JP6307517B2 - 振動測定方法及び干渉計 - Google Patents

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Description

本発明は、特許請求範囲の請求項1の前提部に係る振動測定方法に関する。
本発明はまた、特許請求範囲の請求項17の前提部に係る干渉計にも関する。
特に本発明は2または3方向の振動測定の方法に関し、また本願のための干渉計について記述する。
現在では、距離、表面形状、寸法、動き、及び振動などの幾何学的なサイズを測定するための光干渉法及び装置が多数ある。
ノルウェー国特許第314323号とそのパテントファミリーはその一例であり、干渉計といわゆる時間平均記録法を利用した、小さな構造物の振動測定のためのハードウェアとアルゴリズムが記述されている。これは、測定の感度方向が1つである2次元の方法である。
3次元測定のための3次元振動記録法及びシステムは、従来技術で知られている。
3次元測定の主な課題は、異なる方向間での振動位相関係を測定し、検出することである。物体が一定周波数と一定振幅で定常振動している場合には、例えば、先ずX方向、次にY方向、そして最後にZ方向というように一回に一方向の振動測定をすることが可能である。ただし、異なる方向間、また異なる測定間の位相関係を知ることは困難なことがある。
これを解決する一つの方法は、異なる方向の測定を同時に行い、異なる測定間の時間関係を求めることである。
調査中の物体が特定の方向から撮像されれば、例えば本出願人によるノルウェー国特許第314323号明細書に記述されているように、ほとんどの干渉計システムではこの観測方向での振動が測定される。その結果、レーザビームまたは他の(部分的に)可干渉性のある光源による物体の照明は、観測方向で一致する。観測方向に対して感度方向が垂直であるか少なくとも垂直成分を持っている面内観測に関しては、干渉法を利用する場合の照射は観察方向とは違う方向から通常行われる。感度方向が観察方向に対して垂直である面内観測の典型的な設定は、図1に示すように、それぞれの側面からの2つの照明光ビームで構成される。この場合には2つの照明光ビームの間の干渉によって干渉と干渉感度が実現されるので、干渉計における内部参照ビームは不要である。
図1の構成においては、測定は面内方向の1つで行うことができる。通常の方法では、次にこの物体を別の2つの光源によって別の方向から照射して、違う面内方向での感度を実現する。最初の2つの光源を、第2の記録のために新しい位置に移動させることも可能である。2つの方向から面内測定を行うこの方法の欠点は、照射光源用の空間が調査中の物体の周りに別々の方向から必要であることである。
従来技術による方法ではさらに、調査対象の物体の片側に自由空間が少なくて、ユーザが物体へアクセスすることが困難である。
2方向での面内測定のために、4つの照明光ビームを一度に2つまたは同時に4つ全てを使用する場合には、2つの面内方向測定間での位相関係の把握が複雑になることもある。
ストロボスコピック照明またはストロボスコピック画像法を用いた原理に基づく面内測定用のシステムもある。これらのシステムでは高周波測定に問題があり、また振幅分解能に制約があるという問題もある。
従って、小さな微視的物体振動の2次元記録と完全3次元記録の両方に利用可能な方法と干渉計が求められている。
従って、面内測定と面外測定の両方を遂行可能な方法と干渉計が求められている。
ノルウェー国特許第314323号明細書
本発明の主たる目的は、従来技術における上記の課題を解決する方法及び干渉計を提供することにある。
本発明の1つの目的は、物体の2又は3方向の振動測定を提供するように構成された方法及び干渉計を提供することにある。
本発明の別の目的は、2つの面内方向の間の振動の位相関係を提供する方法及び干渉計を提供することにある。
本発明の更なる目的は、2つの面内方向と第3の面外方向の間の振動の位相関係も提供する方法及び干渉計を提供することにある。
さらに、その物体へのユーザのアクセスを容易にするために、調査する物体の1つの側に自由空間がある方法及び干渉計を提供することも本発明の1つの目的である。
本発明の1つの目的は、物体を一度に1つ以上の可干渉性照明光ビームで照明して、一度に2つ以上の感度方向で物体を測定する方法及び干渉計を提供することである。
本発明の1つの目的は、面内測定と面外測定の両方を遂行可能な方法及び干渉計を提供することである。
本発明の更なる目的は、面内測定に3つの照明光ビームを使用し、その3つの照明光ビームの内の1つは2方向の面内測定に対して共通である方法及び干渉計を提供することである。
本発明の1つの目的は、面外方向の測定に2つの照明光ビームを使用して、その2つの照明光ビームの内の1つは参照ビームとして使用されるように構成された方法及び干渉計を提供することである。
本発明の更なる目的は、面外測定のための照明光または参照ビームの位相変調をするように構成された方法及び干渉計を提供することである。
本発明の1つの目的は、スペックルパターンを変化させるために、照明光ビーム経路内の拡散体が並進と回転のいずれか又は両方をできるように構成された方法及び干渉計を提供することである。
本発明の更なる目的は、大きな構造物に対しても適用可能であるが、特に小さな微視的物体における振動の完全な3次元記録を提供する方法及び干渉計を提供することである。
本発明の1つの目的は、位相変調と時間平均記録法を利用して全方向(面内及び面外)における高周波での測定を可能とすることである。
物体の2又は3方向の振動を測定する方法が請求項1に記述されている。この方法の好適な特徴が請求項2〜16に記述されている。
物体の2又は3方向の振動を測定する干渉計が請求項17に記述されている。この干渉計の好適な特徴が請求項18〜24に記述されている。
本発明は、調査中の物体の2又は3方向の振動測定のための方法及び干渉計を提供する。
具体的には本発明は、好ましくは座標系のX、Y、Z方向の3方向に感度を持つ測定を行うために物体が異なる方向から順番に照明される干渉計型の構成をした撮像システムの使用を含む、方法と干渉計を提供する。
これによって調査中の物体の完全な3次元ベクトル振動変位が提供される。
本発明によれば、物体は、例えばCCDアレイである検出器アレイ上に撮像することができる。
本発明によれば、物体はある時間においては1つの周波数で振動しており、この物体の振動励起は干渉計に配置された制御ユニットによって制御可能となっている。
本発明によれば、物体はある時間の間一定周波数かつ一定振幅で振動している。1秒未満から数分まで継続するこの期間に測定が行われる。
本発明は、検出器アレイが振動の1周期又は多周期にわたって露光される、いわゆる時間平均記録法を利用するようになっている。ただし本発明は、振動周期に比べて短い露光時間を持つ記録原理でも使用することが可能である。
本発明によれば、物体は、一度に1感度方向で、2つ以上の感度方向で測定される。ここで、物体は一度に1つ以上の可干渉照明光ビームで照明される。XYZ座標系内では、測定は好ましくはX方向、Y方向、Z方向に順番で行われる。XY平面が物体の面内方向を表すとすれば、Z方向は面外方向となり、Z測定は1つの照明光ビームで物体を照明し、かつそれに加えて参照ビームも使用して行われる。参照ビームは検出器アレイを直接照射するように拡大される。
面内測定に関しては、X方向に2つ、Y方向に2つの照明光ビームが使用されるが、この2方向に関しては照明光ビームの1つが共通となっている。
本発明によれば、干渉計が好ましくは変調器と制御ユニットを含んでいる。制御は物体の励起を制御し、また同時に参照変調も制御する。変調器は、物体の励起とX、Y、Zの全方向の測定のために印加される信号に対する時間参照のように作用する。
したがって本発明は、小さな微視的物体振動の2次元記録及び完全3次元記録の両方のために使用可能な方法と干渉計を記述する。本発明はまたより大きな構造物にも利用可能である。
したがって本発明による物体の2又は3方向の振動測定の方法は、2方向の面内振動を測定するために3つの照明光ビームを使用し、ここで3つの照明光ビームの内の1つは、2つの面内測定に対して共通であり、かつこの3つの照明光ビームは物体へのユーザのアクセスを容易にするために物体の一つの側に自由空間を提供するように構成されている。
この方法はさらに、物体の、面外方向である第3の方向における振動測定のために2つの照明光ビームを使用することを含む。ここで1つの照明光ビームは撮像対物レンズを介して物体を照明し、また1つの照明光ビームは参照ビームとして使用される。
この方法はさらに、物体が一度に1つの周波数で励起されることと、各方向への各記録に対して使用される2つの照明光ビームの内の1つに動的位相変調を与えるために1つ以上の位相変調器が使用されることとを含んでいる。
さらにこの方法は、2つの面内測定に対して同一の変調器を利用して、1つの照明光ビームが位相変調されるようにすることを含み、かつこの照明光ビームがその2つの面内測定に対して共通になっている。
さらにこの方法は、第3の面外方向の測定に同一又は異なる位相変調器を使用することを含み、ここで変調器はまた面外測定に使用される2つの照明光ビームの1つもまた位相変調する。
本方法は更に、面内測定用の照明光ビームに光拡散体を使用して、照明光ビームにおけるスペックルパターンを変化させるために拡散体を並進及び/又は回転によって運動させることを含むことができる。
本方法は更に、面外測定用の照明経路に光拡散体を使用し、かつ照明光ビームにおけるスペックルパターンを変化させるために拡散体を並進及び/又は回転により運動させることを含むことができる。
本方法は更に、対物レンズからの反射が検出器アレイに到達することを防ぐために、面外測定の照明経路に偏光ビームスプリッタと、位相差板又は1/4波長板とを使用することを含むことができる。
本方法は更に、干渉計において信号検出のために全視野検出器アレイを使用することを含むことができる。
本方法は更に、複数の記録を行い、各記録が照明光ビームと検出器アレイ画像の強度が異なるレベルで行われることを含むことができる。
本方法は更に、物体表面の全てのポイントまたは大部分のポイントから良好または許容できる信号を取得するために、前述したように異なる強度レベルを有する異なる記録から異なる撮像領域のポイントまたは領域に使用される信号を選択するアルゴリズムを使用することを含むことができる。
本方法は更に、3次元または2次元測定のために時間参照として、同一の変調信号を用いて3又は2の別々の方向での振動測定を遂行することを含むことができる。
本方法は更に、3又は2方向での記録時に、物体に対して一定の振幅と周波数を持つ定常状態の物体励起を使用することを更に含むことができる。
本方法は更に、3次元又は2次元測定に使用される物体周波数と振幅に関して、撮像表面上の全てのポイントに対する完全な3次元又は2次元変位ベクトルを実現するために、3次元又は2次元測定を組み合わせることを含むことができる。
本方法は更に、物体表面変位の完全な3次元又は2次元動画を描画することを含むことができる。
次に添付図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
従来技術に係る面内測定の典型的な構成を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る干渉計の原理図である。 本発明に係るインライン測定の原理図である。 図3のインライン測定を上から投影した図である。 本発明に係る干渉計の光学ヘッドの実際の設計例を示す図である。 本発明に係る面外方向の振動測定の原理図である。 本発明に係る3方向での振動測定の原理図である。 振動をX、Y、Zの3方向で測定し、3次元振動データを組み合わせて物体振動の1つの動画とした、小さい物体の表面振動の一例の描画である。
図1には従来技術による面内測定用の干渉計の典型的な構成が示されている。ここでは感度は観察方向に垂直である。干渉計には、レーザとしての可干渉性光源などの少なくとも1つの照明光源(図示せず)が含まれ、調査対象物体12の両側から同時に2つの照明光ビーム11Aと11Cのそれぞれで物体12を照明するようになっている。このような干渉計では、2つの照明光ビーム11Aと11Cの間の干渉によって干渉と干渉計感度が達成されるので、内部参照ビームは不要である。このような干渉計では、物体12は通常異なる2組の照明光源により別々の方向から照明され、恐らくは2つの照明光源を最初の位置から別の位置に移動させることによって、2つの面内方向の感度を実現する。干渉計には、典型的には顕微鏡用対物レンズである撮像対物レンズ16と、典型的にはCCDアレイである検出器アレイ15と、そして恐らくは物体12で反射した光を検出器アレイ15に合焦させるための第2のレンズ19が更に含まれている。第2のレンズ19なしで、物体像を検出器アレイ15上に直接合焦させるようにレンズ16を配置することもできる。
次に、本発明の第1の実施形態に係る原理図である、図2を参照する。第1の実施形態による干渉計は、上記の図1で説明したものと同じ部品を含んでいる。ただし拡散板14が更に含まれている。これは照明光ビーム11A、11C中のスペックルパターンを変化させるために、並進運動と回転運動のいずれか又は両方で可動となっている。干渉計は更に、少なくとも1つの制御ユニットを含んでいてもよく、これは通常照明光ビーム11Aと11Cの位相変調と位相ステップの一方又は両方を制御するようになっており、物体12の励起のための励起ユニットを制御し、かつ検出器アレイ15からの測定データの収集とデジタル化を制御する。本発明においては、図1で説明した従来技術による方法のように照明光ビーム11Aと11Cを同時に使用することはないことに留意されたい。
次に本発明による面内測定の原理図である図3を参照する。ここでは2つの照明光ビーム11B、11Cが物体12のX方向の測定に使用され、2つの照明光ビーム11A、11Bが物体のY方向の測定に使用され、照明光ビーム11Bは2つの方向に関して共通の照明光ビームとなっている。全ての照明光ビーム11A−Cは測定しようとする物体の全部分を照明するのに充分なだけ広くなければならない。
次に図4は、図3と同様にインライン測定を示しているが、上から投影した図である。X方向の測定では、照明光ビーム11Bと11Cがオンであるが、照明光ビーム11Aはオフとなっている。Y方向の測定では、照明光ビーム11Aと11Bがオンであるが、照明光ビーム11Cはオフとなっている。
図3と図4から分かるように、物体12の1つの側には自由空間があり、それは照明光ビーム11Bの反対側である。したがって、本発明ではユーザの物体12へのアクセスが容易となる。
図5では、本発明に係る干渉計の光学対物ヘッドの実際の設計例を示している。この図は、顕微鏡対物レンズ16が物体12を見下ろし、面内測定用の3つの照明光ビーム11A、11B、11Cが物体12に向かっている。X方向とY方向の測定に共通な、照明光ビーム11Bはここでは後ろ側から来ているビームである。図5では、照明光ビーム11Cが左側、照明光ビーム11Aが右側となっている。
照明光ビーム11A−Cは物体12に対して違う入射角を取ることができるが、最も都合がよいのは照明光ビーム11Aと11Cが、上からの投影図(図4)に示すように互いに対向している場合である。その一方で、照明光ビーム11Bは(図4に示すようにZ軸を観察方向にして見た)上からの投影図では照明光ビーム11Aと11Cに垂直である。異なる照明光ビーム11A−CとXY面との間の入射角は、0度近くから90度近くまでの任意の値を選択することができる。3つの照明光ビーム11A−CとXY面の間に、例えば45度又は30度の、同一角度を選択することが最も都合がよい。
本発明によれば、照明光ビーム11A、11B、11Cはコリメートすることができ、又は物体表面の下又は上の仮想点へ合焦することもでき、あるいは照明光ビーム11A−Cは照明光源内又はその上の(仮想)点から収束していることも可能である。
照明光ビーム11A−Cは、図2の2本の照明光ビーム11Aと11Cに関して示すように、拡散板14を通過することができる。図2に示すように拡散板14が照明に使用されていれば、この拡散板14を並進運動と回転運動のいずれか又はその両方で可動とすることで、光波が拡散板14を通過した場合に光波中のスペックルパターンを変化させることができる。
露光間でスペックルパターンは変化するが、検出器アレイ15上のいくつかの露光を平均化することで、いわゆるスペックル平均化を行うことができる。
Z方向の測定については、物体12がZ方向の1つのビームで照明されることが好ましい。
図6はZ方向、すなわち面外方向の振動測定の原理図を示している。本発明によれば、照明は、典型的には顕微鏡の対物レンズである撮像対物レンズ16を介して照明光ビーム30Aで行われる。照明光は、好ましくは偏光ビームスプリッタである、キューブビームスプリッタ又はプレートビームスプリッタ17で反射される。光は対物レンズ16の方へ反射され、位相差板又は1/4波長板18を通り、レンズ16を通って、物体表面へ到達する。物体表面で反射された光は、対物レンズ16を通って戻り、位相差板又は1/4波長板18を通り、(偏光)ビームスプリッタ17を通って、第2のレンズ19によって検出器アレイ15上に合焦される。別の実施形態では、レンズ16は物体像を検出器アレイ15上に直接結像させるようになっていて、第2のレンズ19を省略することができる。ビームスプリッタ17が偏光ビームスプリッタであれば、図6に示すように、照明光が偏光ビームスプリッタ17に入る前に直線偏光子20を使用することが望ましい。照明光の偏光が位相差板(1/4波長板)18の通過による90度回転を、行きと帰りで2回する図6の構成では、対物レンズ16で反射された光は偏光ビームスプリッタ17で反射されて照明光源方向に戻るので、対物レンズ16からの反射光が検出器アレイ15へ到達することは回避される。
照明光30Aはまた、図6に示すようにビームスプリッタ17に達する前に拡散体14を通ることも可能である。図6に示すように拡散板14が照明に使用されている場合には、この拡散板14を並進運動と回転運動のいずれか又はその両方で運動させて、光波が拡散板14を通過した場合に照明光波中にできるスペックルパターンを変化させることができる。いわゆるスペックル平均化をするために、露光と露光の間でスペックルパターンが変化するいくつかの露光を検出器アレイ15上で平均化することができる。
本発明を調査中の物体12の完全な3次元測定に使用する場合、干渉計の構成を図7のようにすることができる。ここでは、面内測定と面外測定の両方の光学構成が1つの干渉計の中に組み込まれている。図7には3つの面内ビームの内の2つだけが示されている。
調査中の物体12の完全な3次元測定には感度方向の異なる3つの別々の測定が含まれる。感度方向は好ましくは、図3〜5に示すようなX、Y、及びZ方向である。物体12の励起は好ましくは制御ユニット、好ましくは信号発生機を利用して制御される。制御ユニットはまた、完全3次元記録に使用される5つの照明光波の内の少なくとも2つにおいて照明光波の位相を変化させられるように構成されている。この位相変化は、物体12の励起周波数と同じかまたはそれに近い周波数を持つ、動的なものであってもよい。位相変化はまた、いわゆる位相ステップアルゴリズムで使用されるステップに分けて遂行されてもよい。制御ユニットは、動的位相シフトとステップ式位相シフトを同時に提供可能であるべきである。全ての(X、Y、Z方向の)測定に対し、2つの照明光ビーム11A−C、30A−Bが各測定に使用される。動的かつステップ式の位相シフトを、各測定に使用される1つの同一照明光ビーム11A−C、30A−Bに適用するか、あるいは、照明光ビーム11A−C、30A−Bの1つに動的位相シフトを適用して他の照明光ビーム11A−C、30A−Bにステップ式位相シフトを適用するかのいずれかであってよい。
X方向とY方向の面内測定に関しては、X測定とY測定に共通の、図3〜5の照明光ビーム11Bが動的位相シフトに使用されることが好ましい。Z方向の面外測定に関しては、含まれる2つの光ビーム30A−B(図6と7に示される照明光ビーム30Aと参照ビーム30B)のいずれであっても、動的位相シフトとステップ式位相シフトのいずれか又は両方に使用可能である。
時間平均原理によって実行される記録の間、制御ユニットは物体12の励起と、ビーム11A−C、30A−Bの位相シフトを制御する。本発明は、制御ユニットが以下のようなパラメータを制御して変化させる間に、複数の検出器アレイの露出(画像)が取得されるアルゴリズムを利用する。
i)物体の励起と、照明光ビーム11A−C、30A−Bの動的位相変化との間の時間的位相
ii)照明光ビーム11A−C、30A−Bにおける光学的位相の変化
iii)使用される拡散体14の異なる位置によるスペックルパターンの変化
iv)電子シャッタ、カメラゲイン、照明強度、光学絞りなどの調節による露光レベルの変化
制御ユニットによって取得されるデータは、次に物体振動の振幅と位相の計算に利用される。
面内感度に対して傾斜照明をする場合には、物体表面から反射される光のあるものは、拡散反射されることが必要である。そうでなければ、撮像レンズ16方向には光が全く反射されない。撮像レンズ16に向けて光を反射させるためには、物体表面は普通、表面形状にある粗さを持つことが必要である。粗表面を傾斜照明することで、特に照明方向とは異なる方向から観察する場合には、物体表面における強度が不均一になることが多い。これは干渉計測定には問題であって、撮像された物体12のあるポイント又はある領域での光量が多すぎ、一方で他のポイント又は領域での光量が少なすぎて測定品質が高くならない。本発明においては、測定原理が物体12の検出像を異なる強度で複数記録することに基づいており、そこでは制御ユニットは空間選択アルゴリズムを利用して、異なるポイント又は領域に対しては異なる記録からの信号を選択する。これは、撮像表面上のあるポイント又は領域が1つの記録又は露出の結果を利用し、別のポイント又は領域が別の記録又は露出の結果を利用する、ということを意味している。
3つの異なる方向における物体振動の振幅と位相が測定されると、制御ユニットは3つの結果を組み合わせて、測定周波数でのその物体の完全な3次元振動モード又は振動マップを検出することができる。
制御ユニットは、図8に示すようにこれを動画で表示することができる。図8において、完全な3次元の物体運動の6つの描画が、異なる振動位相に対して示されている。制御ユニットはこのような多くの描画を作成することが可能であり、例えば360度の全体の振動周期に関して、12度で区分された30の描画を作成し、3次元物体振動の動画表示をすることができる。
本発明はまた、2次元の振動記録を除き、例えばX方向とY方向の面内振動に対して同様に使用することが可能である。
したがって、制御ユニットは以下の1つ以上に対する手段とソフトウェアのいずれか又は両方を備えている。
−物体表面の全てのポイントまたは大部分のポイントから良好または許容できる信号を取得するために、異なる強度レベルによる異なる記録から、異なる撮像領域のポイントまたは領域に使用される信号を選択すること
−3次元又は2次元測定のために時間参照と同一の変調信号を用いて2又は3の別々の方向での振動測定を遂行すること
−3又は2方向での記録時に、物体に対して一定の振幅と周波数を持つ定常状態の物体励起を利用すること
−3次元又は2次元測定に使用される物体周波数と振幅に関して、撮像表面上の全てのポイントに対する完全な3次元又は2次元変位ベクトルを実現するために、3次元又は2次元測定を組み合わせること
−物体表面変位の完全3次元又は2次元動画を描画すること
−全ての2又は3方向における振幅と位相に関するデータ集合を保存すること

Claims (24)

  1. 干渉計により面内2方向、または面内2方向と面外1方向で物体(12)の振動を測定する方法であって、前記方法が、
    2方向での面内振動測定のために面内の3つの照明光ビーム(11A−C)を使用すること、
    を含み、
    前記面内の3つの照明光ビーム(11A−C)の内の1つは前記2方向での面内振動測定に対して共通であり、
    前記面内の3つの照明光ビーム(11A−C)は前記物体へのアクセスを容易にするために前記物体(12)の一つの側に自由空間を提供するように構成されている、
    ことを特徴とする方法。
  2. 前記物体(12)の、面外方向である第3の方向における振動測定のために面外の2つの照明光ビーム(30A−B)を使用し、ここで前記面外の一方の1つの照明光ビーム(30A)は撮像対物レンズ(16)を介して前記物体(12)を照明し、かつ前記面外の他方の1つの照明光ビーム(30B)は参照ビームとして使用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記物体(12)を一度に1つの周波数で励起し、かつ各方向におけるそれぞれの記録に使用される前記面内の3つの照明光ビーム(11A−C)及び前記面外の2つの照明光ビーム(30A−B)の1つに動的位相変調を与えるために1つ以上の位相変調器を使用することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 前記面内の3つの照明光ビーム(11A−C)の1つが位相変調され、かつこの面内の3つの照明光ビーム(11A−C)は前記2方向での面内振動測定において共通となるように、前記2方向での面内振動測定に対して同一の変調器を使用することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 第3の面外方向の測定に同一又は異なる位相変調器を使用し、前記位相変調器は面外測定に使用される前記面外の2つの照明光ビーム(30A−B)の位相変調器でもあることを特徴とする、請求項〜請求項4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 面内測定に対して前記面内の3つの照明光ビーム(11A−C)に光拡散体(14)を使用し、かつ前記面内の3つの照明光ビーム(11A−C)におけるスペックルパターンを変化させるために前記光拡散体(14)を並進及び/又は回転によって運動させることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 面外測定に対して照明経路に光拡散体(14)を使用し、かつ前記面外の2つの照明光ビーム(30A−B)におけるスペックルパターンを変化させるために前記光拡散体(14)を並進及び/又は回転により運動させることを特徴とする、請求項2〜請求項のいずれか一項に記載の方法。
  8. 対物レンズ(16)からの反射が検出器アレイ(15)に到達することを防ぐために、面外測定に対して照明経路に偏光ビームスプリッタ(17)と、位相差板又は1/4波長板(18)とを使用することを特徴とする、請求項2〜請求項7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記干渉計における信号検出のために全視野検出器アレイを使用することを特徴とする、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 複数の記録を行い、各記録が検出器アレイ(15)の異なる強度レベルで行われることを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 物体表面の全てのポイントまたは大部分のポイントから良好なまたは許容可能な信号を取得するために、異なる強度レベルによる異なる記録から、異なる撮像領域のポイントまたは領域に使用される信号を選択することを特徴とする、請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 3次元または2次元測定のために時間参照として同一の変調信号を用いて2又は3の別々の方向での振動測定を遂行することを特徴とする、請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 3又は2方向での記録時に、前記物体に対して一定の振幅と周波数を持つ定常状態の物体励起を利用することを特徴とする、請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 3次元又は2次元測定に使用される物体周波数と振幅に関して、撮像表面上の全てのポイントに対する3次元又は2次元変位ベクトルを実現するために、前記3次元又は2次元測定を組み合わせることを特徴とする、請求項1〜請求項13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 表面の全ての物体ポイントに対し、また2又は3方向に対して、振幅と位相の値に関する全視野のデータ集合を保存することを特徴とする、請求項1〜請求項14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 物体表面変位の3次元又は2次元動画を描画することを特徴とする、請求項1〜請求項15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 物体(12)の面内2方向、または面内2方向と面外1方向の振動測定用の干渉計であって、前記干渉計は、
    制御ユニットと、
    少なくとも1つの照明光源と、
    検出器アレイ(15)と
    対物レンズ(16)と、
    を備え、
    前記少なくとも1つの照明光源は2方向での面内振動測定用の面内の3つの照明光ビーム(11A−C)を出射し、前記面内の3つの照明光ビーム(11A−C)の内の1つは、前記2方向での面内振動測定に対して共通であることと、
    前記面内の3つの照明光ビーム(11A−C)は、前記物体に容易にアクセスできるために前記物体(12)の1つの側に自由空間を備えるように構成されていること、
    を特徴とする干渉計。
  18. 前記少なくとも1つの照明光源は、前記物体(12)の、面外方向である第3の方向における振動測定のために面外の2つの照明光ビーム(30A−B)を出射するように配置され、ここで前記面外の一方の1つの照明光ビーム(30A)は撮像対物レンズ(16)を介して前記物体(12)を照明し、かつ前記面外の他方の1つの照明光ビーム(30B)は参照ビームとして使用されることを特徴とする、請求項17に記載の干渉計。
  19. 前記制御ユニットは前記物体(12)を一度に1つの周波数で励起するための手段とソフトウェアのいずれか又は両方を備えていることを特徴とする、請求項17又は請求項18に記載の干渉計。
  20. 各方向での各記録に使用する前記面内の3つの照明光ビーム(11A−C)及び面外の2つの証明光ビーム(0A−B)の1つの動的位相変調を行うために、1つ以上の位相変調器を含むことを特徴とする、請求項17〜請求項19のいずれか一項に記載の干渉計。
  21. 面外測定用の前記面内の3つの照明光ビーム(11A−C)と面外の2つの照明光ビーム(30A−B)の少なくとも1つにおけるスペックルパターンを変化させるための可動光拡散体(14)を含むことを特徴とする、請求項17に記載の干渉計。
  22. 前記検出器アレイ(15)は全視野検出器アレイであることを特徴とする、請求項17に記載の干渉計。
  23. 前記制御ユニットは、
    物体表面の全てのポイントまたは大部分のポイントから良好なまたは許容可能な信号を取得するために、異なる強度レベルによる異なる記録から、異なる撮像領域のポイントまたは領域に使用される信号を選択すること、
    3次元または2次元測定のために時間参照と同一の変調信号を用いて2又は3の別々の方向での振動測定を遂行すること、
    3又は2方向での記録時に、前記物体に対して一定の振幅と周波数を持つ定常状態の物体励起を利用すること、
    3次元又は2次元測定に使用される物体周波数と振幅に関して、撮像表面上の全てのポイントに対する3次元又は2次元変位ベクトルを実現するために、前記3次元又は2次元測定を組み合わせること、
    物体表面変位の完全3次元又は2次元動画を描画すること、
    全ての2又は3方向における振幅と位相に関するデータ集合を保存すること、
    の1つ以上のための手段とソフトウェアのいずれかまたは両方を備えていることを特徴とする、請求項17〜請求項22のいずれか一項に記載の干渉計。
  24. 前記干渉計は反射光を前記検出器アレイ(15)に結像させるための第2のレンズ(19)を含むことを特徴とする、請求項17に記載の干渉計。
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