JP6308017B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換装置等に用いられる半導体装置に関する。
パワーモジュールは、パワー半導体デバイス(例えば、IGBTやMOSFET)の性能を最大限に引き出すために、各種デバイスを使用目的に合わせて結線し、パッケージ化したものであり、産業機器・鉄道・電気自動車・家電といったさまざまな分野に広く用いられている。
近年、パワーモジュール内で用いられるパワー半導体デバイスは、ゲート制御の高速化、SiCやGaN等のワイドバンドギャップ材料からなる新デバイスの採用により、ますますスイッチング時間の短縮化、スイッチング時の電圧波形の急峻化が進んでいる。これに伴い、スイッチング時の瞬間的な電圧変動(サージ電圧)、ダイオードが発する逆回復電流等、ノイズ発生源の発生レベルが増大している。ノイズは、インピーダンスが低いループ、特に対地容量の大きい箇所を介して地面(グランド)に漏れ、グランドラインを経由して近接する他の機器に影響を与えるおそれがある。
インバータ等の電力変換装置から対地に流れるノイズ電流を低減する技術として、誘電損失が大きくなる材料からなる絶縁基板を用いて、電力変換装置内に設けられるパワーモジュールの絶縁基板のインピーダンスを高めることが提案されている(例えば、特許文献1)。また、パワーモジュールの絶縁基板を2層構造とし、そのうち1層に、絶縁基板の静電容量に対し並列にインダクタンスとして寄与する配線層等を設け、LC並列共振により、特定の周波数でのインピーダンスを高め、対地へ漏れるノイズ電流を軽減する技術が報告されている(例えば、特許文献2)。
特開2008−35657号公報 特開2011−172329号公報 特開2012−199466号公報 特開2012−19510号公報
しかしながら、発生するノイズの周波数は、パワーモジュール内のパワー半導体デバイスのゲート制御条件により異なるので、パワー半導体デバイスの使用条件毎にインピーダンスを高めるべき周波数も本来変動する。よって、ノイズを低減するためのインダクタを基板に実装する場合、回路基板の設計をパワー半導体デバイスの特性、使用条件(ゲート制御、動作温度等)毎に設計しなおさなくてはならない場合が少なくない。その結果、パワーモジュールの製造コストが増大するおそれがある。
また、特許文献2のように、パワーモジュール内の回路基板を多層基板にすると、絶縁層内に配線パターンを設ける工程や回路基板にインダクタを配置する工程を行うので、パワーモジュールの製造コストが増大するだけでなく、製造工程が複雑化するおそれがある。また、所望のインピーダンス特性を得るためには、配線パターンの長さ、太さ及びインダクタの配置位置等に詳細な制限が生ずるおそれがある。
上記事情に鑑み、本発明は、パワーモジュールを有する半導体装置のノイズを低減することに貢献する技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の半導体装置の一態様は、スイッチング素子が設けられた回路基板のベース板に絶縁層を介して導体を設けた半導体装置であって、前記導体と前記ベース板との間にインダクタを設けることを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の半導体装置の他の態様は、上記半導体装置において、前記導体に前記インダクタを収容する溝部を形成することを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の半導体装置の他の態様は、上記半導体装置において、前記絶縁層に前記インダクタが挿通する挿通部を形成することを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の半導体装置の他の態様は、上記半導体装置において、前記インダクタはコイルばねであることを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の半導体装置の他の態様は、上記半導体装置において、前記インダクタと直列に寄生抵抗調整部を設けることを特徴としている。
以上の発明によれば、パワーモジュールを有する半導体装置のノイズを低減することに貢献することができる。
(a)本発明の第1実施形態に係る半導体装置の概略断面図、(b)図1(a)の半導体モジュールのA−A’断面図である。 図1の半導体モジュールのノイズ発生源と接地面との間の等価回路を示す図である。 図2に示した等価回路におけるノイズ発生源と接地面との間のインピーダンス特性を示す特性図である。 (a)本発明の第1実施形態の他例である半導体装置の概略断面図、(b)図4(a)の半導体モジュールのB−B’断面図である。 (a)本発明の第2実施形態に係る半導体装置の概略断面図、(b)図5(a)の半導体モジュールのC−C’断面図である。 (a)本発明の第2実施形態の他例である半導体装置の概略断面図、(b)図6(a)の半導体モジュールのD−D’断面図である。 インダクタと直列に寄生する寄生抵抗が10Ωの場合の半導体装置におけるノイズ発生源と接地面との間のインピーダンス特性を示す特性図である。
本発明の半導体装置について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図1及び図4乃至6に示す半導体装置の断面図は、本発明の実施形態に係る半導体装置を模式的に示したものであり、図面上の寸法比と実際の寸法比とは必ずしも一致するものではない。
[第1実施形態]
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る半導体装置1は、パワーモジュール2が絶縁層3を介して冷却器4上に設けられた構造を有する。そして、パワーモジュール2と冷却器4との間には、インダクタ5が設けられる。なお、実施形態の説明では、便宜上、冷却器4に対してパワーモジュール2が設置される面を上面として説明するが、上下方向は、本発明をなんら限定するものではない。
パワーモジュール2は、銅ベース6(冷却板)の上にはんだ付けされた絶縁基板7と、絶縁基板7上に形成された金属パターン(図示省略)に設けられるパワー半導体デバイス8と、を有する。
パワー半導体デバイス8は、例えば、IGBTやMOSFET等の半導体素子である。例えば、パワーモジュール2が、IGBTにより構成されるインバータである場合、パワー半導体デバイス8(IGBT)に対して逆並列に図示省略のダイオードが接続されアーム(上アーム9・下アーム10)が構成される。この上アーム9と下アーム10とが交互にオン・オフを繰り返すことで、2つのアーム9,10間で交互に電流が移動して転流動作が行われる。なお、図示省略しているが、パワー半導体デバイス8は、アルミ線によって電極等と接続され回路を構成する。この回路は樹脂ケース11で覆われ、樹脂ケース11内にはシリコーンゲルが充填される。
絶縁層3は、例えば、グリースや放熱シートにより形成される。後に詳細に説明するが、絶縁層3は静電容量が小さい方が好ましいので、例えば、シリコーンオイル(比誘電率:2.5)を主成分とするサーマルグリースや、セラミックスフィラーを含有させたポリイミド系樹脂(比誘電率:2〜4)により形成された接着シート等が用いられる。なお、図1(b)に示すように、絶縁層3には、インダクタ5が挿通可能な挿通部3aが形成される。例えば、絶縁層3がシート状である場合には、シートに挿通部3aとなる穴が形成されることとなり、絶縁層3がグリース(半液状)により形成される場合には、グリースは、冷却器4の溝部4aに入り込まないように、冷却器4の表面に塗布されることとなる。
冷却器4は、空冷式または水冷式のヒートシンクである。冷却器4は、パワーモジュール2の銅ベース6に絶縁層3を介して設けられ、ボルト12により固定される。なお、ボルト12の表面を絶縁コーティングする(あるいは、さらにボルト12と銅ベース6との間に絶縁ワッシャ13等を介在させる)ことで、銅ベース6と冷却器4との間の電気的な短絡が防止される。冷却器4の銅ベース6と対向する面には溝部4aが少なくとも1つ形成されており、この溝部4aにインダクタ5が設けられる。溝部4aの深さは、インダクタ5が溝部4aに納まり、インダクタ5の上下両面の電極部が銅ベース6及び冷却器4の溝部4aの底面に近接するように調整される。
インダクタ5は、巻き線型や積層型等のインダクタンスを有する素子であり、例えば、コイルやチップインダクタ等が用いられる。インダクタ5を設ける位置は、銅ベース6と冷却器4との間であれば、特に限定されるものではない。ただし、パワーモジュール2の反りの軽減(信頼性保持)や放熱性維持の観点では、応力がかかりにくい位置や放熱ルートから外れた位置が好ましい。例えば、上アーム9や下アーム10の真下から離れた箇所である、絶縁基板7とボルト12との中間部の真下あたりがより好ましい。インダクタ5は、銅ベース6との接続部及び冷却器4の溝部4aの底面との接続部との両方に電極を有するものが用いられる。なお、インダクタ5と銅ベース6(または冷却器4)との間に、導電性シート5a(若しくは導電性接着層または導電性の弾性体)を設けることで、インダクタ5の電極部と銅ベース6(及び冷却器4)との電気的接続が確保される。
以上のような構成を有する半導体装置1は、絶縁層3とインダクタ5とにより銅ベース6と冷却器4との間にLC並列共振回路が形成されることとなる。すなわち、パワーモジュール2内のノイズ発生源(例えば、パワー半導体デバイス8等)と冷却器4(地面)との間に、図2に示すような等価回路14が形成される。
この等価回路14は、パワーモジュール2の絶縁基板7の静電容量C1が400pF、絶縁層3の静電容量C2が200pF、インダクタ5の自己インダクタンスL1が1000nH、インダクタ5と冷却器4(及び銅ベース6)との間の寄生抵抗(接触抵抗)R5が0.1Ωの例を示している。具体的には、材質がAl23の絶縁基板7(比誘電率:10、厚み:300μm、パターン回路の面積:15cm2)を有するパワーモジュール2を、絶縁層3(比誘電率:2.5、厚み:500μm、対向面積:50cm2)を介して冷却器4に設け、銅ベース6と冷却器4との間に、チップインダクタ5(サイズ:2.0mm×1.2mm×0.4mm、自己共振周波数:100MHz以上)を設けた場合の等価回路である。なお、絶縁層3と冷却器4との間の寄生抵抗R1は0.1Ω、銅ベース6と絶縁層3との寄生抵抗R3は0.1Ω、冷却器4内の寄生抵抗R2は0.001Ωであり、AC1はノイズ発生源15の基本周波数を示す。この等価回路14におけるノイズ発生源15から地面16へのインピーダンス特性を図3に示す。
図3に示すように、この等価回路14により、10〜20MHzの範囲のインピーダンスを増大させることができる。すなわち、ノイズ発生源15の基本周波数が、10〜20MHzの場合(例えば、IGBTのターンオン時のライズ時間、ターンオフ時のフォール時間が、50〜100nsの場合)、地面16に流れるノイズ電流を効果的に低減することができる。
一方で、この等価回路14により、5〜8MHzのインピーダンスは低下するため、ノイズ電流が流れやすくなる。よって、この低インピーダンス側の共振周波数がノイズ発生周波数と異なる周波数域となるように調整される。
高周波側の共振周波数(インピーダンス増大の中心周波数)及び低周波側の共振周波数(インピーダンス低下の中心周波数)は、インダクタ5の自己インダクタンスL1[H]、絶縁基板7の静電容量C1[F]、及び絶縁層3の静電容量C2[F]の値により定まる。すなわち、高周波側の共振周波数及び低周波側の共振周波数は、それぞれ式(1−1)及び式(1−2)により定まる。
Figure 0006308017
ゆえに、絶縁基板7の静電容量(C1)と絶縁層3の静電容量(C2)の比を調整することで、高周波側の共振周波数と低周波側の共振周波数の位置ずれを調整することができる。共振周波数の位置を調整することで、ノイズ漏れが問題とならない周波数帯でインピーダンスが低下する特性を実現することができる。
例えば、fhigh一定の元、flowを低周波側に移動させるためには、(1)絶縁層3をできるだけ比誘電率の小さい材料により形成すること、(2)絶縁層3の厚さを厚くすること、(3)絶縁層3の面積(絶縁層3と銅ベース6の接触面積または絶縁層3と冷却器4との接触面積を小さくすること、により、絶縁層3の静電容量(C2)を小さくする。
式(1−1)から、fhighが一定の条件では、L1・C2が一定なので、絶縁層3の静電容量(C2)を小さくすればするほど、自己インダクタンス(L1)の大きいインダクタ5を用いることとなる。その結果、式(1−2)により算出されるFlowがより小さな値となる。なお、絶縁層3の厚さを厚くする場合、絶縁層3での熱抵抗の増大(すなわち、絶縁層3における放熱性の低下)が問題とならないようにする必要がある。
図4に、第1実施形態に係る半導体装置1の他例である半導体装置17を示す。図4に示すように、半導体装置17は、冷却器4に溝部4aを複数形成し、各溝部4aにインダクタ5を挿入する構成を有する。このように、銅ベース6と冷却器4との間に複数のインダクタ5を設けることで、インダクタ5の自己インダクタンス(L1)の値を任意に設定することができる。その結果、インピーダンスが極大となる周波数及び極小となる周波数を容易に調整することができる。
以上のような、本発明の第1実施形態に係る半導体装置1(及び半導体装置17)によれば、パワーモジュール2と冷却器4との接合部に設けられる絶縁層3を静電容量部として利用することで、特定周波数領域において、パワーモジュール2から冷却器4(地面)へ漏れるノイズ電流を軽減することができる。その結果、パワーモジュール2及びパワーモジュール2を構成要素として有する半導体装置1,17の環境適合性が向上する。
また、冷却器4に溝部4aを形成し、この溝部4aにチップインダクタ等のインダクタ5を格納してLC並列共振回路を形成するので、ノイズ対策のために必要な追加コストや手間がかからない。また、インダクタ5の自己インダクタンスや絶縁層3の静電容量を制御することで、任意の中心周波数、任意の周波数帯域のノイズ電流を低減することができる。つまり、インダクタ5の自己インダクタンス値(インダクタ5がコイルばねの場合には、コイルばねの線径や巻き数等の設計値)またはインダクタ5の個数等を変更することで、臨機応変且つ効果的にノイズ電流を通しにくくする周波数を設定することができる。よって、パワー半導体デバイス8のゲート制御条件やパワー半導体デバイス8の特性に応じて、適切なノイズ設計を行うことができる。
また、絶縁層3にインダクタ5を挿通する挿通部3aを形成することで、銅ベース6と冷却器4との間の熱膨張係数の違いから絶縁層3にかかる応力が低減され、絶縁層3の接合信頼性が向上する。特に、絶縁層3に挿通部3aを複数形成する場合、挿通部3aを絶縁層3内にできるだけ空間的に均一となるように形成することで、絶縁層3にかかる応力をさらに緩和することができる。
また、冷却器4にパワーモジュール2を固定するボルト12の表面を絶縁コーティングする(あるいは、さらにボルト12と銅ベースとの間に絶縁ワッシャ13等を介在させる)ことにより、ボルト12部における冷却器4と銅ベース6との短絡を防止することができる。その結果、絶縁層3において静電容量(C2)部が形成され、図2に示すような共振回路を構成することができる。例えば、ボルト12部に金属性のワッシャを設けることでボルト12により冷却器4と銅ベース6とが導通した場合には、絶縁層3の静電容量(C2)部が形成されず、共振回路によるノイズ低減効果を得ることができなくなる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る半導体装置18について、図5を参照して詳細に説明する。なお、第2実施形態に係る半導体装置18は、銅ベース6と冷却器4との間にコイルばね19を設けたことが第1実施形態に係る半導体装置1と異なる。よって、第1実施形態に係る半導体装置1と同じ構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
図5に示すように、本発明の第2実施形態に係る半導体装置18は、パワーモジュール2が絶縁層3を介して冷却器4上に設けられた構造を有する。そして、パワーモジュール2と冷却器4との間には、コイルばね19が設けられる。
コイルばね19は、例えば、圧縮ばねであり、冷却器4に形成された溝部4aに設けられる。具体的な例を挙げて説明すると、ステンレス材(SUS)により形成された圧縮ばね(線径:φ0.1mm、自然長:5mm、セット長:3〜4mm、巻き数:50、外径:φ0.6mm)をコイルばね19として用いると、コイルばね19の両端に発生する寄生インダクタンス値が100nH程度、寄生抵抗が0.1Ω程度となる。このコイルばね19を銅ベース6と冷却器4との間に設けることにより、コイルばね19のインダクタンスと絶縁層3の静電容量とにより、パワー半導体デバイス8等のノイズ発生源が発するノイズ周波数(例えば、10MHz以上)を効果的に遮断するLC並列共振回路が形成される。
冷却器4には、コイルばね19を格納する溝部4aが形成される。溝部4aの深さは、コイルばね19と銅ベース6(及びコイルばね19と冷却器4の溝部4aの底面)とに良好な接触圧(例えば、0.1MPa以上)が加わる深さに調整される。つまり、溝部4aの深さは、コイルばね19のセット長(溝部4aの深さ+絶縁層3の厚さ)とコイルばね19の自然長、及びコイルばね19の反発力((自然長−セット長)×ばね定数)に応じて適宜決定される。
以上のような、本発明の第2実施形態に係る半導体装置18によれば、第1実施形態に係る半導体装置1の有する効果に加えて、銅ベース6とコイルばね19(インダクタ)との接触及び冷却器4とコイルばね19(インダクタ)との接触を良好に維持することができる。
また、コイルばね19は、チップインダクタと比較して安価であり、導電性接着剤等を用いることなく銅ベース6と冷却器4との間にインダクタを設けることができ、半導体装置18の製造コストが低減する。また、コイルばね19は、コイルの巻き数や線径を変更することで、容易にインダクタンスの値が調節できるので、パワー半導体デバイス8等のノイズ発生源が発するノイズ周波数を効果的に遮断できるようなLC共振回路の設計の自由度が向上する。
なお、図6に示すように、冷却器4の溝部4aに、コイルばね19とチップインダクタ5とを直列に設ける形態とすることもできる。このように、コイルばね19とチップインダクタ5とを併用することで、溝部4aに設けられるインダクタ(コイルばね19とチップインダクタ5)の自己インダクタンスを容易に調整することができる。
また、インダクタ5の内部に寄生する抵抗成分やインダクタ5と冷却器4(あるいは銅ベース6)との間の接触抵抗の合成抵抗成分(図2の等価回路内の寄生抵抗R5に相当する。以下、寄生抵抗という)を調整する寄生抵抗調整部を設けることで、パワー半導体デバイス8から冷却器4(地面)への漏れ電流の周波数成分を調整することができる。例えば、インダクタ5がコイルばねの場合は、コイルばねの材質を調整してコイルばねそのものを寄生抵抗調整部とすることができる。また、コイルばねに寄生抵抗調整部となるめっき層やコーティング層を設けてもよい。また、第1実施形態に示したようにインダクタ5がチップインダクタの場合は、銅ベース6(または冷却器4)とインダクタ5との間に設けられる導電性シート5a(若しくは導電性接着層または導電性の弾性体)を寄生抵抗調整部として用いることができる。
図7に示すように、インダクタ5(若しくは、コイルばね19)部に寄生する寄生抵抗R5の値が変化すると、インダクタ5,19と絶縁層3により形成される共振回路の(高周波側、低周波側)共振周波数におけるインピーダンスの値が変化する。図2に示したインピーダンスの特性図(寄生抵抗R5が0.1Ωの場合)と、図7に示したインピーダンスの特性図(寄生抵抗R5が10Ωの場合)と、を比較すると、寄生抵抗R5が10Ωの場合では、高周波側での共振周波数でのインピーダンスの値が低下し、低周波側の共振周波数でのインピーダンスの値が増加している。
つまり、インダクタ5,19と銅ベース6間の接触抵抗またはインダクタ5,19と冷却器4との接触抵抗を制御することで、共振周波数(高周波数側及び低周波数側)の振幅を制御することができる。例えば、図5に示した第2実施形態に係る半導体装置18において、コイルばね19の材質を変更したり、コイルばね19に対しめっきやコーティング等の表面処理を行ったりすることで、コイルばね19部の寄生抵抗を調整し、パワー半導体デバイス8から冷却器4(地面)への漏れ電流の周波数成分を調整することができる。すなわち、インダクタ5,19のインダクタンス値を変更することなく、共振周波数周辺でのインピーダンスの絶対値を調整し、対地漏れ電流(ノイズ)を所望の全周波数域で適切に低減することができる。このように漏れ電流の周波数成分を調整することで、IEC61800(産業用可変速機器の伝導、放射ノイズ)やCISPR25(車載部品の放射ノイズ)等の特定のノイズ規格を満たすようなインピーダンス特性を有する半導体装置1,18を得ることができる。
以上、本発明の半導体装置について、具体例を示して詳細に説明したが、本発明の半導体装置は、上述した実施形態に限らず、本発明の特徴を損なわない範囲で適宜設計変更が可能であり、設計変更された形態も本発明の技術範囲に属する。
例えば、本発明は、各種産業で用いられる半導体装置(例えば、インバータ、コンバータ等の電力変換装置)内に用いられるパワーモジュール内のパワー半導体デバイスが発する高周波電圧振幅(ノイズ)の周囲(機器)への伝導、放射を低減または抑制し、半導体装置の電磁環境適合性を高める技術に関するものである。よって、パワーモジュールの回路構成は、実施形態に限定されるものではなく、各種産業分野で用いられているパワーモジュールの実装時に適用することで、パワーモジュールの回路構成を変更することなく、周辺機器へのノイズの伝導を抑制することができる。
また、実施形態の説明では、パワーモジュールを冷却器上に設けた形態を例示しているが、パワーモジュールを接地されている導体上に設けた場合にも、実施形態と同様にノイズの低減効果を得ることができる。
1,17,18,20…半導体装置
2…パワーモジュール
3…絶縁層
3a…挿通部
4…冷却器(導体)
4a…溝部
5…インダクタ
5a…導電性シート
6…銅ベース(ベース板)
7…絶縁基板
8…パワー半導体デバイス(スイッチング素子)
9…上アーム
10…下アーム
11…樹脂ケース
12…ボルト
13…絶縁ワッシャ
14…等価回路
15…ノイズ発生源
16…地面
19…コイルばね

Claims (5)

  1. スイッチング素子が設けられた回路基板のベース板と、前記ベース板の前記回路基板が設けられた面と反対側の面に絶縁層を介して設けられた導体と、を備えた半導体装置であって、
    前記導体と前記ベース板との間にインダクタが設けられ、
    前記インダクタの一方の端部は、前記導体に電気的に接続され、前記インダクタの他方の端部は、前記ベース板に電気的に接続された
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記導体に前記インダクタを収容する溝部を形成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記絶縁層に前記インダクタが挿通する挿通部を形成する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記インダクタはコイルばねである
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置。
  5. 前記インダクタと直列に寄生抵抗調整部を設ける
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置。
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