1.遊技機の構成
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、第1実施形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2と、遊技機枠2内に取り付けられた遊技盤1(図2参照)とを備えている。遊技機枠2は、パチンコ遊技機PY1の外郭を形成するものであり、外側に配されている外枠22と、外枠22の内側に組付けられる内枠21と、外枠22及び内枠21の前面側に配されている前扉23(前枠)とを備えている。前扉23は、遊技盤1を保護する縦長方形状のものであり、外枠22及び内枠21に対して回動自在になっている。前扉23の中央部には、遊技者が後述する遊技領域6を視認できるように、透明のガラス板23t(窓部)が取付けられている。
前扉23には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(遊技球打込手段)、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)34、及び打球供給皿34に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)35が設けられている。また前扉23には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン40k及びセレクトボタン42kが設けられている。なおセレクトボタン(十字キー)42kは、上方向ボタンと下方向ボタンと左方向ボタンと右方向ボタンとによって構成されている。また前扉23には、装飾用の枠ランプ212及び音を出力するスピーカ(図1において不図示)が設けられている。
図2に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また遊技盤1には、装飾用の盤ランプ54が多数設けられている。なお遊技盤1は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、画像表示装置50、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(表示手段)が配されている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)EZの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリア(後述する左演出図柄領域50b1)には左演出図柄EZ1が表示され、中の図柄表示エリア(後述する中演出図柄領域50b2)には中演出図柄EZ2が表示され、右の図柄表示エリア(後述する右演出図柄領域50b3)には右演出図柄EZ3が表示される。演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組合せによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれ(通常ハズレ)であった場合には「263」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の表示領域の位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能である。
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述する第1特図保留の記憶数に応じて第1保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する第1保留アイコン表示領域がある。第1保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83a(図3参照)にて表示される第1特図保留の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。また、後述する第2特図保留の記憶数に応じて第2保留アイコンHB(演出保留画像)を表示する第2保留アイコン表示領域がある。第2保留アイコンHBの表示により、後述の第2特図保留表示器83b(図3参照)にて表示される第2特図保留の記憶数を遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠61(内側壁部)が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ部61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部61sへ遊技球を流出させるワープ部61wが設けられている。またセンター枠61の上部には、上下動可能な盤可動体55kが設けられている。盤可動体55kは、表示画面50aの上方の原点位置から表示画面50aの中央と前後方向に重なる演出位置に移動可能なものである。
遊技領域6における画像表示装置50の下方で、左右方向の中央には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11(入球口の一例)を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11を、第1入球口や、固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1入球手段や、固定入球手段、第1始動入賞装置ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また、遊技領域6における右下部には、遊技球の入球し易さが変化可能な第2始動口12(入球口の一例)を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)12Dが設けられている。第2始動口12を、第2入球口や、可変入球口、可変始動口、第2始動入賞口、第2始動領域ともいう。また電チュー12Dを、第2入球手段や、可変入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口12への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。電チュー12Dは、前後方向に移動(進退)可能であって開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12kを備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。
電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、後方側に退避していて、第2始動口12への遊技球の入球が可能になる。一方、電チュー開閉部材12kが閉状態にあるときには、前方側に進出していて、第2始動口12への遊技球の入球が不可能になる。こうして、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。また電チューは、前後方向に移動(進退)可能な開閉部材を有するものに限られず、回動可能な開閉部材や、左右方向に移動可能な開閉部材を有するものであっても良い。
また、遊技領域6における電チュー12Dの左下方には、大入賞口14を備えた大入賞装置14Dが設けられている。大入賞口14を、特別入賞口ともいう。また大入賞装置14Dを、アタッカー(AT)や、特別入賞手段、特別可変入賞装置ともいう。大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とをとるAT開閉部材14kを備え、AT開閉部材14kの作動により大入賞口14を開閉するものである。AT開閉部材14kは、大入賞口ソレノイド14s(図4参照)により駆動される。大入賞口14は、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域6における大入賞装置14Dの右上方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部には、複数の普通入賞口10が設けられている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口11と、普通入賞口10と、アウト口19が配されている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打込むことで、第1始動口11や普通入賞口10への入賞を狙うことができる。
一方、第2流路R2上には、ゲート13と、大入賞口14(大入賞装置14D)と、第2始動口12(電チュー12D)と、普通入賞口10と、アウト口19とが配されている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打込むことで、ゲート13への通過や、大入賞口14、第2始動口12、普通入賞口10への入賞を狙うことができる。
また図2に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、図3に示すように、第1特別図柄(識別図柄の一例)を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄(識別図柄の一例)を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特図2ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留、特図1保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留、特図2保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
特図表示器81では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり図柄(大当たり停止態様の特別図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。大当たり遊技における大入賞口14の開放パターンについては後述する。
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第2始動口12への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち、特別図柄の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(図3参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
2.遊技機の電気的構成
次に図4及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図4及び図5に示すようにパチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、メイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御基板161、及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部を構成する。
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ610、盤ランプ54、枠ランプ212、盤可動体55k等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM(Random Access Memory)104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
図4に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン(遊技制御手段)101には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート118が含まれている。遊技用RAM104には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106が設けられている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
遊技制御基板100には、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、および普通入賞口センサ10aが接続されている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて、第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて、第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ14aは、大入賞口14内に設けられて、大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ10aは、各普通入賞口10内に設けられて、普通入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、および大入賞口ソレノイド14sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。大入賞口ソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動するものである。
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
なお遊技者による発射装置72のハンドル72k(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また図5に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140、音声制御基板161(音声制御回路)、およびサブドライブ基板162が接続されている。サブドライブ基板162には、枠ランプ212、盤ランプ54、盤可動体55kが接続されている。
演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の制御を行わせる。画像制御基板140は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。なお、画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ610から出力する音声等の音響データ(音声データともいう)は、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御基板161にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板161にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ610を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して、枠ランプ212や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプ(LED)の発光態様を決める発光データ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光データに従って各ランプ(LED)の発光を制御する。なお、発光データの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介して盤可動体55kの駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、盤可動体55kの動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体55kを駆動させるためのモータの駆動制御を行う。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
また演出制御基板120には、演出ボタン検知センサ40a及びセレクトボタン検知センサ42aが接続されている。演出ボタン検知センサ40aは、演出ボタン40k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン40kが押下操作されると演出ボタン検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
なお図4及び図5は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図4及び図5に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、図4又は図5に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図4又は図5に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.遊技機における主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて、特図関係乱数を取得する。特図関係乱数には、図6(A)に示すように、大当たり乱数、図柄種別乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数がある。大当たり乱数は、大当たりの当否判定に用いられる。大当たり乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。図柄種別乱数は、大当たり図柄の種別判定やハズレ図柄の種別判定に用いられる。図柄種別乱数は、0~299までの範囲で値をとる。
また、リーチ乱数は、当否判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチ乱数は、0~255までの範囲で値をとる。なお、リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このような停止表示を、仮停止表示と称し、全く動いていない停止表示を、確定停止表示や最終停止表示と称する。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、乱数を判定情報とも言う。
また、パチンコ遊技機PY1は、ゲート13への遊技球の通過に基づいて、図6(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)を取得する。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。
パチンコ遊技機PY1は、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得した大当たり乱数を、図7(A)に示す大当たり判定テーブルに従って判定することにより、大当たりか否かを決定する。本形態では、大当たり当選確率の異なる2つの遊技状態がある。通常確率状態(低確率状態)と高確率状態である。図7(A)に示すように、低確率状態では、第1始動口11への入賞に基づく第1特別図柄(特図1)の抽選も、第2始動口12への入賞に基づく第2特別図柄(特図2)の抽選も、大当たり当選確率は約1/300である。一方、高確率状態では、特図1の抽選も特図2の抽選も、大当たり当選確率は約1/100である。このように高確率状態は、低確率状態よりも大当たりに当選し易い遊技状態である。
パチンコ遊技機PY1は、大当たり当選と判定した場合、図柄種別乱数を、図7(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、大当たり図柄の種別を決定する。特図1の抽選では、50%の割合で「特図1_大当たり図柄A」に決定し、50%の割合で「特図1_大当たり図柄B」に決定する。また、特図2の抽選では、50%の割合で「特図2_大当たり図柄C」に決定し、50%の割合で「特図2_大当たり図柄D」に決定する。当選した大当たり図柄の種別が異なると、大当たり遊技における大入賞口の開放パターンや、大当たり遊技後の遊技状態に関する設定が異なる(図8参照)。この点については後述する。
またパチンコ遊技機PY1は、大当たりに当選していないと判定した場合(つまりハズレと判定した場合)、図柄種別乱数を、図7(C)に示すハズレ図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、ハズレ図柄の種別を決定する。特図1の抽選では、299/300の割合で「特図1_ハズレ図柄A」に決定し、1/300の割合で「特図1_ハズレ図柄B」に決定する。一方、特図2の抽選では、299/300の割合で「特図2_ハズレ図柄C」に決定し、1/300の割合で「特図2_ハズレ図柄D」に決定する。ハズレ図柄の種別の違いは、ハズレ図柄が停止表示された後の遊技状態に関する設定に影響を与える(図9参照)。この点が、パチンコ遊技機PY1の特徴の1つである。なお、この点については後述する。
またパチンコ遊技機PY1は、ハズレと判定した場合、リーチ乱数を、図7(D)に示すリーチ判定テーブルに従って判定することにより、変動演出において演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチにするか否かを決定する。リーチ有りと判定される確率は、遊技状態が後述の時短状態であるか否かによって異なっている。時短状態でないときの方が、時短状態であるときよりも、リーチ有りと判定される確率が高い。
次に、大当たりの種類、ハズレの種類について、図8及び図9に基づいて詳細に説明する。上述したように、特別図柄抽選(特図1の抽選や特図2の抽選)の結果には、「大当たり」、「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。大当たり図柄には、「特図1_大当たり図柄A」、「特図1_大当たり図柄B」、「特図2_大当たり図柄C」、「特図2_大当たり図柄D」がある。また、「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。ハズレ図柄には、「特図1_ハズレ図柄A」、「特図1_ハズレ図柄B」、「特図2_ハズレ図柄C」、「特図2_ハズレ図柄D」がある。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると、大入賞口14を開放させる大当たり遊技が実行される。本形態では図8に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第1特図表示器81aに停止表示される大当たり図柄)の種別、及び、第2特別図柄(特図2)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第2特図表示器81bに停止表示される大当たり図柄)の種別は、それぞれ2種類ある。具体的には特図1の抽選では、「特図1_大当たり図柄A」、「特図1_大当たり図柄B」に当選する可能性がある。また特図2の抽選では、「特図2_大当たり図柄C」、「特図2_大当たり図柄D」に当選する可能性がある。
図8に示すように、「特図1_大当たり図柄A」及び「特図1_大当たり図柄B」は、4R(ラウンド)大当たりであり、「特図2_大当たり図柄C」及び「特図1_大当たり図柄D」は、10R(ラウンド)大当たりである。いずれの大当たりも、1Rあたりの大入賞口14の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。
また、「大当たり図柄A」又は「大当たり図柄C」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、後述の「低確・時短状態」であり、「大当たり図柄B」又は「大当たり図柄D」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、後述の「高確・時短状態」である。「高確・時短状態」に制御される場合、確変回数(高確率状態における特図変動の上限実行回数)および時短回数(時短状態における特図変動の上限実行回数)は共に、160回に設定される。すなわち本形態のパチンコ遊技機PY1は、所謂ST機(確変の回数切りの遊技機)である。なお、時短回数は、所定の上限回数に相当する。
これに対して、「低確・時短状態」に制御される場合、時短回数は、当選時の遊技状態に応じた値に設定される。ここで本形態では、時短状態(特典遊技状態に相当)への制御契機は3つある。大当たりと、天井到達と、特殊ハズレ(時短ハズレ)の3つである。天井到達とは、高確率状態中を除く大当たり遊技後の特図変動(特別図柄の変動表示)の実行回数が所定の天井回数(本形態では300回、「特定回数」の一例)に至ることである。また、特殊ハズレとは、時短状態の制御契機となるハズレ図柄(本形態ではハズレ図柄B、ハズレ図柄D)のことである。時短状態の制御契機となるハズレ図柄を特殊ハズレ図柄(時短ハズレ図柄)と称する。特殊ハズレ図柄および大当たり図柄は特定の図柄に相当する。また、特殊ハズレ図柄は特殊図柄に相当する。また、大当たりを契機とする時短状態を、大当たり契機時短状態(大当たり後時短、大当たり契機特典遊技状態)と称し、天井到達を契機とする時短状態を、天井到達契機時短状態(天井時短、天井到達契機特典遊技状態)と称し、特殊ハズレを契機とする時短状態を、特殊ハズレ契機時短状態(ハズレ時短、特殊ハズレ契機特典遊技状態)と称する。大当たり契機時短状態および特殊ハズレ契機時短状態は、図柄契機特典遊技状態に相当し、天井到達契機時短状態は、回数契機特典遊技状態に相当する。また、大当たり契機時短状態は、特定特典遊技状態に相当し、天井到達契機時短状態および特殊ハズレ契機時短状態は、非特定特典遊技状態に相当する。また、天井到達契機時短状態は第1の非特定特典遊技状態に相当し、特殊ハズレ契機時短状態は第2の非特定特典遊技状態に相当する。また、特殊ハズレ契機時短状態は、特殊図柄契機特典遊技状態に相当する。
「大当たり図柄A」又は「大当たり図柄C」に当選した時の遊技状態が「非時短状態」であれば、大当たり遊技後の「低確・時短状態」における時短回数は、300回(第1の値の一例)に設定される。また、「大当たり図柄A」又は「大当たり図柄C」に当選した時の遊技状態が「大当たり契機時短状態」又は「特殊ハズレ契機時短状態」であれば、大当たり遊技後の「低確・時短状態」における時短回数は、50回(第2の値の一例)に設定される。また、「大当たり図柄A」又は「大当たり図柄C」に当選した時の遊技状態が「天井到達契機時短状態」であれば、大当たり遊技後の「低確・時短状態」における時短回数は、300回(第1の値の一例)に設定される。このように本形態では、「非時短状態」又は「天井到達契機時短状態」において「大当たり図柄A」又は「大当たり図柄C」に当選した時には時短回数が天井回数と同じ300回に設定されるが、「大当たり契機時短状態」又は「特殊ハズレ契機時短状態」において「大当たり図柄A」又は「大当たり図柄C」に当選した時には時短回数が天井回数よりも少ない50回に設定される。言い換えれば、「非時短状態」又は「天井到達契機時短状態」において「大当たり図柄A」又は「大当たり図柄C」に当選した時には、「大当たり図柄A」又は「大当たり図柄C」に基づく時短状態の終了から天井到達に基づく時短状態の開始までの残りの変動回数が0回(所定値の一例)となるが、「大当たり契機時短状態」又は「特殊ハズレ契機時短状態」において「大当たり図柄A」又は「大当たり図柄C」に当選した時には、「大当たり図柄A」又は「大当たり図柄C」に基づく時短状態の終了から天井到達に基づく時短状態の開始までの残りの変動回数が250回(所定値よりも大きい値)となる。この点が本形態の特徴の1つである。
ここで、大当たり契機時短状態(大当たり後時短)中の大当たりに基づく大当たり契機時短状態(大当たり後時短)は、第1の図柄契機特典遊技状態、および、第1の特定特典遊技状態に相当する。また、天井到達契機時短状態(天井時短)中の大当たりに基づく大当たり契機時短状態(大当たり後時短)は、第2の図柄契機特典遊技状態、および、第2の特定特典遊技状態に相当する。また、特殊ハズレ契機時短状態(ハズレ時短)中の大当たりに基づく大当たり契機時短状態(大当たり後時短)は、第3の図柄契機特典遊技状態、および、第3の特定特典遊技状態に相当する。
また特別図柄抽選の結果、ハズレと判定されると、ハズレ図柄の種別が決定される。図9に示すように、特図1の抽選で決定されるハズレ図柄(第1特図表示器81aに停止表示されるハズレ図柄)の種別は2種類あり、特図2の抽選で決定されるハズレ図柄(第2特図表示器81bに停止表示されるハズレ図柄)の種別は2種類ある。具体的には特図1の抽選では、「特図1_ハズレ図柄A」、「特図1_ハズレ図柄B」の何れかに決定される。また特図2の抽選では、「特図2_ハズレ図柄C」、「特図2_ハズレ図柄D」の何れかに決定される。
「特図1_ハズレ図柄A」及び「特図2_ハズレ図柄C」は、通常ハズレであり、「特図1_ハズレ図柄B」及び「特図2_ハズレ図柄D」は、特殊ハズレである。特殊ハズレは、後述の時短状態の制御契機となるハズレである。つまり特別図柄抽選の結果が特殊ハズレである場合、遊技制御用マイコン101は、ハズレ図柄の停止表示後の遊技状態を、時短状態(特殊ハズレ契機時短状態)に制御可能である。特殊ハズレを、時短ハズレとも称する。
ここで、本形態のパチンコ遊技機PY1は、特殊ハズレ(ハズレ図柄B又はハズレ図柄D)を引いたときの遊技状態が高確率状態である場合には、特殊ハズレに基づく時短状態への制御は行わない。また、特殊ハズレを引いたときの遊技状態が天井到達契機時短状態(低確率状態且つ天井時短)である場合にも、特殊ハズレに基づく時短状態への制御は行わない。これに対して、特殊ハズレを引いたときの遊技状態が非時短状態、大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態のいずれかである場合、すなわち、低確率状態であって天井時短以外の遊技状態である場合には、特殊ハズレに基づいて時短状態に制御する。
特殊ハズレに基づく時短状態における時短回数は、特殊ハズレを引いたときの遊技状態によって異なる。特殊ハズレを引いたときの遊技状態が非時短状態であれば、時短回数は、天井回数と同じ300回(第1の値の一例)に設定される。これに対して、特殊ハズレを引いたときの遊技状態が大当たり契機時短状態や特殊ハズレ契機時短状態であれば、時短回数は、天井回数よりも少ない50回(第2の値の一例)に設定される。
また本形態のパチンコ遊技機PY1は、高確率状態を除く大当たり遊技後の特図変動の実行回数が所定回数になったことを契機として、大当たり遊技を経ることなく、時短状態に制御する。この所定回数を天井回数と称し、本形態では300回に定められている。高確率状態を除く大当たり遊技後の特図変動の実行回数が天井回数に到達することを、天井到達と称する。天井到達までの特図変動回数には、大当たり契機時短状態における特図変動回数も、特殊ハズレ契機時短状態における特図変動回数も、非時短状態における特図変動回数も含まれる。つまり、天井到達までの特図変動回数として、大当たり契機時短状態における特図変動回数と、特殊ハズレ契機時短状態における特図変動回数と、非時短状態における特図変動回数とは通算される。なお、天井到達を契機とする時短状態(天井時短)では、天井到達時の遊技状態がいずれであっても、時短回数は500回に設定される。
ここで、本形態における遊技状態の遷移例について、図10及び図11に基づいて説明する。図10(A)に示すように、低確非時短状態において特図変動が300回行われた場合、天井到達となり、時短回数が500回の時短状態(天井到達契機時短状態)に移行する。
また、図10(B)に示すように、低確非時短状態における特図1の抽選に基づいて大当たり図柄A(大当たり遊技の終了後に低確率状態となる非確変図柄)に当選した場合、大当たり遊技の終了に応じて、低確率状態且つ時短状態(大当たり契機時短状態)に移行する。この大当たり契機時短状態における時短回数は300回である。大当たり契機時短状態において大当たりに当選することなく特図変動が300回行われた場合には、天井到達となり、時短回数が500回の時短状態(天井到達契機時短状態)に移行する。このように本形態では、低確非時短状態において大当たり図柄Aに当選した場合には、大当たり遊技の終了から天井到達まで時短状態が継続することが確定する。すなわち、大当たり図柄Aに基づく大当たり遊技の終了後には、300回の大当たり契機時短状態と500回の天井到達契機時短状態とが非時短状態を挟まずに一連で実行される。このため遊技者は、実質的には次の大当たりを獲得するまで、持ち球を大きく減らすことなく遊技を進行させることが可能である。
また、図10(C)に示すように、低確非時短状態における特図1の抽選に基づいて特殊ハズレ(ハズレ図柄B)を引いた場合、ハズレ図柄Bの停止表示に応じて、低確率状態且つ時短状態(特殊ハズレ契機時短状態)に移行する。この特殊ハズレ契機時短状態における時短回数は300回である。特殊ハズレ契機時短状態において天井到達となると、すなわち、特殊ハズレ契機時短状態前の低確非時短状態からの累積の特図変動回数が天井回数(300回)になると、特殊ハズレ契機時短状態の時短回数が残っていても、時短回数が500回の時短状態(天井到達契機時短状態)に移行する。つまり本形態では、特殊ハズレ契機時短状態よりも天井到達契機時短状態の方が優先されるようになっている。このように本形態では、低確非時短状態において特殊ハズレを引いた場合には、時短回数が300回の時短状態に移行するため、天井到達までの時短状態の継続が確定する。なお、天井到達契機時短状態の時短回数は500回であるため、低確非時短状態において特殊ハズレを引いた場合には、遊技者は、大当たり獲得が見込める程度の長期間にわたって、持ち球を大きく減らすことなく遊技を進行させることが可能となる。
また、図11(D)に示すように、大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態における特図2の抽選に基づいて大当たり図柄C(非確変図柄)に当選した場合、大当たり遊技の終了に応じて、低確率状態且つ時短状態(大当たり契機時短状態)に移行する。この大当たり契機時短状態における時短回数は50回である。大当たり契機時短状態において大当たりに当選することなく特図変動が50回行われた場合には、時短状態が終了して低確非時短状態に移行する。この時点で天井到達までの残りの特図変動回数はまだ250回ある。このように本形態では、大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態において大当たり図柄C(非確変図柄)に当選しても、天井到達までの時短状態の継続が確定しないようになっている。
また、図11(E)に示すように、大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態における特図2の抽選に基づいて特殊ハズレ(ハズレ図柄D)を引いた場合、ハズレ図柄Dの停止表示に応じて、低確率状態且つ時短状態(特殊ハズレ契機時短状態)に移行する。この特殊ハズレ契機時短状態における時短回数は50回である。特殊ハズレ契機時短状態において大当たりに当選することも天井到達となることもなく特図変動が50回行われた場合には、時短状態が終了して低確非時短状態に移行する。このように本形態では、大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態において特殊ハズレ(ハズレ図柄D)に当選しても、それだけでは天井到達までの時短状態の継続が確定しないようになっている。
また、図11(F)に示すように、天井到達契機時短状態における特図2の抽選に基づいて大当たり図柄C(非確変図柄)に当選した場合、大当たり遊技の終了に応じて、低確率状態且つ時短状態(大当たり契機時短状態)に移行する。この大当たり契機時短状態における時短回数は300回である。大当たり契機時短状態において大当たりに当選することなく特図変動が300回行われた場合には、天井到達となり、時短回数が500回の時短状態(天井到達契機時短状態)に移行する。このように本形態では、天井到達契機時短状態において大当たり図柄Cに当選した場合には、大当たり遊技の終了から天井到達まで時短状態が継続することが確定する。すなわち、大当たり図柄Cに基づく大当たり遊技の終了後には、300回の大当たり契機時短状態と500回の天井到達契機時短状態とが非時短状態を挟まずに一連で実行される。このため遊技者は、実質的には次の大当たりを獲得するまで、持ち球を大きく減らすことなく遊技を進行させることが可能である。
また、図11(G)に示すように、天井到達契機時短状態において特図2の抽選に基づいて特殊ハズレ(ハズレ図柄D)を引いても、遊技状態の設定を変更しない。つまり、特殊ハズレを引いても、これに応じた時短状態への設定を新たに行うわけではなく、通常ハズレを引いたときと同様に、天井到達契機時短状態を継続する。すなわち本形態では、天井到達契機時短状態は、特殊ハズレ契機時短状態よりも優先されるようになっている。
以上、図10及び図11に基づいて説明したように、本形態のパチンコ遊技機PY1では、まず、低確非時短状態における特図1の抽選に基づいて大当たり図柄A(非確変図柄)に当選したり、特殊ハズレ(ハズレ図柄B)に当選したりした場合には、時短回数が天井回数と同じ300回の時短状態に移行する(図10(B)(C)参照)。つまり、天井到達までの時短状態の継続が確定する。
そして、この300回の時短状態(大当たり契機時短状態あるいは特殊ハズレ契機時短状態)において大当たりや特殊ハズレに当選することなく、天井到達を迎え、天井到達契機時短状態に移行し、その天井到達契機時短状態において大当たり図柄C(非確変図柄)に当選した場合には、大当たり遊技後の時短状態における時短回数は300回に設定され、再び天井到達までの時短状態の継続が確定する(図11(F))。
一方、天井到達前の時短状態(大当たり契機時短状態あるいは特殊ハズレ契機時短状態)において大当たり図柄C(非確変図柄)や特殊ハズレ(ハズレ図柄D)に当選してしまった場合には、その後は時短回数50回の時短状態(大当たり契機時短状態あるいは特殊ハズレ契機時短状態)となり、天井到達までの時短状態の継続は確定しない(図11(D)(E)参照)。このように本形態では、大当たり契機や特殊ハズレ契機の時短状態中(つまり天井到達前)に大当たり(非確変図柄)に当選したり特殊ハズレを引いたりした場合には天井到達までの時短状態の継続が確定しないが、天井到達契機の時短状態中(つまり天井到達後)に大当たり(非確変図柄)に当選した場合には天井到達までの時短状態の継続が確定する(つまり前者よりも後者の方が有利)という斬新な遊技が提供されている。よって、本形態によれば、遊技興趣の向上が見込める。
ここで、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態について説明する。本形態では、遊技状態として、低確非時短状態(低確率状態且つ非時短状態)、低確時短状態(低確率状態且つ時短状態)、高確時短状態(高確率状態且つ時短状態)がある。低確非時短状態を、低確率低ベース遊技状態(低確低ベース状態)や通常遊技状態ともいい、低確時短状態を、低確率高ベース遊技状態(低確高ベース状態)ともいい、高確時短状態を、高確率高ベース遊技状態(高確高ベース状態)ともいう。パチンコ遊技機PY1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、低確非時短状態(通常遊技状態)である。
高確率状態は、図7(A)に示すように、低確率状態(通常確率状態)と比べて、大当たりの当選確率が高い遊技状態である。すなわち、高確率状態では、特図表示器81の確率変動機能が作動する。高確率状態は、所定の上限実行回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。高確率状態における上限実行回数(確変回数)は、何れの確変大当たり(大当たり図柄B、大当たり図柄D)に当選した場合でも、160回に設定される(図8参照)。
また時短状態は、非時短状態と比べて、電チュー12Dに遊技球が入賞し易くなる遊技状態である。時短状態には、その制御契機別に、大当たり契機時短状態、天井到達契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態の3つがある。なお、大当たり契機時短状態、天井到達契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態のいずれであっても、普通図柄の変動パターンや電チュー12Dの開放パターン等は同じである。
続いて、時短状態についてより詳細に説明する。図12(A)に示すように、時短状態における普通図柄抽選の当選確率は、非時短状態における普通図柄の当選確率と同じである。具体的には本形態では、非時短状態、時短状態のいずれの遊技状態においても、普通図柄抽選で当たりと判定される確率は、65535/65536に設定されている。つまり、いずれの遊技状態においても普通図柄抽選では、ほぼ当たりと判定される。なお、時短状態では普通図柄抽選の当選確率が非時短状態よりも高くなる構成(言い換えれば時短状態では普図表示器82の確率変動機能が作動する構成)としてもよい。
また時短状態では、図12(B)に示すように、普通図柄の変動時間が、非時短状態よりも短くなる。本形態では、普通図柄の変動時間は、非時短状態では60秒であるが、時短状態では1秒である。すなわち時短状態では、普図表示器82の変動時間短縮機能が作動する。
また時短状態では、図12(C)に示すように、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなる。本形態では、電チュー12Dの開放時間は、非時短状態では1回あたり0.05秒であるが、時短状態では2.5秒である。すなわち時短状態では、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動する。
また時短状態では、図12(C)に示すように、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が、非時短状態よりも多くなる。本形態では、電チュー12Dの開放回数は、非時短状態では1回であるが、時短状態では2回である。すなわち時短状態では、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動する。
ここで非時短状態では、普通図柄抽選が実行されればほぼ当たりとなるものの、普通図柄の変動時間が60秒と長く、補助遊技における電チュー12Dの開放は0.05秒の開放が1回と極短時間である。よって非時短状態では、右打ち(遊技球がゲート13を通過し得る打ち方)にて遊技を行っても、電チュー12Dへの入賞はほとんど見込めない。
これに対して時短状態では、普通図柄抽選が実行されればほぼ当たりとなり、普通図柄の変動時間も1秒と短く、また、補助遊技における電チュー12Dの開放は2.5秒の開放が2回と十分に長い。よって時短状態では、右打ちにて遊技を行うことで、電チュー12Dへの入賞が頻繁に生じ得る。すなわち時短状態は、非時短状態と比べて、電チュー12Dへの入賞が容易な設定の遊技状態であると言える。
このように非時短状態では、右打ちを行っても電チュー12Dへの入賞が見込めないため、遊技者は左打ちにて遊技を進行させる。一方、時短状態では、右打ちを行うことで電チュー12Dへの入賞が頻繁に生じるため、遊技者が右打ちにて遊技を進行する。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
ちなみに、時短状態では、非時短状態と比べて、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。よって、時短状態を「高ベース状態」ともいい、非時短状態を「低ベース状態」ともいう。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。そのため、高ベース状態を電サポ制御状態ともいう。また低ベース状態を非電サポ制御状態ともいう。時短状態(高ベース状態)は、「特典遊技状態」の一例であり、非時短状態(低ベース状態)は、「非特典遊技状態」の一例である。
なお、時短状態(高ベース状態)は、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、電チュー12Dの開放時間延長機能、及び、電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dに係る第2始動口12に遊技球が入賞し易くなっていればよく、これらの全ての機能が作動するものでなくてもよい。
次に、特別図柄の変動パターン(特図変動パターン)の決定について説明する。パチンコ遊技機PY1は、遊技状態に応じて異なる特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターンを決定する(図13及び図14参照)。時短状態(高確時短状態、低確時短状態)における特図変動パターン判定テーブル(図14(A)(B))は、非時短状態(低確非時短状態)における特図変動パターン判定テーブル(図13)に比べて、変動時間が短い変動パターンが選択され易いテーブルである。
具体的には、非時短状態(低確非時短状態)では主に特図1の抽選が行われるため、図13の特図1の欄に示すテーブルが用いられる。非時短状態用の特図変動パターン判定テーブル(図13)では、特図1の保留球数が3~4の場合のリーチ無しハズレに係る特図1の変動パターンとして、8秒の変動時間の変動パターンP7が決定される。また、低確非時短状態において特殊ハズレ(ハズレ図柄B、ハズレ図柄D)を引いた場合には、後述する時短移行演出を伴う特図変動パターンP8,P38が選択される(図13参照)。この時短移行演出の実行により、時短状態(特殊ハズレ契機時短状態)に移行することが遊技者に報知される。なお、この点については後述する。
一方、時短状態では主に特図2の抽選が行われるため、図14(A)(B)の特図2の欄に示すテーブルが用いられる。時短状態用の特図変動パターン判定テーブル(図14(A)(B))では、特図2の保留球数が2~4の場合のリーチ無しハズレに係る特図2の変動パターンとして、3秒の変動時間の変動パターンP47,P57が決定される。
また高確時短状態では、特殊ハズレ(ハズレ図柄D、ハズレ図柄B)を引いても遊技状態の設定の変更は行わないため、通常ハズレ(ハズレ図柄C、ハズレ図柄A)を引いた場合と同様の特図変動パターンを選択する(図14(A)参照)。一方、低確時短状態において特殊ハズレ(ハズレ図柄D、ハズレ図柄B)を引いた場合には、大当たり契機又は特殊ハズレ契機の時短状態中であれば、遊技状態の設定の変更を行うため、後述する時短移行演出を伴う特図変動パターンP58,P28を選択する(図14(B)参照)。この時短移行演出の実行により、新たな時短状態(特殊ハズレ契機時短状態)の設定がなされることが遊技者に報知される。但し、低確時短状態において特殊ハズレ(ハズレ図柄D、ハズレ図柄B)を引いた場合であっても、天井到達契機時短状態中であれば、遊技状態の設定の変更を行わない(特殊ハズレ契機時短状態へは移行させない)。よってこの場合には、時短移行演出を伴わない特図変動パターンP59,P29を選択する(図14(B
)参照)。なお、特図変動パターンP59,P29が選択された場合には、リーチ有りハズレに基づくSPリーチと同じ内容のSPリーチを伴う変動演出を実行する。
4.遊技制御用マイコン101の動作
[主制御メイン処理]次に図15~図31に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン101の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1の電源がオンされると、遊技用ROM103から図15に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図6に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図16に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機PY1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、大入賞口センサ14a、普通入賞口センサ10a等(図4参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報として遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。また、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。なお、各入賞口への入賞に応じた賞球数は、例えば第2始動口12であれば2球など、所定の値に設定されているものとする。但し、各入賞口への入賞に応じた賞球数を何球に設定するかは適宜変更可能である。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図15の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図6に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、および特別動作処理(S106)を実行する。その後、その他の処理(S107)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S107)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器83bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器83aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理が繰り返し実行され(図15参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図17に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、遊技球がゲート13を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート13を遊技球が通過していなければ(S201でNO)、ステップS205に進む。遊技球が通過していれば(S201でYES)、普図保留球数(普図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否かを判定する(S202)。そして、普図保留球数が「4」に達している場合には(S202でYES)、ステップS205に進むが、普図保留球数が「4」未満である場合には(S202でNO)、普図保留球数に「1」を加算する(S203)。
続いて、普図関係乱数取得処理を行う(S204)。普図関係乱数取得処理(S204)では、普通図柄乱数カウンタの値(ラベル-TRND-Hの値、図6(B)参照)を取得し、その取得乱数値を普図保留記憶部106のうち現在の普図保留球数に応じた記憶領域に格納する。
ステップS205では、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、即ち第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合には(S205でNO)ステップS209に進むが、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S205でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限数)に達しているか否かを判定する(S206)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合には(S206でYES)、ステップS209に進むが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S206でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S207)。
続いて、特図1関係乱数取得処理を行う(S208)。特図1関係乱数取得処理(S208)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル-TRND-Aの値)、図柄種別乱数カウンタの値(ラベル-TRND-ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル-TRND-RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1の値)を取得し(つまり図6(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部105aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合には(S209でNO)本処理を終えるが、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には遊技用RAM104に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限数)に達しているか否かを判定する(S210)。そして、特図2保留球数が、「4」に達している場合には(S210でYES)、本処理を終えるが、特図2保留球数が「4」に達していない場合には(S210でNO)、特図2保留球数に「1」を加算する(S211)。
続いて特図2関係乱数取得処理を行って(S212)、本処理を終える。特図2関係乱数取得処理(S212)では、特図1関係乱数取得処理(S208)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図6(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部105bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)に次いで、図18に示す普通動作処理(S105)を行う。図18に示すように、普通動作処理(S105)ではまず、電チュー12Dの作動中か否かを判定する(S401)。電チュー12Dの作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理を行う(S405)。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部106に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値)を読み出し、非時短状態であれば、非時短状態用の普通図柄当たり判定テーブル(図12(A)に示すテーブルの非時短状態の欄参照)に基づいて当たりか否か判定し、時短状態であれば、時短状態用の普通図柄当たり判定テーブル(図12(A)に示すテーブルの時短状態の欄参照)に基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データを遊技用RAM104の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン101は、普通図柄変動時間決定処理を行う(S407)。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、図12(B)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が60秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次いで遊技制御用マイコン101は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部106における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部106における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン101は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、演出制御基板120に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、演出制御基板120に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間(本形態では500ms、図12(B)参照)をセットして(S414)、本処理を終える。
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー12Dの開放パターンをセットする(S417)。詳細には、非時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして非時短状態用の開放パターン(図12(C)の電チュー開放TBL1参照)をセットする。これに対して、時短状態中であれば、電チュー12Dの開放パターンとして時短状態用の開放パターン(図12(C)の電チュー開放TBL2参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー12Dを作動させる(S418)。
また、上述のステップS401にて電チュー12Dの作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー12Dの作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー12Dの作動を終了させる(S420)。
[特別動作処理]遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)に次いで、図19に示す特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞装置14Dに関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S901でYES)、特別図柄待機処理(S902)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S901でNO、S903でYES)、特別図柄変動中処理(S904)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S901,S903で共にNO、S905でYES)、特別図柄確定処理(S906)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S901,S903,S905で共にNO)、大当たり遊技としての特別電動役物処理1(S907)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図20に示すように、特別図柄待機処理(S902)ではまず、第2始動口12の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1001)。特図2保留球数が「0」である場合(S1001でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口11の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1007)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1007でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置50の表示画面50aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1013)、そうであれば(S1013でYES)処理を終え、そうでなければ(S1013でNO)、待機画面設定処理(S1014)を行う。待機画面設定処理(S1014)では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする。
ステップS1001において特図2保留球数が「0」でない場合(S1001でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)がある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1002)及び特図2変動パターン選択処理(S1003)を行う。その後、遊技制御用マイコン101は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1004)。そして、第2特図保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1005)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン101は、特図2変動開始処理(S1006)を実行する。特図2変動開始処理(S1006)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1006)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1002)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1003)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1001でYES且つS1007でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1008)及び特図1変動パターン選択処理(S1009)を行う。その後、遊技制御用マイコン101は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1010)。そして、第1特図保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部105aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1011)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン101は、特図1変動開始処理(S1012)を実行する。特図1変動開始処理(S1012)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1012)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1008)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1009)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1001でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1002)と特図1大当たり判定処理(S1008)とは、処理の流れが同じであるため図21に基づいてまとめて説明する。図21に示すように、特図2大当たり判定処理(S1002)又は特図1大当たり判定処理(S1008)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1101)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1002)では、遊技用RAM104の第2特図保留記憶部105b(詳しくは第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1008)では、遊技用RAM104の第1特図保留記憶部105a(詳しくは第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図7(A))をセットする(S1102)。すなわち、通常確率状態(低確率状態)であれば、大当たり判定テーブルのうち低確率状態用のテーブルをセットする。一方、高確率状態であれば、大当たり判定テーブルのうち高確率状態用のテーブルをセットする。次いで、セットした大当たり判定テーブルに基づいて大当たりか否かを判定する(S1103)。大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」であれば、大当たりフラグをONするとともに(S1104)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図7(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別(大当たりの種類)を判定する(S1105)。大当たり図柄種別を判定(S1105)した後は、大当たり図柄種別に応じた特図停止図柄データ(図7(B)参照)を遊技用RAM104に設けた特図種別バッファにセットして(S1106)処理を終える。
一方、大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」でなければ、「ハズレ」であるので、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図7(C)に示すハズレ図柄種別判定テーブルに基づいてハズレ図柄種別(ハズレの種類)を判定する(S1107)。ハズレ図柄種別を判定(S1107)した後は、ハズレ図柄種別に応じた特図停止図柄データ(図7(C)参照)を遊技用RAM104に設けた特図種別バッファにセットして(S1108)処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1003)と特図1変動パターン選択処理(S1009)とは、処理の流れが同じであるため図22及び図23に基づいてまとめて説明する。図22に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1003)又は特図1変動パターン選択処理(S1009)ではまず、遊技状態が非時短状態か否か(時短フラグがOFFか否か)を判定する(S1301)。
非時短状態であれば(S1301でYES)、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1302)。ONであれば(S1302でYES)、非時短状態中大当たり用のテーブル(図13に示すテーブルのうち大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1303)。図13に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
なお、変動パターンには変動演出が関連付けられており、変動パターンが決定されると、その変動パターンに応じた変動演出が実行される。具体的には例えば、変動パターンP1に基づく変動演出ではSPリーチが実行され、変動パターンP2に基づく変動演出ではノーマルリーチ(Nリーチ)が実行される(図13に示すテーブルの備考欄参照)。ここでSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
またステップS1302において、大当たりフラグがONでなければ(S1302でNO)、ハズレ図柄の種別が特殊ハズレ(ハズレ図柄B又はハズレ図柄D)であるか否かを判定する(S1304)。特殊ハズレは、特別図柄の停止時間の経過に応じて時短状態(特殊ハズレ契機時短状態)に移行させるハズレである(図9参照)。ハズレ図柄の種別が特殊ハズレ(ハズレ図柄B、ハズレ図柄D)であれば(S1304でYES)、非時短状態中特殊ハズレ用のテーブル(図13に示すテーブルのうち特殊ハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1305)。本形態では、ハズレ図柄Bである場合、特図変動パターンP8に決定され、ハズレ図柄Dである場合、特図変動パターンP38に決定される。
なお、本形態では、特図変動パターンP8又はP38に決定された場合には、大当たり期待度が高いSPリーチが実行される。そして、このSPリーチでは、失敗演出(落選演出)が実行されるが、その後に時短状態への移行を示唆する時短移行演出が実行される(図41(A)~(D)参照)。この点については後述する。
またステップS1304において、特殊ハズレでなければ(S1304でNO)、通常ハズレ(ハズレ図柄A、ハズレ図柄C、図9参照)であるため、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1306)。図7(D)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」~「11」であり、非時短状態であれば「0」~「27」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも通常ハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されるようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1306でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレ用のテーブル(図13に示すテーブルのうちリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1307)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1306でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレ用のテーブル(図13に示すテーブルのうちリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1308)。
なお、特図1変動パターン選択処理(S1009)におけるリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1301において、遊技状態が非時短状態でないと判定した場合(S1301でNO)、すなわち時短状態であると判定した場合には、図23に示すように、高確率状態であれば(S1311でYES)、図14(A)に示す高確時短状態用の特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターンを選択する(S1312)。一方、高確率状態でなければ(S1311でNO)、図14(B)に示す低確時短状態用の特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターンを選択する(S1313)。
時短状態における変動パターンの選択では、参照する特図変動パターン判定テーブルを高確時短状態あるいは低確時短状態に応じたテーブル(図14(A)~(B)参照)にする事以外は非時短状態と同様の流れで処理を行う。なお時短状態では、主に特図2の抽選が行われる。
時短状態中の特図変動パターン判定テーブル(図14(A)(B)参照)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」~「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、大当たり当選時に変動時間の長い変動パターンが選択される確率が非時短状態中よりも低くなっている。すなわち、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
また低確時短状態では、図14(B)に示すように、特殊ハズレ(ハズレ図柄D、ハズレ図柄B)を引いた場合、大当たり契機又は特殊ハズレ契機の時短状態であれば、特図変動パターンP58又はP28が選択され、天井到達契機時短状態であれば、特図変動パターンP59又はP29が選択される。特図変動パターンP58又はP28が選択された場合には、新たな時短状態の設定を行うため、失敗演出(落選演出)の結果となるSPリーチが実行された後に、時短移行演出が実行される。一方、特図変動パターンP59又はP29が選択された場合には、天井到達契機時短状態を継続するため、失敗演出の結果となるSPリーチは実行されるが、その後に時短移行演出が実行されることはない。つまり、天井到達契機時短状態において特殊ハズレは、実質的には通常ハズレとして機能する。
また高確時短状態では、図14(A)に示すように、特殊ハズレ(ハズレ図柄D、ハズレ図柄B)を引いた場合でも、通常ハズレ(ハズレ図柄C、ハズレ図柄A)を引いた場合と同様に、特図変動パターンを選択する。つまり、高確率状態において特殊ハズレは、実質的には通常ハズレとして機能する。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図22に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1320)、本処理を終える。ステップS1320でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S902)におけるステップS1006又はS1012でセットされる変動開始コマンドに含められる。
[特別図柄変動中処理]図24に示すように、特別図柄変動中処理(S904)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1003又はS1009で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図13及び図14参照)が経過したか否かを判定する(S1501)。経過していなければ(S1501でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1501でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1502)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1503)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データ(図7(B)~(C)参照)に応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1504)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図25に示すように、特別図柄確定処理(S906)ではまず、特別図柄の停止時間(図13及び図14参照)が経過したか否かを判定する(S1601)。経過していなければ(S1601でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S1601でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1602)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1603)。大当たりフラグがONであれば(S1603でYES)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1604)。そして、遊技制御用マイコン101は、後述の遊技状態リセット処理を行って(S1605)、ステップS1606に進む。
ステップS1606では、遊技制御用マイコン101は、天井カウンタの値を0にクリアする。上述したように、本形態のパチンコ遊技機PY1は、高確率状態を除く大当たり遊技後の特図変動回数が所定回数(天井回数、本形態では300回)に至ったことを契機として、大当たり遊技を経ることなく、時短状態(天井到達契機時短状態)に制御する。天井カウンタは、大当たり遊技の終了のタイミングで「300」にセットされ、高確率状態である場合を除いて特図変動が行われる毎に1ディクリメントされる。ステップS1606は、大当たり遊技の開始に際して、この天井カウンタの値を0にクリアする処理である。
ステップS1606に続いて、遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットして(S1607)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1608)。ステップS1608に続いて、遊技制御用マイコン101は、当選した大当たり図柄の種別に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットする(S1609)。このときに、特別遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たり図柄の種別に応じた値にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
一方、ステップS1603において大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1610)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図26に示すように、遊技状態管理処理(S1602)ではまず、確変フラグがONか否か判定し(S1701)、ONでなければステップS1705に進み、ONであれば、高確率状態中に実行した特図変動の回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1702)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1703)。そして、「0」でなければステップS1705に進み、「0」であれば、確変フラグをOFFするとともに(S1704-1)、確変終了フラグをONにして(S1704-2)、ステップS1705に進む。
ステップS1705では、遊技制御用マイコン101は、時短フラグがONか否か判定する。時短フラグがONでなければステップS1709に進み、ONであれば、時短状態中に実行した特図変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1706)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1707)。そして、「0」でなければステップS1709に進み、「0」であれば、時短フラグをOFFして(S1708)、ステップS1709に進む。
ステップS1709では、遊技制御用マイコン101は、遊技状態フラグ更新処理を行う。遊技状態フラグ更新処理(S1709)では、遊技状態フラグの値を、現在の遊技状態に応じた値にセットする。図26中の表に示すように、遊技状態フラグの値は、低確非時短状態であれば「1」にセットされ、高確時短状態であれば「2」にセットされる。また、遊技状態フラグの値は、低確率状態且つ大当たり契機時短状態(低確時短状態Aとも言う)であれば「3」にセットされ、低確率状態且つ天井到達契機時短状態(低確時短状態Bとも言う)であれば「4」にセットされ、低確率状態且つ特殊ハズレ契機時短状態(低確時短状態Cとも言う)であれば「5」にセットされる。この遊技状態フラグ更新処理(S1709)では、ステップS1704-1において確変フラグをOFFにしたり、ステップS1708において時短フラグをOFFにしたりしたところであれば、遊技状態フラグの値を低確非時短状態に対応する値「1」にセットする。
続いて遊技制御用マイコン101は、後述する特殊ハズレ処理(S1710)、天井処理(S1720)を行って、ステップS1730に進む。ステップS1730では、遊技制御用マイコン101は、遊技状態フラグの情報(すなわち現在の遊技状態の情報)を含む遊技状態指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする。このコマンドが出力されることにより、演出制御基板120に現在の遊技状態の情報が通知される。
[特殊ハズレ処理]図27に示すように、特殊ハズレ処理(S1710)ではまず、遊技制御用マイコン101は、高確フラグがOFFであるか否かを判定する(S1711)。高確フラグがOFFでなければ、本処理を終えるが、高確フラグがOFFであれば、続いて、天井時短(天井到達契機時短状態)中であるか否か、すなわち遊技状態フラグの値が「4」であるか否かを判定する(S1712)。そして、天井時短中であれば、本処理を終えるが、天井時短中でなければ、続いて、停止表示されている特別図柄が、特殊ハズレ(すなわちハズレ図柄B又はハズレ図柄D)であるか否かを判定する(S1713)。そして、特殊ハズレでなければ、本処理を終えるが、特殊ハズレであれば、時短フラグをONにするとともに(S1714)、現在の遊技状態に応じた時短回数(図9参照)を時短カウンタにセットし(S1715)、遊技状態フラグ更新処理(S1716)を行って、本処理を終える。
この遊技状態フラグ更新処理(S1716)では、特殊ハズレに基づいて時短フラグをONにしたところであるため、遊技状態フラグの値を、特殊ハズレ契機時短状態(低確時短状態C)に対応する値「5」にセットする。これにより、特殊ハズレ契機時短状態に制御される。なお、特殊ハズレ契機時短状態は、所定の上限実行回数(時短回数)の特図変動が行われること、次の大当たり遊技が実行されること、又は、天井到達のいずれかの終了条件の成立により終了する。このように本形態では、ハズレ時であっても時短状態に制御されることがある。
なお本形態では、特殊ハズレに基づいて時短状態の設定が更新されるのは、低確率状態であって天井到達契機時短状態でないとき、すなわち、非時短状態、大当たり契機時短状態、あるいは特殊ハズレ契機時短状態であるとき(ステップS1711でYES且つステップS1712でNOのとき)に限られる。すなわち、高確率状態中や天井到達契機時短状態中に特殊ハズレを引いても、遊技状態の設定の変更はなされない。
ここで、本形態では、遊技状態管理処理(S1602)において、時短状態を終了させるかに関する処理(ステップS1705~S1709)を行って、その後で、特殊ハズレに基づいて時短状態に制御するかに関する処理(ステップS1710)を行う。そのため、例えば、天井到達契機時短状態の最終変動において特殊ハズレが停止表示されると、ステップS1705~S1709の処理で天井到達契機時短状態から非時短状態に移行され、ステップS1710の処理で非時短状態から特殊ハズレ契機時短状態に移行されることとなる。なお、ステップS1710の処理を、ステップS1705~S1709の処理よりも先に行う構成とすることで、天井到達契機時短状態の最終変動で特殊ハズレを引いても特殊ハズレ契機時短状態に制御されない構成としてもよい。
[天井処理]図28に示すように、天井処理(S1720)ではまず、遊技制御用マイコン101は、確変終了フラグがONであるか否かを判定する(S1721)。確変終了フラグがONであれば、高確率状態の最終変動が終了するタイミングであるため、天井カウンタの値の更新は行わず、確変終了フラグをOFFにして(S1729)、本処理を終える。
これに対して、ステップS1721において確変終了フラグがONでなければ、続いて、確変フラグがOFFであるか否かを判定する(S1722)。確変フラグがOFFでなければ、高確率状態中であるため、天井カウンタの値を更新することなく、本処理を終える。一方、確変フラグがOFFであれば、続いて、天井カウンタの値が0より大きいか否かを判定する(S1723)。この判定結果がNOであれば、直ちに本処理を終了するが、この判定結果がYESであれば、天井カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1724)、天井カウンタの値が0であるか否かを判定する(S1725)。
そして、天井カウンタの値が0でなければ(S1725でNO)、直ちに本処理を終了するが、天井カウンタの値が0であれば(S1725でYES)、天井到達であるため、時短フラグをONするとともに(S1726)、天井到達に応じた時短回数(本形態では500回)を時短カウンタにセットし(S1727)、遊技状態フラグ更新処理(S1728)を行う。この遊技状態フラグ更新処理(S1728)では、天井到達に基づいて時短フラグをONしたところであるため、遊技状態フラグの値を、天井到達契機時短状態(低確時短状態B)に対応する値「4」にセットする。これにより、時短回数が500回の天井到達契機時短状態に制御される。なお、この天井処理は、非時短状態中だけでなく時短状態中でも行われる。よって、大当たり契機時短状態中や特殊ハズレ契機時短状態中に天井カウンタの値が1ディクリメントされて0になった場合には、大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態から、天井到達契機時短状態に変更されることとなる。
[遊技状態リセット処理]図29に示すように、遊技状態リセット処理(S1605)ではまず、遊技制御用マイコン101は、確変フラグがONか否かを判定し(S1801)、ONであれば確変フラグをOFFする(S1802)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S1803)、ONであれば時短フラグをOFFする(S1804)。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態(低確率状態)且つ非時短状態に制御される。そして、確変カウンタの値を「0」にリセットするとともに(S1805)、時短カウンタの値を「0」にリセットして(S1806)、本処理を終える。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、大当たり遊技の実行のための処理である。図30に示すように、特別電動役物処理1(S907)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当たり終了フラグは、当選した大当たり遊技において大入賞装置14Dの開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2001でNO)、大入賞口14の開放中か否か(すなわち大入賞装置14Dの開放中か否か)を判定する(S2002)。開放中でなければ(S2002でNO)、大入賞口14を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して大入賞口14の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2003)。
ステップS2003の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2003の判定結果がYESであれば、セットされている開放パターンに従って大入賞口14を開放させる(S2004)。
ステップS2002において大入賞口14の開放中であれば(S2002でYES)、その単位開放遊技における大入賞口14への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では10個)に達しているか否かを判定する(S2005)。規定入賞個数に達していなければ(S2005でNO)、大入賞口14を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち大入賞口14を開放してから所定の開放時間(図8参照)が経過したか否か)を判定する(S2006)。そして、大入賞口14の開放時間が経過していなければ(S2006でNO)、本処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2005でYES)又は大入賞口14の開放時間が経過した場合(S2006でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、大入賞口14を閉鎖(閉塞)する(S2007)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2008)、大入賞口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2009)。「0」でなければ(S2009でNO)、次の開放を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2009でYES)、大当たり遊技を終了させるべく、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2010)、大当たりのエンディングを開始する(S2011)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2012)。
またステップS2001において大当たり終了フラグがONであれば(S2001でYES)、大当たり遊技における大入賞口14の開放が全て終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2013)、エンディング時間が経過していなければ(S2013でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2013でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2014)、大当たりフラグをOFFする(S2015)。そして、特別動作ステータスを「1」にセットした後(S2016)、後述の遊技状態設定処理(S2017)を行って、本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図31に示すように、遊技状態設定処理(S2017)ではまず、今回の大当たり遊技の実行契機となった図柄(大当たり図柄)が、時短状態への制御契機となる図柄(図8参照)であるか否かを判定する(S2101)。この判定結果がNOであればステップS2104に進むが、判定結果がYESであれば、時短フラグをONするとともに(S2102)、大当たり図柄の種別および当選時の遊技状態に応じた時短回数(図8参照)を時短カウンタにセットして(S2103)、ステップS2104に進む。ステップS2102及びS2103が実行されることにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が時短状態になる。
ステップS2104では、今回の大当たり遊技の実行契機となった大当たり図柄が、高確率状態への制御契機となる図柄(図8参照)であるか否かを判定する。この判定結果がNOであればステップS2107に進むが、判定結果がYESであれば、確変フラグをONするとともに(S2105)、確変回数(すなわち「160」)を確変カウンタにセットして(S2106)、ステップS2107に進む。
ステップS2107では、遊技制御用マイコン101は、遊技状態フラグ更新処理(S2107)を行う。遊技状態フラグ更新処理(S2107)では、遊技状態フラグの値を、現在の遊技状態に応じた値にセットする。具体的には、この遊技状態フラグ更新処理(S2107)では、時短フラグがONであって確変フラグがOFFであれば低確率状態且つ大当たり契機時短状態(低確時短状態A)であるため、遊技状態フラグの値を「3」にセットし、時短フラグ及び確変フラグが共にONであれば高確率状態且つ大当たり契機時短状態であるため、遊技状態フラグの値を「2」にセットする(図26中の表参照)。
続いて遊技制御用マイコン101は、遊技状態フラグの情報(すなわち現在の遊技状態の情報)を含む遊技状態指定コマンドを、遊技用RAM104の出力バッファにセットする(S2108)。なお、遊技状態指定コマンドには設定された時短回数の情報も含まれるものとする。このコマンドが出力されることにより、演出制御基板120に現在の遊技状態の情報が通知される。そして演出制御基板120により、現在の遊技状態に応じた演出モードに制御される。
その後、遊技制御用マイコン101は、天井カウンタの値を「300」にセットする(S2109)。そして本処理を終える。
5.演出制御用マイコン121の動作
次に、図32~図35に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン121の動作の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
[サブ制御メイン処理]演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、図32に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数更新処理を実行する(S4003)。乱数更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理(S4004)では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示画面50a(表示部)に画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。なお、演出制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、サブドライブ基板162を介して盤ランプ54や枠ランプ212を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、盤可動体55kを作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。このようにして、各種の演出(変動演出、保留演出、可動体演出、操作演出、先読み演出、その他の予告演出、特別遊技に伴うオープニング演出、開放遊技演出、エンディング演出、客待ち演出、演出モードの制御など)が実現される。
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~S4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S4010)は、遊技制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は遊技制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011,S4012)に優先して実行される。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4011)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、図33に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
入力処理では、演出ボタン検知センサ40aやセレクトボタン検知センサ42aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出し、検出結果に応じてコマンドをセットしたり演出用データを作成したりする。発光データ出力処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ212、および盤ランプ54などのランプを発光させるべく、発光データ(ランプデータ)をサブドライブ基板162に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ212、および盤ランプ54などを所定の発光態様で発光させる。可動体制御処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで盤可動体55kなどの可動体を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、盤可動体55kなどを所定の動作態様で動作させる可動体演出を行う。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4012)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。10msタイマ割り込み処理(S4012)では、図34に示すように、後述する受信コマンド解析処理(S4201)、演出タイマ更新処理(S4202)、音声制御処理(S4203)、演出用データ作成処理(S4204)を順次行う。
受信コマンド解析処理では、受信割り込み処理(S4010)によって演出用RAM124の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。演出タイマ更新処理では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。例えば、演出タイマ更新処理では、演出ボタン40kやセレクトボタン42kといった操作部の操作有効期間の開始タイミングや終了タイミングを計測する。音声制御処理では、入力処理や受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカ610からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御基板161への出力が行われる。演出用データ作成処理では、受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、演出用データの作成が行われる。
ここで、演出制御用マイコン121が遊技制御用マイコン101からコマンドを受信した場合の処理の一例を説明する。演出制御用マイコン121が受信するコマンドは、変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)とする。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理(S4201)において、変動開始コマンドを受信していると判定した場合、変動開始コマンド受信時処理として、そのコマンドが示す特図変動パターンに基づいて、変動演出の演出パターン(サブ変動パターン)を選択し、そのサブ変動パターンの情報をセットするとともに、そのサブ変動パターンの情報を含む変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。例えば、変動開始コマンドが示す特図変動パターンがSP変動(SPリーチに関連付けられた変動パターン)である場合、SPリーチを行うサブ変動パターンを選択し、そのサブ変動パターンに対応する変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。その後、各処理(コマンド送信処理(S4004)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、音声制御処理(S4203)など)が実行されることで、選択したサブ変動パターンに対応する変動演出が実現される。なお、このような演出の実現に関する処理の流れは、特別遊技に伴う演出や客待ち演出、先読み演出、所謂当該変動に伴う予告演出、演出モードの制御などの他の演出についても基本的には同じである。
[受信コマンド解析処理]次に、受信コマンド解析処理(S4201)について、図35に基づいて詳述する。受信コマンド解析処理(S4201)ではまず、図35に示すように、演出制御用マイコン121は、遊技状態指定コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば演出モード更新処理(S4402)を行う。演出モード更新処理(S4402)では、遊技状態指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、演出モードの選択を行い、その選択に応じた演出モードに設定するための演出モード設定コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ここで、図35中の表に示すように、演出モード更新処理では、演出制御用マイコン121は、遊技状態指定コマンドが示す遊技状態が「低確非時短状態」である場合には、昼演出モード(通常演出モード)に設定する。また、演出制御用マイコン121は、遊技状態指定コマンドが示す遊技状態が「高確時短状態」である場合には、超昼演出モード(高確演出モード)に設定する。また、演出制御用マイコン121は、遊技状態指定コマンドが示す遊技状態が時短回数50回の「低確時短状態」(大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態)である場合には、夜演出モード(第1時短演出モード)に設定する。また、演出制御用マイコン121は、遊技状態指定コマンドが示す遊技状態が時短回数300回の「低確時短状態」(大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態)である場合には、超夜演出モード(第2時短演出モード)に設定する。また、演出制御用マイコン121は、遊技状態指定コマンドが示す遊技状態が時短回数500回の「低確時短状態」(天井到達契機時短状態)である場合には、空演出モード(天井時短演出モード)に設定する。各演出モードについては、後に具体的に説明する。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば変動演出開始処理(S4404)を行う。変動演出開始処理(S4404)では、変動開始コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、変動演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択した変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。変動演出の演出内容については、後に具体的に説明する。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば変動演出終了処理(S4406)を行う。変動演出終了処理(S4406)では、変動停止コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を確定的に停止表示させるための変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していればオープニング演出選択処理(S4408)を行う。オープニング演出選択処理(S4408)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、特別遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していればエンディング演出選択処理(S4410)を行う。エンディング演出選択処理(S4410)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、その他の処理(S4411)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
6.本形態における遊技の流れ
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1における遊技の進行の流れについて、図36に基づいて説明する。図36に示すように、まず、低確非時短状態(通常遊技状態)においては左打ちにて遊技を進行し、特図1の抽選に基づく大当たり当選を狙う。なお、低確非時短状態では、昼演出モード(通常演出モード)に制御される。
低確非時短状態における特図1の抽選にて大当たり図柄A(非確変図柄)に当選した場合、4Rの大当たり遊技の後、時短回数が300回の低確時短状態(大当たり契機時短状態)に移行する(図8参照)。また、特殊ハズレ(ハズレ図柄B)に当選した場合、大当たり遊技が実行されることなく、時短回数が300回の低確時短状態(特殊ハズレ契機時短状態)に移行する(図9参照)。パチンコ遊技機PY1における天井回数は300回である。よって、時短回数が300回の低確時短状態に移行することは、天井到達まで時短状態が続くことを意味する。なお、時短回数が300回の低確時短状態(特殊ハズレ契機時短状態)では、超夜演出モード(第2時短演出モード)に制御される。この超夜演出モードは、天井到達まで時短状態が続くことを示唆する演出として機能する。
時短状態では右打ちにて遊技を進行し、特図2の抽選に基づく大当たり当選を狙う。大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態において大当たりに当選することなく、天井到達がなされた場合、時短回数が500回の低確時短状態(天井到達契機時短状態)に移行する。なお、時短回数が500回の低確時短状態(天井到達契機時短状態)では、空演出モード(天井時短演出モード)に制御される。この空演出モードは、天井到達契機時短状態であることを示唆する演出として機能する。
ここで本形態では、天井到達に基づく天井到達契機時短状態において、特図2の抽選に基づいて大当たり図柄C(非確変図柄)に当選した場合には、10Rの大当たり遊技の後、時短回数が300回の低確時短状態(大当たり契機時短状態)に移行する(図8参照)。よって、再び天井到達まで時短状態が続くことが確定する。
これに対して、天井到達前の大当たり契機時短状態あるいは特殊ハズレ契機時短状態において、特図2の抽選に基づいて大当たり図柄C(非確変図柄)に当選した場合には、10Rの大当たり遊技の後、時短回数が50回の低確時短状態(大当たり契機時短状態)に移行する(図8参照)。また、特殊ハズレに当選した場合には、大当たり遊技が実行されることなく、時短回数が50回の低確時短状態(特殊ハズレ契機時短状態)に移行する(図9参照)。よって、これらの場合には大当たりや特殊ハズレを引くことなく50回の特図変動がなされれば(時短回数消化)、低確非時短状態に戻ることとなる。なお、時短回数が50回の低確時短状態(大当たり契機時短状態あるいは特殊ハズレ契機時短状態)では、夜演出モード(第1時短演出モード)に制御される。この夜演出モードは、天井到達まで時短状態が続かない可能性があることを示唆する演出として機能する。
このように本形態では、低確非時短状態において大当たり図柄A(非確変図柄)や特殊ハズレ(ハズレ図柄B)に当選して、低確時短状態(大当たり契機時短状態あるいは特殊ハズレ契機時短状態)に移行した場合、その大当たり契機時短状態あるいは特殊ハズレ契機時短状態中に大当たり図柄C(非確変図柄)や特殊ハズレを引くのか、天井到達がなされて天井到達契機時短状態に移行してから大当たり図柄C(非確変図柄)を引くのかで、再び天井到達までの時短状態の継続が確定するか否かが変わってくる。よって、このような斬新な遊技性により、遊技興趣の向上が可能である。
また本形態では、低確非時短状態における特殊ハズレに基づいて時短回数300回の低確時短状態に移行した場合、時短回数が残っていても、天井到達となれば、特殊ハズレ契機時短状態から、時短回数が500回の天井到達契機時短状態に移行する。よって、特殊ハズレ契機時短状態中に天井到達しても天井到達契機時短状態を設定せずに、特殊ハズレ契機時短状態を継続する構成に比べて、天井到達契機時短状態に滞在し易くなっている。また本形態では、天井到達契機時短状態中に特図2の抽選に基づいて特殊ハズレ(ハズレ図柄D)を引いても、特殊ハズレ契機時短状態が設定されるわけではなく、天井到達契機時短状態が継続する。よって、天井到達契機時短状態中に特殊ハズレを引いた場合に特殊ハズレ契機時短状態に移行する構成と比べて、天井到達契機時短状態に滞在し易くなっている。本形態では、天井到達契機時短状態において特図2の抽選に基づいて大当たり図柄C(非確変図柄)に当選した場合の方が、大当たり契機時短状態や特殊ハズレ契機時短状態において大当たり図柄Cに当選した場合よりも、時短回数の点で遊技者にとって有利であるため、特殊ハズレ契機時短状態よりも天井到達契機時短状態の方が優先的である構成は、遊技者にとって有利であると言え、遊技興趣の向上に寄与している。
なお、大当たり図柄Cや特殊ハズレに基づいて時短回数が50回の低確時短状態に制御されているときに、大当たり図柄Cや特殊ハズレを引いた場合には、再び時短回数が50回の低確時短状態(大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態)が設定される。また、低確非時短状態において大当たりや特殊ハズレを引くことなく特図変動が300回行われた場合には、天井到達となり、時短回数が500回の低確時短状態(天井到達契機時短状態)に移行する。また、天井到達契機時短状態において大当たりに当選することなく500回の特図変動が行われた場合には、低確非時短状態に移行する。
また、低確非時短状態における特図1の抽選で大当たり図柄B(高確率状態への制御契機となる確変図柄)に当選した場合や、低確時短状態における特図2の抽選で大当たり図柄D(確変図柄)に当選した場合には、大当たり遊技の終了に応じて、高確時短状態に制御される(図8参照)。高確率状態では確変回数および時短回数は共に160回に設定される。なお、高確時短状態における特図変動の上限実行回数をST回数という。本形態では、ST回数は160回である。ST回数が160回の高確時短状態では、超昼演出モード(高確演出モード)に制御される。この超昼演出モードは、高確率状態であることを示唆する演出として機能する。
高確時短状態では右打ちにて遊技を進行し、特図2の抽選に基づく大当たり当選を狙う。高確時短状態における特図2の抽選に基づいて大当たり図柄D(確変図柄)に当選した場合には、大当たり遊技の終了に応じて、再びST回数160回の高確時短状態に制御される。これに対して、高確時短状態における特図2の抽選に基づいて大当たり図柄C(非確変図柄)に当選した場合には、高確時短状態も大当たり契機時短状態の1つであるため、大当たり遊技の終了に応じて、時短回数が50回の低確時短状態(大当たり契機時短状態)に制御されることとなる。この場合には、天井到達までの時短状態の継続は確定しない。
なお、高確時短状態における特図2の抽選に基づいて特殊ハズレ(ハズレ図柄D)に当選した場合には、特殊ハズレ契機時短状態に移行させることはなく、そのまま高確時短状態を継続させる。また、高確時短状態において大当たりに当選することなく160回の特図変動が行われた場合には、低確非時短状態に移行する。
7.本形態における演出例
7-1.演出モード
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1における演出例について、図37~図41に基づいて説明する。まず、演出モードについて説明する。演出モードとは、画像表示装置50、スピーカ610、盤ランプ54、及び枠ランプ212等を用いた演出の態様であり、演出モードが異なると、例えば画像表示装置50に表示されるキャラクタやアイテム、背景画像等が異なり、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を用いた変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。
本形態の演出モードには、図37(A)に示す通常の昼の背景画像が表示される昼演出モード(通常演出モードとも言う)、図37(B)に示す特別な昼の背景画像(通常の昼の背景画像と炎のエフェクト画像が組み合わされた背景画像)が表示される超昼演出モード(高確演出モードとも言う)、図37(C)に示す通常の夜の背景画像が表示される夜演出モード(第1時短演出モードとも言う)、図37(D)に示す特別な夜の背景画像(通常の夜の背景画像と星の画像が組み合わされた背景画像)が表示される超夜演出モード(第2時短演出モードとも言う)、図37(E)に示す空の背景画像が表示される空演出モード(天井時短演出モードとも言う)が含まれている。
昼演出モード(図37(A))は、低確非時短状態である場合に設定される演出モードである。つまり、低確非時短状態であって特図1の抽選を主として遊技が進行される状態において設定される演出モードである。
超昼演出モード(図37(B))は、高確時短状態である場合に設定される演出モードである。つまり、高確時短状態であって特図2の抽選を主として遊技が進行される状態において設定される演出モードである。時短状態では、右打ちにて第2始動口12への入賞を狙って遊技を進行させるため、超昼演出モードでは、演出制御用マイコン121は、右打ちにて遊技を行うべき旨を報知する右打ち報知画像RIを表示画面50aの右上部に表示する。また、超昼演出モードでは、当該演出モードの終了時期を示唆するため、演出制御用マイコン121は、当該演出モードの残りの変動回数を示す残回数表示ZIを表示画面50aの右下部に表示する。残回数表示ZIを、終了時期示唆表示とも言う。超昼演出モードにおける残回数表示ZIは、高確時短状態の残りの変動回数を示唆する表示としても機能する。
夜演出モード(図37(C))は、時短回数が50回の低確時短状態(大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態)である場合に設定される演出モードである。つまり、天井到達までの時短状態の継続が確定していない状態であって、特図2の抽選を主として遊技が進行される状態において設定される演出モードである。夜演出モードにおいても、超昼演出モードと同様、右打ち報知画像RIおよび残回数表示ZIが表示画面50aに表示される。夜演出モードにおける残回数表示ZIは、夜演出モードの終了時期を示唆する表示や、低確時短状態(大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態)の残りの変動回数を示唆する表示として機能する。
超夜演出モード(図37(D))は、時短回数が300回の低確時短状態(大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態)である場合に設定される演出モードである。つまり、天井到達までの時短状態の継続が確定している状態であって、特図2の抽選を主として遊技が進行される状態において設定される演出モードである。超夜演出モードにおいても、夜演出モード等と同様、右打ち報知画像RIおよび残回数表示ZIが表示画面50aに表示される。超夜演出モードにおける残回数表示ZIは、超夜演出モードの終了時期を示唆する表示や、低確時短状態(大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態)の残りの変動回数を示唆する表示として機能する。
空演出モード(図37(E))は、時短回数が500回の低確時短状態(天井到達契機時短状態)である場合に設定される演出モードである。つまり、天井到達契機時短状態であって特図2の抽選を主として遊技が進行される状態において設定される演出モードである。空演出モードにおいても、超夜演出モード等と同様、右打ち報知画像RIおよび残回数表示ZIが表示画面50aに表示される。空演出モードにおける残回数表示ZIは、空演出モードの終了時期を示唆する表示や、低確時短状態(天井到達契機時短状態)の残りの変動回数を示唆する表示として機能する。
7-2.変動演出
次に、変動演出について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特別図柄の変動表示が開始されると、特別図柄の変動表示に係る変動パターンおよび特別図柄抽選の結果(大当たり判定の結果、図柄種別判定の結果、リーチ判定の結果、および、特図変動パターン判定の結果)などに基づいて、変動演出を実行する。変動演出では、表示画面50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が行われる。演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が変動した後に停止する。すなわち、特別図柄の変動時間にわたって、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われる。そして、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示によって特別図柄抽選の結果が報知される。
7-2-1.演出図柄表示領域
画像表示装置50の表示画面50aには、図38(A)に示すように、表示画面50aを水平方向に3つに略均等に分けた左側、中央および右側それぞれに、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3が設けられている。左演出図柄領域50b1は、変動演出における演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示のときに、左演出図柄EZ1を表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3は、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を表示する領域である。
また、図38(A)に示すように、表示画面50aの上端部の左端の一区画(左上部)には、小図柄領域50cが設けられている。小図柄領域50cは、特別図柄の変動表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3を変動表示する領域である。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3は、変動演出中に非表示となることがあるのに対して、小図柄KZ1,KZ2,KZ3は非表示となることがない。この点において、小図柄KZ1,KZ2,KZ3は演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の役割を補う図柄として機能する。
なお、図38(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは二点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。また、各領域の範囲は適宜に変更可能である。
7-2-2.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特別図柄の変動表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
特別図柄の変動表示が開始されると、例えば、図38(A)に示すように、表示画面50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特別図柄の変動表示が行われておらず、特別図柄の変動表示を待機している状態から、図38(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると共に、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が開始される。そして、この特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「通常ハズレ変動」(リーチ無しハズレの変動)の場合には、図38(C―1)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが異なる停止態様で仮停止してから、図38(D)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」(ノーマルリーチによってハズレが示されるリーチ有りハズレの変動)などのリーチ有りの変動パターンの場合には、図38(C―2)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同じ停止態様で仮停止して、リーチが成立する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、変動パターンに応じたリーチ演出が行われる。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止順序や停止態様は、適宜に変更することが可能である。
7-2-3.Nリーチ(ノーマルリーチ)
パチンコ遊技機PY1は、通常変動においてリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、特別図柄抽選の結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
Nリーチでは、図39(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持され、図39(B)に示すように、中演出図柄EZ2の変動速度が徐々に減速していく。そして、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」の場合には、図39(C―1)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「N大当たり変動」(ノーマルリーチによって大当たり当選が示される大当たり変動)の場合には、図39(C-2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄EZ2が徐々に減速することに限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
また、ハズレを示唆する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止態様に関して、リーチが成立しない場合のバラケ目を「非リーチバラケ目」や「非リーチハズレ目」と称し、リーチが成立する場合のバラケ目を「リーチバラケ目」や「リーチハズレ目」と称する。非リーチバラケ目を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・3・1」や「5・8・6」等)、および、リーチバラケ目を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・1・2」や「5・4・5」等)は、演出制御用マイコン121によって選択される。また、大当たりを示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・2・2」や「7・7・7」等)は、当選した大当たり図柄の種別に基づいて、演出制御用マイコン121によって選択される。
7-2-4.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、特別図柄抽選の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
SPリーチでは、Nリーチの後に、例えば、図40(A)に示すように、表示画面50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、表示画面50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。その後、図40(B)に示すように、SPリーチ専用演出(例えばバトル演出)が行われる。そして、SPリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「SP大当たり変動」(SPリーチによって大当たり当選が示される大当たり変動)の場合には、図40(C―1)に示すように、表示画面50aに、大当たりを示唆する成功演出(例えば、主人公キャラクタ(味方キャラクタの一人)がバトルに勝利して仁王立ちしている表示、勝利演出)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「SPハズレ変動」(SPリーチによってハズレが示されるリーチ有りハズレの変動)の場合には、図40(C―2)に示すように、ハズレを示唆する失敗演出(例えば、敵キャラクタがバトルに勝利して仁王立ちしている表示、敗北演出)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、SPリーチの演出内容は、適宜に変更または追加することが可能である。本形態では、何れの遊技状態であってもSPリーチとして、図40に示す演出が実行されるものとする。
7-2-5.特殊ハズレ(時短ハズレ)に基づく変動演出
次に、特図抽選の結果が、時短状態への制御契機となる特殊ハズレ(ハズレ図柄B、ハズレ図柄D)である場合の変動演出について説明する。演出制御用マイコン121は、低確非時短状態において、遊技制御用マイコン101から受信した特図1変動開始コマンドが示す変動パターンが「P8」又は「P38」である場合、変動パターンが「P1」や「P4」、「P31」、「P34」である場合と同様、SPリーチを伴う変動演出を実行する(図13参照)。
このSPリーチでは、図41(A)に示すように、失敗演出(敗北演出)が実行される。ここで、特図抽選の結果が通常ハズレ(ハズレ図柄A、ハズレ図柄C)の場合には、SPリーチで失敗演出が実行されると、バラケ目で仮停止表示されている演出図柄EZ1,EZ2,EZ3はそのまま確定的に停止表示され、これに合わせて、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もバラケ目で停止表示される(図40(C―2)参照)。
これに対して、特図抽選の結果が特殊ハズレ(ハズレ図柄B、ハズレ図柄D)の場合には、SPリーチで失敗演出が実行されると、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が確定的に停止表示されることなく、復活画像G70が表示画面50aに表示される(図41(B)参照)。なお本形態では、復活画像G70は、主人公キャラクタの仲間のキャラクタの画像である。
復活画像G70が表示されることにより、遊技者には時短状態(特殊ハズレ契機時短状態)に移行することが示唆される。つまり、復活画像G70を表示する演出は、時短状態に移行することを示唆する演出や、特図抽選の結果が通常ハズレではないことを示唆する演出として機能する。なお、復活画像G70を表示する演出を、時短移行演出と称する。時短移行演出の演出内容は、適宜変更可能である。
その後、図41(C)に示すように、演出制御用マイコン121は、復活画像G70を非表示とするとともに、中演出図柄EZ2をシンボル図柄TZとする特殊目で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を仮停止表示する。本形態では、シンボル図柄TZは、移行先の時短状態に対応する演出モード(夜演出モード、又は、超夜演出モード)の名称の文字(〇〇背景)を含む画像である。そして、この特殊目で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を確定的に停止表示するとともに、小図柄KZ1,KZ2,KZ3を、「1・3・5」の特定目で停止表示する(図41(D)参照)。このように本形態では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が特殊目で停止表示されることや、小図柄KZ1,KZ2,KZ3が特定目で停止表示されることによっても、時短状態(特殊ハズレ契機時短状態)に移行することが示唆される。すなわち、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が特殊目で停止表示されることや、小図柄KZ1,KZ2,KZ3が特定目で停止表示されることは、時短状態に移行すること(特殊ハズレを引いたこと)を遊技者に示唆する演出として機能する。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の特殊目や、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の特定目は、適宜変更可能である。
このような時短移行演出や特殊目での演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示、特定目での小図柄KZ1,KZ2,KZ3の停止表示は、低確率状態であって大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態であるときに特殊ハズレを引いた場合にも行われる。すなわち本形態では、演出制御用マイコン121は、図14(B)に示す特図変動パターン「P58」や「P28」が選択された場合にも、図41(A)~(D)に示す演出を実行する。この場合、図41(B)~(D)に示す演出は、特殊ハズレに基づく時短状態の設定が新たになされることを遊技者に報知する演出として機能する。
また、演出制御用マイコン121は、低確率状態であって天井到達契機時短状態であるときに特殊ハズレを引いた場合、すなわち、図14(B)に示す特図変動パターン「P59」や「P29」が選択された場合にも、上記と同様に、失敗演出(敗北演出)に至るSPリーチを伴う変動演出を実行する(図41(A)参照)。
但し天井到達契機時短状態中に特殊ハズレ(ハズレ図柄D、ハズレ図柄B)を引いても遊技状態の設定の変更はなされない。そのため、このSPリーチでは、失敗演出が実行されると、バラケ目で仮停止表示されている演出図柄EZ1,EZ2,EZ3はそのまま確定的に停止表示され、これに合わせて、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も停止表示される(図41(E)参照)。すなわち、低確率状態であって、非時短状態、大当たり契機時短状態、又は、特殊ハズレ契機時短状態である場合の特殊ハズレのように時短移行演出が行われるというわけではない。但し、この場合の小図柄KZ1,KZ2,KZ3の停止態様は、「1・3・5」の特定目である。つまり本形態では、特殊ハズレが有効に機能するわけではないとしても、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の停止態様を特定目とすることで、特殊ハズレを引いたことを遊技者が認識できるようにしている。
8.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、特図変動の実行回数が天井回数(300回)に到達して天井到達契機時短状態に制御されてから大当たり図柄(大当たり図柄C)を引き当てた方が、特図変動の実行回数が天井回数(300回)に到達する前の時短状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)において大当たり図柄(大当たり図柄C)や特殊ハズレ図柄(ハズレ図柄D)を引き当てるよりも、その後の時短状態における時短回数が、天井到達までの残りの特図変動の回数が少なくなるように設定される点で遊技者にとって有利となる(図11、図36参照)。よって本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、このような新たな遊技性を提供することが可能であり、時短状態を用いた遊技の興趣を高めることが可能である。
特に本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、特図変動の実行回数が天井回数(300回)に到達して天井到達契機時短状態に制御されてから大当たり図柄(大当たり図柄C)を引き当てた場合には、その後の時短状態(大当たり契機時短状態)が次の天井到達契機時短状態まで継続することが確定するが、特図変動の実行回数が天井回数(300回)に到達する前の時短状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)において大当たり図柄(大当たり図柄C)や特殊ハズレ図柄(ハズレ図柄D)を引き当てた場合には、その後の時短状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)が次の天井到達契機時短状態まで継続しない、という新たな遊技性が提供される(図11、図36参照)。なお、時短状態が次の天井到達契機時短状態まで続く場合には、実質的にはほぼ次の大当たり遊技が実行されるまで時短状態が継続すると言え、遊技者は相当有利な状況で次の大当たり遊技の獲得を狙うことが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、まず非時短状態において大当たり図柄(大当たり図柄A)や特殊ハズレ図柄(ハズレ図柄B)を引き当てることで、天井到達契機時短状態に制御されてから大当たり図柄(大当たり図柄C)を引き当てたときと同じ時短回数の時短状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)に制御させることができる(図10、図36参照)。すなわち、非時短状態における大当たりや特殊ハズレに基づいて、まず天井到達までの時短状態の継続を確定させることができる。よって、このような斬新な遊技性により、遊技興趣の向上が可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、非時短状態である場合だけでなく時短状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)である場合に特図変動の実行回数が天井回数(300回)に到達しても、天井到達契機時短状態に移行させるため(図26,図28参照)、時短状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)中は天井到達契機時短状態に移行させない構成に比べて、上述の遊技性が発揮され易い遊技機とすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、天井到達契機時短状態中に特殊ハズレ図柄を引き当てても特殊ハズレ契機時短状態には移行しないため(図26,図27参照)、天井到達契機時短状態中に特殊ハズレ図柄を引き当てた場合でも特殊ハズレ契機時短状態に移行させる構成に比べて、天井到達契機時短状態に制御される期間が確保され易くなり、上述の遊技性における天井到達契機時短状態の意義を高めることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、変動回数契機の時短状態(天井到達契機時短状態)における大当たりの方が、図柄契機の時短状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)における大当たりよりも、その後の時短状態における時短回数の点で、遊技者にとって有利である(図8参照)。よって、天井到達まで大当たりを引き当てることができなかった遊技者に対して不利益が大きくなり過ぎないように救済するという天井到達契機時短状態の意義を高めることが可能である。
なお第1実施形態のパチンコ遊技機PY1では、天井到達契機時短状態中の大当たりに基づく大当たり契機時短状態の時短回数を、天井回数と同じ回数(300回)とした。しかしながら、天井到達契機時短状態中の大当たりに基づく大当たり契機時短状態の時短回数は、大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態中の大当たり又は特殊ハズレに基づく時短状態の時短回数よりも大きい値であれば、天井回数と同じ値でなくてもよい。但し、時短状態の終了から天井到達までの残りの特図変動の回数が、少なくとも天井回数の半分以下となることが望ましい。遊技者に天井到達までの遊技意欲を抱かせ易いからである。なお、天井到達契機時短状態中の大当たりに基づく大当たり契機時短状態の終了から次の天井到達までの残りの特図変動の回数が10回未満であれば、時短状態が天井到達の近くまで継続することとなるため、第1実施形態の構成(時短状態が次の天井到達まで継続する構成)とほぼ変わらない効果を発揮することが可能である。ちなみに、時短状態の終了から次の天井到達までの残りの特図変動の回数が10回未満であれば、時短状態の終了から次の天井到達までの残りの特図変動の回数がほぼ0であると言える。
また第1実施形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態中の大当たり又は特殊ハズレに基づく時短状態の時短回数を、時短状態の終了から天井到達までの残りの特図変動が250回となるように構成したが、大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態中の大当たり又は特殊ハズレに基づく時短状態の時短回数は、天井到達契機時短状態中の大当たりに基づく大当たり契機時短状態の時短回数よりも小さい値であれば、適宜変更可能である。但し、時短状態の終了から天井到達までの残りの特図変動の回数が、少なくとも天井回数の半分よりも大きい値となるように設定することが望ましい。天井到達までまだ遠いと遊技者に感じさせ易いからである。また、天井到達契機時短状態に移行してからの大当たりと、天井到達契機時短状態に移行する前の大当たり又は特殊ハズレとの間の獲得利益に差を出すために、天井到達契機時短状態に移行してからの大当たりに基づく時短状態と、天井到達契機時短状態に移行する前の大当たり又は特殊ハズレに基づく時短状態とで、時短回数に100回以上の差があることが望ましい。
9.変更例
以下、変更例(第2実施形態、第3実施形態を含む)について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
<第2実施形態>
図42~図45に基づいて第2実施形態のパチンコ遊技機について説明する。第1実施形態のパチンコ遊技機PY1では、天井到達前の大当たり契機時短状態や特殊ハズレ契機時短状態中に非確変図柄(大当たり図柄C、大当たり図柄A)に当選した場合や、特殊ハズレ(ハズレ図柄D、ハズレ図柄B)を引いた場合には、時短回数が50回の時短状態に設定され、天井到達まで時短状態が続くことが確定しないが、天井到達に基づく天井到達契機時短状態中に非確変図柄(大当たり図柄C、大当たり図柄A)に当選した場合には、時短回数が300回の時短状態に設定され、天井到達まで時短状態が続くことが確定する構成とした(図8、図9参照)。
これに対して、第2実施形態のパチンコ遊技機では、図42および図43に示すように、天井到達前の大当たり契機時短状態や特殊ハズレ契機時短状態中に非確変図柄(大当たり図柄C、大当たり図柄A)に当選した場合や、特殊ハズレ(ハズレ図柄D、ハズレ図柄B)を引いた場合には、時短回数が300回(第1の値の一例)の時短状態に設定され、天井到達まで時短状態が続くことが確定する。一方、天井到達に基づく天井到達契機時短状態中に非確変図柄(大当たり図柄C、大当たり図柄A)に当選した場合には、時短回数が50回(第2の値の一例)の時短状態に設定され、天井到達まで時短状態が続くことが確定しない。
具体的には例えば、第2実施形態のパチンコ遊技機では、図44(H)に示すように、低確率状態であって大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態であるときに特図2の抽選に基づいて大当たり図柄C(非確変図柄)に当選した場合、大当たり遊技の終了に応じて、低確率状態且つ時短状態(大当たり契機時短状態)に移行する。この大当たり契機時短状態における時短回数は300回となる。大当たり契機時短状態において大当たりに当選することなく特図変動が300回行われた場合には、天井到達となり、時短回数が500回の時短状態(天井到達契機時短状態)に移行する。このように第2実施形態では、大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態において大当たり図柄C(非確変図柄)に当選した場合には、大当たり遊技の終了から天井到達まで時短状態が継続することが確定する。すなわち、大当たり図柄Cに基づく大当たり遊技の終了後には、300回の大当たり契機時短状態と500回の天井到達契機時短状態とが非時短状態を挟まずに一連で実行される。このため遊技者は、実質的には次の大当たりを獲得するまで、持ち球を大きく減らすことなく遊技を進行させることが可能である。
また、図44(I)に示すように、低確率状態であって大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態であるときに特図2の抽選に基づいて特殊ハズレ(ハズレ図柄D)を引いた場合、ハズレ図柄Dの停止表示に応じて、低確率状態且つ時短状態(特殊ハズレ契機時短状態)に移行する。この特殊ハズレ契機時短状態における時短回数は300回である。特殊ハズレ契機時短状態において天井到達となると、すなわち、特殊ハズレ契機時短状態前の低確時短状態(大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態)からの累積の特図変動回数が天井回数(300回)になると、特殊ハズレ契機時短状態の時短回数が残っていても、時短回数が500回の時短状態(天井到達契機時短状態)に移行する。このように第2実施形態では、大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態において特殊ハズレを引いた場合には、時短回数が300回の時短状態に移行するため、天井到達までの時短状態の継続が確定する。
また、図44(J)に示すように、天井到達契機時短状態における特図2の抽選に基づいて大当たり図柄C(非確変図柄)に当選した場合、大当たり遊技の終了に応じて、低確率状態且つ時短状態(大当たり契機時短状態)に移行する。この大当たり契機時短状態における時短回数は50回である。そして、大当たり契機時短状態において大当たりや特殊ハズレを引くことなく特図変動が50回行われた場合には、時短状態が終了して低確非時短状態に移行する。このように第2実施形態では、天井到達契機時短状態において大当たり図柄C(非確変図柄)に当選しても、天井到達までの時短状態の継続が確定しないようになっている。
なお第2実施形態では、図44(K)に示すように、天井到達契機時短状態において特図2の抽選に基づいて特殊ハズレ(ハズレ図柄D)を引いても、遊技状態の設定を変更しない。この点は、第1実施形態と同じである。
次に第2実施形態のパチンコ遊技機における遊技の流れについて、図45に基づいて説明する。図45に示すように、低確非時短状態における特図1の抽選にて大当たり図柄A(非確変図柄)に当選した場合、4Rの大当たり遊技の後、時短回数が300回の低確時短状態(大当たり契機時短状態)に移行する(図42参照)。また、特殊ハズレ(ハズレ図柄B)に当選した場合、大当たり遊技が実行されることなく、時短回数が300回の低確時短状態(特殊ハズレ契機時短状態)に移行する(図43参照)。天井回数は300回であるため、これにより、天井到達までの時短状態の継続が確定する。
大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態において大当たりに当選することなく、天井到達がなされた場合、時短回数が500回の低確時短状態(天井到達契機時短状態)に移行する。ここで第2実施形態では、天井到達に基づく天井到達契機時短状態において、特図2の抽選に基づいて大当たり図柄C(非確変図柄)に当選した場合には、10Rの大当たり遊技の後、時短回数が50回の低確時短状態(大当たり契機時短状態)に移行する(図42参照)。よってこの場合には、大当たりや特殊ハズレを引くことなく50回の特図変動がなされれば(時短回数消化)、低確非時短状態に戻ることとなる。
これに対して、天井到達前の大当たり契機時短状態あるいは特殊ハズレ契機時短状態において、特図2の抽選に基づいて大当たり図柄C(非確変図柄)に当選した場合には、10Rの大当たり遊技の後、時短回数が300回の低確時短状態(大当たり契機時短状態)に移行する(図42参照)。また、特殊ハズレに当選した場合には、大当たり遊技が実行されることなく、時短回数が300回の低確時短状態(特殊ハズレ契機時短状態)に移行する(図43参照)。よってこれらの場合には、再び天井到達までの時短状態の継続が確定する。
このように第2実施形態では、低確非時短状態において大当たり図柄A(非確変図柄)や特殊ハズレ(ハズレ図柄B)に当選して、低確時短状態(大当たり契機時短状態あるいは特殊ハズレ契機時短状態)に移行した場合、その大当たり契機時短状態あるいは特殊ハズレ契機時短状態中に大当たり図柄C(非確変図柄)や特殊ハズレを引いた場合の方が、天井到達がなされて天井到達契機時短状態に移行してから大当たり図柄C(非確変図柄)を引いた場合よりも、その後の時短状態において設定される時短回数の点で遊技者にとって有利である。よって、このような斬新な遊技性により、遊技興趣の向上が可能である。
なお第2実施形態では、上記の通り、天井到達契機時短状態において特図2の抽選に基づいて大当たり図柄C(非確変図柄)に当選した場合よりも、大当たり契機時短状態や特殊ハズレ契機時短状態において大当たり図柄Cに当選した場合の方が、時短回数の点で遊技者にとって有利であるが、第1実施形態と同様、特殊ハズレ契機時短状態や大当たり契機時短状態よりも天井到達契機時短状態の方が優先的となっている。このような構成は、遊技者にとって不利であると言えるが、逆に大当たり契機時短状態や特殊ハズレ契機時短状態の滞在意義を高めることにもなっているため、遊技興趣の向上に寄与していると言える。
なお第2実施形態において、天井到達契機時短状態における大当たり図柄Cの当選に基づいて時短回数が50回の低確時短状態に制御されているときに、大当たり図柄Cや特殊ハズレを引いた場合には、時短回数が300回の低確時短状態(大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態)が設定される。すなわち、天井到達までの時短状態の継続が確定する。
また、低確非時短状態における特図1の抽選で大当たり図柄B(高確率状態への制御契機となる確変図柄)に当選した場合や、低確時短状態における特図2の抽選で大当たり図柄D(確変図柄)に当選した場合には、大当たり遊技の終了に応じて、ST回数160回の高確時短状態に制御される。高確時短状態における特図2の抽選に基づいて大当たり図柄D(確変図柄)に当選した場合には、大当たり遊技の終了に応じて、再びST回数160回の高確時短状態に制御される。
これに対して、高確時短状態における特図2の抽選に基づいて大当たり図柄C(非確変図柄)に当選した場合には、高確時短状態も大当たり契機時短状態の1つであるため、大当たり遊技の終了に応じて、時短回数が300回の低確時短状態(大当たり契機時短状態)に制御されることとなる。よってこの場合には、天井到達までの時短状態の継続が確定する。このように第2実施形態のパチンコ遊技機は、第1実施形態のパチンコ遊技機PY1と比べて、高確時短状態での遊技が遊技者にとって有利になっている。
以上説明したように、第2実施形態のパチンコ遊技機によれば、特図変動の実行回数が天井回数(300回)に到達して天井到達契機時短状態に制御されてから大当たり図柄(大当たり図柄C)を引き当てるよりも、特図変動の実行回数が天井回数(300回)に到達する前の時短状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)において大当たり図柄(大当たり図柄C)や特殊ハズレ図柄(ハズレ図柄D)を引き当てた方が、その後の時短状態における時短回数が、当該時短状態の終了から次の天井到達契機時短状態までの残りの特図変動の回数が少なくなるように設定される点で遊技者にとって有利となる(図44、図45参照)。よって第2実施形態のパチンコ遊技機によれば、このような新たな遊技性を提供することが可能であり、時短状態を用いた遊技の興趣を高めることが可能である。
特に第2実施形態のパチンコ遊技機によれば、特図変動の実行回数が天井回数(300回)に到達する前の時短状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)において大当たり図柄(大当たり図柄C)や特殊ハズレ図柄(ハズレ図柄D)を引き当てた場合には、その後の時短状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)が次の天井到達契機時短状態まで継続することが確定するが、特図変動の実行回数が天井回数(300回)に到達して天井到達契機時短状態に制御されてから大当たり図柄(大当たり図柄C)を引き当てた場合には、その後の時短状態(大当たり契機時短状態)が次の天井到達契機時短状態まで継続しない、という新たな遊技性を提供可能である(図44、図45参照)。なお、時短状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)が次の天井到達契機時短状態まで続く場合には、実質的にはほぼ次の大当たり遊技が実行されるまで時短状態が継続すると言え、遊技者は相当有利な状況で次の大当たり遊技の獲得を狙うことが可能となる。
また第2実施形態のパチンコ遊技機によれば、まず非時短状態において大当たり図柄(大当たり図柄A)、特殊ハズレ図柄(ハズレ図柄B)を引き当てることで、時短状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)において大当たり図柄(大当たり図柄A)や特殊ハズレ図柄(ハズレ図柄B)を引き当てたときと同じ時短回数の時短状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)に制御させることができる(図10、図45参照)。すなわち、非時短状態における大当たりや特殊ハズレに基づいて、まず天井到達までの時短状態の継続を確定させることができる。よって、このような斬新な遊技性により、遊技興趣の向上が可能である。
また第2実施形態のパチンコ遊技機によれば、非時短状態である場合だけでなく時短状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)である場合に特図変動の実行回数が天井回数(300回)に到達しても、天井到達契機時短状態に移行させるため(図26,図28参照)、時短状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)中は天井到達契機時短状態に移行させない構成に比べて、上述の遊技性が発揮され易い遊技機とすることが可能である。
また第2実施形態のパチンコ遊技機によれば、天井到達契機時短状態中に特殊ハズレ図柄を引き当てても特殊ハズレ契機時短状態には移行しないため(図26,図27参照)、天井到達契機時短状態中に特殊ハズレ図柄を引き当てた場合でも特殊ハズレ契機時短状態に移行させる構成に比べて、天井到達契機時短状態に制御される期間が確保され易くなり、上述の遊技性における天井到達契機時短状態の意義を高めることが可能である。
また第2実施形態のパチンコ遊技機によれば、図柄契機の時短状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)における大当たりの方が、変動回数契機の時短状態(天井到達契機時短状態)における大当たりよりも、その後の時短状態における時短回数の点で、遊技者にとって有利である(図42参照)。よって、遊技者が大当たり図柄(大当たり図柄A、大当たり図柄C)や特殊ハズレ図柄(ハズレ図柄B、ハズレ図柄D)を引き当てることの意義を高めることが可能である。
なお第2実施形態のパチンコ遊技機では、大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態中の大当たり又は特殊ハズレに基づく時短状態の時短回数を、天井回数と同じ回数(300回)とした。しかしながら、大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態中の大当たり又は特殊ハズレに基づく時短状態の時短回数は、天井到達契機時短状態中の大当たりに基づく大当たり契機時短状態の時短回数よりも大きい値であれば、天井回数と同じ値でなくてもよい。但し、時短状態の終了から天井到達までの残りの特図変動の回数が、少なくとも天井回数の半分以下となることが望ましい。遊技者に天井到達までの遊技意欲を抱かせ易いからである。なお、大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態中の大当たり又は特殊ハズレに基づく時短状態の終了から次の天井到達までの残りの特図変動の回数が10回未満であれば、時短状態が天井到達の近くまで継続することとなるため、第2実施形態の構成(時短状態が次の天井到達まで継続する構成)とほぼ変わらない効果を発揮することが可能である。ちなみに、時短状態の終了から次の天井到達までの残りの特図変動の回数が10回未満であれば、時短状態の終了から次の天井到達までの残りの特図変動の回数がほぼ0であると言える。
また第2実施形態のパチンコ遊技機では、天井到達契機時短状態中の大当たりに基づく大当たり契機時短状態の時短回数を、時短状態の終了から天井到達までの残りの特図変動が250回となるように構成したが、天井到達契機時短状態中の大当たりに基づく大当たり契機時短状態の時短回数は、大当たり契機時短状態又は特殊ハズレ契機時短状態中の大当たり又は特殊ハズレに基づく時短状態の時短回数よりも小さい値であれば、適宜変更可能である。但し、時短状態の終了から天井到達までの残りの特図変動の回数が、少なくとも天井回数の半分よりも大きい値となるように設定することが望ましい。天井到達までまだ遠いと遊技者に感じさせ易いからである。また、天井到達契機時短状態に移行してからの大当たりと、天井到達契機時短状態に移行する前の大当たり又は特殊ハズレとの間の獲得利益に差を出すために、天井到達契機時短状態に移行してからの大当たりに基づく時短状態と、天井到達契機時短状態に移行する前の大当たり又は特殊ハズレに基づく時短状態とで、時短回数に100回以上の差があることが望ましい。
<第3実施形態>
図46~図48に基づいて第3実施形態のパチンコ遊技機について説明する。図46は、第3実施形態のパチンコ遊技機における大当たり図柄種別判定テーブルであり、図47は、第3実施形態のパチンコ遊技機におけるハズレ図柄種別判定テーブルである。第3実施形態のパチンコ遊技機は、大当たり遊技の終了後の遊技状態の設定、および、特殊ハズレに基づく時短状態の設定の点で、第1実施形態のパチンコ遊技機PY1と主に異なっている。
具体的には、第3実施形態のパチンコ遊技機では、図46に示すように、特図1の抽選に基づいて大当たり図柄Aに当選した場合、又は、特図2の抽選に基づいて大当たり図柄Cに当選した場合、当選時の遊技状態が低確非時短状態であれば、大当たり遊技の終了後の遊技状態を低確非時短状態(確変回数「0」且つ時短回数「0」)に制御する。また、当選時の遊技状態が低確非時短状態以外の遊技状態であれば、大当たり遊技の終了後の遊技状態を低確時短状態に制御する。低確時短状態における時短回数は、当選時の遊技状態によって異なる。すなわち、当選時の遊技状態が低確率状態であって大当たり契機時短状態であれば、時短回数が30回の低確時短状態に制御する。また、当選時の遊技状態が低確率状態であって天井到達契機時短状態であれば、時短回数が120回の低確時短状態に制御する。また、当選時の遊技状態が低確率状態であって特殊ハズレ契機時短状態であれば、時短回数が180回の低確時短状態に制御する。また、当選時の遊技状態が高確率状態であって非時短状態であれば、時短回数が60回の低確時短状態に制御する。また、当選時の遊技状態が高確率状態であって大当たり契機時短状態であれば、時短回数が210回の低確時短状態に制御する。
なお第3実施形態では、第1実施形態とは異なり、高確率状態且つ非時短状態(高確非時短状態)に制御される場合がある。後述するように、高確時短状態に制御された場合に、高確率状態よりも先に時短状態が終了する場合があるからである。また、高確率状態では天井回数のカウントは行わないため、高確率状態且つ天井到達契機時短状態に制御されることはない。また、高確率状態では特殊ハズレに基づく時短状態への制御は行わないため、高確率状態且つ特殊ハズレ契機時短状態に制御されることもない。
また、第3実施形態のパチンコ遊技機では、図46に示すように、特図1の抽選に基づいて大当たり図柄Bに当選した場合、又は、特図2の抽選に基づいて大当たり図柄Dに当選した場合、大当たり遊技の終了後の遊技状態を高確時短状態に制御する。高確時短状態に制御される場合、確変カウンタの値は10000にセットされる。すなわち、第3実施形態のパチンコ遊技機では、高確率状態は実質的に次回の大当たり当選まで継続する。また、高確時短状態における時短カウンタの値は、当選時の遊技状態に応じて異なる値に設定される。すなわち、当選時の遊技状態が低確非時短状態であれば、高確時短状態における時短回数は50回に設定される。また、当選時の遊技状態が低確率状態であって大当たり契機時短状態であれば、高確時短状態における時短回数は100回に設定される。また、当選時の遊技状態が低確率状態であって天井到達契機時短状態であれば、高確時短状態における時短回数は200回に設定される。また、当選時の遊技状態が低確率状態であって特殊ハズレ契機時短状態であれば、高確時短状態における時短回数は300回に設定される。また、当選時の遊技状態が高確非時短状態であれば、高確時短状態における時短回数は150回に設定される。また、当選時の遊技状態が高確率状態であって大当たり契機時短状態であれば、高確時短状態における時短回数は10000回、すなわち時短状態は、高確率状態と同様、実質的に次回の大当たり当選まで継続する。時短回数が10000回の高確時短状態に制御された場合には、遊技者は持ち球を大きく減らすことなく次の大当たりを獲得することが可能である。なお、時短回数が10000回以外の高確時短状態に制御された場合には、大当たりに当選することなく時短回数分の特図変動が実行された場合には、遊技状態が高確非時短状態に移行する。
このように第3実施形態のパチンコ遊技機では、大当たり遊技の終了後の時短状態(大当たり契機時短状態)における時短回数が、当選時の遊技状態毎に全て異なっている。特に第3実施形態のパチンコ遊技機では、大当たり契機時短状態、天井到達契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態の3つの時短状態は、電チュー12Dへの入球し易さに関するパラメータ(普通図柄の変動時間および停止時間、電チュー12Dの開放パターン)は全て共通しているが(図12参照)、いずれを契機とする時短状態かによって、大当たり当選に基づいて設定される時短回数を異ならせている。このため、第3実施形態のパチンコ遊技機では、電チュー12Dへの入球し易さに関するパラメータ(言い換えれば、第2始動口12への入球し易さに関する設定)で見れば1つの時短状態しか設けていないため、時短状態の制御処理をシンプルに構成することができつつ、時短状態の契機に応じて時短回数を変えない構成と比べて、大当たり遊技後の時短回数の設定バリエーションを増やすことが可能となっている。そして、大当たり遊技後の時短回数の設定バリエーションが増えていることによって、大当たりの当選タイミングに対する遊技者の関心を高めることができ、遊技興趣の向上が見込める。つまり、どのタイミングで大当たりに当選するかによって(いずれの遊技状態で大当たりに当選するかによって)、遊技者に付与される利益が大きくなったり、小さくなったりするため、大当たりの当選タイミングに対する遊技者の関心を高めることができ、遊技興趣の向上が見込める。
また、第3実施形態のパチンコ遊技機では、図47に示すように、特図1の抽選に基づいてハズレ図柄Bに当選した場合、又は、特図2の抽選に基づいてハズレ図柄Dに当選した場合、当選時の遊技状態が高確率状態でなく、天井到達契機時短状態でもなければ、特殊ハズレ契機時短状態に設定する。特殊ハズレ契機時短状態における時短回数は、当選時の遊技状態に応じて異なる。すなわち、当選時の遊技状態が低確非時短状態であれば、時短回数が50回の特殊ハズレ契機時短状態に設定する。また、当選時の遊技状態が低確率状態であって大当たり契機時短状態であれば、時短回数が210回の特殊ハズレ契機時短状態に設定する。また、当選時の遊技状態が低確率状態であって特殊ハズレ契機時短状態であれば、時短回数が120回の特殊ハズレ契機時短状態に設定する。このように本形態では、大当たり契機時短状態中であっても特殊ハズレ契機時短状態中であっても、特殊ハズレを引いた場合には、その特殊ハズレに基づく特殊ハズレ契機時短状態を新たに設定する。
第3実施形態のパチンコ遊技機では、特殊ハズレに基づく時短状態(特殊ハズレ契機時短状態)における時短回数が、当選時の遊技状態毎に異なっている。特に第3実施形態のパチンコ遊技機では、大当たり契機時短状態と特殊ハズレ契機時短状態とは、電チュー12Dへの入球し易さに関するパラメータ(普通図柄の変動時間および停止時間、電チュー12Dの開放パターン)が全て共通しているが(図12参照)、いずれを契機とする時短状態かによって、特殊ハズレに基づいて設定される時短回数を異ならせている。このため、第3実施形態のパチンコ遊技機では、電チュー12Dへの入球し易さに関するパラメータが異なる複数種類の時短状態を設ける構成に比べて、時短状態の制御処理をシンプルに構成することができつつ、時短状態の契機に応じて時短回数を変えない構成と比べて、特殊ハズレに応じた時短回数の設定バリエーションを増やすことが可能となっている。そして、特殊ハズレに応じた時短回数の設定バリエーションが増えていることによって、特殊ハズレを引くタイミングに対する遊技者の関心を高めることができ、遊技興趣の向上が見込める。つまり、どのタイミングで特殊ハズレを引くかによって(いずれの遊技状態で特殊ハズレを引くかによって)、遊技者に付与される利益が大きくなったり、小さくなったりするため、特殊ハズレを引くタイミングに対する遊技者の関心を高めることができ、遊技興趣の向上が見込める。
なお第3実施形態のパチンコ遊技機では、第1実施形態のパチンコ遊技機PY1では制御されることがなかった高確非時短状態に制御されることがある。図48は、第3実施形態における高確非時短状態における特図変動パターン判定テーブルである。図48に示すように、高確非時短状態における特図変動パターン判定テーブルでは、特殊ハズレ(ハズレ図柄B、ハズレ図柄D)に当選した場合と、通常ハズレ(ハズレ図柄A、ハズレ図柄C)に当選した場合とで、共通する特図変動パターンを選択する。つまり、高確非時短状態では特殊ハズレを通常ハズレと同様に扱う。なお、特殊ハズレ以外の特図変動パターンの選択に関しては、低確非時短状態における特図変動パターンの選択(図13参照)と同様である。
以上説明したように、第3実施形態のパチンコ遊技機によれば、大当たり契機時短状態において大当たり図柄が停止された場合と天井到達契機時短状態において大当たり図柄が停止された場合とで、その後の大当たり契機時短状態における時短回数が変わってくる(図46参照)。よって、大当たり図柄を引き当てるタイミングについての関心が高められ、新たな興趣を提供可能である。
特に第3実施形態のパチンコ遊技機によれば、低確率状態且つ大当たり契機時短状態において大当たり図柄を引き当てるよりも、天井到達契機時短状態において大当たり図柄を引き当てた方が、その後の大当たり契機時短状態の時短回数が大きくなって遊技者には有利となる(図46参照)、という新たな遊技性を提供可能である。また、高確率状態且つ大当たり契機時短状態において大当たり図柄を引き当てた方が、天井到達契機時短状態において大当たり図柄を引き当てるよりも、その後の大当たり契機時短状態の時短回数が大きくなって遊技者には有利となる、という新たな遊技性を提供可能である。
また第3実施形態のパチンコ遊技機によれば、特殊ハズレ図柄(ハズレ図柄B、ハズレ図柄D)に基づく特殊ハズレ契機時短状態において大当たり図柄が停止された場合と、天井到達契機時短状態において大当たり図柄が停止された場合とで、その後の大当たり契機時短状態における時短回数が変わってくる(図46参照)。よって、大当たり図柄を引き当てるタイミングの関心が高められ、新たな興趣を提供可能である。
特に第3実施形態のパチンコ遊技機によれば、特殊ハズレ図柄(ハズレ図柄B、ハズレ図柄D)に基づく特殊ハズレ契機時短状態において大当たり図柄を引き当てた方が、天井到達契機時短状態において大当たり図柄を引き当てるよりも、その後の大当たり契機時短状態の時短回数が大きくなって遊技者には有利となる(図46参照)、という新たな遊技性を提供可能である。
また第3実施形態のパチンコ遊技機によれば、大当たり契機時短状態において大当たり図柄が停止された場合と、特殊ハズレ契機時短状態において大当たり図柄が停止された場合とで、その後の大当たり契機時短状態における時短回数が変わってくる(図46参照)。よって、大当たり図柄を引き当てるタイミングについての関心が高められ、新たな興趣を提供可能である。
特に第3実施形態のパチンコ遊技機によれば、低確率状態且つ大当たり契機時短状態において大当たり図柄を引き当てるよりも、特殊ハズレ契機時短状態において大当たり図柄を引き当てた方が、その後の大当たり契機時短状態の時短回数が大きくなって遊技者には有利となる(図46参照)、という新たな遊技性を提供可能である。また、高確率状態且つ大当たり契機時短状態において大当たり図柄を引き当てた方が、特殊ハズレ契機時短状態において大当たり図柄を引き当てるよりも、その後の大当たり契機時短状態の時短回数が大きくなって遊技者には有利となる、という新たな遊技性を提供可能である。
また第3実施形態のパチンコ遊技機によれば、大当たり契機時短状態と、天井到達契機時短状態と、特殊ハズレ契機時短状態とで第2始動口12への入球し易さに関する設定(普通図柄の変動時間、停止時間、電チューの開放パターンなど)が同じである(図12参照)。よって、時短状態の種類毎に第2始動口12への入球し易さに関する設定を異ならせた構成に比べて、時短状態の制御処理を簡素にすることが可能であり、処理負担の増加を抑制可能である。
また第3実施形態のパチンコ遊技機によれば、大当たり契機時短状態において大当たり図柄が停止された場合と、天井到達契機時短状態において大当たり図柄が停止された場合と、特殊ハズレ契機時短状態において大当たり図柄が停止された場合の全てで、その後の大当たり契機時短状態における時短回数が変わってくる(図46参照)。よって、大当たり図柄を引き当てるタイミングについての関心が特に高められ、大当たり契機時短状態中か、天井到達契機時短状態中か、特殊ハズレ契機時短状態中かを意識させる新たな遊技興趣を提供可能である。
また第3実施形態のパチンコ遊技機によれば、低確率状態においては、大当たり契機時短状態における大当たりよりも、大当たり以外を契機とした時短状態(特殊ハズレ契機時短状態、天井到達契機時短状態)における大当たりの方が、その後の時短状態における時短回数の点で、遊技者にとって有利である(図46参照)。よって、特殊ハズレを引き当てたり、天井到達がなされたりすることの意義が高められており、大当たりを引き当てるというパチンコ遊技機の本来の遊技目的を達成できない遊技状況でも遊技の興趣が低下し難い遊技機とすることが可能である。
なお第3実施形態のパチンコ遊技機は、図柄契機時短状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)において大当たり図柄や特殊ハズレ図柄(ハズレ図柄B、ハズレ図柄D)が停止された場合と、天井到達契機時短状態において大当たり図柄が停止された場合とで、その後の大当たり契機時短状態における時短回数が変わってくる(図46、図47参照)、とも言える。また第3実施形態のパチンコ遊技機は、大当たり遊技の終了に応じて制御される特定特典遊技状態(大当たり契機時短状態)において大当たり図柄が停止された場合と、大当たり遊技を経ることなく制御される非特定特典遊技状態(天井到達契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)において大当たり図柄が停止された場合とで、その後の大当たり契機時短状態における時短回数が変わってくる(図46、図47参照)、とも言える。
なお第3実施形態において、大当たり契機時短状態における大当たりに基づく大当たり契機時短状態(「第1の大当たり契機時短状態」とも言う)の時短回数と、天井到達契機時短状態における大当たりに基づく大当たり契機時短状態(「第2の大当たり契機時短状態」とも言う)の時短回数とが異なっているが、特殊ハズレ契機時短状態における大当たりに基づく大当たり契機時短状態(「第3の大当たり契機時短状態」とも言う)の時短回数は、第1の大当たり契機時短状態の時短回数と同じ、若しくは、第2の大当たり契機時短回数と同じである構成としてもよい。また第3実施形態において、第2の大当たり契機時短状態の時短回数と、第3の大当たり契機時短状態の時短回数とが異なっているが、第1の大当たり契機時短状態の時短回数は、第2の大当たり契機時短状態の時短回数と同じ、若しくは、第3の大当たり契機時短回数と同じである構成としてもよい。また第3実施形態において、第1の大当たり契機時短状態の時短回数と、第3の大当たり契機時短状態の時短回数とが異なっているが、第2の大当たり契機時短状態の時短回数は、第1の大当たり契機時短状態の時短回数と同じ、若しくは、第3の大当たり契機時短回数と同じである構成としてもよい。
また、第3実施形態のパチンコ遊技機では、低確率状態且つ特殊ハズレ契機時短状態において非確変図柄(大当たり図柄A、大当たり図柄C)に当選した場合に設定される時短回数(180回)よりも、高確率状態且つ大当たり契機時短状態において非確変図柄(大当たり図柄A、大当たり図柄C)に当選した場合に設定される時短回数(210回)の方が大きい構成とした。これに対して、図49に示すように、低確率状態且つ特殊ハズレ契機時短状態において非確変図柄(大当たり図柄A、大当たり図柄C)に当選した場合に設定される時短回数(210回)の方が、高確率状態且つ大当たり契機時短状態において非確変図柄(大当たり図柄A、大当たり図柄C)に当選した場合に設定される時短回数(180回)よりも大きい構成としてもよい。
また、第3実施形態のパチンコ遊技機では、低確率状態且つ特殊ハズレ契機時短状態において確変図柄(大当たり図柄B、大当たり図柄D)に当選した場合に設定される時短回数(300回)よりも、高確率状態且つ大当たり契機時短状態において確変図柄(大当たり図柄B、大当たり図柄D)に当選した場合に設定される時短回数(10000回、すなわち実質次回まで)の方が大きい構成とした。これに対して、図49に示すように、低確率状態且つ特殊ハズレ契機時短状態において確変図柄(大当たり図柄B、大当たり図柄D)に当選した場合に設定される時短回数(10000回、すなわち実質次回まで)の方が、高確率状態且つ大当たり契機時短状態において確変図柄(大当たり図柄B、大当たり図柄D)に当選した場合に設定される時短回数(300回)よりも大きい構成としてもよい。
すなわち、低確率状態であっても高確率状態であっても、大当たり契機時短状態における大当たりよりも、特殊ハズレ契機時短状態における大当たりの方が、その後の時短回数の設定に関して有利となるように構成してもよい。このように構成すれば、低確率状態であるか高確率状態であるかに関わらず、特殊ハズレ契機時短状態である場合が遊技者にとって有利となるため、特殊ハズレを引くことができるかに対する遊技者の関心を一層高めることが可能である。
また、第3実施形態のパチンコ遊技機では、低確率状態且つ大当たり契機時短状態において非確変図柄(大当たり図柄A、大当たり図柄C)に当選した場合に設定される時短回数(30回)よりも、低確率状態且つ特殊ハズレ契機時短状態において非確変図柄(大当たり図柄A、大当たり図柄C)に当選した場合に設定される時短回数(180回)の方が大きい構成とした。これに対して、図50に示すように、低確率状態且つ大当たり契機時短状態において非確変図柄(大当たり図柄A、大当たり図柄C)に当選した場合に設定される時短回数(180回)の方が、低確率状態且つ特殊ハズレ契機時短状態において非確変図柄(大当たり図柄A、大当たり図柄C)に当選した場合に設定される時短回数(30回)よりも大きい構成としてもよい。
また、第3実施形態のパチンコ遊技機では、低確率状態且つ大当たり契機時短状態において確変図柄(大当たり図柄B、大当たり図柄D)に当選した場合に設定される時短回数(100回)よりも、低確率状態且つ特殊ハズレ契機時短状態において確変図柄(大当たり図柄B、大当たり図柄D)に当選した場合に設定される時短回数(300回)の方が大きい構成とした。これに対して、図50に示すように、低確率状態且つ大当たり契機時短状態において確変図柄(大当たり図柄B、大当たり図柄D)に当選した場合に設定される時短回数(300回)の方が、低確率状態且つ特殊ハズレ契機時短状態において確変図柄(大当たり図柄B、大当たり図柄D)に当選した場合に設定される時短回数(100回)よりも大きい構成としてもよい。
すなわち、低確率状態であっても高確率状態であっても、特殊ハズレ契機時短状態における大当たりよりも、大当たり契機時短状態における大当たりの方が、その後の時短回数の設定に関して有利となるように構成してもよい。このように構成すれば、低確率状態であるか高確率状態であるかに関わらず、大当たり契機時短状態である場合が遊技者にとって有利となるため、大当たりを引くことができるかに対する遊技者の関心を一層高めることが可能である。
なお図50に示す変更例のパチンコ遊技機によれば、大当たり契機時短状態において大当たり図柄を引き当てた方が、天井到達契機時短状態において大当たり図柄を引き当てるよりも、その後の大当たり契機時短状態の時短回数が大きくなって遊技者には有利となる(図50参照)、という新たな遊技性を提供可能である。また図50に示す変更例のパチンコ遊技機によれば、特殊ハズレ契機時短状態において大当たり図柄を引き当てるよりも、天井到達契機時短状態において大当たり図柄を引き当てた方が、その後の大当たり契機時短状態の時短回数が大きくなって遊技者には有利となる(図50参照)、という新たな遊技性を提供可能である。また図50に示す変更例のパチンコ遊技機によれば、大当たり契機時短状態において大当たり図柄を引き当てた方が、特殊ハズレ契機時短状態において大当たり図柄を引き当てるよりも、その後の大当たり契機時短状態の時短回数が大きくなって遊技者には有利となる(図50参照)、という新たな遊技性を提供可能である。
また図50に示す変更例のパチンコ遊技機によれば、大当たり契機時短状態における大当たりの方が、大当たり以外を契機とした時短状態(特殊ハズレ契機時短状態、天井到達契機時短状態)における大当たりよりも、その後の時短状態における時短回数の点で、遊技者にとって有利である(図50参照)。よって、大当たりを引き当てるというパチンコ遊技機の本来の遊技目的の意義を高めることが可能である。
なお第3実施形態およびその変更例において、天井到達契機時短状態中に特殊ハズレ図柄を引いた場合でも特殊ハズレ契機時短状態に移行させる構成としてもよい。この場合、特殊ハズレ契機時短状態に特殊ハズレ図柄を引いたことに基づく特殊ハズレ契機時短状態と、天井到達契機時短状態中に特殊ハズレ図柄を引いたことに基づく特殊ハズレ契機時短状態とで、時短回数が異なる構成としてもよい。
<その他変更例>
上述した第1実施形態では、大当たり当選に基づいて時短状態に制御される場合の最大の時短回数は、天井回数と同じ300回とした。このため、大当たり契機時短状態の時短回数が0になる前に、天井到達となる(天井カウンタの値が0になる)ことはなかった。しかしながら、大当たり当選に基づいて時短状態に制御される場合の時短回数として、天井回数(300回)を超える回数(例えば400回)が設定されることがある構成としてもよい。具体的には例えば、第1実施形態のパチンコ遊技機PY1において、大当たり図柄Aに基づく大当たり契機時短状態における時短回数を400回に設定してもよい。このように構成した場合には、図51に示すように、大当たり契機時短状態における残りの時短回数が0回になる前に、天井到達を迎えるため、天井到達に基づいて時短回数が500回の天井到達契機時短状態に移行することとなる。このような構成は、大当たり契機時短状態よりも天井到達契機時短状態の方が優先される構成と言える。このような構成とすれば、天井到達契機時短状態への制御機会が確保されるため、遊技性における天井到達契機時短状態の意義を高めることが可能である。
また第1実施形態および第2実施形態では、所謂ST機(高確率状態の回数切りの遊技機)として構成し、第3実施形態では、所謂確変ループ機(高確率状態に移行した場合は次の大当たりまで高確率状態が続く遊技機)として構成したが、ST機や確変ループ機以外のタイプの遊技機として構成してもよい。例えば、大入賞口内の特定領域を遊技球が通過したことに基づいて大当たり遊技を実行可能な所謂「1種2種混合機」として構成してもよい。また上記形態では、当選した大当たり図柄の種類によって高確率状態に制御されうか否かが決定される所謂「図柄確変機」として構成したが、Vアタッカー(特定領域を有する大入賞装置)内の特定領域への通過に基づいて高確率状態への移行が決定される所謂「V確変機」としてもよい。
また第1実施形態および第2実施形態では、確変図柄(大当たり図柄B、大当たり図柄D)の時短回数を確変回数に合わせて160回としたが、非確変図柄(大当たり図柄A、大当たり図柄C)の時短回数と同じ回数にしてもよい。
また上記の各実施形態において、天井回数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。また上記の各実施形態において、各大当たり図柄、各ハズレ図柄の種類や振分率は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。また上記の各実施形態において、時短回数は、各種の発明の意義を満たす範囲で適宜変更可能である。
また上記の各実施形態において、第2始動口12への入球し易さに関する設定に関して、大当たり契機時短状態だけは、天井到達契機時短状態および特殊ハズレ契機時短状態とは異なる構成としたり、天井到達契機時短状態だけは、大当たり契機時短状態および特殊ハズレ契機時短状態とは異なる構成としたり、特殊ハズレ契機時短状態だけは、大当たり契機時短状態および天井到達契機時短状態とは異なる構成としたりしてもよい。この場合、第2始動口12への入球し易さに関する設定が他と異なる時短状態について、他の時短状態よりも第2始動口12へ入球し易い構成としてもよいし、入球し難い構成としてもよい。また、時短状態の制御処理を簡素にすることを考慮しなければ、大当たり契機時短状態と、天井到達契機時短状態と、特殊ハズレ契機時短状態とで第2始動口12への入球し易さに関する設定が互いに異なる構成としてもよい。
また上記した第1実施形態および第2実施形態では、非特典遊技状態(非時短状態)において特定の図柄(大当たり図柄、特殊ハズレ図柄)が停止されたことに基づいて図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)に制御された場合の時短回数を、特定回数(天井回数)と同じ300回としたが、天井到達まで図柄契機特典遊技状態が継続する値であれば、例えば350回、400回など、天井回数と同じ値でなくてもよい。
また上記した第1実施形態では、回数契機特典遊技状態(天井到達契機時短状態)において特定の図柄(大当たり図柄)が停止されたことに基づいて図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態)に制御された場合の時短回数を、特定回数(天井回数)と同じ300回としたが、次の天井到達まで図柄契機特典遊技状態が継続する値であれば、例えば350回、400回など、天井回数と同じ値でなくてもよい。
また上記した第2実施形態では、図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)において特定の図柄(大当たり図柄、特殊ハズレ図柄)が停止されたことに基づいて図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)に制御された場合の時短回数を、特定回数(天井回数)と同じ300回としたが、天井到達まで図柄契機特典遊技状態が継続する値であれば、例えば350回、400回など、天井回数と同じ値でなくてもよい。
また上記した第1実施形態および第2実施形態では、非特典遊技状態(非時短状態)において大当たり図柄(例えば大当たり図柄A)が停止された場合も特殊図柄(例えばハズレ図柄B)が停止された場合も、天井到達まで時短状態が継続するように構成したが、非特典遊技状態(非時短状態)において大当たり図柄(例えば大当たり図柄A)が停止された場合だけ天井到達まで時短状態が継続する構成としたり、非特典遊技状態(非時短状態)において特殊図柄(例えばハズレ図柄B)が停止された場合だけ天井到達まで時短状態が継続する構成としたりしてもよい。
また上記した第1実施形態では、大当たり契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態)又は特殊図柄契機特典遊技状態(特殊ハズレ契機時短状態)において、大当たり図柄(例えば大当たり図柄C)が停止された場合も特殊図柄(例えばハズレ図柄D)が停止された場合も、天井到達まで時短状態が継続しないように構成したが、大当たり図柄(例えば大当たり図柄C)が停止された場合だけ天井到達まで時短状態が継続しないように構成したり、特殊図柄(例えばハズレ図柄D)が停止された場合だけ天井到達まで時短状態が継続しないように構成したりしてもよい。
また上記した第2実施形態では、大当たり契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態)又は特殊図柄契機特典遊技状態(特殊ハズレ契機時短状態)において、大当たり図柄(例えば大当たり図柄C)が停止された場合も特殊図柄(例えばハズレ図柄D)が停止された場合も、天井到達まで時短状態が継続するように構成したが、大当たり図柄(例えば大当たり図柄C)が停止された場合だけ天井到達まで時短状態が継続するように構成したり、特殊図柄(例えばハズレ図柄D)が停止された場合だけ天井到達まで時短状態が継続するように構成したりしてもよい。
また上記の各実施形態では、特図1の抽選でも特図2の抽選でも大当たりに当選可能に構成した。これに対して、特図1の抽選結果に大当たりを含まず特図2の抽選結果に大当たりを含む構成としてもよい。この場合、特図1の抽選を主とした非時短状態における遊技では、まず特図1の抽選に基づいて特殊ハズレ(例えばハズレ図柄B)に当選することを目指すこととなる。そして、非時短状態において特殊ハズレを引き当てた場合には、所定の時短回数(例えば30回)の特殊ハズレ契機時短状態(第1の時短状態)に移行させるが、この特殊ハズレ契機時短状態中に特図2の抽選に基づいて大当たり(例えば大当たり図柄C)を引き当てると、所定の時短回数よりも多い時短回数(例えば100回)の大当たり契機時短状態(第2の時短状態)に移行させる構成としてもよい。そしてさらにこの場合、大当たり契機時短状態における特図2の抽選に基づく大当たり(例えば大当たり図柄C)に基づいて、さらに多い時短回数(例えば300回)の大当たり契機時短状態(第3の時短状態)に移行させる構成としてもよい。このように構成すれば、特図1の抽選結果に大当たりを含ませなくても、時短状態の制御契機となる図柄(特殊ハズレ図柄、大当たり図柄)を使って、徐々に遊技を遊技者に有利な状況に進展させていける遊技性を実現することが可能である。
また上記の各実施形態では、特図1の抽選に基づく大当たり及び特図2の抽選に基づく大当たりのいずれの大当たりでも、ある程度の賞球(少なくとも4R分の賞球)を獲得可能に構成した。これに対して、特図1の抽選に基づく大当たり(例えば大当たり図柄A)では、実質的に賞球を獲得できないが、所定の時短回数(例えば30回)の大当たり契機時短状態には移行されるように構成してもよい。このように構成した場合、大当たり契機時短状態(第1の時短状態)において特図2の抽選に基づいて特殊ハズレ(例えばハズレ図柄D)を引き当てた場合には、所定の時短回数よりも多い時短回数(例えば100回)の特殊ハズレ契機時短状態(第2の時短状態)に移行させる構成とするとよい。そしてさらにこの場合、特殊ハズレ契機時短状態における特図2の抽選に基づく特殊ハズレ(例えばハズレ図柄D)に基づいて、さらに多い時短回数(例えば300回)の特殊ハズレ契機時短状態(第3の時短状態)に移行させる構成としてもよい。このように構成すれば、特図1の抽選結果にある程度の賞球を獲得可能な大当たりを含ませなくても、時短状態の制御契機となる図柄(特殊ハズレ図柄、大当たり図柄)を使って、徐々に遊技を遊技者に有利な状況に進展させていける遊技性を実現することが可能である。なお、この構成の遊技機において、特図2の抽選における特殊ハズレの当選確率を非時短状態における大当たり当選確率よりも高くすれば、第2の時短状態から第3の時短状態に移行させ易くなるため、第3の時短状態への進展の期待感の強い遊技性を提供できる。一方、特図2の抽選における特殊ハズレの当選確率を非時短状態における大当たり当選確率よりも低くすれば、第2の時短状態から第3の時短状態に移行させ難くなるため、移行させ甲斐のある遊技性を提供できる。
また上記形態では、大当たり乱数を用いた判定の結果がハズレであり、図柄種別乱数を用いた判定の結果が特殊ハズレ(ハズレ図柄B、ハズレ図柄D)である場合に、大当たり遊技を実行することなく時短状態に制御する構成とした。これに対して、時短状態に制御するか否かの抽選(時短抽選)のための乱数(時短乱数)を別途取得することとし、特別図柄の変動表示の開始前に、時短乱数を用いて時短抽選(時短状態にするか否かの判定)を行う構成としてもよい。この場合、時短抽選は、大当たりであるか否かの判定の前に行ってもよいし、後に行ってもよい。また時短抽選を行う構成とする場合、時短乱数に代えて、大当たり乱数や図柄種別乱数を用いて時短抽選を行う構成としてもよい。
また上記形態では、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数(時短回数)は、特図1の変動表示が実行されても特図2の変動表示が実行されてもカウントされる合算上限実行回数としたが、この合算上限実行回数とは別に、特図1の変動表示だけをカウント対象とした特図1上限実行回数や、特図2の変動表示だけをカウント対象とした特図2上限実行回数を設け、いずれかの回数が満たされると時短状態が終了するように構成してもよい。なお、特図1上限実行回数や特図2上限実行回数は、合算上限実行回数とは異なる値に設定することができる。また、合算上限実行回数を設けることなく、特図1上限実行回数と特図2上限実行回数とを設け、いずれかの回数が満たされると時短状態が終了するように構成したり、特図2上限実行回数だけを設け、この回数が満たされると時短状態が終了するように構成したりしてもよい。特図1上限実行回数や特図2上限実行回数を設ける場合、これらの上限実行回数についても、合算上限実行回数と同様、当選時の遊技状態に応じて異なる値が設定されるように構成してもよい。
また上記形態では、特図1の抽選に基づいて大当たり遊技が実行された場合よりも、特図2の抽選に基づいて大当たり遊技が実行された場合の方が、遊技者が獲得可能な特典が大きい構成としたが、逆若しくは同じであってもよい。なお、遊技者が獲得可能な特典には、大当たり遊技において獲得可能な賞球の量や、大当たり遊技後の遊技状態に関する各種の設定(高確率状態や時短状態に制御されるか否かや、時短状態に制御された場合の時短回数など)が含まれる。
また上記形態では、変動演出を行う表示部を、1つの表示装置の表示画面(画像表示装置50の表示画面50a)によって構成したが、2つ以上の表示装置の各表示画面によって構成してもよい。例えば、メイン表示装置としての画像表示装置50の他に、サブ表示装置を備えている構成では、メイン表示装置の表示画面にて演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動演出を行い、サブ表示装置の表示画面にて小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動演出を行うように構成してもよい。なお、タッチセンサと液晶表示装置からなるタッチパネルを遊技機枠2に搭載し、このタッチパネルにおける液晶表示装置をサブ表示装置としてもよい。
また上記形態では、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得する乱数(判定情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たり図柄、ハズレ図柄の種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
10.本明細書に開示されている発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明が開示されている。以下の説明では、実施形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1~A8の総称である。発明Bは、以下の発明B1~B8の総称である。発明Cは、以下の発明C1~C5の総称である。発明Dは、以下の発明D1~D5の総称である。
発明A1:
所定の識別図柄(特別図柄)を変動表示させる図柄変動を行う図柄変動手段(特図変動に関する処理を行う遊技制御用マイコン101)と、
可変始動口(第2始動口12)に遊技球が入球し易い特典遊技状態(時短状態)に、当該特典遊技状態における前記図柄変動の実行回数が所定の上限回数(時短回数)に到達するまで制御可能な遊技状態制御手段(遊技状態の制御に関する処理を行う遊技制御用マイコン101)と、を備え、
前記特典遊技状態には、
前記識別図柄が特定の図柄(大当たり図柄、特殊ハズレ図柄)で停止されたことに基づいて制御される図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)と、
前記図柄変動の実行回数が特定回数(天井回数、例えば300回)に到達したことに基づいて制御される回数契機特典遊技状態(天井到達契機時短状態)と、が含まれ、
前記上限回数は、前記図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)において前記特定の図柄が停止されたことに基づいて制御される前記図柄契機特典遊技状態と、前記回数契機特典遊技状態(天井到達契機時短状態)において前記特定の図柄が停止されたことに基づいて制御される前記図柄契機特典遊技状態とで異なる(図46、図47、図49、図50、図8、図9、図42、図43参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、図柄契機特典遊技状態において特定の図柄が停止された場合と回数契機特典遊技状態において特定の図柄が停止された場合とで、その後の図柄契機特典遊技状態における図柄変動の上限回数が変わってくるため、特定の図柄が停止されるタイミングについての関心が高められ、新たな遊技興趣を提供可能である。
発明A2:
発明A1に記載の遊技機であって、
前記特定の図柄として、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)の実行契機となる大当たり図柄を有し、
前記上限回数は、前記大当たり図柄に基づく前記図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態)において前記大当たり図柄が停止されたことに基づいて前記特別遊技の終了後に制御される前記図柄契機特典遊技状態である第1の図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態中の大当たりに基づく大当たり契機時短状態)と、前記回数契機特典遊技状態(天井到達契機時短状態)において前記大当たり図柄が停止されたことに基づいて前記特別遊技の終了後に制御される前記図柄契機特典遊技状態である第2の図柄契機特典遊技状態(天井到達契機時短状態中の大当たりに基づく大当たり契機時短状態)とで異なる(図46、図49、図50、図8、図42参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、大当たり図柄に基づく図柄契機特典遊技状態において大当たり図柄が停止された場合と回数契機特典遊技状態において大当たり図柄が停止された場合とで、その後の図柄契機特典遊技状態における図柄変動の上限回数が変わってくるため、大当たり図柄を引き当てるタイミングについての関心が高められ、新たな興趣を提供可能である。特に、大当たり図柄に基づく図柄契機特典遊技状態中か、回数契機特典遊技状態中かを意識させる新たな遊技興趣を提供可能である。
発明A3:
発明A2に記載の遊技機であって、
前記上限回数は、前記第1の図柄契機特典遊技状態の方が、前記第2の図柄契機特典遊技状態よりも大きい(図50、図42参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、大当たり図柄に基づく図柄契機特典遊技状態において大当たり図柄を引き当てた方が、回数契機特典遊技状態において大当たり図柄を引き当てるよりも、その後の特典遊技状態の上限回数が大きくなって遊技者には有利となる、という新たな遊技性を提供可能である。
発明A4:
発明A2に記載の遊技機であって、
前記上限回数は、前記第1の図柄契機特典遊技状態の方が、前記第2の図柄契機特典遊技状態よりも小さい(図46、図49、図8参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、大当たり図柄に基づく図柄契機特典遊技状態において大当たり図柄を引き当てるよりも、回数契機特典遊技状態において大当たり図柄を引き当てた方が、その後の特典遊技状態の上限回数が大きくなって遊技者には有利となる、という新たな遊技性を提供可能である。
発明A5:
前記特定の図柄として、遊技者に有利な特別遊技の実行契機となる大当たり図柄と、前記大当たり図柄とは異なる特殊図柄(特殊ハズレ図柄)とを有し、
前記上限回数は、前記特殊図柄に基づく前記図柄契機特典遊技状態(特殊ハズレ契機時短状態)において前記大当たり図柄が停止されたことに基づいて前記特別遊技の終了後に制御される前記図柄契機特典遊技状態である第3の図柄契機特典遊技状態(特殊ハズレ契機時短状態中の大当たりに基づく大当たり契機時短状態)と、前記回数契機特典遊技状態(天井到達契機時短状態)において前記大当たり図柄が停止されたことに基づいて前記特別遊技の終了後に制御される前記図柄契機特典遊技状態である第2の図柄契機特典遊技状態(天井到達契機時短状態中の大当たりに基づく大当たり契機時短状態)とで異なる(図46、図49、図50、図8、図42参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特殊図柄に基づく図柄契機特典遊技状態において大当たり図柄が停止された場合と回数契機特典遊技状態において大当たり図柄が停止された場合とで、その後の図柄契機特典遊技状態における図柄変動の上限回数が変わってくるため、大当たり図柄を引き当てるタイミングの関心が高められ、新たな興趣を提供可能である。特に、特殊図柄に基づく図柄契機特典遊技状態中か、回数契機特典遊技状態中かを意識させる新たな遊技興趣を提供可能である。
発明A6:
発明A5に記載の遊技機であって、
前記上限回数は、前記第3の図柄契機特典遊技状態の方が、前記第2の図柄契機特典遊技状態よりも大きい(図46、図49、図42参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特殊図柄に基づく図柄契機特典遊技状態において大当たり図柄を引き当てた方が、回数契機特典遊技状態において大当たり図柄を引き当てるよりも、その後の特典遊技状態の上限回数が大きくなって遊技者には有利となる、という新たな遊技性を提供可能である。
発明A7:
発明A5に記載の遊技機であって、
前記上限回数は、前記第3の図柄契機特典遊技状態の方が、前記第2の図柄契機特典遊技状態よりも小さい(図50、図8参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特殊図柄に基づく図柄契機特典遊技状態において大当たり図柄を引き当てるよりも、回数契機特典遊技状態において大当たり図柄を引き当てた方が、その後の特典遊技状態の上限回数が大きくなって遊技者には有利となる、という新たな遊技性を提供可能である。
発明A8:
発明A1から発明A7までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)における前記可変始動口への入球し易さに関する設定と、前記回数契機特典遊技状態(天井到達契機時短状態)における前記可変始動口への入球し易さに関する設定とが同じである(図12参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、図柄契機特典遊技状態と回数契機特典遊技状態とで可変始動口への入球し易さに関する設定が同じであるため、可変始動口への入球し易さに関する設定を複数もたせる構成に比べて、特典遊技状態の制御処理を簡素にすることが可能であり、処理負担の増加を抑制可能である。
発明B1:
所定の識別図柄(特別図柄)を変動表示させる図柄変動を行う図柄変動手段(特図変動に関する処理を行う遊技制御用マイコン101)と、
前記識別図柄が大当たり図柄で停止された場合に、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)を実行する特別遊技実行手段(大当たり遊技の実行に関する処理を行う遊技制御用マイコン101)と、
可変始動口(第2始動口12)に遊技球が入球し易い特典遊技状態(時短状態)に、当該特典遊技状態における前記図柄変動の実行回数が所定の上限回数(時短回数)に到達するまで制御可能な遊技状態制御手段(遊技状態の制御に関する処理を行う遊技制御用マイコン101)と、を備え、
前記特典遊技状態には、
前記特別遊技の終了に応じて制御される特定特典遊技状態(大当たり契機時短状態)と、
前記特別遊技を経ることなく制御される非特定特典遊技状態(天井到達契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)と、が含まれ、
前記上限回数は、前記特定特典遊技状態(大当たり契機時短状態)において前記大当たり図柄が停止されたことに基づいて制御される前記特定特典遊技状態と、前記非特定特典遊技状態(天井到達契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)において前記大当たり図柄が停止されたことに基づいて制御される前記特定特典遊技状態とで異なる(図46、図49、図50参照)ことを特徴とする遊技機(第3実施形態のパチンコ遊技機)。
この構成の遊技機によれば、特別遊技の終了に応じて制御される特定特典遊技状態において大当たり図柄が停止された場合と、特別遊技を経ることなく制御される非特定特典遊技状態において大当たり図柄が停止された場合とで、その後の特定特典遊技状態における図柄変動の上限回数が変わってくるため、大当たり図柄が停止されるタイミングについての関心が高められ、新たな遊技興趣を提供可能である。
発明B2:
発明B1に記載の遊技機であって、
前記非特定特典遊技状態として、前記大当たり図柄が停止されることなく連続して実行された前記図柄変動の回数が特定回数(天井回数、例えば300回)に到達したことに基づいて前記特別遊技を経ることなく制御される第1の非特定特典遊技状態(天井到達契機時短状態)があり、
前記上限回数は、前記特定特典遊技状態(大当たり契機時短状態)において前記大当たり図柄が停止されたことに基づいて制御される前記特定特典遊技状態である第1の特定特典遊技状態(大当たり契機時短状態中の大当たりに基づく大当たり契機時短状態)と、前記第1の非特定特典遊技状態(天井到達契機時短状態)において前記大当たり図柄が停止されたことに基づいて制御される前記特定特典遊技状態である第2の特定特典遊技状態(天井到達契機時短状態中の大当たりに基づく大当たり契機時短状態)とで異なる(図46、図49、図50参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特別遊技の終了に応じて制御される特定特典遊技状態において大当たり図柄が停止された場合と、図柄変動の回数が特定回数に到達したことに基づいて特別遊技を経ることなく制御される第1の非特定特典遊技状態において大当たり図柄が停止された場合とで、その後の特定特典遊技状態における図柄変動の上限回数が変わってくるため、大当たり図柄を引き当てるタイミングについての関心が高められ、新たな興趣を提供可能である。特に、特別遊技の終了に応じて制御される特定特典遊技状態中か、図柄変動の回数が特定回数に到達したことに基づいて制御される第1の非特定特典遊技状態中かを意識させる新たな遊技興趣を提供可能である。
発明B3:
発明B2に記載の遊技機であって、
前記上限回数は、前記第1の特定特典遊技状態の方が、前記第2の特定特典遊技状態よりも大きい(図50参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特別遊技の終了に応じて制御される特定特典遊技状態において大当たり図柄を引き当てた方が、図柄変動の回数が特定回数に到達したことに基づいて制御される第1の非特定特典遊技状態において大当たり図柄を引き当てるよりも、その後の特典遊技状態の上限回数が大きくなって遊技者には有利となる、という新たな遊技性を提供可能である。
発明B4:
発明B2に記載の遊技機であって、
前記上限回数は、前記第1の特定特典遊技状態の方が、前記第2の特定特典遊技状態よりも小さい(図46、図49参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特別遊技の終了に応じて制御される特定特典遊技状態において大当たり図柄を引き当てるよりも、図柄変動の回数が特定回数に到達したことに基づいて制御される第1の非特定特典遊技状態において大当たり図柄を引き当てた方が、その後の特典遊技状態の上限回数が大きくなって遊技者には有利となる、という新たな遊技性を提供可能である。
発明B5:
発明B1に記載の遊技機であって、
前記非特定特典遊技状態として、前記大当たり図柄とは異なる特殊図柄(特殊ハズレ図柄)で前記識別図柄が停止されたことに基づいて前記特別遊技を経ることなく制御される第2の非特定特典遊技状態(特殊ハズレ契機時短状態)があり(図47参照)、
前記上限回数は、前記特定特典遊技状態(大当たり契機時短状態)において前記大当たり図柄が停止されたことに基づいて制御される前記特定特典遊技状態である第1の特定特典遊技状態(大当たり契機時短状態中の大当たりに基づく大当たり契機時短状態)と、前記第2の非特定特典遊技状態(特殊ハズレ契機時短状態)において前記大当たり図柄が停止されたことに基づいて制御される前記特定特典遊技状態である第3の特定特典遊技状態(特殊ハズレ契機時短状態中の大当たりに基づく大当たり契機時短状態)とで異なる(図46、図49、図50参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特別遊技の終了に応じて制御される特定特典遊技状態において大当たり図柄が停止された場合と、大当たり図柄とは異なる特殊図柄が停止されたことに基づいて特別遊技を経ることなく制御される第2の非特定特典遊技状態において大当たり図柄が停止された場合とで、その後の特定特典遊技状態における図柄変動の上限回数が変わってくるため、大当たり図柄を引き当てるタイミングについての関心が高められ、新たな興趣を提供可能である。特に、特別遊技の終了に応じて制御される特定特典遊技状態中か、大当たり図柄とは異なる特殊図柄に基づく第2の非特定特典遊技状態中かを意識させる新たな遊技興趣を提供可能である。
発明B6:
発明B5に記載の遊技機であって、
前記上限回数は、前記第1の特定特典遊技状態の方が、前記第3の特定特典遊技状態よりも大きい(図50参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特別遊技の終了に応じて制御される特定特典遊技状態において大当たり図柄を引き当てた方が、大当たり図柄とは異なる特殊図柄に基づく第2の非特定特典遊技状態において大当たり図柄を引き当てるよりも、その後の特典遊技状態の上限回数が大きくなって遊技者には有利となる、という新たな遊技性を提供可能である。
発明B7:
発明B5に記載の遊技機であって、
前記上限回数は、前記第1の特定特典遊技状態の方が、前記第3の特定特典遊技状態よりも小さい(図46、図49参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特別遊技の終了に応じて制御される特定特典遊技状態において大当たり図柄を引き当てるよりも、大当たり図柄とは異なる特殊図柄に基づく第2の非特定特典遊技状態において大当たり図柄を引き当てた方が、その後の特典遊技状態の上限回数が大きくなって遊技者には有利となる、という新たな遊技性を提供可能である。
発明B8:
発明B1から発明B7までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記特定特典遊技状態(大当たり契機時短状態)における前記可変始動口への入球し易さに関する設定と、前記非特定特典遊技状態(天井到達契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)における前記可変始動口への入球し易さに関する設定とが同じである(図12参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特別遊技の終了に応じて制御される特定特典遊技状態と、特別遊技を経ることなく制御される非特定特典遊技状態とで可変始動口への入球し易さに関する設定が同じであるため、可変始動口への入球し易さに関する設定を複数もたせる構成に比べて、特典遊技状態の制御処理を簡素にすることが可能であり、処理負担の増加を抑制可能である。
発明C1:
所定の識別図柄(特別図柄)を変動表示させる図柄変動を行う図柄変動手段(特図変動に関する処理を行う遊技制御用マイコン101)と、
非特典遊技状態(非時短状態)よりも可変始動口(第2始動口12)に遊技球が入球し易い特典遊技状態(時短状態)に、当該特典遊技状態における前記図柄変動の実行回数が所定の上限回数(時短回数)に到達するまで制御可能な遊技状態制御手段(遊技状態の制御に関する処理を行う遊技制御用マイコン101)と、を備え、
前記特典遊技状態には、
前記識別図柄が特定の図柄(大当たり図柄、特殊ハズレ図柄)で停止されたことに基づいて制御される図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)と、
前記図柄変動の実行回数が特定回数(天井回数、例えば「300」)に到達したことに基づいて制御される回数契機特典遊技状態(天井到達契機時短状態)と、が含まれ、
前記上限回数は、
前記回数契機特典遊技状態(天井到達契機時短状態)において前記特定の図柄(例えば大当たり図柄C)が停止されたことに基づいて制御される前記図柄契機特典遊技状態では、当該図柄契機特典遊技状態の終了から次の前記回数契機特典遊技状態の開始までに必要な前記図柄変動の回数が所定値(例えば「0」)となる第1の値(例えば「300」)に設定され得る一方(図8、図11(F)参照)、
前記図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)において前記特定の図柄(例えば大当たり図柄C、ハズレ図柄D)が停止されたことに基づいて制御される前記図柄契機特典遊技状態では、当該図柄契機特典遊技状態の終了から次の前記回数契機特典遊技状態の開始までに必要な前記図柄変動の回数が前記所定値よりも大きい値(例えば「250」)となる第2の値(例えば「50」)に設定され得る(図8、図9、図11(D)(E)参照)ことを特徴とする遊技機(第1実施形態のパチンコ遊技機PY1)。
この構成の遊技機によれば、図柄変動の実行回数が特定回数に到達して回数契機特典遊技状態に制御されてから特定の図柄を引き当てた方が、図柄変動の実行回数が特定回数に到達する前の図柄契機特典遊技状態において特定の図柄を引き当てるよりも、その後の図柄契機特典遊技状態における図柄変動の上限回数が、当該図柄契機特典遊技状態の終了から次の回数契機特典遊技状態までの残りの図柄変動の回数が少なくなるように設定される点で遊技者にとって有利となる。よってこの構成の遊技機によれば、このような新たな遊技性を提供することが可能であり、特典遊技状態を用いた遊技の興趣を高めることが可能である。
発明C2:
所定の識別図柄(特別図柄)を変動表示させる図柄変動を行う図柄変動手段(特図変動に関する処理を行う遊技制御用マイコン101)と、
非特典遊技状態(非時短状態)よりも可変始動口(第2始動口12)に遊技球が入球し易い特典遊技状態(時短状態)に、当該特典遊技状態における前記図柄変動の実行回数が所定の上限回数(時短回数)に到達するまで制御可能な遊技状態制御手段(遊技状態の制御に関する処理を行う遊技制御用マイコン101)と、を備え、
前記特典遊技状態には、
前記識別図柄が特定の図柄(大当たり図柄、特殊ハズレ図柄)で停止されたことに基づいて制御される図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)と、
前記図柄変動の実行回数が特定回数(天井回数、例えば「300」)に到達したことに基づいて制御される回数契機特典遊技状態(天井到達契機時短状態)と、が含まれ、
前記上限回数は、
前記図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)において前記特定の図柄(例えば大当たり図柄C、ハズレ図柄D)が停止されたことに基づいて制御される前記図柄契機特典遊技状態では、当該図柄契機特典遊技状態の終了から次の前記回数契機特典遊技状態の開始までに必要な前記図柄変動の回数が所定値(例えば「0」)となる第1の値(例えば「300」)に設定され得る一方(図42、図43、図44(H)(I)参照)、
前記回数契機特典遊技状態(天井到達契機時短状態)において前記特定の図柄(例えば大当たり図柄C)が停止されたことに基づいて制御される前記図柄契機特典遊技状態では、当該図柄契機特典遊技状態の終了から次の前記回数契機特典遊技状態の開始までに必要な前記図柄変動の回数が前記所定値よりも大きい値(例えば「250」)となる第2の値(例えば「50」)に設定され得る(図42、図44(J)参照)ことを特徴とする遊技機(第2実施形態のパチンコ遊技機)。
この構成の遊技機によれば、図柄変動の実行回数が特定回数に到達して回数契機特典遊技状態に制御されてから特定の図柄を引き当てるよりも、図柄変動の実行回数が特定回数に到達する前の図柄契機特典遊技状態において特定の図柄を引き当てた方が、その後の図柄契機特典遊技状態における図柄変動の上限回数が、当該図柄契機特典遊技状態の終了から次の回数契機特典遊技状態までの残りの図柄変動の回数が少なくなるように設定される点で遊技者にとって有利となる。よってこの構成の遊技機によれば、このような新たな遊技性を提供することが可能であり、特典遊技状態を用いた遊技の興趣を高めることが可能である。
発明C3:
発明C1又は発明C2に記載の遊技機であって、
前記所定値は、10未満の値であることを特徴とする遊技機。
発明C1に従属する発明C3の遊技機によれば、図柄変動の実行回数が特定回数に到達して回数契機特典遊技状態に制御されてから特定の図柄を引き当てた場合には、その後の図柄契機特典遊技状態が次の回数契機特典遊技状態の近くまで継続することが確定するが、図柄変動の実行回数が特定回数に到達する前の図柄契機特典遊技状態において特定の図柄を引き当てた場合には、その後の図柄契機特典遊技状態が次の回数契機特典遊技状態の近くまでは継続しない、という新たな遊技性を提供可能である。
また発明C2に従属する発明C3の遊技機によれば、図柄変動の実行回数が特定回数に到達する前の図柄契機特典遊技状態において特定の図柄を引き当てた場合には、その後の図柄契機特典遊技状態が次の回数契機特典遊技状態の近くまで継続することが確定するが、図柄変動の実行回数が特定回数に到達して回数契機特典遊技状態に制御されてから特定の図柄を引き当てた場合には、その後の図柄契機特典遊技状態が次の回数契機特典遊技状態の近くまでは継続しない、という新たな遊技性を提供可能である。
発明C4:
発明C3に記載の遊技機であって、
前記所定値は、0であることを特徴とする遊技機。
発明C1に従属する発明C4の遊技機によれば、図柄変動の実行回数が特定回数に到達して回数契機特典遊技状態に制御されてから特定の図柄を引き当てた場合には、その後の図柄契機特典遊技状態が次の回数契機特典遊技状態まで継続することが確定するが、図柄変動の実行回数が特定回数に到達する前の図柄契機特典遊技状態において特定の図柄を引き当てた場合には、その後の図柄契機特典遊技状態が次の回数契機特典遊技状態まで継続しない、という新たな遊技性を提供可能である。
発明C2に従属する発明C4の遊技機によれば、図柄変動の実行回数が特定回数に到達する前の図柄契機特典遊技状態において特定の図柄を引き当てた場合には、その後の図柄契機特典遊技状態が次の回数契機特典遊技状態まで継続することが確定するが、図柄変動の実行回数が特定回数に到達して回数契機特典遊技状態に制御されてから特定の図柄を引き当てた場合には、その後の図柄契機特典遊技状態が次の回数契機特典遊技状態まで継続しない、という新たな遊技性を提供可能である。
発明C5:
発明C1から発明C4までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記上限回数は、前記非特典遊技状態(非時短状態)において前記特定の図柄(例えば大当たり図柄A、ハズレ図柄B)が停止されたことに基づいて制御される前記図柄契機特典遊技状態では、前記第1の値(例えば「300」)に設定される(図8、図9、図10(B)(C)、図42、図43参照)ことを特徴とする遊技機。
発明C1に従属する発明C5の遊技機によれば、まず非特典遊技状態において特定の図柄を引き当てることで、回数契機特典遊技状態に制御されてから特定の図柄を引き当てたときと同じ上限回数の図柄契機特典遊技状態に制御させることができ、そしてこれ以降は上述の遊技性で遊技が進行する、という新たな遊技性を提供可能である。
発明C2に従属する発明C5の遊技機によれば、まず非特典遊技状態において特定の図柄を引き当てることで、図柄契機特典遊技状態において特定の図柄を引き当てたときと同じ上限回数の図柄契機特典遊技状態に制御させることができ、そしてこれ以降は上述の遊技性で遊技が進行する、という新たな遊技性を提供可能である。
発明C6:
発明C1から発明C5までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技状態制御手段は、前記図柄変動の実行回数が特定回数(天井回数、例えば「300」)に到達したときの遊技状態が前記非特典遊技状態であっても前記図柄契機特典遊技状態であっても、前記回数契機特典遊技状態に制御する(図10、図11(D)(E)、図26、図28、図44参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、非特典遊技状態である場合だけでなく図柄契機特典遊技状態である場合に図柄変動の実行回数が特定回数に到達しても、回数契機特典遊技状態に移行させるため、図柄契機特典遊技状態中は回数契機特典遊技状態に移行させない構成に比べて、上述の遊技性が発揮され易い遊技機とすることが可能である。
発明C7:
発明C1から発明C6までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記特定の図柄として、遊技者に有利な特別遊技の実行契機となる大当たり図柄と、前記大当たり図柄とは異なる特殊図柄(特殊ハズレ図柄)とを有し、
前記遊技状態制御手段は、前記回数契機特典遊技状態において前記大当たり図柄が停止された場合には前記特別遊技の終了に応じて前記図柄契機特典遊技状態に制御する一方、前記回数契機特典遊技状態において前記特殊図柄が停止された場合には当該回数契機特典遊技状態を継続する(図11(F)(G)、図26、図27、図44(J)(K)参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、回数契機特典遊技状態中に特殊図柄を引き当てても図柄契機特典遊技状態には移行しないため、回数契機特典遊技状態中に特殊図柄を引き当てた場合でも図柄契機特典遊技状態に移行させる構成に比べて、回数契機特典遊技状態に制御される期間が確保され易くなり、上述の遊技性における回数契機特典遊技状態の意義を高めることが可能である。
発明D1:
所定の識別図柄(特別図柄)を変動表示させる図柄変動を行う図柄変動手段(特図変動に関する処理を行う遊技制御用マイコン101)と、
非特典遊技状態(非時短状態)よりも可変始動口(第2始動口12)に遊技球が入球し易い特典遊技状態(時短状態)に、当該特典遊技状態における前記図柄変動の実行回数が所定の上限回数(時短回数)に到達するまで制御可能な遊技状態制御手段(遊技状態の制御に関する処理を行う遊技制御用マイコン101)と、を備え、
前記特典遊技状態には、
前記識別図柄が特定の図柄(大当たり図柄、特殊ハズレ図柄)で停止されたことに基づいて制御される図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)と、
前記図柄変動の実行回数が特定回数(天井回数、例えば「300」)に到達したことに基づいて制御される回数契機特典遊技状態(天井到達契機時短状態)と、が含まれ、
前記非特典遊技状態において前記特定の図柄が停止されたことに基づいて前記図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)に制御された場合、前記図柄変動の実行回数が前記特定回数に到達するまで当該図柄契機特典遊技状態が継続するように、前記上限回数が設定され得る(図10参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、非特典遊技状態において特定の図柄が停止されて図柄契機特典遊技状態に制御されると、その図柄契機特典遊技状態が回数契機特典遊技状態まで継続する、という新たな遊技性を提供可能である。そして、非特典遊技状態において特定の図柄を引き当てることへの遊技意欲を高めることができ、遊技興趣を向上可能である。
発明D2:
発明D1に記載の遊技機であって、
前記回数契機特典遊技状態に制御される前の前記図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)において前記特定の図柄が停止されたことに基づいて前記図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)に制御された場合よりも、前記回数契機特典遊技状態(天井到達契機時短状態)において前記特定の図柄が停止されたことに基づいて前記図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態)に制御された場合の方が、前記上限回数が大きい値に設定される(図8、図9、図36参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、非特典遊技状態において特定の図柄が停止されて図柄契機特典遊技状態に制御された後、その図柄契機特典遊技状態中に特定の図柄を引き当てるよりも、回数契機特典遊技状態に至ってから特定の図柄を引き当てた方が、特典遊技状態の図柄変動の上限回数が大きい値に設定されて遊技者にとって有利となる、という新たな遊技性を提供可能である。
発明D3:
発明D2に記載の遊技機であって、
前記回数契機特典遊技状態(天井到達契機時短状態)において前記特定の図柄が停止されたことに基づいて前記図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態)に制御された場合には、前記図柄変動の実行回数が前記特定回数に到達するまで当該図柄契機特典遊技状態が継続し(図11(F)参照)、
前記回数契機特典遊技状態に制御される前の前記図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)において前記特定の図柄が停止されたことに基づいて前記図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)に制御された場合には、前記図柄変動の実行回数が前記特定回数に到達する前に当該図柄契機特典遊技状態が終了することがある(図11(D)(E)参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、非特典遊技状態において特定の図柄が停止されて図柄契機特典遊技状態に制御された後、回数契機特典遊技状態に至ってから特定の図柄を引き当てると、そのことに基づく図柄契機特典遊技状態が次の回数契機特典遊技状態まで継続することが確定する一方で、回数契機特典遊技状態に至る前の図柄契機特典遊技状態中に特定の図柄を引き当てても、そのことに基づく図柄契機特典遊技状態が次の回数契機特典遊技状態まで継続しないで終了する、という新たな遊技性を提供可能である。
発明D4:
発明D1に記載の遊技機であって、
前記特定の図柄には、遊技者に有利な特別遊技の実行契機となる大当たり図柄と、前記大当たり図柄とは異なる特殊図柄(特殊ハズレ図柄)とが含まれ、
前記図柄契機特典遊技状態には、前記大当たり図柄が停止されたことに基づく大当たり契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態)と、前記特殊図柄が停止されたことに基づく特殊図柄契機特典遊技状態(特殊ハズレ契機時短状態)とが含まれ、
前記回数契機特典遊技状態(天井到達契機時短状態)において前記大当たり図柄が停止されたことに基づいて前記大当たり契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態)に制御された場合には、前記図柄変動の実行回数が前記特定回数に到達するまで当該大当たり契機特典遊技状態が継続し(図11(F)参照)、
前記回数契機特典遊技状態に制御される前の前記大当たり契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態)または前記特殊図柄契機特典遊技状態(特殊ハズレ契機時短状態)において前記大当たり図柄が停止されたことに基づいて前記大当たり契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態)に制御された場合には、前記図柄変動の実行回数が前記特定回数に到達する前に当該大当たり契機特典遊技状態が終了することがある(図11(D)参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、非特典遊技状態において特定の図柄(大当たり図柄、特殊図柄)が停止されて図柄契機特典遊技状態(大当たり契機特典遊技状態、特殊図柄契機特典遊技状態)に制御された後、回数契機特典遊技状態に至ってから大当たり図柄を引き当てると、そのことに基づく大当たり契機特典遊技状態が次の回数契機特典遊技状態まで継続することが確定する一方で、回数契機特典遊技状態に至る前の大当たり契機特典遊技状態または特殊図柄契機特典遊技状態中に大当たり図柄を引き当てても、そのことに基づく大当たり契機特典遊技状態が次の回数契機特典遊技状態まで継続しないで終了する、という新たな遊技性を提供可能である。
発明D5:
発明D1に記載の遊技機であって、
前記回数契機特典遊技状態に制御される前の前記図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)において前記特定の図柄が停止されたことに基づいて前記図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)に制御された場合の方が、前記回数契機特典遊技状態(天井到達契機時短状態)において前記特定の図柄が停止されたことに基づいて前記図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態)に制御された場合よりも、前記上限回数が大きい値に設定される(図42、図43、図45参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、非特典遊技状態において特定の図柄が停止されて図柄契機特典遊技状態に制御された後、その図柄契機特典遊技状態中に特定の図柄を引き当てた方が、回数契機特典遊技状態に至ってから特定の図柄を引き当てるよりも、特典遊技状態の図柄変動の上限回数が大きい値に設定されて遊技者にとって有利となる、という新たな遊技性を提供可能である。
発明D6:
発明D5に記載の遊技機であって、
前記回数契機特典遊技状態に制御される前の前記図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)において前記特定の図柄が停止されたことに基づいて前記図柄契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態、特殊ハズレ契機時短状態)に制御された場合には、前記図柄変動の実行回数が前記特定回数に到達するまで当該図柄契機特典遊技状態が継続し(図44(H)(I)参照)、
前記回数契機特典遊技状態において前記特定の図柄が停止されたことに基づいて前記図柄契機特典遊技状態に制御された場合には、前記図柄変動の実行回数が前記特定回数に到達する前に当該図柄契機特典遊技状態が終了することがある(図44(J)参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、非特典遊技状態において特定の図柄が停止されて図柄契機特典遊技状態に制御された後、その図柄契機特典遊技状態において特定の図柄を引き当てると、そのことに基づく図柄契機特典遊技状態が次の回数契機特典遊技状態まで継続することが確定する一方で、回数契機特典遊技状態に至ってから特定の図柄を引き当てても、そのことに基づく図柄契機特典遊技状態が次の回数契機特典遊技状態まで継続しないで終了する、という新たな遊技性を提供可能である。
発明D7:
発明D1に記載の遊技機であって、
前記特定の図柄には、遊技者に有利な特別遊技の実行契機となる大当たり図柄と、前記大当たり図柄とは異なる特殊図柄(特殊ハズレ図柄)とが含まれ、
前記図柄契機特典遊技状態には、前記大当たり図柄が停止されたことに基づく大当たり契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態)と、前記特殊図柄が停止されたことに基づく特殊図柄契機特典遊技状態(特殊ハズレ契機時短状態)とが含まれ、
前記回数契機特典遊技状態に制御される前の前記大当たり契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態)または前記特殊図柄契機特典遊技状態(特殊ハズレ契機時短状態)において前記大当たり図柄が停止されたことに基づいて前記大当たり契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態)に制御された場合には、前記図柄変動の実行回数が前記特定回数に到達するまで当該大当たり契機特典遊技状態が継続し(図44(H)参照)、
前記回数契機特典遊技状態(天井到達契機時短状態)において前記大当たり図柄が停止されたことに基づいて前記大当たり契機特典遊技状態(大当たり契機時短状態)に制御された場合には、前記図柄変動の実行回数が前記特定回数に到達する前に当該大当たり契機特典遊技状態が終了することがある(図44(J)参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、非特典遊技状態において特定の図柄(大当たり図柄、特殊図柄)が停止されて図柄契機特典遊技状態(大当たり契機特典遊技状態、特殊図柄契機特典遊技状態)に制御された後、その大当たり契機特典遊技状態または特殊図柄契機特典遊技状態中に大当たり図柄を引き当てると、そのことに基づく大当たり契機特典遊技状態が次の回数契機特典遊技状態まで継続することが確定する一方で、回数契機特典遊技状態に至ってから大当たり図柄を引き当てても、そのことに基づく大当たり契機特典遊技状態が次の回数契機特典遊技状態まで継続しないで終了する、という新たな遊技性を提供可能である。
ところで従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機では、例えば特開2018-88993号公報に記載されているように、始動口に遊技球が入球することを条件に、大当たりか否かを判定する大当たり判定が行われる。大当たり判定が行われると、大当たり判定の結果を報知する特別図柄の変動表示が行われる。特別図柄の変動表示で、大当たり判定の結果が大当たりであるという結果が導出されると、遊技者に有利な大当たり遊技(特別遊技)が実行される。そして特開2018-88993号公報に係る遊技機では、大当たり遊技が実行された後に、開閉可能な可変始動口に非時短遊技状態よりも遊技球が入球し易い時短遊技状態(特典遊技状態)になることがある。しかしながら、開閉可能な可変始動口に非時短遊技状態よりも遊技球が入球し易い遊技状態になることがある遊技機については、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。
上記した発明Aは、特開2018-88993号公報に記載の遊技機に対して、「特典遊技状態には、識別図柄が特定の図柄で停止されたことに基づいて制御される図柄契機特典遊技状態と、図柄変動の実行回数が特定回数に到達したことに基づいて制御される回数契機特典遊技状態と、が含まれ、特典遊技状態における図柄変動の上限回数は、図柄契機特典遊技状態において特定の図柄が停止されたことに基づいて制御される図柄契機特典遊技状態と、回数契機特典遊技状態において特定の図柄が停止されたことに基づいて制御される図柄契機特典遊技状態とで異なる」という点で相違している。これにより発明Aは、「遊技の興趣を向上させる」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
また上記した発明Bは、特開2018-88993号公報に記載の遊技機に対して、「特典遊技状態には、特別遊技の終了に応じて制御される特定特典遊技状態と、特別遊技を経ることなく制御される非特定特典遊技状態と、が含まれ、特典遊技状態における図柄変動の上限回数は、特定特典遊技状態において大当たり図柄が停止されたことに基づいて制御される特定特典遊技状態と、非特定特典遊技状態において大当たり図柄が停止されたことに基づいて制御される特定特典遊技状態とで異なる」という点で相違している。これにより発明Bは、「遊技の興趣を向上させる」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
また上記した発明Cは、特開2018-88993号公報に記載の遊技機に対して、「特典遊技状態には、識別図柄が特定の図柄で停止されたことに基づいて制御される図柄契機特典遊技状態と、図柄変動の実行回数が特定回数に到達したことに基づいて制御される回数契機特典遊技状態と、が含まれ、特典遊技状態における図柄変動の上限回数は、回数契機特典遊技状態において特定の図柄が停止されたことに基づいて制御される図柄契機特典遊技状態では、当該図柄契機特典遊技状態の終了から次の回数契機特典遊技状態の開始までに必要な図柄変動の回数が所定値となる第1の値に設定され得る一方、図柄契機特典遊技状態において特定の図柄が停止されたことに基づいて制御される図柄契機特典遊技状態では、当該図柄契機特典遊技状態の終了から次の前記回数契機特典遊技状態の開始までに必要な図柄変動の回数が所定値よりも大きい値となる第2の値に設定され得る」という点で相違している。これにより発明Cは、「遊技の興趣を向上させる」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
また上記した発明Dは、特開2018-88993号公報に記載の遊技機に対して、「特典遊技状態には、識別図柄が特定の図柄で停止されたことに基づいて制御される図柄契機特典遊技状態と、図柄変動の実行回数が特定回数に到達したことに基づいて制御される回数契機特典遊技状態と、が含まれ、非特典遊技状態において特定の図柄が停止されたことに基づいて図柄契機特典遊技状態に制御された場合、図柄変動の実行回数が特定回数に到達するまで当該図柄契機特典遊技状態が継続するように、上限回数が設定され得る」という点で相違している。これにより発明Dは、「遊技の興趣を向上させる」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。