JP6309398B2 - 高周波電源 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマ処理システムに用いられる高周波電源に関する。
プラズマ処理システムは、例えば、フッ素系のガスと半導体ウェハや液晶基板等の被加工物をプラズマ処理装置のチャンバー内に封入し、そのチャンバー内の一対の電極に高周波電源から高周波電力を供給して放電させ、その放電によりガスのプラズマを発生させて被加工物に薄膜形成処理やエッチング処理を行うシステムである。
従来、プラズマ処理システム用の高周波電源として、高周波の出力周波数よりも低周波のパルス変調制御信号により高周波電源の出力をパルス変調して高周波をパルス出力する高周波電源が知られている。
プラズマ処理装置では、高周波電源から高周波電力が供給されると、放電によりプラズマが発生するが、プラズマ発生前とプラズマ発生後で急激にインピーダンス(以下、「負荷インピーダンス」という。)が変化し、プラズマ発生後もプラズマの状態や被加工物の状態の変化により負荷インピーダンスは変動する。
プラズマ処理の開始時やプラズマ処理中に負荷インピーダンスが急変した時には高周波電源とプラズマ処理装置がインピーダンス不整合の状態になるので、プラズマ処理装置に供給される高周波のパルス出力の立ち上がりでオーバーシュートが発生したり、パルス出力の立ち下がりでアンダーシュートが発生したりすることがある。
パルス出力ではパルス変調制御信号の立ち上がりや立ち下がりで高周波の振幅が急激に変化することになるが、負荷がLCR負荷の場合は、高周波電源の出力段に設けられるローパスフィルタと負荷の抵抗成分、インダクタンス成分、キャパシタンス成分による過渡振動が発生し、これにより高周波が振動してオーバーシュートやアンダーシュートが発生すると考えられる。
プラズマ処理装置に供給される高周波パルスの立ち上がりや立ち下がりでオーバーシュートやアンダーシュートが発生すると、それによってプラズマ処理装置内のウェハや基板等が損傷する虞があるので、可及的にオーバーシュートやアンダーシュートの発生を抑制する制御が必要になる。
特開2013−005538号公報 特開2013−135159号公報
従来、オーバーシュートやアンダーシュートの発生を抑制する方法として、フィードバック制御の応答性を遅くし、安定性を高くする方法が知られている。しかし、この方法では、応答性を犠牲にするため、パルス周期を短くして高速で高周波をパルス出力する制御が困難となる。
また、他の方法として、図9に示すように、高周波電源100内のローパスフィルタ102の後段に残留高周波除去回路103を設け、パルス出力制御で高周波信号vの出力を停止させるときに残留高周波除去回路103を作動させてアンダーシュートやリンギングを抑制する構成が提案されている(特許文献2参照)。
この高周波電源100では、パルス変調制御信号PSのローレベル期間にスイッチング素子103aをオン動作させる制御信号を主制御部101から残留高周波除去回路103に出力し、パルス変調制御信号PSがローレベルになると、ローパスフィルタ102の出力端に流れている高周波v(進行波と反射波の合成波)を、抵抗Rを介してグランドにバイパスさせ、負荷(プラズマ処理装置)側に出力させないようにする。
図9に示す高周波電源100の構成では、高周波vのパルス出力の立ち下がり時のアンダーシュートやリンギングを抑制するために個別に残留高周波除去回路103を設けているので、回路構成が複雑になるとともに、パルス変調制御信号PSのローレベルに同期して残留高周波除去回路103を高周波vのグランドへのバイパス回路として機能させる制御が必要であるので、主制御部101の制御も複雑である。また、高周波電源100の残留高周波除去回路103では高周波vのパルス出力の立ち上がり時のオーバーシュートやリンギングを抑制することはできない。
また、他の方法として、図10に示すように、パルス変調制御信号PSの各パルスの波形を台形状にし、各パルスの立ち上がり時における高周波の包絡線のレベルを漸増させ、各パルスの立ち下がり時における高周波の包絡線のレベルを漸減させる方法が知られている。
この方法では、オーバーシュートとアンダーシュートの抑制効果を最良にするパルス変調制御信号PSの各パルスの波形を決定するために、事前に実験を繰り返してパルス変調制御信号PSの波形の条件(パルスの周期、デューティ、立ち上がり時間、立ち下がり時間等の条件)を設定する必要があり、その作業負担が大きいという問題があった。また、一度波形の条件を設定しても、プラズマ処理を繰り返すうちに負荷インピーダンスの変動条件が経時変化し、その条件が最適な条件とならない場合が生じ、その場合は再度、実験を繰り返してパルス変調制御信号PSの波形の条件を修正する必要があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、高周波のパルス出力中にオーバーシュートやアンダーシュートの発生状況をモニタし、そのモニタ結果に基づいてパルス変調制御信号のパルス波形をオーバーシュートやアンダーシュートの抑制効果が最良となる波形に自動的に調整することができる高周波電源を提供することを目的とする。
本発明で提供される高周波電源は、高周波を生成する高周波生成手段と、前記高周波よりも低周波のパルス信号を生成するパルス信号生成手段と、前記パルス信号に基づいて、前記高周波生成手段が生成した高周波を負荷にパルス出力する高周波パルス出力手段と、を備えた高周波電源において、前記高周波のパルス出力の立ち上がり時にオーバーシュートが発生したことを検出するオーバーシュート検出手段と、前記オーバーシュート検出手段で前記オーバーシュートの発生が検出されると、前記パルス信号の立ち上がり時間を、前記高周波のパルス出力の立ち上がり時に前記オーバーシュートを抑制させる立ち上がり時間に調整する立ち上がり時間調整手段と、を備えたことを特徴とする(請求項1)。
上記の高周波電源において、前記オーバーシュート検出手段は、前記高周波がパルス出力される毎に当該パルス出力で前記オーバーシュートが発生したか否かを判定する判定手段を含み、前記立ち上がり時間調整手段は、前記判定手段により前記オーバーシュートが発生したと判定される毎に、前記立ち上がり時間の調整処理を行うとよい(請求項2)。また、前記オーバーシュート検出手段は、前記高周波がパルス出力される毎に当該パルス出力で前記オーバーシュートが発生したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記オーバーシュートが発生したという判定が所定の回数以上連続したことを検出する検出手段とを含み、前記立ち上がり時間調整手段は、前記検出手段により前記オーバーシュートが連続して前記所定の回数以上検出されたときに、前記立ち上がり時間の調整処理を行うようにしてもよい(請求項3)。
更に、上記の高周波電源において、前記高周波の電力を検出する電力検出手段を備え、前記判定手段は、前記電力検出手段で検出される前記高周波の電力と予め設定された目標電力値との差分を演算する差分演算手段と、前記差分と予め設定された閾値とを比較する比較手段と、を含み、前記差分が前記閾値を超えている場合に前記オーバーシュートが発生したと判定するとよい(請求項4)。
また、上記の高周波電源において、前記立ち上がり時間調整手段は、前記高周波がパルス出力される毎に前記パルス信号の立ち上がり時間を予め設定された時間だけ増加させる処理を所定の回数だけ繰り返す立ち上がり時間変更手段と、前記立ち上がり時間変更手段による前記立ち上がり時間の変更処理中に、前記判定手段で前記オーバーシュートが発生しないと判定されると、前記パルス信号の立ち上がり時間をその判定時の立ち上がり時間に設定する立ち上がり時間変更制御手段とを含むとよい(請求項5)。
また、請求項5に記載の高周波電源において、前記立ち上がり変更制御手段は、前記差分演算手段で前記差分が演算される毎にその演算値をその時点での立ち上がり時間と対応させて記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶される複数の前記差分の演算値のうち、最小の演算値を抽出する抽出手段とを備え、前記立ち上がり時間変更手段により前記立ち上がり時間を最長の立ち上がり時間に変更しても前記判定手段で前記オーバーシュートが発生していると判定された場合、前記パルス信号の立ち上がり時間を前記最小の演算値を有する差分に対応する立ち上がり時間に設定するとよい(請求項6)。
上記の高周波電源において、前記高周波のパルス出力の立ち下がり時にアンダーシュートが発生したことを検出するアンダーシュート検出手段と、前記アンダーシュート検出手段で前記アンダーシュートの発生が検出されると、前記パルス信号の立ち下がり時間を、前記高周波のパルス出力の立ち下がり時に前記アンダーシュートを抑制させる立ち下がり時間に調整する立ち下がり時間調整手段と、を更に備えるとよい(請求項7)。
請求項7に記載の高周波電源において、前記アンダーシュート検出手段は、前記高周波がパルス出力される毎に当該パルス出力で前記アンダーシュートが発生したか否かを判定する第2の判定手段を含み、前記立ち下がり時間調整手段は、前記第2の判定手段により前記アンダーシュートが発生したと判定される毎に、前記立ち下がり時間の調整処理を行うとよい(請求項8)。また、前記アンダーシュート検出手段は、前記高周波がパルス出力される毎に当該パルス出力で前記アンダーシュートが発生したか否かを判定する第2の判定手段と、前記第2の判定手段により前記アンダーシュートが発生したという判定が所定の回数以上連続したことを検出する第2の検出手段とを含み、前記立ち下がり時間調整手段は、前記第2の検出手段により前記アンダーシュートが連続して前記所定の回数以上検出されたときに、前記立ち下がり時間の調整処理を行うようにしてもよい(請求項9)。
また、請求項8又は9に記載の高周波電源において、前記高周波の電力を検出する電力検出手段を備え、前記第2の判定手段は、前記電力検出手段で検出される前記高周波の電力と予め設定された第2の目標電力値との第2の差分を演算する第2の差分演算手段と、前記第2の差分と予め設定された第2の閾値とを比較する第2の比較手段と、を含み、前記第2の差分が前記第2の閾値を超えている場合に前記アンダーシュートが発生したと判定するとよい(請求項10)。
また、請求項7乃至9のいずれかに記載の高周波電源において、前記立ち下がり時間調整手段は、前記高周波がパルス出力される毎に前記パルス信号の立ち下がり時間を予め設定された時間だけ増加させる処理を所定の回数だけ繰り返す立ち下がり時間変更手段と、前記立ち下がり時間変更手段による前記立ち下がり時間の変更処理中に、前記第2の判定手段で前記アンダーシュートが発生しないと判定されると、前記パルス信号の立ち下がり時間をその判定時の立ち下がり時間に設定する立ち下がり時間変更制御手段とを含むとよい(請求項11)。
また、請求項11に記載の高周波電源において、前記立ち下がり変更制御手段は、前記第2の差分演算手段で前記第2の差分が演算される毎にその演算値をその時点での立ち下がり時間と対応させて記憶する第2の記憶手段と、前記第2の記憶手段に記憶される複数の前記第2の差分の演算値のうち、最小の演算値を抽出する第2の抽出手段とを備え、前記立ち下がり時間変更手段により前記立ち下がり時間を最長の立ち下がり時間に変更しても前記第2の判定手段で前記アンダーシュートが発生していると判定された場合、前記パルス信号の立ち下がり時間を前記最小の演算値を有する第2の差分に対応する立ち下がり時間に設定するとよい(請求項12)。
また、請求項1乃至12のいずれかに記載の高周波電源において、前記負荷は、前記高周波パルス出力手段からパルス出力される高周波によってプラズマを発生させ、そのプラズマを用いて所定の処理を行うプラズマ処理手段であるとよい(請求項13)。
本発明によれば、高周波パルス出力手段で高周波をパルス出力すると、そのパルス出力でオーバーシュートが発生しているか否かをモニタし、オーバーシュートが発生している場合は、立ち上がり時間調整手段により高周波のパルス出力を制御するパルス信号の立ち上がり時間がオーバーシュートを抑制させる適正な立ち上がり時間に自動調整される。
具体的には、高周波がパルス出力される毎に当該パルス出力でオーバーシュートが発生しているか否かを判定し、オーバーシュートが発生している場合は直ちに、若しくはオーバーシュートが発生している場合はその発生が連続して所定の回数以上続いた場合に、パルス信号の立ち上がり時間が自動調整される。
この立ち上がり時間の調整処理では、高周波をパルス出力する毎にオーバーシュートが発生するか否かをモニタしながら、立ち上がり時間を所定の時間だけ増加させる処理が所定の回数だけ繰り返される。そして、この調整処理中にオーバーシュートが発生しなくなると、パルス信号の立ち上がり時間がオーバーシュートを発生しなくなった時の立ち上がり時間に変更される。
従って、本発明によれば、高周波パルス出力手段からパルス出力される高周波の波形をオーバーシュートが抑制された適切なパルス波形に自動的に制御することができる。
また、本発明によれば、オーバーシュートの場合と同様の方法によって高周波のパルス出力を制御するパルス信号の立ち下がり時間がアンダーシュートを抑制させる適正な立ち下がり時間に自動調整される。従って、本発明によれば、高周波パルス出力手段からパルス出力される高周波の波形をアンダーシュートが抑制された適切なパルス波形に自動的に制御することができる。
これにより、従来の事前に実験を繰り返してパルス波形の条件を設定する作業負担を大幅に低減することができる。また、経時変化によりパルス波形の条件が変化した場合でも自動的にパルス波形の条件を適正な条件に修正するので、パルス波形の条件を再設定するための作業負担もなくすことができる。
本発明に係る高周波電源が適用されるプラズマ処理システムの構成を示す図である。 本発明に係る高周波電源の内部構成を示すブロック図である。 DC−RF変換部の回路例を示す図である。 乗算部に入力される高周波信号及びパルス変調制御信号の波形と乗算部からパルス出力される高周波信号の波形を示す図である。 パルス変調制御信号の立ち上がり時間と立ち下がり時間を最小した場合と最大にした場合のパルス波形の一例を示す図である。 RF電力制御部におけるパルス変調制御信号のパルス波形の制御手順の一例を示すフローチャートである。 RF電力制御部におけるパルス変調制御信号のパルス波形の制御手順の変形例を示すフローチャートである。 RF電力制御部におけるパルス変調制御信号のパルス波形の制御手順の他の変形例を示すフローチャートである。 従来のアンダーシュートを抑制することができる高周波電源の構成の一例を示す図である。 台形状のパルス変調制御信号で高周波のレベルを変調してパルス出力をする方法を説明するための波形図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。特に、プラズマ処理システムに適用される高周波電源を例に説明する。
図1は、プラズマ処理システムの構成を示す図である。図2は、本発明に係る高周波電源の内部構成を示すブロック図である。
プラズマ処理システムAの基本構成は、高周波電源1、インピーダンス整合装置2、プラズマ処理装置3及びシステム制御部4を含む。本実施形態では、高周波電源1が、50[Ω]の負荷が接続された場合に最適な電力伝送効率で高周波電力を出力するように設計されているので、高周波電源1の出力ポートは、特性インピーダンスZoが50[Ω]の同軸ケーブル5によってインピーダンス整合装置2の入力ポートに接続されている。プラズマ処理装置3はインピーダンス整合装置2の出力ポートに直結するように接続されている。
プラズマ処理装置3は、例えば、フッ素系のガスと半導体ウェハや液晶基板等の被加工物をチャンバー内に封入し、そのチャンバー内に高周波電力を供給してプラズマを発生させ、そのプラズマを用いて被加工物に薄膜形成処理やエッチング処理を行う装置である。図示は省略しているが、プラズマ処理装置3は、ガスや被加工物を封入する密閉可能なチャンバーと、チャンバー内のガス圧を調整する減圧ポンプと、高周波電源1から供給される高周波電力を放電させる一対の電極を備える。
プラズマ処理装置3は、一対の電極に高周波電源1から高周波電力が供給されると、その高周波電力が電極間で放電し、チャンバーに封入されたガスをプラズマの状態にし、そのプラズマを用いてエッチング等の処理を行う。プラズマ処理装置3は、プラズマ処理を開始してから終了するまでの間にプラズマ処理装置3の入力端からプラズマ処理装置3側を見たインピーダンスZL=RL+j・XL(以下、「負荷インピーダンスZL」という。)が大きく変動する。プラズマ処理で高周波電源1から出力される高周波電力を最適な電力伝送効率でプラズマ処理装置3に供給するために、負荷インピーダンスZLの変動に応じて高周波電源1の出力端から負荷となるプラズマ処理装置3側を見たインピーダンスZ1(図1参照)を50[Ω]に対する所定のインピーダンス範囲に自動的に変換するインピーダンス整合装置2が設けられている。
システム制御部4は、プラズマ処理システムA全体の動作を統括的に制御する制御部である。システム制御部4は、インピーダンス整合装置2内の制御部及び高周波電源1との間でプラズマ処理装置3の入力ポートにおける伝送特性のデータ(負荷インピーダンスZLや高周波電源1の出力電力等のデータ)を取得し、そのデータを用いて、プラズマ処理システムAの運転状態の監視や異常発生の検出やプラズマ処理の結果予測等を行う。
高周波電源1は、高周波信号を生成し、その高周波信号をD級アンプからなるスイッチング・アンプで増幅して出力するスイッチング電源で構成される。高周波電源1は、図2に示されるように、AC−DC変換部11、DC−DC変換部12、DC−RF変換部13、進行波電圧検出部14及びRF電力制御部15を含む構成である。
AC−DC変換部11は、商用電源からDC−DC変換部12への入力電圧(直流電圧Vcc)を生成するブロックである。AC−DC変換部11は、例えば、4個の半導体整流素子をブリッジ接続した整流回路で商用電源から入力される商用電圧(例えば、AC200[V])を全波整流し、整流後のレベルを平滑回路で平滑化して直流電圧Vccを生成する周知の電源回路で構成される。
DC−DC変換部12は、AC−DC変換部11から入力される直流電圧Vccを任意の電圧値の直流電圧Vdcに変換してDC−RF変換部13に入力するブロックである。DC−RF変換部13の出力電力PoutはDC−DC変換部12の出力電圧Vdcの2乗に比例するので、RF電力制御部15は、DC−DC変換部12の出力電圧Vdcを制御することによりDC−RF変換部13から出力される出力電力Poutを制御する。なお、本実施形態では、DC−RF変換部13から出力される電圧を後述するようにハイレベル期間とローレベル期間とを有する高周波電圧voutで表す。また、本実施形態では、RF電力制御部15は、例えば、出力電力一定制御法によってDC−RF変換部13の出力電力Poutを制御する。
出力電力一定制御法は、DC−RF変換部13から出力される出力電力Poutを出力電力設定部15Bで設定される目標出力電力Poに一致させる制御法である。目標出力電力Poは、作業者による入力操作や予め設定されたプログラムによって予め出力電力設定部15Bに設定されている。高周波電源1の出力ポートには、高周波電源1からプラズマ処理装置3に向かう進行波電力Pfと、プラズマ処理装置3で反射されて高周波電源1に戻ってくる反射波電力Prが存在する。DC−RF変換部13の出力電力Poutは、高周波電源1の出力ポートにおける進行波電力Pfに相当するので、以下では、混乱を避けるため、DC−RF変換部13の出力電力の符号を「Pf」と表記する。なお、上記では出力電力一定制御法の例を示したが、進行波電力Pfから反射波電力Pr(図2では図示を省略)を減算した負荷供給電力Pload(=Pf−Pr)を一定にする制御を採用してもよい。しかし、以下では、出力電力一定制御法を行うものとして説明する。
DC−DC変換部12は、例えば、4個の半導体スイッチ素子をブリッジ接続したフル・ブリッジ回路からなるインバータに整流・平滑回路を組み合わせた周知のDC−DCコンバータで構成される。DC−DC変換部12には、RF電力制御部15から制御信号Sdが入力される。DC−DC変換部12の出力電圧Vdcは、その制御信号Sdで4個の半導体スイッチ素子のオン・オフ動作が制御されることによって制御される。
DC−RF変換部13は、DC−DC変換部12から入力される直流電力Pdcを予め設定された周波数fの進行波電力Pfに変換して出力するブロックである。進行波電力Pfの周波数f(基本波周波数)は、2.0MHz、13.56MHz、27.12MHz、40.68MHzなどのプラズマ処理用に規定された周波数である。
DC−RF変換部13は、例えば、図3に示すハーフ・ブリッジ型のスイッチング・アンプで構成される。同図に示すスイッチング・アンプは、一対の電源端子b,b’の間に2つの同一タイプの半導体スイッチ素子QBの直列回路を接続したスイッチング回路と、そのスイッチング回路に駆動信号を入力するドライブ回路と、そのスイッチング回路から出力される高周波信号を外部に出力する出力回路とで構成される。
ドライブ回路は、一次巻線に互いに逆方向に巻かれた2つの二次巻線を結合したトランスTで構成される。トランスTの一次巻線には、RF電力制御部15からパルス出力される高周波信号v(電圧信号)が入力され、トランスTの一方の二次巻線(図3では上側の巻線)から高周波信号vと同相の高周波信号v’が出力され、トランスTの他方の二次巻線(図3では下側の巻線)から高周波信号vと逆相の高周波信号−v’が出力される。高周波信号vは、ハイレベル期間とローレベル期間とを有するパルス状の波形として生成されたものである。
出力回路は、キャパシタC1とインダクタが直列接続された共振回路と、インダクタとキャパシタC2がL型接続されたインピーダンス変換回路とを接続したフィルタ回路131で構成される。図3のインダクタLは、共振回路のインダクタとインピーダンス変換回路のインダクタを合成したものである。フィルタ回路131は、スイッチング回路からパルス出力される高周波信号から直流成分と不要な高周波成分(ノイズ成分)を除去する。フィルタ回路131からパルス出力されるた高周波信号voutが負荷に出力される。
一対の半導体スイッチ素子QBにはNチャネル型のMOSFETが用いられるが、バイポーラトランジスタ等の他の種類のトランジスタを用いることができる。また、一対の半導体スイッチ素子QBをNチャネル型とPチャネル型を組み合わせたコンプリメンタリ型にしてもよい。この場合は、トランスTの二次巻線は一つでよく、高周波電圧v’のパルス出力をそれぞれNチャネル型のMOSFETとPチャネル型のMOSFETのゲートに入力すればよい。
本実施形態では、DC−RF変換部13をハーフ・ブリッジ型のスイッチング・アンプで構成しているが、フル・ブリッジ型やプッシュ・プル型のスイッチング・アンプで構成してもよい。
高周波信号v(電圧信号。以下、必要に応じて「高周波電圧」と表記する。)をv=V・sin(2πf・t+φ)(f:基本周波数、φ:初期位相)とすると、トランスTの一次巻線に高周波電圧vが入力されている期間では、トランスTの一方の二次巻線から同相の高周波電圧v’=V’・sin(2πf・t+φ)が出力され、トランスTの他方の二次巻線から逆相の高周波電圧−v’=−V’・sin(2πf・t+φ)が出力される。同相の高周波電圧v’は、一方の半導体スイッチ素子QB(図3では上側の半導体スイッチ素子QB)に入力され、逆相の他方の高周波電圧−v’は、他方の半導体スイッチ素子QB(図3では下側の半導体スイッチ素子QB)に入力される。2つの半導体スイッチ素子QBは、Nチャネル型MOSFETであるから、一方の半導体スイッチ素子QBは、高周波電圧v’のハイレベル期間にオン動作をし、他方の半導体スイッチ素子QBは、高周波電圧−v’のハイレベル期間にオン動作をする。従って、2つの半導体スイッチ素子QBは、高周波電圧v’の半周期毎に交互にオン・オフ動作を繰り返す。
2つの半導体スイッチ素子QBが交互にオン・オフ動作を繰り返すことによって接続点aの電圧vaはv’>0の期間に「Vdc」となり、v’≦0の期間に接地レベルとなるように矩形波状に変化し、その矩形波出力がフィルタ回路131で直流分とスイッチングノイズが除去されて出力端子c,c’から高周波電圧vout=V’・sin(2πf・t+φ)が出力される。この高周波電圧voutは正弦波の高周波電圧vを増幅した電圧である。
進行波電圧検出部14は、DC−RF変換部13から出力される高周波電圧voutを検出し、進行波電圧vfとして出力する。進行波電圧検出部14は、例えば、DC−RF変換部13で生成される高周波電力(進行波電力Pf)の基本周波数fを中心周波数とした所定の周波数帯域を有する方向性結合器で構成される。
RF電力制御部15は、パルス変調制御信号PSで高周波電圧vをパルス出力させた高周波電圧を生成してDC−RF変換部13に出力するとともに、フィードバック制御により上記した出力電力一定制御法で高周波電源1の出力電力Pfを制御する。
RF電力制御部15には、パルス波形が台形状のパルス変調制御信号PSで高周波電圧vのパルス出力を制御する処理において、図4に示すように、当該パルス変調制御信号PSのレベルがローレベルからハイレベルに立ち上がる時間tu(以下、「立ち上がり時間tu」という。)とハイレベルからローレベルに立ち下がる時間td(以下、「立ち下がり時間td」という。)を所定の範囲で変化させる機能が設けられている。立ち上がり時間tuは、パルスのレベルがローレベルからハイレベルに単調に増加する時間であり、立ち下がり時間tdは、パルスのレベルがハイレベルからローレベルに単調に減少する時間である。
上記の機能は、パルス変調制御信号PSの各パルスの立ち上がり時の傾きの具合(勾配)と立ち下がり時の傾きの具合(勾配)をそれぞれ変化させて、パルス変調制御信号PSのパルス波形を、DC−RF変換部13からパルス出力される高周波電圧voutのハイレベル出力開始時のオーバーシュートとローレベル出力への移行時のアンダーシュートを最も抑制することができるパルス波形(以下、「最適パルス波形」という。)に自動的に調整するための機能(以下、「パルス波形自動調整機能」という。)であり、本発明の特徴的な機能である。本実施形態では、立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdにおけるレベルの変化を直線的な変化にしているが、単調に変化するものであれば、変化波形は曲線であってもよい。
RF電力制御部15は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータやFPGA(field-programmable gate array)等の演算デバイスで構成される。
RF電力制御部15は、処理機能のブロックとして進行波電力変換部15A、出力電力設定部15B、差分演算部15C、DC電圧制御部15D、高周波条件設定部15E、高周波信号生成部15F、パルス条件設定部15G、パルス波形制御部15H、メモリ15I、パルス信号生成部15J、乗算部15Kを含む。
進行波電力変換部15Aは、進行波電圧検出部14から出力される進行波電圧vfを進行波電力Pfに変換する。方向性結合器の特性インピーダンスZoを50[Ω]とすると、進行波電力変換部15Aは、進行波電圧vfの実効値Vrms=Vm/√(2)(Vm:ピーク値)を求め、Vrms 2/50を演算することにより進行波電力Pfを算出する。
出力電力設定部15Bは、差分演算部15Cに目標出力電力Poを設定する。出力電力設定部15Bは、作業者による入力操作や予め設定されたプログラムによって設定される目標出力電力Poを差分演算部15Cに設定する。差分演算部15Cは、進行波電力変換部15Aによって検出された進行波電力Pfの目標出力電力Poに対する差分ΔPf=|Po−Pf|を算出する。差分演算部15Cで算出される差分ΔPfは、DC電圧制御部15Dとパルス波形制御部15Hに入力される。
DC電圧制御部15Dは、差分演算部15Cから入力される差分ΔPfに基づいてDC−DC変換部12の出力電圧Vdcを制御する制御信号Sdを生成する。例えば、DC−DC変換部12内のインバータがパルス幅変調(PWM)信号で駆動される場合、DC電圧制御部15Dは、制御信号Sdとして、例えば、三角波比較法によりパルス幅変調(PWM)信号を生成する。
この場合は、DC電圧制御部15Dは、差分ΔPfに所定のPI補償演算を行って制御値Cを生成するとともに、例えば、ダイレクト・ディジタル・シンセサイザー(Direct Digital Synthesizer)等で鋸波のキャリア信号Ccを生成し、制御値Cとキャリア信号Ccを比較してCc≦Cの期間をパルス幅とする第1のパルス幅変調信号を生成する。また、DC電圧制御部15Dは、第1のパルス幅変調信号のレベルを反転し、所定のデッドタイムで各パルスのパルス幅を調整した第2のパルス幅変調信号を生成し、第1,第2のパルス幅変調信号を制御信号SdとしてDC−DC変換部12に出力する。
高周波条件設定部15Eは、作業者による入力操作や予め設定されたプログラムによって設定される高周波電圧v0の周波数f、初期位相φ等のパラメータを高周波信号生成部15Fに設定する。高周波信号生成部15Fは、高周波条件設定部15Eから入力される周波数f及び初期位相φに基づいて、例えば、ダイレクト・ディジタル・シンセサイザーにより図4(a)に示すA1・sin(2πf・t+φ)(A1:規定の振幅)で表わされる正弦波の高周波電圧v0を生成する。この高周波電圧v0は、乗算部15Kに入力される。
パルス条件設定部15Gは、作業者による入力操作や予め設定されたプログラムによって設定されるパルス変調制御信号PSの周波数fp、デューティ比D等のパラメータをパルス波形制御部15Hに設定する。周波数fpは、高周波電圧v0の周波数fに対して百分の1〜千分の1の低い周波数である。デューティ比Dは、本実施形態では50%としているが、任意の値に設定することができる。
パルス波形制御部15Hは、DC−RF変換部13から高周波電圧voutがパルス出力される毎にオーバーシュートとアンダーシュートの発生をモニタする機能と、オーバーシュートとアンダーシュートが発生している場合は、パルス変調制御信号PSの立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdをそれぞれ予め設定された時間ピッチΔtu,Δtdで所定の回数Nだけ変化させて、立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdをそれぞれオーバーシュートとアンダーシュートが発生しない立ち上がり時間tu’と立ち下がり時間td’に調整する機能を有している。もちろん、完全にオーバーシュート及びアンダーシュートが発生しないようにするのは困難なので、オーバーシュート及びアンダーシュートを抑制(低減)できればよい。好ましくは、オーバーシュート及びアンダーシュートを予め定めた基準値以下にできればよい。パルス波形制御部15H内の立ち上がり時間調整部15H−1は、立ち上がり時間tuを初期立ち上がり時間tuoから最長立ち上がり時間(tuo+N・Δtu)の範囲内で調整する。パルス波形制御部15H内の立ち下がり時間調整部15H−2は、立ち下がり時間tdを初期立ち下がり時間tdoから最長立ち下がり時間(tdo+N・Δtd)の範囲内で調整する。なお、立ち上がり時間tuの初期立ち上がり時間tuoと立ち下がり時間tdの初期立ち下がり時間tdoを同一にし、立ち上がり時間tuの時間ピッチΔtuと立ち下がり時間tdの時間ピッチΔtdを同一にしてもよい。また、立ち上がり時間と立ち下がり時間とを同時に調整してもよいが、立ち上がり時間だけを調整してもよいし、立ち下がり時間だけを調整してもよい。
メモリ15Iは、初期立ち上がり時間tuo、初期立ち下がり時間tdo、時間ピッチΔtu,Δtd及び回数N等のパラメータのデータを記憶する。メモリ15Iは、EPPROMやフラッシュメモリ等の不揮発メモリで構成される。初期立ち上がり時間tuo、初期立ち下がり時間tdo、時間ピッチΔtu,Δtd及び回数Nのパラメータは、パルス条件によって異なり、メモリ15Iにはパルス条件毎に作業者によって予め設定された各パラメータのデータが記憶されている。
パルス波形制御部15Hは、パルス条件設定部15Gからパルス条件が変更設定される毎にそのパルス条件に対応する初期立ち上がり時間tuo、初期立ち下がり時間tdo、時間ピッチΔtu,Δtd及び回数Nのパラメータをメモリ15Iから読み出し、立ち上がり時間tu及び立ち下がり時間tdを設定して、パルス信号生成部15Jに出力する。また、パルス波形制御部15Hは、差分演算部15Cから入力される差分ΔPfが予め設定された基準値K以下でない場合は、パルス変調制御信号PSのパルス波形の立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdをそれぞれΔtu,Δtdの時間ピッチで増加させる制御を差分ΔPfが基準値K以下となるまで回数Nを制御回数条件として繰り返す。
従って、パルス信号生成部15Jから出力されるパルス変調制御信号PSの各パルスの波形は、図5(a)に示す波形(立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdがそれぞれ初期立ち上がり時間tuo、初期立ち下がり時間tdoのパルス波形)から図5(b)に示す波形(立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdがそれぞれ最長立ち上がり時間(tuo+N・Δtu)と最長立ち下がり時間(tdo+N・Δtd)のパルス波形)までの間で変化する。
パルス波形制御部15Hは、制御回数がNに達する前に差分ΔPfが基準値K以下になれば、立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdをその時の立ち上がり時間(tuo+n・Δtu)(0<n<N)と立ち下がり時間(tdo+n・Δtd)に保持し、制御回数がNに達しても差分ΔPfが基準値K以下にならなければ、立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdを最長立ち上がり時間(tuo+N・Δtu)と最長立ち下がり時間(tdo+N・Δtd)に保持する。
なお、パルス波形制御部15Hにおいて立ち上がり時間と立ち下がり時間とを調整する間は、DC電圧制御部15DがDC−DC変換部12から出力する出力電圧Vdcを変化させないように制御信号Sdを保持する必要がある。そのため、図2に示すように、パルス波形制御部15HからDC電圧制御部15Dに対して保持指令Shを出力する。そして、立ち上がり時間と立ち下がり時間との調整が終了した際に、保持指令Shの出力を停止する。DC電圧制御部15Dは、パルス波形制御部15Hから保持指令Shが入力されている間は、パルス波形制御部15Hから保持指令Shが入力される直前の制御信号Sdを保持する。
パルス信号生成部15Jは、パルス波形制御部15Hから入力される周波数fp、デューティ比D、立ち上がり時間tu及び立ち下がり時間tdのパルス波形の条件に基づいて、例えば、ダイレクト・ディジタル・シンセサイザーにより図4(b)に示す台形状のパルス波形を有するパルス変調制御信号PSを生成する。このパルス変調制御信号PSは、乗算部15Kに入力される。
乗算部15Kは、高周波信号生成部15Fから入力される高周波電圧v0とパルス信号生成部15Jから入力されるパルス変調制御信号PSとの乗算処理を行って図4(c)に示すように、ハイレベル期間とローレベル期間とを有する高周波電圧vのパルス出力信号を生成する。なお、パルス変調制御信号PSがハイレベルのときの高周波電圧vは、正弦波の高周波電圧v0と同様に、A1・sin(2πf・t+φ)(A1:規定の振幅)で表わされる。また、パルス変調制御信号PSがローレベルのときの高周波電圧vは、A2・sin(2πf・t+φ)(A2:A1よりも小さい振幅)で表わされる。
乗算部15Kには、アナログ乗算器やダブル・バランスド・ミキサが使用される。乗算部15Kは、高周波信号生成部15Fから出力される高周波電圧v0の瞬時値とパルス信号生成部15Jから出力されるパルス変調制御信号PSの瞬時値との乗算処理を行う。図4に示すように、乗算部15Kには高周波電圧v0が連続的に入力されるが、乗算部15Kによる高周波電圧v0とパルス変調制御信号PSとの乗算処理により、乗算部15Kから出力される高周波電圧vは、高周波電圧v0がパルス変調制御信号PSCの周期Tでパルス出力される信号となる。
また、高周波電圧vの包絡線レベルの波形がパルス変調制御信号PSの台形波形に整形されるので、高周波電圧vの各パルス出力のハイレベル出力への移行時の包絡線レベルの波形は、パルス変調制御信号PSの立ち上がり時のレベルの傾きと同一の傾きで上昇する波形となり、高周波電圧vの各パルス出力のローレベル出力への移行時の包絡線レベルの波形は、パルス変調制御信号PSの立ち下がり時のレベルの傾きと同一の傾きで下降する波形となっている。
次に、RF電力制御部15におけるパルス変調制御信号PSのパルス波形の制御について説明する。
図4に示したように、高周波電圧vがハイレベル期間とローレベル期間とを有するパルス出力信号であるので、DC−RF変換部13からは高周波電圧vの出力レベルに応じてハイレベル期間とローレベル期間とを有する高周波電圧voutが出力される。例えば、パルス変調制御信号PSの周波数fpが10kHzの場合、高周波電圧vのパルス周期Tは100[μ秒](立ち上がり時間及び立ち下がり時間を含む)となる。また、上記のように、本実施形態ではデューティ比Dが50%であるので、約50[μ秒]毎にハイレベル期間とローレベル期間とが入れ替わる。パルス変調制御信号PSのパルス波形の立ち上がり時の傾きが適正値よりも大きい場合(立ち上がり時間tuが適正値より短い場合)、パルス出力開始直後に高周波電圧vのレベルがハイレベルに上昇した時(立ち上がり時間tuが終了した時)にオーバーシュートが生じる。パルス波形の立ち下がり時の傾きが適正値よりも大きい場合(立ち下がり時間tdが適正値より短い場合)も高周波電圧vのレベルがローレベルに下降した時(立ち下がり時間tdが終了した時)にアンダーシュートが生じる。
本実施形態では、高周波電圧vのパルス出力を開始したときやパルス出力開始後にパルス変調制御信号PSのパルス波形の条件が変化したとき、パルス波形制御部15Hは、パルス変調制御信号PSの立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdにパルス条件設定部15Gで設定されたパルス波形の条件に応じた初期立ち上がり時間tuoと初期立ち下がり時間tdoを設定するが、その初期立ち上がり時間tuoと初期立ち下がり時間tdoは、オーバーシュートとアンダーシュートが発生しない適正な時間であるとは限らないから、パルス波形制御部15Hは、DC−RF変換部13からパルス出力される高周波電圧voutのオーバーシュートとアンダーシュートの発生をモニタする。
オーバーシュートのモニタは、高周波電圧vがパルス出力されたときの立ち上がり開始時から立ち上がり時間tuが経過したときの進行波電力Pfの検出値と目標出力電力Po1との差分ΔPf(tu)=|Po1−Pf|((tu)は、立ち上がり時間tuにおける差分であることを示す。)を予め設定された閾値PTH1と比較することによって行われる。パルス波形制御部15Hは、PTH1<ΔPf(tu)であれば、オーバーシュートが発生していると判定し、ΔPf(tu)≦PTH1であれば、オーバーシュートは発生していないと判定する。
なお上記では、立ち上がり開始時から立ち上がり時間tuが経過したときの進行波電力Pfの検出値と目標出力電力Po1との差分ΔPf(tu)に基づいてオーバーシュートが発生しているか否かを判定しているが、立ち上がり開始時から立ち上がり時間tuが経過したときを立ち上がり指令終了時刻として、この立ち上がり指令終了時刻を含むように定めたオーバーシュートモニタ時間Mu内の進行波電力Pfの検出値(例えば平均値)と目標出力電力Po1との差分ΔPf(tu)に基づいてオーバーシュートが発生しているか否かを判定してもよい。オーバーシュートモニタ時間Muは、図4のように立ち上がり指令終了時刻から計時してもよいし、立ち上がり指令終了時刻よりも少し前の時刻や少し後の時刻から計時してもよい。ちなみに、後述するように立ち上がり時間の調整処理を行うと、調整中は立ち上がり指令終了時刻が変動することになる。そのため、立ち上がり指令終了時刻から計時する場合、計時開始時刻も変動することになる。そうなると制御が複雑になるので、オーバーシュートの抑制効果(低減効果)が見込める場合は、制御を簡略化するために、計時開始時刻を一定にしてもよい。例えば、立ち上がり開始時から初期立ち上がり時間tuoが経過したときから計時することが考えられる。上記のようにして、パルス波形制御部15Hは、高周波のパルス出力の立ち上がり時に、オーバーシュートが発生したことを検出する。
アンダーシュートのモニタは、高周波電圧vがパルス出力されたときの立ち下がり開始時から立ち下がり時間tdが経過したときの進行波電力Pfの検出値と目標出力電力Po2との差分ΔPf(td)=|Po2−Pf|((td)は、立ち下がり時間tdにおける差分であることを示す。)を予め設定された閾値PTH2と比較することによって行われる。パルス波形制御部15Hは、PTH2<ΔPf(td)であれば、アンダーシュートが発生していると判定し、ΔPf(td)≦PTH2であれば、アンダーシュートは発生していないと判定する。
なお上記では、立ち下がり開始時から立ち下がり時間tdが経過したときの進行波電力Pfの検出値と目標出力電力Po2との差分ΔPf(td)に基づいてアンダーシュートが発生しているか否かを判定しているが、立ち下がり開始時から立ち下がり時間tdが経過したときを立ち下がり指令終了時刻として、この立ち下がり指令終了時刻を含むように定めたアンダーシュートモニタ時間Md内の進行波電力Pfの検出値(例えば平均値)と目標出力電力Po2との差分ΔPf(td)に基づいてアンダーシュートが発生しているか否かを判定してもよい。アンダーシュートモニタ時間Mdは、図4のように立ち下がり指令終了時刻から計時してもよいし、立ち下がり指令終了時刻よりも少し前の時刻や少し後の時刻から計時してもよい。ちなみに、後述するように立ち下がり時間の調整処理を行うと、調整中は立ち下がり指令終了時刻が変動することになる。そのため、立ち下がり指令終了時刻から計時する場合、計時開始時刻も変動することになる。そうなると制御が複雑になるので、アンダーシュートの抑制効果(低減効果)が見込める場合は、制御を簡略化するために、計時開始時刻を一定にしてもよい。例えば、立ち下がり開始時から初期立ち下がり時間tdoが経過したときから計時することが考えられる。上記のようにして、パルス波形制御部15Hは、高周波のパルス出力の立ち下がり時に、アンダーシュートが発生したことを検出する。
そして、パルス波形制御部15Hは、オーバーシュートとアンダーシュートが発生していると判定した場合は、パルス変調制御信号PSの立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdを適正な時間(オーバーシュートとアンダーシュートが発生しない立ち上がり時間tu’(=tuo+n・Δtu)と立ち下がり時間td’(=tdo+n・Δtd))に調整する処理を行う。
この調整処理は、高周波電圧vがパルス出力される毎に当該高周波電圧vのオーバーシュートとアンダーシュートの発生をモニタし、オーバーシュートとアンダーシュートが発生している場合は、オーバーシュート及びアンダーシュートが発生しなくなるまで、パルス変調制御信号PSの立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdをそれぞれ時間ピッチΔtu,Δtdで長くする処理である。
パルス波形制御部15Hは、上記の調整処理を高周波電圧vがN回連続してパルス出力されるまで行い、この期間中にオーバーシュート及びアンダーシュートが発生しなくなれば、その時点で調整処理を終了し、パルス変調制御信号PSの立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdをそれぞれ調整処理終了時の立ち上がり時間tu’と立ち下がり時間td’に固定する。
一方、パルス波形制御部15Hは、高周波電圧vがN回連続してパルス出力されるまでの期間が経過しても、すなわち、パルス変調制御信号PSの立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdをそれぞれ最長立ち上がり時間(tuo+N・Δtu)と最長立ち下がり時間(tdo+N・Δtd)に設定しても、オーバーシュート及びアンダーシュートが発生する場合は、調整処理を終了し、パルス変調制御信号PSの立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdをそれぞれ最長立ち上がり時間(tuo+N・Δtu)と最長立ち下がり時間(tdo+N・Δtd)に固定する。
そして、パルス波形制御部15Hは、その後にパルス変調制御信号PSのパルス波形の条件が変化すると、パルス波形制御部15Hは、再度上述したオーバーシュート及びアンダーシュートのモニタとパルス変調制御信号PSの立ち上がり時間tu及び立ち下がり時間tdの調整処理を行う。
次に、図6のフローチャートを用いて、RF電力制御部15におけるパルス変調制御信号のパルス波形の制御手順について説明する。なお、図6及び後述する図7、図8においては、立ち上がり時間と立ち下がり時間とを同時に調整するように記載しているが、立ち上がり時間だけを調整してもよいし、立ち下がり時間だけを調整してもよい。
RF電力制御部15は、高周波電源1が進行波電力Pfの出力を開始すると、その出力を停止するまでパルス変調制御信号PSの周期Tで図6の制御手順を繰り返す。
RF電力制御部15は、制御処理が開始され、パルス波形の条件が設定若しくは変更されると(S1:YES)、設定時若しくは変更後のパルス波形の条件に対応する初期立ち上がり時間tuoと初期立ち下がり時間tdoをメモリ15Iから読み出し(S2)、それぞれ立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdに設定する(S3)。そして、RF電力制御部15は、パルス条件設定部15Gで設定された周波数fp及びデューティ比Dに基づき、レベルの立ち上がり時と立ち下がり時にそれぞれ立ち上がり時間tuoと立ち下がり時間tdoを設けた台形状の波形を有するパルス変調制御信号PSを生成する(S4)。
続いて、RF電力制御部15は、高周波信号生成部15Fで生成した高周波電圧v0とパルス変調制御信号PSとの乗算処理を行って高周波電圧vを生成し、DC-RF変換部13に出力する(S5)。
続いて、RF電力制御部15は、進行波電圧検出部14から出力される進行波電圧vfを読み込み、その進行波電圧vfを進行波電力Pfに変換した後(S6)、目標出力電力Poに対する差分ΔPf=|Po−Pf|を算出し(S7)、その差分ΔPfをRAMに一時保存する(S8)。
続いて、RF電力制御部15は、差分ΔPfを基準値Kと比較し(S9)、ΔPf≦Kであれば(S9:YES)、パルス変調制御信号PSのパルス波形を変更することなくステップ1に戻る。一方、K<ΔPfであれば(S9:NO)、RF電力制御部15は、所定の回数Nをカウントするカウンタn(ディフォルト値は0にリセットされている)を1だけ増加し(S10)、そのカウンタnの値がNを超えていなければ(S11:NO)、立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdをそれぞれ所定の時間ステップΔtu,Δtdだけ増加する(S12)。
続いて、RF電力制御部15は、パルス信号生成部15Jで生成するパルス変調制御信号PSのパルス波形を立ち上がり時間tu及び立ち下がり時間tdで修正したパルス波形に変更し、そのパルス波形を有するパルス変調制御信号PSと高周波信号生成部15Fで生成した高周波電圧v0との乗算処理を行って高周波電圧vを生成し、DC-RF変換部13に出力して(S13)、ステップS6に戻る。
一方、カウンタnの値がNを超えると(S11:YES)、ステップS12,S13の処理をすることなくステップS1に戻る。
図6の処理手順では、パルス波形の条件が設定若しくは変更されたときにだけパルス変調制御信号PSの立ち上がり時間tu及び立ち下がり時間tdの調整処理をするようにしているが、高周波電圧vのパルス出力が開始されると、高周波電圧vがパルス出力される毎に当該高周波電圧vのオーバーシュート又はアンダーシュートの発生をモニタし、オーバーシュート又はアンダーシュートが発生すると、パルス変調制御信号PSの立ち上がり時間tu及び立ち下がり時間tdの調整処理に移行するようにしてもよい。
図6に示す処理手順によれば、高周波電源1からパルス出力される進行波電力Pfは目標出力電力Poに対する差分ΔPfが基準値K以上であれば、オーバーシュート若しくはアンダーシュートが発生していると判定して、差分ΔPfが基準値Kよりも小さくなるまで、進行波電力Pfがパルス出力される毎にパルス変調制御信号PSの立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdがそれぞれΔtuとΔtdの時間ステップで順次大きく変更される。すなわち、進行波電力Pfがパルス出力される毎に高周波電圧vの包絡線の立ち上がりと立ち下がりの各勾配が順次緩く変更され、差分ΔPfが基準値Kよりも小さくなった時点でその時のパルス波形にパルス変調制御信号PSのパルス波形が整定される。これによりパルス出力される進行波電力Pfの包絡線の波形は、オーバーシュート及びアンダーシュートを所定レベル以下に抑制することができる適正なパルス波形に自動調整される。
従って、本実施形態に係る高周波電源1によれば、パルス変調制御信号PSの適正なパルス波形(特に立ち上がり部分の適正な勾配と立ち下がり部分の適正な勾配)を事前に実験等によって取得しておく必要がなく、その作業負担を軽減することができる。また、プラズマ処理中にプラズマ処理装置3の負荷インピーダンスZLが変動して適正なパルス波形の形が変動する場合でも進行波電力Pfの包絡線の波形を変動後の適正なパルス波形に自動的に追従させることができるので、プラズマ処理中のオーバーシュート及びアンダーシュートの抑制を安定して行うことができる。
ところで、図6の処理手順は、パルス変調制御信号PSの立ち上がり部分と立ち下がり部分の勾配を緩くするのに応じてオーバーシュート及びアンダーシュートの発生量が単調に減少することを前提に、立ち上がり時間tuを初期立ち上がり時間tuoから最長立ち上がり時間(tuo+N・Δtu)まで変化させるとともに、立ち下がり時間tdを初期立ち下がり時間tdoから最長立ち下がり時間(tdo+N・Δtd)まで変化させる制御を行い、これらの制御でも適正なパルス波形が見つからない場合は、立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdをそれぞれ最長立ち上がり時間(tuo+N・Δtu)と最長立ち下がり時間(tdo+N・Δtd)に固定するようにしている。
もし、立ち上がり時間tu及び立ち下がり時間tdの変化範囲内でオーバーシュート及びアンダーシュートの発生量が単調に減少せず、途中で発生量が極小になる特性がある場合は、図7に示す処理手順に変更するとよい。
図7に示す処理手順は、図6に示す処理手順に対して、ステップS14とステップS15を追加したものである。図7に示す処理手順では、カウンタnの値が所定の回数Nを超えると(S11:YES)、RAMに一時保存したN個の差分Pfの中から最小となる差分ΔPfを抽出し(S14)、その差分ΔPfに対応する立ち上がり時間(tuo+m・Δtu)(0<m<N)と立ち下がり時間(tdo+m・Δtd)を有するパルス波形のパルス変調制御信号PSで高周波電圧vをパルス出力させた高周波電圧v’をDC-RF変換部13に出力して(S15)、ステップS1に戻る。
図7に示す処理手順でも図6に示す処理手順と同様に、パルス変調制御信号PSの適正なパルス波形が見つからない場合は、パルス変調制御信号PSの立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdが、立ち上がり時間tuの変更範囲(tuo〜tuo+N・Δtu)と立ち下がり時間tdの変更範囲(tdo〜tdo+N・Δtd)の中で、オーバーシュート及びアンダーシュートの発生量を最も小さくできる立ち上がり時間(tu+m・Δtu)と立ち下がり時間(tdo+m・Δtd)に制御されるので、オーバーシュート及びアンダーシュートの発生量を可能な限り抑制することができる。
図6,図7に示す処理手順では、立ち上がり時間tuを初期立ち上がり時間tuoから最長立ち上がり時間(tuo+N・Δtu)まで増加させる処理だけを行うとともに、立ち下がり時間tdを初期立ち下がり時間tdoから最長立ち下がり時間(tdo+N・Δtd)まで増加させる処理だけを行い、この処理で適正な立ち上がり時間tu’と適正な立ち下がり時間td’が見つからない場合は、立ち上がり時間tuを最長立ち上がり時間(tuo+N・Δtu)若しくはオーバーシュートが極小となる立ち上がり時間(tuo+m・Δtu)に設定するとともに、立ち下がり時間tdを最長立ち下がり時間(tdo+N・Δtd)若しくはアンダーシュートが極小となる立ち上がり時間(tdo+m・Δtd)に設定するにしていたが、オーバーシュートとアンダーシュートが発生しなくなるまで、立ち上がり時間tuを初期立ち上がり時間tuoと最長立ち上がり時間(tuo+N・Δtu)との間で変化させるとともに、立ち下がり時間tdを初期立ち下がり時間tdoと最長立ち下がり時間(tdo+N・Δtd)との間で変化させるようにしてもよい。
また、図6,図7に示す処理手順では、高周波電圧vのパルス出力毎のオーバーシュート又はアンダーシュートのモニタで、オーバーシュート又はアンダーシュートが発生していると、直ちにパルス変調制御信号PSの立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdの調整処理に移行していたが、オーバーシュート又はアンダーシュートの発生が連続して所定の回数M以上発生した場合に、パルス変調制御信号PSの立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdの調整処理に移行するようにしてもよい。
図6の処理手順において、オーバーシュート又はアンダーシュートの発生が連続してM回発生したことを条件にパルス変調制御信号PSの立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdの調整処理に移行する制御をする場合は、図8に示すように、ステップS5とステップS6との間にステップS20〜ステップS24の処理(オーバーシュート又はアンダーシュートの発生が連続してM回発生したか否かを判定する処理)を追加した処理手順にすればよい。図7の処理手順でも同様で、ステップS5とステップS6との間にステップS20〜ステップS24の処理を追加した処理手順にすればよい。
図8に示す処理手順では、RF電力制御部15は、ステップS5で、高周波信号生成部15Fで生成した高周波電圧v0とパルス変調制御信号PSとの乗算処理を行って高周波電圧vを生成し、DC-RF変換部13に出力すると、進行波電圧検出部14から出力される進行波電圧vfを読み込み、その進行波電圧vfを進行波電力Pfに変換した後(S20)、目標出力電力Poに対する差分ΔPf=|Po−Pf|を算出する(S21)。
続いて、RF電力制御部15は、差分ΔPfを基準値Kと比較し(S22)、ΔPf≦Kであれば(S22:YES)、ステップ1に戻る。一方、K<ΔPfであれば(S22:NO)、RF電力制御部15は、連続回数Mをカウントするカウンタi(ディフォルト値は0にリセットされている)を1だけ増加し(S23)、そのカウンタiの値がMになっているか否かを判定する(S24)。
RF電力制御部15は、i<Mであれば(S24:NO)、ステップS20に戻り、i=Mになると(S24:YES)、ステップS6に移行し、立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdの調整処理を行う(S6〜S13)。
オーバーシュート又はアンダーシュートの発生が連続してM回発生したことを条件にパルス変調制御信号PSの立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdの調整処理に行うようにした場合は、オーバーシュート又はアンダーシュートの誤検出によってパルス変調制御信号PSの立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdの調整処理が行われるという不都合を防止することができ、パルス変調制御信号PSの立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdを確実に適正な立ち上がり時間tu’と立ち下がり時間td’に調整することができる。
上記実施形態では、パルス変調制御信号PSの立ち上がり時間tuと立ち下がり時間tdの両方を同時に変化させる制御をしているが、アンダーシュートの発生量が余り大きくなく、オーバーシュートの発生量だけが問題となる場合や、逆にオーバーシュートの発生量が余り大きくなく、アンダーシュートの発生量だけが問題となる場合には、問題となる立ち上がり時間tu若しくは問題となる立ち下がり時間tdだけを変化させるようにしてもよい。
上記実施形態では、プラズマ処理システムAに適用される高周波電源1について説明したが、本発明は、この分野に限定されるものではなく、高周波電圧vをパルス出力する高周波電源に広く適用することができる。
A プラズマ処理システム
1 高周波電源
11 AC−DC変換部
12 DC−DC変換部
13 DC−RF変換部
131 フィルタ回路
14 進行波電圧検出部(高周波検出手段)
15 RF電力制御部(記憶手段、第2の記憶手段、抽出手段、第2の抽出手段)
15A 進行波電力変換部(電力検出手段)
15B 出力電力設定部
15C 差分演算部(差分演算手段)
15D DC電圧制御部
15E 高周波条件設定部
15F 高周波信号生成部(高周波生成手段)
15G パルス条件設定部
15H パルス波形制御部(オーバーシュート検出手段、アンダーシュート検出手段、判定手段、第2の判定手段、検出手段、第2の検出手段、比較手段、第2の比較手段)
15H−1 立ち上がり時間調整部(立ち上がり時間調整手段、立ち上がり時間変更手段、立ち上がり時間変更制御手段、)
15H−2 立ち下がり時間調整部(立ち下がり時間調整手段、立ち下がり時間変更手段、立ち下がり時間変更制御手段)
15I メモリ
15J パルス信号生成部(パルス信号生成手段)
15K 乗算部(高周波パルス出力手段)
2 インピーダンス整合装置
3 プラズマ処理装置(プラズマ処理手段)
4 システム制御部
5 同軸ケーブル

Claims (13)

  1. 高周波を生成する高周波生成手段と、
    前記高周波よりも低周波のパルス信号を生成するパルス信号生成手段と、
    前記パルス信号に基づいて、前記高周波生成手段が生成した高周波を負荷にパルス出力する高周波パルス出力手段と、
    を備えた高周波電源において、
    前記高周波のパルス出力の立ち上がり時にオーバーシュートが発生したことを検出するオーバーシュート検出手段と、
    前記オーバーシュート検出手段で前記オーバーシュートの発生が検出されると、前記パルス信号の立ち上がり時間を、前記高周波のパルス出力の立ち上がり時に前記オーバーシュートを抑制させる立ち上がり時間に調整する立ち上がり時間調整手段と、
    を備えたことを特徴とする、高周波電源。
  2. 前記オーバーシュート検出手段は、前記高周波がパルス出力される毎に当該パルス出力で前記オーバーシュートが発生したか否かを判定する判定手段を含み、
    前記立ち上がり時間調整手段は、前記判定手段により前記オーバーシュートが発生したと判定される毎に、前記立ち上がり時間の調整処理を行う、請求項1に記載の高周波電源。
  3. 前記オーバーシュート検出手段は、前記高周波がパルス出力される毎に当該パルス出力で前記オーバーシュートが発生したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記オーバーシュートが発生したという判定が所定の回数以上連続したことを検出する検出手段とを含み、
    前記立ち上がり時間調整手段は、前記検出手段により前記オーバーシュートが連続して前記所定の回数以上検出されたときに、前記立ち上がり時間の調整処理を行う、請求項1に記載の高周波電源。
  4. 前記高周波の電力を検出する電力検出手段を備え、
    前記判定手段は、前記電力検出手段で検出される前記高周波の電力と予め設定された目標電力値との差分を演算する差分演算手段と、前記差分と予め設定された閾値とを比較する比較手段と、を含み、前記差分が前記閾値を超えている場合に前記オーバーシュートが発生したと判定する、請求項2又は3に記載の高周波電源。
  5. 前記立ち上がり時間調整手段は、前記高周波がパルス出力される毎に前記パルス信号の立ち上がり時間を予め設定された時間だけ増加させる処理を所定の回数だけ繰り返す立ち上がり時間変更手段と、前記立ち上がり時間変更手段による前記立ち上がり時間の変更処理中に、前記判定手段で前記オーバーシュートが発生しないと判定されると、前記パルス信号の立ち上がり時間をその判定時の立ち上がり時間に設定する立ち上がり時間変更制御手段とを含む、請求項1乃至4のいずれかに記載の高周波電源。
  6. 前記立ち上がり変更制御手段は、前記差分演算手段で前記差分が演算される毎にその演算値をその時点での立ち上がり時間と対応させて記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶される複数の前記差分の演算値のうち、最小の演算値を抽出する抽出手段とを備え、前記立ち上がり時間変更手段により前記立ち上がり時間を最長の立ち上がり時間に変更しても前記判定手段で前記オーバーシュートが発生していると判定された場合、前記パルス信号の立ち上がり時間を前記最小の演算値を有する差分に対応する立ち上がり時間に設定する、請求項5に記載の高周波電源。
  7. 前記高周波のパルス出力の立ち下がり時にアンダーシュートが発生したことを検出するアンダーシュート検出手段と、
    前記アンダーシュート検出手段で前記アンダーシュートの発生が検出されると、前記パルス信号の立ち下がり時間を、前記高周波のパルス出力の立ち下がり時に前記アンダーシュートを抑制させる立ち下がり時間に調整する立ち下がり時間調整手段と、
    を更に備える、請求項1乃至6のいずれかに記載の高周波電源。
  8. 前記アンダーシュート検出手段は、前記高周波がパルス出力される毎に当該パルス出力で前記アンダーシュートが発生したか否かを判定する第2の判定手段を含み、
    前記立ち下がり時間調整手段は、前記第2の判定手段により前記アンダーシュートが発生したと判定される毎に、前記立ち下がり時間の調整処理を行う、請求項7に記載の高周波電源。
  9. 前記アンダーシュート検出手段は、前記高周波がパルス出力される毎に当該パルス出力で前記アンダーシュートが発生したか否かを判定する第2の判定手段と、前記第2の判定手段により前記アンダーシュートが発生したという判定が所定の回数以上連続したことを検出する第2の検出手段とを含み、
    前記立ち下がり時間調整手段は、前記第2の検出手段により前記アンダーシュートが連続して前記所定の回数以上検出されたときに、前記立ち下がり時間の調整処理を行う、請求項7に記載の高周波電源。
  10. 前記高周波の電力を検出する電力検出手段を備え、
    前記第2の判定手段は、前記電力検出手段で検出される前記高周波の電力と予め設定された第2の目標電力値との第2の差分を演算する第2の差分演算手段と、前記第2の差分と予め設定された第2の閾値とを比較する第2の比較手段と、を含み、前記第2の差分が前記第2の閾値を超えている場合に前記アンダーシュートが発生したと判定する、請求項8又は9に記載の高周波電源。
  11. 前記立ち下がり時間調整手段は、前記高周波がパルス出力される毎に前記パルス信号の立ち下がり時間を予め設定された時間だけ増加させる処理を所定の回数だけ繰り返す立ち下がり時間変更手段と、前記立ち下がり時間変更手段による前記立ち下がり時間の変更処理中に、前記第2の判定手段で前記アンダーシュートが発生しないと判定されると、前記パルス信号の立ち下がり時間をその判定時の立ち下がり時間に設定する立ち下がり時間変更制御手段とを含む、請求項7乃至9のいずれかに記載の高周波電源。
  12. 前記立ち下がり変更制御手段は、前記第2の差分演算手段で前記第2の差分が演算される毎にその演算値をその時点での立ち下がり時間と対応させて記憶する第2の記憶手段と、前記第2の記憶手段に記憶される複数の前記第2の差分の演算値のうち、最小の演算値を抽出する第2の抽出手段とを備え、前記立ち下がり時間変更手段により前記立ち下がり時間を最長の立ち下がり時間に変更しても前記第2の判定手段で前記アンダーシュートが発生していると判定された場合、前記パルス信号の立ち下がり時間を前記最小の演算値を有する第2の差分に対応する立ち下がり時間に設定する、請求項11に記載の高周波電源。
  13. 前記負荷は、前記高周波パルス出力手段からパルス出力される高周波によってプラズマを発生させ、そのプラズマを用いて所定の処理を行うプラズマ処理手段である、請求項1乃至12のいずれかに記載の高周波電源。
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