以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態では、本発明に係る弾球遊技機として、パチンコ遊技機を例にとって説明する。
<1.構成の概要:図1および図2>
図1に示すパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に額縁状の前枠2を開閉可能に取り付け、前枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3(図2参照)を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前枠2の開口部に臨ませた構成を有する。この遊技領域3aの前側には、透明ガラスを支持したガラス扉6が設けられている。
ガラス扉6の下側には、ヒンジ(図示せず)により前枠2に開閉自在に枢支された前面操作パネル7が配置されている。前面操作パネル7には、上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。
また上受け皿ユニット8には、上受け皿9に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14と、遊技球貸出装置(図示せず)に対して遊技球の払い出しを要求するための球貸しボタン11と、遊技球貸出装置に挿入した有価価値媒体の返却を要求するためのカード返却ボタン12とが設けられている。また上受け皿ユニット8には、遊技者が操作可能に構成され、その操作に応じて演出に変化をもたらすための「枠演出ボタン13(手操作手段)」が設けられている。この演出用ボタン13は、たとえば、所定の入力受付期間中に内蔵ランプが点灯されて操作可能(入力受付可能)となり、その内蔵ランプ点灯時(入力受付期間中)に押下されることにより、特定の演出に変化をもたらすことが可能となっている。なお、演出用ボタン13は、押しボタン式、ジョグダイヤル式、タッチパネル式の操作手段などが挙げられ、いずれの操作手段も手操作手段として採用することができる。
また前面操作パネル7の右端部側には、発射装置32(図3参照)を作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。また前枠2の上部の両側と発射操作ハンドル15の上側とには、音響により音演出効果(効果音)を奏するスピーカ46が設けられている。また、ガラス扉6の各所には、光の装飾により光演出効果を奏する、複数の装飾ランプ45が設けられている。
次に図2を参照して、遊技盤3の構成について説明する。本実施形態に係る遊技盤3には、図示のように、発射された遊技球を案内する球誘導レール5が盤面区画部材として環状に装着されている。この球誘導レール5取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域3aとなっており、四隅は非遊技領域となっている。
この遊技領域3aの略中央部には、液晶表示装置(LCD)36が設けられている。この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24の制御の下、たとえば3つ(左、中、右)の表示エリア(図柄変動表示領域)において、独立して数字やキャラクタや記号などによる複数種類の装飾図柄(たとえば、左図柄(左表示エリア対応)、中図柄(中表示エリア対応)、右図柄(右表示エリア対応))の変動表示動作(変動開始および変動停止を一セットする変動表示動作)を含む、種々の演出を画像により表示する。
また遊技領域3a内には、液晶表示装置36の表示面の周りを遠巻きに囲繞する形でセンター飾り48が設けられている。センター飾り48は、遊技盤3の前面側に沿って設けられ、遊技盤3に固定される前面装着板48aと、センター飾り48の外周囲を形成し液晶表示装置36の表示画面を取り囲む鎧枠部48bとを一体に備えている。このセンター飾り体48の上面と球誘導レール5との間には遊技球が通過可能な遊動領域が形成され、センター飾り48の右側へも遊技球が案内されるようになっている。発射装置32により遊技領域3aの上部側に打ち込まれた遊技球は、遊技球の打ち出しの強さまたはストローク長によって、鎧枠部48bの上部側で左右に振り分けられ、センター飾り体48の左側の左流下経路3bと右側の右流下経路3cとのいずれかを流下する。
また遊技盤3の右上縁付近(右上隅)の非遊技領域は各種機能表示部となっており、7セグメント表示器(ドット付)を上始動口34(第1の特別図柄用)と下始動口35(第2の特別図柄用)に対応させて横に並べて構成される特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示手段)と特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示手段)とが設けられている。特別図柄表示装置38a、38bでは、7セグにより表現される「特別図柄」の変動表示動作(変動開始および変動停止を一セットする変動表示動作)により特別図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。なお上記の液晶表示装置36は、この特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、画像による装飾図柄を変動表示するもので、種々の予告演出(演出画像)とともに装飾図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また各種機能表示部には、特別図柄表示装置38a、38bの隣りに、7セグメント表示器(ドット付)からなる複合表示装置(保留複合表示用LED表示器)38cが配設されている。複合と称したのは、特別図柄1の作動保留球数の表示、特別図柄2の作動保留球数の表示、変動時間短縮機能作動中(時短中)および高確率状態中(高確中)の状態報知という、5つの表示機能を有する保留・時短・高確複合表示装置(以下単に「複合表示装置」と称する)であるからである。
また各種機能表示部には、複合表示装置38cの隣りに、複数個(この実施形態では2個)のLEDを配置してなる普通図柄表示装置39a(普通図柄表示手段)が設けられている。この普通図柄表示装置39aでは、2個のLEDにより表現される普通図柄の変動表示動作により普通図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。たとえば、変動表示動作として、LEDによる普通図柄がシーソー的に交互に点灯と消灯を繰り返し、いずれかの側が点灯した状態で停止することで、普通図柄変動表示ゲームの当否が判明するようになっている。また、この普通図柄表示装置39aに隣接して3個のLED(第1〜第3ラウンド表示LED)を配置してなるラウンド数表示装置39bが設けられている。このラウンド数表示装置39bは、3つのLEDの点灯・消灯状態の組合せにより、大当りに係る規定ラウンド数(最大ラウンド数)を報知する。
センター飾り48の下方には、上始動口34(第1の特別図柄始動口:第1の始動手段)と、下始動口35(第2の特別図柄始動口:第2の始動手段)を備える普通変動入賞装置41とが上下に設けられ、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ34a、35a(上始動口センサ34a、下始動口センサ35a:図3参照)が形成されている。
第1の特別図柄始動口である上始動口34は、特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示装置)における第1の特別図柄(以下、「特別図柄1」と称し、場合により「特図1」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、始動口開閉手段(始動口を開放または拡大可能にする手段)を有しない「入賞率固定型の入賞装置」として構成されている。本実施形態の場合、遊技領域3a内の遊技球落下方向変換部材(たとえば、遊技くぎ(図示せず)、風車44、センター飾り48など)の作用により、上始動口34へは、左流下経路3bを流下してきた遊技球については入球(入賞)容易な構成であるのに対し、右流下経路3cを流下してきた遊技球については入球困難または入球不可能な構成となっている。
普通変動入賞装置41は、始動口開閉手段により始動口の遊技球の入賞率を変動可能な「入賞率変動型の入賞装置」として構成されている。本実施形態では、始動口開閉手段として、第2の特別図柄始動口である下始動口35を、開放または拡大可能にする左右一対の可動翼片(可動部材)47を備える、いわゆる「電動チューリップ型の入賞装置」として構成されている。
普通変動入賞装置41の下始動口35は、特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示装置)における第2の特別図柄(以下、「特別図柄2」と称し、場合により「特図2」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、この下始動口35の入賞領域は、可動翼片47の作動状態(作動または非作動)に応じて、入賞を容易とする開状態(入賞容易状態)と、その開状態よりも入賞を困難にし、または入賞を不可能にする閉状態(入賞困難状態)とに変換される。本実施形態では、可動翼片47が非作動の場合、下始動口35への入賞が不可能とする閉状態(入賞不可能状態)を保持している。
普通変動入賞装置41の両側には、一般入賞口43が左側に3つ、右側に1つ、計4つ配設されており、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43a(図3参照)が形成されている。
また普通変動入賞装置41の右斜め上方、つまり右流下経路3cの中間部より上部側には、遊技球が通過可能な通過ゲート(特定通過領域)からなる普通図柄始動口37(第3の始動手段)が設けられている。この普通図柄始動口37は、普通図柄表示装置39aにおける普通図柄の変動表示動作に係る入賞口であり、その内部には、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が形成されている。なお本実施形態では、普通図柄始動口37は右流下経路3c側にのみに形成され、左流下経路3b側には形成されていない形態となっているが、左流下経路3bのみに形成してもよいし、双方の流下経路に形成しても良い。
右流下経路3c内の普通図柄始動口37から普通変動入賞装置41へかけての経路途中には、突没式の開放扉52bにより大入賞口50を開放または拡大可能に構成された特別変動入賞装置52(特別電動役物、大入賞手段)が設けられており、その内部には大入賞口50に入球した遊技球を検出する大入賞口センサ52a(図3参照)が形成されている。
大入賞口50の周囲は、遊技盤3の表面から膨出した膨出部(装飾部材)55となっており、この膨出部55の上辺55aが右流下経路3cの下流案内部を形作っている。そして開放扉52bにより大入賞口50が閉鎖状態(大入賞口閉状態)であれば、この膨出部55の上辺55aと連続する面を形成することによって、右流下経路3cの下流案内部(上辺55a)の一部を形作るようになっている。また右流下経路3cの下流域には、膨出部55の上辺55aの上方の領域、正確には大入賞口50の上方の遊技領域において、遊技球の流下方向にほぼ平行に流路修正板51dが突設されており、流下する遊技球を大入賞口50の方向に寄せる働きをするようになっている。
大入賞口50への遊技球の入球過程は次のようになる。センター飾り48の上面と球誘導レール5との間の遊動領域を通過した遊技球は、遊技盤3より突出していて遊技球のガイドとして機能する膨出部55の頂面(上辺)55a上に沿って流下して来る。そして、その遊技球が遊技盤3面から突出している流路修正板51dの右端に接触し、これにより、当該遊技球の流下方向は大入賞口50の方向(下方向)に修正される。このとき、突没式の開放扉52bにより大入賞口50が蓋をされている状態(大入賞口閉状態)であれば、この上を遊技球が転動して、さらに図示しない所定配列の遊技くぎにより、チューリップ式の普通変動入賞装置41(下始動口35)の方向に導かれる。このとき、下始動口35が入賞可能状態(始動口開状態)であれば、下始動口35に遊技球が入賞し得る。他方、開放扉52bが遊技盤面内に後退していて大入賞口50が開いている状態(大入賞口開状態)であれば、遊技球が大入賞口50内に導かれる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技者が特別変動入賞装置52側に発射位置を狙い定めた場合(遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定めた場合)、上始動口34側には遊技球が誘導され難い、または誘導されない構成となっている。したがって「大入賞口閉状態」であれば、普通変動入賞装置41の可動翼片47が作動しない限り、各始動口34、35への入賞が困難または不可能とされるようになっている。
上記した入賞手段が左右の流下経路のいずれに属するか、つまり左流下経路3bまたは右流下経路3cのいずれを流下する遊技球が入賞可能であるかについて分類すると、左流下経路3bに属する入賞手段には、上始動口34、下始動口35、および左側の3つの一般入賞口43があり、右流下経路3cに属する入賞手段には、上始動口34、下始動口35、普通図柄始動口37、大入賞口50、および右側の1つの一般入賞口43がある。
上始動口34については、概ね左流下経路3bまたは左流下経路3bのみに属し、右流下経路3cからの遊技球については、入賞困難または入賞不可能となっている。すなわち、遊技領域3a内の遊技くぎやその他の遊技部品の配置は、左流下経路3bを流下して来た遊技球について、これを上始動口34へ誘導し得るが、右流下経路3cを流下してきた遊技球については、これを上始動口34へ誘導困難または誘導しない、という誘導路を形成するように配設されている。
また下始動口35については、可動翼片47が開いた状態(始動口開状態)であれば、左流下経路3bおよび右流下経路3cの双方に属するもの、つまり左右のいずれの流下経路からも入賞が可能となっている。ただし、下始動口35を開閉する可動翼片47は、遊技領域3aの右側に位置する普通図柄始動口37への遊技球の通過(入賞)がその作動条件となっているので、下始動口35は、実質的には右流下経路3cにのみに属するものといえる。なお、この可動翼片47は、後述の電サポ有り状態を伴う遊技状態になると、通常状態よりも有利な開閉パターンで動作するようになっている。
また大入賞口50については右流下経路3cのみに属し、右流下経路3cからの遊技球だけが入賞可能となっている。
本実施形態の場合、遊技者がどのような打ち方をすれば有利な状況となるかについては、遊技状態が後述の電サポ無し状態を伴う遊技状態であれば、遊技球が左流下経路3bを通過するように狙いを定める「左打ち」が有利とされ、後述の電サポ有り状態を伴う遊技状態であれば、遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定める「右打ち」が有利とされる。
なお、各入賞手段については、その個数、形状、形成位置などについては適宜変更することができる。また各入賞手段が左右の流下経路のいずれに属するかについても、適宜変更することができる。たとえば、大入賞口50については、左流下経路3bおよび右流下経路3cの双方に属するもの、つまり左右のいずれの流下経路からも入賞が可能となるように構成してもよい。また上始動口34、下始動口35または普通図柄始動口37についても同様に、左流下経路3bおよび右流下経路3cの双方に属するものとして構成してもよい。また上述のように、入賞手段を「左流下経路3bおよび右流下経路3cの双方に属するもの」として構成した場合、たとえば、一方の左流下経路3bからの遊技球は入賞容易であるが、他方の右流下経路3cからの遊技球については、その入賞が困難なものとなるように形成し、実質的に、いずれかの流下経路に属する構成としてもよい。
本実施形態のパチンコ遊技機1においては、遊技領域3aに設けられた各種入賞口のうち、普通図柄始動口37以外の入賞口への入賞があった場合には、各入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの賞球数(たとえば、上始動口34または下始動口35は3個、大入賞口50は13個、一般入賞口43は10個)が遊技球払出装置19から払い出されるようになっている。なお上記の各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。ここで「入賞」とは、入賞口がその内部に遊技球を取り込んだり、または入賞口が遊技球を内部に取り込む構造ではなく、通過型のゲートからなる入賞口(たとえば、普通図柄始動口37)である場合は、そのゲートを遊技球が通過したりすることをいい、実際には入賞口ごとに形成された各入賞検出スイッチにより遊技球が検出された場合、その入賞口に「入賞」が発生したものとして扱われる。この入賞に係る遊技球を「入賞球」とも称する。なお、入賞口に遊技球が入球すれば、その遊技球は入賞検出スイッチにより検出されることとなるため、本明細書中では特に断りのない限り、入賞検出スイッチに遊技球が検出された場合に限らず、入賞口に遊技球が入球した場合を含めて「入賞」と称する場合がある。
<可動体役物>
また遊技盤の領域内には遊技球の流下を妨害しない位置に複数の可動体役物が配設されている。本例ではセンター飾り48内の右上側、つまり右流下経路3cを通る遊技球の流下を妨害しない位置に第1の可動体役物(時計型役物)80が配設され、その右斜め下側に第2の可動体役物(花型役物)90が配設されている。また第3の可動体役物(回転灯62および発光装置を納めた半透明の球状の可動体73)が演出用ボタン13内に揺動および回転可能に一体的に組み込まれている。
(第1の可動体役物80)
第1の可動体役物は、ローマ文字「I」から「XII」の数字が付されて12の数字セクターに区画された数字表示部からなる時計盤部81と、この時計盤部81上を回動し、必要に応じて時分を示すことができる短針および長針からなる時計針82とを有し、全体として時計型役物80として構成されている。この時計型役物80は、時計針82がぐるぐる高速で回り、時計盤部81の数字セクターが所定の「色と個数」で発色し、遊技者に対し当り期待度を示す働きをする。
(第2の可動体役物90)
第2の可動体役物90は、花心A1の周りに複数枚の花弁からなる花冠A2を配し、花心A1および花冠A2を上下方向に移動(落下移動)可能に構成した第1可動体91と、その花冠A2の外側周囲に位置する萼B1を茎部B2の先端に取り付け、萼B1および茎部B2を左右方向に移動(突出移動)可能に構成した第2可動体92とから構成される。第1可動体91と第2可動体92は、液晶画面の片側近く(右側方)に位置し、互いに独立に動作可能である。
第1可動体91は、通常は液晶画面に対して図2の実線位置(後述する合体位置)よりも上方のホームポジション(原位置)に位置し、また第2可動体92は、通常は液晶画面に対して図2の実線位置よりも右方のホームポジション(原位置)に位置する。そして、第1可動体91は単独に上方の原位置から液晶画面右上の図2の実線位置に花冠A2が来るように移動でき、また、第2可動体92は単独に右方のホームポジション(原位置)から液晶画面右上の図2の実線位置に萼B1が来るように移動できる。第1可動体91と第2可動体92は、両者が同時に作動して図2の実線位置(合体位置)まで移動した場合、ここで花冠A2と萼B1が重なり合って合体し、花心A1の周りに花冠A2を配し、更にその外側周囲に萼B1を配して花被を二重にした「花型部」を形作る。この意味で、第2の可動体役物90は「花型役物」とも称される。
この花型役物90は、大当りまたはハズレの場合に、所定の条件下で作動する。第1可動体91と第2可動体92が合体した場合、第1可動体91(花心A1および花冠A2)が第2可動体92の茎部B2の先端部において回転すると共に、半透明の花心A1、花冠A2および萼B1が後方からランプやフルカラーLEDにより照らされて美しく光色する。これらの作用により遊技者に対する当り期待感を高める。なお、図柄変動表示動作が停止すると、花型役物90は図2に実線で示す演出位置(合体位置)から原点位置に戻る。
この第2の可動体役物90の可動体組合せ動作態様種別には、上方に位置する第1可動体91の落下移動と、右方に位置する第2可動体92の突出移動との組合せとして、「上」「右」「上→右」「右→上」「両方」の5種類がある。そして、この組合せが定まったとき、動作させるべきとされた第1可動体91および第2可動体92の一方または両方を動作させる役物動作タイミングが種別として、リーチタイトル発生後、SPリーチ発生後、図柄仮停止後のそれぞれの時点から経過したいかなるタイミング時点で動作させるか、つまり何秒後に動作させるのかについて、1秒後〜10秒後まで1秒ごとに区分けして、計10種類が定められている。
(第3の可動体役物73:図2)
演出用ボタン13は、図2に概略を示すように、受け皿ユニット8と表面が一体をなすように構成された透明枠71内に、比較的大きな表面積を持つ透明な押圧ボタン型筒体72を上下動可能に組み込み、この押圧ボタン型筒体72内またはその下方(以下、単に押圧ボタン型筒体72内と略す。)において、第3の可動体役物としての可動体73をローリング可能につまり回転可能かつ複数方向に揺動可能に組み込んだ構造となっている。
可動体73(第3の可動体役物)は、押圧ボタン型筒体72内に配置され、遊技者から見て横軸を中心に回転可能かつ左右方向に揺動できるように装置した半透明の球状の空枠と、この空枠内に納めた回転灯62および発光装置から構成されている。押圧ボタン型筒体72を押したとき、またはその前後の所定のタイミングにおいて、可動体73がローリング動作(回転および揺動運動)し、その動作の様を空枠内部または周囲から有色光で照明して、遊技者が外部から視認できる構造となっている。
上記構造の演出用ボタン13は、その操作時の可動体73の動作態様が「通常静止中」、「回転灯待機中」、「ローリング動作中」のいずれにあるかの違いにより、「通常ボタン13A(第1演出ボタン)」、「回転灯ボタン66(第2演出ボタン:ラッキーパト)」、「爽快ボタン70(第3演出ボタン:ローリングボタン)」として使い分けされる。
回転灯ボタン66(ラッキーパト)は、赤色半透明の包囲体64中に、光源としてのランプ(またはLED)62aと、このランプ62aからの光を反射させる反射体としての反射鏡62bとを備えた回転灯62からなり、反射鏡62bを回転させることで、光源から発光された光の進行方向を変化させるように構成されている。この第3の可動体役物は、大当り確定予告(いわゆる一発告知)をなす演出手段として作用する。一発告知をなす場合は、図柄変動表示ゲームが開始されるとともに、または図柄変動表示ゲームの特定の演出の発生を契機に、一発告知音(確定音)が発生される。図柄変動表示ゲームの開始を契機に発生する場合には、図柄変動表示動作の変動開始から変動停止までの長い変動期間中にわたって回転灯63が作動される。すなわち、回転灯62のランプ62aが点灯され続けると共に、ステッピングモータ63により反射鏡62bが回転され続ける。これにより遊技者は、図柄変動表示ゲームの結果が液晶表示装置36に表示される前に、大当りに当選したことを衝撃的に知ることができる。なお、一発告知は、特定の大当り(たとえば、利益度合いの高い大当り(後述の16R長開放確変大当りや10R長開放確変大当りなど)に限り、発生可能に構成してもよい。
(方向キー75:図2)
また、遊技者により操作可能な操作手段として、上記演出用ボタン13の他に、方向キー75(第4演出ボタン)が設けられている。方向キー75は、上方向を指し示すボタン75a、右方向を指し示すボタン75b、下方向を指し示すボタン75c、左方向を指し示すボタン75dから構成されている。各ボタンは十字状に配置されており、遊技者から見た各ボタンの配置は、上方向のボタン75aが奥側、下方向のボタン75cが手前側、右方向のボタン75bが右側、左方向のボタン75dが左側に配置されている。画面上に複数の選択用画像(選択肢)が表示されている場合に、これらのボタン75a〜dを遊技者が操作(押圧)することで、いずれか1つを選択できる構造となっている。
<2.制御装置:図3>
図3を参照して、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の制御装置は、遊技動作全般に係る制御(遊技動作制御)を統括的に司る主制御部(主制御手段)20と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、画像と光と音と可動体役物とについての演出動作制御(演出現出制御)を統括的に司る演出制御部(演出制御手段)24と、賞球の払い出し制御を行う払出制御基板(払出制御手段)29と、外部電源(図示せず)から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板(電源制御手段)31と、を中心に構成される。また演出制御部24には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお、図3において電源供給ルートは省略してある。
(2−1.主制御部20)
主制御部20は、CPU201(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータを格納するROM202(主制御ROM)と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203(主制御RAM)とを搭載し、全体としてマイクロコンピュータ(Z80システム相当品)を構成している。
また図示はしていないが、主制御部20は、Z80システムに周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するCTC(Counter Timer Circuit)、CPUに割込み信号を付与するタイマ割込などの割込許可/割込禁止機能を発揮する割込コントローラ回路、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成するためのカウンタ回路なども備えている。上記カウンタ回路は、乱数を生成する乱数生成回路と、その乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。CPU201は、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数生成回路が示している数値を内部抽選用乱数値(大当り判定用乱数)として取得し、その乱数値を大当り抽選に利用する。なお、内部抽選用乱数は、当り狙い打ち等のゴト行為を防ぐために、適宜なソフトウェア処理で生成しているソフト乱数値と、ハード乱数値とを加算したものを取得している。
主制御部20には、上始動口34への入賞を検出する上始動口34aと、下始動口35への入賞を検出する下始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、大入賞口50への入賞を検出する大入賞口センサ52aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aと、パチンコ遊技機1に対する不正行為を検出するための不正検出センサ99(振動センサ、磁気センサ等)とが接続され、主制御部20はこれらからの検出信号を受信可能となっている。
また主制御部20には、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通電動役物ソレノイド41cと、大入賞口50の開放扉52bを開閉制御するための大入賞口ソレノイド52cとが接続され、主制御部20はこれらを制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、特別図柄表示装置38aと特別図柄表示装置38bとが接続され、主制御部20は、特別図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また、主制御部20には、普通図柄表示装置39aが接続され、普通図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、複合表示装置38cが接続され、主制御部20は、これに表示される各種情報を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また主制御部20には、ラウンド数表示装置39bが接続され、主制御部20は、大当りによる規定ラウンド数を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、枠用外部集中端子基板21が接続され、主制御部20は、この枠用外部集中端子基板21を介して、遊技機外部に設けられたホールコンピュータHCに対し、所定の遊技情報(たとえば、大当り情報、賞球数情報、図柄変動表示ゲームの実行情報等)を送信可能となっている。ホールコンピュータHCは、主制御部20からの遊技情報を監視して、パチンコホールの遊技機の稼働状況を統括的に管理する。
また主制御部20には、払出制御基板(払出制御部)29が接続され、この払出制御基板29には、発射装置32を制御する発射制御基板(発射制御部)28と、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置(遊技球払出手段)19とが接続されている。主制御部20は、払出制御基板29に対し、払い出しに関する制御コマンド(賞球数を指定する払出制御コマンド)を送信可能となっている。この払出制御基板29の主な役割は、主制御部20からの払出制御コマンドの受信、払出制御コマンドに基づく遊技球払出装置19の賞球払い出し制御、主制御部20への払出状態信号の送信などである。主制御部20は、払出状態信号に基づき、遊技球払出装置19の機能が正常か否か(玉詰まりや賞球の払い出し不足などが生じたか否か)を監視している。
また払出制御基板29は、発射制御基板28に対し発射制御信号を送信可能になっている。発射制御基板28は、上記発射制御信号に基づき、発射装置32に設けられた発射ソレノイド(図示せず)への通電を制御し、発射操作ハンドル15の操作による遊技球発射動作を実現している。
また払出制御基板29は発射制御基板28に対し発射制御信号を送信可能になっている。発射制御基板28は、上記発射制御信号に基づき、発射装置32に設けられた発射ソレノイド(図示せず)への通電を制御し、発射操作ハンドル15の操作による遊技球発射動作を実現している。
また主制御部20は、処理状態に応じて、特別図柄変動表示ゲームに関する情報やエラーに関する情報などを含む種々の演出制御コマンドを、演出制御部24に対して送信可能となっている。ただし、ゴト行為を防止するために、主制御部20は演出制御部24に対して信号を送信するのみで、演出制御部24からの信号を受信不可能な片方向通信の構成となっている。
(2−2.演出制御部24)
演出制御部24は、CPU241(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、演出制御処理に要する演出データを格納したROM242(演出制御ROM)と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM243(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータを中心に構成され、その他、音源IC、タイマ割込/割込禁止機能などを備える割込みコントローラ回路、ハードウェア的に乱数を生成するためのカウンタ回路などが設けられている。
この演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶表示装置36の画像表示制御、スピーカ46の音制御、装飾ランプ45を含む演出用LEDの発光制御、可動体役物の動作制御などである。
また演出制御部24は、液晶表示装置36の表示制御を司る表示制御部(図示せず)を備えている。この表示制御部は、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を中心に構成されている。
また演出制御部24は、種々の演出(光演出や音演出や可動体演出)を現出させるために、装飾ランプ45や時計型役物80の時計盤部(数字表示部)81や各種LEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部(音源LSI)、および可動体役物モータ61、61a、61b、63、73aに対する駆動制御部(モータ駆動回路)などを備えている。ここで、可動体役物モータ61は時計型役物80を構成する時計針82の駆動用、可動体役物モータ61a、61bは花型役物90を構成する可動体91、92の駆動用、可動体役物モータ63は回転灯62を構成する反射鏡62bの駆動用、可動体役物モータ73aはローリングボタン70を構成する可動体73の駆動用である。演出制御部24は、これらの駆動制御部に対し、演出手段に関する制御信号を送信可能となっている。
また演出制御部24には、時計針82に対する位置検出スイッチ97と、花型役物90の第1可動体91、第2可動体92に対する位置検出スイッチ97a、97bとが接続され、演出制御部24はこれらからの検出信号を受信可能となっている。演出制御部24は、各位置検出スイッチ97、97a、97bからの検出信号に基づき、可動体役物の現在の動作位置(たとえば、原点位置からの移動量)を監視しながらその動作態様を制御し、また可動体役物の動作の不具合(正常動作か否か(たとえば、動作後、原点位置に正しく戻っているか否かなど))を監視する。
また演出制御部24には、遊技者が操作可能な第1〜第4演出ボタンのスイッチ、つまり演出用ボタン13のスイッチ、回転灯スイッチ65および方向キー75が接続され、演出制御部24は、これらの演出用ボタン13A、66、70、75a〜dからの操作検出信号を受信可能となっている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンドに基づき、あらかじめ用意された複数種類の演出パターンの中から抽選によりあるいは一意に決定し、必要なタイミングで各種演出手段を制御する。これにより、演出パターンに対応する液晶表示装置36による演出画像の表示、スピーカ46からの音の再生、装飾ランプ45やLEDの点灯点滅駆動が実現され、種々の演出パターン(装飾図柄変動表示、予告演出など)が時系列的に展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。
なお演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、CPU201(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、CPU241(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、CPU201によりアクティブ状態に制御される。
また演出制御部24(CPU241)は、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、この割込処理において演出制御コマンドが取得されるようになっている。またCPU241は、CPU201とは異なり、ストローブ信号の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
<3.動作の概説>
次に、上記制御装置(図3)を用いた本実施形態のパチンコ遊技機1に係る遊技動作について説明する。
(3−1.図柄変動表示ゲーム)
(3−1−1.特別図柄変動表示ゲーム、装飾図柄変動表示ゲーム)
本実施形態のパチンコ遊技機1では、所定の始動条件、具体的には、遊技球が上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「大当り抽選」が行なわれる。主制御部20は、その抽選結果に基づき、特別図柄表示装置38a、38bに特別図柄1、2を変動表示して特別図柄変動表示ゲームを開始させ、所定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置に導出表示して、これにより特別図柄変動表示ゲームを終了させる。
ここで本実施形態では、上始動口34への入賞に基づく大当り抽選と、下始動口35への入賞に基づく大当り抽選とは別個独立して行われる。このため、上始動口34に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38a側で、下始動口35に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38b側で導出されるようになっている。具体的には、特別図柄表示装置38a側においては、上始動口34に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄1を変動表示して第1の特別図柄変動表示ゲームが開始され、他方、特別図柄表示装置38b側においては、下始動口35に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄2を変動表示して第2の特別図柄変動表示ゲームが開始されるようになっている。そして、特別図柄表示装置38a、または特別図柄表示装置38bにおける特別図柄変動表示ゲームが開始されると、所定の変動表示時間経過後に、大当り抽選結果が「大当り」の場合には所定の「大当り」態様で、それ以外の場合には所定の「ハズレ」態様で、変動表示中の特別図柄が停止表示され、これによりゲーム結果(大当り抽選結果)が導出されるようになっている。
なお本明細書中では、説明の便宜上、特別図柄表示装置38a側の第1の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム1」と称し、特別図柄表示装置38b側の第2の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム2」と称する。また特に必要のない限り、「特別図柄1」と「特別図柄2」とを単に「特別図柄」と称し(場合により「特図」と略す)、また「特別図柄変動表示ゲーム1」と「特別図柄変動表示ゲーム2」とを単に「特別図柄変動表示ゲーム」と称する。
また上述の特別図柄変動表示ゲームが開始されると、これに伴って、液晶表示装置36に装飾図柄(演出的な遊技図柄)を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームが開始され、これに付随して種々の演出が展開される。そして、特別図柄変動表示ゲームが終了すると、装飾図柄変動表示ゲームも終了し、特別図柄表示装置には大当り抽選結果を示す所定の特別図柄が、そして液晶表示装置36には当該大当り抽選結果を反映した装飾図柄が導出表示されるようになっている。すなわち、装飾図柄の変動表示動作を含む演出的な装飾図柄変動表示ゲームにより、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映表示するようになっている。
したがってたとえば、特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」である場合(大当り抽選結果が「大当り」である場合)、装飾図柄変動表示ゲームではその結果を反映させた演出が展開される。そして特別図柄表示装置において、特別図柄が大当りを示す表示態様(たとえば、7セグが「7」の表示状態)で停止表示されると、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、装飾図柄が「大当り」を反映させた表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)で停止表示される。
この「大当り」となった場合、具体的には、特別図柄変動表示ゲームが終了して、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが終了し、その結果として「大当り」の図柄態様が導出表示された後、特別変動入賞装置52の大入賞口ソレノイド52c(図3参照)が作動して開放扉52bが所定のパターンで開閉動作を行い、これにより大入賞口50が開閉され、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉52bにより、大入賞口の開放時間が所定時間(最大開放時間:たとえば、29.8秒)経過するまでか、または大入賞口に入賞した遊技球数(大入賞口50への入賞球)が所定個数(最大入賞数:役物の1回の作動によりその入口が開き、または拡大した入賞口に対して許容される入賞球数の上限個数:たとえば、9個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満した場合に大入賞口が閉鎖される、といった「ラウンド遊技」が、あらかじめ定められた規定ラウンド数(たとえば、最大16ラウンド)繰り返される。なお、大入賞口50が閉鎖される条件はこれに限らず、大入賞口の開放時間のみに基づくものであっても良いし、大入賞口に入賞した遊技球数のみに基づくものであっても良い。
上記大当り遊技が開始すると、最初に大当りが開始された旨を報知するオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、ラウンド遊技があらかじめ定められた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。そして、規定ラウンド数終了後には、大当りが終了される旨を報知するエンディング演出が行われ、これにより大当り遊技が終了する。すなわち、大当り遊技は、大別すると、オープニング演出期間、最大ラウンド数を上限としたラウンド遊技実行期間、およびエンディング演出期間の各遊技期間から構成される。ただし、大入賞口閉状態であるオープニング演出期間とエンディング演出期間とを除いたラウンド遊技実行期間を、大当り遊技期間と捉えても良い。
上記の装飾図柄変動表示ゲームの実行に必要な情報に関しては、まず主制御部20が、上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、具体的には、上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aにより遊技球が検出されて始動条件(特別図柄に関する始動条件)が成立したことを条件に、「大当り」、「小当り」、または「ハズレ」のいずれであるかを抽選する‘当落抽選(当否種別抽選)’と、「大当り」であったならばその大当り種別を、「小当り」であったならばその小当り種別を、「ハズレ」であったならばそのハズレ種別を抽選する‘図柄抽選(当選種別(当り種別)抽選)’とを含む大当り抽選を行い(ハズレが1種類の場合は、ハズレ種別の抽選を行う必要がないため、その抽選を省略することができる)、その抽選結果情報に基づき、特別図柄の変動パターンや、当選種別に応じて最終的に停止表示させる特別図柄(以下、「特別停止図柄」と称する)を決定する。そして、処理状態を特定する演出制御コマンドとして、少なくとも特別図柄の変動パターン情報(たとえば、大当り抽選結果および特別図柄の変動時間に関する情報など)を含む「変動パターン指定コマンド」を演出制御部24側に送信する。これにより、装飾図柄変動表示ゲームに必要とされる基本情報が演出制御部24に送られる。なお本実施形態では、演出のバリエーションを豊富なものとするべく、特別停止図柄の情報(図柄抽選結果情報(当り種別に関する情報))を含む「装飾図柄指定コマンド」も演出制御部24に送信するようになっている。
上記特別図柄の変動パターン情報には、特定の予告演出(たとえば、後述の「リーチ演出」や「疑似連演出」など)の発生の有無を指定する情報を含むことができる。詳述するに、特別図柄の変動パターンは、大当り抽選結果に応じて、当りの場合の「当り変動パターン」と、ハズレの場合の「ハズレ変動パターン」に大別される。これら変動パターンには、たとえば、リーチ演出の発生を指定する‘リーチ変動パターン’、リーチ演出の発生を指定しない‘通常変動パターン’、疑似連演出とリーチ演出との複合発生を指定する‘疑似連有りリーチ変動パターン’、疑似連演出の発生を指定し、リーチ演出の発生は指定しない‘疑似連有り通常変動パターン’など、複数種類の変動パターンが含まれる。なお、変動パターンに係る変動時間については、リーチ演出や疑似連演出を指定する変動パターンの方が、演出時間を確保する関係上、通常変動パターンよりも変動時間が長く定められている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンド(ここでは、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)に含まれる情報に基づいて、装飾図柄変動表示ゲーム中に時系列的に展開させる演出内容(演出シナリオ)や、最終的に停止表示する装飾図柄(装飾停止図柄)を決定し、特別図柄の変動パターンに基づくタイムスケジュールに従い装飾図柄を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームを実行させる。これにより、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、液晶表示装置36による装飾図柄が変動表示され、特別図柄変動表示ゲームの期間と装飾図柄変動表示ゲーム中の期間とが、実質的に同じ時間幅となる。また演出制御部24は、演出シナリオに対応するように、液晶表示装置36または光表示装置45aあるいは音響発生装置46aをそれぞれ制御し、装飾図柄変動表示ゲームにおける各種演出を展開させる。これにより、液晶表示装置36での画像の再生(画像演出)と、効果音の再生(音演出)と、装飾ランプ45やLEDなどの点灯点滅駆動(光演出)とが実現される。
このように特別図柄変動表示ゲームと装飾図柄変動表示ゲームとは不可分的な関係を有し、特別図柄変動表示ゲームの表示結果を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームにおいて表現されることとしているので、この2つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉えても良い。本明細書中では特に必要のない限り、上記2つの図柄変動表示ゲームを単に「図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。
(3−1−2.普通図柄変動表示ゲーム)
またパチンコ遊技機1においては、普通図柄始動口37に遊技球が通過(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「補助当り抽選」が行なわれる。この抽選結果に基づき、LEDにより表現される普通図柄を普通図柄表示装置39aに変動表示させて普通図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果をLEDの点灯と非点灯の組合せにて停止表示するようになっている。たとえば、普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39aの表示部を特定の点灯状態(たとえば、2個のLED39が全て点灯状態、または「○」と「×」を表現するLEDのうち「○」側のLEDが点灯状態)にて停止表示させる。
この「補助当り」となった場合には、普通電動役物ソレノイド41c(図3参照)が作動し、これにより可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態(始動口開状態)となり、通常遊技状態よりも遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47により、下始動口35の開放時間が所定時間(たとえば、0.2秒)経過するまでか、または下始動口35に入賞した遊技球数が所定個数(たとえば、4個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満たした場合に下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大2回)繰り返されるようになっている。なお、下始動口35が閉鎖される条件はこれに限らず、下入賞口の開放時間のみに基づくものであっても良いし、下入賞口に入賞した遊技球数のみに基づくものであっても良い。
ここで本実施形態では、特別/装飾図柄変動表示ゲーム中、普通図柄変動表示ゲーム中、大当り遊技中、または普電開放遊技中などに、上始動口34または下始動口35もしくは普通図柄始動口37に入賞が発生した場合、すなわち上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aもしくは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力があり、対応する始動条件(図柄遊技開始条件)が成立した場合、これを変動表示ゲームの始動権利に係るデータとして、変動表示中にかかわるものを除き、所定の上限値である最大保留記憶数(たとえば、最大4個)まで保留記憶されるようになっている。この図柄変動表示動作に供されていない保留中の保留データまたはその保留データに係る遊技球を、「作動保留球」とも称する。この作動保留球の数を遊技者に明らかにするため、パチンコ遊技機1の適所に設けた専用の保留表示器(図示せず)、または液晶表示装置36による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させる。
また本実施形態では、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する作動保留球をそれぞれ最大4個までRAM203の該当記憶領域に保留記憶し、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留する。なお、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する作動保留球数の最大記憶数(最大保留記憶数)は特に制限されず、各図柄の最大保留記憶数が異なっていてもよく(たとえば、特別図柄1側の最大保留記憶数を4個、特別図柄2側の最大保留記憶数を2個、普通図柄側の最大保留記憶数を6個など)、その数は遊技性に応じて適宜定めることができる。たとえば特別図柄1および特別図柄2に関し、大当り抽選により得られる利益が相対的に高くなる特図側の最大保留記憶数を多く設定することができる。
(3−2.遊技状態)
本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、特別遊技状態である上記大当りの他、複数種類の遊技状態を発生可能に構成されている。本発明の理解を容易なものとするために、先ず、種々の遊技状態の発生に関連する機能(手段)について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20(CPU201)がその機能部を担う「確率変動(以下、「確変」と略す)機能」を備えている。これには特別図柄に係る確変機能(以下、「特別図柄確変機能」と称する)と普通図柄に係る確変機能(以下、「普通図柄確変機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄確変機能は、大当りの抽選確率を所定確率(通常確率)の低確率(たとえば、399分の1)から高確率(たとえば、39.9分の1)に変動させて、通常遊技状態よりも有利な「高確率状態」を発生させる機能である。この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態(高確率状態)下では、大当り抽選確率が高確率となることから、大当りが生起され易くなる。したがって、遊技者が期待する遊技状態は、この特別図柄確変機能が作動中の遊技状態であるといえる。
普通図柄確変機能は、補助当り抽選確率が所定確率(通常確率)である低確率(たとえば、256分の1)から高確率(たとえば、256分の255)に変動させて、通常遊技状態よりも有利な「補助当り確変状態」を発生させる機能である。この普通図柄確変機能が作動中の遊技状態(補助当り確変状態)下では、補助当り抽選確率が高確率状態となることから補助当りが生起され易くなり、普電開放遊技が頻繁に発生して、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄確変機能の作動開始条件は、後述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「変動時間短縮(以下、「時短」と称する)機能」を備えている。これには特別図柄に係る時短機能(以下、「特別図柄時短機能」と称する)と普通図柄に係る時短機能(以下、「普通図柄時短機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄時短機能は、1回の特別図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(特別図柄が変動を開始してから確定表示される迄の平均時間(特別図柄の平均変動時間))を短縮する「特別図柄時短状態」を発生させる機能である。特別図柄時短機能が作動中の遊技状態(特別図柄時短状態)下では、1回の特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、リーチなしハズレ変動に要する平均時間が8秒から2秒に短縮される)、通常遊技状態よりも単位時間当りの大当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄の変動時間が作動保留球数の違いにより短縮される場合があるが、この場合は、特別図柄時短状態が発生しているわけではなく、他の制御処理によるものである。
普通図柄時短機能は、1回の普通図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示されるまでの平均的な時間(普通図柄の平均変動時間))を短縮する「普通図柄時短状態」を発生させる機能である。普通図柄時短機能が作動中の遊技状態(普通図柄時短状態)下では、1回の普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、10秒から1秒に短縮される)、通常遊技状態よりも単位時間当りの補助当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄の変動時間が作動保留球数の違いにより短縮される場合があるが、この場合は、普通図柄時短状態が発生しているわけではなく、他の制御処理によるものである。また本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通図柄時短機能の作動開始条件は、上述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。
さらにまた、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「開放延長機能」を備えている。
開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47の開動作期間(可動翼片47の開放時間およびその開放回数の少なくともいずれか一方)を延長した「開放延長状態」を発生させる機能である。この開放延長状態は、いわゆる「電チューサポート状態」と称される。上記開放延長機能が作動中の遊技状態(開放延長状態)下では、可動翼片47の開動作期間(始動口開状態時間)が、たとえば0.2秒から1.7秒に延長され、またその開閉回数が、たとえば1回(開放延長機能が非作動中のとき)から2回(開放延長機能が作動中のとき)に延長されて、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1では、開放延長機能の作動開始条件は、上述の特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっており、その作動終了条件も当該特別図柄時短機能の作動終了条件と同じ条件となっている。したがって、開放延長状態中は、普通図柄確変機能および普通図柄時短機能も作用するため、可動翼片47の作動率が著しく向上した遊技状態が発生する。
以上のような各機能を1または複数種類作動させることにより、遊技機の内部的な遊技状態(内部遊技状態)に変化をもたらすことができる。ここで本実施形態では、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能の作動開始条件は、特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件としているので、各機能が同じ契機にて動作することになる。以下では、説明の便宜上、特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する遊技状態を「確変状態」と称し、これらの機能のうちから特別図柄確変機能を除去した遊技状態を「時短状態」と称し、特別図柄確変機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態(潜確または潜確状態)」と称し、全機能が作動中でない(非作動)状態を「通常遊技状態(通常状態)」と称する。したがって、これらの遊技状態における大当り抽選確率に着目すれば、遊技状態が「時短状態」または「通常遊技状態」である場合には少なくとも大当り抽選確率が‘低確率状態’となり、遊技状態が「潜確状態」または「確変状態」の場合においては少なくとも大当り抽選確率が‘高確率状態’となる。また当り中は大入賞口が開閉される当り遊技が発生するが、上記各機能については全ての機能が非作動とされ、基本的には、上記通常遊技状態と同じ遊技状態下に置かれる。
(3−2−1.高ベース遊技状態)
本実施形態では、上記の普通図柄に関する機能、すなわち普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能は、特別図柄時短機能の作動開始条件と同じ条件となっているので、これら3つの機能が同じ契機にて動作することになる。しかし、上記の普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能を個々に着目した場合、これらの機能のうち少なくともいずれか1つが作動すると、上記の可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となり下始動口35への入賞頻度が上昇することから、遊技状態としては、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高まる「高ベース遊技状態(始動条件向上状態)」となる。なお、ここでいう「高ベース遊技状態」とは、普通図柄に関する機能が作動する場合の遊技状態をいい、特別図柄に関する機能、すなわち特別図柄確変機能および特別図柄時短機能の少なくともいずれか一方が作動する場合の遊技状態とは異なる。
他方、特別図柄に関する機能(特別図柄確変機能と特別図柄時短機能)を個々に着目した場合、上記特別図柄確変機能が作動する場合には大当り抽選確率が通常遊技状態より高まる「高確率状態」となり、上記特別図柄時短機能が作動する場合には、特別図柄変動表示ゲームの消化時間が通常遊技状態よりも早い「特別図柄時短状態」となる。この点において、特別図柄変動表示ゲームの始動条件の成立頻度が通常遊技状態より高くなる上記「高ベース遊技状態」とは区別される。
また本実施形態では上記「高ベース遊技状態」の一例として、少なくとも開放延長機能が付与された電チューサポート状態を「高ベース遊技状態」として扱う。電チューサポート状態下では、普通変動入賞装置41の可動翼片47の作動率(開放時間や開放回数)が向上して下始動口35への入賞率が高まり、単位時間当りの入賞頻度が上昇することから、電チューサポート状態でない場合(低ベース遊技状態)と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態になる。この電チューサポート状態の有無に着目した場合、遊技状態が「通常遊技状態」または「潜確状態」の場合には‘電チューサポート状態無し(以下、「電サポ無し状態」と称する)’となり、遊技状態が「時短状態」または「確変状態」である場合には‘電チューサポート状態有り(以下、「電サポ有り状態」と称する)’となる。なお、大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能(特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能)の作動状況に着目した遊技状態を「内部遊技状態」と称する。本実施形態では、上述の通常遊技状態や潜確状態や確変状態等の内部遊技状態の別を識別するデータとして「遊技状態判定番号(YJ)」を設けている。
なお本実施形態では、上述の内部遊技状態に関連した多様な演出を実現するために、一の内部遊技状態をさらに分類して管理している。たとえば、上記確変状態には、「確変A状態(ST前半)」、「確変B状態(ST後半)」、および「ST最終」といった複数種類の確変状態が含まれ、それぞれ異なる遊技状態として管理している。詳細は後述するが本実施形態の確変状態は、図柄変動表示ゲームの実行回数(特別図柄の変動回数)が規定回数(74回転)終了した場合に終了されるようになっており、上述の「ST前半」とは、確変状態開始から図柄変動表示ゲームが所定回数(たとえば、67回転)終了するまでの遊技区間を指し(1回転目〜67回転目まで)、「ST後半」とは、ST前半の67回転終了後の68回転目〜73回転目までの遊技区間を指し、「ST最終」とは最終の74回転目を指す。すなわち、内部遊技状態は同じ「確変状態」であるが、内部的には「ST前半」「ST後半」「ST最終」という遊技状態として管理されており、遊技進行状況に応じて、いずれかの状態に切替え制御される。
これにより、大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能(特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能)の作動状況、すなわち「内部遊技状態」に着目した場合に、同じ「確変状態」でありながらも、特別図柄の変動パターンに関しては、「ST前半」、「ST後半」、および「ST最終」という遊技状態ごとに定められた1または複数種類の変動パターンのうちから目的の変動パターンを選択することができるようになっている。
(変動パターン振分指定番号(Tcode)、遊技状態判定番号(YJ)について)
本実施形態では、上記の「ST前半」や「ST後半」等の遊技状態の別を識別するデータとして「変動パターン振分指定番号(Tcode)」を設けている。すなわち、この「変動パターン振分指定番号(Tcode)」とは、「通常状態、ST前半、ST後半、ST最終、CZ」という特別図柄の変動パターンの決定に関する遊技状態を識別するデータである。たとえば、内部遊技状態を「遊技状態判定番号(YJ)」で区別すれば、通常遊技状態(電サポ無し状態、低確率)は「YJ=00H」、潜確状態(電サポ無し状態、高確率)は「YJ=02H」、確変状態(電サポ有り状態、高確率)」は「YJ=03H」となっている(時短状態(電サポ有り状態、低確率)を含む場合は、たとえば、「YJ=05H」など)。また特別図柄の変動パターンの決定に関する遊技状態(変動パターン選択モード)を「変動パターン振分指定番号(Tcode)」で区別すれば、「通常状態」は「Tcode=00H」、「ST前半(確変)」は「Tcode=01H」、「ST後半(確変)」は「Tcode=02H」、「ST最終」は「Tcode=05H」、後述の「CZ(CHANCE ZONE)」は「Tcode=03H」、「潜確状態」は「Tcode=04H」となっている(時短状態を含む場合は、たとえば、「Tcode=05H」など)。したがって、変動パターン振分指定番号(Tcode)は、上記のような遊技状態を識別する点で、後述の遊技状態判定番号(YJ)のように内部遊技状態そのものを識別するデータとは異なる。
また演出制御部24側においては、各遊技状態(変動パターン振分指定番号(Tcode))に対応した演出モードを設け、遊技状態に関連した演出を適切に現出可能な構成となっている。なお演出モードについての詳細は後述する。
本実施形態の場合、上記「内部遊技状態」の種類には、通常遊技状態、確変状態および潜確状態が含まれ(時短状態を含んでも良い)、特別図柄の変動パターンの決定に関する「変動パターン選択モード」の種類には、内部遊技状態の種類よりも多い、「通常状態」、「潜確状態」、「ST前半」、「ST後半」、「ST最終」、および「CZ」が含まれる(時短状態を含んでも良い)。このように、上記大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能に着目した場合の「内部遊技状態」と、特別図柄の変動パターンの決定(演出の決定)に着目した「遊技状態(変動パターン選択モード(変動パターン振分指定番号(Tcode)))」とを異なるものとして管理することにより、同一の内部遊技状態(たとえば、確変状態)であっても、変動パターン選択モード(たとえば、ST前半とST後半)に対応した特別図柄の変動パターンを選択することができるようになっている。この結果、同じ内部遊技状態でありながらも、図柄変動表示ゲームの変動時間(ゲーム消化時間)や、これに関連する演出をダイナミックに変化させることができ、同一の内部遊技状態下における演出のバリエーションが豊富化することができるようになっている。また本実施形態では、内部遊技状態の「通常遊技状態」には「CZ」および「通常状態」といった複数種類の遊技状態(変動パターン選択モード)が設けられており、また内部遊技状態の「潜確状態」には「潜確状態」および「CZ」といった複数種類の遊技状態(変動パターン選択モード)が設けられている。つまり「潜確状態」と「通常遊技状態」とは、変動パターン選択モードとして共通の「CZ(03H)」を有する、すなわち、「CZ」には、その実体が、内部遊技状態‘潜確状態’の「CZ(潜確)」と、‘通常遊技状態’の「CZ(通常)」とがある。
したがって、上記「CZ」期間中は,それぞれ異なる内部遊技状態でありながらも、同じ特別図柄の変動パターン種別を選択することができる。換言すれば、異なる内部遊技状態でありながらも、同じ演出モード下における演出を発生させることができるようなっている。これにより、「CZ」期間中は、演出上、大当り抽選確率を秘匿することができるようになっている(各遊技状態の移行条件や、演出内容を指定する特別図柄の変動パターンに関する詳細については後述する)。なお説明の便宜上、本明細書中では特に必要のない限り、上記内部遊技状態(YJ)と、特別図柄の変動パターンの決定(演出の決定)に着目した場合の遊技状態(変動パターン選択モード(変動パターン振分指定番号(Tcode)))とを区別せずに、単に「遊技状態」と称する場合がある。
<4.当りについて>
次に、本実施形態に係るパチンコ遊技機の「当り」について説明する。
(4−1.当り種別)
本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、複数種類の当りを対象に大当り抽選(当り抽選)を行うようになっている。この当り種別には、「16R長開放確変大当り」、「10R長開放確変大当り」、「4R長開放確変大当り」、「2R短開放潜確大当り」、および「小当り」などの複数種類の当りが含まれる。
これらの当りのうち、「16R長開放確変大当り」、「10R長開放確変大当り」、「4R長開放確変大当り」、「2R短開放潜確大当り」は条件装置の作動契機となる「大当り」種別に属する当りであり、「小当り」は条件装置の作動契機とならない「非大当り」種別に属する当りである。ここで「条件装置」とは、その作動がラウンド遊技を行うための役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている装置で、特定の特別図柄の組合せが表示され、または遊技球が大入賞口内の特定の領域を通過した場合に作動するものをいう。上記「大当り」種別に属する当りや、「非大当り」種別に属する当り(小当り)は、いずれも大入賞口の開閉動作を伴う特別遊技状態(当り遊技)への移行契機(発生契機)となる当りである。したがって、「非大当り」種別に属する当りは、単なる「ハズレ」とは異なる。
上記‘大当り’種別に属する当りのうち、「16R長開放確変大当り(16R確変大当り)」、「10R長開放確変大当り(10R確変大当り)」、「4R長開放確変大当り(4R確変大当り)」、および「2R短開放潜確大当り(2R潜確大当り)」は、その大当り遊技終了後の遊技状態を、少なくとも高確率状態を伴う遊技状態(本実施形態では、確変状態または潜確状態)に移行させる「確変大当り」に属する大当り種別となっている。また「小当り」は、当選時の遊技状態を継続させる当り種別となっている。なお「小当り」は‘非大当り’種別に属する当りではあるが、説明の便宜上、特に必要がない限り上記の大当りと区別することなく、大当り種別の一つとして同列に扱うことにする。なお、特図1側と特図2側とで、大当り抽選対象の当り種別を同じにしているが、特図1側と特図2側とで、大当り抽選対象の当り種別を異ならせることもできる。
(4−2.当り遊技)
次に、上記した各当りによる当り遊技について説明する。
(4−2−1.16R長開放確変大当りによる当り遊技)
16R長開放確変大当りによる当り遊技(以下、「16R確変大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を16ラウンドとする大当りであり、本実施形態では、1回のラウンド遊技における右大入賞口50の最大開放時間が「長開放時間」の‘29.8秒’に設定される。ここで「長開放時間」とは、その時間内に大入賞口への入賞数が上記最大入賞数(たとえば、9個)に達する可能性がある(最大入賞数に達する可能性が十分ある)時間幅として定めたものである。
ラウンド遊技が開始されて右大入賞口50が開放された後、上記の最大開放時間が経過した場合は右大入賞口50が閉鎖されて今回のラウンド遊技が終了し、規定ラウンド数の16ラウンドに達していなければ、「ラウンド間インターバル時間」が経過した後、次のラウンド遊技に移行される。ただし、最大開放時間経過前であっても右大入賞口50に入賞した遊技球数(入賞球数)が最大入賞数(たとえば、9個)に達した場合は、右大入賞口50が閉鎖されて今回のラウンド遊技が終了し、ラウンド間インターバル時間が経過した後、次のラウンド遊技に移行される。つまり、大入賞口の最大開放時間が経過した場合か、または大入賞口に入賞した遊技球数が最大入賞数に達した場合かのいずれか一方の条件を満たすと、開放された大入賞口が閉鎖され、所定のインターバル時間を挟んで、次のラウンド遊技に移行されるようになっている(後述の「10R長開放確変大当り」、「4R長開放確変大当り」、および「2R短開放潜確大当り」も同様)。
(4−2−2.10R長開放確変大当りによる当り遊技)
10R長開放確変大当りによる当り遊技(以下、「10R確変大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を10ラウンドとする以外は、上述した16R確変大当り遊技の内容と基本的には同じある。したがって、この10R確変大当り遊技は、上記16R確変大当り遊技よりも相対的に低い利益が付与される大当り遊技となる(本実施形態では、6ラウンド分の賞球数差がある)。
(4−2−3.4R長開放確変大当りによる当り遊技)
4R長開放確変大当りによる当り遊技(以下、「4R確変大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を4ラウンドとする以外は、上述した16R確変大当り遊技や10R確変大当り遊技の内容と同じある。したがって、この4R確変大当り遊技は、上記16R確変大当り遊技または10R確変大当り遊技よりも相対的に低い利益が付与される大当り遊技となる。
(4−2−4.2R短開放潜確大当りによる当り遊技)
2R短開放潜確大当りによる当り遊技(以下、「2R潜確大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を2ラウンドとする大当りであり、本実施形態では、1回のラウンド遊技における大入賞口(大入賞口50)の最大開放時間は「短開放時間」の0.1秒に設定される。したがって、2R潜確大当り遊技では、大入賞口が短開放時間(0.1秒)しか開放されずに、そのラウンド遊技数も2ラウンド分と少ないことから、実質的には賞球が殆ど得られない大当り遊技となっている(正確には、大入賞口への入賞も発生する可能性はあるが、各ラウンド遊技の大入賞口の最大開放時間が短開放時間に設定される関係上、その可能性は低くなり、実質的に、賞球が殆ど得られない)。
(4−2−5.小当りによる当り遊技)
小当りによる当り遊技(以下、「小当り遊技」と称する)では、それぞれ大入賞口50の開放が2回行われ、1回あたりの大入賞口50の最大開放時間が2R潜確大当り遊技の最大開放時間(短開放時間)に相当する0.1秒に設定され、1回目の大入賞口50の閉鎖後、2回目の大入賞口50開放までのインターバル時間が2R潜確大当り遊技のラウンド間インターバル時間と同じ時間幅が設定される。また小当り遊技における大入賞口50の閉鎖条件に関しては、大入賞口50の最大開閉動作時間(大入賞口50の開放を2回分実行するための開閉動作時間)が経過した場合か、または大入賞口50に入賞した遊技球数が最大入賞数(たとえば、9個)に達した場合かのいずれか一方の条件が満たされた場合となっている。本実施形態の場合、上記最大開閉動作時間内に、大入賞口50に入賞した遊技球数が最大入賞数に達することがないため、実際には、大入賞口50の最大開閉動作時間が経過した後、具体的には、大入賞口の一連の開閉動作が実行された後、小当り遊技が終了されることになる。つまり、この小当り遊技中において外見から捉えた大入賞口50の開閉動作が、上記2R潜確大当り遊技のものと実質的に同一の動作態様で制御されるようになっている。
この「小当り」は「条件装置」の作動契機とはならない当り種別であることから、「大当り」のようなラウンド遊技は実行されない。しかし2R潜確大当り遊技と実質的に同一の動作態様で大入賞口50を開閉制御することにより、疑似的なラウンド遊技を実現させて、見た目上、あたかも2R短開放潜確大当りに当選したかの如く装うことを可能にしている。また小当り遊技中の「当り中演出(当り遊技中に現出される演出)」は、2R潜確大当り遊技中の当り中演出と実質的同一(同一または酷似)の演出が現出されるようになっている。つまり、当り中演出を含む小当り遊技に係る動作は、2R短開放潜確大当りに係る遊技動作と実質的に同一挙動を示し、遊技者側から見て、どちらの当り遊技が実行されているかの識別が困難または不可能とされる。これにより、小当りに当選した場合であっても、高確率状態への移行契機となる「2R短開放潜確大当り」への当選期待感を遊技者に与えることができるようになっている。
(4−3.当り遊技終了後の遊技状態:図4)
次に図4を参照して、上記の各当り遊技後に移行される遊技状態について説明する。図4は、各当り遊技後に移行する遊技状態の説明に供する説明図である。図示の各遊技状態は、内部遊技状態ではなく、変動パターン選択モードに着目した遊技状態を示してある。
(4−3−1.16R、10R、4R確変大当り遊技終了後の遊技状態)
16R、10R、または4R確変大当り遊技終了後は、図示のように、その当り当選時の遊技状態にかかわらず「確変状態」に移行される。この「確変状態」となった場合には、特別図柄変動表示ゲームの実行回数(特別図柄の変動回数)が、所定の規定回数(たとえば、74回転)が終了するまでか、またはその規定回数内で大当りに当選するまで(正確には、大当り遊技が開始されるまで)確変状態が継続し、その規定回数内で大当りに当選することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには確変状態が終了して、次ゲームから「通常遊技状態」に移行されるようになっている。本実施形態では、確変状態中に、特別図柄変動表示ゲーム1および2の合計変動回数(特別図柄1および2の合計変動回数)が規定回数消化されると、大当り抽選確率が高確率状態から低確率状態に移行するとともに、電サポ有り状態であれば電サポ無し状態に移行される。
本実施形態のパチンコ機1は、大当り抽選確率が少なくとも高確率となる遊技状態(潜確状態、確変状態)に移行された後、大当り(ただし、内部遊技状態の移行契機とならない「小当り」は除く)に当選することなく特別図柄変動表示ゲームが所定回数終了した場合、当該高確率状態を終了させて大当り抽選確率を低確率に移行させる「回数切りの確変機(ST機)」となっている。以下、必要に応じて、この高確率状態が継続される特別図柄変動表示ゲーム(特別図柄の変動回数)の上限回数を「規定ST回数」と称する。なお、特別図柄変動表示ゲームの実行回数とは、特別図柄変動表示ゲーム1および特別図柄変動表示ゲーム2の合計実行回数(特図1および特図2の合計変動回数)であってもよいし、いずれか一方の実行回数(たとえば、特別図柄変動表示ゲーム2の実行回数)であってもよい。
(4−3−2.2R潜確大当り遊技終了後の遊技状態)
2R潜確大当り遊技後は、図示のように、その当り当選時の遊技状態に応じて、移行先の遊技状態が異なる。具体的には、当選時の遊技状態が「通常状態」であった場合には「CZ(潜確)」に、潜確状態であった場合は「潜確状態」に、「CZ(通常)」であった場合には「CZ(潜確)」に、「CZ(潜確)」であった場合は「潜確状態」に、確変状態であった場合には「確変状態」に移行されるようになっている。なお、当選時の遊技状態が潜確状態であった場合、潜確状態ではなく、確変状態に移行させても良い。
本実施形態では、当選時の遊技状態が「CZ」の場合、内部遊技状態に応じて次のような移行制御がなされる。当選時における遊技状態が、内部遊技状態が通常遊技状態である「CZ(通常)」であった場合には、内部遊技状態が潜確状態の「CZ(潜確)」に移行され、内部遊技状態が潜確状態の「CZ(潜確)」であった場合には「潜確状態」に移行される。なお、変動パターン選択モード((変動パターン振分指定番号(Tcode))について、「CZ(潜確)」は、「CZ(通常)」と同じ変動パターン選択モード(Tcode=03H)として管理されるが、その実体は、内部遊技状態が‘潜確状態’の「CZ」である。
上記「CZ(潜確)」となった場合には、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が所定回数(たとえば、20回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りするまで当該「CZ(潜確)」が継続し、その所定回数内で大当りが確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには当該「CZ(潜確)」が終了して、次ゲームから「潜確状態」に移行され、潜確状態である旨を演出上から、遊技者に明らかにするようになっている(後述の演出モードが「CZ演出モード」から潜確演出モードに移行される)。なお図中では、「CZ(20回:潜確)」と表記している。
なお、潜確状態の終了条件は、確変状態と同じであり、図柄変動表示ゲームの規定ST回数(74回転)の実行を以って終了される。混同してはならないのは、「CZ(潜確)」の実体は、内部遊技状態が‘潜確状態’の「CZ」であり、変動パターン選択モードが「CZ」というだけである。したがって、「CZ(潜確)」が20回実行された場合には、この回数も規定ST回数の消化分としてカウントされ、潜確状態は残り54回となる。
(4−3−3.小当り遊技終了後の遊技状態)
小当り遊技後に関しては、その小当り当選時の内部遊技状態がそのまま継続され、小当り当選に起因した内部遊技状態の移行制御は行われない。したがって、小当り当選時の内部遊技状態とその小当り遊技後の内部遊技状態とは、いずれも同じ内部遊技状態となる。この点、内部遊技状態の移行制御が行われうる「大当り」とは性質を異にする。
ただし本実施形態では、小当り当選に起因した‘内部遊技状態’の移行制御は行わない一方、特別図柄の変動パターンの決定(演出の決定)に関する‘変動パターン選択モード’の移行制御は行うようになっている。このような移行形態を利用し、たとえば、小当り遊技後の遊技状態と2R潜確大当り遊技後の遊技状態とを同じ変動パターン選択モードに移行させた場合には、双方で同じ演出モードに滞在させ、小当り遊技後であっても、2R潜確大当り遊技後と同じ演出モード下の演出を発生させることが可能になる。これにより、演出上からは、2R短開放潜確大当りに当選して「潜確状態」に移行したかも知れない、という高確率状態への突入期待感を遊技者に与えることができるようになっている。
なお本実施形態では、どの大当りに当選しても「時短状態」が発生しない構成となっているが本発明はこれに限られない。たとえば、大当り遊技終了後に「時短状態」を発生させる「時短大当り」を設けてもよい。この場合、時短状態の終了条件としては、たとえば、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が所定回数終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当り当選を条件とすることができる。また上記の「時短大当り」の規定ラウンド数は特に制限されず、適宜定めることができる。
また本実施形態では、少なくとも高確率状態に移行された場合、規定ST回数(74回)まで確変状態が継続するものとして説明した。しかし本発明はこれに限らず、特別図柄変動表示ゲームの実行回数に関係なく、次回の大当りの当選となるまで高確率状態を継続させる大当り(非ST確変大当り)を設けてもよい。また、当り遊技後に何ら特典(時短状態や確変状態や潜確状態)を付与しない、通常遊技状態への移行契機となる「通常大当り」を設けてもよい。
また「回数切り確変状態」への移行契機となる「ST確変大当り」、「小当り」、潜確状態に移行契機となる「潜確大当り」、「時短大当り」、「非ST確変大当り」、および「通常大当り」は、それぞれ1または複数種類含むことができる。また、これらのうち、いずれの当り種別を設けるかも自由である。たとえば、複数種類の確変大当り、1種類の潜確大当り、1種類の時短大当りを設けることができる。
<5.演出について>
(5−1.演出モード)
次に、演出モード(演出状態)について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1には、遊技状態(変動パターン振分指定番号(Tcode))に関連する演出をなす複数種類の演出モード(メイン演出モード)が設けられており、遊技状態の移行に対応して、各演出モード間を移行制御可能に構成されている。上記演出モード(メイン演出モード)には、「通常状態」の場合は「通常演出モード」、「CZ」の場合は「CZ演出モード」、「潜確状態」の場合は「潜確演出モード」、「確変状態」の場合は「確変演出モード」、(「時短状態」の場合は「時短演出モード」)といった各遊技状態に応じた複数種類の演出モードが設けられている。
本実施形態の場合、確変状態が「ST前半」「ST後半」「ST最終」に分けられているため、「確変演出モード」には、「ST前半」に関連する演出(ST前半用演出)が現出される「ST前半演出モード(第1の確変演出モード)」と、「ST後半」に関連する演出(ST後半用演出)が現出される「ST後半演出モード(第2の確変演出モード)」と、「ST最終」に関連する演出(ST最終用演出)が現出される「ST最終演出モード(第3の確変演出モード)」とが設けられている。
また「潜確状態」も確変状態と同様に規定ST回数で高確率状態が終了する。したがって、潜確状態を確変状態と同様に、遊技期間を前半・後半・最終に分けてもよい。たとえば、潜確状態を「潜確前半(1〜67回転)」と「潜確後半(68回転〜73回転)」と「潜確最終(74回転)」といった複数種類の遊技状態として管理する。この場合、潜確演出モードについては、「潜確前半」に関連する演出が現出される「潜確前半演出モード(第1の潜確演出モード)」と、「潜確後半」に関連する演出が現出される「潜確後半演出モード(第2の潜確演出モード)」と、「潜確最終」に関連する演出(潜確最終用演出)が現出される「潜確最終演出モード(第3の潜確演出モード)」とを設けることができる。
なお上記「CZ」である、「CZ(通常)」と「CZ(潜確)」とは、内部遊技状態が潜確状態(高確率状態)であるか通常遊技状態(低確率状態)であるかにかかわらず、同一の遊技状態として管理され、「CZ(通常)」または「CZ(潜確)」中の場合は、演出モードが同じ「CZ演出モード」下に置かれる。これにより、演出上からは、現在の大当り抽選確率状態(内部遊技状態)が秘匿状態とされるようになっている。上記「CZ演出モード」は、大当り抽選確率状態を演出上から秘匿状態とする「秘匿演出モード」としての役割を果たす。斯様な「秘匿演出モード」は、遊技者に高確率状態の期待感を煽る演出をなす演出モードとして働く。
また通常遊技状態について、複数種類の遊技状態(たとえば、通常Aと通常B)に分けて管理し、各遊技状態に対応する演出モードを設けることができる。通常Aと通常Bの切替えは、図柄変動表示ゲームが所定回数実行されたことを契機に、または所定の移行抽選に当選したことを契機に、通常Aから通常Bに移行させることができる。また本実施形態では、変動パターン振分指定番号(Tcode)に関連した演出モードを設けた例ついて説明したが、本発明はこれに限らず、内部遊技状態(YJ)に関連した演出モードを設けてもよい。
演出制御部24(CPU241)は、複数種類の演出モード間を移行制御する機能部(演出状態移行制御手段)を有する。演出制御部24(CPU241)は、主制御部20(CPU201)から送られてくる特定の演出制御コマンド、具体的には、現在の遊技状態(内部遊技状態を含む)を指定したり、遊技状態が移行される旨を指定したりする、といった主制御部20側で管理される遊技状態に関する情報を含む「特定の演出制御コマンド」に基づいて、主制御部20側で管理される遊技状態と整合性を保つ形で、複数種類の演出モード間を移行制御可能に構成されている。本実施形態の場合、この「特定の演出制御コマンド」には、変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、遊技状態指定コマンド、当り中に送信される所定のコマンド(「大当り開始インターバルコマンド(大当り開始コマンド)」、「大当り終了インターバルコマンド(大当り終了コマンド)」)などがある。また演出制御部24は、遊技状態に関連した演出モードを管理する機能部(演出状態管理手段)を有する。演出制御部24(演出状態管理手段)は、上記の特定の演出制御コマンドにより、主制御部20側で管理される内部遊技状態および変動パターン振分指定番号(Tcode)を把握し、主制御部20側と整合性を保つ形で、演出モードを管理可能に構成されている。
(5−1.各演出モード下の演出)
また各演出モードでは、遊技者がどのような遊技状態に対応した演出モード下に滞在しているのかを把握できるように、演出モードのそれぞれにおいて、装飾図柄の変動表示画面のバックグラウンドとしての背景表示が、それぞれ異なる背景演出に切替え制御されるようになっている。また背景演出を各演出モードに応じて変化させるものに限らず、各演出モードに対応した異なる絵柄の装飾図柄を利用したり、音演出や光演出などを変化させたりすることにより各演出モードを示唆することもできる。
(5−2.演出手段)
パチンコ遊技機1による各種の演出は、遊技機に配設された演出手段により現出される。斯様な演出手段は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることにより演出効果を発揮し得る刺激伝達手段であれば良く、装飾ランプ45やLED装置などの光発生手段(光演出手段)、スピーカ46などの音響発生装置(音演出手段)、液晶表示装置36などの演出表示装置(表示手段)、操作者の体に振動を伝える加振装置、遊技者の体に風圧を与える風圧装置、ないし、その動作により視覚的演出効果を発揮する可動体役物などは、その代表例である。ここで演出表示装置は、画像表示装置と同じく視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(たとえば、7セグメント表示器)も含む点で画像表示装置と異なる。画像表示装置と称する場合は主として画像表示により演出を現出するタイプを指し、7セグメント表示器のように画像以外により演出を現出するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、可動体役物として、上記の第1の可動体役物(時計型役物80)、第2の可動体役物(花型役物90)、第3の可動体役物(回転灯62)を搭載している。ローリングボタン70は、押圧ボタン型筒体72内またはその下方に、可動体73を回転可能かつローリング可能に組み込んだ構造となっているので、第3の可動体役物としても機能する。
(5−3.予告演出)
次に、予告演出について説明する。演出制御部24は、主制御部20からの演出制御コマンドの内容、具体的には、少なくとも変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報(たとえば、当落抽選結果情報、リーチ演出の有無、および特別図柄の変動時間など)に基づき、現在の演出モードと大当り抽選結果とに関連した様々な「予告演出」を現出制御する機能部(予告演出制御手段)を備えている。このような予告演出は、当り種別に当選したか否かの期待度(以下、「当選期待度」と称する)を示唆(予告)し、遊技者の当り種別への当選期待感を煽るための「煽り演出」として働く。予告演出として代表的なものには、「リーチ演出」、「疑似連演出」、「先読み予告演出」などがある。上記の「リーチ演出」とは、リーチ状態を経由してゲーム結果を表示する演出態様また「先読み予告演出」とは、未だ図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)には供されていない作動保留球(未消化の作動保留球)について、当選期待度を事前に報知する演出態様、また「疑似連演出」とは、装飾図柄変動表示ゲーム中において、装飾図柄の仮停止状態およびその仮停止状態から装飾図柄の再変動表示動作を1回または複数回繰り返す演出態様である。図柄変動表示ゲームにおいては、上述したリーチ演出などに付随して、いわゆる「キャラクタ予告演出」や「ステップアップ予告演出」などが重複的に発生して、ゲーム内容を盛り上げるようになっている。
液晶表示装置の画面表示について、図5を用いて説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1の場合、液晶表示装置36の画面内の上側の表示エリアには、装飾図柄変動表示ゲームを現出する表示エリア(装飾図柄の変動表示演出や予告演出を現出するための表示領域)が設けられており、また画面内の下側の表示エリアには、特別図柄1側の作動保留球数を表示する保留表示領域76(保留表示部a1〜d1)と特別図柄2側の作動保留球数を表示する保留表示領域77(保留表示部a2〜d2)とが設けられている。作動保留球の有無に関しては、その旨を点灯状態(作動保留球あり:図示の「○(白丸印)」)あるいは消灯状態(作動保留球なし:図示の破線の丸印)にて、現在の作動保留球数に関する情報が報知される。作動保留球の有無に関する表示(保留表示)は、その発生順(入賞順)に順次表示され、各保留表示領域76、77において、一番左側の作動保留球が、当該保留表示内の全作動保留球のうち時間軸上で一番先に生じた(つまり最も古い)作動保留球として表示される。また、保留表示領域76、77の左側には、現に特別図柄変動表示ゲームに供されている作動保留球を示すための変動中表示領域78が設けられている。この実施形態の場合、変動中表示領域78は、受座Jのアイコン上に、現在ゲームに供されているゲーム実行中保留Kのアイコンが載る形の画像が現れるように構成されている。すなわち、特別図柄1または特別図柄2の変動表示が開始される際に、保留表示領域76、77に表示されていた最も古い保留a1またはa2のアイコン(アイコン画像)が、ゲーム実行中保留Kのアイコンとして、変動中表示領域78おける受座Jのアイコン上に移動し、その状態が所定の表示時間にわたり維持される。
作動保留球が発生した場合、主制御部20から「保留加算コマンド」と「入賞時コマンド」とが演出制御部24に送信され、これらコマンドを演出制御部24が受信すると、そのコマンドに含まれる情報に基づき、上記「先読み予告演出」に関する演出制御処理が行われる。ここで、「入賞時コマンド」は、主制御部20において、作動保留球が発生した場合(始動条件が成立した場合)、当該作動保留球が図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)に供される前に、当該作動保留球に係る大当り抽選結果を事前に先読み当り判定した情報(少なくとも当落結果を先読み判定した情報)を含む演出制御コマンドである。また、「保留加算コマンド」は、先読み当り判定時の作動保留球数(今回発生した作動保留球を含め、現存する作動保留球数)を指定する演出制御コマンドである。
(5−4.楽曲選択演出)
本実施形態では、上記した予告演出の他、パチンコ遊技機の興趣を高めるべく、スピーカ46などの音響発生装置から流れるBGMの種別を、遊技者が選択可能な構成としている。従来、遊技者によりBGMが選択された場合、その選択したBGMを現出する際に、装飾ランプ45やLED装置などの光発生手段から現出する光演出についても、BGMに合わせた光演出を同時に現出させていた。しかし、遊技者が気に入ったBGMを探すために、短時間で複数のBGMのうちから一のBGMを選択すべく、選択操作を繰り返した場合、その都度BMGが現出する。その際、光演出についても選択したBGMに対応するものがその都度現出する。このため、短時間のうちに光演出の光量が、たとえば光量ゼロと光量MAXの関係で次々と切替わり、目がチカチカしてしまう。そこで、本実施形態では、以下のように音演出(BGM)と光演出(LED発光パターン)の関係を制御することで、目がチカチカすることを防止可能な構成となっている。これにより、光演出の変化により遊技者が受ける不快感を防止することができる。
BGMを遊技者が選択した場合における目がチカチカするのを防止するため、ここでは、次の第1制御パターンまたは第2制御パターンに基づいて光演出を制御する。「第1制御パターン」は、遊技者が選択したBGMを現出させた直後にそのBGMに対応する光演出を現出させるのではなく、「遊技者がBGMの選択操作をしてBGMを現出させた場合、それからある程度の時間が経過してから、つまり発生時点を遅らせて光演出を現出させる」という制御パターンである。また、「第2制御パターン」は、遊技者が選択したBGMを現出させるのと同時にそのBGMに対応する光演出を現出させるのだが、「光演出の演出態様を通常よりも暗くして現出させ、ある程度の時間が経ってから暗くするのを止めて通常通りに現出させる」という制御パターンである。このようにして上記の目がチカチカするという課題を解決する。
<音演出の選択時における音演出と光演出の関係:図6〜図10>
図6は、音演出と光演出の関係を説明するためのタイムチャートである。ここではt0で通常状態から大当り遊技状態に移行し、t11で確変状態(ST期間)に移行するものとしている。このうち大当り遊技状態中については、t0〜t6までの期間を、遊技者が複数種類のBGMA1〜C1(ここではメロディBGM)のうちから一の音演出を選択し得る「選択可能期間T1」であるとしている。この選択は、遊技者による演出ボタンの操作により行わることから、この選択可能期間T1は、遊技者による演出ボタンの操作可能な有効期間と言うこともできる。なお、ここで使用される演出ボタンは、図11に示すように、十字ボタンの形に構成された方向キー75からなり、その上下、左右方向を指すいずれかのキー75a〜dを操作することにより、これに関連付けられたBGMが選択できるようになっている。詳細は図8において後述する。
また、確変状態(ST期間)中においては、任意の時点で、複数種類のBGMa〜e(ここではメロディBGM)のうちから一のBGMを選択可能である。すなわち、確変状態中においては、確変状態中の全期間が、BGMa〜eを選択し得る選択可能期間T2であり、この選択可能期間T2が遊技者による演出ボタンの操作可能な有効期間となる。したがって、たとえば図中の時刻t13で方向キー75を操作することで、操作した方向キーに対応したBGMa〜eを選択し、所望のメロディBGMの楽曲を決定し、確定させて演奏することができる。
(大当り遊技状態中:図6、図7(A)、図8)
図6では、大当り開始時(時刻t0)からBGMA1が現出している。そして、大当り遊技状態中の選択可能期間T1中において、遊技者による演出ボタンの操作が複数回行われる。時刻t2の1回目の演出ボタン操作でBGMA1からBGMB1に変更され、時刻t3の2回目の演出ボタン操作でBGMB1からBGMC1に変更され、時刻t5の3回目の演出ボタン操作でBGMC1からBGMA1に変更されたケースを示している。最終的に遊技者がBGMAを確定的に選択したケースである。したがって、BGMA1に続いてBGMAが演奏されるので、時刻t0〜t6の期間にわたり「BGMA」に属する同じ楽曲のフレーズが流れることになる。また遊技者がなんの操作もしなかった場合は、時刻t0〜t6の期間にわたりBGMA1が演奏されるので、時刻t0〜t11の期間にわたり「BGMA」に属する同じ楽曲のフレーズが流れることになる。
ここで、光演出については、大当り開始時(時刻t0)から時刻t6までの選択可能期間T1中に渡って、「選択可能期間に専用の発光パターン」でLED45が発光する専用光演出が現出する。選択可能期間に専用の発光パターンとは、たとえば選択可能期間である旨を知らせる発光色の周期的またはランダムな点滅である。
図7(A)は、図6の大当り遊技状態の区間を詳細に示したものであり、大当り遊技状態は図7(A)の1段目から2段目の欄から分かるように、ラウンド遊技1R〜16Rからなる。図7(A)の“映像”欄(3段目)において、ラウンド遊技1R〜2Rがオープニング映像の流れるオープニング期間であり、これはBGMの楽曲を選択し得る選択可能期間T1ともなっている。ラウンド遊技3R〜13Rが選択された楽曲に応じた映像が流れる期間、14R〜16Rがエンディング映像の流れる期間となっている。
図7(A)の4段目の「BGM」欄において、1ラウンド目(1R)〜2ラウンド目(2R)の第1期間は、遊技者が音演出のBGMを選択可能な選択可能期間T1となっている。ただし、遊技者が操作するまでは、BGMは最初に選択された状態のものが演奏されており、遊技者が操作して時点で、その選択されたBGMに切替わる。3ラウンド目(3R)〜13ラウンド目(13R)の第2期間は、遊技者によって選択されたBGMが現出する期間となっており、14ラウンド目(14R)〜16ラウンド目(16R)の第3期間は、大当り遊技終了後の確変状態に関する演出(映像)が現出する期間となっている。
図7(A)の5段目の「楽曲デモ再生」欄は、BGMの楽曲を選択し得る選択可能期間T1(1R〜2Rの期間)において、楽曲デモ再生が行われるか否かを示している。ここでは、メロディBGMを扱っており、その中で印象度の高いサビ部分のフレーズだけから構成されているBGM(A1、B1、C1)が「サビ音演出」として現出される。ここでのサビ音演出の「BGM(A1、B1、C1)」は、イントロ、サビ、Aメロ、Bメロ、アウトロ等を含む楽曲全体をBGMとした「BGMA、B、C」よりも低音量で演奏される。
図7(A)の6段目の「楽曲デモ映像」欄は、BGMの楽曲を選択し得る選択可能期間T1において、選択された際に流れるであろう映像のアピールしたい場面から構成されるデモ画像表示演出が現出されるか否かを示す。同様に、図7(A)の7段目の「LEDパターン」欄は、複数の装飾ランプ45による専用の光演出が現出されることを示している。BGMの楽曲を選択し得る選択可能期間T1において「固定」とあるのは、専用演出として一種類のLEDパターンが現出することを示す。また「LEDパターン」欄における3R〜13Rの第2期間では、遊技者によって選択された楽曲のBGMに応じたLEDパターンが現出する。また「LEDパターン」欄における14R〜16Rの第3期間では、専用演出として一種類のLEDパターンが現出する。
上記のように、本実施形態では、第1期間(選択可能期間T1:1R〜2R)に現出する画像表示演出(映像)について、オープニング映像を現出するようにしている。このオープニング映像は、遊技者に音演出のBGMの楽曲が選択可能であることを報知するための楽曲選択画像表示演出である。この第1期間において、遊技者による操作によりBGMの楽曲が選択された場合、画像表示演出の演出内容も変化する。オープニング映像については、遊技者が選択したBGM楽曲に対応する選択肢が特別な表示態様に変化する「選択肢変更演出」が行われ、楽曲デモ映像についても同様に、選択したBGM楽曲に対応するものに変化する演出が行われる。これにより、遊技者が選択したBGM楽曲に対応した画像表示演出が行われる。
また、第1期間(選択可能期間T1)に現出する音演出(BGM)について、この第1期間が終了するまで、または遊技者による操作で音演出が決定されるまで、予め定められた選択期間専用の音演出(以下、「選択中音演出」と称する)を現出するようにしている。このとき現出する選択中音演出は「サビ音演出」であり、このサビ音演出の音量は3ラウンド目から流れる本来の音演出の音量(通常の音量)よりも低い音量にしている。なお、サビ音演出の音量については、通常の音量で現出してもよい。遊技者による操作により音演出が選択された場合、上記選択肢変更演出が終了してから、選択された音演出に対応するサビ音演出が現出するようにしている。これにより、遊技者が選択した音演出に対応したサビ音演出が行われる。
また、第1期間(選択可能期間T1)に現出する光演出について、選択中音演出とは異なり、遊技者による操作の有無に関係なく、予め定められた固定の選択期間専用の光演出(以下、「楽曲選択用光演出」または「楽曲選択用LEDパターン」と称する)を現出するようにしている。このとき現出する選択中光演出は、その点滅周期や、光量や、発光色等が、選択中音演出(サビ音演出)とは関係なく変化する、つまり独立に変化する別個の光演出である。そして、この選択中光演出は、光量や発光パターンもしくは発光色について変化がない専用光演出である。
次に、第2期間(3R〜13R)における画像表示演出について、上記のように第1期間において遊技者により選択された音演出(BGM楽曲)に対応する画像表示演出が現出するようにしている。同様に、第2期間における音演出と光演出についても、第1期間において遊技者により選択された音演出と、その音演出に対応する光演出が現出するようにしている。ここで、第1期間(1R〜2R)においては、音演出のサビ部分から構成されるサビ音演出を現出するようにしていたが、この第2期間(3R〜13R)においては、音演出の全てのフレーズ(構成要素)を含む、つまりイントロ、メロディ(Aメロ、Bメロ)、サビ、アウトロなどの部分のフレーズを含む楽曲全体を音演出として現出させる。第2期間が開始されると、画像表示演出、音演出、および光演出が、それらの演出シナリオの最初の場面から現出することとなる。
第3期間(4R〜16R)においては、画像表示演出としてエンディング映像が現出し、音演出としてそのエンディング映像に対応したものが現出し、光演出としてエンディング映像に対応したものが現出する。また、この第3期間において、大当り遊技状態に続く確変状態用として、複数種類用意されている確変演出モード(確変中に表示させる画像)のなかからいずれか1つを、遊技者に対して選択させるようにしている。
なお、この確変演出モードの選択について、通常遊技状態時に大当りになった場合にのみ(初当り時にのみ)選択が許され、確変状態時に大当りになった場合(連チャン中)は選択不可な構成としてもよい。また、反対に、通常遊技状態時に大当りになった場合には選択不可とし、確変状態時に大当りになった場合(連荘の場合)に限定し選択可能としてもよい。また、確変演出モードを複数用意しない構成、つまり確変演出モードの選択をなくした構成としてもよく、この場合、第3期間をなくし、3ラウンド目〜16ラウンド目までを第2期間としてもよい。
上記のように本実施形態では、大当り遊技中における音演出と光演出の現出を制御するにあたり、特に光演出についての制御パターンとして、第2期間の開始時(3Rの開始時)に、「選択中光演出」から「選択された音演出に対応する光演出」に切替える。ここで特徴的な所は、「選択中光演出」の側にある。すなわち、本実施形態の場合、音演出と光演出が重なって現出する第2期間(3R〜13R)の前に存在する第1期間(1R〜2R)中においては、そこでの選択中光演出を、光量や発光パターンもしくは発光色について変化させないように一定値で連続させる専用光演出としている。このため、光量等の変化から目に刺激を受けて遊技者の目がチカチカする、という選択期間中での不都合を防止することができる。
図8は、図7のラウンド遊技1R〜13Rまでの区間を詳細に示したものであり、時刻t0〜t6は図6のものに対応している。ラウンド遊技1R〜2Rの期間がBGMの選択可能期間T1となっており、この選択可能期間T1中の時刻t0で「BGMA1」として、BGMA(たとえば、タイトル名“俺が塾長”のロック調のBGM)に対応する選択時用デモ再生フレーズが演奏される。ここで選択時用デモ再生フレーズ「BGMA1」は、たとえばイントロ、サビ、Aメロ、Bメロ、アウトロ等からなる楽曲のうちから、サビの部分だけを抜き出して、予め音源フレーズとして記憶しておいたものであり、サビの部分のフレーズだけからなる点に特徴がある。これに対し、BGMA1が選択され確定された後で演奏される「BGMA」は、上記のイントロ、サビ、Aメロ、Bメロ、アウトロ等からなる楽曲からなる点で、「BGMA1」と相違する。
大当り遊技状態中の選択可能期間T1中において、遊技者による演出ボタンの操作が複数回行われる。1回目の演出ボタン操作(時刻t2)でBGMA1からBGMB1に変更され、2回目の演出ボタン操作(時刻t3)でBGMB1からBGMC1に変更され、3回目の演出ボタン操作(時刻t5)でBGMC1からBGMA1に変更され、最終的に遊技者がBGMA1を確定的に選択したケースとなっている。
図8では、1R中の時刻t2で、「BGMB1」として、BGMB(たとえば、タイトル名“可愛い妻”の演歌調のBGM)に対応する選択時用デモ再生フレーズが選択され演奏される。また1R中の時刻t3で、「BGMC1」として、BGMC(たとえば、タイトル名“パチ大好き漢”のブルース調のBGM)に対応する選択時用デモ再生フレーズが選択され演奏される。また2R中の時刻t5で、再度「BGMA1」としてBGMAに対応する選択時用デモ再生フレーズが選択され演奏される。これらのBGMA1〜C1は、選択時用デモ再生フレーズであり、BGMA〜Cの楽曲のサビの部分のみから構成されている。
その後の時刻t6で、大当り遊技状態中のBGM選択可能期間T1が終了する。このBGM選択可能期間T1が終了する2ラウンド目の終了時が到来したことをBGMの決定条件が満たされたとして、最終的に遊技者が選択していたBGMの楽曲が、3ラウンド目から再生されるBGMとして決定される。そして3ラウンド目が開始されると(実行条件に基づき)、決定されたBGMの楽曲が、そのイントロ部分から演奏される。図示の例では、この時刻t6において、BGMA1からBGMAに引き継がれて「BGMA1+BGMA」が演奏されるケースを示している。「BGMA」は、「BGMA1」と同じタイトル名“俺が塾長”のBGMであり、サビの部分のフレーズだけではなく、イントロ、サビ、Aメロ、Bメロ、アウトロ等の部分のフレーズを含むBGMである。したがって、3ラウンド目が開始されると、“俺が塾長”のBGMのサビの部分のフレーズに続く形で、“俺が塾長”のBGMがその最初のイントロの部分のフレーズが演奏される。この“俺が塾長”のBGMAの演奏は、13ラウンド目が終了する時刻t7まで継続して行われる。
また、時刻t6においては、映像とLEDパターンについても、最終的に遊技者が選択したBGMに応じたものに変更される。これを図8中の“映像”の欄と“LED”の欄とに示す。今回のケースの場合、最終的に時刻t6で、BGMAが選択されることから、時刻t6以降の映像については、それまでのオープニング映像からBGMA(“俺が塾長”)の映像に変更される。また、光演出のLEDパターンについては、時刻t6で楽曲選択用LEDパターンからBGMA(“俺が塾長”)のLEDパターンAに変更される。
(大当り時の演出態様:図11)
図11は、図8の時刻t0、t2、t3において現出される演出の演出態様を示したものであり、図11中の(A)は時刻t0において現出される演出の演出態様を、(B)は時刻t2において現出される演出の演出態様を、(C)は時刻t3において現出される演出の演出態様を示している。
図11(A)を参照して、1ラウンド目が開始されたタイミング時刻t0において、液晶表示装置36には“オープニング映像”が流れており、スピーカ46からはBGMA(“俺が塾長”)が再生され、装飾ランプ45からは楽曲選択用LEDパターンが現出している。オープニング映像は、遊技者自身がBGMを選択することが可能であることを報知するための楽曲選択画像表示演出であり、(イ)BGMの選択に関する情報の表示と(ロ)大当りに関する情報の表示とを行っている。BGMA1(“俺が塾長”)は、BGMAのサビ部分のフレーズから構成されるBGMである。なお、下記の時刻t2やt3において再生されるBGMB1(“可愛い妻”)やBGMC1(“パチ大好き漢”)についても同様にサビ部分のフレーズから構成されるBGMである。
(イ)BGM選択に関する情報の表示について
符号130a〜130cは選択肢を示し、これらの選択肢は、現在現出中(現在選択中)の1つのBGMの選択肢と選択可能な複数のBGMの選択肢とからなり、それぞれ各タイトル名が記された画像により構成されている。中段の選択肢130aは現在カーレントとなっているものであり、図11(A)ではBGMA(“俺が塾長”)と記された選択用画像からなり、現在選択された状態にある。上段の選択肢130bは、方向キー75による下向き選択位置移動時にカーレントの次候補となるもので、図11(A)ではBGMB(“可愛い妻”)と記された選択用画像からなり、選択肢130aの上側に位置している。下段の選択肢130cは、方向キー75による上向き選択位置移動時にカーレントの次候補となるもので、図11(A)ではBGMC(“パチ大好き漢”)と記された選択用画像からなり、選択肢130aの下側に位置している。BGM“俺が塾長”に対応する選択肢130aについては、現在選択中であることを明らかにするため、中段に設け、その上下の選択肢130b、130cよりも大きな面積規模の選択用画像とし、枠を縁取りし、その枠内にタイトル名を表記している。こうすることで、他の選択肢よりも目立たせ、遊技者に現在流れているBGM種別が何であるかを分かりやすく報知している。
符号131aは方向キー75を模した方向キー画像を示し、符号131bは各演出ボタンを模した方向キー75画像を示し、符号131cは方向キー75と枠操作ボタン13を用いたBGM選択方法を説明する文字情報の画像を示す。また符号132は現在現出中のBGM(BGMA)に対応するデモ映像を示している。文字情報画像131cには「方向キーで曲を選んで ボタンで決定よ!」と説明文が記されており、これにより選択肢130a〜130cのうちの上段と下段の選択可能なBGM種別を、方向キー75の上下ボタン75a、cを押圧することで選択できることを遊技者に報知している。また、枠演出ボタン13を押圧することで、選択したBGMに決定(選択状態を確定)できることについても遊技者に報知している。デモ映像132は、液晶表示装置36の画面内の右側に設けられた所定の大きさの表示領域において表示されるようになっている。図11(A)では、BGMA(“俺が塾長”)に対応した宇宙人に関する映像が流れている例が示されている。
(ロ)大当りに関する情報の表示について
符号133は大当り種別を特定する大当り種別報知画像と現在のラウンド数を特定するラウンド数報知画像とを示し、符号134は大当り中に獲得した賞球の総数を特定する総賞球数画像を示し、符号135は遊技球の打出し方向を報知する打出方向画像を示している。ここでは、16R長開放確変大当りであることを特定する「SUPER BIG BONUS」という大当り種別報知画像と、1ラウンド目であることを特定する「1R」というラウンド数報知画像が表示されている。また、現在の獲得賞球数が0発である旨を示す「0発GET」という総賞球数画像134が表示されている。
図11(B)は、1R遊技中の時刻t2において、遊技者により方向キー75の下方向を指すボタン75cが押圧され、BGMB(“可愛い妻”)の選択肢が選択されたケースが示されている。この場合、液晶表示装置36の画面内の選択肢について、BGMBの選択肢130bが上段から中段に移動し、BMGC(“パチ大好き漢”)の選択肢130cが下段から上段に移動し、BGMA(“俺が塾長”)の選択肢130aが中段から下段に移動する選択肢変更演出が行われる。これらの移動の際には、現出するBGMB(“可愛い妻”)の選択肢130bの文字が大きくなると共に枠が縁取られ、選択可能となったBGMA(“俺が塾長”)の選択肢130aの文字が小さくなると共に枠の縁取りがなくなる。
また、デモ映像132については、BGMBに対応した映像が流れており、ここでは、マスコットキャラクタが親指を立てる場面が流れる例が示されている。総賞球数画像134については、現在の獲得賞球数が45発に増えたため、「45発GET」と表示されている。
装飾ランプ45のLEDパターンについては、BGMBへの切替えに関係なく、楽曲選択用LEDパターンが継続して現出している。これは、大当り時の選択可能期間T1におけるLEDパターンは、1つの楽曲選択用LEDパターンに固定されており、そのLEDパターンが連続して現出しているからである。下記の時刻t3におけるBGM切替えの場合についても同様である。
図11(C)は、1R遊技中の時刻t3において、遊技者により方向キー75の下方向を指すボタン75cが押圧され、BGMC(“パチ大好き漢”)が選択された場合のケースが示されている。この場合、液晶表示装置36の画面内の選択肢について、BGMCの選択肢130cが上段から中段に移動し、BGMA(“俺が塾長”)の選択肢130aが下段から上段に移動し、BGMC(“可愛い妻”)の選択肢130bが中段から下段に移動する。これらの移動の際には、現出するBGMCの選択肢130cの文字が大きくなると共に枠が縁取られ、選択可能となったBGMBの選択肢130bの文字が小さくなると共に枠の縁取りがなくなる。
また、デモ映像132については、BGMCに対応した映像が流れており、ここでは、10式戦車が走る場面の画像が流れる例が示されている。総賞球数画像134については、現在の獲得賞球数が90発に増えたため、「90発GET」と表示されている。装飾ランプ45のLEDパターンについては、BGMCへの切替えに関係なく、楽曲選択用LEDパターンが継続して現出している。
(確変状態中:図6)
図6に戻り、確変状態中についての音演出と光演出の関係について説明する。図6において、T2は確変状態中において音演出として楽曲のBGM(a〜e)が選択可能な期間(選択可能期間T2)であり、確変状態中の全期間において音演出の楽曲が選択可能となっている。
時刻t11は、大当り遊技状態から確変状態に移行されたタイミングであり、このタイミングから選択可能期間T2に入る。この時刻t11のタイミングにおいて、大当り遊技中に現出していた音演出のBGMAおよび光演出のLEDパターンAが終了し、BMGAから確変状態用の初回音演出のBGMaへの切替えと、LEDパターンAからBGMaに対応するLEDパターンaへの切替えとが行われる。
確変状態中にBGMを切替える場合における目のチカチカ防止を解決する手段として、BGMaとLEDパターンaをどのような関係におくかについて幾つかの方法があるが、図6ではそのうちの2つの制御例(第1制御パターンと第2制御パターン)を示している。以下詳述する。
まず第2制御パターンの場合から説明する。図6の確変状態中の時刻t11〜時刻t13における音演出と光演出の制御パターンは、BGMを切替える場合における目のチカチカ防止を解決するための、「音演出と光演出を同時に実行させつつ所定期間は光演出を暗い状態で現出させる」という上記第2制御パターンに対応している。図6において、時刻t13は、遊技者により方向キー75および枠演出ボタン13の操作が行われて、BGMbが選択されたタイミングである。詳しくは、遊技者によるBGMの楽曲の選択操作に関し、方向キー75が操作されて所定の選択条件が満たされ、それにより対応するBGMの選択肢が選択されて所定の決定条件が満たされて、その選択肢による楽曲の選択が確定して所定の実行条件が成立したタイミングである。図6では、選択可能期間T2に入った時刻t11でBGMaが開始され、そのBGMaが、選択操作により時刻t13でBGMbに変更される。選択操作されるまでの期間T3中、BGMaの変更が行われず継続している。LEDパターンaも同様で、時刻t11でLEDパターンaが開始され、そのLEDパターンaが、そのまま時刻t13まで、さらにはこれより所定の時間T5が経過した後の時刻t14まで継続している。
このうち選択可能期間T2に入ってから選択操作されるまでの期間T3に着目すると、LEDパターンaについては、時刻t12で所定の切替条件が満たされるまで、この例では時刻t11から10秒が経過して楽曲のサビ部分が到来するまで(切替条件)、光量がゼロとされる。すなわち、選択操作されるまでの期間T3中の途中でサビの部分が到来する時刻t12が到来するまでの期間T4(10秒間:時刻t11〜時刻t12)は、光量がゼロに制御される。次いで、この時刻t12から、光演出のLEDパターンaの光量がMAX状態に戻される制御(設定変更)がなされ、通常の明るさでLED45が発光するように、LED45の光量が制御される。
上記所定の期間“10秒”は、選択可能期間T2に入った時点から開始した音演出のBGMaにおいてイントロ部分などが終わり、サビの部分が到来する時点までの時間であり、BGMa〜eごとに適切な時間(期間T4)が設定される。時刻t11〜t13の期間T3は、遊技者が「BGMa」を選択した場合を想定したものであったが、「BGMa〜e」を選択すべく、方向キー75を操作し、希望する楽曲の位置で枠演出ボタン13を押して、当該楽曲の選択状態を確定する場合にも適用される。また、時刻t11〜t12の期間内に、遊技者が楽曲を他の楽曲、たとえばBGMbの楽曲を選択し確定させたときは、その時点から、ふたたびBGMbの楽曲についてサビフレーズ到来までの期間T4の計数が開始される。
BGMaとLEDパターンaとの関係は、時刻t11において、BGMaへの切替えと共にLEDパターンaへの切替えが実行され、その後に、BGMa〜eを選択する方向キー操作が複数回行われることになっても、その方向キー操作の期間中における最初(前半)の期間、つまりサビの部分が到来するまでの期間は、LEDパターンaの光量が、光量0に落とされるか、または人間の目に眩しい光などのように煩わしい光として感じさせない程度の低い光量に落とされる。この時刻t11〜t12の期間内に、遊技者が楽曲を他の楽曲に選択し確定させたときは、その時点から、ふたたびその楽曲に対応する時間の計数が開始される。いずれにしても、この期間T4(少なくとも10秒)の期間中は、光演出の光量が人の目に強い刺激を与えないレベルに抑えられるので、遊技者が楽曲の選択操作をしても、光演出によって遊技者の目がチカチカすることを防止することができる。
次に第1制御パターンの場合について説明する。「第1制御パターン」は、「遊技者がBGMの選択操作をしてBGMを現出させた場合、それからある程度の時間が経過してから、つまり発生時点を遅らせて光演出を現出させる」という制御パターンである。
図6の時刻t13以降の部分について着目する。図6において、時刻t13は、遊技者により演出ボタン(方向キー75)の操作が行われ、BGMbが選択されたタイミングであり、この時点t13から、選択されたBGMbが現出する。その後、所定の時間T5が経過した後の時刻t14において、選択されたBGMbに対応するLEDパターンbが現出するようになっている。この時刻t13にて開始されるBGMbは、イントロ、サビ、Aメロ、Bメロ、アウトロ等を含む楽曲全体をBGMとしたものであり、該当する楽曲の最初のイントロ部分から現出するようになっている。時点t13〜t14の期間T5は、演出ボタンを操作した時点から楽曲のサビ部分に到来するまでの時間である。
このようにすると、BGMbとLEDパターンbの実行時期の一部が、時刻t14以降の区間において重なるが、それより前の区間(期間T5)ではLEDパターンbが存在しないので、BGMbに応じてLEDパターンbの光量が変化しないこととなる。よって、BGMを遊技者が選択した場合における目のチカチカが防止される。なお、期間T4やT5について、楽曲のサビ部分に到来するまでのBGM種別(a〜e)ごとに対応する時間とせずに、BGM種別に関係のない固定した時間、たとえば10秒としてもよい。
図7(B)は、図6の確変状態の区間における映像、BGM、LEDによる演出の関係を概略的に示したものであり、包括的な表現を可能にするため、横方向が時間軸となっていない点で図7(A)の場合と異なる。大当り遊技状態から確変状態に移行した場合、映像としては、大当り遊技状態中のエンディングで選択された確変演出モードの映像が現出される。音演出のBGMも、大当り遊技状態中のエンディングにおいて、BGMa〜eの楽曲について、確変演出モード用として選択されたBGMが現出される。光演出のLEDパターンも、大当り遊技状態中のエンディングにおいて、光演出a〜eについて、確変演出モード用として選択された光演出が現出される。
図9は、図6の確変状態の区間、特には時刻t11〜t13における映像、BGM、LEDによる演出の関係(制御例1)を示した詳細図である。方向キー75を操作した時点が、時刻t13、t15〜t17の4か所となっている。図9において、時刻t11で大当り遊技状態から確変状態に移行し、確変状態中は確変演出モードに応じた映像として“空飛ぶ円盤”の映像が液晶画面に現出される(図12(A)参照)。また音演出のBGMについては、時刻t11で楽曲“君が代”からBGMa(たとえば、“部隊歌”)に切替わる。このBGMaは初回デフォルト楽曲となっている。その後、遊技者が方向キー75を操作して、時刻t13でBGMb(たとえば、“兵隊ソング”)に切替える。この時刻t11〜t13の間に、画像は“空飛ぶ円盤”から光線が発射され、宇宙人が降り立つ画像へと変化する(図12(A)(B)(C))。時刻t15でBGMc(たとえば、“軍楽”)に切替え、時刻t16でBGMd(たとえば、“愛国歌”)に切替え、時刻t17でBGMe(たとえば、“国民歌謡”)に切替えた事例となっている。時刻t14はBGMb(“兵隊ソング”)においてサビの部分が開始される時点を、また時刻t18はBGMe(“国民歌謡”)においてサビの部分が開始される時点を示している。
一方、光演出のLEDパターンについては、時刻t11〜t13の期間で“君が代”からBGMaのLEDパターンaに切替わる。その後、時刻t13〜t15の期間で、BMGbのLEDパターンbに切替えられる。その後、時刻t15でBGMcのLEDパターンcに切替え、時刻t16でBGMdのLEDパターンdに切替え、時刻t17からBGMeのLEDパターンeに切替える。この時刻t14〜t18の間に、画像は“空飛ぶ円盤”から複数の宇宙人が降り立つ画像、“空飛ぶ円盤”が去ってゆく画像、3人の宇宙人が降り立った画像へと変化する(図13(D)(E)(D))。
BGMの楽曲は、最終的に時刻t13でBGMbに切替えられるに先立ち、たとえば時刻t11〜時刻t13の間で方向キー75が操作されてBGMa〜eについての選択肢が循環式に切替えられて、その都度、対応する音演出が選択される。しかし、この区間(t11〜t13)における光演出の光量は、その途中の時刻t12までは光量ゼロまたは人が煩わしく感じない程度に少量であり、遊技者に対して強い刺激を与えない。BGMaがサビ部分に到達して(10秒が経過して)時刻t12になると、通常の光量である光量MAXに戻され、音演出のBGMの楽曲に応じてLED45の発光量が増減される状態になる。ここで、楽曲に応じて光量が増減されるとは、楽曲のテンポに応じて発光量の強い個所が現れ、楽曲の調子の強い個所で発光量が増大する関係を言う。これは音演出のBGMの楽曲とLED45の発光パターンとが相関を持つ関係にある場合の代表例であり、相関をなくすることができれば、本発明の初期の効果を得ることが出来る。たとえば、一のBGMに応じて発光量が変化する発光パターンと、他のBGMに応じて発光量が変化する発光パターンとは、互いに相関がない発光パターンであるとして扱うことが出来る。
また時刻t15、時刻t16、時刻t17でのBGMの楽曲の切替えは、図6の期間T4(10秒)が経過しない短い時間間隔で、切替操作が行われた例となっている。したがって、BGMの楽曲が、BGMbからBGMc、d、eへと切替えられる度に、図6の期間T4(10秒)が更新される。よって、時刻t15〜t17およびその後のサビ到来まで(10秒)の期間(t15〜t18の期間)が光量ゼロの期間T4となる。そこで、時刻t15〜t17でBGMの楽曲の切替えを行っても、BGMa〜eの楽曲が音出力されるだけであって、光演出がLEDからの強い光で実行される訳ではないので、遊技者の目がチカチカすることがなくなる。
図10は、図6の確変状態の区間における映像、BGM、LEDによる演出の関係(制御例2)を示した具体例である。方向キー75を操作した時点が、時刻t13、t15〜t17の4か所となっている。時刻t0〜t14は図6のものと対応している。図9と同様の内容については具体的な説明を省略する。
図10において、時刻t11で大当り遊技状態から確変状態に移行し、確変状態中は確変演出モードに応じた映像として“空飛ぶ円盤”の映像が液晶画面に現出される(図14(A)参照)。また音演出のBGMについては、時刻t11で楽曲“君が代”からBGMa(“部隊歌”)に切替わる。その後、遊技者が方向キー75を操作して、時刻t13でBGMb(“兵隊ソング”)に切替え、時刻t15でBGMc(“軍楽”)に切替え、時刻t16でBGMd(“愛国歌”)に切替え、時刻t17でBGMe(“国民歌謡”)に切替えた事例となっている。時刻t14はBGMbにおいてサビの部分が開始される時点を、また時刻t18はBGMeにおいてサビの部分が開始される時点を示している。
遊技者によるBGM楽曲の選択は、図9(図11の符号130a〜c)の場合と同様に、画面内に表示されるBGM種別を示す画像から構成される複数の選択肢を用いて行われる。具体的に、図12(A)に示すように、BGM楽曲(BGMa)のタイトル名が記された画像の選択肢140aと、その両側にそれぞれ左右を指す画像の選択肢140b、cと、を用いて行われる。選択肢140aは、現在カーレントとなっているものであり、選択された現在現出中のBGM楽曲に対応するものである。左方向を指す選択肢140bは、選択可能なBGM楽曲を予め定めた曲順に並べた場合において、現在現出中のBGM楽曲の1つ前の曲順のBGM楽曲に対応するものであり、右方向を指す選択肢140cは現在現出中のBGM楽曲の1つ前のBGM楽曲に対応するものである。選択肢140b、cについては、対応するBGMのタイトル名が記されていない画像から構成されており、遊技者は方向キー75(左右のボタン75b、d)を操作して選択するまで、どのようなBGM楽曲が流れるのかはわからないようになっている。遊技者により方向キー75が操作されると、選択肢140aの画像が選択されたBGM楽曲のタイトル名が記された画像に変化し、BGM楽曲が切替えられたことを遊技者に報知することができる。
時刻t13でBGMbに切替えられるが、この時点では、光演出のLEDパターンがBGMaのLEDパターンaを継続しており、変化しないので、遊技者の目がチカチカする度合いが小さくなる(図14(A)(B)(C))。そして、時刻t14で、図6の期間T5(BGMbのサビ部分到来までの時間、または10秒)が経過したことから(切替条件が満たされたことから)、BGMaのLEDパターンaからBGMbのLEDパターンbに切替わる。このLEDパターンbの発光形態は、BGMbのサビの部分(時刻t14)に合わせた形態(色彩、光量)から行われる(図15(D))。
また時刻t15、時刻t16、時刻t17でのBGMの楽曲の切替えは、図6の期間T5(対応したGBM楽曲のサビ部分到来までの時間、または10秒)が経過しない短い時間間隔で、切替操作が行われた例となっている。したがって、BGMの楽曲が、BGMc、d、eへと切替えられる度に、図6の期間T5が更新される。よって、時刻t15〜t17でBGMの楽曲の切替えを行っても、BGMの楽曲が切替えられるだけであって、光演出のLEDパターンはBGMbのLEDパターンbが継続するので、遊技者の目がチカチカすることがなくなる(図15(E))。
その後、時刻t18で、図6の期間T5(BGMeのサビ部分到来までの時間、または10秒)が経過したことから、BGMbのLEDパターンbからBGMeのLEDパターンeに切替えた事例となっている(図15(F))。このLEDパターンeの発光形態は、BGMeのサビの部分(時刻t18)合わせた形態から行われる。
(大当り遊技開始時演出制御処理:図16)
この大当り遊技開始時演出制御処理は、大当り遊技の開始契機が到来した場合、液晶表示装置36、スピーカ46、装飾ランプ45などを用いて、大当り遊技中に行う演出を現出するための演出制御処理である。
図16において、演出制御部24(CPU241)は、まず、液晶表示装置36の画面内において、楽曲選択画像表示演出(オープニング映像)を行う(S701)。このオープニング映像については、図11(A)で説明したように、(イ)BGMの選択に関する情報の表示と(ロ)大当りに関する情報の表示が行われるが、この処理では(ロ)大当りに関する情報の表示に関する設定が行われる。(イ)BGMの選択に関する情報の表示についての設定は、下記のステップS704、ステップS705、ステップS706にて行われる。(ロ)大当りに関する情報の表示に関する設定では、今回の大当りの大当り種別を特定する情報(図11(A)の「SUPER BIG BONUS」:符号133)を表示したり、大入賞口50を狙い遊技球の打ち出しを報知する情報(図11(A)の右方向を指す矢印:符号135)を表示したりする設定が行われる。なお、ラウンド遊技(1ラウンド目)が開始されると、現在のラウンド数を報知する情報(図11(A)の「1R」:符号133)や大当り遊技中に獲得したトータルの賞球数(連荘大当り遊技中に獲得した賞球数も含む)を報知する情報(図11(A)の「0発GET」:符号134)を表示する設定も行われる。
次いで、装飾ランプ45を用いて、楽曲選択光演出(楽曲選択用LEDパターン)を行う(ステップS702)。ここで行われる楽曲選択光演出は、サビ音演出とは関係のない予め定められた楽曲選択用のLEDパターンである。この楽曲選択用のLEDパターンの演出シナリオをROM242から読み出し、その演出シナリオに基づき装飾ランプ45を制御することで、楽曲選択光演出が現出されることとなる。なお、楽曲選択光演出は、最初に流れるサビ音演出に合わせたLEDパターンでもよい。そして、ここで行われる楽曲選択光演出は、楽曲選択期間が終了するまで変更されることはない。
次いで、スピーカ46を用いて、サビ音演出(選択中音演出)(楽曲選択用音演出)を行う(ステップS703)。サビ音演出には、BGMA1、BGMB1、BGMC1というように複数種類のサビ音演出が用意されているが、予め定められた1つのBGMA1を行うようにする。このBGMA1の演出シナリオをROM242から読み出し、その演出シナリオに基づきスピーカ46を制御することで、サビ音演出が現出されることとなる。なお、BGMA1を選択するのではなく、大当りの度に抽選でサビ音演出を選択してもよいし、前回の大当り時に選択したBGMに対応したものを選択してもよいし、連荘の度に選択可能なBGMが追加されるような場合はその追加されるBGMに対応したものを選択してもよい。
次いで、液晶表示装置36の画面内において、サビ用音演出に対応するデモ用画像表示演出を行う(ステップS704)。ここでは、サビ用音演出に対応したデモ映像を選択し、液晶表示装置36の画面内のデモ映像用の表示領域において、選択したデモ映像を現出する処理が行われる。デモ映像の現出は、演出制御部24から映像出力処理全般の制御を司るVDP(表示制御部)にコマンドを送信し、コマンドを受信したVDPの制御に基づいて行われる。コマンドには、現出するデモ映像を特定する情報が含まれる。
また、液晶表示装置36の画面内において、連荘回数に対応した楽曲選択画面を表示する(ステップS705)。連荘回数は遊技状態が通常状態に転落することなく連続した大当りの回数を示しており、この連荘回数に応じて選択可能なBGM楽曲が異なっており、具体的には、連荘回数が1または2増えるほど、選択可能なBGM楽曲が1曲追加されることとなる。このため、画面内に表示するBGMの選択に関する楽曲選択画面として、現在の連荘回数に対応したBGM楽曲の複数の選択用画像(選択肢)を表示している。このとき、選択可能な全てのBGM楽曲の各画像を表示せずに、遊技者によるBGM楽曲の認識力(見易さ)を向上させるように、3個程度(上段、中段、下段)を表示し、予め決められた曲順に従い、中段に現在選択中のBGMの画像(ステップS706)、上段に曲順が1つ前のBGMの画像、下段に曲順が1つ後のBGMの画像を表示している(図11の符号130a〜130c)。ここで、ステップS706に関し、画面に表示するBGMの選択用画像(選択肢)のうち、中段に表示するものについては、現在現出中のサビ音演出に対応するBGMの選択用画像が予め表示されるように設定されている。この中段のBGM画像については、上段や下段のよりも大きな面積規模の画像とし、枠を縁取りすることで、他のものよりも目立たせ、遊技者に現在流れているBGM楽曲が何であるかを分かりやすく報知している。
次いで、現時点から2ラウンド目が終了するまでを、BGM楽曲を選択可能な楽曲選択期間として設定する(ステップS707)。また、楽曲選択に関する演出制御手段(方向キー75や枠演出ボタン13)による操作を有効とする有効期間を、楽曲選択期間と同じ現時点から2ラウンド目が終了するまでの期間に設定する(ステップS708)。なお、2ラウンド目が終了するまで、BGM楽曲を決定するために、枠演出ボタン13が押圧された場合は、楽曲選択期間や演出制御手段操作の有効期間は押圧された時点で終了する。
(大当り遊技中楽曲選択期間演出制御処理:図17)
この大当り遊技中楽曲選択期間演出制御処理は、大当り遊技中の楽曲選択期間(1〜2R目)において、液晶表示装置36、スピーカ46、装飾ランプ45などを用いて現出する演出についての、演出制御部24が実行する演出制御処理である。
図17において、演出制御部24(CPU241)は、まず、楽曲選択期間が終了したか否かを判定する(ステップS711)。楽曲選択期間は、上記の大当り開始時において実行される大当り遊技開始時演出制御処理内において設定され、2ラウンド目が終了すると、または枠演出ボタン13が押圧されると、終了する。この処理では、2ラウンド目が終了した場合、または枠演出ボタン13が押圧された場合、楽曲選択期間が終了したとして(ステップS711:YES)、次にステップS716を実行する。
一方、2ラウンド目が終了していない場合、または枠演出ボタン13が押圧されていない場合は、楽曲選択期間が継続しているとして(ステップS711:NO)、演出操作手段の操作が行われたか否かを判定する(ステップS712)。具体的には、楽曲の選択に用いる方向キー75が遊技者により押圧されたか否かを判定する。本実施形態では、この楽曲選択期間において方向キー75のうち上方向を指すボタン75aまたは下方向を指すボタン75cを操作することでBGMの楽曲が選択できるようになっており、これらのボタンの押圧が確認された場合(ステップS712:YES)、次にステップS713を実行する。一方、方向キー75が押圧されていない場合や方向キー75の左右ボタン75b、dが押圧された場合(ステップS712:NO)、この大当り遊技中楽曲選択期間演出制御処理を抜ける。下記では、複数種類のBGM楽曲のBGMA、B、Cのうち、BGMBが新たに選択された場合を例に説明する。
方向キー75の上下方向のボタン75a、cが操作された場合、液晶表示装置36の画面内において、押圧されたボタンが示す方向のBGMの楽曲が選択されたことを報知するために、その選択されたBGM楽曲の画像(選択肢)にカーソルを移動する画像表示演出(選択肢変更演出)を行う(ステップS713)。ここで、「選択されたBGM楽曲の画像(選択肢)にカーソルを移動する」とは、BGMの楽曲の種類(タイトル)が記された画像が画面内に固定された状態で表示されている場合に、選択中であることを示すカーソル画像を、選択されたBGM楽曲の画像に向けて移動すること、またはBGM楽曲の種類が記された画像が画面内に移動可能な状態で表示されている場合に、選択中であることを示す表示位置(表示領域)に、選択されたBGM楽曲の画像を移動すること、を言い、つまり、画面内で選択中であることを示す画像や位置に対して、選択されたBGM楽曲の画像である選択肢を相対的に移動することを言う。大当り遊技中の楽曲選択期間T1の場合、3種類のBGM楽曲(BGMA、B、C)の各画像(選択肢)を上段、中段、下段位置に表示可能とし、そのうちの中段位置に表示されている選択肢のBGM楽曲が選択中であることを示すものとしている。そして、方向キー75の上下方向のボタン75a、cを操作することで、上段または下段に表示されている画像のBGM楽曲を選択することができるようになっている。
たとえば、上段、中段、下段位置にそれぞれBGMB、A、Cの画像が表示されている状態(図11(A))で、上方向を指すボタン75aが押圧された場合、上段位置に表示されていた画像(選択肢)のBGMBが選択されたことから、そのBGMBの画像(選択肢)を上段から中段位置に移動し、その他の選択されなかった中段や下段のBGMA、Cの画像(選択肢)をそれぞれ下段や上段位置に移動する選択肢変更演出を行う(図11(B))(なお、4種類以上のBGM楽曲(BGMA、B、C、D、・・・)が選択可能である場合、新たなBGM楽曲(BGMD)の画像を上段位置に表示するようにしてもよい)。また、上段、中段、下段位置にそれぞれBGMA、C、Bの画像が表示されている状態(図11(C))で、下方向を指すボタン75cが押圧された場合、下段位置に表示されていた画像(選択肢)のBGMBが選択されたことから、そのBGMBの画像(選択肢)を下段から中段位置に移動し、その他の選択されなかった中段や上段のBGMA、Cの画像(選択肢)をそれぞれ上段や下段位置に移動する選択肢変更演出を行う(なお、4種類以上のBGM楽曲が選択可能である場合、新たなBGM楽曲(BGMD)の画像を下段位置に表示するようにしてもよい)。
次いで、スピーカ46を用いて、選択されたBGM楽曲に対応するサビ音演出を行う(デモ再生)(ステップS714)。複数種類のBGM楽曲のBGMA、B、Cに対応したサビ音演出として、BGMA1、B1、C1が用意されており、BGMBが今回選択されたので、対応するBGMB1が選択され再生される。具体的には、このBGMB1の演出シナリオをROM242から読み出し、その演出シナリオに基づきスピーカ46を制御することで、対応するBGMB1が現出されることとなる。なお、具体的なBGM楽曲(BGMB1)の再生開始タイミングについて、方向キー75が操作されてBGMが選択され、選択肢変更演出で中段位置にそのBGMの画像が表示される(たとえば、上段から中段に移動する演出が終了する)のを待ってから、BGM楽曲を再生してもよいし、選択肢変更演出の途中や方向キー75の操作時にBGM楽曲を再生してもよい(下記の確変状態中楽曲選択期間演出制御処理(図19、20)についても同様である)。
次いで、液晶表示装置36の画面内において、選択されたBGM楽曲のサビ用音演出に対応するデモ用画像表示演出を行う(ステップS715)。ここでは、上記ステップS704と同様に、新たなBGMBに対応したデモ映像を選択し、液晶表示装置36の画面内のデモ映像用の表示領域において、選択したデモ映像を現出する処理が行われる。この処理を終えると、大当り遊技中楽曲選択期間演出制御処理を抜ける。
また、楽曲選択期間が終了したと判定された場合(ステップS711:YES)、つまり2ラウンド目が終了した、または枠演出ボタン13が押圧された場合、演出制御部24は、選択中のBGM楽曲に確定し、確定したBGM楽曲に対応した画像表示演出、音演出、光演出を3ラウンド目の開始と共に現出する処理を次のように行う。具体的に、複数種類のBGM楽曲のBGMA、B、CのうちBGMAに確定した場合を例に説明する。
まず、液晶表示装置36の画面内において行う画像表示演出について、BGM楽曲の画像(選択肢)の表示やデモ再生を中断し、確定したBGM楽曲に対応する背景表示の背景演出を行う(ステップS716)。今回の例の場合、確定したBGMAに対応した背景表示による背景演出が、新たに再生されるBGMAに合わせて実行されることとなる。また、音演出について、確定したBGM楽曲を再生する(ステップS717)。今回の例の場合、新たなBGMとして、BGMAが最初から再生されることとなる。また、光演出について、確定したBGM楽曲に対応する光演出を行う(ステップS718)。今回の例の場合、確定したBGMAに対応した光演出(LEDパターン)が、BGMAに合わせて実行されることとなる。
次いで、演出操作手段の方向キー75や枠演出ボタン13の操作を有効とした有効期間を終了する設定を行う(ステップS719)。これにより、大当り遊技中において、楽曲選択に関する演出操作手段による操作が不可能な状態となる。この処理を終えると、大当り遊技中楽曲選択期間演出制御処理を抜ける。
(確変状態開始時演出制御処理:図18)
この確変状態開始時演出制御処理は、確変状態の開始契機が到来した場合、液晶表示装置36、スピーカ46、装飾ランプ45などを用いて、確変状態中に行う演出を現出するための演出制御処理である。なお、図16と同様の処理内容については具体的な説明を省略する。
図18において、演出制御部24(CPU241)は、まず、液晶表示装置36の画面内において、確変演出モードに対応した楽曲選択画像表示演出を行う(ステップS801)。確変演出モードについては、大当り遊技中の14〜16ラウンド目において、遊技者により複数種類の確変演出モード中から選択されている。そして、その選択された確変演出モードに対応した背景演出を実行する。
次いで、初回音演出に対応する音演出(BGM)を実行する(ステップS802)。実行される初回音演出については、連荘中ではなく初当りして確変状態に移行した場合は、予め定められたBGM楽曲が選択され、連荘中に確変状態に移行した場合は、前回のBGM楽曲が選択される。次いで、初回音演出のBGM楽曲に対応する光演出(LEDパターン)を実行する(ステップS803)。また、初回音演出のBGM楽曲に対応する選択肢を表示する(ステップS804)。たとえば、初回音演出のBGM楽曲が選択中であることを示す画像、たとえば、BGM楽曲のタイトルが記された画像と、その両側にそれぞれ左右を指す画像と、を画面内の所定の表示領域(画面左上部)に表示する(図12の符号140a〜140c)。
次いで、確変状態中の全ての期間において、BGM楽曲を選択可能な楽曲選択期間として設定する(ステップS805)。また、楽曲選択に関する演出制御手段(方向キー75や枠演出ボタン13)による操作を有効とする(ステップS806)。なお、図柄変動表示ゲーム中において、通常時はBGM楽曲を選択可能とするため演出制御手段による操作を有効とし、通常時以外はBGM楽曲を選択不可能とするため演出制御手段による操作を無効とする設定を行ってもよい。ここで、上述の「通常時」とは、図柄変動表示ゲーム中の演出が、通常変動パターンに係る演出の場合や、リーチ変動パターンに係るリーチ演出のうち、Nリーチなどの当選期待度が相対的に低いリーチ演出が現出される場合を指す。また「通常時以外」とは、当選期待度が相対的に高いリーチ演出(SPリーチ演出)が現出される場合であり、BGM楽曲を選択することよりもSPリーチ演出の方が際立つよう表示されるようになっている。これにより、当選期待度が低い「低期待度演出」が現出される場合に、BGM楽曲の選択を可能とし、当選期待度が高い「高期待度演出」が現出される場合には、当該高期待度演出に注目させることができるようになっている。これらの処理を終えると、確変状態開始時演出制御処理を抜ける。
(確変状態中楽曲選択期間演出制御処理:図19)
この確変状態中楽曲選択期間演出制御処理は、確変状態中の楽曲選択期間において、液晶表示装置36、スピーカ46、装飾ランプ45などを用いて現出する演出についての、演出制御部24が実行する演出制御処理である。後述する図20についても同じ確変状態中楽曲選択期間演出制御処理であるが、ここで説明する図19に示すものは「音演出の開始時から遅らせて光演出を現出させる」という上記第1制御パターンに対応しており、図20に示すものは「音演出と光演出を同時に実行させつつ所定期間は光演出を暗い状態で現出させる」という上記第2制御パターンに対応している。
図19において、演出制御部24(CPU241)は、まず、演出操作手段の操作が行われたか否かを判定する(ステップS811)。具体的には、楽曲の選択に用いる方向キー75が遊技者により押圧されたか否かを判定する。本実施形態では、この楽曲選択期間において方向キー75のうち左方向を指すボタン75dまたは右方向を指すボタン75bを操作することでBGMの楽曲が選択できるようになっており、これらのボタンの押圧が確認された場合(ステップS811:YES)、次にステップS812を実行する。下記では、ボタン75a〜dの押圧が確認されて、複数種類のBGM楽曲のBGMa〜eのうち、BGMbが新たに選択された場合を例に説明する。
方向キー75の左右方向のボタン75b、dが操作された場合、液晶表示装置36の画面内において、押圧されたボタンが示す方向のBGMの楽曲が選択されたことを報知するために、その選択されたBGM楽曲の画像(選択肢)にカーソルを移動する画像表示演出(選択肢変更演出)を行う(ステップS812)。確変状態中の楽曲選択期間T2の場合、1種類のBGM楽曲(BGMa〜e)の画像(選択肢)を表示可能とし、その表示されている選択肢のBGM楽曲が選択中であることを示すものとしている。そして、方向キー75の左右方向のボタン75b、dを操作することで、所定の曲順に従い、循環的に現在表示されている画像のBGM楽曲の順番の一つ前、または一つ後のBGM楽曲を選択することができるようになっている。
たとえば、BGMaの画像が表示されている状態で、右方向を指すボタン75bが押圧された場合、一つ後の順番のBGMbが選択されたことから、そのBGMbの画像(選択肢)を新たに表示する選択肢変更演出を行う。また、BGMcの画像が表示されている状態で、左方向を指すボタン75dが押圧された場合、一つ前の順番のBGMbが選択されたことから、そのBGMbの画像(選択肢)を新たに表示する選択肢変更演出を行う。
次いで、スピーカ46を用いて、選択されたBGM楽曲を選択肢変更演出の終了後に実行する(ステップS813)。BGM楽曲は最初のイントロ部分のフレーズから再生される。今回の例の場合、選択肢変更演出としてBGMaの画像(選択肢)からBGMbの画像(選択肢)に切替えられて表示されると、BGMbが再生される。また、LED45を用いた光演出として、BGMbに対応するLEDパターンbを、通常よりも暗くするため光量を少なく制限した特殊態様で行う(ステップS814)。光量を少なく制限した特殊態様とは、光量ゼロまたは人が煩わしく感じない程度に少量であり、遊技者に対して強い刺激を与えない光量で行われる光演出の演出態様を言う。そして、選択されたBGM楽曲に対応した光演出実行タイマカウンタを設定する(ステップS815)。光演出実行タイマカウンタは、BGM楽曲が再生されて、サビ部分のフレーズに到達するまでに要する時間が記憶されるカウンタであり、BGM楽曲が再生されるとともに、この光演出実行タイマカウンタのカウントが開始される。
一方、方向キー70が押圧されていない場合(方向キー75の上下方向のボタン75a、cが押圧された場合を含む)(ステップS811:NO)、光演出実行タイマカウンタのカウントが終了したか否かを判定する(ステップS816)。光演出実行タイマカウンタがカウント中である場合や、光演出実行タイマカウンタがセットされていない場合(ステップS816:NO)、この確変状態中楽曲選択期間演出制御処理を抜ける。一方、光演出実行タイマカウンタのカウントが終了した場合(ステップS816:YES)、BGMbに対応するLEDパターンbを、通常の明るさにするため特殊態様から光量を増加した通常態様で行う(ステップS817)。つまり、BGMbがサビ部分のフレーズに到達したことを契機に、LEDパターンbについて、光量の制限をなくした態様で演出を現出する。これにより、音演出と光演出を遊技者に認識困難なレベルで連係して実行していた状態から、遊技者に認識容易なレベルで音演出と光演出を連係して現出している状態とすることができる。
(確変状態中楽曲選択期間演出制御処理:図20)
上述したように、図19は、「音演出の開始時から遅らせて光演出を現出させる」という第1制御パターンに対応した確変状態中楽曲選択期間演出制御処理を示し、この図20は「音演出と光演出を同時に実行させつつ所定期間は光演出を暗い状態で現出させる」という第2制御パターンに対応した同じ処理を示している。なお、図19と同様の処理内容については具体的な説明を省略する。また、下記では、ボタンの押圧が確認されて、複数種類のBGM楽曲のBGMa〜eのうち、BGMbが新たに選択された場合を例に説明する。
図20において、演出制御部24(CPU241)は、まず、演出操作手段(方向キー75の左右方向のボタン75b、d)の操作が行われたか否かを判定する(ステップS821)。方向キー75の左右方向のボタン75b、dが操作された場合(ステップS821:YES)、液晶表示装置36の画面内において、押圧されたボタンが示す方向のBGMの楽曲(BGMb)が選択されたことを報知するために、その選択されたBGM楽曲(BGMb)の画像(選択肢)にカーソルを移動する画像表示演出(選択肢変更演出)を行う(ステップS822)。
次いで、スピーカ46を用いて、選択されたBGM楽曲(BGMb)を選択肢変更演出の終了後に実行する(ステップS823)。そして、選択されたBGM楽曲(BGMb)に対応した光演出実行タイマカウンタを設定する(ステップS825)。光演出実行タイマカウンタは、BGM楽曲(BGMb)が再生されて、サビ部分のフレーズに到達するまでに要する時間が記憶されるカウンタであり、BGM楽曲(BGMb)が再生されるとともに、この光演出実行タイマカウンタのカウントが開始される。したがって、この段階では、BGMbが新たに再生されるが、LEDパターンについては変更されず、BGMbのサビ部分パートが再生されるまでの時間に対応する光演出実行タイマカウンタのカウントが開始されることとなる。
一方、方向キー75が押圧されていない場合(方向キー70の上下方向のボタン75a、cが押圧された場合を含む)(ステップS811:NO)、光演出実行タイマカウンタのカウントが終了したか否かを判定する(ステップS816)。光演出実行タイマカウンタのカウントが終了した場合(ステップS816:YES)、選択されたBGM楽曲(BGMb)に対応するLEDパターンを行う(ステップS827)。つまり、BGMbがサビ部分のフレーズに到達したことを契機に、LEDパターンbを新たに現出する。ここで現出されるLEDパターンbについては、BGMbに合わせて現出するため、演出シナリオの最初(イントロ部分)ではなく途中(サビ部分)の段階から現出することとなる。これにより、現出中の音演出(BGMb)とは対応していない光演出(LEDパターンa)を現出していた状態から、音演出(BGMb)と光演出(LEDパターンb)を連係して現出している状態とすることができる。
<変形例1>
上記実施形態では、時刻t0を1Rの開始される時点であるとして説明した。しかし大当り遊技状態には、1Rの前にオープニング期間を持つのが通例である。そこで時刻t0は、大当り遊技が開始されるタイミングであると捉えてもよい。すなわち、この時刻t0から、オープニング期間を開始するとともに、遊技者による音演出の選択が可能となる選択可能期間T1を開始する構成とする。オープニング期間が開始されると、画像表示演出(映像)としてオープニング演出(楽曲選択画像表示演出)、音演出(BGM)として「俺が塾長」というタイトルの音演出に対応するデモ音演出(選択時用デモ再生)、光演出(LED)として選択時用LEDパターン光演出を現出する。
<変形例2>
なお、上記実施形態では、BGMの選択可能期間T1中に専用の光演出を現出させるようにしたが、専用の光演出の替わりに、第1期間開始時に選択中音演出に対応する光演出を現出させ、遊技者が操作するまでこの光演出を継続させるように構成してもよい。
<変形例3>
オープニング画像は、任意に構成することができる。たとえば、音演出のタイトルについての選択肢が、選択可能な複数の音演出に対応して複数表示されるように構成する。また、現在現出している音演出が何であるのかを遊技者に認識させるために、複数表示されている選択肢の中で、現在現出中の音演出に対応する1つの選択肢だけが特別な表示態様(たとえば、タイトルを大きく表示する態様、選択肢の枠を縁取りして表示する態様)で表示するように構成する。このときオープニング映像の他に、楽曲デモ映像も現出するようにする。楽曲デモ映像は、3R以降に遊技者が選択した音演出に合わせて現出する画像表示演出がどのようなものであるかを紹介するためのデモ用のデモ画像表示演出であり、アピールしたい場面から構成された映像である。このデモ画像表示演出は、複数の音演出の選択肢の表示に隣接して現出され、3R以降に現出される画像表示演出の大きさよりも縮小された大きさで現出するようにする。図7の第2期間(3R〜13R)において選択した音演出とともに現出する画像表示演出について、複数種類の音演出のそれぞれに対応して複数種類用意しており、デモ用のデモ画像表示演出についても同様に複数種類の音演出のそれぞれに対応して複数種類用意している。遊技者は、音演出を聞いたり、音演出のタイトルを見たりして、第2期間において聞きたい音演出を複数種類の中から選択することができるとともに、このデモ画像表示演出を見て、第2期間において見たい画像表示演出を複数種類の中から選択することもできる。
以上に説明した大当り時における実施形態は、以下のように構成することができる。
(イ−1)遊技球の入球を困難または不可能な閉鎖状態と、遊技球の入球を容易にする開放状態とに移行可能に構成された大入賞手段(特別変動入賞装置52、大入賞口50)と、
当りとするか否かに関する抽選を実行する抽選手段(大当り抽選処理)と、
前記抽選手段による抽選結果が当りである場合、前記大入賞手段を所定の開閉パターンで開閉動作させる特別遊技(大当り遊技)を実行制御する特別遊技制御手段と、
第1音演出(BGMA〜C、BGMA1〜C1)を含む複数の音演出を実行可能な音演出手段(スピーカ46などの音響発生装置)と、
第1光演出(LEDパターンA〜C)と第2光演出(選択中光演出)を含む複数の光演出を実行可能な光演出手段(装飾ランプ45やLED装置などの光発生手段)と、
前記音演出手段による音演出を実行制御する音演出制御手段(演出制御部24)と、
前記光演出手段による光演出を実行制御する光演出制御手段(演出制御部24)と、を備える遊技機であって、
前記光演出制御手段は、
前記特別遊技中において、前記第1音演出(図6中のBGMA1+BGMA:時刻t5〜t7)と前記第1光演出(図6中のLEDパターンA:時刻t6〜t7)のそれぞれの実行時期の少なくとも一部が重なって実行制御される場合(図6中の時刻t6〜t7)に、
前記第1音演出と前記第1光演出の実行時期が重なる前(図6中の時刻t0〜t6)に、前記第2光演出(選択中光演出;図6中の専用光演出)を実行する光演出特別制御手段(ステップS702)を含む、
ことを特徴とする遊技機。
(イ−2)前記第1音演出には、複数の第1音演出(BGMA、BGMB、BGMC)が含まれ、
前記音演出制御手段は、
前記第1音演出と前記第1光演出の実行時期が重なる前に、所定の決定条件(2ラウンド目の終了、枠演出ボタン13の操作)に基づき、前記複数の第1音演出のうちからいずれか1つの第1音演出を決定する第1音演出決定手段(ステップS717)と、
所定の第1音演出実行条件(3ラウンド目の開始)に基づき、前記第1音演出決定手段により決定された第1音演出を実行制御する第1音演出実行手段(ステップS717)と、を含む、
ことを特徴とする(イ−1)に記載の遊技機。
(イ−3)前記複数の第1音演出(BGMA、BGMB、BGMC)のそれぞれを特定可能な複数の第2音演出(サビ音演出;BGMA1、BGMB1、BGMC1)が含まれ、
前記第1音演出決定手段は、
前記決定条件(2ラウンド目の終了、枠演出ボタン13の操作)を満たす前に、所定の第2音演出決定条件(方向キー45の上下方向ボタン45a、cによる操作)を満たした場合、前記複数の第2音演出のうちからいずれかの第2音演出を決定する第2音演出決定手段(ステップS714)を含み、
前記第1音演出実行手段は、
所定の第2音演出実行条件(選択肢変更演出が終了したこと)に基づき、前記第2音演出決定手段により決定された第2音演出を実行制御する第2音演出実行手段(ステップS714)を含む、
ことを特徴する(イ−2)に記載の遊技機。
(イ−4)前記第1音演出実行手段は、
前記光演出制御手段による前記第1光演出(図6中の時刻t6のLEDパターンA)の実行と同期して前記第1音演出(図6中の時刻t6のBGMA)を実行する(連係してイントロ部分のパートから現出する)、
ことを特徴とする(イ−2)または(イ−3)に記載の遊技機。
また、以上に説明した確変状態中における「遊技者がBGMの選択操作をしてBGMを現出させた場合、それからある程度の時間が経過してから、つまり発生時点を遅らせて光演出を現出させる」という第1制御パターンに対応している実施形態は、以下のように構成することができる。
(ロ−1)第1音演出(BGMb)を含む複数の音演出(BGMa〜e)を実行可能な音演出手段(スピーカ46などの音響発生装置)と、
第1光演出(LEDパターンb)と第2光演出(LEDパターンa)を含む複数の光演出(LEDパターンa〜e)を実行可能な光演出手段(装飾ランプ45やLED装置などの光発生手段)と、
前記音演出手段による音演出を実行制御する音演出制御手段(演出制御部24)と、
前記光演出手段による光演出を実行制御する光演出制御手段(演出制御部24)と、を備える遊技機であって、
前記光演出制御手段は、
前記第1音演出(図10中のBGMb:時刻t13〜)と前記第1光演出(図10中のLEDパターンb:時刻t14〜)のそれぞれの実行時期の少なくとも一部が重なって実行制御される場合(図10中の時刻t14〜)に、
前記第1音演出と前記第1光演出の実行時期が重なる前(図10中の時刻t11〜t14)に、前記第2光演出(LEDパターンa)を実行する光演出特別制御手段を含む、
ことを特徴とする遊技機。
(ロ−2)前記第1音演出には、複数の第1音演出(BGMa〜e)が含まれ、
前記音演出制御手段は、
前記第1音演出と前記第1光演出の実行時期が重なる前に、所定の選択条件(方向キー45の左右方向ボタン45b、dによる操作)の成立後、所定の決定条件(楽曲選択期間中であること、演出操作手段による操作が有効であること)が成立したことに基づき、前記複数の第1音演出のうちからいずれか1つの第1音演出を決定する第1音演出決定手段(図20中のステップS823)と、
所定の第1音演出実行条件(選択肢変更演出が終了したこと)に基づき、前記第1音演出決定手段により決定された第1音演出を実行制御する第1音演出実行手段(図20中のステップS823)と、を含む、
ことを特徴とする(ロ−1)に記載の遊技機。
(ロ−3)前記光演出制御手段は、
前記第1音演出実行手段による前記第1音演出(BGMb)の実行タイミング(図10の時刻t11)よりも遅らせて前記第1光演出(図10のLEDパターンb(時刻t14))を実行制御する第1光演出実行手段、を含む、
ことを特徴する(ロ−2)に記載の遊技機。
(ロ−4)前記第1光演出実行手段は、
前記第1音演出実行手段による前記第1音演出の実行タイミングから所定期間(BGMbのサビ部分パート到来時、または10秒間)が経過した後に、前記第1光演出を実行制御する、
ことを特徴とする(ロ−3)に記載の遊技機。
(ロ−5)前記第1光演出は、前記複数の第1音演出のそれぞれに対応して実行されるように定められた複数の第1光演出を含み、
前記第1音演出決定手段は、
前記所定期間が経過する前(図10の時刻t18より前)に、新たな前記選択条件(方向キー45の左右方向ボタン45b、dによる操作)が成立した場合、新たな第1音演出(BGMc、d、e)を決定可能に構成され、
前記第1音演出実行手段は、
前記第1音演出決定手段により前記新たな第1音演出(図10の時刻t17のBGMc、d、e)が決定された場合、当該新たな第1音演出を実行し、
前記第1光演出実行手段は、
前記第1音演出実行手段による前記新たな第1音演出の実行タイミング(図10の時刻t17)から前記所定期間が経過した後に、当該新たな第1音演出に対応する第1光演出(LEDパターンe)を実行制御する、
ことを特徴とする(ロ−3)または(ロ−4)に記載の遊技機。
(ロ−6)前記第1光演出実行手段は、
前記第1音演出実行手段による前記第1音演出の実行タイミングよりも遅らせて、前記第1光演出を実行制御する場合に、当該第1音演出の特定の音演出内容(サビ部分のパート)が実行されるタイミングと同期して当該第1光演出を実行制御する、
ことを特徴とする(ロ−3)から(ロ−5)のいずれかに記載の遊技機。
(ロ−7)前記第1光演出は、その演出内容として、前記第1音演出に係る演出態様と関連した演出態様が定められており、
前記第1光演出実行手段は、
前記第1音演出に係る特定の演出態様が実行されるタイミングと同期して前記第1光演出を実行させる場合に、当該第1光演出として、当該第1音演出に係る特定の演出態様に関連した演出内容から実行する(連係してサビ部分のパートから現出する)、
ことを特徴とする(ロ−3)から(ロ−6)のいずれかに記載の遊技機。
また、以上に説明した確変状態中における「音演出と光演出を同時に実行させつつ所定期間は光演出を暗い状態で現出させる」という第2制御パターンに対応している実施形態は、以下のように構成することができる。
(ハ−1)第1音演出を含む複数の音演出(BGMa〜e)を実行可能な音演出手段(スピーカ46などの音響発生装置)と、
第1光演出を含む複数の光演出(LEDパターンa〜e)を実行可能な光演出手段(装飾ランプ45やLED装置などの光発生手段)と、
前記音演出手段による音演出を実行制御する音演出制御手段(演出制御部24)と、
前記光演出手段による光演出を実行制御する光演出制御手段(演出制御部24)と、を備える遊技機であって、
前記光演出制御手段は、
前記第1音演出(図9中のBGMa:時刻t11〜t13)と前記第1光演出(図9中のLEDパターンa:時刻t11〜t13)のそれぞれの実行時期の少なくとも一部が重なって実行制御される場合において、当該第1光演出が開始されてから所定の切替条件が満たされるまで(サビ部分のパート到来時まで、または10秒経過するまで)、当該第1光演出を特別パターン(光量がゼロとなる特殊態様)で実行制御し、前記所定の切替条件が満たされると当該第1光演出を前記特別パターンとは異なる通常パターン(光量がMAXとなる通常態様)で実行制御する第1光演出実行手段(図19中のステップS814、817)、を含む、
ことを特徴とする遊技機。
(ハ−2)前記第1音演出には、複数の第1音演出が含まれ、
前記音演出制御手段は、
前記第1音演出と前記第1光演出の実行時期が重なる前に、所定の選択条件(方向キー45の左右方向ボタン45b、dによる操作)の成立後、所定の決定条件(楽曲選択期間中であること、演出操作手段による操作が有効であること)が成立したことに基づき、前記複数の第1音演出のうちからいずれか1つの第1音演出を決定する第1音演出決定手段と、
所定の第1音演出実行条件(選択肢変更演出が終了したこと)に基づき、前記第1音演出決定手段により決定された第1音演出を実行制御する第1音演出実行手段(図19中のステップS813)と、を含む、
ことを特徴とする(ハ−1)に記載の遊技機。
(ハ−3)前記通常パターンは、前記特別パターンよりも多い光量で前記第1光演出を実行制御するパターンである、
ことを特徴とする(ハ−1)または(ハ−2)に記載の遊技機。
(ハ−4)前記第1光演出実行手段は、
前記第1音演出と前記第1音光演出の実行時期が重なる間において、当該第1光演出が開始されてから、前記第1音演出決定手段により新たな第1音演出が決定されずに、所定期間(BGMのサビ部分パート到来時、または10秒間)が経過した場合に、前記所定の切替条件が満たされたとして、当該第1光演出を前記通常パターンで実行制御する、
ことを特徴とする(ハ−2)または(ハ−3)に記載の遊技機。
(ハ−5)前記第1光演出実行手段は、
前記第1音演出と前記第1音光演出の実行時期が重なる間において、当該第1音演出の特定の音演出内容(サビ部分のパート)が実行されるタイミングが到来した場合に、前記所定の切替条件が満たされたとして、当該第1光演出を前記通常パターンで実行制御する、
ことを特徴とする(ハ−2)または(ハ−3)に記載の遊技機。
以上に説明した各実施形態によれば、目がチカチカを防止することができ、遊技者が受ける不快感を低減することができる。また以上に説明した実施形態では、パチンコ遊技機について説明したが、本発明の目的を達成できる遊技機であれば特に制限されない。また、遊技機に利用される遊技媒体も特に制限はなく、遊技球や遊技メダルの他、電磁気的記録による遊技媒体を利用可能な遊技機(たとえば、所謂「封入式遊技機」)であってもよい。