JP6310470B2 - 前立腺がんを処置するための方法 - Google Patents

前立腺がんを処置するための方法 Download PDF

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Description

本発明の背景
本発明の分野
本発明は、がんの処置に関する。より具体的には、本発明は、前立腺がんの処置に関する。
関連技術の概要
米国の男性における最も一般的な悪性腫瘍として、前立腺がんは、依然として治りにくい疾患である。他のヒトがんとは対照的に、前立腺がんは、アンドロゲン性のステロイドに極度に依存し、該ステロイドは、アンドロゲン受容体(AR)を通じてそれらの生物学的作用を発揮する1、2
AR活性化のための古典的なモデルは、リガンドの結合によって誘導される構造変化、核移行の増加、および標的遺伝子の転写を調節する近位プロモーターまたは遠位エンハンサーにおけるアンドロゲン応答配列(androgen-responsive element)への結合を含む。ARに調節される遺伝子は、前立腺腫瘍細胞の成長、浸潤および転移に不可欠である2、3。より重要なことに、近年の研究は、クロマチンに対するAR結合動態が前立腺がん細胞において変化し、細胞状況に依存して、種々のケースにおいて遺伝子発現に対して種々の効果をもたらすことを示す4〜6。したがって、ARに媒介される転写の分子メカニズム、特に新薬によって標的にされ得る分子メカニズムを完全に理解することが非常に重要である。
進行性前立腺がん患者への第一選択処置(first line treatment)は、アンドロゲン合成経路を阻害するか、またはAR機能に拮抗するかのいずれかによってARシグナリングを抑制する、アンドロゲン遮断療法である。アンドロゲン遮断療法に強く応答していたにもかかわらず、患者はしばしば、より悪性度の高い、治療抵抗型の、去勢抵抗性(castration refractory)前立腺がん(CRPC)と称する疾患を再発する7、8。近年の研究は、CRPC腫瘍細胞のほとんどが、内因性アンドロゲンシグナリング系を利用し続け、AR機能の回復を通じてそれらの成長を駆動することを示した9〜11。AR再活性化のメカニズムは、AR遺伝子増幅、リガンド非依存性のARのトランス活性化、または、細胞内アンドロゲン合成の活性化を含む12〜14。新規の抗アンドロゲン治療剤は、新しい強力なテストステロン合成インヒビター(アビラテロン)15、16および高親和性の抗AR薬(MDV-3100、エンザルタミドとしても知られる)17、18を含み、CRPCを処置するために開発されつつある。
臨床研究は、これら薬物が生存優位性を与えることを示したが13、19〜21、CRPCは未だ、治癒されるようになることとは程遠く、これら薬物に対する抵抗性を獲得した後の新しい有効な処置を必要とする。アンドロゲンシグナリングを遮るための既存の方法は全て、リガンドの産生またはリガンド−受容体結合(association)を阻害することに頼っているが、これらは、がんにおいて、AR再活性化の多重メカニズムによって克服され得る。いくつかの新規な抗AR薬は近年、ARタンパク質分解を誘導することによってARシグナリングを遮るように開発されている22〜24。しかしながら、近年の研究は、ARが、特定のがん促進遺伝子を誘導するのみならず、アンドロゲン合成、DNA合成および増殖に関与する他の遺伝子もまた抑えることを示した25。ARの作用全てを遮るか、またはAR分解を誘導することによる後者の遺伝子の活性化は、アンドロゲン依存性(AD)からアンドロゲン非依存性(AI)の状態へのPCa細胞の推移を刺激し得る。
したがって、前立腺がん患者において、活性過多のアンドロゲンシグナリングを遮断し、ホルモン療法の有効性を伸ばすために、ARに媒介される転写を増強する他の分子を標的にする戦略を開発する必要がある。特に、ARに媒介される転写の誘導を阻害するためであって、ARによる転写を抑えるためではない、という戦略を開発する必要がある。
本発明の概要
本発明は、前立腺がん患者において、活性過多のアンドロゲンシグナリングを遮断し、ホルモン療法の有効性を伸ばすために、ARに媒介される転写を増強する他の分子を標的にする新しい戦略を提供する。本発明者らは、驚くべきことに、リガンド−AR相互作用に非依存的に機能するARシグナリングの阻害のための新規方法を発見し、該方法は、2つの密接に関わる転写調節セリン/スレオニンキナーゼであるCDK8およびCDK19の阻害に基づく。
CDKファミリーのよりよく知られているメンバー26とは対照的に、密接に関わるCDK8およびCDK19は、転写を調節するが細胞周期は進行させず、それらの枯渇は、正常細胞27または多くの腫瘍細胞28、29の成長を阻害しない。CDK8およびCDK19は、転写調節メディエーター外においても作動し得る31、32、該メディエーター複合体の構成要素の2種のアイソフォームである30。初期の研究は、CDK8を、基本転写開始因子IIH33および転写活性化因子の一群34のその負の調節に基づき、転写共抑制因子(co-repressor)として描写していた。しかしながら、近年の一連の報告は、CDK8が、p53経路35、Wnt/β−カテニン経路36、血清応答ネットワーク28、TGFβシグナリング経路35、ならびに、甲状腺ホルモン受容体37およびステロール調節エレメント結合タンパク質38−依存性の転写を含む、生物医学的関連性のある多重シグナリング経路において、正の転写調節因子としての役割を果たすことを実証した。
がんに関し、CDK8は、メラノーマおよび大腸がん36、39においてがん遺伝子として認識されており、近年ではがん幹細胞の表現型に関係するとされていた40。CDK8とは対照的に、その脊椎動物パラログであるCDK19は、ほとんどの組織においてCDK8と同じくらい高く発現されていないため、よく研究されてこなかった。しかしながら、CDK19は、正常の前立腺において発現する41。CDK8およびCDK19の高い発現レベルはまた、乳がんおよび白金で処置された卵巣がんにおける低い無再発生存の予測マーカーとしても見出された29。さらに、CDK8は、正常組織、結腸がんおよび線維肉腫細胞の、損傷によって誘導される腫瘍促進パラクリン活性のメディエーターであることが示された29。しかしながら、CDK8またはCDK19を、前立腺がんのAR活性またはアンドロゲン非依存的成長と結び付ける優先的証拠は存在しなかった。
本発明は、CDK8およびCDK19のうち1以上に対する選択的インヒビターの有効量を対象へ投与することを含む、対象において前立腺がんを処置するための方法を提供する。いくつかの態様において、インヒビターは、CDK19を阻害する。いくつかの態様において、インヒビターは、200nM未満のKdでCDK8を阻害し、および/または100nM未満のKdでCDK19を阻害する。
いくつかの態様において、前立腺がんは、アンドロゲン非依存性である。いくつかの態様において、前立腺がんは、アンドロゲン受容体遺伝子の増幅、アンドロゲン受容体遺伝子の突然変異、アンドロゲン受容体のリガンド非依存性トランス活性化および細胞内アンドロゲン合成の活性化のうち1つまたは2つ以上に起因してアンドロゲン非依存性である。
いくつかの態様において、インヒビターは、NF−κBの活性亢進を阻害する。いくつかの態様において、インヒビターは、基底のNF−κBレベルの亢進を阻害しない。
図面の簡単な説明
図1Aは、CDK19タンパク質が、AR陰性(DU145およびPC3)の前立腺がん細胞株、あるいは線維肉腫(HT1080)、ヒト胎児腎臓(HEK293)および結腸癌(HCT116)細胞と比較して、AR陽性(LNCaP、LN3、C42、CWR22rv1)の前立腺がん細胞において、より高いレベルで発現することを示す。図1Bは、CDK19タンパク質が、AR陰性(PC3)の前立腺がん細胞、非悪性の前立腺上皮細胞(RWPE−1)、線維肉腫(HT1080)、ヒト胎児腎臓(HEK293)および結腸癌(HCT116)細胞と比較して、AR陽性(LNCaP、LN3、C42、CWR22rv1)の前立腺がん細胞において、より高いレベルで発現することを示す。図1Cは、CDK19のRNAが、AR陰性(PC3)の前立腺がん細胞、非悪性の前立腺上皮細胞(RWPE−1)、線維肉腫(HT1080)、ヒト胎児腎臓(HEK293)および結腸癌(HCT116)細胞と比較して、AR陽性(LNCaP、LN3、C42、CWR22rv1)の前立腺がん細胞において、より高いレベルで発現することを示す。図1Dは、アンドロゲン処置が、CDK8タンパク質を下方調節する一方、アンドロゲン枯渇が、LNCaP細胞において、CDK19およびCDK8タンパク質発現を上方調節することを示す。
図2Aは、アンドロゲン依存性のLNCaP細胞のセネキシン(Senexin)Aによる処置が、アンドロゲンが補充されたかまたはアンドロゲンを欠乏させたかのいずれかの条件下で、PSA(KLK3)、KLK2、TMPRSS2およびPGC等のいくつかのアンドロゲン応答性遺伝子の、アンドロゲンにより刺激される転写活性化を有意に阻害することを示す。図2Bは、アンドロゲン依存性のLNCaP細胞のセネキシンBによる処置が、アンドロゲンが補充された条件下で、PSA(KLK3)、KLK2、SGK1、KLF5およびPGC等のいくつかのアンドロゲン誘導性遺伝子の、アンドロゲンにより刺激される転写活性化を有意に阻害することを示す。図2Cは、アンドロゲン依存性のLNCaP細胞のセネキシンBによる処置が、AR、OPRK1、STXBP6およびCDK8等のいくつかのアンドロゲンによって阻害される遺伝子の阻害を妨げないことを示す。
図3は、セネキシンB(1μMおよび4μMにて)による、アンドロゲンを欠乏させたLNCaP細胞の1時間の前処置は、PSA(KLK3)、KLK2、TMPRSS2およびPGC等の、いくつかのアンドロゲン応答性遺伝子の、アンドロゲンに刺激される転写を有意に阻害すること示す。
図4Aは、CDK8とCDK19をともに発現し、かつ全長の野生型ARを過剰発現するHEK293細胞において、セネキシンA(1μMおよび5μM)は、R1881の存在下では、アンドロゲン応答コンストラクト(PSA遺伝子プロモーター下のホタルルシフェラーゼレポーター)の活性化を有意に阻害するが、アンドロゲンフリーの培地中ではしないことを示す。図4Bは、CDK8とCDK19をともに発現し、かつ全長の野生型ARを過剰発現するHEK293細胞において、セネキシンA(1μMおよび5μM)は、R1881の存在下では、アンドロゲン応答コンストラクト(PGC遺伝子プロモーター下のホタルルシフェラーゼレポーター)の活性化を有意に阻害するが、アンドロゲンフリーの培地中ではしないことを示す。
図5は、CDK8とCDK19をともに発現し、かつ全長の野生型ARを過剰発現するHEK293細胞において、セネキシンBは、R1881の存在下では、アンドロゲン応答コンストラクト(PSA遺伝子プロモーター下のホタルルシフェラーゼレポーター)の活性化を有意に阻害するが、アンドロゲンフリーの培地中ではしないことを示す。
図6Aは、LNCaP派生物であるLN3およびC4−2ならびにCWR22派生物であるCWR22rv1アンドロゲン非依存性前立腺がん細胞は、アンドロゲンが枯渇した条件下(CSS培地中)で充分に生育するが、このアンドロゲン非依存性の生育がセネキシンBにより強力に阻害されたことを示す。図6Bは、5μMのセネキシンBが、アンドロゲンが枯渇した条件下(CSS培地中)で、LNCaP派生物であるLN3の生育を強力に阻害し、CWR22派生物であるCWR22rv1アンドロゲン非依存性前立腺がん細胞の生育を有意に阻害すること、ならびに10μMのMDV3100(エンザルタミド)が、アンドロゲンを欠乏させた同じ条件下で、LNCaP−LN3細胞の生育は弱く阻害するが、CWR22rv1細胞の生育は阻害しないことを示す。図6Cは、LNCaP派生物であるLN3およびC4−2ならびにCWR22派生物であるCWR22rv1のアンドロゲン非依存性前立腺がん細胞が、アンドロゲン依存性の親のLNCaP細胞と比較して、3日間のアンドロゲン欠乏(AD3)後にAR依存性遺伝子であるPSAおよびKLK2を高発現すること、ならびに、セネキシンBが、アンドロゲン非存在下で生育したアンドロゲン非依存性前立腺がん細胞株3種全てにおいて、PSAおよびKLK2の発現を下方調節することを示す。図6Dは、5μMのセネキシンBが、アンドロゲン非存在下で生育したアンドロゲン非依存性前立腺がん細胞株LNCaP−LN3およびCWR22rv1において、PSAおよびKLK2の発現を強力に下方調節するのに対し、10μMのMDV3100(エンザルタミド)は、アンドロゲンが枯渇した同じ条件下で、LNCaP−LN3細胞においてPSAの発現を弱く下方調節し、KLK2の発現を下方調節せず、CWR22rv1細胞においてPSAおよびKLK2のいずれの発現も下方調節しないことを示す。
図7は、アンドロゲンが枯渇したCSS培地中のPC−3細胞の生育が、セネキシンBによって阻害されることを示す。
図8は、ヌードマウスにおけるLN3異種移植片の腫瘍容積成長曲線に対するセネキシンB処置の効果を示す。 図9は、マウス体重に対するセネキシンB処置の効果を示す。 図10は、最終腫瘍重量に対するセネキシンB処置の効果を示す。
好ましい態様の詳細な説明
本発明は、CDK8およびCDK19のうち1以上に対する選択的インヒビターの有効量を対象へ投与することを含む、対象において前立腺がんを処置するための方法を提供する。いくつかの態様において、インヒビターは、CDK19を阻害する。いくつかの態様において、インヒビターは、200nM未満のKdでCDK8を阻害するおよび/または100nM未満のKdでCDK19を阻害する。本発明の目的において、「CDK8/19の特異的インヒビター」は、それらが特定の他のCDKを阻害する程度を大きく超えて、CDK8あるいはCDK8およびCDK19を阻害する小分子化合物である。いくつかの態様において、かかる化合物はさらに、CDK9を大きく超える程度に、CDK8を阻害する。好ましい態様において、かかる大きく超える程度は、CDK9より少なくとも2倍大きい。本発明において有用な化合物は、ともに係属中のUS特許公開公報20120071477および20120071477ならびにPCT公報WO2013/116786に記載されている。阻害の程度は、ともに係属中のPCT公報WO2013/116786に教示されるアッセイによって測定される。
いくつかの態様において、前立腺がんは、アンドロゲン非依存性である。いくつかの態様において、前立腺がんは、アンドロゲン受容体遺伝子の増幅、アンドロゲン受容体遺伝子の突然変異、アンドロゲン受容体のリガンド非依存性トランス活性化および細胞内アンドロゲン合成の活性化のうち1つまたは2つ以上に起因してアンドロゲン非依存性である。
いくつかの態様において、インヒビターは、NF−κBの誘導活性を阻害する。いくつかの態様において、インヒビターは、基底のNF−κBレベルの上昇を阻害しない。用語「誘導されるNFκB転写活性」は、NFκBにより行われる転写機能が、基底のNFκB転写活性レベルを超えて行われることを意味する。用語「基底のNFκB転写活性」は、正常な状態の下で、すなわち疾患または障害の非存在下での細胞において、NFκBによって行われる転写機能のレベルを意味する。いくつかの態様において、細胞の核における活性型NFκBの量は増加しないが、むしろNFκBのレベルのみが上昇する。
用語「処置すること」は、少なくともいくつかの疾患の兆候または症状を低減するか、取り除くことを意味する。用語「対象」はヒトを含む。用語「投与すること」、「投与」などは、以下でさらに述べられる。
いくつかの態様において、本発明の化合物は、生理学的に許容し得る担体を含む医薬製剤として投与される。用語「生理学的に許容し得る」は一般に、化合物の有効性を妨げず、かつ対象の健康状態と両立し得る材料を指す。用語「担体」は、賦形剤、希釈剤、充填剤、塩、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤、油、脂質、脂質含有ベシクル、ミクロスフェア、リポソーム被包、または生理学的に許容し得る製剤における使用について当該技術分野において周知の他の材料を包含する。担体、賦形剤または希釈剤の特徴が、特定の適用についての投与経路に依存するであろうことは理解されるであろう。これらの材料を含有する生理学的に許容し得る製剤の調製は、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, ed. A. Gennaro, Mack Publishing Co., Easton, Pa., 1990等に記載されている。活性のある化合物は、処置される患者に重篤な毒性作用を及ぼさずに、予防的または治療的な有効量を患者へ送達するのに充分な量で、生理学的に許容し得る担体または希釈剤に含まれる。用語「有効量」または「充分な量」は一般に、少なくとも1種の疾患もしくは障害の症状または兆候の低減あるいは排除に影響を及ぼすのに充分な量を指す。
本発明の方法において、本発明の化合物の投与は、限定せずに非経口、経口、腫瘍内、舌下、経皮、局所、鼻腔、エアロゾル、眼内、気管内、直腸内、経粘膜、膣内を含むいずれかの好適な経路によって、経皮パッチによって、または点眼剤もしくはマウスウォッシュの形態でなされ得る。化合物または医薬製剤の投与は、疾患の症状または代理マーカーを低減するのに有効な投薬量および期間で、知られている手順を使用して実行され得る。
以下の例は、本発明をサポートする特定の態様をさらに説明することを意図し、本発明の範囲を限定することは意図しない。
例1
前立腺がんにおけるCDK8およびCDK19の発現
図1Aは、HT1080(線維肉腫)、HEK−293(胎児腎臓)、MDA−MB−231(乳がん)、HCT116(結腸癌)ならびに前立腺がん細胞株LNCaP(アンドロゲン依存性)、アンドロゲン非依存性のLNCaP派生物C4−2およびLN3およびアンドロゲン非依存性の前立腺がん細胞株CWR22rv1、DU145およびPC−3における、CDK8、CDK19、ARおよびGAPDH(正規化の基準)の免疫ブロッティングを示す。以下の一次抗体を、免疫ブロッティングのために使用した:ヤギ−抗CDK8(Santa Cruz, sc-1521)、ウサギ−抗CDK19(Sigma, HPA007053)、ウサギ−抗AR(Santa Cruz, sc-13062)およびマウス−抗GAPDH(Santa Cruz, sc-32233)。CDK8は、唯一MDA−MB−231においては有意により低い発現を示すが、全細胞株において類似した発現レベルを示す。一方、CDK19は、HT1080およびHCT116細胞においては、ほぼ検出不可能であるが、ARを発現する全ての前立腺がん株において発現する。
図1Bは、HT1080(線維肉腫)、HEK−293(胎児腎臓)、HCT116(結腸癌)、RWPE−1(不死であるが形質転換していない前立腺上皮細胞)ならびに前立腺がん細胞株LNCaP(アンドロゲン依存性)、アンドロゲン非依存性のLNCaP誘導体C4−2およびLN3ならびにアンドロゲン非依存性の前立腺がん細胞株CWR22rv1およびPC−3における、CDK8、CDK19、AR、ヌクレオリンおよびGAPDH(後者の2つは正規化の基準である)の免疫ブロッティングを示す。CDK8は、全細胞株において類似した発現レベルを示す一方、CDK19は、ARを発現するこれらの前立腺がん株において、他の全ての細胞株とは相対的に、強力に発現される。故に、上昇したCDK19発現は、ARを発現する前立腺がん細胞と関連する。
図1Cは、図1Bにおける免疫ブロッティング分析のために使用した同じ細胞株における、CDK8およびCDK19のmRNA発現のqPCR分析を示す。qPCRの結果は、CDK8全細胞株において類似のRNA発現を示す(PC3細胞において最も高いレベルが観察された)のに対し、CDK19は、ARを発現する前立腺がん細胞において、他のどの細胞株よりもはるかに高いRNA発現を示し、免疫ブロッティングの結果と一致する。
図1Dは、ウシ胎児血清(FBS)を補充した完全培地中またはチャコール処理済み(charcoal-stripped)血清(CSS)培地(アンドロゲンが欠乏させた、AD)中または100pMのアンドロゲンアゴニストR1881(メチルトリエノロンとしても知られている)を補充したCSS培地中、示された日数の間培養されたアンドロゲン依存性のLNCaP細胞における、CDK8、CDK19およびα−チューブリン(正規化の基準、Sigma, T5168)の発現を示す。この分析は、アンドロゲン処置がCDK8を下方調節する一方、アンドロゲンの欠乏が、LNCaP細胞においてCDK8およびCDK19タンパク質を上方調節することを示し(図1D)、これは、CDK8およびCDK19の発現がARを介して調節されることを示すものである。
例2
AR活性に対するCDK8/19インヒビターの効果
AR活性におけるCDK8/19の役割を試験するために、我々は、Senex Biotechnology, Inc.(Senex)により開発され、セネキシンA(SNX2-1-53としても知られる)およびセネキシンB(SNX2-1-165としても知られる)と称する、CDK8/19の選択的小分子インヒビターを使用した。セネキシンAは、近年の論文29に、セネキシンBは、PCT公報WO2013/116786に記載されている。これら小分子は、CDK8/19のATPポケットに選択的に結合することによって、これらキナーゼ活性を阻害する。セネキシンBは、セネキシンAと比較して、より低いKd(CDK8では140nM、CDK19では80nM)でCDK8/19キナーゼ活性を阻害し、より高い水溶性(50mMに達する)を保有する。
3dの間、標準的な培養培地(FBS)中、または、5dの間、アンドロゲンを欠乏させた(CSS)培地(AD、アンドロゲン除去)中、または、アンドロゲン除去5日後24hrの間、アンドロゲンを補充した培地(500pMのR1881)中(AD→+A)、培養されたLNCaP細胞における、示されるアンドロゲン応答遺伝子の発現に対するセネキシンA(5μM)の効果を評価した。アンドロゲン依存性LNCaP細胞のセネキシンAによる処置によって、アンドロゲンを補充した、またはアンドロゲンを欠乏させた条件下において、PSA(KLK3)、KLK2、TMPRSS2およびPGC等のいくつかのアンドロゲン応答遺伝子の、アンドロゲンにより刺激される転写活性化が有意に阻害された(図2A)。
5dの間、アンドロゲンを欠乏させた(CSS)培地中(A−)、または、アンドロゲン欠乏5日後24hrの間、アンドロゲンを補充した培地(500pMのR1881)中(A+)で培養されたLNCaP細胞における、示されたアンドロゲン応答遺伝子の発現に対するセネキシンB(1μMおよび4μM)の効果もまた評価した。アンドロゲン依存性LNCaP細胞のセネキシンBによる処置によって、アンドロゲンを補充した条件下、PSA(KLK3)、KLK2、TMPRSS2、SGK1、KLF5およびPGC等のいくつかのアンドロゲン応答遺伝子の、アンドロゲンにより刺激される転写活性化が有意に阻害された(図2B)。他方、セネキシンBによる同じ細胞の処置は、AR、OPRK1またはSTXBP6等のアンドロゲンにより阻害されるいくつかの遺伝子の阻害を妨げなかった(図2C)。アンドロゲン添加によってもまた、CDK8の発現が阻害され(しかしCDK19のはされない)、セネキシンBはこの阻害を妨げなかった(図2C)。それ故に、CDK8/19の阻害は、アンドロゲンによる遺伝子発現の誘導のみを阻害するが、その抑制は阻害しないという特に有益な効果を有する。
3dの間CSS培地中[R1881(−)]、または、アンドロゲン欠乏2日後24hrの間アンドロゲンを補充した培地(500pMのR1881)中[R1881(+)]で培養されたLNCaP細胞におけるアンドロゲン応答遺伝子の発現に対するセネキシンBの効果を測定した。セネキシンBをR1881処置の1hr前に加え、RNAサンプルを回収するまで培養系中に維持した。遺伝子発現を、正規化の基準としてハウスキーピング遺伝子RPL13Aを用いて、qPCRにより測定した(*:セネキシンBとDMSOとの間でp<0.05)。アンドロゲンを欠乏させたLNCaP細胞のセネキシンBによる前処置によって、これらの遺伝子の、アンドロゲンに刺激される転写が有意に阻害された(図3)。これは、CDK8/19が、前立腺がん細胞においてアンドロゲンシグナリングを正に調節することを示唆する。
AR活性化におけるCDK8/19の役割を確認するため、我々は、CDK8とCDK19をともに発現するHEK293細胞(図1A)におけるプロモーター活性アッセイによって、セネキシンAおよびセネキシンBの阻害効果を分析した。全長の野生型ARをHEK−293細胞において過剰発現させたとき、セネキシンAまたはセネキシンBのいずれも、R1881の存在下でアンドロゲン応答コンストラクト(PSA遺伝子プロモーター下のホタルルシフェラーゼレポーター)の活性化を有意に阻害したが、アンドロゲンフリーの培地中ではしなかった(図4Aおよび図5)。類似の結果が、他のアンドロゲン応答プロモーター(PGC)においても観察された(図4B)。これらの結果は、CDK8/19がAR機能を正に調節することを示す。
例3
アンドロゲンが枯渇した培地中のアンドロゲン非依存性前立腺がん細胞における細胞の生育およびARG発現に対するCDK8/19インヒビターの効果
CRPC患者のほとんどにおいて、前立腺がん腫瘍細胞は、低アンドロゲン環境またはARアンタゴニストの存在にかかわらず、それらのAR活性を取り戻している。我々は、CDK8/19インヒビターであるセネキシンBが、親のアンドロゲン依存性前立腺がん細胞株の、去勢後に再発したかまたは転移性の異種移植片に由来する、いくつかのアンドロゲン非依存性前立腺がん細胞株(LNCaP派生物であるLN3およびC4−2ならびにCWR22派生物であるCWR22rv1を含む)において、アンドロゲン非依存性の生育を阻害するか試験した。アンドロゲンフリーの培地中、ARを発現するアンドロゲン非依存性の前立腺がん細胞の生育に対するセネキシンBの効果を測定した。2×10個の前立腺がん細胞を、種々の濃度のセネキシンBを有するCSS培地中に播種し、示される日数の間培養した後、総細胞数を計数した(n=4)。これらアンドロゲン非依存性前立腺がん細胞は、アンドロゲンが枯渇した条件下(CSS培地中)で充分に生育したが、このアンドロゲン非依存性の生育は、セネキシンBにより強力に阻害された(図6A)。
我々はまた、CSS培地中、セネキシンBもしくはアンドロゲンアンタゴニストMDV3100(エンザルタミド)の存在または非存在下、アンドロゲン非依存性の細胞株であるLNCaP派生物のLN3およびCWR22派生物のCWR22rv1の生育も分析した。2×10個の細胞を、ビヒクル(DMSO)対照、5μMのセネキシンBまたは10μMのMDV3100を有するCSS培地中に播種し、示される時間培養した後、総細胞数を計数した(n=3)。図6Bは、セネキシンBが、LNCaP−LN3の成長を強力に阻害し、CWR22rv1細胞の成長を有意に阻害したのに対し、MDV3100はLNCaP−LN3細胞の成長を弱く阻害し、アンドロゲンが枯渇した同じ条件下でCWR22rv1細胞の成長を阻害しないことを示す。
これらの細胞の内因性AR活性は、AR依存性遺伝子KLK3(PSA)およびKLK2のmRNA発現のqPCR分析により判断した。アンドロゲン非依存性前立腺がん細胞におけるKLK2およびKLK3(PSA)の発現に対するセネキシンBの効果を測定した。図6Cは、3日間のアンドロゲン欠乏条件(AD3)下、LNCaPおよびアンドロゲン非依存性前立腺がん細胞株における基底の遺伝子発現ならびにCSS培地中培養され(2d)、セネキシンBまたはビヒクル対照により24時間処置された細胞における遺伝子発現を示す。*:セネキシンBとDMSO間でp<0.05。
3種全てのアンドロゲン非依存性前立腺がん細胞株が、アンドロゲン欠乏3日後のアンドロゲン依存性である親のLNCaP細胞と比較して、これら遺伝子のはるかに高い発現を示した(AD3、図6C)。驚くことに、セネキシンBは、LNCaP細胞においてアンドロゲンにより刺激されるPSA/KLK2発現を阻害する(図3)のと同じ程度有効的に、アンドロゲンの非存在下で生育した3種全てのアンドロゲン非依存性前立腺がん細胞株においてPSAおよびKLK2の発現を下方調節した(図6C)。図6Dは、アンドロゲン非存在下で生育したLNCaP−LN3およびCWR22rv1細胞におけるPSAおよびKLK2の発現に対する、5μMのセネキシンBおよび10μMのMDV3100(エンザルタミド)の効果を比較する。セネキシンBが、両方のアンドロゲン非依存性の前立腺がん細胞株において、PSAおよびKLK2発現を強力に下方調節するのに対し、MDV3100はアンドロゲンが枯渇した同じ条件下で、LNCaP−LN3細胞においてPSAの発現を弱く下方調節し、KLK2の発現を下方調節せず、CWR22rv1細胞において、PSAおよびKLK2のいずれの発現も下方調節しない。
これらの結果は、セネキシンBが、アンドロゲン非依存性の前立腺がん細胞において、これらの細胞が低アンドロゲン環境で増殖するために必要とするリガンド非依存性ARシグナリングを抑制することを示唆する。セネキシンBが、CWR22rv1細胞において、細胞生育を阻害することが可能であり、アンドロゲンにより調節される遺伝子の発現を下方調節することが可能であるという所見は、この細胞株における恒常的なアンドロゲンシグナリングが、トランケートされたARによってなされることから42、特に興味深いものである。このトランケート形態は、C末端のトランケーションがリガンド結合ドメインを欠失させ、それをリガンド非依存性とすることから、ARのリガンド結合ドメインを標的にするように設計された現在の抗アンドロゲン薬に抵抗性である。故に、CDK8/19はまた、アンドロゲン非依存性の前立腺がん細胞における活性化AR(全長、変異型またはトランケート型)により媒介される活性のある転写において、重要な役割を果たす可能性もある。
我々はまた、セネキシンBが、ARを発現せず(図1A)、そしてAR非依存性のメカニズムを通じてアンドロゲン非依存性の表現型を発現したアンドロゲン非依存性前立腺がん細胞株PC−3の生育を阻害するかについても試験した。PC−3細胞生育は、転写因子NFκBの阻害により阻害されることが以前に示されており43〜45、CDK8/19の阻害は、NFκB転写活性の誘導を低減することがSenexにより発見された(PCT公報WO2013/040153)。アンドロゲンフリーの培地中のPC−3前立腺がん細胞生育に対するセネキシンBの効果を測定した。2×10個のPC−3細胞を、種々の濃度のセネキシンBを有するCSS培地中に播種し、示される日数の間培養した後、総細胞数を計数した(n=4)。*:セネキシンBとDMSOとの間でp<0.05。図7に示されるとおり、アンドロゲンが枯渇したCSS培地中のPC−3細胞の成長が、セネキシンBによって阻害された。それ故に、CDK8/19の阻害は、種々のメカニズムを通じてアンドロゲン非依存性を発現したアンドロゲン非依存性前立腺がん細胞のアンドロゲン非依存的成長を阻害する。
例4
CDK8/19インヒビターのセネキシンBは、ヌードマウスにおけるLNCaP−LN3細胞のin vivo異種移植片成長を阻害する
6〜8週齢のオスのヌードマウス(Jackson Laboratory)に、2百万個のLN−CaP LN3(LN3)前立腺がん細胞をMatrigelとともに、右わき腹に皮下注射した。目に見える腫瘍が、注射後14日までに形成された。類似の腫瘍容積を有するマウスをその後、2群へとランダム化し、40mg/kgのセネキシンBまたは等容積のビヒクル溶液を2週間(1週につき5日間)、毎日i.p.注射により処置した。腫瘍サイズを、1週につき3回ノギスにより測定し、長さ×幅×幅×0.5の方程式により算出した。図8に示されるとおり、セネキシンB処置は、ビヒクル対照で処置されたマウスと比較して、オスのヌードマウスにおいてLN3細胞の腫瘍成長を劇的に阻害する。セネキシンB処置は、宿主の体重に対する効果はなく(図9)、処置マウスは、ビヒクル対照群のマウスと同程度に健康的に見えた。実験の終了時に、各群からのマウスを犠死させ、最終腫瘍重量を決定した。図10に示されるとおり、セネキシンBで処置されたマウスにおいて発生した腫瘍の重量は、対照群からの腫瘍の重量より有意に小さかった。これは、図8の腫瘍容積測定で観察された差異と一致した。要約すれば、本データは、CDK8/19キナーゼ活性の阻害が、進行性前立腺がん細胞の腫瘍成長を阻むための潜在的な治療方法であることを示唆する。

Claims (7)

  1. 前立腺がんを処置するための医薬組成物であって、CDK8およびCDK19のうち1以上に対する選択的インヒビターの有効量を含み、前記インヒビターは、セネキシンA、セネキシンB、およびそれらの組み合わせから選択される、前記医薬組成物。
  2. インヒビターが、CDK19を阻害する、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. インヒビターが、CDK8を阻害する、請求項1に記載の医薬組成物。
  4. インヒビターが、CDK8およびCDK19を阻害する、請求項1に記載の医薬組成物。
  5. 前立腺がんが、アンドロゲン非依存性である、請求項1に記載の医薬組成物。
  6. 前立腺がんが、アンドロゲン受容体遺伝子の増幅、アンドロゲン受容体遺伝子の突然変異、アンドロゲン受容体のリガンド非依存性トランス活性化および細胞内アンドロゲン合成の活性化のうち1つまたは2つ以上に起因してアンドロゲン非依存性である、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. インヒビターが、NF−κBの活性亢進を阻害する、請求項1または5に記載の医薬組成物。
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