド終了以降のラウンドインターバルの閉鎖時間が1秒に設定されているものであってもよい。この場合、閉鎖時間が切り替わるラウンドに応じて、大当り遊技中に行なわれる演出態様を変化させるようにしてもよい。たとえば、5ラウンドが開始されたとき(あるいは5ラウンドが終了したとき)に大当り遊技中の演出態様を変化させるようにしてもよい。
また、所定ラウンド毎に特別可変入賞球装置の閉鎖時間を異ならせるようにしてもよい。たとえば1ラウンド毎に、奇数ラウンド終了後のラウンドインターバルの閉鎖時間が5秒に設定されており、偶数ラウンド終了後のラウンドインターバルの閉鎖時間が1秒に設定されているものであってもよい。この場合、ラウンド終了後のラウンドインターバルの閉鎖時間に応じて、当該ラウンド中の演出態様を変化させるようにしてもよい。
前記実施の形態では、第1特別可変入賞球装置7aおよび第2特別可変入賞球装置7bのうち、大当りに対応して定められた一方の特別可変入賞球装置を開閉制御する例について説明した。しかし、大当り中に開閉制御される特別可変入賞球装置は、これに限らず、ラウンドに応じて変化させるようにしてもよい。
たとえば、ラウンド数が15に設定されている大当り(たとえば、確変大当りA、非確変大当りAなど)について、所定ラウンド(たとえば、前半ラウンド)か、所定ラウンドの次のラウンド以降かに応じて、開放状態にする特別可変入賞球装置を異ならせるようにしてもよい。より具体的には、1ラウンド〜4ラウンドについては第2特別可変入賞球装置7bが開放状態に制御され、5ラウンド以降については第1特別可変入賞球装置7aが開放状態に制御されるものであってもよい。この場合、特別可変入賞球装置の制御対象が切り替わるラウンドに応じて、大当り遊技中に行なわれる演出態様を変化させるようにしてもよい。たとえば、5ラウンドが開始されたときに大当り遊技中の演出態様を変化させるようにしてもよい。これにより、大当り中の遊技の興趣を向上させることができる。
また、所定ラウンド毎に開放制御される特別可変入賞球装置を異ならせるようにしてもよい。たとえば1ラウンド毎に、奇数ラウンドについては第2特別可変入賞球装置7bが開放状態に制御され、偶数ラウンドについては第1特別可変入賞球装置7aが開放状態に制御されるものであってもよい。この場合、開放状態となる特別可変入賞球装置に応じて、当該ラウンド中の演出態様を変化させるようにしてもよい。
なお、第1特別可変入賞球装置7aは、前述したとおり、流下時間Taより短い閉鎖時間が定められているときには、第1大入賞口に入賞せずに流下してしまう遊技球をほぼ0にできる。このため、所定ラウンド毎に開放制御される特別可変入賞球装置を異ならせるように構成した場合であっても、ラウンド終了後の閉鎖時間が流下時間Taより短くなるように設定されている場合、少なくとも当該ラウンドと次のラウンドについては連続して第1特別可変入賞球装置7aが開放制御されるようにしてもよい。
[楽曲に関して]
上記実施の形態では、大当り遊技状態の期間に楽曲Aを設定値(100%)の音量で再生しているが、大当り遊技状態の期間中に特定の報知音を再生チャンネルから出力する場合は、音量を設定値より小さくして(例えば、設定値の50%)楽曲Aを再生するようにしてもよい。ここで、特定の報知音として、例えば遊技者にとって有利な状態になることを報知または予告する演出音や、演出音以外のエラー音などがある。特に、遊技者にとって有利な状態になることを報知または予告する演出音としては、例えば、大当り遊技状態中に開く特別可変入賞球装置の中に設けられた特定領域を遊技球が通過したことを報知する演出音などがある。
一方、図25に示したように、エラー音は再生チャンネル30、31を使用して出力され、この再生チャンネルは他の音の再生には使用されない。エラー音はいつでも出力する必要があり、他の音の出力と重複する場合があるからである。そのため、エラー時音声制御データは、再生チャンネル30、31を使用してエラー音を再生するとともに、他の再生チャンネル0〜29において再生中の音の出力(音量)を低下させる制御を行うデータを含んでいる。エラー音として、例えば、下皿が満タン状態になったことを報知する下皿満タンエラーの報知音がある。なお、下皿満タンエラーの報知音は、下皿の遊技球の払出口に設けられた満タン検出スイッチがON状態となると、すぐに再生チャンネル30、31からエラー音が再生される訳ではなく、例えば大当り時は満タン検出スイッチがON状態になってから10〜20秒後にエラー音を再生し、時短時は20〜30秒後にエラー音を再生してもよい。また、下皿満タンエラーの報知音は、満タン検出スイッチがON状態となると、満タン状態を示すテロップなどを画像表示装置5に表示し、その後に、エラー音を再生してもよい。このように、本変形例では、大当り遊技状態の期間に楽曲Aを設定値(100%)の音量で再生しつつ、特定の報知音を再生チャンネルから出力する場合には、音量を設定値より小さくするので、特定の報知音を遊技者に報知する確実性を高められることができる。
ただし、大当り遊技状態の期間中に再生チャンネルから出力される音であっても、報知する音が短かったり、鳴らすタイミングが予め予告できない音であったりする場合、音量を変更せずに設定値(100%)の音量のまま楽曲Aを再生する。ここで、鳴らすタイミングが予め予告できない音として、例えば、第1特別可変入賞球装置7aに入賞した遊技玉の数が所定数(10カウントなど)を超えたことを報知する演出音や、特定の入賞口に入賞したことを報知する演出音などがある。なお、報知する音が短かったり、鳴らすタイミングが予め予告できない音であったりする場合に、楽曲Aを再生する音量を変更すると、その処理が複雑になり音声制御基板13の処理負担が大きくなる虞がある。
また、上記実施の形態では、大当り(確変大当りA、非確変大当りA)となる可変表示の実行中に共通の楽曲の再生を開始するようにしていたが、大当り(確変大当りA、非確変大当りA)となる可変表示よりも前に実行される可変表示の実行中に共通の楽曲の再生を開始するようにしてもよい。例えば、大当り(確変大当りA、非確変大当りA)となることが先読み判定された場合であって、変動時間が保留数によらず変わらない遊技機である場合や、変動時間が保留数によらず変わらない可変表示パターンがターゲットまで続く場合に、そのような制御を実行するようにしてもよい。
特別種類の音声を出力する際には、遊技が第1状態であるときと、第2状態であるときとで共通のチャンネルを使用する制御について説明する。図33は、リーチ演出が実行された後の大当り確定報知音の詳細を示すタイムチャートである。例えば、所リーチ状態となってから中の飾り図柄が停止するまでの期間は、再生チャンネル0、1においてリーチ演出の演出内容に対応した音声が再生される。この例では、時系列に沿ってリーチ演出に対応したBGMが継続的に再生されるとともに、所定のタイミングからリーチ演出に対応したセリフが再生されている。中の飾り図柄が停止した後には、再生チャンネル10、11において、大当り確定報知音が再生される。ここで、連チャン回数が1回である場合には、飾り図柄の仮停止表示期間中に大当り確定報知音(特別音1回)の出力を完了することができる。一方、連チャン回数が多くなればなるほど特別音の出力回数が多くなり、大当り確定報知音の出力期間が長くなるため、飾り図柄の仮停止表示期間中に大当り確定報知音の出力を完了することができなくなり、図33に示すように、ファンファーレの出力期間等に重複するようになる。そこで、他の音声の出力タイミングと重複し得る大当り確定報知音といった特別種類の音声を出力する再生チャンネルを固定することで、他の音声の再生・出力と干渉することなく、特別種類の音声を再生・出力することができる。また、大当り確定報知音は、連チャン回数が多くなればなるほど特別音の出力回数が多くなることで、ファンファーレの出力期間に重複することがあるようになっていたが、大当り確定報知音の出力期間を連チャン回数等に基づいて抽選で決定し、大当り確定報知音の出力期間として飾り図柄の仮停止表示期間を超えるが決定され得るようにしてもよい。このようにした場合でも、大当り確定報知音といった特別種類の音声を再生・出力するための再生チャンネルを固定することで、他の音声の再生・出力と干渉することなく、特別種類の音声を再生・出力することができる。
なお、ここでは、特別種類の音声が大当り確定報知音であり、大当り確定報知音が、飾り図柄の仮停止表示期間(第1状態)からファンファーレの出力期間(第2状態)といった遊技の状態が異なる複数種類の期間に亘って出力されることがある場合に、大当り確定報知音の再生に使用する再生チャンネルを固定する例について説明した。これに限定されず、遊技の状態が第1状態であるときから第2状態となるまでの期間に出力され得る特別種類の音声がある場合には、第1状態であるときと第2状態であるときとで共通の再生チャンネルを使用して当該特別種類の音声を再生するようにしてもよい。そして、その再生チャンネルは、第2状態において出力される音声の再生に使用する再生チャンネルとは別のものとすればよい。
さらに、以下の構成を備えるものであってもよい。
前記第1演出期間に再生される前記楽曲が使用するチャンネルと、前記第2演出期間に再生される前記楽曲が使用するチャンネルとを共通にし(例えば楽曲を再生する再生チャンネル14,15)、前記音制御手段は、共通にしたチャンネルに設定する音量を制御する(例えば楽曲Aの再生チャンネル(14、15)の音量を、音量設定で設定した設定値の50%の音量にセットする)ことで、前記音出力手段から出力される音量を変化させるものであってもよい。このような構成によれば、使用するチャンネル数を増やすことなく、設計の自由度を高めることができる。
また、前記第1演出期間は、可変表示装置において識別情報の可変表示が行われている期間(例えば飾り図柄の可変表示が行われている期間中(変動中))であり、前記第2演出期間は、有利条件の成立にもとづいて有利な有利状態に制御されている期間である(例えば大当り遊技状態に制御されている期間中(大当り中))ものであってもよい。このような構成によれば、複数の遊技状態を跨いで楽曲を継続して再生する場合に好適な音量で出力することができる。
また、前記音制御手段は、前記第2演出期間であっても、前記音出力手段から特定の報知音(例えば遊技者にとって有利な状態になることを報知または予告する演出音や、演出音以外のエラー音)を出力する場合、再生される前記楽曲の前記音出力手段から出力される最大音量を小さくする(例えば音量設定で設定した設定値の50%の音量)ものであってもよい。このような構成によれば、第2演出期間中に楽曲を大きな音で再生しつつ、報知音を報知する確実性を高められることができる。
また、前記所定の遊技が第1状態であることまたは第2状態であることに応じた特定種類の音声(例えばセリフ)を出力する制御が可能であるとともに、前記所定の遊技が前記第1状態であることまたは前記第2状態であることに応じた特別種類の音声(例えば大当り確定報知音)を出力する制御が可能であり、前記所定の遊技が前記第1状態であるときに前記特定種類の音声を出力する際に使用するチャンネル(例えば再生チャンネル8、9)と、前記所定の遊技が前記第2状態であるときに前記特定種類の音声を出力する際に使用するチャンネル(例えば再生チャンネル0、1)と、が異なるよう制御する一方、前記特別種類の音声を出力する際には、前記所定の遊技が前記第1状態であるときと、前記所定の遊技が前記第2状態であるときと、で共通のチャンネル(例えば再生チャンネル10、11)を使用するよう制御するものであってもよい。このような構成によれば、音声の出力の自由度が向上する。また、特別種類の音声を好適に出力することができる。
[その他]
前記実施の形態における第1特別可変入賞球装置7aは、上流側大入賞口24aおよび下流側大入賞口24c各々に対応してカウントスイッチが設けられている例について説明したが、これに限らず、上流側大入賞口24aに入賞した遊技球と、下流側大入賞口24cに入賞した遊技球とを一つのカウントスイッチで検出するように構成されているものであってもよい。また、上流側大入賞口24aおよび下流側大入賞口24c各々を開閉状態にする底面部材23aおよび底面部材23cは、一つのソレノイド106および一つの駆動機構により駆動される例について説明したが、これに限らず、底面部材23aおよび底面部材23c各々に対し別箇のソレノイドおよび駆動機構(つまり、個別に設けられた駆動手段)を設け、底面部材23aおよび底面部材23cそれぞれが別個に駆動されるように構成されているものであってもよい。
また、本実施の形態では、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU103は、1つ目のコマンドでは、例えば、擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU103の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
また、前記実施の形態では、第1始動入賞口に遊技球が入賞することに応じて第1特別図柄の変動表示を実行する第1特別図柄表示装置4Aと、第2始動入賞口に遊技球が入賞することに応じて第2特別図柄の変動表示を実行する第2特別図柄表示装置4Bとをパチンコ遊技機1に設けた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設ける特別図柄表示部は1つのみであっても良い。このようにパチンコ遊技機1に設ける特別図柄表示部を1つのみとする場合は、始動入賞口を1つのみとしても良く、また、該1つの特別図柄表示部において第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示を実行するようにしても良い。
また、前記実施の形態では、大当り種別として15ラウンドの大当り遊技の実行後に確変制御と100回の特図ゲーム(変動表示)に渡って時短制御が実行される確変大当りA、10ラウンドの大当り遊技の実行後に確変制御と100回の特図ゲーム(変動表示)に渡って時短制御が実行される確変大当りB、5ラウンドの大当り遊技の実行後に確変制御と100回の特図ゲーム(変動表示)に渡って時短制御が実行される確変大当りC、15ラウンドの大当り遊技の実行後に50回の特図ゲーム(変動表示)に渡って時短制御が実行される非確変大当りA、15ラウンドの大当り遊技の実行後に20回の特図ゲーム(変動表示)に渡って時短制御が実行される非確変大当りB及び10ラウンドの大当り遊技の実行後に100回の特図ゲーム(変動表示)に渡って時短制御が実行される非確変大当りCを設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら確変大当りA〜C、非確変大当りA〜C以外にも確変制御が実行されるか否か、時短制御が実行される特図ゲーム(変動表示)の回数、大当り遊技におけるラウンド数が異なる大当り種別を設けても良い。
また、前記実施の形態では、確変大当りAを第1特定遊技状態、確変大当りBを第2特定遊技状態、非確変大当りCを第3特定遊技状態とし、大当り種別がこれら確変大当りB、非確変大当りCまたは確変大当りCである場合と、非確変大当りAまたは非確変大当りBである場合は、それぞれで遊技者が特定困難な表示図柄を第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに導出表示するとともに、演出表示装置5において演出図柄を同一の数字揃いで導出表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2特定遊技状態である確変大当りBと第3特定遊技状態である非確変大当りCでのみ遊技者が特定困難な表示図柄を第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに導出表示するとともに、演出表示装置5において演出図柄を同一の数字揃いで導出表示すようにし、第1特定遊技状態、第2特定遊技状態及び第3特定遊技状態のいずれでもない大当り種別(確変大当りC、非確変大当りA、非確変大当りB)においては、それぞれで異なる表示図柄を第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに導出表示するとともに、演出表示装置5において演出図柄を異なる数字揃いで導出表示するようにしても良い。
また、前記実施の形態では、大当り遊技において大入賞口の開放を実施することで多くの遊技球を獲得できる大当りのみを発生させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変大当りBを、ラウンド遊技における大入賞口の開放時間を著しく短くして(短期開放ラウンド)、大入賞口が開放したことを遊技者に認識されないようにし、更に大当り遊技終了後に時短制御を実行しないようにすることで、該確変大当りBの発生により、突然に確変状態となったように見せる突確大当りとしても良い。尚、このように確変大当りBを突確大当りとする場合には、前記実施の形態の非確変大当りCに替えて、確変大当りBの大当り遊技における大入賞口の開放パターンと同一の開放パターンにて大入賞口を開放する小当りを設けるようにして、確変大当りBや小当りの発生後の遊技状態が、高確状態であるのか、或いは低確状態にあるのかが不明な状態(いわゆる潜伏状態)が発生するようにしても良い。
本発明の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払い出され、遊技者は払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。