JP6307946B2 - 搬送装置及び搬送装置を備えた画像形成装置 - Google Patents
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Description
トナーを精度よく補給するため、トナー収容容器内の搬送装置の回転数を、駆動源のモータの回転速度や駆動時間を調整することで、最適に制御する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
スクリューやアジテータ等の搬送部材を回転させることで、トナーを現像器の補給口まで搬送し、トナーの搬送力を以てトナーを補給口に押し出すようなトナー搬送装置の場合、駆動初期はトナーの搬送力が弱いため、狙ったトナー量よりも実際に補給できるトナー量の方が少なくなる。
しかし、トナー搬送装置を、他の目的で使用する駆動源を用いて駆動したり、静音の目的で間欠的に駆動させたりする場合に、狙ったトナー量を補給するのにトナー搬送装置の駆動と停止を繰り返すような動作をさせると、前述の誤差が蓄積し、正確なトナー量を補給できなくなるという問題があった。
本発明は、上述のような問題に鑑み為されたものであり、搬送物の搬送装置を間欠に動作させる場合でも、搬送装置の駆動初期に発生する搬送物の搬送量誤差の影響を軽減して、必要な量を搬送させることを目的とする。
図1は、本発明の搬送装置の実施形態であるトナー搬送装置(搬送物の一例であるトナーを搬送する装置のこと。)と、用紙等の記録媒体上に画像を形成する画像形成手段とを備えた画像形成装置の概略構成を示す図である。
図1に示す画像形成装置は、いわゆるタンデム型の画像形成装置である。以下、画像形成装置の構成及び動作について簡単に説明する。
トナー像は、転写ベルト13等でなる転写装置7によって、ドラム1表面から転写され、ドラム1から転写ベルト13に転写されなかった残トナー成分は、クリーニング装置12のクリーニングブレード11によりドラム1表面から除去される。
現像装置5とトナー収容容器4はトナー補給口20で連結されており、現像装置5のトナーが少なくなってきたら、トナー収容容器4内に設けられたトナー搬送手段を動作させてトナーを供給する。
現像装置5のトナーの量は、現像装置5内又は外に設けられたトナー検出手段21を用いて検出する。このトナー検出手段21は、発光部と受光部からなる光透過型センサにより喫水度合いを測定する方法が考えられる。
また、トナーが現像される量は感光体を露光する光量に比例するが、ある光量レベル(上限値)で飽和し、それ以上は現像されない。そこで、飽和処理を行う。
“Aの光量”≦上限値 の場合 → トナー消費量の換算値(X)=“Aの光量”
“Aの光量”>上限値 の場合 → トナー消費量の換算値(X)=上限値
すなわち、「1画素あたりのトナー消費量の換算値=“Aの光量”−オフセット値」とする。なお、計算結果がマイナスの場合には結果を0とする。
以上の処理を、印刷する1ページ内の全画素に対して行い、1ページ分のトナー消費量の換算値の合計を算出する。なお、周辺画素が画像領域外のときは、周辺画素を光量0の画素として扱う。
トナー収容容器4には、回転軸53に固定された、例えばPETフィルムなどからなる可撓性の材料で構成されるアジテータなどのトナー攪拌手段52と、スクリューあるいはコイルなどで構成されたトナー搬送手段51が設けられている。
図4に示したトナー攪拌手段52やトナー搬送手段51を回転させるため、トナー搬送装置50にはモータなどの駆動源から動力を供給する必要がある。
なお、カラー感光体モータ63はカラー(C、M及びY)のドラムの駆動源であり、転写モータ64は、転写ベルト13を駆動するモータであるが、この例ではトナー搬送装置50の駆動には関与していないので、詳細な説明は省略する。
一方、図6(B)に示すように、トナー搬送手段51を駆動して一定時間経過した後は、トナーの搬送方向(図の矢印方向)に移動するトナー量が増えるため、トナーの補給量も多くなる。
これにより、トナー搬送手段51の回転速度を一定にして、駆動開始/停止でトナーを補給するだけの単純な制御においては、狙いのトナー量よりも補給できるトナーの量が少なくなる誤差が生じる。
図7(A)は、狙ったトナー補給量を一回で補給する場合を示す図である。トナー搬送手段51が駆動開始されて(駆動源がOFF→ON)所定時間経過後のトナー搬送速度をV[g/sec]とすると、駆動源がONになった直後からトナー搬送速度がVになるまでの間は搬送速度がVよりも小さい。このため、単純に目標のトナー補給量をトナー搬送速度Vで割って駆動時間tを定めると、実際の搬送量はその目標値より少ないことになり、その分が誤差eとなる。しかしながら、一回のトナー搬送で目標のトナー補給が完了する場合であって、目標のトナー補給量と比較して誤差が小さい場合は、この誤差は無視しても差し支えない。
この実施形態においては、トナー搬送装置の駆動初期に生じるトナー補給量の誤差eが積み重ならないようにするために、トナー補給量の目標値に対して、駆動初期のトナー補給量誤差eを追加する補正を行い、誤差eの分を補償するようにトナー搬送装置の駆動時間を延長させる。さらに、トナー搬送装置が間欠に動作した場合、駆動再開時におけるトナー補給量誤差eの分、再開後のトナー搬送装置の駆動時間を延長させる。なお、誤差eの値は、装置の設計時や製造時に実験により定めて予めトナー搬送装置50あるいはこれを備える画像形成装置の制御部に記憶させておく。
Starget = k×C+e・・・(式1)
ここで、k×Cが実際のトナー消費量の値に対応し、eは、トナー搬送装置50の駆動初期におけるトナー補給量の誤差分だけ多くトナーを搬送するために加算する項である。
ttarget(1) = Starget/V
= k×C/V+e/V・・・(式2)
である。Stargetを求める際に誤差eを補正しているため、単純にStargetを単位時間当たりのトナー搬送速度Vで割ればよい。そして、e/Vが、誤差eと対応して追加する駆動時間である。
Sreal(m) = V×treal(m)−e・・・(式3)
となる。ここでも、−eは、トナー搬送装置50の駆動初期におけるトナー補給量の誤差分を調整する項である。
Snext(1) = Starget−Sreal(1)
= k×C−V×treal(1)+2e・・・(式4)
となる。また、2回目以降の駆動におけるttarget(m)(m≧2)は、
ttarget(m) = Snext(m−1)/V・・・(式5)
である。ttarget(m)の駆動ができるまで、1回駆動する度にその時のtreal(m)を用いてttarget(m+1)を求め、次回の駆動を行う。ttarget(m)の駆動ができたとき、Starget[g]のトナー搬送が完了したとすればよい。
Snext(m) = Snext(m−1)−Sreal(m)
= Starget−ΣSreal(k)
= Starget−V×Σtreal(k)+me
= k×C−V×Σtreal(k)+(m+1)e・・・(式6)
(ただしΣはk=1〜mの和を示す)
である。従って、式5に式6を代入すると、m≧2のとき、
ttarget(m) =k×C/V−Σtreal(k)+me/V・・・(式7)
となる。
me/Vの項があることにより、トナー補給を間欠的に行い、駆動初期のトナー搬送量低下(誤差発生)が2回、3回と繰り返された場合でも、トナー搬送量の誤差eが蓄積されることを防ぐことができる。すなわち、2回目以降の各回の駆動の際に、トナー搬送手段の駆動の回数に応じた搬送量の誤差分だけ、トナーを目標搬送量より多く搬送させることにより、トナー搬送量の誤差eの蓄積を防ぐことができる。
一方、現像装置5内のトナー残量が所定値未満の場合(S2のN)、CPUは、トナー搬送初期の誤差eを取得する(S3)。すなわち、CPUが誤差取得手段として機能する。このトナー搬送量誤差eは、後述のように、設計あるいは製造の段階で測定して、周囲の条件(トナー収容容器の残量、周囲の絶対湿度)毎に定義した固有の値とする。
ここで、m=1とおいて(S5)、CPUは、式2又は式5を用いてトナー搬送時間ttarget(m)、ここではttarget(1)を算出する(S6)。
一方、ステップS12でSnext(m)が補給可能最小トナー量Smin以下であれば(S12のY)、Snext(m)を無視できる誤差として扱い、一連のトナー補給に係る処理を終了する。そして、ステップS1に戻って、CPUは現像装置のトナー残量を検出して、実際に現像装置のトナー残量が所定値以上になっているか否かを確認する。
誤差eを考慮する処理はステップS4及びS11であるが、ここで誤差eを考慮しない場合、m回の駆動により合計のトナー補給量にm×eの誤差が発生してしまい、無視できない誤差となる。ステップS4及びS11で誤差eを考慮してStarget及びSnext(m)を求めることにより、この誤差の発生を防止できる。
これにより、現像装置へのトナーの補給が遅れることが無くなり、補給の遅れを取り戻すために画像形成装置を停止させる頻度が少なくなるため、生産性の低下を防ぐことができる。また、トナー搬送装置の駆動源を他の装置の駆動源と共有することができるため、駆動源を減らすことができ、画像形成装置全体としてコストダウンが図れる。
図10は、トナー搬送装置の駆動初期におけるトナー補給量の誤差が、搬送装置周囲の条件(温湿度)によって変動することを説明するための図である。
図10に示すように、トナー搬送装置50の駆動初期に発生するトナー搬送量の低下によるトナー補給量の誤差eは、トナーの状態によって変動する。
変動要因の1つは、トナー収容容器内のトナーの残量である。トナーの残量が多ければ、単位時間当たりのトナー搬送量は素早く安定し、逆にトナーの残量が少なければ、単位時間当たりのトナー搬送量はなかなか安定しないからである。
次に変動要因として挙げられるのが、温度と湿度である。トナーは高温多湿環境では流動性が低く、低温低湿では流動性が高い。従って、高温多湿環境ではトナー補給量の誤差eは大きく、低温低湿環境ではトナー補給量の誤差eが小さくなる。
また、下段は、トナー収容容器残量が「小」、温湿度が「高温多湿」の場合を示しており、中段と下段を比較すれば、トナー収容容器残量が同じ場合は、高温多湿の方が誤差が大きくなることが分かる。
トナー収容容器残量r[g]は、式3で算出する実際のトナー補給量Sreal(m)(m=1,2…)の累計を不揮発性メモリなどの記録手段にて累積しておき、トナー収容容器の充填量から減算することで求められる。
温湿度については、公知の算出式により計算できる単位体積当たりの水分量である絶対湿度h[g/cm2]を求める。
このテーブルにおいて、トナー収容容器残量rが同じランクであれば、温湿度が高くなるにつれて誤差が大きくなる。
すなわち、e1<e2<e3、e4<e5<e6、e7<e8<e9がそれぞれ成り立つ。
すなわち、e1<e4<e7、e2<e5<e8、e3<e6<e9がそれぞれ成り立つ。
なお、ここではトナー収容容器残量、温湿度を、それぞれ3段階に設定するとしたが、トナー残量算出手段や温湿度検出手段、トナー搬送装置の搬送精度に応じて、段階を増減させてもよい。
このように、容器内の搬送物の残量と、搬送装置周囲の温湿度とに基づき誤差eを取得するようにすると、より正確に誤差eの影響を取り除くことができる。
たとえば、上述の実施形態の説明では、搬送物が、現像剤であるトナーの場合を例にしたが、トナー以外でも、その他の粉体、粒体、ゲルであれば適用可能である。また、本発明の搬送装置は、搬送物の種類に応じて、画像形成装置以外の種々の装置に搭載して又は種々の装置と組み合わせて使用可能である。
また、上述したトナー補給量の誤差の補正を一律に行うのではなく、補正を行うか否かの判断を行った上で補正を行うようにしてもよい。例えば、トナー搬送手段が単位時間に搬送できる搬送量のばらつきを基準とし、ばらつきの範囲内であれば補正を行わず、ばらつきの範囲を超えていれば補正を行うようにするとよい。
さらに、以上説明した各実施形態、動作の構成は、相互に矛盾しない限り任意に組み合わせて実施可能であることはもちろんである。
Claims (6)
- 搬送物を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段の駆動初期に生じる前記搬送物の搬送量が狙った量よりも少なくなる搬送量の誤差を取得する誤差取得手段と、
前記搬送手段に、前記誤差取得手段が取得した搬送量の誤差分だけ、前記搬送物を目標の搬送量よりも多く搬送させる制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記搬送手段の間欠的な駆動により前記搬送物を前記目標の搬送量だけ搬送できなかった場合に、2回目以降の各回の駆動の際に、前記搬送手段の駆動の回数に応じた前記搬送量の誤差分だけ、前記搬送物を前記目標の搬送量より多く搬送させることを特徴とする搬送装置。 - 請求項1に記載の搬送装置であって、
前記制御手段は、前記搬送手段の駆動時間を、前記目標の搬送量及び単位時間当たりの搬送量から求められる時間よりも、前記搬送量の誤差と対応する時間だけ長くする手段であることを特徴とする搬送装置。 - 請求項1又は2に記載の搬送装置であって、
前記搬送物は、容器に収容され、該容器の内から該容器の外へ搬送されるものであり、
前記誤差取得手段は、前記搬送量の誤差を、前記容器内の搬送物の残量と、当該搬送装置周囲の温湿度とに基づき、予め前記残量と前記温湿度ごとに前記誤差の値が記憶されたテーブルを参照して取得することを特徴とする搬送装置。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の搬送装置であって、
前記搬送物は現像剤であり、
前記搬送手段は、現像剤の収容容器から現像手段へ前記現像剤を供給する手段であることを特徴とする搬送装置。 - 請求項4に記載の搬送装置と、
記録媒体上に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段が形成した画像を現像剤を用いて現像する現像手段とを備え、
前記搬送装置により現像剤を前記現像手段へ供給することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5に記載の画像形成装置であって、
前記搬送装置が備える搬送手段と、前記画像形成手段とを、共通の駆動源を用いて駆動することを特徴とする画像形成装置。
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