JP2020052241A - 画像形成装置 - Google Patents

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Yasushi Imanishi
康 今西
智志 砂山
Tomoshi Sunayama
智志 砂山
一博 中地
Kazuhiro Nakachi
一博 中地
愛 ▲高▼上
愛 ▲高▼上
Ai Takagami
佳名子 菊池
Kanako Kikuchi
佳名子 菊池
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Abstract

【課題】二成分現像方式が適用された現像装置を含む画像形成装置において、トナーの帯電量を精度よくかつ効率的に測定する。【解決手段】モード制御部984は、所定の実行タイミングで、複数の測定用トナー像を形成し、当該複数の測定用トナー像の濃度に基づいて、または、当該複数の測定用トナー像の濃度に加え前記複数の測定用トナー像が形成される際に現像ローラー231に流れる現像電流の直流成分に基づいて、トナーの帯電量を取得する帯電量取得動作を実行する。また、モード制御部984は、記憶部983に格納される帯電量推移情報とタイミング決定用帯電量とから、今後に実行される帯電量測定モードのための前記実行タイミングを決定する。【選択図】図8

Description

本発明は、シートに画像を形成する画像形成装置に関する。
従来、シートに画像を形成する画像形成装置として、感光体ドラム(像担持体)と、現像装置と、転写部材と、を備えるものが知られている。感光体ドラム上に形成された静電潜像が、現像ニップ部において現像装置によって顕在化されると、感光体ドラム上にトナー像が形成される。転写部材によって、トナー像がシートに転写される。このような画像形成装置に適用される現像装置として、トナーおよびキャリアを含む現像剤が使用される二成分現像技術が知られている。
二成分現像においては、印字枚数、環境変動、印字モード(1ジョブあたりの連続印字枚数)および印字率などの影響を受けて、現像剤が劣化しトナー帯電量が変化するという現象が見られる。この結果、画像濃度の低下、トナーかぶりの発生やトナー飛散の増加といった問題が発生する。このような問題に対応するため、従来、印字枚数、環境変動、印字モードおよび印字率などから現像剤の帯電量変化を予測し、トナー濃度、現像バイアス、感光体の表面電位、現像ローラーの回転速度、飛散トナーを回収する吸引ファンの出力などを調整し、画像濃度の低下やトナーかぶりの悪化、トナー飛散の悪化を抑制する技術が採用されていた。
しかしながら、これらの技術は、印字枚数、環境変動、印字モードおよび印字率のそれぞれの条件下での個々の予測を組み合わせたものに過ぎず、複数の条件が複合的に変化すると、現像剤の帯電量を充分に予測することは困難であった。
このため、トナーの帯電量を更に正確に予測する技術が提案されている。特許文献1、2では、現像前の感光体ドラムの表面電位と、現像後の感光体ドラム上のトナー層の表面電位とがそれぞれ測定される一方、現像されたトナー層の画像濃度測定結果からトナーの現像量が算出される。そして、この測定された各表面電位とトナーの現像量とからトナーの帯電量が算出される。
また、特許文献3、4および5では、現像剤を担持する現像ローラーに流入する電流値が測定され、当該測定された電流値が、現像ローラーから感光体ドラムに移動したトナーの電荷量と仮定される。また、現像されたトナー層の画像濃度測定結果からトナーの現像量が算出される。そして、このトナーの電荷量とトナーの現像量とからトナーの帯電量が算出される。
特開2003−345075号公報 特開2004−37952号公報 特許第5024192号明細書 特許第5273542号明細書 特許第4480066号明細書
特許文献1、2に記載された技術では、感光体ドラム上の表面電位を測定するために表面電位センサーが必要になる。ここで、感光体ドラム上に形成されたトナー層の表面電位を測定するためには、表面電位センサーを現像ニップ部よりも感光体ドラムの回転方向下流側に設置する必要がある。しかし、この位置に表面電位センサーを設置すると、表面電位センサーの表面が、現像ローラーから飛散したトナーによって汚染されやすく、長期に亘って精度良く表面電位を測定することが困難となる。
また、特許文献3、4および5に記載された技術では、現像ローラーに流入する電流が、トナー中を流れる電流に加えてキャリア中を流れる電流も含んでしまう。したがって、当該電流値からトナーの帯電量を精度よく算出することが難しい。更に、画像形成装置において印字が繰り返されることでキャリアのコート剥がれやコート汚染によってキャリアの抵抗値が変化すると、このキャリア中を流れる電流も変化する。このように、従来の技術では、現像ローラーに流入する電流からトナーの電荷量を正しく測定することは困難であった。
また、上記の各特許文献に記載された技術では、トナーの帯電量を測定するために、感光体ドラム上に測定用トナー像を含む画像パターンが形成される。トナーの帯電量を精度良く測定するためには、頻繁に測定用トナー像を形成することが望ましいが、この場合、通常の画像形成動作が実行できない時間が増大するとともに、測定時に消費するトナー量が増大するという問題があった。このため、トナーの帯電量を測定するタイミングを効率的に決定することが望まれていた。
本発明は、上記のような課題を解決するためのものであり、二成分現像方式が適用された現像装置を含む画像形成装置において、トナーの帯電量を精度よくかつ効率的に測定することを目的とする。
本発明の一局面に係る画像形成装置は、回転され、表面に静電潜像が形成されるとともに、前記静電潜像が顕在化されたトナー像を担持する像担持体と、前記像担持体を所定の帯電電位に帯電する帯電装置と、前記帯電電位に帯電された前記像担持体の表面を所定の画像情報に応じて露光することで前記静電潜像を形成する露光装置と、所定の現像ニップ部において前記像担持体に対向して配置される現像装置であって、回転され周面にトナーおよびキャリアからなる現像剤を担持するとともに前記静電潜像が形成された前記像担持体にトナーを供給することで前記トナー像を形成する現像ローラーを含む現像装置と、前記像担持体上に担持された前記トナー像をシートに転写する転写部と、直流電圧に交流電圧が重畳された現像バイアスを前記現像ローラーに印加可能な現像バイアス印加部と、前記トナー像の濃度を検出する濃度検出部と、前記感光体ドラム上に前記トナー像が形成される現像動作時とは異なる非現像動作時に、所定の実行タイミングで、前記帯電装置、前記露光装置および前記現像バイアス印加部を制御して前記像担持体上に互いにトナー現像量の異なる複数の測定用トナー像を形成し、前記濃度検出部によって検出される前記複数の測定用トナー像の濃度に基づいて、または、当該複数の測定用トナー像の濃度に加え前記複数の測定用トナー像が形成される際に前記現像ローラーと前記現像バイアス印加部との間を流れる現像電流の直流成分に基づいて、前記像担持体上に形成された前記測定用トナー像に含まれるトナーの帯電量を取得する帯電量取得動作を実行する帯電量取得部と、前記帯電量取得部によって取得される前記トナーの帯電量を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶される前記トナーの帯電量から、当該トナーの帯電量の今後の推移に関する帯電量推移情報を取得する帯電量推移情報取得部と、を備え、前記記憶部は、前記実行タイミングを決定するために予め設定された前記トナーの帯電量に関する情報であるタイミング決定用帯電量を更に記憶しており、前記帯電量推移情報取得部は、前記帯電量推移情報と前記タイミング決定用帯電量とから、今後に実行される前記帯電量取得動作のための前記実行タイミングを決定し、前記帯電量取得部は、前記決定された実行タイミングに応じて、前記帯電量取得動作を実行する。
本構成によれば、帯電量取得部は、非現像動作時に、濃度検出部によって検出される複数の測定用トナー像の濃度に基づいて、または、当該複数の測定用トナー像の濃度に加え複数の測定用トナー像が形成される際に現像ローラーと現像バイアス印加部との間を流れる現像電流の直流成分に基づいて、像担持体上に形成された測定用トナー像に含まれるトナーの帯電量を取得する。このため、画像形成に伴う現像動作とは異なる時に、測定用トナー像を用いてトナーの帯電量を精度良く取得することができる。また、帯電量推移情報取得部は、記憶部に記憶されるトナーの帯電量から、当該トナーの帯電量の今後の推移に関する帯電量推移情報を取得する。更に、帯電量推移情報取得部は、帯電量推移情報と記憶部に記憶されたタイミング決定用帯電量とから、今後に実行される帯電量取得動作のための実行タイミングを決定する。このように、実際に測定されたトナーの帯電量を反映させた帯電量推移情報に基づいて、今後の帯電量取得動作の実行タイミングが決定されるため、実際のトナーの帯電量とは関係なく予め設定された実行タイミングで帯電量取得動作が実行される場合と比較して、トナーの帯電量の変化を効率的に測定することができる。換言すれば、トナーの帯電量の変化が少ない時期に、帯電量取得動作が過剰に実行されることが防止される。
上記の構成において、前記帯電量取得部は、一の実行タイミングにおいて取得した前記トナーの帯電量と、前記一の実行タイミングよりも前に前記帯電量推移情報取得部によって取得された前記帯電量推移情報に含まれる前記一の実行タイミングに対応するトナーの帯電量との差が、予め設定された閾値よりも大きい場合に、前記帯電量取得動作の再実行または前記トナーの帯電量を調整する帯電量調整動作を実行することが望ましい。
本構成によれば、予測されるトナーの帯電量と実際に測定されたトナーの帯電量との差が大きい場合には、帯電量取得動作の誤作動の可能性があるため、帯電量取得動作の再実行を行うことができる。また、帯電量取得動作に誤りがない場合には、帯電量調整動作が実行されることで、トナーの帯電量を速やかに調整することができる。
上記の構成において、前記帯電量推移情報取得部は、前記帯電量取得部によって前記トナーの帯電量が取得されると、当該取得された前記トナーの帯電量によって前記帯電量推移情報を更新することが望ましい。
本構成によれば、実際に測定された最新のトナーの帯電量を用いて帯電量推移情報を更新することができる。このため、今後のトナーの帯電量の推移を精度良く予測することができる。
上記の構成において、前記記憶部は、前記現像剤の寿命を決定するために予め設定された前記トナーの帯電量である寿命決定用帯電量を更に記憶しており、前記帯電量推移情報取得部は、前記帯電量推移情報と前記寿命決定用帯電量とから、前記現像剤が寿命に至る寿命時期を予想し、更に、当該予想された前記現像剤の寿命時期よりも所定の期間早く設定された時期に、前記現像剤の寿命に関する警告情報を出力することが望ましい。
本構成によれば、帯電量推移情報を利用して、現像剤の寿命時期を予測することができる。また、現像剤の寿命時期に近づくと、予め警告情報を出力することで、使用者やメンテナンス作業者に寿命時期を認知させることができる。
上記の構成において、前記帯電量推移情報は、前記トナーの帯電量に対応する変数と、前記現像ローラーの駆動時間に対応する変数とから構成される数式を含むことが望ましい。
本構成によれば、トナーの帯電量に対応する変数と現像ローラーの駆動時間に対応する変数を含む数式を利用して、トナーの帯電量の推移を精度良く予測することができる。
上記の構成において、前記現像装置に収容される前記現像剤における前記トナーの濃度を検出するトナー濃度検出部を更に備え、前記帯電量推移情報は、前記トナーの帯電量に対応する変数と、前記トナーの濃度に対応する変数とから構成される数式を更に含むことが望ましい。
本構成によれば、トナーの帯電量に対応する変数とトナーの濃度に対応する変数を含む数式を利用して、トナーの帯電量の推移を更に精度良く予測することができる。
上記の構成において、前記記憶部は、前記現像ローラーと前記像担持体との間の直流電圧の電位差が一定に保持された状態で前記現像バイアスの交流電圧の周波数が変化された場合における当該周波数の変化量に対する前記トナー像の濃度変化量の関係を示す参照用直線の傾きに関する参照情報を、前記トナーの帯電量毎に予め格納し、前記帯電量取得部は、前記現像ローラーと前記像担持体との間の直流電圧の電位差を一定に保持した状態で前記現像バイアスの交流電圧の周波数を変化させながら前記像担持体上に前記複数の測定用トナー像を形成し、前記周波数の変化量に対する前記測定用トナー像の濃度変化量の関係を示す測定用直線の傾きを、前記周波数の変化量と前記濃度検出部による前記測定用トナー像の濃度検出結果とから取得するとともに、当該取得された測定用直線の傾きと前記記憶部の参照情報とから前記像担持体上に形成された測定用トナー像に含まれるトナーの帯電量を取得することが望ましい。
本構成によれば、像担持体上の電位を測定する表面電位センサーや現像ローラーに流入する現像電流を測定する電流計を用いることなく、トナーの帯電量を取得することができる。
上記の構成において、前記記憶部に格納されている前記参照情報は、前記トナーの帯電量が第1の帯電量である場合に前記参照用直線の傾きが負であり、前記トナーの帯電量が第1の帯電量よりも小さな第2の帯電量である場合に前記参照用直線の傾きが正であり、更に、前記トナーの帯電量の低下とともに前記参照用直線の傾きが増大するように設定されていることが望ましい。
本構成によれば、現像バイアスの交流電圧の周波数と像担持体に形成されるトナー像の濃度(現像トナー量)との関係から、トナーの帯電量を精度良く取得することができる。
上記の構成において、前記帯電量取得部は、前記現像ローラーと前記像担持体との間の直流電圧の電位差を一定に保持した状態で前記現像バイアスの交流電圧の周波数を変化させながら前記像担持体上に前記複数の測定用トナー像を形成し、前記濃度検出部によって検出される前記複数の測定用トナー像の濃度の差に対する前記複数の測定用トナー像が形成される際に前記現像ローラーと前記現像バイアス印加部との間を流れる前記現像電流の直流成分の差の比に基づいて、前記像担持体上に形成された測定用トナー像に含まれるトナーの帯電量を取得するものでもよい。
また、上記の構成において、前記帯電量取得部は、前記現像ローラーと前記像担持体との間の直流電圧の電位差を一定に保持した状態で前記露光装置を制御して単位面積あたりの印字率を変化させながら前記像担持体上に前記複数の測定用トナー像を形成し、前記濃度検出部によって検出される前記複数の測定用トナー像の濃度の差に対する前記複数の測定用トナー像が形成される際に前記現像ローラーと前記現像バイアス印加部との間を流れる前記現像電流の直流成分の差の比に基づいて、前記像担持体上に形成された測定用トナー像に含まれるトナーの帯電量を取得するものでもよい。
本発明によれば、二成分現像方式が適用された現像装置を含む画像形成装置において、トナーの帯電量を精度よくかつ効率的に測定することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部構造を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る現像装置の断面図および制御部の電気的構成を示したブロック図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置の現像動作を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る像担持体および現像ローラーの電位の大小関係を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、現像バイアスの周波数と画像濃度との関係を示したグラフである。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置において、図4のグラフの傾きとトナー帯電量との関係を示したグラフである。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置において実行される帯電量測定モードのフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置において実行される帯電量測定モード時に像担持体上に形成される測定用トナー像の模式図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置において実行される帯電量予測モードのフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置におけるトナーの帯電量測定結果と帯電量予測結果とを示したグラフである。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置におけるトナーの帯電量測定結果と帯電量予測結果とを示したグラフである。 本発明の変形実施形態に係る現像装置の断面図および制御部の電気的構成を示したブロック図である。 本発明の変形実施形態に係る画像形成装置において実行される帯電量測定モードのフローチャートである。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係る画像形成装置10について、図面に基づき詳細に説明する。本実施形態では、画像形成装置の一例として、タンデム方式のカラープリンタを例示する。画像形成装置は、例えば、複写機、ファクシミリ装置、及びこれらの複合機等であってもよい。また、画像形成装置は、単色(モノクロ)画像を形成するものでもよい。
図1は、画像形成装置10の内部構造を示す断面図である。この画像形成装置10は、箱形の筐体構造を備える装置本体11を備える。この装置本体11内には、シートPを給紙する給紙部12、給紙部12から給紙されたシートPに転写するトナー像を形成する画像形成部13、前記トナー像が一次転写される中間転写ユニット14(転写部)、画像形成部13にトナーを補給するトナー補給部15、及び、シートP上に形成された未定着トナー像をシートPに定着する処理を施す定着部16が内装されている。さらに、装置本体11の上部には、定着部16で定着処理の施されたシートPが排紙される排紙部17が備えられている。
装置本体11の上面の適所には、シートPに対する出力条件等を入力操作するための図略の操作パネルが設けられている。この操作パネルには、電源キーや出力条件を入力するためのタッチパネルや各種の操作キーが設けられている。
装置本体11内には、さらに、画像形成部13より右側位置に、上下方向に延びるシート搬送路111が形成されている。シート搬送路111には、適所にシートを搬送する搬送ローラー対112が設けられている。また、シートのスキュー矯正を行うと共に、後述する二次転写のニップ部に所定のタイミングでシートを送り込むレジストローラー対113が、シート搬送路111における前記ニップ部の上流側に設けられている。シート搬送路111は、シートPを給紙部12から排紙部17まで、画像形成部13及び定着部16を経由して搬送させる搬送路である。
給紙部12は、給紙トレイ121、ピックアップローラー122、及び給紙ローラー対123を備える。給紙トレイ121は、装置本体11の下方位置に挿脱可能に装着され、複数枚のシートPが積層されたシート束P1を貯留する。ピックアップローラー122は、給紙トレイ121に貯留されたシート束P1の最上面のシートPを1枚ずつ繰り出す。給紙ローラー対123は、ピックアップローラー122によって繰り出されたシートPをシート搬送路111に送り出す。
給紙部12は、装置本体11の、図1に示す左側面に取り付けられる手差し給紙部を備える。手差し給紙部は、手差しトレイ124、ピックアップローラー125、及び給紙ローラー対126を備える。手差しトレイ124は、手差しされるシートPが載置されるトレイであり、手差しでシートPを給紙する際、図1に示すように、装置本体11の側面から開放される。ピックアップローラー125は、手差しトレイ124に載置されたシートPを繰り出す。給紙ローラー対126は、ピックアップローラー125によって繰り出されたシートPをシート搬送路111に送り出す。
画像形成部13は、シートPに転写するトナー像を形成するものであって、異なる色のトナー像を形成する複数の画像形成ユニットを備える。この画像形成ユニットとして、本実施形態では、後述する中間転写ベルト141の回転方向上流側から下流側に向けて(図1に示す左側から右側へ)順次配設された、マゼンタ(M)色の現像剤を用いるマゼンタ用ユニット13M、シアン(C)色の現像剤を用いるシアン用ユニット13C、イエロー(Y)色の現像剤を用いるイエロー用ユニット13Y、及びブラック(Bk)色の現像剤を用いるブラック用ユニット13Bkが備えられている。各ユニット13M、13C、13Y、13Bkは、それぞれ感光体ドラム20(像担持体)と、感光体ドラム20の周囲に配置された帯電装置21、現像装置23、一次転写ローラー24及びクリーニング装置25とを備える。また、各ユニット13M、13C、13Y、13Bk共通の露光装置22が、画像形成ユニットの下方に配置されている。
感光体ドラム20は、その軸回りに回転駆動され、その表面に静電潜像が形成されるとともに、前記静電潜像が顕在化されたトナー像を担持する。この感光体ドラム20としては、一例として、公知のアモルファスシリコン(α−Si)感光体ドラムや有機(OPC)感光体ドラムが用いられる。
帯電装置21は、感光体ドラム20の表面を所定の帯電電位に均一に帯電する。帯電装置21は、帯電ローラーと、前記帯電ローラーに付着したトナーを除去するための帯電クリーニングブラシとを備える。
露光装置22は、帯電装置21よりも感光体ドラム20の回転方向下流側に位置する露光用光路を通じて感光体ドラム20に対向して配置され、内部に光源やポリゴンミラー、反射ミラー、偏向ミラーなどの各種の光学系機器を有する。露光装置22は、前記帯電電位に均一に帯電された感光体ドラム20の表面に、画像データ(所定の画像情報)に基づき変調された光を照射して露光することで、静電潜像を形成する。
現像装置23は、露光装置22の露光用光路よりも感光体ドラム20の回転方向下流側の所定の現像ニップ部NP(図3A)において感光体ドラム20に対向して配置される。現像装置23は、回転され周面にトナーおよびキャリアからなる現像剤を担持するとともに感光体ドラム20にトナーを供給することで前記トナー像を形成する現像ローラー231を含む。
一次転写ローラー24は、中間転写ユニット14に備えられている中間転写ベルト141を挟んで感光体ドラム20とニップ部を形成する。更に、一次転写ローラー24は、感光体ドラム20上のトナー像を中間転写ベルト141上に一次転写する。クリーニング装置25は、トナー像転写後の感光体ドラム20の周面を清掃する。
中間転写ユニット14は、画像形成部13とトナー補給部15との間に設けられた空間に配置され、中間転写ベルト141と、図略のユニットフレームにて回転可能に支持された駆動ローラー142と、従動ローラー143と、バックアップローラー146と、濃度センサー100と、を備える。中間転写ベルト141は、無端状のベルト状回転体であって、その周面側が各感光体ドラム20の周面にそれぞれ当接するように、駆動ローラー142及び従動ローラー143、146に架け渡されている。中間転写ベルト141は駆動ローラー142の回転により周回駆動される。従動ローラー143の近傍には、中間転写ベルト141の周面上に残存したトナーを除去するベルトクリーニング装置144が配置されている。濃度センサー100(濃度検出部)は、ユニット13M、13C、13Y、13Bkよりも下流側において中間転写ベルト141に対向して配置されており、中間転写ベルト141上に形成されたトナー像の濃度を検出する。なお、他の実施形態において、濃度センサー100は、感光体ドラム20上のトナー像の濃度を検出するものでもよく、また、シートP上に定着されたトナー像の濃度を検出するものでもよい。
駆動ローラー142に対向して、中間転写ベルト141の外側には、二次転写ローラー145が配置されている。二次転写ローラー145は、中間転写ベルト141の周面に圧接されて、駆動ローラー142との間で転写ニップ部を形成している。中間転写ベルト141上に一次転写されたトナー像は、給紙部12から供給されるシートPに、転写ニップ部において二次転写される。すなわち、中間転写ユニット14および二次転写ローラー145は、感光体ドラム20上に担持されたトナー像をシートPに転写する転写部として機能する。また、駆動ローラー142には、その周面を清掃するためのロールクリーナー200が配置されている。
トナー補給部15は、画像形成に用いられるトナーを貯留するものであり、本実施形態ではマゼンタ用トナーコンテナ15M、シアン用トナーコンテナ15C、イエロー用トナーコンテナ15Y及びブラック用トナーコンテナ15Bkを備える。これらトナーコンテナ15M、15C、15Y、15Bkは、それぞれM/C/Y/Bk各色の補給用トナーを貯留するものである。コンテナ底面に形成されたトナー排出口15Hから、M/C/Y/Bk各色に対応する画像形成ユニット13M、13C、13Y、13Bkの現像装置23に各色のトナーが補給される。
定着部16は、内部に加熱源を備えた加熱ローラー161と、加熱ローラー161に対向配置された定着ローラー162と、定着ローラー162と加熱ローラー161とに張架された定着ベルト163と、定着ベルト163を介して定着ローラー162と対向配置され定着ニップ部を形成する加圧ローラー164とを備えている。定着部16へ供給されたシートPは、前記定着ニップ部を通過することで、加熱加圧される。これにより、前記転写ニップ部でシートPに転写されたトナー像は、シートPに定着される。
排紙部17は、装置本体11の頂部が凹没されることによって形成され、この凹部の底部に排紙されたシートPを受ける排紙トレイ171が形成されている。定着処理が施されたシートPは、定着部16の上部から延設されたシート搬送路111を経由して、排紙トレイ151へ向けて排紙される。
<現像装置について>
図2は、本実施形態に係る現像装置23の断面図および制御部980の電気的構成を示したブロック図である。現像装置23は、現像ハウジング230と、現像ローラー231と、第1スクリューフィーダー232と、第2スクリューフィーダー233と、規制ブレード234とを備える。現像装置23には、二成分現像方式が適用されている。
現像ハウジング230には、現像剤収容部230Hが備えられている。現像剤収容部230Hには、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤が収容されている。また、現像剤収容部230Hは、現像剤が現像ローラー231の軸方向の一端側から他端側に向かう第1搬送方向(図2の紙面と直交する方向、後から前に向かう方向)に搬送される第1搬送部230Aと、軸方向の両端部において第1搬送部230Aに連通され、第1搬送方向とは逆の第2搬送方向に現像剤が搬送される第2搬送部230Bとを含む。第1スクリューフィーダー232および第2スクリューフィーダー233は、図2の矢印D22、D23方向に回転され、それぞれ、現像剤を第1搬送方向および第2搬送方向に搬送する。特に、第1スクリューフィーダー232は、現像剤を第1搬送方向に搬送しながら、現像ローラー231に現像剤を供給する。
現像ローラー231は、現像ニップ部NP(図3A)において、感光体ドラム20に対向して配置されている。現像ローラー231は、回転されるスリーブ231Sと、スリーブ231Sの内部に固定配置された磁石231Mとを備える。磁石231Mは、S1、N1、S2、N2およびS3極を備える。N1極は主極とし機能し、S1極およびN2極は搬送極として機能し、S2極は剥離極として機能する。また、S3極は、汲み上げ極および規制極として機能する。一例として、S1極、N1極、S2極、N2極およびS3極の磁束密度は、54mT、96mT、35mT、44mTおよび45mTに設定される。現像ローラー231のスリーブ231Sは、図2の矢印D21方向に回転される。現像ローラー231は、回転され、現像ハウジング230内の現像剤を受け取って現像剤層を担持し、感光体ドラム20にトナーを供給する。なお、本実施形態では、現像ローラー231は、感光体ドラム20と対向する位置において、同方向(ウィズ方向)に回転する。
規制ブレード234(層厚規制部材)は、現像ローラー231に所定の間隔をおいて配置され、第1スクリューフィーダー232から現像ローラー231の周面上に供給された現像剤の層厚を規制する。
現像装置23を備える画像形成装置10は、更に、現像バイアス印加部971と、駆動部972と、制御部980とを備える。制御部980は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。
現像バイアス印加部971は、直流電源と交流電源とから構成され、後記のバイアス制御部982からの制御信号に基づき、現像装置23の現像ローラー231に、直流電圧に交流電圧が重畳された現像バイアスを印加する。
駆動部972は、モーター及びそのトルクを伝達するギア機構からなり、後記の駆動制御部981からの制御信号に応じて、現像動作(画像形成動作)、帯電量測定モードおよびキャリブレーション実行時に、感光体ドラム20などに加え、現像装置23内の現像ローラー231および第1スクリューフィーダー232、第2スクリューフィーダー233を回転駆動させる。なお、駆動部972は、画像形成装置10のその他の部材を駆動(回転)する駆動力を更に発生する。
制御部980は、前記CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、駆動制御部981、バイアス制御部982、記憶部983、モード制御部984(帯電量取得部、帯電量推移情報取得部)および判定部985を備えるように機能する。
駆動制御部981は、駆動部972を制御して、現像ローラー231、第1スクリューフィーダー232、第2スクリューフィーダー233を回転駆動させる。また、駆動制御部981は、不図示の駆動機構を制御して、感光体ドラム20を回転駆動させる。
バイアス制御部982は、現像ローラー231から感光体ドラム20にトナーが供給される現像動作時に、現像バイアス印加部971を制御して、感光体ドラム20と現像ローラー231との間に直流電圧および交流電圧の電位差を設ける。前記電位差によって、トナーが現像ローラー231から感光体ドラム20に移動される。
記憶部983は、駆動制御部981、バイアス制御部982、モード制御部984および判定部985によって参照される各種の情報を記憶している。一例として、現像ローラー231の回転数や環境に応じて調整される現像バイアスの値などが記憶されている。また、記憶部983は、モード制御部984によって取得されるトナーの帯電量を随時記憶する。
また、記憶部983は、現像ローラー231と感光体ドラム20との間の直流電圧の電位差が一定に保持された状態で現像バイアスの交流電圧の周波数が変化された場合における当該周波数の変化量に対するトナー像の濃度変化量の関係を示す参照用直線の傾きに関する参照情報を、トナーの帯電量毎に予め格納している。記憶部983に格納されている当該参照情報は、トナーの帯電量が第1の帯電量である場合に参照用直線の傾きが負であり、トナーの帯電量が第1の帯電量よりも小さな第2の帯電量である場合に参照用直線の傾きが正であり、更に、トナーの帯電量の低下とともに参照用直線の傾きが増大するように設定されている。
また、記憶部983は、モード制御部984が取得する帯電量推移情報を記憶する。本実施形態では、帯電量推移情報は後記のように所定の数式から構成される。また、記憶部983は、帯電量測定モードの実行タイミングを決定するために予め設定された、トナーの帯電量に関する情報であるタイミング決定用帯電量を記憶している。更に、記憶部983は、現像剤の寿命を決定するために予め設定された、トナーの帯電量に関する情報である寿命決定用帯電量を更に記憶している。なお、記憶部983に格納されるデータは、グラフやテーブルなどの形式でもよい。
モード制御部984は、後記の帯電量測定モード(帯電量取得動作)を含む帯電量予測モードおよび現像剤回復モード(帯電量調整動作)を実行する。
モード制御部984は、感光体ドラム20上にシートPに転写されるためのトナー像が形成される現像動作時とは異なる非現像動作時に、所定の実行タイミングで、帯電装置21、露光装置22、現像バイアス印加部971などを制御して、感光体ドラム20上に互いにトナー現像量の異なる複数の測定用トナー像を形成し、濃度センサー100によって検出される前記複数の測定用トナー像の濃度に基づいて、または、当該複数の測定用トナー像の濃度に加え前記複数の測定用トナー像が形成される際に現像ローラー231と現像バイアス印加部971との間を流れる現像電流の直流成分に基づいて、感光体ドラム20上に形成された前記測定用トナー像に含まれるトナーの帯電量を取得する帯電量測定モードを実行する。
詳しくは、モード制御部984は、当該帯電量測定モードにおいて、現像ローラー231と感光体ドラム20との間の直流電圧の電位差を一定に保持した状態で現像バイアスの交流電圧の周波数を変化させながら感光体ドラム20上に複数の測定用トナー像を形成する。そして、前記周波数の変化量に対する前記測定用トナー像の濃度変化量の関係を示す測定用直線の傾きを、前記周波数の変化量と濃度センサー100による前記測定用トナー像の濃度検出結果とから取得するとともに、当該取得された測定用直線の傾きと記憶部983の参照情報とから感光体ドラム20上に形成された測定用トナー像に含まれるトナーの帯電量を取得する。
また、モード制御部984は、過去の帯電量測定モードを通じて記憶部983に記憶されてきたトナーの帯電量から、当該トナーの帯電量の今後の推移に関する帯電量推移情報を取得する。更に、モード制御部984は、前記帯電量推移情報と記憶部983に格納されている所定のタイミング決定用帯電量とから、今後に実行される帯電量測定モードのための実行タイミングを決定し、当該決定された実行タイミングに応じて、帯電量測定モードを随時実行する。
判定部985は、モード制御部984によって実行される帯電量測定モードまたは帯電量調整モードにおける各種の判定動作を実行する。
<現像動作について>
図3Aは、本実施形態に係る画像形成装置10の現像動作の模式図、図3Bは、感光体ドラム20および現像ローラー231の電位の大小関係を示す模式図である。図3Aを参照して、現像ローラー231と感光体ドラム20との間に、現像ニップ部NPが形成されている。現像ローラー231上に担持されるトナーTNおよびキャリアCAは磁気ブラシを形成する。現像ニップ部NPにおいて、磁気ブラシからトナーTNが感光体ドラム20側に供給され、トナー像TIが形成される。図3Bを参照して、感光体ドラム20の表面電位は、帯電装置21によって、背景部電位V0(V)に帯電される。その後、露光装置22によって露光光が照射されると、感光体ドラム20の表面電位が、印刷される画像に応じて背景部電位V0から最大で画像部電位VL(V)まで変化される。一方、現像ローラー231には、現像バイアスの直流電圧Vdcが印加されるとともに、直流電圧Vdcに不図示の交流電圧が重畳されている。
このような反転現像方式の場合、表面電位V0と現像バイアスの直流成分Vdcとの電位差が、感光体ドラム20の背景部へのトナーかぶりを抑制する電位差である。一方、露光後の表面電位VLと現像バイアスの直流成分Vdcとの電位差が、感光体ドラム20の画像部に、プラス極性のトナーを移動させる現像電位差となる。更に、現像ローラー231に印加される交流電圧によって、現像ローラー231から感光体ドラム20へのトナーの移動が促進される。
一方、個々のトナーは、現像ハウジング230内で循環搬送される間に、キャリアとの間で摩擦帯電する。それぞれのトナーの帯電量は、上記の現像バイアスによって感光体ドラム20側に移動するトナー量(現像量)に影響する。したがって、画像形成装置10においてトナーの帯電量が精度よく予測することが可能になると、印字枚数、環境変動、印字モードおよび印字率などに応じて現像バイアスやトナー濃度を調整することで、良好な画質を維持することができる。このため、従来からトナーの帯電量を精度よく予測することが望まれていた。
<トナー帯電量の予測について>
本発明者は、上記の様な状況に鑑み鋭意検討し続けた結果、現像バイアスの交流電圧の周波数を変化させた場合、トナーの現像量の変化がトナーの帯電量によって異なることを新たに知見した。具体的に、トナーの帯電量が低い場合は、交流電圧の周波数を増大させるとトナーの現像量が増加する。一方、トナーの帯電量が高い場合は、交流電圧の周波数を増大させるとトナーの現像量が減少することを新たに知見した。この特性を利用することで、交流電圧の周波数を変化させた際の画像濃度の変化を測定することによって、トナーの帯電量を精度よく予測することが可能となった。
図4は、本実施形態に係る画像形成装置10において、現像バイアスの周波数と画像濃度との関係を示したグラフである。図5は、本実施形態に係る画像形成装置10において、図4のグラフの傾きとトナー帯電量との関係を示したグラフである。
現像ローラー231に印加される現像バイアスの直流電圧と感光体ドラム20の静電潜像との間の直流電圧における電位差を一定に保持し、現像バイアスの交流電圧のピーク間電圧Vpp、デューティ比をそれぞれ固定した状態で、同交流電圧の周波数を変化させる。この結果、現像ローラー231上のトナーの帯電量に応じて、濃度センサー100によって検出されるトナー像の画像濃度が異なる傾向を示す(図4)。すなわち、図4に示すように、トナーの帯電量が27.5μc/gの場合、周波数fが小さくなると画像濃度が低くなる。一方、トナーの帯電量が34.0μc/g、37.7μc/gの場合、周波数fが小さくなると画像濃度が高くなる。そして、トナーの帯電量が小さくなるほど、図4に示されるグラフの傾きが大きくなる。図5を参照して、図4の3つのグラフの傾きと各トナー帯電量との関係は、直線(近似直線)上に分布する。したがって、図5に示される情報が予め記憶部983に格納され、図4に示される直線の傾きが後記の帯電量測定モードにおいて導出されれば、その際のトナーの帯電量を測定(予測)することが可能となる。
<トナーの帯電量の予測効果について>
本実施形態では、トナーの帯電量を予測するために、感光体ドラム20上の表面電位を測定する表面電位センサーを備える必要がない。また、トナーの帯電量を予測するために、現像バイアスに応じて現像ローラー231に流入する電流を測定する必要がない。このため、表面電位センサーの汚れや、キャリアの抵抗変化によって現像ローラー231に流入する電流の変化の影響を受けることなく、安定してトナーの帯電量を予測することが可能になる。このため、画像形成装置10において印字される画像濃度が低下した場合、現像装置23のトナー濃度を上昇させることでトナーの帯電量を低下させることで画像濃度を増大させることが望ましいか、現像ニップ部NPにおける現像電位差(Vdc−VL)を増大させることで画像濃度を増大させることが望ましいかの選択が容易となる。
一般的に、画像形成装置10において画像濃度が低下する原因は、「現像電位差の低下」、「規制ブレード234を通過する現像剤の搬送量低下」、「キャリア抵抗の上昇」、「トナー帯電量の上昇」などが考えられる。この中で、トナー帯電量の上昇以外の要因が原因の画像濃度低下に対して、トナーの帯電量を低下させるためにトナー濃度を上昇させてしまうと、新たにトナー飛散などの不具合が発生する可能性がある。トナー帯電量の上昇が原因の画像濃度低下に対しては、トナー濃度を上昇させることでトナー帯電量を低下させることが望ましく、その他の要因が原因の画像濃度低下に対しては、現像電界(現像バイアス)を増大することが好ましい。また、トナー帯電量を把握することで、二次転写ローラー145に付与される転写電流の最適化も可能となるため、画像形成装置10のシステム全体をより安定させることが可能となる。
<周波数とトナー帯電量との関係について>
本発明の発明者は、現像バイアスの交流電圧の周波数を変化させた場合の画像濃度の変化について、トナー帯電量が下記のように寄与するものと推定する。
(1)トナー帯電量が低い場合
トナーの帯電量が低い場合、トナーとキャリアとの間に働く静電付着力が小さいため、トナーはキャリアからは離れやすい。しかしながら、現像バイアスの交流電圧の周波数が小さくなると、現像ニップ部NPにおけるトナーの往復移動回数が低下する。このため、画像濃度が低下する。なお、周波数が小さくなると、交流電圧の1周期あたりのトナーの往復移動距離が増大するが、トナーの帯電量が低い場合、トナーの元々の移動距離が少ないため、画像濃度の低下への影響は少ない。このように、トナーの帯電量が低い場合には、現像バイアスの交流電圧の周波数が小さくなると、画像濃度は低下する。
(2)トナー帯電量が高い場合
上記のように現像バイアスの交流電圧の周波数が小さくなると、現像ニップ部NPにおけるトナーの往復移動回数が低下するが、トナーの帯電量が高い場合、もともとトナーがキャリアから外れにくいため、当該往復移動回数の低下の影響は少ない。一方、周波数が低下すると、交流電圧の1周期あたりのトナーの往復距離が増大するため、高いトナーの帯電量に応じて画像濃度が増大する。このように、トナーの帯電量が高い場合には、現像バイアスの交流電圧の周波数が小さくなると、画像濃度は増大する。
<トナーの帯電量測定モード(帯電量取得動作)について>
図6は、本実施形態に係る画像形成装置10において実行される帯電量測定モードのフローチャートである。図7は、帯電量測定モード時に感光体ドラム20上に形成される測定用トナー像の模式図である。
図6を参照して、帯電量測定モードが開始されると(ステップS01)、モード制御部984が現像バイアスの交流電圧の周波数を変化させるための変数nをn=1に設定する(ステップS02)。そして、モード制御部984は、駆動制御部981およびバイアス制御部982を制御して、予め設定された基準現象バイアスを印加した状態で、現象ローラー231を1回転以上回転させた後、現像バイアスの交流電圧の周波数を第1の周波数(n=1)に設定する(ステップS03)。なお、当該基準現象バイアスは、帯電量測定モードが直前の画像形成の履歴の影響を受けないために設定される。通常、この基準現像バイアス条件には、印字(画像形成)に使用する際のバイアスが適用される。なお、基準現像バイアスとして直流電圧のみが適用されると、上記の履歴の解消効果が弱いので、直流電圧および交流電圧が重畳的に適用されることが望ましい。
次に、交流電圧の周波数が前記第1の周波数に設定された現像バイアスで、予め設定された測定用トナー像が現像され(ステップS04)、当該トナー像が感光体ドラム20から中間転写ベルト141に転写される(ステップS05)。そして、当該測定用トナー像の画像濃度が濃度センサー100によって測定され(ステップS06)、第1の周波数の値とともに、取得された画像濃度が記憶部983に記憶される(ステップS07)。
次に、モード制御部984は、周波数に関する変数nが予め設定された規定回数Nに到達したか否かを判定する(ステップS08)。ここで、n≠Nの場合(ステップS08でNO)には、nの値が1つカウントアップされ(n=n+1、ステップS09)、ステップS03からS07までが繰り返される。なお、帯電量測定の精度を高くするためには、規定回数N=2以上であることが望ましく、3≦Nに設定されることが更に望ましい。一方、n=Nの場合(ステップS08でYES)には、モード制御部984が、記憶部983に記憶された情報に基づいて、図4に示される近似直線の傾きを算出する(ステップS10)。そして、モード制御部984は、記憶部983に格納されている図5に示されるグラフ(参照情報)に基づいて、上記の傾きからトナーの帯電量を推定し(ステップS11)、帯電量測定モードを終了する(ステップS12)。
図7では、規定回数N=3の場合に、周波数fが増大されることによって、測定用トナー像の画像濃度が上昇している例を示している。この場合、トナーの帯電量は、図4の27.5μc/gのように相対的に低めである。
なお、N=2の場合に、ステップS06において測定される画像濃度がそれぞれ、ID1、ID2と定義される。また、第1の周波数がf1(kHz)、第2の周波数がf2(kHz)(f2<f1)と定義される。この場合、図4に示される直線の傾きaは、式1で算出される。
傾きa=(ID1−ID2)/(f1−f2)) ・・・(式1)
傾きaはトナー帯電量によって異なり、トナー帯電量が低いと「正(+)」となり、トナー帯電量が低いと「負(−)」となる。なお、3≦Nの条件で測定する場合には、最小自乗法で求めた1次式の近似直線の傾きを用いればよい。また、図5に示される参照情報は、式2で示される。
Q/M=A×直線の傾き+B ・・・(式2)
ここで、AおよびBは、現像剤固有の値であり、予め実験によって決定されている。Q/Mは、単位質量あたりのトナー帯電量を意味する。ステップS10において式1から算出された近似直線の傾きaを式2に代入すれば、トナー帯電量Q/Mが算出される。なお、図6に示される帯電量測定モードは、図1の各色の現像装置23に対してそれぞれ実行されてもよく、またモード実行中に設定される周波数は現像装置23毎に固有の値に設定してもよい。特に、画像形成装置10の周辺の温湿度や耐久枚数に応じて望ましい周波数が既知の場合には、モード実行中に設定される周波数は当該既知の周波数の近傍で設定されてもよい。また、前回のトナー帯電量測定モードの結果を参照して、新たな測定モードに用いられる周波数が選定されても良い。この場合、測定されるトナー帯電量の精度を高めることができる。
<帯電量測定モードの実行タイミングについて>
本実施形態に係る帯電量測定モードの実行タイミングは、自動によって開始されるものと手動によって開始されるものとがある。自動による帯電量測定モードは、後記のとおりトナーの帯電量に応じて変化する所定の実行タイミングで行われる。
なお、濃度センサー100が主走査方向(感光体ドラム20の軸方向)において複数配置され、当該濃度センサー100の位置に応じて測定用トナー像がそれぞれ形成されることが更に望ましい。すなわち、感光体ドラム20の軸方向の両端部に対応してそれぞれ測定用トナー像が形成される場合、現像装置23(現像ローラー231)の両端部におけるトナー帯電量をそれぞれ予測することができる。そして、この両端部でのトナー帯電量の差が予め設定された閾値よりも大きい場合には、現像装置23内での荷電性能が悪化している可能性がある。したがって、モード制御部984は、画像形成装置10の不図示の表示部などを通じて、現像装置23の交換や、現像剤の交換を促すことが可能となる。
更に、画像形成装置10が製造後に工場から出荷される時と、画像形成装置10の使用場所において実行される本体セットアップ時に、上記の帯電量測定モードがそれぞれ実行されることが望ましい。この結果、画像形成装置10の休止期間中の影響を予測する事も可能になる。すなわち、現像剤は、休止期間が長いと帯電量が低くなる傾向にあり、この傾向は放置された期間や環境によってそのレベルが異なることが多い。したがって、工場出荷時および本体セットアップ時のトナー帯電量がそれぞれ測定されることで、現像剤の放置による劣化状態が予測され、放置時間が非常に長い場合や劣悪環境に放置されていた場合は、この2つのトナー帯電量(工場出荷時と本体セットアップ時のトナー帯電量)の差が大きく検出される。この様な場合には、上記と同様に使用場所において現像剤の入れ替えを促すことができる。
一方、工場出荷時および本体セットアップ時のトナー帯電量が低くても、両者のトナー帯電量の差が小さい場合には、現像剤が劣化している可能性は低い。このため、使用場所において現像剤を入れ替える必要はなく、トナー濃度や現像条件(現像バイアスなど)を調整することで、画質を向上させることができる。以上のように、本実施形態に係るトナー帯電量測定モードが、画像形成装置10が使用されない状態で所定の期間放置された後に実行されることで、現像剤の状態変化を把握することが可能となる。
図6に示すような帯電量測定モードを実行する場合、感光体ドラム20上に測定用トナー像を含む画像パターンが形成される。トナーの帯電量を精度良く測定するためには、頻繁に測定用トナー像を形成することが望ましいが、この場合、通常の画像形成動作が実行できない時間が増大するとともに、測定時に消費するトナー量が増大する。このため、トナーの帯電量を測定するタイミングを効率的に決定することが重要となる。本実施形態では、このような問題を解決するために、モード制御部984が、効率的な帯電量測定モードの実行タイミングを決定する。
図8は、本実施形態に係る画像形成装置10において実行される帯電量予測モードのフローチャートである。当該帯電量予測モードには、前述の帯電量測定モードが含まれている。モード制御部984は、所定の実行タイミングで当該帯電量予測モードを実行する。
図8を参照して、上記の実行タイミングとなると、モード制御部984は、記憶部983に格納されるとともに更新可能なFLAGの値を1に更新する(図8のステップS21)。当該FLAG=1は、後記の現像剤回復モードが未実施であり、帯電量測定モードの再実行が未実施である状態を意味する。次に、モード制御部984は、前述の帯電量測定モード(図6)を実行する(図8のステップS22)。この結果、モード制御部984は、図6のステップS11から得られたトナーの帯電量を、実測帯電量qaとして決定する(図8のステップS23)。
次に、判定部985が、今回の実行タイミングにおいて取得したトナーの帯電量(実測帯電量qa)と、記憶部983内の帯電量推移情報に含まれる、今回の実行タイミングに対応するトナーの帯電量(予測帯電量qp)との大小関係を比較する(ステップS24)。ここでは、実測帯電量qaと予測帯電量qaとの差の絶対値が、予め設定された閾値ΔQよりも小さいか否かで判定される。一例として、ΔQ=3μc/gに設定されている。
そして、ステップS24において、実測帯電量qaと予測帯電量qaとの差の絶対値が、予め設定された閾値ΔQ以下の場合(ステップS24でYES)、モード制御部984は、先の帯電量測定モードにおいて取得した実測帯電量qaを現在のトナーの帯電量(最新帯電量qr)とする(ステップS25)。その後、モード制御部984は、当該最新帯電量qrを現在の耐久枚数PV(枚)とともに記憶部983に格納する。更に、モード制御部984は、最新帯電量qrを含め記憶部983に格納されているトナーの帯電量と対応する耐久枚数PVとの情報から、最新の帯電量予測式(帯電量推移情報)を取得する。換言すれば、モード制御部984は、最新帯電量qrによって既存の帯電量予測式を修正する(ステップS26)。その後、モード制御部984は、修正後の最新の帯電量予測式に基づいて、次回の帯電量測定モードのモード実行時期(実行タイミング)を決定し(ステップS27)、帯電量予測モードを終了する。ステップS27において決定されたモード実行時期になると、ステップS21以下の帯電量予測モードが実行される。なお、本実施形態に係る帯電量推移情報に相当する数式については、後記で詳述する。
なお、ステップS24において、実測帯電量qaと予測帯電量qpとの差の絶対値が、予め設定された閾値ΔQよりも大きい場合(ステップS24でNO)、判定部985は、記憶部983に格納されているFLAGの値が3か否かを判定する(ステップS28)。前述のように所定の実行タイミングで1回目の帯電量測定モードが実行された場合、これに先だってステップS21においてFLAG=1とされている。このため、判定部985は、ステップS28でNOと判定する。更に、判定部985は、記憶部983に格納されている前記FLAGの値が2か否かを判定する(ステップS29)。上記と同様の理由(FLAG=1)により、判定部985は、ステップS29でNOと判定する。この結果、モード制御部984は、記憶部983に記憶されているFLAGを2に更新する(ステップS30)。当該FLAG=2は、後記の現像剤回復モードが未実施であり、帯電量測定モードの再実行を指示するための状態を意味する。
その後、ステップS30から再びステップS22に進むと、2回目の帯電量測定モードが実行される(再実行)。このステップS24、S28、S29、S30およびS22へのフローは、1回目の帯電量測定モードで取得された実測帯電量qaと予測帯電量qpとの差が大きいために、帯電量測定モードの誤動作の可能性を踏まえて、帯電量測定モードの再実行を行うものである。
2回目の帯電量測定モードにおいて、実測帯電量qaと予測帯電量qpとの差がΔQ以下の場合には、1回目の場合と同様に、ステップS25〜S27に進む。一方、2回目の帯電量測定モードにおいても、実測帯電量qaと予測帯電量qpとの差がΔQよりも大きい場合には、FLAG=2(ステップS30)であることから、判定部985がステップS29でYESと判定し、モード制御部984が現像剤回復モードを実行する(ステップS31)。なお、当該現像剤回復モードとは、現像装置23の内部の現像剤に含まれるトナーを可能な限り排出し、トナー補給部15から新たなトナーを現像装置23に流入させるモードである。このため、感光体ドラム20上にトナー消費用のパッチ、バンドが形成され、現像ローラー231から感光体ドラム20に排出すべきトナーが移動する。これと並行して、トナー補給部15から現像装置23にトナーが補給されることで、所定の時間の間に、徐々に現像装置23内のトナーが入れ替わっていく。なお、モード制御部984は、現像剤回復モードの実行後に、記憶部983のFLAGを3に更新する(ステップS32)。その後、ステップS22の帯電量測定モード以降のフローが繰り返される。
なお、ステップS31における現像剤回復モードによって、現像装置23内のトナーがリフレッシュされたにも関わらず、その後のステップS24において、実測帯電量qaと予測帯電量qpとの差がΔQよりも大きい場合には、FLAG=3(ステップS32)であることから、判定部985がステップS28においてYESと判定する。この場合、画像形成装置10における長期の画像形成動作の中断を防止するために、ステップS25以下のフローが実行される。なお、この場合、実測帯電量qaと予測帯電量qpとの差がΔQよりも大きいにも関わらず、帯電量予測モードが一見正常終了することになるため、当該情報が画像形成装置10の不図示の表示部やインターネット、電話回線を通じてサービスセンターなどに報知されることが望ましい。
図9は、本実施形態に係る画像形成装置10におけるトナーの帯電量測定結果(実測帯電量qa)および帯電量予測結果(予測帯電量qp)の耐久枚数PV(枚)に応じた推移を示したグラフである。本実施形態では、トナーの帯電量qの推移(現像剤の帯電量推移情報)は、下記の式3によって表される。
q=Qm−(Qm−Qo)exp(−T0.5/τ) ・・・(式3)
式3において、Qmは長期の使用によってやがて飽和する(行き着く)トナーの帯電量である飽和帯電量を表しており、Qoはトナーの初期の帯電量を表している。なお、Qmはトナーおよびキャリアの材料に大きく依存し、現像剤の仕様にあわせて既知の値として記憶部983に格納されている。また、Qoは画像形成装置10の使用開始時(現像装置23に投入される現像剤の使用開始時)に、モード制御部984が図6の帯電量測定モードを実行しトナーの帯電量が取得された際に、初期帯電量Qoとして記憶部983に格納される。式3によって表されるトナーの帯電量qの推移が、前述のように図9の予測帯電量qpに示されている。また、式3のτは、トナーの帯電量の推移を決定する定数であり、モード制御部984によって随時更新される。
本実施形態では、式3を用いて、トナーの帯電量の推移が予測される。たとえば式3において、Tを印字枚数(枚)(耐久枚数ともいう)とした場合、T=1におけるトナーの帯電量が29.5μc/gであったとすると、モード制御部984は、式3のTに「1」を代入する。そして、モード制御部984は、式3の帯電量qと測定されたトナーの帯電量qa(29.5)との差がもっとも小さくなるτを最小二乗法で求める。この結果、T=1におけるτが導出される。たとえば、最小二乗法によって、τ=39.4が導出される。式3において、Qm、Qoおよびτが既知となったため、式3は、qとT(=PV)との関係を示す数式となり、図9に示されるような現像剤(トナー)の帯電量qの推移を示す情報となる。このように、所定のタイミングでτが演算されることで、トナーの帯電量qの推移が精度良く予測可能とされる。なお、T=0の場合は、測定帯電量=計算帯電量となるため、上記のような計算は不要である。
次に、一例として、T=100000(枚)までのτの導出手順について更に詳述する。なお、ここでは、Tとして、印字枚数が選択されているが、Tは現像装置23(現像ローラー231)の駆動時間でもよい。また、現像装置23に対するトナーの補給量や総消費量をもってTが代替えされてもよい。表1は、各Tにおける帯電量測定結果qa(帯電量測定モードで測定された帯電量、実測帯電量qa)、帯電量予測結果qp(予測帯電量qa)および帯電量予測修正結果qp’およびτの値を示している。
表1のように、所定の印字枚数Tにおける帯電量の計算予測結果には、帯電量予測結果qpと、帯電量予測修正結果qp’の2種類がある。帯電量予測結果qpは、前述の式3を用いて、トナーの帯電量を予測した結果である。一方、帯電量予測修正結果qp’は、印字枚数Tにおける帯電量測定結果qaを用いてτを再計算し、この新しいτによって、その時点でのトナーの帯電量qを再度予測したものである。
前述のように、式3の初期帯電量Qoは、機械設置時に帯電量測定モードを行った際のトナーの帯電量である。なおQoは未使用状態のトナーの帯電量であるため、上記のような帯電量測定モードによらず、Qmと同様に記憶部983に予め記憶されてもよい。画像形成装置10における印字動作が進み、T=1000枚になると、モード制御部984が帯電量測定モードを実行し、トナーの帯電量q(=qa)が取得される。この結果、モード制御部984は、T=0およびT=1000におけるトナーの帯電量を用いて、式3によるトナーの帯電量の計算結果(予測帯電量qp)と帯電量測定モードによって得られたトナーの各帯電量(実測帯電量qa)の差が一番小さくなるτを最小二乗法によって求める。ここでは、表1に示すようにτ=112.4μc/gとなった。そして、この新たなτによって式3を更新し、再計算されたトナーの帯電量(帯電量予測修正結果qp’)は25.1μc/gとなった。また、ここで得られた最新のτ=112.4を式3に代入することで、トナーの帯電量qと印字枚数Tを変数とする式が得られ、以後のトナーの帯電量の予測推移が得られる。
上記と同様に、画像形成装置10における印字動作が進み、T=5000枚になると、モード制御部984が帯電量測定モードを実行し、トナーの帯電量q(=qa)が取得される。この結果、モード制御部984は、T=1000およびT=5000におけるトナーの帯電量qを用いて、式3によるトナーの帯電量の計算結果(予測帯電量qp)と帯電量測定モードによって得られたトナーの各帯電量(実測帯電量qa)の差が一番小さくなるτを最小二乗法によって求める。ここでは、表1に示すようにτ=102.9となった。そして、この新たなτによって式3を更新し、再計算されたトナーの帯電量(帯電量予測修正結果qp’)は20.1μc/gとなった。なお、T=1000におけるτ=112.4を用いた場合のトナーの帯電量(帯電量予測結果qp)は20.7μc/gとなった。このようにτが再計算されることで、トナーの帯電量の予測結果も更新される。
上記と同様に、画像形成装置10における印字動作が進み、T=10000枚になると、モード制御部984が帯電量測定モードを実行し、トナーの帯電量q(=qa)が取得される。この結果、モード制御部984は、T=1000およびT=5000およびT=10000におけるトナーの各帯電量を用いて、式3によるトナーの帯電量の計算結果(予測帯電量qp)と帯電量測定モードによって得られたトナーの帯電量(実測帯電量qa)の差が一番小さくなるτを最小二乗法によって求める。ここでは、表1に示すようにτ=107.3となった。このような計算が各印字枚数Tにおいて繰り返されることで、τの値が一定の値に収束していく。
このように、帯電量予測結果qpを用いることで、新たな実測帯電量qaが測定されるまでの間、トナーの帯電量を予測するができる。一方、帯電量測定モードが実行されると、新たなトナーの帯電量(実測帯電量qa)を用いて新しいτが演算され、トナーの予測帯電量も予測修正帯電量qp’に修正されるため、精度の高い予測結果が得られる。
なお、図8のステップS27において、モード制御部984は、次回の帯電量測定モード(帯電量予測モード)の実行タイミングを決定する。記憶部983には、前記実行タイミングを決定するために予め設定されたトナーの帯電量であるタイミング決定用帯電量qtが複数格納されている。当該、複数のタイミング決定用帯電量qtは、所定の間隔をおいて設定されている(たとえば、20.0/17.5/15.0/12.5μc/g)。図8のステップS26において得られた式3のqに、タイミング決定用帯電量qtが代入されると、次回の実行タイミングT=TNが導出される。したがって、モード制御部984は、画像形成装置10における印字枚数がTNに達すると、図8の帯電量予測モードを実行する。なお、複数のタイミング決定用帯電量qtは、1度使用されると、次の値が準備される。
本実施形態では、モード制御部984(帯電量取得部)は、非現像動作時に、濃度センサー100によって検出される複数の測定用トナー像の濃度に基づいて、感光体ドラム20上に形成された測定用トナー像に含まれるトナーの帯電量q(=qa)を取得する。このため、画像形成に伴う現像動作とは異なる時に、測定用トナー像を用いてトナーの帯電量を精度良く取得することができる。また、モード制御部984は、記憶部983に記憶される過去のトナーの帯電量から、当該トナーの帯電量の今後の推移に関する帯電量推移情報(式3)を取得する。更に、モード制御部984は、帯電量推移情報と記憶部983に記憶されたタイミング決定用帯電量qtとから、今後に実行される帯電量測定モードのための実行タイミングTNを決定する。このように、実際に測定されたトナーの帯電量を反映させた帯電量推移情報に基づいて、今後の帯電量測定モードの実行タイミングが決定されるため、実際のトナーの帯電量とは関係なく予め設定された実行タイミングで帯電量測定モードが実行される場合と比較して、トナーの帯電量の変化を効率的に測定することができる。換言すれば、トナーの帯電量の変化が少ない時期に、帯電量測定モードが過剰に実行されることが防止される。
また、本実施形態では、モード制御部984は、一の実行タイミングにおいて取得した前記トナーの帯電量qaと、前記帯電量推移情報(式3)に含まれる前記一の実行タイミングに対応する前記トナーの帯電量qr(たとえば式3に印字枚数Tを代入することで取得される)との差が、予め設定された閾値ΔQよりも大きい場合に、前記帯電量測定モードの再実行または前記トナーの帯電量を調整する現像剤回復モード(帯電量調整動作)を実行する。このような構成によれば、予測されるトナーの帯電量qrと実際に測定されたトナーの帯電量qaとの差が大きい場合には、帯電量測定モードの誤作動の可能性があるため、帯電量測定モードの再実行を行うことができる。また、帯電量測定モードに誤りがない場合には、現像剤回復モードが実行されることで、トナーの帯電量を速やかに調整することができる。
また、本実施形態では、モード制御部984は、前記帯電量測定モードにおいて前記トナーの帯電量qaが取得されると、当該取得された前記トナーの帯電量qaによって前記帯電量推移情報(式3)を更新する。このため、実際に測定された最新のトナーの帯電量を用いて帯電量推移情報を更新することができる。このため、今後のトナーの帯電量の推移を精度良く予測することができる。
また、モード制御部984は、前記トナーの帯電量に対応する変数qと、前記現像ローラーの駆動時間に対応する変数Tとから構成される数式(式3)を含む。このような構成によれば、トナーの帯電量に対応する変数と現像ローラーの駆動時間に対応する変数を含む数式を利用して、トナーの帯電量の推移を精度良く予測することができる。
また、本実施形態に係る帯電量測定モードでは、感光体ドラム20上の電位を測定する表面電位センサーや現像ローラー231に流入する現像電流を測定する電流計を用いることなく、現像装置23に収容されるトナーの帯電量qを取得することができる。この結果、現像装置23の現像剤交換の要否や現像バイアスの調整の必要性を精度良く判断することができる。
特に、記憶部983に格納されている参照情報は、トナーの帯電量が第1の帯電量である場合に参照用直線の傾きが負であり、トナーの帯電量が第1の帯電量よりも小さな第2の帯電量である場合に参照用直線の傾きが正であり、更に、トナーの帯電量の低下とともに参照用直線の傾きが増大するように設定されている。このような構成によれば、現像バイアスの交流電圧の周波数と感光体ドラム20(中間転写ベルト141)に形成されるトナー像の濃度(現像トナー量)との関係から、トナーの帯電量を精度良く取得することができる。
なお、式3のexp(−t0.5/τ)について、従来、球が平面を転がる時に、平面と接触していない表面積の変化を表す場合、理論上、exp(−t/τ)が使用されていた。しかし、本発明者は、種々実験の結果、exp(−t/τ)よりも、exp(−t0.5/τ)の方が、現実的なトナーの帯電量の変化を表していることを知見し、この式を用いている。なお、上記の理論的なexp(−t/τ)を用いてもよい。
<現像剤の寿命判定について>
更に、本実施形態では、モード制御部984が上記の式3を用いて、現像剤の寿命判定を実行する。すなわち、記憶部983は、予め現像剤の下限帯電量Qn(μc/g)(図9)を記憶している。一例として、下限帯電量Qn=15μc/gに設定されている。なお、下限帯電量Qnは、安定した画像を得るために予め設定されたトナーの帯電量の下限値である。たとえば、モード制御部984は、前述の手順で導出されたτ(=39.4μc/g)を式3に代入し、q=Qnとなる印字枚数Tを算出する。この印字枚数Tが、下限帯電量Qnに達すると予想される印字枚数、すなわち現像剤寿命(現像剤ライフ)となる。このように、本実施形態では、モード制御部984は、式3に代表される帯電量推移情報と予め記憶部983に格納される下限帯電量Qn(寿命決定用帯電量)とから、現像剤が寿命に至る寿命時期を予想する。なお、モード制御部984は、当該予想された現像剤の寿命時期よりも予め早く設定された時期に、現像剤の寿命に関する警告情報を画像形成装置10の不図示の表示部やサービスセンターに出力することが望ましい。この結果、現像剤が寿命に達する前に、交換用の現像剤を準備することが可能となる。また、画像形成装置10の使用者の月平均印字枚数や、月印字枚数のばらつきなどの情報が既知の場合には、これらの値を踏まえた、上記の警告情報を報知してもよい。以上のように、本実施形態では、記憶部983に記憶されるとともに随時更新される式3の情報(帯電量推移情報)を利用して、現像剤の寿命時期を予測することができる。また、現像剤の寿命時期に近づくと、予め警告情報が出力されることで、使用者やメンテナンス作業者に寿命時期を認知させることができる。
なお、上記の実施形態では、式3が、トナーの帯電量q(トナーの帯電量に対応する変数)と、印字枚数T(前記現像ローラーの駆動時間に対応する変数)とから構成される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図2に示すように、現像装置23は、現像ハウジング230に備えられたトナーセンサーTSを備えるものでも良い。トナーセンサーTSは現像装置23内の現像剤のトナー濃度を検出し、当該トナー濃度に応じた信号を出力する。トナーセンサーTSは公知の透磁率センサーや圧力センサーなどから構成される。
このような場合、帯電量測定モードによって取得されたトナーの帯電量(実測帯電量qa)が、トナー濃度TCによって補正可能とされる。たとえば、トナーの帯電量qとトナー濃度TCとの積は、ほぼ一定であることから、トナー濃度補正後のトナーの帯電量をqa’は、以下の式4によって補正される。
qa’=qa×TC/TC’ ・・・(式4)
なお、式4においてTC’は、基準となるトナー濃度であって、予め記憶部983に記憶されている。一例として、TC’=6.8%である。このような補正によれば、トナー濃度の影響をうけずに、現在のトナーの状態を表した帯電量qを取得することができる。
更に、図6の帯電量測定モード(図8のステップS22、S23)において取得されるトナーの帯電量をトナー濃度によって補正する方法として、以下のような方法をとることもできる。具体的には、トナーの帯電量Q/Mとトナー濃度TCとの間には、下記の式5の関係が成り立つ。
M/Q=J×TC+K ・・・(式5)
なお、JおよびKは所定の定数である。このような関係を用いて、モード制御部984がトナーの帯電量のトナー濃度補正を実行する場合は、以下の様な手順で行う。
まず、モード制御部984は、現像装置23に備えられた前述のトナーセンサーTSから、現像装置23内のトナー濃度TCのデータを取得する。また、モード制御部984は、トナーの帯電量qaを帯電量測定モードの結果から取得する。そして、モード制御部984は、これらのデータから、上記の式の定数Jおよび定数Kを算出し、式5を完成させる。この式5は、トナー濃度TCおよびトナーの帯電量qaが測定されるたびに更新されることが望ましい。そして、所定の印字枚数Tにおける定数JおよびKから、予め設定された基準トナー濃度TC’におけるトナーの帯電量qa’が算出される。この算出された帯電量qa’が、トナー濃度補正を加味したトナーの帯電量に相当する。図10は、画像形成装置10におけるトナーの帯電量測定結果と帯電量予測結果とを示したグラフである。表2は、図10に対応しており、各印字枚数Tにおける帯電量測定結果qa(帯電量測定モードで測定された帯電量、実測帯電量qa)、トナー濃度TC、上記の式5に基づくトナー濃度補正を行った帯電量測定結果qa’、帯電量予測結果qp(予測帯電量qa)および帯電量予測修正結果qp’およびτの値を示している。
表2および図10に示すように、帯電量測定モードによって取得された実測帯電量qaをトナー濃度TCによって補正することで、前述の式4と同様に、トナー濃度の影響をうけずに、現在のトナーの状態を表した帯電量を取得することができる。このように本実施形態では、画像形成装置10が、現像装置23に収容される前記現像剤における前記トナーの濃度を検出するトナーセンサーTS(トナー濃度検出部)を更に備え、記憶部983に格納される式5(帯電量推移情報)は、トナーの帯電量に対応する変数M/Qと、前記トナーの濃度に対応する変数TCとから構成される数式(式5)を更に含む。このような補正によって、トナーの帯電量の推移を更に精度良く予測することができる。
以下、実施例を挙げて本発明の実施形態につき更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、実施した比較実験での各実験条件は以下のとおりである。
<共通実験条件>
・プリント速度:55枚/分
・感光体ドラム20:アモルファスシリコン感光体(α−Si)
・現像ローラー231:外径20mm、表面形状ローレット溝加工、周方向に沿って80列の凹部(溝)が形成されている。
・規制ブレード234:SUS430製、磁性、厚み1.5mm
・規制ブレード234後の現像剤搬送量:250g/m
・現像ローラー231の感光体ドラム20に対する周速:1.8(対向位置でトレール方向)
・感光体ドラム20と現像ローラー231との間の距離:0.30mm
・感光体ドラム20の白地部(背景部)電位V0:+270V
・感光体ドラム20の画像部電位VL:+20V
・現像ローラー231の現像バイアス:周波数=6.0kHz、Duty=50%、Vpp=1000Vの交流電圧矩形波、Vdc(直流電圧)=200V
・トナー:正帯電極性トナー、体積平均粒子径6.8μm、トナー濃度8%
・キャリア:体積平均粒子径35μm、フェライト・樹脂コートキャリア
<現像剤について>
トナーは粉砕型トナー、コアシェル構造のトナーのどちらであっても同様の効果が確認されている。また、トナー濃度についても、3%から12%までの範囲で同様の効果が奏されることが確認された。交流電界によるトナーの移動は、磁気ブラシが細かいほどより顕著に起こりやすいことから、キャリアの体積平均粒子径は45μm以下が好ましく、30μm以上40μm以下がより好ましい。また、フェライトキャリアよりも真比重の小さい、樹脂キャリアの方がより好ましい。なお、実験中のトナーの帯電量の測定(実測)は、トレック社製の吸引式小型帯電量測定装置MODEL212HSを用いて行った。
<キャリアについて>
キャリアは、体積平均粒子径35μmのフェライトコアにシリコンやフッ素などをコーティングしたものであり、具体的には以下の手順で作成した。キャリアコアEF−35(パウダーテック社製)1000重量部に、シリコン樹脂KR−271(信越化学社製)20質量部をトルエン200質量部に溶解させて、塗布液を作製する。そして、流動層塗布装置により、塗布液を噴霧塗布した後、200℃で60分間熱処理して、キャリアを得た。この塗布液の中に、導電剤や荷電制御剤をそれぞれコート樹脂100部に対し、0〜20部の範囲で混合し、分散させることで、抵抗調整・帯電調整を行なっている。
上記の条件で、トナーの外添剤の量を変更することでトナーの帯電量を調整し、印字動作を行った。前述の図4、図5に、当実験の結果が示されている。なお、図4では、中間転写ベルト141上のトナー像の画像濃度が濃度センサー100によって測定され、予め取得されたトナー像の画像濃度(センサー出力)と印字紙(用紙)上に形成されるトナー定着画像の画像濃度との相関曲線を用いて、トナー像濃度をトナー定着画像のI.Dとして表している。
各トナー帯電量と図4の直線(近似直線)の傾きとの関係が図5に示されている。図5に示される近似直線の式6(下記)は、予め記憶部983に記憶されている。この式6を用いて、トナー帯電量の予測を行うことができる。
トナー帯電量Q/M(μc/g)=−442.32×傾き+29.87 ・・・(式6)
なお、式6の傾き=Δ画像濃度/Δ周波数(図4のグラフの傾き参照)
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を取り得る。
(1)上記実施形態では、現像ローラー231の表面にローレット溝加工が施される態様にて説明したが、現像ローラー231の表面に凹形状(ディンプル)を有するものや、ブラスト加工が施されたものでもよい。
(2)図1のように画像形成装置10が複数の現像装置23を有する場合、上記実施形態に係る帯電量測定モードを1つもしくは2つの現像装置23で行い、その結果を他の現像装置23で利用するものでもよい。
(3)更に、上記の実施形態では、帯電量測定モードにおいて、モード制御部984が測定用直線の傾きと記憶部983の参照情報とから感光体ドラム20上に形成された測定用トナー像に含まれるトナーの帯電量を取得する態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図11は、本発明の変形実施形態に係る現像装置23の断面図および制御部980の電気的構成を示したブロック図である。また、図12は、本変形実施形態に係る画像形成装置10において実行される帯電量測定モードのフローチャートである。
本変形実施形態では、画像形成装置10が、更に電流計973を備える。
電流計973は、現像ローラー231と現像バイアス印加部971との間を流れる直流電流を検出する。
モード制御部984は、帯電量測定モードにおいて、現像ローラー231と感光体ドラム20との間の直流電圧の電位差を一定に保持した状態で現像バイアスの交流電圧の周波数を変化させながら感光体ドラム20上に複数の測定用トナー像を形成する。そして、モード制御部984は、濃度センサー100によって検出される複数の測定用トナー像の濃度の差に対する複数の測定用トナー像が形成される際に現像ローラー231と現像バイアス印加部971との間を流れる現像電流の直流成分の差の比に基づいて、感光体ドラム20上に形成された測定用トナー像に含まれるトナーの帯電量を取得する。
図12を参照して、モード制御部984が帯電量測定モードを開始すると(ステップS41)、モード制御部984は複数の測定用トナー像を形成するための変数nをn=1に設定する(ステップS42)。そして、モード制御部984は、予め記憶部983に格納されているn=1に対応する画像1を選択する(ステップS43)。記憶部983には、画像nを形成するための静電潜像の画像情報や現像バイアスの交流電圧の周波数に関する情報が格納されている。なお、その他の画像形成動作に関するパラメータは、直前の画像形成動作時と同じ値に設定される。次に、モード制御部984は、露光装置22(図1)、駆動制御部981およびバイアス制御部982を制御して、画像1を形成するための現象バイアスを現像ローラー231に印加した状態で現象ローラー231を1回転以上回転させた後、感光体ドラム20上に画像1に対応する測定用トナー像の静電潜像を形成する。感光体ドラム20の回転に伴って、当該測定用トナー像が感光体ドラム20と現像ローラー231とが対向する現像ニップ部NPを通過する際に、静電潜像にトナーが供給され、測定用トナー像が現像される(ステップS44)。この現像動作時に、電流計973によって現像電流(直流電流)が測定される(ステップS45)。
その後、当該トナー像が感光体ドラム20から中間転写ベルト141に転写される(ステップS46)。そして、当該測定用トナー像の画像濃度が濃度センサー100によって測定され(ステップS47)、ステップS35で測定された現像電流の値とともに、取得された画像濃度が記憶部983に記憶される(ステップS48)。
次に、モード制御部984は、複数の測定用トナー像を形成するための変数nが予め設定された規定回数Nに到達したか否かを判定する(ステップS49)。ここで、n≠Nの場合(ステップS49でNO)には、nの値が1つカウントアップされ(n=n+1、ステップS50)、ステップS43からS49までが繰り返される。なお、帯電量測定の精度を高くするためには、規定回数N=2以上であることが望ましく、3≦Nに設定されることが更に望ましい。一方、n=Nの場合(ステップS49でYES)には、モード制御部984が、トナーの帯電量を推定し(ステップS51)、帯電量測定モードを終了する(ステップS52)。
なお、一例として、N=2の場合に、ステップS45において測定されるn=1、2の現像電流(直流電流)がそれぞれ、I1、I2と定義される。またステップS47において測定されるn=1、2の画像濃度がそれぞれ、ID1、ID2と定義される。この際、ステップS51におけるトナーの帯電量は、以下の式7から得られる傾きaに相当する。
傾きa=(I1−I2)/(ID1−ID2) ・・・(式7)
上記の傾きaは、横軸を画像濃度ID、縦軸を現像電流Iとして、n=1、2におけるデータ(ID、I)をそれぞれプロットした場合の2点を通る直線の傾きに相当する。なお、N=3以上の条件にてトナーの帯電量を測定する場合には、最小二乗法で求めた1次式の近似直線の傾きaをトナーの帯電量とする。
また、他の変形実施形態として、複数の測定用トナー像が形成される際に変化されるパラメータは、現像バイアスの交流電圧の周波数ではなく、露光装置22によって形成される静電潜像の印字率であってもよい。
すなわち、当該変形実施形態では、モード制御部984は、現像ローラー231と感光体ドラム20との間の直流電圧の電位差を一定に保持した状態で露光装置22を制御して単位面積あたりの印字率を変化させながら感光体ドラム20上に複数の測定用トナー像を形成する。そして、モード制御部984は、濃度センサー100によって検出される複数の測定用トナー像の濃度の差に対する複数の測定用トナー像が形成される際に現像ローラー231と現像バイアス印加部971との間を流れる現像電流の直流成分の差の比に基づいて、感光体ドラム20上に形成された測定用トナー像に含まれるトナーの帯電量を取得するものでもよい。なお、この場合も上記の変形実施形態と同様に、式7に基づいてトナーの帯電量が取得できる。
10 画像形成装置
100 濃度センサー(濃度検出部)
14 中間転写ユニット(転写部)
145 二次転写ローラー(転写部)
20 感光体ドラム(像担持体)
21 帯電装置
22 露光装置
23 現像装置
231 現像ローラー
971 現像バイアス印加部
972 駆動部
980 制御部
981 駆動制御部
982 バイアス制御部
983 記憶部
984 モード制御部(帯電量取得部、帯電量推移情報取得部)
985 判定部
TS トナーセンサー(トナー濃度検出部)

Claims (10)

  1. 回転され、表面に静電潜像が形成されるとともに、前記静電潜像が顕在化されたトナー像を担持する像担持体と、
    前記像担持体を所定の帯電電位に帯電する帯電装置と、
    前記帯電電位に帯電された前記像担持体の表面を所定の画像情報に応じて露光することで前記静電潜像を形成する露光装置と、
    所定の現像ニップ部において前記像担持体に対向して配置される現像装置であって、回転され周面にトナーおよびキャリアからなる現像剤を担持するとともに前記静電潜像が形成された前記像担持体にトナーを供給することで前記トナー像を形成する現像ローラーを含む現像装置と、
    前記像担持体上に担持された前記トナー像をシートに転写する転写部と、
    直流電圧に交流電圧が重畳された現像バイアスを前記現像ローラーに印加可能な現像バイアス印加部と、
    前記トナー像の濃度を検出する濃度検出部と、
    前記感光体ドラム上に前記トナー像が形成される現像動作時とは異なる非現像動作時に、所定の実行タイミングで、前記帯電装置、前記露光装置および前記現像バイアス印加部を制御して前記像担持体上に互いにトナー現像量の異なる複数の測定用トナー像を形成し、前記濃度検出部によって検出される前記複数の測定用トナー像の濃度に基づいて、または、当該複数の測定用トナー像の濃度に加え前記複数の測定用トナー像が形成される際に前記現像ローラーと前記現像バイアス印加部との間を流れる現像電流の直流成分に基づいて、前記像担持体上に形成された前記測定用トナー像に含まれるトナーの帯電量を取得する帯電量取得動作を実行する帯電量取得部と、
    前記帯電量取得部によって取得される前記トナーの帯電量を記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶される前記トナーの帯電量から、当該トナーの帯電量の今後の推移に関する帯電量推移情報を取得する帯電量推移情報取得部と、
    を備え、
    前記記憶部は、前記実行タイミングを決定するために予め設定された前記トナーの帯電量に関する情報であるタイミング決定用帯電量を更に記憶しており、
    前記帯電量推移情報取得部は、前記帯電量推移情報と前記タイミング決定用帯電量とから、今後に実行される前記帯電量取得動作のための前記実行タイミングを決定し、
    前記帯電量取得部は、前記決定された実行タイミングに応じて、前記帯電量取得動作を実行する、画像形成装置。
  2. 前記帯電量取得部は、一の実行タイミングにおいて取得した前記トナーの帯電量と、前記一の実行タイミングよりも前に前記帯電量推移情報取得部によって取得された前記帯電量推移情報に含まれる前記一の実行タイミングに対応するトナーの帯電量との差が、予め設定された閾値よりも大きい場合に、前記帯電量取得動作の再実行または前記トナーの帯電量を調整する帯電量調整動作を実行する、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記帯電量推移情報取得部は、前記帯電量取得部によって前記トナーの帯電量が取得されると、当該取得された前記トナーの帯電量によって前記帯電量推移情報を更新する、請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記記憶部は、前記現像剤の寿命を決定するために予め設定された前記トナーの帯電量である寿命決定用帯電量を更に記憶しており、
    前記帯電量推移情報取得部は、前記帯電量推移情報と前記寿命決定用帯電量とから、前記現像剤が寿命に至る寿命時期を予想し、更に、当該予想された前記現像剤の寿命時期よりも所定の期間早く設定された時期に、前記現像剤の寿命に関する警告情報を出力する、請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記帯電量推移情報は、前記トナーの帯電量に対応する変数と、前記現像ローラーの駆動時間に対応する変数とから構成される数式を含む、請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記現像装置に収容される前記現像剤における前記トナーの濃度を検出するトナー濃度検出部を更に備え、
    前記帯電量推移情報は、前記トナーの帯電量に対応する変数と、前記トナーの濃度に対応する変数とから構成される数式を更に含む、請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記記憶部は、前記現像ローラーと前記像担持体との間の直流電圧の電位差が一定に保持された状態で前記現像バイアスの交流電圧の周波数が変化された場合における当該周波数の変化量に対する前記トナー像の濃度変化量の関係を示す参照用直線の傾きに関する参照情報を、前記トナーの帯電量毎に予め格納し、
    前記帯電量取得部は、前記現像ローラーと前記像担持体との間の直流電圧の電位差を一定に保持した状態で前記現像バイアスの交流電圧の周波数を変化させながら前記像担持体上に前記複数の測定用トナー像を形成し、前記周波数の変化量に対する前記測定用トナー像の濃度変化量の関係を示す測定用直線の傾きを、前記周波数の変化量と前記濃度検出部による前記測定用トナー像の濃度検出結果とから取得するとともに、当該取得された測定用直線の傾きと前記記憶部の参照情報とから前記像担持体上に形成された測定用トナー像に含まれるトナーの帯電量を取得する、請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記記憶部に格納されている前記参照情報は、前記トナーの帯電量が第1の帯電量である場合に前記参照用直線の傾きが負であり、前記トナーの帯電量が第1の帯電量よりも小さな第2の帯電量である場合に前記参照用直線の傾きが正であり、更に、前記トナーの帯電量の低下とともに前記参照用直線の傾きが増大するように設定されている、請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記帯電量取得部は、前記現像ローラーと前記像担持体との間の直流電圧の電位差を一定に保持した状態で前記現像バイアスの交流電圧の周波数を変化させながら前記像担持体上に前記複数の測定用トナー像を形成し、前記濃度検出部によって検出される前記複数の測定用トナー像の濃度の差に対する前記複数の測定用トナー像が形成される際に前記現像ローラーと前記現像バイアス印加部との間を流れる前記現像電流の直流成分の差の比に基づいて、前記像担持体上に形成された測定用トナー像に含まれるトナーの帯電量を取得する、請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記帯電量取得部は、前記現像ローラーと前記像担持体との間の直流電圧の電位差を一定に保持した状態で前記露光装置を制御して単位面積あたりの印字率を変化させながら前記像担持体上に前記複数の測定用トナー像を形成し、前記濃度検出部によって検出される前記複数の測定用トナー像の濃度の差に対する前記複数の測定用トナー像が形成される際に前記現像ローラーと前記現像バイアス印加部との間を流れる前記現像電流の直流成分の差の比に基づいて、前記像担持体上に形成された測定用トナー像に含まれるトナーの帯電量を取得する、請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像形成装置。




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